経皮投薬用のパッチ
薬剤を含んだパッチ(20,120)を持つ経皮投薬パッチ製品(10,100)、パッチ(20,120)を保管する保護パッケージを備え、保護パッケージの中に保管されている間、薬剤が乾燥するようにできる装置を提供する。その他の実施例も記載されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、薬剤送達技術に関し、特に、経皮投薬用の方法と装置に関する。
【背景技術】
【0002】
粘着性の経皮投薬パッチは、皮膚を通して直接薬剤を血液循環システムへ送達する。通常、薬剤は、パッチを皮膚に付着している粘着性物質の中で拡散している。
【0003】
本出願の譲受人に譲渡され、その内容をここで参照して取込む、ソーン氏の発明である特許文献1に、患者の表皮を通して薬剤(薬物)の送達を容易にする装置が記載されている。この装置は、ハンドル、このハンドルに取り外し可能に取付けられているカートリッジを備えている。カートリッジは、一つ以上の電極と薬剤を含んだパッチを持ち、電極は、表皮領域に当てられるようになっており、パッチは、電極を取外すことによって表皮領域の少なくとも一部に当てられるようになっている。低めの裏地、パッド、パッドを覆う上部保護カバーを備えた医療用パッチについても記載されている。パッドは、二つの部分を持っており、一つは、自身を貫通する開口部を取り囲むフレームとして形作られた部分を持つ、電気的な処理を行う面、もう一つは、医療用の領域を持つ、薬剤を取扱う面である。低めの裏地は、電気的な処理を行う面の下側(この下側は、表皮に接触している)で、上記の開口部を取り囲む粘着領域を覆っている。上部保護カバーは、薬剤を含む領域を備え、パッドの上部を汚染から保護している。上部保護カバーは、タブ(耳)を備えている。
【0004】
ここでその内容を参照として取込む、フレンケル氏の発明である特許文献2には、電気泳動、あるいは、イオン泳動による経皮投薬の管理のための、三つの分離可能なモジュールを持った器具が記載されている。第一のモジュールは、少なくとも一つの電極システムと一つの薬剤貯蔵部とを備え、第二のモジュールは、電源を備え、第三のモジュールは、電子回路と制御組織と表示スクリーンを備えている。電源は、他の二つのモジュールの間に置かれ、一つ以上のバッテリで構成される電源モジュールに加えて、患者の体に器具を装着するための、機械的組立手段と、他の二つのモジュールとの間を繋ぐ、電気的接続、あるいは、相互接続手段を備えている。
【0005】
その内容をここで参照して取込む、ヘンリー氏の発明である特許文献3には、皮膚を通して、皮下の組織や血管に薬剤の送達を容易にする、携帯用のイオン泳動装置が記載されている。この装置は、この装置のベースに装着された、モジュール化された、取り外し可能な、使い捨ての、薬剤を含んだ専用電極を備えている。この装置は、手で持て、上記のベースに円形接触電極バンドを備えるように作られている。この接触電極バンドで、ユーザーの手の表皮と、上記のベースの中に収容されている二極電源の一つの極の電極とが、電気的に接続されている。電源のもう一つの極は、上記の専用電極に接続されている。この専用電極と上記の接触電極との間の電気回路は、ユーザーの体を通して完成する。
【0006】
ここでその内容を参照として取込む、ストロプキー氏の発明である特許文献4には、複数のパッチと、少なくとも一つの再利用可能な制御装置と、パッチを保管し供給するユニットを備えた、イオン詠動式の薬剤伝達システムが記載されている。パッチは、このユニットの中に設けられた仕切りの中にしっかり保管することができ、コントローラは、このユニットの中に設けられた別の仕切りの中に保管することができる。このように、再利用可能なコントローラと新しいパッチは、このユニットから取外し、患者の表皮に取付けて動作するように、お互いに締め付けることができる。
【0007】
その内容をここで参照して取込む、ブラント氏の発明である特許文献5には、イオン詠動を用いて、軟らかい組織から選択した領域を処置する方法が記載されている。この方法は、この選択領域と外部電極の間に電流を通過させる工程を含んでいる。電極がこの選択領域内で動いている間、外部電極と軟らかい組織の表面領域の間に置かれ、保持された電解質を、この電流は流れる。
【0008】
【特許文献1】米国仮出願特許第60/689,763号明細書
【特許文献2】国際特許第03/039620号明細書
【特許文献3】米国特許第5,603,693号明細書
【特許文献4】米国特許第5,908,401号明細書
【特許文献5】米国特許第5,919,156号明細書
【特許文献6】米国特許第3,163,166号明細書
【特許文献7】米国特許第6,148,232号明細書
【特許文献8】米国特許第,6,611,706号明細書
【特許文献9】国際特許第IL02/00896号明細書
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のいくつかの実施形態では、経皮薬剤伝達するパッチ製品は、パッチと、使用前のパッチを保管し、保護する保護パーケージを備えている。保護パッケージは、通常、その中にパッチを保管するパッケージを備えている。製造する過程で、たとえば、印刷に類似の工程、あるいは、当業者に知られた技術で、薬剤(薬物)は、液状でパッチに浸み込まされる。通常、パッケージの中に置かれる前の短い間、薬剤は、部分的に乾燥するようにされている。保護パッケージは、パッチがパッケージの中に挿入された後、薬剤がパッチの上で乾燥し続けられるように構成されている。このようなパッケージ後の乾燥工程は、通常、製造時間を短縮し、工程を簡略化し、および/あるいは、コスト低減をもたらす。通常、液体中にある状態、単に、部分的に乾燥している状態よりも、十分に乾燥している状態の方が、薬剤は、より優れた安定性と保存期間を持っている。
【0010】
本発明のいくつかの実施形態では、パッチは、付着性を有する領域(付着領域)と薬剤を送達する領域(薬剤送達領域)を持つ裏地を備えている。保護パッケージは、(パッケージに加えて)パッチを覆う、取外し可能な保護カバーを備えている。保護カバーは、パッチの薬剤送達領域と実質的に接触しないように構成され、一つ以上の自身を貫通する穴を持っている。パッケージは、使用前の保護カバーとパッチを保管している。パッケージは、通常、たとえば、シリカゲルのような、水分を吸収する乾燥剤を備えている。乾燥剤は、穴を通して、パッチの薬剤送達領域と流体的に連通している。このように、乾燥剤は、部分乾燥状態にある間、薬剤から水分を吸収することにより、薬剤を長期保存に適したレベルまで乾燥させる。
【0011】
異なる薬剤は、通常、部分乾燥状態では水分含有レベルが異なり、長期保存に適した水分含有レベルが異なることに留意すべきである。ではあるが、本発明を限定するものではなく、例として、いくつかの実施形態では、パッチをパッケージの中に入れる前に、ほぼ6重量%から10重量%、あるいは、ほぼ10重量%から15重量%、の部分乾燥レベルまで含有水分を低減することを記載している。別の選択、あるいは、追加の例として、いくつかの実施形態では、パッチをパッケージの中に入れた後に、これらの部分乾燥レベルを、ほぼ2重量%から3重量%、ほぼ3重量%から4重量%、あるいは、ほぼ4重量%から5重量%、の部分乾燥レベルまで含有水分を低減することを記載している。
【0012】
典型的には、保護カバーは、パッチに、表皮に付着することにも使用される、付着領域によって保持されている。
【0013】
上記を受け、本発明の一つの実施形態として、経皮薬剤送達パッチ製品を備えた装置が提供されている。この装置は、薬剤を含んだパッチと、パッチを保管し、パッチが保護パッケージに保管されている間、薬剤を乾燥させることができる保護パッケージを備えている。
【0014】
いつかの適用例では、保護パッケージは、パッチが保護パッケージに保管されている間、薬剤の含有水分が、2重量%から3重量%、あるいは、3重量%から5重量%へ向かって乾燥するように構成されている。
【0015】
一つの実施形態では、パッチは、窓を取り囲むフレームを画定するように形作られた、第一の部分、第一の部分に近接し、薬剤を含む薬剤送達領域を画定する、第二の部分を画定するように形作られている。さらに、パッチは、 第二の部分が第一の部分に折り重なる時、薬剤送達領域が窓を貫通するように置かれるような構成になっている。
【0016】
一つの実施形態では、保護パッケージは、 パッチを保管するパッケージを備え、パッケージは、パッケージの中にパッチが保管されている時、薬剤と流体的に連通するように乾燥剤を備えている。
【0017】
一つの実施形態では、保護パッケージは、取り外し可能な、パッチを覆う保護カバーを備え、保管中、保護カバーがパッチを覆っている時、保護カバーの少なくとも一部が薬剤から隔離されるように構成されている。保護カバーは、一つ以上の穴を持つように形作られている。いくつかの適用利では、保護パッケージは、パッチと保護カバーを保管するパッケージを備え、パッケージの中にパッチが保管されている時、穴を通して薬剤と流体的に連通する乾燥剤を備えている。いくつかの適用利では、保護カバーは、ただ一つの要素を備えている。いくつかの適用利では、この要素は、周辺領域、および、薬剤と接触しないように形作られた中央の盛上った領域を画定するように形作られている。
【0018】
一つの実施形態では、保護パッケージは、取外し可能なパッチを覆う保護カバーを備え、保管中、保護カバーがパッチを覆っている時、保護カバーの少なくとも一部が薬剤から隔離され、保護カバーが乾燥剤を備えるように構成されている。いくつかの適用利では、乾燥剤は、パッチに面している保護カバーの表面に接するように置かれている。他のいくつかの適用利では、保護カバーは、自身を貫通する穴を持つように形作られ、乾燥剤は、パッチから隔離されている保護カバーのある面に接触するように置かれ、乾燥剤は、保護パッケージの中にパッチが保管されている時、穴を通して薬剤と流体的に連通している。
【0019】
いくつかの適用利では、保護カバーは、自身を貫通する、1個から10個の穴、10個から100個の穴、あるいは、100個より多くの穴、が設けられている。
【0020】
いくつかの適用利では、保護カバーは、布地、プラスチック、膜(スクリーン)、網(メッシュ)、ポーラスな物質、および、水分透過性のフィルムから構成されるリストの中の少なくとも一つを備え、一つ以上の穴は、選択した一つに設けられた穴である。
【0021】
本発明の一つの実施形態では、さらに、経皮薬剤送達パッチ製品を製造する方法を提供する。この方法は、パッチに薬剤を含ませる工程と、少なくとも薬剤の一部が6重量%より大きな水分含有している間に、パッチが保護パッケージの中に保管されている間に薬剤が乾燥するようにした保護パッケージの中にパッチを保管する工程とを含む。
【0022】
一つの実施形態では、保護パッケージの中にパッチを保管する工程が、保護パッケージの中に乾燥剤を置く工程を含む。
【0023】
いくつかの適用利では、パッチを保管する工程が、保護パッケージの中にパッチを保管する工程を含み、この保護パッケージは、パッチが保護パッケージの中に保管されている間、薬剤を、その水分含有率、2重量%から6重量%、あるいは、3重量%から5重量%に向かって乾燥させるような保護パッケージである。
【0024】
一つの実施形態では、保護パッケージは、乾燥剤を備えたパッケージを備え、パッチを保管する工程は、乾燥剤が薬剤と流体的に連通するようにパッケージの中にパッチを保管する工程を含む。いくつかの適用利では、保護パッケージは、取外し可能な、自身を貫通する一つ以上の穴を持った保護カバーを備え、パッチを保管する工程は、少なくとも保護カバーの一部が薬剤から離されるように、保護カバーをパッチに覆う工程を含む。いくつかの他の適用利では、保護パッケージは、乾燥剤を含むパッケージを備え、パッチを保管する工程は、乾燥剤が穴を通して薬剤と流体的に連通するように、パッケージにパッチを保護カバーとともに保管する工程を含む。
【0025】
いくつかの適用利では、保護パッケージは、乾燥剤を備えた取外し可能な保護カバーを備え、パッチを保管する工程は、少なくとも保護カバーの一部が薬剤から離れるように、保護カバーをパッチに覆う工程を含む。いくつかの適用利では、乾燥剤は、保護カバーのパッチに面する面に接触して置かれる。いくつかの適用利では、保護カバーは、自身を貫く一つ以上の穴を備えており、乾燥剤は、保護カバーのパッチから離れた面に接触して置かれ、パッチを保管する工程は、乾燥剤が穴を通して薬剤と流体的に連通ように、保護カバーをパッチに覆う工程を含む。
【0026】
本発明の一つの実施形態では、さらに、皮膚を通して患者に薬剤を投与する方法を提供する。この方法は、パッチに薬剤を含ませる工程と、少なくとも薬剤の一部が、6重量%より大きい水分含有率を持っている間に、保護パッケージの中にパッチを保管する工程と、パッチが保護パッケージに保管されている間、薬剤が乾燥できる工程と、薬剤が乾燥した後、パッチを患者の皮膚に当てる工程を含み、皮膚からの水分が薬剤を融解する。
【0027】
一つの実施形態では、パッチは、第一の部分、第一の部分に近接する、第二の部分を画定するように形作られ、パッチを皮膚に当てる工程は、皮膚の一部がフレームによって画定される窓を通してさらさせるように、第一の部分のフレームを皮膚に粘着する工程と、第二の部分を第一の部分に折重ね、薬剤を含む、窓を通して第二の部分の薬剤送達領域が皮膚の一部に当たる工程を含んでいる。
【0028】
一つの実施形態では、保護パッケージの中にパッチを保管する工程は、乾燥剤を保護パッケージの中に置く工程を含んでいる。
【0029】
一つの実施形態では、保護パッケージは、取外し可能な、一つ以上の自身を貫く穴を持つ保護カバーを備え、パッチを保管する工程は、少なくとも保護カバーの一部が薬剤から離れるように、パッチに保護カバーを覆う工程を含み、パッチを当てる工程は、保護カバーをパッチから外す工程を含む。
【0030】
一つの実施形態では、保護パッケージは、乾燥剤を備えたパッケージを備え、パッチを保管する工程は、乾燥剤が穴を通して流体的に薬剤と連通するように、パッケージの中に保護カバーとともにパッチを保管する工程を含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
図1A−Dは、本発明の実施形態の一つである経皮投薬製品10の概略図である。図1Aは、組立て前の製品10の各要素の部分を示している。製品10は、パッチ20を備えている。パッチ20は、通常、裏地22、薬剤送達領域24を備えている。裏地22の表面26は、通常、粘着物28を備えている。図1Bに示すように、粘着物28の部分は、通常、薬剤送達領域24を表面26にしっかり固定しており、粘着物28の残りの部分は、露出したままで、通常、裏地22の周囲を囲む、粘着領域30を画定している。粘着領域30は、通常、以下に示すように、パッチ20を取外し可能な保護カバー40にしっかりと固定し、また、保護カバーが外された後、パッチを患者の皮膚にしっかりと固定する。発明の範囲は、たとえば、薬剤を裏地22の部分に直接含ませるなどして、裏地22と一体形成された部品として薬剤送達領域24を形成するような、パッチ20と機能的に等価なこの他の構成を含む。
【0032】
図1A、図1Cは、それぞれ、組立てられていない、組立てられた、保護カバー40の各要素が示されている。保護カバー40がパッチ20に取付けられた時、保護カバー40は、実質的に、薬剤送達領域24に接触しないように構成されている。いくつかの実施形態では、保護カバー40は、下記、(a)、(b)、および、(c)を備えている。
(a)下方層42、この層は、裏地22の粘着領域30と接触し、典型的には、自身を貫通する中央開口部43が設けられている。
(b)上方層44、この層は、薬剤伝達領域24を外部との機械的な接触を避けるから保護する。
(c)スペーシング層46、この層は、通常の使用条件で、上方層44が薬剤伝達領域24と接触することを避けるか、あるいは、そのような接触の可能性を最小化する。
たとえば、複数の経皮投薬製品10は、小売用の箱の中に保管することができ、図1Dを参照して下記に記載するように、その箱は各パッケージ60にかかる過度の力を防ぐ(これにより、各パッケージの上方層44と薬剤伝達領域24の接触の可能性を最小化することができる)。本発明の範囲は、保護カバー40と機能的に等価な代替構成を含む。たとえば、下方層42と上方層44は、唯一の保護層であってもよいし、スペーシング層46は、この単一の保護層の下方表面に結合され、この単一の保護層の中央部と薬剤伝達領域24の接触を防いでもよい(構成は図示しない)。
【0033】
保護カバー40の上方層44は、典型的には、気体が上方層44自身を通過できるように構成されている。この目的のために、典型的には、上方層44は、一つ以上の自身を貫く穴50を持つように形作られている。パッケージ60の中のこの気体は、典型的には、不活性ガスで、適当なガスとして、窒素、および/あるいは、アルゴンである。その他の例として、気体は、空気、あるいは、その他、気体の混合を含んでいる。
【0034】
図1Dに、組み立てた後の完成した製品10を示す。完成製品は、パッチ20、保護カバー40、および、下記に記載するように、パッチ20を保護カバー40とともに保管するパッケージ60を備えている。パッケージ60は、典型的には、たとえば、シリカゲルのような、水分を吸収する乾燥剤62を備える。たとえば、乾燥剤62は、通常、薬剤のパッケージングに使用される、伝統的な乾燥袋、あるいは、その他の乾燥コンテナを備えてもよい。いくつかの適用例では、乾燥剤62は、約0.25gから約3gである(たとえば、約0.5gから約2g)。乾燥剤62は、適宜、パッケージ60に固定されていても、あるいは、取外し可能になっていてもよい。代替例として、あるいは、追加例として、乾燥剤62は、保護カバー40に固定、あるいは、一体形成されていてもよい。いくつかの適用例では、保護カバー40は、穴を備えず、乾燥剤は、保護カバー40の、薬剤に面している表面に接触している。他の適用例では、保護カバー40は、穴を備え、保護カバー40の、薬剤から離れている表面に接触し、これによって、穴によって、乾燥剤と薬剤が流体的に連通している。
【0035】
図2A−Cに、他の実施形態である、経皮投薬製品10の概略図を示す。下記に記載すること以外は、この実施形態は、図1A−Dに示した上述の実施形態と同一である。この実施形態では、保護カバー40は、唯一の要素を備えており、この唯一の要素は、下記、(a)、および、(b)を画定するように形作られている。
(a)周辺領域70、この領域は、裏地22の粘着領域30と接触している。
(b)盛上った中央領域72、この領域は、薬剤伝達領域24を外部との機械的な接触から保護し、薬剤伝達領域24を外部との機械的な接触を避けるから保護するか、あるいは、通常の取り扱い条件の下で、このような接触を最小化するように形作られている。
保護カバー40の盛上った中央領域72は、典型的には、気体が中央領域72を通過できるように構成されている。この目的のために、中央領域72は、典型的には、中央領域72を貫通する一つ以上の穴50を備えるように形作られている。
【0036】
いくつかの実施形態では、保護カバー40は、熱成形可能なフィルム(たとえば、PVC,PETG,HDPE)を備えている。フィルムは、真空形成過程を使用して、たとえば、シリコン化処理などして、片面に塗布を施して所望の膨れた形状を作る。フィルムは、通常、約150ミクロンから約300ミクロンの間の厚さを持っている。いくつかの実施形態では、粘着領域30が、圧力感度のよいアクリルの粘着物(PSA)を備え、シリコーン塗布層が、180°で引かれた際に、5.1cm(2インチ)のストリップ当たり、約10gから30g粘着層の剥がす力を供給して、粘着領域30と薬剤伝達領域24をよく保護するとともに、簡単に剥がせるようになっている。代替例として、塗布していないフィルムを所望の膨れた形状に成形して、膨れの縁にシリコーン層をラミネート、あるいは、塗布することによって、保護カバー40は製造される。
【0037】
図1A−D、図2A−Cを参照して説明するが、本発明の一つの実施形態では、製品10の製造している間、たとえば、インクジェット・プリントで使用されるようなプロセスを使用することで、液状の薬剤が、薬剤伝達領域24に塗られる。いくつかの適用例では、領域24上を移動する、あるいは、領域24がその下を移動している間に静止している噴霧器によって、薬剤は、多くの小さな液滴として、薬剤伝達領域24の上に吹き付けられる。代替例として、あるいは、追加例として、スプレーイング、ローリング、コーティングなどの、この分野でよく知られた技術を使用して、薬剤が薬剤伝達領域24に塗られる。薬剤の安定性と貯蔵期間を向上させるために、製品10が保管されている間、薬剤は十分に乾燥していることが望ましい。しかしながら、多くの薬剤は、薬剤伝達領域24に塗られた後でゆっくりと乾燥する(たとえば、薬剤送達領域24に塗られた後、いくつかの薬剤は、約1−4週間の長期間安定を維持されるようには、十分に乾燥しない)。薬剤が長期に安定するように十分に乾燥するまで待つと、通常、製造コストが上がり、製造工程が複雑になる。上述したように、保護カバー40とパッケージ60を使用することによって、薬剤を塗布工程に引き続いて、薬剤が十分乾燥する前に、薬剤の乾燥を待たずに、あるいは、約30から120分(たとえば、30から60分)以内に、直ちに、パッチ20を梱包することができる。梱包されている間、薬剤は、穴50を通して、乾燥剤62と流体的に(すなわち、気体状で)連通している。乾燥剤62は、薬剤から水分を吸収して、長期保存(包装してから、通常、約1−4週間以内)に十分なレベルまで乾燥させる。同時に、保護カバー40の上方層44が、薬剤が、パッケージ60の内部を含む、外部と機械的に接触することを防ぐ。
【0038】
図3A−Dは、本発明の一つの実施例に沿った、パッチ20を患者の皮膚に貼る手順を示した概略図である。図3Aは、患者が、パッチ20を保護カバー40と共にパッケージ60から取り出す様子を示している。図3Bに示すように、次に、患者は、パッチ20を保護カバー40から剥がす。図3C−Dに示すように、患者は、パッチを皮膚に貼りる。一つの実施形態では、薬剤送達領域24は、約1−3、あるいは、3−5mm、パッチ20から突出しており(図1A、3B、および、3C)、皮膚にパッチを貼ることによって、皮膚と薬剤送達領域24の間の接触圧力が増す。
【0039】
一つの実施形態では、経皮投薬製品10は、パッチを皮膚に貼る前の如何なる皮膚の処置も必要とせずに使用することができる。
【0040】
本発明の一つの実施形態では、経皮投薬製品10は、たとえば、皮膚に少なくとも皮膚の一部分を通してマイクロチャネルを形成することで、および/あるいは、イオン泳動によって、および/あるいは、レーザー切除によって、および/あるいは、微細針で、および/あるいは、音波泳動で、および/あるいは、その他、この分野で知られている技術によって、パッチ20に蓄えられた薬剤の浸透性を上げるシステムと共に使用される。たとえば、製品10は、特許文献7、8に記載された、トランスファーマメディカル社(TransPharma Medical Ltd.(Lod,Israel))によって開発された、ビアデルム(ViaDerm)経皮投薬システムと共に使用することもできる。ここで、特許文献7,8は、共に、本発明の譲請人に譲渡されており、また、ここに、参照してその記載内容をこの明細書に取込むものである。
【0041】
本発明の一つの実施形態では、患者の体の水分が、パッチ20に蓄えられた乾燥した薬剤に接触し、薬剤が、飽和融解 あるいは、縣濁するように、薬剤を融解する。たとえば、この水分は、患者の皮膚の水分であってもよい。本発明のいくつかの実施形態では、パッチ20は、皮膚を通してマイクロチャネルを形成する、あるいは、皮膚を、切除、または、前処理をする、機器と共に使用され、水分は、マイクロチャネル、あるいは、皮膚の開口部を通して、患者の体から開放された細胞外の流体でもよい。
【0042】
図では、経皮投薬製品10の各要素は、ほぼ円形に描かれているが、これは、単に、例示の目的のためだけである。いくつかの適用例では、これらの各要素は、楕円形状、長尺状、正方形状、あるいは、その他の形状である。
【0043】
図4、5、6A、および、6Bは、本発明の一つの実施形態である経皮投薬製品100の概略図である。図4に示すように、製品100は、パッチ120と、パッチ120を保護カバーと共に保管する、パッケージ121を備えている。図5は、組み立て前のパッチ120の各要素を示している。また、図6A、6Bは、それぞれ、組み立て後のパッチ120の上面図、底面図である。
【0044】
図5からよく読み取れるように、パッチ120は、長い支持構造122を備え、支持構造122は、薬剤支持領域124と窓領域126を画定するように形作られている。薬剤支持領域124の上方面128は、粘着剤を備えている。この粘着剤は、下記(a)と(b)の機能を提供する。
(a)医療パッドのように、薬剤支持領域124に薬剤送達領域130を粘着する。
(b)その目的を下記に記載する、粘着境界132を供給する。
本発明の範囲は、たとえば、薬剤を、直接、上方面128の部分に含ませて、上方面128と一体形成された部品(要素)として薬剤送達領域130を形成するような、パッチ120と機能的に等価の代替構成を含む。
【0045】
窓領域126は、窓枠136で取り囲まれる窓134を画定するように形作られ、その両面に粘着財を備えている。図では、窓134は正方形として示されているが、窓は、たとえば、長方形、楕円形、あるいは、円形などの、別の形状であってもよい。この場合、薬剤送達領域130は、通常、対応する他の形状である。支持構造122は、第一のタブ(耳)138を画定するように形作られている。図5に示されるように、組み立てる前、第一のタブ138は、窓の部分134の中に突出していてもよい。支持構造122は、薬剤支持領域124と窓領域126を隔てる、たわむことの出来る折畳み線140を持つように構成されている。いくつかの適用例では、薬剤支持領域124と窓領域126は、別々の分離した部品から形成され、それぞれの部分は、第一のタブ138を形成し、折畳み線140に沿って、薬剤支持領域と窓領域をつなぐように共に固定されている。
【0046】
パッチ120は、さらに、第一の裏地150を備え、第一の裏地150は、窓枠136(上述したように、窓枠136は、粘着剤を備えている)の下方面に取外し可能に結合するように構成されている。パッチ120を組み立てている間、第一の裏地を窓枠に結合するのに先立って、第一のタブ138は下方に、かつ、薬剤支持領域124に向かって(すなわち、図の右方向に向かって)折畳まれ、薬剤支持領域124には粘着せずに、第一の裏地150の第二のタブ152は、第一のタブ138を部分的に覆う(この部分的に覆われている状態は、図6Bからよく読み取れる)。いくつかの適用例では、第一の裏地150は、約0.07から0.10mm(約3から約4mil)の間の厚さを持つPE/PVC基板を備えている。典型的には、第一の裏地150は、たとえば、簡単に剥がれるシリコーン・コーティングのような、簡単に剥がれるコーティングを塗布されている。
【0047】
パッチ120は、さらに、第二の裏地160を備えている。第二の裏地160は、保護領域162、窓領域164、および、窓領域164から保護領域162と反対側に突出する、第三のタブ165を画定するように形作られている。保護領域162は、盛上った保護領域166と縁168を画定するように形作られている。盛上った保護領域166は、パッチを組み立てる際、薬剤送達領域130と実質的に接触しないでこれを覆うように構成されている。縁168は、パッチを組み立てる際、支持構造122の薬剤支持領域124の粘着境界132に取り外し可能に結合されている。
【0048】
盛上った保護領域166は、典型的には、自身を気体が通過できるように構成されている。この目的のために、典型的には、盛上った保護領域166は、一つ以上の自身を貫通する穴170を画定するように形作られている。パッケージ121には、気体が中に入っている。その気体は、通常、不活性であり、適当なものとしては、窒素、および/あるいは、アルゴンでもよい、代替例として、気体は、空気、あるいは、その他のガスの混合であってもよい。
【0049】
第二の裏地160の窓領域164は、窓枠174で取り囲まれた窓172を画定するように形作られている。窓172と窓枠174は、それぞれ、支持構造122の窓領域126の、窓134と窓枠136とほぼ同じ大きさである。パッチ120を組み立てる時、窓枠174の下方面は、窓枠136の粘着性の上方面に取り外し可能に結合され、窓172と窓134は、窓領域164と窓領域126を通した共通の窓を確定するようにほぼ位置合わせされている。
【0050】
いくつかの適用例では、第二の裏地160は、約0.1から0.2mm(約4から約8mil)の間の厚さを持つPVC基板を備えている。典型的には、第二の裏地は、たとえば、適度に剥がれるシリコーン・コーティングのような、適度に剥がれるコーティングが塗布されている。いくつかの適用例では、窓枠174は、窓枠の上方面から突出した一つ以上の隆起176を画定するように形作られている。
【0051】
図4を再び参照して、パッケージ121は、典型的には、たとえば、シリカゲルのような、水分を吸収する乾燥剤180を備えている。たとえば、乾燥剤180は、薬剤の梱包に使われる、旧来の乾燥袋、あるいは、乾燥コンテナを備えても良い。いくつかの適用例では、乾燥剤180は、約0.25gから約3gである(たとえば、約0.5gから約2g)。乾燥剤180は、適宜、パッケージ121に固定されていても、あるいは、取外し可能になっていてもよい。代替例として、あるいは、追加例として、乾燥剤180は、盛上った保護領域166に固定、あるいは、一体形成されていてもよい。いくつかの適用例では、盛上った保護領域166は、穴を備えず、乾燥剤は、盛上った保護領域166の、薬剤に面している表面に接触している。他の適用例では、盛上った保護領域166は、穴を備え、盛上った保護領域166の、薬剤から離れている表面に接触し、これによって、穴によって、乾燥剤と薬剤が流体的に連通している。
製品10の保護カバー40とパッケージ60に関して前述したように、盛上った保護領域166を使用することで、薬剤の塗布に引き続き、薬剤が十分乾燥する前に、薬剤の乾燥を待たずに、あるいは、約30から120分(たとえば、30から60分)以内に、直ちに、パッチ120を梱包することができる。
【0052】
図7A−Dは、本発明の一つの実施例で、患者の皮膚にパッチ120を貼る手順の概略図である。図7Aに示すように、パッケージ121からパッチ120を保護カバーと共に剥がした後(剥がすところは図示しない)、患者は、裏地の第二のタブ152をつかんで、第一の裏地を窓枠136から剥がす。
【0053】
図7Bに示すように、患者は、パッチを皮膚に貼ると、皮膚の部分188は、窓134と窓172を通してさらされる。窓枠136の下方面上の粘着剤によって、パッチが皮膚に粘着する。いくつかの適用例では、パッチを貼る前に皮膚は清浄にされて乾燥される。この時点で、薬剤送達領域130は、皮膚から離れて面しており、まだ、膨らんだ保護領域166に覆われている。薬剤支持領域124の下方面は、皮膚に粘着せずに、(第一のタブ138が部分的に介入している状態で)皮膚に対している。
【0054】
図7Cに示すように、患者がアプリケーター190を皮膚の部分188に貼る。窓134と窓172は、このように、パッチ120の他の要素に対して正確に位置する皮膚の領域にアプリケーターを当てられるように、ユーザーを案内する。アプリケーター190は、パッチ120に蓄えられた薬剤に対する皮膚の透過性を増加するためのシステムを備え、少なくとも皮膚の一部分を通してマイクロチャネルを形成するなどすることで、および/あるいは、イオン泳動によって、および/あるいは、レーザー切除によって、および/あるいは、微細針で、および/あるいは、音波泳動で、および/あるいは、その他、この分野で知られている技術によって、たとえば、アプリケーター190は、上述の、ビアデルム(ViaDerm)経皮投薬システムを備えることができる。このシステムは、特許文献7、8に記載されている。
【0055】
図7Dに示すように、皮膚の領域188の透過性が増大した後、患者は、第三のタブ165をつかみ、第二の裏地を皮膚の領域188の上を皮膚の領域188に沿って引く。このように引くことによって、粘着性の縁と結合した縁168の残留面192を残して、保護領域162の縁168の三つの面が粘着性のある縁132から外れる。
【0056】
図7Eに示すように、薬剤送達領域130が完全に反転して、皮膚の部分188に接触し、縁168の面192が粘着性の縁132から剥がされるまで、患者は、第二の裏地160を引き続ける。支持構造122は、折畳み線140に沿って完全に折畳まれ、粘着性の縁132によって、皮膚の領域188を取り巻く皮膚に粘着する。
【0057】
本発明の一つの実施形態では、患者の体の水分が、パッチ120に保管されている乾燥した薬剤と接触し、薬剤を融解して、飽和溶液、あるいは、縣濁を形成する。たとえば、水分は、患者の皮膚の水分でも、アプリケータ190によって形成された、皮膚のマイクロチャネル、あるいは、その他の開口部を通して体から解放された患者の細胞外流体でもよい。
【0058】
経皮投薬製品100の各要素は、図では、ほぼ、長方形(たとえば、正方形)の形状で示されているが、これは、単に、例示の目的のみである。いくつかの適用例では、このような要素(部品)は、楕円(たとえば、円)、あるいは、その他の形状である。
【0059】
図には、比較的少ない数の、比較的大きな穴50、170が示してあるが、これは、例示であって、限定ではないことには留意すべきである。このような構成は、典型的には、約3個から50個の間、あるいは、50個から200個の間の、直径が約0.5mmから1mm、あるいは、約1mmから3mmの穴である。この他の実施形態(図示しない)では、穴は、より小さく、たとえば、直径、約0.01mmから0.1mm、あるいは、約0.1mmから0.5mmである。代替例として、あるいは、追加例として、穴の数がより大きい、たとえば、役200個から1000個の間、あるいは、1000以上のものがある。たとえば、上方層44(図1A)、あるいは、第二の裏地160(図4−6B)は、たとえば、布地、プラスチック、膜(スクリーン)、網(メッシュ)、ポーラスな素材、および/あるいは、水分透過性のあるフィルムのような、それを通して非常に大きな数の穴が形成され、あるいは、自然に穴が備わっている素材から成ることができる。適当な例として、上方層44、あるいは、盛上った保護領域166と薬剤の接触を最小限にするために、ように素材はぴんと張ってあってもよいし、かつ/または、支持構造で支持されていても良い。
【0060】
一つの実施形態では、ここで記載した技術と装置が、本発明の譲受人に譲渡され、ここで、参照してその記載内容をこの明細書に取込む、特許文献9に記載された技術と装置に組み合わされている。
【0061】
当業者には、本発明はこの明細書に具体的に示され記載された内容に限定されないと理解、また、評価されるであろう。むしろ、本発明の範囲は、先行技術ではない、当業者であれば、ここでの記載から読み取れる、設計変更、変形態様と同様に、ここで記載された種手の特徴のコンビネーションとサブコンビネーションの双方を含む。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1A】本発明の一つの実施形態である経皮薬剤送達(経皮投薬)製品の概略図である。
【図1B】図1Aの経皮薬剤送達製品の概略図である。
【図1C】図1Aの経皮薬剤送達製品の概略図である。
【図1D】図1Aの実施形態での経皮薬剤送達製品の概略図である。
【図2A】本発明のもう一つの実施形態での経皮薬剤送達製品の概略図である。
【図2B】図2Aの実施形態である経皮薬剤送達製品の概略図である。
【図2C】図2Aの実施形態である経皮薬剤送達製品の概略図である。
【図3A】図1A−D、図2A−Cに図示した製品で、パッチを患者の皮膚に当てる方法を示した概略図である。
【図3B】図1A−D、図2A−Cに図示した製品で、パッチを患者の皮膚に当てる方法を示した概略図である。
【図3C】図1A−D、図2A−Cに図示した製品で、パッチを患者の皮膚に当てる方法を示した概略図である。
【図3D】図1A−D、図2A−Cに図示した製品で、パッチを患者の皮膚に当てる方法を示した概略図である。
【図4】本発明のさらにもう一つの実施形態である経皮投薬製品の概略図である。
【図5】本発明のさらにもう一つの実施形態である経皮投薬製品の概略図である。
【図6A】本発明のさらにもう一つの実施形態である経皮投薬製品の概略図である。
【図6B】本発明のさらにもう一つの実施形態である経皮投薬製品の概略図である。
【図7A】図4、5、6A−Bに図示した製品で、パッチを患者の皮膚に当てる方法を示した概略図である。
【図7B】図4、5、6A−Bに図示した製品で、パッチを患者の皮膚に当てる方法を示した概略図である。
【図7C】図4、5、6A−Bに図示した製品で、パッチを患者の皮膚に当てる方法を示した概略図である。
【図7D】図4、5、6A−Bに図示した製品で、パッチを患者の皮膚に当てる方法を示した概略図である。
【図7E】図4、5、6A−Bに図示した製品で、パッチを患者の皮膚に当てる方法を示した概略図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、薬剤送達技術に関し、特に、経皮投薬用の方法と装置に関する。
【背景技術】
【0002】
粘着性の経皮投薬パッチは、皮膚を通して直接薬剤を血液循環システムへ送達する。通常、薬剤は、パッチを皮膚に付着している粘着性物質の中で拡散している。
【0003】
本出願の譲受人に譲渡され、その内容をここで参照して取込む、ソーン氏の発明である特許文献1に、患者の表皮を通して薬剤(薬物)の送達を容易にする装置が記載されている。この装置は、ハンドル、このハンドルに取り外し可能に取付けられているカートリッジを備えている。カートリッジは、一つ以上の電極と薬剤を含んだパッチを持ち、電極は、表皮領域に当てられるようになっており、パッチは、電極を取外すことによって表皮領域の少なくとも一部に当てられるようになっている。低めの裏地、パッド、パッドを覆う上部保護カバーを備えた医療用パッチについても記載されている。パッドは、二つの部分を持っており、一つは、自身を貫通する開口部を取り囲むフレームとして形作られた部分を持つ、電気的な処理を行う面、もう一つは、医療用の領域を持つ、薬剤を取扱う面である。低めの裏地は、電気的な処理を行う面の下側(この下側は、表皮に接触している)で、上記の開口部を取り囲む粘着領域を覆っている。上部保護カバーは、薬剤を含む領域を備え、パッドの上部を汚染から保護している。上部保護カバーは、タブ(耳)を備えている。
【0004】
ここでその内容を参照として取込む、フレンケル氏の発明である特許文献2には、電気泳動、あるいは、イオン泳動による経皮投薬の管理のための、三つの分離可能なモジュールを持った器具が記載されている。第一のモジュールは、少なくとも一つの電極システムと一つの薬剤貯蔵部とを備え、第二のモジュールは、電源を備え、第三のモジュールは、電子回路と制御組織と表示スクリーンを備えている。電源は、他の二つのモジュールの間に置かれ、一つ以上のバッテリで構成される電源モジュールに加えて、患者の体に器具を装着するための、機械的組立手段と、他の二つのモジュールとの間を繋ぐ、電気的接続、あるいは、相互接続手段を備えている。
【0005】
その内容をここで参照して取込む、ヘンリー氏の発明である特許文献3には、皮膚を通して、皮下の組織や血管に薬剤の送達を容易にする、携帯用のイオン泳動装置が記載されている。この装置は、この装置のベースに装着された、モジュール化された、取り外し可能な、使い捨ての、薬剤を含んだ専用電極を備えている。この装置は、手で持て、上記のベースに円形接触電極バンドを備えるように作られている。この接触電極バンドで、ユーザーの手の表皮と、上記のベースの中に収容されている二極電源の一つの極の電極とが、電気的に接続されている。電源のもう一つの極は、上記の専用電極に接続されている。この専用電極と上記の接触電極との間の電気回路は、ユーザーの体を通して完成する。
【0006】
ここでその内容を参照として取込む、ストロプキー氏の発明である特許文献4には、複数のパッチと、少なくとも一つの再利用可能な制御装置と、パッチを保管し供給するユニットを備えた、イオン詠動式の薬剤伝達システムが記載されている。パッチは、このユニットの中に設けられた仕切りの中にしっかり保管することができ、コントローラは、このユニットの中に設けられた別の仕切りの中に保管することができる。このように、再利用可能なコントローラと新しいパッチは、このユニットから取外し、患者の表皮に取付けて動作するように、お互いに締め付けることができる。
【0007】
その内容をここで参照して取込む、ブラント氏の発明である特許文献5には、イオン詠動を用いて、軟らかい組織から選択した領域を処置する方法が記載されている。この方法は、この選択領域と外部電極の間に電流を通過させる工程を含んでいる。電極がこの選択領域内で動いている間、外部電極と軟らかい組織の表面領域の間に置かれ、保持された電解質を、この電流は流れる。
【0008】
【特許文献1】米国仮出願特許第60/689,763号明細書
【特許文献2】国際特許第03/039620号明細書
【特許文献3】米国特許第5,603,693号明細書
【特許文献4】米国特許第5,908,401号明細書
【特許文献5】米国特許第5,919,156号明細書
【特許文献6】米国特許第3,163,166号明細書
【特許文献7】米国特許第6,148,232号明細書
【特許文献8】米国特許第,6,611,706号明細書
【特許文献9】国際特許第IL02/00896号明細書
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のいくつかの実施形態では、経皮薬剤伝達するパッチ製品は、パッチと、使用前のパッチを保管し、保護する保護パーケージを備えている。保護パッケージは、通常、その中にパッチを保管するパッケージを備えている。製造する過程で、たとえば、印刷に類似の工程、あるいは、当業者に知られた技術で、薬剤(薬物)は、液状でパッチに浸み込まされる。通常、パッケージの中に置かれる前の短い間、薬剤は、部分的に乾燥するようにされている。保護パッケージは、パッチがパッケージの中に挿入された後、薬剤がパッチの上で乾燥し続けられるように構成されている。このようなパッケージ後の乾燥工程は、通常、製造時間を短縮し、工程を簡略化し、および/あるいは、コスト低減をもたらす。通常、液体中にある状態、単に、部分的に乾燥している状態よりも、十分に乾燥している状態の方が、薬剤は、より優れた安定性と保存期間を持っている。
【0010】
本発明のいくつかの実施形態では、パッチは、付着性を有する領域(付着領域)と薬剤を送達する領域(薬剤送達領域)を持つ裏地を備えている。保護パッケージは、(パッケージに加えて)パッチを覆う、取外し可能な保護カバーを備えている。保護カバーは、パッチの薬剤送達領域と実質的に接触しないように構成され、一つ以上の自身を貫通する穴を持っている。パッケージは、使用前の保護カバーとパッチを保管している。パッケージは、通常、たとえば、シリカゲルのような、水分を吸収する乾燥剤を備えている。乾燥剤は、穴を通して、パッチの薬剤送達領域と流体的に連通している。このように、乾燥剤は、部分乾燥状態にある間、薬剤から水分を吸収することにより、薬剤を長期保存に適したレベルまで乾燥させる。
【0011】
異なる薬剤は、通常、部分乾燥状態では水分含有レベルが異なり、長期保存に適した水分含有レベルが異なることに留意すべきである。ではあるが、本発明を限定するものではなく、例として、いくつかの実施形態では、パッチをパッケージの中に入れる前に、ほぼ6重量%から10重量%、あるいは、ほぼ10重量%から15重量%、の部分乾燥レベルまで含有水分を低減することを記載している。別の選択、あるいは、追加の例として、いくつかの実施形態では、パッチをパッケージの中に入れた後に、これらの部分乾燥レベルを、ほぼ2重量%から3重量%、ほぼ3重量%から4重量%、あるいは、ほぼ4重量%から5重量%、の部分乾燥レベルまで含有水分を低減することを記載している。
【0012】
典型的には、保護カバーは、パッチに、表皮に付着することにも使用される、付着領域によって保持されている。
【0013】
上記を受け、本発明の一つの実施形態として、経皮薬剤送達パッチ製品を備えた装置が提供されている。この装置は、薬剤を含んだパッチと、パッチを保管し、パッチが保護パッケージに保管されている間、薬剤を乾燥させることができる保護パッケージを備えている。
【0014】
いつかの適用例では、保護パッケージは、パッチが保護パッケージに保管されている間、薬剤の含有水分が、2重量%から3重量%、あるいは、3重量%から5重量%へ向かって乾燥するように構成されている。
【0015】
一つの実施形態では、パッチは、窓を取り囲むフレームを画定するように形作られた、第一の部分、第一の部分に近接し、薬剤を含む薬剤送達領域を画定する、第二の部分を画定するように形作られている。さらに、パッチは、 第二の部分が第一の部分に折り重なる時、薬剤送達領域が窓を貫通するように置かれるような構成になっている。
【0016】
一つの実施形態では、保護パッケージは、 パッチを保管するパッケージを備え、パッケージは、パッケージの中にパッチが保管されている時、薬剤と流体的に連通するように乾燥剤を備えている。
【0017】
一つの実施形態では、保護パッケージは、取り外し可能な、パッチを覆う保護カバーを備え、保管中、保護カバーがパッチを覆っている時、保護カバーの少なくとも一部が薬剤から隔離されるように構成されている。保護カバーは、一つ以上の穴を持つように形作られている。いくつかの適用利では、保護パッケージは、パッチと保護カバーを保管するパッケージを備え、パッケージの中にパッチが保管されている時、穴を通して薬剤と流体的に連通する乾燥剤を備えている。いくつかの適用利では、保護カバーは、ただ一つの要素を備えている。いくつかの適用利では、この要素は、周辺領域、および、薬剤と接触しないように形作られた中央の盛上った領域を画定するように形作られている。
【0018】
一つの実施形態では、保護パッケージは、取外し可能なパッチを覆う保護カバーを備え、保管中、保護カバーがパッチを覆っている時、保護カバーの少なくとも一部が薬剤から隔離され、保護カバーが乾燥剤を備えるように構成されている。いくつかの適用利では、乾燥剤は、パッチに面している保護カバーの表面に接するように置かれている。他のいくつかの適用利では、保護カバーは、自身を貫通する穴を持つように形作られ、乾燥剤は、パッチから隔離されている保護カバーのある面に接触するように置かれ、乾燥剤は、保護パッケージの中にパッチが保管されている時、穴を通して薬剤と流体的に連通している。
【0019】
いくつかの適用利では、保護カバーは、自身を貫通する、1個から10個の穴、10個から100個の穴、あるいは、100個より多くの穴、が設けられている。
【0020】
いくつかの適用利では、保護カバーは、布地、プラスチック、膜(スクリーン)、網(メッシュ)、ポーラスな物質、および、水分透過性のフィルムから構成されるリストの中の少なくとも一つを備え、一つ以上の穴は、選択した一つに設けられた穴である。
【0021】
本発明の一つの実施形態では、さらに、経皮薬剤送達パッチ製品を製造する方法を提供する。この方法は、パッチに薬剤を含ませる工程と、少なくとも薬剤の一部が6重量%より大きな水分含有している間に、パッチが保護パッケージの中に保管されている間に薬剤が乾燥するようにした保護パッケージの中にパッチを保管する工程とを含む。
【0022】
一つの実施形態では、保護パッケージの中にパッチを保管する工程が、保護パッケージの中に乾燥剤を置く工程を含む。
【0023】
いくつかの適用利では、パッチを保管する工程が、保護パッケージの中にパッチを保管する工程を含み、この保護パッケージは、パッチが保護パッケージの中に保管されている間、薬剤を、その水分含有率、2重量%から6重量%、あるいは、3重量%から5重量%に向かって乾燥させるような保護パッケージである。
【0024】
一つの実施形態では、保護パッケージは、乾燥剤を備えたパッケージを備え、パッチを保管する工程は、乾燥剤が薬剤と流体的に連通するようにパッケージの中にパッチを保管する工程を含む。いくつかの適用利では、保護パッケージは、取外し可能な、自身を貫通する一つ以上の穴を持った保護カバーを備え、パッチを保管する工程は、少なくとも保護カバーの一部が薬剤から離されるように、保護カバーをパッチに覆う工程を含む。いくつかの他の適用利では、保護パッケージは、乾燥剤を含むパッケージを備え、パッチを保管する工程は、乾燥剤が穴を通して薬剤と流体的に連通するように、パッケージにパッチを保護カバーとともに保管する工程を含む。
【0025】
いくつかの適用利では、保護パッケージは、乾燥剤を備えた取外し可能な保護カバーを備え、パッチを保管する工程は、少なくとも保護カバーの一部が薬剤から離れるように、保護カバーをパッチに覆う工程を含む。いくつかの適用利では、乾燥剤は、保護カバーのパッチに面する面に接触して置かれる。いくつかの適用利では、保護カバーは、自身を貫く一つ以上の穴を備えており、乾燥剤は、保護カバーのパッチから離れた面に接触して置かれ、パッチを保管する工程は、乾燥剤が穴を通して薬剤と流体的に連通ように、保護カバーをパッチに覆う工程を含む。
【0026】
本発明の一つの実施形態では、さらに、皮膚を通して患者に薬剤を投与する方法を提供する。この方法は、パッチに薬剤を含ませる工程と、少なくとも薬剤の一部が、6重量%より大きい水分含有率を持っている間に、保護パッケージの中にパッチを保管する工程と、パッチが保護パッケージに保管されている間、薬剤が乾燥できる工程と、薬剤が乾燥した後、パッチを患者の皮膚に当てる工程を含み、皮膚からの水分が薬剤を融解する。
【0027】
一つの実施形態では、パッチは、第一の部分、第一の部分に近接する、第二の部分を画定するように形作られ、パッチを皮膚に当てる工程は、皮膚の一部がフレームによって画定される窓を通してさらさせるように、第一の部分のフレームを皮膚に粘着する工程と、第二の部分を第一の部分に折重ね、薬剤を含む、窓を通して第二の部分の薬剤送達領域が皮膚の一部に当たる工程を含んでいる。
【0028】
一つの実施形態では、保護パッケージの中にパッチを保管する工程は、乾燥剤を保護パッケージの中に置く工程を含んでいる。
【0029】
一つの実施形態では、保護パッケージは、取外し可能な、一つ以上の自身を貫く穴を持つ保護カバーを備え、パッチを保管する工程は、少なくとも保護カバーの一部が薬剤から離れるように、パッチに保護カバーを覆う工程を含み、パッチを当てる工程は、保護カバーをパッチから外す工程を含む。
【0030】
一つの実施形態では、保護パッケージは、乾燥剤を備えたパッケージを備え、パッチを保管する工程は、乾燥剤が穴を通して流体的に薬剤と連通するように、パッケージの中に保護カバーとともにパッチを保管する工程を含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
図1A−Dは、本発明の実施形態の一つである経皮投薬製品10の概略図である。図1Aは、組立て前の製品10の各要素の部分を示している。製品10は、パッチ20を備えている。パッチ20は、通常、裏地22、薬剤送達領域24を備えている。裏地22の表面26は、通常、粘着物28を備えている。図1Bに示すように、粘着物28の部分は、通常、薬剤送達領域24を表面26にしっかり固定しており、粘着物28の残りの部分は、露出したままで、通常、裏地22の周囲を囲む、粘着領域30を画定している。粘着領域30は、通常、以下に示すように、パッチ20を取外し可能な保護カバー40にしっかりと固定し、また、保護カバーが外された後、パッチを患者の皮膚にしっかりと固定する。発明の範囲は、たとえば、薬剤を裏地22の部分に直接含ませるなどして、裏地22と一体形成された部品として薬剤送達領域24を形成するような、パッチ20と機能的に等価なこの他の構成を含む。
【0032】
図1A、図1Cは、それぞれ、組立てられていない、組立てられた、保護カバー40の各要素が示されている。保護カバー40がパッチ20に取付けられた時、保護カバー40は、実質的に、薬剤送達領域24に接触しないように構成されている。いくつかの実施形態では、保護カバー40は、下記、(a)、(b)、および、(c)を備えている。
(a)下方層42、この層は、裏地22の粘着領域30と接触し、典型的には、自身を貫通する中央開口部43が設けられている。
(b)上方層44、この層は、薬剤伝達領域24を外部との機械的な接触を避けるから保護する。
(c)スペーシング層46、この層は、通常の使用条件で、上方層44が薬剤伝達領域24と接触することを避けるか、あるいは、そのような接触の可能性を最小化する。
たとえば、複数の経皮投薬製品10は、小売用の箱の中に保管することができ、図1Dを参照して下記に記載するように、その箱は各パッケージ60にかかる過度の力を防ぐ(これにより、各パッケージの上方層44と薬剤伝達領域24の接触の可能性を最小化することができる)。本発明の範囲は、保護カバー40と機能的に等価な代替構成を含む。たとえば、下方層42と上方層44は、唯一の保護層であってもよいし、スペーシング層46は、この単一の保護層の下方表面に結合され、この単一の保護層の中央部と薬剤伝達領域24の接触を防いでもよい(構成は図示しない)。
【0033】
保護カバー40の上方層44は、典型的には、気体が上方層44自身を通過できるように構成されている。この目的のために、典型的には、上方層44は、一つ以上の自身を貫く穴50を持つように形作られている。パッケージ60の中のこの気体は、典型的には、不活性ガスで、適当なガスとして、窒素、および/あるいは、アルゴンである。その他の例として、気体は、空気、あるいは、その他、気体の混合を含んでいる。
【0034】
図1Dに、組み立てた後の完成した製品10を示す。完成製品は、パッチ20、保護カバー40、および、下記に記載するように、パッチ20を保護カバー40とともに保管するパッケージ60を備えている。パッケージ60は、典型的には、たとえば、シリカゲルのような、水分を吸収する乾燥剤62を備える。たとえば、乾燥剤62は、通常、薬剤のパッケージングに使用される、伝統的な乾燥袋、あるいは、その他の乾燥コンテナを備えてもよい。いくつかの適用例では、乾燥剤62は、約0.25gから約3gである(たとえば、約0.5gから約2g)。乾燥剤62は、適宜、パッケージ60に固定されていても、あるいは、取外し可能になっていてもよい。代替例として、あるいは、追加例として、乾燥剤62は、保護カバー40に固定、あるいは、一体形成されていてもよい。いくつかの適用例では、保護カバー40は、穴を備えず、乾燥剤は、保護カバー40の、薬剤に面している表面に接触している。他の適用例では、保護カバー40は、穴を備え、保護カバー40の、薬剤から離れている表面に接触し、これによって、穴によって、乾燥剤と薬剤が流体的に連通している。
【0035】
図2A−Cに、他の実施形態である、経皮投薬製品10の概略図を示す。下記に記載すること以外は、この実施形態は、図1A−Dに示した上述の実施形態と同一である。この実施形態では、保護カバー40は、唯一の要素を備えており、この唯一の要素は、下記、(a)、および、(b)を画定するように形作られている。
(a)周辺領域70、この領域は、裏地22の粘着領域30と接触している。
(b)盛上った中央領域72、この領域は、薬剤伝達領域24を外部との機械的な接触から保護し、薬剤伝達領域24を外部との機械的な接触を避けるから保護するか、あるいは、通常の取り扱い条件の下で、このような接触を最小化するように形作られている。
保護カバー40の盛上った中央領域72は、典型的には、気体が中央領域72を通過できるように構成されている。この目的のために、中央領域72は、典型的には、中央領域72を貫通する一つ以上の穴50を備えるように形作られている。
【0036】
いくつかの実施形態では、保護カバー40は、熱成形可能なフィルム(たとえば、PVC,PETG,HDPE)を備えている。フィルムは、真空形成過程を使用して、たとえば、シリコン化処理などして、片面に塗布を施して所望の膨れた形状を作る。フィルムは、通常、約150ミクロンから約300ミクロンの間の厚さを持っている。いくつかの実施形態では、粘着領域30が、圧力感度のよいアクリルの粘着物(PSA)を備え、シリコーン塗布層が、180°で引かれた際に、5.1cm(2インチ)のストリップ当たり、約10gから30g粘着層の剥がす力を供給して、粘着領域30と薬剤伝達領域24をよく保護するとともに、簡単に剥がせるようになっている。代替例として、塗布していないフィルムを所望の膨れた形状に成形して、膨れの縁にシリコーン層をラミネート、あるいは、塗布することによって、保護カバー40は製造される。
【0037】
図1A−D、図2A−Cを参照して説明するが、本発明の一つの実施形態では、製品10の製造している間、たとえば、インクジェット・プリントで使用されるようなプロセスを使用することで、液状の薬剤が、薬剤伝達領域24に塗られる。いくつかの適用例では、領域24上を移動する、あるいは、領域24がその下を移動している間に静止している噴霧器によって、薬剤は、多くの小さな液滴として、薬剤伝達領域24の上に吹き付けられる。代替例として、あるいは、追加例として、スプレーイング、ローリング、コーティングなどの、この分野でよく知られた技術を使用して、薬剤が薬剤伝達領域24に塗られる。薬剤の安定性と貯蔵期間を向上させるために、製品10が保管されている間、薬剤は十分に乾燥していることが望ましい。しかしながら、多くの薬剤は、薬剤伝達領域24に塗られた後でゆっくりと乾燥する(たとえば、薬剤送達領域24に塗られた後、いくつかの薬剤は、約1−4週間の長期間安定を維持されるようには、十分に乾燥しない)。薬剤が長期に安定するように十分に乾燥するまで待つと、通常、製造コストが上がり、製造工程が複雑になる。上述したように、保護カバー40とパッケージ60を使用することによって、薬剤を塗布工程に引き続いて、薬剤が十分乾燥する前に、薬剤の乾燥を待たずに、あるいは、約30から120分(たとえば、30から60分)以内に、直ちに、パッチ20を梱包することができる。梱包されている間、薬剤は、穴50を通して、乾燥剤62と流体的に(すなわち、気体状で)連通している。乾燥剤62は、薬剤から水分を吸収して、長期保存(包装してから、通常、約1−4週間以内)に十分なレベルまで乾燥させる。同時に、保護カバー40の上方層44が、薬剤が、パッケージ60の内部を含む、外部と機械的に接触することを防ぐ。
【0038】
図3A−Dは、本発明の一つの実施例に沿った、パッチ20を患者の皮膚に貼る手順を示した概略図である。図3Aは、患者が、パッチ20を保護カバー40と共にパッケージ60から取り出す様子を示している。図3Bに示すように、次に、患者は、パッチ20を保護カバー40から剥がす。図3C−Dに示すように、患者は、パッチを皮膚に貼りる。一つの実施形態では、薬剤送達領域24は、約1−3、あるいは、3−5mm、パッチ20から突出しており(図1A、3B、および、3C)、皮膚にパッチを貼ることによって、皮膚と薬剤送達領域24の間の接触圧力が増す。
【0039】
一つの実施形態では、経皮投薬製品10は、パッチを皮膚に貼る前の如何なる皮膚の処置も必要とせずに使用することができる。
【0040】
本発明の一つの実施形態では、経皮投薬製品10は、たとえば、皮膚に少なくとも皮膚の一部分を通してマイクロチャネルを形成することで、および/あるいは、イオン泳動によって、および/あるいは、レーザー切除によって、および/あるいは、微細針で、および/あるいは、音波泳動で、および/あるいは、その他、この分野で知られている技術によって、パッチ20に蓄えられた薬剤の浸透性を上げるシステムと共に使用される。たとえば、製品10は、特許文献7、8に記載された、トランスファーマメディカル社(TransPharma Medical Ltd.(Lod,Israel))によって開発された、ビアデルム(ViaDerm)経皮投薬システムと共に使用することもできる。ここで、特許文献7,8は、共に、本発明の譲請人に譲渡されており、また、ここに、参照してその記載内容をこの明細書に取込むものである。
【0041】
本発明の一つの実施形態では、患者の体の水分が、パッチ20に蓄えられた乾燥した薬剤に接触し、薬剤が、飽和融解 あるいは、縣濁するように、薬剤を融解する。たとえば、この水分は、患者の皮膚の水分であってもよい。本発明のいくつかの実施形態では、パッチ20は、皮膚を通してマイクロチャネルを形成する、あるいは、皮膚を、切除、または、前処理をする、機器と共に使用され、水分は、マイクロチャネル、あるいは、皮膚の開口部を通して、患者の体から開放された細胞外の流体でもよい。
【0042】
図では、経皮投薬製品10の各要素は、ほぼ円形に描かれているが、これは、単に、例示の目的のためだけである。いくつかの適用例では、これらの各要素は、楕円形状、長尺状、正方形状、あるいは、その他の形状である。
【0043】
図4、5、6A、および、6Bは、本発明の一つの実施形態である経皮投薬製品100の概略図である。図4に示すように、製品100は、パッチ120と、パッチ120を保護カバーと共に保管する、パッケージ121を備えている。図5は、組み立て前のパッチ120の各要素を示している。また、図6A、6Bは、それぞれ、組み立て後のパッチ120の上面図、底面図である。
【0044】
図5からよく読み取れるように、パッチ120は、長い支持構造122を備え、支持構造122は、薬剤支持領域124と窓領域126を画定するように形作られている。薬剤支持領域124の上方面128は、粘着剤を備えている。この粘着剤は、下記(a)と(b)の機能を提供する。
(a)医療パッドのように、薬剤支持領域124に薬剤送達領域130を粘着する。
(b)その目的を下記に記載する、粘着境界132を供給する。
本発明の範囲は、たとえば、薬剤を、直接、上方面128の部分に含ませて、上方面128と一体形成された部品(要素)として薬剤送達領域130を形成するような、パッチ120と機能的に等価の代替構成を含む。
【0045】
窓領域126は、窓枠136で取り囲まれる窓134を画定するように形作られ、その両面に粘着財を備えている。図では、窓134は正方形として示されているが、窓は、たとえば、長方形、楕円形、あるいは、円形などの、別の形状であってもよい。この場合、薬剤送達領域130は、通常、対応する他の形状である。支持構造122は、第一のタブ(耳)138を画定するように形作られている。図5に示されるように、組み立てる前、第一のタブ138は、窓の部分134の中に突出していてもよい。支持構造122は、薬剤支持領域124と窓領域126を隔てる、たわむことの出来る折畳み線140を持つように構成されている。いくつかの適用例では、薬剤支持領域124と窓領域126は、別々の分離した部品から形成され、それぞれの部分は、第一のタブ138を形成し、折畳み線140に沿って、薬剤支持領域と窓領域をつなぐように共に固定されている。
【0046】
パッチ120は、さらに、第一の裏地150を備え、第一の裏地150は、窓枠136(上述したように、窓枠136は、粘着剤を備えている)の下方面に取外し可能に結合するように構成されている。パッチ120を組み立てている間、第一の裏地を窓枠に結合するのに先立って、第一のタブ138は下方に、かつ、薬剤支持領域124に向かって(すなわち、図の右方向に向かって)折畳まれ、薬剤支持領域124には粘着せずに、第一の裏地150の第二のタブ152は、第一のタブ138を部分的に覆う(この部分的に覆われている状態は、図6Bからよく読み取れる)。いくつかの適用例では、第一の裏地150は、約0.07から0.10mm(約3から約4mil)の間の厚さを持つPE/PVC基板を備えている。典型的には、第一の裏地150は、たとえば、簡単に剥がれるシリコーン・コーティングのような、簡単に剥がれるコーティングを塗布されている。
【0047】
パッチ120は、さらに、第二の裏地160を備えている。第二の裏地160は、保護領域162、窓領域164、および、窓領域164から保護領域162と反対側に突出する、第三のタブ165を画定するように形作られている。保護領域162は、盛上った保護領域166と縁168を画定するように形作られている。盛上った保護領域166は、パッチを組み立てる際、薬剤送達領域130と実質的に接触しないでこれを覆うように構成されている。縁168は、パッチを組み立てる際、支持構造122の薬剤支持領域124の粘着境界132に取り外し可能に結合されている。
【0048】
盛上った保護領域166は、典型的には、自身を気体が通過できるように構成されている。この目的のために、典型的には、盛上った保護領域166は、一つ以上の自身を貫通する穴170を画定するように形作られている。パッケージ121には、気体が中に入っている。その気体は、通常、不活性であり、適当なものとしては、窒素、および/あるいは、アルゴンでもよい、代替例として、気体は、空気、あるいは、その他のガスの混合であってもよい。
【0049】
第二の裏地160の窓領域164は、窓枠174で取り囲まれた窓172を画定するように形作られている。窓172と窓枠174は、それぞれ、支持構造122の窓領域126の、窓134と窓枠136とほぼ同じ大きさである。パッチ120を組み立てる時、窓枠174の下方面は、窓枠136の粘着性の上方面に取り外し可能に結合され、窓172と窓134は、窓領域164と窓領域126を通した共通の窓を確定するようにほぼ位置合わせされている。
【0050】
いくつかの適用例では、第二の裏地160は、約0.1から0.2mm(約4から約8mil)の間の厚さを持つPVC基板を備えている。典型的には、第二の裏地は、たとえば、適度に剥がれるシリコーン・コーティングのような、適度に剥がれるコーティングが塗布されている。いくつかの適用例では、窓枠174は、窓枠の上方面から突出した一つ以上の隆起176を画定するように形作られている。
【0051】
図4を再び参照して、パッケージ121は、典型的には、たとえば、シリカゲルのような、水分を吸収する乾燥剤180を備えている。たとえば、乾燥剤180は、薬剤の梱包に使われる、旧来の乾燥袋、あるいは、乾燥コンテナを備えても良い。いくつかの適用例では、乾燥剤180は、約0.25gから約3gである(たとえば、約0.5gから約2g)。乾燥剤180は、適宜、パッケージ121に固定されていても、あるいは、取外し可能になっていてもよい。代替例として、あるいは、追加例として、乾燥剤180は、盛上った保護領域166に固定、あるいは、一体形成されていてもよい。いくつかの適用例では、盛上った保護領域166は、穴を備えず、乾燥剤は、盛上った保護領域166の、薬剤に面している表面に接触している。他の適用例では、盛上った保護領域166は、穴を備え、盛上った保護領域166の、薬剤から離れている表面に接触し、これによって、穴によって、乾燥剤と薬剤が流体的に連通している。
製品10の保護カバー40とパッケージ60に関して前述したように、盛上った保護領域166を使用することで、薬剤の塗布に引き続き、薬剤が十分乾燥する前に、薬剤の乾燥を待たずに、あるいは、約30から120分(たとえば、30から60分)以内に、直ちに、パッチ120を梱包することができる。
【0052】
図7A−Dは、本発明の一つの実施例で、患者の皮膚にパッチ120を貼る手順の概略図である。図7Aに示すように、パッケージ121からパッチ120を保護カバーと共に剥がした後(剥がすところは図示しない)、患者は、裏地の第二のタブ152をつかんで、第一の裏地を窓枠136から剥がす。
【0053】
図7Bに示すように、患者は、パッチを皮膚に貼ると、皮膚の部分188は、窓134と窓172を通してさらされる。窓枠136の下方面上の粘着剤によって、パッチが皮膚に粘着する。いくつかの適用例では、パッチを貼る前に皮膚は清浄にされて乾燥される。この時点で、薬剤送達領域130は、皮膚から離れて面しており、まだ、膨らんだ保護領域166に覆われている。薬剤支持領域124の下方面は、皮膚に粘着せずに、(第一のタブ138が部分的に介入している状態で)皮膚に対している。
【0054】
図7Cに示すように、患者がアプリケーター190を皮膚の部分188に貼る。窓134と窓172は、このように、パッチ120の他の要素に対して正確に位置する皮膚の領域にアプリケーターを当てられるように、ユーザーを案内する。アプリケーター190は、パッチ120に蓄えられた薬剤に対する皮膚の透過性を増加するためのシステムを備え、少なくとも皮膚の一部分を通してマイクロチャネルを形成するなどすることで、および/あるいは、イオン泳動によって、および/あるいは、レーザー切除によって、および/あるいは、微細針で、および/あるいは、音波泳動で、および/あるいは、その他、この分野で知られている技術によって、たとえば、アプリケーター190は、上述の、ビアデルム(ViaDerm)経皮投薬システムを備えることができる。このシステムは、特許文献7、8に記載されている。
【0055】
図7Dに示すように、皮膚の領域188の透過性が増大した後、患者は、第三のタブ165をつかみ、第二の裏地を皮膚の領域188の上を皮膚の領域188に沿って引く。このように引くことによって、粘着性の縁と結合した縁168の残留面192を残して、保護領域162の縁168の三つの面が粘着性のある縁132から外れる。
【0056】
図7Eに示すように、薬剤送達領域130が完全に反転して、皮膚の部分188に接触し、縁168の面192が粘着性の縁132から剥がされるまで、患者は、第二の裏地160を引き続ける。支持構造122は、折畳み線140に沿って完全に折畳まれ、粘着性の縁132によって、皮膚の領域188を取り巻く皮膚に粘着する。
【0057】
本発明の一つの実施形態では、患者の体の水分が、パッチ120に保管されている乾燥した薬剤と接触し、薬剤を融解して、飽和溶液、あるいは、縣濁を形成する。たとえば、水分は、患者の皮膚の水分でも、アプリケータ190によって形成された、皮膚のマイクロチャネル、あるいは、その他の開口部を通して体から解放された患者の細胞外流体でもよい。
【0058】
経皮投薬製品100の各要素は、図では、ほぼ、長方形(たとえば、正方形)の形状で示されているが、これは、単に、例示の目的のみである。いくつかの適用例では、このような要素(部品)は、楕円(たとえば、円)、あるいは、その他の形状である。
【0059】
図には、比較的少ない数の、比較的大きな穴50、170が示してあるが、これは、例示であって、限定ではないことには留意すべきである。このような構成は、典型的には、約3個から50個の間、あるいは、50個から200個の間の、直径が約0.5mmから1mm、あるいは、約1mmから3mmの穴である。この他の実施形態(図示しない)では、穴は、より小さく、たとえば、直径、約0.01mmから0.1mm、あるいは、約0.1mmから0.5mmである。代替例として、あるいは、追加例として、穴の数がより大きい、たとえば、役200個から1000個の間、あるいは、1000以上のものがある。たとえば、上方層44(図1A)、あるいは、第二の裏地160(図4−6B)は、たとえば、布地、プラスチック、膜(スクリーン)、網(メッシュ)、ポーラスな素材、および/あるいは、水分透過性のあるフィルムのような、それを通して非常に大きな数の穴が形成され、あるいは、自然に穴が備わっている素材から成ることができる。適当な例として、上方層44、あるいは、盛上った保護領域166と薬剤の接触を最小限にするために、ように素材はぴんと張ってあってもよいし、かつ/または、支持構造で支持されていても良い。
【0060】
一つの実施形態では、ここで記載した技術と装置が、本発明の譲受人に譲渡され、ここで、参照してその記載内容をこの明細書に取込む、特許文献9に記載された技術と装置に組み合わされている。
【0061】
当業者には、本発明はこの明細書に具体的に示され記載された内容に限定されないと理解、また、評価されるであろう。むしろ、本発明の範囲は、先行技術ではない、当業者であれば、ここでの記載から読み取れる、設計変更、変形態様と同様に、ここで記載された種手の特徴のコンビネーションとサブコンビネーションの双方を含む。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1A】本発明の一つの実施形態である経皮薬剤送達(経皮投薬)製品の概略図である。
【図1B】図1Aの経皮薬剤送達製品の概略図である。
【図1C】図1Aの経皮薬剤送達製品の概略図である。
【図1D】図1Aの実施形態での経皮薬剤送達製品の概略図である。
【図2A】本発明のもう一つの実施形態での経皮薬剤送達製品の概略図である。
【図2B】図2Aの実施形態である経皮薬剤送達製品の概略図である。
【図2C】図2Aの実施形態である経皮薬剤送達製品の概略図である。
【図3A】図1A−D、図2A−Cに図示した製品で、パッチを患者の皮膚に当てる方法を示した概略図である。
【図3B】図1A−D、図2A−Cに図示した製品で、パッチを患者の皮膚に当てる方法を示した概略図である。
【図3C】図1A−D、図2A−Cに図示した製品で、パッチを患者の皮膚に当てる方法を示した概略図である。
【図3D】図1A−D、図2A−Cに図示した製品で、パッチを患者の皮膚に当てる方法を示した概略図である。
【図4】本発明のさらにもう一つの実施形態である経皮投薬製品の概略図である。
【図5】本発明のさらにもう一つの実施形態である経皮投薬製品の概略図である。
【図6A】本発明のさらにもう一つの実施形態である経皮投薬製品の概略図である。
【図6B】本発明のさらにもう一つの実施形態である経皮投薬製品の概略図である。
【図7A】図4、5、6A−Bに図示した製品で、パッチを患者の皮膚に当てる方法を示した概略図である。
【図7B】図4、5、6A−Bに図示した製品で、パッチを患者の皮膚に当てる方法を示した概略図である。
【図7C】図4、5、6A−Bに図示した製品で、パッチを患者の皮膚に当てる方法を示した概略図である。
【図7D】図4、5、6A−Bに図示した製品で、パッチを患者の皮膚に当てる方法を示した概略図である。
【図7E】図4、5、6A−Bに図示した製品で、パッチを患者の皮膚に当てる方法を示した概略図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
経皮投薬パッチ製品を備えた装置であって、
薬剤を備えてなる、パッチと、
前記パッチを保管し、前記パッチをその中に保管している間、前記薬剤を乾燥する、保護パッケージと、を備えることを特徴とする経皮投薬パッチ製品を備えた装置。
【請求項2】
前記保護パッケージは、前記パッチをその中に保管している間、前記薬剤が2−3重量%の水分を含む程度に乾燥するように構成されている、ことを特徴とする請求項1記載の装置。
【請求項3】
前記保護パッケージは、前記パッチをその中に保管している間、前記薬剤が3−5重量%の水分を含む程度に乾燥するように構成されている、ことを特徴とする請求項1記載の装置。
【請求項4】
前記パッチは、
窓部を囲むフレームを画定するように形作られた、第一の部分と、
前記第一の部分と近接し、前記薬剤を持った投薬領域を画定するように形作られた、第二の部分と、を画定するように形作られ、
前記パッチは、前記第二の部分が前記第一の上に折重なった時、前記薬剤投薬領域が、前記窓部を通過するように配置される、ことを特徴とする請求項1記載の装置。
【請求項5】
前記保護パッケージは、前記パッチを保管する、パッケージを備え、該パッケージが、前記保護パッケージに保管された時、前記薬剤と流体的に連通する乾燥剤を備える、ことを特徴とする請求項1記載の装置。
【請求項6】
前記保護パッケージは、前記パッチを覆う、取外し可能な保護カバーを備え、保管中に前記保護パッケージが前記パッチを覆う時、前記保護カバーの少なくとも一部分が前記薬剤から離れ、前記保護カバーが自身を貫通する1つ以上の穴を持つように構成される、ことを特徴とする請求項1記載の装置。
【請求項7】
前記保護パッケージは、前記保護カバーと共に前記パッチを保管するパッケージと、前記パッチが前記パッケージの中に保管された時、前記穴を介して前記薬剤と流体的に連通する、乾燥剤を備える、ことを特徴とする請求項6記載の装置。
【請求項8】
前記保護カバーが唯一つの要素から成る、ことを特徴とする請求項6記載の装置。
【請求項9】
前記要素は、周辺領域を画定するように形作られ、盛上った中央領域は、前記薬剤と接触しないように形作られている、ことを特徴とする請求項8記載の装置。
【請求項10】
前記保護パッケージは、前記パッチを覆う取外し可能な保護カバーを備え、保存中に前記保護カバーが前記パッチを覆う時、前記保護カバーの少なくとも一部が前記薬剤から隔離されるように構成され、前記保護カバーが、乾燥剤を備えている、ことを特徴とする請求項1記載の装置。
【請求項11】
前記乾燥剤は、前記保護カバーの前記パッチに面する表面に置かれている、ことを特徴とする請求項10記載の装置。
【請求項12】
前記保護カバーは、1つ以上の貫通穴を持ち、前記乾燥剤は、前記保護カバーの前記パッチから隔離された表面に置かれ、前記パッチが保護パッケージに保管されている時、前記貫通穴を介して前記薬剤と流体的に連通している、ことを特徴とする請求項10記載の装置。
【請求項13】
前記保護カバーが、1から10個の前記貫通穴を持つ、ことを特徴とする請求項6から9、あるいは、12のいずれか一つに記載の装置。
【請求項14】
前記保護カバーが、10から100個の前記貫通穴を持つ、ことを特徴とする請求項6から9、あるいは、12のいずれか一つに記載の装置。
【請求項15】
前記保護カバーが、100個より多くの前記貫通穴を持つ、ことを特徴とする請求項6から9、あるいは、12のいずれか一つに記載の装置。
【請求項16】
前記保護カバーが、布地、プラスチック、膜、網、ポーラス状の物質、および、湿気透過性フィルムからなるリストの中の少なくとも一つを備え、前記1つ以上の貫通穴がリスト中から選択した物に設けられている、ことを特徴とする請求項6から9、あるいは、12のいずれか一つに記載の装置。
【請求項17】
経皮投薬パッチ製品を製造する方法であって、
パッチに薬剤を含ませる工程と、
前記薬剤の部分の少なくとも6重量%より多くの水分を持っている間に、その中に保管されている間、前記薬剤が乾燥するための保護パッケージの中に前記パッチを保管する工程と、を含む経皮投薬パッチ製品を製造する方法。
【請求項18】
前記保管工程が、前記保護パッケージの中に乾燥剤を置くことを特徴とする請求項17記載の方法。
【請求項19】
前記保管工程が、前記パッチをその中に保管している間、前記薬剤が2−3重量%の水分を含む程度に乾燥するように構成されている、保護パッケージの中に前記パッチを保管する工程を含む、ことを特徴とする請求項17、あるいは、19に記載の方法。
【請求項20】
前記の、保護パッケージの中にパッチを保管する工程で、保護パッケージが、前記パッチをその中に保管している間、前記薬剤が3−5重量%の水分を含む程度に乾燥する、ことを特徴とする請求項17、あるいは、19に記載の方法。
【請求項21】
前記保護パッケージが乾燥剤を持つパッケージを備え、前記パッチを保管する工程が、前記乾燥剤が前記薬剤と流体的に連通するように前記パッチを前記パッケージの中に保管する工程を含む、ことを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項22】
前記保護パッケージは、前記パッチを覆う、取外し可能な保護カバーを備え、保管中に前記保護パッケージが前記パッチを覆う時、前記保護かカバーの少なくとも1部分が前記薬剤から離れ、前記保護カバーが自身を貫通する1つ以上の穴を持つように構成される、ことを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項23】
前記保護パッケージが、乾燥剤を持ったパッケージを備え、前記パッチを保管する工程が、前記乾燥剤が前記貫通穴を介して流体的に連通するように、前記パッチを前記保護カバーと共に前記パッケージの中に保管する工程を含む、ことを特徴とする請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記保護パッケージは、乾燥剤と、前記パッチを覆う取外し可能な保護カバーを備え、前記パッチを補完する工程が、前記保護カバーの少なくとも一部が前記薬剤から隔離されるように、前記パッチに前記保護カバーに覆う工程を含む、ことを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項25】
前記乾燥剤が、前記保護カバーの前記パッチに面する表面に置かれる、ことを特徴とする請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記保護カバーが一つ以上の貫通穴を持ち、前記保護カバーの前記乾燥剤が前記パッチから隔離された面の表面に置かれ、前記パッチを保管する工程が、前記乾燥剤が前記貫通穴を介して流体的に連通するために、前記保護カバーを前記パッチに覆う工程を含む、ことを特徴とする請求項24に記載の方法。
【請求項27】
患者に経皮投薬する方法であって、
パッチに薬剤を含ませる工程と、
少なくとも前記薬剤の一部の水分が6重量%より大である間に、前記パッチを保護パッケージの中に保管する工程と、
前記パッチが前記パッケージの中で保管されている間、前記薬剤が乾燥するようにする工程と、
前記薬剤が乾燥した後、前記パッチを前記患者の表皮に当て、該表皮からの水分が前記薬剤に融解する工程と、
を含むことを特徴とする患者に経皮投薬する方法。
【請求項28】
前記パッチが、第一の部分と、該第一の部分に近接する第二の部分を画定するように形作られ、前記の前記パッチを前記表皮に当てる工程が、
前記表皮の一部が前記フレームによって画定される窓を通してさらされるように、前記第一の部分のフレームを前記表皮に粘着させる工程と、
前記第一の部分に前記第二の部分を重ね、前記薬剤を含んだ前記第二の部分の薬剤投薬領域が、前記窓を通して前記の前記表皮の部分に当たる工程と、を含むことを特徴とする請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記の前記パッチを前記保護パッケージに保管する工程が、前記保護パッケージの中に乾燥剤を置く工程を含む、ことを特徴とする請求項27に記載の方法。
【請求項30】
前記保護パッケージが、自身を貫通する穴を一つ以上持つように形作られた、取り外し可能な保護カバーを備え、
前記の前記パッチを保管する工程が、前記保護カバーの少なくとも一部が前記薬剤から隔離されるように、前記保護カバーを前記パッチに当てる工程を含み、
前記の前記パッチを当てる工程が、保護カバーを取外す工程を含む、ことを特徴とする請求項27から29のいずれか一つに記載の方法。
【請求項31】
前記保護パッケージが乾燥剤を持つパッケージを備え、前記乾燥剤が前記貫通穴を介して前記薬剤と流体的に連通するために、前記パッチを保管する工程が、前記尾パッチを前記パッケージの中に前記保護カバーと共に保管する工程を含む、ことを特徴とする請求項30に記載の方法。
【請求項1】
経皮投薬パッチ製品を備えた装置であって、
薬剤を備えてなる、パッチと、
前記パッチを保管し、前記パッチをその中に保管している間、前記薬剤を乾燥する、保護パッケージと、を備えることを特徴とする経皮投薬パッチ製品を備えた装置。
【請求項2】
前記保護パッケージは、前記パッチをその中に保管している間、前記薬剤が2−3重量%の水分を含む程度に乾燥するように構成されている、ことを特徴とする請求項1記載の装置。
【請求項3】
前記保護パッケージは、前記パッチをその中に保管している間、前記薬剤が3−5重量%の水分を含む程度に乾燥するように構成されている、ことを特徴とする請求項1記載の装置。
【請求項4】
前記パッチは、
窓部を囲むフレームを画定するように形作られた、第一の部分と、
前記第一の部分と近接し、前記薬剤を持った投薬領域を画定するように形作られた、第二の部分と、を画定するように形作られ、
前記パッチは、前記第二の部分が前記第一の上に折重なった時、前記薬剤投薬領域が、前記窓部を通過するように配置される、ことを特徴とする請求項1記載の装置。
【請求項5】
前記保護パッケージは、前記パッチを保管する、パッケージを備え、該パッケージが、前記保護パッケージに保管された時、前記薬剤と流体的に連通する乾燥剤を備える、ことを特徴とする請求項1記載の装置。
【請求項6】
前記保護パッケージは、前記パッチを覆う、取外し可能な保護カバーを備え、保管中に前記保護パッケージが前記パッチを覆う時、前記保護カバーの少なくとも一部分が前記薬剤から離れ、前記保護カバーが自身を貫通する1つ以上の穴を持つように構成される、ことを特徴とする請求項1記載の装置。
【請求項7】
前記保護パッケージは、前記保護カバーと共に前記パッチを保管するパッケージと、前記パッチが前記パッケージの中に保管された時、前記穴を介して前記薬剤と流体的に連通する、乾燥剤を備える、ことを特徴とする請求項6記載の装置。
【請求項8】
前記保護カバーが唯一つの要素から成る、ことを特徴とする請求項6記載の装置。
【請求項9】
前記要素は、周辺領域を画定するように形作られ、盛上った中央領域は、前記薬剤と接触しないように形作られている、ことを特徴とする請求項8記載の装置。
【請求項10】
前記保護パッケージは、前記パッチを覆う取外し可能な保護カバーを備え、保存中に前記保護カバーが前記パッチを覆う時、前記保護カバーの少なくとも一部が前記薬剤から隔離されるように構成され、前記保護カバーが、乾燥剤を備えている、ことを特徴とする請求項1記載の装置。
【請求項11】
前記乾燥剤は、前記保護カバーの前記パッチに面する表面に置かれている、ことを特徴とする請求項10記載の装置。
【請求項12】
前記保護カバーは、1つ以上の貫通穴を持ち、前記乾燥剤は、前記保護カバーの前記パッチから隔離された表面に置かれ、前記パッチが保護パッケージに保管されている時、前記貫通穴を介して前記薬剤と流体的に連通している、ことを特徴とする請求項10記載の装置。
【請求項13】
前記保護カバーが、1から10個の前記貫通穴を持つ、ことを特徴とする請求項6から9、あるいは、12のいずれか一つに記載の装置。
【請求項14】
前記保護カバーが、10から100個の前記貫通穴を持つ、ことを特徴とする請求項6から9、あるいは、12のいずれか一つに記載の装置。
【請求項15】
前記保護カバーが、100個より多くの前記貫通穴を持つ、ことを特徴とする請求項6から9、あるいは、12のいずれか一つに記載の装置。
【請求項16】
前記保護カバーが、布地、プラスチック、膜、網、ポーラス状の物質、および、湿気透過性フィルムからなるリストの中の少なくとも一つを備え、前記1つ以上の貫通穴がリスト中から選択した物に設けられている、ことを特徴とする請求項6から9、あるいは、12のいずれか一つに記載の装置。
【請求項17】
経皮投薬パッチ製品を製造する方法であって、
パッチに薬剤を含ませる工程と、
前記薬剤の部分の少なくとも6重量%より多くの水分を持っている間に、その中に保管されている間、前記薬剤が乾燥するための保護パッケージの中に前記パッチを保管する工程と、を含む経皮投薬パッチ製品を製造する方法。
【請求項18】
前記保管工程が、前記保護パッケージの中に乾燥剤を置くことを特徴とする請求項17記載の方法。
【請求項19】
前記保管工程が、前記パッチをその中に保管している間、前記薬剤が2−3重量%の水分を含む程度に乾燥するように構成されている、保護パッケージの中に前記パッチを保管する工程を含む、ことを特徴とする請求項17、あるいは、19に記載の方法。
【請求項20】
前記の、保護パッケージの中にパッチを保管する工程で、保護パッケージが、前記パッチをその中に保管している間、前記薬剤が3−5重量%の水分を含む程度に乾燥する、ことを特徴とする請求項17、あるいは、19に記載の方法。
【請求項21】
前記保護パッケージが乾燥剤を持つパッケージを備え、前記パッチを保管する工程が、前記乾燥剤が前記薬剤と流体的に連通するように前記パッチを前記パッケージの中に保管する工程を含む、ことを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項22】
前記保護パッケージは、前記パッチを覆う、取外し可能な保護カバーを備え、保管中に前記保護パッケージが前記パッチを覆う時、前記保護かカバーの少なくとも1部分が前記薬剤から離れ、前記保護カバーが自身を貫通する1つ以上の穴を持つように構成される、ことを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項23】
前記保護パッケージが、乾燥剤を持ったパッケージを備え、前記パッチを保管する工程が、前記乾燥剤が前記貫通穴を介して流体的に連通するように、前記パッチを前記保護カバーと共に前記パッケージの中に保管する工程を含む、ことを特徴とする請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記保護パッケージは、乾燥剤と、前記パッチを覆う取外し可能な保護カバーを備え、前記パッチを補完する工程が、前記保護カバーの少なくとも一部が前記薬剤から隔離されるように、前記パッチに前記保護カバーに覆う工程を含む、ことを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項25】
前記乾燥剤が、前記保護カバーの前記パッチに面する表面に置かれる、ことを特徴とする請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記保護カバーが一つ以上の貫通穴を持ち、前記保護カバーの前記乾燥剤が前記パッチから隔離された面の表面に置かれ、前記パッチを保管する工程が、前記乾燥剤が前記貫通穴を介して流体的に連通するために、前記保護カバーを前記パッチに覆う工程を含む、ことを特徴とする請求項24に記載の方法。
【請求項27】
患者に経皮投薬する方法であって、
パッチに薬剤を含ませる工程と、
少なくとも前記薬剤の一部の水分が6重量%より大である間に、前記パッチを保護パッケージの中に保管する工程と、
前記パッチが前記パッケージの中で保管されている間、前記薬剤が乾燥するようにする工程と、
前記薬剤が乾燥した後、前記パッチを前記患者の表皮に当て、該表皮からの水分が前記薬剤に融解する工程と、
を含むことを特徴とする患者に経皮投薬する方法。
【請求項28】
前記パッチが、第一の部分と、該第一の部分に近接する第二の部分を画定するように形作られ、前記の前記パッチを前記表皮に当てる工程が、
前記表皮の一部が前記フレームによって画定される窓を通してさらされるように、前記第一の部分のフレームを前記表皮に粘着させる工程と、
前記第一の部分に前記第二の部分を重ね、前記薬剤を含んだ前記第二の部分の薬剤投薬領域が、前記窓を通して前記の前記表皮の部分に当たる工程と、を含むことを特徴とする請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記の前記パッチを前記保護パッケージに保管する工程が、前記保護パッケージの中に乾燥剤を置く工程を含む、ことを特徴とする請求項27に記載の方法。
【請求項30】
前記保護パッケージが、自身を貫通する穴を一つ以上持つように形作られた、取り外し可能な保護カバーを備え、
前記の前記パッチを保管する工程が、前記保護カバーの少なくとも一部が前記薬剤から隔離されるように、前記保護カバーを前記パッチに当てる工程を含み、
前記の前記パッチを当てる工程が、保護カバーを取外す工程を含む、ことを特徴とする請求項27から29のいずれか一つに記載の方法。
【請求項31】
前記保護パッケージが乾燥剤を持つパッケージを備え、前記乾燥剤が前記貫通穴を介して前記薬剤と流体的に連通するために、前記パッチを保管する工程が、前記尾パッチを前記パッケージの中に前記保護カバーと共に保管する工程を含む、ことを特徴とする請求項30に記載の方法。
【図1A】
【図1B】
【図1C】
【図1D】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図3D】
【図4】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図7D】
【図7E】
【図1B】
【図1C】
【図1D】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図3D】
【図4】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図7D】
【図7E】
【公表番号】特表2008−543359(P2008−543359A)
【公表日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−515379(P2008−515379)
【出願日】平成18年6月11日(2006.6.11)
【国際出願番号】PCT/IL2006/000679
【国際公開番号】WO2006/131931
【国際公開日】平成18年12月14日(2006.12.14)
【出願人】(507402750)トランスファーマ メディカル,リミティド (1)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年6月11日(2006.6.11)
【国際出願番号】PCT/IL2006/000679
【国際公開番号】WO2006/131931
【国際公開日】平成18年12月14日(2006.12.14)
【出願人】(507402750)トランスファーマ メディカル,リミティド (1)
【Fターム(参考)】
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