組織治療および狭窄制御のためのシステム、装置、および方法
組織を切除する、損傷させる、または別様に影響を及ぼすように治療するためのシステム、送達デバイス、および方法。治療システムは、非標的組織を損傷させることなく標的組織を切除する、冷却可能切除アセンブリを送達することが可能である。冷却可能切除アセンブリは、神経系入力を一時的または永久的に減少させるように神経組織を損傷させる。システム、送達デバイス、および方法は、組織を損傷し、もしあれば、瘢痕化および狭窄を管理することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、米国仮特許出願第61/260,349号(2009年11月11日出願)の米国特許法第119条第(e)項の利益を主張し、この出願の開示は、その全体が参照することによって本明細書に援用される。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、概して、組織を治療するためのシステム、装置、および方法に関し、より具体的には、本発明は、狭窄を制御しながら所望の反応を引き起こすためのシステム、装置、および方法に関する。
【背景技術】
【0003】
肺疾患は、肺の性能に悪影響を及ぼす広範囲の問題を引き起こす場合がある。喘息および慢性閉塞性肺疾患(「COPD」)等の肺疾患は、肺の増加した空気流抵抗につながる場合がある。肺疾患による悪影響を有する集団の死亡率、健康関費用、および規模は、全て相当なものである。これらの疾患はしばしば、生活の質に悪影響を及ぼす。症状は様々であるが、しばしば、咳、息切れ、および喘鳴を含む。例えば、COPDでは、ランニング、ジョギング、早歩き等のいくぶん激しい運動を行うときに息切れに気付く場合がある。疾患が進行するにつれて、歩行等の激しくない運動を行うときに、息切れに気付く場合がある。経時的に、COPDの症状は、常に存在するまで、ますます少ない労力で発生し、それにより、通常の作業を達成する個人の能力をひどく制限する場合がある。
【0004】
肺疾患はしばしば、気道管腔の閉塞、気道壁の肥厚化、気道壁内またはその周囲の構造の改変、あるいはそれらの組み合わせと関連付けられる、気道閉塞によって特徴付けられる。気道閉塞は、肺の中で交換されるガスの量を有意に減少させ、息切れをもたらし得る。気道管腔の閉塞は、過剰な管腔内粘液または浮腫液、あるいは両方によって引き起こされ得る。気道壁の肥厚化は、気道平滑筋の過剰な収縮、気道平滑筋肥大、粘液腺肥大、炎症、浮腫、またはそれらの組み合わせに起因する場合がある。肺組織自体の破壊等の気道の周囲の構造の改変は、気道壁上の半径方向けん引力の損失、および後続の気道の狭小につながり得る。
【0005】
喘息は、気道平滑筋の収縮、平滑筋肥大、過剰な粘液産生、粘液腺肥大、および/または気道の炎症ならびに腫脹によって特徴付けることができる。これらの異常は、局所炎症性サイトカイン(気道壁の中または付近位位置する免疫細胞によって局所的に放出される化学物質)、吸入された刺激物(例えば、冷気、煙、アレルゲン、または他の化学物質)、全身ホルモン(抗炎症性コルチゾールおよび刺激性エピネフリン等の血液中の化学物質)、局所神経系入力(平滑筋細胞および粘液腺の局所反射刺激を生成することができる、気道壁内に完全に含有される神経細胞)、および中枢神経系入力(迷走神経を通して運ばれる、脳から平滑筋細胞および粘液腺への神経系信号)の複雑な相互作用の結果である。これらの状態はしばしば、喘息患者が呼吸することを困難にする、最終的に永久的な組織改変および永久的な空気流閉塞につながる場合がある、広範囲におよぶ位置的な組織改変および最初に可逆的な空気流閉塞を引き起こす。喘息はさらに、空気流抵抗を有意に増加させる過反応性気道平滑筋の収縮を介した、付加的な気道狭小の急性エピソードまたは発作を含み得る。喘息の症状は、息切れ(例えば、息が切れること、または呼吸困難)、喘鳴、胸苦しさ、および咳の再発エピソードを含む。
【0006】
肺気腫は、肺の中の気道を包囲する、またはそれに隣接する肺組織の改変によってしばしば特徴付けられる、一種のCOPDである。肺気腫は、ガス交換の低減、および周辺肺組織によって気道壁に引加される半径方向けん引力の低減につながる、肺組織(例えば、肺胞嚢等の肺胞組織)の破壊を伴い得る。肺胞組織の破壊は、肺胞壁および肺胞毛細血管がなく、それにより、ガス交換に効果がない、過度に大きい空隙を、肺気腫を患った肺の領域に残す。空気は、これらのより大きい空隙の中に「閉じ込められる」。この「閉じ込められた」空気は、肺の過膨張を引き起こす場合があり、胸部の範囲内で、酸素が豊富な空気の流入およびより健康な組織の適正な機能を制限する。これは、有意な息切れをもたらし、血液中の低い酸素レベルおよび高い二酸化炭素レベルにつながる場合がある。この種類の肺組織破壊は、健康な個人でさえも、通常の加齢過程の一部として発生する。残念ながら、化学物質または他の物質(例えば、タバコの煙)への暴露が、組織損傷または破壊の速度を有意に加速する場合がある。息切れは、気道閉塞によってさらに増加させられる場合がある。半径方向けん引力の低減は、気道壁が呼気中に部分的または完全に虚脱するように、気道壁を「柔軟」にさせる場合がある。肺気腫がある個人は、呼気中のこの気道虚脱および気道閉塞により、肺から外へ空気を送達できない場合がある。
【0007】
慢性気管支炎は、気道平滑筋の収縮、平滑筋肥大、過剰な粘液産生、粘液腺肥大、および気道壁の炎症によって特徴付けることができる、一種のCOPDである。喘息のように、これらの異常は、局所炎症性サイトカイン、吸入された刺激物、全身ホルモン、局所神経系、および中枢神経系の複雑な相互作用の結果である。呼吸閉塞が大部分は可逆的となる場合がある喘息と違って、慢性気管支炎における気道閉塞は、主に慢性かつ永久的である。しばしば、息切れ、喘鳴、および胸苦しさ、ならびに粘液を産生する咳という慢性症状により、慢性気管支炎が呼吸することは困難である。
【0008】
肺疾患の重症度および進行を評価するために、異なる技法を使用することができる。例えば、肺機能検査、運動能力、および生活の質の質問表が、被検体を評価するためにしばしば使用される。肺機能検査は、全空気流、肺容量、およびガス交換等の基本的な生理的肺パラメータの客観的かつ再現可能な尺度を伴う。閉塞性肺疾患の評価に使用される肺機能検査の指数は、1秒間努力呼気容量(FEV1)、努力肺活量(FVC)、FEV1のFVCに対する比、全肺気量(TLC)、気道抵抗、および動脈血ガスの検査を含む。FEV1は、肺が空気で完全に充填された状態で始まる強制的呼気の最初の1秒中に、患者が吐き出すことができる空気の容量である。FEV1はまた、強制的呼気の最初の1秒中に発生する、平均流量でもある。このパラメータは、気道閉塞の存在および影響を評価および決定するために使用されてもよい。FVCは、肺が空気で完全に充填された状態で始まる強制的呼気中に、患者が吐き出すことができる空気の全容量である。FEV1/FVCは、最初の1秒中の強制的呼気中に吐き出すことができる、全ての空気の割合である。少なくとも1つの気管支拡張剤の投与後の0.7未満のFEV1/FVC比は、COPDの存在を定義する。TLCは、肺が完全に充填された時の肺内の空気の総量であり、閉塞性肺疾患がある患者の肺内で空気が閉じ込められたときに増加する場合がある。気道抵抗は、肺胞と口との間の空気の流速に対する肺胞と口との間の圧力勾配として定義される。同様に、所与の気道の抵抗は、気道を通る流量に対する所与の気道にわたる圧力勾配の比として定義される。動脈血ガス検査は、血液中の酸素の量および二酸化炭素の量を測定し、空気から血液の中へ酸素を運ぶ、および血液から身体の外へ二酸化炭素を出す、肺および呼吸器系の能力を評価するための最も直接的な方法である。
【0009】
運動能力検査は、活動を行う患者の能力の客観的かつ再現可能な尺度である。6分間の歩行検査(6MWT)は、患者が6分間に平坦な面上を可能な限り遠くまで歩く運動能力検査である。別の運動能力検査は、患者の最大運動能力検査を測定することを伴う。例えば、医師は、患者が自転車エルゴメータに乗っている間に産生することができる力の量を測定することができる。患者は、30パーセント酸素を呼吸することができ、作業負荷は、3分毎に5〜10ワット増加することができる。
【0010】
生活の質の質問表は、患者の全体的健康および幸福感を評価する。St.Georgeの呼吸器質問表は、全体的な健康、日常生活、および知覚した幸福感に対する閉塞性肺疾患の影響を測定するように設計されている、75個の質問を含む生活の質の質問表である。肺疾患の治療の有効性は、肺機能検査、運動能力検査、および/または質問表を使用して評価することができる。これらの検査および/または質問表からの結果に基づいて、治療プログラムを修正することができる。
【0011】
気管支温熱療法等の治療は、肺内の多数の気管支枝における気道壁を切除し、それにより、肺の気道壁の中の平滑筋および神経の両方を排除することによって、平滑筋緊張を破壊することを伴う。治療された気道は、吸入された刺激物、全身ホルモン、ならびに局所および中枢神経系入力の両方に、有利に反応することができない。したがって、残念ながら、この気道壁の中の平滑筋緊張および神経の破壊は、肺性能に悪影響を及ぼす場合がある。例えば、煙または他の有害物質等の吸引された刺激物は、通常、肺刺激受容体を刺激して、咳および気道平滑筋の収縮を生じる。気道壁の中の神経の排除は、局所神経機能および中枢神経入力の両方を除去し、それにより、強制的な咳により有害物質を排出する肺の能力を排除する。気道平滑筋緊張の排除は、収縮する気道の能力を排除し、それにより、肺の中への有害物質等の不要な物質のより深い浸透を可能にする場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
喘息およびCOPDの両方は、増大する数の患者がいる重篤な疾患である。処方薬を含む、現在の管理技法は、完全に成功しておらず、副作用も含む。加えて、多くの患者が、薬剤処方の用法に従わない。したがって、患者コンプライアンスを必要とすることなく、空気流に対する抵抗を向上させる治療を提供することが望ましいであろう。
【課題を解決するための手段】
【0013】
少なくともいくつかの実施例は、狭窄の可能性を防止、最小化、または制限しながら、中空器官の神経を麻痺させる管腔内装置を対象とする。器官の機能に有意に影響を及ぼす不要な狭窄を伴わずに、器官の標的領域を治療することができる。ある実施形態では、管腔内装置は、相互から離間した離散した標的領域を切除する。たとえ狭窄が発生しても、360度に延在する連続狭窄輪を回避することができる。器官が気道である場合、空気流抵抗のかなりの増加を伴わずに、変状部を形成することができる。
【0014】
いくつかの実施形態では、被検体を治療するためのシステムは、気道の管腔に沿って移動するように寸法決定される細長いアセンブリを含む。アセンブリは、気道の内面を有意な程度まで不可逆的に損傷させずに、神経幹の神経組織等の神経組織によって伝送される信号を減衰させることができる。ある実施形態では、1つ以上の電極が、気道周囲の後方90度から180度を治療するように無線周波数エネルギーを出力して、肺の神経を麻痺させる。冷却システム(例えば、冷却チャネル)は、標的組織を損傷させながら、電極および/または気道組織の温度を制御することができる。
【0015】
組織損傷は、いくつかの手技において、瘢痕化を引き起こすのに十分であってもよいが、電極は、瘢痕組織、狭窄等による、気道管腔のかなりの狭小を低減する、制限する、または実質的に排除するように配置されることができる。変状部は、隣接する変状部の間の組織の肥厚化を防止するために十分に離間し得る。本明細書で開示される少なくともいくつかの実施形態は、気道の長軸に対して垂直である平面に位置する、切除された組織の連続輪を形成することなく、気道壁の実質的に周囲全体を切除することができる。
【0016】
いくつかの実施形態では、方法は、神経系信号が、第1の主気管支に接続された実質的に全ての遠位気管支枝まで進行することを実質的に防止するように、第1の主気管支の神経組織を損傷させるステップを含む。第1の主気管支より遠位にある気管支枝の大部分または全ては、神経系信号を受信しない。神経組織は、ある実施形態では、気管と、それを通って気管支枝が延在する肺との間に位置している。方法はさらに、神経系信号が、第2の主気管支に接続された実質的に全ての遠位気管支枝まで進行することを実質的に防止するように、第2の主気管支の神経組織を損傷させるステップを含む。ある実施形態では、エネルギーは、後部気道の180度未満、または気道周囲の所望の部分に沿って送達される。これは、放出されたエネルギーに暴露される組織の量を制限する。
【0017】
脱神経は、いくつかの実施形態では、神経幹が解剖学的に位置する、外側の外膜組織層に影響を及ぼす変状部の生成を伴う。肺の脱神経では、左右の主気管支の両方の外側に沿って進行する神経幹を効果的に切除することにより、肺気道の内側を覆う気道平滑筋および気道とともに位置する粘液産生腺を、迷走神経から断絶する。これが発生すると、気道平滑筋が弛緩し、粘液産生が減少させられる。これらの変化は、COPDおよび喘息等の病状下で気道閉塞を低減する。低減した気道閉塞は、呼吸をより容易にし、被検体の生活の質および健康状態を向上させる。
【0018】
神経組織は、気道の壁が第1の温度未満である第2の温度である間に、神経組織の温度を第1の温度(例えば、切除温度)まで増加させることによって、熱的に損傷させることができる。いくつかの実施形態では、神経組織から半径方向内向きに配置された気道壁の一部分は、気道壁の一部分への永久的損傷を防止するよう、第1の温度となり得る。第1の温度は、神経組織の永久的破壊を引き起こすように十分高くなり得る。いくつかの実施形態では、神経組織は、気道壁の外側の結合組織の中に位置する神経幹の一部である。気道壁の中の平滑筋および神経組織は、所与のレベルの平滑筋緊張を維持するように機能的なままとなり得る。気道は、刺激(例えば、吸入した刺激物、局所神経系、または全身ホルモンによって引き起こされる刺激)に反応して収縮/拡張することができる。他の実施形態では、神経組織は、気道壁の中の神経枝または神経線維の一部である。さらに他の実施形態では、神経幹の神経組織および神経枝/線維の神経組織の両方が、同時に、または連続的に損傷される。エネルギーを出力するために、切除要素等の種々の種類の起動可能要素を利用することができる。
【0019】
いくつかの実施形態は、大型の気道生体構造を利用する。迷走神経の気道神経幹はしばしば、主気管支気道の後半に沿って存在する。主要気道(すなわち、気管、左右の主気管支)の後部領域は、軟骨を持たない。これらの気道の軟骨輪は、完全には円周ではなく、軟質組織のみが、それらの後部に沿って存在している。さらに、気道の後半上に位置する気道神経幹からの神経組織を損傷させることは、気道周囲の360度より小さい(例えば、有意に小さい)変状部を生成することによって達成することができる。例えば、気道周囲の180度、150度、または130度を治療することが、効果的に気道の神経を麻痺させるために必要とされる全てである。変状部が360度よりも有意に小さい弧の長さを有するため、気道狭窄を多大に低減または防止することができる。
【0020】
電極は、弓形、多角形を含む、複雑な形状を有し、または任意の他の形状あるいは構成を有することができる。電極は、V字形、U字形、L字形、T字形、W字形、直線、曲線、またはそれらの組み合わせとなり得る。いくつかの実施形態では、電極アセンブリは、ジグザグ構成、蛇行性構成、巻線またはコイル状構成、コルクスクリュー構成、螺旋構成、z字形構成、それらの組み合わせ、または同等物を有する。コルクスクリュー形状の電極アセンブリは、不連続または連続的な略コルクスクリュー形状の変状部を形成する、独立して動作可能な電極を有することができる。
【0021】
別の実施形態は、気道周囲の一部または全体に沿って略コルクスクリュー形状の変状部を生成することが可能な連続電極アセンブリを含む。同じ周囲領域に対してより小さい表面積を有する瘢痕は、狭窄を形成し得る組織被膜を生成する可能性が低い。少なくともいくつかの実施形態は、狭い標的領域を治療して、対応する狭い変状部を形成することができる。ナイフ刃電極アセンブリが、そのような治療を行って、瘢痕組織をさらに低減することができる。
【0022】
さらに別の実施形態は、人間の生体構造の全体を通してグループで進行する傾向がある、神経、動脈、および静脈に依存する。気道の脱神経を行う前に、気道神経幹に近接して進行する気管支動脈または静脈の場所を決定するために、超音波または他の種類のエネルギーを使用することができる。血管の場所を決定した後、気道神経幹を切除するように、血管に近接する気道領域がエネルギーで治療される。この技法は、狭窄の危険性を低減または排除するように、治療された組織の容量を最小化または制限する。
【0023】
いくつかの手技では、カテーテルが、所望の深さで少なくとも1つの変状部を成形する。例えば、1つ以上のコルクスクリュー形状または螺旋形状の変状部を、1つの気管支気道壁に形成することができ、気管支樹の異なる部分の神経を麻痺させるように、弓形変状部を別の気道壁に形成することができる。変状部は、気道の内面に沿って、または気道壁内の深くに、あるいは気道の外面に沿って位置することができる。
【0024】
エネルギー送達デバイスは、いくつかの実施形態では、カテーテルシャフトと、カテーテルシャフトに連結される切除アセンブリとを備える。切除アセンブリは、折り畳み状態から拡張状態まで移動可能な冷却要素と、切除アセンブリの長手軸の回りに相互から円周方向にオフセットされている複数の電極を含む、軟骨間エネルギーエミッタとを含む。電極は、気道の長手軸に対して相互から離間しており、気道の複数の標的領域にエネルギーを送達するように構成される。エネルギーエミッタと冷却要素とは、気道の表面組織から離間した気道の軟骨輪の間に位置している軟骨間変状部を協働して形成するように構成される。
【0025】
ある実施形態において、管腔内送達デバイスは、拡張可能デバイスと、複数の切除要素および/または電極とを含む切除アセンブリを備える。電極は、拡張可能部材の遠周囲の周囲において離間しており、標的領域において変状部を形成するようにエネルギーを離散した標的領域に出力することが可能である。第1の変状部の少なくとも一部分は、第2の変状部から軸方向に離間し、およびそれに円周方向に隣接するか、または重複する。
【0026】
いくつかの実施形態では、被検体を治療する方法は、気道に対して切除アセンブリを配置するステップと、切除アセンブリから気道の軸方向に離間した標的領域へとエネルギーを出力するステップとを含む。標的領域の外形は、気道の長軸に沿った方向へ見たときに重複する。
【0027】
さらに他の実施形態では、被検体を治療する方法は、気道に沿って送達デバイスのエネルギーエミッタを移動させるステップを含む。エネルギーエミッタの少なくとも1つの電極は、気道の軟骨輪の間に位置している。エネルギーは、軟骨間変状部を形成するように、電極から、気道の長軸に沿って軸方向に分離された場所における標的領域へと送達される。
【0028】
組織を治療するいくつかの方法は、気道の管腔の中に切除アセンブリを配置するステップと、気道の内面付近に配置し、切除アセンブリの少なくとも1つの電極を使用して、エネルギーを気道の組織に送達するステップとを含む。エネルギーは、標的領域の最大断面幅を画定する標的領域の部分が、気道の内面から分離されるように、気道に沿って軸方向に分離される標的領域を損傷させるように送達される。
【0029】
送達デバイスは、いくつかの実施形態では、カテーテルシャフトと、カテーテルシャフトに連結される切除アセンブリとを含む。切除アセンブリは、折り畳み状態から拡張状態まで移動可能な配備可能要素を含む。エネルギーエミッタは、拡張可能部材が配備状態であるときに、身体構造の軸長に沿って相互から軸方向に変位した端を有する変状部を生成するように、エネルギーを放出することが可能である。
【0030】
送達デバイスは、連続的または不連続的である、1つ以上の変状部を生成することができる。変状部は、弓形、渦巻き形状、螺旋形状、波形、蛇行性形状、またはそれらの組み合わせを含む、異なる形状を有することができる。連続の変状部を生成するために、切除アセンブリは、略連続の変状部を形成するようにともに接近して離間した電極を有することができる。代替として、切除アセンブリは、対応する渦巻き形状、螺旋形状、蛇行性形状、または同等物を有する長い電極またはエネルギーエミッタを有することができる。他の実施形態では、電極は、不連続の変状部を形成するように十分な距離で離間していることができる。変状部のパターン、間隔、およびサイズは、標的領域を治療するように選択することができる。
【0031】
ある実施形態では、気道壁に沿った異なる場所で、変状部を同時に形成することができる。いくつかの手技では、傾斜変状部を気道の対向側に形成することができる。軟骨輪を損傷させることを回避するように、輪の間に変状部全体を配置することができる。他の実施形態では、変状部が気管または軟骨輪を横断することができる。
【0032】
図中、同一の参照数字が、同様の要素または行為を識別する。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】図1は、肺、肺の付近または中の血管および神経の説明図である。
【図2】図2は、一実施形態による、左主気管支内に配置された管腔内治療システムの説明図である。
【図3】図3は、左主気管支の中に配置されたアクセス装置から延在する、送達デバイスの説明図である。
【図4A】図4Aは、気管支樹の気道および折り畳んだ切除アセンブリの断面図である。
【図4B】図4Bは、気管支樹の気道および拡張した切除アセンブリの断面図である。
【図5A】図5Aは、気道の平滑筋が収縮され、粘液が気道管腔の中にあるときに、折り畳んだ切除アセンブリを包囲する、気道の断面図である。
【図5B】図5Bは、拡張した切除アセンブリを包囲する、気道の断面図である。
【図6】図6は、組織の温度と対比した組織の深さのグラフである。
【図7】図7は、気道の中の切除アセンブリの側面図である。
【図8】図8は、切除アセンブリを伴う送達デバイスの等角図である。
【図9】図9は、図8の線9−9に沿って得られた、細長いシャフトの断面図である。
【図10】図10は、切除アセンブリの側面図である。
【図11】図11は、図10の切除アセンブリの縦断面図である。
【図12】図12は、アクセス装置から外へ延在する送達デバイスを伴う治療システムの部分断面図である。
【図13】図13は、切除アセンブリの側面図である。
【図14】図14は、図13の線14−14に沿って得られた、配備した切除アセンブリを包囲する気道の断面図である。
【図15】図15は、切除アセンブリの側面図である。
【図16】図16は、傾斜変状部を生成するための切除アセンブリの側面図である。
【図17】図17は、内部通路を伴う切除アセンブリの側面図である。
【図18】図18は、線18−18に沿って得られた、図17の切除アセンブリの断面図である。
【図19】図19は、通気口を伴う切除アセンブリの側面図である。
【図20】図20は、線20−20に沿って得られた、図19の切除アセンブリの断面図である。
【図21】図21は、V字形電極のアレイを伴う切除アセンブリの側面図である。
【図22】図22は、T字形電極を伴う切除アセンブリの側面図である。
【図23】図23は、多重歯切除アセンブリの側面図である。
【図24】図24は、一対の電極アセンブリを伴う切除アセンブリの側面図である。
【図25】図25は、冷却可能電極アセンブリを伴う切除アセンブリの側面図である。
【図26】図26は、図25の線26−26に沿って得られた、電極アセンブリの断面図である。
【図27】図27A〜31Bは、等温線および対応する変状部を示す。
【図28】図27A〜31Bは、等温線および対応する変状部を示す。
【図29】図27A〜31Bは、等温線および対応する変状部を示す。
【図30】図27A〜31Bは、等温線および対応する変状部を示す。
【図31】図27A〜31Bは、等温線および対応する変状部を示す。
【図32】図32は、螺旋切除アセンブリの側面図である。
【図33】図33は、別の螺旋切除アセンブリの側面図である。
【図34】図34は、離間した電極を伴う切除アセンブリの等角図である。
【図35】図35は、気道本体管腔の中に配置された、図34の切除アセンブリの等角図である。
【図36】図36は、図34の切除アセンブリによって形成された変状部の等角図である。
【図37】図37は、冷却剤で冷却した電極を伴う切除アセンブリの等角図である。
【図38】図38は、図37の線38−38に沿って得られた、切除アセンブリの断面図である。
【図39】図39Aは、曲面エネルギーエミッタを伴う切除アセンブリの等角図である。図39Bは、図39Aの切除アセンブリによって治療された血管の等角図である。
【図40】図40Aは、図39Aの切除アセンブリの別の等角図である。図40Bは、図40Aの切除アセンブリによって治療された血管の等角図である。
【図41】図41は、別の実施形態による、切除アセンブリの等角図である。
【図42】図42は、送達構成にある切除アセンブリの等角図である。
【図43】図43は、配備構成にある図42の切除アセンブリの等角図である。
【図43A】図43Aは、図43の切除アセンブリの側面図である。
【図44】図44は、図43の切除アセンブリの遠位部の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
図1は、左肺11および右肺12を有する人間の肺10を図示する。気管20は、鼻および口から下向きに延在し、左主気管支21および右主気管支22に分かれる。左主気管支21および右主気管支22は、それぞれ分岐して、外側方向(すなわち、遠位方向)に連続的により小さい直径および短い長さを有する葉気管支、区域気管支、および亜区域気管支を形成する。主肺動脈30は、心臓の右心室から発生し、肺根24の前を通り過ぎる。肺根24において、動脈30は、左および右肺動脈に分岐し、それらは次に、分岐して分岐血管のネットワークを形成する。これらの血管は、気管支樹27の気道に沿って延在することができる。気管支樹27は、左主気管支21、右主気管支22、細気管支、および肺胞を含む。迷走神経41、42は、気管20に沿って延在し、神経幹45を形成するように分岐する。
【0035】
左および右迷走神経41、42は、脳幹から発生し、頸部を通過し、気管20の両側で胸部を通って降下する。迷走神経41、42は、気管20、左主気管支21、および右主気管支22を包み込む前後肺神経叢を含む、神経幹45の中へ広がる。神経幹45はまた、気管支樹27の分岐気道に沿って、かつその外側に延在する。神経幹45は、結合組織の頑丈な鞘によって一緒に結合される神経線維束を備える、神経の主幹部である。
【0036】
肺10の主要機能は、空気から血液中へ酸素を交換すること、および血液から空気へ二酸化炭素を交換することである。ガス交換の過程は、酸素が豊富な空気が肺10の中へ引き入れられると始まる。横隔膜および肋間胸壁筋の収縮は、協働して、肺10の気道を通して酸素が豊富な空気を流れさせるように、胸部内の圧力を減少させる。例えば、空気は、口および鼻、気管20、次いで、気管支樹27を通過する。空気は最終的に、ガス交換過程のために肺胞嚢に送達される。
【0037】
酸素の乏しい血液は、心臓の右側から肺動脈30を通して拍出され、最終的に肺胞毛細血管に送達される。この酸素の乏しい血液は、二酸化炭素廃棄物の中で豊富である。薄い半透過膜が、肺胞中の酸素が豊富な空気から、毛細血管中の酸素が乏しい血管を分離する。これらの毛細血管は、肺胞を包み込み、その間に延在する。空気からの酸素は、膜を通って血液中に拡散し、血液からの二酸化炭素は、膜を通って肺胞中の空気へ拡散する。次いで、新たな酸素富化血液が、肺胞毛細血管から、肺静脈系の分岐血管を通って心臓へと流れる。心臓は、身体の全体を通して酸素が豊富な血液を拍出する。肺の中の酸素が消耗された空気は、横隔膜および肋間筋が弛緩し、肺および胸壁が弾性的に通常の弛緩状態に戻ると吐き出される。このようにして、空気は、分岐細気管支、気管支21、22、および気管20を通って流れることができ、最終的に口および鼻を通して排出される。
【0038】
図2は、呼気または吸気、あるいは両方の間に、空気流を調整するように治療を行うことが可能な治療システム200を示す。ガス交換に対する空気流抵抗を減少させるために、治療システム200は、気道を拡大する(例えば、拡張する)ために使用することができる。いくつかの手技では、気道を拡張するように、(肺の内側または外側の)神経幹の神経組織(例えば、神経組織)に影響を及ぼすことができる。神経系は、電気および化学信号を使用して、脳と肺10との間の通信を提供する。自律神経系の神経組織網は、呼吸器系および血管系の活性を感知し、調節する。神経組織は、1つの身体部分から別の部分へ感覚および運動情報を伝送するために化学および電気信号を使用する、線維を含む。例えば、神経組織は、筋肉の収縮または他の応答を引き起こす信号等の神経系入力の形態で、運動情報を伝送することができる。線維は、ニューロンで構成することができる。神経組織は、結合組織、すなわち、神経上膜によって包囲することができる。自律神経系は、交感神経系および副交感神経系を含む。交感神経系は、大部分はストレス期間中の「興奮性」機能に関与する。副交感神経系は、大部分はエネルギー節約期間中の「植物性」機能に関与する。交感および副交感神経系は、同時に活性であり、概して、器官系に互恵的効果を及ぼす。血管の神経支配が両方の神経系から発生する一方で、気道の神経支配は、大部分は本質的に副交感神経であり、右迷走神経42および左迷走神経41の中で肺と脳との間を進行する。
【0039】
これらの神経幹45と関連付けられる肺の部分に影響を及ぼすように、これらの神経幹のうちの1つ以上に、任意の数の手技を行うことができる。神経幹45網の中の神経組織のうちのいくつかが、他の神経(例えば、食道に接続される神経、胸部を通って腹部の中へ入る神経、および同等物)と連合するため、不要な非標的神経または構造を最小化する、制限する、または実質的に排除するように、特定の部位を標的にすることができる。前後肺神経叢のいくつかの線維は、肺10の中へ外向きに進行するにつれて、気管20の外面ならびに気管支分岐および細気管支に沿って延在する、小神経幹と連合する。気管支分岐に沿って、これらの小神経幹は、継続的に相互に分岐し、気道の壁の中へ線維を送る。
【0040】
治療システム200は、特定の関心の部位と関連付けられる、迷走神経組織等の特定の神経組織に影響を及ぼすことができる。迷走神経組織は、神経分岐内で相互と平行に配向される、遠心性線維および求心性線維を含む。遠心性神経組織は、脳から気道エフェクタ細胞、大部分は気道平滑筋細胞および粘液産生細胞に信号を伝送する。求心性神経組織は、刺激物に応答し、脳まで及ぶ、気道感覚受容器からの信号を伝送する。遠心性神経組織が、気管20から終末細気管支まで平滑筋細胞に神経を分布する一方で、求心性線維神経支配は、大部分は気管20および大気管支に限定される。基準レベルの平滑筋収縮および粘液分泌を引き起こす、気道への遠心性迷走神経組織の一定の基準緊張性活動がある。治療システム200は、遠心性および/または求心性組織に影響を及ぼして、気道平滑筋(例えば、平滑筋に神経を分布する)、粘液分泌、神経媒介炎症、および組織液含有量(例えば、浮腫)を制御することができる。肺疾患と関連付けられる、気道平滑筋の収縮、過剰な粘液分泌、炎症、および気道壁浮腫はしばしば、比較的高い空気流抵抗をもたらし、ガス交換および減少した肺機能を引き起こす。
【0041】
ある手技では、神経組織は、筋肉収縮、粘液産生、炎症、浮腫、および同等物を引き起こすか、または媒介する、迷走神経41、42に沿って進行する信号の伝送を減衰させるように切除される。減衰は、限定ではなく、信号の伝送の限定、妨害、制限、阻止、および/または中断を含むことができる。例えば、減衰は、神経信号の信号増幅を減少させること、または神経信号の伝送を弱めることを含むことができる。遠位気道への神経系入力を減少させること、または停止することにより、気道平滑筋緊張、気道粘液産生、気道炎症、および同等物を改変し、それにより、肺10の内外への空気流を制御することができる。気道および肺から局所エフェクタ細胞または中枢神経系への感覚入力を減少させること、または停止することにより、気道壁浮腫を引き起こす場合がある、反射性気管支収縮、反射性粘液産生、炎症性メディエータの放出、および体内の肺または他の器官の中の他の細胞への神経系入力を減少させることもできる。いくつかの実施形態では、神経系入力は、それに対応して気道平滑筋緊張を減少させるように減少させることができる。いくつかの実施形態では、気道粘液産生は、咳および/または空気流抵抗の大幅な減少を引き起こすように十分な量で減少させることができる。いくつかの実施形態では、気道炎症は、空気流抵抗および気道壁への継続的な炎症性損傷の大幅な減少を引き起こすために十分な量で減少させることができる。信号減衰は、平滑筋が弛緩することを可能にし、粘液産生細胞による粘液産生を防止し、制限し、または実質的に排除し、炎症を減少させることができる。このようにして肺機能を調整するために、健康および/または罹患気道を改変することができる。治療後、治療に対する被検体の応答を評価するために、種々の種類の質問表または検査を使用することができる。必要または所望であれば、咳の頻度を低減する、息切れを減少させる、喘鳴を減少させる、および同等物を行うために付加的な手技を行うことができる。
【0042】
気管支樹27の遠位部分に影響を及ぼすように、図1および2の主気管支21、22(すなわち、気道世代1)を治療することができる。いくつかの実施形態では、左および右主気管支21、22が、左および右肺根24に沿った左および右肺11、12の外側の場所で治療される。治療部位は、迷走神経枝が気管および主気管支21、22に接続する場所より遠位にあり、かつ肺11、12より近位にあり得る。気管支樹27の大部分または全体を治療するために、2つの治療用途を伴う単一の治療セッションを使用することができる。高レベルの治療有効性を提供するように、肺11、12の中へ延在する気管支枝の実質的に全てが影響を受けてもよい。主気管支21、22の中の気管支動脈が比較的大きい直径および高いヒートシンク能力を有するため、気管支動脈は、治療による意図しない損傷から保護されてもよい。
【0043】
図3は、アクセス装置206を通って延在するカテーテルシステム204の形態の送達デバイスを示す。カテーテルシステム204は、主気管支21、22の気道、ならびに主気管支21、22より遠位にある気道を治療することができる。切除アセンブリ208は、右または左主気管支、葉気管支、または中間気管支内の肺の外側に配置することができる。中間気管支は、右主気管支の一部分ならびに中および下葉気管支の始点によって形成される。切除アセンブリ208はまた、気管支樹27の遠隔遠位部分に影響を及ぼすように、高世代気道(例えば、気道世代>2)に配置することもできる。
【0044】
カテーテルシステム204は、例えば、葉の一部分、葉全体、複数の葉、または1つの肺あるいは両方の肺の脱神経等の広範囲の異なる手技を行うように、蛇行性気道を通してナビゲートすることができる。いくつかの実施形態では、葉気管支は、肺葉の神経を麻痺させるように治療される。例えば、葉気管支に接続される葉全体の神経を麻痺させるように、その葉気管支に沿った1つ以上の治療部位が標的にされてもよい。左上葉および/または左下葉に影響を及ぼすように、左葉気管支を治療することができる。右上葉、右中葉、および/または右下葉に影響を及ぼすように、右葉気管支を治療することができる。葉は、同時に、または連続的に治療することができる。いくつかの実施形態では、医師が1つの葉を治療することができる。治療の有効性に基づいて、医師は、同時に、または連続的に、付加的な葉を治療することができる。このようにして、気管支樹の異なる隔離領域を治療することができる。
【0045】
各区域気管支に沿った単一の治療部位にエネルギーを送達することによって、各区域気管支が治療されてもよい。例えば、エネルギーは、右肺の各区域気管支に送達することができる。いくつかの手技では、エネルギーの10回の引加が、右肺の大部分または実質的に全体を治療することができる。いくつかの手技では、エネルギーの36回未満の異なる引加を使用して、両方の肺の大部分または実質的に全体が治療される。気管支樹の解剖学的構造に応じて、区域気管支はしばしば、エネルギーの1回または2回の引加を使用して神経を麻痺させることができる。
【0046】
粘液腺、繊毛、平滑筋、体内の管(例えば、血管)、および同等物等の他の組織または解剖学的特徴の機能は、神経組織が切除されたときに維持することができる。神経組織は、神経細胞、神経線維、樹状突起、および神経膠等の支持組織を含む。神経細胞は、電気インパルスを伝送し、神経線維は、インパルスを伝導する延長軸索である。電気インパルスは、エフェクタ細胞または他の神経細胞と通信するように化学信号に変換される。一例として、神経組織によって伝送される1つ以上の神経系信号を減衰させるように、気管支樹27の気道の一部分の神経を麻痺させることができる。脱神経は、実質的に全ての信号が、神経幹の損傷部を通って気管支樹に沿ったより遠位の場所へと、または気管支樹から中枢神経系へとより近位に進行することを阻止するように、気道に沿った神経幹の一部の神経組織の全てを損傷させることを含むことができる。加えて、気道中の感覚受容器(例えば、咳および刺激受容器)から付近の細胞(例えば、節後神経細胞、平滑筋細胞、粘液細胞、炎症細胞、および血管細胞)まで直接進む神経線維に沿って進行する、信号も停止される。複数の神経幹が気道に沿って延在する場合、各神経幹を損傷させることができる。このようにして、気管支樹の一部に沿った神経供給を切断することができる。信号が切断されると、遠位気道平滑筋が弛緩することができ、気道拡張につながり、粘液細胞が粘液産生を減少させ、または炎症細胞が気道壁腫脹および浮腫の生成を止める。これらの変化は、肺10の中のガス交換を増加させるよう、空気流抵抗を低減し、それにより、息切れ、喘鳴、胸苦しさ、および同等物等の1つ以上の症状を低減する、制限する、または実質的に排除する。標的神経組織を包囲する、またはそれに隣接する組織は、影響を受けてもよいが、永久的に損傷されなくてもよい。いくつかの実施形態では、例えば、治療された気道に沿った気管支血管は、同様の量の血液を気管支壁組織に送達することができ、治療された気道に沿った肺血管は、治療の前後に、同様の量の血液を気管支樹27の遠位領域における肺胞嚢に送達することができる。これらの血管は、十分なガス交換を維持するように血液を輸送し続けることができる。いくつかの実施形態では、気道平滑筋は、有意な程度まで損傷されない。例えば、呼吸機能にかなりの影響を及ぼさない、気道壁中の平滑筋の比較的小さい一部が、可逆的に改変されてもよい。エネルギーが気道の外側の神経組織を破壊するために使用される場合、治療的有効量のエネルギーは、非標的平滑筋組織の有意な部分に到達しない。
【0047】
左および右主気管支21、22のうちの1つが、気管支樹27の片側を治療するように治療される。他方の主気管支21、22は、第1の治療の有効性に基づいて治療することができる。例えば、左主気管支21は、左肺11を治療するように治療することができる。右主気管支22は、右肺12を治療するように治療することができる。いくつかの実施形態では、単一の治療システムが、気管支21、22のうちの1つの神経組織を損傷させることができ、かつ気管20から治療システムを除去することなく、他方の主気管支21、22の神経組織を損傷させることができる。したがって、気管20から治療システムを除去することなく、主気管支21、22に沿って配置された神経組織を損傷させることができる。いくつかの実施形態では、患者の気管支樹の実質的に全体、または少なくとも有意な部分(例えば、気管支気道の少なくとも50%、70%、80%、90%)を好都合に治療するように、単一の手技を行うことができる。他の手技では、治療システムは、肺11、12のうちの1つを治療した後に患者から除去することができる。必要であれば、他方の肺11、12を後続の手技で治療することができる。
【0048】
図4Aは、気管支として図示される、健康な気道100の横断面図である。内面102は、支質112aによって包囲される上皮110の襞状層によって画定される。平滑筋組織114の層は、支質112aを包囲する。支質112bの層は、筋肉組織114と結合組織124との間にある。粘液腺116、軟骨板118、血管120、および神経線維122は、支質層112b内にある。気管支動脈分岐130および神経幹45は、気道100の壁103の外部にある。図示した動脈130および神経幹45は、気道壁103を包囲する結合組織124内にあり、気道100と略平行に配向することができる。例えば、図1では、神経幹45は、迷走神経41、42から発生し、空気嚢へ向かって気道100に沿って延在する。神経線維122は、気道壁103の中にあり、神経幹45から筋肉組織114まで延在する。神経系信号は、神経線維122を介して、神経幹45から筋肉114および粘液腺116へと伝送される。加えて、信号は、感覚受容器(例えば、咳、刺激物、および伸張)から神経幹45を通して中枢神経系へと伝送される。
【0049】
粘膜繊毛輸送を制御する(例えば、増加または減少させる)ために、上皮110に沿って所望の応答を引き起こすように、繊毛を損傷させる、興奮させる、または別様に改変することができる。個人が呼吸するにつれて多くの粒子が吸入され、気道が空気から粒子を除去するフィルタとして機能する。粘膜繊毛輸送系は、肺10の全体を通して全ての気道に対する自浄機構として機能する。粘膜繊毛輸送は、肺10の遠位部分からの粘液除去のための主要な方法であり、それにより、肺10に対する主要な免疫障壁としての機能を果たす。例えば、図4Aの内面102は、繊毛で覆い、粘液で被覆することができる。粘膜繊毛輸送系の一部として、粘液は、多くの吸入した粒子(例えば、タバコの煙等の不要な汚染物質)を閉じ込め、これらの粒子を喉頭に向かって移動させる。繊毛の繊毛拍動が、一面の連続的な粘膜および閉じ込められた粒子を、粘膜繊毛輸送系から排出するために、肺10の遠位部分から喉頭を通り過ぎて咽頭まで移動させる。切除アセンブリ208は、繊毛を損傷させて粘膜繊毛輸送を減少させるか、または繊毛を興奮させて粘膜繊毛輸送を増加させることができる。
【0050】
切除アセンブリ208は、気道壁103の内側の標的領域(例えば、支質112a、112b、神経幹45等の中の解剖学的特徴)を選択的に治療するように、図4Bの拡張状態に移動させられる。例えば、粘液腺116は、必要または所望であれば、効果的な粘膜繊毛輸送を維持するように十分な粘液産生を保ちながら、増加した空気流抵抗を引き起こす粘液の蓄積を防止するのに十分な量で粘液産生を低減するように、損傷させることができる。気道壁103または気道壁103の中の他の解剖学的特徴を通過する神経枝/線維も破壊することができる。変状部は、気道100を通る空気流を有意に低減する狭窄または瘢痕組織を防止するように、特定の場所において形成される。
【0051】
天然身体機能は、組織への損傷を防止する、低減する、または制限するのに役立つことができる。血管130内の血液は、熱エネルギーを吸収することができ、次いで、分岐130の加熱部から熱エネルギーを運び去ることができる。このようにして、血液は、血管130への損傷を軽減または回避することができる。治療が行われた後、気管支動脈分岐130は、肺組織の健康を維持し続けることができる。いくつかのRF切除の実施形態では、切除アセンブリ208は、血管130を破壊することなく、神経幹45の縦断面全体を破壊するように、十分な量のRFエネルギーを出力する。
【0052】
治療有効性は、1つ以上の気道属性、肺機能検査、運動能力検査、および/または質問表に少なくとも部分的に基づいて評価することができる。被検体は、進行を追跡および監視するように評価することができる。必要または所望であれば、所望の応答が達成されるまで、付加的な手技を行うことができる。気道属性を評価するための異なる種類の器具が使用されてもよい。切除中、器具からのフィードバックは、標的組織が切除されたかどうかを示すことができる。いったん標的組織が切除されると、もしあれば、非標的組織への巻き添え損傷を最小化または制限するように、治療を中断することができる。
【0053】
行われる手技を決定するように、気道の異なる属性を評価することができる。そのような気道属性は、限定ではなく、気道の物理的性質(例えば、気道の柔軟性、収縮性等)、気道抵抗、気道管腔の寸法(例えば、気道の形状、気道の直径等)、気道の反応性(例えば、刺激への反応性)、筋肉特性(例えば、筋緊張、筋肉の緊張等)、炎症性細胞、炎症性サイトカイン、または同等物を含む。いくつかの実施形態では、既知の圧力まで膨張させられる、切除アセンブリ208の圧力変化を測定することによって、気道筋肉特性の変化を監視することができる。圧力変化に基づいて、医師は、もしあれば、限定ではなく、標的組織が刺激されたか、切除されたか、または同等のことが行われたかどうかを含む、治療の効果を決定する。
【0054】
図5Aおよび5Bは、収縮状態の平滑筋組織114、肥大した粘液腺116からの粘液150、および気道壁103を肥厚化する炎症性腫脹および浮腫を有する、気道100の一部分の横断面図である。収縮した筋肉組織114、粘液150、および肥厚化した気道壁103は、協働して管腔101を部分的に閉塞し、比較的高い空気流抵抗をもたらす。神経組織45は、筋肉組織114を弛緩させて気道100を拡張し、空気流抵抗を低減するように損傷させられ、それにより、より多くの空気がガス交換過程のために肺胞嚢に到達することを可能にする。気道抵抗の減少は、気道の通路が、例えば、これらの気道への神経系入力の減衰に反応して、開いていることを示してもよい。気道抵抗が治療後に有意に増加しないことを確実にするように、狭窄を制限または最小化することができる。したがって、治療は、治療後の有意な時間の長さの後でさえも、気道流抵抗の永久的な減少があることを確実にする。
【0055】
低世代気道(例えば、主気管支、葉気管支、区域気管支)を治療することと関連付けられる気道抵抗の減少は、高世代気道(例えば、亜区域気管支)を治療することと関連付けられる気道抵抗の減少の量よりも大きくてもよい。医師は、気道抵抗の所望の減少を達成するように、治療のために適切な気道を選択することができ、患者の口、治療部位、気道、または任意の他の好適な場所に近接する気管支枝において測定することができる。気道抵抗は、治療を行う前、治療中、および/または治療後に測定することができる。いくつかの実施形態では、気道抵抗は、例えば、治療部位より遠位にある領域からの呼吸を可能にする、通気式治療システムを使用して、気管支樹内の場所で測定される。
【0056】
切除アセンブリ208は、神経45を切除して気道100を永久的に拡張するために、エネルギーを使用することができる。本明細書で使用される、「エネルギー」という用語は、限定ではなく、熱エネルギー、極低温エネルギー(例えば、冷却エネルギー)、電気エネルギー、音響エネルギー(例えば、超音波エネルギー)、無線周波数エネルギー、パルス高電圧エネルギー、機械エネルギー、電離放射線、光学エネルギー(例えば、光エネルギー)、およびそれらの組み合わせ、ならびに組織を治療するために好適な他の種類のエネルギーを含むように広く解釈される。いくつかの実施形態では、カテーテルシステム204は、エネルギー、およびまた、1つ以上の物質(例えば、放射性シード、放射性物質等)、治療薬、および同等物を送達する。例示的な非限定的治療薬は、1つ以上の抗生物質、抗炎症剤、薬学的活性物質、気管支収縮剤、気管支拡張剤(例えば、ベータアドレナリン作動薬、抗コリン作用薬等)、神経遮断薬、光反応性薬、またはそれらの組み合わせを含む。例えば、一時的または永久的に信号伝送を減衰させるように、長時間作用型または短時間作用型神経遮断薬(例えば、抗コリン作用薬)を神経組織に送達することができる。ビッスツはまた、神経組織を化学的損傷させるように、神経122または神経幹45、あるいは両方に直接送達することもできる。
【0057】
図6および7は、RFエネルギーによる表面および深部加熱、および切除アセンブリ208の中で冷却剤を循環させることによる表面冷却によって生じる効果を示す。冷却剤は、切除アセンブリ208の冷却部209に触れる組織が冷却されるように、熱エネルギーを吸収する。冷却部209は、切除アセンブリ208と神経または他の標的組織との間の組織への損傷を制限または防止するように、気道壁100から十分な量の熱エネルギーを吸収することができる。
【0058】
図6は、摂氏度単位の組織の温度に対応する長手軸とともに、ミリメートル単位の電極アセンブリ214と接触または近接する点から組織の中への深さに対応する横軸を有するグラフを示す。図中の温度は、他に示されない限り、摂氏度である。グラフ上の点「0」は、電極アセンブリ214と気道壁の組織との間の接触点または領域に対応する。3つの曲線A、B、およびCがグラフに示されており、組織の中へ送達されている3つの異なる出力レベルの無線周波数エネルギーに対応する。グラフ上の温度は、最大約100℃である。RF切除中の組織温度の上限であると見なされるため、約100℃またはわずかに下回る温度が示されている。約90℃で、組織液が沸騰し始め、組織が凝固して炭化し、それにより、そのインピーダンスを多いに増加させ、気道壁の組織の中へRFエネルギーを移送する能力を損なう。したがって、組織温度を約90℃以下にとどまらせることが望ましくてもよい。少なくとも50℃で、線216は、それ以上で組織細胞死が発生し、それ以下で組織が大幅な長期効果を被らない(またはいずれの長期効果も被らない)温度を表す。
【0059】
図6に示される曲線Aは、比較的低い電力レベル、例えば、約10ワットのRFエネルギーでの電極アセンブリ214の冷却を伴って、および伴わずに発生するものを表す。曲線Aは、3つの線分A1、A2、およびA3に分けられる。破線分A2は、冷却が適用されない時の指数曲線A3の継続を表す。曲線Aによって分かるように、冷却がない電極・組織界面の温度は、80℃に達し、気道100の組織の中への距離が増加するにつれて指数関数的に減少する。示されるように、曲線A3は、約5ミリメートルの深さにおいて、線216によって表される50℃組織細胞死境界を越える。したがって、電極冷却がないと、発生する細胞死の深さは、距離d1によって表されるように約5ミリメートルとなる。さらなる細胞死は、この電力レベルで停止する。
【0060】
活性冷却が採用される場合、温度は、はるかに低いレベル、例えば、0ミリメートルの距離にある電極・組織界面において曲線A1によって表される約35℃まで降下する。この温度が50℃を下回るため、曲線A2が50℃における細胞死線を越える点でのd2の距離、例えば、表面から3ミリメートルの深さまで、細胞死は始まらない。細胞死は、距離d3によって表されるように、3ミリメートルから5ミリメートルの深さで発生する。そのような冷却切除手技は、上皮および上皮のすぐ下に位置する組織を破壊することなく、細胞死および組織破壊が電極・組織界面からある距離(または一連の距離)を置いて発生することを可能にするため、有利である。いくつかの実施形態では、支質および平滑筋細胞等の上皮または基礎構造を損傷させることなく、気道の外側に沿って走る神経組織を切除することができる。
【0061】
曲線Bは、比較的高い電力レベル、例えば、20ワットのRFエネルギーでの電極の冷却を伴って、および伴わずに発生するものを表す。曲線Bの線分B2は、冷却を伴わない線分の指数曲線B3の継続を表す。図に示されるように、電極・組織界面における温度は、100℃に達し、それは、組織液の沸騰および組織・電極界面における組織の凝固および炭化が発生し、したがって、組織インピーダンスを有意に増加させ、気道壁の中へ付加的なRFエネルギーを送達する能力を損なう温度であるため、望ましくない場合がある。能動冷却を提供することによって、曲線B1は、電極・組織界面における温度が約40℃まで降下することと、細胞死がd4によって表されるような2ミリメートルの深さから、曲線B3が50℃組織細胞死境界を越える、約8ミリメートルの深さまでで発生することとを示す。したがって、望ましくない高温(例えば、電極・組織界面における組織の凝固および炭化をもたらす温度)に達することなく、より高い電力レベルを使用して、細胞死のはるかに深く大きい領域を提供することが可能であることが分かる。システムは、表面が破壊される必要がないように、気道の上皮表面より下側で細胞死を達成し、したがって、治療からの患者による早期回復を促進するために使用することができる。
【0062】
曲線Cは、なおもより高い電力レベル、例えば、40ワットのRFエネルギーを表す。曲線Cは、線分C1、C2、およびC3を含む。破線分C2は、指数曲線C3の継続である。線分C2は、電極・組織界面における温度が100℃をはるかに超え、能動冷却がないと望ましくないことを示す。能動冷却を用いると、電極・組織界面における温度は、80℃に達し、徐々に増加して95℃に達し、次いで、距離d6によって表される気道の上皮表面における電極・組織界面から約15ミリメートルの距離で、50℃細胞死線216を越えるように指数的に降下する。開始温度が50℃細胞死線216を上回るため、組織細胞死は、上皮表面から約15ミリメートルの深さまでで発生し、組織破壊の大きく深い領域を提供する。
【0063】
図7は、組織を切除するように、それを通してRFエネルギーが送達される、気道壁の断面での断面温度プロファイルを示す。それらの派生語を含む、「切除する」または「切除」という用語は、限定ではなく、組織の電気的性質、機械的性質、化学的性質、または他の性質の大幅な改変を含む。切除は、組織を破壊すること、または永久的に損傷させる、負傷させる、あるいは外傷を与えることを伴うことができる。例えば、切除は、局部的な組織破壊、細胞溶解、細胞のサイズ縮小、壊死、またはそれらの組み合わせを含んでもよい。肺切除用途との関連で、「切除」という用語は、切除された神経組織を通した電気信号の伝送を実質的に阻止するように、神経組織性質を十分に改変することを含む。
【0064】
等温曲線は、電力が電極アセンブリ214に引加され、冷却剤(例えば、室温の生理食塩水または冷やした生理食塩水)がバルーン212に送達されたときに、電極・組織表面215から気道壁100の中への異なる深さで電極アセンブリ214において達する温度を示す。「拡張可能要素」または「配備可能要素」との関連での「要素」という用語は、離散要素または複数の離散要素を含む。一例として、拡張可能要素は、単一のバルーン、または相互と流体連通している複数のバルーンとなり得る。
【0065】
電極アセンブリ214の中への電力送達の速度、冷却剤がバルーン212の中へ通される速度、冷却剤の温度、およびバルーン212のサイズを調整することによって、等温線を修正することができる。冷却剤の適正な温度および流速、ならびに電極アセンブリ214への電力送達の速度を選択することによって、等温線A=60℃、B=55℃、C=50℃、D=45℃、E=40℃、およびF=37℃である、温度を達成することが可能である。さらなる調整は、等温線A=50℃、B=47.5℃、C=45℃、D=42.5℃、E=40℃、およびF=37℃である、温度を達成することを可能にする。50℃等温泉内に含有される領域のみが、細胞死を誘発するほど十分に加熱される。いくつかの手技では、気道壁の中で約2mmから約8mmの深さにある組織を切除することができる一方で、気道壁の中で2mm未満の深さにある他の非標的組織は、細胞死を引き起こす温度以下の温度で保たれる。
【0066】
図8を参照すると、カテーテルシステム204は、細長いシャフト230を有するカテーテル207に連結される制御モジュール210を含む。バルーン212は、折り畳み状態から図示した拡張状態まで膨張させることができる。バルーン212が膨張するにつれて、電極アセンブリ214を気道壁に向かって移動させることができる。膨張したバルーン212は、それを通してエネルギーが送達される組織の付近で(例えば、組織に近接または接触して)電極アセンブリ214を保持するのに役立つことができる。冷却剤は、バルーン212または電極アセンブリ214、あるいは両方を冷却するように、熱エネルギーを吸収することができる。
【0067】
制御モジュール210は、概して、コントローラ244と、流体送達システム246とを含む。コントローラ244は、限定ではなく、1つ以上のプロセッサ、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、および/または特定用途向け集積回路(ASIC)、メモリデバイス、バス、電源、および同等物を含む。例えば、コントローラ244は、1つ以上のメモリデバイスと通信しているプロセッサを含むことができる。バスは、内部または外部電力供給をプロセッサに結び付けることができる。メモリは、例えば、1つ以上のバッファ、レジスタ、ランダムアクセスメモリ(RAM)、および/または読み出し専用メモリ(ROMs)を含む、種々の形態を成してもよい。コントローラ244はまた、画面等のディスプレイ245と、入力デバイス250とを含んでもよい。入力デバイス250は、キーボード、タッチパッド、または同等物を含むことができ、カテーテル207を制御するようにユーザによって操作することができる。
【0068】
コントローラ244は、異なるプログラムを記憶することができる。ユーザは、組織および所望の標的領域の特性に対処するプログラムを選択することができる。例えば、空気で充填された肺は、比較的高いインピーダンスを有することができ、リンパ節は、中間のインピーダンスを有することができ、血管は、比較的低いインピーダンスを有することができる。コントローラ244は、インピーダンスに基づいて適切なプログラムを決定することができる。性能は、温度、組織インピーダンス、または同等物を検出するセンサからのフィードバックに基づいて最適化することができる。例えば、コントローラ244は、組織温度に基づいて切除アセンブリ208の動作を制御することができる。組織表面温度が過剰に高くなった場合、表面組織を保護しながら深部変状部を生成するために、冷却を増加させることができ、および/または電極電力を減少させることができる。
【0069】
内部電力供給248(図8の鎖線で図示される)は、無線周波数(RF)発電機等のエネルギー発生器となり得る。RFエネルギーは、所望の周波数で出力することができる。周波数の実施例は、限定ではなく、約50KHZから約1,000MHZの範囲内の周波数を含む。RFエネルギーが組織の中へ方向付けられるときに、エネルギーは、組織内で熱に変換され、組織の温度を約40℃から約99℃の範囲内にさせる。RFエネルギーは、約1秒から約120秒間にわたって引加することができる。いくつかの実施形態では、RF発生器248は、単一のチャネルを有し、約1〜25ワットのRFエネルギーを送達し、連続流能力を保有する。他の範囲の周波数、時間間隔、および電力出力も使用することができる。代替として、内部電力供給248は、1つ以上のバッテリ等のエネルギー貯蔵デバイスとなり得る。電気エネルギーは、電気エネルギーをRFエネルギーまたは別の好適な形態のエネルギーに変換する、電極アセンブリ214に送達することができる。送達されてもよい他の形態のエネルギーは、マイクロ波、超音波、直流、または電磁エネルギーを含む。代替として、極低温切除が利用されてもよい。極低温における流体は、切除アセンブリ208上の極低温熱交換器を冷却するように、シャフト230を通して送達することができる。
【0070】
流体送達システム246は、供給ライン268に連結される流体源260と、帰還ライン272に連結される流体容器262とを含む。流体源260は、筐体ユニット264の中で保持されるコンテナ(例えば、ボトル、キャニスタ、タンク、または流体を保持するための他の種類の容器)を含むことができる。加圧可能な実施形態では、流体源260は、冷却剤を加圧する1つ以上の加圧デバイス(例えば、1つ以上のポンプ、コンプレッサ、または同等物)を含む。温度制御デバイス(例えば、ペルティエデバイス、熱交換器、または同等物)は、流体を冷却または再調節することができる。流体は、生理食塩水、脱イオン水、冷媒、極低温流体、ガス、または同等物を含む、冷却剤となり得る。他の実施形態では、流体源260は、冷蔵冷却剤を保持し、供給ライン268に送達する、絶縁コンテナとなり得る。冷却剤は、送達管腔326に沿って細長いシャフト230を通って遠位に流れ、切除アセンブリ208を充填する。切除アセンブリ208からの冷却剤は、帰還管腔324を介して細長いシャフト230を通って近位に流れ、最終的に容器262に流入する。
【0071】
センサ247(鎖線で図示される)は、コントローラ244に通信可能に連結される。コントローラ244は、センサ247(例えば、圧力センサ、温度センサ、熱電対、圧力センサ、接触センサ、または同等物)からの信号に基づいて、カテーテル207に命令することができる。センサはまた、電極アセンブリ214の上に、細長いシャフト230に沿って、または任意の他の場所に配置することもできる。閉ループ動作モードでは、1つ以上の組織特性、エネルギー分布、組織温度、または任意の他の測定可能な関心のパラメータを示す、1つ以上の信号を伝送(または送信)するように構成することができる、センサ247からのフィードバック信号に基づいて、電気エネルギーを電極アセンブリ214に送達することができる。これらの測定値に基づいて、コントローラ244は、電極アセンブリ214の動作を調整する。開ループ動作モードでは、電極アセンブリ214の動作は、ユーザ入力によって設定することができる。例えば、ユーザは、組織温度またはインピーダンス測定値を観察し、電力レベルを手動で調整することができる。代替として、電力を固定電力モードに設定することができる。さらに他の実施形態では、カテーテルシステム204は、閉ループ動作モードと開ループ動作モードとの間で切り替えることができる。
【0072】
図8および9を参照すると、細長いシャフト230は、電力ライン管腔320a−hと、送達管腔326と、帰還管腔324とを含む。電力ライン280a−280h(集合的に「280」)は、それぞれ、電力ライン管腔320a−320h(集合的に「320」)を通って延在し、コントローラ244を電極アセンブリ214に連結する。細長いシャフト230は、全体的または部分的に、1つ以上の金属、合金(例えば、ステンレス鋼等の合金鋼)、プラスチック、ポリマー、およびそれらの組み合わせ、ならびに他の生体適合性材料で作製することができ、高度に分岐した気道に沿って好都合に通過するように可撓性となり得る。
【0073】
図10および11を参照すると、電力ライン280は、電力供給248から電極アセンブリ214までエネルギーを送達する。いくつかの実施形態では、電力ライン280は、チャンバ234およびバルーン212の外壁を通過する。他の実施形態では、電極アセンブリ214用のコネクタが、チャンバ234内に位置している。電力ライン280は、体液への暴露を回避するように、コネクタと細長いシャフト230との間に延在することができる。
【0074】
電極アセンブリ214は、限定ではなく、単極電極、双極電極、金属電極、ワイヤ電極、針電極、または同等物を含むことができ、それぞれ血管または身体構造の周囲の一部分のみに沿って延在する、一連の周囲変状部を形成することができる。身体構造が気道である場合、変状部のそれぞれは、気道の管腔を少なくとも部分的に包囲することができる。変状部は、360度(例えば、約25度から約45度)未満の弧の長さを有することができる。いくつかの実施形態では、変状部は、身体構造の長手軸に対して離間している。一緒に、変状部は所望の周囲を覆う。例えば、変状部は、相互から長手方向に離間している間に、次の変状部の開始部と円周方向に(例えば、身体構造の軸長に沿って見たときに)重複し、それにより、気道(またはその一部分)の周囲全体が治療されていることを確実にすることができる。
【0075】
電極アセンブリ214は、バルーン212の回りに円周方向に離間した電極229を含む。各電極229は、一対の露出電極要素を有する。電極229dの電極要素231dおよび隣接する電極229eの要素231eは、半径方向に隣接する組織を切除するRF弧を協働して形成することができる。電極229は、バルーン212の外面に連結することができる。他の実施形態では、電極229は、バルーン212の側壁に埋め込むか、または別様にバルーン212に固定することができる。
【0076】
RF電力が組織を通して伝送されるように、隣接する電極229は、一方の電極が正であり、他方の電極が負である双極方式で操作されてもよい。電極229が単極電極である場合、電極は、各電極の独立した制御を可能にするように、別個の電力ライン280に連結することができる。代替として、電極229は、一緒に操作されるように、同じ電力ラインに連結されてもよい。
【0077】
バルーン212は、全体的または部分的に、ポリマー、プラスチック、シリコン、ゴム、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、化学的不活性物質、無毒物質、電気的絶縁物質、それらの組み合わせ、または同等物で作製することができる。熱伝達を強化するために、バルーン側壁は、高い熱伝導率を伴う1つ以上の伝導性材料を備えることができる。例えば、伝導性片(例えば、金属片)は、もしあれば、高温点から熱エネルギーを奪うのに役立つことができる。バルーン212は、気道表面上の不整形(例えば、軟骨輪、側枝等)に一致することができ、全体的または部分的に、ポリウレタン、または透明、半透明、あるいは不透明であってもよい他の種類の極めて適合性の材料等の、膨張性材料で作製することができる。バルーン212は、ホットドッグ形、卵形、円筒形、または同等物を含む、異なる膨張形状を有することができる。人間の気管支樹を治療するために、膨張したバルーン212の直径Dは、約12mmから約18mmの範囲内となり得る。強化した治療融通性のために、膨張したバルーンの直径は、約5mmから約25mmまでの範囲内であってもよい。バルーン212は、他の動物の他の器官または組織を治療するようにサイズ決定することができる。バルーン212を膨張させるために、図11に示されるように、送達管腔326に沿って、入口ポート225を通して流体が送達される。冷却剤は、チャンバ234内で循環し、次いで、帰還管腔324に沿って近位に流れる。
【0078】
図12および13は、治療システム200を使用する1つの例示的な方法を示す。気道100治療を行う前、間、および/または後に、治療部位(単数・複数)および非標的組織の場所を特定し、評価するために気道100が視認されることができる。アクセス装置206は、ガイドチューブ、送達鞘、気管支鏡、または内視鏡となり得て、光学視認デバイス(例えば、カメラ)、光学縦列(例えば、一式のレンズ)、および同等物等の1つ以上の視認デバイスを含むことができる。気道神経幹または症状の位置を特定するために、気道の周囲の回りの異なる領域を刺激する(例えば、電気的に刺激する)ことができる。気管支収縮の検出は、その刺激が行われる気道の長さに沿った点よりも遠位の気道平滑筋収縮を測定することによって達成されてもよい。筋収縮は、気道に近接または接触している膨張したバルーンまたは他の種類のセンサの圧力の変化を監視することによって、測定することができる。この技法は、気道狭窄の危険性を低減または排除するために治療される気道の円周方向領域を最小化または制限することができる。神経の場所は、気道神経の位置を特定するために、気道の周囲に沿った点における神経電気信号を測定することによって決定することができる。神経信号増幅を増加させ、気道周囲の付近の気道神経信号の局在性を促進するために、冷気、ヒスタミン、またはフェニルビグアニド等の気道神経信号刺激物が使用されてもよい。
【0079】
図12のアクセス装置206が身体管腔に沿って移動させられるとき、折り畳まれた切除アセンブリ208が作業チャネル386内に保持されている。切除アセンブリ208は、作業管腔386から外へ遠位方向に移動させられ、気道壁の付近に(例えば、気道壁に近接または接触して)電極アセンブリ214を移動させるために膨張させられる。RFエネルギーは、組織(例えば、表面および深部組織)を加熱して標的領域において変状部を形成するように、組織を通って進行することができる。標的領域および関連変状部は、概して、図13および14の鎖線に対応する。
【0080】
本明細書で使用されるような「変状部」という用語は、永久的に、すなわち、細胞死の点まで損傷させられる組織を指す。場合によっては、エネルギーの送達は、「変状部」と呼ばれる領域の外側の細胞に一時的または非致命的な損傷を引き起こす。例えば、上皮または平滑筋細胞は、本明細書で説明されるエネルギー送達によって一時的に損傷または改変されてもよい。しかしながら、有利に、示差冷却の使用を通して、これらの細胞は、回復し、依然として機能的であることができ、したがって、「変状部」の一部と見なされない。対照的に、切除アセンブリ208は、気道壁の深くに、または気道壁の外側に位置する神経組織または他の標的組織に永久的に損傷させ、したがって、ある肺疾患の原因である神経信号を減衰させることができる。
【0081】
図13の冷却部209は、エネルギーが電極アセンブリ214によって出力されている間に組織を冷却するよう、気道壁100に接触する。RFエネルギーによる、この表面および深部加熱と、循環冷却剤による表面冷却との正味の効果は、気道壁100の外層の中の熱の集中である。結合組織の温度は、上皮、支質、および/または平滑筋の温度よりも高くなり得る。一例として、結合組織の温度は、神経幹組織または他の深部組織への損傷を引き起こすように十分高くなり得る一方で、気道の他の非標的組織は、非標的組織への損傷を防止または制限するようにより低い温度で保たれる。
【0082】
図13および14は、8つの別個の変状部237a−h(集合的に「237」)を示す。隣接する変状部237は、切除アセンブリ208の長手軸233に沿って相互から軸方向にオフセットされている。各変状部237は、図14に示されるように、一連の変状部が気道壁100の実質的に全周囲の回りに延在するように、約45度の弧の長さを有することができる。露出電極要素の長さは、変状部237の幅に対応する。露出電極要素の長さ(例えば、電極要素231d、231eの長さ)は、変状部237の所望の幅に基づいて選択することができる。有利に、変状部237は、同時に形成することができる。例えば、切除治療の間に切除アセンブリを移動させなければならないことを回避するように、変状部237の全体または大部分を同時に形成することができる。他の実施形態では、変状部を連続的に形成するように、異なる電極229を起動することができる。電極アセンブリ214は、異なる組織を切除するように、異なる場所に移動させることができる。このようにして、所望の治療に基づいて、同時に、または連続的に、1つ以上の変状部を実施することができる。
【0083】
従来の切除カテーテルを用いると、切除過程は、局所気道狭小または狭窄を引き起こす場合がある、瘢痕輪を引き起こすように十分であってもよい。変状部237が気道の長さに沿った異なる場所にあるため、狭窄の影響を軽減することができる。図示した実施形態は、瘢痕組織の連続輪の形成を回避しながら、気道の神経を麻痺させるのに適している。気道100の内周の回りに360度延在する、瘢痕組織の連続輪は、気道管腔の断面積を有意に減少させ、次いで、空気流抵抗を有意に増加させる場合がある。ねじれ形変状部237は、気道管腔の断面積の縮小を軽減するのに役立つ。
【0084】
図14は、変状部237の場所を示す。気道100の長軸に沿った、長軸に直角な仮想面上への変状部237の外形の投影は、図14に示されるように、実質的に連続的な閉鎖輪を画定することができる。神経幹45が気道100に沿って長手方向に延在するため、変状部237は、神経幹の全てが切除されることを確実にするように十分な深さにあり得る。他の実施形態では、電極アセンブリ214は、気道周囲の一部分のみ、例えば、気道周囲の180度、150度、または130度を治療するために使用することができる。それだけが、効果的に気道100の神経を麻痺させるために必要とされてもよい。したがって、気道壁全体の周囲に延在する変状部を形成することなく、神経信号を効果的に切断することができ、狭窄の形成をさらに低減することができる。
【0085】
RF切除中に、気道壁の内部層(例えば、支質)のうちの1つ以上の中で、または気道壁の内層(例えば、上皮)の中で、熱を集中させることができる。さらに、気管支動脈分岐の血管のうちの1つ以上が、変状部内にあってもよい。たとえ神経組織が動脈分岐の隣にあっても、神経幹組織が損傷されている間に、気管支動脈分岐を通って流れる血液が熱損傷からこれらの分岐を保護するように、電極214を使用して生成される熱を制御することができる。カテーテル207は、細胞死の比較的小さい領域を生成することができる。例えば、気道壁100の中央にある、または気道壁100の外面に沿った組織の2mmから3mmの区画を破壊することができる。電力の適切な引加および適切な冷却によって、任意の所望の深さで変状部を生成することができる。
【0086】
気道軟骨輪または軟骨層は、典型的には、気道の軟組織(例えば、平滑筋または結合組織)よりも有意に大きい電気抵抗を有する。気道軟骨は、エネルギー流(例えば、電気無線周波数電流)を妨げ、電極が軟骨の隣にあるときに攻撃する気道神経幹に影響を及ぼす無線周波数電気エネルギーを用いて、治療変状部の形成を行う。
【0087】
図示したエネルギーエミッタ214は、軟骨間エネルギーエミッタとして機能することができる。電極要素227は、軟骨輪235a、235b(集合的に「235」)の間隔と概して一致するように寸法決定されてもよい。図13に示されるように、変状部237が軟骨輪235の間の空間333内に完全に位置しているように、各電極要素227は、2つの隣接輪235a、235bの間に配置される。
【0088】
電極229は、空間333の中に電極要素227を優先的に着座させるのに役立ち、したがって、治療を行うこと、または正しい配置を検証することを容易にする、軟骨間ポジショナとしての機能を果たすことができる。例えば、電極要素227は、外向きに突出することができ、空間333の中のより軟質で柔軟な組織の領域の中へ移動し、かつ嵌合する傾向がある。したがって、電極229は、切除アセンブリ208にインデックスを付けるために使用することができる。
【0089】
図15は、単一の電力ラインによって接続される単極電極である電極を示す。電力は、電極に同時に送達することができる。任意の数の電極をバルーン212に沿って配置することができる。例えば、バルーンの周囲の回りで均等または不均等に電極の1つ以上を離間させることができる。
【0090】
図16は、切除アセンブリ300の長手軸312に対して斜角で配向される電極310a−310c(集合的に「310」)を示す。電力ライン316a−316c(集合的に「316」)は、エネルギーをそれぞれの電極310に提供する。(図示されていないが、他の電極が切除アセンブリ300の非可視的な裏面に位置する。)電極310は、双極電極となり得る。一例として、電極310aは、要素318a、319aの間にRFエネルギーを送達するように、交互に正および負となり得る、電極要素318a、319aを含むことができる。
【0091】
電極310の間の角度αおよび長手軸312の方向は、形成される変状部の長さ、隣接する変状部の間の所望の円周方向の間隙、および同等物に基づいて選択することができる。図示した角度αは、約45度である。必要または所望であれば、他の角度も可能である。隣接する電極310の間に、治療されていない非損傷組織の領域があり得る。
【0092】
図16に示されるように、電極または電極対310aによって生成される1つの変状部は、管状身体構造の周囲全体(またはその一部分)が治療されることを確実にするために、円周方向に隣接する電極または電極対310bによって生成される次の変状部の開始部と円周方向に重複する。電極310aによって作られる変状部の一端を通る長手方向に仮想線が引かれた場合、仮想線は、電極310bによって作られる隣接する変状部の近端に交差または近接する。したがって、隣接する変状部の端は、軸312に沿ってオフセットされ、円周方向に重複する。
【0093】
図17は、拡張可能バスケット414および電極413、415を含む切除アセンブリ400を示す。バスケット414は、電極413、415を冷却するために、それを通って冷却剤が流れる中空部材を含む。バスケット414の長手方向長さは、バスケット414が複数の軟骨輪を横断して延在するように選択することができる。電極413、415は、輪の間に配置されることができる。例えば、細長いバスケット414は、少なくとも3つの軟骨輪(図17の垂直鎖線431、432、433によって表される)を横断して延在することができる。電極413は、軟骨輪431、432の間に配置されることができる。電極415は、軟骨輪432、433の間に配置されることができる。バスケット414が配備されたときに、電極413、415の隣接する列の間の距離Dは、概して、軟骨輪の間の距離に対応することができ、それにより、電極413、415を軟骨輪の間に着座させることができることを確実にする。電極413aは、第1の極性を有することができ、電極413bは、エネルギーが電極の間に流れるように反対極性を有することができる。電極対413a、413bは、円周方向に重複し、軸方向に離間した変状部を形成するように、隣接する一対の電極415a、415bから角度的にオフセットされる。重複の距離Dは、気道の周囲全体が治療されることを確実にするために十分であり得る。
【0094】
図18は、それぞれ、管腔427、429に沿い、かつ減圧要素423、425を通って流れる流体を示す。本明細書で使用されるように、「減圧要素」という用語は、限定ではなく、作業流体の圧力を低減するように構成されるデバイスを指す。減圧要素は、作業流体の圧力を、作業流体の蒸発圧力以下まで低減することができる。作業流体は、冷媒(例えば、極低温冷媒または非極低温冷媒)を含むことができる。いくつかの実施形態では、減圧要素は、それを通過する作業流体の少なくとも一部分の蒸発を引き起こす、減圧または拡張弁の形態である。減圧要素は、有効量の作業流体(例えば、冷媒、極低温流体等)を蒸発させて、作業流体の温度を低減する。いくつかのモードでは、要素423、425を通過する重量による作業流体の実質的に全てまたは大部分は、低温の低圧ガスに変換される。いくつかの実施形態では、減圧要素423、425は、ノズル弁、針弁、ジュールトムソンスロットル、スロットル要素、または所望の圧力降下を提供するための任意の他の好適な弁となり得る。例えば、ジュールトムソンスロットルは、流体の膨張から作業エネルギーを回収することができ、より低い下流温度をもたらす。いくつかの実施形態では、減圧要素は、特に作業流体が水等の非冷媒である場合に、流体調節要素(例えば、弁システム)と代替することができる。
【0095】
図18を参照すると、図18の高圧ガスP1は、送達管腔427、429を通過する。高圧ガスP1は、要素423、425を通過し、チャネル436、438に進入し、そこで圧力がP2まで降下する。P1からP2への圧力の降下は、T1からT2へのガスの温度の降下につながる。温度変化の大きさは、以下の式:
Τ1−Τ2=μ(Ρ1−Ρ2)
によって求められ、
式中、
Tは、ガスの温度であり、
Pは、ガスの圧力であり、
μは、ガスのジュールトムソン係数であり、
下付き文字1は、高圧状態を表し、
下付き文字2は、低圧状態を表す。
【0096】
図19および20と関連して論議されるように、チャネル436、438の中のガスが通気口を通って退出し、周囲の圧力まで降下すると、第2の圧力降下が発生し得る。切除アセンブリ400が呼吸器系で使用される場合、周囲の圧力は、大気圧である。この温度降下は、
Τ2−Τ3=μ(Ρ2−ΡΑΤΜ)
である。
【0097】
ジュールトムソン係数(μ)は、各ガスまたはガス混合物に特異的である。μに対する標準温度値は、
二酸化炭素について
【0098】
【数1】
空気について
【0099】
【数2】
である。
【0100】
これらの係数は、所与の圧力降下について、CO2が、空気が経験する同様の圧力の降下よりも5倍大きい温度の降下を引き起こすことを示す。
【0101】
肺の中の空気の使用が望ましくなり得る。保冷剤ガスの流速が、肺から外へ二酸化炭素を換気する被検体の能力を圧倒しないよう十分に低い場合、この付加的な二酸化炭素を使用することができる。冷却剤導管の中の冷却剤が、液体空気または液体CO2等の高圧液体である場合に、冷却効果を強化することができる。高圧液体は、減圧要素(例えば、スロットル)を通過し、ガスの温度を高圧液体の温度よりも低くさせる、高圧液体から高圧ガスへの吸熱相変化を受ける。それは次いで、図19および20と関連して論議されるように、通気口441を介して放出される前に、温度のさらなる降下を引き起こす、P1からP2へのジュールトムソン膨張を受ける。
【0102】
図19および20は、以下で詳述されるものを除いて、図17および18の切除アセンブリ400と略同様である、切除アセンブリ437を示す。切除アセンブリ437は、細長い部材に沿って位置している一連の開口部または通気口439を含む。細長い部材を通って流れる冷却剤は、開口部439から外へ出て、隣接する組織を冷却することができる。加えて、遠位端443に位置している開口部または通気口441は、冷却剤を放出することができる。図20に示されるように、矢印によって表される冷却剤は、通気口439、441から外へ出ることができる。このようにして、冷却剤は、切除アセンブリ437を冷却することができ、直接組織冷却を提供することができる。通気口441は、随意で、上記で説明されるように、好適な圧力降下を提供して、ジュールトムソン膨張から冷却剤を蒸発させ、それにより、冷却剤温度を低下させるように構成されてもよい。
【0103】
図21は、拡張可能部材453に沿って円周方向に離間したV字形電極を有する、切除アセンブリ450を示す。電極455は、隣接する電極455の先端459と重複する端456、457を有する。電極は、V字形変状部を形成するように気道周囲に沿って同様に離間した、V字形標的領域にエネルギーを出力することができる。V字形変状部の間の未治療組織は、瘢痕組織または狭窄により、管腔気道が有意に狭くならないことを確実にするのに役立つことができる。
【0104】
図22は、T字形電極を携持する拡張可能要素462を含む、切除アセンブリ460を図示する。電極463は、隣接する電極467の端465と重複する自由端464を有する。円周方向に整列した電極461は、複数の略T字形の変状部を形成することができる。他の実施形態では、電極は、U字形、S字形、W字形、L字形、または任意の他の好適な形状となり得る。加えて、これらの実施形態のうちのいずれかでは、電極は、図16に示されたものと同様の斜交または螺旋パターンで長手方向に変位されてもよい。
【0105】
図23は、軟骨輪513、515(鎖線で図示される)の間に電極512を配置することができる、第1組の細長い部材511a−511d(集合的に「511」)を含む、切除アセンブリ500を示す。細長い部材521a−521d(集合的に「521」)は、軟骨輪515、518の間に位置している電極523a、523b、523c、523d(集合的に「523」)を携持する。電極512は、輪513、515の間に変状部を形成する。電極523は、輪515、518の間に変状部を形成する。細長い部材511、521は、気道壁に対して電極を配置するように半径方向外向きに付勢される、可撓性かつ弾性のロッドまたはワイヤであってもよく、気道壁の異なる周囲領域が各電極対で治療されるように、電極512に対して円周方向にオフセットした位置に電極523を配置するように構成されてもよい。1つのコラーゲン間空間の中の変状部の一端は、隣接するコラーゲン間空間の中の隣接する変状部と円周方向に重複することができる。したがって、変状部は、相互から軸方向に離間するが、身体管腔に対して円周方向に重複し得る。細長い部材511、521は、気道の中へ導入するために好適な半径方向収縮構成に折り畳むように、管状鞘510の中へ後退させられてもよい。
【0106】
図24は、拡張可能エネルギーエミッタアセンブリ610を伴う切除アセンブリ600を示す。拡張可能電極アセンブリ623は、バルーンとして図示される拡張可能部材620の全体または大部分を取り囲むことができる。絶縁体625は、電極アセンブリ623の一部分を覆って端の間に延在する。電極623は、拡張を可能にするように、ジグザグ構成(図示されている)、蛇行性構成、または波形構成を有することができ、バルーン620の回りに約90度から約360度延在することができる。使用中、露出電極623は、治療される気道の領域、例えば、神経幹がしばしば位置する後部側に対面することができる。代替として、エミッタアセンブリ610は、離散変状部を生成するように、絶縁部分によって分離される複数の露出電極を含むことができる。
【0107】
随意で、第2のエネルギーエミッタ618は、エネルギーエミッタ610の遠位に位置している。エネルギーエミッタ618は、露出電極621と、絶縁体623とを有する。電極621は、電極623と協働して、円周方向にオフセットし、軸方向に離間した相補(例えば、重複)変状部を形成することができる。例えば、電極623は、気道壁の上部分に沿って約180度の弧の長さを有する、変状部を形成することができる。電極621は、気道壁の下部分に沿って約180度の弧の長さを有する、変状部を形成することができる。一緒に、2つの変状部は、気道壁の周囲全体の回りに延在する。変状部は、同時に、または連続的に生成することができる。
【0108】
図25は、拡張可能要素712に包み込まれた電極アセンブリ710の形態のエネルギーエミッタを含む、切除アセンブリ700を示す。電極アセンブリ710は、導管731と、複数の電極715a−h(集合的に「715」)とを含む。電極715は、同時に、または連続的に変状部を形成することができる。
【0109】
図26を参照すると、電極715aは、バルーン712が膨張させられると、略円周方向に配向される、中空管状金属部材となり得る。導管731は、電極716を通って連続的に冷却剤(食塩水または他の冷却剤)を送達する。
【0110】
バルーン712および導管731を通して、異なる冷却剤を送達することができる。冷却剤は、導管731を通る送達管腔761を通って流れ、電極715を冷却することができる。別の冷却剤が、送達管腔751を通ってバルーン712に流入することができる。バルーン712および導管731の中の冷却剤は、帰還管腔739を介して近位に流れることができる。他の実施形態では、冷却剤は、電極アセンブリ710およびバルーン712を通って連続的に流れる。
【0111】
別個のワイヤペアを、各電極715に電気的に連結することができる。各電極715は、独立して操作することができる。他の実施形態では、電極715は、双極性であり、反対極性のペアで配設される。以前の実施形態に関して論議されるように、電極715は、コラーゲン間空間内で変状部を形成するように、相互に対して配向し、配置することができる。2009年5月8日出願の米国特許出願第12/463,304号、および2010年10月27日出願の米国特許出願第12/913,702号が、それらの全体で参照することにより組み込まれ、切除アセンブリ700とともに使用することができる、技法、材料、カテーテル、および構成要素を開示している。
【0112】
電極715a−hは、いくらかの重複にもかかわらず、相互から円周方向にオフセットされ、かつ相互から軸方向にオフセットされる変状部を生成するように、螺旋導管731に沿って配設される。電極715a−hのそれぞれを通る軸方向(軸719と平行)に引かれた仮想線は、電極715a−hのうちの別の電極に交差し、気道の周囲全体が治療されることを確実にする。有利に、電極は、それらが生成する変状部が気道に沿って長手方向に分離され、したがって、狭窄が結果として生じる可能性を低減するように、螺旋導管731に沿って離間している。
【0113】
変状部の形状は、冷却剤の温度、冷却剤の流速、冷却剤の熱運搬能力、バルーンの熱特性(例えば、バルーンの熱伝達性質)、または送達された電力の量を調整することによって制御することができる。図27A−31Bは、温度プロファイル、およびバルーンによる次第に増加した冷却によって形成される対応する変状部を示す。バルーンの冷却能力は、冷却剤温度を減少させることによって、または冷却剤の流速を増加させることによって、あるいは両方によって増加させることができる。変状部の成形はまた、電極の冷却剤容量を変化させながら、バルーンの冷却能力を略一定に保つことによって、または組織に送達される電力を増加または減少させることによって達成することもできる。一例として、図25の切除アセンブリ700は、図27B、27C、28B、29B、30B、および31Bの変状部を形成するために使用することができる。バルーン712が電極チャネル753よりも大きい直径を有するため、電極715aを通る高い流速と比較して、バルーン表面に沿って比較的低い流速がある。これは、示差冷却をもたらす。電極715aおよびバルーン712が独立した流動を有する場合、冷却剤は、示差冷却のための異なる温度および/または流速にあり得る。
【0114】
図27Aは、80℃、60℃、および40℃の等温線、および組織中の温度分布を示す。図27Bは、図27Aの等温線に対応する変状部804を示す。冷却チャネル753の中の冷却剤は、有意量の熱を吸収する唯一の冷却剤である。バルーン712は、有意量の熱エネルギーを吸収せず、室温と略等しく、約20℃〜30℃の範囲内の温度の流体で充填することができる。いくつかの実施形態では、バルーン712は、周囲空気で膨張させられ、組織825に対して電極715aを保持することができる。他の実施形態では、バルーン712は、温生理食塩水で膨張させられる。変状部804は、略半円形を有する。半径rおよび深さDは、それぞれ、冷却チャネル753の中の冷却剤の温度を減少または増加させることによって、増加または減少させることができる。加えて、または代替として、半径rおよび深さDは、それぞれ、冷却剤の流速を減少または増加させることによって、増加または減少させることができる。
【0115】
組織表面825における変状部の断面幅を縮小するように、バルーン712を通して冷蔵冷却剤を送達することができる。図28Aおよび28Bは、冷却剤が電極715aを冷却する時、および低温冷却剤がバルーン712を通って低速で流れる時の等温線、および対応する略楕円形の変状部804を示す。バルーン712の中の冷却剤は、バルーン・組織界面に接触または近接する組織を保護するように、有意量の熱エネルギーを吸収する。図28Bの図示した実施形態を含む、いくつかの実施形態では、表面825における変状部804の断面幅は、表面825における図27Bの変状部804の断面幅よりも小さい。図28Bの変状部804の断面幅は、深さとともに最大幅WMaxまで増加し、次いで、最深領域830まで減少する。最大幅WMaxは、変状部804の深さDよりも小さい。図28Bは、電極幅のわずか約150%である幅を有する、表面825における変状部804を示す。
【0116】
図29Aおよび29Bは、低温冷却剤がバルーン712を通って高速で流れる、または超低温冷却剤がバルーン712を通って低速で流れる時の等温線および変状部804を示す。いくぶん涙滴形の変状部804が、組織表面825から延在する。変状部804の浅部または狭小領域834の幅は、電極715aの断面幅WEとほぼ等しい。したがって、表面825における変状部804は、電極・組織界面のわずか約150%である最大断面幅を有する。これは、最小量の組織表面が損傷されることを確実にする。変状部804は、浅い部分834から拡大領域835へと外向きに先細になる。変状部の断面幅は、深さとともに最大幅WMaxまで徐々に増加する。最大幅WMaxは、表面825における断面幅の約1倍から約5倍以上となり得る。変状部804の最深領域830は、部分的に円形の形状を有する。
【0117】
図30Aおよび30Bは、等温線、および超低温冷却剤がバルーン712を通って高速で流れるときに形成することができる涙滴形の変状部804を示す。変状部804は、組織表面825から延在し、広い深部領域852へと外向きに急速に拡張する、狭い浅部領域834を有する。浅部領域834の幅は、電極715aの幅WEよりも小さい。断面幅は、深さとともに最大幅WMaxまで急速に増加する。したがって、変状部804の容量の大部分は、組織の中の深くにある。
【0118】
図31Aおよび31Bは、等温線、および超低温冷却剤がバルーン712を通って超高速で流れるときに形成することができる、対応する円形の変状部804を示す。変状部804は、組織表面825からの深さDで配置される。変状部804の最大断面幅WMaxは、深さDWidth Maxにある。変状部804は、電極・組織界面から離間し、冷却剤の流速および温度に応じて異なる形状を有することができる。略楕円形、細長い形状、または同等物等の、他の埋設変状部形状を達成するために、示差冷却を使用することができる。
【0119】
DWidth Maxは、標的領域の場所に基づいて選択することができる。神経組織を損傷させるために、DWidth Maxは、変状部が神経組織を含むことを確実にするように、および平滑筋組織への有意量の損傷を軽減または回避するように、少なくとも約2mmとなり得る。そのような実施形態は、平滑筋組織が、典型的には、2mmの深さより下側にないので、気道壁を治療することに適している。このようにして、標的領域の断面幅は、平滑筋組織よりも深い深さにおいて最大化することができる。変状部の大部分、およびいくつかの実施形態では実質的に全体は、典型的には、平滑筋組織の領域よりも深く気道壁の中に位置する、平滑筋組織ではない組織の中に生じる。さらに、気道壁の中の平滑筋細胞への損傷は、神経組織を損傷させることなく、例えば、喘息、COPD、または他の肺疾患の結果として、気道の反応性または収縮を大幅に改変するために必要とされる損傷の量よりも少なくなり得る。
【0120】
変状部は、有意量の組織が永久的に損傷されない保護領域によって、組織表面から分離されることができる。図31Bおよび32Bは、深さDPを有する保護領域861を示す。有利に、保護領域861中の有意量の組織が永久的に損傷されないので、組織機能を保つことができる。深さDPは、神経組織を切除するために、少なくとも約1mmから約2mmとなり得る。
【0121】
図32は、曲線(螺旋形状として図示される)本体910(気道の先細に合致するように先細に示される)と、電極912a、912b、912c(集合的に「912」)とを含む、螺旋切除アセンブリ900を示す。随意で、冷却剤の温度を低減するジュールトムソンスロットルとしての役割を果たすように、1つ以上の減圧要素を本体910内に配置することができる。
【0122】
電極912は、相互と略同様となり得て、したがって、他に示されない限り、1つの電極の説明は、他の電極に等しく該当する。電極912aは、複数の通気口916、918を含む。矢印によって表される冷却剤は、通気口916、918から流出することができる。電極912aは、本体910の外面に連結することができる。これは、電極912が、組織と物理的に接触するように、十分な距離で外向きに突出することを可能にする。電極912は、相互から円周方向にオフセットされるが、それらの縁においていくらかの円周方向の重複を有する変状部を生成するように配設され、すなわち、1つの変状部の端を通って気道の下へ長手方向に引かれた仮想線が、次の変状部の端に交差する。電極912が螺旋本体910に沿って離間しているので、それらが生成する変状部も気道の中で軸方向に離間し、したがって、狭窄の可能性を低減する。
【0123】
本体910は、起動されたときに螺旋またはコルクスクリュー形状に成形することができる、Nitinol等の可撓性かつ伝導性材料を含んでもよい。本体910を通して温かい流体を送達することができ、本体910を送達構成(例えば、直線構成)から配備構成(例えば、コルクスクリュー構成または螺旋構成)まで移動させる。他の実施形態では、本体910は、配備構成に向かって付勢することができ、かつ配備構成を呈するようにスリーブまたは作業管腔から外へ送達することができる。切除アセンブリ900は、切除アセンブリ900を送達構成に戻すために、スリーブまたは作業管腔の中へ近位に引き入れることができる。他の実施形態では、本体910に異なる構成を呈させるために、テンショナ、引張ワイヤ、引張ロッド、または同等物を使用することができる。
【0124】
随意で、内部領域920を通して、バルーンを配置することができる。略円錐形バルーン、円筒形バルーン、ホットドッグ形バルーン、または他の好適な形状のバルーンが、内部領域920の中へ挿入可能であってもよい。
【0125】
図33は、絶縁領域962a、962b、962cを作成するように介在部を覆う絶縁カバーを伴って、電極960a、960b、960c(集合的に「960」)を形成する一連の離間した露出部を有する、管状伝導性内側部材でできている螺旋切除アセンブリ952を示す。冷却剤は、電極960を冷却するように切除アセンブリ520を通して循環させることができる。付加的な組織冷却を提供するために、随意で、内側管状部材および/または絶縁カバーの中の通気口(図示せず)から外へ冷却剤を送達することができる。
【0126】
図34は、一連の離間した双極電極1010a−f(集合的に「1010」)を含む、切除アセンブリ1000を示す。電極は、変状部が各双極対の間で対角線上に生成されるように、反対極性のペアで配設される。電極1010は、軟骨輪を横断する斜交変状部を形成することができる。図35に示されるように、切除アセンブリ1000は、気道1012内に位置している。電極1010は、輪の間に位置している。電極1010a−cは、図36の変状部1030を生成することができる。変状部1030の端1032は、輪1034に近接する。対向する端1036は、輪1038に隣接する。端1032、1036は、気道1012に沿って軸方向に相互から変位させられる。図36に示されるように、端1032、1036の軸方向変位は、端1032、1036の間の円周方向距離よりも有意に大きい。ある手技において、端1032、1036の間の距離は、少なくとも1ミリメートル、5ミリメートル、10ミリメートルである。いくつかの実施形態では、端1032、1036の間の軸方向距離は、隣接する軟骨輪の間の距離よりも大きい。これは、変状部が輪を横断することを確実にする。
【0127】
図36の変状部1030の中央部は、輪1034、1038の間の輪1040を横断する。切除アセンブリ1000の裏面上の電極1010d、1010e、1010fは、変状部1041を形成する。図示された変状部1041、1030は、反対側に、かつ気道に沿った異なる軸方向の場所にある。
【0128】
電極1010は、気道組織を相互作用して軟骨輪の間に位置する電極1010を保つように十分な距離で外向きに突出することができる。双極モードで動作する時、変状部が形成され、輪を横断する。変状部を形成した後、カテーテルを近位に引くか、遠位に押し、軸方向にオフセットした変状部を形成するために使用することができる。加えて、または代替として、気道1012に沿った異なる角度位置で斜交変状部を形成するように、カテーテルを回転させることができる。図36の変状部は、連続の変状部として図示されている。他の実施形態では、変状部は、複数の離散した離間変状部を含むことができる。例えば、変状部1030は、一連の離間変状部を含むことができる。
【0129】
図37および38は、内部ジェットによって冷却される、円周方向にオフセットし、軸方向に離間した電極1050a、1050bを示す。冷却剤は、送達管腔1052を通って流れ、ポート1054から退出する。冷却剤のジェットは、開放冷却チャネル1056に沿って流れ、電極1050aを冷却する。冷却剤は、出口ポート1062a、1062bを介してチャンバ1060から退出する。冷却剤は、帰還管腔1072に沿って流れる。電極1050a、1050bは、冷却されている間に単極モードまたは双極モードで操作することができる。
【0130】
図39A−40Bは、電極アセンブリ1082の形態のエネルギーエミッタを含む切除アセンブリ1080を示す。電極アセンブリ1082は、変状部1083(図39Bおよび40B)を形成することができる一連の電極1084a−f(集合的に「1084」)を含む。広範囲の異なる種類の蛇行性、曲線、ジグザグ、z字形、または他の種々の構成である。図示される変状部1083は、略螺旋の形状を有し、複数の軟骨輪を横断する。切除アセンブリ1080は、任意の種類のこれらの種類の電極アセンブリ1082を有することができる。例えば、一対の螺旋切除アセンブリ1082を切除アセンブリ1080の外側に配置することができる。
【0131】
図示される変状部1083は、連続的であり、気道の長軸1089に沿って軸方向に離間した端1085、1087を有する。端1085、1087はまた、相互から角度的にオフセットされている。図39Bおよび40Bに示されるように、軸1089に沿った端1085、1087の間の距離は、隣接する輪の間の距離よりも大きい。このようにして、変状部1083は、複数の輪を横断する。
【0132】
電極1084は、略連続した変状部1083を形成するためにともに接近することができる。他の実施形態では、電極1084の間の距離は、複数の離間変状部を提供するために増加させることができる。離間変状部は、変状部1083と同様の形状を有するように配設することができるが、他の形状および変状部パターンが可能である。
【0133】
図41は、バルーン1111に巻き付いている電極アセンブリ1110を有する切除アセンブリ1100を示す。電極アセンブリ1110は、冷却剤を含有するために好適な管1113を備え、バルーン1111の内部と連通している遠位端1115を有する。電極は、管1113の外部に取り付けられ、接着され、塗装され、または別様に連結される。このようにして、冷却剤は、電極を冷却するために、そこから冷却剤が管1113を通って流れるバルーン1111を膨張させるために、バルーン1111の内部へとカテーテルを通して送達されてもよい。代替として、冷却剤は、電極を冷却し、その後、バルーン1111を冷却することができる。電極アセンブリ1110およびバルーン1111は、示差冷却を提供して、成形変状部を形成することができる。
【0134】
図42−44は、送達構成(図42)から配備構成(図43および44)まで移動可能な切除アセンブリ1200を示す。送達構成では、切除アセンブリ1200の遠位部分1211は、それが挿入されている気道または他の身体管腔の長手軸と概して整列させられるよう、カテーテルシャフト1213の近位部分で線状化される。配備構成では、切除アセンブリ1200の遠位部分1211は、カテーテルシャフト1213の近位先端の長手軸に対して直角である平面に位置するループ1215を形成するように、偏向または変形させられる。このようにして、ループ1215は、移動の内壁の周囲に延在して、その上の一連の円周方向に離間した場所に電極1220を配置してもよい。
【0135】
配備構成では、ループは、螺旋であってもよく、または電極1220が気道壁に沿って軸方向に分離した場所に配置されるように、カテーテルシャフト1213の長手軸に対して斜角で配置される平面に配置されてもよい。ループ1215は、種々の周知の機構を使用して配備されてもよい。例えば、引張ワイヤへの張力が所望の構成でループ1215を配備するように、引張ワイヤは、カテーテルシャフトの中の管腔を通って摺動可能に延在し、遠位端付近の点で固定されてもよい。代替として、カテーテルの遠位部分は、配備構成で事前形成されてもよく、遠位部分が送達中に鞘内で拘束されてもよいように、弾性であってもよく、次いで、遠位部分が配備構成を成すように鞘を後退させることによって放出されてもよい。
【0136】
通気口1210a−1210c(集合的に「1210」)は、組織の直接冷却剤冷却を提供する。電極1220a−c(集合的に「1120」)は、離散変状部を形成するように独立して操作されるか、または連続の変状部を形成するための1つの総合電極を形成するように一緒に操作される。電極1220は、気道の周囲の約3分の1(例えば、気道の前内側または前外側領域)を治療するように、近位主気管支の中の2つの軟骨輪の間に配置することができる。次いで、電極1220は、気道壁の他方の3分の1の前外側または前内側部分を治療するように、2つの遠位軟骨輪の間で遠位に再配置される。電極120は、膜部分等の気道の後方3分の1を治療するように再び移動させられる。冷却剤は、組織を冷却するように通気口1210を通して移動させることができる。切除アセンブリ1200は、血管の異なる部分を連続的に切除するために使用することができ、変状部の間に十分な空間を提供して、もしあれば、瘢痕組織または狭窄を軽減するように、遠位および近位に移動させることができる。
【0137】
本明細書で開示される送達デバイスは、消化器系、神経系、血管系、または他の体系を治療することができる。例えば、本明細書で開示される、細長いアセンブリ、管腔内カテーテル、および送達デバイスは、血管系を治療するように血管を通して送達することができる。本明細書で開示される治療システムおよびその構成要素は、所望の標的部位へのアクセスを提供する、低侵襲手技、切開手技、半切開手技、または他の外科的手技(例えば、肺容量減少手術)等の別の医療手技中に、補助として使用することができる。胸部での種々の外科的手技が、肺組織へのアクセスを提供してもよい。標的領域へのアクセスを提供するために使用されるアクセス技法および手技は、外科医および/またはロボットシステムによって行うことができる。当業者であれば、標的領域を評価することができる多くの異なる方法があることを認識する。
【0138】
送達装置を操縦するために、ガイドワイヤ、送達鞘、光学器具、導入器、トロカール、生検針、または他の好適な医療機器を使用することができる。標的治療部位が、患者体内の遠位場所(例えば、図1の肺根24付近の治療部位)にある場合、部位にアクセスするために、広範囲の器具および技法を使用することができる。可撓性の細長いアセンブリは、例えば、上記で論議されるような内視鏡および気管支鏡等の操縦可能送達デバイスを使用して、被検体内に容易に配置することができる。
【0139】
半切開手技、切開手技、またはいくぶん直線の送達経路を提供する他の送達ツール/手技を使用した、トロカール、アクセスポート、剛性送達鞘を使用して、半剛性または剛性の細長いアセンブリを送達することができる。有利に、半剛性または剛性の細長いアセンブリは、気道を通して細長いアセンブリを送達することなく、気道に沿った迷走神経、神経枝、神経線維、および/または神経幹等の遠隔組織にアクセスし、治療するように十分剛性となり得る。本明細書で開示される実施形態および技法は、気管支温熱療法等の他の手技とともに使用することができる。
【0140】
文脈が他に要求しない限り、本明細書および以下に続く請求項の全体を通して、「備える」という言葉、および「〜を備える」等のその変化形は、非限定的で包含的な意味で、つまり、「〜を含むが、それらに限定されない」として解釈されるものである。
【0141】
上記で説明される種々の実施形態は、さらなる実施形態を提供するように組み合わせることができる。上記で詳述した説明を踏まえて、これらおよび他の変更を実施形態に行うことができる。本明細書で説明される実施形態、特徴、システム、デバイス、材料、方法、および技法は、いくつかの実施形態では、2009年5月8日出願の出願第12/463,304号、2010年10月27日出願の米国特許出願12/913,702号、2009年10月27日出願の米国暫定特許出願第61/255,367号、および2009年11月11日出願の米国暫定特許出願第61/260,348号で説明されている実施形態、特徴、システム、デバイス、材料、方法、および技法のうちのいずれか1つ以上と同様であってもよい。これらの出願のそれぞれは、その全体で参照することにより本明細書で組み込まれる。加えて、本明細書で説明される実施形態、特徴、システム、デバイス、材料、方法、および技法は、ある実施形態では、上述の米国特許出願第12/463,304号、および2010年10月27日出願の米国出願第12/913,702号で開示されている実施形態、特徴、システム、デバイス、材料、方法、および技法のうちのいずれか1つ以上に適用されるか、またはそれらと関連して使用されてもよい。例えば、米国特許出願第12/463,304号、および2010年10月27日出願の米国出願第12/913,702号で開示されている装置は、本明細書で開示される電極または他の特徴を組み込んでもよい。
【0142】
加えて、本明細書で説明される実施形態、特徴、システム、デバイス、材料、方法、および技法は、ある実施形態では、上述の2009年5月8日出願の出願第12/463,304号、2010年10月27日出願の米国特許出願12/913,702号、2009年10月27日出願の米国暫定特許出願第61/255,367号、および2009年11月11日出願の米国暫定特許出願第61/260,348号で開示されている実施形態、特徴、システム、デバイス、材料、方法、および技法のうちのいずれか1つ以上に適用されるか、またはそれらと関連して使用されてもよい。
【0143】
概して、以下の請求項では、使用される用語は、請求項を本明細書および請求項で開示される具体的実施形態に限定すると解釈されるべきではないが、そのような請求項が享有する同等物の全範囲とともに、全ての可能な実施形態を含むと解釈されるべきである。したがって、請求項は、本開示によって限定されない。
【0144】
上記で説明される種々の実施形態は、さらなる実施形態を提供するように組み合わせることができる。本明細書で参照される、および/または出願データシートに記載される、米国特許、米国特許出願公報、米国特許出願、外国特許、外国特許出願、および非特許出版物の全ては、それらの全体で参照することにより本明細書に組み込まれる。なおもさらなる実施形態を提供するために、種々の特許、出願、および出版物の概念を採用する必要があれば、実施形態の側面を修正することができる。
【0145】
上記で詳述した説明を踏まえて、これらおよび他の変更を実施形態に行うことができる。一般に、以下の請求項では、使用される用語は、請求項を本明細書および請求項で開示される具体的実施形態に限定すると解釈されるべきではないが、そのような請求項が享有する同等物の全範囲とともに、全ての可能な実施形態を含むと解釈されるべきである。したがって、請求項は、本開示によって限定されない。
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、米国仮特許出願第61/260,349号(2009年11月11日出願)の米国特許法第119条第(e)項の利益を主張し、この出願の開示は、その全体が参照することによって本明細書に援用される。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、概して、組織を治療するためのシステム、装置、および方法に関し、より具体的には、本発明は、狭窄を制御しながら所望の反応を引き起こすためのシステム、装置、および方法に関する。
【背景技術】
【0003】
肺疾患は、肺の性能に悪影響を及ぼす広範囲の問題を引き起こす場合がある。喘息および慢性閉塞性肺疾患(「COPD」)等の肺疾患は、肺の増加した空気流抵抗につながる場合がある。肺疾患による悪影響を有する集団の死亡率、健康関費用、および規模は、全て相当なものである。これらの疾患はしばしば、生活の質に悪影響を及ぼす。症状は様々であるが、しばしば、咳、息切れ、および喘鳴を含む。例えば、COPDでは、ランニング、ジョギング、早歩き等のいくぶん激しい運動を行うときに息切れに気付く場合がある。疾患が進行するにつれて、歩行等の激しくない運動を行うときに、息切れに気付く場合がある。経時的に、COPDの症状は、常に存在するまで、ますます少ない労力で発生し、それにより、通常の作業を達成する個人の能力をひどく制限する場合がある。
【0004】
肺疾患はしばしば、気道管腔の閉塞、気道壁の肥厚化、気道壁内またはその周囲の構造の改変、あるいはそれらの組み合わせと関連付けられる、気道閉塞によって特徴付けられる。気道閉塞は、肺の中で交換されるガスの量を有意に減少させ、息切れをもたらし得る。気道管腔の閉塞は、過剰な管腔内粘液または浮腫液、あるいは両方によって引き起こされ得る。気道壁の肥厚化は、気道平滑筋の過剰な収縮、気道平滑筋肥大、粘液腺肥大、炎症、浮腫、またはそれらの組み合わせに起因する場合がある。肺組織自体の破壊等の気道の周囲の構造の改変は、気道壁上の半径方向けん引力の損失、および後続の気道の狭小につながり得る。
【0005】
喘息は、気道平滑筋の収縮、平滑筋肥大、過剰な粘液産生、粘液腺肥大、および/または気道の炎症ならびに腫脹によって特徴付けることができる。これらの異常は、局所炎症性サイトカイン(気道壁の中または付近位位置する免疫細胞によって局所的に放出される化学物質)、吸入された刺激物(例えば、冷気、煙、アレルゲン、または他の化学物質)、全身ホルモン(抗炎症性コルチゾールおよび刺激性エピネフリン等の血液中の化学物質)、局所神経系入力(平滑筋細胞および粘液腺の局所反射刺激を生成することができる、気道壁内に完全に含有される神経細胞)、および中枢神経系入力(迷走神経を通して運ばれる、脳から平滑筋細胞および粘液腺への神経系信号)の複雑な相互作用の結果である。これらの状態はしばしば、喘息患者が呼吸することを困難にする、最終的に永久的な組織改変および永久的な空気流閉塞につながる場合がある、広範囲におよぶ位置的な組織改変および最初に可逆的な空気流閉塞を引き起こす。喘息はさらに、空気流抵抗を有意に増加させる過反応性気道平滑筋の収縮を介した、付加的な気道狭小の急性エピソードまたは発作を含み得る。喘息の症状は、息切れ(例えば、息が切れること、または呼吸困難)、喘鳴、胸苦しさ、および咳の再発エピソードを含む。
【0006】
肺気腫は、肺の中の気道を包囲する、またはそれに隣接する肺組織の改変によってしばしば特徴付けられる、一種のCOPDである。肺気腫は、ガス交換の低減、および周辺肺組織によって気道壁に引加される半径方向けん引力の低減につながる、肺組織(例えば、肺胞嚢等の肺胞組織)の破壊を伴い得る。肺胞組織の破壊は、肺胞壁および肺胞毛細血管がなく、それにより、ガス交換に効果がない、過度に大きい空隙を、肺気腫を患った肺の領域に残す。空気は、これらのより大きい空隙の中に「閉じ込められる」。この「閉じ込められた」空気は、肺の過膨張を引き起こす場合があり、胸部の範囲内で、酸素が豊富な空気の流入およびより健康な組織の適正な機能を制限する。これは、有意な息切れをもたらし、血液中の低い酸素レベルおよび高い二酸化炭素レベルにつながる場合がある。この種類の肺組織破壊は、健康な個人でさえも、通常の加齢過程の一部として発生する。残念ながら、化学物質または他の物質(例えば、タバコの煙)への暴露が、組織損傷または破壊の速度を有意に加速する場合がある。息切れは、気道閉塞によってさらに増加させられる場合がある。半径方向けん引力の低減は、気道壁が呼気中に部分的または完全に虚脱するように、気道壁を「柔軟」にさせる場合がある。肺気腫がある個人は、呼気中のこの気道虚脱および気道閉塞により、肺から外へ空気を送達できない場合がある。
【0007】
慢性気管支炎は、気道平滑筋の収縮、平滑筋肥大、過剰な粘液産生、粘液腺肥大、および気道壁の炎症によって特徴付けることができる、一種のCOPDである。喘息のように、これらの異常は、局所炎症性サイトカイン、吸入された刺激物、全身ホルモン、局所神経系、および中枢神経系の複雑な相互作用の結果である。呼吸閉塞が大部分は可逆的となる場合がある喘息と違って、慢性気管支炎における気道閉塞は、主に慢性かつ永久的である。しばしば、息切れ、喘鳴、および胸苦しさ、ならびに粘液を産生する咳という慢性症状により、慢性気管支炎が呼吸することは困難である。
【0008】
肺疾患の重症度および進行を評価するために、異なる技法を使用することができる。例えば、肺機能検査、運動能力、および生活の質の質問表が、被検体を評価するためにしばしば使用される。肺機能検査は、全空気流、肺容量、およびガス交換等の基本的な生理的肺パラメータの客観的かつ再現可能な尺度を伴う。閉塞性肺疾患の評価に使用される肺機能検査の指数は、1秒間努力呼気容量(FEV1)、努力肺活量(FVC)、FEV1のFVCに対する比、全肺気量(TLC)、気道抵抗、および動脈血ガスの検査を含む。FEV1は、肺が空気で完全に充填された状態で始まる強制的呼気の最初の1秒中に、患者が吐き出すことができる空気の容量である。FEV1はまた、強制的呼気の最初の1秒中に発生する、平均流量でもある。このパラメータは、気道閉塞の存在および影響を評価および決定するために使用されてもよい。FVCは、肺が空気で完全に充填された状態で始まる強制的呼気中に、患者が吐き出すことができる空気の全容量である。FEV1/FVCは、最初の1秒中の強制的呼気中に吐き出すことができる、全ての空気の割合である。少なくとも1つの気管支拡張剤の投与後の0.7未満のFEV1/FVC比は、COPDの存在を定義する。TLCは、肺が完全に充填された時の肺内の空気の総量であり、閉塞性肺疾患がある患者の肺内で空気が閉じ込められたときに増加する場合がある。気道抵抗は、肺胞と口との間の空気の流速に対する肺胞と口との間の圧力勾配として定義される。同様に、所与の気道の抵抗は、気道を通る流量に対する所与の気道にわたる圧力勾配の比として定義される。動脈血ガス検査は、血液中の酸素の量および二酸化炭素の量を測定し、空気から血液の中へ酸素を運ぶ、および血液から身体の外へ二酸化炭素を出す、肺および呼吸器系の能力を評価するための最も直接的な方法である。
【0009】
運動能力検査は、活動を行う患者の能力の客観的かつ再現可能な尺度である。6分間の歩行検査(6MWT)は、患者が6分間に平坦な面上を可能な限り遠くまで歩く運動能力検査である。別の運動能力検査は、患者の最大運動能力検査を測定することを伴う。例えば、医師は、患者が自転車エルゴメータに乗っている間に産生することができる力の量を測定することができる。患者は、30パーセント酸素を呼吸することができ、作業負荷は、3分毎に5〜10ワット増加することができる。
【0010】
生活の質の質問表は、患者の全体的健康および幸福感を評価する。St.Georgeの呼吸器質問表は、全体的な健康、日常生活、および知覚した幸福感に対する閉塞性肺疾患の影響を測定するように設計されている、75個の質問を含む生活の質の質問表である。肺疾患の治療の有効性は、肺機能検査、運動能力検査、および/または質問表を使用して評価することができる。これらの検査および/または質問表からの結果に基づいて、治療プログラムを修正することができる。
【0011】
気管支温熱療法等の治療は、肺内の多数の気管支枝における気道壁を切除し、それにより、肺の気道壁の中の平滑筋および神経の両方を排除することによって、平滑筋緊張を破壊することを伴う。治療された気道は、吸入された刺激物、全身ホルモン、ならびに局所および中枢神経系入力の両方に、有利に反応することができない。したがって、残念ながら、この気道壁の中の平滑筋緊張および神経の破壊は、肺性能に悪影響を及ぼす場合がある。例えば、煙または他の有害物質等の吸引された刺激物は、通常、肺刺激受容体を刺激して、咳および気道平滑筋の収縮を生じる。気道壁の中の神経の排除は、局所神経機能および中枢神経入力の両方を除去し、それにより、強制的な咳により有害物質を排出する肺の能力を排除する。気道平滑筋緊張の排除は、収縮する気道の能力を排除し、それにより、肺の中への有害物質等の不要な物質のより深い浸透を可能にする場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
喘息およびCOPDの両方は、増大する数の患者がいる重篤な疾患である。処方薬を含む、現在の管理技法は、完全に成功しておらず、副作用も含む。加えて、多くの患者が、薬剤処方の用法に従わない。したがって、患者コンプライアンスを必要とすることなく、空気流に対する抵抗を向上させる治療を提供することが望ましいであろう。
【課題を解決するための手段】
【0013】
少なくともいくつかの実施例は、狭窄の可能性を防止、最小化、または制限しながら、中空器官の神経を麻痺させる管腔内装置を対象とする。器官の機能に有意に影響を及ぼす不要な狭窄を伴わずに、器官の標的領域を治療することができる。ある実施形態では、管腔内装置は、相互から離間した離散した標的領域を切除する。たとえ狭窄が発生しても、360度に延在する連続狭窄輪を回避することができる。器官が気道である場合、空気流抵抗のかなりの増加を伴わずに、変状部を形成することができる。
【0014】
いくつかの実施形態では、被検体を治療するためのシステムは、気道の管腔に沿って移動するように寸法決定される細長いアセンブリを含む。アセンブリは、気道の内面を有意な程度まで不可逆的に損傷させずに、神経幹の神経組織等の神経組織によって伝送される信号を減衰させることができる。ある実施形態では、1つ以上の電極が、気道周囲の後方90度から180度を治療するように無線周波数エネルギーを出力して、肺の神経を麻痺させる。冷却システム(例えば、冷却チャネル)は、標的組織を損傷させながら、電極および/または気道組織の温度を制御することができる。
【0015】
組織損傷は、いくつかの手技において、瘢痕化を引き起こすのに十分であってもよいが、電極は、瘢痕組織、狭窄等による、気道管腔のかなりの狭小を低減する、制限する、または実質的に排除するように配置されることができる。変状部は、隣接する変状部の間の組織の肥厚化を防止するために十分に離間し得る。本明細書で開示される少なくともいくつかの実施形態は、気道の長軸に対して垂直である平面に位置する、切除された組織の連続輪を形成することなく、気道壁の実質的に周囲全体を切除することができる。
【0016】
いくつかの実施形態では、方法は、神経系信号が、第1の主気管支に接続された実質的に全ての遠位気管支枝まで進行することを実質的に防止するように、第1の主気管支の神経組織を損傷させるステップを含む。第1の主気管支より遠位にある気管支枝の大部分または全ては、神経系信号を受信しない。神経組織は、ある実施形態では、気管と、それを通って気管支枝が延在する肺との間に位置している。方法はさらに、神経系信号が、第2の主気管支に接続された実質的に全ての遠位気管支枝まで進行することを実質的に防止するように、第2の主気管支の神経組織を損傷させるステップを含む。ある実施形態では、エネルギーは、後部気道の180度未満、または気道周囲の所望の部分に沿って送達される。これは、放出されたエネルギーに暴露される組織の量を制限する。
【0017】
脱神経は、いくつかの実施形態では、神経幹が解剖学的に位置する、外側の外膜組織層に影響を及ぼす変状部の生成を伴う。肺の脱神経では、左右の主気管支の両方の外側に沿って進行する神経幹を効果的に切除することにより、肺気道の内側を覆う気道平滑筋および気道とともに位置する粘液産生腺を、迷走神経から断絶する。これが発生すると、気道平滑筋が弛緩し、粘液産生が減少させられる。これらの変化は、COPDおよび喘息等の病状下で気道閉塞を低減する。低減した気道閉塞は、呼吸をより容易にし、被検体の生活の質および健康状態を向上させる。
【0018】
神経組織は、気道の壁が第1の温度未満である第2の温度である間に、神経組織の温度を第1の温度(例えば、切除温度)まで増加させることによって、熱的に損傷させることができる。いくつかの実施形態では、神経組織から半径方向内向きに配置された気道壁の一部分は、気道壁の一部分への永久的損傷を防止するよう、第1の温度となり得る。第1の温度は、神経組織の永久的破壊を引き起こすように十分高くなり得る。いくつかの実施形態では、神経組織は、気道壁の外側の結合組織の中に位置する神経幹の一部である。気道壁の中の平滑筋および神経組織は、所与のレベルの平滑筋緊張を維持するように機能的なままとなり得る。気道は、刺激(例えば、吸入した刺激物、局所神経系、または全身ホルモンによって引き起こされる刺激)に反応して収縮/拡張することができる。他の実施形態では、神経組織は、気道壁の中の神経枝または神経線維の一部である。さらに他の実施形態では、神経幹の神経組織および神経枝/線維の神経組織の両方が、同時に、または連続的に損傷される。エネルギーを出力するために、切除要素等の種々の種類の起動可能要素を利用することができる。
【0019】
いくつかの実施形態は、大型の気道生体構造を利用する。迷走神経の気道神経幹はしばしば、主気管支気道の後半に沿って存在する。主要気道(すなわち、気管、左右の主気管支)の後部領域は、軟骨を持たない。これらの気道の軟骨輪は、完全には円周ではなく、軟質組織のみが、それらの後部に沿って存在している。さらに、気道の後半上に位置する気道神経幹からの神経組織を損傷させることは、気道周囲の360度より小さい(例えば、有意に小さい)変状部を生成することによって達成することができる。例えば、気道周囲の180度、150度、または130度を治療することが、効果的に気道の神経を麻痺させるために必要とされる全てである。変状部が360度よりも有意に小さい弧の長さを有するため、気道狭窄を多大に低減または防止することができる。
【0020】
電極は、弓形、多角形を含む、複雑な形状を有し、または任意の他の形状あるいは構成を有することができる。電極は、V字形、U字形、L字形、T字形、W字形、直線、曲線、またはそれらの組み合わせとなり得る。いくつかの実施形態では、電極アセンブリは、ジグザグ構成、蛇行性構成、巻線またはコイル状構成、コルクスクリュー構成、螺旋構成、z字形構成、それらの組み合わせ、または同等物を有する。コルクスクリュー形状の電極アセンブリは、不連続または連続的な略コルクスクリュー形状の変状部を形成する、独立して動作可能な電極を有することができる。
【0021】
別の実施形態は、気道周囲の一部または全体に沿って略コルクスクリュー形状の変状部を生成することが可能な連続電極アセンブリを含む。同じ周囲領域に対してより小さい表面積を有する瘢痕は、狭窄を形成し得る組織被膜を生成する可能性が低い。少なくともいくつかの実施形態は、狭い標的領域を治療して、対応する狭い変状部を形成することができる。ナイフ刃電極アセンブリが、そのような治療を行って、瘢痕組織をさらに低減することができる。
【0022】
さらに別の実施形態は、人間の生体構造の全体を通してグループで進行する傾向がある、神経、動脈、および静脈に依存する。気道の脱神経を行う前に、気道神経幹に近接して進行する気管支動脈または静脈の場所を決定するために、超音波または他の種類のエネルギーを使用することができる。血管の場所を決定した後、気道神経幹を切除するように、血管に近接する気道領域がエネルギーで治療される。この技法は、狭窄の危険性を低減または排除するように、治療された組織の容量を最小化または制限する。
【0023】
いくつかの手技では、カテーテルが、所望の深さで少なくとも1つの変状部を成形する。例えば、1つ以上のコルクスクリュー形状または螺旋形状の変状部を、1つの気管支気道壁に形成することができ、気管支樹の異なる部分の神経を麻痺させるように、弓形変状部を別の気道壁に形成することができる。変状部は、気道の内面に沿って、または気道壁内の深くに、あるいは気道の外面に沿って位置することができる。
【0024】
エネルギー送達デバイスは、いくつかの実施形態では、カテーテルシャフトと、カテーテルシャフトに連結される切除アセンブリとを備える。切除アセンブリは、折り畳み状態から拡張状態まで移動可能な冷却要素と、切除アセンブリの長手軸の回りに相互から円周方向にオフセットされている複数の電極を含む、軟骨間エネルギーエミッタとを含む。電極は、気道の長手軸に対して相互から離間しており、気道の複数の標的領域にエネルギーを送達するように構成される。エネルギーエミッタと冷却要素とは、気道の表面組織から離間した気道の軟骨輪の間に位置している軟骨間変状部を協働して形成するように構成される。
【0025】
ある実施形態において、管腔内送達デバイスは、拡張可能デバイスと、複数の切除要素および/または電極とを含む切除アセンブリを備える。電極は、拡張可能部材の遠周囲の周囲において離間しており、標的領域において変状部を形成するようにエネルギーを離散した標的領域に出力することが可能である。第1の変状部の少なくとも一部分は、第2の変状部から軸方向に離間し、およびそれに円周方向に隣接するか、または重複する。
【0026】
いくつかの実施形態では、被検体を治療する方法は、気道に対して切除アセンブリを配置するステップと、切除アセンブリから気道の軸方向に離間した標的領域へとエネルギーを出力するステップとを含む。標的領域の外形は、気道の長軸に沿った方向へ見たときに重複する。
【0027】
さらに他の実施形態では、被検体を治療する方法は、気道に沿って送達デバイスのエネルギーエミッタを移動させるステップを含む。エネルギーエミッタの少なくとも1つの電極は、気道の軟骨輪の間に位置している。エネルギーは、軟骨間変状部を形成するように、電極から、気道の長軸に沿って軸方向に分離された場所における標的領域へと送達される。
【0028】
組織を治療するいくつかの方法は、気道の管腔の中に切除アセンブリを配置するステップと、気道の内面付近に配置し、切除アセンブリの少なくとも1つの電極を使用して、エネルギーを気道の組織に送達するステップとを含む。エネルギーは、標的領域の最大断面幅を画定する標的領域の部分が、気道の内面から分離されるように、気道に沿って軸方向に分離される標的領域を損傷させるように送達される。
【0029】
送達デバイスは、いくつかの実施形態では、カテーテルシャフトと、カテーテルシャフトに連結される切除アセンブリとを含む。切除アセンブリは、折り畳み状態から拡張状態まで移動可能な配備可能要素を含む。エネルギーエミッタは、拡張可能部材が配備状態であるときに、身体構造の軸長に沿って相互から軸方向に変位した端を有する変状部を生成するように、エネルギーを放出することが可能である。
【0030】
送達デバイスは、連続的または不連続的である、1つ以上の変状部を生成することができる。変状部は、弓形、渦巻き形状、螺旋形状、波形、蛇行性形状、またはそれらの組み合わせを含む、異なる形状を有することができる。連続の変状部を生成するために、切除アセンブリは、略連続の変状部を形成するようにともに接近して離間した電極を有することができる。代替として、切除アセンブリは、対応する渦巻き形状、螺旋形状、蛇行性形状、または同等物を有する長い電極またはエネルギーエミッタを有することができる。他の実施形態では、電極は、不連続の変状部を形成するように十分な距離で離間していることができる。変状部のパターン、間隔、およびサイズは、標的領域を治療するように選択することができる。
【0031】
ある実施形態では、気道壁に沿った異なる場所で、変状部を同時に形成することができる。いくつかの手技では、傾斜変状部を気道の対向側に形成することができる。軟骨輪を損傷させることを回避するように、輪の間に変状部全体を配置することができる。他の実施形態では、変状部が気管または軟骨輪を横断することができる。
【0032】
図中、同一の参照数字が、同様の要素または行為を識別する。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】図1は、肺、肺の付近または中の血管および神経の説明図である。
【図2】図2は、一実施形態による、左主気管支内に配置された管腔内治療システムの説明図である。
【図3】図3は、左主気管支の中に配置されたアクセス装置から延在する、送達デバイスの説明図である。
【図4A】図4Aは、気管支樹の気道および折り畳んだ切除アセンブリの断面図である。
【図4B】図4Bは、気管支樹の気道および拡張した切除アセンブリの断面図である。
【図5A】図5Aは、気道の平滑筋が収縮され、粘液が気道管腔の中にあるときに、折り畳んだ切除アセンブリを包囲する、気道の断面図である。
【図5B】図5Bは、拡張した切除アセンブリを包囲する、気道の断面図である。
【図6】図6は、組織の温度と対比した組織の深さのグラフである。
【図7】図7は、気道の中の切除アセンブリの側面図である。
【図8】図8は、切除アセンブリを伴う送達デバイスの等角図である。
【図9】図9は、図8の線9−9に沿って得られた、細長いシャフトの断面図である。
【図10】図10は、切除アセンブリの側面図である。
【図11】図11は、図10の切除アセンブリの縦断面図である。
【図12】図12は、アクセス装置から外へ延在する送達デバイスを伴う治療システムの部分断面図である。
【図13】図13は、切除アセンブリの側面図である。
【図14】図14は、図13の線14−14に沿って得られた、配備した切除アセンブリを包囲する気道の断面図である。
【図15】図15は、切除アセンブリの側面図である。
【図16】図16は、傾斜変状部を生成するための切除アセンブリの側面図である。
【図17】図17は、内部通路を伴う切除アセンブリの側面図である。
【図18】図18は、線18−18に沿って得られた、図17の切除アセンブリの断面図である。
【図19】図19は、通気口を伴う切除アセンブリの側面図である。
【図20】図20は、線20−20に沿って得られた、図19の切除アセンブリの断面図である。
【図21】図21は、V字形電極のアレイを伴う切除アセンブリの側面図である。
【図22】図22は、T字形電極を伴う切除アセンブリの側面図である。
【図23】図23は、多重歯切除アセンブリの側面図である。
【図24】図24は、一対の電極アセンブリを伴う切除アセンブリの側面図である。
【図25】図25は、冷却可能電極アセンブリを伴う切除アセンブリの側面図である。
【図26】図26は、図25の線26−26に沿って得られた、電極アセンブリの断面図である。
【図27】図27A〜31Bは、等温線および対応する変状部を示す。
【図28】図27A〜31Bは、等温線および対応する変状部を示す。
【図29】図27A〜31Bは、等温線および対応する変状部を示す。
【図30】図27A〜31Bは、等温線および対応する変状部を示す。
【図31】図27A〜31Bは、等温線および対応する変状部を示す。
【図32】図32は、螺旋切除アセンブリの側面図である。
【図33】図33は、別の螺旋切除アセンブリの側面図である。
【図34】図34は、離間した電極を伴う切除アセンブリの等角図である。
【図35】図35は、気道本体管腔の中に配置された、図34の切除アセンブリの等角図である。
【図36】図36は、図34の切除アセンブリによって形成された変状部の等角図である。
【図37】図37は、冷却剤で冷却した電極を伴う切除アセンブリの等角図である。
【図38】図38は、図37の線38−38に沿って得られた、切除アセンブリの断面図である。
【図39】図39Aは、曲面エネルギーエミッタを伴う切除アセンブリの等角図である。図39Bは、図39Aの切除アセンブリによって治療された血管の等角図である。
【図40】図40Aは、図39Aの切除アセンブリの別の等角図である。図40Bは、図40Aの切除アセンブリによって治療された血管の等角図である。
【図41】図41は、別の実施形態による、切除アセンブリの等角図である。
【図42】図42は、送達構成にある切除アセンブリの等角図である。
【図43】図43は、配備構成にある図42の切除アセンブリの等角図である。
【図43A】図43Aは、図43の切除アセンブリの側面図である。
【図44】図44は、図43の切除アセンブリの遠位部の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
図1は、左肺11および右肺12を有する人間の肺10を図示する。気管20は、鼻および口から下向きに延在し、左主気管支21および右主気管支22に分かれる。左主気管支21および右主気管支22は、それぞれ分岐して、外側方向(すなわち、遠位方向)に連続的により小さい直径および短い長さを有する葉気管支、区域気管支、および亜区域気管支を形成する。主肺動脈30は、心臓の右心室から発生し、肺根24の前を通り過ぎる。肺根24において、動脈30は、左および右肺動脈に分岐し、それらは次に、分岐して分岐血管のネットワークを形成する。これらの血管は、気管支樹27の気道に沿って延在することができる。気管支樹27は、左主気管支21、右主気管支22、細気管支、および肺胞を含む。迷走神経41、42は、気管20に沿って延在し、神経幹45を形成するように分岐する。
【0035】
左および右迷走神経41、42は、脳幹から発生し、頸部を通過し、気管20の両側で胸部を通って降下する。迷走神経41、42は、気管20、左主気管支21、および右主気管支22を包み込む前後肺神経叢を含む、神経幹45の中へ広がる。神経幹45はまた、気管支樹27の分岐気道に沿って、かつその外側に延在する。神経幹45は、結合組織の頑丈な鞘によって一緒に結合される神経線維束を備える、神経の主幹部である。
【0036】
肺10の主要機能は、空気から血液中へ酸素を交換すること、および血液から空気へ二酸化炭素を交換することである。ガス交換の過程は、酸素が豊富な空気が肺10の中へ引き入れられると始まる。横隔膜および肋間胸壁筋の収縮は、協働して、肺10の気道を通して酸素が豊富な空気を流れさせるように、胸部内の圧力を減少させる。例えば、空気は、口および鼻、気管20、次いで、気管支樹27を通過する。空気は最終的に、ガス交換過程のために肺胞嚢に送達される。
【0037】
酸素の乏しい血液は、心臓の右側から肺動脈30を通して拍出され、最終的に肺胞毛細血管に送達される。この酸素の乏しい血液は、二酸化炭素廃棄物の中で豊富である。薄い半透過膜が、肺胞中の酸素が豊富な空気から、毛細血管中の酸素が乏しい血管を分離する。これらの毛細血管は、肺胞を包み込み、その間に延在する。空気からの酸素は、膜を通って血液中に拡散し、血液からの二酸化炭素は、膜を通って肺胞中の空気へ拡散する。次いで、新たな酸素富化血液が、肺胞毛細血管から、肺静脈系の分岐血管を通って心臓へと流れる。心臓は、身体の全体を通して酸素が豊富な血液を拍出する。肺の中の酸素が消耗された空気は、横隔膜および肋間筋が弛緩し、肺および胸壁が弾性的に通常の弛緩状態に戻ると吐き出される。このようにして、空気は、分岐細気管支、気管支21、22、および気管20を通って流れることができ、最終的に口および鼻を通して排出される。
【0038】
図2は、呼気または吸気、あるいは両方の間に、空気流を調整するように治療を行うことが可能な治療システム200を示す。ガス交換に対する空気流抵抗を減少させるために、治療システム200は、気道を拡大する(例えば、拡張する)ために使用することができる。いくつかの手技では、気道を拡張するように、(肺の内側または外側の)神経幹の神経組織(例えば、神経組織)に影響を及ぼすことができる。神経系は、電気および化学信号を使用して、脳と肺10との間の通信を提供する。自律神経系の神経組織網は、呼吸器系および血管系の活性を感知し、調節する。神経組織は、1つの身体部分から別の部分へ感覚および運動情報を伝送するために化学および電気信号を使用する、線維を含む。例えば、神経組織は、筋肉の収縮または他の応答を引き起こす信号等の神経系入力の形態で、運動情報を伝送することができる。線維は、ニューロンで構成することができる。神経組織は、結合組織、すなわち、神経上膜によって包囲することができる。自律神経系は、交感神経系および副交感神経系を含む。交感神経系は、大部分はストレス期間中の「興奮性」機能に関与する。副交感神経系は、大部分はエネルギー節約期間中の「植物性」機能に関与する。交感および副交感神経系は、同時に活性であり、概して、器官系に互恵的効果を及ぼす。血管の神経支配が両方の神経系から発生する一方で、気道の神経支配は、大部分は本質的に副交感神経であり、右迷走神経42および左迷走神経41の中で肺と脳との間を進行する。
【0039】
これらの神経幹45と関連付けられる肺の部分に影響を及ぼすように、これらの神経幹のうちの1つ以上に、任意の数の手技を行うことができる。神経幹45網の中の神経組織のうちのいくつかが、他の神経(例えば、食道に接続される神経、胸部を通って腹部の中へ入る神経、および同等物)と連合するため、不要な非標的神経または構造を最小化する、制限する、または実質的に排除するように、特定の部位を標的にすることができる。前後肺神経叢のいくつかの線維は、肺10の中へ外向きに進行するにつれて、気管20の外面ならびに気管支分岐および細気管支に沿って延在する、小神経幹と連合する。気管支分岐に沿って、これらの小神経幹は、継続的に相互に分岐し、気道の壁の中へ線維を送る。
【0040】
治療システム200は、特定の関心の部位と関連付けられる、迷走神経組織等の特定の神経組織に影響を及ぼすことができる。迷走神経組織は、神経分岐内で相互と平行に配向される、遠心性線維および求心性線維を含む。遠心性神経組織は、脳から気道エフェクタ細胞、大部分は気道平滑筋細胞および粘液産生細胞に信号を伝送する。求心性神経組織は、刺激物に応答し、脳まで及ぶ、気道感覚受容器からの信号を伝送する。遠心性神経組織が、気管20から終末細気管支まで平滑筋細胞に神経を分布する一方で、求心性線維神経支配は、大部分は気管20および大気管支に限定される。基準レベルの平滑筋収縮および粘液分泌を引き起こす、気道への遠心性迷走神経組織の一定の基準緊張性活動がある。治療システム200は、遠心性および/または求心性組織に影響を及ぼして、気道平滑筋(例えば、平滑筋に神経を分布する)、粘液分泌、神経媒介炎症、および組織液含有量(例えば、浮腫)を制御することができる。肺疾患と関連付けられる、気道平滑筋の収縮、過剰な粘液分泌、炎症、および気道壁浮腫はしばしば、比較的高い空気流抵抗をもたらし、ガス交換および減少した肺機能を引き起こす。
【0041】
ある手技では、神経組織は、筋肉収縮、粘液産生、炎症、浮腫、および同等物を引き起こすか、または媒介する、迷走神経41、42に沿って進行する信号の伝送を減衰させるように切除される。減衰は、限定ではなく、信号の伝送の限定、妨害、制限、阻止、および/または中断を含むことができる。例えば、減衰は、神経信号の信号増幅を減少させること、または神経信号の伝送を弱めることを含むことができる。遠位気道への神経系入力を減少させること、または停止することにより、気道平滑筋緊張、気道粘液産生、気道炎症、および同等物を改変し、それにより、肺10の内外への空気流を制御することができる。気道および肺から局所エフェクタ細胞または中枢神経系への感覚入力を減少させること、または停止することにより、気道壁浮腫を引き起こす場合がある、反射性気管支収縮、反射性粘液産生、炎症性メディエータの放出、および体内の肺または他の器官の中の他の細胞への神経系入力を減少させることもできる。いくつかの実施形態では、神経系入力は、それに対応して気道平滑筋緊張を減少させるように減少させることができる。いくつかの実施形態では、気道粘液産生は、咳および/または空気流抵抗の大幅な減少を引き起こすように十分な量で減少させることができる。いくつかの実施形態では、気道炎症は、空気流抵抗および気道壁への継続的な炎症性損傷の大幅な減少を引き起こすために十分な量で減少させることができる。信号減衰は、平滑筋が弛緩することを可能にし、粘液産生細胞による粘液産生を防止し、制限し、または実質的に排除し、炎症を減少させることができる。このようにして肺機能を調整するために、健康および/または罹患気道を改変することができる。治療後、治療に対する被検体の応答を評価するために、種々の種類の質問表または検査を使用することができる。必要または所望であれば、咳の頻度を低減する、息切れを減少させる、喘鳴を減少させる、および同等物を行うために付加的な手技を行うことができる。
【0042】
気管支樹27の遠位部分に影響を及ぼすように、図1および2の主気管支21、22(すなわち、気道世代1)を治療することができる。いくつかの実施形態では、左および右主気管支21、22が、左および右肺根24に沿った左および右肺11、12の外側の場所で治療される。治療部位は、迷走神経枝が気管および主気管支21、22に接続する場所より遠位にあり、かつ肺11、12より近位にあり得る。気管支樹27の大部分または全体を治療するために、2つの治療用途を伴う単一の治療セッションを使用することができる。高レベルの治療有効性を提供するように、肺11、12の中へ延在する気管支枝の実質的に全てが影響を受けてもよい。主気管支21、22の中の気管支動脈が比較的大きい直径および高いヒートシンク能力を有するため、気管支動脈は、治療による意図しない損傷から保護されてもよい。
【0043】
図3は、アクセス装置206を通って延在するカテーテルシステム204の形態の送達デバイスを示す。カテーテルシステム204は、主気管支21、22の気道、ならびに主気管支21、22より遠位にある気道を治療することができる。切除アセンブリ208は、右または左主気管支、葉気管支、または中間気管支内の肺の外側に配置することができる。中間気管支は、右主気管支の一部分ならびに中および下葉気管支の始点によって形成される。切除アセンブリ208はまた、気管支樹27の遠隔遠位部分に影響を及ぼすように、高世代気道(例えば、気道世代>2)に配置することもできる。
【0044】
カテーテルシステム204は、例えば、葉の一部分、葉全体、複数の葉、または1つの肺あるいは両方の肺の脱神経等の広範囲の異なる手技を行うように、蛇行性気道を通してナビゲートすることができる。いくつかの実施形態では、葉気管支は、肺葉の神経を麻痺させるように治療される。例えば、葉気管支に接続される葉全体の神経を麻痺させるように、その葉気管支に沿った1つ以上の治療部位が標的にされてもよい。左上葉および/または左下葉に影響を及ぼすように、左葉気管支を治療することができる。右上葉、右中葉、および/または右下葉に影響を及ぼすように、右葉気管支を治療することができる。葉は、同時に、または連続的に治療することができる。いくつかの実施形態では、医師が1つの葉を治療することができる。治療の有効性に基づいて、医師は、同時に、または連続的に、付加的な葉を治療することができる。このようにして、気管支樹の異なる隔離領域を治療することができる。
【0045】
各区域気管支に沿った単一の治療部位にエネルギーを送達することによって、各区域気管支が治療されてもよい。例えば、エネルギーは、右肺の各区域気管支に送達することができる。いくつかの手技では、エネルギーの10回の引加が、右肺の大部分または実質的に全体を治療することができる。いくつかの手技では、エネルギーの36回未満の異なる引加を使用して、両方の肺の大部分または実質的に全体が治療される。気管支樹の解剖学的構造に応じて、区域気管支はしばしば、エネルギーの1回または2回の引加を使用して神経を麻痺させることができる。
【0046】
粘液腺、繊毛、平滑筋、体内の管(例えば、血管)、および同等物等の他の組織または解剖学的特徴の機能は、神経組織が切除されたときに維持することができる。神経組織は、神経細胞、神経線維、樹状突起、および神経膠等の支持組織を含む。神経細胞は、電気インパルスを伝送し、神経線維は、インパルスを伝導する延長軸索である。電気インパルスは、エフェクタ細胞または他の神経細胞と通信するように化学信号に変換される。一例として、神経組織によって伝送される1つ以上の神経系信号を減衰させるように、気管支樹27の気道の一部分の神経を麻痺させることができる。脱神経は、実質的に全ての信号が、神経幹の損傷部を通って気管支樹に沿ったより遠位の場所へと、または気管支樹から中枢神経系へとより近位に進行することを阻止するように、気道に沿った神経幹の一部の神経組織の全てを損傷させることを含むことができる。加えて、気道中の感覚受容器(例えば、咳および刺激受容器)から付近の細胞(例えば、節後神経細胞、平滑筋細胞、粘液細胞、炎症細胞、および血管細胞)まで直接進む神経線維に沿って進行する、信号も停止される。複数の神経幹が気道に沿って延在する場合、各神経幹を損傷させることができる。このようにして、気管支樹の一部に沿った神経供給を切断することができる。信号が切断されると、遠位気道平滑筋が弛緩することができ、気道拡張につながり、粘液細胞が粘液産生を減少させ、または炎症細胞が気道壁腫脹および浮腫の生成を止める。これらの変化は、肺10の中のガス交換を増加させるよう、空気流抵抗を低減し、それにより、息切れ、喘鳴、胸苦しさ、および同等物等の1つ以上の症状を低減する、制限する、または実質的に排除する。標的神経組織を包囲する、またはそれに隣接する組織は、影響を受けてもよいが、永久的に損傷されなくてもよい。いくつかの実施形態では、例えば、治療された気道に沿った気管支血管は、同様の量の血液を気管支壁組織に送達することができ、治療された気道に沿った肺血管は、治療の前後に、同様の量の血液を気管支樹27の遠位領域における肺胞嚢に送達することができる。これらの血管は、十分なガス交換を維持するように血液を輸送し続けることができる。いくつかの実施形態では、気道平滑筋は、有意な程度まで損傷されない。例えば、呼吸機能にかなりの影響を及ぼさない、気道壁中の平滑筋の比較的小さい一部が、可逆的に改変されてもよい。エネルギーが気道の外側の神経組織を破壊するために使用される場合、治療的有効量のエネルギーは、非標的平滑筋組織の有意な部分に到達しない。
【0047】
左および右主気管支21、22のうちの1つが、気管支樹27の片側を治療するように治療される。他方の主気管支21、22は、第1の治療の有効性に基づいて治療することができる。例えば、左主気管支21は、左肺11を治療するように治療することができる。右主気管支22は、右肺12を治療するように治療することができる。いくつかの実施形態では、単一の治療システムが、気管支21、22のうちの1つの神経組織を損傷させることができ、かつ気管20から治療システムを除去することなく、他方の主気管支21、22の神経組織を損傷させることができる。したがって、気管20から治療システムを除去することなく、主気管支21、22に沿って配置された神経組織を損傷させることができる。いくつかの実施形態では、患者の気管支樹の実質的に全体、または少なくとも有意な部分(例えば、気管支気道の少なくとも50%、70%、80%、90%)を好都合に治療するように、単一の手技を行うことができる。他の手技では、治療システムは、肺11、12のうちの1つを治療した後に患者から除去することができる。必要であれば、他方の肺11、12を後続の手技で治療することができる。
【0048】
図4Aは、気管支として図示される、健康な気道100の横断面図である。内面102は、支質112aによって包囲される上皮110の襞状層によって画定される。平滑筋組織114の層は、支質112aを包囲する。支質112bの層は、筋肉組織114と結合組織124との間にある。粘液腺116、軟骨板118、血管120、および神経線維122は、支質層112b内にある。気管支動脈分岐130および神経幹45は、気道100の壁103の外部にある。図示した動脈130および神経幹45は、気道壁103を包囲する結合組織124内にあり、気道100と略平行に配向することができる。例えば、図1では、神経幹45は、迷走神経41、42から発生し、空気嚢へ向かって気道100に沿って延在する。神経線維122は、気道壁103の中にあり、神経幹45から筋肉組織114まで延在する。神経系信号は、神経線維122を介して、神経幹45から筋肉114および粘液腺116へと伝送される。加えて、信号は、感覚受容器(例えば、咳、刺激物、および伸張)から神経幹45を通して中枢神経系へと伝送される。
【0049】
粘膜繊毛輸送を制御する(例えば、増加または減少させる)ために、上皮110に沿って所望の応答を引き起こすように、繊毛を損傷させる、興奮させる、または別様に改変することができる。個人が呼吸するにつれて多くの粒子が吸入され、気道が空気から粒子を除去するフィルタとして機能する。粘膜繊毛輸送系は、肺10の全体を通して全ての気道に対する自浄機構として機能する。粘膜繊毛輸送は、肺10の遠位部分からの粘液除去のための主要な方法であり、それにより、肺10に対する主要な免疫障壁としての機能を果たす。例えば、図4Aの内面102は、繊毛で覆い、粘液で被覆することができる。粘膜繊毛輸送系の一部として、粘液は、多くの吸入した粒子(例えば、タバコの煙等の不要な汚染物質)を閉じ込め、これらの粒子を喉頭に向かって移動させる。繊毛の繊毛拍動が、一面の連続的な粘膜および閉じ込められた粒子を、粘膜繊毛輸送系から排出するために、肺10の遠位部分から喉頭を通り過ぎて咽頭まで移動させる。切除アセンブリ208は、繊毛を損傷させて粘膜繊毛輸送を減少させるか、または繊毛を興奮させて粘膜繊毛輸送を増加させることができる。
【0050】
切除アセンブリ208は、気道壁103の内側の標的領域(例えば、支質112a、112b、神経幹45等の中の解剖学的特徴)を選択的に治療するように、図4Bの拡張状態に移動させられる。例えば、粘液腺116は、必要または所望であれば、効果的な粘膜繊毛輸送を維持するように十分な粘液産生を保ちながら、増加した空気流抵抗を引き起こす粘液の蓄積を防止するのに十分な量で粘液産生を低減するように、損傷させることができる。気道壁103または気道壁103の中の他の解剖学的特徴を通過する神経枝/線維も破壊することができる。変状部は、気道100を通る空気流を有意に低減する狭窄または瘢痕組織を防止するように、特定の場所において形成される。
【0051】
天然身体機能は、組織への損傷を防止する、低減する、または制限するのに役立つことができる。血管130内の血液は、熱エネルギーを吸収することができ、次いで、分岐130の加熱部から熱エネルギーを運び去ることができる。このようにして、血液は、血管130への損傷を軽減または回避することができる。治療が行われた後、気管支動脈分岐130は、肺組織の健康を維持し続けることができる。いくつかのRF切除の実施形態では、切除アセンブリ208は、血管130を破壊することなく、神経幹45の縦断面全体を破壊するように、十分な量のRFエネルギーを出力する。
【0052】
治療有効性は、1つ以上の気道属性、肺機能検査、運動能力検査、および/または質問表に少なくとも部分的に基づいて評価することができる。被検体は、進行を追跡および監視するように評価することができる。必要または所望であれば、所望の応答が達成されるまで、付加的な手技を行うことができる。気道属性を評価するための異なる種類の器具が使用されてもよい。切除中、器具からのフィードバックは、標的組織が切除されたかどうかを示すことができる。いったん標的組織が切除されると、もしあれば、非標的組織への巻き添え損傷を最小化または制限するように、治療を中断することができる。
【0053】
行われる手技を決定するように、気道の異なる属性を評価することができる。そのような気道属性は、限定ではなく、気道の物理的性質(例えば、気道の柔軟性、収縮性等)、気道抵抗、気道管腔の寸法(例えば、気道の形状、気道の直径等)、気道の反応性(例えば、刺激への反応性)、筋肉特性(例えば、筋緊張、筋肉の緊張等)、炎症性細胞、炎症性サイトカイン、または同等物を含む。いくつかの実施形態では、既知の圧力まで膨張させられる、切除アセンブリ208の圧力変化を測定することによって、気道筋肉特性の変化を監視することができる。圧力変化に基づいて、医師は、もしあれば、限定ではなく、標的組織が刺激されたか、切除されたか、または同等のことが行われたかどうかを含む、治療の効果を決定する。
【0054】
図5Aおよび5Bは、収縮状態の平滑筋組織114、肥大した粘液腺116からの粘液150、および気道壁103を肥厚化する炎症性腫脹および浮腫を有する、気道100の一部分の横断面図である。収縮した筋肉組織114、粘液150、および肥厚化した気道壁103は、協働して管腔101を部分的に閉塞し、比較的高い空気流抵抗をもたらす。神経組織45は、筋肉組織114を弛緩させて気道100を拡張し、空気流抵抗を低減するように損傷させられ、それにより、より多くの空気がガス交換過程のために肺胞嚢に到達することを可能にする。気道抵抗の減少は、気道の通路が、例えば、これらの気道への神経系入力の減衰に反応して、開いていることを示してもよい。気道抵抗が治療後に有意に増加しないことを確実にするように、狭窄を制限または最小化することができる。したがって、治療は、治療後の有意な時間の長さの後でさえも、気道流抵抗の永久的な減少があることを確実にする。
【0055】
低世代気道(例えば、主気管支、葉気管支、区域気管支)を治療することと関連付けられる気道抵抗の減少は、高世代気道(例えば、亜区域気管支)を治療することと関連付けられる気道抵抗の減少の量よりも大きくてもよい。医師は、気道抵抗の所望の減少を達成するように、治療のために適切な気道を選択することができ、患者の口、治療部位、気道、または任意の他の好適な場所に近接する気管支枝において測定することができる。気道抵抗は、治療を行う前、治療中、および/または治療後に測定することができる。いくつかの実施形態では、気道抵抗は、例えば、治療部位より遠位にある領域からの呼吸を可能にする、通気式治療システムを使用して、気管支樹内の場所で測定される。
【0056】
切除アセンブリ208は、神経45を切除して気道100を永久的に拡張するために、エネルギーを使用することができる。本明細書で使用される、「エネルギー」という用語は、限定ではなく、熱エネルギー、極低温エネルギー(例えば、冷却エネルギー)、電気エネルギー、音響エネルギー(例えば、超音波エネルギー)、無線周波数エネルギー、パルス高電圧エネルギー、機械エネルギー、電離放射線、光学エネルギー(例えば、光エネルギー)、およびそれらの組み合わせ、ならびに組織を治療するために好適な他の種類のエネルギーを含むように広く解釈される。いくつかの実施形態では、カテーテルシステム204は、エネルギー、およびまた、1つ以上の物質(例えば、放射性シード、放射性物質等)、治療薬、および同等物を送達する。例示的な非限定的治療薬は、1つ以上の抗生物質、抗炎症剤、薬学的活性物質、気管支収縮剤、気管支拡張剤(例えば、ベータアドレナリン作動薬、抗コリン作用薬等)、神経遮断薬、光反応性薬、またはそれらの組み合わせを含む。例えば、一時的または永久的に信号伝送を減衰させるように、長時間作用型または短時間作用型神経遮断薬(例えば、抗コリン作用薬)を神経組織に送達することができる。ビッスツはまた、神経組織を化学的損傷させるように、神経122または神経幹45、あるいは両方に直接送達することもできる。
【0057】
図6および7は、RFエネルギーによる表面および深部加熱、および切除アセンブリ208の中で冷却剤を循環させることによる表面冷却によって生じる効果を示す。冷却剤は、切除アセンブリ208の冷却部209に触れる組織が冷却されるように、熱エネルギーを吸収する。冷却部209は、切除アセンブリ208と神経または他の標的組織との間の組織への損傷を制限または防止するように、気道壁100から十分な量の熱エネルギーを吸収することができる。
【0058】
図6は、摂氏度単位の組織の温度に対応する長手軸とともに、ミリメートル単位の電極アセンブリ214と接触または近接する点から組織の中への深さに対応する横軸を有するグラフを示す。図中の温度は、他に示されない限り、摂氏度である。グラフ上の点「0」は、電極アセンブリ214と気道壁の組織との間の接触点または領域に対応する。3つの曲線A、B、およびCがグラフに示されており、組織の中へ送達されている3つの異なる出力レベルの無線周波数エネルギーに対応する。グラフ上の温度は、最大約100℃である。RF切除中の組織温度の上限であると見なされるため、約100℃またはわずかに下回る温度が示されている。約90℃で、組織液が沸騰し始め、組織が凝固して炭化し、それにより、そのインピーダンスを多いに増加させ、気道壁の組織の中へRFエネルギーを移送する能力を損なう。したがって、組織温度を約90℃以下にとどまらせることが望ましくてもよい。少なくとも50℃で、線216は、それ以上で組織細胞死が発生し、それ以下で組織が大幅な長期効果を被らない(またはいずれの長期効果も被らない)温度を表す。
【0059】
図6に示される曲線Aは、比較的低い電力レベル、例えば、約10ワットのRFエネルギーでの電極アセンブリ214の冷却を伴って、および伴わずに発生するものを表す。曲線Aは、3つの線分A1、A2、およびA3に分けられる。破線分A2は、冷却が適用されない時の指数曲線A3の継続を表す。曲線Aによって分かるように、冷却がない電極・組織界面の温度は、80℃に達し、気道100の組織の中への距離が増加するにつれて指数関数的に減少する。示されるように、曲線A3は、約5ミリメートルの深さにおいて、線216によって表される50℃組織細胞死境界を越える。したがって、電極冷却がないと、発生する細胞死の深さは、距離d1によって表されるように約5ミリメートルとなる。さらなる細胞死は、この電力レベルで停止する。
【0060】
活性冷却が採用される場合、温度は、はるかに低いレベル、例えば、0ミリメートルの距離にある電極・組織界面において曲線A1によって表される約35℃まで降下する。この温度が50℃を下回るため、曲線A2が50℃における細胞死線を越える点でのd2の距離、例えば、表面から3ミリメートルの深さまで、細胞死は始まらない。細胞死は、距離d3によって表されるように、3ミリメートルから5ミリメートルの深さで発生する。そのような冷却切除手技は、上皮および上皮のすぐ下に位置する組織を破壊することなく、細胞死および組織破壊が電極・組織界面からある距離(または一連の距離)を置いて発生することを可能にするため、有利である。いくつかの実施形態では、支質および平滑筋細胞等の上皮または基礎構造を損傷させることなく、気道の外側に沿って走る神経組織を切除することができる。
【0061】
曲線Bは、比較的高い電力レベル、例えば、20ワットのRFエネルギーでの電極の冷却を伴って、および伴わずに発生するものを表す。曲線Bの線分B2は、冷却を伴わない線分の指数曲線B3の継続を表す。図に示されるように、電極・組織界面における温度は、100℃に達し、それは、組織液の沸騰および組織・電極界面における組織の凝固および炭化が発生し、したがって、組織インピーダンスを有意に増加させ、気道壁の中へ付加的なRFエネルギーを送達する能力を損なう温度であるため、望ましくない場合がある。能動冷却を提供することによって、曲線B1は、電極・組織界面における温度が約40℃まで降下することと、細胞死がd4によって表されるような2ミリメートルの深さから、曲線B3が50℃組織細胞死境界を越える、約8ミリメートルの深さまでで発生することとを示す。したがって、望ましくない高温(例えば、電極・組織界面における組織の凝固および炭化をもたらす温度)に達することなく、より高い電力レベルを使用して、細胞死のはるかに深く大きい領域を提供することが可能であることが分かる。システムは、表面が破壊される必要がないように、気道の上皮表面より下側で細胞死を達成し、したがって、治療からの患者による早期回復を促進するために使用することができる。
【0062】
曲線Cは、なおもより高い電力レベル、例えば、40ワットのRFエネルギーを表す。曲線Cは、線分C1、C2、およびC3を含む。破線分C2は、指数曲線C3の継続である。線分C2は、電極・組織界面における温度が100℃をはるかに超え、能動冷却がないと望ましくないことを示す。能動冷却を用いると、電極・組織界面における温度は、80℃に達し、徐々に増加して95℃に達し、次いで、距離d6によって表される気道の上皮表面における電極・組織界面から約15ミリメートルの距離で、50℃細胞死線216を越えるように指数的に降下する。開始温度が50℃細胞死線216を上回るため、組織細胞死は、上皮表面から約15ミリメートルの深さまでで発生し、組織破壊の大きく深い領域を提供する。
【0063】
図7は、組織を切除するように、それを通してRFエネルギーが送達される、気道壁の断面での断面温度プロファイルを示す。それらの派生語を含む、「切除する」または「切除」という用語は、限定ではなく、組織の電気的性質、機械的性質、化学的性質、または他の性質の大幅な改変を含む。切除は、組織を破壊すること、または永久的に損傷させる、負傷させる、あるいは外傷を与えることを伴うことができる。例えば、切除は、局部的な組織破壊、細胞溶解、細胞のサイズ縮小、壊死、またはそれらの組み合わせを含んでもよい。肺切除用途との関連で、「切除」という用語は、切除された神経組織を通した電気信号の伝送を実質的に阻止するように、神経組織性質を十分に改変することを含む。
【0064】
等温曲線は、電力が電極アセンブリ214に引加され、冷却剤(例えば、室温の生理食塩水または冷やした生理食塩水)がバルーン212に送達されたときに、電極・組織表面215から気道壁100の中への異なる深さで電極アセンブリ214において達する温度を示す。「拡張可能要素」または「配備可能要素」との関連での「要素」という用語は、離散要素または複数の離散要素を含む。一例として、拡張可能要素は、単一のバルーン、または相互と流体連通している複数のバルーンとなり得る。
【0065】
電極アセンブリ214の中への電力送達の速度、冷却剤がバルーン212の中へ通される速度、冷却剤の温度、およびバルーン212のサイズを調整することによって、等温線を修正することができる。冷却剤の適正な温度および流速、ならびに電極アセンブリ214への電力送達の速度を選択することによって、等温線A=60℃、B=55℃、C=50℃、D=45℃、E=40℃、およびF=37℃である、温度を達成することが可能である。さらなる調整は、等温線A=50℃、B=47.5℃、C=45℃、D=42.5℃、E=40℃、およびF=37℃である、温度を達成することを可能にする。50℃等温泉内に含有される領域のみが、細胞死を誘発するほど十分に加熱される。いくつかの手技では、気道壁の中で約2mmから約8mmの深さにある組織を切除することができる一方で、気道壁の中で2mm未満の深さにある他の非標的組織は、細胞死を引き起こす温度以下の温度で保たれる。
【0066】
図8を参照すると、カテーテルシステム204は、細長いシャフト230を有するカテーテル207に連結される制御モジュール210を含む。バルーン212は、折り畳み状態から図示した拡張状態まで膨張させることができる。バルーン212が膨張するにつれて、電極アセンブリ214を気道壁に向かって移動させることができる。膨張したバルーン212は、それを通してエネルギーが送達される組織の付近で(例えば、組織に近接または接触して)電極アセンブリ214を保持するのに役立つことができる。冷却剤は、バルーン212または電極アセンブリ214、あるいは両方を冷却するように、熱エネルギーを吸収することができる。
【0067】
制御モジュール210は、概して、コントローラ244と、流体送達システム246とを含む。コントローラ244は、限定ではなく、1つ以上のプロセッサ、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、および/または特定用途向け集積回路(ASIC)、メモリデバイス、バス、電源、および同等物を含む。例えば、コントローラ244は、1つ以上のメモリデバイスと通信しているプロセッサを含むことができる。バスは、内部または外部電力供給をプロセッサに結び付けることができる。メモリは、例えば、1つ以上のバッファ、レジスタ、ランダムアクセスメモリ(RAM)、および/または読み出し専用メモリ(ROMs)を含む、種々の形態を成してもよい。コントローラ244はまた、画面等のディスプレイ245と、入力デバイス250とを含んでもよい。入力デバイス250は、キーボード、タッチパッド、または同等物を含むことができ、カテーテル207を制御するようにユーザによって操作することができる。
【0068】
コントローラ244は、異なるプログラムを記憶することができる。ユーザは、組織および所望の標的領域の特性に対処するプログラムを選択することができる。例えば、空気で充填された肺は、比較的高いインピーダンスを有することができ、リンパ節は、中間のインピーダンスを有することができ、血管は、比較的低いインピーダンスを有することができる。コントローラ244は、インピーダンスに基づいて適切なプログラムを決定することができる。性能は、温度、組織インピーダンス、または同等物を検出するセンサからのフィードバックに基づいて最適化することができる。例えば、コントローラ244は、組織温度に基づいて切除アセンブリ208の動作を制御することができる。組織表面温度が過剰に高くなった場合、表面組織を保護しながら深部変状部を生成するために、冷却を増加させることができ、および/または電極電力を減少させることができる。
【0069】
内部電力供給248(図8の鎖線で図示される)は、無線周波数(RF)発電機等のエネルギー発生器となり得る。RFエネルギーは、所望の周波数で出力することができる。周波数の実施例は、限定ではなく、約50KHZから約1,000MHZの範囲内の周波数を含む。RFエネルギーが組織の中へ方向付けられるときに、エネルギーは、組織内で熱に変換され、組織の温度を約40℃から約99℃の範囲内にさせる。RFエネルギーは、約1秒から約120秒間にわたって引加することができる。いくつかの実施形態では、RF発生器248は、単一のチャネルを有し、約1〜25ワットのRFエネルギーを送達し、連続流能力を保有する。他の範囲の周波数、時間間隔、および電力出力も使用することができる。代替として、内部電力供給248は、1つ以上のバッテリ等のエネルギー貯蔵デバイスとなり得る。電気エネルギーは、電気エネルギーをRFエネルギーまたは別の好適な形態のエネルギーに変換する、電極アセンブリ214に送達することができる。送達されてもよい他の形態のエネルギーは、マイクロ波、超音波、直流、または電磁エネルギーを含む。代替として、極低温切除が利用されてもよい。極低温における流体は、切除アセンブリ208上の極低温熱交換器を冷却するように、シャフト230を通して送達することができる。
【0070】
流体送達システム246は、供給ライン268に連結される流体源260と、帰還ライン272に連結される流体容器262とを含む。流体源260は、筐体ユニット264の中で保持されるコンテナ(例えば、ボトル、キャニスタ、タンク、または流体を保持するための他の種類の容器)を含むことができる。加圧可能な実施形態では、流体源260は、冷却剤を加圧する1つ以上の加圧デバイス(例えば、1つ以上のポンプ、コンプレッサ、または同等物)を含む。温度制御デバイス(例えば、ペルティエデバイス、熱交換器、または同等物)は、流体を冷却または再調節することができる。流体は、生理食塩水、脱イオン水、冷媒、極低温流体、ガス、または同等物を含む、冷却剤となり得る。他の実施形態では、流体源260は、冷蔵冷却剤を保持し、供給ライン268に送達する、絶縁コンテナとなり得る。冷却剤は、送達管腔326に沿って細長いシャフト230を通って遠位に流れ、切除アセンブリ208を充填する。切除アセンブリ208からの冷却剤は、帰還管腔324を介して細長いシャフト230を通って近位に流れ、最終的に容器262に流入する。
【0071】
センサ247(鎖線で図示される)は、コントローラ244に通信可能に連結される。コントローラ244は、センサ247(例えば、圧力センサ、温度センサ、熱電対、圧力センサ、接触センサ、または同等物)からの信号に基づいて、カテーテル207に命令することができる。センサはまた、電極アセンブリ214の上に、細長いシャフト230に沿って、または任意の他の場所に配置することもできる。閉ループ動作モードでは、1つ以上の組織特性、エネルギー分布、組織温度、または任意の他の測定可能な関心のパラメータを示す、1つ以上の信号を伝送(または送信)するように構成することができる、センサ247からのフィードバック信号に基づいて、電気エネルギーを電極アセンブリ214に送達することができる。これらの測定値に基づいて、コントローラ244は、電極アセンブリ214の動作を調整する。開ループ動作モードでは、電極アセンブリ214の動作は、ユーザ入力によって設定することができる。例えば、ユーザは、組織温度またはインピーダンス測定値を観察し、電力レベルを手動で調整することができる。代替として、電力を固定電力モードに設定することができる。さらに他の実施形態では、カテーテルシステム204は、閉ループ動作モードと開ループ動作モードとの間で切り替えることができる。
【0072】
図8および9を参照すると、細長いシャフト230は、電力ライン管腔320a−hと、送達管腔326と、帰還管腔324とを含む。電力ライン280a−280h(集合的に「280」)は、それぞれ、電力ライン管腔320a−320h(集合的に「320」)を通って延在し、コントローラ244を電極アセンブリ214に連結する。細長いシャフト230は、全体的または部分的に、1つ以上の金属、合金(例えば、ステンレス鋼等の合金鋼)、プラスチック、ポリマー、およびそれらの組み合わせ、ならびに他の生体適合性材料で作製することができ、高度に分岐した気道に沿って好都合に通過するように可撓性となり得る。
【0073】
図10および11を参照すると、電力ライン280は、電力供給248から電極アセンブリ214までエネルギーを送達する。いくつかの実施形態では、電力ライン280は、チャンバ234およびバルーン212の外壁を通過する。他の実施形態では、電極アセンブリ214用のコネクタが、チャンバ234内に位置している。電力ライン280は、体液への暴露を回避するように、コネクタと細長いシャフト230との間に延在することができる。
【0074】
電極アセンブリ214は、限定ではなく、単極電極、双極電極、金属電極、ワイヤ電極、針電極、または同等物を含むことができ、それぞれ血管または身体構造の周囲の一部分のみに沿って延在する、一連の周囲変状部を形成することができる。身体構造が気道である場合、変状部のそれぞれは、気道の管腔を少なくとも部分的に包囲することができる。変状部は、360度(例えば、約25度から約45度)未満の弧の長さを有することができる。いくつかの実施形態では、変状部は、身体構造の長手軸に対して離間している。一緒に、変状部は所望の周囲を覆う。例えば、変状部は、相互から長手方向に離間している間に、次の変状部の開始部と円周方向に(例えば、身体構造の軸長に沿って見たときに)重複し、それにより、気道(またはその一部分)の周囲全体が治療されていることを確実にすることができる。
【0075】
電極アセンブリ214は、バルーン212の回りに円周方向に離間した電極229を含む。各電極229は、一対の露出電極要素を有する。電極229dの電極要素231dおよび隣接する電極229eの要素231eは、半径方向に隣接する組織を切除するRF弧を協働して形成することができる。電極229は、バルーン212の外面に連結することができる。他の実施形態では、電極229は、バルーン212の側壁に埋め込むか、または別様にバルーン212に固定することができる。
【0076】
RF電力が組織を通して伝送されるように、隣接する電極229は、一方の電極が正であり、他方の電極が負である双極方式で操作されてもよい。電極229が単極電極である場合、電極は、各電極の独立した制御を可能にするように、別個の電力ライン280に連結することができる。代替として、電極229は、一緒に操作されるように、同じ電力ラインに連結されてもよい。
【0077】
バルーン212は、全体的または部分的に、ポリマー、プラスチック、シリコン、ゴム、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、化学的不活性物質、無毒物質、電気的絶縁物質、それらの組み合わせ、または同等物で作製することができる。熱伝達を強化するために、バルーン側壁は、高い熱伝導率を伴う1つ以上の伝導性材料を備えることができる。例えば、伝導性片(例えば、金属片)は、もしあれば、高温点から熱エネルギーを奪うのに役立つことができる。バルーン212は、気道表面上の不整形(例えば、軟骨輪、側枝等)に一致することができ、全体的または部分的に、ポリウレタン、または透明、半透明、あるいは不透明であってもよい他の種類の極めて適合性の材料等の、膨張性材料で作製することができる。バルーン212は、ホットドッグ形、卵形、円筒形、または同等物を含む、異なる膨張形状を有することができる。人間の気管支樹を治療するために、膨張したバルーン212の直径Dは、約12mmから約18mmの範囲内となり得る。強化した治療融通性のために、膨張したバルーンの直径は、約5mmから約25mmまでの範囲内であってもよい。バルーン212は、他の動物の他の器官または組織を治療するようにサイズ決定することができる。バルーン212を膨張させるために、図11に示されるように、送達管腔326に沿って、入口ポート225を通して流体が送達される。冷却剤は、チャンバ234内で循環し、次いで、帰還管腔324に沿って近位に流れる。
【0078】
図12および13は、治療システム200を使用する1つの例示的な方法を示す。気道100治療を行う前、間、および/または後に、治療部位(単数・複数)および非標的組織の場所を特定し、評価するために気道100が視認されることができる。アクセス装置206は、ガイドチューブ、送達鞘、気管支鏡、または内視鏡となり得て、光学視認デバイス(例えば、カメラ)、光学縦列(例えば、一式のレンズ)、および同等物等の1つ以上の視認デバイスを含むことができる。気道神経幹または症状の位置を特定するために、気道の周囲の回りの異なる領域を刺激する(例えば、電気的に刺激する)ことができる。気管支収縮の検出は、その刺激が行われる気道の長さに沿った点よりも遠位の気道平滑筋収縮を測定することによって達成されてもよい。筋収縮は、気道に近接または接触している膨張したバルーンまたは他の種類のセンサの圧力の変化を監視することによって、測定することができる。この技法は、気道狭窄の危険性を低減または排除するために治療される気道の円周方向領域を最小化または制限することができる。神経の場所は、気道神経の位置を特定するために、気道の周囲に沿った点における神経電気信号を測定することによって決定することができる。神経信号増幅を増加させ、気道周囲の付近の気道神経信号の局在性を促進するために、冷気、ヒスタミン、またはフェニルビグアニド等の気道神経信号刺激物が使用されてもよい。
【0079】
図12のアクセス装置206が身体管腔に沿って移動させられるとき、折り畳まれた切除アセンブリ208が作業チャネル386内に保持されている。切除アセンブリ208は、作業管腔386から外へ遠位方向に移動させられ、気道壁の付近に(例えば、気道壁に近接または接触して)電極アセンブリ214を移動させるために膨張させられる。RFエネルギーは、組織(例えば、表面および深部組織)を加熱して標的領域において変状部を形成するように、組織を通って進行することができる。標的領域および関連変状部は、概して、図13および14の鎖線に対応する。
【0080】
本明細書で使用されるような「変状部」という用語は、永久的に、すなわち、細胞死の点まで損傷させられる組織を指す。場合によっては、エネルギーの送達は、「変状部」と呼ばれる領域の外側の細胞に一時的または非致命的な損傷を引き起こす。例えば、上皮または平滑筋細胞は、本明細書で説明されるエネルギー送達によって一時的に損傷または改変されてもよい。しかしながら、有利に、示差冷却の使用を通して、これらの細胞は、回復し、依然として機能的であることができ、したがって、「変状部」の一部と見なされない。対照的に、切除アセンブリ208は、気道壁の深くに、または気道壁の外側に位置する神経組織または他の標的組織に永久的に損傷させ、したがって、ある肺疾患の原因である神経信号を減衰させることができる。
【0081】
図13の冷却部209は、エネルギーが電極アセンブリ214によって出力されている間に組織を冷却するよう、気道壁100に接触する。RFエネルギーによる、この表面および深部加熱と、循環冷却剤による表面冷却との正味の効果は、気道壁100の外層の中の熱の集中である。結合組織の温度は、上皮、支質、および/または平滑筋の温度よりも高くなり得る。一例として、結合組織の温度は、神経幹組織または他の深部組織への損傷を引き起こすように十分高くなり得る一方で、気道の他の非標的組織は、非標的組織への損傷を防止または制限するようにより低い温度で保たれる。
【0082】
図13および14は、8つの別個の変状部237a−h(集合的に「237」)を示す。隣接する変状部237は、切除アセンブリ208の長手軸233に沿って相互から軸方向にオフセットされている。各変状部237は、図14に示されるように、一連の変状部が気道壁100の実質的に全周囲の回りに延在するように、約45度の弧の長さを有することができる。露出電極要素の長さは、変状部237の幅に対応する。露出電極要素の長さ(例えば、電極要素231d、231eの長さ)は、変状部237の所望の幅に基づいて選択することができる。有利に、変状部237は、同時に形成することができる。例えば、切除治療の間に切除アセンブリを移動させなければならないことを回避するように、変状部237の全体または大部分を同時に形成することができる。他の実施形態では、変状部を連続的に形成するように、異なる電極229を起動することができる。電極アセンブリ214は、異なる組織を切除するように、異なる場所に移動させることができる。このようにして、所望の治療に基づいて、同時に、または連続的に、1つ以上の変状部を実施することができる。
【0083】
従来の切除カテーテルを用いると、切除過程は、局所気道狭小または狭窄を引き起こす場合がある、瘢痕輪を引き起こすように十分であってもよい。変状部237が気道の長さに沿った異なる場所にあるため、狭窄の影響を軽減することができる。図示した実施形態は、瘢痕組織の連続輪の形成を回避しながら、気道の神経を麻痺させるのに適している。気道100の内周の回りに360度延在する、瘢痕組織の連続輪は、気道管腔の断面積を有意に減少させ、次いで、空気流抵抗を有意に増加させる場合がある。ねじれ形変状部237は、気道管腔の断面積の縮小を軽減するのに役立つ。
【0084】
図14は、変状部237の場所を示す。気道100の長軸に沿った、長軸に直角な仮想面上への変状部237の外形の投影は、図14に示されるように、実質的に連続的な閉鎖輪を画定することができる。神経幹45が気道100に沿って長手方向に延在するため、変状部237は、神経幹の全てが切除されることを確実にするように十分な深さにあり得る。他の実施形態では、電極アセンブリ214は、気道周囲の一部分のみ、例えば、気道周囲の180度、150度、または130度を治療するために使用することができる。それだけが、効果的に気道100の神経を麻痺させるために必要とされてもよい。したがって、気道壁全体の周囲に延在する変状部を形成することなく、神経信号を効果的に切断することができ、狭窄の形成をさらに低減することができる。
【0085】
RF切除中に、気道壁の内部層(例えば、支質)のうちの1つ以上の中で、または気道壁の内層(例えば、上皮)の中で、熱を集中させることができる。さらに、気管支動脈分岐の血管のうちの1つ以上が、変状部内にあってもよい。たとえ神経組織が動脈分岐の隣にあっても、神経幹組織が損傷されている間に、気管支動脈分岐を通って流れる血液が熱損傷からこれらの分岐を保護するように、電極214を使用して生成される熱を制御することができる。カテーテル207は、細胞死の比較的小さい領域を生成することができる。例えば、気道壁100の中央にある、または気道壁100の外面に沿った組織の2mmから3mmの区画を破壊することができる。電力の適切な引加および適切な冷却によって、任意の所望の深さで変状部を生成することができる。
【0086】
気道軟骨輪または軟骨層は、典型的には、気道の軟組織(例えば、平滑筋または結合組織)よりも有意に大きい電気抵抗を有する。気道軟骨は、エネルギー流(例えば、電気無線周波数電流)を妨げ、電極が軟骨の隣にあるときに攻撃する気道神経幹に影響を及ぼす無線周波数電気エネルギーを用いて、治療変状部の形成を行う。
【0087】
図示したエネルギーエミッタ214は、軟骨間エネルギーエミッタとして機能することができる。電極要素227は、軟骨輪235a、235b(集合的に「235」)の間隔と概して一致するように寸法決定されてもよい。図13に示されるように、変状部237が軟骨輪235の間の空間333内に完全に位置しているように、各電極要素227は、2つの隣接輪235a、235bの間に配置される。
【0088】
電極229は、空間333の中に電極要素227を優先的に着座させるのに役立ち、したがって、治療を行うこと、または正しい配置を検証することを容易にする、軟骨間ポジショナとしての機能を果たすことができる。例えば、電極要素227は、外向きに突出することができ、空間333の中のより軟質で柔軟な組織の領域の中へ移動し、かつ嵌合する傾向がある。したがって、電極229は、切除アセンブリ208にインデックスを付けるために使用することができる。
【0089】
図15は、単一の電力ラインによって接続される単極電極である電極を示す。電力は、電極に同時に送達することができる。任意の数の電極をバルーン212に沿って配置することができる。例えば、バルーンの周囲の回りで均等または不均等に電極の1つ以上を離間させることができる。
【0090】
図16は、切除アセンブリ300の長手軸312に対して斜角で配向される電極310a−310c(集合的に「310」)を示す。電力ライン316a−316c(集合的に「316」)は、エネルギーをそれぞれの電極310に提供する。(図示されていないが、他の電極が切除アセンブリ300の非可視的な裏面に位置する。)電極310は、双極電極となり得る。一例として、電極310aは、要素318a、319aの間にRFエネルギーを送達するように、交互に正および負となり得る、電極要素318a、319aを含むことができる。
【0091】
電極310の間の角度αおよび長手軸312の方向は、形成される変状部の長さ、隣接する変状部の間の所望の円周方向の間隙、および同等物に基づいて選択することができる。図示した角度αは、約45度である。必要または所望であれば、他の角度も可能である。隣接する電極310の間に、治療されていない非損傷組織の領域があり得る。
【0092】
図16に示されるように、電極または電極対310aによって生成される1つの変状部は、管状身体構造の周囲全体(またはその一部分)が治療されることを確実にするために、円周方向に隣接する電極または電極対310bによって生成される次の変状部の開始部と円周方向に重複する。電極310aによって作られる変状部の一端を通る長手方向に仮想線が引かれた場合、仮想線は、電極310bによって作られる隣接する変状部の近端に交差または近接する。したがって、隣接する変状部の端は、軸312に沿ってオフセットされ、円周方向に重複する。
【0093】
図17は、拡張可能バスケット414および電極413、415を含む切除アセンブリ400を示す。バスケット414は、電極413、415を冷却するために、それを通って冷却剤が流れる中空部材を含む。バスケット414の長手方向長さは、バスケット414が複数の軟骨輪を横断して延在するように選択することができる。電極413、415は、輪の間に配置されることができる。例えば、細長いバスケット414は、少なくとも3つの軟骨輪(図17の垂直鎖線431、432、433によって表される)を横断して延在することができる。電極413は、軟骨輪431、432の間に配置されることができる。電極415は、軟骨輪432、433の間に配置されることができる。バスケット414が配備されたときに、電極413、415の隣接する列の間の距離Dは、概して、軟骨輪の間の距離に対応することができ、それにより、電極413、415を軟骨輪の間に着座させることができることを確実にする。電極413aは、第1の極性を有することができ、電極413bは、エネルギーが電極の間に流れるように反対極性を有することができる。電極対413a、413bは、円周方向に重複し、軸方向に離間した変状部を形成するように、隣接する一対の電極415a、415bから角度的にオフセットされる。重複の距離Dは、気道の周囲全体が治療されることを確実にするために十分であり得る。
【0094】
図18は、それぞれ、管腔427、429に沿い、かつ減圧要素423、425を通って流れる流体を示す。本明細書で使用されるように、「減圧要素」という用語は、限定ではなく、作業流体の圧力を低減するように構成されるデバイスを指す。減圧要素は、作業流体の圧力を、作業流体の蒸発圧力以下まで低減することができる。作業流体は、冷媒(例えば、極低温冷媒または非極低温冷媒)を含むことができる。いくつかの実施形態では、減圧要素は、それを通過する作業流体の少なくとも一部分の蒸発を引き起こす、減圧または拡張弁の形態である。減圧要素は、有効量の作業流体(例えば、冷媒、極低温流体等)を蒸発させて、作業流体の温度を低減する。いくつかのモードでは、要素423、425を通過する重量による作業流体の実質的に全てまたは大部分は、低温の低圧ガスに変換される。いくつかの実施形態では、減圧要素423、425は、ノズル弁、針弁、ジュールトムソンスロットル、スロットル要素、または所望の圧力降下を提供するための任意の他の好適な弁となり得る。例えば、ジュールトムソンスロットルは、流体の膨張から作業エネルギーを回収することができ、より低い下流温度をもたらす。いくつかの実施形態では、減圧要素は、特に作業流体が水等の非冷媒である場合に、流体調節要素(例えば、弁システム)と代替することができる。
【0095】
図18を参照すると、図18の高圧ガスP1は、送達管腔427、429を通過する。高圧ガスP1は、要素423、425を通過し、チャネル436、438に進入し、そこで圧力がP2まで降下する。P1からP2への圧力の降下は、T1からT2へのガスの温度の降下につながる。温度変化の大きさは、以下の式:
Τ1−Τ2=μ(Ρ1−Ρ2)
によって求められ、
式中、
Tは、ガスの温度であり、
Pは、ガスの圧力であり、
μは、ガスのジュールトムソン係数であり、
下付き文字1は、高圧状態を表し、
下付き文字2は、低圧状態を表す。
【0096】
図19および20と関連して論議されるように、チャネル436、438の中のガスが通気口を通って退出し、周囲の圧力まで降下すると、第2の圧力降下が発生し得る。切除アセンブリ400が呼吸器系で使用される場合、周囲の圧力は、大気圧である。この温度降下は、
Τ2−Τ3=μ(Ρ2−ΡΑΤΜ)
である。
【0097】
ジュールトムソン係数(μ)は、各ガスまたはガス混合物に特異的である。μに対する標準温度値は、
二酸化炭素について
【0098】
【数1】
空気について
【0099】
【数2】
である。
【0100】
これらの係数は、所与の圧力降下について、CO2が、空気が経験する同様の圧力の降下よりも5倍大きい温度の降下を引き起こすことを示す。
【0101】
肺の中の空気の使用が望ましくなり得る。保冷剤ガスの流速が、肺から外へ二酸化炭素を換気する被検体の能力を圧倒しないよう十分に低い場合、この付加的な二酸化炭素を使用することができる。冷却剤導管の中の冷却剤が、液体空気または液体CO2等の高圧液体である場合に、冷却効果を強化することができる。高圧液体は、減圧要素(例えば、スロットル)を通過し、ガスの温度を高圧液体の温度よりも低くさせる、高圧液体から高圧ガスへの吸熱相変化を受ける。それは次いで、図19および20と関連して論議されるように、通気口441を介して放出される前に、温度のさらなる降下を引き起こす、P1からP2へのジュールトムソン膨張を受ける。
【0102】
図19および20は、以下で詳述されるものを除いて、図17および18の切除アセンブリ400と略同様である、切除アセンブリ437を示す。切除アセンブリ437は、細長い部材に沿って位置している一連の開口部または通気口439を含む。細長い部材を通って流れる冷却剤は、開口部439から外へ出て、隣接する組織を冷却することができる。加えて、遠位端443に位置している開口部または通気口441は、冷却剤を放出することができる。図20に示されるように、矢印によって表される冷却剤は、通気口439、441から外へ出ることができる。このようにして、冷却剤は、切除アセンブリ437を冷却することができ、直接組織冷却を提供することができる。通気口441は、随意で、上記で説明されるように、好適な圧力降下を提供して、ジュールトムソン膨張から冷却剤を蒸発させ、それにより、冷却剤温度を低下させるように構成されてもよい。
【0103】
図21は、拡張可能部材453に沿って円周方向に離間したV字形電極を有する、切除アセンブリ450を示す。電極455は、隣接する電極455の先端459と重複する端456、457を有する。電極は、V字形変状部を形成するように気道周囲に沿って同様に離間した、V字形標的領域にエネルギーを出力することができる。V字形変状部の間の未治療組織は、瘢痕組織または狭窄により、管腔気道が有意に狭くならないことを確実にするのに役立つことができる。
【0104】
図22は、T字形電極を携持する拡張可能要素462を含む、切除アセンブリ460を図示する。電極463は、隣接する電極467の端465と重複する自由端464を有する。円周方向に整列した電極461は、複数の略T字形の変状部を形成することができる。他の実施形態では、電極は、U字形、S字形、W字形、L字形、または任意の他の好適な形状となり得る。加えて、これらの実施形態のうちのいずれかでは、電極は、図16に示されたものと同様の斜交または螺旋パターンで長手方向に変位されてもよい。
【0105】
図23は、軟骨輪513、515(鎖線で図示される)の間に電極512を配置することができる、第1組の細長い部材511a−511d(集合的に「511」)を含む、切除アセンブリ500を示す。細長い部材521a−521d(集合的に「521」)は、軟骨輪515、518の間に位置している電極523a、523b、523c、523d(集合的に「523」)を携持する。電極512は、輪513、515の間に変状部を形成する。電極523は、輪515、518の間に変状部を形成する。細長い部材511、521は、気道壁に対して電極を配置するように半径方向外向きに付勢される、可撓性かつ弾性のロッドまたはワイヤであってもよく、気道壁の異なる周囲領域が各電極対で治療されるように、電極512に対して円周方向にオフセットした位置に電極523を配置するように構成されてもよい。1つのコラーゲン間空間の中の変状部の一端は、隣接するコラーゲン間空間の中の隣接する変状部と円周方向に重複することができる。したがって、変状部は、相互から軸方向に離間するが、身体管腔に対して円周方向に重複し得る。細長い部材511、521は、気道の中へ導入するために好適な半径方向収縮構成に折り畳むように、管状鞘510の中へ後退させられてもよい。
【0106】
図24は、拡張可能エネルギーエミッタアセンブリ610を伴う切除アセンブリ600を示す。拡張可能電極アセンブリ623は、バルーンとして図示される拡張可能部材620の全体または大部分を取り囲むことができる。絶縁体625は、電極アセンブリ623の一部分を覆って端の間に延在する。電極623は、拡張を可能にするように、ジグザグ構成(図示されている)、蛇行性構成、または波形構成を有することができ、バルーン620の回りに約90度から約360度延在することができる。使用中、露出電極623は、治療される気道の領域、例えば、神経幹がしばしば位置する後部側に対面することができる。代替として、エミッタアセンブリ610は、離散変状部を生成するように、絶縁部分によって分離される複数の露出電極を含むことができる。
【0107】
随意で、第2のエネルギーエミッタ618は、エネルギーエミッタ610の遠位に位置している。エネルギーエミッタ618は、露出電極621と、絶縁体623とを有する。電極621は、電極623と協働して、円周方向にオフセットし、軸方向に離間した相補(例えば、重複)変状部を形成することができる。例えば、電極623は、気道壁の上部分に沿って約180度の弧の長さを有する、変状部を形成することができる。電極621は、気道壁の下部分に沿って約180度の弧の長さを有する、変状部を形成することができる。一緒に、2つの変状部は、気道壁の周囲全体の回りに延在する。変状部は、同時に、または連続的に生成することができる。
【0108】
図25は、拡張可能要素712に包み込まれた電極アセンブリ710の形態のエネルギーエミッタを含む、切除アセンブリ700を示す。電極アセンブリ710は、導管731と、複数の電極715a−h(集合的に「715」)とを含む。電極715は、同時に、または連続的に変状部を形成することができる。
【0109】
図26を参照すると、電極715aは、バルーン712が膨張させられると、略円周方向に配向される、中空管状金属部材となり得る。導管731は、電極716を通って連続的に冷却剤(食塩水または他の冷却剤)を送達する。
【0110】
バルーン712および導管731を通して、異なる冷却剤を送達することができる。冷却剤は、導管731を通る送達管腔761を通って流れ、電極715を冷却することができる。別の冷却剤が、送達管腔751を通ってバルーン712に流入することができる。バルーン712および導管731の中の冷却剤は、帰還管腔739を介して近位に流れることができる。他の実施形態では、冷却剤は、電極アセンブリ710およびバルーン712を通って連続的に流れる。
【0111】
別個のワイヤペアを、各電極715に電気的に連結することができる。各電極715は、独立して操作することができる。他の実施形態では、電極715は、双極性であり、反対極性のペアで配設される。以前の実施形態に関して論議されるように、電極715は、コラーゲン間空間内で変状部を形成するように、相互に対して配向し、配置することができる。2009年5月8日出願の米国特許出願第12/463,304号、および2010年10月27日出願の米国特許出願第12/913,702号が、それらの全体で参照することにより組み込まれ、切除アセンブリ700とともに使用することができる、技法、材料、カテーテル、および構成要素を開示している。
【0112】
電極715a−hは、いくらかの重複にもかかわらず、相互から円周方向にオフセットされ、かつ相互から軸方向にオフセットされる変状部を生成するように、螺旋導管731に沿って配設される。電極715a−hのそれぞれを通る軸方向(軸719と平行)に引かれた仮想線は、電極715a−hのうちの別の電極に交差し、気道の周囲全体が治療されることを確実にする。有利に、電極は、それらが生成する変状部が気道に沿って長手方向に分離され、したがって、狭窄が結果として生じる可能性を低減するように、螺旋導管731に沿って離間している。
【0113】
変状部の形状は、冷却剤の温度、冷却剤の流速、冷却剤の熱運搬能力、バルーンの熱特性(例えば、バルーンの熱伝達性質)、または送達された電力の量を調整することによって制御することができる。図27A−31Bは、温度プロファイル、およびバルーンによる次第に増加した冷却によって形成される対応する変状部を示す。バルーンの冷却能力は、冷却剤温度を減少させることによって、または冷却剤の流速を増加させることによって、あるいは両方によって増加させることができる。変状部の成形はまた、電極の冷却剤容量を変化させながら、バルーンの冷却能力を略一定に保つことによって、または組織に送達される電力を増加または減少させることによって達成することもできる。一例として、図25の切除アセンブリ700は、図27B、27C、28B、29B、30B、および31Bの変状部を形成するために使用することができる。バルーン712が電極チャネル753よりも大きい直径を有するため、電極715aを通る高い流速と比較して、バルーン表面に沿って比較的低い流速がある。これは、示差冷却をもたらす。電極715aおよびバルーン712が独立した流動を有する場合、冷却剤は、示差冷却のための異なる温度および/または流速にあり得る。
【0114】
図27Aは、80℃、60℃、および40℃の等温線、および組織中の温度分布を示す。図27Bは、図27Aの等温線に対応する変状部804を示す。冷却チャネル753の中の冷却剤は、有意量の熱を吸収する唯一の冷却剤である。バルーン712は、有意量の熱エネルギーを吸収せず、室温と略等しく、約20℃〜30℃の範囲内の温度の流体で充填することができる。いくつかの実施形態では、バルーン712は、周囲空気で膨張させられ、組織825に対して電極715aを保持することができる。他の実施形態では、バルーン712は、温生理食塩水で膨張させられる。変状部804は、略半円形を有する。半径rおよび深さDは、それぞれ、冷却チャネル753の中の冷却剤の温度を減少または増加させることによって、増加または減少させることができる。加えて、または代替として、半径rおよび深さDは、それぞれ、冷却剤の流速を減少または増加させることによって、増加または減少させることができる。
【0115】
組織表面825における変状部の断面幅を縮小するように、バルーン712を通して冷蔵冷却剤を送達することができる。図28Aおよび28Bは、冷却剤が電極715aを冷却する時、および低温冷却剤がバルーン712を通って低速で流れる時の等温線、および対応する略楕円形の変状部804を示す。バルーン712の中の冷却剤は、バルーン・組織界面に接触または近接する組織を保護するように、有意量の熱エネルギーを吸収する。図28Bの図示した実施形態を含む、いくつかの実施形態では、表面825における変状部804の断面幅は、表面825における図27Bの変状部804の断面幅よりも小さい。図28Bの変状部804の断面幅は、深さとともに最大幅WMaxまで増加し、次いで、最深領域830まで減少する。最大幅WMaxは、変状部804の深さDよりも小さい。図28Bは、電極幅のわずか約150%である幅を有する、表面825における変状部804を示す。
【0116】
図29Aおよび29Bは、低温冷却剤がバルーン712を通って高速で流れる、または超低温冷却剤がバルーン712を通って低速で流れる時の等温線および変状部804を示す。いくぶん涙滴形の変状部804が、組織表面825から延在する。変状部804の浅部または狭小領域834の幅は、電極715aの断面幅WEとほぼ等しい。したがって、表面825における変状部804は、電極・組織界面のわずか約150%である最大断面幅を有する。これは、最小量の組織表面が損傷されることを確実にする。変状部804は、浅い部分834から拡大領域835へと外向きに先細になる。変状部の断面幅は、深さとともに最大幅WMaxまで徐々に増加する。最大幅WMaxは、表面825における断面幅の約1倍から約5倍以上となり得る。変状部804の最深領域830は、部分的に円形の形状を有する。
【0117】
図30Aおよび30Bは、等温線、および超低温冷却剤がバルーン712を通って高速で流れるときに形成することができる涙滴形の変状部804を示す。変状部804は、組織表面825から延在し、広い深部領域852へと外向きに急速に拡張する、狭い浅部領域834を有する。浅部領域834の幅は、電極715aの幅WEよりも小さい。断面幅は、深さとともに最大幅WMaxまで急速に増加する。したがって、変状部804の容量の大部分は、組織の中の深くにある。
【0118】
図31Aおよび31Bは、等温線、および超低温冷却剤がバルーン712を通って超高速で流れるときに形成することができる、対応する円形の変状部804を示す。変状部804は、組織表面825からの深さDで配置される。変状部804の最大断面幅WMaxは、深さDWidth Maxにある。変状部804は、電極・組織界面から離間し、冷却剤の流速および温度に応じて異なる形状を有することができる。略楕円形、細長い形状、または同等物等の、他の埋設変状部形状を達成するために、示差冷却を使用することができる。
【0119】
DWidth Maxは、標的領域の場所に基づいて選択することができる。神経組織を損傷させるために、DWidth Maxは、変状部が神経組織を含むことを確実にするように、および平滑筋組織への有意量の損傷を軽減または回避するように、少なくとも約2mmとなり得る。そのような実施形態は、平滑筋組織が、典型的には、2mmの深さより下側にないので、気道壁を治療することに適している。このようにして、標的領域の断面幅は、平滑筋組織よりも深い深さにおいて最大化することができる。変状部の大部分、およびいくつかの実施形態では実質的に全体は、典型的には、平滑筋組織の領域よりも深く気道壁の中に位置する、平滑筋組織ではない組織の中に生じる。さらに、気道壁の中の平滑筋細胞への損傷は、神経組織を損傷させることなく、例えば、喘息、COPD、または他の肺疾患の結果として、気道の反応性または収縮を大幅に改変するために必要とされる損傷の量よりも少なくなり得る。
【0120】
変状部は、有意量の組織が永久的に損傷されない保護領域によって、組織表面から分離されることができる。図31Bおよび32Bは、深さDPを有する保護領域861を示す。有利に、保護領域861中の有意量の組織が永久的に損傷されないので、組織機能を保つことができる。深さDPは、神経組織を切除するために、少なくとも約1mmから約2mmとなり得る。
【0121】
図32は、曲線(螺旋形状として図示される)本体910(気道の先細に合致するように先細に示される)と、電極912a、912b、912c(集合的に「912」)とを含む、螺旋切除アセンブリ900を示す。随意で、冷却剤の温度を低減するジュールトムソンスロットルとしての役割を果たすように、1つ以上の減圧要素を本体910内に配置することができる。
【0122】
電極912は、相互と略同様となり得て、したがって、他に示されない限り、1つの電極の説明は、他の電極に等しく該当する。電極912aは、複数の通気口916、918を含む。矢印によって表される冷却剤は、通気口916、918から流出することができる。電極912aは、本体910の外面に連結することができる。これは、電極912が、組織と物理的に接触するように、十分な距離で外向きに突出することを可能にする。電極912は、相互から円周方向にオフセットされるが、それらの縁においていくらかの円周方向の重複を有する変状部を生成するように配設され、すなわち、1つの変状部の端を通って気道の下へ長手方向に引かれた仮想線が、次の変状部の端に交差する。電極912が螺旋本体910に沿って離間しているので、それらが生成する変状部も気道の中で軸方向に離間し、したがって、狭窄の可能性を低減する。
【0123】
本体910は、起動されたときに螺旋またはコルクスクリュー形状に成形することができる、Nitinol等の可撓性かつ伝導性材料を含んでもよい。本体910を通して温かい流体を送達することができ、本体910を送達構成(例えば、直線構成)から配備構成(例えば、コルクスクリュー構成または螺旋構成)まで移動させる。他の実施形態では、本体910は、配備構成に向かって付勢することができ、かつ配備構成を呈するようにスリーブまたは作業管腔から外へ送達することができる。切除アセンブリ900は、切除アセンブリ900を送達構成に戻すために、スリーブまたは作業管腔の中へ近位に引き入れることができる。他の実施形態では、本体910に異なる構成を呈させるために、テンショナ、引張ワイヤ、引張ロッド、または同等物を使用することができる。
【0124】
随意で、内部領域920を通して、バルーンを配置することができる。略円錐形バルーン、円筒形バルーン、ホットドッグ形バルーン、または他の好適な形状のバルーンが、内部領域920の中へ挿入可能であってもよい。
【0125】
図33は、絶縁領域962a、962b、962cを作成するように介在部を覆う絶縁カバーを伴って、電極960a、960b、960c(集合的に「960」)を形成する一連の離間した露出部を有する、管状伝導性内側部材でできている螺旋切除アセンブリ952を示す。冷却剤は、電極960を冷却するように切除アセンブリ520を通して循環させることができる。付加的な組織冷却を提供するために、随意で、内側管状部材および/または絶縁カバーの中の通気口(図示せず)から外へ冷却剤を送達することができる。
【0126】
図34は、一連の離間した双極電極1010a−f(集合的に「1010」)を含む、切除アセンブリ1000を示す。電極は、変状部が各双極対の間で対角線上に生成されるように、反対極性のペアで配設される。電極1010は、軟骨輪を横断する斜交変状部を形成することができる。図35に示されるように、切除アセンブリ1000は、気道1012内に位置している。電極1010は、輪の間に位置している。電極1010a−cは、図36の変状部1030を生成することができる。変状部1030の端1032は、輪1034に近接する。対向する端1036は、輪1038に隣接する。端1032、1036は、気道1012に沿って軸方向に相互から変位させられる。図36に示されるように、端1032、1036の軸方向変位は、端1032、1036の間の円周方向距離よりも有意に大きい。ある手技において、端1032、1036の間の距離は、少なくとも1ミリメートル、5ミリメートル、10ミリメートルである。いくつかの実施形態では、端1032、1036の間の軸方向距離は、隣接する軟骨輪の間の距離よりも大きい。これは、変状部が輪を横断することを確実にする。
【0127】
図36の変状部1030の中央部は、輪1034、1038の間の輪1040を横断する。切除アセンブリ1000の裏面上の電極1010d、1010e、1010fは、変状部1041を形成する。図示された変状部1041、1030は、反対側に、かつ気道に沿った異なる軸方向の場所にある。
【0128】
電極1010は、気道組織を相互作用して軟骨輪の間に位置する電極1010を保つように十分な距離で外向きに突出することができる。双極モードで動作する時、変状部が形成され、輪を横断する。変状部を形成した後、カテーテルを近位に引くか、遠位に押し、軸方向にオフセットした変状部を形成するために使用することができる。加えて、または代替として、気道1012に沿った異なる角度位置で斜交変状部を形成するように、カテーテルを回転させることができる。図36の変状部は、連続の変状部として図示されている。他の実施形態では、変状部は、複数の離散した離間変状部を含むことができる。例えば、変状部1030は、一連の離間変状部を含むことができる。
【0129】
図37および38は、内部ジェットによって冷却される、円周方向にオフセットし、軸方向に離間した電極1050a、1050bを示す。冷却剤は、送達管腔1052を通って流れ、ポート1054から退出する。冷却剤のジェットは、開放冷却チャネル1056に沿って流れ、電極1050aを冷却する。冷却剤は、出口ポート1062a、1062bを介してチャンバ1060から退出する。冷却剤は、帰還管腔1072に沿って流れる。電極1050a、1050bは、冷却されている間に単極モードまたは双極モードで操作することができる。
【0130】
図39A−40Bは、電極アセンブリ1082の形態のエネルギーエミッタを含む切除アセンブリ1080を示す。電極アセンブリ1082は、変状部1083(図39Bおよび40B)を形成することができる一連の電極1084a−f(集合的に「1084」)を含む。広範囲の異なる種類の蛇行性、曲線、ジグザグ、z字形、または他の種々の構成である。図示される変状部1083は、略螺旋の形状を有し、複数の軟骨輪を横断する。切除アセンブリ1080は、任意の種類のこれらの種類の電極アセンブリ1082を有することができる。例えば、一対の螺旋切除アセンブリ1082を切除アセンブリ1080の外側に配置することができる。
【0131】
図示される変状部1083は、連続的であり、気道の長軸1089に沿って軸方向に離間した端1085、1087を有する。端1085、1087はまた、相互から角度的にオフセットされている。図39Bおよび40Bに示されるように、軸1089に沿った端1085、1087の間の距離は、隣接する輪の間の距離よりも大きい。このようにして、変状部1083は、複数の輪を横断する。
【0132】
電極1084は、略連続した変状部1083を形成するためにともに接近することができる。他の実施形態では、電極1084の間の距離は、複数の離間変状部を提供するために増加させることができる。離間変状部は、変状部1083と同様の形状を有するように配設することができるが、他の形状および変状部パターンが可能である。
【0133】
図41は、バルーン1111に巻き付いている電極アセンブリ1110を有する切除アセンブリ1100を示す。電極アセンブリ1110は、冷却剤を含有するために好適な管1113を備え、バルーン1111の内部と連通している遠位端1115を有する。電極は、管1113の外部に取り付けられ、接着され、塗装され、または別様に連結される。このようにして、冷却剤は、電極を冷却するために、そこから冷却剤が管1113を通って流れるバルーン1111を膨張させるために、バルーン1111の内部へとカテーテルを通して送達されてもよい。代替として、冷却剤は、電極を冷却し、その後、バルーン1111を冷却することができる。電極アセンブリ1110およびバルーン1111は、示差冷却を提供して、成形変状部を形成することができる。
【0134】
図42−44は、送達構成(図42)から配備構成(図43および44)まで移動可能な切除アセンブリ1200を示す。送達構成では、切除アセンブリ1200の遠位部分1211は、それが挿入されている気道または他の身体管腔の長手軸と概して整列させられるよう、カテーテルシャフト1213の近位部分で線状化される。配備構成では、切除アセンブリ1200の遠位部分1211は、カテーテルシャフト1213の近位先端の長手軸に対して直角である平面に位置するループ1215を形成するように、偏向または変形させられる。このようにして、ループ1215は、移動の内壁の周囲に延在して、その上の一連の円周方向に離間した場所に電極1220を配置してもよい。
【0135】
配備構成では、ループは、螺旋であってもよく、または電極1220が気道壁に沿って軸方向に分離した場所に配置されるように、カテーテルシャフト1213の長手軸に対して斜角で配置される平面に配置されてもよい。ループ1215は、種々の周知の機構を使用して配備されてもよい。例えば、引張ワイヤへの張力が所望の構成でループ1215を配備するように、引張ワイヤは、カテーテルシャフトの中の管腔を通って摺動可能に延在し、遠位端付近の点で固定されてもよい。代替として、カテーテルの遠位部分は、配備構成で事前形成されてもよく、遠位部分が送達中に鞘内で拘束されてもよいように、弾性であってもよく、次いで、遠位部分が配備構成を成すように鞘を後退させることによって放出されてもよい。
【0136】
通気口1210a−1210c(集合的に「1210」)は、組織の直接冷却剤冷却を提供する。電極1220a−c(集合的に「1120」)は、離散変状部を形成するように独立して操作されるか、または連続の変状部を形成するための1つの総合電極を形成するように一緒に操作される。電極1220は、気道の周囲の約3分の1(例えば、気道の前内側または前外側領域)を治療するように、近位主気管支の中の2つの軟骨輪の間に配置することができる。次いで、電極1220は、気道壁の他方の3分の1の前外側または前内側部分を治療するように、2つの遠位軟骨輪の間で遠位に再配置される。電極120は、膜部分等の気道の後方3分の1を治療するように再び移動させられる。冷却剤は、組織を冷却するように通気口1210を通して移動させることができる。切除アセンブリ1200は、血管の異なる部分を連続的に切除するために使用することができ、変状部の間に十分な空間を提供して、もしあれば、瘢痕組織または狭窄を軽減するように、遠位および近位に移動させることができる。
【0137】
本明細書で開示される送達デバイスは、消化器系、神経系、血管系、または他の体系を治療することができる。例えば、本明細書で開示される、細長いアセンブリ、管腔内カテーテル、および送達デバイスは、血管系を治療するように血管を通して送達することができる。本明細書で開示される治療システムおよびその構成要素は、所望の標的部位へのアクセスを提供する、低侵襲手技、切開手技、半切開手技、または他の外科的手技(例えば、肺容量減少手術)等の別の医療手技中に、補助として使用することができる。胸部での種々の外科的手技が、肺組織へのアクセスを提供してもよい。標的領域へのアクセスを提供するために使用されるアクセス技法および手技は、外科医および/またはロボットシステムによって行うことができる。当業者であれば、標的領域を評価することができる多くの異なる方法があることを認識する。
【0138】
送達装置を操縦するために、ガイドワイヤ、送達鞘、光学器具、導入器、トロカール、生検針、または他の好適な医療機器を使用することができる。標的治療部位が、患者体内の遠位場所(例えば、図1の肺根24付近の治療部位)にある場合、部位にアクセスするために、広範囲の器具および技法を使用することができる。可撓性の細長いアセンブリは、例えば、上記で論議されるような内視鏡および気管支鏡等の操縦可能送達デバイスを使用して、被検体内に容易に配置することができる。
【0139】
半切開手技、切開手技、またはいくぶん直線の送達経路を提供する他の送達ツール/手技を使用した、トロカール、アクセスポート、剛性送達鞘を使用して、半剛性または剛性の細長いアセンブリを送達することができる。有利に、半剛性または剛性の細長いアセンブリは、気道を通して細長いアセンブリを送達することなく、気道に沿った迷走神経、神経枝、神経線維、および/または神経幹等の遠隔組織にアクセスし、治療するように十分剛性となり得る。本明細書で開示される実施形態および技法は、気管支温熱療法等の他の手技とともに使用することができる。
【0140】
文脈が他に要求しない限り、本明細書および以下に続く請求項の全体を通して、「備える」という言葉、および「〜を備える」等のその変化形は、非限定的で包含的な意味で、つまり、「〜を含むが、それらに限定されない」として解釈されるものである。
【0141】
上記で説明される種々の実施形態は、さらなる実施形態を提供するように組み合わせることができる。上記で詳述した説明を踏まえて、これらおよび他の変更を実施形態に行うことができる。本明細書で説明される実施形態、特徴、システム、デバイス、材料、方法、および技法は、いくつかの実施形態では、2009年5月8日出願の出願第12/463,304号、2010年10月27日出願の米国特許出願12/913,702号、2009年10月27日出願の米国暫定特許出願第61/255,367号、および2009年11月11日出願の米国暫定特許出願第61/260,348号で説明されている実施形態、特徴、システム、デバイス、材料、方法、および技法のうちのいずれか1つ以上と同様であってもよい。これらの出願のそれぞれは、その全体で参照することにより本明細書で組み込まれる。加えて、本明細書で説明される実施形態、特徴、システム、デバイス、材料、方法、および技法は、ある実施形態では、上述の米国特許出願第12/463,304号、および2010年10月27日出願の米国出願第12/913,702号で開示されている実施形態、特徴、システム、デバイス、材料、方法、および技法のうちのいずれか1つ以上に適用されるか、またはそれらと関連して使用されてもよい。例えば、米国特許出願第12/463,304号、および2010年10月27日出願の米国出願第12/913,702号で開示されている装置は、本明細書で開示される電極または他の特徴を組み込んでもよい。
【0142】
加えて、本明細書で説明される実施形態、特徴、システム、デバイス、材料、方法、および技法は、ある実施形態では、上述の2009年5月8日出願の出願第12/463,304号、2010年10月27日出願の米国特許出願12/913,702号、2009年10月27日出願の米国暫定特許出願第61/255,367号、および2009年11月11日出願の米国暫定特許出願第61/260,348号で開示されている実施形態、特徴、システム、デバイス、材料、方法、および技法のうちのいずれか1つ以上に適用されるか、またはそれらと関連して使用されてもよい。
【0143】
概して、以下の請求項では、使用される用語は、請求項を本明細書および請求項で開示される具体的実施形態に限定すると解釈されるべきではないが、そのような請求項が享有する同等物の全範囲とともに、全ての可能な実施形態を含むと解釈されるべきである。したがって、請求項は、本開示によって限定されない。
【0144】
上記で説明される種々の実施形態は、さらなる実施形態を提供するように組み合わせることができる。本明細書で参照される、および/または出願データシートに記載される、米国特許、米国特許出願公報、米国特許出願、外国特許、外国特許出願、および非特許出版物の全ては、それらの全体で参照することにより本明細書に組み込まれる。なおもさらなる実施形態を提供するために、種々の特許、出願、および出版物の概念を採用する必要があれば、実施形態の側面を修正することができる。
【0145】
上記で詳述した説明を踏まえて、これらおよび他の変更を実施形態に行うことができる。一般に、以下の請求項では、使用される用語は、請求項を本明細書および請求項で開示される具体的実施形態に限定すると解釈されるべきではないが、そのような請求項が享有する同等物の全範囲とともに、全ての可能な実施形態を含むと解釈されるべきである。したがって、請求項は、本開示によって限定されない。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エネルギー送達デバイスであって、該デバイスは、
カテーテルシャフトと、
該カテーテルシャフトに連結される切除アセンブリと
を備え、該切除アセンブリは、
折り畳み状態から拡張状態まで移動可能な冷却要素と、
該切除アセンブリの長手軸の周りの相互から円周方向にオフセットされた複数の電極を含む軟骨間エネルギーエミッタであって、該電極は、該切除アセンブリの長手軸に対して相互から離間している気道の複数の標的領域にエネルギーを送達するように構成され、該エネルギーエミッタと該冷却要素とは、該気道の表面組織から離間し、該気道の軟骨輪の間に配置される軟骨間変状部を協働して形成するように構成される、軟骨間エネルギーエミッタとを含む、デバイス。
【請求項2】
前記エネルギーエミッタは、前記気道の長軸に沿って相互から離間した変状部を生成するように構成される、請求項1に記載のエネルギー送達デバイス。
【請求項3】
前記気道の長軸に沿った方向における、該気道の該長軸に直角な仮想面上への前記標的領域の投影は、実質的に閉鎖した輪を画定する、請求項1に記載のエネルギー送達デバイス。
【請求項4】
前記切除アセンブリの少なくとも一部分は、渦巻き形状または螺旋形状を有する、請求項1に記載のエネルギー送達デバイス。
【請求項5】
2つの標的領域の少なくとも一部分は、前記気道の管腔を見下ろすと、重複している、請求項1に記載のエネルギー送達デバイス。
【請求項6】
前記カテーテルシャフトは、前記冷却要素および前記エネルギーエミッタに冷却剤を送達するための送達管腔を有する、請求項1に記載のエネルギー送達デバイス。
【請求項7】
前記エネルギーエミッタの冷却チャネルは、前記冷却要素のチャンバから分離されていることにより、前記カテーテルシャフトから該エネルギーエミッタの該チャネルまでの第1の冷却剤、および該冷却要素の該チャンバまでの第2の冷却剤の独立した送達を可能にする、請求項1に記載のエネルギー送達デバイス。
【請求項8】
前記エネルギーエミッタは、冷却剤の流動のための冷却剤チャネルを有する電極を含む、請求項1に記載のエネルギー送達デバイス。
【請求項9】
前記冷却要素は、拡張可能バスケットを含み、該拡張可能バケットは、冷却剤チャネルを有する中空の細長い部材を有する、請求項1に記載のエネルギー送達デバイス。
【請求項10】
前記電極のうちの少なくとも1つは、前記冷却要素が前記拡張状態にある間に、十分な量の無線周波数エネルギーを出力することにより、気管支樹に沿って延在する神経幹の一部分を切除して、該気管支樹の一部分に伝送される神経系信号を減衰させるように構成され、該冷却要素は、前記気道の壁から十分な量の熱エネルギーを吸収することにより、前記エネルギーエミッタと前記神経組織との間の組織に損傷を与えることを制限または防止する、請求項1に記載のエネルギー送達デバイス。
【請求項11】
拡張可能デバイスと、複数の電極とを含む切除アセンブリを備え、該電極は、前記拡張可能部材の周囲の回りで離間し、エネルギーを離散した標的領域に出力して該標的領域に変状部を形成することが可能であり、第1の変状部の少なくとも一部分は、第2の変状部から軸方向に離間し、それに円周方向に隣接するか、または重複している、管腔内送達デバイス。
【請求項12】
前記電極は、前記変状部の1つの組を形成するように構成され、該変状部の1つの組は、前記切除アセンブリの長手軸に沿って該変状部の第2の組から軸方向に分離している、請求項11に記載の管腔内送達デバイス。
【請求項13】
前記電極は、V字形またはT字形である、請求項11に記載の管腔内送達デバイス。
【請求項14】
前記拡張可能デバイスは、前記電極を携持する自由端を有する複数の歯を含む、請求項11に記載の管腔内送達デバイス。
【請求項15】
少なくとも1つの電極は、冷却チャネルを有し、該冷却チャネルを通って流体が流れて該電極を冷却することが可能であり、前記拡張可能デバイスは、バルーンまたは拡張可能バスケットを備える、請求項11に記載の管腔内送達デバイス。
【請求項16】
前記拡張可能デバイスは、送達構成から螺旋配備構成まで移動可能であり、前記電極は、該拡張可能デバイスが該配備構成にあるときに、エネルギーを前記標的領域まで送達するように配置される、請求項11に記載の管腔内送達デバイス。
【請求項17】
前記電極は、前記切除アセンブリの長手軸に沿った方向における、該切除アセンブリの該長手軸に直角な仮想面上への前記標的領域の投影が、実質的に閉鎖した輪を画定するように配置可能である、請求項11に記載の管腔内送達デバイス。
【請求項18】
前記電極は、前記切除アセンブリの長手軸に沿った方向における、該切除アセンブリの該長手軸に直角である仮想面上への前記標的領域の投影が、弓形の治療領域を画定するように配置可能である、請求項11に記載の管腔内送達デバイス。
【請求項19】
前記電極は、エネルギーを2つの隣接する標的領域に出力するように構成されることにより、該2つの隣接する標的領域の間の円周方向の重複の距離が、少なくとも0.5mmである、請求項11に記載の管腔内送達デバイス。
【請求項20】
被検体を治療する方法であって、該方法は、
気道に対して切除アセンブリを配置することと、
該切除アセンブリから該気道の軸方向に離間した標的領域までエネルギーを出力することであって、該標的領域の外形は、該気道の長軸に沿った方向に見られると、重複している、ことと
を含む、方法。
【請求項21】
前記標的領域のうちの第1の標的領域において第1の変状部を、該標的領域のうちの第2の標的領域において第2の変状部を形成することをさらに含み、該第1の変状部の一部分は、前記気道の前記長軸に沿った前記方向に見られると、該第2の変状部の一部分に重複している、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記切除アセンブリは、前記標的領域において変状部を形成するように構成され、各変状部は、前記気道の管腔を少なくとも部分的に包囲する、請求項20に記載の方法。
【請求項23】
前記気道壁の中の2mm未満の深さにある組織を、細胞死が発生する温度より低い温度に維持しながら、約2mmを上回る深さにある組織を、細胞死を引き起こすように加熱することをさらに含む、請求項20に記載の方法。
【請求項24】
2mm未満の深さにある前記気道の組織を冷却するために、前記切除アセンブリを通して冷却剤を送達することをさらに含む、請求項20に記載の方法。
【請求項25】
被検体を治療する方法であって、該方法は、
気道に沿って送達デバイスのエネルギーエミッタを移動させることと、
該気道の軟骨輪の間に該エネルギーエミッタの少なくとも1つの電極を配置することと、
軟骨間変状部を形成するために、該電極から、該気道の長軸に沿った軸方向に分離した場所における標的領域までエネルギーを送達することと
を含む、方法。
【請求項26】
前記気道の内部組織を保護するために、該気道の壁を冷却することをさらに含む、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
円周方向に相互に重複している少なくとも2つの変状部を形成することをさらに含む、請求項25に記載の方法。
【請求項28】
前記変状部のうちの1つは、前記気道の長軸に直角である第1の仮想面にあり、別の変状部は、該気道の該長軸に直角である第2の仮想面にあり、該第1の仮想面と該第2の仮想面とは、該気道の該長軸に沿って軸方向に離間している、請求項25に記載の方法。
【請求項29】
神経幹と前記エネルギーエミッタとの間に位置している組織における細胞死を制限または防止するために、前記エネルギーを送達しながら、前記気道の壁を冷却することをさらに含む、請求項25に記載の方法。
【請求項30】
前記気道壁の中の2mm未満の深さにある組織を、細胞死が発生する温度より低い温度に維持しながら、少なくとも約2mmの深さにある組織を、細胞死を引き起こすように加熱することをさらに含む、請求項25に記載の方法。
【請求項31】
前記電極が前記エネルギーを出力している間、該電極を通して冷却剤を送達することをさらに含む、請求項25に記載の方法。
【請求項32】
組織を治療する方法であって、該方法は、
気道の管腔の中に切除アセンブリを配置することと、
該気道の内面付近に配置される該切除アセンブリの少なくとも1つの電極を使用して、エネルギーを該気道の組織に送達することであって、該エネルギーは、該気道に沿って軸方向に分離した標的領域を損傷させることにより、該標的領域の最大断面幅を画定する該標的領域の部分が、該気道の該内面から分離される、ことと
を含む、方法。
【請求項33】
前記エネルギーを送達しながら、軟骨輪の間に複数の前記電極を配置することをさらに含む、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
少なくとも1つの螺旋形状の変状部または渦巻き形状の変状部を形成するために、前記エネルギーを送達することをさらに含む、請求項32に記載の方法。
【請求項35】
前記少なくとも1つの標的領域の前記最大断面幅は、前記切除アセンブリに接触する前記気道の前記内面から少なくとも2mmの深さにある、請求項32に記載の方法。
【請求項36】
損傷させられた組織の断面幅が、前記組織中の平滑筋組織の領域よりも深い深さにおいて最大化されるように、前記標的領域のうちの1つにおいて該組織を損傷させることをさらに含む、請求項32に記載の方法。
【請求項37】
前記エネルギーを送達することは、少なくとも1つの標的領域の大部分が前記組織の平滑筋組織の領域の外側にあるように、該標的組織を損傷させることを含む、請求項32に記載の方法。
【請求項38】
前記損傷させられた組織の容量の大部分は、前記平滑筋組織の領域の外側にある、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
送達デバイスであって、該デバイスは、
カテーテルシャフトと、
該カテーテルシャフトに連結される切除アセンブリと
を備え、該切除アセンブリは、送達状態から配備状態まで移動可能な配備可能要素と、変状部を生成するようにエネルギーを放出することが可能なエネルギーエミッタとを含み、該変状部は、該配備要素が該配備状態にあるときに、身体構造の軸長に沿って相互から軸方向に変位した端を有する、デバイス。
【請求項40】
前記エネルギーエミッタは、渦巻き形状の変状部、螺旋形状の変状部、またはz字形状の変状部を形成するように構成される複数の電極を備える、請求項39に記載の送達デバイス。
【請求項41】
前記電極エミッタは、前記配備可能要素に巻き付いている、請求項39に記載の送達デバイス。
【請求項42】
前記エネルギーエミッタの一端は、前記配備可能要素の回りに円周方向に延在し、該エネルギーエミッタの反対の端は、該配備可能要素の回りに円周方向に延在し、該エネルギーエミッタの中央領域は、該配備可能要素の回りに前記切除アセンブリの長手軸に対して斜めに延在する、請求項39に記載の送達デバイス。
【請求項43】
前記エネルギーエミッタの複数の電極は、前記切除アセンブリに沿って該切除アセンブリの長手軸に対して斜めに延在する、請求項39に記載の送達デバイス。
【請求項44】
前記エネルギーエミッタは、渦巻き形状、螺旋形状、またはZ字形状を有する変状部を形成するように離間した複数の電極を含む、請求項39に記載の送達デバイス。
【請求項45】
前記変状部は、連続の変状部である、請求項44に記載の送達デバイス。
【請求項46】
前記変状部は、不連続の変状部である、請求項45に記載の送達デバイス。
【請求項47】
被検体を治療するための方法であって、該方法は、
気道内に切除アセンブリを配置することと、
少なくとも1つの変状部を形成するために、該切除アセンブリからエネルギーを送達することであって、該少なくとも1つの変状部は、該気道の長軸の方向に相互に対して軸方向にオフセットされた対向する端を有する、ことと
を含む、方法。
【請求項48】
前記対向する端は、前記切除アセンブリの長軸に沿って測定されると、少なくとも5mmの距離だけ分離している、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
渦巻き形状または螺旋形状を有する連続の変状部を形成するようにエネルギーを送達することをさらに含む、請求項47に記載の方法。
【請求項50】
渦巻き形状または螺旋形状を有する不連続の変状部を形成することをさらに含む、請求項47に記載の方法。
【請求項51】
前記少なくとも1つの変状部は、前記気道の回りに配置された複数の離間した変状部を含む、請求項47に記載の方法。
【請求項1】
エネルギー送達デバイスであって、該デバイスは、
カテーテルシャフトと、
該カテーテルシャフトに連結される切除アセンブリと
を備え、該切除アセンブリは、
折り畳み状態から拡張状態まで移動可能な冷却要素と、
該切除アセンブリの長手軸の周りの相互から円周方向にオフセットされた複数の電極を含む軟骨間エネルギーエミッタであって、該電極は、該切除アセンブリの長手軸に対して相互から離間している気道の複数の標的領域にエネルギーを送達するように構成され、該エネルギーエミッタと該冷却要素とは、該気道の表面組織から離間し、該気道の軟骨輪の間に配置される軟骨間変状部を協働して形成するように構成される、軟骨間エネルギーエミッタとを含む、デバイス。
【請求項2】
前記エネルギーエミッタは、前記気道の長軸に沿って相互から離間した変状部を生成するように構成される、請求項1に記載のエネルギー送達デバイス。
【請求項3】
前記気道の長軸に沿った方向における、該気道の該長軸に直角な仮想面上への前記標的領域の投影は、実質的に閉鎖した輪を画定する、請求項1に記載のエネルギー送達デバイス。
【請求項4】
前記切除アセンブリの少なくとも一部分は、渦巻き形状または螺旋形状を有する、請求項1に記載のエネルギー送達デバイス。
【請求項5】
2つの標的領域の少なくとも一部分は、前記気道の管腔を見下ろすと、重複している、請求項1に記載のエネルギー送達デバイス。
【請求項6】
前記カテーテルシャフトは、前記冷却要素および前記エネルギーエミッタに冷却剤を送達するための送達管腔を有する、請求項1に記載のエネルギー送達デバイス。
【請求項7】
前記エネルギーエミッタの冷却チャネルは、前記冷却要素のチャンバから分離されていることにより、前記カテーテルシャフトから該エネルギーエミッタの該チャネルまでの第1の冷却剤、および該冷却要素の該チャンバまでの第2の冷却剤の独立した送達を可能にする、請求項1に記載のエネルギー送達デバイス。
【請求項8】
前記エネルギーエミッタは、冷却剤の流動のための冷却剤チャネルを有する電極を含む、請求項1に記載のエネルギー送達デバイス。
【請求項9】
前記冷却要素は、拡張可能バスケットを含み、該拡張可能バケットは、冷却剤チャネルを有する中空の細長い部材を有する、請求項1に記載のエネルギー送達デバイス。
【請求項10】
前記電極のうちの少なくとも1つは、前記冷却要素が前記拡張状態にある間に、十分な量の無線周波数エネルギーを出力することにより、気管支樹に沿って延在する神経幹の一部分を切除して、該気管支樹の一部分に伝送される神経系信号を減衰させるように構成され、該冷却要素は、前記気道の壁から十分な量の熱エネルギーを吸収することにより、前記エネルギーエミッタと前記神経組織との間の組織に損傷を与えることを制限または防止する、請求項1に記載のエネルギー送達デバイス。
【請求項11】
拡張可能デバイスと、複数の電極とを含む切除アセンブリを備え、該電極は、前記拡張可能部材の周囲の回りで離間し、エネルギーを離散した標的領域に出力して該標的領域に変状部を形成することが可能であり、第1の変状部の少なくとも一部分は、第2の変状部から軸方向に離間し、それに円周方向に隣接するか、または重複している、管腔内送達デバイス。
【請求項12】
前記電極は、前記変状部の1つの組を形成するように構成され、該変状部の1つの組は、前記切除アセンブリの長手軸に沿って該変状部の第2の組から軸方向に分離している、請求項11に記載の管腔内送達デバイス。
【請求項13】
前記電極は、V字形またはT字形である、請求項11に記載の管腔内送達デバイス。
【請求項14】
前記拡張可能デバイスは、前記電極を携持する自由端を有する複数の歯を含む、請求項11に記載の管腔内送達デバイス。
【請求項15】
少なくとも1つの電極は、冷却チャネルを有し、該冷却チャネルを通って流体が流れて該電極を冷却することが可能であり、前記拡張可能デバイスは、バルーンまたは拡張可能バスケットを備える、請求項11に記載の管腔内送達デバイス。
【請求項16】
前記拡張可能デバイスは、送達構成から螺旋配備構成まで移動可能であり、前記電極は、該拡張可能デバイスが該配備構成にあるときに、エネルギーを前記標的領域まで送達するように配置される、請求項11に記載の管腔内送達デバイス。
【請求項17】
前記電極は、前記切除アセンブリの長手軸に沿った方向における、該切除アセンブリの該長手軸に直角な仮想面上への前記標的領域の投影が、実質的に閉鎖した輪を画定するように配置可能である、請求項11に記載の管腔内送達デバイス。
【請求項18】
前記電極は、前記切除アセンブリの長手軸に沿った方向における、該切除アセンブリの該長手軸に直角である仮想面上への前記標的領域の投影が、弓形の治療領域を画定するように配置可能である、請求項11に記載の管腔内送達デバイス。
【請求項19】
前記電極は、エネルギーを2つの隣接する標的領域に出力するように構成されることにより、該2つの隣接する標的領域の間の円周方向の重複の距離が、少なくとも0.5mmである、請求項11に記載の管腔内送達デバイス。
【請求項20】
被検体を治療する方法であって、該方法は、
気道に対して切除アセンブリを配置することと、
該切除アセンブリから該気道の軸方向に離間した標的領域までエネルギーを出力することであって、該標的領域の外形は、該気道の長軸に沿った方向に見られると、重複している、ことと
を含む、方法。
【請求項21】
前記標的領域のうちの第1の標的領域において第1の変状部を、該標的領域のうちの第2の標的領域において第2の変状部を形成することをさらに含み、該第1の変状部の一部分は、前記気道の前記長軸に沿った前記方向に見られると、該第2の変状部の一部分に重複している、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記切除アセンブリは、前記標的領域において変状部を形成するように構成され、各変状部は、前記気道の管腔を少なくとも部分的に包囲する、請求項20に記載の方法。
【請求項23】
前記気道壁の中の2mm未満の深さにある組織を、細胞死が発生する温度より低い温度に維持しながら、約2mmを上回る深さにある組織を、細胞死を引き起こすように加熱することをさらに含む、請求項20に記載の方法。
【請求項24】
2mm未満の深さにある前記気道の組織を冷却するために、前記切除アセンブリを通して冷却剤を送達することをさらに含む、請求項20に記載の方法。
【請求項25】
被検体を治療する方法であって、該方法は、
気道に沿って送達デバイスのエネルギーエミッタを移動させることと、
該気道の軟骨輪の間に該エネルギーエミッタの少なくとも1つの電極を配置することと、
軟骨間変状部を形成するために、該電極から、該気道の長軸に沿った軸方向に分離した場所における標的領域までエネルギーを送達することと
を含む、方法。
【請求項26】
前記気道の内部組織を保護するために、該気道の壁を冷却することをさらに含む、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
円周方向に相互に重複している少なくとも2つの変状部を形成することをさらに含む、請求項25に記載の方法。
【請求項28】
前記変状部のうちの1つは、前記気道の長軸に直角である第1の仮想面にあり、別の変状部は、該気道の該長軸に直角である第2の仮想面にあり、該第1の仮想面と該第2の仮想面とは、該気道の該長軸に沿って軸方向に離間している、請求項25に記載の方法。
【請求項29】
神経幹と前記エネルギーエミッタとの間に位置している組織における細胞死を制限または防止するために、前記エネルギーを送達しながら、前記気道の壁を冷却することをさらに含む、請求項25に記載の方法。
【請求項30】
前記気道壁の中の2mm未満の深さにある組織を、細胞死が発生する温度より低い温度に維持しながら、少なくとも約2mmの深さにある組織を、細胞死を引き起こすように加熱することをさらに含む、請求項25に記載の方法。
【請求項31】
前記電極が前記エネルギーを出力している間、該電極を通して冷却剤を送達することをさらに含む、請求項25に記載の方法。
【請求項32】
組織を治療する方法であって、該方法は、
気道の管腔の中に切除アセンブリを配置することと、
該気道の内面付近に配置される該切除アセンブリの少なくとも1つの電極を使用して、エネルギーを該気道の組織に送達することであって、該エネルギーは、該気道に沿って軸方向に分離した標的領域を損傷させることにより、該標的領域の最大断面幅を画定する該標的領域の部分が、該気道の該内面から分離される、ことと
を含む、方法。
【請求項33】
前記エネルギーを送達しながら、軟骨輪の間に複数の前記電極を配置することをさらに含む、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
少なくとも1つの螺旋形状の変状部または渦巻き形状の変状部を形成するために、前記エネルギーを送達することをさらに含む、請求項32に記載の方法。
【請求項35】
前記少なくとも1つの標的領域の前記最大断面幅は、前記切除アセンブリに接触する前記気道の前記内面から少なくとも2mmの深さにある、請求項32に記載の方法。
【請求項36】
損傷させられた組織の断面幅が、前記組織中の平滑筋組織の領域よりも深い深さにおいて最大化されるように、前記標的領域のうちの1つにおいて該組織を損傷させることをさらに含む、請求項32に記載の方法。
【請求項37】
前記エネルギーを送達することは、少なくとも1つの標的領域の大部分が前記組織の平滑筋組織の領域の外側にあるように、該標的組織を損傷させることを含む、請求項32に記載の方法。
【請求項38】
前記損傷させられた組織の容量の大部分は、前記平滑筋組織の領域の外側にある、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
送達デバイスであって、該デバイスは、
カテーテルシャフトと、
該カテーテルシャフトに連結される切除アセンブリと
を備え、該切除アセンブリは、送達状態から配備状態まで移動可能な配備可能要素と、変状部を生成するようにエネルギーを放出することが可能なエネルギーエミッタとを含み、該変状部は、該配備要素が該配備状態にあるときに、身体構造の軸長に沿って相互から軸方向に変位した端を有する、デバイス。
【請求項40】
前記エネルギーエミッタは、渦巻き形状の変状部、螺旋形状の変状部、またはz字形状の変状部を形成するように構成される複数の電極を備える、請求項39に記載の送達デバイス。
【請求項41】
前記電極エミッタは、前記配備可能要素に巻き付いている、請求項39に記載の送達デバイス。
【請求項42】
前記エネルギーエミッタの一端は、前記配備可能要素の回りに円周方向に延在し、該エネルギーエミッタの反対の端は、該配備可能要素の回りに円周方向に延在し、該エネルギーエミッタの中央領域は、該配備可能要素の回りに前記切除アセンブリの長手軸に対して斜めに延在する、請求項39に記載の送達デバイス。
【請求項43】
前記エネルギーエミッタの複数の電極は、前記切除アセンブリに沿って該切除アセンブリの長手軸に対して斜めに延在する、請求項39に記載の送達デバイス。
【請求項44】
前記エネルギーエミッタは、渦巻き形状、螺旋形状、またはZ字形状を有する変状部を形成するように離間した複数の電極を含む、請求項39に記載の送達デバイス。
【請求項45】
前記変状部は、連続の変状部である、請求項44に記載の送達デバイス。
【請求項46】
前記変状部は、不連続の変状部である、請求項45に記載の送達デバイス。
【請求項47】
被検体を治療するための方法であって、該方法は、
気道内に切除アセンブリを配置することと、
少なくとも1つの変状部を形成するために、該切除アセンブリからエネルギーを送達することであって、該少なくとも1つの変状部は、該気道の長軸の方向に相互に対して軸方向にオフセットされた対向する端を有する、ことと
を含む、方法。
【請求項48】
前記対向する端は、前記切除アセンブリの長軸に沿って測定されると、少なくとも5mmの距離だけ分離している、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
渦巻き形状または螺旋形状を有する連続の変状部を形成するようにエネルギーを送達することをさらに含む、請求項47に記載の方法。
【請求項50】
渦巻き形状または螺旋形状を有する不連続の変状部を形成することをさらに含む、請求項47に記載の方法。
【請求項51】
前記少なくとも1つの変状部は、前記気道の回りに配置された複数の離間した変状部を含む、請求項47に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図5A】
【図5B】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27A】
【図27B】
【図27C】
【図28A】
【図28B】
【図29A】
【図29B】
【図30A】
【図30B】
【図31A】
【図31B】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39A】
【図39B】
【図40A】
【図40B】
【図41】
【図42】
【図43】
【図43A】
【図44】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図5A】
【図5B】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27A】
【図27B】
【図27C】
【図28A】
【図28B】
【図29A】
【図29B】
【図30A】
【図30B】
【図31A】
【図31B】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39A】
【図39B】
【図40A】
【図40B】
【図41】
【図42】
【図43】
【図43A】
【図44】
【公表番号】特表2013−510676(P2013−510676A)
【公表日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−538992(P2012−538992)
【出願日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【国際出願番号】PCT/US2010/056424
【国際公開番号】WO2011/060200
【国際公開日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【出願人】(512120362)イノベイティブ パルモナリー ソリューションズ, インコーポレイテッド (3)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【国際出願番号】PCT/US2010/056424
【国際公開番号】WO2011/060200
【国際公開日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【出願人】(512120362)イノベイティブ パルモナリー ソリューションズ, インコーポレイテッド (3)
【Fターム(参考)】
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