説明

経口液剤

【課題】かぜ薬などの経口液剤にトラネキサム酸を配合した場合、その安定性が損なわれる。
【解決手段】トラネキサム酸,甘味剤およびクエン酸などの可食性酸またはその塩を含有する経口液剤。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はトラネキサム酸配合のかぜ薬あるいは咳止め薬の安定な経口液剤に関する。
【背景技術】
【0002】
トラネキサム酸は抗プラスミン作用が知られており止血,抗アレルギー,抗炎症剤として用いられている。該トラネキサム酸は単独水溶液中では安定で、0.5%水溶液(ブリトン−ロビンソン緩衝液)中ではpH2〜12の範囲で60℃で2週保存後の残存率はほぼ100%である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
一般にトラネキサム酸を製剤化した場合、その安定性は急激に低下し、例えばトラネキサム酸を有効成分とする市販のシロップ剤の場合にはトラネキサム酸の残存率(60℃で3週保存後)は90%を切るのが現状である。さらにトラネキサム酸を他の有効成分と同時に配合した液剤は安定性の点で問題があり処方化が困難であると言われ、解熱鎮痛消炎剤を併用した製剤としては錠剤の開発にとどまっている。一方、即効性や服用のし易さ等の点から複合処方の液剤あるいはシロップ剤の開発が強く要望されている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明者らはトラネキサム酸配合のシロップ製剤あるいはトラネキサム酸と他の有効成分、例えば解熱鎮痛消炎剤,抗ヒスタミン剤,抗アレルギー剤等とを含有する経口液剤にクエン酸等の可食性酸あるいはその塩を添加することにより、製剤化した場合でもトラネキサム酸の安定性を長期に亙り維持向上できることを見い出し、さらに検討を重ねた結果、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、(1)トラネキサム酸,(2)甘味剤及び(3)可食性酸またはその塩を含有してなる経口液剤である。経口液剤では、通常トラネキサム酸はほぼ0.1〜5.0W/V%の濃度で配合される。甘味剤としては、通常経口液剤に使われている甘味剤であれば何ら限定されるものではなく、糖質甘味剤あるいは非糖質甘味剤のいずれであっても用いることができる。糖質甘味剤としては、例えばショ糖、果糖等の単糖類、ブドウ糖、乳糖、麦芽糖等の二糖類、ソルビトール、マルチトール、マンニトール、キシリトール、エリスリトール、還元麦芽糖水アメ等の糖アルコール、パラチノース、カップリングシュガー等のオリゴ糖類、ハチミツなどを挙げることができる。また、非糖質甘味剤としては、例えばサッカリン、サッカリンナトリウム、アスパルテーム、ズルチン等の合成系甘味剤、ステビオサイド、グリチルリチン酸類、ミラクリン、ソーマチン、グリシン、アラニン等の天然系甘味剤などを挙げることができる。
【0005】
本発明の経口剤に配合される可食性酸としては、可食性の有機酸あるいは無機酸を挙げることができる。有機酸としては、例えばクエン酸,酒石酸,リンゴ酸,乳酸のようなオキシ酸、例えば酢酸,コハク酸,マレイン酸,フマール酸のようなモノあるいはジカルボン酸、アスコルビン酸などを挙げることができる。なかでも、オキシ酸、具体的にはクエン酸または酒石酸が好ましい。有機酸の場合、その塩、例えばナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属塩、例えばカルシウム、マグネシウムなどのアルカリ土類金属塩などの医薬上許容される塩を用いることができるが、これらの中でもナトリウム、カルシウム塩が好ましい。
無機酸としては、例えば塩酸,リン酸,炭酸,硫酸,硝酸等のような無機の酸が用いられる。有機酸同様これら無機酸の上述の塩を用いることができる。
本発明で添加される可食性酸またはその塩は、酸に換算して0.01〜5.0W/V%、好ましくは0.05〜3.0W/V%配合することにより、トラネキサム酸の安定性を維持することができる。
本発明の経口液剤では、有効成分としてさらに解熱鎮痛消炎剤、抗ヒスタミン剤あるいは抗アレルギー剤から選ばれる一種以上を配合した製剤とすることができる。このような成分を配合した場合、トラネキサム酸の安定性が一層損なわれることになるが、成分(3)を配合すると液剤の安定性は向上する。
【0006】
本発明で配合される解熱鎮痛消炎剤としては、例えばアセトアミノフェン、フェナセチン、メフェナム酸、アスピリン、エテンザミド、サリチル酸コリン、サリチル酸ナトリウム、アンチピリン、フェニルブタゾン、スルピリン、ジクロフェナクナトリウム、アルミノプロフェン、イブプロフェン、ケトプロフェン、ナプロキセン、ロキソプロフェンナトリウム、塩酸チノリジン、エピリゾール、塩酸チアラミド、インドメタシン、アセメタシン、グラフェニン、ペンタゾシン、塩化アセチルコリン、メシル酸ジメトチアジン、ピロキシカム、サリチルアミド等が挙げられ、これらの中から一種以上が選択され、一般処方で用いられる量が配合される。
本発明で配合される抗ヒスタミン剤としては、例えばプロメタジン、酒石酸アリメマジン、塩酸トリプロリジン、マレイン酸ジメチンデン、塩酸シプロヘプタジン、ジフェンヒドラミン、マレイン酸クロルフェニラミン、マレイン酸カルビノキサミン、コハク酸ドキシラミン、マレイン酸ピリラミン、塩酸ジフェンヒドラミン等が挙げられ、これらの中から一種以上が選択され、一般処方で用いられる量が配合される。
【0007】
本発明で配合される抗アレルギー剤としては、具体的には鎮咳去痰剤あるいは気管支拡張剤が挙げられ、例えばリン酸コデイン、リン酸ジヒドロコデイン、臭化水素酸デキストロメトルファン、リン酸ジメモルファン、クエン酸ペントキシベリン、ヒベンズ酸チペピジン、クエン酸イソアミニル、塩酸クロペラスチン、ノスカピン、キョウニン水、シャゼンソウ、セネガ、カルボシステイン、塩酸アンブロキソール、テオフィリン、アミノフィリン、塩酸フェニルプロパノールアミン、塩酸エフェドリン、塩酸エピネフリン、硫酸テルブタリン、硫酸サルブタモール、塩酸トリメトキノール、塩酸ツロブテロール、塩酸プロカテロール、臭化水素酸フェノテロール、フマル酸フォルモテロール、オキサトミド、塩酸メチルエフェドリン、グアイフェネシン、塩酸ブロムヘキシン等のほか、医薬品製造指針1992年度版P.282,283,294,303,304,399記載のものが挙げられ、これらの中から一種以上が選択され、一般処方で用いられる量が配合される。本発明では解熱鎮痛消炎剤、抗ヒスタミン剤および抗アレルギー剤の中から一種以上選択した複合処方であってもよい。
本発明の経口液剤は内服に供されるものであり、一般経口液剤でのpH調整法を用いてpHを3〜8に調整して製品とすることが出来る。
【0008】
また本発明では一般に経口液剤に配合されるその他の成分、例えば矯味剤、防腐剤、保存剤、着香剤、芳香剤、清涼化剤、界面活性剤、可溶化剤、乳化剤、溶剤、pH調節剤、緩衝剤、懸濁剤、粘稠剤、着色剤、安定化剤、溶解補助剤、苦味マスキング剤等を、一般の経口液剤に配合される量で一種以上選択し添加してもよい。
具体的には本発明に配合される他の成分としては、例えば酵素製剤(塩化リゾチーム等)、止血剤(アルギン酸ナトリウム等)、ビタミン剤[ビタミンA群(例えばレチノール、レチノイン酸、レチナール等)、ビタミンB1群(例えばチアミン、硝酸チアミン、塩酸チアミン、チアミンプロピルジスルフィド、チアミンテトラヒドロフルフリルジスルフィド、チアミン−8−(メチル−6−アセチルジヒドロチオクテート)ジスルフィドなどのビタミンB1誘導体およびそれらの塩等、チアミンジスルフィド、O−ベンゾイルチアミンジスルフィド、チアミンモノフォスフェートジスルフィド、O,S−ジベンゾイルチアミン、S−ベンゾイルチアミン−O−モノフォスフェート、O,S−ジカルベトキシチアミン等)、ビタミンB2群(例えばリボフラビン、リン酸リボフラビンナトリウム、酪酸リボフラビン等)、ビタミンB6群(例えばピリドキシン、ピリドキサル、ピリドキサミンおよびそれらのリン酸あるいは塩酸塩等)、ビタミンB12群(例えばコバラミン、シアノコバラミン、メチルコバラミン、アデノシルコバラミン、ヒドロキソコバラミン等)、ビタミンC群(例えばアスコルビン酸、アスコルビン酸リン酸エステルマグネシウム、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸カルシウム、酢酸トコフェロールアスコルビン酸エステル等)、ビタミンD群(例えばエルゴカルシフェロール、コレカルシフェロール等)、ビタミンE群(例えばトコフェロール、酢酸トコフェロール等)、ナイアシン群(例えばニコチン酸、ニコチン酸アミド等)、ビタミンK群(例えばフィトナジオン、メナジオン、メナキオン等)、その他のビタミン群(例えばパントテン酸、ビオチン、葉酸等)]、アミノ酸類(例えばグルタミン酸ナトリウム、リジン等)、生薬類(ニンジン、キキョウ等医薬品製造指針1992年版P.283、294、304、314、315、316、317、318記載の生薬類等)、その他の成分(例えば無水カフェイン、コンドロイチン硫酸ナトリウム、タウリン等)等を挙げることができる。
【0009】
矯味剤には、例えば酸味剤、果汁等が挙げられる。本発明に配合される防腐剤、保存剤には例えば安息香酸、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、パラベン類(パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸ブチル、パラオキシ安息香酸プロピル等)等が挙げられる。着香剤、芳香剤或いは清涼化剤には、例えばオレンジ油、メントール、各種フレーバー(ストロベリーフレーバー、チェリーフレーバー、オレンジフレーバー、アップルフレーバー、レモンフレーバー、グレープフレーバー、コーヒーフレーバー、ブラックティーフレーバー、ビターフレーバー、ハーブミントフレーバー、チョコレートフレーバー、薬味酒フレーバー等)等が挙げられる。
界面活性剤、可溶化剤、乳化剤、溶剤には、例えばショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油類、ポリソルベート80、ポリエチレングリコール、グリセリン、エタノール、プロピレングリコール、注射用蒸留水等が挙げられる。懸濁剤、粘稠剤には、例えばアラビアゴム、結晶セルロース、ビーガム、キサンタンガム、ゼラチン、メトロースおよびその可食性塩、カルメロースおよびその可食性塩等が挙げられる。着色剤には例えばカラメル、β−カロチン、各種食用色素(食用黄色1号、食用赤色2号等)等が挙げられる。安定化剤には例えばエデト酸の可食性塩、塩化ナトリウム、ピロ亜硫酸の可食性塩等が挙げられる。本発明に配合される溶解補助剤には例えばシクロデキストリンやアルギニン等が挙げられる。苦味マスキング剤としては、例えばフォスファチジル類(BMI−60;花王)等が挙げられる。
【0010】
本発明の経口液剤は慣用の手段を用いて調製することができ、その方法は特に制限されるものではないが、通常、各成分と精製水等の溶剤の一部とを混合溶解し、残りの溶剤を加えて液量を調整する。なお、ビタミンE等の脂溶性成分を含む場合には、適当な前述の界面活性剤、可溶化剤、乳化剤、懸濁剤を選択し、一般に使用される適量添加することにより可溶化、乳化、懸濁し配合することができる。また必要に応じ、溶解時は一般の経口液剤の調製法に準じて精製水等の溶剤を加温したり、容器への充填時にヘッドスペースの窒素置換を行ったり、ろ過や滅菌処理を施しても良い。
本発明は例えばドリンク剤、シロップ剤、エキス剤、エリキシル剤、リモナーデ剤、ソフトカプセル剤、水性内容物を保持可能なカプセル剤等の医療用内服液剤に限らず、機能性飲料等の各種飲料としても使用できる。
【発明の効果】
【0011】
本発明では配合成分であるトラネキサム酸が安定に存在し、さらに解熱鎮痛消炎、抗ヒスタミンあるいは鎮咳去痰,気管支拡張のような抗アレルギー効果を有する経口液剤を供することが可能となった。本発明の液剤は吸収が速いうえに、短時間での出血,アレルギー,炎症に対する効果を発揮し、さらに併用した有効成分の解熱鎮痛消炎、抗ヒスタミンあるいは抗アレルギー効果を奏する。
さらに本発明は特殊な技術や添加剤を必要としないため、液剤の調製が低いコストでできる。また飲用時に苦痛を伴うような味、香りを呈しない。
【実施例】
【0012】
実施例 1
リン酸ジヒドロコデイン 30 mg
dl−塩酸メチルエフェドリン 75 mg
トラネキサム酸 420 mg
グアイフェネシン 300 mg
セネガ流エキス 600 μl
無水カフェイン 25 mg
安息香酸ナトリウム 36 mg
パラオキシ安息香酸エチル 6 mg
精製白糖 13 g
クエン酸ナトリウム 30 mg
クエン酸 150 mg
カラメル 180 mg
香料 微 量
水酸化ナトリウム 適 量
精製水 加えて全量 60 ml
精製水の一部に上記各成分を室温で溶解し、水酸化ナトリウムでpHを6に調整した後、全量を60mlとなるように調製した。
【0013】
実施例 2
リン酸ジヒドロコデイン 8 mg
dl−塩酸メチルエフェドリン 20 mg
マレイン酸カルビノキサミン 2.5mg
トラネキサム酸 420 mg
塩酸ブロムヘキシン 4 mg
塩化リゾチーム 20 mg
無水カフェイン 25 mg
アセトアミノフェン 300 mg
安息香酸ナトリウム 42 mg
パラオキシ安息香酸エチル 3 mg
精製白糖 20 g
酒石酸 200 mg
カラメル 100 mg
香料 微 量
水酸化ナトリウム 適 量
精製水 加えて全量 60 ml
精製水の一部に上記各成分を室温で溶解し、水酸化ナトリウムでpHを6に調整した後、全量を60mlとなるように調製した。
【0014】
実施例 3
クエン酸ペントキシベリン 16 mg
dl−塩酸メチルエフェドリン 20 mg
マレイン酸クロルフェニラミン 2.5mg
トラネキサム酸 420 mg
キキョウエキス 333 mg
アセトアミノフェン 300 mg
アスコルビン酸 166 mg
安息香酸ナトリウム 42 mg
パラオキシ安息香酸エチル 3 mg
パラオキシ安息香酸プロピル 3 mg
精製白糖 30 g
リンゴ酸 200 mg
カラメル 50 mg
香料 微 量
水酸化ナトリウム 適 量
精製水 加えて全量 60 ml
精製水の一部に上記各成分を室温で溶解し、水酸化ナトリウムでpHを7に調整した後、全量を60mlとなるように調製した。
【0015】
実施例 4
ヒベンズ酸チペピジン 75 mg
dl−塩酸メチルエフェドリン 60 mg
塩化リゾチーム 60 mg
マレイン酸クロルフェニラミン 3.5mg
トラネキサム酸 420 mg
アセトアミノフェン 900 mg
安息香酸ナトリウム 42 mg
パラオキシ安息香酸エチル 3 mg
精製白糖 20 g
クエン酸 200 mg
プロピレングリコール 2 g
ポリエチレングリコール 2 g
香料 微 量
水酸化ナトリウム 適 量
精製水 加えて全量 60 ml
精製水の一部に上記各成分を室温で溶解し、水酸化ナトリウムでpHを5に調整した後、全量を60mlとなるように調製した。
【0016】
実施例 5
リン酸ジヒドロコデイン 30 mg
dl−塩酸メチルエフェドリン 75 mg
グアイフェネシン 300 mg
トラネキサム酸 420 mg
セネガ流エキス 600 μl
安息香酸ナトリウム 42 mg
パラオキシ安息香酸エチル 30 mg
精製白糖 13 g
クエン酸 170 mg
カラメル 180 mg
香料 微 量
水酸化ナトリウム 適 量
精製水 加えて全量 60 ml
精製水の一部に上記各成分を室温で溶解し、水酸化ナトリウムでpHを5.5に調整した後、全量を60mlとなるように調製した。
【0017】
実施例 6
トラネキサム酸 400 mg
塩酸フルスルチアミン 10 mg
リン酸リボフラビンナトリウム 5 mg
塩酸ピリドキシン 10 mg
ニコチン酸アミド 25 mg
無水カフェイン 50 mg
グアイフェネシン 300 mg
タウリン 1000 mg
安息香酸ナトリウム 35 mg
パラオキシ安息香酸エチル 3 mg
精製白糖 8 g
還元麦芽糖水アメ 2 g
クエン酸ナトリウム 200 mg
リンゴ酸 50 mg
酒石酸 50 mg
香料 微 量
水酸化ナトリウム 適 量
精製水 加えて全量 50 ml
精製水の一部に上記各成分を室温で溶解し、水酸化ナトリウムでpHを3に調整した後、全量を50mlとなるように調製した。
【0018】
実施例 7
トラネキサム酸 750 mg
アスコルビン酸 1000 mg
リボフラビン 12 mg
塩酸ピリドキシン 50 mg
パントテン酸カルシウム 30 mg
安息香酸ナトリウム 35 mg
パラオキシ安息香酸エチル 3 mg
精製白糖 8 g
還元麦芽糖水アメ 2 g
クエン酸ナトリウム 200 mg
リンゴ酸 50 mg
酒石酸 50 mg
香料 微 量
水酸化ナトリウム 適 量
精製水 加えて全量 50 ml
精製水の一部に上記各成分を室温で溶解し、水酸化ナトリウムでpHを7に調整した後、全量を50mlとなるように調製した。
【0019】
実施例 8
トラネキサム酸 750 mg
塩化リゾチーム 60 mg
アスコルビン酸 20 mg
キキョウ流エキス 200 mg
セネガ流エキス 500 mg
ショウキョウ流エキス 100 mg
ニンジン流エキス 200 mg
安息香酸 10 mg
精製白糖 3 g
クエン酸ナトリウム 50 mg
酒石酸 50 mg
香料 微 量
水酸化ナトリウム 適 量
精製水 加えて全量 20 ml
精製水の一部に上記各成分を室温で溶解し、水酸化ナトリウムでpHを6に調整した後、全量を20mlとなるように調製した。
【0020】
実施例 9
リン酸ジヒドロコデイン 30 mg
dl−塩酸メチルエフェドリン 75 mg
トラネキサム酸 420 mg
グアイフェネシン 300 mg
セネガ流エキス 600 μl
無水カフェイン 25 mg
安息香酸ナトリウム 36 mg
パラオキシ安息香酸エチル 6 mg
精製白糖 13 g
クエン酸ナトリウム 150 mg
クエン酸 150 mg
カラメル 180 mg
香料 微 量
水酸化ナトリウム 適 量
精製水 加えて全量 60 ml
精製水の一部に上記各成分を室温で溶解し、水酸化ナトリウムでpHを7に調整した後、全量を60mlとなるように調製した。
【0021】
実施例 10
リン酸ジヒドロコデイン 30 mg
dl−塩酸メチルエフェドリン 75 mg
トラネキサム酸 420 mg
グアイフェネシン 300 mg
セネガ流エキス 600 μl
無水カフェイン 25 mg
安息香酸ナトリウム 36 mg
パラオキシ安息香酸エチル 6 mg
精製白糖 13 g
クエン酸ナトリウム 150 mg
クエン酸 150 mg
カラメル 180 mg
香料 微 量
水酸化ナトリウム 適 量
精製水 加えて全量 60 ml
精製水の一部に上記各成分を室温で溶解し、水酸化ナトリウムでpHを5.5に調整した後、全量を60mlとなるように調製した。
【0022】
試験例1
上記実施例の各検体のトラネキサム酸含量を高速液体クロマトグラフィーで測定し、その結果を含量(W/V%)で示すと下記の通りであった。( )内は残存率%を示す。
【表1】


上表から明らかなようにトラネキサム酸の60℃で3週保存後の残存率をみると、いずれも93%以上であってこれら実施例では安定性が改善されており、本発明の経口剤は安定であることが明らかとなった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(1)トラネキサム酸,(2)甘味剤及び(3)可食性酸またはその塩を含有してなる経口液剤。
【請求項2】
甘味剤が糖質甘味剤である請求項1記載の経口液剤。
【請求項3】
可食性酸がクエン酸または酒石酸である請求項1記載の経口液剤。
【請求項4】
さらに解熱鎮痛消炎剤,抗ヒスタミン剤または/および抗アレルギー剤を含有してなる請求項1記載の経口液剤。

【公開番号】特開2007−217434(P2007−217434A)
【公開日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−146904(P2007−146904)
【出願日】平成19年6月1日(2007.6.1)
【分割の表示】特願平8−96526の分割
【原出願日】平成8年4月18日(1996.4.18)
【出願人】(000002934)武田薬品工業株式会社 (396)
【Fターム(参考)】