説明

給湯装置

【課題】抗菌効果が消失するおそれがなく、菌の繁殖を抑制する効果が永続的に得られる給湯装置を得る。
【解決手段】浴槽2内の水を温める追い焚き装置3と、市水を供給する市水給水配管4と、市水を貯留し加熱させる貯湯タンク5と、貯湯タンク5内の湯水を流す貯湯配管6と、市水給水配管4および貯湯配管6内の水を混合させ、追い焚き装置3へ導く混合配管7と、混合配管7内の水を利用して抗菌作用水を生成する抗菌作用水生成装置8とを設け、抗菌作用水生成装置8に、ポリアニリンが塗布された陰極11、陽極12に電圧を印加する電圧印加手段13を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、給湯装置の配管内における菌やカビの繁殖を抑制する手段を備えた給湯装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、浴槽自動洗浄をおこなう給湯装置として、浴槽水の排水後、追焚き循環管路に浄水を導入して追焚き循環管路を洗浄することにより、次回の湯張り時には常に清潔な温水を湯張りできるものが知られている。しかしながら、この場合、追焚き循環管路に浄水を導入させるだけで、配管内に固着した湯垢などを除去することは困難であり、そのため、配管内に菌やカビなどが繁殖してしまうおそれがあった。そこで、銀イオンを含む水を配管内に流すことで、配管内の菌やカビなどの繁殖を抑制させる給湯装置が提案されている。
【0003】
例えば、通水管路に銀電極を設け、管路に流れる湯又は水に対し電気分解により銀イオンを溶解、混入させ、銀イオンの抗菌効果によりカビなどの繁殖を抑制させる給湯装置が提案されている。(例えば、特許文献1)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−183414号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、銀イオンは銀電極から溶出することで発生しているため、銀電極が全量溶出すると、カビや菌などの繁殖を抑制する効果が消失するという課題があった。
【0006】
本発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、抗菌効果が消失するおそれがなく、菌の繁殖を抑制する効果が永続的に得られる給湯装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明にかかる浴槽自動洗浄装置は、浴槽水循環配管、循環ポンプ、熱交換器を有する追い焚き装置と、前記追い焚き装置へ湯水を供給する給水配管と、前記給水配管に接続され、レドックスポリマーを塗布した陰極、陽極、及び両電極に電圧を印加する電圧印加手段を有する抗菌作用水生成装置とを備えたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0008】
本発明にかかる給湯装置は、酸化還元反応により生成される活性酸素種によって洗浄するため、抗菌作用を有する物質の成分生成部が消耗することがなく、カビや菌などの繁殖を抑制する効果が消失するおそれがないため、永続的に抗菌効果を持続することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】実施の形態1に係る給湯装置の構成を示す図
【図2】実施の形態1に係る給湯装置の抗菌作用水生成装置の構成を示す図
【図3】酸化還元反応によるポリアニリンの構造変化を示す図
【図4】実施の形態1に係る抗菌作用水の抗菌効果を経過時間に対する菌濃度で表した図
【図5】実施の形態1に係る給湯装置の配管洗浄動作を説明するフローチャートを示す図
【図6】実施の形態2に係る給湯装置の配管洗浄動作を説明するフローチャートを示す図
【図7】実施の形態3に係る給湯装置の構成を示す図
【図8】実施の形態3に係る給湯装置の配管洗浄動作を説明するフローチャートを示す図
【図9】実施の形態4に係る給湯装置の構成を示す図
【図10】実施の形態4に係る給湯装置の配管洗浄動作を説明するフローチャートを示す図
【図11】実施の形態5に係る給湯装置の構成を示す図
【図12】実施の形態5に係る給湯装置の配管洗浄動作を説明するフローチャートを示す図
【図13】実施の形態6に係る給湯装置の構成を示す図
【図14】実施の形態5に係る給湯装置の配管洗浄動作を説明するフローチャートを示す図
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明に係る給湯装置の好適な実施の形態について添付図面を参照して説明する。なお、これらの実施の形態によって本発明が限定されることはない。
実施の形態1.
本発明の実施の形態1に係る給湯装置について図1〜4を用いて説明する。図1は実施の形態1に係る給湯装置の構成の一例を示す図、図2は実施の形態1に係る給湯装置の抗菌作用水生成装置の構成の一例を示す図、図3は酸化還元反応によるポリアニリンの構造変化を示す図、図4は実施の形態1に係る抗菌作用水の抗菌効果を経過時間に対する菌濃度で表した図である。
【0011】
給湯装置1は、浴槽2と接続して使用される。図1に示すように、給湯装置1は、浴槽2内の水を温める追い焚き装置3と、市水を供給する市水給水配管4と、市水を貯留し加熱させる貯湯タンク5と、貯湯タンク5内の湯水を流す貯湯配管6と、市水給水配管4および貯湯配管6内の水を混合させ、追い焚き装置3へ導く混合配管7と、混合配管7内の水を利用して抗菌作用水を生成する抗菌作用水生成装置8と、浴槽水の排水を検知する検知部(図示せず)と、検知部の検出結果によって抗菌作用水生成装置8から抗菌作用水を放出させる他、市水、貯湯タンク内に貯留されている湯水、抗菌作用水生成装置8内に貯留されている湯水の流入を制御する制御部(図示せず)とを備えている。
【0012】
市水給水配管4には、市水の流量を調整する市水給水弁9が設けられており、市水給水弁9の開放により混合配管7へ市水が流入される。
【0013】
貯湯タンク5は、貯湯タンク5内の水を温める熱源器(図示せず)を備え、温められた市水は貯湯配管6を介して混合配管7へと供給される。貯湯配管6には、貯湯タンク5内から混合配管7へ供給される流量を調整する貯湯給水弁10が設けられ、貯湯給水弁10の開放により貯湯タンク5内の湯が混合配管7へ流入される。
【0014】
抗菌作用水生成装置8は、図2に示すように、混合配管7から分岐接続されている給水配管14および抗菌作用水配管15に接続され、給水配管14を介して混合配管7内の湯水が抗菌作用水生成装置8へ供給され、抗菌作用水配管15を介して抗菌作用水生成装置8内の湯水が混合配管7へ供給される。抗菌作用水配管15には湯水の流量を調整する抗菌作用水給水弁16が設けられ、抗菌作用水給水弁16の開放により抗菌作用水生成装置8内の湯水が混合配管7へ供給される。
【0015】
抗菌作用水生成装置8内には、ポリアニリンが塗布された導電性の陰極11、導電性の陽極12、及び両電極に電圧を印加させる為の電圧印加手段13が設けられている。また、抗菌作用水生成装置8内は、抗菌作用水生成装置8が混合配管7から供給された水で満杯になると、酸素が欠乏し活性酸素種が生成できなくなるおそれがあるため、常に酸素が存在する状態に保たれるよう構成されている。
【0016】
ここで、抗菌作用水生成装置8での抗菌作用水生成方法について、図3を用いて説明する。
陰極11に塗布されているポリアニリンに水が接触すると、水中の溶存酸素がポリアニリンによりマイナス電子還元され、活性酸素種であるスーパーオキシド(O)が生成される(式1)。
【0017】
+PAn(red)→O+PAn(ox) (式1)
【0018】
活性酸素種生成反応は主として陰極側で生じ、生成する活性酸素種もスーパーオキシドに限らず、ヒドロキシラジカル、過酸化水素といった物質も生成する。これらの活性酸素種を含む水は抗菌作用を持つことが知られている。
【0019】
ポリアニリンは、図3に示すように、活性酸素種を生成させることでマイナス電子を失い、活性酸素種生成能のない酸化型へと構造変化してしまうが、陰極11に、電圧印加手段13によって負電荷を印加させることで、陰極11に塗布されているポリアニリンに負電子が供給され、活性酸素種生成能のある還元型へと戻すことが可能である。
【0020】
よって、抗菌作用水生成装置8において、ポリアニリンが塗布された陰極11を浸水させ、陰極11に負電荷を印加させることで、永続的に活性酸素種を生成させ、抗菌作用水生成装置8内の貯留水に抗菌効果を付与させ続けることができる。
【0021】
なお、活性酸素種生成能のある還元型へと戻ってから、さらに通電を続けると、陰極11に塗布されているポリアニリンは完全還元型となり、活性酸素種生成能を失ってしまうが、電圧印加手段13が電圧極性切換手段を具備して陰極11に担持されたポリアニリンが完全還元型に構造変化する前に極性を反転させる、あるいは、ポリアニリンを担持した陰極11基材より酸化還元電位が大きな基材を連結させる構成とすることによって、電圧印加手段13が動作していないときにポリアニリンを回復させることが可能である。
【0022】
また、電極反応により過酸化水素水等の活性酸素種を生成させる方法として、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリアセンといったレドックスポリマーを担持させるという手段があげられる。レドックスポリマーとは、化学的重合、および電気的重合と重合方法に関わらず生成され、電子の授受により酸化状態あるいは還元状態を可逆的に変化する物質のことである。なかでも、ポリアニリンは反応が進行しやすく、効率的に活性酸素種が生成できるため、本実施の形態ではレドックスポリマーにポリアニリンを用いている。
【0023】
次に、生成された抗菌作用水の効果について説明する。図4に、抗菌作用水の塗布なし(a)、抗菌作用水の塗布あり(b)とで、時間の経過に対する菌濃度の変化を比較した結果を示す。その結果、抗菌作用水の塗布あり(b)の場合は、抗菌作用水の塗布なし(a)にくらべて約2倍の時間をかけて、菌の存在を視覚的に認知できる濃度まで達していることが見て取れる。
【0024】
つまり、抗菌作用水を散布することで、抗菌作用水の散布がない場合に比べ菌の繁殖が抑制されるため、通常目でみて菌の存在を認識できるといわれる菌濃度10^5cfu/mLに到達する時間が長くなるという効果が得られる。よって、給湯配管の衛生性を維持できるだけでなく、本特許で提案する給湯装置の使用者にとって、浴室の清掃頻度を低減することが可能となる。
【0025】
また、陰極11は、導電性、あるいはカーボンや金属等の通電補助材を分散添加した導電性の基材であることが好ましく、陽極12は、酸化腐食に耐性の高い、白金チタン、チタン、カーボンなどの基材であることが好ましい。
【0026】
ポリアニリンは通常、絶縁性の基材上に塗布すると10^3Ω/cm2以上の表面抵抗値となり、電極基材として使用するためには電圧の入力値を高くしなければならない。しかしそれでは、水の電気分解によって生じる水素や酸素が活性酸素種の生成を阻害する。そこで、導電性、あるいはカーボンや金属等の通電補助材を分散添加した導電性の基材にポリアニリンを担持することで電極基材の表面抵抗値を10^-3〜10^3Ω/ cm2程度とすることができる。これにより水素や酸素の副生成物が発生しない低電圧域においても活性酸素種を生成することができる。
【0027】
また、図2では、電極を、陽極12、陰極11それぞれ一つずつ配置したものを示しているが、これに限らず、電極対を複数対配置してもよい。また、陽極12一つに対して陰極11二つという構成を一対の電極とし、これを複数対配置してもよい。また、電極は必ずしも対向させて配置する必要はない。
【0028】
本実施の形態では、抗菌作用水生成装置8を混合配管7に設置したが、これに限らず、追い焚き装置3の上流であれば、給湯配管3もしくは貯湯配管6に設置しても良い。上流に設置させるほど、抗菌される配管領域が増えていく。
【0029】
追い焚き装置3は、浴槽2内の水を流入させる追い焚き配管17と、浴槽2内の水を追い焚き配管17内で循環させる循環ポンプ18と、追い焚き配管17内の水を加温させる熱交換器19とを備え、混合配管7の下流に接続されている。
【0030】
検知部(図示せず)は、例として、浴槽2内に貯留された湯の水位を検知する水位センサと水位センサによる水位の変化によって浴槽2水の排水を検知する手段や、浴槽2もしくは追い焚き配管17内の水圧変化によって浴槽2水の排水を検知する手段を用いたものなどが挙げられる。
【0031】
制御部(図示せず)は、市水給水弁9、貯湯給水弁10、抗菌作用水給水弁16の開閉動作を制御する。浴槽2内に貯留させるお湯の設定温度によって、市水給水弁9および貯湯給水弁10の開放を制御し、浴槽2内へ適温のお湯が流れるよう調整している。また、配管洗浄動作の際、各弁の開閉動作制御を行なっている。
【0032】
次に、本発明の実施の形態1に係る給湯装置の配管洗浄動作について図5を用いて説明する。図5は、本実施の形態1に係る給湯装置の配管洗浄動作の一例を表すフローチャートである。図5に示すように、検知部により浴槽水の排水が検知されると(S103)、排水検知信号に基づいて、制御部は市水給水配管4の市水給水弁9を開放させ(S104)、所定時間(n)経過後(S105)、市水給水弁9を閉じる(S106)。この動作により、混合配管7および追い焚き配管17内に一定量の市水が流下され、混合配管7および追い焚き配管17内の汚れがすすぎ流される。
【0033】
次に、市水給水配管4の市水給水弁9の閉信号に基づいて、抗菌作用水生成装置の抗菌作用水給水弁16を開放させ(S107)、所定時間(n)経過後(S108)、抗菌作用水給水弁16を閉じる(S109)。この動作により、混合配管7および追い焚き配管17内に抗菌作用水が流下され、混合配管7および追い焚き配管17内が洗浄される。その後、配管内を通過した抗菌作用水は、浴槽2の排水溝を通り排出される。
【0034】
抗菌作用水生成装置8にて抗菌作用水が抗菌効果のある濃度に達するまで活性酸素種を生成させるのに要する時間は、3〜12時間程度であり、抗菌作用水生成装置8内に水を貯留してから使用者が浴槽2の水を排水するまでの間に抗菌作用水生成装置8において抗菌作用水を生成し、抗菌効果のある濃度とすることが好ましい。
【0035】
このとき、抗菌作用水によって配管内の洗浄が行なえるとともに、浴槽2から排出された抗菌作用水が、浴槽の排水溝や浴室の排水溝に貯留されることにより、浴槽2の排水溝や浴室の排水溝の洗浄効果も期待できる。また、洗浄時は浴槽2に水が貯留されていないため、作用水は希釈されずに配管内を流下できるので、抗菌効果のある活性酸素種濃度とする時間が多くかからず、経済的である。
【0036】
その後、抗菌作用水給水弁16の閉信号に基づいて、再び市水給水配管4の市水給水弁9を開放させ(S110)、市水を混合配管7へ流下させる。流下した市水は、給水配管14を介して抗菌作用水生成装置8内にも供給されており、抗菌作用水生成装置8内の水量が一定量(n)に達したこと(もしくは、水の増加)が検出されると(S113)、抗菌作用水生成装置8内の電圧印加手段13を動作させる(S114)。抗菌作用水生成装置8の電圧印加手段13が動作することにより、活性酸素種が生成され、それにより、抗菌作用水生成装置8内に貯留された水に抗菌効果が付与され、次回の配管洗浄の際に使用する抗菌作用水が生成される。
【0037】
以上のように、本実施の形態によれば、配管内を洗浄する抗菌作用水が、活性酸素種を生成させてつくられているため、抗菌効果が消失するおそれがなく、菌の繁殖を抑制する効果が永続的に得られる給湯装置を提供することができる。
【0038】
実施の形態2
次に、本実施の形態2に係る給湯装置の配管洗浄動作の一例について図6を用いて説明する。図6は、本発明の実施の形態2に係る給湯装置の配管洗浄時の動作の一例を表すフローチャートである。この実施の形態2が実施の形態1と異なるのは、浴槽水の排出を条件に抗菌作用水による洗浄を行なう点である。その他の構成については実施の形態1と同一または同等である。なお、実施の形態1と同一または同等な構成部分については同一符号を付し、その説明は省略する。
【0039】
図6に示すように、検知部により浴槽水の排水が検知されると(S201)、制御部は市水給水配管4の市水給水弁9を開放させ(S202)、所定時間(n)経過後(S203)、市水給水弁9を閉じる(S204)。この動作により、混合配管7および追い焚き配管17内に一定量の市水が流下され、市水給水配管4および追い焚き配管17内の汚れがすすぎ流される。
【0040】
次に、市水給水配管4の市水給水弁9の閉信号に基づいて、抗菌作用水生成装置の抗菌作用水給水弁16を開放させ(S205)、所定時間(n)経過後(S206)、抗菌作用水給水弁16を閉じる(S207)。この動作により、混合配管7および追い焚き配管17内に抗菌作用水が流下され、市水給水配管4および追い焚き配管17内が洗浄される。その後、配管内を通過した抗菌作用水は、浴槽2の排水溝を通り排出される。
【0041】
このとき、抗菌作用水によって配管内の洗浄が行なえるとともに、浴槽2から排出された抗菌作用水が、浴槽の排水溝や浴室の排水溝に貯留されることにより、浴槽2の排水溝や浴室の排水溝の洗浄効果も期待できる。また、洗浄時は浴槽2に水が貯留されていないため、抗菌作用水は希釈されずに配管内を流下できるので、抗菌効果のある濃度まで活性酸素種を生成させる時間が多くかからず、経済的である。
【0042】
その後、抗菌作用水給水弁16の閉信号に基づいて、再び市水給水配管4の市水給水弁9を開放させ(S208)、市水を混合配管7へ流下させ、所定時間(n)経過後(S209)、市水給水弁9を閉じる(S210)。この動作により、再び混合配管7および追い焚き配管17内に一定量の市水が流下され、混合配管7および追い焚き配管17内の抗菌作用水がすすぎ流される。
【0043】
このとき、混合配管7を流下した市水は、給水配管14を介して抗菌作用水生成装置8内にも供給されており、抗菌作用水生成装置8内の貯湯量が一定量(n)に達したこと(もしくは、貯湯量の増加)が検出されると(S211)、抗菌作用水生成装置8内の電圧印加手段13を動作させる(S212)。抗菌作用水生成装置8の電圧印加手段13が動作することにより、活性酸素種が生成され、それにより、抗菌作用水生成装置8内に貯留された水に抗菌効果が付与され、次回の配管洗浄の際に使用する抗菌作用水が生成される。
【0044】
以上のように、本実施の形態によれば、配管内を洗浄する抗菌作用水が、活性酸素種を生成させてつくられているため、抗菌効果が消失するおそれがなく、菌の繁殖を抑制する効果が永続的に得られ、さらに、浴槽水排水後、自動で配管洗浄が実施されるため、入浴後その都度配管洗浄を設定する手間が省けるとともに、配管洗浄の行い忘れも防げる、使い勝手の良い給湯装置を提供することができる。
【0045】
実施の形態1、2では、抗菌作用水生成装置8を混合配管7に接続させているが、これに限らず、抗菌作用水生成装置8を市水給水配管4もしくは貯湯配管6に接続させる場合でも、同様の効果が得られる。
【0046】
また、実施の形態1、2では、浴槽2の水を排出させた場合の配管洗浄の例を示したが、浴槽2の水を排出させず、浴槽2および配管に貯留されている水に希釈されても抗菌効果のある濃度の高い抗菌作用水を流下させ、循環ポンプ18を作動させることで、浴槽2に水が存在している場合も、配管洗浄を行うことができる。
【0047】
実施の形態3
以上の実施の形態1〜2では、抗菌作用水生成装置8を追い焚き配管17とは独立した状態で配置しているが、これに限らず、追い焚き配管17より分岐させて抗菌作用水生成装置8を配置する場合でも同様の効果が得られる。以下、実施の形態3に係る給湯装置について図7を用いて説明する。図7は、本実施の形態3に係る給湯装置の構成の一例を示す図である。
【0048】
この実施の形態3が実施の形態2と異なるのは、追い焚き配管17より分岐させて抗菌作用水生成装置8を配置する点である。その他の構成については実施の形態2と同一または同等である。なお、実施の形態2と同一または同等な構成部分については同一符号を付し、その説明は省略する。
【0049】
図7に示すように、抗菌作用水生成装置8は、追い焚き配管17から分岐接続され湯水を抗菌作用水生成装置8へ給水する給水配管14と、追い焚き配管17へ合流し抗菌作用水生成装置8内で生成された抗菌作用水を追い焚き配管17へ流す抗菌作用水配管15とに接続されている。
【0050】
給水配管14は、追い焚き配管17の、循環ポンプ18により追い焚き配管17の水を循環させた場合の循環ポンプ18よりも上流に、分岐接続され、抗菌作用水配管15は、追い焚き配管17の、循環ポンプ18により追い焚き配管17の水を循環させた場合の循環ポンプ18よりも下流側に、接続されている。また、抗菌作用水配管15には、抗菌作用水の流量を調整する抗菌作用水給水弁16が設けられている。
【0051】
次に、本実施の形態3に係る給湯装置の配管洗浄動作の一例について図8を用いて説明する。図8は、本実施の形態3に係る給湯装置の配管洗浄動作の一例を示すフローチャートである。図8に示すように、検知部により浴槽水の排水が検知されると(S301)、制御部は市水給水配管4の市水給水弁9を開放させ(S302)、所定時間(n)経過後(S303)、市水給水弁9を閉じる(S304)。この動作により、混合配管7および追い焚き配管17内に一定量の市水が流下され、市水給水配管4および追い焚き配管17内の汚れがすすぎ流される。
【0052】
次に、市水給水配管4の市水給水弁9の閉信号に基づいて、抗菌作用水生成装置の抗菌作用水給水弁16を開放させ(S305)、所定時間(n10)経過後(S306)、抗菌作用水給水弁16を閉じる(S307)。それと同時に、循環ポンプ18を駆動させ(S308)、抗菌作用水生成装置8から抗菌作用水配管15を通って放出された生成水を追い焚き配管17内に循環させる。この動作により、追い焚き配管17内に抗菌作用水が行き渡り、追い焚き配管17内が洗浄される。その後、配管内を通過した抗菌作用水は、浴槽2の排水溝を通り排出される。
【0053】
このとき、抗菌作用水によって配管内の洗浄が行なえるとともに、浴槽2から排出された抗菌作用水が、浴槽の排水溝や浴室の排水溝に貯留されることにより、浴槽2の排水溝や浴室の排水溝の洗浄効果も期待できる。また、洗浄時は浴槽2に水が貯留されていないため、抗菌作用水は希釈されずに配管内を流下できるので、抗菌効果のある濃度まで活性酸素種を生成させる時間が多くかからず、経済的である。
【0054】
その後、抗菌作用水給水弁16の閉信号に基づいて、再び市水給水配管4の市水給水弁9を開放させ(S309)、市水を混合配管7へ流下させ、所定時間(n11)経過後(S310)、市水給水弁9を閉じる(S311)。この動作により、再び混合配管7および追い焚き配管17内に一定量の市水が流下され、混合配管7および追い焚き配管17内の抗菌作用水がすすぎ流される。
【0055】
このとき、混合配管7を流下した市水は、給水配管14を介して抗菌作用水生成装置8内にも供給されており、抗菌作用水生成装置8内の貯湯量が一定量(n12)に達したこと(もしくは、貯湯量の増加)が検出されると(S312)、抗菌作用水生成装置8内の電圧印加手段13を動作させる(S313)。抗菌作用水生成装置8の電圧印加手段13が動作することにより、活性酸素種が生成され、それにより、抗菌作用水生成装置8内に貯留された水に抗菌効果が付与され、次回の配管洗浄の際に使用する抗菌作用水が生成される。
【0056】
以上のように、抗菌作用水生成装置8を追い焚き配管17より分岐させて循環ポンプ18を挟んだ位置に配置することで、実施の形態1、2と同様に、配管内を洗浄する抗菌作用水が、活性酸素種を生成させてつくられているため、抗菌効果が消失するおそれがなく、菌の繁殖を抑制する効果が永続的に得られる給湯装置を提供することができる。
【0057】
実施の形態4
以上の実施の形態1、2では、抗菌作用水生成装置8を追い焚き配管17とは独立した状態で配置しているが、これに限らず、追い焚き配管17より分岐させて抗菌作用水生成装置8を配置する場合でも同様の効果が得られる。以下、実施の形態4に係る給湯装置について図9を用いて説明する。図9は、本実施の形態4に係る給湯装置の構成の一例を示した図である。
【0058】
この実施の形態4が実施の形態2と異なるのは、追い焚き配管17より分岐させて抗菌作用水生成装置8を配置する点である。その他の構成については実施の形態2と同一または同等である。なお、実施の形態2と同一または同等な構成部分については同一符号を付し、その説明は省略する。
【0059】
図9に示すように、抗菌作用水生成装置8は、循環ポンプ18により追い焚き配管17の水を循環させた場合の循環ポンプ18よりも下流側にあたる箇所に配置されており、追い焚き配管17から分岐接続され湯水を抗菌作用水生成装置8へ給水する給水配管14と、追い焚き配管17へ合流し抗菌作用水生成装置8内で生成された抗菌作用水を追い焚き配管17へ流す抗菌作用水配管15とに接続されている。給水配管14には給水ポンプ20が設けられ、追い焚き配管17内の水を吸い上げ、抗菌作用水生成装置8内へ供給させる。また、抗菌作用水配管15には、抗菌作用水の流量を調整する抗菌作用水給水弁16が設けられている。
【0060】
次に、本実施の形態4に係る給湯装置の配管洗浄動作の一例について図10を用いて説明する。図10は、本実施の形態4に係る給湯装置の配管洗浄動作の一例を示すフローチャートである。図10に示すように、検知部により浴槽水の排水が検知されると(S401)、制御部は市水給水配管4の市水給水弁9を開放させ(S402)、所定時間(n13)経過後(S403)、市水給水弁9を閉じる(S404)。この動作により、混合配管7および追い焚き配管17内に一定量の市水が流下され、市水給水配管4および追い焚き配管17内の汚れがすすぎ流される。
【0061】
次に、市水給水配管4の市水給水弁9の閉信号に基づいて、抗菌作用水生成装置の抗菌作用水給水弁16を開放させ(S405)、所定時間(n14)経過後(S406)、抗菌作用水給水弁16を閉じる(S407)。この動作により、追い焚き配管17内に抗菌作用水が行き渡り、追い焚き配管17内が洗浄される。その後、配管内を通過した抗菌作用水は、浴槽2の排水溝を通り排出される。
【0062】
このとき、抗菌作用水によって配管内の洗浄が行なえるとともに、浴槽2から排出された抗菌作用水が、浴槽の排水溝や浴室の排水溝に貯留されることにより、浴槽2の排水溝や浴室の排水溝の洗浄効果も期待できる。また、洗浄時は浴槽2に水が貯留されていないため、抗菌作用水は希釈されずに配管内を流下できるので、抗菌効果のある濃度まで活性酸素種を生成させる時間が多くかからず、経済的である。
【0063】
その後、抗菌作用水給水弁16の閉信号に基づいて、再び市水給水配管4の市水給水弁9を開放させ(S408)、市水を混合配管7へ流下させ、所定時間(n15)経過後(S409)、市水給水弁9を閉じる(S410)。この動作により、再び混合配管7および追い焚き配管17内に一定量の市水が流下され、混合配管7および追い焚き配管17内の抗菌作用水がすすぎ流される。
【0064】
また、このとき、市水給水弁9の2回目の開信号に基づいて、給水ポンプ20が駆動し(S411)、この動作により、混合配管7を流下した市水は、給水配管14を介して抗菌作用水生成装置8内にも供給され、抗菌作用水生成装置8内の貯湯量が一定量(n16)に達したこと(もしくは、貯湯量の増加)が検出されると(S113)、抗菌作用水生成装置8内の電圧印加手段13を動作させる(S114)。抗菌作用水生成装置8の電圧印加手段13が動作することにより、活性酸素種が生成され、それにより、抗菌作用水生成装置8内に貯留された水に抗菌効果が付与され、次回の配管洗浄の際に使用する抗菌作用水が生成される。
【0065】
以上のように、抗菌作用水生成装置8を、循環ポンプ18により追い焚き配管17の水を循環させた場合の下流側にあたる箇所に配置することで、実施の形態1、2と同様に、配管内を洗浄する抗菌作用水が、活性酸素種を生成させてつくられているため、抗菌効果が消失するおそれがなく、菌の繁殖を抑制する効果が永続的に得られる給湯装置を提供することができる。
【0066】
本実施の形態では、抗菌作用水生成装置8へ市水を供給させる方法として、給水配管14に給水ポンプ20を設けて動作させたが、これに限らず、循環ポンプを設けなくとも、各配管に高低差を設けることで、抗菌作用水生成装置8へ市水を供給させる方法などでも良い。なお、本実施の形態は本発明の一例を示したものであり、これにより本発明が限定されることはない。
【0067】
実施の形態5
以上の実施の形態1〜3では、抗菌作用水生成装置8を追い焚き配管17とは独立した状態で配置しているが、これに限らず、追い焚き配管17より分岐させて抗菌作用水生成装置8を配置する場合でも同様の効果が得られる。以下、実施の形態5に係る給湯装置について図11を用いて説明する。図11は、本実施の形態5に係る給湯装置の構成の一例を示した図である。
【0068】
この実施の形態5が実施の形態2と異なるのは、追い焚き配管17より分岐させて抗菌作用水生成装置8を配置する点である。その他の構成については実施の形態2と同一または同等である。なお、実施の形態2と同一または同等な構成部分については同一符号を付し、その説明は省略する。
【0069】
図11に示すように、抗菌作用水生成装置8は、循環ポンプ18により追い焚き配管17の水を循環させた場合の、循環ポンプ18よりも上流側にあたる箇所に配置されており、追い焚き配管17から分岐接続され湯水を抗菌作用水生成装置8へ給水する給水配管14と、追い焚き配管17へ合流し抗菌作用水生成装置8内で生成された抗菌作用水を追い焚き配管17へ流す抗菌作用水配管15とに接続されている。抗菌作用水配管14には給水ポンプ20が設けられ、抗菌作用水生成装置8内で生成された抗菌作用水を吸い上げ、追い焚き配管17へ供給させる。また、抗菌作用水配管15には、抗菌作用水の流量を調整する抗菌作用水給水弁16が設けられている。
【0070】
次に、本実施の形態5に係る給湯装置の配管洗浄動作の一例について図12を用いて説明する。図12は、本実施の形態5に係る給湯装置の配管洗浄動作の一例を示すフローチャートである。
図12に示すように、検知部により浴槽水の排水が検知されると(S501)、制御部は市水給水配管4の市水給水弁9を開放させ(S502)、所定時間(n17)経過後(S503)、市水給水弁9を閉じる(S504)。この動作により、混合配管7および追い焚き配管17内に一定量の市水が流下され、市水給水配管4および追い焚き配管17内の汚れがすすぎ流される。
【0071】
次に、市水給水配管4の市水給水弁9の閉信号に基づいて、抗菌作用水生成装置8の抗菌作用水給水弁16を開放させ(S505)、それと同時に、給水ポンプ20を駆動させて(S506)、抗菌作用水生成装置8で生成された抗菌作用水を追い焚き配管17に吸い上げ、循環ポンプ18を駆動させ(S507)、抗菌作用水生成装置8から抗菌作用水配管15を通って放出された生成水を追い焚き配管17内で循環させ、所定時間(n18)経過後(S508)、抗菌作用水給水弁16を閉じる(S509)。
【0072】
この動作により、追い焚き配管17内に抗菌作用水が流下され、追い焚き配管17内が洗浄される。その後、配管内を通過した抗菌作用水は、浴槽2の排水溝を通り排出される。このとき、抗菌作用水によって配管内の洗浄が行なえるとともに、浴槽2から排出された抗菌作用水が、浴槽の排水溝や浴室の排水溝に貯留されることにより、浴槽2の排水溝や浴室の排水溝の洗浄効果も期待できる。また、洗浄時は浴槽2に水が貯留されていないため、抗菌作用水は希釈されずに配管内を流下できるので、抗菌効果のある濃度まで活性酸素種を生成させる時間が多くかからず、経済的である。
【0073】
その後、抗菌作用水給水弁16の閉信号に基づいて、再び市水給水配管4の市水給水弁9を開放させ(S510)、市水を混合配管7へ流下させ、所定時間(n19)経過後(S511)、市水給水弁9を閉じる(S512)。この動作により、再び混合配管7および追い焚き配管17内に一定量の市水が流下され、混合配管7および追い焚き配管17内の抗菌作用水がすすぎ流される。
【0074】
このとき、混合配管7を流下した市水は、給水配管14を介して抗菌作用水生成装置8内にも供給されており、抗菌作用水生成装置8内の貯湯量が一定量(n20)に達したこと(もしくは、貯湯量の増加)が検出されると(S513)、抗菌作用水生成装置8内の電圧印加手段13を動作させる(S514)。抗菌作用水生成装置8の電圧印加手段13が動作することにより、活性酸素種が生成され、それにより、抗菌作用水生成装置8内に貯留された水に抗菌効果が付与され、次回の配管洗浄の際に使用する抗菌作用水が生成される。
【0075】
以上のように、抗菌作用水生成装置8を、循環ポンプ18により追い焚き配管17の水を循環させた場合の上流側にあたる箇所に配置することで、実施の形態1、2と同様に、配管内を洗浄する抗菌作用水が、活性酸素種を生成させてつくられているため、抗菌効果が消失するおそれがなく、菌の繁殖を抑制する効果が永続的に得られる給湯装置を提供することができる。
【0076】
本実施の形態では、抗菌作用水生成装置8で生成された抗菌作用水を追い焚き配管16へ供給させる方法として、給水配管14に給水ポンプ20を設けて動作させたが、これに限らず、循環ポンプを設けなくとも、各配管に高低差を設けることで、抗菌作用水生成装置8へ市水を供給させる方法などでも良い。なお、本実施の形態は本発明の一例を示したものであり、これにより本発明が限定されることはない。
【0077】
実施の形態6
次に、実施の形態6に係る給湯装置について図13を用いて説明する。図13は、本実施の形態6に係る給湯装置の構成の一例を示した図である。
この実施の形態6が実施の形態2と異なるのは、抗菌作用水生成装置8に接続された給水配管14に微小泡発生器21を配置している点である。その他の構成については実施の形態2と同一または同等である。なお、実施の形態2と同一または同等な構成部分については同一符号を付し、その説明は省略する。
【0078】
図13に示すように、抗菌作用水生成装置8に接続された給水配管14には、微小泡発生器21が接続されている。抗菌作用水生成装置8に接続された給水配管14に水が流入されると、水が微小泡発生器21を通過することで微小泡が発生し、水の溶存酸素濃度が増加し、活性酸素種の生成効率が向上する。さらに、配管内に微小泡が供給されることで、一般にマイクロバブルといわれる非常に微小な泡自身で、配管内の汚れを洗浄することができる。
【0079】
次に、実施の形態6に係る給湯装置の配管洗浄動作の一例について図14を用いて説明する。図14は、本実施の形態6に係る給湯装置の動作の一例を説明するフローチャートを示す図である。図14に示すように、検知部により浴槽水の排水が検知されると(S601)、制御部は市水給水配管4の市水給水弁9を開放させ(S602)、所定時間(n21)経過後(S603)、市水給水弁9を閉じる(S604)。この動作により、混合配管7および追い焚き配管17内に一定量の市水が流下され、市水給水配管4および追い焚き配管17内の汚れがすすぎ流される。
【0080】
次に、市水給水配管4の市水給水弁9の閉信号に基づいて、抗菌作用水生成装置の抗菌作用水給水弁16を開放させ(S605)、所定時間(n22)経過後(S606)、抗菌作用水給水弁16を閉じる(S607)。この動作により、混合配管7および追い焚き配管17内に抗菌作用水が流下され、市水給水配管4および追い焚き配管17内が洗浄される。その後、配管内を通過した抗菌作用水は、浴槽2の排水溝を通り排出される。
【0081】
このとき、抗菌作用水によって配管内の洗浄が行なえるとともに、浴槽2から排出された抗菌作用水が、浴槽の排水溝や浴室の排水溝に貯留されることにより、浴槽2の排水溝や浴室の排水溝の洗浄効果も期待できる。また、洗浄時は浴槽2に水が貯留されていないため、抗菌作用水は希釈されずに配管内を流下できるので、抗菌効果のある濃度まで活性酸素種を生成させる時間が多くかからず、経済的である。
【0082】
その後、抗菌作用水給水弁16の閉信号に基づいて、再び市水給水配管4の市水給水弁9を開放させ(S608)、市水を混合配管7へ流下させ、所定時間(n23)経過後(S609)、市水給水弁9を閉じる(S610)。この動作により、再び混合配管7および追い焚き配管17内に一定量の市水が流下され、混合配管7および追い焚き配管17内の抗菌作用水がすすぎ流される。
【0083】
このとき、混合配管7を流下した市水は、給水配管14を介して抗菌作用水生成装置8内にも供給される。このとき、市水が給水配管14内に設置された微発泡発生器13を通過すると、微発泡が発生し、抗菌作用水生成装置8内には溶存酸素濃度が増加した水が供給されるとともに、微小な泡自身で給湯装置の配管内の汚れを洗浄し、活性酸素種による洗浄との相乗効果が得られる。
【0084】
抗菌作用水生成装置8内の貯湯量が一定量(n24)に達したこと(もしくは、貯湯量の増加)が検出されると(S611)、抗菌作用水生成装置8内の電圧印加手段13を動作させる(S612)。抗菌作用水生成装置8の電圧印加手段13が動作することにより、活性酸素種が生成され、それにより、抗菌作用水生成装置8内に貯留された水に抗菌効果が付与され、次回の配管洗浄の際に使用する抗菌作用水が生成される。
【0085】
以上のように、本実施の形態によれば、配管内を洗浄する抗菌作用水が、活性酸素種を生成させてつくられているため、抗菌効果が消失するおそれがなく、菌の繁殖を抑制する効果が永続的に得られ、さらに、活性酸素種の短時間での生成が可能で、経済的効果が得られるとともに、より洗浄効果の高い給湯装置を提供することができる。
【0086】
本実施の形態では、微発泡発生器13を抗菌作用水生成装置8に接続された給水配管14に配置したが、これに限らず、抗菌作用水生成装置8の上流であればどの位置でも良い。なお、抗菌作用水生成装置8の上流以外に微発泡発生器13を設けても、微発泡により配管内の汚れが洗浄され、活性酸素種による洗浄との相乗効果が得られる。
【0087】
なお、実施の形態1〜6では、すすぎとして使用される水、抗菌作用水生成装置8に貯留される水が市水である場合を例として示したが、これに限らず、貯湯タンク5内の湯あるいは、市水と貯湯タンク5内の湯の両方でも良い。
【0088】
また、本発明でいう活性酸素種とは、スーパーオキシド(O)、ヒドロキシラジカル(・OH)、過酸化水素(H)、一重項酸素()、オゾン(O)等、分子状酸素である三重項酸素(O)より活性化された酸素、及びその関連分子のことである。
【0089】
本発明でいう抗菌とは、微生物や菌、カビなどの繁殖を抑制することである。
【産業上の利用可能性】
【0090】
本発明の活用例として風呂用の給湯装置を例に説明してきたが、水道水の抗菌技術、あるいはプール供与水の抗菌技術としても利用可能なものである。
【符号の説明】
【0091】
1 給湯装置、2 浴槽、3 追い焚き装置、4 市水給水配管、5 貯湯タンク、6 貯湯管、7 混合配管、8 抗菌作用水生成装置、9 市水給水弁、10 貯湯給水弁、11 陰極、12 陽極、13 電圧印加手段、14 給水配管、15 抗菌作用水配管、16 抗菌作用水給水弁、17 追い焚き配管、18 循環ポンプ、19 熱交換器、20 給水ポンプ、21 微小泡発生器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
浴槽水循環配管、循環ポンプ、熱交換器を有する追い焚き装置と、
前記追い焚き装置へ湯水を供給する給水配管と、
前記給水配管に接続され、レドックスポリマーを塗布した陰極、陽極に電圧を印加する電圧印加手段を有する抗菌作用水生成装置と
を備えたことを特徴とする給湯装置。
【請求項2】
浴槽水循環配管、循環ポンプ、熱交換器を有する追い焚き装置と、
前記追い焚き装置へ湯水を供給する第一の給水配管と、
前記第一の給水配管から分岐接続された第二の給水配管と、
前記第二の給水配管からの湯水を貯留し、レドックスポリマーを塗布した陰極、陽極に電圧を印加する電圧印加手段を有する抗菌作用水生成装置と、
前記抗菌作用水生成装置に貯留された湯水を前記第一の給水配管へ供給する抗菌作用水配管と
を備えたことを特徴とする給湯装置。
【請求項3】
浴槽へ湯水を供給する給水配管と、
前記給水配管に接続され、浴槽水循環配管、循環ポンプ、熱交換器を有する追い焚き装置と、
浴槽水循環配管に接続され、レドックスポリマーを塗布した陰極、陽極に電圧を印加する電圧印加手段を有する抗菌作用水生成装置と
を備えたことを特徴とする給湯装置。
【請求項4】
前記抗菌作用水生成装置に貯留された湯水の放出を調整する開閉弁と、
浴槽内の水が排出されたことを検知する検知部と、
前記検知部の検知結果に基づいて、前記開閉弁を開放するよう制御する制御部と、
を備えたことを特徴とする請求項1〜3の少なくともいずれか1つに記載の給湯装置。
【請求項5】
前記レドックスポリマーは、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリアセンのいずれかであることを特徴とする請求項1〜4の少なくともいずれか1つに記載の給湯装置。
【請求項6】
前記抗菌作用水生成装置よりも上流に、微小泡発生器を配置させたことを特徴とする請求項1〜5の少なくともいずれか1つに記載の給湯装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−127617(P2012−127617A)
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−281781(P2010−281781)
【出願日】平成22年12月17日(2010.12.17)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】