説明

組成物

【課題】乾燥後、感圧或いは感熱により、ラミネートを行え、組成物の硬化により、フィルムと金属を接着し、また、金属の腐食の恐れのない組成物の提供である。
【解決手段】フェノキシ基を末端に有する単官能(メタ)アクリレートとビニルブチラール樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエステルポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂等の重合体と溶剤を含む組成物を用い、溶剤乾燥後、ラミネートし、放射線で硬化させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フィルムと金属箔のラミネート用組成物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、各種プラスチックフィルム、金属箔などのラミネート複合フィルムに用いられる接着剤としては、主としてイソシアネート基を有する有機ポリイソシアネート化合物を単独または水酸基を有する有機ポリオール化合物と組み合わせて使用する、いわゆるポリウレタン系接着剤が用いられている。このポリウレタン系接着剤はラミネート用接着剤として接着後に要求される多面的な諸機能を同時に満足し得るものとしてきわめて優れたものであるが、硬化反応に長時間を要し、生産性に劣るものである。逆に硬化性は優れているものの、電子線等設備が要求されるもの、樹脂の設計に自由度がないものが多く、十分な使用時の要求機能を満たすものは現れていない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明の組成物は重合体、溶剤を含み、溶剤の蒸発乾燥により成膜し、これをラミネートすることにより、無溶剤樹脂のラミネート時の空気の巻き込みがなく、樹脂の脱泡や塗工工程の減圧ラミネート等の設備を要する等の負荷がない特徴を有する。この成膜後のラミネートは常温による感圧性ラミネート或いはラミネート時に塗膜を加熱し、感熱ラミネートはその後の硬化過程により、選択し、重合体の種類、分子量、ガラス転移点、単量体との相溶性、比率により、また使用する設備により適宜選択する。これらの選択は一般に知られた感圧性、感熱性の設計手法を採用することができる。
【0016】
本発明に用いるフェノキシ基を末端に有する単官能(メタ)アクリレートは、主としてエトキシ化フェニルアクリレート、2−ヒドロキシー3−フェノキシプロピルアクリレート、フェノキシジエチレングリコールアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、フ
ェノキシヘキサエチレングリコールアクリレート、フェノキシテトラエチレングリコールアクリレートが使用できる。これらは単独あるいは2種以上を混合して使用してもよい。組成物中、フェノキシ基を末端に有する単官能(メタ)アクリレートは固形分中10〜90重量%を配合することができ、特に30〜60重量%配合されるのが好ましい。この範囲では、物性を落とすこともなく、上記ラミネート時の特徴を維持することができる。
【0017】
前記フェノキシ基を末端に有する単官能(メタ)アクリレートで、積層体を作製した後、特に塩化第二鉄溶液等による酸で金属をエッチング処理する場合は、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、フェノキシエチルアクリレートが黄変が少ない点で好ましく、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレートがさらに好ましい。
【0018】
乾燥後の成膜性、ラミネート後、次工程までのずれを防ぐ凝集力を得るために重合体を用いる。重合体としてはビニルブチラール樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエステルポリウレタン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂をあげることができる。樹脂種類、重合度等にもよるが固形分中3〜50重量%配合することができる。特に5〜40重量%配合されるのが好ましい。この範囲であれば、ラミネート特性向上効果に寄与し、フェノキシ基を末端に有する単官能(メタ)アクリレートと相溶性も問題なく、粘度が上昇しすぎて作業性を著しく低下させることもなく、接着性能も良好である。
【0019】
また、不飽和基を有する重合体を用いることにより、得られる組成物の接着力を向上できる。この理由は定かではないが、硬化時に単量体と重合体が共重合するか、重合体が架橋するか、またはその両者の作用によるものと推察される。不飽和基を有する重合体の製造方法として、重合体が付加重合以外の方法によって製造されるものであれば、その重合体を製造するための単量体として不飽和基を有するものを使用すればよい。重合体が付加重合によって製造されるものであれば、重合後に不飽和基を導入すればよい。具体的には、多価イソシアネート化合物と、活性水素基および不飽和基を有する化合物を反応させ、これを活性水素基を有する重合体と反応させることで重合体に不飽和基を導入できる。前記活性水素基および不飽和基を有する化合物としては、2−ヒドロキシエチルアクリレート(2−HEA)や2−ヒドロキシエチルメタクリレート(2−HEMA)などが挙げられる。前記方法に限らず、重合体に不飽和基を導入できる方法であれば、どのような方法を採用してもよい。
【0020】
さらに必要に応じて、柔軟性付与、耐薬品性向上などを目的としてアクリル系オリゴマー、ポリエステルアクリレート、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレートも配合できる。
【0021】
上記の他、接着剤組成物の粘度を調節し、重合を速やかに進行させるために反応性希釈剤を使用することができる。例としてはメチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、などの単官能性化合物、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレートなどの多官能性化合物があげられる。これらは単独あるいは2種以上を混合して使用してもよい。固形分中70重量%が上限で、本発明の組成物の特徴を損なうことがない様に配合する。
【0022】
本発明の組成物は硬化放射線は種類に応じて使用することができる。設備があれば、電子線を用いることができる。この場合は開始剤を配合する必要も無く、透過深さも大きく、もっとも高速に硬化させることができる。次に高速かつ設備負担の少なく、樹脂のライフを考慮する必要がないものに紫外線を用いることができる。熱による硬化は単独では、逆に設備が大きなものとなるが、紫外線硬化と加熱硬化或いは嫌気性硬化を併用することにより、ラミネート工程速度を増すことができる。前記加熱硬化はラジカル重合開始剤を、嫌気性硬化は単量体にメタクリル系を使用し、有機過酸化物と硬化促進剤を併用配合して実施することができる。
【0023】
溶剤としては重合体を溶解でき、単量体との相溶性があり、乾燥工程の能力に合うものであれば、使うことができる。酢酸エチルやメチルエチルケトン、イソプロピルアルコール、トルエン等があげられ、乾燥条件の点から沸点が140℃以下のものが好ましい。塗工機の種類、塗工精度により、20〜50重量%の固形分比率となるように希釈する。
【0024】
金属箔や金属などの蒸着フィルムのように無機系の表面とのラミネートする場合に、密着を上げる目的で、次のような添加剤を必要に応じて添加することができる。これらの添加剤としては、モノ(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)アシッドホスフェート、モノ(3−クロロ−2−(メタ)アクリロイルオキシプロピル)アシッドホスフェートなどの(メタ)アクリロイル基を有するリン化合物やオルトリン酸、ポリリン酸、亜リン酸モノエチル、亜リン酸トリプロピルなどのリン化合物;イソプロピルジメタクリルイソステアロイルチタネート、イソプロピルイソステアロイルジアクリルチタネートなどの(メタ)アクリロイル基を有するチタン化合物やイソプロピルトリイソステアロイルチタネートなどのチタン化合物;アセトアルコキシアルミニウムジイソプロピレートなどのアルミニウム化合物;ビニルトリクロルシランなどのクロルシラン;n−(ジメトキシメチルシリルプロピル)エチレンジアミン、n−(トリエトキシシリルプロピル)エチレンジアミン、γ−アミノプロピルトリメトキシシランなどのアミノシラン;γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランなどのエポキシシラン;ビニルトリエトキシシラン等のビニルシランなどのシランカップリング剤、などがあげられこれらを必要に応じ、単独でまた組み合わせて使用することができる。
【0025】
これらのうち、(メタ)アクリロイル基をもつリン酸エステルおよびチタン酸エステルが、このもの自体も硬化に寄与し、金属との密着性に優れたものが得られるという点で特に好ましく、またシランカップリング剤も金属との密着に優れるものが得られ特に好ましい。
【0026】
これらの添加剤の使用量としては、組成物の固形分に対してそれぞれ0.01〜2重量%程度で十分な効果が得られる。
【0027】
充填剤、軟化剤、老化防止剤、安定剤、ラジカル重合禁止剤、接着促進剤、レベリング剤、消泡剤、密着性向上剤、可塑剤、無機フィラー、粘着付与樹脂、繊維類、顔料や染料などの着色剤、耐光性向上を目的に酸化防止剤や紫外線吸収剤を必要に応じて使用することができる。
【0028】
紫外線硬化する場合は、光開始剤として、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2’−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、キサントン、フルオレノン、ベンズアルデヒド、フルオレン、アントラキノン、トリフェニルアミン、カルバゾール、3−メチルアセトフェノン、4−クロロベンゾフェノン、4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、チオキサントン、ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−プロパン−1−オン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4’−トリメチルペンチルフォスフィンオキシド等を用いることができる。市販の光開始剤としてはDarocure1116、Darocure1173、IRGACURE127、IRGACURE184、IRGACURE369、IRGACURE500、IRGACURE651、IRGACURE754、IRGACURE819、IRGACURE907、IRGACURE1300、IRGACURE1800、IRGACURE1870、IRGACURE2959、IRGACURE4265、IRGACURE TPO(以上チバ・スペシャルティーケミカルズ社、商品名)、などを用いることができる。
【0029】
対象となるラミネート基材としては、例えばポリエステルフィルム、ポリカーボネートフィルムなどのプラスチックフィルム類;アルミニウム箔、銅箔などの金属箔、金属箔の代わりとしてアルミニウム蒸着フィルム、シリカ蒸着フィルムなどの無機物蒸着フィルム
類などがある。中でも本組成物はポリエステルフィルムとアルミニウム箔、ポリエステルフィルムと銅箔に優れた接着性が得られる。なお、ラミネート基材がいすれか一方が350〜400nmの範囲で全光線透過率が80%以上であることが好ましい。
【0030】
本発明組成物の塗工はロールコート塗装、スプレー塗装、ハケ塗り、バーコート塗装、グラビアロール塗装、ローラー塗り、シルクスクリーン印刷などの塗装法によって塗装することができる。
【0031】
接着剤の膜厚は積層の仕様によって決定されるが、乾燥時膜厚1〜30μmが好ましい。
【0032】
硬化の一例として 紫外線を利用する場合、照射源としては、例えば、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、キセノンランプ、カーボンアーク、メタルハライドランプ、太陽光などを挙げることができる。照射側の基材の全光線透過率によって選択し、中でもメタルハライドランプが好ましい。
【0033】
以下、本発明について実施例、比較例を挙げてより詳細に説明するが、具体例を示すものであって特にこれらに限定するものではない。
【実施例】
【0034】
実施例1
R−128(日本化薬(株)、商品名、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、固形分100%)60重量部、TPGDA(ダイセルサイテック(株)、商品名、トリプロピレングリコールジアクリレート固形分100%)176.9重量部、BM−2(積水化学工業(株)、商品名、ビニルブチラール樹脂 固形分100%)を50重量部、CD−9050(サートマー・ジャパン(株)、商品名、単官能燐酸メタクリルエステル、固形分100%)を0.3重量部、KBM−503(信越化学工業(株)、商品名、シランカップリング剤 固形分100%)を0.3重量部、開始剤としてIrgacure907(チバ・スペシャルティ・ケミカル(株)、光開始剤)を12.5重量部加え、溶媒として酢酸エチルを用い固形分30%の組成物を得、実施例1の組成物とした。
【0035】
実施例2
R−128を150重量部、TPGDA83.15重量部に変えた以外実施例1と同じに行い実施例2の組成物とした。
【0036】
実施例3
R−128を270重量部、BM−2を15.65重量部、Irgacure907を13.75重量部に変えた以外実施例1と同じに行い実施例3の組成物とした。
【0037】
実施例4
実施例2のBM−2をTPAE31(富士化成工業(株)、商品名、ポリアミド樹脂固形分100%)166.7重量部に酢酸エチルを酢酸エチル、トルエン、イソプロピルアルコール(混合比1:2:2)混合溶剤に変えた以外実施例2と同じく行い実施例4の組成物とした。
【0038】
実施例5
実施例4のTPAE31をハイパールM−6003(根上工業(株)、商品名、アクリル樹脂固形分100%)50重量部に、溶媒を酢酸エチル、トルエン(混合比1:2)混合溶剤に変えた以外実施例4と同じく行い実施例5の組成物とした。
【0039】
実施例6
実施例5のハイパールM−6003をバイロン240(東洋紡績(株)、商品名、ポリエステル樹脂固形分100%)に、溶媒を酢酸エチル、トルエン、メチルエチルケトン(混合比1:2:2)混合溶剤に変えた以外実施例5と同じく行い実施例6の組成物とした。
【0040】
実施例7
実施例2のBM−2をバイロンUR−1400(東洋紡績(株)、商品名、ポリエステルポリウレタン樹脂固形分30%)50重量部に、溶媒を酢酸エチル、トルエン、メチルエチルケトン(混合比1:2:2)混合溶剤に変えた以外実施例2と同じく行い実施例7の組成物とした。
【0041】
実施例8
実施例7のバイロンUR−1400をjER1001(ジャパンエポキシレジン(株)、商品名、エポキシ樹脂固形分100%)に、溶媒を酢酸エチルに変えた以外実施例7と同じに行い実施例8の組成物とした。
【0042】
実施例9
実施例2のCD−9050、KBM−503を無添加とした以外実施例2と同じく行い実施例9の組成物とした。
【0043】
実施例10
系中を窒素で置換した反応装置にコロネートHX(日本ポリウレタン工業(株)製、商品名、ヘキサメチレンジイソシアネートの三量体)を5.2重量部、2−HEMAを2.2重量部、SCAT−1(三共有機合成(株)製、商品名、ブチル錫系化合物)を0.0015重量部、溶媒としてメチルエチルケトンを498.9重量部添加し、60℃まで加熱して1時間反応させた後、AP−060(ガンツ化成(株)製、商品名、カルボキシル基含有アクリル重合体)を137.4重量部加え、さらに60℃で1時間反応させた。室温まで冷却後、R−128を56.0重量部、CD9050を6.0重量部、KBM503を2.0重量部、Irgacure819を7.0重量部添加し、固形分30%である実施例10の組成物とした。
【0044】
実施例11
実施例10において、コロネートHXの添加量を5.4重量部、2−HEMAの代わりに2−HEAを2.0重量部添加した他は実施例10と同様に行い、固形分30%である実施例11の組成物とした。
【0045】
比較例1
実施例1のR−128をIBXA(大阪有機化学(株)、商品名、イソボニルアクリレート固形分100%)30重量部、TPGDAを206.9重量部に変えた以外実施例1と同じに行い比較例1の組成物とした。
【0046】
比較例2
実施例1のR−128を284.4重量部、TPGDAを無配合、BM−2を無配合、Irgacure907を15重量部とした以外実施例1と同じに行い比較例2の組成物とした。
【0047】
比較例3
実施例1のR−128を150重量部、TPGDAを133.15重量部、BM−2を無配合と変えた以外実施例1と同じに行い比較例3の組成物とした。
【0048】
比較例4
実施例1のR−128をIBXA84.9重量部、TPGDAを無配合に、BM2を210重量部、Irgacure907を4.5重量部に変えた以外実施例1と同じに行い比較例4の組成物とした。
【0049】
【表1】

【0050】
表中 単量体種類はフェノキシ基を末端に有する単官能(メタ)アクリレートであるものを○、そうでないもの×とした。重合体の有無は重合体が入っているものを○、入っていないものを×とした。添加剤の有無はCD−9050、KBM−503の添加されているものは○、無添加を×と表記した。
【0051】
実施例1〜11および比較例1〜4で得られた組成物を、マイホイル(住軽アルミ箔(株)、商品名、25μm厚アルミニウム箔、純度99.7%)にバーコーターで塗布し、80℃30秒間乾燥させ、接着剤の上にA4300(東洋紡績(株)、商品名、ポリエステルフィルム、100μm厚、易接着処理品)をラミネートし、紫外線照射機LH6(フュージョンUVシステム・ジャパン(株)製、バルブ名無電極Dバルブ)を用い、800mJ/m(EIT(株)製MicroCureにてUV−A領域でピーク照度800mW/cm)の紫外線処理を行い、接着剤層5μmの積層体を得た。
【0052】
試験・評価方法
剥離強度:JIS K6854−2(1999年版)に基づく180度はく離接着強さ試験方法に基づき、温度23℃、湿度50%RHの環境条件下、万能材料試験機5582型(インストロンジャパン(株)で、幅15mmの試料を180度方向に200mm/分の速度で引張り、剥離強度(N/15mm)を測定した。
【0053】
未硬化時保持力:ラミネート後、硬化前のラミネート状態の保持を評価するために、上記A4300に実施例・比較例の組成物を乾燥時10μmとなるように塗布し80℃30秒間乾燥後常温にて、接着面積100mm×10mmになるような試験片を作製し、接着面長手方向に剪断応力が加わる様に下部に重りをぶら下げて30秒間落下しない重りの重量を接着面積で除して面積あたりの重量(g/mm)を測定した。(図1参照)
請求項1〜11の組成物を用いた場合、剥離強度、未硬化保持力とも良好であり、優れた接着性能を有することが分かる。特に、不飽和基を有する重合体を用いた実施例10、11においては、さらに高い接着性能を有する。一方、フェノキシ基を末端に有する単官能(メタ)アクリレートまたは重合体を含有しない各比較例においては、十分な接着力を示してない。
【産業上の利用可能性】
【0054】
本発明の組成物はフェノキシ基を末端に有する単官能(メタ)アクリレートを含有することにより、硬化後の接着力が得られ、重合体と前記単量体の感圧或いは粘着特性を溶剤乾燥後発現させるもので、金属と放射線透過物のラミネート後、放射線硬化する用途に応用できる。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】未硬化時保持力の説明図 右 断面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
乾燥後感圧性或いは感熱性を持つ組成物であって、単量体、重合体、溶剤を含み、乾燥後単量体の硬化により接着する組成物で、前記単量体はフェノキシ基を末端に有する単官能(メタ)アクリレートであることを特徴とする組成物。
【請求項2】
上記接着が、金属とフィルムの接着であることを特徴とする請求項1記載の組成物。
【請求項3】
上記硬化が紫外線によるものであることを特徴とする請求項1乃至2いずれかに記載の組成物。
【請求項4】
上記重合体がビニルブチラール樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエステルポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂のいずれかであることを特徴とする請求項1乃至3いずれかに記載の組成物。
【請求項5】
上記重合体は不飽和基を有するものであることを特徴とする請求項1乃至4いずれかに記載の組成物。

【図1】
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【公開番号】特開2009−235388(P2009−235388A)
【公開日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−40217(P2009−40217)
【出願日】平成21年2月24日(2009.2.24)
【出願人】(000100698)アイカ工業株式会社 (566)
【Fターム(参考)】