説明

経皮ドラッグデリバリー(drugdelivery)装置及びそのような装置の作動方法

本発明は、目標領域(21)、例えば患者の皮膚(12)への経皮ドラッグデリバリーのための装置(11)に関する。更に、本発明は、そのような装置(11)の作動方法に関する。超音波の使用にもかかわらず送達速度を維持する経皮ドラッグデリバリーの技術を提供するために、装置(11)は、薬品容器(15)及び前記薬品容器(15)と協同するために適した超音波膜変換器(1)を含むことが示唆される。前記超音波膜変換器(1)は、各変換器要素(2)が膜(6)を有し変換器配列(5)を形成する少なくとも2つの変換器要素(2)、各変換器要素(2)の表面に置かれ且つ超音波信号を作るために膜(6)を収縮させるための電界の印加用の膜(6)に結合している多数の電極(7)、及び各変換器要素(2)の膜(6)を収縮させるための電界の印加を独立して制御するための制御ユニット(4)を含む。変換器要素(2)により発された超音波信号(101,102,103,、、、)が位相差を示し、各信号が、変換器配列(5)の焦点に合わせることができる全体超音波信号(10)となる結果となるように制御ユニット(4)は制御される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、経皮ドラッグデリバリー装置及びそのような装置の作動方法に関する。
【背景技術】
【0002】
経皮ドラッグデリバリー装置は、患者の皮膚層を通して及び患者の血流の中に医療用化合物を吸収させる事ができる。そのような装置は、患者の皮膚に装着される。医療用化合物が皮膚を通して血流に浸透しないので、多くの医療用化合物は、既知の経皮ドラッグデリバリー装置を介する管理に適していない。ある薬の経皮デリバリーを促進するために、超音波エネルギーのようなエネルギーが用いられていることが知られている。超音波は、人間の大体の聴覚上限の20,000Hzを超える周波数で健康的である。薬品分子に対する皮膚の浸透性を増加させる超音波の使用は、超音波導入法(sonophoresis, phonophoresis)として又知られる。ある応用においてある薬の送達(delivery)を促進するためのある超音波周波数の使用が知られているが、そのような応用における結果は、我々を大いに失望させてきた。多くの場合使用された薬品送達経路は、薬品の最初の量を患者の皮膚に浸透させたが、皮膚の同じ場所に対し超音波を長時間適用すると送達速度は落ち、ゼロに戻る。本明細書ではこの効果を「飽和効果」として言及する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
経皮ドラッグデリバリーを促進するための超音波使用のための既知の方法は、臨床超音波送達設定を要する。即ち、薬品送達は、医師の事務所、病院、又は診療所で実行される。超音波療法が、薬品送達のために使用される間、患者は診療所を訪れ治療台にとどまる必要があるのでこれらの方法は、望ましくない。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の目的は、超音波の使用にもかかわらず送達速度が維持される経皮ドラッグデリバリーの技術を提供する事である。
【0005】
その目的は、目標領域、例えば患者の皮膚への経皮ドラッグデリバリーのための装置による本発明により達成され、装置は、薬品容器及び前記薬品容器と協同するために適した超音波膜変換器を含み、前記超音波膜変換器は、各変換器要素が膜を有し変換器配列を形成する少なくとも2つの変換器要素、各変換器要素の表面に置かれ且つ超音波信号を作るために膜を収縮させるための電界の印加用の膜に結合している多数の電極、及び各変換器要素の膜を収縮させるための電界の印加を独立して制御するための制御ユニットを含む。変換器要素により発された超音波信号が位相差を示し、変換器配列の焦点に合わせることができる(focusable)全体(overall)超音波信号となる結果となるように制御ユニットは制御される。本発明の目的は、更に目標領域、例えば患者の皮膚に経皮ドラッグデリバリー装置を動作させる方法によって達成され、前記装置は、薬品容器及び前記薬品容器と協同するために適した超音波膜変換器を含み、前記超音波膜変換器は、変換器配列を形成する少なくとも2つ以上の変換器要素を含み、変換器要素により発された超音波信号が位相差を示し、変換器配列の焦点に合わせることができる全体超音波信号となる結果となるように、前記方法は変換器要素を制御するステップを含む。
【0006】
本発明の中心思想は、ドラッグデリバリー周期の間、目標領域、例えば患者の皮膚の条件を変えることによって、超音波導入法によって生じる上記の飽和効果を避けることである。言い換えると、完全なドラッグデリバリー周期の間全体に亘って完全な目標領域に一定レベルの超音波が提供される先行技術と対照的に、本発明により超音波が目標領域に、より変化可能な方法で提供される。これには例えば、超音波信号レベルにおける変化、目標の受け取り領域における変化及びある目標領域の受け取り時間の変化を含む。完全な目標領域が所定の一定の超音波量を受け取るようにそれらの変化が継続的に与えられる事が好ましい。代替的に、目標領域の定義された部分が同じ目標領域の他の部分より多くの超音波を受け取ることができるように、本発明による装置を適用することができる。特に定義された駆動電圧を圧電膜変換器の作動電極へ与えることにより、それらの変化は、明確な制御アプローチの手段により到達可能である。この手段により、変換器の単要素は、時間オフセット(offset)を用い、即ち時間変移を用いて作動可能であるので、変換器要素により発された超音波信号は位相差を示し、それは、意図的に目標領域に亘って焦点をあわせることができる全体超音波信号へと導く。本発明のもう1つの中心思想は、経皮ドラッグデリバリー装置に上記のような超音波膜変換器を用いることである。これは診療所設定の必要性を避け、患者の安心感を増す。本発明によれば、そのような装置は、携帯用に適切な大きさで提供可能である。即ち経皮ドラッグデリバリー携帯装置を提供できる。
【0007】
従属項に定義された以下の実施例に基づいて本発明のこれらの及び他の面は、作り上げられる。
【0008】
本発明の好ましい実施例に従い、超音波膜変換器は、圧電マイクロマシン超音波変換器(PMUT)又は容量性(capacitive)マイクロマシン超音波変換器(CMUT)を含むことができる。PMUTを用い、膜は圧電層を含み、且つ膜は圧電層に電界を印加することにより圧電層の圧電作用により固定される。CMUTを用い、変換器要素の第1電極は膜に付着され、変換器要素の静電第2電極は第1電極に面する。第1電極と第2電極との間に電圧を印加する事は、膜を収縮する静電力を生み出す。CMUTとPMUTは、薄膜超音波膜変換器のフィールドにおいて良く知られた概念であり、低費用半導体プロセスの使用により超音波変換器配列を量産する事ができる。圧電作用と静電作用の組み合わせを用いることができる。
【0009】
本発明の好ましい実施例に従い、全体超音波信号の焦点を時間及び/又は大きさで変化できるように、超音波膜変換器の制御ユニットは、各変換器要素の膜を収縮するために電界の印加を制御するのに適している。特に、制御ユニットは、印加された電界を制御するのに適しているので、全体超音波信号の焦点領域を大きさにおいて変化でき、及び/又は目標領域の全体超音波信号の焦点の位置を時間において変化できる。言い換えると、飽和効果を予防するのに適した方法での超音波適用に従い、照射スケジュールを実施できる。更に、個々の超音波の適用は、各患者に対して確立可能である。上述した変化例は、超音波膜変換器の変換器要素の圧電層への電界の適切な適用によってのみ、言い換えると、適切な駆動電圧を対応する作動電極へ印加することにより達成可能である。
【0010】
生きている柔らかい組織への超音波エネルギーの貫きの深さは、周波数に逆比例し、従って高周波が最も外側の皮膚層、角質層に効果を集中することにより皮膚を通す薬の浸透を改良するために使われる。しかし、低周波数の衝撃波を、薬剤の皮膚への浸透の改良に用いることができる。このように、本発明は、低周波超音波とパルス高周波超音波の組み合わせを示唆する。本発明の好ましい実施例に従い、全体超音波信号がパルスモードで配信されるように、電界の各変換器要素の膜への印加を制御するために超音波膜変換器の制御ユニットを適用させる。パルス速度は、この好ましくは1秒あたり20,000から100,000である。本発明に従い、脈動する高周波超音波は、皮膚を通じる移送(transport)機構を励起するのに用いられる。前記移送機構は、低周波超音波に基づいている。言い換えると、高周波超音波と低周波超音波とで異なる移送機構が皮膚を通じての薬粒の浸透を促進するのに用いられる。促進された浸透は、キャビテーション気泡の発生に基づく事が信じられている。
【0011】
本発明の好ましい実施例に従い、装置は薬品容器を含み、その接触領域は半浸透膜を含み、その通過速度は全体超音波信号の信号強度による。このように、高周波超音波に曝された皮膚領域は高薬品集中を受ける。言い換えると、高薬品浸透の場合に、薬剤投与量は改良されうる。加えて、飽和効果はプラスに影響しうる。膜として、多孔性高分子膜を好ましくは用いる。
【0012】
薬品容器は、患者に投与するべき薬品を含むためのみではない。好ましくは、薬品容器は又、音響インピーダンスの「マッチング(matching)」に用いられる。特に、薬品容器は膜変換器の音響インピーダンス及び患者の皮膚の音響インピーダンスの「マッチング」に適している。もし薬品容器が直接変換器と患者の皮膚の間に置かれると、薬品容器の音響インピーダンスは好ましくは、変換器と皮膚の音響インピーダンスの平均値として与えられる。もし変換器が多層又はサンドイッチ構造を有すると、変換器と皮膚との間で音響インピーダンスのスムーズな推移が存在するように、その層の音響インピーダンスは好ましくは、選択される。
【0013】
本発明に従い、変化器は、患者の皮膚のある目標領域に焦点を合わせなければならない波面を作り出す。近い場所ではそのような意図された焦点あわせは不可能なので、的を絞った焦点あわせは、しかし遠く離れたフィールドでのみ達成できる。このように、本発明の好ましい実施例に従い、超音波膜変換器と目標領域との距離は、使用中の超音波信号の波長の少なくとも2倍である。約1MHzの低周波を用い、vは音速を表し、λは波長及びfは周波数を表すv=λfに従い、超音波膜変換器と目標領域との距離5mmは十分である。
【0014】
本発明のもう1つの好ましい実施例に従い、容易に取り替えができるように装置の薬品容器は筐体に接続されている。これにより薬品容器は新しくできるが、装置、主として制御ユニット等装備の超音波膜変換器の他の部品は、変化無しで、数回繰り返して使える。
【0015】
本発明を好ましくは、医療環境の中、例えばペプチド、タンパク質、及びDNA基の治療法の送達、並びに疼痛管理のような経皮ドラッグデリバリーのために使用する事ができる。
【0016】
本発明のこれらの又は他の側面は、図面を参照し以下の記述のより更に詳しく説明される。
【発明の効果】
【0017】
本発明の実施例の効果は、超音波の使用にもかかわらず送達速度が維持される経皮ドラッグデリバリーの技術を提供する事である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明による超音波膜変換器1は、厚さ1μmから10μmの膜基板3の部分としての大きい数、例えば64個の変換器要素、及び変換器要素2と電気的に結合する制御ユニット4を含む、図1参照。
【0019】
多数の変換器要素2は、2次元変換器配列5を形成する。図2に示すような実施例において、ただ1つの変換器要素2のみが完全に描かれ、2つの更なる変換器要素2は、部分的に描かれている。部材を貫いて交流電磁界を通すことにより圧電結晶又は他の電気機械要素の振動により超音波は、作成可能である。本実施例において、変換器要素2は、薄膜圧電層6及び変換器要素2の表面に置かれた多数の作動電極7を含む。変換器要素2は好ましくは、低費用標準半導体薄膜技術を用い、製作される。作動電極7は、圧電層6に電界を印加するため圧電層6に結合される。結果として、変換器要素2は振れ、全体超音波信号10が作られる。変換器要素2は、周波数領域0.5MHzと50MHzとの間で作動する。そのような超音波膜変換器1の基本技術は、超音波画像装置から知られている。
【0020】
変換器要素2により発された超音波信号101,102,103,….が位相差を示し、変換器配列5の焦点に合わせることができる全体超音波信号10となる結果となるように、制御ユニット4は、各変換器要素2の圧電層6への電界の印加を独立して制御するのに適している。この目的のために、変換器要素2の作動電極7は、膜基板3へ接着又は半田付けされているウエファー9又は同等物上に位置する接触電極8と電気的に接触している。膜変換器1の全体の厚さ(即ち接触電極8を持つウエファー9と膜基板3と一緒の)は、約0.5mmである。
【0021】
経皮ドラッグデリバリー携帯装置11は、図3(分解時)と図4(組み立て時)に示される。装置11は、化学物質又は薬13に対する患者の皮膚12の浸透性を増加させるために超音波膜変換器1を用いる。超音波膜変換器1に加えて、装置11は更に、超音波膜変換器1用の筐体14,及び超音波膜変換器1の隣に位置し前記筐体14に接続したパッド15の形をした薬品容器を含む。作動電極7及び制御ユニット4の両方は、筐体14内に位置する電源供給16に接続される。制御ユニット4の部分又は完全な制御ユニット4は、装置11を小さくするために、接触電極8を持つウエファー9上にウエファーレベルで一体化できる。パッド15中の薬13と膜変換器1との間の超音波ゲル(gel)17は、超音波信号が境界18で殆ど反射無しにパッド15に入ることを保証する。超音波ゲル17は好ましくは、パッド15の部分として提供される。言い換えると、薬13とゲル17は、単一のパッドユニットを形成する。薬13それ自体は好ましくは、超音波ゲル17か又は超音波ゲル17に近い音響インピーダンスを持った液体に溶解する。好ましくは、全ての境界間又は層間の最適音響インピーダンス一致が存在するように、サンドイッチ構造を持った超音波膜変換器1は設計され適用され、例えば「マッチング」層が変換器配列5と患者の皮膚12との間で用いられる。
【0022】
容易に取り替えることができるように携帯装置11のパッド15は、筐体14に接続可能である。例えば、留め具(図示せず)の手段により筐体14のへこみ19にパッドは、付着される。超音波膜変換器1と患者の皮膚12との間の距離が使用中の超音波信号の波長の少なくとも2倍になるように、装置11は設計される。パッド15の下部表面は、半浸透性膜20を含む。半浸透性膜20の通過速度は、前記膜20により受け取られる全体超音波信号10の信号強度に依存する。
【0023】
パッド15が、半浸透性膜20の領域に対応する長方形の目標領域21と密接に接触するように、携帯装置11は配置される。例えば、装置11は、装置を患者の手、腕、脚、おしり、胸等に固定するための付着手段(図示せず)を含む。付着手段は、とりわけ、テープ、ベルト、粘着テープ(プラスター)を含んでもよい。
【0024】
装置11内の上述の超音波膜変換器1の動作は以下のようである:制御ユニット4は、対応する作動電極7を介して駆動電圧を各変換器要素2に別々に印加する。各変換器要素2の圧電層6への電界が独立して制御されるように駆動電圧を印加する。このように、各変換器要素2によって発された結果の超音波信号101,102,103,,,,,が別々に制御可能である。変換器要素2により発された超音波信号が位相差を示し、変換器配列5の焦点に合わせることができる全体超音波信号10となる結果となるように、制御ユニット4の手段によりこれは、為される。特に、目標領域21の全体超音波信号10の焦点22の位置は、時間的に変化可能である。変換器要素の配列が描かれている図5及び図6参照。変換器要素2間の位相角が連続的に又は段階的に変化しうる位相配列として超音波変換器1は作動する。図5において、多数の変換器要素2の超音波信号101,102,103,,,,,は、目標領域21の左手側に向かって焦点を合わされ、図6において同じ数の変換器要素2の超音波信号101,102,103,,,,,は、目標領域21の右手側に向かって焦点を合わされる。全体超音波信号10の焦点22が定義された方法で目標領域21を横切って移動するように制御ユニット4を適合させる。
【0025】
図7において、移動パターンの例が本発明の実施例のために描かれ、そこでは2次元の変換器配列が使われる。焦点22は、目標領域21を横切る位置を時間経過に従って変化させる。t,t>t,t>t,t>tという条件で異なる焦点位置が示される。全体超音波信号10の焦点22の領域24は、この実施例において一定である。もう1つの動きパターンは、一次変換器配列(図示せず)に起因する。この場合、焦点は、目標領域21の片側から他方へ患者の皮膚を越えて動き回るビーム(beam)の形を示す。
【0026】
超音波信号は、継続的に又はパルスモードで発せられうる。本実施例において変換器要素5は、制御ユニット4によってパルス速度毎秒20,000から100,000パルスのパルスモードで駆動される。
【0027】
ソフトウエアが制御ユニット4の処理ユニット23において実行される時、制御ユニット4の作動は好ましくは、上記のように駆動電圧を制御するのに適したコンピュータ命令を含むコンピュータソフトウエアの手段により達成される。本発明による必要な技術的効果はこのように、本発明によるコンピュータプログラムの命令を基礎として実現可能である。代替的に、駆動電圧を制御する方法は、例えば1以上の集積回路を用い、ハードウエア中で実施可能である。処理ユニット23それ自身は、ハードウエア、ソフトウエア又は両方の組み合わせの形で実施される機能モジュール又はユニットを含んでもよい。
【0028】
要点を繰り返すと、本発明は、薬物分子への患者の皮膚12の透過性を増すために超音波膜変換器1の使用を示唆する。この目的のために、変換器配列5の全体超音波信号10が、目標領域21を横切って焦点あわせが可能で且つ制御可能に移動できるように、配列5の形で配置される変換器要素2は、専門制御ユニット4の手段により制御される。
【0029】
本発明は、例示的実施例の詳細に限られないということ、及び本発明は、本発明の精神又は本質から逸脱することなしに他の特定の形で実施できるということは、当業者には、明らかであろう。本実施例は、全ての点で本発明を制限するというよりも説明するものであり、本発明の範囲は、本明細書の記述によるというよりも添付された特許請求の範囲により示され、本特許請求の範囲の均等の意味及び範囲内に来る全ての変更は、その中に含まれると意図される。「含む」の語は、他の要素又はステップの存在を除外せず、「1つ」という語は、複数のそのような要素の存在を除外せず、コンピュータシステム又は他のユニットのような単一要素は、特許請求の範囲中に記された数種類の意味の機能を実行できるということは更に、明らかであろう。特許請求の範囲中のどんな参照記号も関連する請求の範囲を制限するようには構成されていない。
【産業上の利用可能性】
【0030】
本発明は、例えば、患者の皮膚層を通して及び患者の血流の中に医療用化合物を吸収させる装置に利用する事ができる
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】超音波膜変換器の略図を示す。
【図2】超音波膜変換器の1部分の図を示す(透視図)。
【図3】携帯装置の第1図を示す(側面図)。
【図4】携帯装置の第2図を示す(側面図)
【図5】使用中の携帯装置の第1図を示す(側面図)
【図6】使用中の携帯装置の第2図を示す(側面図)
【図7】目標領域の図を示す(上面図)。
【符号の説明】
【0032】
参照番号:
1 超音波膜変換器
2 変換器要素
3 膜基板
4 制御ユニット
5 変換器配列
6 圧電層
7 動作電極
8 接触電極
9 ウエファー
10 全体超音波信号
11 携帯装置
12 皮膚
13 薬物
14 筐体
15 パッド
16 電源供給
17 超音波ゲル
18 境界
19 くぼみ
20 半浸透膜
21 目標領域
22 焦点
23 処理ユニット
24 焦点領域
101 単一変換器要素の超音波信号
102 単一変換器要素の超音波信号
103 単一変換器要素の超音波信号

【特許請求の範囲】
【請求項1】
目標領域、例えば患者の皮膚への経皮ドラッグデリバリーのための装置であって、薬品容器及び前記薬品容器と協同するのに適した超音波膜変換器を含み、前記超音波膜変換器
は、
各変換器要素が膜を有し、変換器配列を形成する少なくとも2つの変換器要素と、
各変換器要素の表面に置かれ且つ超音波信号を作るために膜を収縮させるための電界を印加するための膜に結合している多数の電極と、
変換器要素により発された超音波信号が位相差を示し、変換器配列の焦点に合わせることができる全体超音波信号となる結果となるように各変換器要素の膜を収縮させるための電界の印加を独立して制御するための制御ユニットを含む装置。
【請求項2】
膜が圧電層を含み、且つ膜が圧電作用により収縮される請求項1による装置。
【請求項3】
膜が静電作用により収縮される請求項1による装置。
【請求項4】
超音波膜変換器の制御ユニットが、各変換器要素の膜を収縮させるため電界の印加を制御するのに適合しているので、全体超音波信号の焦点が時間により変化可能である請求項1による装置。
【請求項5】
全体超音波信号が好ましくはパルス速度毎秒20,000から100,000パルスのパルスモードで配信されるように、超音波膜変換器の制御ユニットが、各変換器要素の膜を収縮させるため電界の印加を制御するために適合している請求項1による装置。
【請求項6】
薬品容器は、通過速度が全体超音波信号の信号強度に依存する半浸透膜を含む請求項1による装置。
【請求項7】
超音波膜変換器と目標領域との間の距離が、使用中の超音波信号の波長の少なくとも2倍である請求項1による装置。
【請求項8】
前記構成機器の音響インピーダンスが患者の皮膚の音響インピーダンスに等しいか又は近似するように装置の構成機器を適合させる請求項1による装置。
【請求項9】
薬品容器は、取り替え可能な請求項1による装置。
【請求項10】
請求項1による装置が、超音波膜変換器用の筐体と、前記筐体に接続し、且つ超音波膜変換器に隣接して配置された薬品容器とを含み、前記薬品容器が目標領域と近接するように配置されるのに適合した前記装置。
【請求項11】
目標領域、例えば患者の皮膚に経皮ドラッグデリバリー装置を動作させる方法であって、前記装置は、薬品容器及び前記薬品容器と協同するために適した超音波膜変換器を含み、前記超音波膜変換器は、変換器配列を形成する少なくとも2つ以上の変換器要素を含み、変換器要素により発された超音波信号が位相差を示し、変換器配列の焦点に合わせることができる全体超音波信号となる結果となるように、前記方法が変換器要素を制御するステップを含む方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2009−539537(P2009−539537A)
【公表日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−514945(P2009−514945)
【出願日】平成19年6月4日(2007.6.4)
【国際出願番号】PCT/IB2007/052084
【国際公開番号】WO2007/144801
【国際公開日】平成19年12月21日(2007.12.21)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】