説明

結晶化ガラスおよびその製造方法

【課題】本発明は良好な光拡散性を有する乳白色または白色の低膨張結晶化ガラス、それを用いた結晶化ガラス部材、およびそれらの製造方法を提供する。
【解決手段】質量%で、SiO50〜62%、Al22〜26%、LiO3〜5%、の各成分を含有し、結晶相の平均結晶粒子径が100nmを超え、平均線膨張係数が0〜50℃の温度範囲で30×10−7/℃以下であることを特徴とする結晶化ガラス。また、ガラス原料を溶融する工程と、溶融したガラスを成形する工程と、成形したガラスを徐冷する工程と、徐冷後650〜750℃で0.1〜200時間第1の熱処理をする工程と、第1の熱処理後800℃〜1000℃で0.1〜50時間第2の熱処理をする工程を含むことを特徴とする結晶化ガラスの製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は良好な光拡散性を有する乳白色または白色の低膨張結晶化ガラス、それを用いた結晶化ガラス部材、およびそれらの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に光拡散板として使用されている材料は樹脂やガラスが存在する。これらの材料から光拡散板を得るには、例えば材料自体に光拡散性を有する乳白色のポリカーボネート樹脂を用いたり、材料の表面に酸処理や砂ずり等の加工を施して光拡散機能を付与したり、材料自体を基板として光拡散機能を有するフィルムや乳白色膜をつける等の方法が用いられている。
【0003】
しかし、これらの材料は平均線膨張係数が高いものが多く、ガラスでも青板や白板と呼ばれる高膨張ガラスを用いているのが一般的である。これらの平均線膨張係数の高い材料は、温度変化を伴う環境下で使用する場合には、材料の膨張に起因してヘイズ値が一定でなくなってしまうという問題がある。
したがって、これらの材料は通常の測定器などに用いられる拡散板として用いるには十分な性能を発揮するが、温度変化を伴う環境下で拡散光を精密に測定することが要求される測定器の拡散板には適さない。
また、温度が一定の環境下であっても被拡散光の光源が例えばレーザーの場合は、拡散板の温度が上昇してしまい、やはりヘイズ値が不安定なものとなる。さらにレーザー照射時の熱衝撃により、拡散板が破損してしまうという問題もある。
【0004】
一方、情報磁気記録媒体用基板として、平均線膨張係数の小さい数種の結晶化ガラスが提案されている(例えば特許文献1、特許文献2、特許文献3)。しかし、これらの結晶化ガラスは析出している結晶粒径が0.1μm以下と小さく、一般的には光拡散性が良好でない。
【0005】
さらに特許文献4にはアルミノ珪酸リチウム結晶化ガラスが開示されているが、この材料の平均線膨張係数は20〜700℃において15〜30×10−7/℃と大きく、温度変化を伴う環境下ではヘイズ値が一定でない。
【0006】
特許文献5には−50〜700℃の温度範囲において−1×10−6−1〜+2×10−6−1の低熱膨張係数を有するガラスセラミックスが開示されているが、NaO成分またはKO成分を含むため、この材料を基板とし、成膜する場合には時間の経過に伴って、これら移動可能なアルカリ成分が溶出し、膜を汚染する問題がある。
【0007】
【特許文献1】特開2002−284544号公報
【特許文献2】特開2002−308647号公報
【特許文献3】特開平11−314939号公報
【特許文献4】特開2004−131372号公報
【特許文献5】特開平7−172862号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の課題は温度変化に対して伸縮が少ない低膨張性を有し、そのためヘイズ値が安定し、かつヘイズ値が高く光拡散性が良好な乳白色または白色の結晶化ガラス、それを用いた結晶化ガラス部材、およびそれらの製造方法を提供することである。
また、上記結晶化ガラスにおいて、時間の経過に伴うアルカリ成分の溶出を少なくすることをもう一つの課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の発明者は上記課題を解決するため鋭意試験研究を行った結果、結晶化ガラスにおいて、特定の組成によって結晶相を析出させ、その平均結晶粒子径と平均線膨張係数を特定のものとすることによって光拡散板の材料として好適な乳白色または白色の結晶化ガラス、それを用いた結晶化ガラス部材、およびそれらの製造方法が得られることを見出し、本発明をなすに至った。
【0010】
本発明の好適な態様は以下に列挙する構成のいずれかで表わされる。
(構成1)質量%で、
SiO50〜62%、
Al22〜26%、
LiO 3〜5%、
の各成分を含有し、結晶相の平均結晶粒子径が100nmを超え、平均線膨張係数が0〜50℃の温度範囲で30×10−7/℃以下であることを特徴とする結晶化ガラス。
(構成2)質量%で、P成分を5〜10%含有し、SiO+P=55〜70%であり、P成分とSiO成分の質量比の値P/SiOが0.08〜0.20であることを特徴とする構成1に記載の結晶化ガラス。
(構成3)質量%で、
TiO1〜4%、および/または
ZrO1〜4%、
の各成分を含有することを特徴とする構成1または2に記載の結晶化ガラス。
(構成4)質量%で、
MgO 0.6〜2%、および/または
ZnO 0.1〜2%、および/または
CaO 0.3〜4%、および/または
BaO 0.5〜4%、
の各成分を含有することを特徴とする構成1から3に記載の結晶化ガラス。
(構成5)質量%で、As成分を0〜2%含むことを特徴とする構成1から4に記載の結晶化ガラス。
(構成6)質量%で、
SiO50〜62%、
5〜10%、
Al22〜26%、
LiO 3〜5%、
MgO 0.6〜2%、
ZnO 0.1〜2%、
CaO 0.3〜4%、
BaO 0.5〜4%、
TiO1〜4%、
ZrO1〜4%、
As0〜2%、
ただし、
SiO+P55〜70%、
質量比でP/SiO0.08〜0.20、
の範囲の各成分を含有することを特徴とする構成1から5のいずれかに記載の結晶化ガラス。
(構成7)モル%で、
SiO55〜70%、
Al10〜25%、
LiO 5〜15%、
の各成分を含有し、結晶相の平均結晶粒子径が100nmを超え、平均線膨張係数が0〜50℃の温度範囲で30×10−7/℃以下であることを特徴とする結晶化ガラス。
(構成8)モル%で、P成分を2〜8%含有し、SiO+P=57〜78%であり、P成分とSiO成分のモル数の比の値P/SiOが0.02〜0.15であることを特徴とする構成7に記載の結晶化ガラス。
(構成9)モル%で、
TiO1〜4%、および/または
ZrO0.5〜3%、
の各成分を含有することを特徴とする構成7または8に記載の結晶化ガラス。
(構成10)モル%で、
MgO 0.5〜5%、および/または
ZnO 0.05〜2%、および/または
CaO 0.3〜7%、および/または
BaO 0.3〜4%、
の各成分を含有することを特徴とする請求項7から9に記載の結晶化ガラス。
(構成11)モル%で、As成分を0〜1%含むことを特徴とする構成7から10のいずれかに記載の結晶化ガラス。
(構成12)モル%で、
SiO55〜70%、
2〜8%、
Al10〜25%、
LiO 5〜15%、
MgO 0.5〜5%、
ZnO 0.05〜2%、
CaO 0.3〜7%、
BaO 0.3〜4%、
TiO1〜4%、
ZrO0.5〜3%、
As0〜1%、
ただし、
SiO+P57〜78%、
モル比でP/SiO0.02〜0.15
の範囲の各成分を含有することを特徴とする構成7から11のいずれかに記載の結晶化ガラス。
(構成13)平均線膨張係数が0〜50℃の温度範囲で−5×10−7/℃〜30×10−7/℃の範囲内であることを特徴とする構成1から12のいずれかに記載の結晶化ガラス。
(構成14)結晶化ガラスに含有されるMgO、ZnO、CaO、BaOの各成分の質量比(MgO+ZnO)/(MgO+ZnO+CaO+BaO)の値が1未満であることを特徴とする構成1から13のいずれかに記載の結晶化ガラス。
(構成15)
β−スポジュウメンおよび/またはβ−スポジュウメン固溶体を含有することを特徴とする構成1から14のいずれかに記載の結晶化ガラス。
(構成16)NaO成分およびKO成分を実質的に含有しないことを特徴とする構成1から15のいずれかに記載の結晶化ガラス。
(構成17)F成分を実質的に含有しないことを特徴とする構成1から16のいずれかに記載の結晶化ガラス。
(構成18)ガラス原料を溶融、成形、徐冷後、結晶化処理条件として核形成温度が650〜750℃で0.1〜200時間、結晶化温度が800℃〜1000℃で0.1〜50時間熱処理することにより得られることを特徴とする構成1から17のいずれかに記載の結晶化ガラス。
(構成19)ガラス原料を溶融、成形、徐冷後、結晶化処理条件として核形成温度が650〜750℃で0.1〜200時間、結晶化温度が750℃〜800℃で0.1〜50時間熱処理し、室温まで冷却後、再度800〜1000℃で0.1〜50時間熱処理することにより得られることを特徴とする構成1から18のいずれかに記載の結晶化ガラス。
(構成20)構成1から19に記載の結晶化ガラスから製造される光拡散部材。
(構成21)厚さが0.1mmの時のC光に対するヘイズ値が0.1%以上であることを特徴とする構成20に記載の光拡散部材。
(構成22)構成1から19に記載の結晶化ガラスから製造されるガラス、プラスチックあるいは樹脂の成形用型。
(構成23)構成1から19に記載の結晶化ガラスから製造される光学系ミラー部材。
(構成24)構成1から19に記載の結晶化ガラスから製造される精密機器用定盤。
(構成25)構成1から19に記載の結晶化ガラスから製造される建築用部材。
(構成26)構成1から19に記載の結晶化ガラスから製造される装飾用部材。
(構成27)ガラス原料を溶融する工程と、溶融したガラスを成形する工程と、成形したガラスを徐冷する工程と、徐冷後650〜750℃で0.1〜200時間第1の熱処理をする工程と、第1の熱処理後800℃〜1000℃で0.1〜50時間第2の熱処理をする工程を含むことを特徴とする結晶化ガラスの製造方法。
(構成28)ガラス原料を溶融する工程と、溶融したガラスを成形する工程と、成形したガラスを徐冷する工程と、徐冷後650〜750℃で0.1〜200時間第1の熱処理をする工程と、第1の熱処理後750℃〜800℃で0.1〜50時間第2の熱処理をする工程と、第2の熱処理後室温まで冷却し、その後800〜1000℃で0.1〜50時間第3の熱処理をする工程を含むことを特徴とする結晶化ガラスの製造方法。
(構成29)ガラス原料の組成が酸化物に換算した質量%で
SiO50〜62%、
5〜10%、
Al22〜26%、
LiO 3〜5%、
MgO 0.6〜2%、
ZnO 0.1〜2%、
CaO 0.3〜4%、
BaO 0.5〜4%、
TiO1〜4%、
ZrO1〜4%、
As0〜2%、
ただし、
SiO+P55〜70%、
質量比でP/SiO0.08〜0.20
の範囲の各成分を含有することを特徴とする構成27または28に記載の結晶化ガラスの製造方法。
(構成30)ガラス原料の組成が酸化物に換算したモル%で、
SiO55〜70%、
2〜8%、
Al10〜25%、
LiO 5〜15%、
MgO 0.5〜5%、
ZnO 0.05〜2%、
CaO 0.3〜7%、
BaO 0.3〜4%、
TiO1〜4%、
ZrO0.5〜3%、
As0〜1%、
ただし、
SiO+P57〜78%、
モル比でP/SiO0.02〜0.15
の範囲の各成分を含有することを特徴とする構成27または28に記載の結晶化ガラスの製造方法。
(構成31)ガラス原料に含有されるMgO、ZnO、CaO、BaOの各成分の酸化物に換算した質量比(MgO+ZnO)/(MgO+ZnO+CaO+BaO)の値が1未満であることを特徴とする構成27から30のいずれかに記載の結晶化ガラスの製造方法。
(構成32)ビッカース硬度が650以上であることを特徴とする、構成1から19のいずれかに記載の結晶化ガラス。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、良好な光拡散性を有する乳白色または白色の低膨張結晶化ガラス、それを用いた結晶化ガラス部材、およびそれらの製造方法を得ることができる。
また、本発明の結晶化ガラスは耐熱温度が非常に高温であり、800℃以上の高温にさらされてもその形状、強度を維持し、1000℃までの高温に耐えうる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明の結晶化ガラスの結晶相の平均結晶粒子径は良好な光拡散性を有するために、100nmを超えることが好ましく、200nm以上であることがより好ましく、300nmを超えることが最も好ましい。また、平均結晶粒子径が過度に大きくなると光の透過性が悪くなり、平均線膨張係数が大きくなってしまうため、2000nm以下が好ましく、1500nm以下がより好ましく、1000nm以下が最も好ましい。
【0013】
本発明の結晶化ガラスの平均膨張係数は、温度変化に対する寸法安定性のために、また温度変化による光拡散性の変化を少なくするために、0〜50℃の温度範囲で30×10−7/℃以下であることが好ましく、15×10−7/℃未満であることがより好ましく、10×10−7/℃未満であることが最も好ましい。また、同様の理由から平均線膨張係数の下限は0〜50℃の温度範囲で−5×10−7/℃であることが好ましく、−3×10−7/℃であることがより好ましく、−1×10−7/℃以上であることが最も好ましい。
あるいは、同様の理由によって、20〜700℃の温度範囲での平均線膨張係数は15×10−7/℃未満である事が好ましく、10×10−7/℃未満であることがより好ましく、5×10−7/℃未満であることが最も好ましい。
下限は−5×10−7/℃が好ましく、−3×10−7/℃がより好ましく、−1×10−7/℃以上であることが最も好ましい。
【0014】
さらに、本発明の結晶化ガラスはガラス相に結晶を析出させたものであるので、例えば樹脂組成物を射出成形した時の様な線膨張係数の異方性は存在しないか、もしくは無視できる程に微小である。
【0015】
本発明の結晶化ガラスは結晶相としてβ−スポジュウメン(β−LiO・Al・SiO)および/またはβ−スポジュウメン固溶体(β−LiO・Al・SiO固溶体)を含有している。これらの結晶を含有する事により、本発明の結晶化ガラスが所望の光拡散性を実現するための平均結晶粒子径となりやすく、また所望の平均線膨張係数を実現しやすくなる。
【0016】
本発明の結晶化ガラスは上述の結晶相に加えてβ−石英(β−SiO)および/またはβ−石英固溶体(β−SiO固溶体)を含有することが好ましい場合がある。β石英および/またはβ−石英固溶体は負の膨張係数を有する結晶であり、これらとβ−スポジュウメンおよび/またはβ−スポジュウメン固溶体、ガラス相によって結晶化ガラス全体として所望の平均膨張係数を実現しやすくなる場合がある。
本発明においてβ−石英固溶体とは、β−ユークリプタイト(β−LiO・Al・2SiO)および/または、β−ユークリプタイトにMgO、ZnO等が侵入したβ−ユークリプタイト固溶体を概念的に含み得る。
【0017】
本発明の結晶化ガラスが含有する各成分について説明する。以下各成分の含有量については特に断らない限りは質量%で表わしたものである。
【0018】
SiO2成分は、原ガラスの熱処理により、本発明の所望の結晶を析出させる極めて重要な成分であるが、その量が50%未満の場合には得られる結晶が不安定で過度に粗大化した結晶が局所的に表れるなどして光拡散性が悪化するため50%以上が好ましく、51%以上がより好ましく、52%以上が最も好ましい。
また62%を超えると原ガラスの溶融清澄が困難となり、製品の光学的均質性が悪化するため62%以下が好ましく、61%以下がより好ましく、60%以下が最も好ましい。
ここで本明細書でいう光拡散性とはヘイズ値(拡散透過率÷平行光線透過率×100)、拡散光の均一性(拡散光にムラが無いか)等、本発明の結晶化ガラスを光拡散部材とした場合に総合的に評価される特性のことを言う。
【0019】
Al23成分は、原ガラスの熱処理により、本発明の所望の結晶を析出させる極めて重要な成分であるが、その量が22%未満では原ガラスの溶融が困難となるため、22%以上が好ましく、22.5%以上がより好ましく、23%以上が最も好ましい。
また、26%を超えるとやはり原ガラスの溶融性が困難となり、均質な製品を得難くなるため26%以下が好ましく、25.5%以下がより好ましく、25%以下が最も好ましい。
【0020】
Li2O成分は、原ガラスの熱処理により、本発明の所望の結晶を析出させる極めて重要な成分であるが、その量が3%未満の場合には、原ガラスの溶融性の悪化にともない製品の均質性が劣化してしまうため3%以上が好ましく、3.2%以上がより好ましく、3.4%以上が最も好ましい。
また5%を超えると過度に粗大化した結晶が局所的に表れるなどして光拡散性が悪化するため5%以下が好ましく、4.8%以下が好ましく、4.6%以下が最も好ましい。
【0021】
25成分は、SiO2成分と共存させることにより、原ガラスの溶融・清澄性を向上させる効果を有するが、その量が5%未満では上記効果が得られないため、5%以上が好ましく、5.5%以上がより好ましく、6%以上が最も好ましい。
また、10%を超えると、原ガラスの耐失透性が低下し、これが原因となって結晶化後の結晶化ガラスの光拡散性が良好でなくなってしまう為、10%以下が好ましく、9.5%以下がより好ましく、9.0以下が最も好ましい。
【0022】
更に上記の効果を著しく向上させるには、SiO+P=55〜70%であり、P成分とSiO成分の質量比の値P/SiOが0.08〜0.2であることが好ましく、SiO+P=58〜69%、P/SiOが0.1〜0.18であることがより好ましい。
【0023】
TiO2成分およびZrO2成分は、いずれも核形成剤として含有させることが好ましい。これらの成分の個々の量について、1%以上であると所望の結晶を生成させやすくなり好ましく、1.2%以上であるとより好ましく、1.4%以上であると最も好ましい。またそれぞれ4%以下であると原ガラスの耐失透性が良好となるので好ましく、3.5%以下であるとより好ましく、3%以下であると最も好ましい。
【0024】
MgO成分、ZnO成分は、β−石英固溶体、β−スポジュウメン固溶体の構成要素となることがわかっており、広い温度範囲において相対長さの変化量を小さくできるという低膨張特性を実現できるため、含有させることが好ましい。
MgO成分は0.6%未満の場合には上記効果が得られず、ガラスの溶融性悪化に伴い製品の均質性が劣化するため、0.6%以上が好ましく、0.7%以上であるとより好ましく、0.8%以上であると最も好ましい。また、2%を超えると上記効果が得られず、所望の結晶相が析出し難くなるため、2%以下であることが好ましく、1.4%以下であることがより好ましく、1.3%以下であることが最も好ましい。
ZnO成分は0.1%未満の場合には上記効果が得られず、ガラスの溶融性悪化に伴い製品の均質性が劣化するため、0.1%以上が好ましく、0.2%以上であるとより好ましく、0.5%以上であると最も好ましい。また、2%を超えると上記効果が得られず、ガラスの耐失透性が悪化し、所望の結晶相が析出し難くなるため、2%以下であることが好ましく、1.5%以下であることがより好ましく、1.2%以下であることが最も好ましい。
【0025】
CaO成分、BaO成分は結晶化ガラス中のガラスマトリックスとして残存する成分であり、結晶相とガラスマトリックス相の割合を微調整する成分として含有させることが好ましい。
CaO成分は0.3未満では上記の調整効果が得られ難いため、0.3%以上であることが好ましく、0.4%以上であるとより好ましく、0.5%以上であると最も好ましい。また4%を超えるとガラスの耐失透性が悪化するため4%以下であることが好ましく、3%以下であることがより好ましく、2.5%以下であることが最も好ましい。
BaO成分は0.5%未満ではやはり上記の調整効果が得られ難いため、0.5%以上であることが好ましく、0.6%以上であるとより好ましく、0.7%以上であると最も好ましい。また4%を超えるとガラスの耐失透性および溶融性が悪化するため4%以下であることが好ましく、3%以下であることがより好ましく、2.5%以下であることが最も好ましい。
【0026】
As23成分は、均質な製品を得るため原ガラス溶融の際の清澄剤として添加し得るが、2%以下で充分である。
【0027】
本発明の結晶化ガラスが含有する各成分の好ましい範囲についてmol%で表わすと以下の範囲となる。各々の成分範囲の臨界的意義については質量%で表わした上述の説明と同様である。
【0028】
SiO2成分は、55mol%以上が好ましく、56mol%以上がより好ましく、57mol%以上が最も好ましい。
また70mol%以下が好ましく、69mol%以下がより好ましく、68mol%以下が最も好ましい。
【0029】
Al23成分は、10mol%以上が好ましく、11mol%以上がより好ましく、12mol%以上が最も好ましい。
また、25mol%以下が好ましく、24mol%以下がより好ましく、23mol%以下が最も好ましい。
【0030】
Li2O成分は、5mol%以上が好ましく、6mol%以上がより好ましく、7mol%以上が最も好ましい。
また15mol%以下が好ましく、14.5mol%以下が好ましく、14mol%以下が最も好ましい。
【0031】
25成分は、2mol%以上が好ましく、2.1mol%以上がより好ましく、2.2mol%以上が最も好ましい。
また、8mol%以下が好ましく、7mol%以下がより好ましく、6.5mol%以下が最も好ましい。
【0032】
更にSiO+P=57〜78mol%であり、P成分とSiO成分のモル数の比の値P/SiOが0.02〜0.15であることが好ましく、SiO+P=59〜75mol%、P/SiOが0.03〜0.14であることがより好ましい。
【0033】
TiO2成分は、1mol%以上であると好ましく、1.2mol%以上であるとより好ましく、1.4mol%以上であると最も好ましい。
また4mol%以下であると好ましく、3.8mol%以下であるとより好ましく、3.5mol%以下であると最も好ましい。
ZrO2成分は、0.5mol%以上であると好ましく、0.6mol%以上であるとより好ましく、0.7mol%以上であると最も好ましい。
また3mol%以下であると好ましく、2.8mol%以下であるとより好ましく、2.5mol%以下であると最も好ましい。
【0034】
MgO成分は0.5mol%以上が好ましく、0.6mol%以上であるとより好ましく、0.7mol%以上であると最も好ましい。
また、5mol%以下であることが好ましく、4.5mol%以下であることがより好ましく、4mol%以下であることが最も好ましい。
ZnO成分は0.05mol%以上が好ましく、0.2mol%以上であるとより好ましく、0.3mol%以上であると最も好ましい。
また、2mol%以下であることが好ましく、1.8mol%以下であることがより好ましく、1.6mol%以下であることが最も好ましい。
【0035】
CaO成分は0.3mol%以上であることが好ましく、0.4mol%以上であるとより好ましく、0.5mol%以上であると最も好ましい。
また7mol%以下であることが好ましく、3.5mol%以下であることがより好ましく、3.0mol%以下であることが最も好ましい。
BaO成分は0.3mol%以上であることが好ましく、0.35mol%以上であるとより好ましく、0.4mol%以上であると最も好ましい。
また4mol%以下であることが好ましく、3.5mol%以下であることがより好ましく、3mol%以下であることが最も好ましい。
【0036】
As23成分は、1mol%以下で充分である。
【0037】
ここで、本発明の結晶化ガラスに含有されるMgO、ZnO、CaO、BaOの各成分の質量比(MgO+ZnO)/(MgO+ZnO+CaO+BaO)の値が1未満であると結晶化前の原ガラスのガラス安定性が高くなり、それによる結晶化時の結晶組成バランスが良好となり、低膨張性を実現することができる。またLiO以外のアルカリ金属酸化物を導入せず、上記成分を質量比(MgO+ZnO)/(MgO+ZnO+CaO+BaO)の値が1未満で導入することにより、良好な耐久性、耐候性を実現することができる。
上記効果をより得やすくする為には(MgO+ZnO)/(MgO+ZnO+CaO+BaO)の値は0.9以下がより好ましく、0.8以下が最も好ましい。
【0038】
LiO以外のアルカリ金属酸化物成分、特にNaO成分およびKO成分が結晶化ガラス中に含有されると、これらの成分は結晶を構成せず、ガラスマトリックス中に残存するため移動が容易であり、時間の経過に伴ってこれらのアルカリ成分が拡散、溶出する。これらの溶出したアルカリ成分は例えば結晶化ガラス部材を基板として成膜を施した場合に、膜を汚染する原因となる。
本発明の結晶化ガラスはこれら成分を含有しなくとも、安定した組成となっているため、LiO以外のアルカリ金属酸化物を実質的に含有せず、特にNaO成分およびKO成分を実質的に含有しない。
【0039】
また、F成分はガラス溶融時に揮発し大気を汚染する恐れがあり好ましくない為、本発明の結晶化ガラスはF成分を実質的に含有しない。
ここで、実質的に含有しないとは、人為的に含有させないことを意味しており、不純物としてごく微量含有される場合も含まれる。
【0040】
本発明の結晶化ガラスに、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cuの各成分が含まれると着色してしまう為、着色を避けたい場合はこれらの成分は含まないことが好ましい。
【0041】
次に本発明の結晶化ガラスの製造方法について説明する。
まず出発原料として炭酸塩、酸化物などの原料を酸化物基準で上述の組成となるように調合、混合し、白金製の坩堝に投入した後、1300℃〜1700℃の温度で溶融する。次に得られた溶融ガラスを成形し徐冷する。徐冷後核形成のため650〜750℃で0.1〜200時間好ましくは10〜200時間第1の熱処理を行う。第1の熱処理後、核成長のため800℃〜1000℃で0.1〜50時間好ましくは5〜50時間第2の熱処理をする。
特に第2の熱処理において、少なくとも800℃以上の温度で、平均結晶粒子径が100nmを超える時間まで熱処理をすることがより好ましい。
上述の工程によって、本発明の結晶化ガラスが得られるが、第1の熱処理後、第2の熱処理として750℃〜800℃で0.1〜50時間好ましくは10〜50時間核成長をし、その後室温まで冷却した後、第3の熱処理として800〜1000℃で0.1〜50時間好ましくは5〜50時間再度核成長をさせるという工程によっても本発明の結晶化ガラスを得ることができる。
特に第3の熱処理において、少なくとも800℃以上の温度で平均結晶粒子径が100nmを超える時間まで熱処理をすることがより好ましい。
【0042】
本発明の結晶化ガラスは高い硬度を有し、ビッカース硬度で650以上である。上記第2の熱処理または第3の熱処理温度が高温になるに従い、ビッカース硬度も高くなる傾向にあり、熱処理の温度を制御することにより700以上、さらには710以上のビッカース硬度が得られる。ビッカース硬度の上限値としては800である。
本発明におけるビッカース硬度とは、測定条件として試料荷重2.94N、負荷速度30μm/sec、保持時間15secとし、その他の測定条件はJIS Z 2244に準じ測定された値である。
【0043】
本発明の具体的な態様について説明する。なお、本発明はこれらの態様に限定されるものではない。
【実施例】
【0044】
本発明の実施例を表1に表わす。
表1の組成のガラス原料を1400〜1600℃で溶融し、成形、徐冷した後650〜750℃で核形成、800〜1000℃で結晶化した。個々の実施例の結晶化条件の詳細については表1に示す。
得られた結晶化ガラスの主結晶相、0℃〜50℃における平均線膨張係数、20℃〜700℃における平均線膨張係数、主結晶相の平均結晶粒子径、厚さが0.1mmの時のC光に対するヘイズ値をそれぞれ表1に記載した。
【0045】
【表1】

【0046】
さらに実施例2と同様の組成のガラスを、熱処理条件を変えて結晶化した本願発明の結晶化ガラスについてビッカース硬度を測定した値を表2に示す。
【0047】
【表2】

【産業上の利用可能性】
【0048】
本発明の結晶化ガラスは良好な光拡散性を有しているので、光拡散部材としての利用に好適である。より詳しくは透過する光を拡散させる透過型の光拡散部材として、また、反射する光を拡散させる反射型の光拡散部材としても好適である。
【0049】
本発明の光拡散部材のヘイズ値は、良好な拡散性を得る為に、厚さが0.1mmの時のC光に対して、0.1%以上であることが好ましく、1%以上であることがより好ましく、5%以上であることが最も好ましい。
【0050】
ここでヘイズ値とは、上述の通り、拡散透過率÷平行光線透過率×100を意味するが、本発明で表されるヘイズ値とは以下の方法により測定されたものを言う。
すなわち、具体的には、20×20×0.1mmの板状の試料を用意し、その両面を光学研磨する。光学研磨が良好になされているかどうかは、研磨面に砂目が観察されないことにより容易に確認することができる。研磨された試料を洗浄した後、ヘイズメーター(「HGM−2DP」スガ試験機株式会社製)を用いて測定する。
【0051】
なお、C光とは、国際照明委員会(CIE)が規定した標準光Cである。これは色温度が6740°Kであり、一定の規定で点灯したガス入りタングステン電球に規定のフィルターをかけることにより得られる。この光の性質は青空の光を含む昼光に相当する。
【0052】
また、本発明の結晶化ガラスは、耐熱性が高く、平均線膨張係数が小さいため、ガラス、プラスチック、樹脂の成形用型、光学系ミラー部材、精密機器用定盤、建築用部材、装飾用部材等を得ることができる。
【0053】
また、本発明に係る上記部材は、本発明の結晶化ガラスのみからでも得ることができるが、表面に成膜を施したり、他の部材を組み合わせたりすることによっても得ることができる。前記成膜は蒸着(物理蒸着、化学蒸着等)、メッキ(電気メッキ、無電解メッキ、溶融メッキ等)、塗装、コーティング、印刷等の手段で表層上に新たな層を形成させることを言う。表面に金属層又は金属酸化物層を積層する方法としては、例えば、物理蒸着法、化学蒸着法、溶射法及びメッキ法が挙げられる。物理蒸着法としては、真空蒸着法、スパッタリング及びイオンプレーティングなどが適用でき、化学蒸着(CVD)法としては、熱CVD法、プラズマCVD法及び光CVD法等が適用できる。また、溶射法としては、大気圧プラズマ溶射法及び減圧プラズマ溶射法等が適用できる。メッキ法としては、無電解メッキ(化学メッキ)法、溶融メッキ及び電気メッキ法等が挙げられ、電気メッキ法においてはレーザーメッキ法を用いることができる。上述の様に本発明の結晶化ガラスはアルカリ溶出による汚染が皆無または極めて少ないため、このような成膜を施すにあたっても好適である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
質量%で、
SiO50〜62%、
Al22〜26%、
LiO 3〜5%、
の各成分を含有し、結晶相の平均結晶粒子径が100nmを超え、平均線膨張係数が0〜50℃の温度範囲で30×10−7/℃以下であることを特徴とする結晶化ガラス。
【請求項2】
質量%で、P成分を5〜10%含有し、SiO+P=55〜70%であり、P成分とSiO成分の質量比の値P/SiOが0.08〜0.20であることを特徴とする請求項1に記載の結晶化ガラス。
【請求項3】
質量%で、
TiO1〜4%、および/または
ZrO1〜4%、
の各成分を含有することを特徴とする請求項1または2に記載の結晶化ガラス。
【請求項4】
質量%で、
MgO 0.6〜2%、および/または
ZnO 0.1〜2%、および/または
CaO 0.3〜4%、および/または
BaO 0.5〜4%、
の各成分を含有することを特徴とする請求項1から3に記載の結晶化ガラス。
【請求項5】
質量%で、As成分を0〜2%含むことを特徴とする請求項1から4に記載の結晶化ガラス。
【請求項6】
質量%で、
SiO50〜62%、
5〜10%、
Al22〜26%、
LiO 3〜5%、
MgO 0.6〜2%、
ZnO 0.1〜2%、
CaO 0.3〜4%、
BaO 0.5〜4%、
TiO1〜4%、
ZrO1〜4%、
As0〜2%、
ただし、
SiO+P55〜70%、
質量比でP/SiO0.08〜0.20、
の範囲の各成分を含有することを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の結晶化ガラス。
【請求項7】
モル%で、
SiO55〜70%、
Al10〜25%、
LiO 5〜15%、
の各成分を含有し、結晶相の平均結晶粒子径が100nmを超え、平均線膨張係数が0〜50℃の温度範囲で30×10−7/℃以下であることを特徴とする結晶化ガラス。
【請求項8】
モル%で、P成分を2〜8%含有し、SiO+P=57〜78%であり、P成分とSiO成分のモル数の比の値P/SiOが0.02〜0.15であることを特徴とする請求項7に記載の結晶化ガラス。
【請求項9】
モル%で、
TiO1〜4%、および/または
ZrO0.5〜3%、
の各成分を含有することを特徴とする請求項7または8に記載の結晶化ガラス。
【請求項10】
モル%で、
MgO 0.5〜5%、および/または
ZnO 0.05〜2%、および/または
CaO 0.3〜7%、および/または
BaO 0.3〜4%、
の各成分を含有することを特徴とする請求項7から9に記載の結晶化ガラス。
【請求項11】
モル%で、As成分を0〜1%含むことを特徴とする請求項7から10のいずれかに記載の結晶化ガラス。
【請求項12】
モル%で、
SiO55〜70%、
2〜8%、
Al10〜25%、
LiO 5〜15%、
MgO 0.5〜5%、
ZnO 0.05〜2%、
CaO 0.3〜7%、
BaO 0.3〜4%、
TiO1〜4%、
ZrO0.5〜3%、
As0〜1%、
ただし、
SiO+P57〜78%、
質量比でP/SiO0.02〜0.15
の範囲の各成分を含有することを特徴とする請求項7から11のいずれかに記載の結晶化ガラス。
【請求項13】
平均線膨張係数が0〜50℃の温度範囲で−5×10−7/℃〜30×10−7/℃の範囲であることを特徴とする請求項1から12のいずれかに記載の結晶化ガラス。
【請求項14】
結晶化ガラスに含有されるMgO、ZnO、CaO、BaOの各成分の質量比(MgO+ZnO)/(MgO+ZnO+CaO+BaO)の値が1未満であることを特徴とする請求項1から13のいずれかに記載の結晶化ガラス。
【請求項15】
β−スポジュウメンおよび/またはβ−スポジュウメン固溶体を含有することを特徴とする請求項1から14のいずれかに記載の結晶化ガラス。
【請求項16】
NaO成分およびKO成分を実質的に含有しないことを特徴とする請求項1から15のいずれかに記載の結晶化ガラス。
【請求項17】
F成分を実質的に含有しないことを特徴とする請求項1から16のいずれかに記載の結晶化ガラス。
【請求項18】
ガラス原料を溶融、成形、徐冷後、結晶化処理条件として核形成温度が650〜750℃で0.1〜200時間、結晶化温度が800℃〜1000℃で0.1〜50時間熱処理することにより得られることを特徴とする請求項1から17のいずれかに記載の結晶化ガラス。
【請求項19】
ガラス原料を溶融、成形、徐冷後、結晶化処理条件として核形成温度が650〜750℃で0.1〜200時間、結晶化温度が750℃〜800℃で0.1〜50時間熱処理し、室温まで冷却後、再度800〜1000℃で0.1〜50時間熱処理することにより得られることを特徴とする請求項1から18のいずれかに記載の結晶化ガラス。
【請求項20】
請求項1から19に記載の結晶化ガラスから製造される光拡散部材。
【請求項21】
厚さが0.1mmの時のC光に対するヘイズ値が0.1%以上であることを特徴とする請求項20に記載の光拡散部材。
【請求項22】
請求項1から19に記載の結晶化ガラスから製造されるガラス、プラスチックあるいは樹脂の成形用型。
【請求項23】
請求項1から19に記載の結晶化ガラスから製造される光学系ミラー部材。
【請求項24】
請求項1から19に記載の結晶化ガラスから製造される精密機器用定盤。
【請求項25】
請求項1から19に記載の結晶化ガラスから製造される建築用部材。
【請求項26】
請求項1から19に記載の結晶化ガラスから製造される装飾用部材。
【請求項27】
ガラス原料を溶融する工程と、溶融したガラスを成形する工程と、成形したガラスを徐冷する工程と、徐冷後650〜750℃で0.1〜200時間第1の熱処理をする工程と、第1の熱処理後800℃〜1000℃で0.1〜50時間第2の熱処理をする工程を含むことを特徴とする結晶化ガラスの製造方法。
【請求項28】
ガラス原料を溶融する工程と、溶融したガラスを成形する工程と、成形したガラスを徐冷する工程と、徐冷後650〜750℃で0.1〜200時間第1の熱処理をする工程と、第1の熱処理後750℃〜800℃で0.1〜50時間第2の熱処理をする工程と、第2の熱処理後室温まで冷却し、その後800〜1000℃で0.1〜50時間第3の熱処理をする工程を含むことを特徴とする結晶化ガラスの製造方法。
【請求項29】
ガラス原料の組成が酸化物に換算した質量%で
SiO50〜62%、
5〜10%、
Al22〜26%、
LiO 3〜5%、
MgO 0.6〜2%、
ZnO 0.1〜2%、
CaO 0.3〜4%、
BaO 0.5〜4%、
TiO1〜4%、
ZrO1〜4%、
As0〜2%、
ただし、
SiO+P55〜70%、
質量比でP/SiO0.08〜0.20
の範囲の各成分を含有することを特徴とする請求項27または28に記載の結晶化ガラスの製造方法。
【請求項30】
ガラス原料の組成が酸化物に換算したモル%で、
SiO55〜70%、
2〜8%、
Al10〜25%、
LiO 5〜15%、
MgO 0.5〜5%、
ZnO 0.05〜2%、
CaO 0.3〜7%、
BaO 0.3〜4%、
TiO1〜4%、
ZrO0.5〜3%、
As0〜1%、
ただし、
SiO+P57〜78%、
モル比でP/SiO0.02〜0.15
の範囲の各成分を含有することを特徴とする請求項27または28に記載の結晶化ガラスの製造方法。
【請求項31】
ガラス原料に含有されるMgO、ZnO、CaO、BaOの各成分の酸化物に換算した質量比(MgO+ZnO)/(MgO+ZnO+CaO+BaO)の値が1未満であることを特徴とする請求項27から30のいずれかに記載の結晶化ガラスの製造方法。
【請求項32】
ビッカース硬度が650以上であることを特徴とする、請求項1から19のいずれかに記載の結晶化ガラス。

【公開番号】特開2006−232661(P2006−232661A)
【公開日】平成18年9月7日(2006.9.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−17055(P2006−17055)
【出願日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【出願人】(000128784)株式会社オハラ (539)
【Fターム(参考)】