説明

組立ケース

【課題】2つの商品を仕切板により仕切る煩わしい作業を廃止して作業の効率化を図り、かつ、2つの商品を整然とレイアウトして見栄えを良好に保ちつつ商品イメージを向上できる組立ケースを提供する。
【解決手段】4枚の壁面板11a〜11dの側端縁同士が折罫部21を介して折り曲げ自在に連設された組立ケース本体11に、内部空間30を2つに区画する区画体3を設ける。この区画体3に、組立ケース本体11の展開時に右壁面板11dの端縁に折罫部33を介して一端が連設され、かつ前壁面板11aの裏面に沿って延びる第1区画壁31と、この第1区画壁31に折罫部34を介して一端が連設され、内部空間30を左右に区画するように後壁面板11cに向かって延びる第2区画壁32と、第2区画壁32の他端を後壁面板11cの裏面側において保持するように左壁面板11b及び右壁面板11dに対し位置決めする位置決め片35とを設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、菓子、化粧品、薬などの様々な商品が収容物として収容される組立ケースに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、菓子、化粧品、薬など様々な商品が収容される組立ケースは、紙製又は硬質でかつ透明なプラスチック製などの1枚のブランクシートから一体的に打ち抜かれたケース形成片より組み立てられることがある。
このような組立ケースとしては、従来より、図14に示すような組立ケース9が知られている(例えば、特許文献1参照)。この組立ケース9は、4枚の壁面板91a〜91dの側端縁同士が折罫部92を介して折り曲げ自在に連設され、かつ軸線を上下方向へ延ばすように組み立てられる四角筒状の組立ケース本体91を備えている。また、前記組立ケース9は、前記組立ケース本体91の各壁面板91a〜91dのうちの一つの壁面板91c(具体的には前側に位置する壁面板91a)の上端縁及び下端縁にそれぞれ折罫部92を介して折り曲げ自在に連設された上蓋板93及び下蓋板94を備えている。前記上蓋板93によって、前記組立ケース本体91の上方に開口する上方開口を閉塞する一方、前記下蓋板94によって、前記組立ケース本体91の下方に開口する下方開口を閉塞している。この場合、上蓋板93及び下蓋板94は、それぞれ反壁面板91a側(反折罫部92側)の端縁に折罫部95を介して折り曲げ自在に連設された差込舌片93a,94aを有し、上蓋板93及び下蓋板94が上方開口及び下方開口を閉塞した状態で、前記差込舌片93a,94aが組立ケース本体91内に入り込む。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−212861号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、組立ケース本体が組み立てられた際に内部に形成される内部空間に収容される商品は単品であるとは限らず、2つの商品が一緒に収容されることがある。
その場合、商品が収容されてから店頭に陳列されるまでの輸送経路途中において、互いの商品が組立ケースの内部空間で移動して2つの商品が陳列時に片寄ってしまうことがある。
【0005】
そこで、組立ケースの内部空間を2つに仕切る仕切板を別途用意し、2つの商品を仕切板により仕切って輸送経路途中での移動を規制することで、組立ケースが陳列された際の2つの商品の片寄りをなくすようにすることが考えられる。
しかしながら、組立ケースの内部空間に商品を収容する度に仕切板により2つの商品を仕切る作業に手間を要し、その作業が非常に煩わしいものとなる。
しかも、組立ケースの内部空間を仕切板により単に仕切るだけでは、その仕切板により仕切られた組立ケースごとの内部空間の比率が当該仕切板の移動によって差が生じてしまう。このため、陳列された組立ケースの内部空間で2つの商品が雑然とレイアウトされてしまい、見栄えが著しく悪化して商品イメージが損なわれることがある。
【0006】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、2つの商品を仕切板により仕切る煩わしい作業を廃止して作業の効率化を図り、かつ、2つの商品を整然とレイアウトして見栄えを良好に保つことで商品イメージを向上させることができる組立ケースを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するため、本発明では、複数の壁面板の側端縁同士が折罫部を介して折り曲げ自在に連設され、軸線を上下方向へ延ばすような多角筒状に組み立てられる組立ケース本体と、前記組立ケース本体の各壁面板のうちの一つの壁面板の上端縁に折罫部を介して折り曲げ自在に連設され、前記組立ケース本体の上方に開口する上方開口を閉塞する上蓋板と、前記各壁面板のうちの一つの壁面板の下端縁に折罫部を介して折り曲げ自在に連設され、前記組立ケース本体の下方に開口する下方開口を閉塞する下蓋板と、を備える組立ケースを前提とする。更に、前記組立ケース本体は、前記組立ケース本体の展開時に他側の外側端に位置する他側壁面板の他側端縁に折罫部を介して折り曲げ自在に連設され、かつ前記組立ケース本体が組み立てられた際に前記組立ケース本体の展開時に一側の外側端に位置する一側壁面板の表面に裏面が接着される糊代片を備えるとともに、前記組立ケース本体が組み立てられた際に内部に形成される内部空間を区画する区画体を備えている。そして、前記区画体に、前記一側壁面板の一側端縁に折罫部を介して一端が折り曲げ自在に連設され、かつ前記他側壁面板の裏面に沿って延びる第1区画壁と、前記第1区画壁の他端に折罫部を介して一端が折り曲げ自在に連設され、前記組立ケース本体が組み立てられた際に前記内部空間を区画するように前記他側壁面板と対向する第1対向壁面板に向かって他端が延びる第2区画壁と、前記組立ケース本体が組み立てられた際に前記第2区画壁の他端を前記第1対向壁面板の裏面側において保持するように前記一側壁面板とこの一側壁面板に前記第2区画壁を挟んで対向する第2対向壁面板とに対し当該第2区画壁の他端をそれぞれ位置決めする位置決め片と、を設けている。
【0008】
この特定事項により、組立ケース本体に、その組立ケース本体が組み立てられた際に内部空間を区画する区画体を設けている。つまり、一側壁面板(組立ケース本体の展開時に一側の外側端に位置する壁面板)の一側端縁に連設された第1区画壁は、組立ケース本体が組み立てられた際に他側壁面板(組立ケース本体の展開時に他側の外側端に位置する壁面板)の裏面に沿って延び、この第1区画壁に一端が連設されて他端が第1対向壁面板(他側壁面板と対向する壁面板)に向かって延びる第2区画壁によって内部空間を区画している。
これにより、組立ケース本体を組み立てた際に組立ケースの内部空間が区画体(第1及び第2区画壁)により簡単に区画されることになり、2つの商品を仕切板により仕切る煩わしい作業を廃止して作業の効率化を図ることが可能となる上、2つの商品が整然とレイアウトされて見栄えが良好に保たれることで商品イメージを向上させることが可能となる。
しかも、一側壁面板の表面に裏面が接着された糊代片によって、この糊代片に連設される他側壁面板の裏面において第1区画壁を円滑に保持することができる。その上、前記第1区画壁に一端が連設された第2区画壁の他端が位置決め片によって第1及び第2区画壁に対し位置決めされているので、前記糊代片による第1区画壁を介した第2区画壁の一端側での保持と相俟って当該第2区画壁の他端側での保持も位置決め片により円滑に行え、第2区画壁による内部空間の区画が確実に行える。
【0009】
これに対し、前記目的を達成するため、その他の解決手段としては、前記組立ケースを同様に前提とし、前記組立ケース本体は、前記組立ケース本体の展開時に他側の外側端に位置する他側壁面板の他側端縁に折罫部を介して折り曲げ自在に連設され、かつ前記組立ケース本体が組み立てられた際に前記組立ケース本体の展開時に一側の外側端に位置する一側壁面板の表面に裏面が接着される糊代片を備えているとともに、前記組立ケース本体が組み立てられた際に内部に形成される内部空間を区画する区画体を備えている。そして、 前記区画体に、前記一側壁面板の一側端縁に折罫部を介して一端が折り曲げ自在に連設され、かつ前記他側壁面板の裏面に沿って延びる第1区画壁と、前記組立ケース本体が組み立てられた際に前記内部空間を区画するように前記他側壁面板からこれと対向する第1対向壁面板に向かって他端が延びる第2区画壁と、前記第1区画壁と前記第2区画壁との間にそれぞれ折罫部を介して折り曲げ自在に介設され、前記組立ケース本体が組み立てられた際に前記第2区画壁の一端を前記他側壁面板の裏面側において保持するように前記一側壁面板に前記第2区画壁を挟んで対向する第2対向壁面板に対し当該第2区画壁の一端を位置決めする位置決め片と、を設けている。
【0010】
この特定事項により、一側壁面板の一側端縁に連設された第1区画壁は、組立ケース本体が組み立てられた際に他側壁面板の裏面に沿って延び、この第1区画壁に一端が連設されて他端が第1対向壁面板に向かって延びる第2区画壁によって内部空間を区画している。
これにより、組立ケース本体を組み立てた際に組立ケースの内部空間が区画体(第1及び第2区画壁)により簡単に区画されることになり、2つの商品を仕切板により仕切る煩わしい作業を廃止して作業の効率化を図ることが可能となる上、2つの商品が整然とレイアウトされて見栄えが良好に保たれることで商品イメージを向上させることが可能となる。
しかも、一側壁面板の表面に裏面が接着された糊代片によって、この糊代片に連設される他側壁面板の裏面において第1区画壁を円滑に保持することができる。その上、前記第1区画壁に連設された第2区画壁の一端が位置決め片によって第2対向壁面板に対し位置決めされているので、前記糊代片による第1区画壁を介した第2区画壁の一端側での保持と相俟って当該第2区画壁の一端側での保持も位置決め片により円滑に行え、第2区画壁による内部空間の区画が確実に行える。
【発明の効果】
【0011】
以上、要するに、組立ケース本体を組み立てた際に他側壁面板の裏面に沿って延びる第1区画壁に一端が連設されて前記他側壁面板と対向する第1対向壁面板に向かって他端が延びる第2区画壁によって組立ケースの内部空間を区画することで、2つの商品を仕切板により仕切る作業を廃止して作業の効率化を図ることができる上、第2区画壁による内部空間の区画を確実に行って2つの商品を整然とレイアウトして見栄えを良好に保つことで商品イメージを向上させることができる。しかも、一側壁面板の表面に糊代片の裏面を接着するとともに、前記第2区画壁の他端を位置決め片によって一側壁面板とこれに対向する第2対向壁面板とに対しそれぞれ位置決めすることで、糊代片による第1区画壁を介した第2区画壁の一端側での保持と相俟って当該第2区画壁の他端側での保持も位置決め片により円滑に行え、第2区画壁による内部空間の区画を確実に行うことができる。
【0012】
また、組立ケース本体を組み立てた際に他側壁面板の裏面に沿って延びる第1区画壁に一端が連設されて第1対向壁面板に向かって他端が延びる第2区画壁によって組立ケースの内部空間を区画することで、2つの商品を仕切板により仕切る作業を廃止して作業の効率化を同様に図ることができる上、第2区画壁による内部空間の区画を確実に行って2つの商品を整然とレイアウトして見栄えを良好に保つことで商品イメージを同様に向上させることができる。しかも、一側壁面板の表面に糊代片の裏面を接着するとともに、前記第2区画壁の一端を位置決め片によって第2対向壁面板に対し位置決めすることで、糊代片による第1区画壁を介した第2区画壁の一端側での保持と相俟って当該第2区画壁の一端側での保持が位置決め片により円滑に行え、第2区画壁による内部空間の区画を確実に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る組立ケースを得るために打ち抜かれた打ち抜きシートの展開図である。
【図2】図1の組立ケースの組立ケース本体を組み立てた状態で斜め後方から見た斜視図である。
【図3】図1の組立ケースの組立ケース本体を組み立てた状態で上方から見た上面図である。
【図4】図2の組立ケース本体の上方開口及び下方開口を各サイドフラップにより塞ぐようにそれぞれ折罫部で折り曲げた状態で組立ケースを斜め後方から見た斜視図である。
【図5】図2の組立ケース本体の上方開口及び下方開口を上蓋板及び下蓋板により閉塞した状態で組立ケースを斜め後方から見た斜視図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態に係る組立ケースを得るために打ち抜かれた打ち抜きシートの展開図である。
【図7】図6の組立ケースの組立ケース本体を組み立てた状態で斜め後方から見た斜視図である。
【図8】図6の組立ケースの組立ケース本体を組み立てた状態で上方から見た上面図である。
【図9】図7の組立ケース本体の上方開口及び下方開口を各サイドフラップにより塞ぐようにそれぞれ折罫部で折り曲げた状態で組立ケースを斜め後方から見た斜視図である。
【図10】図7の組立ケース本体の上方開口及び下方開口を上蓋板及び下蓋板により閉塞した状態で組立ケースを斜め後方から見た斜視図である。
【図11】本発明の第3の実施の形態に係る組立ケースを得るために打ち抜かれた打ち抜きシートの展開図である。
【図12】図11の組立ケースの組立ケース本体を組み立てた状態で斜め後方から見た斜視図である。
【図13】図11の組立ケースの組立ケース本体を組み立てた状態で上方から見た上面図である。
【図14】従来例に係る組立ケースの組立ケース本体を組み立てた状態で斜め前方から見た斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施の形態について説明し、本発明の理解に供する。尚、以下の実施の形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。
まず、図1を用いて、本発明の実施の形態に係る組立ケース1の概略構成について説明する。
【0015】
図1に示すように、前記組立ケース1は、組立ケース本体11と、上蓋板12と、下蓋板13とを備えている。この前記組立ケース1は、ポリプロピレンやポリエチレンテレフタレートなどの透明プラスチックシートを打ち抜いて形成した打ち抜きシートS1を組み立てることによって得られる。
【0016】
前記組立ケース本体11は、前壁面板11a、左壁面板11b、後壁面板11c、及び右壁面板11dの4つの壁面板11a〜11dにより構成されている。前記各壁面板11a〜11dのうち、前記前壁面板11aは、組立ケース本体11の展開時に他側の外側端(図1では右側端)に位置している。前記各壁面板11a〜11dは、互いに相隣る壁面板の側端縁同士が折罫部21を介して折り曲げ自在に連設されている。そして、図2及び図3に示すように、前記組立ケース本体11(各壁面板11a〜11d)は、軸線m(図2に表れる)を上下方向へ延ばすように前後方向に薄い4角筒状に組み立てられる。また、前記組立ケース本体11は、前記前壁面板11aの外端縁(反左壁面板11b側の端縁)に折罫部22を介して折り曲げ自在に連設された糊代片11eを備えている。そして、前記組立ケース本体11は、前記前壁面板11aと糊代片11eとの間の折罫部22が前記右壁面板11dの反後壁面板11c側の端縁に略一致するように糊代片11eを右壁面板11dの表面に両面粘着テープ10で貼り合わせることによって組立形状を保持している。
【0017】
また、前記上蓋板12は、前記組立ケース本体11の前壁面板11aの上端縁に折罫部23を介して折り曲げ自在に連設されている。この上蓋板12は、前記組立ケース本体11の上方に開口する上方開口14を閉塞するためのものである。また、上蓋板12は、その反前壁面板11a側の端縁(図1では上端縁)に差込舌片15を備えている。この差込舌片15は、図4に示すように、前記上蓋板12が上方開口14を閉塞した状態で、前記組立ケース本体11内に入り込む。そして、前記差込舌片15は、その幅が前記上蓋板12の反前壁面板11a側の端縁の中央位置においてその端縁の幅の略四分の三に設定された基端部151と、前記後壁面板11cの裏面に沿って組立ケース本体11内に差し込まれる差込舌片本体152とを備えている。更に、前記差込舌片15の基端部151は、前記上蓋板12の反前壁面部11a側の端縁中央に設けられた凹設部121に折罫部24を介して折り曲げ自在に連設されている。
【0018】
一方、前記下蓋板13は、前記前壁面板11aの下端縁に折罫部25を介して折り曲げ自在に連設されている。この下蓋板13は、前記組立ケース本体11の下方に開口する下方開口16を閉塞するためのものである。そして、前記前壁面板11a及び後壁面板11cの下端縁の中央位置にはそれぞれ下方に突出する凸辺11f,11fが形成され、この各凸辺11fによって、前記下蓋板13が下方開口16を閉塞した状態で組立ケース1が縦置き状態で安定に保持されるようにしている。この場合、前壁面板11aの下端縁の折罫部25は、凸辺11fの左右両側に設けられている。
【0019】
また、前記下蓋板13は、その反前壁面板11a側の端縁(図1では下端縁)に差込舌片17を備えている。この差込舌片17は、前記下蓋板13が下方開口16を閉塞した状態で、前記組立ケース本体11内に入り込む。そして、前記差込舌片17は、その幅が前記下蓋板13の反前壁面板11a側の端縁の中央位置においてその端縁の幅の略四分の三に設定された基端部171と、前記後壁面板11cの裏面に沿って組立ケース本体11内に差し込まれる差込舌片本体172とを備えている。更に、前記差込舌片17の基端部171は、前記下蓋板13の反前壁面板11a側の端縁中央に設けられた凹設部131に折罫部26を介して折り曲げ自在に連設されている。
【0020】
更に、前記左壁面板11b及び前記右壁面板11dの上下両端縁には、それぞれサイドフラップ18が折罫部27を介して折り曲げ自在に連設されている。これらのサイドフラップ18は、上方開口14及び下方開口16を塞ぐように折罫部27で折り曲げられたとき、その先端同士が互いに重なり合わない長さ、つまり前壁面板11a及び後壁面板11cの幅方向(図1では左右方向)の長さの半分よりも短い長さに形成されている。また、前記各サイドフラップ18は、前記各折罫部27で折り曲げられたとき、それぞれの前端辺が前壁面板11aと上蓋板12又は下蓋板13との折罫部23,25に略一致するように前記各折罫部27に対し直交する方向に直線状に延びている。一方、前記各サイドフラップ18の後端辺は、前記各折罫部27で折り曲げられたとき、前記各折罫部27に対しそれぞれ直交する方向に直線状に延びたのち前記折罫部23,25側へ段差状に切り欠かれて前記各サイドフラップ18の先端に向かって斜め方向に延びている。
【0021】
また、図5に示すように、前記各サイドフラップ18が前記各折罫部27で折り曲げられたとき、その上方開口14及び下方開口16において両サイドフラップ18の後端辺と後壁面板11cとの間に挿入隙間19が形成される。この挿入隙間19は、前記差込舌片15,17の基端部151,171側とほぼ同幅に形成され、前記差込舌片15,17が後壁面板11cの裏面に沿っていれば、挿入がスムーズに行われる。この場合、前記差込舌片15,17は、その基端部151,171が前記上蓋板12及び下蓋板13の反前壁面板11a側の端縁中央の凹設部121,131に折罫部24,26を介して連設されているので、前記挿入隙間19に差込舌片15,17の基端部151,171が挿入されると、その基端部151,171よりも外側に位置する差込舌片15,17の基端部151,171側の端縁が各サイドフラップ18の裏面に係合し、上蓋板12及び下蓋板13の開放を規制する機能を有している。
【0022】
更に、前記後壁面板11cの上端縁には、当該後壁面板11cよりも上方へ突出する突片29が一体的に突設されている。この突片29は、前記後壁面板11cとほぼ同一の幅に形成され、その上方への突出長さが前記上蓋板12の長さつまり上蓋板12の折罫部23,24間での長さよりも僅かに短く形成されている。また、前記突片29の上端縁左右の角部は、それぞれ円弧状に面取り加工されている。この突片29の中央位置には組立ケース1を吊下するための吊下孔29aが穿設されている。そして、前記後壁面板11cの上端縁には、前記突片29を前方へ折り曲げ可能とする折罫部28が形成されている。この場合、前記後壁面板11cの上端縁の折罫部28は、組立ケース1を組み立てて内部に商品を収容した状態で複数個をケース状の梱包材に箱詰めして保管流通に供する際に、上蓋板12の表面に沿って折り曲げられることで、前記梱包材への箱詰め効率を高めるようにしている。
【0023】
そして、前記組立ケース本体11は、その組立ケース本体11が組み立てられた際に内部に形成される内部空間30を第1空間30aと第2空間30bとに略均等に左右に区画する区画体3を備えている。この区画体3は、第1区画壁31と第2区画壁32とを備えている。前記第1区画壁31は、前記組立ケース本体11の展開時に一側(図1では左側)の外側端に位置する一側壁面板としての右壁面板11dの反後壁面板11c側(図1では左側)の端縁に折罫部33を介して一端(図1では右端)が折り曲げ自在に連設されている。そして、前記第1区画壁31は、前記組立ケース本体11の展開時に他側(図1では右側)の外側端に位置する他側壁面板としての前壁面板11aの裏面に沿って延び、その延出端となる他端が当該前壁面板11aの幅方向略中央位置に位置している。また、第2区画壁32は、前記第1区画壁31に折罫部34を介して一端(図1では右端)が折り曲げ自在に連設されている。この第2区画壁32は、前記組立ケース本体11が組み立てられた際に前記内部空間30を幅方向(左右方向)で第1空間30a及び第2空間30bに区画するように前記前壁面板11aと対向する第1対向壁面板としての後壁面板11cに向かって延び、その先端となる他端が当該後壁面板11cの裏面に達している。この場合、第1区画壁31と第2区画壁32との間の折罫部34は、断続的に破断された弱め線により構成されてなる。
【0024】
また、前記区画体3は、前記第2区画壁32の他端に折罫部36を介して折り曲げ自在に連設された位置決め片35を備えている。この位置決め片35は、前記第2区画壁32の他端を前記後壁面板11cの裏面側において保持して位置決めするためのものである。また、前記位置決め片35は、前記組立ケース本体11が組み立てられた際に、前記第2区画壁32の他端より前記左壁面板11bの裏面側に向かって延びる第1延設片35aと、前記第2区画壁32の他端より前記右壁面板11dの裏面側に向かって延びる第2延設片35bとを備えている。前記第1延設片35aは、前記第2区画壁32の他端の折罫部36により折り曲げられた際にその第2区画壁32の他端より前記左壁面板11bに向くものである。これに対し、前記第2延設片35bは、前記第2区画壁32の他端より右壁面板11dに向くように前記第2区画壁32から第1区画壁31に至る部位を略半円形状に切り欠いて前記第1延設片35aの中央部に一体的に形成されたものである。また、前記第1延設片35aの先端は左壁面板11bの裏面に当接している一方、前記第2延設片35bの先端は右壁面板11dの裏面に当接している。そして、前記位置決め片35によって、前記第2区画壁32の他端を左壁面板11bと右壁面板11dとに対しそれぞれ位置決めしている。なお、37は、第2延設片35bを形成するに当たって第2区画壁32から第1区画壁31に至る部位に略半円形状に切り欠かれた切欠部である。
【0025】
したがって、前記第1の実施の形態では、組立ケース本体11に、その組立ケース本体11が組み立てられた際に内部空間30を第1空間30a及び第2空間30bに区画する区画体3を設けている。つまり、右壁面板11dの反後壁面板11c側の端縁に連設された第1区画壁31は、組立ケース本体11が組み立てられた際に前壁面板11aの裏面に沿ってその幅方向略中央位置まで延び、この第1区画壁31に一端が連設されて他端が後壁面板11cに向かって延びる第2区画壁32によって内部空間30を第1空間30aと第2空間30bとに区画している。
これにより、組立ケース本体11を組み立てた際に組立ケース1の内部空間30が区画体3(第1及び第2区画壁31,32)により簡単に2つに区画されることになり、2つの商品を仕切板により仕切る煩わしい作業を廃止して作業の効率化を図ることができる上、2つの商品が第1空間30a及び第2空間30bに整然とレイアウトされて見栄えが良好に保たれることで商品イメージを向上させることができる。
【0026】
しかも、前記前壁面板11aと糊代片11eとの間の折罫部22が、前記右壁面板11dの反後壁面板11c側の端縁つまり第1区画壁31との間の折罫部33に略一致するように糊代片11eの裏面が両面粘着テープ10で右壁面板11dの表面に貼り合わされているので、右壁面板11dに連設された第1区画壁31の一端が前壁面板11aと糊代片11eとの折罫部22に固定されることになり、この糊代片11eに連設される前壁面板11aの裏面において第1区画壁31が円滑に保持される。その上、前記第2区画壁32の他端に、その他端を前記組立ケース本体11が組み立てられた際に前記後壁面板11cの裏面側において保持するように前記右壁面板11dと左壁面板11bとに対しそれぞれ位置決めする位置決め片35が設けられているので、この位置決め片35によって、第2区画壁32の他端側での内部空間30の第1空間30aと第2空間30bとの区画位置が保持される。
これにより、前記糊代片11eによる第1区画壁31を介した第2区画壁32の他端側での保持と相俟って前記第2区画壁32の他端側での保持も位置決め片11eにより円滑に行え、当該第2区画壁32による内部空間30の第1空間30aと第2空間30bとの区画をその第2区画壁32の他端において確実に行うことができる。
【0027】
更に、第2区画壁32の他端を右壁面板11dに対し位置決めする第2延設片35bが、第2区画壁32の他端より右壁面板11dに向くように第2区画壁32から第1区画壁31に至る部位を略半円形状に切り欠いて第1延設片35aの中央部に一体的に形成されているので、第1区画壁31及び第2区画壁32の一部を利用して第2延設片35bが無駄なく形成され、内部空間30を第1空間30aと第2空間30bとに区画する区画体3(第1及び第2区画壁31,32並びに位置決め片35)を組立ケース本体11と共に効率よく一体形成することができる。
【0028】
次に、本発明の第2の実施の形態を図6〜図10に基づいて説明する。
この実施の形態では、前壁面板に対する内部空間の区画方向を変更している。
すなわち、本実施の形態では、図6に示すように、組立ケース4は、組立ケース本体41と、上蓋板42と、下蓋板43とを備えている。この前記組立ケース4は、ポリプロピレンやポリエチレンテレフタレートなどの透明プラスチックシートを打ち抜いて形成した打ち抜きシートS2を組み立てることによって得られる。
【0029】
前記組立ケース本体41は、左壁面板41a、前壁面板41b、右壁面板41c、及び後壁面板41dの4つの壁面板41a〜41dにより構成されている。前記各壁面板41a〜41dのうち、前記左壁面板41aは、組立ケース本体41の展開時に他側の外側端(図6では右側端)に位置している。前記各壁面板41a〜41dは、互いに相隣る壁面板の側端縁同士が折罫部51を介して折り曲げ自在に連設されている。そして、図7及び図8に示すように、前記組立ケース本体41(各壁面板41a〜41d)は、軸線nを上下方向へ延ばすように前後方向に薄い4角筒状に組み立てられる。また、前記組立ケース本体41は、前記左壁面板41aの外端縁(反前壁面板41b側の端縁)に折罫部52を介して折り曲げ自在に連設された糊代片41eを備えている。そして、前記組立ケース本体41は、前記左壁面板41aと糊代片41eとの間の折罫部52が前記後壁面板41dの反右壁面板41c側の端縁に略一致するように糊代片41eを後壁面板41dの表面に両面粘着テープ40で貼り合わせることによって組立形状を保持している。
【0030】
また、前記上蓋板42は、前記組立ケース本体41の前壁面板41bの上端縁に折罫部53を介して折り曲げ自在に連設されている。この上蓋板42は、前記組立ケース本体41の上方に開口する上方開口44を閉塞するためのものである。また、上蓋板42は、その反前壁面板41b側の端縁(図1では上端縁)に差込舌片45を備えている。この差込舌片45は、図9に示すように、前記上蓋板42が上方開口44を閉塞した状態で、前記組立ケース本体41内に入り込む。そして、前記差込舌片45は、その幅が前記上蓋板42の反前壁面板41b側の端縁の中央位置においてその端縁の幅の略四分の三に設定された基端部451と、前記後壁面板41dの裏面に沿って組立ケース本体41内に差し込まれる差込舌片本体452とを備えている。更に、前記差込舌片45の基端部451は、前記上蓋板42の反前壁面部41b側の端縁中央に設けられた凹設部421に折罫部54を介して折り曲げ自在に連設されている。
【0031】
一方、前記下蓋板43は、前記前壁面板41bの下端縁に折罫部55を介して折り曲げ自在に連設されている。この下蓋板43は、前記組立ケース本体41の下方に開口する下方開口46を閉塞するためのものである。また、前記下蓋板43は、その反前壁面板41b側の端縁(図6では下端縁)に差込舌片47を備えている。この差込舌片47は、前記下蓋板43が下方開口46を閉塞した状態で、前記組立ケース本体41内に入り込む。そして、前記差込舌片47は、その幅が前記下蓋板43の反前壁面板41b側の端縁の中央位置においてその端縁の幅の略四分の三に設定された基端部471と、前記後壁面板41dの裏面に沿って組立ケース本体41内に差し込まれる差込舌片本体472とを備えている。更に、前記差込舌片47の基端部471は、前記下蓋板43の反前壁面板41b側の端縁中央に設けられた凹設部431に折罫部56を介して折り曲げ自在に連設されている。
【0032】
更に、前記左壁面板41a及び前記右壁面板41cの上下両端縁には、それぞれサイドフラップ48が折罫部57を介して折り曲げ自在に連設されている。これらのサイドフラップ48は、上方開口44及び下方開口46を塞ぐように折罫部57で折り曲げられたとき、その先端同士が互いに重なり合わない長さ、つまり前壁面板41b及び後壁面板41dの幅方向(図6では左右方向)の長さの半分よりも短い長さに形成されている。また、前記各サイドフラップ48は、前記各折罫部57で折り曲げられたとき、それぞれの前端辺が前壁面板41bと上蓋板42又は下蓋板43との折罫部53,55に略一致するように前記各折罫部57に対し直交する方向に直線状に延びている。一方、前記各サイドフラップ48の後端辺は、前記各折罫部57で折り曲げられたとき、前記各折罫部57に対しそれぞれ直交する方向に直線状に延びたのち前記折罫部53,55側へ段差状に切り欠かれて前記各サイドフラップ48の先端に向かって斜め方向に延びている。
【0033】
また、図9に示すように、前記各サイドフラップ48が前記各折罫部57で折り曲げられたとき、その上方開口44及び下方開口46において両サイドフラップ48の後端辺と後壁面板41dとの間に挿入隙間49が形成される。この挿入隙間49は、前記差込舌片45,47の基端部451,471側とほぼ同幅に形成され、前記差込舌片45,47が後壁面板41dの裏面に沿っていれば、挿入がスムーズに行われる。この場合、前記差込舌片45,47は、その基端部451,471が前記上蓋板42及び下蓋板43の反前壁面板41b側の端縁中央の凹設部421,431に折罫部54,56を介して連設されているので、前記挿入隙間49に差込舌片45,47の基端部451,471が挿入されると、その基端部451,471よりも外側に位置する差込舌片45,47の基端部451,471側の端縁が各サイドフラップ48の裏面に係合し、上蓋板42及び下蓋板43の開放を規制する機能を有している。
【0034】
そして、前記組立ケース本体41は、その組立ケース本体41が組み立てられた際に内部に形成される内部空間60を所定の比率(例えば1:2の比率)で第1空間60a(図8では下側の空間)と第2空間60b(図8では上側の空間)とに前後に区画する区画体6を備えている。この区画体6は、第1区画壁61と第2区画壁62とを備えている。前記第1区画壁61は、前記組立ケース本体41の展開時に一側(図6では左側)の外側端に位置する一側壁面板としての後壁面板41dの反右壁面板41c側(図6では左側)の端縁に折罫部63を介して一端(図6では右端)が折り曲げ自在に連設されている。そして、前記第1区画壁61は、前記組立ケース本体41の展開時に他側(図6では右側)の外側端に位置する他側壁面板としての左壁面板41aの裏面に沿って他端が当該左壁面板41aの全幅の略三分の一付近の位置まで延びている。また、第2区画壁62は、前記第1区画壁61の他端に折罫部64を介して一端(図6では右端)が折り曲げ自在に連設されている。この第2区画壁62の他端は、前記組立ケース本体41が組み立てられた際に前記内部空間60を第1空間60aと第2空間60bとに前後に区画するように前記左壁面板41aと対向する第1対向壁面板としての右壁面板41cに向かって延び、その先端となる他端が当該右壁面板41cの裏面に達している。この場合、第1区画壁61と第2区画壁62との間の折罫部64は、断続的に破断された弱め線により構成されてなる。
【0035】
また、前記区画体6は、前記第2区画壁62の他端に折罫部66を介して折り曲げ自在に連設された位置決め片65を備えている。この位置決め片65は、前記第2区画壁62の他端を前記右壁面板41cの裏面側において保持して位置決めするためのものである。また、前記位置決め片65は、前記組立ケース本体41が組み立てられた際に、前記第2区画壁62の他端より前記前壁面板41bの裏面側に向かって延びる第1延設片65aと、前記第2区画壁62の他端より前記後壁面板41dの裏面側に向かって延びる第2延設片65bとを備えている。前記第1延設片65aは、前記第2区画壁62の他端の折罫部66により折り曲げられた際にその第2区画壁62の他端より前記前壁面板41bに向くものである。これに対し、前記第2延設片65bは、前記第2区画壁62の他端より後壁面板41dに向くように前記第2区画壁62の対応部位を略円弧状に切り欠いて前記第1延設片65aの中央部に一体的に形成されたものである。また、前記第1延設片65aの先端は前壁面板41bの裏面に当接している一方、前記第2延設片65bの先端は後壁面板41dの裏面に当接している。そして、前記位置決め片65によって、前記第2区画壁62の他端を前壁面板41bと後壁面板41dとに対しそれぞれ位置決めしている。
【0036】
したがって、前記第2の実施の形態では、組立ケース本体41に、その組立ケース本体41が組み立てられた際に内部空間60を第1空間60aと第2空間60bとに前後に区画する区画体6を設けている。つまり、後壁面板41dの反右壁面板41c側の端縁に連設された第1区画壁61は、左壁面板41aの裏面に沿って全幅の略三分の一付近の位置まで延び、この第1区画壁61の他端に一端が連設されて他端が右壁面板41cに向かって延びる第2区画壁62によって内部空間60を第1空間60aと第2空間60bとに前後に区画している。
これにより、組立ケース本体41を組み立てた際に組立ケース4の内部空間60が区画体6(第1及び第2区画壁61,62)により簡単に前後2つに区画されることになり、2つの商品を仕切板により仕切る煩わしい作業を廃止して作業の効率化を図ることができる上、大きさの異なる2つの商品が第1空間60a及び第2空間60bに整然とレイアウトされて見栄えが良好に保たれることで商品イメージを向上させることができる。
【0037】
しかも、前記左壁面板41aと糊代片41eとの間の折罫部52が、前記後壁面板41dの反右壁面板41c側の端縁つまり第1区画壁61との間の折罫部63に略一致するように糊代片41eの裏面が両面粘着テープ40で後壁面板41dの表面に貼り合わされているので、後壁面板41dに連設された第1区画壁61の一端が左壁面板41aと糊代片41eとの折罫部52に固定されることになり、この糊代片41eに連設される左壁面板41aの裏面において第1区画壁61が円滑に保持される。その上、前記第2区画壁62の他端に、その他端を前記組立ケース本体41が組み立てられた際に前記右壁面板41cの裏面側において保持するように前記後壁面板41dと前壁面板41bとに対しそれぞれ位置決めする位置決め片65が設けられているので、この位置決め片65によって、第2区画壁62の他端側での内部空間60の第1空間60aと第2空間60bとの区画位置が保持される。
これにより、前記糊代片41eによる第1区画壁61を介した第2区画壁62の他端側での保持と相俟って前記第2区画壁62の他端側での保持も位置決め片41eにより円滑に行え、当該第2区画壁62による内部空間60の第1空間60aと第2空間60bとの区画をその第2区画壁62の他端において確実に行うことができる。
【0038】
更に、第2区画壁62の他端を後壁面板41dに対し位置決めする第2延設片65bが、第2区画壁62の他端より後壁面板41dに向くように第2区画壁62の対応部位を略円弧状に切り欠いて第1延設片65aの中央部に一体的に形成されているので、第2区画壁62を利用して第2延設片65bが無駄なく形成され、内部空間60を第1空間60aと第2空間60bとに区画する区画体6(第1及び第2区画壁61,62並びに位置決め片65)を組立ケース本体41と共に効率よく一体形成することができる。
【0039】
次に、本発明の第3の実施の形態を図11〜図13に基づいて説明する。
この実施の形態では、前記第2の実施の形態で用いた区画体の構成を変更している。なお、区画体を除くその他の構成は、前記第2の実施の形態と同じであり、同一部分については同じ符号を付して、その詳細な説明は省略する。
すなわち、本実施の形態では、図11に示すように、組立ケース4´は、組立ケース本体41と、上蓋板42と、下蓋板43とを備えている。この前記組立ケース4´は、ポリプロピレンやポリエチレンテレフタレートなどの透明プラスチックシートを打ち抜いて形成した打ち抜きシートS3を組み立てることによって得られる。
【0040】
そして、前記組立ケース本体41は、その組立ケース本体41が組み立てられた際に内部空間60を所定の比率(例えば1:2の比率)で第1空間60aと第2空間60bとに区画する区画体7を備えている。この区画体7は、第1区画壁71と第2区画壁72とを備えている。前記第1区画壁71は、一側壁面板としての後壁面板41dの反右壁面板41c側(図11では左側)の端縁に折罫部74を介して一端(図11では右端)が折り曲げ自在に連設されている。そして、前記第1区画壁71は、他側壁面板としての左壁面板41aの裏面に沿って他端が当該左壁面板41aの全幅の略三分の二付近の位置まで延びている。また、第2区画壁72は、前記第1区画壁71に位置決め片75(後述する)を介して連設されている。この第2区画壁72は、前記組立ケース本体41が組み立てられた際に前記内部空間60を前後方向で第1空間60aと第2空間60bとに区画するように前記右壁面板41cに沿う位置から前記左壁面板41aと対向する第1対向壁面板としての右壁面板41cに向かって他端を延ばしている。
【0041】
また、前記区画体7は、前記第1区画壁71の他端に折罫部76を介して折り曲げ自在に連設された位置決め片75を備えている。この位置決め片75は、前記第1区画壁71と前記第2区画壁72との間に介設され、第2区画壁72の一端に対し折罫部73を介して折り曲げ自在に連設されている。前記位置決め片75は、前記第2区画壁72の一端を前記左壁面板41aの裏面側において保持して位置決めするためのものである。また、前記位置決め片75は、前記第1区画壁71の他端より前記後壁面板41dの裏面側に向かって延びる第1延設片75aと、前記第1区画壁71の他端より前記前壁面板41bの裏面側に向かって延びる第2延設片75bとを備えている。前記第1延設片75aは、前記第1区画壁71の他端の折罫部76により180°折り曲げられてその第1区画壁71の他端より前記後壁面板41cに向くものであり、その延出端となる他端が前記第1区隔壁71の略半分の位置(左壁面板41aの全幅では後壁面板41d側から略三分の一付近の位置)に位置している。これに対し、前記第2延設片75bは、前記第1区画壁71の他端より前壁面板41bに向くように前記第1区画壁71の対応部位を円弧状に切り欠いて前記第1延設片75aの中央部に一体的に形成されたものであり、その先端が前壁面板41bに当接している。そして、前記第2区画壁72の一端は、前記第1区画壁71によって後壁面板41dに対し位置決めされるとともに、前記位置決め片75の第2延設片75bによって、前壁面板41bに対し位置決めされる。
【0042】
したがって、前記第3の実施の形態では、組立ケース本体41に、その組立ケース本体41が組み立てられた際に内部空間60を第1空間60aと第2空間60bとに前後に区画する区画体7を設けている。つまり、後壁面板41dの反右壁面板41c側の端縁に連設されて左壁面板41aの裏面に沿って全幅の略三分の二付近の位置まで第1区画壁71を延ばし、その第1区画壁71の他端より折罫部76により180°折り曲げられて後壁面板41dに向いて当該第1区隔壁71の略半分の位置(左壁面板41aの全幅では後壁面板41d側から略三分の一付近の位置)に他端を位置させた位置決め片75(第1延設片75a)に、他端が右壁面板41cに向かって延びる第2区画壁62を連設することにより内部空間60を第1空間60aと第2空間60bとに前後に区画している。
これにより、組立ケース本体41を組み立てた際に組立ケース4の内部空間60が区画体7(第1、第2区画壁71,72及び位置決め片75)により簡単に前後2つに区画されることになり、2つの商品を仕切板により仕切る煩わしい作業を廃止して作業の効率化を図ることができる上、大きさの異なる2つの商品が第1空間60a及び第2空間60bに整然とレイアウトされて見栄えが良好に保たれることで商品イメージを向上させることができる。
【0043】
しかも、前記後壁面板41dの表面に裏面が接着された糊代片41eによって、この糊代片41eに連設される左壁面板41aの裏面において第1区画壁71が円滑に保持される。その上、前記第1区画壁71に連設された第2区画壁72の一端が位置決め片75によって前壁面板41bに対し位置決めされているので、前記糊代片41eによる第1区画壁71を介した第2区画壁72の一端側での保持と相俟って当該第2区画壁72の一端側での保持も位置決め片41eにより円滑に行え、当該第2区画壁72による内部空間60の第1空間60aと第2空間60bとの区画をその第2区画壁72の一端において確実に行うことができる。
【0044】
なお、本発明は、前記各実施の形態に限定されるものではなく、その他種々の変形例を包含している。例えば、前記第1の実施の形態では、内部空間30を区画体3によって第1空間30aと第2空間30bとに略均等に左右に区画したが、2つの商品の大きさに応じて内部空間が区画体によって第1空間と第2空間とに不均等に左右に区画されていてもよいのはもちろんである。
一方、前記第2及び第3の実施の形態では、内部空間60を区画体6,7によって例えば1:2の比率で第1空間60aと第2空間60bとに前後に区画したが、内部空間が区画体によって第1空間と第2空間とに均等に前後に区画されていたり、2つの商品の大きさに応じて内部空間が区画体によって第1空間と第2空間とに不均等に前後に区画されていてもよいのはもちろんである。
【0045】
また、前記各実施の形態では、透明プラスチックシートを打ち抜いて形成した打ち抜きシートS1〜S3を組み立てることによって組立ケース1,4,4´を得たが、紙シートを打ち抜いて形成した打ち抜きシートを組み立てることによって組立ケースが得られるようにしてもよい。
【0046】
更に、前記各実施の形態では、糊代片11e,41eを右壁面板11d又は後壁面板41dの表面に両面粘着テープ10,40で貼り合わせたが、糊代片が右壁面板又は後壁面板の表面に接着剤で接着されていてもかまわないし、熱による熱融着により接着されていても構わない。
また、前記各実施の形態では、各サイドフラップ18,48が上方開口14,44及び下方開口16,46を塞ぐように折罫部27,57で折り曲げられたとき、その先端同士が互いに重なり合わない長さに形成したが、先端同士が互いに重なり合う長さにサイドフラップが形成されていてもよい。
【符号の説明】
【0047】
1 組立ケース
11 組立ケース本体
11a 前壁面板(他側壁面板)
11b 左壁面板(第2対向壁面板)
11c 後壁面板(第1対向壁面板)
11d 右壁面板(一側壁面板)
11e 糊代片
12 上蓋板
13 下蓋板
14 上方開口
16 下方開口
21 折罫部
22 折罫部
23 折罫部
25 折罫部
3 区画体
30 内部空間
31 第1区画壁
32 第2区画壁
33 折罫部
34 折罫部
35 位置決め片
4 組立ケース
4´ 組立ケース
41 組立ケース本体
41a 左壁面板(他側壁面板)
41b 前壁面板(第2対向壁面板)
41c 右壁面板(第1対向壁面板)
41d 後壁面板(一側壁面板)
41e 糊代片
42 上蓋板
43 下蓋板
44 上方開口
46 下方開口
51 折罫部
52 折罫部
53 折罫部
55 折罫部
6 区画体
60 内部空間
61 第1区画壁
62 第2区画壁
63 折罫部
64 折罫部
65 位置決め片
7 区画体
71 第1区画壁
72 第2区画壁
73 折罫部
74 折罫部
75 位置決め片
m,n 軸線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の壁面板の側端縁同士が折罫部を介して折り曲げ自在に連設され、軸線を上下方向へ延ばすような多角筒状に組み立てられる組立ケース本体と、前記組立ケース本体の各壁面板のうちの一つの壁面板の上端縁に折罫部を介して折り曲げ自在に連設され、前記組立ケース本体の上方に開口する上方開口を閉塞する上蓋板と、前記各壁面板のうちの一つの壁面板の下端縁に折罫部を介して折り曲げ自在に連設され、前記組立ケース本体の下方に開口する下方開口を閉塞する下蓋板と、を備える組立ケースであって、
前記組立ケース本体は、前記組立ケース本体の展開時に他側の外側端に位置する他側壁面板の他側端縁に折罫部を介して折り曲げ自在に連設され、かつ前記組立ケース本体が組み立てられた際に前記組立ケース本体の展開時に一側の外側端に位置する一側壁面板の表面に裏面が接着される糊代片を備えているとともに、前記組立ケース本体が組み立てられた際に内部に形成される内部空間を区画する区画体を備えており、
前記区画体は、
前記一側壁面板の一側端縁に折罫部を介して一端が折り曲げ自在に連設され、かつ前記他側壁面板の裏面に沿って延びる第1区画壁と、
前記第1区画壁の他端に折罫部を介して一端が折り曲げ自在に連設され、前記組立ケース本体が組み立てられた際に前記内部空間を区画するように前記他側壁面板と対向する第1対向壁面板に向かって他端が延びる第2区画壁と、
前記組立ケース本体が組み立てられた際に前記第2区画壁の他端を前記第1対向壁面板の裏面側において保持するように前記一側壁面板とこの一側壁面板に前記第2区画壁を挟んで対向する第2対向壁面板とに対し当該第2区画壁の他端をそれぞれ位置決めする位置決め片と、
を備えていることを特徴とする組立ケース。
【請求項2】
複数の壁面板の側端縁同士が折罫部を介して折り曲げ自在に連設され、軸線を上下方向へ延ばすような多角筒状に組み立てられる組立ケース本体と、前記組立ケース本体の各壁面板のうちの一つの壁面板の上端縁に折罫部を介して折り曲げ自在に連設され、前記組立ケース本体の上方に開口する上方開口を閉塞する上蓋板と、前記各壁面板のうちの一つの壁面板の下端縁に折罫部を介して折り曲げ自在に連設され、前記組立ケース本体の下方に開口する下方開口を閉塞する下蓋板と、を備える組立ケースであって、
前記組立ケース本体は、前記組立ケース本体の展開時に他側の外側端に位置する他側壁面板の他側端縁に折罫部を介して折り曲げ自在に連設され、かつ前記組立ケース本体が組み立てられた際に前記組立ケース本体の展開時に一側の外側端に位置する一側壁面板の表面に裏面が接着される糊代片を備えているとともに、前記組立ケース本体が組み立てられた際に内部に形成される内部空間を区画する区画体を備えており、
前記区画体は、
前記一側壁面板の一側端縁に折罫部を介して一端が折り曲げ自在に連設され、かつ前記他側壁面板の裏面に沿って延びる第1区画壁と、
前記組立ケース本体が組み立てられた際に前記内部空間を区画するように前記他側壁面板からこれと対向する第1対向壁面板に向かって他端が延びる第2区画壁と、
前記第1区画壁と前記第2区画壁との間にそれぞれ折罫部を介して折り曲げ自在に介設され、前記組立ケース本体が組み立てられた際に前記第2区画壁の一端を前記他側壁面板の裏面側において保持するように前記一側壁面板に前記第2区画壁を挟んで対向する第2対向壁面板に対し当該第2区画壁の一端を位置決めする位置決め片と、
を備えていることを特徴とする組立ケース。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate


【公開番号】特開2011−136720(P2011−136720A)
【公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−296771(P2009−296771)
【出願日】平成21年12月28日(2009.12.28)
【出願人】(599119248)大昇印刷株式会社 (6)
【Fターム(参考)】