説明

組成物

疎水的に改質された陰イオン性ポリマーを含むヘアコンディショニング組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、改善されたコンディショニング組成物に関する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
従来技術にも関わらず、改善されたコンディショニング組成物が、依然として必要である。
【課題を解決するための手段】
【0003】
したがって、疎水的に改質された陰イオン性ポリマーを含むヘアコンディショニング組成物を提供する。
【発明の効果】
【0004】
疎水的に改質されたこの陰イオン性ポリマーは、より優れた洗い落とし特性を付与する。この組成物がコンディショニングマスク組成物である場合は、特にそうである。
【発明を実施するための形態】
【0005】
好ましくは、ポリマーはアクリレートポリマーまたはメタクリレートポリマーである。
【0006】
好ましくは、疎水的改質はアルキル化を含む。
【0007】
好ましくは、アルキル基は6から30個の炭素を含み、より好ましくは16から28個の炭素を含み、もっとも好ましくは18から24個の炭素を含む。
【0008】
好ましいポリマーは、Rohm&Haas社により、Aculynという商標名で販売されている。この中でもっとも好ましいものは、Aculyn28(登録商標)である。
【0009】
ポリマーは、0.01から5重量%存在し、より好ましくは0.05から1重量%存在する。
【0010】
好ましくは、先の任意の特許請求の範囲による組成物は、構造化剤を含む。構造化剤は、使用者の手における製品の感触を改善する。
【0011】
本発明による組成物を「構造化する」ために使用される構造化剤は、天然または合成の結晶性ワックスとすることができる。鉱物、動物または植物(植物性)ワックスは、すべて天然ワックスと称される。合成ワックスは、原料から合成的に重合されたワックス、または化学的に改質された天然ワックスと称される。
【0012】
天然の結晶性ワックスの中で、使用され得るものは、パラフィンおよびマイクロクリスタリンワックスなどの石油系ワックスである。化学的に、マイクロクリスタリン(MC)およびパラフィンワックスは共に、非常に類似しており、長鎖飽和炭化水素鎖から成る。両タイプのワックスは、通常より高い分子量を有するMCワックスと共に、原油から分離される。パラフィンワックスは、冷却およびろ過工程による精製工程中に、原油の高沸点留分から抽出される。ワックス中の残留オイルを除去するための発汗法の後、得られたパラフィンワックスは、通常0.5%未満のオイルを有する。
【0013】
多くの異なるグレード、ほとんどの場合、融点が様々なものが入手可能である。一般には、パラフィンワックスは無色または白色で、透明である。パラフィンワックスは、ほとんどの場合、鎖の末端近くに分岐を有する分岐鎖の分子を少量含む直鎖の分子から主に成る。直鎖が長い結果として、パラフィンワックスは、大きく形のよい結晶を有する。パラフィンワックスの分子量は、一般には、360から420(26から30個の炭素原子)の範囲であるが、より長鎖(分子量が最大600)の型も入手可能である。典型的な融点は126−134°F(52−57℃)であり、高分子量の型のものは170°F(77℃)近辺の融点を有する。パラフィンワックスは脆弱であり、オイルの添加は、構造を弱める(引張強度を低下させる)。
【0014】
マイクロクリスタリンワックス(MC)は、物理的性質、鎖の構造および長さ、ならびに製造方法が、パラフィンワックスとは異なる。それらは、パラフィンワックスより強靱で、柔軟であり、また高い引張強度および融点を有する。MCワックスは、オイルに対する高い親和性があり、添加されると、これによりワックスの可塑性が向上する。MCワックスは、分解することなく蒸留することはできず、それゆえに、有機溶媒中での再結晶化および遠心分離を含む脱ワックス化工程によって、原油の蒸留残渣分画から分離される。オイル含量はグレードで変わるが、通常、約2%から12%である。MCワックスは、ほとんどの場合、幾つかの直鎖と共に、鎖に沿って不規則に配置された分岐鎖分子を含有する。典型的な融点は、145から195°F(63−91℃)である。高い針入度は、ワックスの柔軟性を示すが、柔軟性は融点の関数ではない。
【0015】
モンタンワックス、リグナイトワックス、オソセライト(osocerite)、セレシン、ユタワックスおよびピートワックスなどの他の鉱物ワックスもある。
【0016】
動物ワックスは、ハチ、昆虫または鯨などのものから得ることができる。これらのワックスは、蜜蝋、いぼた蝋、シェラック蝋、鯨蝋およびウールワックスを含むが、それらに限定されない。例えば、動物ワックスとして分類される蜜蝋は、ハチの巣を作るために、ミツバチによって分泌される。ワックスは、ハチの巣を溶融、およびワックスをろ過分離することにより採取される。蜜蝋は、約61−65℃の融点を有し、また、ほとんどすべてのワックスおよびオイルと相溶する。
【0017】
植物ワックスは、豆、葉および液果から誘導され得る。植物または植物性ワックスは、シロヤマモモ、キャンデリラ、カルナバ、綿花、エスパルト、モミ、日本、ウリキュリ(ouricury)、パーム、米油、サトウキビ、ウクフバ(ucuhuba)およびココアバターを含むことができる。
【0018】
使用され得る、合成の結晶性ワックスの中には、ポリエチレン、ポリメチレン、化学的に改質されたワックス、重合したアルファオレフィンおよび合成動物ワックスなどの結晶性ポリマーがある。例えば、化学的に改質された蜜蝋であるケイ素系の(siliconyl)蜜蝋が使用されてよい。
【0019】
本主題の発明に従って使用され得る種々のワックス、およびそれらの特性の一例は、以下の表1で説明される。
【0020】
【表1】

【0021】
本発明の別の構造化材料(例えば、他の有益な試剤を構造化するために使用される)は、マイクロクリスタリンワックスワセリンであり(ワセリンまたはミネラルゼリーとしても知られている)、このマイクロクリスタリンワックスワセリンは、通常、約90重量%のマイクロクリスタリンワックスの天然混合物および少量の他の不純物を含む。
【0022】
本発明による組成物は、コンディショニング組成物に共通する任意の多くの成分を含んでよい。
【0023】
本発明による組成物は、髪の処理(通常シャンプー後)およびその後のリンスのためのコンディショナーとしても製剤化されてもよい。
【0024】
このようなコンディショナーは、化粧上許容されており、髪への局所施用に適切な1種または複数のコンディショニング界面活性剤を含む。
【0025】
適切なコンディショニング界面活性剤は、陽イオン性界面活性剤から選択され、単一または混合物で使用される。例は、水酸化第四級アンモニウムまたはその塩、例えば塩化物を含む。
【0026】
本発明のヘアコンディショナーに使用するための適切な陽イオン性界面活性剤は、塩化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム、塩化セチルピリジニウム、塩化テトラメチルアンモニウム、塩化テトラエチルアンモニウム、塩化オクチルトリメチルアンモニウム、塩化ドデシルトリメチルアンモニウム、塩化ヘキサデシルトリメチルアンモニウム、塩化オクチルジメチルベンジルアンモニウム、塩化デシルジメチルベンジルアンモニウム、塩化ステアリルジメチルベンジルアンモニウム、塩化ジドデシルジメチルアンモニウム、塩化ジオクタデシルジメチルアンモニウム、塩化牛脂トリメチルアンモニウム、塩化ココトリメチルアンモニウムおよび対応するそれらの水酸化物を含む。さらに適切な陽イオン性界面活性剤は、CTFA名称がQuaternium−5、Quaternium−31およびQuaternium−18の物質を含む。前記物質の任意の混合物もまた適合し得る。本発明のヘアコンディショナーに使用するための、特に有用な陽イオン性界面活性剤は、塩化セチルトリメチルアンモニウムであり、例えば、Henkel社製のDEHYQUARTとして商業的に入手可能である。
【0027】
本発明のコンディショナーにおいて、陽イオン性界面活性剤の濃度は、好ましくは、組成物の0.01から10重量%であり、より好ましくは0.05から5重量%であり、もっとも好ましくは0.1から2重量%である。
【0028】
本発明のコンディショナーは、脂肪族アルコール原料を有利に取り入れる。コンディショニング組成物における、脂肪族アルコール原料および陽イオン性界面活性剤の併用は、陽イオン性界面活性剤が、その中で分散するラメラ相の形成をもたらすので、特に利点があると考えられる。
【0029】
代表的な脂肪族アルコールは、8から22個の炭素原子を含み、より好ましくは16から20個の炭素原子を含む。適切な脂肪族アルコールの例は、セチルアルコール、ステアリルアルコールおよびそれらの混合物を含む。これらの物質の使用は、本発明の組成物のコンディショニング特性全体に寄与するという点においても利点がある。
【0030】
本発明のコンディショナー中の脂肪族アルコール物質の濃度は、組成物の0.01から10重量%が好都合であり、好ましくは0.1から5重量%である。陽イオン性界面活性剤と脂肪族アルコールの重量比は、適切には、10:1から1:10であり、好ましくは4:1から1:8であり、最適には1:1から1:4である。
【0031】
シリコーンは、本発明の髪処理用組成物における、特に好ましい成分である。特に、本発明のコンディショナーは、また、コンディショニング性能を向上するために、シリコーンのエマルション化粒子も好ましく含む。シリコーンは組成物の水性マトリックスには不溶で、それゆえ、分散化した粒子として存在しているシリコーンと共に、エマルション化形態で存在する。
【0032】
適切なシリコーンは、ポリジオルガノシロキサン、特に、CTFA名称がジメチコンのポリジメチルシロキサンである。CTFA名称がジメチコノールのヒドロキシル末端基をもつポリジメチルシロキサンも、本発明の組成物の使用に適している。例えば、WO96/31188に記載されているように、架橋程度がわずかなシリコーンゴムも、本発明の組成物での使用に適する。これらの材料は、豊かさ(body)、ボリュームおよびスタイリングのしやすさを髪に与え、また良好な湿潤および乾燥コンディショニングを与える。
【0033】
エマルション化シリコーンそれ自体の粘度(エマルションまたは最終ヘアコンディショニング組成物ではない。)は、通常、少なくとも10,000cstである。発明者らは、一般に、コンディショニング性能は、粘度の増加に伴って向上することを見出した。したがって、シリコーンそれ自体の粘度は、好ましくは、少なくとも60,000cstであり、もっとも好ましくは、少なくとも500,000cstであり、理想的には少なくとも1,000,000cstである。好ましくは、粘度は製剤化の容易のために、10cstを超えない。
【0034】
本発明のコンディショナーに使用するためのエマルション化シリコーンは、通常、組成物中に、30ミクロン未満、好ましくは20ミクロン未満、もっと好ましくは10ミクロン未満の平均シリコーン粒子サイズを有する。発明者らは、粒子サイズを小さくすると、一般に、コンディショニング性能が改善することを見出した。もっとも好ましくは、組成物中のエマルション化シリコーンの平均シリコーン粒子サイズは、2ミクロン未満であり、理想的には0.01から1ミクロンの範囲である。≦0.15ミクロンの平均シリコーン粒子サイズを有するシリコーンエマルションは、一般にマイクロエマルションと呼ばれる。
【0035】
粒子サイズは、Malvern Instruments社の2600D粒径分析装置を用いた、レーザー光散乱技術によって測定され得る。
【0036】
本発明に使用するための適切なシリコーンエマルションは、また、予めエマルション化した形態でも商業的に入手可能である。
【0037】
適切な予備形成エマルションの例は、エマルションDC2−1766、DC2−1784およびマイクロエマルションDC2−1865およびDC2−1870を含み、これらはすべて、Dow Corning社から入手可能である。これらはすべて、ジメチコノールのエマルション/マイクロエマルションである。架橋シリコーンゴムも、また、製剤化を容易にするために有利な、予めエマルション化した形態で入手可能である。好ましい例は、DC X2−1787として、Dow Corning社から入手可能な材料であり、このDC X2−1787は、架橋ジメチコノールゴムのエマルションである。さらに好ましい例は、DC X2−1391として、Dow Corning社から入手可能な材料であり、このDC X2−1391は、架橋ジメチコノールゴムのマイクロエマルションである。
【0038】
本発明のコンディショナーに含有させるのにさらに好ましいシリコーン類は、アミノ官能性シリコーンである。少なくとも1種の第一級、第二級もしくは第三級アミノ基、または第四級アンモニウム基を含有するシリコーンが、「アミノ官能性シリコーン」によって意味される。
【0039】
適切なアミノ官能性シリコーンの例は、
(i)CTFA名称が「アモジメチコン」であり、一般式
HO−[Si(CH−O−]−[Si(OH)(CHCHCH−NH−CHCHNH)−O−]−H
(式中、xおよびyは、一般に、約5,000から500,000の分子量となるようなポリマーの分子量に依存する数字である。)を有するポリシロキサン、
(ii)一般式
R’3−a−Si(OSiG−(OSiGR’2−b−O−SiG3−a−R’
[式中、
Gは、H、フェニル、OHまたはC1−8アルキル、例えばメチルから選択され、
aは、0または1から3の整数であり、好ましくは0であり、
bは、0または1であり、好ましくは1であり、
mおよびnは、(m+n)が1から2000の範囲、好ましくは50から150の範囲となることができる数字であり、
mは、1から2000の数字であり、好ましくは1から10の数字であり、
nは、0から1999の数字であり、好ましくは49から149の数字であり、および
R’は、式−C2qLの一価の基であり、式中、qは2から8の数字、およびLは以下
−NR”−CH−CH−N(R”)
−N(R”)
−N(R”)
−NH(R”)
−N(R”)A
−N(R”)−CH−CH−N(R”)A
(式中、R”はH、フェニル、ベンジル、または飽和の一価の炭化水素基、例えばC1−20アルキルから選択され、
Aはハロゲンイオン、例えば塩化物イオンまたは臭化物イオンである。)
から選択されるアミノ官能性基である。]
を有するポリシロキサン、
を含む。
【0040】
上記式に対応する適切なアミノ官能性シリコーンは、以下に示される「トリメチルシリルアモジメチコン」と呼ばれ、本発明の組成物において有用となるように十分に水不溶性であるポリシロキサンを含む。
Si(CH−O−[Si(CH−O−]−[Si(CH)(R−NH−CHCH NH)−O−]−Si(CH
(式中、x+yは約50から約500の数字であり、Rは2から5個の炭素原子を有するアルキレン基である。好ましくは、x+yの数字は、約100から約300の範囲である。)
(iii)一般式
{(R)(R)(R)NCHCH(OH)CHO(CH[Si(R)(R)−O−]−Si(R)(R)−(CH−O−CHCH(OH)CH(R)(R)(R10)}(X
(式中、RおよびR10は、同一または異なってよく、また、H、飽和または不飽和の長鎖または短鎖のアルキル(アルケニル)、分岐鎖のアルキル(アルケニル)およびC−Cの環式環系(cyclic ring system)から独立に選択されてよく、
からRは、同一または異なってよく、また、H、直鎖または分岐鎖の低級アルキル(アルケニル)およびC−Cの環式環系から独立に選択されてよく、
nは、約60から約120の範囲の数字であり、好ましくは約80であり、また、
は好ましくは、アセテートであるが、代わりに、例えば、ハロゲン化物、有機カルボキシレート、有機スルホネートなどであってもよい。
【0041】
このような部類の適切な第四級シリコーンポリマーは、EP−A−0530974に記載されている。)
を有する第四級シリコーンポリマー。
【0042】
本発明のコンディショナーに使用するために適切なアミノ官能性シリコーンは、通常、約0.1から約8.0モル%の範囲のアミン官能基を有し、好ましくは約0.1から約5.0モル%の範囲のアミン官能基を有し、もっとも好ましくは約0.1から約2.0モル%の範囲のモル%のアミン官能基を有する。一般には、アミン濃度が高すぎると、全シリコーンの沈殿、すなわちコンディショニング性能に不利となる恐れがあることを発明者らは見出しているので、アミン濃度は約8.0モル%を超えるべきではない。
【0043】
アミノ官能性シリコーンの粘度は、特に重要ではなく、また約100から約500,000cstを好適な範囲とすることができる。
【0044】
本発明に使用するための適切なアミノ官能性シリコーンの具体例は、アミノシリコーンオイルDC2−8220、DC2−8166、DC2−8466およびDC2−8950−114(すべてDow Corning社製)およびGE1149−75(General Electric Silicones社製)である。
【0045】
アミノ官能性シリコーンオイルの非イオン性および/または陽イオン性界面活性剤とのエマルションも適切である。
【0046】
適切には、このような予備形成エマルションは、組成物中に、30ミクロン未満、好ましくは20ミクロン未満、より好ましくは10ミクロン未満の平均アミノ官能性シリコーンの粒子サイズを有する。やはり、発明者らは、粒子サイズを小さくすると、一般に、コンディショニング性能が改善することを見出した。もっとも好ましくは、組成物中の平均アミノ官能性シリコーンの粒子サイズは、2ミクロン未満であり、理想的には0.01から1ミクロンの範囲である。≦0.15ミクロンの平均シリコーン粒子サイズを有するシリコーンエマルションは、一般的にマイクロエマルションと呼ばれる。
【0047】
アミノ官能性シリコーンの予備形成エマルションは、また、Dow Corning社およびGeneral Electric社などのシリコーンオイルの供給業者からも入手可能である。具体例は、DC929陽イオン性エマルション、DC939陽イオン性エマルションおよび非イオン性エマルションDC2−7224、DC2−8467、DC2−8177およびDC2−8154(すべてDow Corning社製)を含む。
【0048】
本発明に有用な第四級シリコーンポリマーの例は、Goldschmidt社製の材料K3474である。
【0049】
本発明の組成物に取り入れられるシリコーンの総量は、所望のコンディショニング度および使用される原料に応じて決まる。好ましい量は、全組成物の0.01から約10重量%であるが、これらの制限は絶対的ではない。下限値は、コンディショニングを達成するための最小濃度によって決まり、上限値は、毛髪および/または皮膚が許容できない程度のべたつきを避ける最大濃度によって決まる。
【0050】
発明者らは、シリコーンの総量が全組成物の0.3から5重量%、好ましくは0.5から3重量%であるのが適切な濃度であることを見出した。
【0051】
他の成分は、粘度調整剤、保存剤、着色剤、グリセリンおよびポリプロピレングリコールなどの多価アルコール、EDTAなどのキレート剤、ビタミンEアセテートなどの抗酸化剤、香料、抗菌剤および日焼け防止剤を含んでよい。これらの各成分は、その目的が達成されるために有効な量、存在する。一般には、これらの場合による成分は、それぞれ、全組成物の最大約5重量%の濃度で含まれる。
【0052】
好ましくは、本発明の組成物は、また、ヘアケアに適した補助剤も含有する。一般には、このような成分は、それぞれ、全組成物の最大2重量%、好ましくは最大1重量%の濃度で含まれる。
【0053】
適切なヘアケア補助剤には、以下のものが含まれる。
(i)アミノ酸および糖などの天然毛根栄養素。適切なアミノ酸の例は、アルギニン、システイン、グルタミン、グルタミン酸、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、セリンおよびバリン、および/またはこれらの前駆体および誘導体を含む。アミノ酸は、単独で添加されてよく、混合物で添加されてよく、またはペプチド、例えば、ジ−およびトリペプチドの形態で添加されてよい。アミノ酸は、また、ケラチンまたはコラーゲン加水分解物などのタンパク質加水分解物の形態で添加されてもよい。適切な糖は、グルコース、デキストロースおよびフルクトースである。これらの糖は、単独で添加されてよく、または、例えば果実抽出物の形態で添加されてよい。
(ii)毛髪繊維有益剤。例としては、
−繊維の保湿およびキューティクルの健全性を維持するためのセラミドである。セラミドは、天然源からの抽出によって、または合成セラミドおよび擬似セラミドとして入手可能である。好ましいセラミドは、Quest社製のセラミドIIである。Laboratoires Serobiologiques社製のセラミドLSなどの、セラミドの混合物もまた、適切となり得る。
−キューティクルの回復および破損の予防のための脂肪酸。例は、18−メチルエイコサン酸などの分岐鎖の脂肪酸およびこの一連の他の同族体、ステアリン酸、ミリスチン酸およびパルミチン酸などの直鎖脂肪酸、ならびにオレイン酸、リノール酸、リノレン酸およびアラキドン酸などの不飽和脂肪酸である。好ましい脂肪酸は、オレイン酸である。脂肪酸は、単一で、混合物として、または、例えばラノリンの抽出物から誘導されるブレンドの形態で添加されてよい。
【0054】
上記の活性成分の任意の混合物もまた、使用してもよい。
【0055】
第二の態様では、第一の態様によるコンディショニング組成物の製造方法が提供される。本方法は、陽イオン性界面活性剤および脂肪性物質を含むコンディショニングゲル相の形成、および、それとは別に、場合によって陽イオン性界面活性剤と共に(存在する場合、最初に水に添加される)疎水的に改質されたポリマー溶液を形成することを含む。
【0056】
次に、2つの混合物は互いに添加された後、残りの成分が添加されて、コンディショニング組成物を形成する。
【0057】
好ましくは、追加の成分は、香水、増粘剤、保存剤、着色剤およびコンディショニングシリコーンを含む。
【実施例1】
【0058】
本発明による製剤。約35重量%の水を65−70℃に加熱した後、ステアラミドプロピルジメチルアミンを添加することにより作製する。生成物が完全に溶解するまで混合を続ける。
【0059】
分散を補助するために、高せん断速度でAculyn28を添加する。
【0060】
これとは別に、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム、セテアリルアルコール、ステアリン酸およびパラフィンワックスを一緒に溶融し、この溶融混合物をAculynおよびステアラミドプロピルジメチルアミンを含むメインミキサーに加える。
【0061】
40−45℃に冷却し、次に、コンディショニングシリコーン、香料および保存剤を加える。
【0062】
【表2】

【実施例2】
【0063】
組成物Aは、本発明による組成物であり、実施例1に記載された方法と同様の方法によって作製される。組成物Bは、疎水的に改質されたポリマーを全く含まない、比較組成物である。
【0064】
【表3】

組成物AおよびBは、直接比較で比較し、専門家パネルにより行われた評価は、リンスの容易さであった。12人の専門評価者の内11人が、組成物Aの方に良好なリンスし易さを認めた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
疎水的に改質された陰イオン性ポリマーを含むヘアコンディショニング組成物。
【請求項2】
構造化剤を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
ポリマーがアクリレートポリマーである、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
ポリマーがメタクリレートポリマーである、請求項1から3のいずれかに記載の組成物。
【請求項5】
疎水的な改質がアルキル化を含む、請求項1から4のいずれかに記載の組成物。
【請求項6】
アルキル基が6から30個の炭素を含む、請求項5に記載の組成物。
【請求項7】
構造化剤がパラフィンワックスである、請求項2から6のいずれかに記載の組成物。
【請求項8】
0.01から5重量%のポリマーを含む、請求項1から7のいずれかに記載の組成物。

【公表番号】特表2011−524876(P2011−524876A)
【公表日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−514030(P2011−514030)
【出願日】平成21年6月17日(2009.6.17)
【国際出願番号】PCT/EP2009/057517
【国際公開番号】WO2009/153281
【国際公開日】平成21年12月23日(2009.12.23)
【出願人】(590003065)ユニリーバー・ナームローゼ・ベンノートシヤープ (494)
【Fターム(参考)】