説明

細長平板状器具の固着物除去装置及びそれを用いた固着物除去方法

【課題】細長平板状器具に固着した固着物を容易に除去することができるようにする。
【解決手段】細長平板状器具の固着物除去装置10は、多数のワイヤー先端が露出して外周面が構成されたブラシ部14を有するワイヤーブラシ11と、ワイヤーブラシ11を、ブラシ部14が周方向に回転するように回転駆動する回転駆動部12と、ブラシ部14の外周面から所定間隔をおいた外側に、刃先がブラシ部14の外周面側を向くと共に刃先の延びる方向がブラシ部14の外周面の接線方向に対して角度をなすように設けられた固定刃32と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、歯科医療器具等の細長平板状器具の固着物除去装置及びそれを用いた固着物除去方法に関する。
【背景技術】
【0002】
歯科医療では、虫歯を削った後にインレーを装着する場合、その接着剤としてセメントが用いられる。このセメントは、治療の直前に金属へら状の歯科医療器具を用いて練り合わされて調整される。ところが、セメントは速硬性を有することから、セメントの調整に用いた歯科医療器具にはセメントの硬化物が強固に固着することとなる。
【0003】
固着物を除去する方法として、例えば、特許文献1には、板状の溶断品の両面に固着したスパッタ、ノロ等の固着物を除去する装置であって、溶断品をその板面に平行に強制的に搬送する搬送手段と、溶断品が搬送される搬送路を挟んで溶断品の板面両側に摺動する位置に配設された回転駆動されるスパイラルカッタ及び回転駆動される円筒状ワイヤブラシとを備えたものが開示されている。
【0004】
特許文献2には、テープ支持枠表面に貼着されたUVテープを剥離した際に残留したUVテープの粘着剤等からなる付着凸起を、ホットナイフ等の加熱手段で加熱分解させ、その後、温水中等でブラシ洗浄することが開示されている。
【0005】
特許文献3には、刃物の刃角が50〜70°、仰角が10〜20°、逃げ角が10〜20°の範囲であり、刃物の刃先部分がR3〜20μmの丸味処理されている、もしくは幅5〜30μmの鈍化処理されているスクラッチカード剥離装置が開示されている。
【特許文献1】特開昭63−39747号公報
【特許文献2】特開平9−186114号公報
【特許文献3】特開2006−1158号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、細長平板状器具に固着した固着物を容易に除去することができるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成する本発明に係る細長平板状器具の固着物除去装置は、
多数のワイヤー先端が露出した外周面が構成されたブラシ部を有するワイヤーブラシと
上記ワイヤーブラシを、上記ブラシ部が周方向に回転するように回転駆動する回転駆動部と、
上記ブラシ部の外周面から所定間隔をおいた外側に、刃先が該ブラシ部の外周面側を向くと共に刃先の延びる方向が該ブラシ部の外周面の接線方向に対して角度をなすように設けられた固定刃と、
を備えたことを特徴とする。
【0008】
上記の構成によれば、両面に固着物が固着した細長平板状器具の一方の面を回転するワイヤーブラシのブラシ部の外周面に当接させると共に、他方の面を一方の面のワイヤーブラシへの当接部を支点として固定刃に押し付けるように当接させ、そして、細長平板状器具を、その状態で長さ方向に変位させるといった簡単な操作によって、細長平板状器具の両面に固着した固着物をワイヤーブラシ及び固定刃で容易に掻き取って除去することができる。
【0009】
本発明は、上記ワイヤーブラシが、回転軸方向が水平方向となるように設けられていると共に、上記固定刃が、上記ブラシ部の上側に設けられているものであってもよい。
【0010】
本発明は、上記固定刃が、その刃先の延びる方向が上記ブラシ部の外周面の接線方向に対して垂直な方向となるように設けられているものであってもよい。
【0011】
本発明は、上記固定刃が、上記ワイヤーブラシの最上部に対応する位置から前後方向にずれ且つ刃先が該ワイヤーブラシの最上部以上の位置に位置付けられて設けられているものであってもよい。
【0012】
以上のような構成によれば、細長平板状器具の固着物の除去作業の作業性が非常に良好となる。
【0013】
本発明は、上記ワイヤーブラシの少なくとも下半分を収容するように設けられたダストボックスをさらに備えたものであってもよい。
【0014】
上記の構成によれば、ワイヤーブラシや固定刃で除去された固着物をダストボックスに集めることができる。
【0015】
本発明は、細長いブラシ露出開口部が形成され、該ブラシ露出開口部から上記ブラシ部の少なくとも器具当接部分が露出すると共に上記ダストボックスの開口を封じるように設けられた天板をさらに備えたものであってもよい。
【0016】
上記の構成によれば、ダストボックスから集められた固着物が周辺に散乱するのを防止することができると共に、回転するブラシ部の必要最小限を外部に露出させることにより作業安全を図ることができる。
【0017】
本発明に係る細長平板状器具の固着物除去方法は、
両面に固着物が固着した細長平板状器具の一方の面を、回転するワイヤーブラシのブラシ部の多数のワイヤー先端が露出した外周面に当接させると共に、
上記細長平板状器具の他方の面を、上記一方の面の上記ワイヤーブラシへの当接部を支点として、上記ブラシ部の外周面から所定間隔をおいた外側に、刃先が該ブラシ部の外周面側を向くと共に刃先の延びる方向が該ブラシ部の外周面の接線方向に対して角度をなすように設けられた固定刃に押し付けるように当接させ、
上記細長平板状器具を、上記一方の面を上記ワイヤーブラシに及び上記他方の面を上記固定刃にそれぞれ当接させた状態で、その長さ方向に変位させることを特徴とする。
【0018】
この場合、上記細長平板状器具を、上記ワイヤーブラシと上記固定刃との間に、上記ブラシ部の回転方向に沿うように差し入れた後、上記一方の面を該ワイヤーブラシに及び上記他方の面を該固定刃にそれぞれ当接させた状態で、手前側に引き抜くようにしてもよい。
【0019】
本発明における細長平板状器具は、特に限定されるものではないが、典型的には歯科医療器具が挙げられ、その場合、固着物として歯科医療用のセメントが挙げられる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、簡単な操作によって、細長平板状器具の両面に固着した固着物をワイヤーブラシ及び固定刃で容易に掻き取って除去することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0022】
(固着物除去装置)
図1及び2は、本発明の実施形態に係る固着物除去装置10を示す。なお、図の手前側及び奥側をそれぞれ固着物除去装置10の前側及び後側とする。
【0023】
この固着物除去装置10は、歯科医療用のセメントを調整するときに用いられる金属製の歯科医療器具(細長平板状器具)に固着したセメント(固着物)を除去するのに使用されるものである。
【0024】
この固着物除去装置10は、ワイヤーブラシ11とそれを回転駆動する回転駆動部12とを備えている。
【0025】
ワイヤーブラシ11は、中心部の軸取付部13と外周部のブラシ部14とを有する。
【0026】
軸取付部13は、円盤状のブラシ基部13aとその一方側に同軸で突出して一体に設けられた軸挿通部13bとで構成されている。
【0027】
ブラシ部14は、各々、ブラシ基部13aに設けられた多数のワイヤーによりドーナツ盤状に形成され、外周面にそれらの多数のワイヤー先端が露出した構成となっている。ブラシ部14は、例えば、外径が30〜70mm、厚さが5〜20mmに形成されている。各ワイヤーは、材質が例えば黄銅線、鋼線、樹脂線等で、太さが例えば0.1〜0.5mmに形成されている。
【0028】
回転駆動部12は、電動機15とそれに取り付けられたギヤーボックス16とで構成されている。
【0029】
電動機15は、円筒状の本体の中心軸位置から一方側に駆動軸が突出した構成となっている。電動機15は、図示しない制御部に接続されている。電動機15の最大出力は例えば10〜30Wである。
【0030】
ギヤーボックス16は、薄厚の直方体ボックス状の外形を有し、電動機15の駆動軸突出側に設けられていると共に、一方側の面から電動機15の駆動軸が差し入れられている。ギヤーボックス16は、内部にギヤーによる変速機構を備えており、電動機15の駆動軸の回転を減速して出力する出力軸17が他方側の面の上部から突出して設けられている。ギヤーボックス16は、他方側の面の上部の両側のそれぞれに天板止めネジ18が突出して設けられている。ギヤーボックス16の変速比は例えば2:1〜5:1である。
【0031】
ワイヤーブラシ11は、軸取付部13の軸挿通部13bに、ギヤーボックス16の出力軸17を挿通して固定することにより回転駆動部12に取り付けられている。ワイヤーブラシ11は、その上部が前側から後側に向かって回転するように構成されている。これらのワイヤーブラシ11及び回転駆動部12は、回転軸方向が水平方向となるように設けられ、作業台等の上に載置可能に構成されている。
【0032】
この固着物除去装置10は、上方に開口したダストボックス19とその開口を封じるように設けられた天板20とを備えている。
【0033】
ダストボックス19は、金属やプラスチック等により直方体ボックス状に形成されている。ダストボックス19は、一方の横側の側面部にU字欠損部21が形成され、そのU字欠損部21に軸挿通部13bが位置付けられてワイヤーブラシ11が設けられている。ダストボックス19は、ワイヤーブラシ11の下半分以上が収容されると共にその残部分が開口から上方に突出するように形成されている。ダストボックス19は、前側及び後側の側面部のそれぞれの上部の他方の横側の側面部側にDB止めタップ22が形成されている。
【0034】
天板20は、ダストボックス19の開口部よりもやや大きい矩形の天板本体23を有すると共に、その回転駆動部12側の側端、並びに、前側及び後側の側端に連続して垂下した細幅の垂下側面部24を有する。天板20は、回転駆動部12側の側端に対応した垂下側面部24の両側のそれぞれに天板止め穴25が形成されている。天板20は、その天板止め穴25にギヤーボックス16の天板止めネジ18が締め込まれて回転駆動部12に取り付けられている。また、天板20は、前側及び後側の側端のそれぞれに対応した垂下側面部24にダストボックス19のDB止めタップ22と重なるようにDB止め穴26が形成されている。天板20は、そのDB止めタップ22及びダストボックス19のDB止め穴26の両方にDB止めネジ27が締め込まれてダストボックス19に取り付けられている。
【0035】
天板本体23には、ワイヤーブラシ11の位置に対応して前後方向に延びる細長いブラシ露出開口部28が形成されている。ブラシ露出開口部28からはワイヤーブラシ11のブラシ部14の弓形状の部分が突出して露出している。
【0036】
天板本体23には、ブラシ露出開口部28の後端部分を跨ぐように固定刃ホルダー29が設けられている。天板本体23のブラシ露出開口部28の後端部分における回転駆動部12側の側方には一対のネジ挿通穴30が形成されている。また、固定刃ホルダー29の底にはそれに対応するように一対のホルダー止めネジ穴が形成されている。固定刃ホルダー29は、天板本体23の裏側からネジ挿通孔に通されたホルダー止めネジ31がホルダー止めネジ穴に締め込まれて天板本体23に取り付けられている。
【0037】
図3(a)及び(b)は固定刃ホルダー29及び固定刃32を示す。
【0038】
固定刃ホルダー29は、ブラシ露出開口部28を跨いだ部分に下向きにコの字状に開口したコの字欠損部33が形成されている。固定刃ホルダー29の前側の面には、コの字欠損部33の周縁に沿って固定刃嵌込溝34が形成されていると共に、コの字欠損部33の両側に刃固定用ネジ穴35が設けられている。固定刃32は、刃先の傾斜面がワイヤーブラシ11側になるように固定刃嵌込溝34に嵌め込まれると共に、刃固定用ネジ穴35に締め込まれた固定ネジ36のネジ頭との間に挟まれて固定刃ホルダー29に取り付けられている。これにより、固定刃32は、その刃先の延びる方向がブラシ部14の外周面の接線方向に対して垂直な方向となるように設けられていると共に、ワイヤーブラシ11の上側であって、ワイヤーブラシ11の最上部に対応する位置から前後方向にずれ、しかも、刃先がワイヤーブラシ11の最上部以上の位置に位置付けられて設けられた構成となっている。このような構成によれば、後述の歯科医療器具のセメントの除去作業の作業性が良好となる。固定刃32のワイヤーブラシ11の最上部に対応する位置からの前後方向のずれ量は例えば5〜20mmである。また、固定刃32とワイヤーブラシ11の外周面までのクリアランスは例えば1〜5mmである。
【0039】
本実施形態では、電動機15の減速をギヤーボックス16によって行う構成としたが、特にこれに限定されるものではなく、図4(a)〜(c)に示すようなベルト式変速機37による構成であってもよい。このベルト式変速機37は、駆動軸15aを突出させて取付フレーム38に電動機15を取り付けると共に駆動軸15aに小プーリ39を挿通固定し、大プーリ40を挿通固定した出力軸17を軸受部41を介して取付フレーム38に回転自在に取り付け、小プーリ39と大プーリ40との間にベルト42を巻き掛けた構成のものである。
【0040】
また、本実施形態では、ギヤーボックス16によって電動機15の減速を行う構成としたが、特にこれに限定されるものではなく、電動機15でワイヤーブラシ11をダイレクトドライブするものであってもよい。
【0041】
また、本実施形態では、回転軸方向が水平方向となるようにワイヤーブラシ11が設けられた構成としたが、特にこれに限定されるものではなく、回転軸方向が上下方向となるようにワイヤーブラシ11が設けられた構成であってもよい。
【0042】
また、本実施形態では 固定刃32がブラシ部14の上側に設けられた構成としたが、特にこれに限定されるものではなく、下側や前側や後側に設けられた構成であってもよい。
【0043】
また、本実施形態では、刃先の延びる方向がブラシ部14の外周面の接線方向に対して垂直な方向となるように固定刃32が設けられた構成としたが、特にこれに限定されるものではなく、刃先の延びる方向がブラシ部14の外周面の接線方向に対して傾斜した方向となるように固定刃32が設けられた構成であってもよい。
【0044】
また、本実施形態では、固定刃32がワイヤーブラシ11の最上部に対応する位置から前後方向にずれた構成としたが、特にこれに限定されるものではなく、固定刃32がワイヤーブラシ11の最上部に対応する位置に設けられた構成であってもよい。
【0045】
また、本実施形態では、ドーナツ盤状のブラシ部14としたが、特にこれに限定されるものではなく、円筒ドラム状のものであってもよい。
【0046】
(固着物除去方法)
次に、この固着物除去装置10を用いた歯科医療器具に固着したセメントの除去方法について説明する。
【0047】
虫歯を削った後にインレーを装着する場合等には、接着剤として用いるセメントを治療の直前に金属製のへら状の歯科医療器具を用いて練り合わせる。このセメントは速硬性を有するため、歯科医療器具にはセメントの硬化物が強固に固着することとなる。なお、セメントとしては、例えば樹脂系セメントやりん酸亜鉛セメント等が挙げられる。
【0048】
まず、制御部のスイッチをオンにして電動機15を稼働させることにより駆動軸を回転させる。このとき、駆動軸の回転はギヤーボックス16で減速されて出力軸17の回転として出力される。そして、ワイヤーブラシ11は、ブラシ露出開口部28から突出した部分が前側から後側に向かって回転する。ワイヤーブラシ11の回転数は例えば200〜1500rpmである。
【0049】
そして、図5に示すように、セメントが付着した歯科医療器具を、固定刃32とワイヤーブラシ11との間に差し入れた後、歯科医療器具の下側の面を、回転するワイヤーブラシ11のブラシ部14の多数のワイヤー先端が露出した外周面に当接させると共に、上側の面を、下側の面のワイヤーブラシ11への当接部を支点として固定刃32に押し付けるように当接させ、下側をワイヤーブラシ11に及び上側の面を固定刃32にそれぞれ当接させた状態で、手前側に引き抜く。このとき、歯科医療器具の下側の面に固着したセメントがワイヤーによって掻き取られ、上側の面に固着したセメントは固定刃32で掻き取られることとなる。また、ダストボックス19が設けられているので、掻き取られたセメントはワイヤーブラシ11に付着して運ばれて、また、固定刃32から落ちてブラシ露出開口部28と通ってそのダストボックス19に集められることとなる。さらに、天板20が設けられているので、ダストボックス19から集められた固着物が周辺に散乱するのが防止されると共に、回転するブラシ部14の必要最小限が外部に露出することにより作業安全が図られることとなる。
【0050】
この後、上下面を反対にして同じ動作を繰り返す。
【0051】
以上のような固着物除去装置10を用いた歯科医療器具からのセメントの除去方法によれば、簡単な操作によって、歯科医療器具の両面に固着したセメントをワイヤーブラシ11及び固定刃32で容易に掻き取って除去することができる。
【0052】
本実施形態では、歯科医療器具に固着したセメントの除去を対象としたが、特にこれに限定されるものではなく、その他の細長平板状器具の固着物除去であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0053】
本発明は、歯科医療器具等の細長平板状器具の固着物除去装置及びそれを用いた固着物除去方法について有用である。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】実施形態に係る固着物除去装置の斜視図である。
【図2】実施形態に係る固着物除去装置の分解斜視図である。
【図3】固定刃ホルダー及び固定刃を示す(a)正面図及び(b)(a)図におけるB−B断面図である。
【図4】ベルト式変速機を示す(a)正面図、(b)側面図、及び(c)背面図である。
【図5】実施形態に係るセメント除去方法を示す説明図である。
【符号の説明】
【0055】
10 固着物除去装置
11 ワイヤーブラシ
12 回転駆動部
14 ブラシ部
19 ダストボックス
20 天板
28 ブラシ露出開口部
32 固定刃

【特許請求の範囲】
【請求項1】
多数のワイヤー先端が露出した外周面が構成されたブラシ部を有するワイヤーブラシと、
上記ワイヤーブラシを、上記ブラシ部が周方向に回転するように回転駆動する回転駆動部と、
上記ブラシ部の外周面から所定間隔をおいた外側に、刃先が該ブラシ部の外周面側を向くと共に刃先の延びる方向が該ブラシ部の外周面の接線方向に対して角度をなすように設けられた固定刃と、
を備えたことを特徴とする細長平板状器具の固着物除去装置。
【請求項2】
請求項1に記載された固着物除去装置において、
上記ワイヤーブラシは、その回転軸方向が水平方向となるように設けられていると共に、
上記固定刃は、上記ブラシ部の上側に設けられていることを特徴とする固着物除去装置。
【請求項3】
請求項2に記載された固着物除去装置において、
上記固定刃は、その刃先の延びる方向が上記ブラシ部の外周面の接線方向に対して垂直な方向となるように設けられていることを特徴とする固着物除去装置。
【請求項4】
請求項3に記載された固着物除去装置において、
上記固定刃は、上記ワイヤーブラシの最上部に対応する位置から前後方向にずれ且つ刃先が該ワイヤーブラシの最上部以上の位置に位置付けられて設けられていることを特徴とする固着物除去装置。
【請求項5】
請求項2乃至4のいずれかに記載された固着物除去装置において、
上記ワイヤーブラシの少なくとも下半分を収容するように設けられたダストボックスをさらに備えたことを特徴とする固着物除去装置。
【請求項6】
請求項5に記載された固着物除去装置において、
細長いブラシ露出開口部が形成され、該ブラシ露出開口部から上記ブラシ部の少なくとも器具当接部分が露出すると共に上記ダストボックスの開口を封じるように設けられた天板をさらに備えたことを特徴とする固着物除去装置。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれかに記載された固着物除去装置において、
上記細長平板状器具が歯科医療器具であり、上記固着物が歯科医療用のセメントであることを特徴とする固着物除去装置。
【請求項8】
両面に固着物が固着した細長平板状器具の一方の面を、回転するワイヤーブラシのブラシ部の多数のワイヤー先端が露出した外周面に当接させると共に、
上記細長平板状器具の他方の面を、上記一方の面の上記ワイヤーブラシへの当接部を支点として、上記ブラシ部の外周面から所定間隔をおいた外側に、刃先が該ブラシ部の外周面側を向くと共に刃先の延びる方向が該ブラシ部の外周面の接線方向に対して角度をなすように設けられた固定刃に押し付けるように当接させ、
上記細長平板状器具を、上記一方の面を上記ワイヤーブラシに及び上記他方の面を上記固定刃にそれぞれ当接させた状態で、その長さ方向に変位させることを特徴とする細長平板状器具の固着物除去方法。
【請求項9】
請求項8に記載された固着物除去方法において、
上記細長平板状器具を、上記ワイヤーブラシと上記固定刃との間に、上記ブラシ部の回転方向に沿うように差し入れた後、上記一方の面を該ワイヤーブラシに及び上記他方の面を該固定刃にそれぞれ当接させた状態で、手前側に引き抜くことを特徴とする固着物除去方法。
【請求項10】
請求項8又は9に記載された固着物除去方法において、
上記細長平板状器具が歯科医療器具であり、上記固着物が歯科医療用のセメントであることを特徴とする固着物除去方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−188046(P2008−188046A)
【公開日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−22227(P2007−22227)
【出願日】平成19年1月31日(2007.1.31)
【出願人】(504136568)国立大学法人広島大学 (924)
【出願人】(503328193)株式会社ツーセル (24)
【出願人】(596179966)株式会社府中テンパール (5)
【Fターム(参考)】