説明

給電制御システム、ルータ装置、給電制御方法、および給電制御プログラム

【課題】モバイルワイヤレスルータ装置に無線接続したモバイル機器に対して、このモバイルワイヤレスルータ装置から適切に給電を行うこと。
【解決手段】モバイルルータ装置201が、当該モバイルルータ装置201に対して無線接続したモバイル機器(モバイル端末)に対してモバイルルータ装置201の充電用電池から給電を行う給電制御部110と、モバイル端末から残りバッテリー量を示す情報を取得すると共に、このバッテリー量情報とモバイルルータ装置のバッテリー残量、そしてモバイル端末のモバイルルータ装置に対する通信接続状況および外部ネットワークに対する接続状況に基づいて電池残量を推測するメイン制御部100を備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モバイルワイヤレスルータに対して無線接続したモバイル機器に対して、モバイルワイヤレスルータから給電を行う給電制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
常時携帯されることが考慮されたスマートフォンなどのモバイル機器においては、持ち運びに適したサイズとして搭載可能なバッテリーの大きさも小さなサイズに限られてしまうため、モバイル機器には大容量のバッテリを搭載することができず、動作時間が短くなってしまうという不都合がある。
【0003】
一方、近年モバイルワイヤレスルータはバッテリー容量が大きく、サイズが大型の2次電池を搭載し、これまでのモバイルワイヤレスルータに比して動作時間の長いものが利用されるようになってきている。
【0004】
このため、電源確保が困難な外出時などに、スマートフォンなどのモバイル機器のバッテリー残量が低下した際に、バッテリー容量の大きなモバイルワイヤレスルータを持ち運び可能な給電装置(モバイル電源)として利用することでモバイル機器を充電し、これにより、モバイル機器の稼働時間を延ばすことが可能となる。
【0005】
一方で、モバイルワイヤレスルータがモバイル機器にすべての電力を供給してしまうと、自らがワイヤレスルータとして動作できなくなってしまうという不都合がある。すなわち、モバイルワイヤレスルータが接続されているモバイル機器に対して給電を行なう場合、モバイルワイヤレスルータまたはモバイル機器のどちらか一方が先にバッテリー残量不足で動作不能になっても、使用上不便となってしまう。
【0006】
これに対する関連技術として、USBケーブルで相互に接続されたPDA(スレーブ側)およびコンピュータ(マスター側)におけるPDAからPDAの稼働残り時間がコンピュータに送信され、コンピュータの電源制御部がこの稼働残り時間に応じてPDAの充電電池への給電(充電)を行う、または充電電池への給電(充電)を停止するシステムが開示されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2005−287278号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記特許文献1に記載の関連技術では、充電電池の電圧レベルと予め設定された閾値とを比較し、電池の電圧レベルが閾値以下の場合にスレーブとしてコンピュータ(携帯電話機)に充電不可を通知し、これに基づき充電動作を制御するものであり、スレーブにおける動作内容が正確にマスター側に通知されないため、スレーブにおける稼働残り時間(つまり、バッテリー残量)を正確に予測することができず、このため、マスター側およびスレーブ側それぞれにおける必要な電力に適応した形で給電動作を制御することができないという不都合があった。
【0009】
[発明の目的]
本発明は、上記関連技術の有する不都合を改善し、モバイルワイヤレスルータ装置に無線LAN接続したモバイル機器に対してモバイルワイヤレスルータ装置から給電を行い且つこの給電動作を有効に制御する給電制御システム、ルータ装置、給電制御方法、および給電制御プログラムを提供することを、その目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、本発明に係る給電制御システムは、外部ネットワークに対して無線通信接続を行うルータ装置と、前記ルータ装置に対して無線接続すると共に当該ルータ装置を経由して前記外部ネットワークに対する通信接続を行う無線通信端末とを備えた給電制御システムであって、前記ルータ装置は、当該ルータ装置に対して無線接続した前記無線通信端末に対して当該ルータ装置内に予め設けられた充電用電池から前記無線通信端末に対して給電を行う給電部と、前記無線通信端末から当該無線通信端末の有する端末内電池の残りバッテリー量を示す端末電池残量情報を取得する残量情報取得部と、前記充電用電池の残りバッテリー量を示す自己電池残量情報、前記端末電池残量情報、前記無線通信端末における前記ルータ装置に対する無線通信利用状態、および前記無線通信端末の前記ルータ装置を介して前記外部ネットワークに対して行う無線通信利用状態に基づき前記ルータ装置および前記無線通信端末それぞれの電池残量を推測する残量情報推測部と、前記ルータ装置および前記無線通信端末それぞれにおける推測された前記電池残量に係る情報が一定値内に近似する場合に前記給電部による前記無線通信端末に対する給電動作を抑制する給電抑制制御部とを備えたことを特徴としている。
【0011】
また、本発明に係るルータ装置は、無線通信端末に対して通信親機としての無線通信電波を提供すると共に外部ネットワークに対して無線通信接続を行うルータ装置であって、当該ルータ装置に対して前記無線通信電波を利用して無線接続した前記無線通信端末に対して自己内に予め設けられた充電用電池から給電を行う給電部と、前記無線通信端末から当該無線通信端末の有する端末内電池の残りバッテリー量を示す端末電池残量情報を取得する残量情報取得部と、前記充電用電池の残りバッテリー量を示す自己電池残量情報、前記無線通信端末装置内に設けられた端末電池の残りバッテリー量を示す端末電池残量情報、前記無線通信端末における前記ルータ装置に対する無線通信利用状態、および前記無線通信端末の前記ルータ装置を介して前記外部ネットワークに対して行う無線通信利用状態に基づき前記ルータ装置および前記無線通信端末それぞれの電池残量を推測する残量情報推測部と、前記推測された電池残量を示す情報が一定値内に近似する場合に前記給電部による前記無線通信端末に対する給電動作を抑制する給電抑制制御部とを備えたことを特徴としている。
【0012】
また、本発明に係る給電制御方法は、外部ネットワークに対して無線通信接続を行うルータ装置と、前記ルータ装置に対して無線通信接続すると共に当該ルータ装置を経由して前記外部ネットワークに対する接続を行う無線通信端末とを備えた給電制御システムにあって、当該ルータ装置に無線接続した前記無線通信端末に対して給電を行うための給電制御方法であって、前記ルータ装置に対して無線接続した前記無線通信端末に対して自己内に予め設けられた充電用電池から給電を行い、前記無線通信端末から当該無線通信端末の有する端末内電池の残りバッテリー量を示す端末電池残量情報を取得し、前記充電用電池の残りバッテリー量を示す自己電池残量情報、前記端末電池残量情報、前記無線通信端末における前記ルータ装置に対する無線通信利用状態、および前記無線通信端末の前記ルータ装置を介して前記外部ネットワークに対して行う無線通信利用状態に基づき前記ルータ装置および前記無線通信端末それぞれの電池残量を推測し、前記推測された電池残量を示す情報が一定値内に近似する場合に前記給電部による前記無線通信端末に対する給電動作を抑制する構成とし、上記動作工程を前記ルータ装置により実行することを特徴としている。
【0013】
また、本発明に係る通信機器接続プログラムは、外部ネットワークに対して無線通信接続を行うルータ装置と、前記ルータ装置に対して無線通信接続すると共に当該ルータ装置を経由して前記外部ネットワークに対する接続を行う無線通信端末とを備えた給電制御システムにあって、当該ルータ装置に無線接続した前記無線通信端末に対して給電を行うための給電制御プログラムであって、前記ルータ装置に対して無線接続した前記無線通信端末に対して自己内に予め設けられた充電用電池から給電を行う給電機能と、前記無線通信端末から当該無線通信端末の有する端末内電池の残りバッテリー量を示す端末電池残量情報を取得する残量情報取得機能と、前記充電用電池の残りバッテリー量を示す自己電池残量情報、前記端末電池残量情報、前記無線通信端末における前記ルータ装置に対する無線通信利用状態、および前記無線通信端末の前記ルータ装置を介して前記外部ネットワークに対して行う無線通信利用状態に基づき前記ルータ装置および前記無線通信端末それぞれの電池残量を推測する残量情報推測機能と、前記推測された電池残量を示す情報が一定値内に近似する場合に前記給電部による前記無線通信端末に対する給電動作を抑制する給電抑制制御機能とを、前記ルータ装置の備えたコンピュータにより実現することを特徴としている。
【発明の効果】
【0014】
本発明は、上述したように、モバイルルータ装置が、充電用電池の残りバッテリー量を示す自己の電池残量情報と、モバイルルータ装置に無線接続した無線通信端末(モバイル機器)における電池残量情報と、モバイル機器のモバイルルータ装置に対する無線通信接続状況、および外部ネットワーク(WAN)に対する接続状況に基づきモバイルルータ装置およびモバイル機器それぞれの電池残量を推測する残量推測部(メイン制御部)を備えた構成としたことにより、モバイルワイヤレスルータ(モバイルルータ装置)に無線LAN接続したモバイル機器に対してモバイルワイヤレスルータから給電を行うと共に、この給電動作を有効に制御することを可能にする対話通信制御システム、対話通信制御方法、および対話通信制御プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明である給電制御システムの一実施形態を示す概略ブロック図である。
【図2】図1で示した給電制御システムにおけるモバイルワイヤレスルータ装置の内部構成の一例を示す概略ブロック図である。
【図3】図5で示した給電制御システムにおけるモバイルワイヤレスルータ装置の内部構成の一例を示す概略ブロック図である。
【図4】図5で示した給電制御システムにおけるモバイル機器の内部構成の一例を示す概略ブロック図である。
【図5】本発明である給電制御システムの一実施形態を示す概略ブロック図である。
【図6】図5で示した給電制御システムにおける全体的な動作内容を示すフローチャートである。
【図7】図6で示した給電制御システムにおける残り動作時間比較工程の動作内容を示すフローチャートである。
【図8】図5で示した給電制御システムの変形例における動作内容を示すフローチャートである。
【図9】図8で示した給電制御システムにおける残り動作時間比較工程の動作内容を示すフローチャートである。
【図10】図5で示した給電制御システムの変形例におけるモバイルワイヤレスルータ装置の内部構成の一例を示す概略ブロック図である。
【図11】図5で示した給電制御システムの他の変形例におけるモバイルワイヤレスルータ装置の内部構成の一例を示す概略ブロック図である。
【図12】図13で示した給電制御システムにおけるモバイルワイヤレスルータ装置の内部構成の一例を示す概略ブロック図である。
【図13】本発明である給電制御システムの一実施形態を示す概略ブロック図である。
【図14】本発明である給電制御システムの一実施形態を示す概略ブロック図である。
【図15】図14で示した給電制御システムにおける全体的な動作内容を示すフローチャートである。
【図16】図14で示した給電制御システムにおける電池残量および充電電流の大きさに対応する充電完了時間を示すテーブル情報の一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
[実施形態]
本発明を実施するための実施形態である給電制御システムは、図1に示すように、Wi−Fiなどの無線LAN通信を行うノートパソコン、スマートフォン、携帯情報端末(無線LAN対応機器)としてのモバイル機器200と、このモバイル機器200に対して電力供給を行うモバイルルータ装置201と、無線LAN対応機器に対して携帯電話の3G回線などの無線WAN通信を中継すると共にモバイル機器200に対して電力供給を行う給電機能付モバイルワイヤレスルータ装置201と、モバイルルータ装置201の無線WAN通信接続先である携帯電話回線基地局としての無線WAN基地局202を含む構成を有する。
【0017】
上記構成により、無線LAN対応機器(例えば、ノートパソコン)であるモバイル機器200は、モバイルルータ装置201が無線WAN基地局に対して無線WAN通信(例えば、WiMAX、3G無線通信回線など)を介して接続可能な場所であれば、インターネット接続を行うことが可能となる。このため、インターネット環境を屋外でも構築することができる。
【0018】
給電機能付モバイルワイヤレスルータ装置(以下「モバイルルータ装置」という)201は、図2に示すように、モバイルルータ装置201内における動作制御を司り、ルーティング動作や各通信モジュールの制御を行うメイン制御部100と、メイン制御部100における動作制御に必要な設定事項などを記憶する記憶部105と、無線WAN通信回線に通信接続するためのアンテナである無線WAN用アンテナ102と、Wi−Fiなどの無線LAN通信回線に通信接続するための無線WAN用アンテナ104を備えている。
尚、上記メイン制御部100は、予め設定されたOS(オペレーティングシステム)に基づく実行処理を行うCPU(中央演算装置)を含み構成されるものとする。
【0019】
また、モバイルルータ装置201は、無線WAN用アンテナ102を介して無線WAN回線(WiMAX網)に接続を行う無線WAN通信モジュール101と、無線LANアンテナ104を介して無線LAN回線に接続を行う無線LAN通信モジュール103と、モバイルルータ装置201における2次電池としてのバッテリー107と、バッテリー107における充電残量を常時監視するバッテリー残量監視部112と、バッテリー107の電圧を適切に変換し、電力を各ブロックに供給する電源回路部106を有した構成とする。
【0020】
更に、モバイルルータ装置201は、受電インターフェイス108を介して取得される電力をバッテリー107に充電する動作の制御を行う充電制御部109と、バッテリー107の電力を給電インターフェイス111を介してモバイル機器200に対して給電する動作制御(給電制御)を行なう給電制御部110を備えている。ここで、給電制御部110は、上記給電制御動作として、具体的には、電圧変換、電流制限、給電開始/停止などを行うものとする。
【0021】
[実施形態1]
ここで、上記給電制御システムの具体的な実施形態として、図5に示すように、モバイルルータ装置501およびモバイル機器500を相互にUSBケーブルで接続し、このUSBケーブルを介してモバイルルータ装置201からモバイル機器200に対する電力供給を行う構成(給電制御システム10)について説明する。
【0022】
尚、図5における、モバイルルータ装置501は上記モバイルルータ装置201に、モバイル機器500は上記モバイル機器200に、また、WiMAX基地局502は上記無線WAN基地局202に、それぞれ対応するものとする。
【0023】
モバイルルータ装置501は、図3に示すように、無線WAN用アンテナ302を介して無線WAN回線であるWiMAX網に接続を行うWiMAX通信モジュール301と、無線LANアンテナ304を介して無線LAN回線に接続を行う無線LAN通信モジュール303と、モバイルルータ装置501における2次電池としてのLi−ion(リチウムイオン)バッテリー307と、バッテリー307における充電残量を常時監視するバッテリー残量監視部312と、Li−ionバッテリー307の電圧を適切に変換し、電力を各ブロックに供給する電源回路部306を有している。
【0024】
また、モバイルルータ装置501は、Micro−B USBインターフェイス(受電インターフェイス108に対応)308を介して取得される電力をLi−ionバッテリー307に充電する動作を制御する充電制御部309と、Li−ionバッテリー307の電力をMicro−A USBインターフェイス(給電インターフェイス111に対応)311を介してモバイル機器500に対して給電する動作を制御する給電制御部310を備えている。
【0025】
これにより、モバイルルータ装置501は、モバイル機器500における無線アクセスポイントとして機能し、このため、モバイル機器500はモバイルルータ装置501を介してWiMAX通信を利用してインターネット接続を行うことが可能となる。
【0026】
尚、本実施形態におけるモバイルルータ装置501は、上述のように、モバイル機器500に対して電源供給を行うための給電端子としてMicro−USB端子(311)を利用し、更に、図5に示すように、無線WAN通信回線としてWiMAX通信回線を利用しているものとする。
【0027】
次に、モバイルルータ装置501による給電対象であるモバイル機器500の内部構成について説明する。
モバイル機器500は、図4に示すように、二次電池としてのLi−ionバッテリー404と、外部ACアダプタ等を接続してLi−ionバッテリー404を充電する為の受電インターフェイスであるMicro−B USBインターフェイス(コネクタ)406と、Micro-B USBコネクタ406を介して得られた電力をLi−ionバッテリー404に充電する動作を制御する充電制御部405と、Li−ionバッテリー404における充電残量を常時監視するバッテリー残量監視部401と、無線LAN通信部402を介してモバイルルータ装置501と無線LAN接続を確立するための無線接続制御を行うメイン制御部400を含む。
【0028】
また、メイン制御部400は、バッテリー残量監視部401で検知されたLi−ionバッテリー404のバッテリー残量からモバイル機器500における無線LAN動作時の残り動作時間を推測する専用アプリケーション手段4001を備えている。
【0029】
また、専用アプリケーション手段4001は、モバイル機器500の残り動作時間を示す情報をモバイルルータ501に転送する機能を有する。
【0030】
尚、無線LAN通信部402は、モバイルルータ装置501の無線LAN通信モジュール303と無線LAN通信(Wi−Fi接続)を確立するための無線通信を行い、これにより、モバイル機器500およびモバイルルータ装置501は相互に無線LAN通信を介して接続される。
これにより、無線LAN通信部402は、モバイル機器500における計測された残り動作時間を示す情報を無線LAN通信を利用して通知することが可能となる。
【0031】
本実施形態では、以上に示した構成を有することにより、モバイル機器のバッテリー残量が一定値以下に低下した場合にモバイルルータ装置から給電を行うことができるため、モバイル機器の動作時間を延ばすことが可能となる。
【0032】
尚、本実施形態におけるモバイル機器500ではMicro−USBの代わりに専用の電源コネクタを設けた構成としてもよい。
また、モバイルルータ装置501におけるWiMAX通信モジュール301は他のWAN通信モジュールとして、例えば、携帯電話通信網である3G、LTE、PHS網などを利用する通信モジュールを備えた構成であってもよい。
【0033】
また、本実施形態におけるモバイルルータ装置501は、図11に示すように、受電インターフェイスであるMicro‐B USBインターフェイス、または給電インターフェイスであるMicro‐A USBインターフェイスとして機能する単一のインターフェイスとしてのMicro‐AB USBコネクタ1111を備えた構成としてもよい。
【0034】
このとき、モバイルルータ装置501は、Micro‐AB USBインターフェイス1111を、受電インターフェイスとして使用するか、または給電インターフェイスとして使用するかを切り替え選択指定する受電/給電切り替えスイッチ108を備えているものとする。
【0035】
これにより、同一のUSBインターフェイスを受電インターフェイスまたは給電インターフェイスとして利用することが可能となり、これにより、モバイルルータ装置外面におけるUSBインターフェイスによる占有領域を軽減することが可能となる。
【0036】
[実施形態1の変形例a]
次に、上記実施形態1の変形例aについて、図10に基づき説明する。
この変形例aにおけるモバイルルータ装置501aでは、微小な電力で動作し、モバイル機器に対する給電を停止するための閾値(モバイルルータ装置におけるバッテリー残量の一定値を示す)を記憶保持するマイコン手段を給電制御部が備えた点が上記実施形態1の場合(モバイルルータ装置501)と相違する。
【0037】
これにより、この変形例aでは、モバイル機器側における残り動作時間の推定ができない場合や、モバイルルータ装置の電源がOFF状態である(つまり、モバイルルータ装置のメイン制御部が稼動していない)場合でも、モバイルルータ装置からモバイル機器に対する給電動作の制御を行うことが可能となる。
【0038】
尚、上述の実施形態1では給電停止のタイミングをモバイル機器500とモバイルルータ装置501の残り動作時間に基づき決定していたが、この変形例aにおいては、モバイルルータ装置501aにおける予め設定されたバッテリー残量の閾値を停止タイミングとする。
【0039】
モバイルルータ装置501aは、図10に示すように、無線WAN用アンテナ1002を介して無線WAN回線であるWiMAX網に接続を行うWiMAX通信モジュール1001と、無線LANアンテナ304を介して無線LAN回線に接続を行う無線LAN通信モジュール1003と、モバイルルータ装置501aにおける2次電池としてのLi−ion(リチウムイオン)バッテリー1007と、バッテリー1007における充電残量を常時監視するバッテリー残量監視部1012と、Li−ionバッテリー1007の電圧を適切に変換し、電力を各ブロックに供給する電源回路部1006を有している。
【0040】
また、モバイルルータ装置501aは、Micro−B USBインターフェイス(受電インターフェイス108に対応)1008を介して取得される電力をLi−ionバッテリー1007に充電する動作を制御する充電制御部1009と、Li−ionバッテリー307の電力をMicro−A USBインターフェイス(給電インターフェイス111に対応)1011を介してモバイル機器500aに対して給電する動作を制御する給電制御部1010を備えている。
【0041】
また、給電制御部1010は、微小な電力で動作し、給電を停止するための閾値(予め設定されたバッテリー残量の一定値を示す)を記憶保持するマイコン手段1010aを備えている。
また、マイコン手段1010aは、バッテリー残量監視部1012との通信機能を有し、メイン制御部1000を通さなくてもバッテリー残量を取得する(認識可能とする)ことが可能であるものとする。
【0042】
尚、マイコン手段1010aは、モバイルルータ装置501aのLi-ionバッテリーの電力を利用して動作するものとする。
これにより、モバイルルータ装置501a(図10)は、当該モバイルルータ装置501aが電源OFFの状態である場合や、メイン制御部1000が動作不可の状態にある場合でも、モバイルルータ装置501aのバッテリー(Li−ionバッテリー1007のバッテリー)残量が一定値に達した場合に、給電制御部1010は、モバイル機器500aに対する給電を停止することができる。
【0043】
[実施形態1の動作説明]
次に、上記の実施形態1(図5)の全体的な動作について説明する。
まず、モバイルルータ装置501の給電制御部310は、自己(モバイルルータ装置501)に対して無線接続したモバイル機器(無線通信端末)500に対して、モバイルルータ装置501内に予め設けられた充電用電池であるLi−ionバッテリー307から給電を行う(給電工程)。
【0044】
次いで、メイン制御部300は、モバイル機器(無線通信端末)500からモバイル機器500内の電池(Li−ionバッテリー404)の残りバッテリー量を示す情報(端末電池残量情報)を取得する(残量情報取得工程)と共に、モバイルルータ装置501のLi−ionバッテリー307の残りバッテリー量を示す自己電池残量情報、モバイル機器500の残りバッテリー量(端末電池残量情報)、モバイル機器500のモバイルルータ装置501に対する無線通信接続状況、およびWiMAX網に対する通信接続状況に基づいて、モバイルルータ装置501およびモバイル機器500それぞれの電池残量を推測する(残量推測工程)。
最後に、給電制御部310が、推測された電池残量を示す情報が一定値内に近似する場合に前記給電部による前記無線通信端末に対する給電動作を抑制する(給電抑制制御工程)。
【0045】
ここで、上記給電工程、残量情報取得工程、残量推測工程、および給電抑制制御工程については、その実行内容をプログラム化し、コンピュータに実行させるように構成してもよい。
また、本プログラムは、非一時的な記憶媒体、例えば、DVD、CD、フラッシュメモリなどに記録されてもよい。その場合、本プログラムは、記録媒体からコンピュータによって読み出され、実行される。
【0046】
次に、上記実施形態1の動作内容について、図6のフローチャートに基づき説明する。
【0047】
まず、モバイル機器500が、無線アクセスポイントとして機能するモバイルルータ装置501に対して無線LAN通信接続を確立する(ステップS601)。
次いで、モバイルルータ装置501およびモバイル機器500が電源供給用ケーブル(USBケーブル)を介して相互に接続される(ステップS601)。
これにより、モバイルルータ装置501からモバイル機器500に対して給電が開始され、モバイル機器200における充電が行われる。
【0048】
次に、モバイルルータ装置501およびモバイル機器500それぞれの残り動作時間が算出され、この動作時間を給電制御部310が比較する(残り動作時間比較工程:ステップS603)。
ここで、モバイルルータ装置501、モバイル機器200それぞれの残り動作時間が同等時間になった時点で、給電制御部310がモバイル機器200に対する給電を停止する(ステップS604)。
【0049】
ここで、上記ステップS603の残り動作時間比較工程について、図7のフローチャートに基づき詳説する。
【0050】
上記残り動作時間比較工程では、まず、モバイル機器500の専用アプリケーション手段4001がバッテリー残量監視部401からバッテリー残量情報を取得し、モバイル機器500における無線LAN動作時における残り動作時間を、このバッテリー残量情報に基づき推測する(動作時間推定算出工程:ステップS700)。
【0051】
次いで、メイン制御部(専用アプリケーション手段4001)400は、無線LAN通信部402およびアンテナ403を利用して、推定算出された残り動作時間を示すデータをモバイルルータ装置501に対して送信する(ステップS701:残り動作時間データ転送工程)。
【0052】
次に、モバイルルータ装置501のメイン制御部300が、バッテリー残量監視部312から得た値に基づき、モバイルルータ装置501の残り動作時間(すなわち、Li−ionバッテリー307の残りバッテリー量)の推定算出を行う。
【0053】
このとき、メイン制御部300は、WiMAX通信モジュール301および無線LAN通信モジュール303を介して取得したモバイル機器500のモバイルルータ装置501に対する無線通信接続状況(例えば、通信パケット量)、およびWiMAX網(外部ネットワーク)に対する通信状況(例えば、通信パケット量)などに基づき、モバイルルータ装置501およびモバイル機器500それぞれの残り動作時間を推定する。
【0054】
次いで、モバイルルータ装置501のメイン制御部300が、モバイルルータ装置501およびモバイル機器500それぞれの残り動作時間を比較する。
ここで、モバイル機器500の残り動作時間の方が短い場合(ノー:ステップS703)、予め設定された期間待機し、ステップS700に戻る。また、モバイル機器200の残り動作時間の方が長い場合(イエス:ステップS703)、給電を停止する制御を行う。
【0055】
以上のように、本実施形態では、モバイルルータ装置からモバイル機器を充電した場合には、相互の使用時間を近似させることが可能となるので、モバイルルータ装置またはモバイル機器のうちの一方の機器のバッテリー切れが生じてしまうのを有効に抑制することができる。
【0056】
更に、モバイルルータ装置からモバイル機器の充電を行う(モバイル機器に給電を行う)際に、予め設定した閾値で給電を停止することができるため、給電後もモバイルルータ装置を利用することが可能となる。
【0057】
[実施形態1(変形例a)の動作説明]
次に、実施形態1の変形例aの動作内容について、図8のフローチャートに基づき説明する。
ここでは、モバイルルータ装置501aとモバイル機器500aが電源供給用ケーブル(USBケーブル)で接続されるものとする(ステップS800)。
【0058】
このとき、モバイルルータからの給電が開始され、モバイル機器500aの充電が開始される(ステップS801)。
次いで、 バッテリー残量監視部が、モバイルルータ装置501aのバッテリー残量を確認し(バッテリー残量確認工程:ステップ802)、モバイルルータ装置501aにおけるバッテリー残量が閾値(一定値)を下回ったところで、モバイル機器500aに対する給電を停止する(ステップ803)。
【0059】
次に、ステップS802のバッテリー量確認工程について、図9のフローチャートに基づき詳説する。
【0060】
このバッテリー量確認工程では、まず、バッテリー残量比較をするために、モバイルルータ装置501aのメイン制御部が、バッテリー残量監視部からバッテリー残量の値を取得する(測定)(ステップS900)。
【0061】
続いて、メイン制御部は、記憶部に保存された給電停止するバッテリー残量の閾値を取得する(ステップS901)。次に、メイン制御部は、ステップ900で得られたバッテリー残量が、ステップ901で取得した閾値以上であった場合(イエス:ステップ902)、
【0062】
ここで、メイン制御部は、一定時間待機して(ステップS903)、ステップ900に戻る。一方、バッテリー残量が閾値を下回っていた場合(ノー:ステップS902)には、給電を停止する。
尚、給電を停止するための閾値はユーザが任意で設定できるものとし、設定された値は記憶部に保存されているものとする。
【0063】
これにより、モバイルルータ装置は、モバイル機器200側で残り動作時間の推定を行うことができない場合や、モバイル機器の電源がOFF状態である場合でも、モバイル機器に対する給電動作を適切に制御することが可能となる。
【0064】
また、モバイルルータ装置201が電源OFF状態、つまり、メイン制御部1000が動作しない場合であっても、モバイル機器に対する給電制御を行うことが可能となる。このため、例えば、モバイルルータ装置が電源OFF状態、つまり、モバイルルータ装置のメイン制御部が動作しない状態であっても、モバイルルータ装置からモバイル機器に対する給電を行うことが可能となる。
【0065】
更には、マイコン手段1010aが、バッテリー残量と給電を停止する閾値を比較する処理を行うことにより、モバイルルータ装置501aでは、電源OFF状態でもモバイルルータ装置からモバイル機器に対する給電動作が可能になり(図8、図9のフローチャート)、モバイルルータ装置501aは、モバイル機器500aに対して給電する場合でも、自己の動作に必要な一定量のバッテリーを残すことが可能となる。
【0066】
上述のように、本実施形態(変形例a)では、モバイルワイヤレスルータが通信しながらモバイル機器に給電する場合、モバイル機器はバッテリー残量から予測される残り動作時間の情報をモバイルワイヤレスルータに送り、モバイルワイヤレスルータは自らのバッテリー残量から予測される残り動作時間と比較する。
このとき、モバイル機器の予測動作時間がモバイルワイヤレスルータのそれと比べて短い場合は給電を継続し、モバイル機器の予測動作時間がモバイルワイヤレスルータの予測動作時間と同程度、もしくは、モバイル機器の予測動作時間の方が長い場合に給電を停止する。
【0067】
これにより、本実施形態では、モバイル機器への給電とモバイルワイヤレスルータとしての動作を両立させることが可能となる。
また、変形例aにおいては、モバイルワイヤレスルータはある一定値(例えば、バッテリー残量30%など)の閾値を持ち、バッテリー残量がこれを下回るときは給電動作を停止する(抑制する)といった制御を行うことも可能であり、この制御により、モバイルワイヤレスルータ自らが動作可能な一定の電力を残すことができる。
【0068】
[実施形態2]
次に、上記給電制御システムの具体的な実施形態として、図13に示すように、モバイルルータ装置1301からモバイル機器1300に対して、非接触電力伝送により電力供給を行う構成(給電制御システム20)について説明する。
【0069】
尚、図13におけるモバイルルータ装置1301は上記モバイルルータ装置201(図1)に、モバイル機器1300は上記モバイル機器200(図1)に、また、WiMAX基地局1302は上記無線WAN基地局202(図1)に、それぞれ対応するものとする。
【0070】
モバイルルータ装置1301は、図12に示すように、無線WAN用アンテナ1202を介して無線WAN回線であるWiMAX網に接続を行うWiMAX通信モジュール1201と、無線LANアンテナ1204を介して無線LAN回線に接続を行う無線LAN通信モジュール1203と、モバイルルータ装置1301における2次電池としてのLi−ion(リチウムイオン)バッテリー1207と、バッテリー1207における充電残量を常時監視するバッテリー残量監視部1212と、Li−ionバッテリー1207の電圧を適切に変換し、電力を各ブロックに供給する電源回路部1206を有している。
【0071】
また、モバイルルータ装置1301は、Micro−B USBインターフェイス(受電インターフェイス108に対応)1208を介して取得される電力をLi−ionバッテリー1207に充電する動作を制御する充電制御部1209と、Li−ionバッテリー1207に充電された電力を非接触電力送電部(給電インターフェイス111に対応)1211を介してモバイル機器1300に対して給電する動作を制御する給電制御部1210を備えている。
【0072】
これにより、モバイルルータ装置1301は、モバイル機器1300における無線アクセスポイントとして機能し、このため、モバイル機器1300はモバイルルータ装置1301を介してWiMAX通信を利用してインターネット接続を行うことが可能となる。
【0073】
また、モバイルルータ装置1301は、上述のように、モバイル機器1300に対して非接触充電方式により充電を行う。
尚、モバイルルータ装置1301はワイヤレスで使用可能であることがメリットであるため、電力給電についても、USBケーブル等を利用することなく、ワイヤレスで電力供給を行うことにより、モバイル機器およびモバイルルータの利用者にとっての利便性が更に向上する。
【0074】
また、モバイル機器1300は、上述のように、非接触充電方式に対応した構成を有し、モバイル機器1300の備えたLi−ionバッテリーはモバイルルータ装置1301による非接触給電により充電される。
【0075】
モバイルルータ装置1301による給電対象であるモバイル機器1300は、二次電池としてのLi−ionバッテリーを有し、モバイルルータ1301からの非接触電力伝送を受信し得られた電力により、上記Li−ionバッテリーを充電する非接触電力受信部を備えている。尚、非接触電力受信部は、図4におけるMicro−B USBインターフェイス(コネクタ)406に対応する。
これにより、モバイルルータ装置1301は、電池残量や動作時間などの情報のやり取りを、無線LAN通信を介して行いつつ、非接触電力伝送によりモバイル機器1300に対して給電を行うことができるため、ワイヤレス環境で充電制御を行うことができる。
【0076】
これにより、モバイル機器1300およびモバイルルータ装置1301が、一定の距離に近接した場合に、モバイルルータ装置1301からモバイル機器1300に対して非接触電力供給が行われる。
【0077】
尚、本実施形態は、図14に示すように、モバイルルータ装置1301のMicro−B USBインターフェイス1208を、ACアダプタ1403を介してAC100Vコンセントに接続する構成としてもよい。これにより、AC100Vコンセントからモバイルルータ装置1301のLi−ionバッテリー1207に対して常時充電が行われることとなる。
【0078】
[実施形態2の動作説明]
次に、上記の実施形態2(図13)の全体的な動作について説明する。
まず、モバイルルータ装置1301の給電制御部1210は、自己(モバイルルータ装置1301)に対して無線接続したモバイル機器(無線通信端末)1300に対して、モバイルルータ装置1301内に予め設けられた充電用電池であるLi−ionバッテリー1207から給電を行う(給電工程)。
【0079】
次いで、メイン制御部1200は、モバイル機器(無線通信端末)1300からモバイル機器1300内の電池(Li−ionバッテリー)の残りバッテリー量を示す情報(端末電池残量情報)を取得する(残量情報取得工程)と共に、モバイルルータ装置1301のLi−ionバッテリー1207の残りバッテリー量を示す自己電池残量情報、モバイル機器1300の残りバッテリー量(端末電池残量情報)、モバイル機器1300のモバイルルータ装置1301に対する無線通信接続状況、およびWiMAX網に対する通信接続状況に基づいて、モバイルルータ装置1301およびモバイル機器1300それぞれの電池残量を推測する(残量推測工程)。
最後に、給電制御部1210が、推測された電池残量を示す情報が一定値内に近似する場合に前記給電部による前記無線通信端末に対する給電動作を抑制する(給電抑制制御工程)。
【0080】
ここで、上記給電工程、残量情報取得工程、残量推測工程、および給電抑制制御工程については、その実行内容をプログラム化し、コンピュータに実行させるように構成してもよい。
また、本プログラムは、非一時的な記憶媒体、例えば、DVD、CD、フラッシュメモリなどに記録されてもよい。その場合、本プログラムは、記録媒体からコンピュータによって読み出され、実行される。
【0081】
次に、実施形態2(図14)の動作内容について、図15のフローチャートに基づき詳説する。
【0082】
まず、無線LANアクセスポイントとして機能するモバイルルータ装置1301に対してモバイル機器1300が無線LAN接続を確立する(ステップ1500)。
次に、モバイルルータ装置1301がACアダプタ1403を介してAC100Vコンセントに接続され、モバイルルータ装置1301のLi−ionバッテリー1207に充電が開始されるものとする(ステップ1501)。
【0083】
次いで、モバイル機器1300およびモバイルルータ装置1301が、非接触充電ができるように近接される(ステップ1502)。
尚、ここでは、モバイル機器およびモバイルルータはそれぞれ非接触充電に対応した内部構成を有しているものとする。
【0084】
ここで、モバイル機器1300およびモバイルルータ装置1301が、それぞれUSBインターフェイスを備えている場合には、給電用ケーブルとしてのUSBケーブルで相互に接続され、このUSBケーブルを介して給電が行われる構成であってもよい。
【0085】
ここで、モバイルルータ装置1301からモバイル機器1300に対して給電が開始される、つまり、モバイル機器1300のLi−ionバッテリーにおける充電が行われる(ステップ1503)。
【0086】
次いで、メイン制御部1200が、モバイルルータ装置1301のLi−ionバッテリー1207が充電完了となるまでの時間を計測すると共に、モバイル機器1300におけるメイン制御部に設定された専用アプリケーション手段が、モバイル機器1300のLi−ionバッテリーにおける充電完了となるまでの時間を計測する。
また、計測されたモバイルルータ装置1301のメイン制御部1200が、上記計測された、モバイルルータ装置1301、モバイル機器1300それぞれにおける充電完了となるまでの時間を比較する(ステップ1504)。
【0087】
次に、モバイルルータ装置1301の給電制御部1210が、モバイルルータ装置1301およびモバイル機器1300両者の充電完了時間が等しくなるように、モバイルルータ装置1301からモバイル機器1300への給電電流の調整を行う(ステップS1505)。
【0088】
また、給電制御部1210は、モバイル機器1300の充電が完了しているかを常時チェックし(ステップ1506)、充電が完了していれば(ステップ1506のイエス)、モバイル機器1300に対する給電を終了する。
また、充電が完了していない場合には(ステップ1506のノー)、一定時間待機した後(ステップ1507)、再び残り充電時間を比較する(ステップ1504)とともに、残り充電時間に変化があった場合に供給電流の調整を行う(ステップ1505)。
【0089】
尚、給電制御部1210は、上記充電完了までの残り時間を、モバイルルータ装置の記憶部1205に予め記憶されたテーブル情報(図16)に基づき算出するものとする。また、給電制御部1210は、充電中の時間当たりの電池残量の変化を算出する設定であってもよい。
【0090】
以上のように、実施形態1および2では、モバイルルータ装置のメイン制御部が、モバイル機器のモバイルルータ装置に対する無線通信接続状況(例えば、通信パケット量)、およびWiMAX網(外部ネットワーク)に対する通信状況(例えば、通信パケット量)に基づき、モバイルルータ装置501およびモバイル機器500それぞれの残り動作時間をより正確に推定することができ、これにより、モバイルルータ装置からモバイル機器に対する給電動作を適切に制御することが可能となる。
【0091】
上述した実施形態については、その新規な技術的内容の要点をまとめると、以下のようになる。
尚、上記の実施形態の一部又は全部は、新規な技術として以下のようにまとめられるが、本発明は必ずしもこれに限定されるものではない。
【0092】
(付記1)
外部ネットワークに対して無線通信接続を行うルータ装置と、前記ルータ装置に対して無線接続すると共に当該ルータ装置を経由して前記外部ネットワークに対する通信接続を行う無線通信端末とを備えた給電制御システムであって、
前記ルータ装置は、
当該ルータ装置に対して無線接続した前記無線通信端末に対して
当該ルータ装置内に予め設けられた充電用電池から前記無線通信端末に対して給電を行う給電部と、
前記無線通信端末から当該無線通信端末の有する端末内電池の残りバッテリー量を示す端末電池残量情報を取得する残量情報取得部と、
前記充電用電池の残りバッテリー量を示す自己電池残量情報、前記端末電池残量情報、前記無線通信端末における前記ルータ装置に対する無線通信利用状態、および前記無線通信端末の前記ルータ装置を介して前記外部ネットワークに対して行う無線通信利用状態に基づき前記ルータ装置および前記無線通信端末それぞれの電池残量を推測する残量情報推測部と、
前記ルータ装置および前記無線通信端末それぞれにおける推測された前記電池残量に係る情報が一定値内に近似する場合に前記給電部による前記無線通信端末に対する給電動作を抑制する給電抑制制御部とを備えたことを特徴とする給電制御システム。
【0093】
(付記2)
付記1に記載の給電制御システムにおいて、
前記給電部は、前記充電用電池から得た微小電力を利用して機能し予め設定されたバッテリー残量閾値を記憶保持するマイコン手段を備え、
前記給電抑制制御部は、前記マイコン手段が備えたバッテリー残量閾値を下回った場合に前記給電部による前記無線通信端末に対する給電動作を抑制する閾値判定抑制手段を備えたことを特徴とする給電制御システム。
【0094】
(付記3)
付記1または2に記載の給電制御システムにおいて、
前記ルータ装置は、前記給電部として非接触型電力送信を行うことにより前記無線通信端末に対して給電を行う非接触型給電部を備え、
前記無線通信端末は、前記非接触型電力送信された電力を取得し前記端末内電池に蓄電するワイヤレス電力蓄電部を有することを特徴とした給電制御システム。
【0095】
(付記4)
付記1または2に記載の給電制御システムにおいて、
前記残量情報推測部は、前記充電用電池の残りバッテリー量を示す自己電池残量情報および前記端末電池残量情報から前記ルータ装置および前記無線通信端末それぞれの動作時間を示す装置動作時間および端末動作時間を算出することを特徴とした給電制御システム。
【0096】
(付記5)
無線通信端末に対して通信親機としての無線通信電波を提供すると共に外部ネットワークに対して無線通信接続を行うルータ装置であって、
当該ルータ装置に対して前記無線通信電波を利用して無線接続した前記無線通信端末に対して自己内に予め設けられた充電用電池から給電を行う給電部と、
前記無線通信端末から当該無線通信端末の有する端末内電池の残りバッテリー量を示す端末電池残量情報を取得する残量情報取得部と、
前記充電用電池の残りバッテリー量を示す自己電池残量情報、前記無線通信端末装置内に設けられた端末電池の残りバッテリー量を示す端末電池残量情報、前記無線通信端末における前記ルータ装置に対する無線通信利用状態、および前記無線通信端末の前記ルータ装置を介して前記外部ネットワークに対して行う無線通信利用状態に基づき前記ルータ装置および前記無線通信端末それぞれの電池残量を推測する残量情報推測部と、
前記推測された電池残量を示す情報が一定値内に近似する場合に前記給電部による前記無線通信端末に対する給電動作を抑制する給電抑制制御部とを備えたことを特徴とするルータ装置。
【0097】
(付記6)
外部ネットワークに対して無線通信接続を行うルータ装置と、前記ルータ装置に対して無線通信接続すると共に当該ルータ装置を経由して前記外部ネットワークに対する接続を行う無線通信端末とを備えた給電制御システムにあって、当該ルータ装置に無線接続した前記無線通信端末に対して給電を行うための給電制御方法であって、
前記ルータ装置に対して無線接続した前記無線通信端末に対して自己内に予め設けられた充電用電池から給電を行い、
前記無線通信端末から当該無線通信端末の有する端末内電池の残りバッテリー量を示す端末電池残量情報を取得し、
前記充電用電池の残りバッテリー量を示す自己電池残量情報、前記端末電池残量情報、前記無線通信端末における前記ルータ装置に対する無線通信利用状態、および前記無線通信端末の前記ルータ装置を介して前記外部ネットワークに対して行う無線通信利用状態に基づき前記ルータ装置および前記無線通信端末それぞれの電池残量を推測し、
前記推測された電池残量を示す情報が一定値内に近似する場合に前記給電部による前記無線通信端末に対する給電動作を抑制する構成とし、
上記動作工程を前記ルータ装置により実行することを特徴とした給電制御方法。
【0098】
(付記7)
外部ネットワークに対して無線通信接続を行うルータ装置と、前記ルータ装置に対して無線通信接続すると共に当該ルータ装置を経由して前記外部ネットワークに対する接続を行う無線通信端末とを備えた給電制御システムにあって、当該ルータ装置に無線接続した前記無線通信端末に対して給電を行うための給電制御プログラムであって、
前記ルータ装置に対して無線接続した前記無線通信端末に対して自己内に予め設けられた充電用電池から給電を行う給電機能と、
前記無線通信端末から当該無線通信端末の有する端末内電池の残りバッテリー量を示す端末電池残量情報を取得する残量情報取得機能と、
前記充電用電池の残りバッテリー量を示す自己電池残量情報、前記端末電池残量情報、前記無線通信端末における前記ルータ装置に対する無線通信利用状態、および前記無線通信端末の前記ルータ装置を介して前記外部ネットワークに対して行う無線通信利用状態に基づき前記ルータ装置および前記無線通信端末それぞれの電池残量を推測する残量情報推測機能と、
前記推測された電池残量を示す情報が一定値内に近似する場合に前記給電部による前記無線通信端末に対する給電動作を抑制する給電抑制制御機能とを、前記ルータ装置の備えたコンピュータにより実現することを特徴とした給電制御プログラム。
【産業上の利用可能性】
【0099】
本発明は、異なる端末間で各端末におけるバッテリー(電池)残量や動作可能時間を示す電池データを相互に通知すると共に、この電池データに基づき端末間で行われる電力供給の量を制御する端末間電力供給システムに対して有効に適用することができる。
【符号の説明】
【0100】
100、400 メイン制御部
105 記憶部
106 電源回路
107 バッテリー
108 受電インターフェイス
111 給電インターフェイス
200、500 モバイル機器
201、501 モバイルワイヤレスルータ装置
202、502 WiMAX基地局
401 バッテリー残量監視部
402 無線LAN通信部
404 Li−ionバッテリー
405 充電制御部
4001 専用アプリケーション手段


【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部ネットワークに対して無線通信接続を行うルータ装置と、前記ルータ装置に対して無線接続すると共に当該ルータ装置を経由して前記外部ネットワークに対する通信接続を行う無線通信端末とを備えた給電制御システムであって、
前記ルータ装置は、
当該ルータ装置に対して無線接続した前記無線通信端末に対して当該ルータ装置内に予め設けられた充電用電池から前記無線通信端末に対して給電を行う給電部と、
前記無線通信端末から当該無線通信端末の有する端末内電池の残りバッテリー量を示す端末電池残量情報を取得する残量情報取得部と、
前記充電用電池の残りバッテリー量を示す自己電池残量情報、前記端末電池残量情報、前記無線通信端末における前記ルータ装置に対する無線通信利用状態、および前記無線通信端末の前記ルータ装置を介して前記外部ネットワークに対して行う無線通信利用状態に基づき前記ルータ装置および前記無線通信端末それぞれの電池残量を推測する残量情報推測部と、
前記ルータ装置および前記無線通信端末それぞれにおける推測された前記電池残量に係る情報が一定値内に近似する場合に前記給電部による前記無線通信端末に対する給電動作を抑制する給電抑制制御部とを備えたことを特徴とする給電制御システム。
【請求項2】
請求項1に記載の給電制御システムにおいて、
前記給電部は、前記充電用電池から得た微小電力を利用して機能し予め設定されたバッテリー残量閾値を記憶保持するマイコン手段を備え、
前記給電抑制制御部は、前記マイコン手段が備えたバッテリー残量閾値を下回った場合に前記給電部による前記無線通信端末に対する給電動作を抑制する閾値判定抑制手段を備えたことを特徴とする給電制御システム。
【請求項3】
請求項1または2に記載の給電制御システムにおいて、
前記ルータ装置は、前記給電部として非接触型電力送信を行うことにより前記無線通信端末に対して給電を行う非接触型給電部を備え、
前記無線通信端末は、前記非接触型電力送信された電力を取得し前記端末内電池に蓄電するワイヤレス電力蓄電部を有することを特徴とした給電制御システム。
【請求項4】
請求項1または2に記載の給電制御システムにおいて、
前記残量情報推測部は、前記充電用電池の残りバッテリー量を示す自己電池残量情報および前記端末電池残量情報から前記ルータ装置および前記無線通信端末それぞれの動作時間を示す装置動作時間および端末動作時間を算出することを特徴とした給電制御システム。
【請求項5】
無線通信端末に対して通信親機としての無線通信電波を提供すると共に外部ネットワークに対して無線通信接続を行うルータ装置であって、
当該ルータ装置に対して前記無線通信電波を利用して無線接続した前記無線通信端末に対して自己内に予め設けられた充電用電池から給電を行う給電部と、
前記無線通信端末から当該無線通信端末の有する端末内電池の残りバッテリー量を示す端末電池残量情報を取得する残量情報取得部と、
前記充電用電池の残りバッテリー量を示す自己電池残量情報、前記無線通信端末装置内に設けられた端末電池の残りバッテリー量を示す端末電池残量情報、前記無線通信端末における前記ルータ装置に対する無線通信利用状態、および前記無線通信端末の前記ルータ装置を介して前記外部ネットワークに対して行う無線通信利用状態に基づき前記ルータ装置および前記無線通信端末それぞれの電池残量を推測する残量情報推測部と、
前記推測された電池残量を示す情報が一定値内に近似する場合に前記給電部による前記無線通信端末に対する給電動作を抑制する給電抑制制御部とを備えたことを特徴とするルータ装置。
【請求項6】
外部ネットワークに対して無線通信接続を行うルータ装置と、前記ルータ装置に対して無線通信接続すると共に当該ルータ装置を経由して前記外部ネットワークに対する接続を行う無線通信端末とを備えた給電制御システムにあって、当該ルータ装置に無線接続した前記無線通信端末に対して給電を行うための給電制御方法であって、
前記ルータ装置に対して無線接続した前記無線通信端末に対して自己内に予め設けられた充電用電池から給電を行い、
前記無線通信端末から当該無線通信端末の有する端末内電池の残りバッテリー量を示す端末電池残量情報を取得し、
前記充電用電池の残りバッテリー量を示す自己電池残量情報、前記端末電池残量情報、前記無線通信端末における前記ルータ装置に対する無線通信利用状態、および前記無線通信端末の前記ルータ装置を介して前記外部ネットワークに対して行う無線通信利用状態に基づき前記ルータ装置および前記無線通信端末それぞれの電池残量を推測し、
前記推測された電池残量を示す情報が一定値内に近似する場合に前記給電部による前記無線通信端末に対する給電動作を抑制する構成とし、
上記動作工程を前記ルータ装置により実行することを特徴とした給電制御方法。
【請求項7】
外部ネットワークに対して無線通信接続を行うルータ装置と、前記ルータ装置に対して無線通信接続すると共に当該ルータ装置を経由して前記外部ネットワークに対する接続を行う無線通信端末とを備えた給電制御システムにあって、当該ルータ装置に無線接続した前記無線通信端末に対して給電を行うための給電制御プログラムであって、
前記ルータ装置に対して無線接続した前記無線通信端末に対して自己内に予め設けられた充電用電池から給電を行う給電機能と、
前記無線通信端末から当該無線通信端末の有する端末内電池の残りバッテリー量を示す端末電池残量情報を取得する残量情報取得機能と、
前記充電用電池の残りバッテリー量を示す自己電池残量情報、前記端末電池残量情報、前記無線通信端末における前記ルータ装置に対する無線通信利用状態、および前記無線通信端末の前記ルータ装置を介して前記外部ネットワークに対して行う無線通信利用状態に基づき前記ルータ装置および前記無線通信端末それぞれの電池残量を推測する残量情報推測機能と、
前記推測された電池残量を示す情報が一定値内に近似する場合に前記給電部による前記無線通信端末に対する給電動作を抑制する給電抑制制御機能とを、前記ルータ装置の備えたコンピュータにより実現することを特徴とした給電制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2013−74784(P2013−74784A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−214752(P2011−214752)
【出願日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【出願人】(000197366)NECアクセステクニカ株式会社 (1,236)
【Fターム(参考)】