説明

組み合せされた光導体を有する表示装置

【解決手段】 本発明は、光導体1に沿って設けられており且つ検出された光Eに依存して表示計器の輝度制御のための制御信号を評価回路に引渡すセンサー2でもって、周囲光Pを検出するための光導体1を有する、特に車両のための表示計器に関し、その際、表示計器の内側の光導体1に、その領域内へと光Pが導入され得る領域7が設けられており、および、この領域7のすぐ傍に照明手段(3)が配設されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光導体に沿って設けられており且つ検出された光に依存して表示計器の輝度制御のための制御信号を評価回路に引渡すセンサーでもって、周囲光を検出するための光導体を有する、特に車両のための表示計器に関する。
【背景技術】
【0002】
光センサーを有するこの様式の表示計器は、ヨーロッパ特許第115 575号明細書(特許文献1)から公知である。この光センサーは、光導体に設けられており、この光導体が、2つの相対して位置している端面を有して形成されており、且つ、車両のウインドシールドガラスを通って入射する光、および、監視室からの光を計器盤の手前で検出する。側方に設けられたセンサーによって、これら光導体を通って収容された光は検出される。これらセンサーは、この表示計器の輝度を制御するために評価される電気的な信号を発生する。
【0003】
周囲光を検出するための光導体を有する更に別の表示装置は、ドイツ連邦共和国特許第41 40 647号明細書(特許文献2)において開示されている。この周囲光は、表示装置の手前で、光導体に直接的に固定されているセンサーを用いて検出され、従って、この検出された光に依存して、この表示装置の輝度制御のための評価回路に対する制御信号が算出され、且つ更に導かれる。この従来技術から公知の表示計器、およびシステムは、専らこの表示計器の輝度制御のためだけに使用され、その際、これらシステムが、この表示計器内へと一体にまとめられており、または、この表示計器に沿って設けられている。
【0004】
輝度制御と同時に、表示計器内へと、更に別の、車両の操作を容易にする表示要素が一体にまとめられていることは可能である。従って、ドイツ連邦共和国特許第29 23 986号明細書(特許文献3)から、車両用変速機のための切替制御装置が公知であり、この切替制御装置は切替時機を表示する。その際、手動の切替変速機のための最適な作動条件を得るために、この切替時機は、比較的に高い回転数のための切替段と、比較的に低い回転数のための切替段との間の切替えのために表示される。これら切替表示装置はランプから成り、これらランプが、必要な上方への切替え、または下方への切替えを表示するために点灯し、その際、この切替表示が、車両運転者の視界領域内において設けられている。
【特許文献1】ヨーロッパ特許第115 575号明細書
【特許文献2】ドイツ連邦共和国特許第41 40 647号明細書
【特許文献3】ドイツ連邦共和国特許第29 23 986号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、本発明の課題は、車両内における操作表示装置を最小限に減らすこと、および同時に、最低限の構造的な手間暇、および低減された製造コストでもって製造され、および更に、車両の操作、および制御を容易にする、表示計器を発展させることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
表示計器を発展させるためのこの課題の解決策は、本発明により、表示計器の内側の光導体に、その領域内へと光が導入され得る領域が設けられること、および、この領域のすぐ傍に照明手段が配設されていることによって解決される。その領域内へと光が導入され得る領域でもってのセンサーを介しての、周囲光を検出するための光導体の本発明による構成によって、ここで、一方ではこの周囲光の強度を測定すること、および同時に、この光導体内へと光を導入することが可能であり、従って、この光導体の端部において光が検出され、且つ、この光導体が同時に表示計器内における機能要素としての機能を果たす。本発明により、1つの与えられた光導体に対して、1つの領域が附設して形成され、この領域のすぐ傍に照明手段が配設される。ここで、この光導体が、表示計器内へと一体にまとめられる場合、この光導体は、車両運転者によって認識され得る。
周囲光の検出の間じゅう、その際この周囲光がこの表示計器、および従って、同様にこの光導体の上にも入射し、光束がこの光導体を通過して通され、且つ、この光導体の端部に配設されたセンサーの上に照射する。このセンサー内において、ここで、表示計器を照明するための照明手段の輝度を制御するための使用される、制御信号が捕捉される。その際、この制御信号は評価回路によって収容され、この評価回路が、他方また、この表示計器の照明手段 −これは最も簡単な場合白熱電球である− を制御する。本発明により、ここで、しかしながら、光がこの光導体を介して収容されるだけでなく、この光導体が同様に光を検出可能である。この光導体は、従って、この表示計器内における機能表示装置として使用される。例えば、この光導体を、次のより高い変速段への切替えに対する要求のための機能表示装置として使用することは考えられる。更に可能な使用は、盗難警報表示装置(DWA)としての機能表示装置の使用である。
【発明の効果】
【0007】
本発明の実施形態のバリエーションにおいて、光導体は、光伝導性のプラスチックから成り、且つ、2つの互いに平行に配設された、ほぼ円筒形のほぼ同じ長さの光導体から形成されている。その際、これら光導体は、同様にロッド形状とも称される、ソリッド円筒として形成されている。これら両方の光導体の一方の端部において、これら光導体は結合されており、従って、1つの部材から成る構造部材が形成されている。一方では可能な限り多くの光を収容するため、および、他方では可能な限り大きな拡散を得るために、本発明により、これら両方の光導体が合体されるこの端部が、車両運転者に向って、片側で球形に、または丸屋根形状に形成されている。この丸屋根形状によって、表示計器内における良好な認識可能性が与えられており、且つ、同時に、可能な限り大きな光の放出が保証される。この放出は、この丸屋根形状によって改善される。何故ならば、照明手段から放射される光は、この丸屋根に大きな角度にわたって散乱され、且つ従って、この車両運転者によって容易に認識され得るからである。
【0008】
丸屋根形状の領域は、直接的に、表示計器内へと一体にまとめられることは可能であり、または、この表示計器に沿って配設されていることは可能である。この丸屋根形状の領域と相対して位置している、光導体の端部は、平坦な面を備えている。その際、この光導体は、2つの別個の端部を有しており、これら端部が、円筒形の中心軸線の関して直角の端面を備えている。一方の端面の下方に、輝度を検出するための構造部材が、および、他方の端面の下方に、照明手段が配設されている。この構造部材、および同様にこの照明手段は、この表示計器内において、これら端面のすぐ傍に固定されており、従って、この検出された光が、直接的にこの構造部材の上に入射し、且つ、この照明手段から放射された光が可能な限り損失なく、この光導体によって収容され、且つ丸屋根形状の側において放射される。
【0009】
光導体を用いての機能表示のための照明手段として、例えば、発光ダイオード(LED)が使用される。周囲から輝度を測定する構造部材は、例えばセンサーであり、このセンサーが例えばフォトトランジスターであることは可能である。
【0010】
比較的に簡単な組み付けのため、および、表示計器内における光導体の固定のために、本発明により、この光導体の円筒形の領域に、固定するための手段を構成することは考えられる。これら手段は、一方では安定化させるように作用し、且つ他方では強固なはめ合いの働きを行なう。固定するための手段と同時に、この光導体のこれら両方の円筒形の領域は、従ってこの光導体をこの光導体の形状において安定化するために、同様に互いに結合されている。この安定化する作用と同時に、この結合を介して、同様にLEDを通って放射された光も、比較的に良好にこの光導体内において散乱される。
【0011】
次に、本発明を実施例に基づいて、図を用いて詳しく説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
図1に、本発明による光導体1が、側面図において図示されている。この光導体1の下方に、一方の側にフォトトランジスター2が、他方の側に発光ダイオード(LED)3が図示されている。このフォトトランジスター2、およびLEDは、図示されていない表示計器内において固定されている基板4の上に組み付けられている。この光導体1は、円筒の形状を形成するロッド形状の、2つの光導体5、6から成っている。これら光導体5、6は、2つの端面7、8を有しており、これら端面が、電気的な構成要素2、3のすぐ上方に設けられている。これら端面7、8と相対して位置している、光導体5、6の円筒形の領域の端部に、キャップ、または丸屋根形状のソリッド体9が、1つの部材から成るように附設して形成されている。その際、これら光導体5、6、およびソリッド体9が、1つの部材から成るように形成されており、従って、付加的な境界面がこの光導体内において形成されていないことは重要である。このソリッド体(Vollkoerper)9は、その際に、強制的な状態で、丸屋根形状に形成されている必要は無い。表示計器のそれぞれの配設および構成に応じて、光導体1を例えば美学的な理由から比較的に軽く(leichter)この表示計器内へと一体にまとめるために、このソリッド体9を偏平に形成することは、本発明により同様に考えられる。その際、この光導体1は、有利には、透明の光伝導性のプラスチックから成っている。
【0013】
美学的、および人間工学的な理由と同時に、光導体5、6を結合するソリッド体9の形成のために、これら光導体5、6の外側の表面に、保持部材10、11を附設して設けることは、本発明により可能である。これら保持部材10、11は、この光導体1を表示計器内において固定するために使用される。この光導体1の固定の役目と同時に、これら保持部材10、11は、比較的に容易な組み付けための案内要素として形成されている。その際に、これら保持部材10、11を両側に同一に形成することは、強制的に必要ではない。例えばこの光導体の整向された組み付けを予め設定するために、これら保持部材10、11を、これら光導体5、6に異なって形成することは同様に考えられる。本発明の有利な実施形態において、これら光導体5、6は、部分領域12を介して互いに結合されている。
【0014】
本発明により、光導体1に、多数の機能を所属させることは可能である。従って、この光導体をいわゆる切替閃光表示器(Schaltblitzanzeige)として使用することは、本発明により考えられる。従って、例えば、LED3の点滅または点灯により、光がこの光導体1から放射され、従って、車両運転者は、その次のより高いまたはより低い変速段への切替えのための要求を受取る。この切替機能表示と同時に、盗難警報装置の機能を表示することは同様に考えられる。この場合に、このLED3が例えば点滅し、これに対してこの車両運転者は運転状態に無く、且つこれに伴って、作動を開始された盗難警報装置を表示する。これら機能の他に更に、この光導体1は、矢印Pでもって図示されている周囲の光を収容可能な状態にある。この周囲の光は、光導体6を介して、フォトトランジスター2に更に導かれる。このフォトトランジスター2内において、ここで、表示計器の輝度制御のために、図示されていない評価回路に転送される制御信号が発生される。本発明の課題の解決策に相応して、この光導体1は、従って、表示計器内における操作表示の数を最小限に減らすことが可能な状態にある。この光導体1を用いて、示されているように少なくとも3つの機能が実施され、従って、最小限に減らされた構造的な手間暇を有し、且つこれに伴って同様に低減された製造コストをも有する表示計器が生産される。操作表示の最小限化は、この車両運転者に、表示計器の上で見当がつくことを容易にする。このことは、特に、この車両が、多くの人によって使用される場合に有利である。
【0015】
車両が使用状態にある場合、従って、個別の機能は、切替技術的に、固定したパルス−休止比率(Impuls-Pause-Verhaettnis)の状態において制御される。このパルス時間内においてLED3が制御され、その際、この時間の間、フォトトランジスターは評価されない。この休止時間内において、このLED3は制御されない。この時間の間じゅう、このフォトトランジスター2の測定値は検出され、且つ評価される。車両運転者に、放射された光Eを介して車両機能が表示され、他方、この車両運転者は、周囲輝度の認識の義務を引き受けない。周囲の輝度に対するこの表示計器の順応は、操作者によって、単に間接的に認識されるだけである。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】その下に設けられた電気的な要素を有する、光導体の側面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光導体(1)に沿って設けられており且つ検出された光(E)に依存して表示計器の輝度制御のための制御信号を評価回路に引渡すセンサー(2)でもって、周囲光(P)を検出するための光導体(1)を有する、特に車両のための表示計器において、
表示計器の内側の光導体(1)に、その領域内へと光(P)が導入され得る領域(7)が設けられること、および、
この領域(7)のすぐ傍に照明手段(3)が配設されていること、
を特徴とする表示計器。
【請求項2】
光導体(1)は、光伝導性のプラスチックから成り、且つ、2つの互いに平行に配設された、円筒形光導体(5、6)から形成されていること、および、
これら光導体(5、6)が、の一方の端部(9)において、互いに結合されていることを特徴とする請求項1に記載の表示計器。
【請求項3】
光導体(5、6)は、結合された領域(9)と相対して位置している端部において、
中心軸線に対して直角の端面(7、8)を有していること、および、
一方の端面(8)のすぐ下に、輝度を検出する構造部材(2)、および他方の端面(7)のすぐ下に照明手段(3)が配設されていること、
を特徴とする請求項1または2に記載の表示計器。
【請求項4】
照明手段(3)は、LEDであることを特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載の表示計器。
【請求項5】
輝度を検出する構造部材(2)は、センサー、特にフォトトランジスターであることを特徴とする請求項1から4のいずれか一つに記載の表示計器。
【請求項6】
光導体(5、6)の円筒形の領域は、これら円筒形の領域の相対して位置している側において部分的に互いに結合されており(12)、且つ、これら円筒形の領域の相互に反対の側において、表示計器内における固定のための手段(10、11)を有していることを特徴とする請求項1から5のいずれか一つに記載の表示計器。

【図1】
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【公表番号】特表2007−514129(P2007−514129A)
【公表日】平成19年5月31日(2007.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−525745(P2006−525745)
【出願日】平成16年9月8日(2004.9.8)
【国際出願番号】PCT/EP2004/009980
【国際公開番号】WO2005/025921
【国際公開日】平成17年3月24日(2005.3.24)
【出願人】(504162556)プレー・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング (24)
【Fターム(参考)】