説明

組成物、燃焼防止組成物、燃焼防止及び/又は消火方法、燃焼防止システム及び生産方法

式(A)(式中、Rは、(CFCFCH(CF)CH−、(CFCFCH((CFCF)CH−、(CFCFCH((CFCH)CH−、(CFCHCH((CFCF)CH−、((CFCFCHCH−、(CFCFCHCF−、(CFCF−、(CFs)CH−、CF−、またはC2n+1−(nは2〜20の整数である)を含むフッ素含有部分であり、RはFまたはHであり、Rは、(CFCF−、(CFCH−、CF−、F、またはHを含み、Rは、(CFCF−、(CFCH−、CF−、F、Hを含む)を含む組成物を提供する。かかる組成物を、プロセスにしたがって生成し、これを使用して燃焼利用システム(combustion utilizing system)を防止することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、消火剤および消火および/または燃焼防止のためのシステムおよび方法ならびに消火剤の生成プロセスに関する。特定の態様では、消火および防火システムで使用するためのR−オレフィン化合物を記載する。本開示の他の態様はまた、これらの化合物の生成に関する。
【0002】
優先権主張
本出願は、2005年11月10日出願の発明の名称が「Fire Extinguishing Agents,Methods for Preventing and/or Extinguishing Combustion,Fire Extinguishing Systems,and Production Process」である米国特許仮出願番号60/735,717号(その全体が本明細書中で参考として援用される)の優先権を主張する。
【背景技術】
【0003】
一定の臭素、塩素、およびヨウ素含有ハロゲン化化学物質が消火に使用されている。消火剤としてのヨウ素含有化合物の使用は、主にその製造費用または毒性が懸念されるため避けられている。
【0004】
例えば、臭素含有化合物および塩素含有化合物であるHalon251(CFCFCl)、Halon1301(CFBr)、Halon1211(CFBrCI)、およびHalon2402(BrCFCFBr)が消火に使用されている。上記名称の臭素または塩素含有Halonが使用されているにもかかわらず、これらの薬剤は、地球のオゾン保護層を破壊し得ると主張する者もある。また、この薬剤は対流圏中で破壊されるであろう水素原子を含まないので、この薬剤はまた、地球温暖化に寄与し得る。
【0005】
より最近では、ハイドロフルオロカーボンが火炎の鎮静に提案されている。しかし、これらの化合物の欠点は、地球温暖化の可能性が比較的高いことである。
【0006】
本開示は、新規の化合物、燃焼防止組成物、およびシステム、ならびに消火および/または燃焼防止のためのこれらの使用方法を提供する。
【発明の開示】
【0007】
式:
【化1】

(式中、Rは、(CFCFCH(CF)CH−、(CFCFCH((CFCF)CH−、(CFCFCH((CFCH)CH−、(CFCHCH((CFCF)CH−、((CFCFCHCH−、(CFCFCHCF−、(CFCF−、(CFCH−、CF−、またはC2n+1−(nは2〜20の整数である)を含むフッ素含有部分であり、
はFまたはHであり、
は、(CFCF−、(CFCH−、CF−、F、またはHを含み、
は、(CFCF−、(CFCH−、CF−、F、Hを含む)を含む組成物。
【0008】
式:
【化2】

(式中、
は、(CFCFCH(CF)CH−、(CFCFCH((CFCF)CH−、(CFCFCH((CFCH)CH−、(CFCHCH((CFCF)CH−、((CFCFCHCH−、(CFCFCHCF−、(CFCF−、(CFCH−、CF−、またはC2n+1−(nは2〜20の整数である)を含むフッ素含有部分であり、
はFまたはHであり、
は、(CFCF−、(CFCH−、CF−、F、またはHを含み、
は、(CFCF−、(CFCH−、CF−、F、Hを含む)を含む燃焼防止組成物。
【0009】
−CR=CR(式中、R部分は、CまたはCであり、R、R、およびR部分は、1つまたは複数のH、F、CF、およびCである)を含む燃焼防止組成物。
【0010】
反応容器内でR−反応物質をオレフィン反応物質に曝露し、曝露によってR−中間体が生成される工程と、R−反応物質が少なくとも3つの−CF基を含み、R−中間体が3つの−CF基を含む飽和化合物であることとを含む生成プロセス。
【0011】
反応容器内でR−反応物質をオレフィン反応物質に曝露し、曝露によってR−中間体が生成される工程と、R−反応物質が少なくとも1つの(CFCH−基を含み、R−中間体が(CFCH−基を含む飽和化合物であることを含む生成プロセス。
【0012】
反応容器内でR−反応物質をオレフィン反応物質に曝露し、曝露によってR−中間体が生成される工程と、R−反応物質が少なくとも1つの−CF基を含み、オレフィン反応物質が少なくとも2つの−CF基を含み、R−中間体がR−反応物質の1つの−CF基およびオレフィン反応物質の2つの−CF基を含む飽和化合物であることを含む生成プロセス。
【0013】
燃焼防止組成物を収容する容器を準備する工程を含む燃焼防止プロセスであって、容器が燃焼防止組成物分配装置に連結されるように配置され、防止組成物が、
【化3】

(式中、Rは、(CFCFCH(CF)CH−、(CFCFCH((CFCF)CH−、(CFCFCH((CFCH)CH−、(CFCHCH((CFCF)CH−、((CFCFCHCH−、(CFCFCHCF−、(CFCF−、(CFCH−、CF−、またはC2n+1−(nは2〜20の整数である)を含むフッ素含有部分であり、RはFまたはHであり、Rは、(CFCF−、(CFCH−、CF−、F、またはHを含み、Rは、(CFCF−、(CFCH−、CF−、F、Hを含む)を含む、燃焼防止プロセス。
【0014】
燃焼防止システムであって、燃焼防止組成物を収容する容器、
【化4】

(式中、Rは、(CFCFCH(CF)CH−、(CFCFCH((CFCF)CH−、(CFCFCH((CFCH)CH−、(CFCHCH((CFCF)CH−、((CFCFCHCH−、(CFCFCHCF−、(CFCF−、(CFCH−、CF−、またはC2n+1−(nは2〜20の整数である)を含むフッ素含有部分であり、
はFまたはHであり、
は、(CFCF−、(CFCH−、CF−、F、またはHを含み、
は、(CFCF−、(CFCH−、CF−、F、Hを含む)を含む燃焼防止組成物、および容器に連結した組成物分配装置を含み、装置が、燃焼防止組成物を分配するように配置されている、燃焼防止システム。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
消火組成物および消火方法、ならびに消火組成物を生成するための材料および方法を、図1〜3を参照して記載する。図1に関して、反応容器16に連結したR−反応物質リザーバ12およびオレフィン反応物質リザーバ14を含むシステム10を示す。システム10を、ハロゲン化中間体リザーバ20内でハロゲン化中間体が生成されるように、これらの反応リザーバと共に配置することができる。
【0016】
反応容器16を、商業的に操作可能な反応容器として配置することができる。かかる反応容器には、所定の圧力および/または温度において液相および/または気相で化合物が反応するように配置された反応容器が含まれる。反応容器16は、リザーバ12および14から反応物質を受け取るための導管ならびにリザーバ20に生成物を供給するための導管を含み得る。
【0017】
−反応物質には、RXなどのハロゲン化およびハイドロハロゲン化化合物が含まれ得る。R−には、例えば、(CFCFCH(CF)CH、(CFCFCH((CFCF)CH、(CFCFCH((CFCH)CH、(CFCHCH((CFCF)CH、((CFCFCHCH、(CFCFCHCF、(CFCF、(CFCH、CF、および/またはC2n+1−などの部分が含まれ得る。R−部分を、ハロゲンX(F、Cl、Br、および/またはIなど)に結合することができる。C2n+1は、2〜20個の炭素を有し得る。R−反応物質のより特定の例には、(CFCFI、(CFCFBr、(CFCHBr、および/または(CFCHIが含まれ得る。
【0018】
−反応物質は、少なくとも3つの−CF基を含み得る
(例えば、
【化5】

など)。R−反応物質は、少なくとも1つの(CFCH−基

【化6】

など)を含む。R−反応物質は、(CFCH−X(式中、Xは、元素周期表の1つまたは複数の元素である)であり得る。例示的実施形態によれば、Xはハロゲンであるか、少なくとも1つのハロゲンを含み得る。
【0019】
リザーバ12のR−反応物質を、圧力差を使用して導管を介して反応容器16に供給することができる(例えば、真空下で吸引するか加圧下で押し進める)。R−反応物質を、単独またはリザーバ14のオレフィン反応物質と組み合わせて供給することもできる。
【0020】
オレフィン反応物質には、エチレンおよび/またはプロペン化合物(C−2およびC−3オレフィンなど)が含まれ得る。これらの化合物には、フッ化水素化(hydrofluorinated)化合物および/またはハロゲン化水素化(hydrohalogenated)化合物ならびに過ハロゲン化化合物および過フッ化化合物が含まれ得る。オレフィン反応物質は、少なくとも1つのフッ素を含む。オレフィン反応物質は、1つまたは複数の−CF基または−CF基を含み得る。オレフィン反応物質は、少なくとも2つの−CF基を含み得る(
【化7】

【化8】

または
【化9】

など)。
【0021】
例示的なオレフィン反応物質には、エチレン、3,4,4,4−テトラフルオロ−3−(トリフルオロメチル)ブト−1−エン、4,4,4−トリフルオロ−3−(トリフルオロメチル)ブト−1−エン、3,3,3−トリフルオロプロプ−1−エン、1,1−ジフルオロエチレン、フルロエチレン、および/またはペルフルオロエチレンが含まれるが、これらに限定されない。これらの反応物質を、媒質(塩化メチレンおよび/または20〜40(wt/wt)%のメタ重亜硫酸ナトリウム水溶液を含み得る)の存在下で所定の圧力にて反応容器16中で合わせて、混合物18を形成することができる。
【0022】
別の実施形態によれば、オレフィン反応物質およびR−反応物質を、例えば、触媒などの基質の存在下にて気相で合わせることができる。かかる気相反応は、支持材と共に包装されたInconel(登録商標)(INCO Limited Toronto,Canada)管(OD=0.5’’、長さ14.125’’、壁厚=0.035’’の管など)などを配置容器16を含み得る。支持材には、活性炭および/または触媒(FeCl、NiCl、CuCl、および/またはZnClなど)が含まれ得る。システムを、反応物質が容器16に入る前に反応物質を蒸発させるように配置することができる。例えば、容器16から回収した生成物を、研磨装置を通過させ、次いで、Drierite(登録商標)(W.A.Hammond Drierite Co.Ltd.P.O Box 460 Xenia,OH 45385)管などの装置を使用して乾燥させ、ドライアイス/アセトントラップ中で液化することができる。
【0023】
混合物18に加えて、遊離基開始剤および/または金属塩などの触媒を添加することができる。かかる例示的遊離基開始剤には、過酸化ベンゾイル、アゾビスイソブチロニトリル、および/またはtert−ブチルペルオキシドが含まれ得る。かかる例示的金属塩には、銅、鉄、亜鉛、および銀の塩、ならびにこれらの混合物が含まれ得る。他の例では、混合物18を、触媒の非存在下で加熱することができる。R−反応物質を、触媒の存在下でオレフィン反応物質に曝露することができる。触媒には、例えば、1つまたは複数の過酸化ベンゾイル、アゾビスイソブチロニトリル、および/またはtert−ブチルペルオキシドが含まれ得る。典型的には、混合物および触媒を撹拌することができ、ハロゲン化中間体を形成させ、混合物から分離することができる。
【0024】
ハロゲン化中間体には、R(RC−C(RXが含まれ得るが、これに限定されない。R部分は、前記の通りであり、RおよびRは同一でも異なっていても良く、水素および/またはフッ素、ならびに他のハロゲン化部分(例えば、CFなど)が含まれ得る。前に記載のように、Xは、I、Br、および/またはClなどのハロゲンであり得る。少なくともいくつかの実施形態によれば、R−中間体は、3つの−CF基を含む飽和化合物(
【化10】

など)であり得る。R−中間体は、少なくとも1つの(CFCH−基を含む飽和化合物(
【化11】

など)であり得る。R−中間体はまた、R−反応物質の1つの−CF基およびオレフィン反応物質の2つの−CF基を含む飽和化合物(
【化12】

【化13】

または
【化14】

など)であり得る。
【0025】
リザーバ20に連結した例示的導管には、蒸留装置などの分離デバイスに連結することができる導管が含まれる。これらの分離デバイスを、混合物18からハロゲン化中間体を分離するために配置することができる。
【0026】
例示的ハロゲン化中間体には、以下の表1に列挙したものが含まれる。
【0027】
【表1】



【0028】
図2に関して、例示的システム22を示し、これは、ハロゲン化中間体リザーバ20および反応容器26に連結した脱離反応物質リザーバ24を含む。反応容器26は、所定の温度および圧力下で有機化合物と反応するように配置された産業用反応装置であり得る。反応装置を、機械式撹拌機などの撹拌装置を含むように配置することができる。システム22はまた、R−オレフィン生成物リザーバ30を含み得る。リザーバ20、24、および30を、導管を介して、ハロゲン化中間体、脱離反応物質、およびR−オレフィン生成物をそれぞれ運搬するように配置された容器26に連結することができる。システム22を、図1のシステム10に連結することができる。
【0029】
例示的実施形態によれば、ハロゲン化中間体リザーバ20のハロゲン化中間体を、塩化メチレンなどの媒質およびメチルトリブチルアンモニウムクロリドの75%(wt/wt)水溶液などの相間移動触媒と合わせて、反応容器26内に混合物28を形成することができる。ハロゲン化中間体には、例えば、記載のハロゲン化中間体および表1に列挙のハロゲン化中間体が含まれ得る。
【0030】
容器26内での混合物28の形成の際、脱離反応物質リザーバ24由来の脱離反応物質を、混合物28に添加することができる。例示的脱離反応物質には、2,3,4,6,7,8,9,10−オクタヒドロピリミド[1,2−a]アゼピン(DBU)および他の脱ハロゲン化水素化試薬および/または脱ハロゲン化試薬が含まれるが、これらに限定されない。他の例示的脱離試薬には、水酸化カリウムと水またはアルコール(メタノールなど)との混合物および7を超えるpHを有する混合物が含まれる。使用することができるさらなる脱離反応物質は、化合物のハロゲンをフッ素に選択的に除去して、前の中間体のオレフィンを形成するために使用することができる反応物質である。
【0031】
−オレフィン生成物には、一般式R(R)C=C(Rを有する化合物が含まれ得るが、これらに限定されない。R部分は前記の通りであり得、Rは前述の通りである。R部分は、同一であっても異なっていても良く、1つまたは複数の(CFCF、(CFCH、CF、F、またはHが含まれ得る。より好ましい実施形態では、R−オレフィン生成物は、R部分と同一であるR部分を有し得る。R−オレフィン生成物を、消火剤として使用することができる。R−オレフィンの二量体も生成することができる。例えば、R−オレフィンペルフルロプロプ−1−エンを、高温で炭素上にて二量体化して、1,1,1,2,3,4,5,5,5−ノナフルオロ−4−(トリフルオロメチリル)ペント−2−エンを形成することができる。
【0032】
少なくともいくつかの実施形態によれば、R−オレフィン生成物は、
【化15】

(式中、Rは、(CFCFCH(CF)CH−、(CFCFCH((CFCF)CH−、(CFCFCH((CFCH)CH−、(CFCHCH((CFCF)CH−、((CFCFCHCH−、(CFCFCHCF−、(CFCF−、(CFCH−、CF−、またはC2n+1−(nは2〜20の整数である)を含むフッ素含有部分であり、RはFまたはHであり、Rは、(CFCF−、(CFCH−、CF−、F、またはHを含み、Rは、(CFCF−、(CFCH−、CF−、F、Hを含む)である。化合物
【化16】

は、
【化17】

【化18】

【化19】

【化20】

【化21】

【化22】

【化23】

【化24】

、および/または
【化25】

であり得る。
【0033】
−オレフィン生成物は、式
【化26】

(式中、Rは、(CFCFCH(CF)CH−、(CFCFCH((CFCF)CH−、(CFCFCH((CFCH)CH−、(CFCHCH((CFCF)CH−、((CFCFCHCH−、(CFCFCHCF−、(CFCF−、(CFCH−、CF−、またはC2n+1−(nは2〜20の整数である)を含むフッ素含有部分であり、RはFまたはHであり、Rは、(CFCF−、(CFCH−、CF−、F、またはHであり、Rは、(CFCF−、(CFCH−、CF−、F、Hである)である。化合物
【化27】

は、
【化28】

【化29】

【化30】

【化31】

【化32】

および/または
【化33】

であり得る。
【0034】
例示的R−オレフィン生成物は、以下の表2に示すものである。
【0035】
【表2】



【0036】
以下の実施例は、ハロゲン化中間体およびR−オレフィン生成物の生成の例示的プロセス条件である。
【化34】




【0037】
スキーム(1)によれば、機械式撹拌機、大気放出板、圧力計、サーモウェル、弁付きディップチューブ、および蒸気弁を備えることができる300ccオートクレーブ中に、105.14g(0.36mole)の1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロ−2−ヨードプロパン(Matrix Scientific P.O.Box 25067 Columbia SC 92994−5067)および10グラム(0.36mole)のエチレンを入れて混合物を形成させる。混合物を、約180℃で約6時間加熱することができる。混合物を冷却して、105.99グラムの粗一付加生成物(monoadduct product)(gcによる面積率86%)である1,1,1,2−テトラフルオロ−2−(トリフルオロメチル)−4−ヨードブタン、ならびに少量の二付加生成物(diadduct product)である1,1,1,2−テトラフルオロ−2−(トリフルオロメチル)−6−ヨードヘキサンおよび三付加生成物(triadduct product)である1,1,1,2−テトラフルオロ−2−(トリフルオロメチル)−8−ヨードヘキサンの両方を得ることができる。一付加生成物を、56℃/96torrで蒸留することができる。生成物の構造を、NMR分析によって確認することができる。1,1,1,2−テトラフルオロ−2−(トリフルオロメチル)−4−ヨードブタンを、Matrix Scientific P.O.Box 25067 Columbia SC 92994−5067から得ることもできる。
【0038】
さらに上記スキーム(1)によれば、撹拌機、熱電対、冷却生成物トラップ、および付加漏斗を備えることができるフラスコ中に、64グラム(1.14mole)の水酸化カリウムおよび約240mLのメタノールを入れて混合物を形成させることができる。次いで、混合物を約45℃〜約55℃に加熱し、その後に244.6グラム(0.75mole)の1,1,1,2−テトラフルオロ−2−(トリフルオロメチル)−4−ヨードブタンを滴下して、反応混合物を形成させることができる。冷却生成物トラップ中に144.8グラムの3,4,4,4−テトラフルオロ−3−(トリフルオロメチル)ブト−1−エン3,4,4,4−テトラフルオロ−3−(トリフルオロメチル)ブト−1−エンを回収することができ、生成物は、ガスクロマトグラフィによる純度が約93%である。生成物の構造を、NMR分析によって確認することができる。
【化35】

【0039】
上記スキーム(2)に関して、大気放出板、圧力計、弁付きディップチューブ、蒸気弁、冷却ループ、およびサーモウェルを備えることができる2オートクレーブ中に、1035グラム(3.5moles)の1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロ−2−ヨードプロパンを入れることができる。オートクレーブを密閉し、室温で撹拌することができる。1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロ−2−ヨードプロパンに、ディップチューブを介して339グラム(3.5moles)の3,3,3−トリフルオロプロペンを供給して、混合物を形成することができる。混合物を約180℃に加熱することができ、ここで、約600psigであり得るオートクレーブ内の圧力の減少が認められ得る。反応の完了が認められ、この時点で、オートクレーブ内の圧力を安定化させる。混合物を回収し、ガスクロマトグラフィによって分析して、以下の分布を得ることができる:10.3%の材料である3,3,3−トリフルオロプロペン、12.0%の出発材料である1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロ−2−ヨードプロパン、62.3%の一付加生成物である1,1,1,2,5,5,5,−ヘプタフルオロ−2−(トリフルオロメチル)−4−ヨードペンタン、および12.4%の二付加生成物である1,1,1,2,7,7,7−ヘプタフルオロ−2,4−ビス(トリフルオロメチル)−6−ヨードヘプタン。
【0040】
上記スキーム(2)に関して、シリンジポンプに連結した材料供給管、熱電対、およびVigureuxカラム、還流冷却器、熱電対、ドライアイス/アセトントラップに接続することができる傾斜真空接続アダプタ(angled vacuum connection adaptor)、およびレシーバフラスコを含み得る簡潔な蒸留装置を備えることができるフラスコ中に、419グラムの32(wt/wt)%KOH溶液、9.6グラムのメチルトリブチルアンモニウムクロリドを入れて混合物を形成させることができる。シリンジポンプ中に、215.41グラム(0.55mole)の1,1,1,2,5,5,5,−ヘプタフルオロ−2−(トリフルオロメチル)−4−ヨードペンタンを入れることができる。混合物を約75℃〜約100℃に加熱することができ、その際に1,1,1,2,5,5,5,−ヘプタフルオロ−2−(トリフルオロメチル)−4−ヨードペンタンを添加して、約160分間にわたって反応混合物を形成することができる。1,1,1,4,5,5,5−ヘプタフルオロ−4−(トリフルオロメチル)ペント−2−エン生成物を、出発材料の添加に合わせてリザーバフラスコ中に回収することができる。反応混合物を、約75℃〜約100℃にさらに加熱して、反応混合物由来の生成物をリザーバフラスコに押し進める。リザーバフラスコの内容物を取り出して、118.24グラムの1,1,1,4,5,5,5−ヘプタフルオロ−4−(トリフルオロメチル)ペント−2−エン生成物を得ることができる。生成物の構造を、NMR分析によって確認することができる。
【化36】

【0041】
上記スキーム(3)によれば、撹拌機、大気放出板、圧力計、サーモウェル、弁付きディップチューブ、および蒸気弁を備えることができる300ccオートクレーブ中に、280.0グラム(1.2124moles)の2−ブロモ−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン(以下のスキーム(25)を参照のこと)および2.9グラム(0.0198mole)のtert−ブチルペルオキシドを入れて、混合物を形成させることができる。反応装置を密封し、撹拌しながら120℃に加熱することができる。混合物に、エチレンを添加して、オートクレーブ内の圧力が約200psigに到達するまで反応混合物を形成することができ、その際にオートクレーブ内の圧力減少に伴ってわずかな発熱が認められる。添加した2−ブロモ−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパンと等モル量のエチレンを、連続的に添加することができる。反応混合物を蒸留して、131.4グラムの4−ブロモ−1,1,1−トリフルオロ−2−(トリフルオロメチル)ブタン生成物および少量の二付加物である6−ブロモ−1,1,1−トリフルオロ−2−(トリフルオロメチル)ヘキサンを得ることができる。生成物の構造を、GC/MSおよび/またはNMR分析によって確認することができる。
【0042】
上記スキーム(3)によれば、撹拌機、温度計、付加漏斗、ならびにコンデンサ、温度計、およびレシーバフラスコを備えたClaisenサイドアームを有するVigureuxカラムを備えることができるフラスコ中に、18.6グラム(0.0718mole)の4−ブロモ−1,1,1−トリフルオロ−2−(トリフルオロメチル)ブタンおよび20.4グラムの塩化メチレンを入れて、混合物を形成させることができる。混合物に、18.3グラム(0.12mole)の2,3,4,6,7,8,9,10−オクタヒドロピリミド[1,2−a]アゼピン(DBU)を滴下して、反応混合物を形成させることができる。生成物4,4,4−トリフルオロ−3−(トリフルオロメチル)ブト−1−エンをDBU添加と同時に回収フラスコ(receiving flask)に回収することができる。塩化メチレンが回収フラスコ中に回収され始めるまで、反応混合物を加熱することができる。生成物の構造を、GC/MSおよび/またはNMR分析によって確認することができる。
【化37】

【0043】
上記スキーム(4)によれば、ペルフルオロプロプ−1−エン(Synquest Laboratories Inc.P.O.Box 309 Alachua,FL 32616−0309)を、液相での有機溶媒、ハライド化合物、およびクラウンエーテルの存在下で二量体化することができる。別の実施形態では、気相における炭素上でのペルフルオロプロプ−1−エンの加熱によって、二量体化を行うことができる。
【化38】

【0044】
上記スキーム(5)によれば、撹拌機、大気放出板、圧力計、サーモウェル、弁付きディップチューブ、および蒸気弁を備えることができる300ccオートクレーブ中に、136.0グラム(0.4596mole)の1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロ−2−ヨードプロパンおよび3.2グラム(0.022mole)のtert−ブチルペルオキシドを入れて、混合物を形成させることができる。混合物を約120℃に加熱することができる。混合物に、十分な量の1,1−ジフルオロエチレンを添加し、オートクレーブ内の圧力を150psiにして反応混合物を形成させることができ、その際に発熱が認められる。反応が進行するにつれて、オートクレーブ内の圧力の減少が認められ、システムへのさらなる1,1−ジフルオロエチレンの添加が必要である。オートクレーブへの1,1−ジフルオロエチレンの総添加量は、約57グラム(0.8901nole)であり得る。反応混合物を蒸留して、85.8グラムの生成物1,1,1,2,4,4−ヘキサフルオロ−2−(トリフルオロメチル)−4−ヨードブタンおよび52.5グラムの二付加生成物である1,1,1,2,4,6,6−オクタフルオロ−2−(トリフルオロメチル)−6−ヨードヘキサンおよび少量の三付加物(triaddut)である1,1,1,2,4,4−ヘキサフルオロ−2−(トリフルオロメチル)−8−ヨードブタンを得ることができる。生成物の構造を、GC/MSおよび/またはNMR分析によって確認することができる。
【0045】
上記スキーム(5)によれば、撹拌機、温度計、付加漏斗、ならびにコンデンサ、温度計、およびレシーバフラスコを備えたClaisenサイドアームを有するVigureuxカラムを備えることができるフラスコ中に、45.6グラムの30(wt/wt)%KOH溶液および3.6グラムのメチルトリブチルアンモニウムクロリドを入れて、混合物を形成させ、約96℃に加熱することができる。混合物に、38.1グラム(0.1058mole)の1,1,1,2,4,4−ヘキサフルオロ−2−(トリフルオロメチル)−4−ヨードブタンを滴下して、反応混合物を形成させることができる。混合物への1,1,1,2,4,4−ヘキサフルオロ−2−(トリフルオロメチル)−4−ヨードブタンの添加直後に、1,1,3,4,4,4−ヘキサフルオロ−3−(トリフルオロメチル)ブト−1−エンがリザーバフラスコに回収されるのが認められる。回収した材料をさらに精製して10.2グラムの所望の生成物1,1,3,4,4,4−ヘキサフルオロ−3−(トリフルオロメチル)ブト−1−エンを得ることができる。生成物の構造を、GC/MSおよび/またはNMR分析によって確認することができる。
【化39】

【0046】
上記スキーム(6)によれば、撹拌機、大気放出板、圧力計、サーモウェル、弁付きディップチューブ、および蒸気弁を備えることができる300ccオートクレーブ中に、一定量の1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−ヨードプロパンおよび十分な量の触媒を入れて混合物を形成させることができる。混合物を、約60℃〜約190℃に加熱することができる。混合物に、十分な量の1,1−ジフルオロエチレンを添加して、反応混合物を形成させることができる。オートクレーブへの1,1−ジフルオロエチレンの総添加量は、およそ1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−ヨードプロパンと等モルであり得る。反応混合物を蒸留して、生成物1,1,1,4,4−ペンタフルオロ−2−(トリフルオロメチル)−4−ヨードブタンを得ることができる。生成物の構造を、GC/MSおよび/またはNMR分析によって確認することができる。
【0047】
上記スキーム(6)によれば、撹拌機、温度計、付加漏斗、ならびにコンデンサ、温度計、およびレシーバフラスコを備えたClaisenサイドアームを有するVigureuxカラムを備えることができるフラスコ中に、十分な量の触媒および相間移動触媒を入れて混合物を形成させ、約25℃〜約100℃に加熱することができる。混合物に、一定量の1,1,1,4,4−ペンタフルオロ−2−(トリフルオロメチル)−4−ヨードブタンを滴下して、反応混合物を形成させることができる。混合物への1,1,1,2,4,4−ヘキサフルオロ−2−(トリフルオロメチル)−4−ヨードブタンの添加の際に、生成物1,1,4,4,4−ペンタフルオロ−3−(トリフルオロメチル)ブト−1−エンをリザーバフラスコに回収することができる。生成物を蒸留によってさらに精製することができる。生成物の構造を、GC/MSおよび/またはNMR分析によって確認することができる。
【化40】

【0048】
上記スキーム(7)によれば、撹拌機、大気放出板、圧力計、サーモウェル、弁付きディップチューブ、および蒸気弁を備えることができる300ccオートクレーブ中に、一定量の1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−ヨードプロパンおよび十分な量の触媒を入れて混合物を形成させることができる。混合物を、約60℃〜約190℃に加熱することができる。混合物に、十分な量のフルオロエチレンを添加して、反応混合物を形成させることができる。オートクレーブへのフルオロエチレンの総添加量は、およそ1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−ヨードプロパンと等モルであり得る。反応混合物を蒸留して、生成物1,1,1,4,4−ペンタフルオロ−2−(トリフルオロメチル)−4−ヨードブタンを得ることができる。生成物の構造を、GC/MSおよび/またはNMR分析によって確認することができる。
【0049】
上記スキーム(7)によれば、電磁撹拌機、温度計、付加漏斗、ならびにコンデンサ、温度計、およびレシーバフラスコを備えたClaisenサイドアームを有するVigureuxカラムを備えることができるフラスコ中に、一定量の脱離反応物質および相間移動触媒を入れて混合物を形成させ、約25℃〜約100℃に加熱することができる。混合物に、一定量の1,1,1,4−テトラフルオロ−2−(トリフルオロメチル)−4−ヨードブタンを滴下して、反応混合物を形成させることができる。混合物への1,1,1,4−テトラフルオロ−2−(トリフルオロメチル)−4−ヨードブタンの添加の際に、生成物1,4,4,4−テトラフルオロ−3−(トリフルオロメチル)ブト−1−エンをリザーバフラスコに回収することができる。生成物を蒸留によってさらに精製することができる。生成物の構造を、GC/MSおよび/またはNMR分析によって確認することができる。
【化41】

【0050】
上記スキーム(8)によれば、撹拌機、大気放出板、圧力計、サーモウェル、弁付きディップチューブ、および蒸気弁を備えることができる300ccオートクレーブ中に、一定量の1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロ−2−ヨードプロパンおよび十分な量の触媒を入れて混合物を形成させることができる。混合物を、約60℃〜約190℃に加熱することができる。混合物に、十分な量のフルオロエチレンを添加して、反応混合物を形成させることができる。オートクレーブへのフルオロエチレンの総添加量は、およそ1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロ−2−ヨードプロパンと等モルであり得る。反応混合物を蒸留して、生成物1,1,1,2,4−ペンタフルオロ−2−(トリフルオロメチル)−4−ヨードブタンを得ることができる。生成物の構造を、GC/MSおよび/またはNMR分析によって確認することができる。
【0051】
上記スキーム(8)によれば、撹拌機、温度計、付加漏斗、ならびにコンデンサ、温度計、およびレシーバフラスコを備えたClaisenサイドアームを有するVigureuxカラムを備えることができるフラスコ中に、一定量の脱離反応物質および相間移動触媒を入れて混合物を形成させ、約25℃〜約100℃に加熱することができる。混合物に、一定量の1,1,1,2,4−ペンタフルオロ−2−(トリフルオロメチル)−4−ヨードブタンを滴下して、反応混合物を形成させることができる。混合物への1,1,1,2,4−ペンタフルオロ−2−(トリフルオロメチル)−4−ヨードブタンの添加の際に、生成物1,3,4,4,4−ヘプタフルオロ−3−(トリフルオロメチル)ブト−1−エンをリザーバフラスコに回収することができる。生成物を蒸留によってさらに精製することができる。生成物の構造を、GC/MSおよび/またはNMR分析によって確認することができる。
【化42】

【0052】
上記スキーム(9)によれば、撹拌機、大気放出板、圧力計、サーモウェル、弁付きディップチューブ、および蒸気弁を備えることができる300ccオートクレーブ中に、一定量の1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロ−2−ヨードプロパンおよび十分な量の触媒を入れて混合物を形成させることができる。混合物を、約60℃〜約190℃に加熱することができる。混合物に、十分な量のペルフルオロエチレンを添加して、反応混合物を形成させることができる。オートクレーブへのペルフルオロエチレンの総添加量は、およそ1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロ−2−ヨードプロパンと等モルであり得る。反応混合物を蒸留して、生成物1,1,1,2,3,3,4,4−オクタフルオロ−2−(トリフルオロメチル)−4−ヨードブタンを得ることができる。生成物の構造を、GC/MSおよび/またはNMR分析によって確認することができる。
【0053】
上記スキーム(9)によれば、撹拌機、温度計、付加漏斗、ならびにコンデンサ、温度計、およびレシーバフラスコを備えたClaisenサイドアームを有するVigureuxカラムを備えることができるフラスコ中に、一定量の脱離反応物質および相間移動触媒を入れて混合物を形成させ、約25℃〜約100℃に加熱することができる。混合物に、一定量の1,1,1,2,3,3,4,4−オクタフルオロ−2−(トリフルオロメチル)−4−ヨードブタンを滴下して、反応混合物を形成させることができる。混合物への1,1,1,2,3,3,4,4−オクタフルオロ−2−(トリフルオロメチル)−4−ヨードブタンの添加の際に、生成物1,1,2,3,4,4,4−ヘプタフルオロ−3−(トリフルオロメチル)ブト−1−エンをリザーバフラスコに回収することができる。回収した材料をさらに精製して、一定量の所望の1,1,2,3,4,4,4−ヘプタフルオロ−3−(トリフルオロメチル)ブト−1−エンを得ることができる。生成物の構造を、GC/MSおよび/またはNMR分析によって確認することができる。
【化43】

【0054】
上記スキーム(10)によれば、撹拌機、大気放出板、圧力計、サーモウェル、弁付きディップチューブ、および蒸気弁を備えることができる300ccオートクレーブ中に、一定量の1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−ヨードプロパンおよび十分な量の触媒を入れて混合物を形成させることができる。混合物を、約60℃〜約190℃に加熱することができる。混合物に、十分な量のペルフルオロエチレンを添加して、反応混合物を形成させることができる。オートクレーブへのペルフルオロエチレンの総添加量は、およそ1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−ヨードプロパンと等モルであり得る。反応混合物を蒸留して、生成物1,1,2,2,4,4,4−ヘプタフルオロ−3−(トリフルオロメチル)−1−ヨードブタンを得ることができる。生成物の構造を、GC/MSおよび/またはNMR分析によって確認することができる。
【0055】
上記スキーム(10)によれば、撹拌機、温度計、付加漏斗、ならびにコンデンサ、温度計、およびレシーバフラスコを備えたClaisenサイドアームを有するVigureuxカラムを備えることができるフラスコ中に、一定量の脱離反応物質および相間移動触媒を入れて混合物を形成させ、約25℃〜約100℃に加熱することができる。混合物に、一定量の1,1,2,2,4,4,4−ヘプタフルオロ−2−(トリフルオロメチル)−4−ヨードブタンを滴下して、反応混合物を形成させることができる。混合物への1,1,2,2,4,4,4−ヘプタフルオロ−2−(トリフルオロメチル)−4−ヨードブタンの添加の際に、生成物1,1,2,4,4,4−ヘプタフルオロ−3−(トリフルオロメチル)ブト−1−エンをリザーバフラスコに回収することができる。生成物を、蒸留によってさらに精製することができる。生成物の構造を、GC/MSおよび/またはNMR分析によって確認することができる。
【化44】

【0056】
上記スキーム(11)によれば、撹拌機、通気弁、熱電対、大気放出板、および圧力計を備えることができる300mLステンレススチール製オートクレーブ中に、25グラム(0.13mole)の3,4,4,4−テトラフルオロ−3−(トリフルオロメチル)ブト−1−エン(上記スキーム(1)を参照のこと)、75グラム(0.25mole)の1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロ−2−ヨードプロパン、0.15グラム(0.0015mole)の塩化銅(I)、および0.75グラム(0.012mole)のエタノールアミンを入れて混合物を形成させることができる。混合物を、約195℃に加熱し、約16時間保持して、中間生成物1,1,1,2,5,6,6,6−オクタフルオロ−2,5−ビス(トリフルオロメチル)−3−ヨードヘキサンを得ることができる。中間生成物の構造を、GC/MSおよび/またはNMR分析によって確認することができる。
【0057】
さらに上記スキーム(11)によれば、撹拌機、温度計、付加漏斗、ならびに還流冷却器、熱電対、およびレシーバフラスコを備えたClaisenサイドアームを有するVigureuxカラムを備えることができるフラスコ中に、十分な量の脱離反応物質を入れ、約25℃〜約100℃に加熱することができる。脱離反応物質に、約20グラム(0.041mole)の1,1,1,2,5,6,6,6−オクタフルオロ−2,5−ビス(トリフルオロメチル)−3−ヨードヘキサンを滴下して、混合物を形成させることができる。混合物への1,1,1,2,5,6,6,6−オクタフルオロ−2,5−ビス(トリフルオロメチル)−3−ヨードヘキサンの添加直後に、生成物1,1,1,2,5,6,6,6−オクタフルオロ−2,5−ビス(トリフルオロメチル)ヘクス−3−エンがリザーバフラスコに回収されることが認められる。生成物を、蒸留によってさらに精製し、構造を、GC/MSおよび/またはNMR分析によって確認することができる。
【化45】

【0058】
上記スキーム(12)によれば、撹拌機、通気弁、熱電対、大気放出板、および圧力計を備えることができる300mLステンレススチール製オートクレーブ中に、十分な量の3,4,4,4−テトラフルオロ−3−(トリフルオロメチル)ブト−1−エン(上記スキーム(1)を参照のこと)、十分な量の1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−ヨードプロパン、および十分な量の触媒を入れて混合物を形成させることができる。混合物を、約60℃〜約195℃に加熱し、約15時間〜約21時間および/または約18時間保持して、中間生成物1,1,1,2,5,6,6,6−オクタフルオロ−2,5−ビス(トリフルオロメチル)−3−ヨードヘキサンを得ることができる。中間生成物の構造を、GC/MSおよび/またはNMR分析によって確認することができる。
【0059】
さらに上記スキーム(12)によれば、撹拌機、熱電対、付加漏斗、ならびに還流冷却器、熱電対、およびレシーバフラスコを備えたClaisenサイドアームを有するVigureuxカラムを備えることができるフラスコ中に、十分な量の脱離反応物質を入れ、約25℃〜約100℃に加熱することができる。脱離反応物質に、十分な量の1,1,1,2,5,6,6,6−オクタフルオロ−2,5−ビス(トリフルオロメチル)−3−ヨードヘキサンを滴下して、混合物を形成させることができる。混合物への1,1,1,2,5,6,6,6−オクタフルオロ−2,5−ビス(トリフルオロメチル)−3−ヨードヘキサンの添加直後に、生成物1,1,1,2,6,6,6−ヘプタフルオロ−2,5−ビス(トリフルオロメチル)−ヘクス−3−エンがリザーバフラスコに回収されることが認められる。生成物を、蒸留によってさらに精製し、構造を、GC/MSおよび/またはNMR分析によって確認することができる。
【化46】

【0060】
上記スキーム(13)によれば、撹拌機、通気弁、熱電対、大気放出板、および圧力計を備えることができる300mLステンレススチール製オートクレーブ中に、十分な量の4,4,4−トリフルオロ−3−(トリフルオロメチル)ブト−1−エン(上記スキーム(3)を参照のこと)、十分な量の1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−ヨードプロパン、および十分な量の触媒を入れて混合物を形成させることができる。混合物を、約60℃〜約195℃に加熱し、約15時間〜約21時間および/または約18時間保持して、中間生成物1,1,1,6,6,6−ヘキサフルオロ−2,5−ビス(トリフルオロメチル)−3−ヨードヘキサンを得ることができる。中間生成物の構造を、GC/MSおよび/またはNMR分析によって確認することができる。
【0061】
さらに上記スキーム(13)によれば、撹拌機、熱電対、付加漏斗、ならびに還流冷却器、熱電対、およびレシーバフラスコを備えたClaisenサイドアームを有するVigureuxカラムを備えることができるフラスコ中に、十分な量の脱離反応物質を入れ、約25℃〜約100℃に加熱することができる。脱離反応物質に、十分な量の1,1,1,6,6,6−ヘキサフルオロ−2,5−ビス(トリフルオロメチル)−3−ヨードヘキサンを滴下して、混合物を形成させることができる。混合物への1,1,1,6,6,6−ヘキサフルオロ−2,5−ビス(トリフルオロメチル)−3−ヨードヘキサンの添加直後に、生成物1,1,1,6,6,6−ヘキサフルオロ−2,5−ビス(トリフルオロメチル)ヘクス−3−エンがリザーバフラスコに回収されることが認められる。生成物を、蒸留によってさらに精製し、構造を、GC/MSおよび/またはNMR分析によって確認することができる。
【化47】

【0062】
スキーム(14)によれば、機械式撹拌機、大気放出板、圧力計、サーモウェル、弁付きディップチューブ、および蒸気弁を備えることができる300ccオートクレーブ中に、十分な量の1,1,1,2,2−ペンタフルオロ−2−ヨードエタン(Matrix Scientific P.O.Box 25067 Columbia SC 92994−5067)およびエチレンを入れて混合物を形成させることができる。混合物を、約60℃〜約195℃で加熱し、約15時間〜約21時間および/または約18時間保持することができる。混合物を冷却して、粗生成物1,1,1,2,2−ペンタフルオロ−4−ヨードブタンを得ることができる。生成物を蒸留によって精製することができ、生成物の構造を、NMR分析によって確認することができる。
【0063】
さらに上記スキーム(14)によれば、撹拌機、熱電対、冷却生成物トラップ、および付加漏斗を備えることができるフラスコ中に、十分な量の脱離反応物質を入れて混合物を形成させることができる。次いで、混合物を約25℃〜約100℃に加熱し、その後に1,1,1,2,2−ペンタフルオロ−4−ヨードブタンを滴下して、反応混合物を形成させることができる。冷却生成物トラップ中に、生成物を回収することができる。生成物の構造を、NMR分析によって確認することができる。
【化48】

【0064】
上記スキーム(15)に関して、AIBN(9.2g、0.06mole)、1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロ−2−ヨードプロパン(1651グラム、5.6mole)、および293グラムの30%(wt/wt)Na水溶液を、2L高圧反応装置に入れて、混合物を形成させることができる。反応装置を密封し、自己圧力(autogeneous pressure)下で80℃に加熱することができる。酢酸アリル(587グラム、5.9mole)をこの混合物にゆっくり添加し、混合物をさらに4時間撹拌することができる。撹拌後、有機層が認められ、これを取り出し、HOで2回洗浄し、MgSOで乾燥させて、2212gの94%(ガスクロマトグラフィによる面積率)R−中間体である4,5,5,5−テトラフルオロ−4−(トリフルオロメチル)−2−ヨードペンチルアセタートを得ることができる。
【0065】
ジエチルグリコール(2944グラム)および亜鉛末(1330グラム)を、簡潔な蒸留装置を備えた5Lの5口フラスコに入れて、混合物を形成させることができる。混合物を撹拌し、120℃に加熱し、4,5,5,5−テトラフルオロ−4−(トリフルオロメチル)−2−ヨードペンチルアセタート(4149グラム)をゆっくり添加することができる。4,5,5,5−テトラフルオロ−4−(トリフルオロメチル)−2−ヨードペンチルアセタートを添加する場合、R−中間体である4,5,5,5−テトラフルオロ−4−(トリフルオロメチル)ペント−1−エン(2075グラム)を、フラッシングして取り出し、1Lの氷冷トラップに回収することができる。氷冷トラップの内容物を蒸留して、99.5%(ガスクロマトグラフィによる面積率)を超える4,5,5,5−テトラフルオロ−4−(トリフルオロメチル)ペント−1−エン(融点54℃)を得ることができる。
【化49】

【0066】
上記スキーム(16)に関して、20グラム(0.095mole)の4,5,5,5−テトラフルオロ−4−(トリフルオロメチル)ペント−1−エン(上記スキーム(15)を参照のこと)および28.18グラム(0.095mole)の1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロ−2−ヨードプロパンをガラス圧力管に準備して、混合物を形成させることができる。混合物に、0.51グラムのアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)を添加して反応混合物を形成させることができる。反応混合物を加熱し、約85℃で約24時間維持することができる。加熱中、さらなるAIBNを添加することができる(3時間後に0.11グラムおよび21時間後にさらに0.1グラム)。次いで、混合物をHOで2回洗浄して1,1,1,2,6,7,7,7−オクタフルオロ−2,6−ビス(トリフルオロメチル)−4−ヨードヘプタンを得ることができ、ガスクロマトグラフィによる分析によって、面積率で56%の純度であった。
【化50】

【0067】
上記スキーム(17)によれば、撹拌機、熱電対、付加漏斗、ならびに還流冷却器、熱電対、およびレシーバフラスコを備えたClaisenサイドアームを有するVigureuxカラムを備えることができるフラスコ中に、十分な量の脱離反応物質を入れ、約25℃〜約100℃に加熱することができる。脱離反応物質に、十分な量の1,1,1,2,6,7,7,7−オクタフルオロ−2,6−ビス(トリフルオロメチル)−4−ヨードヘプタン(上記スキーム(16)を参照のこと)を滴下して、混合物を形成させることができる。混合物への1,1,1,2,6,7,7,7−オクタフルオロ−2,6−ビス(トリフルオロメチル)−4−ヨードヘプタンの添加直後に、生成物1,1,1,2,6,7,7,7−オクタフルオロ−2,6−ビス(トリフルオロメチル)ヘプト−3−エンがリザーバフラスコに回収されることが認められる。生成物を、蒸留によってさらに精製し、構造を、GC/MSおよび/またはNMR分析によって確認することができる。
【化51】

【0068】
上記スキーム(18)によれば、ディップチューブ、熱電対、撹拌機、圧力計、およびエチレンガスを含むリザーバへのアタッチメントを備えることができる300mLオートクレーブ中に、319グラム(0.63mole)1,1,1,2,6,7,7,7−オクタフルオロ−2,6−ビス(トリフルオロメチル)−4−ヨードヘプタン(上記スキーム(16)を参照のこと)および3グラム(0.012mole)ジベンジルペルオキシドを添加して混合物を形成させることができる。次いで、オートクレーブを密封し、排気し、約100℃に加熱することができる。混合物にエチレンガスを添加して、反応混合物を形成することができる。反応混合物を、約380psigで約4時間保持することができる。次いで、反応混合物を氷水浴を使用して冷却し、脱気することができる。反応混合物に、さらなる3.0グラム(0.012mole)ジベンジルペルオキシドを添加して、新規の反応混合物を形成させることができる。次いで、オートクレーブを密封し、排気し、約100℃に加熱することができる。混合物にエチレンガスを添加して、新規の反応混合物を形成することができる。新規の反応混合物を約380psigで約4時間保持し、次いで、氷水浴を使用して冷却し、脱気し、オートクレーブを開けて336.5グラムの純度80(wt/wt)%(ガスクロマトグラフィによる)の1,1,1,2,6,7,7,7−オクタフルオロ−2,6−ビス(トリフルオロメチル)−4−ヨードヘプタン生成物を得ることができる。生成物を減圧蒸留(融点53℃/1.3Torr)によって精製することができ、構造を、NMR分析によって確認することができる。
【0069】
さらに上記スキーム(18)によれば、撹拌機、熱電対、付加漏斗、ならびに還流冷却器、熱電対、およびレシーバフラスコを備えたClaisenサイドアームを有するVigureuxカラムを備えることができるフラスコ中に、十分な量の脱離反応物質を入れ、約25℃〜約100℃に加熱することができる。脱離反応物質に、十分な量の1,1,1,2,6,7,7,7−オクタフルオロ−2,6−ビス(トリフルオロメチル)−4−ヨードヘプタンを滴下して、混合物を形成させることができる。混合物への1,1,1,2,6,7,7,7−オクタフルオロ−2,6−ビス(トリフルオロメチル)−4−ヨードヘプタンの添加直後に、生成物1,1,1,2,6,7,7,7−オクタフルオロ−2,6−ビス(トリフルオロメチル)−4−ビニルヘプタンがリザーバフラスコに回収されることが認められる。生成物を、蒸留によってさらに精製し、構造を、GC/MSおよび/またはNMR分析によって確認することができる。
【化52】

【0070】
上記スキーム(19)によれば、ディップチューブ、熱電対、撹拌機、圧力計、およびフルオロエチレンガスを含むリザーバへのアタッチメントを備えることができるオートクレーブ中に、一定量の1,1,1,2,6,7,7,7−オクタフルオロ−2,6−ビス(トリフルオロメチル)−4−ヨードヘプタン(上記スキーム(16)を参照のこと)および十分量の触媒を添加して混合物を形成させることができる。次いで、オートクレーブを密封し、排気し、約50℃〜約120℃に加熱することができる。混合物にフルオロエチレンガスを添加して、反応混合物を形成することができる。反応混合物を、十分な圧力で約4時間〜約16時間保持することができる。次いで、反応混合物を氷水浴を使用して冷却し、脱気して、1,1,1,2,6,7,7,7−オクタフルオロ−4−(2−フルオロ−2−ヨードエチル)−2,6−ビス(トリフルオロメチル)ビニルヘプタン生成物を得ることができる。生成物を減圧蒸留によって精製することができ、構造を、NMR分析によって確認することができる。
【0071】
さらに上記スキーム(19)によれば、撹拌機、熱電対、付加漏斗、ならびに還流冷却器、熱電対、およびレシーバフラスコを備えたClaisenサイドアームを有するVigureuxカラムを備えることができるフラスコ中に、十分な量の脱離反応物質を入れ、約25℃〜約100℃に加熱することができる。脱離反応物質に、十分な量の1,1,1,2,6,7,7,7−オクタフルオロ−4−(2−フルオロ−2−ヨードエチル)−2,6−ビス(トリフルオロメチル)ビニルヘプタンを滴下して、混合物を形成させることができる。混合物への1,1,1,2,6,7,7,7−オクタフルオロ−4−(2−フルオロ−2−ヨードエチル)−2,6−ビス(トリフルオロメチル)ビニルヘプタンの添加直後に、生成物1,1,1,2,6,7,7,7−オクタフルオロ−2,6−ビス(トリフルオロメチル)−4−(2−フルオロビニル)ヘプタンがリザーバフラスコに回収されることが認められる。生成物を、蒸留によってさらに精製し、構造を、GC/MSおよび/またはNMR分析によって確認することができる。
【化53】

上記スキーム(20)によれば、ディップチューブ、熱電対、撹拌機、圧力計、および1,1−ジフルオロエチレンガスを含むリザーバへのアタッチメントを備えることができるオートクレーブ中に、一定量の1,1,1,2,6,7,7,7−オクタフルオロ−2,6−ビス(トリフルオロメチル)−4−ヨードヘプタン(上記スキーム(16)を参照のこと)および十分量の触媒を添加して混合物を形成させることができる。次いで、オートクレーブを密封し、排気し、約50℃〜約120℃に加熱することができる。混合物に1,1−ジフルオロエチレンガスを添加して、反応混合物を形成することができる。反応混合物を、十分な圧力で約4時間〜約16時間保持することができる。次いで、反応混合物を氷水浴を使用して冷却し、脱気して、1,1,1,2,6,7,7,7−オクタフルオロ−4−(2,2−ジフルオロ−2−ヨードエチル)−2,6−ビス(トリフルオロメチル)ビニルヘプタン生成物を得ることができる。生成物を減圧蒸留によって精製することができ、構造を、NMR分析によって確認することができる。
【0072】
さらに上記スキーム(20)によれば、撹拌機、熱電対、付加漏斗、ならびに還流冷却器、熱電対、およびレシーバフラスコを備えたClaisenサイドアームを有するVigureuxカラムを備えることができるフラスコ中に、十分な量の脱離反応物質を入れ、約25℃〜約100℃に加熱することができる。脱離反応物質に、十分な量の1,1,1,2,6,7,7,7−オクタフルオロ−4−(2,2−ジフルオロ−2−ヨードエチル)−2,6−ビス(トリフルオロメチル)ビニルヘプタンを滴下して、混合物を形成させることができる。混合物への1,1,1,2,6,7,7,7−オクタフルオロ−4−(2,2−ジフルオロ−2−ヨードエチル)−2,6−ビス(トリフルオロメチル)ビニルヘプタンの添加直後に、生成物1,1,1,2,6,7,7,7−オクタフルオロ−2,6−ビス(トリフルオロメチル)−4−(2,2−ジフルオロビニル)ヘプタンがリザーバフラスコに回収されることが認められる。生成物を、蒸留によってさらに精製し、構造を、GC/MSおよび/またはNMR分析によって確認することができる。
【化54】

【0073】
上記スキーム(21)に関して、撹拌機、熱電対、および圧力計を備えることができる20mLオートクレーブ中に、3.42グラム(0.0087mole)の1,1,1,2,5,5,5−ヘプタフルオロ−2−(トリフルオロメチル)−4−ヨードペンタン(上記スキーム(2)を参照のこと)および0.034グラム(1.4×10−4mole)のジベンゾイルペルオキシドを添加して混合物を形成させることができる。次いで、オートクレーブを密封し、排気し、約95℃に加熱し、その際に約350psiの圧力を達成することができるようにエチレンガスをオートクレーブに送達させて反応混合物を得ることができる。オートクレーブの圧力は一連の反応において低下することが認められ、したがって、オートクレーブ内の圧力が約300psiに約1時間維持することができるように、エチレンガスをオートクレーブに継続して送達させることができる。次いで、反応混合物を脱気し、ガスクロマトグラフィによって分析して、純度が約81.3(wt/wt)%生成物1,1,1,2−テトラフルオロ−2,4−ビス(トリフルオロメチル)−6−ヨードヘキサンを得ることができる。生成物の構造を、NMR分析によって確認することができる。
【0074】
さらに上記スキーム(21)によれば、撹拌機、熱電対、付加漏斗、ならびに還流冷却器、熱電対、およびレシーバフラスコを備えたClaisenサイドアームを有するVigureuxカラムを備えることができるフラスコ中に、十分な量の脱離反応物質を入れ、約25℃〜約100℃に加熱することができる。脱離反応物質に、十分な量の1,1,1,2−テトラフルオロ−2,4−ビス(トリフルオロメチル)−6−ヨードヘキサンを滴下して、混合物を形成させることができる。混合物への1,1,1,2−テトラフルオロ−2,4−ビス(トリフルオロメチル)−6−ヨードヘキサンの添加直後に、生成物5,6,6,6−テトラフルオロ−3,5−ビス(トリフルオロメチル)ヘクセ−1−エンがリザーバフラスコに回収されることが認められる。生成物を、蒸留によってさらに精製し、構造を、GC/MSおよび/またはNMR分析によって確認することができる。
【化55】

【0075】
上記スキーム(22)に関して、撹拌機、熱電対、および圧力計を備えることができるオートクレーブ中に、一定量の1,1,1,2,5,5,5−ヘプタフルオロ−2−(トリフルオロメチル)−4−ヨードペンタン(上記スキーム(2)を参照のこと)および触媒を添加して混合物を形成させることができる。次いで、オートクレーブを密封し、約60℃〜約195℃に加熱し、その際にフルオロエチレンガスをオートクレーブに送達させて反応混合物を得ることができる。オートクレーブ内の圧力が約300psiに約1時間〜約16時間維持することができるように、フルオロエチレンガスをオートクレーブに継続して送達させることができる。次いで、反応混合物を脱気し、ガスクロマトグラフィによって分析して、生成物1,1,1,2,6−ペンタフルオロ−2,4−ビス(トリフルオロメチル)−6−ヨードヘキサンを得ることができる。生成物の構造を、NMR分析によって確認することができる。
【0076】
さらに上記スキーム(22)によれば、撹拌機、熱電対、付加漏斗、ならびに還流冷却器、熱電対、およびレシーバフラスコを備えたClaisenサイドアームを有するVigureuxカラムを備えることができるフラスコ中に、十分な量の脱離反応物質を入れ、約25℃〜約100℃に加熱することができる。脱離反応物質に、十分な量の1,1,1,2,6−ペンタフルオロ−2,4−ビス(トリフルオロメチル)−6−ヨードヘキサンを滴下して、混合物を形成させることができる。混合物への1,1,1,2,6−ペンタフルオロ−2,4−ビス(トリフルオロメチル)−6−ヨードヘキサンの添加直後に、生成物1,5,6,6,6−ペンタフルオロ−3,5−ビス(トリフルオロメチル)ヘクス−1−エンがリザーバフラスコに回収されることが認められる。生成物を、蒸留によってさらに精製し、構造を、GC/MSおよび/またはNMR分析によって確認することができる。
【化56】

【0077】
上記スキーム(23)に関して、撹拌機、熱電対、および圧力計を備えることができるオートクレーブ中に、一定量の1,1,1,2,5,5,5−ヘプタフルオロ−2−(トリフルオロメチル)−4−ヨードペンタン(上記スキーム(2)を参照のこと)および触媒を添加して混合物を形成させることができる。次いで、オートクレーブを密封し、約60℃〜約195℃に加熱し、その際に1,1−ジフルオロエチレンガスをオートクレーブに送達させて反応混合物を得ることができる。オートクレーブ内の圧力が約300psiに約1時間〜約16時間維持することができるように、1,1−ジフルオロエチレンガスをオートクレーブに継続して送達させることができる。次いで、反応混合物を脱気し、ガスクロマトグラフィによって分析して、生成物1,1,1,2,6,6−ヘキサフルオロ−2,4−ビス(トリフルオロメチル)−6−ヨードヘキサンを得ることができる。生成物の構造を、NMR分析によって確認することができる。
【0078】
さらに上記スキーム(23)によれば、撹拌機、熱電対、付加漏斗、ならびに還流冷却器、熱電対、およびレシーバフラスコを備えたClaisenサイドアームを有するVigureuxカラムを備えることができるフラスコ中に、十分な量の脱離反応物質を入れ、約25℃〜約100℃に加熱することができる。脱離反応物質に、十分な量の1,1,1,2,6−ペンタフルオロ−2,4−ビス(トリフルオロメチル)−6−ヨードヘキサンを滴下して、混合物を形成させることができる。混合物への1,1,1,2,6−ペンタフルオロ−2,4−ビス(トリフルオロメチル)−6−ヨードヘキサンの添加直後に、生成物1,1,5,6,6,6−ヘキサフルオロ−3,5−ビス(トリフルオロメチル)ヘクス−1−エンがリザーバフラスコに回収されることが認められる。生成物を、蒸留によってさらに精製し、構造を、GC/MSおよび/またはNMR分析によって確認することができる。
【化57】

【0079】
上記スキーム(24)によれば、ディップチューブ、熱電対、撹拌機、圧力計、および1,1,2−トリフルオロエチレンガスを含むリザーバへのアタッチメントを備えることができるオートクレーブ中に、一定量の1,1,1,2,6,7,7,7−オクタフルオロ−2,6−ビス(トリフルオロメチル)−4−ヨードヘプタン(上記スキーム(16)を参照のこと)および十分な量の触媒を添加して混合物を形成させることができる。次いで、オートクレーブを密封し、約50℃〜約120℃に加熱することができる。混合物に1,1,2−トリフルオロエチレンガスを添加して、反応混合物を形成させることができる。反応混合物を十分な圧力で約4時間〜約16時間保持することができる。次いで、反応混合物を氷水浴を使用して冷却し、脱気して、1,1,1,2,6,7,7,7−オクタフルオロ−4−(1,2,2−トリフルオロ−2−ヨードエチル)−2,6−ビス(トリフルオロメチル)ヘプタン生成物を得ることができる。生成物を減圧蒸留によって精製し、構造をNMR分析によって確認することができる。
【0080】
さらに上記スキーム(24)によれば、撹拌機、熱電対、付加漏斗、ならびに還流冷却器、熱電対、およびレシーバフラスコを備えたClaisenサイドアームを有するVigureuxカラムを備えることができるフラスコ中に、十分な量の脱離反応物質を入れ、約25℃〜約100℃に加熱することができる。脱離反応物質に、十分な量の1,1,1,2,6,7,7,7−オクタフルオロ−4−(1,2,2−トリフルオロ−2−ヨードエチル)−2,6−ビス(トリフルオロメチル)ヘプタンを滴下して、混合物を形成させることができる。混合物への1,1,1,2,6,7,7,7−オクタフルオロ−4−(1,2,2−トリフルオロ−2−ヨードエチル)−2,6−ビス(トリフルオロメチル)ヘプタンの添加直後に、生成物1,1,1,2,6,7,7,7−オクタフルオロ−2,6−ビス(トリフルオロメチル)−4−(1,2,2−トリフルオロビニル)ヘプタンがリザーバフラスコに回収されることが認められる。生成物を、蒸留によってさらに精製し、構造を、GC/MSおよび/またはNMR分析によって確認することができる。
【化58】

【0081】
上記スキーム(25)によれば、温度計、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパンの供給のために接続することができるテフロン(登録商標)ディップチューブ、および1/2’’×12’’ステンレススチール管反応装置に接続することができる出口管を備えることができる100ccの三つ口フラスコ中に、液体臭素を入れることができる。フラスコを電熱ランプによって加温して、約35℃〜約40℃の蒸気温度(vapor temperature)にすることができる。管反応装置を、電気炉によって約540℃〜約550℃に加熱することができる。フラスコに、流量計によって測定された28mL/分の1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパンガスを、ディップチューブを介して液体臭素にバブリングし、その結果、臭素蒸気で飽和されて混合物を得ることができる。混合物を、出口管を介して管反応装置に運搬することができる。混合物が管反応装置を通過するにつれて反応が起こり、2−ブロモ−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパンが氷水トラップに回収され、これを水で洗浄し、ガスクロマトグラフィによって分析して、以下の生成物分布63(wt/wt)%の1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、34(wt/wt)%の2−ブロモ−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、および1.9(wt/wt)%の2,2−ジブロモ−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパンを得ることができる。生成物を蒸留によって単離することができる。生成物の構造を、GC/MSおよび/またはNMR分析によって確認することができる。
【0082】
例示的R−中間体およびR−オレフィン生成物を、以下の本明細書中に記載の一般的手順のスキーム26〜30にしたがって調製することができる。
【化59】

【化60】

【化61】

【化62】

【化63】

【化64】

【0083】
上記のスキーム(31)によれば、大気放出板、圧力計、バルブ付きディップチューブ、蒸気弁、冷却ループ、およびサーモウェルを備えることができる2LのParr反応装置(316ステンレススチール)中に、1189グラム(4.02mole)の1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロ−2−ヨードプロパンおよび13グラム(0.09mole)のtert−ブチルペルオキシドを入れて、混合物を形成することができる。反応装置を密閉し、撹拌しながら120℃に加熱することができる。反応装置の自己圧力は、約100psigであることが認められた。混合物に、フッ化ビニル(フルオロエテン、VF)を添加して、反応装置内の圧力を約200psigにし、そして/または維持して、反応混合物を形成させることができる。反応装置内の圧力の低下に伴って発熱が認められ、その一方で、温度を約150℃未満のままであった。反応装置内の圧力が安定化するまで、反応を継続することができる。反応装置を通気し、内容物を取り出して、生成物の混合物を含む約1387グラムの粗1,1,1,2,4−ペンタフルオロ−2−(トリフルオロメチル)−4−ヨードブタンを得ることができる。生成物の構造を、ガスクロマトグラフィによって分析して、2.6%VF、0.8%CH3I、84.6%,1,1,2,4−ペンタフルオロ−2−(トリフルオロメチル)−4−ヨードブタン、0.7%ペルオキシド、8.3%1,1,1,2,4,6−ヘキサフルオロ−2−(トリフルオロメチル)−6−ヨードヘキサン(示さず)、および3.0%の他の物質を得ることができる。上記に加えて、短鎖重合体を形成し得る(例えば、1,1,1,2,4,6,8−ヘプタフルオロ−2−(トリフルオロメチル)−8−ヨードオクタン、1,1,1,2,4,6,8,10−オクタフルオロ−2−(トリフルオロメチル)−10−ヨードデカンなど)。生成物の混合物を、撹拌機、温度計、およびシルバーラインのジャケット付き真空カラムを備えることができる1Lフラスコ中で蒸留することができる。カラムは、長さ19.5’’、充填長(packed length)が13.5’’であり、0.16’’のMonel(商標)(Inco Limited 145 King Street West Suite 1500 Toronto,Ontario M5H 4B7,Canada)Pro−Pak(登録商標)(Cannon Instrument Company,2139 High Tech Rd.,State College,PA 16803)を使用して充填することができる。カラムを、温度計、コンデンサ、およびレシーバフラスコを有する磁石着脱式ヘッドを備えることができる。蒸留により、約1205グラムの98.5%〜99.0%(ガスクロマトグラフィによる)の1,1,1,2,4−ペンタフルオロ−2−(トリフルオロメチル)−4−ヨードブタン生成物を得ることができる。生成物の構造を、NMRおよび/またはクロマトグラフィおよび/または分光分析によって確認することができる。
【化65】

【0084】
上記スキーム(32)によれば、撹拌機、温度計、1,1,1,2,4−ペンタフルオロ−2−(トリフルオロメチル)−4−ヨードブタン(上記スキーム(31)を参照のこと)の添加のための付加漏斗、および冷却トラップおよび冷却リザーバフラスコを備えることができるアダプタと共に約0℃でコンデンサを備えることができるClaisen蒸留ヘッドのサイドアームを備えることができる2Lフラスコ中に、238グラム(4.24mole)の水酸化カリウム(KOH)、670.4グラムの水、および30グラムの75%(wt/wt)塩化メチルトリブチルアンモニウム水溶液(aliquat175)を入れて、混合物を形成させることができる。混合物を、約75℃〜約80℃に加熱することができる。加熱混合物に、893グラムの1,1,1,2,4−ペンタフルオロ−2−(トリフルオロメチル)−4−ヨードブタンを滴下して、反応混合物を形成させることができる。反応混合物から、リザーバフラスコより405グラムの1,3,4,4,4−ペンタフルオロ−3−(トリフルオロメチル)ブト−1−エンを回収することができる。
【化66】

【0085】
スキーム(33)に関して、撹拌機、温度計、安全弁、サンプル弁、および圧力計を備えることができる600mLオートクレーブ中に、約200mLの四塩化炭素、6グラム(0.11mole)の鉄粉、および6グラム(0.023mole)のリン酸トリブチル(TBP)を添加して反応混合物を形成させることができる。オートクレーブをドライアイス/アセトン浴に入れることによって、反応装置を約−50℃に冷却し、真空を解除することができる。混合物に、3,3,3−トリフルオロプロプ−1−エンを添加して、反応混合物の内部圧力を約3.4kPaにすることができる。反応混合物を約105℃に加熱し、それにより、自己圧力を約7.7kPaにすることができる。反応混合物をこの温度で数時間維持し、その間に、反応装置内の圧力が低下し、2.4kPaで安定することが認められる。反応混合物に、さらなる3,3,3−トリフルオロプロプ−1−エンを個別に数回供給し、反応を完了させることができる。圧力低下が認められない場合、反応完了が認められ得る。オートクレーブの内容物を移し、蒸留して、2,4,4,4−テトラクロロ−1,1,1−トリフルオロブタン生成物(163mmhgでの融点は86℃であり得る)を得ることができる。生成物の構造を、NMRおよび/またはGCMS分析によって確認することができる。
【化67】

【0086】
上記スキーム(34)に関して、外径約19mmおよび長さ約600mmであり得、Inconel(登録商標)合金から構成され、加熱器、熱電対、生成物トラップ、およびシリンジポンプを備えることができる反応装置に、クロム含有炭素触媒を添加して、反応空間(raactor space)を形成させることができる。反応空間を、約250℃〜約350℃に加熱し、NおよびHF/N混合物に約16時間曝露することができる。反応空間を冷却し、約300℃に維持し、約270mL/分の気体HFおよび約11.4mL/時間の液体2,4,4,4−テトラクロロ−1,1,1−トリフルオロブタン(上記スキーム(33)を参照のこと)をシリンジポンプを介して予熱器に送達して2,4,4,4−テトラクロロ−1,1,1−トリフルオロブタンを蒸発させて、反応混合物を得ることができる。反応混合物を水で洗浄し、MgSOで乾燥させ、ドライアイスコンデンサ中に回収して、粗1,1,1,4,4,4−ヘキサフルオロ−2−ブテン生成物を得ることができる。粗生成物の蒸留により、純度99%の生成物(沸点約8℃であり得る)が得られた。生成物の構造を、NMRおよび/またはGCMS分析によって確認することができる。
【0087】
本開示はまた、例えば、不活化および/または希釈、ならびに化学的、物理的、および/または熱的消滅(extingishing)および/または防止方法によって燃焼を防止し、そして/または消滅することができる本明細書中に記載のR−オレフィン生成物を含み得る燃焼防止組成物を提供する。熱的消滅には、燃焼の「冷却」が含まれる。本開示はまた、かかる化合物を使用した、燃焼の消滅、防止、および/または抑制方法を提供する。燃焼防止組成物は、
【化68】

(式中、Rは、(CFCFCH(CF)CH−、(CFCFCH((CFCF)CH−、(CFCFCH((CFCH)CH−、(CFCHCH((CFCF)CH−、((CFCFCHCH−、(CFCFCHCF−、(CFCF−、(CFCH−、CF−、またはC2n+1−(nは2〜20の整数である)を含むフッ素含有部分であり、RはFまたはHであり、Rは、(CFCF−、(CFCH−、CF−、F、またはHを含み、Rは、(CFCF−、(CFCH−、CF−、F、またはHを含む)を含み得る。燃焼防止組成物はまた、
【化69】

(式中、Rは、(CFCFCH(CF)CH−、(CFCFCH((CFCF)CH−、(CFCFCH((CFCH)CH−、(CFCHCH((CFCF)CH−、((CFCFCHCH−、(CFCFCHCF−、(CFCF−、(CFCH−、CF−、またはC2n+1−(nは2〜20の整数である)を含むフッ素含有部分であり、RはFまたはHであり、Rは、(CFCF−、(CFCH−、CF−、F、またはHを含み、Rは、(CFCF−、(CFCH−、CF−、F、またはHを含む)を含み得る。
【0088】
燃焼防止組成物はまた、R−CR=CR(式中、R部分は、CまたはCであり、R、R、およびR部分は、1つまたは複数のH、F、CF、およびCである)を含み得る。R−CR=CRは、
【化70】

【化71】

【化72】

【化73】

【化74】

【化75】

であり得る。
【0089】
本開示は、さらに、かかる消火剤の送達のための燃焼防止、消滅、防止、および/または抑制システムを提供する。本開示の例示的態様を、図3を参照して記載している。図3に関して、消火システム38と共に配置された空間37を示す。システム38は、組成物分配装置42(消火剤分散ノズルなど)に続いて消火剤保存容器または容器40を含む。
【0090】
空間37内に燃焼防止組成物を分配するように装置を配置することができる。空間内の燃焼の検出の際に自動的に空間に組成物が供給されるように装置を配置することもできる。組成物が実質的に液体形態および/または気体形態で分布されるように分配装置を配置することができる。分布装置は、実質的に液体形態の組成物を分配するように配置することができる流動装置であり得る。放出装置(flooding apparatus)などから実質的に気体形態の組成物を分布するように分布装置を配置することができる。
【0091】
示すように、燃焼44は、台座48上のパン46内で起こる。消火混合物50は、実質的に消火するために燃焼に適用する時、空間37内に存在する。
【0092】
2つの寸法で示しているが、空間37は、この開示の目的のために、その寸法(例えば、幅、高さ、および長さ)から決定された体積を有すると見なすべきである。図3は空間内での燃焼を防止するために配置されたシステムを例示し、例示のように、閉鎖されているようであるが、本開示の混合物、システム、および/または方法の適用は制限されない。いくつかの態様では、本開示を使用して、限定空間と同様に開いた空間における燃焼の消滅および/または防止を行うことができる。本開示の混合物を使用した消滅、抑制、および/または防止に適切な全ての燃焼は、少なくとも部分的に空間に取り囲まれている。利用可能な空間の体積を、本開示の薬剤で充填して、燃焼の消滅、抑制、および/または防止を行うことができる。典型的には、利用可能な体積は、液体または気体によって占められ得る体積(すなわち、流動物(気体および液体)を交換することができる体積)である。固体構成物は、典型的には、利用可能な体積の一部ではない。
【0093】
さらに、図3は、単一容器40を例示する。燃焼防止組成物を複数の容器から空間37に供給することができ、本開示は、単一容器から提供することができる混合物、方法、および/またはシステム、単一容器を使用する方法もしくはシステムに制限されるべきでないと理解すべきである。一般に、燃焼混合物がノズル42を介して容器から空間に導入された場合、燃焼が消滅する。図3は分配装置として単一ノズルを例示しているが、複数のノズルを使用することができ、本開示は、単一ノズルを使用した混合物、方法、および/またはシステムに制限されないことも理解すべきである。
【0094】
開示の態様によれば、燃焼防止組成物は、上記のR−オレフィン生成物(
【化76】

など)(以下の表3中のR−組成物が含まれる)を含み、本質的にこれからなり、そして/またはこれからなる。燃焼防止組成物は、
【化77】

(式中、Rは、(CFCFCH(CF)CH−、(CFCFCH((CFCF)CH−、(CFCFCH((CFCH)CH−、(CFCHCH((CFCF)CH−、((CFCFCHCH−、(CFCFCHCF−、(CFCF−、(CFCH−、CF−、またはC2n+1−(nは2〜20の整数である)を含むフッ素含有部分であり、RはFまたはHであり、Rは、(CFCF−、(CFCH−、CF−、F、またはHを含み、Rは、(CFCF−、(CFCH−、CF−、F、またはHを含む)を含み得る。
【0095】
【表3】

【0096】
燃焼防止組成物はまた、R−組成物および抑制添加物、および/または他の消火剤を含み、本質的にこれらからなり、そして/またはこれらからなり得る。使用される抑制添加物には、気体、水、および/またはこれらの混合物が含まれ得る。例示的気体には、窒素、アルゴン、ヘリウム、二酸化炭素、および/またはこれらの混合物が含まれ得る。例示的態様では、これらの気体は、炎から必要な燃料(酸素など)を奪う。同一または他の態様では、これらの気体は、燃焼に曝露した場合に分解に耐える。いくつかの場合、これらの気体を、不活性ガスおよび/または噴射剤という。例示的な不活性ガスは、窒素を含み、本質的にこれらからなり、そして/またはこれらからなり得る。組成物分配装置38を、窒素および/またはハイドロフルオロカーボンなどの噴射剤を使用してノズルを介して容器から組成物を押し進めるように配置することができる。
【0097】
消火混合物は、上記の表2に記載の化合物を含み得る。したがって、消火混合物は、R(R)C=C(Rを含む。これらの化合物を、単独、相互の混合物、または他の消火剤とのブレンドとして使用することができる。本発明の薬剤は、全域放出方式(totalf looding)および持ち運び式火炎抑制の用途の両方での使用に適切である。R−オレフィン生成物とのブレンドに適切な消火剤には、CFCHFCF、CFCFCFH、CFCHCF、CFCHFCFH、CFCFH、および/またはCFHが含まれる。オレフィン生成物ならびに混合物および/またはブレンドを、容量パーセントに対して一定の体積で空間37に適用することができる。本説明で示した%(v/v)値は、空間体積に基づき、National Fire Protection Association in NFPA 2001 standard on clean agent fire extinguishing,2000 editionによって採用および記載されている設計濃度をいうと理解すべきである。消火化合物の濃度の計算で使用した式は、National Fire Protection Associationでも採用されており、以下に示す。
W=V/S(C/100−C)
(式中、
W=消火化合物の重量(kg)
V=試験空間の体積(m
S=試験温度での消火化合物の比体積(m/kg)
C=濃度(%(v/v)))。
【0098】
特定の態様では、表2に列挙した化合物を含み、本質的にこれらからなり、そして/またはこれらからなる消火混合物を、例えば、以下の表4に示すように、約6%および/または6%未満の濃度で使用することができる。
【0099】
【表4】

【0100】
−組成物を、従来の適用技術およびHalon1301およびHalon1211などのHalonのために使用される方法を使用して適用することができる。したがって、これらの組成物を、全域放出方式の燃焼防止システムで使用することができる。このシステムは、組成物を消火に十分な濃度で火炎周囲の閉鎖された領域(例えば、室内または他の閉鎖空間)に導入する。本開示によれば、全域放出システムの装置、設備、または閉鎖空間に、組成物の供給源ならびに適切な配管弁および燃焼が起こり得る事象で適切な濃度を自動および/または手動で導入するための制御機器を提供することができる。したがって、燃焼防止組成物を、周囲条件で約600psigまで窒素または他の不活性ガスで圧縮することができる。あるいは、組成物を、従来の持ち運び式消火器の使用によって燃焼に適用することができる。
【0101】
本開示によれば、オレフィン剤を含むシステムを、周囲条件で約600psigまでの任意の望ましい圧力で都合よく圧縮することができる。本開示のオレフィン剤のいくつかの適用は、液体および気体燃料の火災の消火、電気設備通常で可燃性を示す物質(木、紙、および/または繊維)、有害な固体の防御、ならびにコンピュータ施設、データ処理設備、および制御室の防御である。本開示の新規の薬剤を、液体もしくは気体または両方の燃焼を抑制する目的で火炎に導入することもできる。
【0102】
これは、流動剤(streaming agent)としての組成物の使用をいう。本発明の新規の化合物を、他の化合物と組み合わせてブレンドとして火炎に導入することができる。
【図面の簡単な説明】
【0103】
【図1】図1は、本開示の1つの態様のハロゲン化中間体生成の1つの実施形態の図である。
【図2】図2は、本開示の1つの態様のR−オレフィン生成物の生成の1つの実施形態の図である。
【図3】図3は、本開示の1つの態様の燃焼防止組成物の適用例である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式:
【化1】

(式中、Rは、(CFCFCH(CF)CH−、(CFCFCH((CFCF)CH−、(CFCFCH((CFCH)CH−、(CFCHCH((CFCF)CH−、((CFCFCHCH−、(CFCFCHCF−、(CFCF−、又は(CFCH−を含むフッ素含有部分であり、
はFまたはHであり、
は、(CFCF−、(CFCH−、CF−、F、またはHを含み、
は、(CFCF−、(CFCH−、CF−、F、Hを含む)を含む組成物。
【請求項2】
前記
【化2】

が、1つまたは複数の
【化3】

【化4】

【化5】

【化6】

【化7】

【化8】

【化9】

【化10】

【化11】

、およびこれらの異性体である、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
式:
【化12】

(式中、Rは、(CFCFCH(CF)CH−、(CFCFCH((CFCF)CH−、(CFCFCH((CFCH)CH−、(CFCHCH((CFCF)CH−、((CFCFCHCH−、(CFCFCHCF−、(CFCF−、又は(CFCH−を含むフッ素含有部分であり、
はFまたはHであり、
は、(CFCF−、(CFCH−、CF−、F、またはHを含み、
は、(CFCF−、(CFCH−、CF−、F、Hを含む)を含む燃焼防止組成物。
【請求項4】
前記
【化13】

が、1つまたは複数の
【化14】

【化15】

(式中、nは0〜5の整数である)、
【化16】

【化17】

および
【化18】

である、請求項3に記載の燃焼防止組成物。
【請求項5】
−CR=CR(式中、R部分は、CまたはCであり、R、R、およびR部分は、1つまたは複数のH、F、CF、およびCである)を含む燃焼防止組成物。
【請求項6】
前記R−CR=CRが、1つまたは複数の
【化19】

【化20】

【化21】

(式中、nは0〜5の整数である)、
【化22】

および
【化23】

である、請求項5に記載の組成物。
【請求項7】
燃焼防止組成物を収容する容器を準備する工程を含む燃焼防止プロセスであって、前記容器が燃焼防止組成物分配装置に連結されるように配置され、前記防止組成物が、
【化24】

(式中、Rは、(CFCFCH(CF)CH−、(CFCFCH((CFCF)CH−、(CFCFCH((CFCH)CH−、(CFCHCH((CFCF)CH−、((CFCFCHCH−、(CFCFCHCF−、又は(CFCF−を含むフッ素含有部分であり、
はFまたはHであり、
は、(CFCF−、(CFCH−、CF−、F、またはHを含み、
は、(CFCF−、(CFCH−、CF−、F、Hを含む)を含む、燃焼防止プロセス。
【請求項8】
前記
【化25】

が、
1つまたは複数の
【化26】

【化27】

【化28】

、および
【化29】

(式中、nは1〜5の整数である)である、請求項7に記載の燃焼防止プロセス。
【請求項9】
前記分配装置が、実質的に液体形態の組成物を分配するように配置されている、請求項7記載のプロセス。
【請求項10】
前記分配装置が流動装置(streaming apparatus)である、請求項9に記載のプロセス。
【請求項11】
前記分配装置が、実質的に気体形態の組成物を分配するように配置されている、請求項7に記載のプロセス。
【請求項12】
前記分配装置が放出装置(flooding apparatus)である、請求項11に記載のプロセス。
【請求項13】
燃焼防止システムであって、
燃焼防止組成物を収容する容器、
【化30】

(式中、Rは、(CFCFCH(CF)CH−、(CFCFCH((CFCF)CH−、(CFCFCH((CFCH)CH−、(CFCHCH((CFCF)CH−、((CFCFCHCH−、(CFCFCHCF−、(CFCF−、又は(CFCH−を含むフッ素含有部分であり、
はFまたはHであり、
は、(CFCF−、(CFCH−、CF−、F、またはHを含み、
は、(CFCF−、(CFCH−、CF−、F、Hを含む)を含む燃焼防止組成物、および
前記容器に連結した組成物分配装置を含み、
前記装置が、前記燃焼防止組成物を分配するように配置されている、燃焼防止システム。
【請求項14】
前記
【化31】

が、1つまたは複数の
【化32】

【化33】

【化34】

、および
【化35】

(式中、nは1〜5の整数である)である、請求項14に記載のシステム。
【請求項15】
前記組成物分配装置が、空間内での燃焼の検出時に自動的に空間に組成物が供給されるように配置されている、請求項13に記載のシステム。
【請求項16】
前記組成物分配装置が、噴射剤を使用してノズルを介して前記容器から前記組成物を押し進めるように配置されている、請求項13に記載のシステム。
【請求項17】
前記噴射剤が窒素を含む、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記噴射剤がハイドロフルオロカーボンを含む、請求項16に記載のシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2009−515908(P2009−515908A)
【公表日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−540368(P2008−540368)
【出願日】平成18年11月13日(2006.11.13)
【国際出願番号】PCT/US2006/060842
【国際公開番号】WO2007/059468
【国際公開日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【出願人】(390023674)イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー (2,692)
【氏名又は名称原語表記】E.I.DU PONT DE NEMOURS AND COMPANY
【Fターム(参考)】