説明

結合部材挿入具

【課題】重ね合わせた第1貫通孔及び第2貫通孔に棒状結合具を挿入して第1部材と第2部材とを結合させる場合に、第1貫通孔及び第2貫通孔への棒状結合部材の挿入を容易且つ安全に行う結合具挿入補助具を提供する。
【解決手段】第1部材11の第1貫通孔12と、第2部材13の第2貫通孔14とを重ね合わせ、重ね合わせた第1貫通孔12及び第2貫通孔14に棒状結合部材10を挿入して第1部材11と第2部材13とを結合させる場合に、第1貫通孔12及び第2貫通孔14に棒状結合部材10を挿入させる結合部材挿入具1であって、第1貫通孔12及び第2貫通孔14を貫通可能な棒状に形成され、棒状結合部材10を挿入可能な中空部22を端部に有する挿入具本体2と、中空部22に差し込み可能に形成される基端部31と、第1貫通孔12及び第2貫通孔14を貫通可能な先細り形状に形成される先端部32と、を有する先細り部材3と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、貫通孔を有する部材同士を結合するボルトやピン等の棒状結合部材を貫通孔に挿入させる結合部材挿入具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、高圧電線路における鉄塔等の腕金に取り付けられた碍子等を交換する場合には、レバーブロック等の引っ張り工具が使用されている(例えば、特許文献1参照)。引っ張り工具は、腕金から離れる方向に碍子等に作用する働く荷重に反して碍子等を腕金に近づけさせ、碍子等を腕金に近づけた状態で保持する。これにより、碍子等と腕金との接続部に作用する互いに離れる方向に働く力が軽減され、作業者は、少ない力で碍子等の交換を行うことができる。
【0003】
ところで、碍子等は、一般にボルトで腕金等に連結されている。そのため、碍子等を取り外して交換した後に、新しい碍子等を腕金に取り付けると、新しい碍子等のボルト孔と腕金のボルト孔とが互いに重なり合わない場合がある。つまり、新しい碍子のボルト孔と腕金のボルト孔とが互いに位置ズレを起こし、ボルトを挿入することができない場合がある。
【0004】
この場合においては、例えば、作業者が位置ズレを起こしたボルト孔のそれぞれに剣先スパナ等を強制的に差し込んで位置合わせを行い、位置合わせを行った後のボルト孔にボルトを挿入する方法がとられる。ここで、ボルトを挿入するボルト孔が複数ある場合には、ボルト孔の一箇所に剣先スパナを強制的に差し込んで位置合わせを行い、位置合わせが行われた状態を維持したまま他のボルト孔にボルトを挿入する。その後、剣先スパナを抜き取り、剣先スパナが差し込まれていたボルト孔にボルトを挿入する。これにより、すべてのボルト孔にボルトを差し込むことができ、部材同士を連結することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−262420号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、碍子等と腕金との接続部は、一箇所で接続されていることがある。この場合、碍子等と腕金は、一つのボルト孔にボルトを挿入することにより接続されている。そのため、上述のように、剣先スパナを用いて位置合わせを行った場合には、位置合わせの後、剣先スパナをボルト孔から抜き取り、作業者が剣先スパナにより行われた位置合わせ状態を、例えば、両腕で支えて保持しながらボルトをボルト孔に差し込む必要があった。
ここで、例えば、碍子は1個あたり5kg位の重量がある。また、碍子の交換作業は高所で行われる。そのため、作業者が一人で上述の作業を行うことは非常に困難であり、危険であった。
【0007】
本発明は、第1貫通孔を有する第1部材と第2貫通孔を有する第2部材の第1貫通孔と第2貫通孔とを重ね合わせ、重ね合わせた第1貫通孔及び第2貫通孔に棒状結合具を挿入して第1部材と第2部材とを結合させる場合に、第1貫通孔及び第2貫通孔への棒状結合部材の挿入を容易且つ安全に行うことができる結合部材挿入具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、第1貫通孔を有する第1部材の該第1貫通孔と、第2貫通孔を有する第2部材の該第2貫通孔とを重ね合わせ、重ね合わせた前記第1貫通孔及び前記第2貫通孔に棒状結合部材を挿入して前記第1部材と前記第2部材とを結合させる場合に、前記第1貫通孔及び前記第2貫通孔に前記棒状結合部材を挿入させる結合部材挿入具であって、前記第1貫通孔及び前記第2貫通孔を貫通可能な棒状に形成され、前記棒状結合部材を挿入可能な中空部を端部に有する挿入具本体と、前記中空部に差し込み可能に形成される基端部と、前記第1貫通孔及び前記第2貫通孔を貫通可能な先細り形状に形成される先端部と、を有する先細り部材と、を備える結合部材挿入具に関する。
【0009】
また、前記挿入具本体は、前記先細り部材の前記基端部を前記中空部に差し込んだ状態で前記先細り部材を保持可能な保持部を備えることが好ましい。
【0010】
また、前記先細り部材を前記中空部に差し込まない状態で、前記先細り部材を前記挿入具本体に連結可能な連結具を更に備えることが好ましい。
【0011】
また、前記挿入具本体は、前記第1貫通孔及び前記第2貫通孔を貫通した状態で、前記第1部材及び前記第2部材からの荷重に対して前記挿入具本体における前記中空部に対応する部分よりも強度を有し、且つ、目視により識別可能な目印を有する支持可能な荷重支持部を更に備えることが好ましい。
【0012】
また、前記先細り部材の前記先端部は、前記基端部よりも摩擦係数が低いことが好ましい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、第1貫通孔を有する第1部材と第2貫通孔を有する第2部材の第1貫通孔と第2貫通孔とを重ね合わせ、重ね合わせた第1貫通孔及び第2貫通孔に棒状結合具を挿入して第1部材と第2部材とを結合させる場合に、第1貫通孔及び第2貫通孔への棒状結合部材の挿入を容易且つ安全に行うことができる結合部材挿入具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施形態に係る結合部材挿入具の使用状態を示す平面図である。
【図2】本実施形態に係る結合部材挿入具の平面図である。
【図3】本実施形態に係る先細り部材を挿入具本体から取り外した状態を示す平面図である。
【図4】図2の断面図である。
【図5】本実施形態に係る結合部材挿入具を第1貫通孔及び第2貫通孔に貫通させる状態を示す図である。
【図6】第1貫通孔及び第2貫通孔を貫通した結合部材挿入具から先細り部材を取り外した状態を示す図である。
【図7】先細り部材を取り外した挿入具本体の中空部にボルトのネジ部を挿入させた状態を示す図である。
【図8】中空部にボルトのネジ部を挿入させた状態で第1貫通孔及び第2貫通孔から挿入具本体を引き抜く状態を示す図である。
【図9】挿入具本体からボルトを引き抜き、ボルト及びナットで碍子と腕金とを結合させた状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る結合部材挿入具1の使用状態を示す外観斜視図である。図2は、本実施形態に係る結合部材挿入具1の平面図である。図3は、本実施形態に係る先細り部材3を挿入具本体2から取り外した状態を示す平面図である。図4は、図2の断面図である。
【0016】
図1に示すように、結合部材挿入具1は、第1部材としての碍子11に形成された第1貫通孔12と、第2部材としての腕金13に形成された第2貫通孔14とを重ね合わせ、重ね合わせた第1貫通孔12及び第2貫通孔14に棒状結合部材としてのボルト10を貫通させるために用いられる。
【0017】
図1から図4に示すように、結合部材挿入具1は、挿入具本体2と、先細り部材3と、連結具としての連結ピン4と、を備える。
挿入具本体2は、棒状に形成されており、碍子11に形成された第1貫通孔12と、腕金13に形成された第2貫通孔14とを重ね合わせ、重ね合わせた第1貫通孔12及び第2貫通孔14を貫通可能に形成されている。
また、図2から図4に示すように、挿入具本体2は、一方側の端部に形成されたスパナ部21と、他方側の端部に形成された中空部22と、連結ピン6を挿通可能な第1挿通孔23と、先細り部材3を保持可能な保持部24と、荷重支持部25と、を備える。
【0018】
スパナ部21は、ボルト10のヘッド部10aと略同形の中空状に形成された係合部21aを有する。スパナ部21は、係合部21aにヘッド部10aを差し込むことにより、ボルト10と係合する。
中空部22は、その内部にボルト10のネジ部10bを挿入具本体2の軸方向に差し込み可能な中空状に形成されている。
第1挿通孔23は、挿入具本体2におけるスパナ部21の近傍に形成されている。また、第1挿通孔23は、挿入具本体2の軸方向と直交する方向に挿入具本体2を貫通するように形成されている。
【0019】
保持部24は、中空部22の内部に形成されている。また、保持部24は、磁性材料により形成されており、中空部22に差し込まれる金属製材料により形成される先細り部材(後に詳述する)3を磁力により引きつけ、中空部22の内部で保持する。
荷重支持部25は、中空部22に隣接して形成されている。荷重支持部25は、第1貫通孔12及び第2貫通孔14を貫通した状態を維持可能に、挿入具本体2における中空部22に対応する部分よりも強度を有するように形成されている。具体的には、挿入具本体2における中空状に形成される中空部22に対応する部分に対し、荷重支持部25は、中実状に形成されている。また、荷重支持部25には、目視により識別可能な目印として、色彩が付されている。
【0020】
先細り部材3は、中空部22に差し込み可能に形成される基端部31と、第1貫通孔12及び第2貫通孔14を貫通可能な先細り形状に形成される先端部32と、連結ピン6を挿通可能な第2挿通孔33と、を備える。
【0021】
基端部31は、中空部22に差し込み可能な棒状に形成されている。また、基端部31は、保持部24に磁力により接着可能な金属製材料により形成されている。基端部31は、中空部22の内部で保持部24に接着することにより、中空部22に差し込まれた状態で中空部22の内部で保持される。
先端部32は、第1貫通孔12及び第2貫通孔14を貫通可能な先細り形状に形成されている。また、先端部32は、金属製材料により形成されている。更に、先端部32の表面には、基端部31よりも摩擦係数が低くなるようにフッ素樹脂が塗付されている。つまり、先端部32は、表面に摩擦係数を低減させるための樹脂加工が施されている。
第2挿通孔33は、基端部31に形成されている。第2挿通孔33は、基端部31の軸方向と直交する方向に基端部31を貫通するように形成されている。
【0022】
図1に示すように、連結ピン4は、先細り部材3を挿入具本体2の中空部22に差し込まない状態おいて、先細り部材3を挿入具本体2に連結させる。
連結ピン4は、第1挿通孔23及び第2挿通孔33を挿通可能に形成されている。また、連結ピン4は、基端に形成されるヘッド部41と、先端に形成される係止部42と、ヘッド部41と係止部42との間に形成される挿通部43と、を備える。
【0023】
ヘッド部41は、先細り部材3における基端部31の第1挿通孔23に係止可能に形成されており、連結ピン4が抜け落ちることを防止する。
挿通部43は、第1挿通孔23及び第2挿通孔33を挿通可能に形成されている。
係止部42は、弾性変形可能な略フック形状に形成されており、フック形状を直線形状に弾性変形させることにより第1挿通孔23及び第2挿通孔33を挿通可能に形成されている。また、係止部42は、第1挿通孔23及び第2挿通孔33を挿通した後、直線形状からフック形状に弾性復帰することにより、挿入具本体2に係止するように形成されている。
【0024】
次に、本実施形態に係る結合部材挿入具1の使用方法について図5から図9を参照しながら説明する。
図5は、本実施形態に係る結合部材挿入具1を第1貫通孔12及び第2貫通孔14に貫通させる状態を示す図である。図6は、第1貫通孔12及び第2貫通孔14を貫通した結合部材挿入具1の先細り部材3を取り外した状態を示す図である。図7は、先細り部材3を取り外した挿入具本体2の中空部5にボルト10のネジ部10bを挿入させた状態を示す図である。図8は、中空部22にボルト10のネジ部10bを挿入させた状態で第1貫通孔12及び第2貫通孔14から挿入具本体2を引き抜く状態を示す図である。図9は、挿入具本体2からボルト10を引き抜き、ボルト10及びナット15で碍子11と腕金13とを結合させた状態を示す図である。
【0025】
図5に示すように、作業者は、まず、重ね合わせた状態で位置ズレを起こしている碍子11の第1貫通孔12及び腕金13の第2貫通孔14に結合部材挿入具1における先細り部材3の先端部32を差し込む。
ここで、先細り部材3は、挿入具本体2の中空部22の内部に形成された保持部24の磁力により中空部22の内部に基端部31が保持されている。そのため、作業中に先細り部材3が挿入具本体2から容易に抜け落ちることはない。
また、先端部32は先細り形状に形成されている。そのため、位置ズレにより第1貫通孔12及び第2貫通孔14を連通する隙間が小さい場合においても、当該隙間に先端部32を差し込むことができる。
【0026】
第1貫通孔12及び第2貫通孔14を連通する隙間に先端部32を差し込んだ後、作業者は、結合部材挿入具1を差し込み方向と直交する方向(例えば、上下方向、左右方向及び周方向等)に挿入具本体2を動かす。これにより、第1貫通孔12及び第2貫通孔14を連通する空間が広がり、結合部材挿入具1は、先端部32から第1貫通孔12及び第2貫通孔14を貫通する。
【0027】
先端部32が第1貫通孔12及び第2貫通孔14を貫通した後、作業者は、荷重支持部25を第1貫通孔12及び第2貫通孔14に配置させる。荷重支持部25を第1貫通孔12及び第2貫通孔14に配置させると、作業者は、挿入具本体2の中空部22から先細り部材3を引き抜く。
【0028】
図7に示すように、挿入具本体2から先細り部材3を引き抜いた後、作業者は、先細り部材3を挿入具本体2に連結させる。具体的には、まず、挿入具本体2の第1挿通孔23に挿通されている連結ピン4の係止部42を弾性変形させて第1挿通孔23から連結ピン4を引き抜く。次に、連結ピン4の係止部42をフック形状から直線形状に弾性変形させて、連結ピン4を先細り部材3の第2挿通孔33及び挿入具本体2の第1挿通孔23に差し込む。連結ピン4が第2挿通孔33及び第1挿通孔23を貫通すると、係止部42が直線形状からフック形状に弾性復帰することにより先細り部材3は挿入具本体2に連結される。
【0029】
図7に示すように、先細り部材3を挿入具本体2に連結した後、作業者は、挿入具本体2の中空部22にボルト10のネジ部10bを差し込む。
【0030】
図8に示すように、中空部22にボルト10のネジ部10bを差し込んだ後、作業者は、ボルト10のネジ部10bを中空部22に差し込んだまま挿入具本体2を第1貫通孔12及び第2貫通孔14から引き抜く方向に移動する。これにより、ボルト10のネジ部10bは、中空部22に差し込まれた状態のままで第1貫通孔12及び第2貫通孔14を貫通した状態になる。
【0031】
そして、さらに挿入具本体2を第1貫通孔12及び第2貫通孔14から引き抜く方向に移動すると、ボルト10のヘッド部10aが碍子11に引っ掛かり、挿入具本体2のみが第1貫通孔12及び第2貫通孔14から引き抜かれる。これにより、ボルト10のネジ部10bは、第1貫通孔12及び第2貫通孔14を貫通する。
【0032】
図9に示すように、ボルト10のネジ部10bが第1貫通孔12及び第2貫通孔14を貫通した後、作業者は、ネジ部10bにナット15を螺合させる。これにより、碍子11と腕金13とは結合される。
【0033】
以上のような構成を有する本実施形態に係る結合部材挿入具1によれば、以下のような効果を奏する。
本実施形態に係る結合部材挿入具1は、第1貫通孔12及び第2貫通孔14を貫通した後、ボルト10を差し込み可能な中空部22を有する。そのため、例えば、碍子11及び腕金13が単独の第1貫通孔12及び第2貫通孔14で接合されている場合においても、結合部材挿入具1を第1貫通孔12及び第2貫通孔14から抜き去った後、作業者が結合部材挿入具1により行われた位置合わせ状態を保持しながらボルト10を第1貫通孔12及び第2貫通孔14に差し込む必要がない。これにより、作業者は、第1貫通孔12及び第2貫通孔14へのボルト10の挿入を一人で容易且つ安全に行うことができる。つまり、一人でも容易且つ安全に碍子11の交換作業を行うことができる。
【0034】
また、作業者が結合部材挿入具1により行われた位置合わせ状態を保持しながらボルト10を第1貫通孔12及び第2貫通孔14に差し込む必要がないため、作業者の肉体的な疲労が軽減される。
【0035】
また、先細り部材3は、基端部31が中空部22に形成された保持部24の磁力により中空部22の内部で保持されている。そのため、作業中においても先細り部材3が容易に外れることを防止することができる。これにより、例えば、高所で作業を行う場合においても先細り部材3が落下することを抑制することが可能になり、安全性が向上する。
【0036】
また、先細り部材3は、連結ピン4により挿入具本体2に連結可能に構成されている。そのため、例えば、中空部22にボルト10を差し込むために先細り部材3を挿入具本体2から引き抜いた場合においても、挿入具本体2に先細り部材3を連結させることにより、先細り部材3の紛失又は作業場からの落下等を防止することが可能になる。
【0037】
また、荷重支持部25は、中空部22よりも強度を有するように形成されている。そのため、荷重支持部25が容易に変形することを防止することができる。例えば、荷重支持部25を支点にした梃子の原理を利用して位置合わせを行うことができる。更に、荷重支持部25には、目視可能な色彩が付与されている。そのため、作業者は、容易に荷重支持部25の位置を確認することができる。
【0038】
また、先端部32には、フッ素樹脂による表面加工が施されている。そのため、先端部の摩擦係数が低くなり、第1貫通孔12及び第2貫通孔14の縁部と先端部32との摩擦力が軽減する。これにより、作業者は、少ない力で先端部32を第1貫通孔12及び第2貫通孔14を貫通させることができる。
【0039】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではない。また、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されない。
【0040】
例えば、本実施形態においては、磁石の磁力により先細り部材3を挿入具本体2の中空部22に保持させる構成としたが本発明においてはこれに限定されない。例えば、先細り部材3の基端部31に雄ネジを形成し、挿入具本体2の中空部22に雌ネジを形成し、基端部31を中空部22に螺合することにより先細り部材3を挿入具本体2の中空部22に保持させる構成としてもよい。
【0041】
また、本実施形態においては、棒状結合部材としてボルト10を用いて説明したが本発明においてはこれに限定されない。棒状結合部材は、例えば、結合ピン等であってもよい。
【0042】
また、本実施形態においては、連結具として連結ピン4を用いて説明したが、本発明においてはこれに限定されない。連結具は、紐等により先細り部材3と挿入具本体2とを連結させる構成であってもよい。
【0043】
また、本実施形態においては、先端部32にフッ素樹脂を塗布して基端部31よりも摩擦係数を低減させたが、本発明においてはこれに限定されない。結合部材挿入具1は、先端部32にフッ素樹脂以外の樹脂材料を塗布する構成であってもよく、スリット等を設けて接触面積を減少させ基端部31よりも摩擦係数を低減させる構成であってもよい。
【0044】
また、本実施形態においては、荷重支持部の目視により認識可能な目印として色彩を付す構成としたが本発明においてはこれに限定されない。荷重支持部は、作業者が目視により認識可能な目印が付される構成であればよい。
【符号の説明】
【0045】
1 結合部材挿入具
2 挿入具本体
3 先細り部材
4 連結ピン(連結具)
10 ボルト(棒状結合部材)
11 碍子(第1部材)
12 第1貫通孔
13 腕金(第2部材)
14 第2貫通孔
22 中空部
24 保持部
25 荷重支持部
31 基端部
32 先端部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1貫通孔を有する第1部材の該第1貫通孔と、第2貫通孔を有する第2部材の該第2貫通孔とを重ね合わせ、重ね合わせた前記第1貫通孔及び前記第2貫通孔に棒状結合部材を挿入して前記第1部材と前記第2部材とを結合させる場合に、前記第1貫通孔及び前記第2貫通孔に前記棒状結合部材を挿入させる結合部材挿入具であって、
前記第1貫通孔及び前記第2貫通孔を貫通可能な棒状に形成され、前記棒状結合部材を挿入可能な中空部を端部に有する挿入具本体と、
前記中空部に差し込み可能に形成される基端部と、前記第1貫通孔及び前記第2貫通孔を貫通可能な先細り形状に形成される先端部と、を有する先細り部材と、
を備える結合部材挿入具。
【請求項2】
前記挿入具本体は、前記先細り部材の前記基端部を前記中空部に差し込んだ状態で前記先細り部材を保持可能な保持部を備える請求項1に記載の結合部材挿入具。
【請求項3】
前記先細り部材を前記中空部に差し込まない状態で、前記先細り部材を前記挿入具本体に連結可能な連結具を更に備える請求項1又は2に記載の結合部材挿入具。
【請求項4】
前記挿入具本体は、前記第1貫通孔及び前記第2貫通孔を貫通した状態で、前記第1部材及び前記第2部材からの荷重に対して前記挿入具本体における前記中空部に対応する部分よりも強度を有し、且つ、目視により識別可能な目印を有する支持可能な荷重支持部を更に備える請求項1から3のいずれかに記載の結合部材挿入具。
【請求項5】
前記先細り部材の前記先端部は、前記基端部よりも摩擦係数が低い請求項1から4のいずれかに記載の結合部材挿入具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−140079(P2011−140079A)
【公開日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−1132(P2010−1132)
【出願日】平成22年1月6日(2010.1.6)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.レバーブロック
【出願人】(000211307)中国電力株式会社 (6,505)
【Fターム(参考)】