説明

組織を治療するためのシステム及び方法

【課題】放射光放出装置及びマッサージ機構を含んだ、体組織を治療するためのシステム及び方法が提供される。
【解決手段】一実施形態では、放射光放出装置はレーザであり、マッサージ機構は、自動機械マッサージ機構である。放射光放出装置は、可視及び赤外線波長の放射光を放出できる。放射光放出装置は、同心円状に組み合わせた赤外線及び可視レーザ光を放射できる。この組織治療システムを用いる方法は、患者の皮膚表面を、放射光放出装置から発せられた所定波長の放射光に所定時間にわたって曝す段階を含む。更に、この方法は、患者の曝された皮膚表面を上記マッサージ機構でマッサージする段階も用意する。この組織治療システムを用いて、過剰なセリュライトを減少させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本願は、2000年11月3日付けの同時係属中の米国仮出願第60/245,948号の優先権を、両出願に共通するすべての主題に関して主張する。前記仮出願の開示内容は、引用してその全体をここに援用する。
【0002】
発明の分野
本発明は、身体状態の治療に関し、より詳細には、セリュライトの減少を含む体組織を治療するためのシステム及びそれを使用するための方法に関する。
【背景技術】
【0003】
発明の背景
セリュライトは、太りすぎの人に多く見られるだけではない。成人女性の人口の90%乃至98%が、過去、未来、或いは現在、セリュライトの量を減少させたいと望むか、或いは望んでいたと推定されている。男性も、セリュライトの量を減らしたいという願望と奮闘している。
【0004】
一旦セリュライトの蓄積が始まると、慢性化し自然には元に戻らない(特別な治療を施さなければ)。セリュライトを抽出及び化学分析すると、セリュライトは、水と脂肪からなるゼリー状の物質である。セリュライトは組織の中に閉じこめられてしまう。通常の脂肪と異なり、セリュライトは生体が容易には利用できない。セリュライトは閉じこめられているので、通常の吸収及び排出過程から比較的切り離されている。
【0005】
2番目には、セリュライトは循環を妨害する。セリュライトの形成は、部分的には静脈及びリンパ管停滞によって引き起こされる。これにより悪循環が始まり、永続する傾向にある。
【0006】
セリュライトは、根本的には栄養摂取に基づいた一般化された状態である。脂肪細胞の量及びその組織侵入が増加すると、既存の循環障害を悪化させる。これは局所代謝率の低下の原因となり、上述のセリュライト悪循環の永続化を助長する。この粘着性の脂肪塊は、皮膚と皮下層にある筋肉との間の結合組織(間質とも呼ばれる)に形成される。結合組織に疾患があると、別の問題も引き起こす。こうした別の問題が起こる1つの理由は、全ての栄養素及び老廃物を細胞へ運び、細胞から運び去る経路を形成するリンパ系を含んだ全ての内部器官を、結合組織が包み込んでしまうことである。
【0007】
セリュライト堆積が増加すると、結合組織を文字通り水浸しにして、最終的にはその機能障害を引き起こす。その際、結合組織は自己修復を試みるが、最終的には繊維質の瘢痕組織が形成される。その後、新たに厚みを増したこの組織は、より多くの脂肪と水分を捕捉し、再度セリュライトが形成される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
一時的なセリュライト減少を目的とした非観血的方法が現時点でも存在する。これらの方法は、大腿部のセリュライトを減少させる局所作用物質を主に使用するもので、セリュライトを減少させる一時的な手段として効果があることが報告されている。セリュライトを減少させる他の方法には、皮下組織の脂肪層において、目標の脂肪組織を外科的に切除することが含まれる。この方法は、潜在的危険、並びに痛み、痺れ、表面形状不整、及び死亡などの合併症を伴う観血的処置と考えられている。現在研究されている、セリュライトを減少させる他の非外科的だが観血的手段には、在来の脂肪に抗体を直接注入するか、或いは、これ以外の様態で脂肪再吸収を促進する作用物質を注入して、脂肪を減少させる方法などがある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
発明の概要
患者のセリュライト発生及び存在を効果的且つ効率的に減少させることを含む、体組織を治療する組織治療方法の必要性が存在する。本発明は、この必要性を満たすための更なる解決策に関するものである。放射光放出装置及びマッサージ機構を含む組織治療システムが提供される。一実施形態では、放射光放出装置はレーザであり、マッサージ機構は自動機械マッサージ機構である。
【0010】
放射光放出装置は、可視(例えば、光)及び赤外線波長の放射光を放出できる。代表的な一実施形態では、放射光放出装置は、同心円状に組み合わせた赤外線及び可視レーザ光を放射する。
【0011】
本発明の教示は、放射光放出装置及びマッサージ機構を備えた組織治療システムを用いる方法を更に含む。この方法は、患者の皮膚表面を、放射光放出装置から発せられた所定波長の放射光に、所定時間にわたり曝す段階を含む。放射光は、好適な養生法に従って連続的又は断続的に照射できる。更に、この方法は、患者の曝した皮膚表面を上記マッサージ機構でマッサージする段階も用意する。
【0012】
上記所定波長及び所定時間を、治療する皮膚表面の一定部分におけるセリュライトの測定値に少なくとも部分的に基づいて計算する付加的段階も提供する。
【0013】
皮膚表面を曝す段階は、この皮膚表面をレーザ誘起放射光に曝す段階を含んでいてもよい。このレーザ光線は、同心円状に組み合わせた赤外線及び可視レーザ光を、皮膚表面に照射できる。
【0014】
この方法は、皮膚表面をレーザ光線に曝した後で、赤外線の照射に曝す段階を更に含んでいてもよい。赤外線は持続波で照射できる。更に、赤外線は、リンパ排液経路に対応した曝された皮膚の所定位置に照射できる。
【0015】
曝された皮膚表面をマッサージする上記段階は、機械マッサージ機構を使用できる。曝された皮膚表面をマッサージする上記段階は、患者の心臓に向かう体液流動を促進するため、心臓から遠位の地点から近位の地点までマッサージすることにより実行できる。更に、曝された皮膚表面をマッサージする上記段階は、所定の動作パターンでマッサージする段階を含むことができる。
【発明の効果】
【0016】
上記の組織治療システム及びそのシステムの使用方法は、不要な組織、水腫、過敏性汗腺、嚢胞、脂肪腫、乾癬組織、座瘡、過剰リンパ液及び組織、静脈瘤、末梢血管拡張(原語:telengiectasias)、痛み、炎症、炎症生成物、及びその他の毒素などの選択した状態の治療に効果を上げることがある。
【0017】
発明の詳細な説明
本発明は、概して、選択した患者の状態の治療に関し、好適には組織治療に関する。本発明の組織治療システムは、例えばセリュライト減少の目標部分に、所定の波長の、或いは波長、間隔、期間、及びパターンを組合せたレーザ光線を照射する。これに続いて赤外線を照射することもできる。赤外線を照射した後、この組織治療システムは、所定の組合せの複数マッサージ技法を用いて、セリュライト減少の目標部分をマッサージする。レーザとマッサージとを組み合わせて用いることにより、セリュライトが減少する。上述のレーザ及びマッサージ療法のバリエーションを用いて、他の組織治療が可能である。通常の技能を備えた当業者であれば、本開示の教示に照らして、この新たな養生法を確認できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
類似した部品には類似した参照番号を付けた図面を詳しく参照すると、図1乃至3は、代表的な実施形態としてセリュライト減少を用いた、身体状態(好適には組織状態)を治療するための本発明によるシステム及びそれに関連した方法を示す。本発明は図示した代表的な実施形態を参照して説明するが、多くの代替形式で実施可能なことは理解すべきである。更に、いかなる適切な大きさ、形状、及び種類の要素又は材料を用いて、或いは利用して、上述の様々な状態を治療できる。説明を簡潔にするため、以下では、セリュライトを減少するための組織治療を説明する。これは限定的な意味に解釈すべきではない。
【0019】
セリュライトは、結合組織部分(皮下層における)内に脂肪細胞が過剰に蓄積され、それにより微小循環性及び生化学的変化が生じたものである。この局所化した脂肪は、大腿部、膝の内側、臀部、腕の内側及び外側、うなじ、腹部、脇腹、及び足首を冒す傾向がある。セルライトの影響を受けた状態では、結合組織の主物質は、流体保持率及び粘度が高まり、結果的に毛管交換が低下して、これが過剰堆積した脂肪細胞の移動を阻害する。
【実施例】
【0020】
本発明の一局面によれば、状態治療又は組織治療システム10が提供される。組織治療システム10は、経皮レーザ刺激に赤外線治療及びその後の皮膚マッサージを組み合わせた処置を施すことにより、多くの異なる作用をもたらす。組織治療システム10を説明するため、セリュライトを減少させる代表的作用をここに記載する。しかし、本発明の教示は、後述するように幾つかの組織治療に利用できることに注意されたい。セリュライト減少の例に関しては、赤外線照射及び皮膚マッサージが、患者の皮下に局在する脂肪の厚みを減少する。
【0021】
図1を参照すると、組織治療システム10が図示されている。組織治療システム10は放射光放出装置を含み、この装置はレーザ12であってよい。レーザ12は、1つ又は複数の波長又は波長帯の放射光を放出するが、異なる波長の放射光を放出するのが好ましい。レーザ12は、機械ロボットスキャナ16のような任意適切な支持体に取り付ける。この支持体は、患者皮膚表面14への放射光の照射を制御する。前記レーザは、赤外線波長で放射光を放出できる。図示はしないが、スキャナ16及び/又はレーザ12を、レーザの出力及び放出シーケンスを制御するためのコンのトローラ又はデータ処理装置に接続することもできる。
【0022】
前記コントローラ又はデータ処理装置は、特定組の命令に対して明確に定義された様態で応答し、且つ一組の命令を実行可能なプログラム可能なものであってもよく又はプログラムされた装置でよい。この装置には、計算装置によるデータ、情報、及びプログラムを少なくとも一時的に格納できる1つ又は複数の記憶装置(例えば、RAM又はROM)と、データ、情報、及びプログラムを実質的に永久に格納するための大容量記憶装置(例えば、ディスク駆動機構又はテープ駆動機構)と、データ及び命令の計算装置への入力に用いる入力装置(例えば、キーボード、マウス、又はスタイラス)と、計算動作の結果を表示又は提示する出力装置(例えば、表示画面、プリンタ、若しくは、赤外線、シリアル、又はデジタルポート)と、上述の特定組の命令を実行するためのプロセッサを含んだ中央処理装置とが含まれる。
【0023】
組織治療システム10は、レーザ12と組み合わせて用いる機械マッサージ機構20を更に含む。機械マッサージ機構20は、異なるマッサージ法を患者に施すことができる。機械マッサージ機構20とは、機械的又は電気物理的刺激を患者の皮膚又は体組織の一部分に与えるのに適した任意の装置を意味する。例えば、機械マッサージ機構20は、1つ又は複数の球状要素、転がり要素、もみ要素、振動要素などを含むことができる。機械マッサージ機構20は、通常の技能を備えた当業者には公知の様々なマッサージ法を実行でき、又、任意選択的な形状又は形態としてよい。
【0024】
本発明の一局面による組織治療システム10の動作を図2に示す。レーザ12を向けると、特定の波長の放射光を放出できる。機械ロボットスキャナ16を連続投入モードで用いて、レーザ12を皮膚表面14上にラスタ走査する(ステップ30)。機械ロボットスキャナ16は、レーザ12を皮膚表面14から概ね18インチ離して位置決めする。通常の技能を備えた当業者であれば、本実施形態で用いられたレーザ12が、皮膚表面14から概ね18インチ離れた距離で焦点を結んでいることを理解するはずである。しかし、この距離を変更して、異なる強度の放射光を照射できる。通常の技能を備えた当業者であれば、これ以外のレーザ構成及び動作様式を利用できることは理解するはずである。更に、ここに記載した実施形態で用いたレーザ12は固定出力レーザであり、出力は暴露時間によってしか変化しない。すなわち、出力を増大するには暴露時間を増加させる。通常の技能を備えた当業者であれば、可変出力すなわち異なる出力レベルを備えた他のレーザ構成を本発明の教示に従って採用できることは理解するはずである。
【0025】
組織治療システム10は、照射の過程で少なくとも2つの異なる波長のレーザ12を患者に照射する。この放射光は、異なる波長及び異なる間隔で、異なる時間にわたって放出できる。まず、レーザ12は、例えば、約650ナノメートル乃至約1295ナノメートルの範囲の、赤外線及び可視レーザ光を同心円状に組合せた複数波長の放射光を投射する。
【0026】
レーザ12照射の時間、出力、及び波長は、主として、ふくらはぎ周長、大腿部周長、腹部周長、臀部周長、患者の体重、及び患者の身長など様々な要因を定式化して決定する。例えば、大腿部周長が38cm、ふくらはぎの周長が31cm、腹部周長が76cm、臀部周長が82cm、体重62kg、メトロポリタン生命保険社の標準計算表に従った理想体重が50kg、及び身長5フィート3インチの患者であれば、単位部分当たり6.4分間ラスタ放射に曝す。皮膚表面14の各単位部分の暴露時間は、次の式に基づいて計算する。(センチメートルで計った臀部周長)/(センチメートルで計った腹部周長)×(キログラムで計った体重)/(キログラムで計った理想体重)×(センチメートルで計ったふくらはぎ周長+センチメートルで計った大腿部周長)×減少係数=時間(分)理想体重(「IBW」)は、患者身長から計算された、IBWに関するメトロポリタン生命保険社の標準計算表で定義されたものと同一である。減少係数は0.07で、単位部分当たりの最低暴露時間は5.5分である。大多数の患者に関しては、単位部分当たりの最大暴露時間は、約12分である。しかし、この数字は、上述の変数次第で変動することがある。上述のように、ここに記載されているレーザ12の出力は固定されている。しかし、可変出力設定を備えたレーザを利用することもできるし、異なる出力設定に合わせて上述の変数関係も調節できる。
【0027】
曝される単位部分当たりの典型的な暴露時間は、平均的な体格の成人女性については約5分から12分の間である。例えば、大腿部は3つの区画に分けて処置することができ、各部分が、概ね20%重複した状態で大腿部の120度の範囲に及ぶ。従って、それぞれの大腿部に関して、レーザ治療時間は、各単位部分当たりの暴露時間の概ね3倍、すなわち肢それぞれに付き18乃至30分である。暴露時間は、上述の変数の実際値に従って変動する。レーザ12は、皮膚表面14上をラスタ走査する連続波光線として発射される。治療する皮膚表面全体に、振動数約1Hzの単一走査を行ってもよい。
【0028】
レーザ走査段階が終了すると、次に、赤外線を、大腿部それぞれに沿った16の別個の部位において皮膚表面14に照射する(ステップ32)。これら部位は、通常の技能を備えた当業者には既知のリンパ排液経路に概ね位置している。各部位は、概ね30秒間にわたり曝される。これら部位は、異なるリンパ排液経路に対応し、様々な身体部分により異なる。更に、この赤外線放射は、必要に応じて標的部分を最も効率的に網羅するため、楕円、正方形、円などの幾つかの異なるパターンで照射できる。より典型的な放射線の照射は、一般的な円運動を含み、最後の一振りを概ね心臓の方向に向ける。
【0029】
このレーザ治療は、レーザ12に曝した標的位置にある、患者の身体内部の深い位置の組織を加温する。レーザ12による深部加温は、患者の身体内部の深部筋肉、腱、筋膜、及び骨組織にも到達し得る。脂肪層内部に熱を集中的に送出すると、所望の脂肪分解を引き起こすことができる。この脂肪分解は、脂質の加水分解、すなわちセリュライトを形成する有機化合物の分解である。
【0030】
異なる波長を組合せたレーザ12を照射した後は、機械マッサージ機構20が、レーザ及び赤外線波長光で処置を受けた皮膚表面14部分を勢いよくマッサージする(ステップ34)。代表的実施形態において、スペードソレイル(原語:Spade−Soleil)社製のマッサージ機が、組織治療システム10のマッサージ部を構成し、これをマッサージを施すために用いた。機械マッサージ機構20は、セリュライト減少のための標的部分に、多くの所定の様々なマッサージパターン及びマッサージ技法を施す。大腿部を例にとると、大腿部の側部それぞれを概ね4乃至6分間マッサージする。しかし、マッサージ時間は、患者の個別状況で決まる最適セリュライト減少量に必要な程度まで変化させてよい。心臓に向かう体液流動を促進するため、マッサージ動作は、心臓に遠位の地点から近位の地点まで行う。
【0031】
脂肪はセリュライトの1つの構成要素である。従って、レーザ照射による脂肪減少によって、セリュライトの出現が減少する。しかし、セリュライトがはっきり分かる程度ではない場合は、脂肪の減少及び除去によって、血圧低下及びインシュリン必要量の減少などのその他の利益がもたらされる。こうした場合は、治療前のセリュライトは目に見えるほどでないので、セリュライトが見た分かるほど減少しないことがある。
【0032】
更に別の代表的実施形態では、実験的な照射を行い、その結果を図3にグラフ化した。このグラフは、9名のテスト被験者それぞれについて、脂肪の減少をパーセントで表示したものである。個々の志願者を、片方の脚のみへの赤外線放射などのレーザ光線に曝した。次に、両方の脚に上述のマッサージ技法を施した。このプロトコルを6乃至8週間にわたって施した。両脚の脂肪層の厚みを、治療の全課程を通じて定期的に測定し、書き留め、且つ記録した。レーザ照射治療及びマッサージを施した被験者の殆どが、脚のセリュライト厚さが5%乃至30%減少し、マッサージ療法のみを行った脚には殆ど或いは全く変化が現れなかった。よく見られた副作用は、排尿頻度の増加であった。この治療法は、脂肪細胞の間隙からの体液流動化や、或いは脂肪分解を介した体液流動化を引き起こすことがある。
【0033】
本発明の1つの利点は、「休止時間」なしでセリュライトの量を減少できることである。セリュライトを除去する他の方法は、脂肪を永久的に除去するかもしれないが、こうした他の方法は費用が嵩み、典型的には麻酔を必要とし、痛みを伴うことがあり、又、長期にわたる「休止時間」を含めこれ以外の面倒な障害を引き起こし得る。
【産業上の利用可能性】
【0034】
本発明の教示は、他の疾患の治療にも利用できる。例えば、本発明の方法は、不要な組織の除去、水腫の減少、過敏性汗腺、嚢胞、脂肪腫、乾癬組織、過剰リンパ液及び組織、静脈瘤、座瘡、末梢血管拡張、痛み、炎症、炎症生成物、及びその他の毒素の治療に用いることができる。この方法は、筋肉体積の増加、筋肉加温、骨治癒の刺激、「前脛骨部症候群」、腱炎、腱鞘炎、骨再生の治療、並びに神経痛、神経小丘、及び神経行動不能症の軽減にも利用できる。これら各例において、レーザ波長の調節を行い、又、治療のマッサージ部分の激しさ及びパターンは、その後に施される特定の治療養生法に従って変更する。
【0035】
本発明の多くの修正及び代替実施形態は、上述の記載を考慮すれば通常の技能を備えた当業者には明白となるはずである。従って、この記載は、例示的なものとしてのみ解釈されるべきであり、又、これは、本発明を実施するための最良の様態を、通常の技能を備えた当業者に教示するためのものである。本構成の詳細は、本発明の精神から逸脱することなく実質的に変更することができ、添付した特許請求の範囲内に入る全ての修正の排他的使用権を保持する。本発明は、添付の特許請求の範囲及び適用法規が要求する範囲にのみ限定されることが意図されている。
【図面の簡単な説明】
【0036】
本発明の上記及びその他の特徴及び利点、並びに他の特徴及び局面は、次の説明及び添付の図面を参照すればより明確に理解されるはずである。
【図1】図1は、本発明の一実施形態に従った組織治療システムの概略図である。
【図2】図1のシステムを使用するための関連した方法を示したフローチャートである。
【図3】本発明の教示に従った患者の治療結果を作図したグラフである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の状態を治療するためのシステムであって、
患者の皮膚表面を所定波長の放射光に所定時間にわたって曝すための放射光放出装置と、
前記皮膚表面を選択した時間にわたってマッサージするためのマッサージ機構とを含み、
前記所定波長及び前記所定時間が前記皮膚表面の一領域におけるセリュライトの測定値に少なくとも部分的に基づいて計算されているシステム。
【請求項2】
前記放射光放出装置がレーザを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記マッサージ機構が、自動機械マッサージ機構を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記放射光放出装置が、可視及び赤外線波長の放射光を放出する、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記放射光放出装置が、同心円状に組み合わせた赤外線及び可視放射光を放出する、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
この組織治療システムの作用が、セリュライトの減少を引き起こす、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記少なくとも1つの波長の放射光が、650ナノメートル乃至1295ナノメートルの範囲である、請求項1に記載のシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−206991(P2008−206991A)
【公開日】平成20年9月11日(2008.9.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−101022(P2008−101022)
【出願日】平成20年4月9日(2008.4.9)
【分割の表示】特願2002−538800(P2002−538800)の分割
【原出願日】平成13年11月2日(2001.11.2)
【出願人】(503165059)エレメ メディカル インク. (1)
【氏名又は名称原語表記】Eleme Medical Inc.
【住所又は居所原語表記】Heron Cove Office Park, 10 Al Paul Lane, Suite 102, Merrimack, New Hampshire 03054 (US)
【Fターム(参考)】