説明

組立家具

【課題】組立を容易に行うことができ、且つ、中空柱体を用いて軽量化を図りつつも全体の剛性の高い組立家具を提供する。
【解決手段】立設される複数の中空柱体20,20…と、該中空柱体20の側面に形成された挿入孔21に挿入されて中空柱体20,20同士を連結する梁体30とを用いてフレーム1が組み立てられる組立家具において、挿入孔21の孔端縁と該挿入孔21に挿入した梁体30との間に介装される介装体40を備え、前記各中空柱体20,20には、該中空柱体20の軸線周り及び軸線方向に位置を違えて前記挿入孔21が少なくとも二つ形成され、前記介装体40が介装された状態で、各挿入孔21,21に挿入された各梁体30,30のうち少なくとも一つが前記挿入孔21の孔端縁21aに当接するとともに前記中空柱体20の内部で各梁体30,30同士が当接することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、組立家具に関し、より具体的には、立設される複数の中空柱体と、該中空柱体の側面に形成された挿入孔に挿入されて中空柱体同士を連結する梁体とを用いてフレームが組み立てられる机や棚等の組立家具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、柱体や梁体といった個々独立の部材同士を連結してフレームが組み立てられる机や棚等の組立家具が公知である。かかる組立家具の一つに、立設される複数の柱体と、該柱体の側面に形成された挿入孔に挿入されて柱体同士を連結する梁体とを用いてフレームが形成されるものがある。
【0003】
こういった組立家具では、梁体と該梁体を挿入する挿入孔とを同程度の大きさとすれば、互いの嵌め合いによって柱体と梁体とを確実に連結することができるため、全体の剛性を高く維持することはできるが、これでは、組立家具の主たる長所である組立の容易性を確保することができない。そのため、通常、梁体を挿入孔に挿入する作業を容易に行うべく、挿入孔が梁体に対して比較的大きく構成されるものである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、これでは、柱体と梁体との連結が不十分であり、全体の剛性が低くなってしまう。特に、軽量化を図るべく内部に空間を有する筒等の中空柱体を採用する場合には、梁体を中空柱体の薄い壁面の部分で保持する状態となることから、全体の剛性がさらに低くなってしまい、また、荷重が局所的に作用して壊れ易いという問題もある。
【0005】
そこで、本発明は、組立を容易に行うことができ、且つ、中空柱体を用いて軽量化を図りつつも全体の剛性の高い組立家具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る組立家具は、立設される複数の中空柱体と、該中空柱体の側面に形成された挿入孔に挿入されて中空柱体同士を連結する梁体とを用いてフレームが組み立てられる組立家具において、挿入孔の孔端縁と該挿入孔に挿入した梁体との間に介装される介装体を備え、前記各中空柱体には、該中空柱体の軸線周り及び軸線方向に位置を違えて前記挿入孔が少なくとも二つ形成され、前記介装体が介装された状態で、各挿入孔に挿入された各梁体のうち少なくとも一つが前記挿入孔の孔端縁に当接するとともに前記中空柱体の内部で各梁体同士が当接することを特徴とする。
【0007】
上記構成からなる組立家具によれば、挿入孔の孔端縁と該挿入孔に挿入した梁体との間に介装される介装体の押圧によって各梁体のうち少なくとも一つが前記挿入孔の孔端縁に当接し、前記少なくとも一つの梁体が中空柱体に対して固定される。また、各梁体同士が当接するため、各梁体同士の干渉や摩擦によって相対的な動きが有効に抑制される。このように、中空柱体や各梁体といった各部材は連携して固定される状態となり、全体の剛性を高めることが可能となる。しかも、軽量化を図るべく採用される中空柱体の内部は、全体の剛性を高めるべく各梁体同士を当接させる空間として有効に利用されるため、軽量化と高剛性化とが同時に実現される。
【0008】
また、好ましくは、前記各挿入孔は、前記介装体が介装された状態で、各梁体のいずれもが挿入孔の孔端縁に当接するように寸法設定されてなる。このようにすれば、各梁体同士の連携に加えて、各梁体がそれぞれ中空柱体に対して固定されるため、外力が加えられる方向にかかわらず、全体の剛性をバランス良く高めることができる。
【0009】
そして、前記梁体は、平坦面を有し、各梁体同士は、一方の梁体の前記平坦面に他方の梁体が所定長さに亘って当接する構成を採用することが好ましい。このようにすれば、前記他方の梁体は前記一方の梁体に対して線接触若しくは面接触することとなるため、相対的な動きをより有効に抑制することができる。
【0010】
また、前記介装体は、梁体の下方に介装される構成を採用することが好ましい。このようにすれば、組立家具が上方から見下ろされる場合に、介装体によって梁体を下方から上方に押圧させつつも介装体が梁体に隠れて目立たなくすることができる。これにより、完成された組立家具の外観がより良好なものとなる。
【発明の効果】
【0011】
以上のように、本発明に係る組立家具によれば、組立を容易に行うことができ、且つ、中空柱体を用いて軽量化を図りつつも全体の剛性の高いものとすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下に、本発明に係る組立家具の一実施形態について、図面に基づいて説明する。
【0013】
本実施形態に係る組立家具は、図1に示すように、構造体であるフレーム1と、該フレーム1の上に載置される天板10とで構成される机である。前記フレーム1は、図2にも示すように、立設される複数の中空柱体20と、該中空柱体20の側面に形成された挿入孔21に挿入されて中空柱体20,20同士を連結する梁体30と、挿入孔21の孔端縁21aと該挿入孔21に挿入した梁体30との間に介装される介装体40とを用いて組み立てられる。なお、フレーム1は、中空柱体20が四隅に計4本配置される。また、中空柱体20,20同士は、二本の梁体30によって連結される。即ち、各中空柱体20には、二つ一組の挿入孔21,21が前記中空柱体20の上部及び下部に二組設けられる。
【0014】
ここで、組立家具を構成する各部材の素材について説明すると、まず、前記フレーム1を構成する中空柱体20及び梁体30としては、例えば紙製のものが使用され、具体的には、所定の強度を持たせるべく紙材を圧縮して成形されたものが使用される。ただし、これに限定されず、合成樹脂製、軽合金製のものなどを使用してもよい。また、前記介装体40としては、ゴム製のものが好ましい。さらに、前記天板10としては、アクリル製のものが使用されるが、これに限定されず、木製、ガラス製のものや紙材を圧縮して成形されたものなどを使用してもよい。
【0015】
前記中空柱体20は、軸線方向に所定の長さを有する筒状の部材である。本実施形態においては、中空柱体20は、断面四角形状を有し、側面が4つの面(平面)によって構成された角筒である。なお、前記天板10の滑り止めとして、中空柱体20の上端縁部分に、例えばゴム製の縁取りやキャップを任意的に設けてもよい。
【0016】
また、中空柱体20としては、断面形状が相似であって断面積の異なる複数種類のものが用いられる。具体的には、一方の内周が他方の外周よりも大きい大小(若しくは太細)二種類の中空柱体20’,20”がそれぞれ二本ずつ用いられる。
【0017】
次に、中空柱体20に形成される前記挿入孔21について、図3に基づいて説明する。該挿入孔21は、中空柱体20の側面(即ち、軸線周りの壁)の一面を貫通し、中空柱体20の内部と外部とが連通する態様で形成され、前記梁体30の断面形状に対応した形状を有する。
【0018】
より具体的には、前記挿入孔21は、軸線方向に延びる縦孔部22と、該縦孔部22に連通し、水平方向に延びる横孔部23とで構成される。また、縦孔部22と横孔部23とは、それぞれの一端部同士が接続されている。即ち、挿入孔21は、中間部で屈曲する形状、より詳しくは、正面視L字形状を有する。なお、中空柱体20は、本来上下を問わないが、好ましい使用状態では、前記横孔部23が縦孔部22の上方となる(即ち、挿入孔21が逆L字となる)ように立てられる。また、挿入孔21の孔端縁21aのうち横孔部23における上方側の端縁は直線状に形成される(以下、該部位を直線状部位23aとする)。
【0019】
また、挿入孔21は、前記中空柱体20の軸線周り及び軸線方向に位置を違えて二つ形成され、各挿入孔21,21に挿入された各梁体30,30が介装体40に押圧された状態で、各梁体30,30のうち少なくとも一つが前記挿入孔21の孔端縁21aに当接するとともに中空柱体20の内部で各梁体30,30同士が当接するように構成される。具体的には、各挿入孔21,21は、軸線方向において一部を重複させて形成される。各挿入孔21,21は、それぞれ異なる方向に開口し、具体的には、中空柱体20の軸線を中心として90度の角度をなす方向に開口する。そして、各挿入孔は、上方の挿入孔21の下部(即ち、縦孔部22の下方部位)と下方の挿入孔21の上部(即ち、横孔部23の上方部位)とが同等の高さ位置となるように配置される。このような各挿入孔21の配置により、前記中空柱体20の側面における前記挿入孔21に対向する位置は、平坦な内周面となる。
【0020】
前記梁体30は、二つの中空柱体20,20を水平に連結する長尺な部材である。該梁体30の断面形状は、前記挿入孔21に対応した形状を有し、且つ、前記挿入孔21よりも小さく形成される。具体的には、該梁体30は、中間部で屈曲する断面形状を有し、前記挿入孔21よりも小さい断面積を有する。より具体的には、前記梁体30の断面は、前記挿入孔21に相似なL字状を有する。即ち、前記梁体30は、異なる方向に沿う二つの板状部31,32によって構成され、各板状部31,32は、それぞれ前記挿入孔21の縦孔部22及び横孔部23に挿通される。そして、前記横孔部23に挿通される板状部32の有する平坦面は、介装体40に押圧されて、前記横孔部23の直線状部位23aに当接する。なお、かかる形状を有する梁体30は、例えば、長尺な板体を長手方向の直交方向における中間位置で屈曲させることにより形成される。
【0021】
また、前記梁体30の両端部33,33は、長手方向に直交する平面に沿う端縁33aを有し、該端縁33aは、断面形状に対応した異なる方向を向く二つの直線によって構成され、端面を画定する。
【0022】
ここで、前記梁体30の寸法、若しくは前記各挿入孔21,21の位置関係について、図4を用いて説明する。まず、図4(A)に示すように、前記梁体30の高さ寸法(板状部31の幅寸法)d1は、前記挿入孔21の縦孔部22の寸法d2よりも小さく、且つ、前記挿入孔21の縦孔部22の寸法d2から前記挿入孔21,21同士の重複長さd3を引いた長さ以上の寸法d4(図4(A)では同一寸法)を有して形成される。一方、前記各挿入孔21の配置を梁体30を基準に説明すると、各挿入孔21,21は、図4(B)に示すように、上側の挿入孔21の横孔部23の直線状部位23aから下側の挿入孔21の横孔部23の直線状部位23aまでの長さd5が、前記梁体30の高さ寸法(板状部31の幅寸法)d6以下(図4(B)では同一寸法)となるように配置される。
【0023】
前記介装体40は、挿入孔21の孔端縁21aと該挿入孔21に挿入した梁体30との間の隙間に圧入される弾性体であり、先端側ほど薄く基端側ほど厚い先細り形状(いわゆる、くさび形状)に形成される。また、該介装体40は、挿入方向と直交する横寸法が前記梁体30の幅以下の寸法に形成される。
【0024】
次に、本実施形態に係る組立家具を組み立てた際の構造について説明する。図5に示すように、各梁体30が対応する各挿入孔21に挿入され、各挿入孔21の孔端縁21aと該挿入孔21に挿入した各梁体30との間には、介装体40が介装(圧入)される。なお、各梁体30は、曲げ強度を高めるべく、板状部32が上方に位置して板状部31が垂下する状態で配置される。そして、上方の梁体30は、下面側に介装された介装体40によって上方に押圧されて挿入孔21の孔端縁21a(直線状部位23a)に当接し、下方の梁体30は、下面側に介装された介装体40によって上方に押圧されて前記上方の梁体30の下端縁に当接する。このとき、下方の梁体30は、上方の梁体30の平坦面に対し、該梁体30の平坦面の幅寸法に亘って線接触する。また、下方の梁体30は、前記上方の梁体30だけでなく、該下方の梁体30が挿入される挿入孔21の孔端縁21a(直線状部位23a)にも当接する。さらに、中空柱体20に対する梁体30の安定性を高めるべく、端部33の端縁33aは、中空柱体20の平坦な内周面に当接するようになっている。また、図1から判るように、介装体40は、梁体30の下方に隠れて見えないように配置される。
【0025】
なお、本実施形態に係る組立家具を組み立てる場合には、上記梁体30を中空柱体20の挿入孔21に挿入してフレーム1を外形的に組み立てた後に、各部材の連結を確実にすべく、梁体30の下方から介装体40を挿入してフレーム1を完成させればよい。また、該組立家具を分解する場合には、まず介装体40を取り除き、次に中空柱体20から梁体30を引き抜くといったように、逆の手順で作業を行えばよい。ただし、組立方法は、上述のような構造が実現される限りにおいて、特定の方法に限定されるものではなく、分解方法も、同様に特定の方法に限定されるものではない。
【0026】
最後に、組立家具の収納状態について、図6に基づいて説明する。上述のとおり、前記中空柱体20’,20”は、一方の内周が他方の外周よりも大きく構成されるため、小さい方の中空柱体20”は、大きい方の中空柱体20’の内部に挿入されて、いわゆる入れ子構造で収容される。また、前記梁体30は、中空柱体20の一辺よりも幅狭に構成されることから、中空柱体20の内部に収容可能である。ところで、各梁体30,30は、それぞれの内側面と外側面とを接触させる態様で順に重ねることが可能であり、好ましくは、各梁体30,30は、重ねられた状態で中空柱体20の内部に収容される。このようにして、フレーム1は、大きい方の中空柱体20’の中に小さい方の中空柱体20”が収容され、小さい方の中空柱体20”の中に各梁体30,30…が収容されて小さくまとめられ、また、天板10や介装体40等の付属部材は、これらとセットで取り扱われる。
【0027】
以上のように、本実施形態に係る組立家具によれば、挿入孔21の孔端縁21aと該挿入孔21に挿入した梁体30との間に介装される介装体40によって梁体30が挿入孔21の孔端縁21aに当接し、中空柱体20に対して固定される。また、各梁体30,30同士が当接するため、各々が干渉したり摩擦したりすることによって相対的な動きが有効に制限される。このように、中空柱体20や各梁体30,30といった各部材は連携して固定されることで、全体の剛性を高めることが可能となる。しかも、中空柱体20の内部は、全体の剛性を高めるべく各梁体30,30同士を当接させる空間として有効に利用されるため、組立家具の軽量化と高剛性化とを同時に実現することができる。
【0028】
また、いずれの梁体30も孔端縁21aに当接することで、各梁体30がそれぞれ中空柱体20に対して固定されるため、外力が加えられる方向にかかわらず、全体の剛性を、バランス良く高めることができる。また、前記梁体30の端部33における端縁33aが中空柱体20の平坦な内周面に当接することから、梁体30と中空柱体20とはいわゆる面接触の状態となり、中空柱体20に対する梁体30の動きを抑えて、中空柱体20に対する梁体30の安定性を高め、全体の剛性をより高めることができる。
【0029】
なお、各部材の製造誤差や組立時の歪み等によって、互いに当接するとされる全ての部材が確実に当接する状態を必ずしも実現できないとしても、各部材同士は、少なくとも近接した位置に存在するため、外力等が加えられて部材が変位すれば当接すべき他の部材に当接し得る状態となっていることから、変形を小さく抑えることができ、結果として組立全体の剛性を高く維持することができる。
【0030】
しかも、前記介装体40は、梁体30の下方に介装されるため、組立家具が上方から見下ろされる場合に、介装体40が梁体30に隠れて目立たなくすることができる。
【0031】
さらに、中空柱体20が入れ子構造であり、且つ、梁体30を重ねることが可能あることから、組立家具を分解した際にコンパクトにまとめることができ、流通時や収納時に場所を取らないものとすることができる。
【0032】
また、組立家具を構成するフレーム1の主要な部材に紙材を採用すると、組立家具を軽量であるとともに質感を良好なものとすることができ、且つ、廃棄の際にも再資源化に貢献するなど、優れた利点を有するものとすることができる。
【0033】
なお、本発明に係る組立家具は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0034】
例えば、上記実施形態においては、組立家具として机を例に説明したが、中空柱体20と、該中空柱体20の側面に形成された挿入孔21に挿入されて中空柱体20,20同士を連結する梁体30とを用いてフレーム1が組み立てられるものであれば、机に限定されるものではない。
【0035】
組立家具の一例としては、フレーム1と、該フレーム1を構成する梁体30の上に板材を載置して構成される棚が考えられる。また、かかる棚は、一つのフレーム1を用いたものだけでなく、複数のフレーム1,1を上下に積み重ねて構成されるものも考えられる。この場合には、フレーム1,1同士の連結を確実にする観点から、上記大きい中空柱体20’の中に小さい中空柱体20”の一部(端部)が差し込まれる状態で積み重ねられる構成が好ましい。なお、大きい中空柱体20’の中に差し込まれた小さい中空柱体20”は、梁体30の上に載置される状態で支持される。
【0036】
また、上記実施形態においては、挿入孔21が二つ一組として中空柱体20に二組設けられるものとして説明したが、これに限定されるものではなく、例えば上中下段に三組設けられるものであってもよい。同様に、挿入孔21は、一組につき二つ形成されるものに限定されず、三つ以上設けられ、例えば一つの中空柱体20に対して連結される中空柱体20の本数に応じて設けられるものであってもよい。さらに、中空柱体20は、4本設けられるものに限定されず、フレーム1を自立させるために必要な3本以上であれば、所望の組立家具の形状に応じて適宜設けられるものである。
【0037】
さらに、上記実施形態においては、中空柱体20の断面は、四角形状のものとして説明したが、これに限定されるものではなく、フレーム1を構成する中空柱体20の本数に対応させた多角形状であってもよく、また、円形状であってもよい。
【0038】
また、上記実施形態においては、梁体30の断面及びこれが挿入される挿入孔21は、L字状を有するものであるとして説明したが、これに限定されるものではなく、中空柱体20,20同士を連結する機能を有するものであれば、板状のものや円形状を含め、いかなる形状のものであってもよい。ただし、捻れや曲げに対して強度を有するものとする観点からは、梁体が例えば断面四角形状を有する棒状のものや、断面がH字形状、U字形状若しくはT字形状のものであることが好ましい。この場合には、挿入孔も梁体に対応する形状に形成され、前記縦孔部及び横孔部が接続する位置を変更して形成される。
【0039】
また、上記実施形態においては、介装体40は梁体30の下方に介装されるものとして説明したが、これに限定されるものではなく、挿入孔21の孔端縁21aと梁体30との間におけるいずれの位置に介装されるものであってもよい。
【0040】
さらに、上記実施形態においては、各挿入孔21,21が軸線方向において一部を重複させて形成されるものとして説明したが、これに限定されるものではなく、上方の挿入孔の下方側の孔端縁と下方の挿入孔の上方側の孔端縁とが同一高さ位置とされるものであってもよい。この場合であっても、各梁体30,30同士を近接させるように介装体40で押圧すれば、各梁体30,30が挿入孔の孔端縁に当接するとともに中空柱体20の内部で各梁体30,30同士が当接する状態とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の一実施形態に係る組立家具の斜視図を示す。
【図2】同実施形態に係る組立家具の分解斜視図を示す。
【図3】同実施形態に係る組立家具の中空柱体に形成される二つの挿入孔を示す図であって、(A)は、下方の挿入孔の正面図を示し、(B)は、上方の挿入孔の正面図を示す。
【図4】同実施形態に係る組立家具の中空柱体に形成される二つの挿入孔の位置関係を説明する図であって、(A)は、挿入孔の寸法関係から梁体の高さ寸法を説明する図を示し、(B)は、梁体の高さ寸法から挿入孔の配置関係を説明する図を示す。
【図5】同実施形態に係る組立家具を組み立てた際の構造を説明する図であって、(A)は、下方の梁体の挿入方向からの断面図を示し、(B)は、上方の梁体の挿入方向からの断面図を示す。
【図6】同実施形態に係る組立家具を分解収納した状態の斜視図を示す。
【符号の説明】
【0042】
1…フレーム、10…天板、20…中空柱体、21…挿入孔、21a…孔端縁、22…縦孔部、23…横孔部、23a…直線状部位、30…梁体、31,32…板状部、33…端部、33a…端縁、40…介装体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
立設される複数の中空柱体と、該中空柱体の側面に形成された挿入孔に挿入されて中空柱体同士を連結する梁体とを用いてフレームが組み立てられる組立家具において、挿入孔の孔端縁と該挿入孔に挿入した梁体との間に介装される介装体を備え、前記各中空柱体には、該中空柱体の軸線周り及び軸線方向に位置を違えて前記挿入孔が少なくとも二つ形成され、前記介装体が介装された状態で、各挿入孔に挿入された各梁体のうち少なくとも一つが前記挿入孔の孔端縁に当接するとともに前記中空柱体の内部で各梁体同士が当接することを特徴とする組立家具。
【請求項2】
前記各挿入孔は、前記介装体が介装された状態で、各梁体のいずれもが挿入孔の孔端縁に当接するように寸法設定されてなることを特徴とする請求項1に記載の組立家具。
【請求項3】
前記梁体は、平坦面を有し、前記各梁体同士は、一方の梁体の前記平坦面に他方の梁体が所定長さに亘って当接することを特徴とする請求項1又は2に記載の組立家具。
【請求項4】
前記介装体は、梁体の下方に介装されることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の組立家具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−195721(P2007−195721A)
【公開日】平成19年8月9日(2007.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−17600(P2006−17600)
【出願日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【出願人】(594199452)株式会社鈴木松風堂 (10)
【Fターム(参考)】