説明

組立構造体から構成部品をパルス誘導加熱で取外す装置および方法

【課題】組立構造体からの構成部品の取外し
【解決手段】パルス誘導加熱装置により、下地基板から接合された部品を取り除く。除去すべき部品の基部周囲に工具のコイルループを嵌め合せる。工具は、短パルス(パルスの後に、短い非加熱待機時間がある)で部品と基板を加熱する。基板の温度は、各パルスの間の非加熱待機時間中に測定される。基板が目標温度に達した時、接着剤が十分に軟化しており、基板を傷つけることなく、部品と接着剤がたやすく掻き取られる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、広義の意味で云えば、組立構造体からの構成部品の取外しに係わるものであり、特に、組立構造体から接着剤接合されている構成部品をパルス誘導熱で取外す改良された装置、方法および装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
或る工業上の応用例では、組立構造体の構成に使用される部品は各種材料で形成されている。それらの部品は、例えば通常のナットとボルト、接着剤で固定するナット板、または当業者に周知のさらに他の種類の固定具や他の組立部材を含む各種方法によって互いに結合または固定されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
不具合な装置の交換や構成部品の再加工などのために、固定具や組立部材の取外しがときどき必要となる。そのような作業において、或る部品は損傷を生じかねない。例えば、複合材で形成された基板は、強力な接着剤で接合されているナット板や他の組立部材を取外すことによって損傷を生じ得る。基板から部材を取外す1つの技術は、部材を物理的に打つまたは叩くことで下に位置する構造物または基盤から剥がす作業を伴う。そのような打撃が室温で加えられると、複合材に剥離を生じ得る。それに加えて、部材を取外した後に下に位置する構造物に残された残留接着剤を除去するために作業員が電動研磨装置を使用するときに、複合材部品は損傷を生じ得る。
【0004】
接着剤接合した組立体部材を取外す他の技術は、部品および基板を加熱するために熱気を使用する。加熱の前に、熱電対を接着剤の接合線の近くに取付け、あつらえて裁断したシリコーンマスキングを取外し箇所のまわりに取付けて周辺部材を熱気からシールドする。固定部材の或る製造元、例えばクリック・ボンド・インコーポレーテッド社は、取外し技術の提供もしている。それらの遣り方はそれぞれ或る応用例に対して使用できるが、組立構造体から組立部材を取外すための改良した装置、方法および装置が要望されるのである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
構造体から組立部材をパルス誘導熱で取外す装置および方法が開示される。一実施形態において本発明は、1つの加熱部材、固定部材の多数の形式および寸法に合致させて事前に形成されている複数の取外し可能且つ交換可能なコイルと、表面温度測定プローブおよび温度計、および固定部材および残留接着剤の取外し(除去)時に組立構造体が損傷することを防止するために非金属製の掻き取り具(スクレーパー)とを含んでなるキットを含む。
【0006】
一実施形態において、加熱部材は変更した手持ち式の誘導加熱具を含み、この加熱具は目標とする部材の取外し前にその部材と基板とを加熱するために使用される。この加熱具は短い間歇的な加熱パルスに続いて短い非加熱待機時間を生じるように時間遅延リレーを有する。このサイクルは、構成部品を過熱し難くするとともに、加熱パルスの間に作業員が温度測定する時間を与える。加熱具は加熱パルスを発生している時間を作業員に知らせる信号発光灯も有している。
【0007】
本発明の方法の一実施形態において、最初に作業員は取外す部材の接着基部の周りにピッタリと適合する1つのコイルを選ぶ。コイルのリード線が工具に取付けられるか挿入され、コイルの端部ループが下に位置する基板と実質的に同一平面状態で、部材の接着基部の周りに位置決めされる。短い電流パルスが工具を経てループに導かれ、この電流の誘導作用によって目標とする部材および基板を加熱する。基板の温度は表面熱電対プローブで監視される。基板が目標温度に達したならば、接着剤は十分軟化して構成部品および接着剤を容易に掻き取ることができる。本発明は、或る適用例における複合材、金属および他の形態をした基板からの固定部材の取外しや、スタッド、隔離体(スタンドオフ)、取り付け台(マウント)、ケーブル結合線(ケーブルタイ)、ブッシュ、インサート等の他の形態をした結合部品の取外しに有用である。
【0008】
本発明の前記目的および利点、およびその他の目的および利点は、以下の詳細な説明、特許請求の範囲の記載および添付図面に照らして、当業者には明らかであろう。
【0009】
したがって、本発明の特徴および利点が得られる方法をさらに詳しく理解できるように、前記で概要を示した本発明のさらに具体的な説明を、添付図面を見ながら行うことにする。しかしながら、図面は、本発明の僅かな例を示すに過ぎず、本発明はその他の同様に有効な例も可能であるので、本発明の技術的範囲を限定するものと考えるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明により構成された工具の一実施例の分解した等角図である。
【図2】図1に示され、本発明により構成された工具のためのコイルの各種実施例を示す等角図である。
【図3】或る使用状態で示された図1の本発明により構成された工具のためのコイルの実施例を示す等角図である。
【図4】図3とは異なる使用状態で示された図1の本発明により構成された工具のためのコイルの実施例を示す等角図である。
【図5】図3および図4とは異なる使用状態で示された図1の本発明により構成された工具のためのコイルの実施例を示す等角図である。
【図6】或る使用状態で示された本発明により構成された温度測定プローブの一実施例を示す等角図である。
【図7】複合材の基板に取付けられたナット板の側面断面図である。
【図8】本発明による掻き取り具で複合材の基盤からナット板が取外される前の頂面図である。
【図9】本発明による掻き取り具で複合材の基盤からナット板が取外された後の頂面図である。
【図10】本発明による方法の一実施例における高度なレベルでのフローチャートである。
【図11】本発明により構成された装置、工具および方法の代替例の側面断面図である。
【図12】図11と同様な他の代替例の側面断面図である。
【実施例】
【0011】
図1〜図12を見ると、構造物から組立体部材をパネル誘導加熱で取外すための装置、方法および装置が開示される。図1は本発明の方法またはプロセスで使用されるキットまたは装置の部品を含む加熱部材または工具11の一実施例が示されている。このキット工具11と、最も一般的なナット板の形式および寸法に合致するように予め形成されている複数の取外し可能および交換可能なコイル13(例えば図2に6個示されている)と、表面温度測定プローブ15および温度計17(図6)と、下に位置する構造物の損傷を防止するプラスチック製の掻き取り具19(図8および図9)とを含む。キットは多数のコイル寸法を含むことができ、ナット板の各寸法(例えば−3〜−6)および各形式(例えば開放型、ドーム型)に対してデザインされる。
【0012】
課熱部材11は、例えばインダクション・イノベーション・インコーポレーテッド社により市販されているミニ−ダクター(商品名)として公知の工具の変更形態を含む。工具11は手持ち式の誘導加熱装置であり、引離しの前に締着部品(例えば図3、図4および図7のナット板21を参照)と、下に位置する基板23(例えば複合材の基板)と、それらを結合する接着剤25とを加熱するために使用される。工具は時間遅延リレーによって短い間歇的な加熱パルス(例えば各5秒)に続いて短い非加熱待機時間(例えば各4秒)を生じるように変更される。パルス時間および待機時間の両方とも異なる応用例に対して調整することができる。このサイクルは下に位置する基板を過熱し難くし、また、加熱パルスの間に作業員が温度測定する時間を与える。図1に示されるように、工具はスイッチまたは起動部材(トリガー)30と、工具11が加熱パルスを発生している時間を作業員に知らせるための信号発光灯31(例えばLED)とを備えることができる。
【0013】
本発明の方法の一実施例において(例えば図10参照)、最初に作業員は取外すナット板21の接着基部25の周りにピッタリと適合する1つのコイル13(例えば図2参照)を選ぶ(図10の段階101)。例えば、図2におけるコイル13の各種ループ14の寸法を比べる。ナット板21の接着基部25の周りに適合する丁度良い大きさのループ14のあるコイル13が選ばれる。コイルが別のナット板の寸法および/または形式のためにデザインされているとしても、各ナット板21に対して最も良く適合するコイルループ14が選ばれる。コイルは2つのループを備えることができる。複合材の基板23の表面とできるだけ同一平面状態となれるように、コイルループ14は周囲のナット板21や構造物と干渉してはならない(段階103)。コイルループが表面と同一平面状態に保持されないならば、加熱効率が悪くなる。前方からナット板21に容易にアクセスできない箇所では(例えば図5参照)、コイル13のリード線が基板23の背面からナット板21にアクセスするように180゜後方へ曲げることができる。コイル13の寿命を延長するために、大きな曲げ半径を採用すべきである。
【0014】
1つのコイル13の真直なリード線は工具11に取付けられるか挿入され(例えば図5を参照)、コイル13の端部のループ14は基板23と同一平面状態でナット板21の接着基部25の周りに位置決めされる(例えば図3〜図5参照)。短い電流パルスが工具11を経てループ14に導かれ(段階105)、磁界の誘導作用でナット板21、基板23および接着剤25を加熱する。基板23の温度は表面熱電対測定プローブ15(図6)で監視される。例えば図10の段階107を参照。基板23が目標温度に達したならば(段階109)、接着剤25は十分に軟化されて、ナット板21および接着剤25はプラスチック製掻き取り具19でたやすく掻き取ることができる(段階111)。
【0015】
工具11の起動ボタン30(図1)を押圧し解放することで単一の加熱パルスが発生される。この動作は、例えば5秒の加熱パルスを生む。LED表示灯31は工具11がパルスを生じているときに点灯する。連続するパルスは起動ボタン30を押圧保持することにより発生できる。その後ボタン30が解放されるまで工具11は5秒のパルスと4秒の「切」時間とが切り換わるサイクルを続ける。
【0016】
温度測定の間(例えば図6を参照)、表面温度測定プローブ15の先端はナット板21の接着基部25の直ぐ外側の複合材の基板23上に位置されていなければならない。ナット板21が部品の縁の近くであるならば、部品の縁に最も誓い位置で温度が測定されねばならない。この箇所は温度が最も高い箇所である。複合材23における多数の箇所で最高温度を調べるためにプローブ測定されねばならない。
【0017】
一実施例で、複合材の温度が約93℃(200゜F)に達するか超えたとき、または約12個のパルスを経過したときの何れか早い時点で作業員は加熱を止めなければならない(例えば段階113)。取外しの許容範囲は約79℃〜108℃(175゜F〜225゜F)であり、基板材料の最高許容温度を超えてはならない。作業員は工具の過熱を防止するために限られたサイクル回数につき加熱するべきである(段階114)。約12個のパルス後に、温度が93℃(200゜F)に達してないが少なくとも79℃(175゜F)であるならば、或る実施例ではさらにナット板21および接着剤25の掻き取りを試みなければならない。
【0018】
再び図8および図9を参照して、掻き取り具19は複合材の基板の損傷を防止するために非金属製であることが好ましい。掻き取り具19の縁は接着基部25の縁において複合材の基板23と同一平面に位置決めされる。接着基部25およびナット板21はその後同時に掻き取られる。適正に加熱されていれば、接着剤およびナット板は適度な圧力値で掻き取られるに違いない。大きなナット板(例えば寸法−5および−6)はそれよりも大きな圧力を必要とする。大きなナット板では、加熱されたナット板を最初に叩いて取外した後、接着基部を容易に掻き取りできる。掻き取り具を多数回操作することが可能な限り接着剤を除去するために必要となる。複合材の部品は素早く冷えるので、掻き取りは約5〜10秒の加熱時間内に終了しなければならない(段階119)。接着剤が最初の試みでナット板と共に除去されないのであれば(段階115)、複合材および接着剤は同じ工程で冷却後に再加熱されて掻き取られる(段階117)。
【0019】
図11および図12は、結合した部品(例えばスタッド、ナット板等)および/または基板が容易に誘導加熱できないさらに他の形態の応用例のための本発明の代替例を示している。これらの形式の応用例では、部品の取外しを容易にするためにアダプターまたは増設具31が使用される。増設具31は例えば鉄基金属(例えば鋼)の容易に誘導加熱できる材料で形成される。或る実施例では、増設具は単体の材料で形成され、また、取外対象である構成部品に対して相補形になされる(例えばスタッド増設具31の場合は円筒形)。
【0020】
増設具31は結合された部品、例えば図11のスタッド33に直接取付けられる。コイル13のループ14は増設具31の周りに位置決めされ、また、増設具31および基板23は誘導加熱される。熱は、取外しのための目標温度に達するまで熱伝導により増設具31から結合部品33および接着基部35へ伝えられる。結合スタッド33(例えば図11)の場合、増設具31は内ねじを形成されてスタッド33上に螺合させることができる。改良された熱伝導を得るために、増設具31の基部はスタッド33、ナット板等の基部全体と直接接触する形状寸法に形成される。増設具31は締着部品全体を内包する必要はない。第1の目的はスタッド33の延長基部にて接着剤35を加熱することである。締着部品の頂部の加熱は必然的に要求されない。
【0021】
図12は接着剤45で基板23に結合されたドーム型のナット板43のための増設具41の実施例を示している。本明細書に記載した本発明の特徴および利点はこの実施例にも等しく与えられる。再度述べるが、増設具41の内面および下面は取外し対象部品43に対して相補形に形成される。
【0022】
本発明は多くの利点を有する。本発明による温度測定は従来技術で行われるよりも簡単で、より正確である。熱電対を接着剤の結合線に取付ける必要はもはやなく、むしろ迅速応答する表面温度測定プローブを加熱パルスの間に複合材表面に対して簡単に押圧することができる。また、従来技術と相違して、温度読みを歪めることになるプローブへの熱気の過度の排出はない。加熱がコイルのループ内に限られるので、シリコーンや金属製のマスクやシールドの配置は必要ない。周囲のナット板や構造物に対する加熱は無視でき、したがって周囲構造物は損傷され難く、セーフティーハザードでない。
【0023】
本発明はまたナット板の取外しの全工程をほんの数分に短縮する。対称的に、従来技術は遥かに長い時間がかかり、熱電対の取付けやシールド製作のための費用のかかる作業を必要とし、また、熱気による加熱に長い時間を必要とする。誘導加熱を採用することで、本発明は複合材の基板を熱気よりも短時間だけ高温に曝すことで、複合材に対する損傷を軽減する。手持ち式の工具および可撓性のコイルは熱気ガンが届かないような狭く限られたアクセス箇所に届いて固定具を加熱することができる。本発明は或る適用例において複合材、金属、および他の形態の基板の取外し、およびスタッド、隔離体、取り付け台、ケーブル結合線、ブッシュ、インサート等の他の形態をした結合部品の取外しに有用である。
【0024】
本発明のほんの幾つかの形態について、図示し説明したが、当業者であれば、これらに限定されず、本発明の範囲から逸脱することなく各種変形形態が可能であることが明らかであろう。
【符号の説明】
【0025】
11 工具
13 コイル
14 ループ
15 表面温度測定プローブ
17 温度計
19 掻き取り具
21 ナット板
23 基板
25 接着基部
30 起動ボタン
31 増設具
33 スタッド
35 接着剤
41 増設具
43 部品
45 接着剤

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板に結合された部品を取外す装置であって、
手持ち式のパルス誘導加熱装置を含む工具と、
工具に単独に取付け可能で、各々が異なる寸法を含み、一対のリード線を有すると共にそれらのリード線の端部にループが形成されている複数の選択用コイルと、
基板温度を検出するための表面温度測定プローブおよび温度計と、
加熱後に基板から部材を掻き取る掻き取り具とを含む装置。
【請求項2】
前記選択用コイルが−3〜−6を含む或る範囲のナット板寸法を含み、開放型ナット板およびドーム型ナット板の両方と共用できる請求項1に記載の装置。
【請求項3】
工具が短く間歇的な加熱パルスに続いて短い非熱大気時間を発生させるために時間遅延リレーを含んでいる請求項1に記載の装置。
【請求項4】
加熱パルスが各約5秒とされ、待機時間が各約4秒である請求項3に記載の装置。
【請求項5】
工具が加熱パルスを発生させる起動部材と、加熱パルスを工具が発生しているときに信号を与え発光灯とを有している請求項4に記載の装置。
【請求項6】
起動部材が押圧および解放されたときに単一のパルスを発生し、押圧保持されたときに多数の加熱パルスにわたるサイクルを行わせる請求項5に記載の装置。
【請求項7】
ループと部材との間で部材に直接取付けられる増設具をさらに含み、ループが増設具を誘導加熱する請求項1に記載の装置。
【請求項8】
容易に誘導加熱できる材料で増設具が形成され、増設具はその材料の単一部材で形成され、また、増設具は部材の補完形の形状をした下面および内面を有している請求項7に記載の装置。
【請求項9】
複合材の基板に接着剤接合された締着部品を取外す装置であって、
手持ち式のパルス誘導加熱装置を含む工具と、
工具に単独に取付け可能で、各々が異なる寸法を含み、一対のリード線を有すると共にそれらのリード線の端部にループが形成されている複数の選択用コイルと、
複合材の基板温度を検出するための表面温度測定プローブおよび温度計と、
ループと締着部品との間で締着部品に直接取付けられ、作動時にループによって直接に誘導加熱される延長材料と、
加熱後に複合材の基盤から締着部品および接着剤を掻き取る掻き取り具とを含む装置。
【請求項10】
前記選択用コイルが−3〜−6を含む或る範囲のナット板寸法を含み、開放型ナット板およびドーム型ナット板の両方と共用できる請求項9に記載の装置。
【請求項11】
工具が短く間歇的な加熱パルスに続いて短い非加熱待機時間を発生させるために時間遅延リレーを含む請求項9に記載の装置。
【請求項12】
加熱パルスがそれぞれ約5秒であり、待機時間がそれぞれ約4秒である請求項11に記載の装置。
【請求項13】
工具が加熱パルスを発生させる起動部材と、加熱パルスを工具が発生しているときに信号を与え発光灯とを有し、起動部材が押圧および解放されたときに単一の加熱パルスを発生し、起動部材が押圧保持されたときに多数の加熱パルスにわたるサイクルを行わせる請求項12に記載の装置。
【請求項14】
容易に誘導加熱できる材料で増設具が形成され、増設具はその材料の単一部材で形成され、また、増設具は取外される部材の補完形の形状をした下面および内面を有している請求項7に記載の装置。
【請求項15】
基板に接着剤接合された構成部品を取外す方法であって、
(a)パルス誘導加熱工具と、該工具に取付けできる複数の選択用コイルとを準備し、
(b)基板から取外される構成部品の接着基部の周りに合致するループを有する1つのコイルを選択し、
(c)工具に選択したコイルのリード線を挿入し、また、基板表面に隣接させて構成部品の周りにループを位置決めし、
(d)構成部品、基板および接着剤を加熱するために工具をパルス付勢し、
(e)基板温度を検出し、
(f)基板が目標温度に達して接着剤が軟化するまで段階(d)(e)を繰返し、
(g)基板から構成部品および接着剤を掻き取る、以上の各段階を含む方法。
【請求項16】
段階(d)が、コイルに単一の加熱パルスを導くために工具の起動部材の押圧および解放を含む請求項15に記載の方法。
【請求項17】
段階(d)が、コイルに複数の加熱パルスを導くために工具の起動部材の押圧保持を含む請求項15に記載の方法。
【請求項18】
段階(d)が、起動部材が解放されるまで約5秒の加熱パルスを与え、各加熱パルス間に約4秒の非加熱待機時間が挟まれるようなコイルのパルス付勢を含む請求項17に記載の方法。
【請求項19】
段階(e)が、接着剤の直ぐ外側の基板上に表面温度測定プローブの先端を位置決めすることを含む請求項15に記載の方法。
【請求項20】
段階(f)が、基板が約93℃(200゜F)に達するか超えたとき、または約12個の加熱パルスが経過した後の何れか早い時点で基板の加熱を終了させることを含む方法。
【請求項21】
基板の温度範囲は約79℃〜108℃(175゜F〜225゜F)であり、基板材料の最高許容温度を超えない請求項20に記載の方法。
【請求項22】
段階(g)が、約5秒〜10秒にわたる段階(f)の間に完全な掻き取ることを含む請求項15に記載の方法。
【請求項23】
接着剤が段階(g)後に構成部品と共に取外されていない場合に、基板を冷ますことをさらに含む請求項22に記載の方法。
【請求項24】
段階(c)は、ループが増設具を直接加熱するようにループと構成部品との間で増設具を構成部品に直接取付けることをさらに含む請求項15に記載の方法。
【請求項25】
増設具が容易に誘導加熱できる材料で形成され、その増設具は単体の材料で形成され、また、増設具は構成部品に対して相補形である下面および内面を有する請求項24に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2010−155341(P2010−155341A)
【公開日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2009−297092(P2009−297092)
【出願日】平成21年12月28日(2009.12.28)
【出願人】(598028028)ロッキード マーティン コーポレイション (16)
【氏名又は名称原語表記】Lockheed Martin Corporation
【Fターム(参考)】