説明

組電池、および組電池を搭載した車両

【課題】単電池から放出されたガスが少量のときであっても、このガスを排出することによって信頼性を高めた組電池、および信頼性を高めた車両を提供する。
【解決手段】組電池10は、単電池30をケース41内に収容してなる電池モジュール40を複数配列することによって形成される電池モジュール群50と、冷却風21が流れる冷却風通路20と、複数の電池モジュールを配列した配列方向Sに沿って電池モジュールに接して伸び、単電池からケース内に放出されたガス61を導入し、電池モジュール外に排出するガス排出経路を形成するガス排出ダクト60と、を有している。ガス排出ダクトは、ケースのそれぞれに形成されたガス放出孔42に連通するガス導入口62と、冷却風を取り込む空気取入口63と、を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、組電池、および組電池を搭載した車両に関する。
【背景技術】
【0002】
組電池は、単電池を複数配列することによって構成している。単電池には、電池内部において発生したガスが所定の圧力に達したときに内部のガスを放出可能な弁部材を設けている。組電池は、単電池から放出されたガスを導入して排出するためのガス排出経路を備えている(特許文献1、2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−151025号公報
【特許文献2】特開2006−236605号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記の特許文献1、2に記載された技術にあっては、ガス排出経路を通してのガスの排出を、単電池から放出されたガス自体の圧力のみに依存している。このため、単電池から微少なガスが放出されたときには、このガスを十分に排気することができない虞がある。
【0005】
本発明の目的は、単電池から放出されたガスが少量のときであっても、このガスを排出することによって信頼性を高めた組電池、および信頼性を高めた車両を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成する本発明の組電池は、内部のガスを放出可能な弁部材が設けられた単電池をケース内に収容してなる電池モジュールを複数配列することによって形成される電池モジュール群と、前記電池モジュールの前記ケースの外面に沿って形成され冷却風が流れる冷却風通路と、複数の前記電池モジュールを配列した配列方向に沿って前記電池モジュール群に接して伸び、前記単電池から前記ケース内に放出されたガスを導入し、前記電池モジュール外に排出するガス排出経路を形成するガス排出ダクトと、を有している。前記ケースのそれぞれには、前記ケース内に放出されたガスを前記ケース外に放出するために、ガス放出孔が形成されている。前記ガス排出ダクトは、前記ガス放出孔に連通するガス導入口と、前記冷却風を取り込む少なくとも1つの空気取入口と、を備えている。
【0007】
上記目的を達成する本発明の車両は、上記のような組電池を搭載している。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、単電池から放出されたガス自体の圧力のみではなく、ガス排出ダクトの空気取入口から取り込んだ冷却風によって生じる風流れによって、ガス排出経路を通してガスを排出することができる。このため、単電池から放出されたガスが少量のときであっても、このガスを排出することによって信頼性を高めた組電池を提供できる。
【0009】
さらに、このような組電池を搭載した車両にあっては、単電池から放出されたガスが少量のときであっても、このガスを組電池から排出することによって、信頼性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明に係る組電池の実施形態を示す斜視図である。
【図2】組電池における冷却風の流れを模式的に示す図である。
【図3】電池モジュールを複数配列することによって形成される電池モジュール群を示す斜視図である。
【図4】図4(A)は、単電池としての扁平型のリチウムイオン二次電池を示す斜視図、図4(B)は、電池モジュールを示す分解斜視図である。
【図5】電池モジュールおよびガス排出ダクトを示す斜視図である。
【図6A】図2において下側に示されるガス排出ダクトを拡大図とともに示す斜視図である。
【図6B】図6B(A)は、図2において上側に示されるガス排出ダクトを示す斜視図、図6B(B)は、図6B(A)の矢印Aの方向から見た斜視図、図6B(C)は、図6B(A)の矢印Bの方向から見た斜視図である。
【図7】図1に示す組電池を搭載した車両の概念図である。
【図8】改変例1に係るガス排出ダクトの要部を示す斜視図である。
【図9】改変例2に係るガス排出ダクトの要部を示す斜視図である。
【図10】改変例3に係る組電池おける冷却風の流れを模式的に示す図である。
【図11】図11(A)および(B)は、改変例4に係るガス排出ダクトの要部を示す斜視図および断面図である。
【図12】図12(A)は、改変例4の制御系を示す概略構成図、図12(B)は、改変例4の動作を示すフローチャートである。
【図13】図13(A)および(B)は、改変例5に係るガス排出ダクトの要部を示す斜視図および断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。
【0012】
図1は、本発明に係る組電池10の実施形態を示す斜視図、図2は、組電池10における冷却風21の流れを模式的に示す図、図3は、電池モジュール40を複数配列することによって形成される電池モジュール群50を示す斜視図、図4(A)は、単電池30としての扁平型のリチウムイオン二次電池を示す斜視図、図4(B)は、電池モジュール40を示す分解斜視図、図5は、電池モジュール40およびガス排出ダクト60を示す斜視図、図6Aは、図2において下側に示されるガス排出ダクト60を拡大図とともに示す斜視図、図6B(A)は、図2において上側に示されるガス排出ダクト60を示す斜視図、図6B(B)は、図6B(A)の矢印Aの方向から見た斜視図、図6B(C)は、図6B(A)の矢印Bの方向から見た斜視図、図7は、図1に示す組電池10を搭載した車両80の概念図である。
【0013】
図1および図2を参照して、組電池10は、概説すれば、内部のガス61を放出可能な弁部材が設けられた単電池30をケース41内に収容してなる電池モジュール40を複数配列することによって形成される電池モジュール群50と、電池モジュール40のケース41の外面に沿って形成され冷却風21が流れる冷却風通路20と、単電池30からケース41内に放出されたガス61を導入し、電池モジュール40外に排出するガス排出経路を形成するガス排出ダクト60と、を有している。ガス排出ダクト60は、複数の電池モジュール40を配列した配列方向Sに沿って電池モジュール群50に接して伸びている。このガス排出ダクト60は、ケース41内に放出されたガス61をケース41外に放出するためにケース41のそれぞれに形成されたガス放出孔42に連通するガス導入口62と、冷却風21を取り込む少なくとも1つの空気取入口63と、を備えている。本実施形態では、ガス排出ダクト60の空気取入口63は、冷却風通路20に向かって開口し冷却風21の一部を取り入れている。取り入れた冷却風21によって、ガス排出経路における風流れを生じさせている。以下、詳述する。
【0014】
図2を参照して、組電池10は、自動車や電車などの車両に搭載される車載電池であり、組電池用ケース11内に、複数個の電池モジュール40を収容している。組電池用ケース11の上面に冷却風21を供給する吸気口12を形成し、側面に冷却風21を排出する排気口13を形成している。吸気口12に吸気ダクト14を接続し、排気口13に排気ダクト15を接続している。吸気ダクト14には、ファンおよびファン駆動用のモータなどを備える送風装置16を接続している。送風装置16から供給された冷却風21は、吸気ダクト14を通って組電池用ケース11内に流入する。
【0015】
電池モジュール40を任意の個数直並列に接続することによって、所望の電流、電圧、容量に対応できる組電池10となる。電池モジュール40を直並列に接続する際には、バスバーのような適当な接続部材を用いる。複数個の電池モジュール40を空間を隔てて配列することによって、電池モジュール群50を形成している。図3に示される電池モジュール群50は、12個の電池モジュール40を空間を隔てて積層した形態を有している。電池モジュール群50における複数の電池モジュール40は、配列方向Sに拘束して保持されている。例えば、電池モジュール群50の配列方向Sに沿う両側のそれぞれにエンドプレート51を配置し、エンドプレート51同士を締結することによって、エンドプレート51に挟まれた電池モジュール40を拘束して保持することができる。
【0016】
電池モジュール40は空冷式であり、電池モジュール40同士の間の空間は、電池モジュール40のそれぞれを冷却するための冷却風21が流下する冷却風通路20として利用される。冷却風21は、冷却風通路20内を、電池モジュール40の短手方向に沿って流れる。冷却風21を流して各電池モジュール40を冷却することにより、電池温度を下げ、充電効率などの特性が低下することを抑制する。電池モジュール40同士の間の空間のクリアランスつまり冷却風通路20の幅は、電池モジュール40に取り付けられた枠体70によって規制する。電池モジュール40間のクリアランスは、車両に搭載する際のレイアウトや、冷却風通路20として機能させるために必要な寸法などを考慮して定める。
【0017】
枠体70は、樹脂材料から形成され、電池モジュール40のケース41に着脱自在に取付けられる。枠体70は、隣り合う電池モジュール40同士を連結するための連結部71を有している。連結部71を介して隣り合う電池モジュール40同士を連結することによって、隣り合う電池モジュール40同士の位置が定まり、冷却風通路20の幅が定まる。枠体70にはまた、電池モジュール40の長手方向に冷却風21が漏れることを防止する隔壁72を設けている。
【0018】
図4(A)(B)を参照して、電池モジュール40は、組電池10を組み立てる単位ユニットを成し、電気的に接続された複数枚(図示例では8枚)の単電池30を含むセルユニット43がケース41内に収納されている。なお、電池モジュール40は、電気的に接続された複数の単電池30を備える点において組電池の一種であるが、本明細書においては、「組電池」を組み立てる際の単位ユニットであって、単電池30をケース41内に収納してなるユニットを「電池モジュール」と称する。
【0019】
ケース41は、開口部44aが形成された箱形状を成すロアケース44と、開口部44aを閉じる蓋体を成すアッパーケース45とから形成されている。アッパーケース45の縁部45aは、カシメ加工によって、ロアケース44の周壁44bの縁部44cに巻き締めている。ロアケース44およびアッパーケース45は、比較的薄肉の鋼板またはアルミ板から形成され、プレス加工によって所定形状が付与されている。
【0020】
ケース41は金属製ケースであるので、単電池30の集合体の重量に耐えるのに必要な剛性を確保して、電池モジュール40の小型化および軽量化に寄与し得る。また、単電池30から放出されたガス61の圧力や温度にも十分耐えることができる。さらに、金属材料は熱伝導性も良いことから、電池の冷却性能も向上する。
【0021】
セルユニット43は、単電池30の電極タブ31、32を保持するために用いられる絶縁スペーサ46と、正負の出力端子47、48とを含んでいる。正負の出力端子47、48は、ロアケース44の周壁44bの一部に形成した切り欠き部44d、44eを通してケース41から外部に導出される。図中符号49は、各単電池30の電圧検出端子(図示せず)に接続されるコネクタ(図示せず)を差し込む差込口を示している。この差込口49も、周壁44bの一部に形成した切り欠き部44fを通してケース41の外部に露出される。
【0022】
図4(A)を参照して、単電池30は、例えば、扁平なリチウムイオン二次電池である。リチウムイオン二次電池は小型かつ高性能であることから、組電池10の小型化やスペース効率の向上を図ることができ、組電池10の高性能(高出力および長寿命)化を図る上でも好ましい。
【0023】
リチウムイオン二次電池は、正極板、負極板およびセパレータを順に積層した積層型の発電要素(図示せず)を、外装材33によって封止している。外装材33は、可撓性を有する一対のラミネートフィルムなどから形成している。単電池30は、発電要素に一端が電気的に接続されるとともに板状を成す正負の電極タブ31、32を外装材33から外部に導出している。正負の電極タブ31、32は、単電池30の長手方向の両側に延びている。積層型の発電要素を備える扁平型電池にあっては、電極板間の距離を均一に保って電池性能の維持を図るために、発電要素に圧力を掛けて押さえる必要がある。このため、単電池30は、発電要素が押さえつけられるようにケース41に収納している。
【0024】
単電池30は、電池内部において発生したガス61が所定の圧力に達したときに内部のガス61を放出可能な弁部材34を有している。弁部材34は、一対のラミネートフィルムを熱融着した部分に配置している。図示例では、一対のラミネートフィルムを熱融着した外周縁部のうち、長手方向の略中央部分に弁部材34を配置している。弁部材34は、電池内で発生したガス61が所定の圧力に達したときに、ラミネートフィルムの熱融着状態を開裂することによって、ガス61を外部に放出する。
【0025】
ケース41は、弁部材34からケース41内に放出されたガス61をケース41外に放出するためのガス放出孔42を有している。ガス放出孔42は、ロアケース44の周壁44bのうち長手方向に沿う対をなす周壁44bの両方に設けている。ガス放出孔42は、長手方向に沿う周壁44bの略中央部分に位置し、単電池30の弁部材34とほぼ向かい合っている。
【0026】
図3および図5を参照して、ガス排出ダクト60は、電池モジュール40の配列方向Sに沿って電池モジュール群50に接して伸びている。図3および図5には、下側の排出ダクト60のみが示され、上側の排出ダクト60は図示省略してある。ガス放出孔42をロアケース44の対をなす周壁44bの両方に設けているので、ガス排出ダクト60も、ロアケース44の周壁44bのそれぞれに接するように上下に2個設けている(図2を参照)。それぞれのガス排出ダクト60は、エンドプレート51に固定している。
【0027】
図6Aおよび図6Bを参照して、ガス排出ダクト60は、内部通路64が形成された矩形パイプ形状を有している。ガス排出ダクト60の4つの面のうちの一の面に、ガス放出孔42に連通するガス導入口62を、内部通路64に連通するように貫通して設けている。図2において下側に示されるガス排出ダクト60は、同様に、一の面に、冷却風21の一部を取り入れる空気取入口63を、内部通路64に連通するように貫通して設けている(図6Aを参照)。図2において上側に示されるガス排出ダクト60は、一の面に向かい合う面に、冷却風21の一部を取り入れる空気取入口63を、内部通路64に連通するように貫通して設けている(図6Bを参照)。単電池30からケース41内に放出されたガス61は、ガス導入口62からガス排出ダクト60の内部通路64に導入され、冷却風21の一部は、空気取入口63からガス排出ダクト60の内部通路64に取り込まれる。ガス導入口62は、電池モジュール40の数に等しい12個設けている。ガス導入口62および空気取入口63は、ガス排出ダクト60の長手方向に沿って交互に設けている。空気取入口63のそれぞれは、矩形形状を有し、冷却風通路20に向かって開口している。冷却風21の流れに沿う上流側に配置されるガス排出ダクト60(図2において上側に示される)および下流側に配置されるガス排出ダクト60(図2において下側に示される)における、空気取入口63のそれぞれは、冷却風21の流れ方向に沿う上流側に向かって開口している。
【0028】
複数の電池モジュール40を配列方向Sに拘束して保持したときに、ガス放出孔42同士の間隔に多少のずれが生じる場合がある。それぞれのガス放出孔に導入管などを嵌め込んでガスを排出する形態では、複数の電池モジュールを加圧したときに、導入管がガス放出孔から外れたり、導入管とガス放出孔との間に隙間が生じたりする虞がある。ガスが冷却風通路に漏れ出てしまうので、組電池の信頼性を損なうことになる。
【0029】
これに対して、本実施形態では、ガス排出ダクト60の外面をケース41の平坦な外面に当接させ、ガス放出孔42とガス導入口62とを連通して、ケース41内のガス61をガス排出ダクト60内に導入する形態を採用している。このため、ガス導入口62の大きさをガス放出孔42の大きさよりも大きく形成することによって、ガス放出孔42同士の間隔に多少のずれが生じても、冷却風通路20へのガス漏れを招くことなく、ガス61をガス排出ダクト60の内部通路64を介して、車外に排出することができる。したがって、組電池10の品質ないし信頼性を高めることができる。また、ガス放出孔42同士の間隔の多少のずれにガス導入口62が追従できることから、ガス排出ダクト60、ケース41、あるいは枠体70などを製造するときの寸法精度や、ガス放出孔42を形成する位置の精度などを過度に高める必要はない。寸法精度の管理が簡素になることを通して、各部品の製造や加工が容易なものとなる。
【0030】
ここで、ガス導入口62は、配列方向Sに沿う開口長さが配列方向Sに対して直交する方向に沿う開口長さよりも長い長孔形状を有していることが好ましい。ガス放出孔42同士の間隔のずれは電池モジュール40の配列方向Sに沿って生じることから、ガス導入口62を上記の長孔形状に形成しておくことによって、ガス導入口62が、ガス放出孔42同士の間隔の多少のずれに追従できるからである。また、必要な方向にのみガス導入口62を大きくすることから、冷却風通路20中に存するガス排出ダクト60が必要以上に大きくならない。したがって、冷却風通路20に臨む投影面積が比較的小さくなり、ガス排出ダクト60を設けることによる冷却風21の圧力損失の増加を抑制することができる。
【0031】
ガス排出ダクト60は、ガス導入口62の周囲を取り囲むように設けられるとともにケース41の外面に接してガス放出孔42の周囲を取り囲むシール部65を有することが好ましい。シール部65によって冷却風通路20へのガス漏れを防止でき、組電池10の信頼性をさらに高めることができるからである。
【0032】
シール部65は、ケース41の外面に圧接して変形自在な弾性部材から形成することが好ましい。弾性部材によって冷却風通路20へのガス漏れを一層防止でき、組電池10の信頼性をより一層高めることができるからである。弾性部材は、例えば、ゴム系材料などの弾性変形自在な材料から形成されている。
【0033】
ガス排出ダクト60は、組電池用ケース11を貫通して、組電池10の外部に引き出されている(図1、図2参照)。ガス排出ダクト60の排出口60aは、組電池10にできるだけ近い場所において、車両の外側の空間に連通している。ガス排出ダクト60によって形成されるガス排出経路は、ガス導入口62から導入されたガス61、および空気取入口63から取り込まれた冷却風21の一部を、車外に導いて排出する。
【0034】
ガス排出ダクト60の形成材料は、ガス61に耐え得る材質であれば、特に限定されるものではない。ガス排出ダクト60は、例えば、樹脂材料、ゴムなどの弾性材料、それらを組み合わせた材料などから形成することができる。上記の材料によれば、ガス排出ダクト60の軽量化を図ることができる。また、ガス排出ダクト60の形状の自由度を拡大することができ、組電池10に設けるときのレイアウト性を向上することができる。ガス排出ダクト60の一部に上記の材料を適用し、他の部分をさらに他の材料(例えば、金属材料)から形成してもよい。
【0035】
図7は、図1に示す組電池10を搭載した車両80の概念図である。
【0036】
ハイブリッド自動車のような車両80に搭載された組電池10は、例えば、走行用モータを駆動する電源として用いられる。組電池10は、車両80の車体中央部の座席下に搭載してある。座席下に搭載すれば、車内空間およびトランクルームを広く取ることができるからである。なお、組電池10を搭載する場所は、座席下に限らず、後部トランクルームの下部でもよいし、車両前方のエンジンルームでも良い。以上のような組電池10を用いた車両80は高い耐久性を有し、長期間使用しても十分な出力を提供し得る。さらに、燃費、走行性能に優れた車両を提供できる。組電池10を搭載した車両としては、ハイブリッド自動車のほか、電気自動車、燃料電池自動車などに幅広く適用できる。
【0037】
次に、作用を説明する。
【0038】
組電池10を使用しているときには、送風装置16が稼動している。送風装置16から供給された冷却風21は、吸気ダクト14を通って組電池用ケース11内に流入する。流入した冷却風21は、冷却風通路20内を、電池モジュール40の短手方向に沿って流れる。冷却風21が電池モジュール40のケース41の外面に沿って流れることによって、電池温度を下げ、充電効率などの特性が低下することを抑制する。電池モジュール40を冷却した後の冷却風21は、排気ダクト15を通して導いて、組電池10の外部に排出する。
【0039】
ガス排出ダクト60は、冷却風21の一部を空気取入口63から内部通路64に取り込み、車両80の外側の空間に導いて排出する。このようなガス排出ダクト60によって形成されるガス排出経路は、風流れを生じている。
【0040】
単電池30の内部において発生したガス61が所定の圧力に達したときには、単電池30の弁部材34は、ラミネートフィルムの熱融着状態を開裂することによって、ガス61を外部に放出する。
【0041】
ケース41内に放出されたガス61は、ガス放出孔42に達する。ガス排出ダクト60は、ガス61をガス導入口62から内部通路64に取り込み、風流れを生じさせる冷却風21の一部と一緒に、車両80の外側の空間に導いて排出する。ガス排出ダクト60によって形成されるガス排出経路は既に風流れを生じているので、ガス排出ダクト60内においてガス61が滞留することがない。したがって、単電池30から放出されたガス61が少量であり、その圧力がほぼゼロに等しいときであっても、この少量のガス61を車両80の外側の空間まで導いて確実に排出することができる。これにより、組電池10の品質を向上し、信頼性を高めることが可能となる。
【0042】
ガス排出ダクト60は、空気取入口63から冷却風21の一部を取り込むことができればよく、冷却風通路20に臨む投影面積は比較的小さくてよい。このため、ガス排出ダクト60を設けることによる冷却風21の圧力損失の増加を抑制することができる。
【0043】
ガス排出ダクト60は配列方向Sに沿って電池モジュール群50に接していることから、電池モジュール40同士を固定する機能をも発揮する。したがって、車両80の振動が電池モジュール群50に伝達しても、ガス排出ダクト60が振動を吸収あるいは減衰させることによって、振動から電池モジュール群50を保護することができる。
【0044】
以上説明したように本実施形態によれば、単電池30から放出されたガス61自体の圧力のみではなく、ガス排出ダクト60の空気取入口63から取り込んだ冷却風21の一部によって生じる風流れによって、ガス排出経路を通してガス61を排出することができる。このため、単電池30から放出されたガス61が少量のときであっても、このガス61を排出することによって信頼性を高めた組電池10を提供できる。
【0045】
空気取入口63から冷却風21の一部を取り入れて、ガス排出経路における風流れを生じさせているので、別途、ガス排出経路における風流れを生じさせる空気をガス排出ダクト60に導く経路を設ける必要がなく、組電池10の構造が複雑にならない。
【0046】
ガス導入口62を長孔形状に形成しているので、ガス導入口62はガス放出孔42同士の間隔の多少のずれに追従でき、冷却風通路20へのガス漏れを招くことなく、ガス61を車外に排出することができる。したがって、組電池10の品質ないし信頼性を高めることができる。また、必要な方向にのみガス導入口62を大きくすることから、ガス排出ダクト60を設けることによる冷却風21の圧力損失の増加を抑制することができる。
【0047】
ガス排出ダクト60に設けたシール部65によって冷却風通路20へのガス漏れを防止して、組電池10の信頼性をさらに高めることができる。
【0048】
シール部65を変形自在な弾性部材から形成することによって、冷却風通路20へのガス漏れを一層防止でき、組電池10の信頼性をより一層高めることができる。
【0049】
電池モジュール40のケース41は金属製ケースであるので、必要な剛性を確保しつつ電池モジュール40の小型化および軽量化を図り、単電池30から放出されたガス61の圧力や温度にも十分耐えることができる。また、電池の冷却性能も向上する。
【0050】
単電池30にリチウムイオン二次電池を適用することにより、組電池10の小型化やスペース効率の向上を図ることができ、組電池10の高性能(高出力および長寿命)化を図ることができる。
【0051】
上記のような組電池10を用いた車両80は高い耐久性を有し、長期間使用しても十分な出力を提供し得る。
【0052】
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜改変することができる。
【0053】
図8は、改変例1に係るガス排出ダクト60の要部を示す斜視図である。
【0054】
ガス排出ダクト60のガス導入口62は、単電池30の温度を検出するセンサ66を取り付け自在に構成してもよい。センサ66は、例えば、サーミスタから形成されている。サーミスタ66の径は、ガス排出ダクト60内へのガス61の導入を阻害することがないように、ガス導入口62よりも小さい。また、サーミスタ66の先端部は、ケース41のガス放出孔42に挿通されて単電池30に接触ないし近接するように突出した形状であることが好ましい。
【0055】
かかる改変例1によれば、ガス排出ダクト60にセンサ66を一体化することによって、ガス排出ダクト60の取り付けと同時にセンサ66の取り付けを行うことができるという利点がある。また、ガス排出ダクト60の内部通路64や外面を、センサ66に接続した信号線を配索するための経路として流用することもできる。
【0056】
図9は、改変例2に係るガス排出ダクト60の要部を示す斜視図である。
【0057】
上述した実施形態にあっては、ガス排出ダクト60は、複数の空気取入口63を備えているが、本発明は、この場合に限定されるものではない。ガス排出ダクト60は、ガス排出経路における風流れを生じさせる空気を取り込み得る限りにおいて、少なくとも1つの空気取入口を備えていればよい。
【0058】
この場合、図示するように、ガス排出ダクト60の空気取入口67は、ガス排出経路における風流れの最上流位置に配置することが好ましい。ガス排出ダクト60内において空気の淀みが生じることをなくし、いずれのガス導入口62からガス61を導入しても、風流れによって車両80の外側の空間に排出するためである。1つの空気取入口67の開口面積は、複数個の空気取入口63のそれぞれの開口面積よりも大きく設定してある。ガス排出経路における十分な風流れを生じさせるために、多くの空気を取り込むためである。
【0059】
図10は、改変例3に係る組電池10aおける冷却風21の流れを模式的に示す図である。
【0060】
この組電池10aにあっては、ガス排出ダクト60よりも上流側の冷却風通路20の流路断面積は、冷却風21の入口つまり吸気口12から遠ざかるにつれて小さくしてある。具体的には、組電池用ケース11の上面と図10において上側に示されるガス排出ダクト60との間隔を、吸気口12から遠ざかるにつれて(図10において右側にいくにつれて)小さくしてある。
【0061】
このように冷却風通路20を構成することによって、ガス排出ダクト60内に入る冷却風21は、流速(圧力)が一定となる。このため、ガス排出ダクト60内において空気の淀みが生じることがなく、いずれのガス導入口62からガス61を導入しても、このガス61を確実かつ効率良く車外に排出することができる。さらに、冷却風通路20における冷却風21の流速が一定になることから、複数の電池モジュール40のそれぞれを冷却するそもそもの冷却効率を均一化することができる。
【0062】
図11(A)および(B)は、改変例4に係るガス排出ダクト60の要部を示す斜視図および断面図、図12(A)は、改変例4の制御系を示す概略構成図、図12(B)は、改変例4の動作を示すフローチャートである。
【0063】
上述した実施形態にあっては、空気取入口63を常時開放しているが、本発明は、この場合に限定されるものではない。ガス排出ダクト60は、空気取入口63を開閉する蓋部材90をさらに有しても良い。蓋部材90は、冷却風21が流れるときには空気取入口63を開く開状態となり、冷却風21が流れていないときには空気取入口63を閉じる閉状態となる。
【0064】
図11(A)を参照して、改変例4においては、それぞれの蓋部材90は、樹脂製または金属製の薄板から形成したドア91から構成してある。ドア91は、ガス排出ダクト60の外面に空気取入口63を開閉自在に取り付けている。ドア91は、回動軸92を中心に回動自在に取り付けている。回動軸92は、連結棒93を介して、ブラケット94に連結している。連結棒93の一端は回動軸92に固定され、他端はブラケット94に回動自在に連結してある。
【0065】
図11(B)を参照して、ブラケット94が実線によって示される位置にあるときには、ドア91は、実線によって示すように、空気取入口63を閉じる閉状態となる。この状態から、二点鎖線によって示すように、ブラケット94を図中右側に移動すると、ブラケット94に対して連結棒93が回動し、連結棒93に固定した回動軸が回動する。これによって、ドア91は、二点鎖線によって示すように、空気取入口63を開く開状態となる。
【0066】
図12(A)を参照して、改変例4の組電池は、送風装置16のブロアファン100を回転駆動するモータ101と、ドア91に接続されドア91を動かして開状態または閉状態にするアクチュエータ102(駆動部に相当する)と、モータ101およびアクチュエータ102の作動を制御するバッテリコントローラ103(制御部に相当する)と、を有している。アクチュエータ102は、例えば、ブラケット94に接続されるソレノイドやモータなどから構成する。バッテリコントローラ103は、CPUやメモリを主体に構成する。バッテリコントローラ103は、冷却風21が流れるときにはドア91を開状態にし、冷却風21が流れていないときにはドア91を閉状態にするように、アクチュエータ102の作動を制御する。
【0067】
図12(B)を参照して、バッテリコントローラ103は、組電池10を使用するときには、ブロアファン100をオンし、送風装置16を稼動する(ステップS1、「YES」)。このときには、バッテリコントローラ103は、アクチュエータ102によってドア91を動かして開状態にする(ステップS2)。送風装置16から供給された冷却風21は、吸気ダクト14を通って組電池用ケース11内に流入し、冷却風通路20内を流れる。このように冷却風21が流れるときには、ガス排出ダクト60は、開状態のドア91によって開かれた空気取入口63から内部通路64に冷却風21を取り込む。ケース41内にガス61が放出されたときには、ガス排出ダクト60は、ガス61をガス導入口62から内部通路64に取り込み、風流れを生じさせる冷却風21の一部と一緒に、車両80の外側の空間に導いて排出口60aから積極的に排出する。
【0068】
一方、バッテリコントローラ103は、ブロアファン100をオフしているとき(ステップS1、「NO」)、つまり、冷却風21が流れていないときには、アクチュエータ102によってドア91を動かして閉状態にする(ステップS3)。ケース41内にガス61が放出されたときには、ガス排出ダクト60は、ガス61をガス導入口62から内部通路64に取り込む。開状態のドア91によって空気取入口63を閉じているので、ガス排出ダクト60は、ガス61を冷却風通路20に流出させることはなく、車両80の外側の空間に導いて排出口60aから排出する。
【0069】
このように、蓋部材90としてのドア91は、冷却風21が流れるときには開状態となり、冷却風21が流れていないときには閉状態となることから、開状態のときには、冷却風21をガス排出ダクト60内に導入してガス61を車外に積極的に排出することができる。一方、閉状態のときには、ガス排出ダクト60内に取り込んだガス61が冷却風通路20に流出することを防止できる。
【0070】
組電池は、ドア91を動かして開状態または閉状態にするアクチュエータ102と、冷却風21が流れるときにはドア91を開状態にし、冷却風21が流れていないときにはドア91を閉状態にするように、アクチュエータ102の作動を制御するバッテリコントローラ103と、を有するので、冷却風21を送風するブロアファン100のオン、オフの切り換えに連動して、ドア91を開状態または閉状態に切り換えることができる。したがって、冷却風21が流れるときのガス61の車外への積極的な排出と、冷却風21が流れていないときのガス61の冷却風通路20への漏れの防止とを確実に行うことができる。
【0071】
図13(A)および(B)は、改変例5に係るガス排出ダクト60の要部を示す斜視図および断面図である。
【0072】
改変例5に係るガス排出ダクト60は、改変例4と同様に、空気取入口63を開閉する蓋部材90をさらに有している。蓋部材90は、冷却風21が流れるときには空気取入口63を開く開状態となり、冷却風21が流れていないときには空気取入口63を閉じる閉状態となる。しかしながら、改変例5の組電池は、アクチュエータやバッテリコントローラを有しておらず、この点において改変例4と相違している。
【0073】
図13(A)(B)を参照して、改変例5においては、それぞれの蓋部材90は、冷却風21の風圧によってガス排出ダクト60の内側に向けて動かされて開状態になる、いわゆる一方向弁から構成してある。さらに詳しくは、蓋部材90は、冷却風21が流れるときには冷却風21の風圧によって空気取入口63を開き、冷却風21が流れていないときには空気取入口63を閉じるように自動的に動くドア95から構成してある。ドア95は、ガス排出ダクト60の内面に空気取入口63を開閉自在に取り付けている。図13(B)には、閉状態のドア95を実線によって示し、開状態のドア95を二点鎖線によって示してある。
【0074】
ドア95は、低風量の冷却風21であっても作動可能とするために、樹脂製の薄板またはフィルムから形成することができる。ドア95を薄板から形成して回動軸を設ける場合には、ドア95を閉状態とする方向の弾発力を付勢するバネ部材を回動軸に設ければよい。冷却風21が流れるときには、ドア95は、冷却風21の風圧によって、バネ部材の弾発力に抗して空気取入口63を自動的に開く。冷却風21の流れがなくなると、ドア95は、バネ部材の弾発力によって空気取入口63を自動的に閉じる。ドア95をフィルムから形成する場合には、フィルムの一辺をガス排出ダクト60の内面に固定すればよい。冷却風21が流れるときには、ドア95は、冷却風21の風圧によって空気取入口63を自動的に開く。冷却風21の流れがなくなると、ドア95は、フィルム自体のコシの強さによって空気取入口63を自動的に閉じる。
【0075】
このように、蓋部材90としてのドア95は、改変例4と同様に、冷却風21が流れるときには開状態となり、冷却風21が流れていないときには閉状態となることから、開状態のときには、冷却風21をガス排出ダクト60内に導入してガス61を車外に積極的に排出することができる。一方、閉状態のときには、ガス排出ダクト60内に取り込んだガス61が冷却風通路20に流出することを防止できる。
【0076】
ドア95は、冷却風21の風圧によって動かされて自動的に開状態になることから、簡易なドア構造によって、冷却風21が流れるときのガス61の車外への積極的な排出と、冷却風21が流れていないときのガス61の冷却風通路20への漏れの防止とを確実に行うことができる。
【0077】
ドア95は、冷却風21が流れる方向(図13(B)において下向き)と同方向に開くことから、冷却風21を空気取入口63からガス排出ダクト60内に導入するときの圧力損失を低くできる。また、ガス排出ダクト60内に導入した冷却風21の風量と、ドア95の開度との間に、相関を持たせることができる。
【0078】
なお、蓋部材は、改変例4、5に示したドア91、95に限定されない。蓋部材は、空気取入口63を開閉できる限りにおいて、蓋部材の形状、形成材料、配置位置、動作などを適宜改変することができる。例えば、スライド式のドアを、ガス排出ダクトの外側または内側に、空気取入口63を開閉するようにスライド移動するように設けてもよい。
【符号の説明】
【0079】
10、10a 組電池、
11 組電池用ケース、
12 吸気口(冷却風の入口)、
13 排気口、
14 吸気ダクト、
15 排気ダクト、
16 送風装置、
20 冷却風通路、
21 冷却風、
30 単電池、リチウムイオン二次電池、
33 ラミネートフィルムなどの外装材、
34 弁部材、
40 電池モジュール、
41 ケース(金属製ケース)、
42 ガス放出孔、
43 セルユニット、
50 電池モジュール群、
51 エンドプレート、
60 ガス排出ダクト、
60a 排出口、
61 ガス、
62 ガス導入口、
63 空気取入口、
64 内部通路、
65 シール部、
66 サーミスタ(センサ)、
67 空気取入口、
70 枠体、
80 車両、
90 蓋部材、
91 ドア(蓋部材)、
92 回動軸、
93 連結棒、
94 ブラケット、
95 ドア(蓋部材)、
100 ブロアファン、
101 モータ、
102 アクチュエータ(駆動部)、
103 バッテリコントローラ(制御部)、
S 電池モジュールを配列した配列方向。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部のガスを放出可能な弁部材が設けられた単電池をケース内に収容してなる電池モジュールを複数配列することによって形成される電池モジュール群と、
前記電池モジュールの前記ケースの外面に沿って形成され冷却風が流れる冷却風通路と、
複数の前記電池モジュールを配列した配列方向に沿って前記電池モジュール群に接して伸び、前記単電池から前記ケース内に放出されたガスを導入し、前記電池モジュール外に排出するガス排出経路を形成するガス排出ダクトと、を有し、
前記ガス排出ダクトは、前記ケース内に放出されたガスを前記ケース外に放出するために前記ケースのそれぞれに形成されたガス放出孔に連通するガス導入口と、前記冷却風を取り込む少なくとも1つの空気取入口と、を備えることを特徴とする組電池。
【請求項2】
前記ガス排出ダクトの前記空気取入口は、前記冷却風通路に向かって開口し冷却風の一部を取り入れる請求項1に記載の組電池。
【請求項3】
前記電池モジュール群における複数の前記電池モジュールは、前記配列方向に拘束して保持され、
前記ガス排出ダクトの前記ガス導入口は、前記配列方向に沿う開口長さが前記配列方向に対して直交する方向に沿う開口長さよりも長い長孔形状を有している請求項1または請求項2に記載の組電池。
【請求項4】
前記ガス排出ダクトは、前記ガス導入口の周囲を取り囲むように設けられるとともに前記ケースの外面に接して前記ガス放出孔の周囲を取り囲むシール部を有している請求項1〜3のいずれか1項に記載の組電池。
【請求項5】
前記シール部は、前記ケースの外面に圧接して変形自在な弾性部材から形成されている請求項4に記載の組電池。
【請求項6】
前記ガス排出ダクトの前記ガス導入口は、前記単電池の温度を検出するセンサを取り付け自在である請求項1〜5のいずれか1項に記載の組電池。
【請求項7】
前記ガス排出ダクトの前記空気取入口は、前記ガス排出経路における風流れの最上流位置に配置されている請求項1〜6のいずれか1項に記載の組電池。
【請求項8】
前記ガス排出ダクトよりも上流側の冷却風通路の流路断面積は、冷却風の入口から遠ざかるにつれて小さくされている請求項1〜7のいずれか1項に記載の組電池。
【請求項9】
前記ガス排出ダクトは、前記空気取入口を開閉する蓋部材をさらに有し、
前記蓋部材は、冷却風が流れるときには前記空気取入口を開く開状態となり、冷却風が流れていないときには前記空気取入口を閉じる閉状態となる請求項1〜8のいずれか1項に記載の組電池。
【請求項10】
前記蓋部材に接続され前記蓋部材を動かして前記開状態または前記閉状態にする駆動部と、
冷却風が流れるときには前記蓋部材を前記開状態にし、冷却風が流れていないときには前記蓋部材を前記閉状態にするように、前記駆動部の作動を制御する制御部と、をさらに有している請求項9に記載の組電池。
【請求項11】
前記蓋部材は、冷却風の風圧によって前記ガス排出ダクトの内側に向けて動かされて前記開状態になる請求項9に記載の組電池。
【請求項12】
前記ケースは、金属製ケースである請求項1〜11のいずれか1項に記載の組電池。
【請求項13】
前記単電池は、リチウムイオン二次電池である請求項1〜12のいずれか1項に記載の組電池。
【請求項14】
請求項1〜13のいずれか1項に記載の組電池を搭載した車両。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2009−277647(P2009−277647A)
【公開日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−48492(P2009−48492)
【出願日】平成21年3月2日(2009.3.2)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【出願人】(000004765)カルソニックカンセイ株式会社 (3,404)
【Fターム(参考)】