説明

結合構造体

【課題】溶接を行うことなく、延在方向が互いに異なる2つの部材同士を結合することができる結合構造体を提供する。
【解決手段】第1フレーム11は、アルミニウム又はアルミニウム合金からなり、対向する一対の側壁部11a,11bを有して筒状に成形されて一方向に延在する。側壁部11a,11bには、嵌合孔16、取付孔17がそれぞれ形成されている。第2フレーム13は、第1フレーム11の延在方向に対して交差する他方向に延在する。ジョイント14は、側壁部11aの外壁面に当接する本体壁部21と、該本体壁部21に突設され嵌合孔16に嵌挿されて取付孔17の周縁部で側壁部11bの内壁面に当接する突設部22と、第2フレーム13の先端部13aに対し挿入・被挿入の係合関係で該先端部13aと連結する嵌合部23とを有する。第1ボルト31は側壁部11b及び突設部22を締結し、第2ボルト32は先端部13a及び嵌合部23を締結する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、延在方向が互いに異なる2つの部材同士を結合する結合構造体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、こうした結合構造体としては、例えば図8に示されるものが知られている。すなわち、この結合構造体は、一方向に延在するアルミニウム又はアルミニウム合金からなる略四角筒状の第1部材91と、該第1部材91の延在方向に略直交する他方向に延在するアルミニウム又はアルミニウム合金からなる略四角柱状の第2部材92と、これら第1及び第2部材91,92のなす略T字の当接部に重ねられるアルミニウム又はアルミニウム合金からなる対のブラケット93とを備える。そして、第1及び第2部材91,92は、各ブラケット93にそれぞれアーク溶接にて結合されることで、該ブラケット93を介して結合されている。
【0003】
この場合、溶接部の強度不足により、結合構造体の耐久性が悪化する可能性がある。また、溶接時の熱歪みによる結合構造体の品質悪化や、溶接部の熱なまりによる耐力低下を生じる可能性がある。加えて、アルミニウム又はアルミニウム合金同士の溶接が必要になる分、コスト増大することになる。
【0004】
さらに、溶接時における第1及び第2部材91,92の当接部の位置決めについて考慮されておらず、該当接部が位置ずれして結合精度が低下する可能性がある。
そこで、2つの部材同士の結合に際し、例えば特許文献1では、溶接に代えてボルト等による締結を採用している。すなわち、この結合構造体は、一対の壁部(42A,42B)を有する中空部材(42)と、該中空部材の一方の壁部(42B)が当接される第1の被締結面(34A)及び該第1の被締結面より中空部材側に突出された凸座(32)を有する被締結部材(30)とを備える。壁部(42B)には凸座が嵌合する切り欠き(48)が設けられ、中空部材が被締結部材に締結される際、壁部(42B)が第1の被締結面に当接すると同時に、凸座は切り欠きに嵌合し、凸座の第2の被締結面(32A)が壁部(42A)に内側から当接する。中空部材及び被締結部材は、壁部(42B)及び第1の被締結面の当接部においてボルト(20A)により締結されるとともに、壁部(42A)及び第2の被締結面の当接部においてボルト(20B)により締結されることで結合される。
【0005】
また、特許文献1では、中空部材及び被締結部材の間に固定手段(50)を介在させることが併せて提案されている。この場合、中空部材及び被締結部材は、各々が固定手段に締結されることで、該固定手段を介して結合される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−280004号公報(第7−8図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、特許文献1は、中空部材に対しブロック状の被締結部材を結合する結合構造体であって、中空部材の延在方向とは異なる方向に延在する部材との結合については何ら言及されていない。
【0008】
本発明の目的は、溶接を行うことなく、延在方向が互いに異なる2つの部材同士を結合することができる結合構造体を提供することにある。
また、本発明の目的は、溶接時の位置ずれを抑制しつつ、延在方向が互いに異なる2つの部材同士を結合することができる結合構造体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、アルミニウム又はアルミニウム合金からなり、対向する一対の壁部を有して筒状に成形されて一方向に延在する第1部材と、前記一対の壁部のいずれか一方に形成された嵌合孔と、前記嵌合孔と同心で前記一対の壁部のいずれか他方に形成された取付孔と、前記第1部材の延在方向に対して交差する他方向に延在する第2部材と、前記嵌合孔の形成された前記壁部の外壁面に当接する本体壁部と、該本体壁部に突設され前記嵌合孔に嵌挿されて前記取付孔の周縁部で該取付孔の形成された前記壁部の内壁面に当接する突設部と、前記第2部材の前記第1部材に臨む先端部に対し挿入・被挿入の係合関係で該先端部と連結する取付部とを有する中継部材と、前記取付孔に挿入されて該取付孔の形成された前記壁部及び前記突設部を締結する第1締結具と、前記先端部及び前記取付部を締結する第2締結具とを備えたことを要旨とする。
【0010】
同構成によれば、前記第1部材及び前記中継部材は、前記第1締結具が前記取付孔に挿入されて該取付孔の形成された前記壁部及び前記突設部を締結することで結合する。また、前記第2部材及び前記中継部材は、前記第2締結具が前記先端部及び前記取付部を締結することで結合する。以上により、延在方向が互いに異なる前記第1及び第2部材を、溶接を行うことなく、前記中継部材を介して結合することができる。
【0011】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の結合構造体において、前記中継部材は、前記第2部材の延在方向に沿って前記先端部の外壁面に当接する当接壁部を有することを要旨とする。
【0012】
同構成によれば、前記第2部材は、前記先端部の外壁面において前記当接壁部に当接することで、前記先端部側を支点に揺動しようとする力のモーメントが作用した際に、前記当接壁部によって支えられる。従って、前記先端部側を支点とする前記第2部材の倒れを抑制することができる。
【0013】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の結合構造体において、前記突設部は、前記第2部材の延在方向に突出しており、前記取付部は、前記第2部材の延在方向で該第2部材が前記本体壁部に当接する状態で前記先端部が嵌挿される嵌合部であって、前記第2締結具は、前記第2部材の延在方向に対し交差する方向で前記先端部及び前記嵌合部を締結することを要旨とする。
【0014】
同構成によれば、前記嵌合部には、前記第2部材の延在方向で該第2部材が前記本体壁部に当接する状態で前記先端部が嵌挿される。従って、前記第1部材に対して加わる、前記突設部の突出方向(第2部材の延在方向)に沿って前記第2部材に向かう荷重を、前記突設部で支えつつ、前記本体壁部及び前記先端部間でより確実に前記第2部材に伝えることができる。
【0015】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の結合構造体において、前記中継部材は、前記本体壁部から前記第2部材の延在方向に突出して前記第1部材を挟み込む一対の挟持片を備えたことを要旨とする。
【0016】
同構成によれば、前記第1部材は、前記中継部材の前記一対の挟持片に挟み込まれることで、前記中継部材に対する位置ずれやがたつきを抑制することができる。
請求項5に記載の発明は、請求項1又は2に記載の結合構造体において、前記一対の壁部は、前記第1部材及び前記第2部材の両延在方向のなす平面に対し交差する方向で対向しており、前記第2部材は、その延在方向で前記第1部材に当接され、前記一対の壁部の対向方向で対向する一対の取付壁部を有して筒状に成形されており、前記嵌合孔の形成された前記壁部側の前記取付壁部に形成された第2の嵌合孔と、前記第2の嵌合孔と同心で前記取付孔の形成された前記壁部側の前記取付壁部に形成された第2の取付孔とを備え、前記本体壁部は、前記第2の嵌合孔の形成された前記取付壁部の外壁面に当接しており、前記取付部は、前記本体壁部に突設され前記第2の嵌合孔に嵌挿されて前記第2の取付孔の周縁部で該第2の取付孔の形成された前記取付壁部の内壁面に当接する第2の突設部であって、前記第2締結具は、前記第2の取付孔に挿入されて該第2の取付孔の形成された前記取付壁部及び前記第2の突設部を締結することを要旨とする。
【0017】
同構成によれば、筒状に成形された前記第2部材に対し、前記第2の突設部の突出方向に沿って荷重が加わったとする。このとき、前記第2部材に加わった前記荷重は、前記第2の突設部で支えられるため、前記第2部材の変形を抑制することができる。
【0018】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の結合構造体において、前記取付孔の形成された前記壁部及び前記第2の取付孔の形成された前記取付壁部に重ねられ、前記第1締結具により前記壁部及び前記突設部とともに締結されるとともに、前記第2締結具により前記取付壁部及び前記第2の突設部とともに締結される保持部材を備えたことを要旨とする。
【0019】
同構成によれば、前記嵌合孔の形成された前記壁部の外壁面及び前記第2の嵌合孔の形成された前記取付壁部の外壁面には、前記第1部材及び前記第2部材が当接する境界位置に跨って前記本体壁部が当接する。一方、前記取付孔の形成された前記壁部の外壁面及び前記第2の取付孔の形成された前記取付壁部の外壁面には、前記第1部材及び前記第2部材が当接する境界位置に跨って前記保持部材が当接する。従って、前記第1部材及び前記第2部材は、前記本体壁部及び前記保持部材により、前記第1部材及び前記第2部材の境界位置に跨って前記両壁部等の対向方向に挟み込まれる。これにより、前記第1部材及び前記第2部材を、前記境界位置においてより堅固に保持することができる。
【0020】
請求項7に記載の発明は、アルミニウム又はアルミニウム合金からなり、一方向に延在する筒状の第1部材と、アルミニウム又はアルミニウム合金からなり、前記第1部材の延在方向に対して交差する他方向に延在する筒状の第2部材と、前記第2部材の前記第1部材に臨む先端部に対向して前記第1部材に切欠された嵌合凹部と、前記嵌合凹部及び前記先端部の内壁面にそれぞれ嵌合する外側嵌合部及び内側嵌合部を有するとともに、前記第1部材及び前記第2部材間でこれら第1部材及び第2部材の両延在方向のなす平面に沿って前記第1部材及び前記第2部材と面一となる外壁面を有し、該外壁面と前記第1部材及び前記第2部材との間がそれぞれ溶着する中継部材とを備えたことを要旨とする。
【0021】
同構成によれば、前記中継部材は、前記外側嵌合部が前記嵌合凹部に嵌合するとともに、前記外壁面と前記第1部材との間が溶着することで、前記第1部材と結合する。また、前記中継部材は、前記内側嵌合部が前記先端部の内壁面に嵌合するとともに、前記外壁面と前記第2部材との間が溶着することで、前記第2部材と結合する。以上により、延在方向が互いに異なる前記第1及び第2部材を、前記中継部材を介して結合することができる。この場合、前記外壁面と前記第1部材及び前記第2部材との間をそれぞれ溶着する溶接時、前記中継部材は、前記外側嵌合部が前記嵌合凹部に嵌合するとともに、前記内側嵌合部が前記先端部の内壁面に嵌合することで、前記第1及び第2部材に対し仮組みされる。これにより、前記中継部材に対する前記第1及び第2部材の溶接時の位置ずれを抑制しつつ、前記第1及び第2部材を結合することができる。
【0022】
請求項8に記載の発明は、アルミニウム又はアルミニウム合金からなり、一方向に延在する筒状の第1部材と、アルミニウム又はアルミニウム合金からなり、前記第1部材の延在方向に対して交差する他方向に延在する第2部材と、前記第2部材の前記第1部材に臨む先端部に対向して前記第1部材に切欠された嵌合凹部と、前記先端部に突設され、前記嵌合凹部に嵌合するとともに、前記第1部材及び前記第2部材の両延在方向のなす平面に沿って前記第1部材と面一となる外壁面を形成し、該外壁面と前記第1部材との間が溶着する嵌合片とを備えたことを要旨とする。
【0023】
同構成によれば、前記第2部材は、前記嵌合片が前記嵌合凹部に嵌合するとともに、前記外壁面と前記第1部材との間が溶着することで、延在方向が異なる前記第1部材と結合することができる。この場合、前記外壁面と前記第1部材との間を溶着する溶接時、前記第2部材は、前記嵌合片が前記嵌合凹部に嵌合することで、前記第1部材に対し仮組みされる。これにより、前記第1部材に対する前記第2部材の溶接時の位置ずれを抑制しつつ、前記第1及び第2部材を結合することができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明では、溶接を行うことなく、延在方向が互いに異なる2つの部材同士を結合することができる結合構造体を提供することができる。
本発明では、溶接時の位置ずれを抑制しつつ、延在方向が互いに異なる2つの部材同士を結合することができる結合構造体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の第1の実施形態を示す分解斜視図。
【図2】同実施形態を示す縦断面図。
【図3】バッテリフレームを示す斜視図。
【図4】本発明の第2の実施形態を示す分解斜視図。
【図5】同実施形態を示す縦断面図。
【図6】(a)(b)は、本発明の第3の実施形態を示す斜視図及び縦断面図。
【図7】(a)(b)は、本発明の第4の実施形態を示す斜視図及び縦断面図。
【図8】従来形態を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0026】
(第1の実施形態)
以下、本発明を具体化した第1の実施形態について図面に従って説明する。
図3は、電気自動車やハイブリッド車などが備える高電圧バッテリを搭載するためのバッテリフレーム10を概略的に示す斜視図である。同図に示されるように、このバッテリフレーム10は、互いに平行になるように延在する一対の第1部材としての第1フレーム11と、これら第1フレーム11間に橋渡しされて各々の先端に接合される一対のフレーム12とを備えて略四角枠形状を呈している。なお、各第1フレーム11は、一方向(図3において右に向かうに従い上側に向かう方向)に延在する。
【0027】
また、両第1フレーム11間は、該第1フレーム11の延在方向に間隔をおいて、複数(2つ)の第2部材としての第2フレーム13により連絡されている。各第2フレーム13は、第1フレーム11の延在方向に対して交差する他方向(両第1フレーム11に略直交する方向)に延在する。そして、第2フレーム13は、第1フレーム11に臨む各先端部13aにおいて、中継部材としてのジョイント14を介して第1フレーム11と結合する。
【0028】
次に、ジョイント14を介した第1及び第2フレーム11,13の結合構造体について説明する。
図1及び図2に示されるように、第1フレーム11は、アルミニウム又はアルミニウム合金の押出材からなる。第1フレーム11は、第2フレーム13の延在方向に間隔をおいて対向する一対の壁部としての側壁部11a,11bと、両側壁部11a,11bの一側(図2の上側)の先端間及び他側(図2の下側)の先端間をそれぞれ接続する蓋壁部11c及び底壁部11dとを有して略四角筒状に成形されている。そして、第2フレーム13に近い側に配置される一方の側壁部11aには、複数(2つ)の円形の嵌合孔16が形成されている。これら嵌合孔16は、第2フレーム13の延在方向に沿う該第2フレーム42の延長上の位置に対しその両側に配置されるように第1フレーム11(側壁部11a)の延在方向に並設されている。また、第2フレーム13から離隔する側に配置される他方の側壁部11bには、嵌合孔16と同心で複数(2つ)の円形の取付孔17が形成されている。
【0029】
第2フレーム13は、アルミニウム又はアルミニウム合金にて略四角柱状に成形されており、前記先端部13aには、その一側面(図2において上側の面)及び他側面(図2において下側の面)面から図2における上下方向(第2フレーム13の延在方向に対し交差する方向)にそれぞれ穿設された互いに同心の一対の雌ねじ部13bが形成されている。
【0030】
ジョイント14は、アルミニウム又はアルミニウム合金の鋳造材からなる。ジョイント14は、第1フレーム11の長手方向に沿って延在する略平板状の本体壁部21を有する。また、ジョイント14は、嵌合孔16及び取付孔17の中心線に沿って本体壁部21の長手方向両側に突設された複数(2つ)の略円柱状の突設部22と、第2フレーム13の先端部13aに向かって本体壁部21の長手方向中央部に突設された略四角筒状の取付部及び当接壁部としての嵌合部23とを有する。
【0031】
各突設部22は、第2フレーム13の延在方向に突出しており、嵌合孔16に嵌挿されて取付孔17の周縁部で側壁部11bの内壁面に当接する。このとき、本体壁部21が側壁部11aの外壁面に当接するように突設部22の突出長が設定されている。なお、突設部22には、その先端面から取付孔17と同心で穿設された雌ねじ部22aが形成されている。第1フレーム11及びジョイント14は、各取付孔17に挿通された第1締結具としての第1ボルト31の雄ねじ部31aと雌ねじ部22aとの螺合による側壁部11b及び突設部22の締結によって結合する。
【0032】
嵌合部23は、第2フレーム13の横断面形状に略合致する略四角形の嵌合穴24を形成する。この嵌合穴24には、第2フレーム13の延在方向で該第2フレーム13が本体壁部21に当接する状態で、先端部13aが嵌挿される。つまり、嵌合部23は、先端部13aに対し挿入・被挿入の係合関係で該先端部13aと連結する。嵌合部23(嵌合穴24)が第2フレーム13の延在方向に沿って先端部13aの四周の外壁面に当接することはいうまでもない。また、嵌合部23の図2における上下方向に対向する一対の嵌合壁部23a,23bには、円形のボルト挿通孔25がそれぞれ形成されている。各ボルト挿通孔25は、嵌合穴24に先端部13aが嵌挿された状態で、雌ねじ部13bと同心に配置される。第2フレーム13及びジョイント14は、各ボルト挿通孔25に挿通された第2締結具としての第2ボルト32の雄ねじ部32aと雌ねじ部13bとの螺合による先端部13a及び嵌合壁部23a,23b(嵌合部23)の締結によって結合する。
【0033】
以上により、第1フレーム11及び第2フレーム13は、ジョイント14を介して結合される。
以上詳述したように、本実施形態によれば、以下に示す効果が得られるようになる。
【0034】
(1)本実施形態では、第1フレーム11及びジョイント14は、第1ボルト31が取付孔17に挿入されて側壁部11b及び突設部22を締結することで結合する。また、第2フレーム13及びジョイント14は、第2ボルト32が先端部13a及び嵌合部23を締結することで結合する。以上により、延在方向が互いに異なる第1及び第2フレーム11,13を、溶接を行うことなく、ジョイント14を介して結合することができる。
【0035】
また、第1及び第2フレーム11,13をジョイント14を介して結合するため、例えば第1フレーム11又は第2フレーム13の形状が変更されたとしても、ジョイント14において当該変更を吸収して第1及び第2フレーム11,13を結合することができ、設計の自由度を増大することができる。
【0036】
(2)本実施形態では、嵌合部23には、第2フレーム13の延在方向で該第2フレーム13が本体壁部21に当接する状態で、先端部13aが嵌挿される。従って、第1フレーム11に対して加わる、突設部22の突出方向(第2フレーム13の延在方向)に沿って第2フレーム13に向かう荷重を、突設部22で支えつつ、本体壁部21及び先端部13a間でより確実に第2フレーム13に伝えることができる。
【0037】
(3)本実施形態では、第1及び第2フレーム11,13を結合するための溶接が不要であるため、溶接部の強度不足による結合構造体の耐久性悪化を回避することができる。また、溶接時の熱歪みによる結合構造体の品質悪化や、溶接部の熱なまりによる耐力低下を回避することができる。加えて、アルミニウム又はアルミニウム合金同士の溶接が不要である分、コストを削減することができる。
【0038】
(4)本実施形態では、第1フレーム11をアルミニウム又はアルミニウム合金にて筒状に成形したことで、該第1フレーム11を軽量化することができる。また、第1フレーム11に対し、突設部22の突出方向に沿って加わった荷重は、該突設部22で支えられるため、第1フレーム11の変形を抑制することができる。
【0039】
(5)本実施形態では、第2フレーム13は、先端部13aの外壁面において嵌合部23に当接することで、先端部13a側を支点に任意の方向に揺動しようとする力のモーメントが作用した際に、嵌合部23によって支えられる。従って、先端部13a側を支点とする第2フレーム13の倒れを抑制することができる。
【0040】
なお、既述のように、特許文献1は、中空部材に対しブロック状の被締結部材を結合するものである。仮に被締結部材に延在方向が存在するとしても、前記した被締結部材の倒れを抑制するための方策が何ら示唆されていないことを考えれば、被締結部材の延在方向は締結用の対のボルトの並設方向、即ち中空部材の延在方向に一致していると推定される。従って、特許文献1によって、本実施形態のように、延在方向が互いに異なる2つの部材(第1及び第2フレーム11,13)同士を結合する構成に想到することはない。
【0041】
(第2の実施形態)
以下、本発明を具体化した第2の実施形態について図面に従って説明する。
図4及び図5に示されるように、第1部材としての第1フレーム41は、アルミニウム又はアルミニウム合金の押出材からなる。第1フレーム41は、第2部材としての第2フレーム42の延在方向に間隔をおいて対向する一対の側壁部41a,41bと、両側壁部41a,11bの一側(図5の上側)の先端間及び他側(図5の下側)の先端間をそれぞれ接続する一対の壁部としての蓋壁部41c及び底壁部41dとを有して略四角筒状に成形されている。蓋壁部41c及び底壁部41dは、図5において上下方向(第1及び第2フレーム41,42の両延在方向のなす平面に対し略直交する方向)に対向する。そして、図5の上側に配置される蓋壁部41cには、複数(2つ)の円形の嵌合孔としての第1の嵌合孔43が形成されている。これら第1の嵌合孔43は、第2フレーム42の延在方向に沿う該第2フレーム42の延長上の位置に対しその両側に配置されるように第1フレーム41(蓋壁部41c)の延在方向に並設されている。また、図5の下側に配置される底壁部41dには、第1の嵌合孔43と同心で複数(2つ)の円形の取付孔としての第1の取付孔44が形成されている。
【0042】
第2フレーム42は、アルミニウム又はアルミニウム合金の押出材からなる。第2フレーム42は、蓋壁部41c及び底壁部41dとそれぞれ面一になるようにそれらの対向方向に対向する一対の取付壁部42a,42bと、両取付壁部42a,42bの一側(図4の右側)の先端間及び他側(図4の左側)の先端間をそれぞれ接続する一対の側壁部42c,42dとを有して略四角筒状に成形されている。そして、第2フレーム42の第1フレーム41に臨む先端部46において、蓋壁部41c側(図5の上側)に配置される一方の取付壁部42aには、円形の第2の嵌合孔47が形成されている。また、底壁部41d側(図5の下側)に配置される他方の取付壁部42bには、第2の嵌合孔47と同心で円形の第2の取付孔48が形成されている。なお、第2フレーム42は、その延在方向で第1フレーム41(側壁部41a)に当接されている。
【0043】
中継部材としてのジョイント50は、アルミニウム又はアルミニウム合金の鋳造材からなる。ジョイント50は、第1及び第2フレーム41,42の両延在方向のなす平面に沿って広がる略平板状の本体壁部51を有する。また、ジョイント50は、第1の嵌合孔43及び第1の取付孔44の中心線に沿って本体壁部51に突設された複数(2つ)の略円柱状の突設部としての第1の突設部52と、第2の嵌合孔47及び第2の取付孔48の中心線に沿って本体壁部51に突設された略円柱状の取付部としての第2の突設部53とを有する。
【0044】
各第1の突設部52は、第1及び第2フレーム41,42の両延在方向のなす平面に対し略直交する方向に突出しており、第1の嵌合孔43に嵌挿されて第1の取付孔44の周縁部で底壁部41dの内壁面に当接する。このとき、本体壁部51が蓋壁部41cの外壁面に当接するように第1の突設部52の突出長が設定されている。同様に、第2の突設部53は、第1及び第2フレーム41,42の両延在方向のなす平面に対し略直交する方向に突出しており、第2の嵌合孔47に嵌挿されて第2の取付孔48の周縁部で取付壁部42bの内壁面に当接する。つまり、第2の突設部53は、先端部46(第2の嵌合孔47)に対し挿入・被挿入の係合関係で該先端部46と連結する。このとき、本体壁部51が取付壁部42aの外壁面に当接するように第2の突設部53の突出長が設定されている。従って、本体壁部51は、第1及び第2フレーム41,42が当接する境界位置に跨って、蓋壁部41cの外壁面及び取付壁部42aの外壁面に当接する。本体壁部51は、取付壁部42aの外壁面との当接範囲で当接壁部51aを構成する。なお、第1の突設部52には、その先端面から第1の取付孔44と同心で穿設された雌ねじ部52aが形成されている。また、第2の突設部53には、その先端面から第2の取付孔48と同心で穿設された雌ねじ部53aが形成されている。
【0045】
底壁部41d及び取付壁部42bには、第1及び第2フレーム41,42の両延在方向のなす平面に沿って広がる、アルミニウム又はアルミニウム合金からなる略平板状の保持部材56が重ねられる。この保持部材56は、第1及び第2フレーム41,42が当接する境界位置に跨って、底壁部41dの外壁面及び取付壁部42bの外壁面に当接する。保持部材56は、取付壁部42bの外壁面との当接範囲で当接壁部56aを構成する。
【0046】
そして、保持部材56には、各第1の取付孔44(及び雌ねじ部52a)と同心に配置される円形の第1のボルト挿通孔57が形成されている。第1フレーム41及びジョイント50は、各第1のボルト挿通孔57及び第1の取付孔44に挿通された第1締結具としての第1ボルト61の雄ねじ部61aと雌ねじ部52aとの螺合による、保持部材56を含めた底壁部41d及び第1の突設部52の締結によって結合する。
【0047】
また、保持部材56には、第2の取付孔48(及び雌ねじ部53a)と同心に配置される円形の第2のボルト挿通孔58が形成されている。第2フレーム42及びジョイント50は、第2のボルト挿通孔58及び第2の取付孔48に挿通された第2締結具としての第2ボルト62の雄ねじ部62aと雌ねじ部53aとの螺合による、保持部材56を含めた取付壁部42b及び第2の突設部53の締結によって結合する。
【0048】
以上により、第1フレーム41及び第2フレーム42は、ジョイント50(及び保持部材56)を介して結合される。
以上詳述したように、本実施形態によれば、前記第1の実施形態における(1)(3)(4)の効果に加えて以下に示す効果が得られるようになる。
【0049】
(1)本実施形態では、筒状に成形された第2フレーム42に対し、第2の突設部53の突出方向に沿って加わった荷重は、第2の突設部53で支えられるため、第2フレーム42の変形を抑制することができる。
【0050】
(2)本実施形態では、蓋壁部41cの外壁面及び取付壁部42aの外壁面には、第1フレーム41及び第2フレーム42が当接する境界位置に跨って本体壁部51が当接する。一方、底壁部41dの外壁面及び取付壁部42bの外壁面には、第1フレーム41及び第2フレーム42が当接する境界位置に跨って保持部材56が当接する。従って、第1フレーム41及び第2フレーム42は、本体壁部51及び保持部材56により、前記境界位置に跨って蓋壁部41c及び底壁部41d等の対向方向に挟み込まれる。これにより、第1フレーム41及び第2フレーム42を、前記境界位置においてより堅固に保持することができる。
【0051】
(3)本実施形態では、第2フレーム42は、先端部46(取付壁部42a)の外壁面において当接壁部51aに当接することで、先端部46側を支点に本体壁部51の板厚方向に揺動しようとする力のモーメントが作用した際に、当接壁部51aによって支えられる。同様に、第2フレーム42は、先端部46(取付壁部42b)の外壁面において当接壁部56aに当接することで、先端部46側を支点に保持部材56の板厚方向に揺動しようとする力のモーメントが作用した際に、当接壁部56aによって支えられる。従って、先端部46側を支点とする第2フレーム42の倒れを抑制することができる。
【0052】
(第3の実施形態)
以下、本発明を具体化した第3の実施形態について図面に従って説明する。
図6(a)(b)に示されるように、第1部材としての第1フレーム71は、アルミニウム又はアルミニウム合金の押出材からなる。第1フレーム71は、第2部材としての第2フレーム72の延在方向に間隔をおいて対向する一対の側壁部71a,71bと、両側壁部71a,71bの一側(図6(a)の上側)の先端間及び他側(図6(a)の下側)の先端間をそれぞれ接続する蓋壁部71c及び底壁部71dとを有して略四角筒状に成形されている。そして、側壁部71a及び蓋壁部71cの繋がる角部、並びに側壁部71a及び底壁部71dの繋がる角部には、第2フレーム72の第1フレーム71に臨む先端部73に対向して断面略四角形の嵌合凹部74がそれぞれ切欠されている。各嵌合凹部74は、第1フレーム71の長手方向全長に亘って延在する。
【0053】
第2フレーム72は、アルミニウム又はアルミニウム合金の押出材からなる。第2フレーム72は、第1フレーム71の蓋壁部71c及び底壁部71dの対向方向に対向する蓋壁部72a及び底壁部72bと、蓋壁部72a及び底壁部72bの一側(図6(a)の左側)の先端間及び他側(図6(a)の右側)の先端間をそれぞれ接続する一対の側壁部72c,72dとを有して略四角筒状に成形されている。なお、蓋壁部72a及び底壁部72bは、蓋壁部71c及び底壁部71dとそれぞれ面一になるようにその外側面が成形されている。
【0054】
中継部材としてのジョイント76は、アルミニウム又はアルミニウム合金の鋳造材からなり、先端部73(第2フレーム72)の内壁面と同等の外形を有する略四角柱状の内側嵌合部77と、該内側嵌合部77の第1フレーム71に臨む側の端部から各嵌合凹部74に向かって延出する一対の外側嵌合部78とを有する。内側嵌合部77は、側壁部71aの外側面に当接する状態で、先端部73の内壁面に嵌合する。一方、各外側嵌合部78は、蓋壁部72a及び底壁部72b(第2フレーム72)の先端面に当接する状態で、嵌合凹部74に嵌合する。そして、外側嵌合部78(ジョイント76)は、第1及び第2フレーム71,72間で、これらの両延在方向のなす平面に沿って蓋壁部71c,72a及び底壁部71d,72bとそれぞれ面一となる外壁面79を有する。
【0055】
蓋壁部71c,72a及び底壁部71d,72bと、外壁面79との間は、例えば摩擦攪拌溶接にて溶着されている。図6(a)(b)では、便宜的に摩擦攪拌溶接による溶着範囲を×印及び破線にてそれぞれ模式的に描画している。つまり、ジョイント76は、外側嵌合部78が嵌合凹部74に嵌合するとともに、外壁面79と蓋壁部71c及び底壁部71dとの間が溶着することで、第1フレーム71と結合する。また、ジョイント76は、内側嵌合部77が先端部73の内壁面に嵌合するとともに、外壁面79と蓋壁部72a及び底壁部72bとの間が溶着することで、第2フレーム72と結合する。以上により、延在方向が互いに異なる第1及び第2フレーム71,72がジョイント76を介して結合される。
【0056】
この場合、外壁面79と第1及び第2フレーム71,72との間をそれぞれ溶着する溶接時、ジョイント76は、外側嵌合部78が嵌合凹部74に嵌合するとともに、内側嵌合部77が先端部73の内壁面に嵌合することで、第1及び第2フレーム71,72に対し仮組みされる。これにより、ジョイント76に対する第1及び第2フレーム71,72の溶接時の位置ずれを抑制しつつ、第1及び第2フレーム71,72が結合される。
【0057】
以上詳述したように、本実施形態によれば、以下に示す効果が得られるようになる。
(1)本実施形態では、外壁面79と第1及び第2フレーム71,72との間をそれぞれ溶着する溶接時、ジョイント76は、外側嵌合部78が嵌合凹部74に嵌合するとともに、内側嵌合部77が先端部73の内壁面に嵌合することで、第1及び第2フレーム71,72に対し仮組みされる。これにより、ジョイント76に対する第1及び第2フレーム71,72の溶接時の位置ずれを抑制しつつ、第1及び第2フレーム71,72を結合することができる。そして、ジョイント76を介した第1及び第2フレーム71,72の結合精度を向上することができる。
【0058】
(2)本実施形態では、ジョイント76の外側嵌合部78は、第2フレーム72の先端面に当接する状態で、嵌合凹部74に嵌合する。従って、例えば第2フレーム72の延在方向に沿って第1フレーム71に加わった荷重を、ジョイント76(外側嵌合部78)を介して第2フレーム72へとより確実に伝えることができる。
【0059】
(第4の実施形態)
以下、本発明を具体化した第4の実施形態について図面に従って説明する。
図7(a)(b)に示されるように、第1部材としての第1フレーム81は、アルミニウム又はアルミニウム合金の押出材からなる。第1フレーム81は、第2部材としての第2フレーム82の延在方向に間隔をおいて対向する一対の側壁部81a,81bと、両側壁部81a,81bの一側(図7(a)の上側)の先端間及び他側(図7(a)の下側)の先端間をそれぞれ接続する蓋壁部81c及び底壁部81dと、両側壁部81a,81b間を二分する中リブ81eとを有して断面略「日」の字の筒状に成形されている。そして、側壁部81a及び蓋壁部81cの繋がる角部、並びに側壁部81a及び底壁部81dの繋がる角部には、第2フレーム82の第1フレーム81に臨む先端部83に対向して断面略四角形の嵌合凹部84がそれぞれ切欠されている。各嵌合凹部84は、第1フレーム81の長手方向全長に亘って延在する。
【0060】
第2フレーム82は、例えばアルミニウム又はアルミニウム合金の鋳造材からなり、略四角柱状の本体部82aと、該本体部82aの第1フレーム81に臨む開口端を閉塞する閉塞壁部82bとを有する。そして、第2フレーム82は、閉塞壁部82bの一側(図7(a)の上側)の先端及び他側(図7(a)の下側)の先端から各嵌合凹部84に向かって延出する一対の嵌合片88を有する。各嵌合片88は、嵌合凹部84に嵌合する。そして、嵌合片88は、第1及び第2フレーム81,82の両延在方向のなす平面に沿って蓋壁部81c及び底壁部81dとそれぞれ面一となる外壁面89を有する。蓋壁部81c及び底壁部81dと、外壁面89との間は、例えば摩擦攪拌溶接にて溶着されている。図7(b)では、便宜的に摩擦攪拌溶接による溶着範囲を破線にて模式的に描画している。つまり、第2フレーム82は、嵌合片88が嵌合凹部84に嵌合するとともに、外壁面89と蓋壁部81c及び底壁部81dとの間が溶着することで、第1フレーム81と結合する。以上により、延在方向が互いに異なる第1及び第2フレーム81,82が結合される。
【0061】
この場合、外壁面89と蓋壁部81c及び底壁部81d(第1フレーム81)との間をそれぞれ溶着する溶接時、第2フレーム82は、嵌合片88が嵌合凹部84に嵌合することで、第1フレーム81に対し仮組みされる。これにより、第1フレーム81に対する第2フレーム82の溶接時の位置ずれを抑制しつつ、第1及び第2フレーム81,82が結合される。
【0062】
以上詳述したように、本実施形態によれば、以下に示す効果が得られるようになる。
(1)本実施形態では、外壁面89と第1フレーム81との間を溶着する溶接時、第2フレーム82は、嵌合片88が嵌合凹部84に嵌合することで、第1フレーム81に対し仮組みされる。これにより、第1フレーム81に対する第2フレーム82の溶接時の位置ずれを抑制しつつ、第1及び第2フレーム81,82を結合することができる。そして、第1及び第2フレーム81,82の結合精度を向上することができる。
【0063】
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・図2に2点鎖線にて併せ描画したように、蓋壁部11c及び底壁部11dに沿って本体壁部21から第2フレーム13の延在方向に一対の挟持片36を突出させてもよい。この場合、第1フレーム11は、ジョイント14の一対の挟持片36に挟み込まれることで、ジョイント14に対する位置ずれやがたつきを抑制することができる。
【0064】
・前記第1の実施形態において、第2フレーム13は、略四角筒状であってもよい。
・前記第2の実施形態において、第2の突設部53(及び第2の嵌合孔47等)の個数は一例である。
【0065】
・前記第1及び第2の実施形態において、突設部22,52(及び嵌合孔16,43等)の個数は一例である。
・前記第1及び第2の実施形態において、第1フレーム11,41は、対向する一対の壁部を有するのであれば、五角以上の多角筒状や一部が円弧の筒状であってもよい。
【0066】
・前記各実施形態において、第1フレーム及び第2フレームは、互いに交差するように延在するのであれば、それらの間の傾斜角度は任意である。また、第1フレーム又は第2フレームは、その延在方向に沿って直線状である必要はなく、該延在方向に対し一部又は全部が曲成されていてもよい。
【0067】
・本発明は、第1フレームとしてのバンパリインホース及び第2フレームとしてのクラッシュボックスで構成される車両用バンパ装置に適用してもよい。この場合、特に前記第1の実施形態の構成を採用した場合、バンパリインホース(第1フレーム11)に対し突設部22の突出方向に沿って加わった荷重は、該突設部22で支えられるため、バンパリインホースの変形を抑制することができる。そして、例えばクラッシュボックスが潰れるまでバンパリインホースの変形を抑えることができる。
【0068】
・本発明は、その他の車両外装部品や車両用以外の部品に適用してもよい。要は、延在方向が互いに異なる2つの部材同士を結合するものであればよい。
【符号の説明】
【0069】
11,41,71,81…第1フレーム(第1部材)、11a,11b…側壁部(壁部)、13,42,72,82…第2フレーム(第2部材)、13a,46,73,83…先端部、14,50,76…ジョイント(中継部材)、16…嵌合孔、17…取付孔、21,51…本体壁部、22…突設部、23…嵌合部(取付部、当接壁部)、31,61…第1ボルト(第1締結具)、32,62…第2ボルト(第2締結具)、36…挟持片、41c…蓋壁部(壁部)、41d…底壁部(壁部)、42a,42b…取付壁部、43…第1の嵌合孔(嵌合孔)、44…第1の取付孔(取付孔)、47…第2の嵌合孔、48…第2の取付孔、51a…当接壁部、52…第1の突設部(突設部)、53…第2の突設部(取付部)、56…保持部材、74,84…嵌合凹部、77…内側嵌合部、78…外側嵌合部、79,89…外壁面、88…嵌合片。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アルミニウム又はアルミニウム合金からなり、対向する一対の壁部を有して筒状に成形されて一方向に延在する第1部材と、
前記一対の壁部のいずれか一方に形成された嵌合孔と、
前記嵌合孔と同心で前記一対の壁部のいずれか他方に形成された取付孔と、
前記第1部材の延在方向に対して交差する他方向に延在する第2部材と、
前記嵌合孔の形成された前記壁部の外壁面に当接する本体壁部と、該本体壁部に突設され前記嵌合孔に嵌挿されて前記取付孔の周縁部で該取付孔の形成された前記壁部の内壁面に当接する突設部と、前記第2部材の前記第1部材に臨む先端部に対し挿入・被挿入の係合関係で該先端部と連結する取付部とを有する中継部材と、
前記取付孔に挿入されて該取付孔の形成された前記壁部及び前記突設部を締結する第1締結具と、
前記先端部及び前記取付部を締結する第2締結具とを備えたことを特徴とする結合構造体。
【請求項2】
請求項1に記載の結合構造体において、
前記中継部材は、前記第2部材の延在方向に沿って前記先端部の外壁面に当接する当接壁部を有することを特徴とする結合構造体。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の結合構造体において、
前記突設部は、前記第2部材の延在方向に突出しており、
前記取付部は、前記第2部材の延在方向で該第2部材が前記本体壁部に当接する状態で前記先端部が嵌挿される嵌合部であって、
前記第2締結具は、前記第2部材の延在方向に対し交差する方向で前記先端部及び前記嵌合部を締結することを特徴とする結合構造体。
【請求項4】
請求項3に記載の結合構造体において、
前記中継部材は、前記本体壁部から前記第2部材の延在方向に突出して前記第1部材を挟み込む一対の挟持片を備えたことを特徴とする結合構造体。
【請求項5】
請求項1又は2に記載の結合構造体において、
前記一対の壁部は、前記第1部材及び前記第2部材の両延在方向のなす平面に対し交差する方向で対向しており、
前記第2部材は、その延在方向で前記第1部材に当接され、前記一対の壁部の対向方向で対向する一対の取付壁部を有して筒状に成形されており、
前記嵌合孔の形成された前記壁部側の前記取付壁部に形成された第2の嵌合孔と、
前記第2の嵌合孔と同心で前記取付孔の形成された前記壁部側の前記取付壁部に形成された第2の取付孔とを備え、
前記本体壁部は、前記第2の嵌合孔の形成された前記取付壁部の外壁面に当接しており、
前記取付部は、前記本体壁部に突設され前記第2の嵌合孔に嵌挿されて前記第2の取付孔の周縁部で該第2の取付孔の形成された前記取付壁部の内壁面に当接する第2の突設部であって、
前記第2締結具は、前記第2の取付孔に挿入されて該第2の取付孔の形成された前記取付壁部及び前記第2の突設部を締結することを特徴とする結合構造体。
【請求項6】
請求項5に記載の結合構造体において、
前記取付孔の形成された前記壁部及び前記第2の取付孔の形成された前記取付壁部に重ねられ、前記第1締結具により前記壁部及び前記突設部とともに締結されるとともに、前記第2締結具により前記取付壁部及び前記第2の突設部とともに締結される保持部材を備えたことを特徴とする結合構造体。
【請求項7】
アルミニウム又はアルミニウム合金からなり、一方向に延在する筒状の第1部材と、
アルミニウム又はアルミニウム合金からなり、前記第1部材の延在方向に対して交差する他方向に延在する筒状の第2部材と、
前記第2部材の前記第1部材に臨む先端部に対向して前記第1部材に切欠された嵌合凹部と、
前記嵌合凹部及び前記先端部の内壁面にそれぞれ嵌合する外側嵌合部及び内側嵌合部を有するとともに、前記第1部材及び前記第2部材間でこれら第1部材及び第2部材の両延在方向のなす平面に沿って前記第1部材及び前記第2部材と面一となる外壁面を有し、該外壁面と前記第1部材及び前記第2部材との間がそれぞれ溶着する中継部材とを備えたことを特徴とする結合構造体。
【請求項8】
アルミニウム又はアルミニウム合金からなり、一方向に延在する筒状の第1部材と、
アルミニウム又はアルミニウム合金からなり、前記第1部材の延在方向に対して交差する他方向に延在する第2部材と、
前記第2部材の前記第1部材に臨む先端部に対向して前記第1部材に切欠された嵌合凹部と、
前記先端部に突設され、前記嵌合凹部に嵌合するとともに、前記第1部材及び前記第2部材の両延在方向のなす平面に沿って前記第1部材と面一となる外壁面を形成し、該外壁面と前記第1部材との間が溶着する嵌合片とを備えたことを特徴とする結合構造体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−17068(P2012−17068A)
【公開日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−157049(P2010−157049)
【出願日】平成22年7月9日(2010.7.9)
【出願人】(000000011)アイシン精機株式会社 (5,421)
【出願人】(000100791)アイシン軽金属株式会社 (137)
【Fターム(参考)】