説明

結晶構造の解析方法及び解析装置

【課題】収束電子線回折(CBED)像に現れる高次ラウエゾーン(HOLZ)線に基づいて結晶の格子定数又は格子歪み量の測定・解析を行う場合において、処理時間を短縮することができる技術を提供する。
【解決手段】情報処理装置を用いて、CBED像から得られるHOLZ線に基づいて格子定数を算出する結晶構造の解析方法であって、前記格子定数をパラメータとしてパラメータ設計手法を用いてシミュレーションによりHOLZ線の交点間距離の要因効果図を作成し、その作成した要因効果図から、前記格子定数をパラメータとする方程式を作成し、その作成した方程式に、観察された実際のHOLZ線の交点間距離を代入して格子定数を算出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、結晶構造の解析技術に関し、特に、結晶の格子定数の測定又は格子歪み量の測定等に適用して有効な技術に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明者が検討した技術として、例えば、結晶の格子定数の測定又は格子歪み量の測定等においては、以下の技術が考えられる。
【0003】
例えば、分析電子顕微鏡によって観察できる収束電子回折(CBED;Convergent−Beam Electron Diffraction、以下「CBED」という)像の高次ラウエゾーン(HOLZ;Highr Order Laue Zone、以下「HOLZ」という)線を利用して格子定数を求め、局所的な結晶の歪みを測定することが可能である。
【0004】
すなわち、CBED像に現れるHOLZ線の形は格子定数によって変化する。このため、HOLZ線の動きから格子定数が求められる。よって、CBED像よりHOLZ線を抽出し、パーソナルコンピュータ(以下、「PC」という)などを利用して格子定数を求めるソフトウエアが開発されている。従来のPC処理のアルゴリズムでは、格子定数を求める時に、格子定数3種類と拡大率1種類のパラメータを必要とし、1000通り以上の組合せでHOLZ線上の38箇所の交点間距離を計算し、誤差の一番小さい格子定数の組合せを解としていた(総当たりフィッティング法、例えば非特許文献1参照)。
【0005】
図18に、本発明の前提として検討した、PC処理におけるアルゴリズム概要を示す。
【非特許文献1】エイ・アーミグリアト(A.Armigliato)他、「アプリケーション・オブ・コンバージェント・ビーム・エレクトロン・ディフラクション・テュー・テューディメンジョナル・ストレイン・マッピング・イン・シリコン・デバイスズ(Application of convergent beam electron diffraction to two-dimensional strain mapping in silicon devices)」、アプライド・フィジックス・レターズ(Applied Physics letters)、(米国)、アメリカン・インスティテュート・オブ・フィジックス(American Institute of Physics)、2003年3月31日、第82巻、第13号、p.2172−2174
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、前記のような結晶の格子定数の測定又は格子歪み量の測定技術について、本発明者が検討した結果、以下のようなことが明らかとなった。
【0007】
例えば、前述の総当たりフィッティング法では、1000通り以上の組合せでのフィッティングが必要となるために、計算時間がかかる。
【0008】
また、CBED像の拡大率がそれぞれ異なるため、拡大率もフィッティングパラメータとして必要となる。
【0009】
そこで、本発明の目的は、CBED像に現れるHOLZ線に基づいて結晶の格子定数又は格子歪み量の測定・解析を行う場合において、処理時間を短縮することができる技術を提供することにある。
【0010】
本発明の前記並びにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述及び添付図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次のとおりである。
【0012】
すなわち、本発明による結晶構造の解析方法は、格子定数をパラメータとしてパラメータ設計手法を用いてシミュレーションによりHOLZ線の交点間距離の要因効果図を作成し、その作成した要因効果図から、前記格子定数をパラメータとする方程式を作成し、その作成した方程式に、観察された実際のHOLZ線の交点間距離を代入して格子定数を算出するものである。
【0013】
また、本発明による結晶構造の解析装置は、収束電子線を試料に照射する手段と、前記試料から出射されるHOLZ線を観測する手段と、観測された前記HOLZ線のパターンを計算処理する情報処理装置とを有し、その情報処理装置は、格子定数をパラメータとしてパラメータ設計手法を用いてシミュレーションにより前記HOLZ線の交点間距離の要因効果図を作成する手段と、その作成された要因効果図から、前記格子定数をパラメータとする方程式を作成する手段と、その作成された方程式に、観察された実際のHOLZ線の交点間距離を代入して格子定数を算出する手段とを有するものである。
【発明の効果】
【0014】
本願において開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、以下のとおりである。
【0015】
分析電子顕微鏡によって観察された実際のHOLZ線の交点間距離に基づいて格子定数又は歪み量を高速に求めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一部材には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0017】
図1は、本発明の一実施の形態による結晶構造解析装置(エネルギーフィルタ装置有り)の構成及び動作を示す図である。
【0018】
まず、図1により、本実施の形態による結晶構造解析装置の構成の一例を説明する。本実施の形態の結晶構造解析装置は、例えば、分析電子顕微鏡を利用したシステムとされ、TEM(Transmission Electoron Microscope)本体101、エネルギーフィルタ装置102、PC103などから構成される。TEM本体101は、電子銃104、レンズ105、対物絞り106などから構成される。エネルギーフィルタ装置102には、CCD(Charge Coupled Device)107が備えられている。PC103は、観測された高次ラウエゾーン線のパターンを計算処理する情報処理装置である。
【0019】
次に、図1に示した結晶構造解析装置の動作を説明する。まず、TEM本体101において、電子銃104から出射された電子線が円錐状に絞られ、観察試料108の微小領域に照射される。観察試料108に入射した電子線は、観察試料108によって回折され、電子線として出射される。この出射電子線は、エネルギーフィルタ装置102において、フィルタにかけられ、CCD107上に結像され、CBED像(HOLZ線パターン)が観測される。CCD107に結像されたCBED像は、CCD107によって電気信号に変換され、PC103によって処理されて、観察試料108の格子定数を算出できるようになっている。
【0020】
図2は、別の実施の形態による結晶構造解析装置(エネルギーフィルタ装置無し)の構成及び動作を示す図である。
【0021】
図2に示す結晶構造解析装置は、図1に示した結晶構造解析装置と比較して、エネルギーフィルタ装置102が無いものであり、CCD107の代わりにフィルム201でCBED像が撮影されるものである。
【0022】
フィルム201で撮影されたCBED像はスキャナ202で読み込まれ、スキャナ202で読み込まれたCBED画像はPC103に取り込まれ、PC103によって処理されて、観察試料108の格子定数が算出される。
【0023】
図3は本実施の形態による結晶構造解析装置のCBED測定原理、図4はその測定により得られるCBED像イメージを示す図である。
【0024】
図3に示すように、円錐状に収束された電子線301(プローブ径1nm)が観察試料108に入射し、観察試料108によって回折され、電子線として出射され、CBED像302が得られる。図4に示すように、CBED像302には、複数のHOLZ線401が現れる。
【0025】
次に、本発明の一実施の形態による結晶構造解析方法の一例を説明する。本実施の形態による結晶構造解析方法は、例えば図1又は図2に示した結晶構造解析装置を使用し、CBED画像をPC103に取り込み、HOLZ線上の交点間距離についての要因効果図より連立方程式を作成し、フィッティングなしでパラメータ(格子定数)を求めて格子歪み量を算出するものである。
【0026】
現在のモデルでは、求めるパラメータは、6つある格子定数(a,b,c,α,β,γ)のうちa,c,αの3つである。HOLZ線の動きの格子定数依存性を調べるために、上記3種類をパラメータとし、パラメータ設計手法を用いて、HOLZ線上の交点間距離全ての要因効果図を求めた。次に、求めた要因効果図より、格子定数の変化に敏感な交点間距離を3箇所選んだ。その結果、αは左右の非対称性より独立で解が求まり、a,cは2つの方程式を連立させれば、一度に解が求まることが分かった。よって、HOLZ線上の交点間距離についての要因効果図より連立方程式を作成し、瞬時にa,cが求められる方法を考えついた。
【0027】
実際には、CBED像の拡大率がそれぞれの像で異なる。しかし、要因効果図より、格子定数の変化に鈍感な交点間距離があることが分かった。この交点間距離で規格化を行えば、拡大率を意識せずに格子定数を求めることが可能となる。
【0028】
次に、本実施の形態による結晶構造解析方法における格子定数の求め方の一例を説明する。図5は、格子定数の算出に使用するHOLZ線の交点間距離を示す図である。図5において、交点間距離s7は規格化に用いたものであり、交点間距離L100,L102は格子定数αを求めるのに用いたものであり、交点間距離h6,S20は格子定数a,cを求めるのに用いたものである。また、交点間距離s7は格子定数に鈍感であり、交点間距離L100,L102,h6,S20は格子定数に敏感なものである。
【0029】
以下、本実施の形態による結晶構造解析方法における格子定数の求め方の具体的な手順を説明する。
【0030】
(手順1)
歪みのない場所と歪み量を求めたい場所でCBED像をPC103に読み込む。読み込んだCBED像より、画像処理を用いてHOLZ線を抽出する。図6はHOLZ線パターンの一例を示す図であり、(a)は歪みのない場所でのHOLZ線パターン(「HOLZ線1」とする)、(b)は歪みのある場所でのHOLZ線パターン(「HOLZ線2」とする)である。
【0031】
(手順2)
歪みのない部分の「HOLZ線1」から、実効電圧を求める。実効電圧(Eeff[KeV])と、交点間距離S20を交点間距離S7で規格化したS20/S7は図7のように線形な関係があることが分かったので、S20/S7を計算し、実効電圧を求める。本実施の形態では、S20/S7は0.79であったため、実効電圧は200.27である。なお、図7は、規格化した交点間距離S20と実効電圧との関係を示す図である。
【0032】
(手順3)
シミュレーションの入力パラメータは、格子定数a,c,αと実効電圧である。求めた実効電圧の条件下でL9直交表(図8)の3列にa,c,αを割り付け(図9)、9通りのシミュレーションを行う。なお、図8はL9直交表、図9はシミュレーション条件を示す図である。シミュレーション結果から、交点間距離h6を交点間距離s7で規格化したh6/s7(「Y1」とする)、交点間距離S20を交点間距離s7で規格化したS20/s7(「Y2」とする)、交点間距離L100と交点間距離L102との差を交点間距離s7で規格化した(L100−L102)/s7(「Y3」とする)の要因効果図をそれぞれ求める。図10にY1の要因効果図を、図11にY2の要因効果図を、図12にY3の要因効果図をそれぞれ示す。
【0033】
(手順4)
図12に示したY3の要因効果図より、次の(式1)が求まる。
【0034】
Y3=−1.66×α+148.96 (式1)
例えば、「HOLZ線2」のY3が0.00195であり、これを(式1)に代入すれば、歪みがある場所での格子定数α=90.00が求まる。
【0035】
(手順5)
図10及び図11に示したY1及びY2の要因効果図より、次の(式2)及び(式3)が求まる。
【0036】
Y1=−0.788×a−9.265×c+54.876 (式2)
Y2=−19.08×a−7.353×c+144.42 (式3)
例えば、「HOLZ線2」のY1が−0.0315、Y2が0.2537であり、これらを(式2)及び(式3)に代入して連立して解けば、格子定数a=5.4493、c=5.4627が求まる。図13に、本実施の形態による解析結果の一例を示す。この解析結果は、PC103上で処理され、その表示画面に表示される。
【0037】
(手順6)
図14は、格子定数cの値による要因効果図の傾きの違いを示す図である。図14に示すように、Y1及びY2の要因効果図は厳密には直線ではなく、格子定数a,cの値によって、傾きが若干変化する。例えば、c=5.3616と5.4316の間で傾きを求めると、−9.325であるのに対し、c=5.4316と5.5016の間で傾きを求めると、−9.205である。
【0038】
よって、(手順5)で求められた格子定数a,cの付近で±0.001[Å]の範囲で、もう一度要因効果図を求める。この要因効果図を用いてY1,Y2の連立方程式を求めると、次の(式4)及び(式5)が求まる。
【0039】
Y1=−0.924×a−9.268×c+55.633 (式4)
Y2=−18.99×a−7.486×c+144.58 (式5)
(手順5)と同様にして格子定数a,cを求めると、a=5.44707、c=5.46275となり、より高精度に解が求まる。
【0040】
(手順7)
確認のため、図15に、求められた格子定数a,c,αによるシミュレーション結果と「HOLZ線2」との重ね書きを示す。図15に示すように、よく一致していることが分かる。
【0041】
従来の方法のように、フィッティングで格子定数を求める場合は、拡大率と格子定数をふって求めなくてはならない。その場合に、拡大率や格子定数のフィッティング範囲がどの程度か分からず、最初は広い範囲でフィッティングし、次に範囲を狭くしてフィッティングするなどの工夫が必要となり、手間と計算時間がかかる。しかし、本実施の形態による結晶構造解析方法では、拡大率や格子定数の範囲を意識せず、最初にだいたいの近似解が得られる。精度良く解を求めたい場合は、近似解の付近でもう一度要因効果図を作成して方程式を解けば良い。よって、本実施の形態による結晶構造解析方法では高速に精度の良い格子定数の解が求められる。
【0042】
また、前記実施の形態による結晶構造解析方法を複数のポイントに適用した場合、解析時間が大幅に短縮可能である。例えば、100データを読み込んだときの解析時間は23秒であった。
【0043】
格子定数aとcの値の変化はせいぜい0.01[Å]程度なので、要因効果図は一度求めてしまえば、同じものが活用できる。よって、要因効果図を新たに求める必要はなく、連続した解析が可能となる。図16は、連続して6データを解析したときの解析結果の一例を示す図である。
【0044】
また、図10からも分かるように、規格化された交点間距離h6/s7(Y1)は格子定数cに大きく依存し、格子定数aにはあまり依存しない。したがって、Y1の数字より、格子定数cのおよその値が求まる。その誤差は、格子定数aの値が5.3616〜5.5016の間と考えて、±0.006である。
【0045】
例えば、「HOLZ線2」のY1は−0.03152であり、格子定数cは5.464と予想される。この場合の実際の解析結果は5.462であった。
【0046】
したがって、2つのHOLZ線の画像があった時に、画像を比較するだけで、どちらの格子定数cが伸びているかの判断が容易につく。
【0047】
また、要因効果図のデータテーブルを前もって作成し、本実施の形態による結晶構造解析方法の機能を分析電子顕微鏡に組み込むと、CBED像の観察と同時に歪み解析が可能となる。
【0048】
したがって、分析電子顕微鏡に組み込むことにより、HOLZ線の交点間距離の値を入力すれば瞬時に格子定数が求まるので、リアルタイムでの解析が可能となる。
【0049】
よって、従来のアルゴリズムでは、フィッティングを行っていたため、5分程度の解析時間を要したが、本実施の形態による結晶構造解析装置・方法によれば、方程式を解くため、解析結果が一瞬で得られ、解析時間の高速化の効果が得られる。
【0050】
特に、図17に示すように、一般の素子の歪み量解析では、素子の複数の部分(50ポイント程度)で、計算し、2次元分布を求めることが多い。従来のアルゴリズムでは、50ポイント解析するためにはほぼ半日かかっていた。しかし、本実施の形態による結晶構造解析装置・方法では、50ポイントの解析も1分以内で計算が完了するため、解析時間の高速化の効果が大きい。なお、図17は、歪み量解析のポイント例を示す図である。
【0051】
以上、本発明者によってなされた発明をその実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明は、半導体装置、電子機器等の製造業において、CBED測定モードを備えた分析電子顕微鏡を利用して結晶構造の解析を行う場合等に利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明の一実施の形態による結晶構造解析装置(エネルギーフィルタ装置有り)の構成及び動作を示す図である。
【図2】本発明の別の実施の形態による結晶構造解析装置(エネルギーフィルタ装置無し)の構成及び動作を示す図である。
【図3】本発明の一実施の形態による結晶構造解析装置のCBED測定原理を示す図である。
【図4】本発明の一実施の形態による結晶構造解析装置・方法の測定により得られるCBED像イメージを示す図である。
【図5】本発明の一実施の形態による結晶構造解析装置・方法において、格子定数の算出に使用するHOLZ線の交点間距離を示す図である。
【図6】(a)、(b)は、本発明の一実施の形態による結晶構造解析装置・方法において、HOLZ線パターンの一例を示す図であり、(a)は歪みのない場所でのHOLZ線パターン、(b)は歪みのある場所でのHOLZ線パターンである。
【図7】本発明の一実施の形態による結晶構造解析装置・方法において、規格化した交点間距離S20と実効電圧との関係を示す図である。
【図8】本発明の一実施の形態による結晶構造解析装置・方法において、L9直交表を示す図である。
【図9】本発明の一実施の形態による結晶構造解析装置・方法において、シミュレーション条件を示す図である。
【図10】本発明の一実施の形態による結晶構造解析装置・方法において、Y1の要因効果図を示す図である。
【図11】本発明の一実施の形態による結晶構造解析装置・方法において、Y2の要因効果図を示す図である。
【図12】本発明の一実施の形態による結晶構造解析装置・方法において、Y3の要因効果図を示す図である。
【図13】本発明の一実施の形態による結晶構造解析装置・方法による解析結果の一例を示す図である。
【図14】本発明の一実施の形態による結晶構造解析装置・方法において、格子定数cの値による要因効果図の傾きの違いを示す図である。
【図15】本発明の一実施の形態による結晶構造解析装置・方法において、求められた格子定数a,c,αによるシミュレーション結果とHOLZ線2の重ね書きを示す図である。
【図16】本発明の一実施の形態による結晶構造解析装置・方法において、連続して6データを解析したときの解析結果の一例を示す図である。
【図17】本発明の一実施の形態による結晶構造解析装置・方法において、歪み量解析のポイント例を示す図である。
【図18】本発明の前提として検討した、PC処理におけるアルゴリズム概要を示す図である。
【符号の説明】
【0054】
101 TEM本体
102 エネルギーフィルタ装置
103 PC
104 電子銃
105 レンズ
106 対物絞り
107 CCD
108 観察試料
201 フィルム
202 スキャナ
301 電子線
302 CBED像
401 HOLZ線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置を用いて、収束電子線回折像から得られる高次ラウエゾーン線に基づいて格子定数を算出する結晶構造の解析方法であって、
前記格子定数をパラメータとしてパラメータ設計手法を用いてシミュレーションにより前記高次ラウエゾーン線の交点間距離の要因効果図を作成する工程と、
前記要因効果図から、前記格子定数をパラメータとする方程式を作成する工程と、
前記方程式に、観察された実際の高次ラウエゾーン線の交点間距離を代入して格子定数を算出する工程とを有することを特徴とする結晶構造の解析方法。
【請求項2】
請求項1記載の結晶構造の解析方法において、
前記要因効果図を作成する際、前記格子定数を計算するための交点間距離を、前記格子定数による変化の少ない交点間距離で規格化することを特徴とする結晶構造の解析方法。
【請求項3】
請求項1又は2記載の結晶構造の解析方法において、
算出する前記格子定数は、a、c及びαであることを特徴とする結晶構造の解析方法。
【請求項4】
収束電子線回折像から得られる高次ラウエゾーン線に基づいて格子定数を算出する結晶構造の解析装置であって、
収束電子線を試料に照射する手段と、
前記試料から出射される高次ラウエゾーン線を観測する手段と、
観測された前記高次ラウエゾーン線のパターンを計算処理する情報処理装置とを有し、
前記情報処理装置は、
前記格子定数をパラメータとしてパラメータ設計手法を用いてシミュレーションにより前記高次ラウエゾーン線の交点間距離の要因効果図を作成する手段と、
前記要因効果図から、前記格子定数をパラメータとする方程式を作成する手段と、
前記方程式に、観察された実際の高次ラウエゾーン線の交点間距離を代入して格子定数を算出する手段とを有することを特徴とする結晶構造の解析装置。
【請求項5】
請求項4記載の結晶構造の解析装置において、
前記要因効果図を作成する手段は、前記格子定数を計算するための交点間距離を、前記格子定数による変化の少ない交点間距離で規格化する機能を備えることを特徴とする結晶構造の解析装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2007−57408(P2007−57408A)
【公開日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−243714(P2005−243714)
【出願日】平成17年8月25日(2005.8.25)
【出願人】(503121103)株式会社ルネサステクノロジ (4,790)
【Fターム(参考)】