説明

細胞透過型新規蛍光色素

【課題】新規な蛍光色素分子の合成方法、精製方法および、細胞導入型プロープの骨格として応用の提供。
【解決手段】下記式(I)で表される化合物、その誘導体、またはそれらの塩:


(式中、Rは、水素原子、カルボニル、アルキルカルボニル基、またはアルキルエステルであり、Rは、存在しないか、またはアルキル、アルキルフェニル、アルキルカルボニル、もしくはアルキルアミドであり、Rは、水素原子、アルキル、カルボニル、アルキルカルボニル、またはアルキルアミドであり、XおよびXはそれぞれ独立して、アルキル、アリールアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリールアルキル、アリール及びヘテロアリール(それぞれ置換又は無置換)からなる群より選ばれ、nは、0、1、2、または3であり、mは、0、1、または2である)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、細胞透過型新規蛍光色素に関する。特に、マルチカラーイメージングに対応した蛍光プロープに関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術では、蛍光色素の多くがストークスシフトの小さい化合物であるため、マルチカラーイメージングにおいて併用することが困難であったまた、分子設計を少し変えることでその蛍光挙動を制御できる色素骨格は稀であった。
【0003】
7−ヒドロキシキノリン骨格はストークスシフトが大きいためマルチカラーイメージングに適している。また7位の水酸基の構造により蛍光特性が変化するため、リン酸分解酵素活性の基質として細胞外で用いた例は報告されている。(特許文献1)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】ES2246134A1
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】Francisco Caturla et al, New fluorescent probes for testing combinatorial catalysts with phosphodiesterase and esterase activities., Tetrahedron, 2004, Vol. 60, No.8, p.1903-1911
【非特許文献2】In Kyung Rhee et al, Determining Acetylcholinesterase Inhibitory Activity in Plant Extracts Using a Fluorimetric Flow Assay., Phytochem. Anal., 2003, Vol. 14, No. 3, p.145-149
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
7−ヒドロキシキノリン骨格そのものは細胞膜を透過しないため、細胞導入型の蛍光プローブに応用することは困難であった。
【0007】
このような状況下、あらたな骨格の蛍光色素分子を開発し、その合成方法、精製方法も合わせて開発し、細胞導入型プロープの骨格として応用することが求められている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
したがって、本発明は、以下の化合物、その誘導体またはそれらの塩、これらを含む(細胞導入用の)蛍光組成物、これらの化合物等を用いた細胞標識法、これらの化合物等の製造方法を提供する。
[1]下記式(I)で表される化合物、その誘導体、またはそれらの塩:
【化1】



(式中、
は、水素原子、カルボニル基、C1−6アルキルカルボニル基、またはアルキルエステル(リン酸など)であり、
は、存在しないか、またはC1−6アルキル、アルキルフェニル、アルキルカルボニル、もしくはアルキルアミドであり、
は、水素原子、置換基で置換されていてもよいC1−6アルキル、カルボニル、アルキルカルボニル、またはアルキルアミドであり、
およびXはそれぞれ独立して、(C1−3)アルキル、アリール(C1−3)アルキル、(C3−12)シクロアルキル、ヘテロ(C3−12)シクロアルキル、ヘテロアリール(C1−3)アルキル、アリール及びヘテロアリール(それぞれ置換又は無置換)からなる群より選ばれ、
nは、0、1、2、または3であり、
mは、0、1、または2である)。
[2]Rが水素原子またはメチルカルボニル基であり、
が存在しないか、またはメチルであり、
がメチルエチルホルマートであり、
がメチルであり、
nが0であり、
mが1である、上記[1]に記載の化合物、その誘導体、またはそれらの塩。
[3]下記式(II)で表される化合物、その誘導体、またはそれらの塩:
【化2】


(式中、
は、水素原子、カルボニル基、C1−6アルキルカルボニル基、またはアルキルエステル(リン酸など)であり、
は、存在しないか、またはC1−6アルキル、アルキル−フェニル、アルキル−カルボニル、もしくはアルキル−アミドである。)。
[4]エチル2−(7−ヒドロキシ−2−メチルキノリン−4−イル)アセタート(ethyl 2-(7-hydroxy-2-methylquinolin-4-yl)acetate);
エチル2−(7−アセトキシ−2−メチルキノリン−4−イル)アセタート(ethyl 2-(7-acetoxy-2-methylquinolin-4-yl)acetate);
7−アセトキシ−4−(2−エトキシ−2−オキソエチル)−1,2−ジメチルキノリニウム(7-acetoxy-4-(2-ethoxy-2-oxoethyl)-1,2-dimethylquinolinium);
7−ヒドロキシ−4−(2−エトキシ−2−オキソエチル)−1,2−ジメチルキノリニウム(7-hydroxy-4-(2-ethoxy-2-oxoethyl)- 1,2-dimethylquinolinium);
これらの誘導体、またはこれらの塩。
[5]7−アセトキシ−4−(2−エトキシ−2−オキソエチル)−1,2−ジメチルキノリニウム(7-acetoxy-4-(2-ethoxy-2-oxoethyl)-1,2-dimethylquinolinium);
7−ヒドロキシ−4−(2−エトキシ−2−オキソエチル)−1,2−ジメチルキノリニウム(7-hydroxy-4-(2-ethoxy-2-oxoethyl)- 1,2-dimethylquinolinium);
これらの誘導体、またはこれらの塩。
[6]上記[1]〜[5]のいずれかに記載の化合物、その誘導体、またはそれらの塩を含む、蛍光組成物。
[7]下記式(III)で表される化合物、その誘導体、またはそれらの塩を含む、細胞内導入用蛍光組成物:
【化3】



(式中、Rは、水素原子、カルボニル基、C1−6アルキルカルボニル基、またはアルキルエステル(リン酸など))であり、
は、存在しないか、またはC1−6アルキル、アルキルフェニル、アルキルカルボニル、もしくはアルキルアミドである。)。
[8]Rが水素原子またはメチルカルボニル基であり、
が存在しないか、またはメチルである、上記[7]に記載の細胞内導入用蛍光組成物。
[9]7−アセトキシ−1−メチルキノリニウム(7-acetoxy-1-methylquinolinium);
7−ヒドロキシ−1−メチルキノリニウム(7-hydroxy-1-methylquinolinium);
これらの誘導体、およびこれらの塩からなる群から選択される1つ以上の化合物、その誘導体、またはそれらの塩を含む、細胞内導入用蛍光組成物。
[10]細胞の標識もしくはイメージングのため、または細胞内酵素活性の検出プローブとして使用するための、上記[1]〜[5]のいずれかに記載の化合物、その誘導体、もしくはこれらの塩、または上記[6]〜[9]のいずれかに記載の蛍光組成物。
[11]細胞を標識する方法であって、
細胞と、上記[1]〜[5]のいずれかに記載の化合物、その誘導体、もしくはそれらの塩、または上記[6]〜[9]のいずれかに記載の細胞内導入用蛍光組成物とを溶液中で混合し、所定時間インキュベートする工程を含む、方法。
[12]m−アミノフェノールと3−オキソ酪酸エチルエステルとを、BiClの存在下で混合することを含む、エチル2−(7−ヒドロキシ−2−メチルキノリン−4−イル)アセタート(ethyl 2-(7-hydroxy-2-methylquinolin-4-yl)acetate)の合成方法。
【0009】
本発明により、7−ヒドロキシキノリン(本明細書中、「HQ」と略す場合がある。)の新規誘導体が提供される。本発明者らは、本発明の一実施形態として7−ヒドロキシキノリンの2,4位およびNを化学修飾した新規誘導体を合成し、この化合物のヒドロキシル基を任意の構造で保護・脱保護して化学構造を変化させることで、自発的に細胞内に導入され、蛍光のON/OFFがコントロール可能な蛍光プローブが設計できることを見出した。このプローブは、スト−クスシフトが非常に大きく、マルチカラーイメージングに対応しており、また蛍光量子収率も大きいという利点を有する。
【0010】
具体的には、新規誘導体として、例えば、エチル2−(7−ヒドロキシ−2−メチルキノリン−4−イル)アセタート(本明細書中、「meHQ」と略すことがある。)が提供される。通常7-ヒドロキシキノリン(HQ)骨格そのままでは細胞に導入できないが、この新規誘導体のヒドロキシル基をアセチル化して蛍光を発しないように物性を変化させ、またNメチル化することで膜透過性を向上させることにより、細胞膜を透過し細胞内のみで黄色い蛍光を発する色素7−アセトキシ−4−(2−エトキシ−2−オキソエチル)−1,2−ジメチルキノリニウム(本明細書中、「mmeHQ-Ac」と略すことがある。)が得られる。
【発明の効果】
【0011】
本発明により、自発的に細胞内に導入され、蛍光のON/OFFがコントロール可能な蛍光プローブが提供される。
【0012】
本発明により、マルチカラーイメージングに対応した蛍光プローブ開発を、容易な設計・合成により可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一実施形態に係る化合物およびその誘導体を示す図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る誘導体の合成法の一例を示す図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る(A)7−アセトキシ−1−メチルキノリニウム(mHQ-Ac)、および(B)7−アセトキシ−4−(2−エトキシ−2−オキソエチル)−1,2−ジメチルキノリニウム(mmeHQ-Ac)の加水分解前および後の吸収スペクトルおよび蛍光スペクトルを示す図である。mHQ-AcもmmeHQ-Acも加水分解されると、吸収波長が長波長シフトし、無蛍光性であったものが500nm付近を極大波長に有する黄色い蛍光を発するようになる。
【図4】本発明の一実施形態に係る(A)7−アセトキシ−1−メチルキノリニウム、および(B)7−アセトキシ−4−(2−エトキシ−2−オキソエチル)−1,2−ジメチルキノリニウムをそれぞれ細胞に添加したときの蛍光顕微鏡観察結果を示す図である。
【図5】本発明の一実施形態に係る(A)7−アセトキシ−1−メチルキノリニウム、および(B)7−アセトキシ−4−(2−エトキシ−2−オキソエチル)−1,2−ジメチルキノリニウムをそれぞれ細胞に添加したときのフローサイトメトリー結果を示す図である。
【図6】本発明の一実施形態に係る7−アセトキシ−4−(2−エトキシ−2−オキソエチル)−1,2−ジメチルキノリニウムを細胞に添加し、PI染色したときのフローサイトメトリー結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明は、一実施形態において、下記式(I)で表される化合物、その誘導体、またはそれらの塩:
【化4】



(式中、
は、水素原子、カルボニル基、C1−6アルキルカルボニル基、またはアルキルエステルであり、
は、存在しないか、またはC1−6アルキル、アルキルフェニル、アルキルカルボニル、もしくはアルキルアミドであり、
は、水素原子、置換基で置換されていてもよいC1−6アルキル、カルボニル、アルキルカルボニル、またはアルキルアミドであり、
およびXはそれぞれ独立して、C1−3アルキル、アリール(C1−3)アルキル、C3−12シクロアルキル、ヘテロ(C3−12)シクロアルキル、ヘテロアリール(C1−3)アルキル、アリール及びヘテロアリール(それぞれ置換又は無置換)からなる群より選ばれ、
nは、0、1、2、または3であり、
mは、0、1、または2である)を提供する。典型的には、上記化合物は、蛍光色素である。
【0015】
で表されるC1−6アルキルカルボニル基における「C1−6アルキル」としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル等が挙げられる。
【0016】
で表されるアルキルエステルの「アルキル」としては、例えば、C1−6アルキルが挙げられ、C1−6アルキルとしては、例えば、上記のものと同様のものが挙げられる。エステルとしては、リン酸エステルなどが挙げられる。
【0017】
で表されるC1−6アルキルとしては、Rについて上記のC1−6アルキルの例と同様のものが挙げられる。
【0018】
で表されるアルキルフェニル、アルキルカルボニル、およびアルキルアミドのアルキルとしては、例えば、C1−6アルキルが挙げられ、C1−6アルキルとしては、例えば、Rについて上記したものと同様のものが挙げられる。
【0019】
で表される「置換基で置換されていてもよいC1−6アルキル」における、「C1−6アルキル」としては、例えば、Rについて上記したものと同様のものが挙げられる。
【0020】
で表される「置換基で置換されていてもよいC1−6アルキル」における「置換基」としては、例えば、置換基が付加されていてもよいカルボン酸エステル、リン酸エステル、等が含まれる。
【0021】
で表されるアルキルカルボニル、およびアルキルアミドのアルキルとしては、例えば、C1−6アルキルが挙げられ、C1−6アルキルとしては、例えば、Rについて上記したものと同様のものが挙げられる。
【0022】
上記「置換基が付加されていてもよいカルボン酸エステル」における、付加されていてもよい置換基の例としては、水素原子、C1−6アルキル(例:メチル、エチル、プロピル等)、フェニル等が含まれる。
【0023】
またはXで表されるC1−3アルキルとしては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル等が挙げられる。
【0024】
好ましい実施形態では、Rは、水素原子またはメチルカルボニル基であり、Rは存在しないか、またはメチルであり、Rはメチルエチルホルマートであり、Xはメチルであり、nが0であり、mが1である。
【0025】
本発明のさらに好ましい実施形態によれば、下記式(II)で表される化合物、その誘導体、またはそれらの塩:
【化5】


(式中、
は、水素原子、カルボニル基、C1−6アルキルカルボニル基、またはアルキルエステル(例:アルキルリン酸エステル)であり、
は、存在しないか、またはC1−6アルキル、アルキルフェニル、アルキルカルボニル、もしくはアルキルアミドである。)が提供される。
【0026】
好ましい実施形態は、
エチル2−(7−ヒドロキシ−2−メチルキノリン−4−イル)アセタート、
エチル2−(7−アセトキシ−2−メチルキノリン−4−イル)アセタート、
7−アセトキシ−4−(2−エトキシ−2−オキソエチル)−1,2−ジメチルキノリニウム、
7−ヒドロキシ−4−(2−エトキシ−2−オキソエチル)−1,2−ジメチルキノリニウム
これらの誘導体、またはこれらの塩である。
【0027】
さらにより好ましい実施形態は、
7−アセトキシ−4−(2−エトキシ−2−オキソエチル)−1,2−ジメチルキノリニウム、
7−ヒドロキシ−4−(2−エトキシ−2−オキソエチル)−1,2−ジメチルキノリニウム、
これらの誘導体、またはこれらの塩である。
【0028】
最も好ましい実施形態は、7−アセトキシ−4−(2−エトキシ−2−オキソエチル)−1,2−ジメチルキノリニウムである。
【0029】
本発明のさらに別の実施形態によれば、上記化合物、その誘導体、またはそれらの塩を含む、蛍光組成物が提供される。好ましい実施形態では、これらの蛍光組成物は、細胞の標識もしくはイメージングのため、または細胞内酵素活性の検出プローブとして使用される。
【0030】
本発明のさらに別の実施形態によれば、下記式(III)で表される化合物、その誘導体、またはそれらの塩を含む、細胞内導入用蛍光組成物:
【化6】



(式中、Rは、水素原子、カルボニル基、C1−6アルキルカルボニル基、またはアルキルエステル(例:アルキルリン酸エステルなど)であり、
は、存在しないか、またはC1−6アルキル、アルキルフェニル、アルキルカルボニル、もしくはアルキルアミドである。)が提供される。
【0031】
好ましい実施形態では、Rは水素原子またはメチルカルボニル基であり、Rは存在しないか、またはメチルである。
【0032】
より好ましい実施形態では、7−アセトキシ−1−メチルキノリニウム、7−ヒドロキシ−1−メチルキノリニウム、これらの誘導体、およびこれらの塩からなる群から選択される1つ以上の化合物、その誘導体、またはそれらの塩を含む、細胞内導入用の蛍光組成物が提供される。これらの細胞内導入用の蛍光組成物は、好ましくは、細胞の標識もしくはイメージングのため、または細胞内酵素活性の検出プローブとして使用される。
【0033】
本発明の別の実施形態によれば、細胞と、上記化合物、その誘導体もしくはそれらの塩、または上記の細胞内導入用の蛍光組成物とを溶液中で混合し、所定時間インキュベートする工程を含む、細胞標識方法が提供される。
【0034】
さらに別の実施形態によれば、m−アミノフェノールと3−オキソ酪酸エチルエステルとを、BiClの存在下で混合することを含む、エチル2−(7−ヒドロキシ−2−メチルキノリン−4−イル)アセタート(ethyl 2-(7-hydroxy-2-methylquinolin-4-yl)acetate)の合成方法が提供される。
【0035】
本発明の典型的な実施形態では、式(I)、(II)、(III)で表される蛍光色素のRを、水素原子から任意の酵素などによる化学反応により脱保護される置換基(例えば、カルボニル基)へ化学修飾することによって細胞透過性にし、細胞内に導入し、細胞のイメージングに使用する。
【0036】
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。
【実施例】
【0037】
図2に示すように、HQおよびmeHQの各種誘導体を合成した。
[参考例1]
【0038】
キノリン−7−イルアセタート(quinolin-7-yl acetate)(HQ-Ac)の合成
【化7】



7-hydroxyquinoline 200 mg (1.38 mmol), ジクロロメタン60 ml, トリエチルアミン0.4 mlを50 mlナスフラスコに入れ、室温で30分撹拌した。反応溶液を氷浴に移した後、acetylchloride 0.2 ml (2.46 mmol)を滴下し、そのまま7.5時間撹拌した。反応終了後、水を加え、ジクロロメタンで抽出した。油層を水、食塩水で洗い、溶媒を留去した。生成物を酢酸エチルに溶解させ、カラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢エチ=1:1)にて分離精製し、目的物175 mg (収率68%)を得た。
【0039】
H NMR (270 MHz, CDCl3)
8.91 (dd, 4.3, 1.6 Hz, 1H), 8.16-8.13 (m, 1H), 7.83-7.81(m, 2H), 7.40-7.31(m, 2H), 2.38 (s, 3H)
[参考例2]
【0040】
7−アセトキシ−1−メチルキノリニウム(7-acetoxy-1-methylquinolinium)(mHQ-Ac)の合成
【化8】


7HQ-Ac 73 mg (0.39 mmol)のジクロロメタン溶液15 mlを50 mlナスフラスコに入れ、ヨウ化メチル1.5 mlを加え、45℃で24時間撹拌した。沈殿が生成したのを確認して反応を止めた。沈殿を吸引ろ過、ジクロロメタンで洗い、真空乾燥し、目的物を得た。
【0041】
H NMR (270 MHz, CD3OD)
9.38(d, 5.9 Hz, 1H), 9.21(d, 8.1Hz, 1H), 8.48(d, 8.9 Hz, 1H), 8.36(d, 1.6 Hz, 1H), 8.06(dd, 5.9, 8.4 Hz, 1H), 7.89(dd, 8.9, 1.9 Hz, 1H), 4.65(s, 3H), 2.43(s, 3H)
[参考例3]
【0042】
7−ヒドロキシ−1−メチルキノリニウム(7-hydroxy-1-methylquinolinium)(mHQ)の合成
【化9】


7HQ 110 mg (0.76 mmol)とジクロロメタン30 mlを50 mlナスフラスコに入れ、ヨウ化メチル8.5 ml(60 mmol)を加え、35℃で43時間撹拌した。沈殿が生成したのを確認して反応を止め沈殿を吸引ろ過し、粉末を得た。これをカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール= 3:1)にて分離精製し、目的物71 mg (収率33%)を得た。
【0043】
H NMR (270 MHz, CD3OD)
8.54(d, 6.2 Hz, 1H), 8.47(d, 7.8 Hz, 1H), 7.85(d, 9.2 Hz, 1H), 7.22-7.11(m, 2H), 6.78(s, 1H), 4.17(s, 1H)
【実施例1】
【0044】
エチル2−(7−ヒドロキシ−2−メチルキノリン−4−イル)アセタート(ethyl 2-(7-hydroxy-2-methylquinolin-4-yl)acetate)(meHQ)の合成
【化10】

【0045】
m−アミノフェノール(550mg,5mmol)およびBiClの混合物を、3−オキソ酪酸エチルエステル(79mg,0.25mmol)中、75℃で1時間攪拌した。反応混合物を、クロロホルムで抽出し、水で洗浄した。有機層を回収し、MgSOで乾燥した。溶媒を蒸発させ得た後、残渣をフラッシュクロマトグラフィーで精製し(SiO,ヘキサン−AcOEt 1:1)、エチル2−(7−ヒドロキシ−2−メチルキノリン−4−イル)アセタート(meHQ)194mgを11%の収率で得た。
【0046】
1H NMR (270 MHz, CDCl3): δ 7.50 (d, J = 8.9 Hz, 1H), 7.15 (d,J = 2.4 Hz, 1H), 6.99 (s, 1H), 6.57 (dd, J = 8.9, 2.2 Hz,1H), 4.25 (q, J= 7.0 Hz, 2H), 3.97 (s, 2H), 2.60 (s, 3H), 1.31 (t, J = 7.0 Hz, 3H); 13C NMR (67.5 MHz, CD3Cl): δ 170.2, 159.6, 157.7, 148.0, 140.9, 124.2, 120.1, 119.5, 119.0, 108.1, 61.6, 38.5, 28.3, 14.4. MS calcd for C14H15NO3 245.1; (ESI)m/z found 246.4(M+H)+. Anal. Calcd for C14H15NO3 : C, 68.56; H, 6.16; N; 5.71. Found: C, 68.48; H, 6.22; N, 5.55. mp 205.
【実施例2】
【0047】
エチル2−(7−アセトキシ−2−メチルキノリン−4−イル)アセタート(ethyl 2-(7-acetoxy-2-methylquinolin-4-yl)acetate)(meHQ-Ac)の合成
【化11】

【0048】
トリエチルアミン(0.27ml,1.95mmol)を、meHQ(200mg,0.79mmol)のジクロロメタン溶液(200ml)に添加し、20分間室温で攪拌した。次いで、この混合物に塩化アセチル(0.11ml,1.56mmol)を0℃で滴下して加え、2時間攪拌した。水を加えて反応を止め、ジクロロメタンで抽出した。有機層を水およびブラインで洗浄した。溶媒を蒸発させた後、残渣をフラッシュクロマトグラフィー(SiO,ヘキサン−AcOEt 1:1)で精製し、207mgのmeHQ-Acを92%の収率で得た。
【0049】
1H NMR (270 MHz, CDCl3): δ; 7.95(d, J = 8.9 Hz, 1H), 7.74(d, J = 2.4 Hz, 1H), 7.29 (dd, J = 8.9, 2.4 Hz, 1H), 7.21(s, 1H), 4.16(q, J = 7.0Hz, 2H), 3.99(s, 2H), 2.71 (s, 3H), 2.36 (s, 3H), 1.23 (t, J = 7.0 Hz, 3H); 13C NMR (67.5 MHz, CD3Cl): δ. 169.7, 168.9, 159.4, 151.0, 148.6, 139.8, 124.4, 123.4, 123.1, 121.0, 120.1, 61.3, 38.4, 25.2, 21.2, 14.1. Anal. Calcd for C16H17NO4 : C, 66.89; H, 5.96; N; 4.88. Found: C, 66.71; H, 6.05; N; 4.76.
【実施例3】
【0050】
7−アセトキシ−4−(2−エトキシ−2−オキソエチル)−1,2−ジメチルキノリニウム(mmeHQ-Ac)の合成
【化12】

【0051】
meHQ-Ac(100mg,0.34mmol)とヨウ化メチル(0.5ml,8.03mmol)との混合物を、密封したチューブ内で70〜80℃で1時間加熱した。生成された沈殿をろ過によって回収し、冷AcOEtで十分に洗浄した。粗生成物をエタノール/ジエチルエステルからの再結晶化により精製し、41mgのmmeHQ-Acを28%の収率で得た。
【0052】
1H NMR (270 MHz, CDCl3): δ; 8.28(d, J = 9.2 Hz, 1H), 8.28(s, 1H), 7.99(s, 1H), 7.71(d, J = 9.2 Hz, 1H), 4.61(s, 3H), 4.31(s, 2H), 4.20(q, J = 7.0Hz, 2H), 3.31(s, 3H), 2.45(s, 3H), 1.28(t, J= 7.0 Hz, 3H); 13C NMR (CD3OD, 67.5 MHz): δ. 168.3, 167.9, 160.5, 155.5, 150.9, 140.7, 128.2, 127.1, 125.5, 124.9, 111.9, 62.4, 42.3, 39.1, 25.5, 21.6, 14.3. Anal. Calcd for C17H20NO4+I- : C, 47.57; H, 4.70; N; 3.26. Found: C, 47.43; H, 4.60; N; 3.10
【実施例4】
【0053】
7−ヒドロキシ−4−(2−エトキシ−2−オキソエチル)−1,2−ジメチルキノリニウム(mmeHQ)の合成
【化13】


meHQ(100mg、0.41mmol)とヨウ化メチル(0.5ml,8.03mmol)との混合物を、ジクロロメタン(2ml)中、密封したチューブ中で60℃で19時間加熱した。精製された沈殿をろ過により回収した。粗生成物をジクロロメタンからの再結晶化により精製し、64gのmmeHQを40%の収率で得た。
【0054】
1H NMR (270 MHz, CD3OD): δ; 8.29(d, J = 9.2 Hz, 1H), 7.70(s, 1H), 7.57(d, J = 2.2Hz, 1H), 7.48(dd, J = 9.2, 2.2 Hz, 1H), 4.32(s, 3H), 4.19(q, J = 7.0 Hz, 2H), 3.02(s, 3H), 1.25(t, J= 7.0 Hz, 3H); 13C NMR (CD3OD, 67.5 MHz): δ. 170.1, 165.3, 159.6, 152.2, 143.8, 130.1, 124.2, 123.3, 122.0, 102.5, 62.9, 40.0, 30.8, 23.3, 14.5. Anal. Calcd for C15H18NO3+I- : C, 46.53; H, 4.69; N; 3.62. Found: C, 46.22; H, 4.72; N; 3.35
【実施例5】
【0055】
mHQ-Ac、mmeHQ-Ac、およびこれらの加水分解産物の吸収・蛍光特性の測定
測定は全て1%DMSO水溶液中、空気下で行った。測定には下記の機器を用いた。
1)吸収スペクトルの測定には、島津UV-1600型可視紫外分光光度計を用いた。
2)蛍光スペクトルおよび蛍光励起スペクトルの測定には、日立F-4500型蛍光光度計を用いた。
3)蛍光量子収率の測定には、光源に日立F-4500型蛍光光度計を用い、標準サンプルにはアントラセンのエタノール溶液を使用し、アントラセンの蛍光量子収率(Φ=0.27)と比較する相対法により算出した。
【0056】
(結果)
図3AおよびBは、測定したmeHQ-AcおよびmmeHQ-Acの加水分解前後の吸収・蛍光特性を示す。図3Aに示すように、mHQ-Acが加水分解されてmHQになると、吸収スペクトルのピークが318nmから405nmへシフトするとともに、517nm付近に蛍光ピークが現れた。
さらに図3Bに示すように、mmeHQ-Acが加水分解されて、mmeHQになると、吸収スペクトルのピークが324nmから405nmにシフトし、503nm付近に蛍光ピークが現れた。
【実施例6】
【0057】
細胞内へのmHQ-AcおよびmmeHQ-Acの導入
(手順)
10%仔牛血清を含むMEM培地にて、5%CO2下37度で培養しているヒト上皮系のHEp-2細胞に、DMSOに1mMになるように溶解させたmHQ-AcおよびmmeHQ-Ac を、終濃度10μMになるように添加した。その後、オリンパスIX70蛍光顕微鏡を用いて、励起フィルター 460-490nm、吸収フィルター 500nmリングパスフィルターの条件下で連続撮影を行った。50分経過後、MEM培地にて細胞を2回洗浄した後ふたたびMEM培地を加えて、同条件にて蛍光撮影を行った。
【0058】
(結果)
図4左に示すように、meHQ-Acを添加後細胞内外にあまり変化が見られず、50分後に細胞外液を緩衝溶液で洗うと、細胞内が光っていた。
他方、図4右に示すように、mmeHQ-Acを添加すると直後から細胞内が明るく光っている様子が観測された。なお、図4の最下段は倍率を上げて、色素の局在を見た写真である。
meHQ-Acは核膜・小胞体・核小体などに色素が局在したのに対し、mmeHQ-Acは細胞内全体に分布していた。
【実施例7】
【0059】
meHQ-AcとmmeHQ-Acを細胞に添加したときのフローサイトメトリー
(手順)
10%仔牛血清を含むMEM培地にて、5%CO2下37度で培養しているヒト上皮系のHEp-2細胞に、DMSOに1mMになるように溶解させたmHQ、mHQ-AcおよびmmeHQ-Ac を、終濃度30μMになるように添加した。2時間後に細胞をトリプシン処理によって浮遊させ、フローサイトメーターFlicyme(三井造船)によって解析した。
【0060】
(結果)
図5上欄に示すように、mHQ-Acは細胞の60%、mmeHQ-Acは細胞の75%を染色していた。図5下欄に示したように、色素を添加していない細胞やその他の誘導体を添加した細胞においては染色が見られなかった。
【実施例8】
【0061】
mmeHQ-Acを細胞に添加し、PI染色したときのフローサイトメトリー
(手順)
10%仔牛血清を含むMEM培地にて、5%CO2下37度で培養しているヒト上皮系のHEp-2細胞に、DMSOに1mMになるように溶解させたmmeHQ-Ac を、終濃度10μMになるように添加した。12時間後に細胞をトリプシン処理によって浮遊させ、終濃度20μg/mLになるようにPIを添加し、フローサイトメーターFACSCalibur(BD)によって解析した。死細胞との比較として、70%エタノール中にて浮遊細胞を固定した後に、PIを添加した解析も行った。
【0062】
(結果)
図6に示すように、mmeHQ-Ac処理によって死細胞に見られるようなFSC/SSCのパターンに大きな変化は見られないことから、細胞の形状も生細胞と変化していないことが示された。また死細胞では90%以上の細胞がPIによって染色されるのに対して、mmeHQ-Ac処理した細胞ではほとんどの細胞がPIによって染色されなかったことから、mmeHQ-Acは細胞毒性が低いことが示された。また、同様の実験によりすべてのHQおよびmeHQ誘導体は同条件下で毒性がないことが示された。
【0063】
(まとめ)
本発明の代表的実施形態としての色素mmeHQ-Acは、特に以下の4つの点で蛍光色素として優れている。
1)吸収、蛍光特性
そのままの構造では吸収帯が紫外光にあり無蛍光性であるのに対し、加水分解された構造(7−ヒドロキシ−4−(2−エトキシ−2−オキソエチル)−1,2−ジメチルキノリニウム(本明細書中、「mmeHQ」と略すことがある。))では400 nm付近に吸収帯があり黄色い蛍光を発する。また、蛍光量子収率を比較すると、meHQ骨格色素の方が、HQ色素よりも明るい色素であり、プローブにより適している。
2)蛍光のON/OFFスイッチング
mmeHQ-Acの10μM溶液に細胞を接触させると、添加直後から細胞内のみが明るく蛍光を発した。(mHQ-Acの場合、この濃度においては細胞内外の明るさの違いがはっきりしなかった。その他の誘導体では、ほとんど蛍光が観測されなかった。)
色素の細胞内での局在は、mmeHQ-Acでは細胞全体に分布していた。(mHQ-Acでは細胞の一部の組織に局在化がみられた。)
3)細胞膜透過性
mmeHQ-Acの30μM溶液を2時間細胞に添加すると、75%の細胞が染色された。(mHQ-Acでは60%の細胞が染色された。mHQでは30%の細胞が染色された。その他の誘導体は全く染色されなかった。)
4)細胞毒性
mmeHQ-Acの10μM溶液を12時間細胞に添加した場合、その細胞はPI染色されず、また細胞の形状も生細胞と同様であり、この条件では細胞毒性がないことが示された。(その他のすべての誘導体でも同様の条件で細胞毒性がないことが示された。)
【産業上の利用可能性】
【0064】
405nmレーザー励起に対応した蛍光色素、タンパク質のラベル色素、特定の生理活性物質の活性を検知する蛍光プローブ等として有用である。
本発明のプローブは任意の細胞内酵素活性の検出プローブとしての応用が可能であり、またストークスシフトが大きいためマルチカラーイメージングに有用である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式(I)で表される化合物、その誘導体、またはそれらの塩:
【化14】



(式中、
は、水素原子、カルボニル基、C1−6アルキルカルボニル基、またはアルキルエステルであり、
は、存在しないか、またはC1−6アルキル、アルキルフェニル、アルキルカリボニル、もしくはアルキルアミドであり、
は、水素原子、置換基で置換されていてもよいC1−6アルキル、カルボニル、アルキルカルボニル、またはアルキルアミドであり、
およびXはそれぞれ独立して、(C1−3)アルキル、アリール(C1−3)アルキル、(C3−12)シクロアルキル、ヘテロ(C3−12)シクロアルキル、ヘテロアリール(C1−3)アルキル、アリール及びヘテロアリール(それぞれ置換又は無置換)からなる群より選ばれ、
nは、0、1、2、または3であり、
mは、0、1、または2である)。
【請求項2】
が水素原子またはメチルカルボニル基であり、
が存在しないか、またはメチルであり、
がメチルエチルホルマートであり、
がメチルであり、
nが0であり、
mが1である、請求項1に記載の化合物、その誘導体、またはそれらの塩。
【請求項3】
下記式(II)で表される化合物、その誘導体、またはそれらの塩:
【化15】


(式中、
は、水素原子、カルボニル基、C1−6アルキルカルボニル基、またはアルキルエステルであり、
は、存在しないか、またはC1−6アルキル、アルキルフェニル、アルキルカルボニル、もしくはアルキルアミドである。)。
【請求項4】
エチル2−(7−ヒドロキシ−2−メチルキノリン−4−イル)アセタート;
エチル2−(7−アセトキシ−2−メチルキノリン−4−イル)アセタート;
7−アセトキシ−4−(2−エトキシ−2−オキソエチル)−1,2−ジメチルキノリニウム;
7−ヒドロキシ−4−(2−エトキシ−2−オキソエチル)−1,2−ジメチルキノリニウム;
これらの誘導体、またはこれらの塩。
【請求項5】
7−アセトキシ−4−(2−エトキシ−2−オキソエチル)−1,2−ジメチルキノリニウム;
7−ヒドロキシ−4−(2−エトキシ−2−オキソエチル)−1,2−ジメチルキノリニウム;
これらの誘導体、またはこれらの塩。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかに記載の化合物、その誘導体、またはそれらの塩を含む、蛍光組成物。
【請求項7】
下記式(III)で表される化合物、その誘導体、またはそれらの塩を含む、細胞内導入用蛍光組成物:
【化16】



(式中、Rは、水素原子、カルボニル基、C1−6アルキルカルボニル基、またはアルキルエステルであり、
は、存在しないか、またはC1−6アルキル、アルキルフェニル、アルキルカルボニル、もしくはアルキルアミドである。)。
【請求項8】
が水素原子またはメチルカルボニル基であり、
が存在しないか、またはメチルである、請求項7に記載の細胞内導入用蛍光組成物。
【請求項9】
7−アセトキシ−1−メチルキノリニウム;
7−ヒドロキシ−1−メチルキノリニウム;
これらの誘導体、およびこれらの塩からなる群から選択される1つ以上の化合物、その誘導体、またはそれらの塩を含む、細胞内導入用蛍光組成物。
【請求項10】
細胞の標識もしくはイメージングのため、または細胞内酵素活性の検出プローブとして使用するための、請求項1〜5のいずれかに記載の化合物、その誘導体、もしくはそれらの塩、または請求項6〜9のいずれかに記載の蛍光組成物。
【請求項11】
細胞を標識する方法であって、
細胞と、請求項1〜5のいずれかに記載の化合物、その誘導体、もしくはそれらの塩、または請求項6〜9のいずれかに記載の細胞内導入用蛍光組成物とを溶液中で混合し、所定時間インキュベートする工程を含む、方法。
【請求項12】
m−アミノフェノールと3−オキソ酪酸エチルエステルとを、BiClの存在下で混合することを含む、エチル2−(7−ヒドロキシ−2−メチルキノリン−4−イル)アセタートの合成方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−209024(P2010−209024A)
【公開日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−58645(P2009−58645)
【出願日】平成21年3月11日(2009.3.11)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り BMB2008(第31回日本分子生物学会年会・第81回日本生化学会大会 合同大会)講演要旨集
【出願人】(504171134)国立大学法人 筑波大学 (510)
【Fターム(参考)】