統合ナビゲーションレシーバを備えたコンパクトマルチパス耐性アンテナシステム
改良されたマルチパス耐性をもつパッチアンテナシステムは、上部アンテナアセンブリと、下部アンテナアセンブリを含む。各アンテナアセンブリは、誘電媒体で分離されたラジエターパッチ及びグランドプレーンを含む。上部アンテナアセンブリのラジエターパッチは、励磁機と励磁回路によって励磁される。下部アンテナアセンブリは、上部アンテナアセンブリに電磁結合している。下部アンテナアセンブリの共振周波数は、上部アンテナアセンブリの共振周波数にほぼ等しい。下部アンテナアセンブリに誘導される電磁界は、上部アンテナアセンブリで励磁される電磁界に対して逆位相である。下部アンテナアセンブリに誘導される電磁界の振幅は、上部アンテナアセンブリで励磁される電磁界の振幅から減算され、マルチパス信号が抑制される。グローバルナビゲーション衛星システムに適したシングルバンド及びデュアルバンドアンテナシステムを実装することができる。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
本発明は、概してアンテナに関し、より具体的には、全地球的航法衛星システム用のマイクロパッチアンテナに関する。
【0002】
マイクロパッチアンテナは、全地球的航法衛星システム(GNSS)のナビゲーションレシーバに非常に適している。これらのアンテナは、コンパクトなサイズと広い帯域幅の望ましい特性を備えている。広い帯域幅は、複数のGNSSからの信号を受信及び処理するナビゲーションレシーバに対しては特に重要である。現在配備されているGNSSは、米国の全地球測位システム(GPS)と、ロシアのGLONASSシステムである。欧州のGALILEOシステムなどの他のGNSSは計画されている。マルチシステムのナビゲーションレシーバは、システムの冗長性によるより高い信頼性と、より多くの衛星への良好な視程範囲を提供する。
【0003】
マルチパス受信は、GNSSにおける測位誤差の主要な発生源である。マルチパス受信は、ナビゲーションレシーバが通常配備されている複雑な環境からの反射によって引き起こされる信号のレプリカのナビゲーションレシーバによる受信を指す。ナビゲーションレシーバ内のアンテナによって受信される信号は、見通し内信号と、下にある地表面と周囲の物体や障害物から反射されるマルチパス信号の組み合わせである。反射信号は、受信信号の振幅と位相を歪める。この信号の劣化は、システムのパフォーマンスと信頼性を減少させる。
【0004】
特定の帯域幅でのアンテナの性能は、電圧定在波比(VSWR)や指向性パターンなどの様々なパラメータによって特徴付けられる。アンテナのマルチパス除去能力を特徴づけるパラメータがダウン/アップ比であり、
ここで、F(θ)は、前方半球内の角度θにおけるアンテナ指向性パターンレベルであり、F(−θ)は、後方半球内のミラー角度−θにおけるアンテナ指向性パターンレベルである。D/U(90)で示されるθ=90°における天頂ダウン/アップ比は、一般的に使用されるパラメータである。
【0005】
マルチパスの影響は、広く平坦なグランドプレーン又はチョークリングなどの様々なアンテナ構造によって削減することができる。しかしながら、これらの構造は、アンテナの大きさと重量を増加させる。寸法を低減し、周波数の関数としてD/U(90)を一定に保つために、PCT国際公開番号WO2004/027920(2004年4月1日に公開)には、マルチパス受信を減少させたGPSアンテナが記載されている。帯域幅は、VSWRの関数としては十分であるが、D/U(90)の関数としては狭すぎる。
【0006】
高精度なGNSSアプリケーション用の多くの既存のアンテナは、地上の特定の高さで測地棒又は三脚上に設置するために設計され製造されてきた。しかしながら、いくつかのGNSSアプリケーションでは、アンテナは車両上に搭載する必要がある。必要とされているものは、異なる実装構成に対して広い帯域幅と高いマルチパス除去性能を維持するコンパクトなアンテナである。
【発明の概要】
【0007】
改良されたマルチパス耐性をもつパッチアンテナシステムは、上部アンテナアセンブリと、下部アンテナアセンブリを含む。各アンテナアセンブリは、誘電媒体で分離されたラジエターパッチ及びグランドプレーンを含む。上部アンテナアセンブリのグランドプレーンと下部アンテナアセンブリのグランドプレーンは電気的に接続されている。
【0008】
上部アンテナアセンブリのラジエターパッチは、励磁機と励磁回路によって励磁される。下部アンテナアセンブリは、上部アンテナアセンブリに電磁結合されている。上部アンテナアセンブリの共振周波数は、動作周波数帯域の中心動作周波数にチューニングされている。下部アンテナアセンブリの共振周波数は、上部アンテナアセンブリの共振周波数にほぼ等しくチューニングされている。
【0009】
上部アンテナアセンブリのラジエターパッチは、信号ポートに電気的に接続されている。下部アンテナアセンブリのラジエターパッチは、その信号ポートに電磁結合されている。上部アンテナアセンブリによって下部アンテナアセンブリに誘導される電磁界は、上部アンテナアセンブリで励磁される電磁界に対して逆位相である。下部アンテナアセンブリに誘導される電磁界の振幅は、上部アンテナアセンブリで励磁される電磁界の振幅から減算され、マルチパス信号の強度は低下する。
【0010】
いくつかの実施形態では、各アンテナアセンブリに対して、誘電媒体は空気である。小さな共振サイズを維持しながら帯域幅と指向性パターンを高めるために、容量素子がラジエターパッチの周囲、グランドプレーンの周囲、又はラジエターパッチの周囲とグランドプレーンの周囲に沿って配置される。
【0011】
様々なコンポーネントをパッチアンテナシステムに統合し、これによって車両の導電性表面を含む多様な表面上への搭載に適したコンパクトなアンテナシステムを作ることができる。いくつかの実施形態では、低雑音増幅装置が、パッチアンテナシステム内に統合される。いくつかの実施形態では、ナビゲーションレシーバが、第2ラジエターパッチの下に搭載される。いくつかの実施形態では、1つ以上の導電性閉鎖空洞(キャビティ)が、第2ラジエターパッチの下に備え付けられる。ナビゲーションレシーバと、低雑音増幅装置、シグナルプロセッサ、姿勢センサ、傾斜センサなどの補助ユニットを、閉鎖空洞内に搭載することができる。
【0012】
パッチアンテナシステムの実施形態は、シングルバンド、デュアルバンド、マルチバンド動作用に構成することができる。
【0013】
本発明のこれら及び他の利点は、以下の詳細な説明及び添付図面を参照することにより、当業者には明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1A】電界面と磁界面の基準直交座標系を示す。
【図1B】電界面と磁界面の基準直交座標系を示す。
【図1C】電界面と磁界面の基準直交座標系を示す。
【0015】
【図1D】参照ビューの方向を示す。
【0016】
【図1E】幾何学的な構造の参照ビューを示す。
【図1F】幾何学的な構造の参照ビューを示す。
【図1G】幾何学的な構造の参照ビューを示す。
【図1H】幾何学的な構造の参照ビューを示す。
【図1I】幾何学的な構造の参照ビューを示す。
【図1J】幾何学的な構造の参照ビューを示す。
【0017】
【図1K】閉鎖空洞の参照ビューを示す。
【図1L】閉鎖空洞の参照ビューを示す。
【図1M】閉鎖空洞の参照ビューを示す。
【図1N】閉鎖空洞の参照ビューを示す。
【図1O】閉鎖空洞の参照ビューを示す。
【図1P】閉鎖空洞の参照ビューを示す。
【図1Q】閉鎖空洞の参照ビューを示す。
【図1R】閉鎖空洞の参照ビューを示す。
【図1S】閉鎖空洞の参照ビューを示す。
【0018】
【図2】入射線及び反射線のための参照ジオメトリを示す。
【0019】
【図3A】シングルバンドアンテナシステムの断面図を示す。
【図3B】シングルバンドアンテナシステムの断面図を示す。
【図3C】シングルバンドアンテナシステムの断面図を示す。
【0020】
【図4】ラジエターパッチとグランドプレーンが、エアギャップによって分離しているデュアルバンドアンテナシステムの断面図を示す。
【0021】
【図5】ラジエターパッチとグランドプレーンが、固体誘電体基板によって分離しているデュアルバンドアンテナシステムの断面図を示す。
【0022】
【図6】デュアルバンドアンテナシステムの設計パラメータを示す。
【0023】
【図7】本発明の一実施形態に係るアンテナシステムと従来技術のアンテナシステムに対して周波数の関数としてのダウン/アップ比のプロットを比較している。
【0024】
【図8A】シングルバンド、直線偏波アンテナシステムの斜視図を示す。
【0025】
【図8B】シングルバンド、直線偏波アンテナシステム用の設計パラメータを示す。
【0026】
【図9A】拡張連続構造として構成される容量素子の設計パラメータを示す。
【図9B】拡張連続構造として構成される容量素子の設計パラメータを示す。
【図9C】拡張連続構造として構成される容量素子の設計パラメータを示す。
【図9D】拡張連続構造として構成される容量素子の設計パラメータを示す。
【0027】
【図9E】シングルバンド、直線偏波アンテナシステム用のラジエターパッチ及びグランドプレーンで構成される拡張連続構造の別の実施形態の直交図を示す。
【図9F】シングルバンド、直線偏波アンテナシステム用のラジエターパッチ及びグランドプレーンで構成される拡張連続構造の別の実施形態の直交図を示す。
【図9G】シングルバンド、直線偏波アンテナシステム用のラジエターパッチ及びグランドプレーンで構成される拡張連続構造の別の実施形態の直交図を示す。
【図9H】シングルバンド、直線偏波アンテナシステム用のラジエターパッチ及びグランドプレーンで構成される拡張連続構造の別の実施形態の直交図を示す。
【図9I】シングルバンド、直線偏波アンテナシステム用のラジエターパッチ及びグランドプレーンで構成される拡張連続構造の別の実施形態の直交図を示す。
【図9J】シングルバンド、直線偏波アンテナシステム用のラジエターパッチ及びグランドプレーンで構成される拡張連続構造の別の実施形態の直交図を示す。
【図9K】シングルバンド、直線偏波アンテナシステム用のラジエターパッチ及びグランドプレーンで構成される拡張連続構造の別の実施形態の直交図を示す。
【図9L】シングルバンド、直線偏波アンテナシステム用のラジエターパッチ及びグランドプレーンで構成される拡張連続構造の別の実施形態の直交図を示す。
【0028】
【図10A】連続する局所構造として構成される容量素子の設計パラメータを示す。
【図10B】連続する局所構造として構成される容量素子の設計パラメータを示す。
【図10C】連続する局所構造として構成される容量素子の設計パラメータを示す。
【図10D】連続する局所構造として構成される容量素子の設計パラメータを示す。
【0029】
【図10E】シングルバンド、直線偏波アンテナシステム用のラジエターパッチ及びグランドプレーンに構成される連続する局所構造の別の実施形態の直交図を示す。
【図10K】シングルバンド、直線偏波アンテナシステム用のラジエターパッチ及びグランドプレーンに構成される連続する局所構造の別の実施形態の直交図を示す。
【図10L】シングルバンド、直線偏波アンテナシステム用のラジエターパッチ及びグランドプレーンに構成される連続する局所構造の別の実施形態の直交図を示す。
【図10M】シングルバンド、直線偏波アンテナシステム用のラジエターパッチ及びグランドプレーンに構成される連続する局所構造の別の実施形態の直交図を示す。
【図10N】シングルバンド、直線偏波アンテナシステム用のラジエターパッチ及びグランドプレーンに構成される連続する局所構造の別の実施形態の直交図を示す。
【図10O】シングルバンド、直線偏波アンテナシステム用のラジエターパッチ及びグランドプレーンに構成される連続する局所構造の別の実施形態の直交図を示す。
【0030】
【図11A】シングルバンド、円偏光アンテナシステムの斜視図を示す。
【0031】
【図11B】シングルバンド、円偏光アンテナシステム用のラジエターパッチ及びグランドプレーンに構成される連続する局所構造の別の実施形態の直交図を示す。
【図11C】シングルバンド、円偏光アンテナシステム用のラジエターパッチ及びグランドプレーンに構成される連続する局所構造の別の実施形態の直交図を示す。
【図11D】シングルバンド、円偏光アンテナシステム用のラジエターパッチ及びグランドプレーンに構成される連続する局所構造の別の実施形態の直交図を示す。
【図11E】シングルバンド、円偏光アンテナシステム用のラジエターパッチ及びグランドプレーンに構成される連続する局所構造の別の実施形態の直交図を示す。
【図11F】シングルバンド、円偏光アンテナシステム用のラジエターパッチ及びグランドプレーンに構成される連続する局所構造の別の実施形態の直交図を示す。
【図11G】シングルバンド、円偏光アンテナシステム用のラジエターパッチ及びグランドプレーンに構成される連続する局所構造の別の実施形態の直交図を示す。
【図11H】シングルバンド、円偏光アンテナシステム用のラジエターパッチ及びグランドプレーンに構成される連続する局所構造の別の実施形態の直交図を示す。
【図11I】シングルバンド、円偏光アンテナシステム用のラジエターパッチ及びグランドプレーンに構成される連続する局所構造の別の実施形態の直交図を示す。
【図11J】シングルバンド、円偏光アンテナシステム用のラジエターパッチ及びグランドプレーンに構成される連続する局所構造の別の実施形態の直交図を示す。
【図11K】シングルバンド、円偏光アンテナシステム用のラジエターパッチ及びグランドプレーンに構成される連続する局所構造の別の実施形態の直交図を示す。
【図11L】シングルバンド、円偏光アンテナシステム用のラジエターパッチ及びグランドプレーンに構成される連続する局所構造の別の実施形態の直交図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0032】
図1A及び図1Bは、x軸102、y軸104、z軸106、及び原点O108によって定義された直交座標系の斜視図を示している。図1Aに示されるように、磁界H−平面120は、y−z平面内にあり、図1Bに示されるように、電界E−平面130は、x−z平面内にある。
【0033】
また、図1Cの斜視図に示されるように、幾何学的構成が、球面座標系に対して説明されている。点P116の球面座標は、(r,θ,φ)で与えられ、ここで、rは原点O108から測定した半径である。ここで点Pは、(r,θ,φ)に対応する値を有する。x−y平面は、方位角平面と呼ばれ、x軸102から測定したφ103は、方位角と呼ばれている。φ=定数でz軸106と交差することによって定義された平面は子午面と呼ばれている。z軸106とx’軸112によって定義される一般的な子午面114が、図1Cに示されている。x−z平面とy−z平面は、子午面の特殊な場合である。いくつかの規則では、子午線角度と呼ばれる角度θは、z軸106から測定される(θ105と表記)。本明細書中で使用されるような他の規則では、角度θは、x’軸112から測定され(θ107と表記)、仰角とも呼ばれている。
【0034】
図2は、地球202の上方に位置するアンテナ204の概略図を示す。アンテナ204は、例えば、測地用測量三脚(図示せず)に取り付けることができる。図の平面は、E−平面(x−z平面)である。+y方向は、図の平面内を指している。野外環境では、+z(上)方向(天頂とも呼ばれる)は空の方向を指し、−z(下)は地面の方向を指している。ここで、地面という用語は、陸と水環境の両方を含む。グランドプレーンを参照する際に使用されるような「電気的な」グランドとの混乱を避けるために、土地を参照する際に使用されるような「地理的な」グランドは、本明細書中では使用されない。
【0035】
図2では、電磁波がx軸に対して入射角θでアンテナ204に入射する線として表現されている。水平線は、θ=0°に対応している。線210や線212などの広々とした空からの入射線は、入射角が正の値を有する。線214などの地球202から反射した線は、入射角が負の値を有する。ここで、入射角が正の値を有する空間領域は、直接信号領域と呼ばれている。直接信号領域は、前方半球、上部半球とも呼ばれている。ここで、入射角が負の値を有する空間領域は、マルチパス信号領域と呼ばれている。マルチパス信号領域は、後方半球、下部半球とも呼ばれている。入射線210は、アンテナ204に直接入射する。入射線212は、地球202にぶつかる。反射線214が入射線212の地球202からの反射によって生じる。
【0036】
反射信号を緩和するアンテナ能力を数値的に特徴付けるために、以下の比率が一般的に使用されている。
パラメータDU(θ)(ダウン/アップ比)は、後方半球のアンテナ指向性パターンレベルF(−θ)のミラー角度での前方半球のアンテナ指向性パターンレベルF(θ)に対する比率に等しく、Fは電圧レベルを表す。dBで表すと、この比率は以下のようになる。
【0037】
図1Dは、以下に示すアンテナシステムの実施形態のビュー(観測方向)を定義する。ビューAは+y方向に沿って観測され、ビューBは−x方向に沿って観測され、ビューCは−z方向に沿って観測され、ビューDは+z方向に沿って観測される。ビューEは、図の断面がx−z平面に平行な断面図である。
【0038】
図1E、図1F、図1Gは、水平部分170H、垂直部分170V1、垂直部分170V2を備えた長方形の幾何学的構造170のビューC、ビューD、ビューEをそれぞれ示す。図1H、図1Iは、水平部分180H、垂直部分180Vを備えた円形の幾何学的構造180のビューC、ビューDをそれぞれ示す。図1Jは、円形の幾何学的構造180のビューEを示す。断面図では、垂直部分180Vは垂直部分180V1と垂直部分180V2で表される。図1Jの円形の幾何学的構造180のビューEは、図1Gの長方形の幾何学的構造170のビューEと類似している。
【0039】
図1K、図1L、図1M、図1N、図1Oは、長方形の閉鎖空洞172のビューC、ビューD、ビューA、ビューB、ビューEをそれぞれ示す。長方形の閉鎖空洞172の壁は、空洞壁172H1、空洞壁172H2、空洞壁172V1、空洞壁172V2、空洞壁172V3、空洞壁172V4である。
【0040】
図1P、図1Q、図1Rは、円筒閉鎖空洞182のビューC、ビューD、ビューEをそれぞれ示す。図1Sは、斜視図を示す。図1Sに示されるように、円筒閉鎖空洞182の壁は、空洞壁182H1(平面)、空洞壁182H2(平面)と、空洞壁182V(円筒面)である。図Rの断面ビューEに示されるように、空洞壁182Vは、空洞壁182V1と空洞壁182V2によって表される。
【0041】
以下のアンテナシステムの実施形態は、主に断面図(ビューE)に示される。図の数を減らすために、特に断りのない限り、実施形態は、長方形の幾何学的構造と円形の幾何学的構造の両方を表す。様々な実施形態は、直線偏光放射又は円偏光放射を受信するように設計されている。一般に、本明細書内で開示されるアンテナシステムの実施形態は、長方形と円形の形状に限定されない。形状の他の例としては、三角形、平行四辺形、台形、一般的な多角形、楕円、及び一般的な曲線がある。形状は、特定の用途に応じて、ユーザ(例えば、アンテナの設計エンジニアなど)によって特定される。
【0042】
図3Aは、アンテナシステム300として参照されるパッチアンテナの一実施形態の拡大詳細図を示している。主要なコンポーネントは、ラジエターパッチ308Hと、ラジエターパッチ308Hと同軸の対応するグランドプレーン310Hである(アンテナシステムの軸は、Z軸に沿い、ラジエターパッチの幾何学的中心とグランドプレーンの幾何学的中心を通過する)。アンテナシステム300では、ラジエターパッチ308Hとグランドプレーン310Hは、誘電媒体として空気によって分離している。そのため、ラジエターパッチ308Hとグランドプレーン310Hの間の空間は、エアギャップと呼ばれている。空気が誘電媒体として使用される場合、小さな共振サイズを維持しながら、アンテナシステム300の帯域幅と指向性パターンを高めるために、容量素子をラジエターパッチ308Hの周囲、グランドプレーン310Hの周囲、又はラジエターパッチ308Hの周囲とグランドプレーン310Hの周囲に沿って構成することができる。容量素子を組み込んだパッチアンテナのデザインは、米国特許出願公開第US2009/0140930号(2009年6月4日に公開)で更に詳細に説明されており、参照によって本明細書に組み込まれる。
【0043】
図3Aでは、容量素子308V1と容量素子308V2が、ラジエターパッチ308Hの周囲に沿ってある。容量素子310V1と容量素子310V2が、グランドプレーン310Hに沿ってある。回路基板306は、メタライズ層301Aによってラジエターパッチ308Hに結合されている。回路基板306は、励磁回路304を搭載している。回路基板320は、メタライズ層301Bによってグランドプレーン310Hに結合されている。回路基板320は、低雑音増幅装置(LNA)324を搭載している。アンテナシステムの実施形態では、回路基板は、プリント基板(PCB)である。励磁機330は、グランドプレーン310Hを(電気接点311Aで)励磁回路304に結合する導電体である。励磁機330は、ラジエターパッチ308H及びメタライズ層301Aから電気的に分離されている。
【0044】
図3Aに示される実施形態では、ピン駆動励磁回路が使用され、他の励磁回路を使用することもできる。励磁回路は、当技術分野で周知であり、更なる詳細は本明細書では提供されない。(いくつかの実施形態では、それらはマイクロストリップとして実装されている。)例えば、励磁回路の他の実施形態は、パワースプリッタを内蔵している。また、LNA324を囲むシールド318が図3Aに示されている(図3Aでは、シールド318は、シールド壁318H、シールド壁318V1、シールド壁318V2によって表される)。LNA324からの出力信号は、LNA出力ポート340を介してアクセスされる。低雑音増幅装置は、当技術分野で周知であり、更なる詳細は本明細書では提供されない。アンテナシステム自体にLNAを統合することによって、コンパクトなデザインを提供する。他の実施形態では、アンテナシステムの外部に独立したLNAが使用される。
【0045】
同軸ケーブル328は、誘電体によって分離した外側導体328A(例えば、編組導体ジャケット)と内側導体328B(例えば、ワイヤ)を含む。外側導体328Aは、電気接点311Bでラジエターパッチ308H及びメタライズ層301Aと電気的に接触する。外側導体328Aは、電気接点311Cでグランドプレーン310H及びメタライズ層301Bと電気的に接触する。内側導体端328Cとして参照される内側導体328Bの一端は、励磁回路304と電気的に接触する。内側導体端328Dとして参照される内側導体328Bの他端は、LNA入力ポート342と電気的に接触する。
【0046】
他の実施形態では、ラジエターパッチ308Hとグランドプレーン310Hは、誘電媒体として固体誘電体基板によって分離している。固体誘電媒体の誘電率がεならば、誘電媒体内の波長は、√εの倍数で減少し、その結果、パッチアンテナの共振サイズも√εの倍数で減少する。固体誘電体基板を組み込んだアンテナシステムの例が以下に記載されている。固体誘電体基板を使用する場合は、容量素子は一般には使用されない。
【0047】
アンテナシステムは、単一の周波数帯域(シングルバンドアンテナシステム)で、2つの周波数帯域(デュアルバンドアンテナシステム)で、又は3つ以上の周波数帯域(マルチバンドアンテナシステム)で動作することができる。例えば、GPSは、L1帯とL2帯で動作する。GPSに対しては、シングルバンドアンテナシステムは、通常、L1帯で動作し、デュアルバンドアンテナシステムは、通常、L1帯とL2帯の両方で動作する。
【0048】
地上設置用に最適化された従来技術のアンテナを、車両の表面上又は表面近くに配置すると、アンテナ動作の効率が落ち、マルチパスレベルが増加する。図3Bは、任意の取付面302に取り付けたとき、高いアンテナ性能を維持するために設計されたアンテナシステム380として参照されるシングルバンドアンテナシステムの一実施形態を示している。いくつかの実施形態では、取付面302は、屋根、ボンネット、又は車体の他の部分などの伝導性表面(ここでは伝導性は導電性を指す)である。他の実施形態では、取付面302は、三脚のプラットフォームである。
【0049】
アンテナシステム380は、2つの対応する同軸アンテナアセンブリを含む。上部アンテナアセンブリは、前で図3Aに示されたアンテナシステム300と類似している。図を簡略化するために、図3Aの詳細のいくつかは、図3Bには示されていない。対応する下部アンテナアセンブリは、ラジエターパッチ314Hと、対応するグランドプレーン312Hを含む。ラジエターパッチ314Hとグランドプレーン312Hは、エアギャップによって分離している。容量素子314V1と容量素子314V2が、ラジエターパッチ314Hの周囲に沿ってある。容量素子312V1と容量素子312V2が、グランドプレーン312Hの周囲に沿ってある。一般的に、容量素子はラジエターパッチ314Hの周囲、グランドプレーン312Hの周囲、又はラジエターパッチ314Hの周囲とグランドプレーン312Hの周囲に沿って構成することができる。容量素子の長さと、グランドプレーンの容量素子に対するラジエターパッチの容量素子の相対位置を変化させることができる。設計パラメータの詳細については後述する。いくつかの実施形態では、グランドプレーン310Hとグランドプレーン312Hは、互いに電気的に接触している独立した構造であり、他の実施形態では、グランドプレーン310Hとグランドプレーン312Hは、単一の構造体として形成される。
【0050】
上部アンテナアセンブリでは、高周波(RF)信号が励磁機330及び励磁回路304によってラジエターパッチ308Hに励磁される。励磁回路304からの出力信号は、同軸ケーブル328を経由してLNA324の入力ポートに結合される。同軸ケーブルは、LNAの出力ポート340をナビゲーションレシーバ又は他の電子アセンブリに結合するために使用することができる。LNAは、アンテナシステム内の他の場所(ラジエターパッチ308Hとラジエターパッチ314Hの間)に取り付けられることに留意されたい。
【0051】
下部アンテナアセンブリには、励磁機も励磁回路もない。下部アンテナアセンブリは、上部アンテナアセンブリに電磁結合され、下部アンテナアセンブリの電磁放射が、上部アンテナアセンブリからの電磁放射によって誘導される。下部ラジエターパッチからの電磁放射は、電磁結合を介して上部ラジエターパッチに戻って送信され、下部ラジエターパッチからの信号は、上部ラジエターパッチで励磁された信号と合成される。
【0052】
ここで、信号ポートは、上部ラジエターパッチと下部ラジエターパッチからの合成信号にアクセスできるアクセスポイントを指す。信号ポートは、様々な物理ポートに対応することができる。図3Aに戻って参照すると、信号ポートは、例えば、内側導体端328D、LNA入力ポート342、又はLNA出力ポート340に配置することができる。図3Bでは、上部ラジエターパッチ308Hは信号ポートに電気的に接続されているが、下部ラジエターパッチ314Hは、(上記のように、下部アンテナアセンブリは上部アンテナアセンブリに電磁結合されているので、)信号ポートに電磁結合されていることに留意されたい。したがって、上部ラジエターパッチ308Hと信号ポートとの間の電磁結合は、下部ラジエターパッチ316Hと信号ポートとの間の電磁結合よりも強い。
【0053】
下部アンテナアセンブリは、その共振周波数が上部アンテナアセンブリの共振周波数にほぼ等しくなるように構成されている。上部アンテナアセンブリの共振周波数は、周波数帯域の中心動作周波数にチューニングされている。一実施形態では、上部アンテナアセンブリは、GPSのL1帯で動作する。そして、下部アンテナアセンブリの共振周波数は、上部アンテナアセンブリの共振周波数の約±5%以内にチューニングされている。
【0054】
上部アンテナアセンブリと下部アンテナアセンブリは、下部アンテナアセンブリに誘導される電流場(フィールド)が、上部アンテナアセンブリに励磁される電流場と逆位相になるように構成されている。したがって、アンテナシステムの下半球内の場の振幅は、アンテナシステムの上半球内の場の振幅から減算される。能動的に励磁された上部アンテナアセンブリを、(上部アンテナアセンブリからの電磁誘導を介して)受動的に励磁された下部アンテナアセンブリに結合し、下部アンテナアセンブリの共振周波数を、上部アンテナ素子の共振周波数にチューニングさせる組み合わせによって、アンテナシステムが取り付けられている下部表面からの反射信号の受信数を減少させる。その結果、下半球におけるアンテナ指向性パターンレベルが低減され、反射マルチパス信号が抑制される。
【0055】
下部アンテナアセンブリの共振周波数は、補助RFプローブで測定することができる(上部アンテナアセンブリがまず取り除かれる)。周波数の関数としての総入力抵抗が、補助プローブによって測定される。総入力抵抗の実部の最大周波数が共振周波数を示している。ダウン/アップ比を最小にするために、上部アンテナアセンブリと下部アンテナアセンブリ用のラジエターパッチ寸法の最終的なチューニングを行うことができる。周波数の関数としてのダウン/アップ比は、無残響室で測定される。一実施形態では、ダウン/アップ比の最小値は、下部アンテナアセンブリの容量素子の幾何学的構成を調整する(例えば、容量素子の位置と姿勢を互いに対して及びラジエターパッチやグランドプレーンに対して変える)ことによって、所望の周波数にシフトすることができる。
【0056】
下部アンテナアセンブリのラジエターパッチとグランドプレーンが、エアギャップの代わりに固体誘電体基板によって分離する一実施形態では、ダウン/アップ比が最小となる周波数は、誘電体の誘電率を変化させることによってチューニングすることができる。
【0057】
図3Cは、取付面302に取り付けられたアンテナシステム390として参照されるシングルバンドアンテナシステムの一実施形態を示している。アンテナシステム390は、追加の要素とともにアンテナシステム380を含む。閉鎖空洞316は、ラジエターパッチ314H、空洞壁316H、空洞壁316V1、空洞壁316V2によって部分的に形成される。空洞壁は導電性がある。ナビゲーションレシーバ322が、空洞316の内側に取り付けられる。同軸ケーブル348は、LNAの出力ポート340を、ナビゲーションレシーバ322の入力ポートへ結合する。ここで、組み合わされたラジエターパッチ314H、空洞壁316V1、空洞壁316V2、空洞壁316Hは、下部アンテナアセンブリ用のラジエターパッチとして機能することに留意されたい。追加の空洞(図示せず)を、空洞316の下にスタック構成で構成することができる。補助ユニット(後述)を、これらの空洞に取り付けることができる。空洞の大きさは同じにすることが可能であり、又は異なっていることも可能である。アンテナシステムに統合した空洞内にナビゲーションレシーバ又は他の補助ユニットを取り付けることによって、アンテナシステムのパフォーマンスに影響を与えることなく、コンパクトなデザインを提供する。
【0058】
図4は、アンテナシステム400として参照されるデュアルバンドアンテナシステムの一実施形態を示す。各周波数帯域用に、上部アンテナアセンブリと、対応する下部アンテナアセンブリがある。各アンテナアセンブリは、ラジエターパッチと、エアギャップによって分離した対応するグランドプレーンを含む。各アンテナアセンブリ用に、容量素子をラジエターパッチの周囲、グランドプレーンの周囲、又はラジエターパッチの周囲とグランドプレーンの周囲に沿って構成することができる。一実施形態では、第1周波数帯は、GPSのL1帯(高周波帯域)であり、第2周波数帯は、GPSのL2帯(低周波数帯域)である。
【0059】
第1周波数帯域用に、上部アンテナアセンブリは、ラジエターパッチ408Hと、対応するグランドプレーン410Hを含む。容量素子408V1と容量素子408V2が、ラジエターパッチ408Hの周囲に沿ってある。容量素子410V1と容量素子410V2が、グランドプレーン410Hの周囲に沿ってある。
【0060】
第1周波数帯域用に、対応する下部アンテナアセンブリは、ラジエターパッチ414Hと、対応するグランドプレーン412Hを含む。容量素子414V1と容量素子414V2が、ラジエターパッチ414Hの周囲に沿ってある。容量素子412V1と容量素子412V2が、グランドプレーン412Hの周囲に沿ってある。
【0061】
第2周波数帯域用に、上部アンテナアセンブリは、ラジエターパッチ428Hと、対応するグランドプレーン430Hを含む。容量素子428V1と容量素子428V2が、ラジエターパッチ428Hの周囲に沿ってある。容量素子430V1と容量素子430V2が、グランドプレーン430Hの周囲に沿ってある。
【0062】
第2周波数帯域用に、対応する下部アンテナアセンブリは、ラジエターパッチ434Hと、対応するグランドプレーン432Hを含む。容量素子434V1と容量素子434V2が、ラジエターパッチ434Hの周囲に沿ってある。容量素子432V1と容量素子432V2が、グランドプレーン432Hの周囲に沿ってある。
【0063】
グランドプレーン410Hとラジエターパッチ428Hは、互いに電気的に接触している別の構造体であることが可能であり、又は単一の構造体として形成することも可能である。グランドプレーン430Hとグランドプレーン432Hは、互いに電気的に接触している別の構造体であることが可能であり、又は単一の構造体として形成することも可能である。ラジエターパッチ434Hとグランドプレーン412Hは、互いに電気的に接触している別の構造体であることが可能であり、単一の構造体として形成することも可能である。
【0064】
回路基板406は、メタライズ層(図示せず)によってラジエターパッチ408Hに結合されている。回路基板406は、第1周波数帯域用の励磁回路404を搭載している。回路基板420は、メタライズ層(図示せず)によって、グランドプレーン432Hに結合されている。回路基板420は、低雑音増幅装置(LNA)424と第2周波数帯域用の励磁回路426を搭載している。第1周波数帯域用の励磁機である励磁機440は、グランドプレーン410Hを励磁回路404に結合する導電体である。励磁機440は、ラジエターパッチ408H(及びメタライズ層)から電気的に分離している。
【0065】
第2周波数帯域用の励磁機である励磁機442は、ラジエターパッチ428Hを励磁回路426に結合している。図4に示される実施形態では、第1周波数帯域と第2周波数帯域の両方で信号を処理するために、単一の広帯域LNAが使用されている。広帯域LNAの出力ポートは、両方の周波数帯域に共通の信号ポートとして機能する。一般的には、各周波数帯域用に独立したLNAを使用可能であり、そのため、第1周波数帯域用の信号ポートは、第2周波数帯域用の信号ポートから分離している。単一の広帯域LNAは、別々のLNAよりもコンパクトなデザインを提供する。LNAは、アンテナシステム内の他の場所(ラジエターパッチ408Hとラジエターパッチ414Hの間)に取り付けることも可能であることに留意されたい。
【0066】
第1周波数帯域用に、上部アンテナアセンブリのラジエターパッチ406Hは、第1信号ポート(この例では共通の信号ポート)に電気的に接続され、対応する下部アンテナアセンブリのラジエターパッチ414Hは接続されていない。下部アンテナアセンブリは、上部アンテナアセンブリに電磁結合されている。電磁結合の度合いは、アンテナシステムの幾何学的構成を変えることによって、例えば、ラジエターパッチ406Hとラジエターパッチ414Hの間の軸方向の分離を変えることによって変化させることができる。ラジエターパッチ406Hと第1信号ポートとの間の電磁結合は、ラジエターパッチ414Hと第1信号ポートとの間の電磁結合よりも強い。上述のように、アンテナシステムの下半球内の場の振幅は、アンテナシステムの上半球内の場の振幅から減算されるため、マルチパス信号は抑制される。
【0067】
第2周波数帯域用のアンテナ要素は、同様に構成されている。第2周波数帯域用に、上部アンテナアセンブリのラジエターパッチ428Hは、第2信号ポート(この例では共通の信号ポート)に電気的に接続され、対応する下部アンテナアセンブリのラジエターパッチ434Hは接続されていない。下部アンテナアセンブリは、上部アンテナアセンブリに電磁結合されている。電磁結合の度合いは、アンテナシステムの幾何学的構成を変えることによって、例えば、ラジエターパッチ428Hとラジエターパッチ434Hの間の軸方向の分離を変えることによって変化させることができる。ラジエターパッチ428Hと第2信号ポートとの間の電磁結合は、ラジエターパッチ434Hと第2信号ポートとの間の電磁結合よりも強い。上述のように、アンテナシステムの下半球内の場の振幅は、アンテナシステムの上半球内の場の振幅から減算されるため、マルチパス信号は抑制される。
【0068】
本明細書内のアンテナシステムの実施形態の図では、種々の信号及び電源との接続やLNAの動作用に使用されるケーブル、ナビゲーションレシーバ、及び補助ユニットは、表示されていない。これらは、当技術分野で周知であり、本明細書内では記載されていない。
【0069】
図5は、アンテナシステム500として参照されるデュアルバンドアンテナシステムの一実施形態を示している。各周波数帯域用に、上部アンテナアセンブリと、対応する下部アンテナアセンブリがある。各アンテナアセンブリは、ラジエターパッチと、対応するグランドプレーンを含む。様々なラジエターパッチとグランドプレーンは、エアギャップの代わりに固体誘電体基板によって分離している。容量素子は使用されていない。
【0070】
第1周波数帯域用に、上部アンテナアセンブリは、ラジエターパッチ508と、対応するグランドプレーン510を含む。第1周波数帯域用に、対応する下部アンテナアセンブリは、ラジエターパッチ514と、対応するグランドプレーン512を含む。第2周波数帯域用に、上部アンテナアセンブリは、ラジエターパッチ528と、対応するグランドプレーン530を含む。第2周波数帯域用に、対応する下部アンテナアセンブリは、ラジエターパッチ534と、対応するグランドプレーン532を含む。
【0071】
グランドプレーン510とラジエターパッチ528は、互いに電気的に接触している別の構造体であることが可能であり、単一の構造体として形成することも可能である。グランドプレーン530とグランドプレーン532は、互いに電気的に接触している別の構造体であることが可能であり、単一の構造体として形成することも可能である。ラジエターパッチ534とグランドプレーン512は、互いに電気的に接触している別の構造であることが可能であり、単一の構造体として形成することも可能である。
【0072】
ラジエターパッチ508とグランドプレーン510は、固体誘電体基板582によって分離している。ラジエターパッチ528とグランドプレーン530は、固体誘電体基板584によって分離している。グランドプレーン532とラジエターパッチ534は、固体誘電体基板586によって分離している。グランドプレーン512とラジエターパッチ514は、固体誘電体基板588によって分離している。誘電体基板は、同じ材料又は異なる材料(例えば、異なる誘電率を有する)にすることができる。
【0073】
回路基板506は、メタライズ層(図示せず)によってラジエターパッチ508に結合されている。回路基板506は、第1周波数帯域用の励磁回路504を搭載している。回路基板520は、メタライズ層(図示せず)によってグランドプレーン532に結合されている。回路基板526は、低雑音増幅装置(LNA)524と、第2周波数帯域用の励磁回路526を搭載している。励磁機540は、グランドプレーン510を励磁回路504と結合する導電体である。励磁機540は、ラジエターパッチ508(及びメタライズ層)から電気的に分離している。励磁機542は、ラジエターパッチ528を励磁回路526に結合している。同軸ケーブル548は、LNA524の出力をナビゲーションレシーバ522の入力に結合している。
【0074】
閉鎖空洞570は、ラジエターパッチ514、空洞壁570H、空洞壁570V1、空洞壁570V2によって部分的に形成される。閉鎖空洞572は、空洞壁570H、空洞壁572V1、空洞壁572V2、空洞壁572Hによって部分的に形成される。空洞壁は導電性がある。ナビゲーションレシーバ522は、空洞570内に取り付けられる。補助ユニット538は、空洞572内に取り付けられる。ここで、補助ユニットは、電気式、電子式、光学式、機械式コンポーネントを含む任意のユーザ定義のコンポーネントを指す。補助ユニット538の例としては、低雑音増幅装置、シグナルプロセッサ、姿勢トランスデューサ、傾斜センサが含まれる。追加の空洞は、空洞572の下にスタック構成で構成できる。空洞の大きさは、同じにすることが可能であり、又は異なっていることも可能である。種々の信号及び電源の接続とナビゲーションレシーバ及び補助ユニットの動作用に使用されるケーブルは図示されていない。
【0075】
当業者であれば、2つを超える周波数帯域で動作するためのアンテナシステムの実施形態を開発することができる。
【0076】
図6は、アンテナシステム600として参照されるデュアルバンドアンテナシステムの概略寸法図を示している。図を簡略化するために、回路素子のほとんどは図示されていない。各周波数帯域用に、軸601に関して同軸上の上部アンテナアセンブリと対応する下部アンテナアセンブリがある。各アンテナアセンブリは、エアギャップによって分離したラジエターパッチと対応するグランドプレーンを含む。各アンテナアセンブリ用に、容量素子をラジエターパッチの周囲、グランドプレーンの周囲、又はラジエターパッチの周囲とグランドプレーンの周囲に沿って構成することができる。
【0077】
第1周波数帯域用に、上部アンテナアセンブリは、ラジエターパッチ608Hと、対応するグランドプレーン610Hを含む。容量素子608V1と容量素子608V2が、ラジエターパッチ608Hの周囲に沿ってある。容量素子610V1と容量素子610V2が、グランドプレーン610Hの周囲に沿ってある。
【0078】
第1周波数帯域用に、対応する下部アンテナアセンブリは、ラジエターパッチ614Hと、対応するグランドプレーン612Hを含む。容量素子614V1と容量素子614V2が、ラジエターパッチ614Hの周囲に沿ってある。容量素子612V1と容量素子612V2が、グランドプレーン612Hの周囲に沿ってある。
【0079】
第2周波数帯域用に、上部アンテナアセンブリは、ラジエターパッチ628Hと、対応するグランドプレーン630Hを含む。容量素子628V1と容量素子628V2が、ラジエターパッチ628Hの周囲に沿ってある。容量素子630V1と容量素子630V2が、グランドプレーン630Hの周囲に沿ってある。
【0080】
第2周波数帯域用に、対応する下部アンテナアセンブリは、ラジエターパッチ634Hと、対応するグランドプレーン632Hを含む。容量素子634V1と容量素子634V2が、ラジエターパッチ634Hの周囲に沿ってある。容量素子632V1と容量素子632V2が、グランドプレーン632Hの周囲に沿ってある。
【0081】
グランドプレーン610Hとラジエターパッチ628Hは、互いに電気的に接触している別の構造であることが可能であり、又は単一の構造体として形成することも可能である。グランドプレーン630Hとグランドプレーン632Hは、互いに電気的に接触している別の構造であることが可能であり、又は単一の構造体として形成することも可能である。ラジエターパッチ634Hとグランドプレーン612Hは、互いに電気的に接触している別の構造であることが可能であり、又は単一の構造体として形成することも可能である。
【0082】
以下の寸法は、特定のアプリケーション用にユーザ(例えばアンテナエンジニアなど)によって指定することが可能な設計パラメータである。
ラジエターパッチとグランドプレーンの横寸法:
D1:ラジエターパッチ608H
D2:グランドプレーン610H
D3:ラジエターパッチ628H
D4:グランドプレーン630H
D5:グランドプレーン632H
D6:ラジエターパッチ634H
D7:グランドプレーン612H
D8:ラジエターパッチ614H
容量素子の長さ:
L1:容量素子608V1と容量素子608V2
L2:容量素子610V1と容量素子610V2
L3:容量素子628V1と容量素子628V2
L4:容量素子630V1と容量素子630V2
L5:容量素子632V1と容量素子632V2
L6:容量素子634V1と容量素子634V2
L7:容量素子612V1と容量素子612V2
L8:容量素子614V1と容量素子614V2
ラジエターパッチとグランドプレーン間の垂直方向の間隔:
S1:ラジエターパッチ608Hとグランドプレーン610Hの間
S2:ラジエターパッチ628Hとグランドプレーン630Hの間
S3:グランドプレーン632Hとラジエターパッチ634Hの間
S4:グランドプレーン612Hとラジエターパッチ614Hの間
【0083】
アンテナシステムの一実施形態では、第1周波数帯域はL1帯であり、第2周波数帯域はL2帯である。第1周波数帯域の上部アンテナアセンブリ及び対応する下部アンテナアセンブリは、L1帯でユーザ指定のダウン/アップ比を提供するように構成され、第2周波数帯域の上部アンテナアセンブリ及び対応する下部アンテナアセンブリは、L2帯でユーザ指定のダウン/アップ比を提供するように構成される。例えば、L1帯(1563MHz〜1616MHz)とL2帯(1216MHz〜1260MHz)で、GPSとGLONASSの両方の信号を受信するためには、L1帯において下部アンテナアセンブリの共振周波数が、L1帯の中心周波数(1590MHz)の周りのおよそ−60MHz〜+25MHzの範囲内にあり、L2帯において下部アンテナアセンブリの共振周波数が、L2帯の中心周波数(1240MHz)の周りのおよそ−50MHz〜+20MHzの範囲内にあるようにパラメータを選択する。
【0084】
また、ユーザ指定のパラメータである横方向の寸法Wをもつハウジング622が、図6に示される。一実施形態では、ハウジング622は、図3Cの閉鎖空洞316などの閉鎖空洞である。別の一実施形態では、ハウジング622は、図3Cのナビゲーションレシーバ322などのナビゲーションレシーバのケースである。ナビゲーションレシーバのケースは導電性があり、ラジエターパッチ614Hと電気的に接触しており、閉鎖空洞は使用されない。アンテナシステムのパフォーマンス特性に影響を与えることなく、ハウジング622の別の寸法を使用することができる。一実施形態では、Wはほぼ(1−5)D6の範囲にある。第2実施形態では、WはD6にほぼ等しい。第3実施形態では、WはD8にほぼ等しい。
【0085】
一実施形態では、ハウジング622は、閉鎖空洞を表し、アンテナアセンブリは、ジャッキパッド又は三脚に取り付けられ、WはD7よりも小さい。追加の空洞が、ハウジング622の下に取り付けられる場合は、追加の空洞の寸法は、W以下である。第2実施形態では、アンテナアセンブリは、車両の本体などの導電性表面に取り付けられ、WはD6以上である。追加の空洞が、ハウジング622の下に取り付けられる場合は、追加の空洞の寸法は、アンテナシステムの性能には影響しない。
【0086】
図6に示される横方向の寸法は、ビューEの断面平面内の横方向の寸法を表すことに留意されたい。しかしながら、上述のように、ラジエターパッチ及びグランドプレーンの形状は、正方形又は円形とは異なる場合がある。したがって、横方向の寸法は、他の断面に対しては異なる場合がある。
【0087】
他の実施形態では、ラジエターパッチとそれに対応するグランドプレーンは、エアギャップの代わりに固体誘電体基板によって分離している。通常、これらの実施形態では容量素子は使用されない。図6に示されるものと同様の設計パラメータが適用される。追加の設計パラメータとして、固体誘電体基板の誘電率がある。
【0088】
図8Aは、直線偏光放射用アンテナシステム800として参照されるシングルバンドアンテナシステムの一実施形態の斜視図を示している。アンテナシステム800は、上部アンテナアセンブリ(ラジエターパッチ802Hと、対応するグランドプレーン804H)と、対応する下部アンテナアセンブリ(ラジエターパッチ806Hと、対応するグランドプレーン808H)を含む。グランドプレーン804Hとグランドプレーン808Hは、互いに電気的に接触している別の構造であることが可能であり、単一の構造体から形成することも可能である。ラジエターパッチ802Hは、励磁機810によって供給される。励磁機810の位置は、x軸に沿ってラジエターパッチ802Hの幾何学的中心からずれている。ラジエターパッチ806Hは、励磁機によって供給されない。
【0089】
ラジエターパッチは、誘電媒体によってそれに対応するグランドプレーンから分離している。いくつかの実施形態では、誘電媒体は、固体誘電体基板である。他の実施形態では、図8Aに示されるように、誘電媒体は空気である。グランドプレーン上でラジエターパッチを支持する構造要素は、これらの図には示されていない。支持構造要素の例としては、薄い誘電体支柱と薄い導電性ブリッジを含んでおり、これらはアンテナシステムのパフォーマンスに影響を与えない。
【0090】
エアギャップを使用する場合は、パッチアンテナの共振サイズを小さくするために、容量素子の形態の遅波構造を、ラジエターパッチ、グランドプレーン、又はラジエターパッチとグランドプレーンの両方に構成可能である。容量素子は、H−平面(x軸に直交する)に沿ってのみ構成される。図8Aに示される実施形態では、容量素子(CE)は、上部ラジエターパッチ802Hに構成されるCE 802V1及びCE 802V2と、下部ラジエターパッチ806Hに構成されるCE 806V1及びCE 806V2である。
【0091】
参照ジオメトリを以下に記載する。特に断りのない限り、本明細書内のすべての寸法は、特定用途用にユーザ指定できる設計パラメータである。
【0092】
図8Bは、ラジエターパッチ802H及びグランドプレーン804H用の参照ジオメトリを提供する。ビューCを参照。グランドプレーン804Hは、x軸に沿った寸法d1とy軸に沿った寸法d2を有する。ラジエターパッチ802Hは、x軸に沿った寸法d3とy軸に沿った寸法d4を有する。ラジエターパッチ802Hの寸法は、グランドプレーン804Hの寸法よりも小さい、等しい、又は大きいことが可能である。アンテナシステムのダウン/アップ比を向上させるために、通常、d1=〜(1−3.5)d3、d2=〜(1−3.5)d4である。
【0093】
ビューB及びビューAを参照。ラジエターパッチ802Hは、z軸に沿った寸法d6だけグランドプレーン804Hから分離している。容量素子CE 802V1及びCE 802V2は、y軸に沿った寸法d4とz軸に沿った寸法d5を有する。
【0094】
同様の参照ジオメトリが、ラジエターパッチ806H及びグランドプレーン808Hに適用される。一実施形態では、ラジエターパッチ806Hは、ラジエターパッチ802Hと同じサイズであり、グランドプレーン808Hは、グランドプレーン804Hと同じサイズであり、下部アンテナアセンブリと上部アンテナアセンブリはx−y平面に対して鏡面対称性を有する。一般的に、下部アンテナアセンブリの寸法は、対応する上部アンテナアセンブリの寸法よりも小さい、等しい、又は大きいことが可能である。一実施形態では、ダウン/アップ比を減少させるために、下部アンテナアセンブリの寸法は、上部アンテナアセンブリの対応する寸法の約3.5倍までである。
【0095】
図9A〜図9Dは、米国特許出願公開第US2009/0140930号に更に詳細に記載されている容量素子の他の実施形態を示している。図9Aを参照。ラジエターパッチ802Hは、y軸に沿って寸法d4を有する。図8Bでは、CE 802V2が、ラジエターパッチ802Hの全長に沿っている。一般的に、CE 902V2は、y軸に沿った寸法d7を有し、d7≦d4である。
【0096】
図9B〜図9Dを参照。図9Bでは、CE 902S1及びCE 902S2は、ストレート形状を有する。容量素子の厚さは、寸法d9と表記されている。図9Cでは、CE 902I1(セグメント902I1−1及びセグメント902I1−2を含む)と、CE 902I2(セグメント902I2−1及びセグメント902I2−2を含む)は、内曲形状(内側に曲がった形状)を有する。セグメント902I1−2及びセグメント902I2−2の寸法は、x軸に沿ってd10である。図9Cでは、CE 902O1(セグメント902O1−1及びセグメント902O1−2を含む)と、CE 902O2(セグメント902O2−1及びセグメント902O2−2を含む)は、外曲形状(外側に曲がった形状)を有する。セグメント902O1−2及びセグメント902O2−2の寸法は、x軸に沿ってd11である。一般的に、容量素子とラジエターパッチ又はグランドプレーンとの間の角度は、90度以外でもよい。一般的に、内曲及び外曲容量素子の曲げ角度は、90度以外でもよい。
【0097】
図9B、図9C、及び図9Dでは、x軸に沿った容量素子間の距離はd8である。
【0098】
容量素子CE 902V2は、連続的なストリップとして構成され、拡張連続構造(ECS)と呼ばれている。図9Bに示される形状は、ストレートECSと呼ばれている。図9Cに示される形状は、内曲ECSと呼ばれている。図9Dに示される形状は、外曲ECSと呼ばれている。
【0099】
図9E〜図9Lは、ラジエターパッチ、グランドプレーン、及びECS容量素子の様々な構成の直交図を示している。
図9E:
ラジエターパッチ802H:ストレートECS(902S1、902S2)
グランドプレーン804H:なし
グランドプレーン808H:なし
ラジエターパッチ806H:ストレートECS(906S1、90262)
注意事項:なし。
図9F:
ラジエターパッチ802H:なし
グランドプレーン804H:ストレートECS(904S1、904S2)
グランドプレーン808H:ストレートECS(908S1、908S2)
ラジエターパッチ806H:なし
注意事項:なし。
図9G:
ラジエターパッチ802H:ストレートECS(902S1、902S2)
グランドプレーン804H:ストレートECS(904S1、904S2)
グランドプレーン808H:ストレートECS(908S1、908S2)
ラジエターパッチ806H:ストレートECS(906S1、906S2)
注意事項:ラジエターパッチはグランドプレーンよりも大きい。
図9H:
ラジエターパッチ802H:ストレートECS(902S1、902S2)
グランドプレーン804H:ストレートECS(904S1、904S2)
グランドプレーン808H:ストレートECS(908S1、908S2)
ラジエターパッチ806H:ストレートECS(906S1、906S2)
注意事項:グランドプレーンはラジエターパッチよりも大きい。
図9I:
ラジエターパッチ802H:ストレートECS(902S1、902S2)
グランドプレーン804H:内曲ECS(904I1、904I2)
グランドプレーン808H:内曲ECS(908I1、90812)
ラジエターパッチ806H:ストレートECS(906S1、906S2)
注意事項:ラジエターパッチはグランドプレーンよりも大きい。
図9J:
ラジエターパッチ802H:内曲ECS(902I1、902I2)
グランドプレーン804H:ストレートECS(904S1、904S2)
グランドプレーン808H:ストレートECS(908S1、908S2)
ラジエターパッチ806H:内曲ECS(906I1、906I2)
注意事項:グランドプレーンはラジエターパッチよりも大きい。
図9K:
ラジエターパッチ802H:外曲ECS(902O1、902O2)
グランドプレーン804H:ストレートECS(904S1、904S2)
グランドプレーン808H:ストレートECS(908S1、908S2)
ラジエターパッチ806H:外曲ECS(906O1、906O2)
注意事項:グランドプレーンの容量素子の外側にラジエターパッチの容量素子がある。
図9L:
ラジエターパッチ802H:外曲ECS(902O1、902O2)
グランドプレーン804H:内曲ECS(904I1、904I2)
グランドプレーン808H:内曲ECS(908I1、908I2)
ラジエターパッチ806H:外曲ECS(906O1、906O2)
注意事項:グランドプレーンの容量素子の外側にラジエターパッチの容量素子がある。
【0100】
図10Aは、連続線形構造(SLS)として構成された容量素子を示している。これらの容量素子は、アンテナシステムのRF応答をチューニングするための追加の設計パラメータを提供している。容量素子SLS 1002V2は、複数のセグメント、1002V2−A、1002V2−B、1002V2−C、1002V2−D、及び1002V2−Eを含む。各セグメントの寸法は、y軸に沿ってd12であり、隣接するセグメント間の間隔は、y軸に沿ってd13である。図10B〜図10Cに示されるように、SLSの形状は、ストレート(SLS 1002S1、SLS 1002S1)、内曲(SLS 1002I1、SLS 1002I2)、又は外曲(SLS 1002O1、SLS 1002O2)がそれぞれ可能である。各セグメントの断面は、正方形、長方形、円形、楕円形、又はその他のユーザ定義形状が可能である。図に示されている寸法は、すべてユーザ指定の設計パラメータである。一実施形態では、d13>0.1d12である。一般的に、容量素子とラジエターパッチ又はグランドプレーンとの間の角度は90度以外でもよい。一般的に、内曲及び外曲容量素子の曲げ角度は、90度以外でもよい。
【0101】
局所構造の寸法及び数は、全等価容量を決定する。共振アンテナのサイズを最小化するために、ラジエターパッチの容量素子とグランドプレーンの対応する容量素子との間の重複領域を最大化する必要がある。ラジエターパッチの容量素子とグランドプレーンの対応する容量素子は、物理的に分離されているので、重複領域は、ラジエターパッチの容量素子とグランドプレーンの対応する容量素子の互いに対向する領域によって決定される(つまり、ラジエターパッチの容量素子の表面が、グランドプレーンの対応する容量素子の表面に直角に突き出している場合、重複領域は、ラジエターパッチの容量素子の突出した表面が、グランドプレーンの容量素子の表面と重複する領域である)。したがって、拡張連続構造として構成された容量素子は、最小の共振サイズを生成する。
【0102】
図10E〜図10Oは、SLS容量素子の様々な構成の直交図を示している。
図10E:
ラジエターパッチ802H:ストレートSLS(1002S1、1002S2)
グランドプレーン804H:なし
グランドプレーン808H:なし
ラジエターパッチ806H:ストレートSLS(1006S1、1006S2)
注意事項:なし。
図10F:
ラジエターパッチ802H:なし
グランドプレーン804H:ストレートSLS(1004S1、1004S2)
グランドプレーン808H:ストレートSLS(1008S1、1008S2)
ラジエターパッチ806H:なし
注意事項:なし。
図10G:
ラジエターパッチ802H:ストレートSLS(1002S1、1002S2)
グランドプレーン804H:ストレートSLS(1004S1、1004S2)
グランドプレーン808H:ストレートSLS(1008S1、1008S2)
ラジエターパッチ806H:ストレートSLS(1006S1、1006S2)
注意事項:グランドプレーンの容量素子の外側にラジエターパッチの容量素子がある。
図10H:
ラジエターパッチ802H:ストレートSLS(1002S1、1002S2)
グランドプレーン804H:ストレートSLS(1004S1、1004S2)
グランドプレーン808H:ストレートSLS(1008S1、1008S2)
ラジエターパッチ806H:ストレートSLS(1006S1、1006S2)
注意事項:ラジエターパッチの容量素子の外側にグランドプレーンの容量素子がある。
図10I:
ラジエターパッチ802H:ストレートSLS(1002S1、1002S2)
グランドプレーン804H:ストレートSLS(1004S1、1004S2)
グランドプレーン808H:ストレートSLS(1008S1、1008S2)
ラジエターパッチ806H:ストレートSLS(1006S1、1006S2)
注意事項:グランドプレーンの容量素子の外側にラジエターパッチの容量素子がある。ラジエターパッチの容量素子は、グランドプレーンの容量素子からオフセットしている。
図10J:
ラジエターパッチ802H:ストレートSLS(1002S1、1002S2)
グランドプレーン804H:ストレートSLS(1004S1、1004S2)
グランドプレーン808H:ストレートSLS(1008S1、1008S2)
ラジエターパッチ806H:ストレートSLS(1006S1、1006S2)
注意事項:ラジエターパッチの容量素子の外側にグランドプレーンの容量素子がある。グランドプレーンの容量素子は、ラジエターパッチの容量素子よりも広い。ラジエターパッチの容量素子は、グランドプレーンの容量素子からオフセットしている。
図10K:
ラジエターパッチ802H:ストレートSLS(1002S1、1002S2)
グランドプレーン804H:ストレートSLS(1004S1、1004S2)
グランドプレーン808H:ストレートSLS(1008S1、1008S2)
ラジエターパッチ806H:ストレートSLS(1006S1、1006S2)
注意事項:グランドプレーンの容量素子は、ラジエターパッチの容量素子と互いに入り込んでいる。
図10L:
ラジエターパッチ802H:ストレートSLS(1002S1、1002S2)
グランドプレーン804H:内曲SLS(1004I1、1004I2)
グランドプレーン808H:内曲SLS(1008I1、1008I2)
ラジエターパッチ806H:ストレートSLS(1006S1、1006S2)
注意事項:グランドプレーンの容量素子の外側にラジエターパッチの容量素子がある。
図10M:
ラジエターパッチ802H:内曲SLS(1002I1、1002I2)
グランドプレーン804H:ストレートSLS(1004S1、1004S2)
グランドプレーン808H:ストレートSLS(1008S1、1008S2)
ラジエターパッチ806H:内曲SLS(1006I1、1006I2)
注意事項:ラジエターパッチの容量素子の外側にグランドプレーンの容量素子がある。
図10N:
ラジエターパッチ802H:外曲SLS(1002O1、1002O2)
グランドプレーン804H:ストレートSLS(1004S1、1004S2)
グランドプレーン808H:ストレートSLS(1008S1、1008S2)
ラジエターパッチ806H:外曲SLS(1006O1、1006O2)
注意事項:グランドプレーンの容量素子の外側にラジエターパッチの容量素子がある。
図10O:
ラジエターパッチ802H:外曲SLS(1002O1、1002O2)
グランドプレーン804H:内曲SLS(1004I1、1004I2)
グランドプレーン808H:内曲SLS(1008I1、1008I2)
ラジエターパッチ806H:外曲SLS(1006O1、1006O2)
注意事項:グランドプレーンの容量素子の外側にラジエターパッチの容量素子がある。
【0103】
図11Aは、円偏光放射用のアンテナシステム1100として参照されるシングルバンドアンテナシステムの一実施形態の斜視図を示している。アンテナシステムは、上部アンテナアセンブリ(ラジエターパッチ802Hと、対応するグランドプレーン804H)と、下部アンテナアセンブリ(ラジエターパッチ806Hと、対応するグランドプレーン808H)を含む。図11Aに示される実施形態では、ラジエターパッチ及びグランドプレーンは、長方形の形状を有する。他の実施形態では、円形形状などの他の形状を使用することができる。各ラジエターパッチは、エアギャップによって、それに対応するグランドプレーンから分離している。他の実施形態では、各ラジエターパッチは、固体誘電体基板によって、それに対応するグランドプレーンから分離している。
【0104】
容量素子は、ラジエターパッチの4つのすべての縁部に沿ったSLSとして構成されている。容量素子SLS 1102V1及びSLS 1102V2は、ラジエターパッチ802Hのy軸に沿って構成されている。容量素子SLS 1102V3及びSLS 1102V4は、ラジエターパッチ802Hのx軸に沿って構成されている。容量素子SLS 1106V1及びSLS 1106V2は、ラジエターパッチ806Hのy軸に沿って構成されている。容量素子SLS 1106V3及びSLS 1106V4は、ラジエターパッチ806Hのx軸に沿って構成されている。
【0105】
図11Aに示される実施形態では、ラジエターパッチ802H及びラジエターパッチ806Hは、両方ともy軸に沿った長さb及びx軸に沿った幅aを有する長方形である。長方形の形状は、円偏光放射用のパッチアンテナの実施形態で頻繁に使用されている正方形の形状(a=b)のケースを含むことに留意されたい。グランドプレーン804Hは、ラジエターパッチ802Hよりも大きくすることが可能であり、グランドプレーン808Hは、ラジエターパッチ806Hよりも大きくすることが可能である。
【0106】
上部アンテナアセンブリのラジエターパッチ802Hは、励磁ロッドによって励磁され、下部アンテナアセンブリのラジエターパッチ806Hは、励磁されない。円偏光場は、互いに直交し位相が90度ずれた2つの直線偏光の和である。この場を励磁するために、ロッド1110A及びロッド1110Bの2つのロッドが使用される。ロッド1110Bの位置は、x軸に沿ったラジエターパッチ802Hの幾何学的中心からずれている。ロッド1110Aの位置は、y軸に沿った放射素子802Hの幾何学的中心からずれている。x−z平面は、ロッド1110Bによって励磁された場のE−平面と、ロッド1110Aによって励磁された場のH−平面である。ロッド1110Bによって励磁された場に対して、SLS 1102V1及びSLS 1102V2は、(H−平面内の)磁場ベクトルに沿って整列される。SLS 1102V3及びSLS 1102V4は、(E−平面内の)電場ベクトルに沿って整列される。同様に、ロッド1110Aによって励磁された場に対して、SLS 1102V1及びSLS 1102V2は、(E−平面内の)電場ベクトルに沿って整列される。SLS 1102V3及びSLS 1102V4は、(H−平面内の)磁場ベクトルに沿って整列される。
【0107】
図11B〜図11Lは、円偏光アンテナシステムの他の実施形態の直交図を示している。一般的には、SLS容量素子をラジエターパッチの周囲、グランドプレーンの周囲、又はラジエターパッチの周囲とグランドプレーンの周囲に沿って構成することができる。
図11B:
x軸に沿ったラジエターパッチ802H:ストレートSLS(1102S3、1102S4)
y軸に沿ったラジエターパッチ802H:ストレートSLS(1102S1、1102S2)
x軸に沿ったグランドプレーン804H:なし
y軸に沿ったグランドプレーン804H:なし
x軸に沿ったグランドプレーン808H:なし
y軸に沿ったグランドプレーン808H:ストレートSLS(1108S1、1108S2)
x軸に沿ったラジエターパッチ806H:ストレートSLS(1106S3、1106S4)
y軸に沿ったラジエターパッチ806H:なし
注意事項:なし。
図11C:
x軸に沿ったラジエターパッチ802H:なし
y軸に沿ったラジエターパッチ802H:なし
x軸に沿ったグランドプレーン804H:ストレートSLS(1104S3、1104S4)
y軸に沿ったグランドプレーン804H:ストレートSLS(1104S1、1104S2)
x軸に沿ったグランドプレーン808H:ストレートSLS(1108S3、1108S4)
y軸に沿ったグランドプレーン808H:ストレートSLS(1108S1、1108S2)
x軸に沿ったラジエターパッチ806H:なし
y軸に沿ったラジエターパッチ806H:なし
注意事項:なし。
図11D:
x軸に沿ったラジエターパッチ802H:ストレートSLS(1102S3、1102S4)
y軸に沿ったラジエターパッチ802H:ストレートSLS(1102S1、1102S4)
x軸に沿ったグランドプレーン804H:ストレートSLS(1104S3、1104S4)
y軸に沿ったグランドプレーン804H:ストレートSLS(1104S1、1104S2)
x軸に沿ったグランドプレーン808H:ストレートSLS(1108S3、1108S4)
y軸に沿ったグランドプレーン808H:ストレートSLS(1108S1、1108S2)
x軸に沿ったラジエターパッチ806H:ストレートSLS(1106S3、1106S4)
y軸に沿ったラジエターパッチ806H:ストレートSLS(1106S1、1106S2)
注意事項:グランドプレーンの容量素子の外側にラジエターパッチの容量素子がある。
図11E:
x軸に沿ったラジエターパッチ802H:ストレートSLS(1102S3、1102S4)
y軸に沿ったラジエターパッチ802H:ストレートSLS(1102S1、1102S2)
x軸に沿ったグランドプレーン804H:ストレートSLS(1104S3、1104S4)
y軸に沿ったグランドプレーン804H:ストレートSLS(1104S1、1104S2)
x軸に沿ったグランドプレーン808H:ストレートSLS(1108S3、1108S4)
y軸に沿ったグランドプレーン808H:ストレートSLS(1108S1、1108S2)
x軸に沿ったラジエターパッチ806H:ストレートSLS(1106S3、1106S4)
y軸に沿ったラジエターパッチ806H:ストレートSLS(1106S1、1106S2)
注意事項:ラジエターパッチの容量素子の外側にグランドプレーンの容量素子がある。
図11F:
x軸に沿ったラジエターパッチ802H:ストレートSLS(1102S3、1102S4)
y軸に沿ったラジエターパッチ802H:ストレートSLS(1102S1、1102S2)
x軸に沿ったグランドプレーン804H:ストレートSLS(1104S3、1104S4)
y軸に沿ったグランドプレーン804H:ストレートSLS(1104S1、1104S2)
x軸に沿ったグランドプレーン808H:ストレートSLS(1108S3、1108S4)
y軸に沿ったグランドプレーン808H:ストレートSLS(1108S1、1108S2)
x軸に沿ったラジエターパッチ806H:ストレートSLS(1106S3、1106S4)
y軸に沿ったラジエターパッチ806H:ストレートSLS(1106S1、1106S2)
注意事項:グランドプレーンの容量素子の外側にラジエターパッチの容量素子がある。ラジエターパッチの容量素子は、グランドプレーンの容量素子に対してオフセットしている。
図11G:
x軸に沿ったラジエターパッチ802H:ストレートSLS(1102S3、1102S4)
y軸に沿ったラジエターパッチ802H:ストレートSLS(1104S1、1104S2)
x軸に沿ったグランドプレーン804H:ストレートSLS(1104S3、1104S4)
y軸に沿ったグランドプレーン804H:ストレートSLS(1104S1、1104S2)
x軸に沿ったグランドプレーン808H:ストレートSLS(1108S3、1108S4)
y軸に沿ったグランドプレーン808H:ストレートSLS(1108S1、1108S2)
x軸に沿ったラジエターパッチ806H:ストレートSLS(1106S3、1106S4)
y軸に沿ったラジエターパッチ806H:ストレートSLS(1106S1、1106S2)
注意事項:ラジエターパッチの容量素子の外側にグランドプレーンの容量素子がある。ラジエターパッチの容量素子は、グランドプレーンの容量素子に対してオフセットしている。
図11H:
x軸に沿ったラジエターパッチ802H:ストレートSLS(1102S3、1102S4)
y軸に沿ったラジエターパッチ802H:ストレートSLS(1104S1、1104S2)
x軸に沿ったグランドプレーン804H:ストレートSLS(1104S3、1104S4)
y軸に沿ったグランドプレーン804H:ストレートSLS(1104S1、1104S2)
x軸に沿ったグランドプレーン808H:ストレートSLS(1108S3、1108S4)
y軸に沿ったグランドプレーン808H:ストレートSLS(1108S1、1108S2)
x軸に沿ったラジエターパッチ806H:ストレートSLS(1106S3、1106S4)
y軸に沿ったラジエターパッチ806H:ストレートSLS(1106S1、1106S2)
注意事項:ラジエターパッチの容量素子は、グランドプレーンの容量素子と互いに入り込んでいる。
図11I:
x軸に沿ったラジエターパッチ802H:ストレートSLS(1102S3、1102S4)
y軸に沿ったラジエターパッチ802H:ストレートSLS(1104S1、1104S2)
x軸に沿ったグランドプレーン804H:内曲SLS(1104I3、1104I4)
y軸に沿ったグランドプレーン804H:内曲SLS(1104I1、1104I2)
x軸に沿ったグランドプレーン808H:内曲SLS(1108I3、1108I4)
y軸に沿ったグランドプレーン808H:内曲SLS(1108I1、1108I2)
x軸に沿ったラジエターパッチ806H:ストレートSLS(1106S3、1106S4)
y軸に沿ったラジエターパッチ806H:ストレートSLS(1106S1、1106S2)
注意事項:ラジエターパッチの容量素子の外側にグランドプレーンの容量素子がある。
図11J:
x軸に沿ったラジエターパッチ802H:内曲SLS(1102I3、1102I4)
y軸に沿ったラジエターパッチ802H:内曲SLS(1104I1、1104I2)
x軸に沿ったグランドプレーン804H:ストレートSLS(1104S3、1104S4)
y軸に沿ったグランドプレーン804H:ストレートSLS(1104S1、1104S2)
x軸に沿ったグランドプレーン808H:ストレートSLS(1108S3、1108S4)
y軸に沿ったグランドプレーン808H:ストレートSLS(1108S1、1108S2)
x軸に沿ったラジエターパッチ806H:内曲SLS(1106I3、1106I4)
y軸に沿ったラジエターパッチ806H:内曲SLS(1106I1、1106I2)
注意事項:ラジエターパッチの容量素子の外側にグランドプレーンの容量素子がある。
図11K:
x軸に沿ったラジエターパッチ802H:外曲SLS(1102O3、1102O4)
y軸に沿ったラジエターパッチ802H:外曲SLS(1104O1、1104O2)
x軸に沿ったグランドプレーン804H:ストレートSLS(1104S3、1104S4)
y軸に沿ったグランドプレーン804H:ストレートSLS(1104S1、1104S2)
x軸に沿ったグランドプレーン808H:ストレートSLS(1108S3、1108S4)
y軸に沿ったグランドプレーン808H:ストレートSLS(1108S1、1108S2)
x軸に沿ったラジエターパッチ806H:外曲SLS(1106O3、1106O4)
y軸に沿ったラジエターパッチ806H:外曲SLS(1106O1、1106O2)
注意事項:グランドプレーンの容量素子の外側にラジエターパッチの容量素子がある。
図11L:
x軸に沿ったラジエターパッチ802H:外曲SLS(1102O3、1102O4)
y軸に沿ったラジエターパッチ802H:外曲SLS(1104O1、1104O2)
x軸に沿ったグランドプレーン804H:内曲SLS(1104I3、1104I4)
y軸に沿ったグランドプレーン804H:内曲SLS(1104I1、1104I2)
x軸に沿ったグランドプレーン808H:内曲SLS(1108I3、1108I4)
y軸に沿ったグランドプレーン808H:内曲SLS(1108I1、1108I2)
x軸に沿ったラジエターパッチ806H:外曲SLS(1106O3、1106O4)
y軸に沿ったラジエターパッチ806H:外曲SLS(1106O1、1106O2)
注意事項:グランドプレーンの容量素子の外側にラジエターパッチの容量素子がある。
【0108】
図7は、L1及びL2の周波数帯域内の2つのアンテナシステム用のダウン/アップ比のプロットを示している。横軸702はMHz単位で周波数を表している。縦軸はdB単位でダウン/アップ比を表している。プロット710A及びプロット710Bは、本発明の一実施形態に係るアンテナシステムのL1及びL2周波数帯での結果をそれぞれ示している。比較のために、プロット712A及びプロット712Bは、従来技術のアンテナシステムにおけるL1及びL2周波数帯での結果をそれぞれ示している。
【0109】
実際には、ダウン/アップ比が特定の最大値(例えば、−15dB又は−20dB)未満である周波数範囲が、アンテナシステムのマルチパス耐性を特徴付けるために使用されている。L1帯におけるプロット710A及びプロット712Aの比較とL2帯におけるプロット710B及びプロット712Bの比較は、−15dB〜−20dBの最大ダウン/アップ比に対して、本発明の一実施形態に係るアンテナ用の周波数範囲が、従来技術のアンテナの周波数範囲よりも20〜30%大きいことを示している。
【0110】
上記の詳細な説明は、あらゆる点において、実例的・例示的であり、限定的なものではなく、本明細書内で開示される発明の範囲は、詳細な説明から決定されるのではなく、特許法によって認められている全範囲に従って解釈されるような特許請求の範囲から決定されることを理解すべきである。本明細書内で示され説明された実施形態は、本発明の原理の単なる例示であり、その種々の変形が本発明の範囲及び主旨から逸脱することなく当業者によって実施可能であることを理解すべきである。当業者は、本発明の範囲及び主旨から逸脱することなく、他の様々な特徴の組み合わせを実施することができる。
【背景技術】
【0001】
本発明は、概してアンテナに関し、より具体的には、全地球的航法衛星システム用のマイクロパッチアンテナに関する。
【0002】
マイクロパッチアンテナは、全地球的航法衛星システム(GNSS)のナビゲーションレシーバに非常に適している。これらのアンテナは、コンパクトなサイズと広い帯域幅の望ましい特性を備えている。広い帯域幅は、複数のGNSSからの信号を受信及び処理するナビゲーションレシーバに対しては特に重要である。現在配備されているGNSSは、米国の全地球測位システム(GPS)と、ロシアのGLONASSシステムである。欧州のGALILEOシステムなどの他のGNSSは計画されている。マルチシステムのナビゲーションレシーバは、システムの冗長性によるより高い信頼性と、より多くの衛星への良好な視程範囲を提供する。
【0003】
マルチパス受信は、GNSSにおける測位誤差の主要な発生源である。マルチパス受信は、ナビゲーションレシーバが通常配備されている複雑な環境からの反射によって引き起こされる信号のレプリカのナビゲーションレシーバによる受信を指す。ナビゲーションレシーバ内のアンテナによって受信される信号は、見通し内信号と、下にある地表面と周囲の物体や障害物から反射されるマルチパス信号の組み合わせである。反射信号は、受信信号の振幅と位相を歪める。この信号の劣化は、システムのパフォーマンスと信頼性を減少させる。
【0004】
特定の帯域幅でのアンテナの性能は、電圧定在波比(VSWR)や指向性パターンなどの様々なパラメータによって特徴付けられる。アンテナのマルチパス除去能力を特徴づけるパラメータがダウン/アップ比であり、
ここで、F(θ)は、前方半球内の角度θにおけるアンテナ指向性パターンレベルであり、F(−θ)は、後方半球内のミラー角度−θにおけるアンテナ指向性パターンレベルである。D/U(90)で示されるθ=90°における天頂ダウン/アップ比は、一般的に使用されるパラメータである。
【0005】
マルチパスの影響は、広く平坦なグランドプレーン又はチョークリングなどの様々なアンテナ構造によって削減することができる。しかしながら、これらの構造は、アンテナの大きさと重量を増加させる。寸法を低減し、周波数の関数としてD/U(90)を一定に保つために、PCT国際公開番号WO2004/027920(2004年4月1日に公開)には、マルチパス受信を減少させたGPSアンテナが記載されている。帯域幅は、VSWRの関数としては十分であるが、D/U(90)の関数としては狭すぎる。
【0006】
高精度なGNSSアプリケーション用の多くの既存のアンテナは、地上の特定の高さで測地棒又は三脚上に設置するために設計され製造されてきた。しかしながら、いくつかのGNSSアプリケーションでは、アンテナは車両上に搭載する必要がある。必要とされているものは、異なる実装構成に対して広い帯域幅と高いマルチパス除去性能を維持するコンパクトなアンテナである。
【発明の概要】
【0007】
改良されたマルチパス耐性をもつパッチアンテナシステムは、上部アンテナアセンブリと、下部アンテナアセンブリを含む。各アンテナアセンブリは、誘電媒体で分離されたラジエターパッチ及びグランドプレーンを含む。上部アンテナアセンブリのグランドプレーンと下部アンテナアセンブリのグランドプレーンは電気的に接続されている。
【0008】
上部アンテナアセンブリのラジエターパッチは、励磁機と励磁回路によって励磁される。下部アンテナアセンブリは、上部アンテナアセンブリに電磁結合されている。上部アンテナアセンブリの共振周波数は、動作周波数帯域の中心動作周波数にチューニングされている。下部アンテナアセンブリの共振周波数は、上部アンテナアセンブリの共振周波数にほぼ等しくチューニングされている。
【0009】
上部アンテナアセンブリのラジエターパッチは、信号ポートに電気的に接続されている。下部アンテナアセンブリのラジエターパッチは、その信号ポートに電磁結合されている。上部アンテナアセンブリによって下部アンテナアセンブリに誘導される電磁界は、上部アンテナアセンブリで励磁される電磁界に対して逆位相である。下部アンテナアセンブリに誘導される電磁界の振幅は、上部アンテナアセンブリで励磁される電磁界の振幅から減算され、マルチパス信号の強度は低下する。
【0010】
いくつかの実施形態では、各アンテナアセンブリに対して、誘電媒体は空気である。小さな共振サイズを維持しながら帯域幅と指向性パターンを高めるために、容量素子がラジエターパッチの周囲、グランドプレーンの周囲、又はラジエターパッチの周囲とグランドプレーンの周囲に沿って配置される。
【0011】
様々なコンポーネントをパッチアンテナシステムに統合し、これによって車両の導電性表面を含む多様な表面上への搭載に適したコンパクトなアンテナシステムを作ることができる。いくつかの実施形態では、低雑音増幅装置が、パッチアンテナシステム内に統合される。いくつかの実施形態では、ナビゲーションレシーバが、第2ラジエターパッチの下に搭載される。いくつかの実施形態では、1つ以上の導電性閉鎖空洞(キャビティ)が、第2ラジエターパッチの下に備え付けられる。ナビゲーションレシーバと、低雑音増幅装置、シグナルプロセッサ、姿勢センサ、傾斜センサなどの補助ユニットを、閉鎖空洞内に搭載することができる。
【0012】
パッチアンテナシステムの実施形態は、シングルバンド、デュアルバンド、マルチバンド動作用に構成することができる。
【0013】
本発明のこれら及び他の利点は、以下の詳細な説明及び添付図面を参照することにより、当業者には明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1A】電界面と磁界面の基準直交座標系を示す。
【図1B】電界面と磁界面の基準直交座標系を示す。
【図1C】電界面と磁界面の基準直交座標系を示す。
【0015】
【図1D】参照ビューの方向を示す。
【0016】
【図1E】幾何学的な構造の参照ビューを示す。
【図1F】幾何学的な構造の参照ビューを示す。
【図1G】幾何学的な構造の参照ビューを示す。
【図1H】幾何学的な構造の参照ビューを示す。
【図1I】幾何学的な構造の参照ビューを示す。
【図1J】幾何学的な構造の参照ビューを示す。
【0017】
【図1K】閉鎖空洞の参照ビューを示す。
【図1L】閉鎖空洞の参照ビューを示す。
【図1M】閉鎖空洞の参照ビューを示す。
【図1N】閉鎖空洞の参照ビューを示す。
【図1O】閉鎖空洞の参照ビューを示す。
【図1P】閉鎖空洞の参照ビューを示す。
【図1Q】閉鎖空洞の参照ビューを示す。
【図1R】閉鎖空洞の参照ビューを示す。
【図1S】閉鎖空洞の参照ビューを示す。
【0018】
【図2】入射線及び反射線のための参照ジオメトリを示す。
【0019】
【図3A】シングルバンドアンテナシステムの断面図を示す。
【図3B】シングルバンドアンテナシステムの断面図を示す。
【図3C】シングルバンドアンテナシステムの断面図を示す。
【0020】
【図4】ラジエターパッチとグランドプレーンが、エアギャップによって分離しているデュアルバンドアンテナシステムの断面図を示す。
【0021】
【図5】ラジエターパッチとグランドプレーンが、固体誘電体基板によって分離しているデュアルバンドアンテナシステムの断面図を示す。
【0022】
【図6】デュアルバンドアンテナシステムの設計パラメータを示す。
【0023】
【図7】本発明の一実施形態に係るアンテナシステムと従来技術のアンテナシステムに対して周波数の関数としてのダウン/アップ比のプロットを比較している。
【0024】
【図8A】シングルバンド、直線偏波アンテナシステムの斜視図を示す。
【0025】
【図8B】シングルバンド、直線偏波アンテナシステム用の設計パラメータを示す。
【0026】
【図9A】拡張連続構造として構成される容量素子の設計パラメータを示す。
【図9B】拡張連続構造として構成される容量素子の設計パラメータを示す。
【図9C】拡張連続構造として構成される容量素子の設計パラメータを示す。
【図9D】拡張連続構造として構成される容量素子の設計パラメータを示す。
【0027】
【図9E】シングルバンド、直線偏波アンテナシステム用のラジエターパッチ及びグランドプレーンで構成される拡張連続構造の別の実施形態の直交図を示す。
【図9F】シングルバンド、直線偏波アンテナシステム用のラジエターパッチ及びグランドプレーンで構成される拡張連続構造の別の実施形態の直交図を示す。
【図9G】シングルバンド、直線偏波アンテナシステム用のラジエターパッチ及びグランドプレーンで構成される拡張連続構造の別の実施形態の直交図を示す。
【図9H】シングルバンド、直線偏波アンテナシステム用のラジエターパッチ及びグランドプレーンで構成される拡張連続構造の別の実施形態の直交図を示す。
【図9I】シングルバンド、直線偏波アンテナシステム用のラジエターパッチ及びグランドプレーンで構成される拡張連続構造の別の実施形態の直交図を示す。
【図9J】シングルバンド、直線偏波アンテナシステム用のラジエターパッチ及びグランドプレーンで構成される拡張連続構造の別の実施形態の直交図を示す。
【図9K】シングルバンド、直線偏波アンテナシステム用のラジエターパッチ及びグランドプレーンで構成される拡張連続構造の別の実施形態の直交図を示す。
【図9L】シングルバンド、直線偏波アンテナシステム用のラジエターパッチ及びグランドプレーンで構成される拡張連続構造の別の実施形態の直交図を示す。
【0028】
【図10A】連続する局所構造として構成される容量素子の設計パラメータを示す。
【図10B】連続する局所構造として構成される容量素子の設計パラメータを示す。
【図10C】連続する局所構造として構成される容量素子の設計パラメータを示す。
【図10D】連続する局所構造として構成される容量素子の設計パラメータを示す。
【0029】
【図10E】シングルバンド、直線偏波アンテナシステム用のラジエターパッチ及びグランドプレーンに構成される連続する局所構造の別の実施形態の直交図を示す。
【図10K】シングルバンド、直線偏波アンテナシステム用のラジエターパッチ及びグランドプレーンに構成される連続する局所構造の別の実施形態の直交図を示す。
【図10L】シングルバンド、直線偏波アンテナシステム用のラジエターパッチ及びグランドプレーンに構成される連続する局所構造の別の実施形態の直交図を示す。
【図10M】シングルバンド、直線偏波アンテナシステム用のラジエターパッチ及びグランドプレーンに構成される連続する局所構造の別の実施形態の直交図を示す。
【図10N】シングルバンド、直線偏波アンテナシステム用のラジエターパッチ及びグランドプレーンに構成される連続する局所構造の別の実施形態の直交図を示す。
【図10O】シングルバンド、直線偏波アンテナシステム用のラジエターパッチ及びグランドプレーンに構成される連続する局所構造の別の実施形態の直交図を示す。
【0030】
【図11A】シングルバンド、円偏光アンテナシステムの斜視図を示す。
【0031】
【図11B】シングルバンド、円偏光アンテナシステム用のラジエターパッチ及びグランドプレーンに構成される連続する局所構造の別の実施形態の直交図を示す。
【図11C】シングルバンド、円偏光アンテナシステム用のラジエターパッチ及びグランドプレーンに構成される連続する局所構造の別の実施形態の直交図を示す。
【図11D】シングルバンド、円偏光アンテナシステム用のラジエターパッチ及びグランドプレーンに構成される連続する局所構造の別の実施形態の直交図を示す。
【図11E】シングルバンド、円偏光アンテナシステム用のラジエターパッチ及びグランドプレーンに構成される連続する局所構造の別の実施形態の直交図を示す。
【図11F】シングルバンド、円偏光アンテナシステム用のラジエターパッチ及びグランドプレーンに構成される連続する局所構造の別の実施形態の直交図を示す。
【図11G】シングルバンド、円偏光アンテナシステム用のラジエターパッチ及びグランドプレーンに構成される連続する局所構造の別の実施形態の直交図を示す。
【図11H】シングルバンド、円偏光アンテナシステム用のラジエターパッチ及びグランドプレーンに構成される連続する局所構造の別の実施形態の直交図を示す。
【図11I】シングルバンド、円偏光アンテナシステム用のラジエターパッチ及びグランドプレーンに構成される連続する局所構造の別の実施形態の直交図を示す。
【図11J】シングルバンド、円偏光アンテナシステム用のラジエターパッチ及びグランドプレーンに構成される連続する局所構造の別の実施形態の直交図を示す。
【図11K】シングルバンド、円偏光アンテナシステム用のラジエターパッチ及びグランドプレーンに構成される連続する局所構造の別の実施形態の直交図を示す。
【図11L】シングルバンド、円偏光アンテナシステム用のラジエターパッチ及びグランドプレーンに構成される連続する局所構造の別の実施形態の直交図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0032】
図1A及び図1Bは、x軸102、y軸104、z軸106、及び原点O108によって定義された直交座標系の斜視図を示している。図1Aに示されるように、磁界H−平面120は、y−z平面内にあり、図1Bに示されるように、電界E−平面130は、x−z平面内にある。
【0033】
また、図1Cの斜視図に示されるように、幾何学的構成が、球面座標系に対して説明されている。点P116の球面座標は、(r,θ,φ)で与えられ、ここで、rは原点O108から測定した半径である。ここで点Pは、(r,θ,φ)に対応する値を有する。x−y平面は、方位角平面と呼ばれ、x軸102から測定したφ103は、方位角と呼ばれている。φ=定数でz軸106と交差することによって定義された平面は子午面と呼ばれている。z軸106とx’軸112によって定義される一般的な子午面114が、図1Cに示されている。x−z平面とy−z平面は、子午面の特殊な場合である。いくつかの規則では、子午線角度と呼ばれる角度θは、z軸106から測定される(θ105と表記)。本明細書中で使用されるような他の規則では、角度θは、x’軸112から測定され(θ107と表記)、仰角とも呼ばれている。
【0034】
図2は、地球202の上方に位置するアンテナ204の概略図を示す。アンテナ204は、例えば、測地用測量三脚(図示せず)に取り付けることができる。図の平面は、E−平面(x−z平面)である。+y方向は、図の平面内を指している。野外環境では、+z(上)方向(天頂とも呼ばれる)は空の方向を指し、−z(下)は地面の方向を指している。ここで、地面という用語は、陸と水環境の両方を含む。グランドプレーンを参照する際に使用されるような「電気的な」グランドとの混乱を避けるために、土地を参照する際に使用されるような「地理的な」グランドは、本明細書中では使用されない。
【0035】
図2では、電磁波がx軸に対して入射角θでアンテナ204に入射する線として表現されている。水平線は、θ=0°に対応している。線210や線212などの広々とした空からの入射線は、入射角が正の値を有する。線214などの地球202から反射した線は、入射角が負の値を有する。ここで、入射角が正の値を有する空間領域は、直接信号領域と呼ばれている。直接信号領域は、前方半球、上部半球とも呼ばれている。ここで、入射角が負の値を有する空間領域は、マルチパス信号領域と呼ばれている。マルチパス信号領域は、後方半球、下部半球とも呼ばれている。入射線210は、アンテナ204に直接入射する。入射線212は、地球202にぶつかる。反射線214が入射線212の地球202からの反射によって生じる。
【0036】
反射信号を緩和するアンテナ能力を数値的に特徴付けるために、以下の比率が一般的に使用されている。
パラメータDU(θ)(ダウン/アップ比)は、後方半球のアンテナ指向性パターンレベルF(−θ)のミラー角度での前方半球のアンテナ指向性パターンレベルF(θ)に対する比率に等しく、Fは電圧レベルを表す。dBで表すと、この比率は以下のようになる。
【0037】
図1Dは、以下に示すアンテナシステムの実施形態のビュー(観測方向)を定義する。ビューAは+y方向に沿って観測され、ビューBは−x方向に沿って観測され、ビューCは−z方向に沿って観測され、ビューDは+z方向に沿って観測される。ビューEは、図の断面がx−z平面に平行な断面図である。
【0038】
図1E、図1F、図1Gは、水平部分170H、垂直部分170V1、垂直部分170V2を備えた長方形の幾何学的構造170のビューC、ビューD、ビューEをそれぞれ示す。図1H、図1Iは、水平部分180H、垂直部分180Vを備えた円形の幾何学的構造180のビューC、ビューDをそれぞれ示す。図1Jは、円形の幾何学的構造180のビューEを示す。断面図では、垂直部分180Vは垂直部分180V1と垂直部分180V2で表される。図1Jの円形の幾何学的構造180のビューEは、図1Gの長方形の幾何学的構造170のビューEと類似している。
【0039】
図1K、図1L、図1M、図1N、図1Oは、長方形の閉鎖空洞172のビューC、ビューD、ビューA、ビューB、ビューEをそれぞれ示す。長方形の閉鎖空洞172の壁は、空洞壁172H1、空洞壁172H2、空洞壁172V1、空洞壁172V2、空洞壁172V3、空洞壁172V4である。
【0040】
図1P、図1Q、図1Rは、円筒閉鎖空洞182のビューC、ビューD、ビューEをそれぞれ示す。図1Sは、斜視図を示す。図1Sに示されるように、円筒閉鎖空洞182の壁は、空洞壁182H1(平面)、空洞壁182H2(平面)と、空洞壁182V(円筒面)である。図Rの断面ビューEに示されるように、空洞壁182Vは、空洞壁182V1と空洞壁182V2によって表される。
【0041】
以下のアンテナシステムの実施形態は、主に断面図(ビューE)に示される。図の数を減らすために、特に断りのない限り、実施形態は、長方形の幾何学的構造と円形の幾何学的構造の両方を表す。様々な実施形態は、直線偏光放射又は円偏光放射を受信するように設計されている。一般に、本明細書内で開示されるアンテナシステムの実施形態は、長方形と円形の形状に限定されない。形状の他の例としては、三角形、平行四辺形、台形、一般的な多角形、楕円、及び一般的な曲線がある。形状は、特定の用途に応じて、ユーザ(例えば、アンテナの設計エンジニアなど)によって特定される。
【0042】
図3Aは、アンテナシステム300として参照されるパッチアンテナの一実施形態の拡大詳細図を示している。主要なコンポーネントは、ラジエターパッチ308Hと、ラジエターパッチ308Hと同軸の対応するグランドプレーン310Hである(アンテナシステムの軸は、Z軸に沿い、ラジエターパッチの幾何学的中心とグランドプレーンの幾何学的中心を通過する)。アンテナシステム300では、ラジエターパッチ308Hとグランドプレーン310Hは、誘電媒体として空気によって分離している。そのため、ラジエターパッチ308Hとグランドプレーン310Hの間の空間は、エアギャップと呼ばれている。空気が誘電媒体として使用される場合、小さな共振サイズを維持しながら、アンテナシステム300の帯域幅と指向性パターンを高めるために、容量素子をラジエターパッチ308Hの周囲、グランドプレーン310Hの周囲、又はラジエターパッチ308Hの周囲とグランドプレーン310Hの周囲に沿って構成することができる。容量素子を組み込んだパッチアンテナのデザインは、米国特許出願公開第US2009/0140930号(2009年6月4日に公開)で更に詳細に説明されており、参照によって本明細書に組み込まれる。
【0043】
図3Aでは、容量素子308V1と容量素子308V2が、ラジエターパッチ308Hの周囲に沿ってある。容量素子310V1と容量素子310V2が、グランドプレーン310Hに沿ってある。回路基板306は、メタライズ層301Aによってラジエターパッチ308Hに結合されている。回路基板306は、励磁回路304を搭載している。回路基板320は、メタライズ層301Bによってグランドプレーン310Hに結合されている。回路基板320は、低雑音増幅装置(LNA)324を搭載している。アンテナシステムの実施形態では、回路基板は、プリント基板(PCB)である。励磁機330は、グランドプレーン310Hを(電気接点311Aで)励磁回路304に結合する導電体である。励磁機330は、ラジエターパッチ308H及びメタライズ層301Aから電気的に分離されている。
【0044】
図3Aに示される実施形態では、ピン駆動励磁回路が使用され、他の励磁回路を使用することもできる。励磁回路は、当技術分野で周知であり、更なる詳細は本明細書では提供されない。(いくつかの実施形態では、それらはマイクロストリップとして実装されている。)例えば、励磁回路の他の実施形態は、パワースプリッタを内蔵している。また、LNA324を囲むシールド318が図3Aに示されている(図3Aでは、シールド318は、シールド壁318H、シールド壁318V1、シールド壁318V2によって表される)。LNA324からの出力信号は、LNA出力ポート340を介してアクセスされる。低雑音増幅装置は、当技術分野で周知であり、更なる詳細は本明細書では提供されない。アンテナシステム自体にLNAを統合することによって、コンパクトなデザインを提供する。他の実施形態では、アンテナシステムの外部に独立したLNAが使用される。
【0045】
同軸ケーブル328は、誘電体によって分離した外側導体328A(例えば、編組導体ジャケット)と内側導体328B(例えば、ワイヤ)を含む。外側導体328Aは、電気接点311Bでラジエターパッチ308H及びメタライズ層301Aと電気的に接触する。外側導体328Aは、電気接点311Cでグランドプレーン310H及びメタライズ層301Bと電気的に接触する。内側導体端328Cとして参照される内側導体328Bの一端は、励磁回路304と電気的に接触する。内側導体端328Dとして参照される内側導体328Bの他端は、LNA入力ポート342と電気的に接触する。
【0046】
他の実施形態では、ラジエターパッチ308Hとグランドプレーン310Hは、誘電媒体として固体誘電体基板によって分離している。固体誘電媒体の誘電率がεならば、誘電媒体内の波長は、√εの倍数で減少し、その結果、パッチアンテナの共振サイズも√εの倍数で減少する。固体誘電体基板を組み込んだアンテナシステムの例が以下に記載されている。固体誘電体基板を使用する場合は、容量素子は一般には使用されない。
【0047】
アンテナシステムは、単一の周波数帯域(シングルバンドアンテナシステム)で、2つの周波数帯域(デュアルバンドアンテナシステム)で、又は3つ以上の周波数帯域(マルチバンドアンテナシステム)で動作することができる。例えば、GPSは、L1帯とL2帯で動作する。GPSに対しては、シングルバンドアンテナシステムは、通常、L1帯で動作し、デュアルバンドアンテナシステムは、通常、L1帯とL2帯の両方で動作する。
【0048】
地上設置用に最適化された従来技術のアンテナを、車両の表面上又は表面近くに配置すると、アンテナ動作の効率が落ち、マルチパスレベルが増加する。図3Bは、任意の取付面302に取り付けたとき、高いアンテナ性能を維持するために設計されたアンテナシステム380として参照されるシングルバンドアンテナシステムの一実施形態を示している。いくつかの実施形態では、取付面302は、屋根、ボンネット、又は車体の他の部分などの伝導性表面(ここでは伝導性は導電性を指す)である。他の実施形態では、取付面302は、三脚のプラットフォームである。
【0049】
アンテナシステム380は、2つの対応する同軸アンテナアセンブリを含む。上部アンテナアセンブリは、前で図3Aに示されたアンテナシステム300と類似している。図を簡略化するために、図3Aの詳細のいくつかは、図3Bには示されていない。対応する下部アンテナアセンブリは、ラジエターパッチ314Hと、対応するグランドプレーン312Hを含む。ラジエターパッチ314Hとグランドプレーン312Hは、エアギャップによって分離している。容量素子314V1と容量素子314V2が、ラジエターパッチ314Hの周囲に沿ってある。容量素子312V1と容量素子312V2が、グランドプレーン312Hの周囲に沿ってある。一般的に、容量素子はラジエターパッチ314Hの周囲、グランドプレーン312Hの周囲、又はラジエターパッチ314Hの周囲とグランドプレーン312Hの周囲に沿って構成することができる。容量素子の長さと、グランドプレーンの容量素子に対するラジエターパッチの容量素子の相対位置を変化させることができる。設計パラメータの詳細については後述する。いくつかの実施形態では、グランドプレーン310Hとグランドプレーン312Hは、互いに電気的に接触している独立した構造であり、他の実施形態では、グランドプレーン310Hとグランドプレーン312Hは、単一の構造体として形成される。
【0050】
上部アンテナアセンブリでは、高周波(RF)信号が励磁機330及び励磁回路304によってラジエターパッチ308Hに励磁される。励磁回路304からの出力信号は、同軸ケーブル328を経由してLNA324の入力ポートに結合される。同軸ケーブルは、LNAの出力ポート340をナビゲーションレシーバ又は他の電子アセンブリに結合するために使用することができる。LNAは、アンテナシステム内の他の場所(ラジエターパッチ308Hとラジエターパッチ314Hの間)に取り付けられることに留意されたい。
【0051】
下部アンテナアセンブリには、励磁機も励磁回路もない。下部アンテナアセンブリは、上部アンテナアセンブリに電磁結合され、下部アンテナアセンブリの電磁放射が、上部アンテナアセンブリからの電磁放射によって誘導される。下部ラジエターパッチからの電磁放射は、電磁結合を介して上部ラジエターパッチに戻って送信され、下部ラジエターパッチからの信号は、上部ラジエターパッチで励磁された信号と合成される。
【0052】
ここで、信号ポートは、上部ラジエターパッチと下部ラジエターパッチからの合成信号にアクセスできるアクセスポイントを指す。信号ポートは、様々な物理ポートに対応することができる。図3Aに戻って参照すると、信号ポートは、例えば、内側導体端328D、LNA入力ポート342、又はLNA出力ポート340に配置することができる。図3Bでは、上部ラジエターパッチ308Hは信号ポートに電気的に接続されているが、下部ラジエターパッチ314Hは、(上記のように、下部アンテナアセンブリは上部アンテナアセンブリに電磁結合されているので、)信号ポートに電磁結合されていることに留意されたい。したがって、上部ラジエターパッチ308Hと信号ポートとの間の電磁結合は、下部ラジエターパッチ316Hと信号ポートとの間の電磁結合よりも強い。
【0053】
下部アンテナアセンブリは、その共振周波数が上部アンテナアセンブリの共振周波数にほぼ等しくなるように構成されている。上部アンテナアセンブリの共振周波数は、周波数帯域の中心動作周波数にチューニングされている。一実施形態では、上部アンテナアセンブリは、GPSのL1帯で動作する。そして、下部アンテナアセンブリの共振周波数は、上部アンテナアセンブリの共振周波数の約±5%以内にチューニングされている。
【0054】
上部アンテナアセンブリと下部アンテナアセンブリは、下部アンテナアセンブリに誘導される電流場(フィールド)が、上部アンテナアセンブリに励磁される電流場と逆位相になるように構成されている。したがって、アンテナシステムの下半球内の場の振幅は、アンテナシステムの上半球内の場の振幅から減算される。能動的に励磁された上部アンテナアセンブリを、(上部アンテナアセンブリからの電磁誘導を介して)受動的に励磁された下部アンテナアセンブリに結合し、下部アンテナアセンブリの共振周波数を、上部アンテナ素子の共振周波数にチューニングさせる組み合わせによって、アンテナシステムが取り付けられている下部表面からの反射信号の受信数を減少させる。その結果、下半球におけるアンテナ指向性パターンレベルが低減され、反射マルチパス信号が抑制される。
【0055】
下部アンテナアセンブリの共振周波数は、補助RFプローブで測定することができる(上部アンテナアセンブリがまず取り除かれる)。周波数の関数としての総入力抵抗が、補助プローブによって測定される。総入力抵抗の実部の最大周波数が共振周波数を示している。ダウン/アップ比を最小にするために、上部アンテナアセンブリと下部アンテナアセンブリ用のラジエターパッチ寸法の最終的なチューニングを行うことができる。周波数の関数としてのダウン/アップ比は、無残響室で測定される。一実施形態では、ダウン/アップ比の最小値は、下部アンテナアセンブリの容量素子の幾何学的構成を調整する(例えば、容量素子の位置と姿勢を互いに対して及びラジエターパッチやグランドプレーンに対して変える)ことによって、所望の周波数にシフトすることができる。
【0056】
下部アンテナアセンブリのラジエターパッチとグランドプレーンが、エアギャップの代わりに固体誘電体基板によって分離する一実施形態では、ダウン/アップ比が最小となる周波数は、誘電体の誘電率を変化させることによってチューニングすることができる。
【0057】
図3Cは、取付面302に取り付けられたアンテナシステム390として参照されるシングルバンドアンテナシステムの一実施形態を示している。アンテナシステム390は、追加の要素とともにアンテナシステム380を含む。閉鎖空洞316は、ラジエターパッチ314H、空洞壁316H、空洞壁316V1、空洞壁316V2によって部分的に形成される。空洞壁は導電性がある。ナビゲーションレシーバ322が、空洞316の内側に取り付けられる。同軸ケーブル348は、LNAの出力ポート340を、ナビゲーションレシーバ322の入力ポートへ結合する。ここで、組み合わされたラジエターパッチ314H、空洞壁316V1、空洞壁316V2、空洞壁316Hは、下部アンテナアセンブリ用のラジエターパッチとして機能することに留意されたい。追加の空洞(図示せず)を、空洞316の下にスタック構成で構成することができる。補助ユニット(後述)を、これらの空洞に取り付けることができる。空洞の大きさは同じにすることが可能であり、又は異なっていることも可能である。アンテナシステムに統合した空洞内にナビゲーションレシーバ又は他の補助ユニットを取り付けることによって、アンテナシステムのパフォーマンスに影響を与えることなく、コンパクトなデザインを提供する。
【0058】
図4は、アンテナシステム400として参照されるデュアルバンドアンテナシステムの一実施形態を示す。各周波数帯域用に、上部アンテナアセンブリと、対応する下部アンテナアセンブリがある。各アンテナアセンブリは、ラジエターパッチと、エアギャップによって分離した対応するグランドプレーンを含む。各アンテナアセンブリ用に、容量素子をラジエターパッチの周囲、グランドプレーンの周囲、又はラジエターパッチの周囲とグランドプレーンの周囲に沿って構成することができる。一実施形態では、第1周波数帯は、GPSのL1帯(高周波帯域)であり、第2周波数帯は、GPSのL2帯(低周波数帯域)である。
【0059】
第1周波数帯域用に、上部アンテナアセンブリは、ラジエターパッチ408Hと、対応するグランドプレーン410Hを含む。容量素子408V1と容量素子408V2が、ラジエターパッチ408Hの周囲に沿ってある。容量素子410V1と容量素子410V2が、グランドプレーン410Hの周囲に沿ってある。
【0060】
第1周波数帯域用に、対応する下部アンテナアセンブリは、ラジエターパッチ414Hと、対応するグランドプレーン412Hを含む。容量素子414V1と容量素子414V2が、ラジエターパッチ414Hの周囲に沿ってある。容量素子412V1と容量素子412V2が、グランドプレーン412Hの周囲に沿ってある。
【0061】
第2周波数帯域用に、上部アンテナアセンブリは、ラジエターパッチ428Hと、対応するグランドプレーン430Hを含む。容量素子428V1と容量素子428V2が、ラジエターパッチ428Hの周囲に沿ってある。容量素子430V1と容量素子430V2が、グランドプレーン430Hの周囲に沿ってある。
【0062】
第2周波数帯域用に、対応する下部アンテナアセンブリは、ラジエターパッチ434Hと、対応するグランドプレーン432Hを含む。容量素子434V1と容量素子434V2が、ラジエターパッチ434Hの周囲に沿ってある。容量素子432V1と容量素子432V2が、グランドプレーン432Hの周囲に沿ってある。
【0063】
グランドプレーン410Hとラジエターパッチ428Hは、互いに電気的に接触している別の構造体であることが可能であり、又は単一の構造体として形成することも可能である。グランドプレーン430Hとグランドプレーン432Hは、互いに電気的に接触している別の構造体であることが可能であり、又は単一の構造体として形成することも可能である。ラジエターパッチ434Hとグランドプレーン412Hは、互いに電気的に接触している別の構造体であることが可能であり、単一の構造体として形成することも可能である。
【0064】
回路基板406は、メタライズ層(図示せず)によってラジエターパッチ408Hに結合されている。回路基板406は、第1周波数帯域用の励磁回路404を搭載している。回路基板420は、メタライズ層(図示せず)によって、グランドプレーン432Hに結合されている。回路基板420は、低雑音増幅装置(LNA)424と第2周波数帯域用の励磁回路426を搭載している。第1周波数帯域用の励磁機である励磁機440は、グランドプレーン410Hを励磁回路404に結合する導電体である。励磁機440は、ラジエターパッチ408H(及びメタライズ層)から電気的に分離している。
【0065】
第2周波数帯域用の励磁機である励磁機442は、ラジエターパッチ428Hを励磁回路426に結合している。図4に示される実施形態では、第1周波数帯域と第2周波数帯域の両方で信号を処理するために、単一の広帯域LNAが使用されている。広帯域LNAの出力ポートは、両方の周波数帯域に共通の信号ポートとして機能する。一般的には、各周波数帯域用に独立したLNAを使用可能であり、そのため、第1周波数帯域用の信号ポートは、第2周波数帯域用の信号ポートから分離している。単一の広帯域LNAは、別々のLNAよりもコンパクトなデザインを提供する。LNAは、アンテナシステム内の他の場所(ラジエターパッチ408Hとラジエターパッチ414Hの間)に取り付けることも可能であることに留意されたい。
【0066】
第1周波数帯域用に、上部アンテナアセンブリのラジエターパッチ406Hは、第1信号ポート(この例では共通の信号ポート)に電気的に接続され、対応する下部アンテナアセンブリのラジエターパッチ414Hは接続されていない。下部アンテナアセンブリは、上部アンテナアセンブリに電磁結合されている。電磁結合の度合いは、アンテナシステムの幾何学的構成を変えることによって、例えば、ラジエターパッチ406Hとラジエターパッチ414Hの間の軸方向の分離を変えることによって変化させることができる。ラジエターパッチ406Hと第1信号ポートとの間の電磁結合は、ラジエターパッチ414Hと第1信号ポートとの間の電磁結合よりも強い。上述のように、アンテナシステムの下半球内の場の振幅は、アンテナシステムの上半球内の場の振幅から減算されるため、マルチパス信号は抑制される。
【0067】
第2周波数帯域用のアンテナ要素は、同様に構成されている。第2周波数帯域用に、上部アンテナアセンブリのラジエターパッチ428Hは、第2信号ポート(この例では共通の信号ポート)に電気的に接続され、対応する下部アンテナアセンブリのラジエターパッチ434Hは接続されていない。下部アンテナアセンブリは、上部アンテナアセンブリに電磁結合されている。電磁結合の度合いは、アンテナシステムの幾何学的構成を変えることによって、例えば、ラジエターパッチ428Hとラジエターパッチ434Hの間の軸方向の分離を変えることによって変化させることができる。ラジエターパッチ428Hと第2信号ポートとの間の電磁結合は、ラジエターパッチ434Hと第2信号ポートとの間の電磁結合よりも強い。上述のように、アンテナシステムの下半球内の場の振幅は、アンテナシステムの上半球内の場の振幅から減算されるため、マルチパス信号は抑制される。
【0068】
本明細書内のアンテナシステムの実施形態の図では、種々の信号及び電源との接続やLNAの動作用に使用されるケーブル、ナビゲーションレシーバ、及び補助ユニットは、表示されていない。これらは、当技術分野で周知であり、本明細書内では記載されていない。
【0069】
図5は、アンテナシステム500として参照されるデュアルバンドアンテナシステムの一実施形態を示している。各周波数帯域用に、上部アンテナアセンブリと、対応する下部アンテナアセンブリがある。各アンテナアセンブリは、ラジエターパッチと、対応するグランドプレーンを含む。様々なラジエターパッチとグランドプレーンは、エアギャップの代わりに固体誘電体基板によって分離している。容量素子は使用されていない。
【0070】
第1周波数帯域用に、上部アンテナアセンブリは、ラジエターパッチ508と、対応するグランドプレーン510を含む。第1周波数帯域用に、対応する下部アンテナアセンブリは、ラジエターパッチ514と、対応するグランドプレーン512を含む。第2周波数帯域用に、上部アンテナアセンブリは、ラジエターパッチ528と、対応するグランドプレーン530を含む。第2周波数帯域用に、対応する下部アンテナアセンブリは、ラジエターパッチ534と、対応するグランドプレーン532を含む。
【0071】
グランドプレーン510とラジエターパッチ528は、互いに電気的に接触している別の構造体であることが可能であり、単一の構造体として形成することも可能である。グランドプレーン530とグランドプレーン532は、互いに電気的に接触している別の構造体であることが可能であり、単一の構造体として形成することも可能である。ラジエターパッチ534とグランドプレーン512は、互いに電気的に接触している別の構造であることが可能であり、単一の構造体として形成することも可能である。
【0072】
ラジエターパッチ508とグランドプレーン510は、固体誘電体基板582によって分離している。ラジエターパッチ528とグランドプレーン530は、固体誘電体基板584によって分離している。グランドプレーン532とラジエターパッチ534は、固体誘電体基板586によって分離している。グランドプレーン512とラジエターパッチ514は、固体誘電体基板588によって分離している。誘電体基板は、同じ材料又は異なる材料(例えば、異なる誘電率を有する)にすることができる。
【0073】
回路基板506は、メタライズ層(図示せず)によってラジエターパッチ508に結合されている。回路基板506は、第1周波数帯域用の励磁回路504を搭載している。回路基板520は、メタライズ層(図示せず)によってグランドプレーン532に結合されている。回路基板526は、低雑音増幅装置(LNA)524と、第2周波数帯域用の励磁回路526を搭載している。励磁機540は、グランドプレーン510を励磁回路504と結合する導電体である。励磁機540は、ラジエターパッチ508(及びメタライズ層)から電気的に分離している。励磁機542は、ラジエターパッチ528を励磁回路526に結合している。同軸ケーブル548は、LNA524の出力をナビゲーションレシーバ522の入力に結合している。
【0074】
閉鎖空洞570は、ラジエターパッチ514、空洞壁570H、空洞壁570V1、空洞壁570V2によって部分的に形成される。閉鎖空洞572は、空洞壁570H、空洞壁572V1、空洞壁572V2、空洞壁572Hによって部分的に形成される。空洞壁は導電性がある。ナビゲーションレシーバ522は、空洞570内に取り付けられる。補助ユニット538は、空洞572内に取り付けられる。ここで、補助ユニットは、電気式、電子式、光学式、機械式コンポーネントを含む任意のユーザ定義のコンポーネントを指す。補助ユニット538の例としては、低雑音増幅装置、シグナルプロセッサ、姿勢トランスデューサ、傾斜センサが含まれる。追加の空洞は、空洞572の下にスタック構成で構成できる。空洞の大きさは、同じにすることが可能であり、又は異なっていることも可能である。種々の信号及び電源の接続とナビゲーションレシーバ及び補助ユニットの動作用に使用されるケーブルは図示されていない。
【0075】
当業者であれば、2つを超える周波数帯域で動作するためのアンテナシステムの実施形態を開発することができる。
【0076】
図6は、アンテナシステム600として参照されるデュアルバンドアンテナシステムの概略寸法図を示している。図を簡略化するために、回路素子のほとんどは図示されていない。各周波数帯域用に、軸601に関して同軸上の上部アンテナアセンブリと対応する下部アンテナアセンブリがある。各アンテナアセンブリは、エアギャップによって分離したラジエターパッチと対応するグランドプレーンを含む。各アンテナアセンブリ用に、容量素子をラジエターパッチの周囲、グランドプレーンの周囲、又はラジエターパッチの周囲とグランドプレーンの周囲に沿って構成することができる。
【0077】
第1周波数帯域用に、上部アンテナアセンブリは、ラジエターパッチ608Hと、対応するグランドプレーン610Hを含む。容量素子608V1と容量素子608V2が、ラジエターパッチ608Hの周囲に沿ってある。容量素子610V1と容量素子610V2が、グランドプレーン610Hの周囲に沿ってある。
【0078】
第1周波数帯域用に、対応する下部アンテナアセンブリは、ラジエターパッチ614Hと、対応するグランドプレーン612Hを含む。容量素子614V1と容量素子614V2が、ラジエターパッチ614Hの周囲に沿ってある。容量素子612V1と容量素子612V2が、グランドプレーン612Hの周囲に沿ってある。
【0079】
第2周波数帯域用に、上部アンテナアセンブリは、ラジエターパッチ628Hと、対応するグランドプレーン630Hを含む。容量素子628V1と容量素子628V2が、ラジエターパッチ628Hの周囲に沿ってある。容量素子630V1と容量素子630V2が、グランドプレーン630Hの周囲に沿ってある。
【0080】
第2周波数帯域用に、対応する下部アンテナアセンブリは、ラジエターパッチ634Hと、対応するグランドプレーン632Hを含む。容量素子634V1と容量素子634V2が、ラジエターパッチ634Hの周囲に沿ってある。容量素子632V1と容量素子632V2が、グランドプレーン632Hの周囲に沿ってある。
【0081】
グランドプレーン610Hとラジエターパッチ628Hは、互いに電気的に接触している別の構造であることが可能であり、又は単一の構造体として形成することも可能である。グランドプレーン630Hとグランドプレーン632Hは、互いに電気的に接触している別の構造であることが可能であり、又は単一の構造体として形成することも可能である。ラジエターパッチ634Hとグランドプレーン612Hは、互いに電気的に接触している別の構造であることが可能であり、又は単一の構造体として形成することも可能である。
【0082】
以下の寸法は、特定のアプリケーション用にユーザ(例えばアンテナエンジニアなど)によって指定することが可能な設計パラメータである。
ラジエターパッチとグランドプレーンの横寸法:
D1:ラジエターパッチ608H
D2:グランドプレーン610H
D3:ラジエターパッチ628H
D4:グランドプレーン630H
D5:グランドプレーン632H
D6:ラジエターパッチ634H
D7:グランドプレーン612H
D8:ラジエターパッチ614H
容量素子の長さ:
L1:容量素子608V1と容量素子608V2
L2:容量素子610V1と容量素子610V2
L3:容量素子628V1と容量素子628V2
L4:容量素子630V1と容量素子630V2
L5:容量素子632V1と容量素子632V2
L6:容量素子634V1と容量素子634V2
L7:容量素子612V1と容量素子612V2
L8:容量素子614V1と容量素子614V2
ラジエターパッチとグランドプレーン間の垂直方向の間隔:
S1:ラジエターパッチ608Hとグランドプレーン610Hの間
S2:ラジエターパッチ628Hとグランドプレーン630Hの間
S3:グランドプレーン632Hとラジエターパッチ634Hの間
S4:グランドプレーン612Hとラジエターパッチ614Hの間
【0083】
アンテナシステムの一実施形態では、第1周波数帯域はL1帯であり、第2周波数帯域はL2帯である。第1周波数帯域の上部アンテナアセンブリ及び対応する下部アンテナアセンブリは、L1帯でユーザ指定のダウン/アップ比を提供するように構成され、第2周波数帯域の上部アンテナアセンブリ及び対応する下部アンテナアセンブリは、L2帯でユーザ指定のダウン/アップ比を提供するように構成される。例えば、L1帯(1563MHz〜1616MHz)とL2帯(1216MHz〜1260MHz)で、GPSとGLONASSの両方の信号を受信するためには、L1帯において下部アンテナアセンブリの共振周波数が、L1帯の中心周波数(1590MHz)の周りのおよそ−60MHz〜+25MHzの範囲内にあり、L2帯において下部アンテナアセンブリの共振周波数が、L2帯の中心周波数(1240MHz)の周りのおよそ−50MHz〜+20MHzの範囲内にあるようにパラメータを選択する。
【0084】
また、ユーザ指定のパラメータである横方向の寸法Wをもつハウジング622が、図6に示される。一実施形態では、ハウジング622は、図3Cの閉鎖空洞316などの閉鎖空洞である。別の一実施形態では、ハウジング622は、図3Cのナビゲーションレシーバ322などのナビゲーションレシーバのケースである。ナビゲーションレシーバのケースは導電性があり、ラジエターパッチ614Hと電気的に接触しており、閉鎖空洞は使用されない。アンテナシステムのパフォーマンス特性に影響を与えることなく、ハウジング622の別の寸法を使用することができる。一実施形態では、Wはほぼ(1−5)D6の範囲にある。第2実施形態では、WはD6にほぼ等しい。第3実施形態では、WはD8にほぼ等しい。
【0085】
一実施形態では、ハウジング622は、閉鎖空洞を表し、アンテナアセンブリは、ジャッキパッド又は三脚に取り付けられ、WはD7よりも小さい。追加の空洞が、ハウジング622の下に取り付けられる場合は、追加の空洞の寸法は、W以下である。第2実施形態では、アンテナアセンブリは、車両の本体などの導電性表面に取り付けられ、WはD6以上である。追加の空洞が、ハウジング622の下に取り付けられる場合は、追加の空洞の寸法は、アンテナシステムの性能には影響しない。
【0086】
図6に示される横方向の寸法は、ビューEの断面平面内の横方向の寸法を表すことに留意されたい。しかしながら、上述のように、ラジエターパッチ及びグランドプレーンの形状は、正方形又は円形とは異なる場合がある。したがって、横方向の寸法は、他の断面に対しては異なる場合がある。
【0087】
他の実施形態では、ラジエターパッチとそれに対応するグランドプレーンは、エアギャップの代わりに固体誘電体基板によって分離している。通常、これらの実施形態では容量素子は使用されない。図6に示されるものと同様の設計パラメータが適用される。追加の設計パラメータとして、固体誘電体基板の誘電率がある。
【0088】
図8Aは、直線偏光放射用アンテナシステム800として参照されるシングルバンドアンテナシステムの一実施形態の斜視図を示している。アンテナシステム800は、上部アンテナアセンブリ(ラジエターパッチ802Hと、対応するグランドプレーン804H)と、対応する下部アンテナアセンブリ(ラジエターパッチ806Hと、対応するグランドプレーン808H)を含む。グランドプレーン804Hとグランドプレーン808Hは、互いに電気的に接触している別の構造であることが可能であり、単一の構造体から形成することも可能である。ラジエターパッチ802Hは、励磁機810によって供給される。励磁機810の位置は、x軸に沿ってラジエターパッチ802Hの幾何学的中心からずれている。ラジエターパッチ806Hは、励磁機によって供給されない。
【0089】
ラジエターパッチは、誘電媒体によってそれに対応するグランドプレーンから分離している。いくつかの実施形態では、誘電媒体は、固体誘電体基板である。他の実施形態では、図8Aに示されるように、誘電媒体は空気である。グランドプレーン上でラジエターパッチを支持する構造要素は、これらの図には示されていない。支持構造要素の例としては、薄い誘電体支柱と薄い導電性ブリッジを含んでおり、これらはアンテナシステムのパフォーマンスに影響を与えない。
【0090】
エアギャップを使用する場合は、パッチアンテナの共振サイズを小さくするために、容量素子の形態の遅波構造を、ラジエターパッチ、グランドプレーン、又はラジエターパッチとグランドプレーンの両方に構成可能である。容量素子は、H−平面(x軸に直交する)に沿ってのみ構成される。図8Aに示される実施形態では、容量素子(CE)は、上部ラジエターパッチ802Hに構成されるCE 802V1及びCE 802V2と、下部ラジエターパッチ806Hに構成されるCE 806V1及びCE 806V2である。
【0091】
参照ジオメトリを以下に記載する。特に断りのない限り、本明細書内のすべての寸法は、特定用途用にユーザ指定できる設計パラメータである。
【0092】
図8Bは、ラジエターパッチ802H及びグランドプレーン804H用の参照ジオメトリを提供する。ビューCを参照。グランドプレーン804Hは、x軸に沿った寸法d1とy軸に沿った寸法d2を有する。ラジエターパッチ802Hは、x軸に沿った寸法d3とy軸に沿った寸法d4を有する。ラジエターパッチ802Hの寸法は、グランドプレーン804Hの寸法よりも小さい、等しい、又は大きいことが可能である。アンテナシステムのダウン/アップ比を向上させるために、通常、d1=〜(1−3.5)d3、d2=〜(1−3.5)d4である。
【0093】
ビューB及びビューAを参照。ラジエターパッチ802Hは、z軸に沿った寸法d6だけグランドプレーン804Hから分離している。容量素子CE 802V1及びCE 802V2は、y軸に沿った寸法d4とz軸に沿った寸法d5を有する。
【0094】
同様の参照ジオメトリが、ラジエターパッチ806H及びグランドプレーン808Hに適用される。一実施形態では、ラジエターパッチ806Hは、ラジエターパッチ802Hと同じサイズであり、グランドプレーン808Hは、グランドプレーン804Hと同じサイズであり、下部アンテナアセンブリと上部アンテナアセンブリはx−y平面に対して鏡面対称性を有する。一般的に、下部アンテナアセンブリの寸法は、対応する上部アンテナアセンブリの寸法よりも小さい、等しい、又は大きいことが可能である。一実施形態では、ダウン/アップ比を減少させるために、下部アンテナアセンブリの寸法は、上部アンテナアセンブリの対応する寸法の約3.5倍までである。
【0095】
図9A〜図9Dは、米国特許出願公開第US2009/0140930号に更に詳細に記載されている容量素子の他の実施形態を示している。図9Aを参照。ラジエターパッチ802Hは、y軸に沿って寸法d4を有する。図8Bでは、CE 802V2が、ラジエターパッチ802Hの全長に沿っている。一般的に、CE 902V2は、y軸に沿った寸法d7を有し、d7≦d4である。
【0096】
図9B〜図9Dを参照。図9Bでは、CE 902S1及びCE 902S2は、ストレート形状を有する。容量素子の厚さは、寸法d9と表記されている。図9Cでは、CE 902I1(セグメント902I1−1及びセグメント902I1−2を含む)と、CE 902I2(セグメント902I2−1及びセグメント902I2−2を含む)は、内曲形状(内側に曲がった形状)を有する。セグメント902I1−2及びセグメント902I2−2の寸法は、x軸に沿ってd10である。図9Cでは、CE 902O1(セグメント902O1−1及びセグメント902O1−2を含む)と、CE 902O2(セグメント902O2−1及びセグメント902O2−2を含む)は、外曲形状(外側に曲がった形状)を有する。セグメント902O1−2及びセグメント902O2−2の寸法は、x軸に沿ってd11である。一般的に、容量素子とラジエターパッチ又はグランドプレーンとの間の角度は、90度以外でもよい。一般的に、内曲及び外曲容量素子の曲げ角度は、90度以外でもよい。
【0097】
図9B、図9C、及び図9Dでは、x軸に沿った容量素子間の距離はd8である。
【0098】
容量素子CE 902V2は、連続的なストリップとして構成され、拡張連続構造(ECS)と呼ばれている。図9Bに示される形状は、ストレートECSと呼ばれている。図9Cに示される形状は、内曲ECSと呼ばれている。図9Dに示される形状は、外曲ECSと呼ばれている。
【0099】
図9E〜図9Lは、ラジエターパッチ、グランドプレーン、及びECS容量素子の様々な構成の直交図を示している。
図9E:
ラジエターパッチ802H:ストレートECS(902S1、902S2)
グランドプレーン804H:なし
グランドプレーン808H:なし
ラジエターパッチ806H:ストレートECS(906S1、90262)
注意事項:なし。
図9F:
ラジエターパッチ802H:なし
グランドプレーン804H:ストレートECS(904S1、904S2)
グランドプレーン808H:ストレートECS(908S1、908S2)
ラジエターパッチ806H:なし
注意事項:なし。
図9G:
ラジエターパッチ802H:ストレートECS(902S1、902S2)
グランドプレーン804H:ストレートECS(904S1、904S2)
グランドプレーン808H:ストレートECS(908S1、908S2)
ラジエターパッチ806H:ストレートECS(906S1、906S2)
注意事項:ラジエターパッチはグランドプレーンよりも大きい。
図9H:
ラジエターパッチ802H:ストレートECS(902S1、902S2)
グランドプレーン804H:ストレートECS(904S1、904S2)
グランドプレーン808H:ストレートECS(908S1、908S2)
ラジエターパッチ806H:ストレートECS(906S1、906S2)
注意事項:グランドプレーンはラジエターパッチよりも大きい。
図9I:
ラジエターパッチ802H:ストレートECS(902S1、902S2)
グランドプレーン804H:内曲ECS(904I1、904I2)
グランドプレーン808H:内曲ECS(908I1、90812)
ラジエターパッチ806H:ストレートECS(906S1、906S2)
注意事項:ラジエターパッチはグランドプレーンよりも大きい。
図9J:
ラジエターパッチ802H:内曲ECS(902I1、902I2)
グランドプレーン804H:ストレートECS(904S1、904S2)
グランドプレーン808H:ストレートECS(908S1、908S2)
ラジエターパッチ806H:内曲ECS(906I1、906I2)
注意事項:グランドプレーンはラジエターパッチよりも大きい。
図9K:
ラジエターパッチ802H:外曲ECS(902O1、902O2)
グランドプレーン804H:ストレートECS(904S1、904S2)
グランドプレーン808H:ストレートECS(908S1、908S2)
ラジエターパッチ806H:外曲ECS(906O1、906O2)
注意事項:グランドプレーンの容量素子の外側にラジエターパッチの容量素子がある。
図9L:
ラジエターパッチ802H:外曲ECS(902O1、902O2)
グランドプレーン804H:内曲ECS(904I1、904I2)
グランドプレーン808H:内曲ECS(908I1、908I2)
ラジエターパッチ806H:外曲ECS(906O1、906O2)
注意事項:グランドプレーンの容量素子の外側にラジエターパッチの容量素子がある。
【0100】
図10Aは、連続線形構造(SLS)として構成された容量素子を示している。これらの容量素子は、アンテナシステムのRF応答をチューニングするための追加の設計パラメータを提供している。容量素子SLS 1002V2は、複数のセグメント、1002V2−A、1002V2−B、1002V2−C、1002V2−D、及び1002V2−Eを含む。各セグメントの寸法は、y軸に沿ってd12であり、隣接するセグメント間の間隔は、y軸に沿ってd13である。図10B〜図10Cに示されるように、SLSの形状は、ストレート(SLS 1002S1、SLS 1002S1)、内曲(SLS 1002I1、SLS 1002I2)、又は外曲(SLS 1002O1、SLS 1002O2)がそれぞれ可能である。各セグメントの断面は、正方形、長方形、円形、楕円形、又はその他のユーザ定義形状が可能である。図に示されている寸法は、すべてユーザ指定の設計パラメータである。一実施形態では、d13>0.1d12である。一般的に、容量素子とラジエターパッチ又はグランドプレーンとの間の角度は90度以外でもよい。一般的に、内曲及び外曲容量素子の曲げ角度は、90度以外でもよい。
【0101】
局所構造の寸法及び数は、全等価容量を決定する。共振アンテナのサイズを最小化するために、ラジエターパッチの容量素子とグランドプレーンの対応する容量素子との間の重複領域を最大化する必要がある。ラジエターパッチの容量素子とグランドプレーンの対応する容量素子は、物理的に分離されているので、重複領域は、ラジエターパッチの容量素子とグランドプレーンの対応する容量素子の互いに対向する領域によって決定される(つまり、ラジエターパッチの容量素子の表面が、グランドプレーンの対応する容量素子の表面に直角に突き出している場合、重複領域は、ラジエターパッチの容量素子の突出した表面が、グランドプレーンの容量素子の表面と重複する領域である)。したがって、拡張連続構造として構成された容量素子は、最小の共振サイズを生成する。
【0102】
図10E〜図10Oは、SLS容量素子の様々な構成の直交図を示している。
図10E:
ラジエターパッチ802H:ストレートSLS(1002S1、1002S2)
グランドプレーン804H:なし
グランドプレーン808H:なし
ラジエターパッチ806H:ストレートSLS(1006S1、1006S2)
注意事項:なし。
図10F:
ラジエターパッチ802H:なし
グランドプレーン804H:ストレートSLS(1004S1、1004S2)
グランドプレーン808H:ストレートSLS(1008S1、1008S2)
ラジエターパッチ806H:なし
注意事項:なし。
図10G:
ラジエターパッチ802H:ストレートSLS(1002S1、1002S2)
グランドプレーン804H:ストレートSLS(1004S1、1004S2)
グランドプレーン808H:ストレートSLS(1008S1、1008S2)
ラジエターパッチ806H:ストレートSLS(1006S1、1006S2)
注意事項:グランドプレーンの容量素子の外側にラジエターパッチの容量素子がある。
図10H:
ラジエターパッチ802H:ストレートSLS(1002S1、1002S2)
グランドプレーン804H:ストレートSLS(1004S1、1004S2)
グランドプレーン808H:ストレートSLS(1008S1、1008S2)
ラジエターパッチ806H:ストレートSLS(1006S1、1006S2)
注意事項:ラジエターパッチの容量素子の外側にグランドプレーンの容量素子がある。
図10I:
ラジエターパッチ802H:ストレートSLS(1002S1、1002S2)
グランドプレーン804H:ストレートSLS(1004S1、1004S2)
グランドプレーン808H:ストレートSLS(1008S1、1008S2)
ラジエターパッチ806H:ストレートSLS(1006S1、1006S2)
注意事項:グランドプレーンの容量素子の外側にラジエターパッチの容量素子がある。ラジエターパッチの容量素子は、グランドプレーンの容量素子からオフセットしている。
図10J:
ラジエターパッチ802H:ストレートSLS(1002S1、1002S2)
グランドプレーン804H:ストレートSLS(1004S1、1004S2)
グランドプレーン808H:ストレートSLS(1008S1、1008S2)
ラジエターパッチ806H:ストレートSLS(1006S1、1006S2)
注意事項:ラジエターパッチの容量素子の外側にグランドプレーンの容量素子がある。グランドプレーンの容量素子は、ラジエターパッチの容量素子よりも広い。ラジエターパッチの容量素子は、グランドプレーンの容量素子からオフセットしている。
図10K:
ラジエターパッチ802H:ストレートSLS(1002S1、1002S2)
グランドプレーン804H:ストレートSLS(1004S1、1004S2)
グランドプレーン808H:ストレートSLS(1008S1、1008S2)
ラジエターパッチ806H:ストレートSLS(1006S1、1006S2)
注意事項:グランドプレーンの容量素子は、ラジエターパッチの容量素子と互いに入り込んでいる。
図10L:
ラジエターパッチ802H:ストレートSLS(1002S1、1002S2)
グランドプレーン804H:内曲SLS(1004I1、1004I2)
グランドプレーン808H:内曲SLS(1008I1、1008I2)
ラジエターパッチ806H:ストレートSLS(1006S1、1006S2)
注意事項:グランドプレーンの容量素子の外側にラジエターパッチの容量素子がある。
図10M:
ラジエターパッチ802H:内曲SLS(1002I1、1002I2)
グランドプレーン804H:ストレートSLS(1004S1、1004S2)
グランドプレーン808H:ストレートSLS(1008S1、1008S2)
ラジエターパッチ806H:内曲SLS(1006I1、1006I2)
注意事項:ラジエターパッチの容量素子の外側にグランドプレーンの容量素子がある。
図10N:
ラジエターパッチ802H:外曲SLS(1002O1、1002O2)
グランドプレーン804H:ストレートSLS(1004S1、1004S2)
グランドプレーン808H:ストレートSLS(1008S1、1008S2)
ラジエターパッチ806H:外曲SLS(1006O1、1006O2)
注意事項:グランドプレーンの容量素子の外側にラジエターパッチの容量素子がある。
図10O:
ラジエターパッチ802H:外曲SLS(1002O1、1002O2)
グランドプレーン804H:内曲SLS(1004I1、1004I2)
グランドプレーン808H:内曲SLS(1008I1、1008I2)
ラジエターパッチ806H:外曲SLS(1006O1、1006O2)
注意事項:グランドプレーンの容量素子の外側にラジエターパッチの容量素子がある。
【0103】
図11Aは、円偏光放射用のアンテナシステム1100として参照されるシングルバンドアンテナシステムの一実施形態の斜視図を示している。アンテナシステムは、上部アンテナアセンブリ(ラジエターパッチ802Hと、対応するグランドプレーン804H)と、下部アンテナアセンブリ(ラジエターパッチ806Hと、対応するグランドプレーン808H)を含む。図11Aに示される実施形態では、ラジエターパッチ及びグランドプレーンは、長方形の形状を有する。他の実施形態では、円形形状などの他の形状を使用することができる。各ラジエターパッチは、エアギャップによって、それに対応するグランドプレーンから分離している。他の実施形態では、各ラジエターパッチは、固体誘電体基板によって、それに対応するグランドプレーンから分離している。
【0104】
容量素子は、ラジエターパッチの4つのすべての縁部に沿ったSLSとして構成されている。容量素子SLS 1102V1及びSLS 1102V2は、ラジエターパッチ802Hのy軸に沿って構成されている。容量素子SLS 1102V3及びSLS 1102V4は、ラジエターパッチ802Hのx軸に沿って構成されている。容量素子SLS 1106V1及びSLS 1106V2は、ラジエターパッチ806Hのy軸に沿って構成されている。容量素子SLS 1106V3及びSLS 1106V4は、ラジエターパッチ806Hのx軸に沿って構成されている。
【0105】
図11Aに示される実施形態では、ラジエターパッチ802H及びラジエターパッチ806Hは、両方ともy軸に沿った長さb及びx軸に沿った幅aを有する長方形である。長方形の形状は、円偏光放射用のパッチアンテナの実施形態で頻繁に使用されている正方形の形状(a=b)のケースを含むことに留意されたい。グランドプレーン804Hは、ラジエターパッチ802Hよりも大きくすることが可能であり、グランドプレーン808Hは、ラジエターパッチ806Hよりも大きくすることが可能である。
【0106】
上部アンテナアセンブリのラジエターパッチ802Hは、励磁ロッドによって励磁され、下部アンテナアセンブリのラジエターパッチ806Hは、励磁されない。円偏光場は、互いに直交し位相が90度ずれた2つの直線偏光の和である。この場を励磁するために、ロッド1110A及びロッド1110Bの2つのロッドが使用される。ロッド1110Bの位置は、x軸に沿ったラジエターパッチ802Hの幾何学的中心からずれている。ロッド1110Aの位置は、y軸に沿った放射素子802Hの幾何学的中心からずれている。x−z平面は、ロッド1110Bによって励磁された場のE−平面と、ロッド1110Aによって励磁された場のH−平面である。ロッド1110Bによって励磁された場に対して、SLS 1102V1及びSLS 1102V2は、(H−平面内の)磁場ベクトルに沿って整列される。SLS 1102V3及びSLS 1102V4は、(E−平面内の)電場ベクトルに沿って整列される。同様に、ロッド1110Aによって励磁された場に対して、SLS 1102V1及びSLS 1102V2は、(E−平面内の)電場ベクトルに沿って整列される。SLS 1102V3及びSLS 1102V4は、(H−平面内の)磁場ベクトルに沿って整列される。
【0107】
図11B〜図11Lは、円偏光アンテナシステムの他の実施形態の直交図を示している。一般的には、SLS容量素子をラジエターパッチの周囲、グランドプレーンの周囲、又はラジエターパッチの周囲とグランドプレーンの周囲に沿って構成することができる。
図11B:
x軸に沿ったラジエターパッチ802H:ストレートSLS(1102S3、1102S4)
y軸に沿ったラジエターパッチ802H:ストレートSLS(1102S1、1102S2)
x軸に沿ったグランドプレーン804H:なし
y軸に沿ったグランドプレーン804H:なし
x軸に沿ったグランドプレーン808H:なし
y軸に沿ったグランドプレーン808H:ストレートSLS(1108S1、1108S2)
x軸に沿ったラジエターパッチ806H:ストレートSLS(1106S3、1106S4)
y軸に沿ったラジエターパッチ806H:なし
注意事項:なし。
図11C:
x軸に沿ったラジエターパッチ802H:なし
y軸に沿ったラジエターパッチ802H:なし
x軸に沿ったグランドプレーン804H:ストレートSLS(1104S3、1104S4)
y軸に沿ったグランドプレーン804H:ストレートSLS(1104S1、1104S2)
x軸に沿ったグランドプレーン808H:ストレートSLS(1108S3、1108S4)
y軸に沿ったグランドプレーン808H:ストレートSLS(1108S1、1108S2)
x軸に沿ったラジエターパッチ806H:なし
y軸に沿ったラジエターパッチ806H:なし
注意事項:なし。
図11D:
x軸に沿ったラジエターパッチ802H:ストレートSLS(1102S3、1102S4)
y軸に沿ったラジエターパッチ802H:ストレートSLS(1102S1、1102S4)
x軸に沿ったグランドプレーン804H:ストレートSLS(1104S3、1104S4)
y軸に沿ったグランドプレーン804H:ストレートSLS(1104S1、1104S2)
x軸に沿ったグランドプレーン808H:ストレートSLS(1108S3、1108S4)
y軸に沿ったグランドプレーン808H:ストレートSLS(1108S1、1108S2)
x軸に沿ったラジエターパッチ806H:ストレートSLS(1106S3、1106S4)
y軸に沿ったラジエターパッチ806H:ストレートSLS(1106S1、1106S2)
注意事項:グランドプレーンの容量素子の外側にラジエターパッチの容量素子がある。
図11E:
x軸に沿ったラジエターパッチ802H:ストレートSLS(1102S3、1102S4)
y軸に沿ったラジエターパッチ802H:ストレートSLS(1102S1、1102S2)
x軸に沿ったグランドプレーン804H:ストレートSLS(1104S3、1104S4)
y軸に沿ったグランドプレーン804H:ストレートSLS(1104S1、1104S2)
x軸に沿ったグランドプレーン808H:ストレートSLS(1108S3、1108S4)
y軸に沿ったグランドプレーン808H:ストレートSLS(1108S1、1108S2)
x軸に沿ったラジエターパッチ806H:ストレートSLS(1106S3、1106S4)
y軸に沿ったラジエターパッチ806H:ストレートSLS(1106S1、1106S2)
注意事項:ラジエターパッチの容量素子の外側にグランドプレーンの容量素子がある。
図11F:
x軸に沿ったラジエターパッチ802H:ストレートSLS(1102S3、1102S4)
y軸に沿ったラジエターパッチ802H:ストレートSLS(1102S1、1102S2)
x軸に沿ったグランドプレーン804H:ストレートSLS(1104S3、1104S4)
y軸に沿ったグランドプレーン804H:ストレートSLS(1104S1、1104S2)
x軸に沿ったグランドプレーン808H:ストレートSLS(1108S3、1108S4)
y軸に沿ったグランドプレーン808H:ストレートSLS(1108S1、1108S2)
x軸に沿ったラジエターパッチ806H:ストレートSLS(1106S3、1106S4)
y軸に沿ったラジエターパッチ806H:ストレートSLS(1106S1、1106S2)
注意事項:グランドプレーンの容量素子の外側にラジエターパッチの容量素子がある。ラジエターパッチの容量素子は、グランドプレーンの容量素子に対してオフセットしている。
図11G:
x軸に沿ったラジエターパッチ802H:ストレートSLS(1102S3、1102S4)
y軸に沿ったラジエターパッチ802H:ストレートSLS(1104S1、1104S2)
x軸に沿ったグランドプレーン804H:ストレートSLS(1104S3、1104S4)
y軸に沿ったグランドプレーン804H:ストレートSLS(1104S1、1104S2)
x軸に沿ったグランドプレーン808H:ストレートSLS(1108S3、1108S4)
y軸に沿ったグランドプレーン808H:ストレートSLS(1108S1、1108S2)
x軸に沿ったラジエターパッチ806H:ストレートSLS(1106S3、1106S4)
y軸に沿ったラジエターパッチ806H:ストレートSLS(1106S1、1106S2)
注意事項:ラジエターパッチの容量素子の外側にグランドプレーンの容量素子がある。ラジエターパッチの容量素子は、グランドプレーンの容量素子に対してオフセットしている。
図11H:
x軸に沿ったラジエターパッチ802H:ストレートSLS(1102S3、1102S4)
y軸に沿ったラジエターパッチ802H:ストレートSLS(1104S1、1104S2)
x軸に沿ったグランドプレーン804H:ストレートSLS(1104S3、1104S4)
y軸に沿ったグランドプレーン804H:ストレートSLS(1104S1、1104S2)
x軸に沿ったグランドプレーン808H:ストレートSLS(1108S3、1108S4)
y軸に沿ったグランドプレーン808H:ストレートSLS(1108S1、1108S2)
x軸に沿ったラジエターパッチ806H:ストレートSLS(1106S3、1106S4)
y軸に沿ったラジエターパッチ806H:ストレートSLS(1106S1、1106S2)
注意事項:ラジエターパッチの容量素子は、グランドプレーンの容量素子と互いに入り込んでいる。
図11I:
x軸に沿ったラジエターパッチ802H:ストレートSLS(1102S3、1102S4)
y軸に沿ったラジエターパッチ802H:ストレートSLS(1104S1、1104S2)
x軸に沿ったグランドプレーン804H:内曲SLS(1104I3、1104I4)
y軸に沿ったグランドプレーン804H:内曲SLS(1104I1、1104I2)
x軸に沿ったグランドプレーン808H:内曲SLS(1108I3、1108I4)
y軸に沿ったグランドプレーン808H:内曲SLS(1108I1、1108I2)
x軸に沿ったラジエターパッチ806H:ストレートSLS(1106S3、1106S4)
y軸に沿ったラジエターパッチ806H:ストレートSLS(1106S1、1106S2)
注意事項:ラジエターパッチの容量素子の外側にグランドプレーンの容量素子がある。
図11J:
x軸に沿ったラジエターパッチ802H:内曲SLS(1102I3、1102I4)
y軸に沿ったラジエターパッチ802H:内曲SLS(1104I1、1104I2)
x軸に沿ったグランドプレーン804H:ストレートSLS(1104S3、1104S4)
y軸に沿ったグランドプレーン804H:ストレートSLS(1104S1、1104S2)
x軸に沿ったグランドプレーン808H:ストレートSLS(1108S3、1108S4)
y軸に沿ったグランドプレーン808H:ストレートSLS(1108S1、1108S2)
x軸に沿ったラジエターパッチ806H:内曲SLS(1106I3、1106I4)
y軸に沿ったラジエターパッチ806H:内曲SLS(1106I1、1106I2)
注意事項:ラジエターパッチの容量素子の外側にグランドプレーンの容量素子がある。
図11K:
x軸に沿ったラジエターパッチ802H:外曲SLS(1102O3、1102O4)
y軸に沿ったラジエターパッチ802H:外曲SLS(1104O1、1104O2)
x軸に沿ったグランドプレーン804H:ストレートSLS(1104S3、1104S4)
y軸に沿ったグランドプレーン804H:ストレートSLS(1104S1、1104S2)
x軸に沿ったグランドプレーン808H:ストレートSLS(1108S3、1108S4)
y軸に沿ったグランドプレーン808H:ストレートSLS(1108S1、1108S2)
x軸に沿ったラジエターパッチ806H:外曲SLS(1106O3、1106O4)
y軸に沿ったラジエターパッチ806H:外曲SLS(1106O1、1106O2)
注意事項:グランドプレーンの容量素子の外側にラジエターパッチの容量素子がある。
図11L:
x軸に沿ったラジエターパッチ802H:外曲SLS(1102O3、1102O4)
y軸に沿ったラジエターパッチ802H:外曲SLS(1104O1、1104O2)
x軸に沿ったグランドプレーン804H:内曲SLS(1104I3、1104I4)
y軸に沿ったグランドプレーン804H:内曲SLS(1104I1、1104I2)
x軸に沿ったグランドプレーン808H:内曲SLS(1108I3、1108I4)
y軸に沿ったグランドプレーン808H:内曲SLS(1108I1、1108I2)
x軸に沿ったラジエターパッチ806H:外曲SLS(1106O3、1106O4)
y軸に沿ったラジエターパッチ806H:外曲SLS(1106O1、1106O2)
注意事項:グランドプレーンの容量素子の外側にラジエターパッチの容量素子がある。
【0108】
図7は、L1及びL2の周波数帯域内の2つのアンテナシステム用のダウン/アップ比のプロットを示している。横軸702はMHz単位で周波数を表している。縦軸はdB単位でダウン/アップ比を表している。プロット710A及びプロット710Bは、本発明の一実施形態に係るアンテナシステムのL1及びL2周波数帯での結果をそれぞれ示している。比較のために、プロット712A及びプロット712Bは、従来技術のアンテナシステムにおけるL1及びL2周波数帯での結果をそれぞれ示している。
【0109】
実際には、ダウン/アップ比が特定の最大値(例えば、−15dB又は−20dB)未満である周波数範囲が、アンテナシステムのマルチパス耐性を特徴付けるために使用されている。L1帯におけるプロット710A及びプロット712Aの比較とL2帯におけるプロット710B及びプロット712Bの比較は、−15dB〜−20dBの最大ダウン/アップ比に対して、本発明の一実施形態に係るアンテナ用の周波数範囲が、従来技術のアンテナの周波数範囲よりも20〜30%大きいことを示している。
【0110】
上記の詳細な説明は、あらゆる点において、実例的・例示的であり、限定的なものではなく、本明細書内で開示される発明の範囲は、詳細な説明から決定されるのではなく、特許法によって認められている全範囲に従って解釈されるような特許請求の範囲から決定されることを理解すべきである。本明細書内で示され説明された実施形態は、本発明の原理の単なる例示であり、その種々の変形が本発明の範囲及び主旨から逸脱することなく当業者によって実施可能であることを理解すべきである。当業者は、本発明の範囲及び主旨から逸脱することなく、他の様々な特徴の組み合わせを実施することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1アンテナアセンブリであって、
第1周囲を有する第1ラジエターパッチと、
第2周囲を有する第1グランドプレーンと、
前記第1ラジエターパッチと前記第1グランドプレーンの間に配置された第1誘電媒体と、
前記第1ラジエターパッチ内で第1電磁信号を励磁するように構成された励磁機を含む第1アンテナアセンブリと、
前記第1アンテナアセンブリと電磁結合された第2アンテナアセンブリであって、
第3周囲を有し、前記第1電磁信号によって誘導された第3電磁信号に応答して第2電磁信号を励磁するように構成された第2ラジエターパッチと、
第4周囲を有し、前記第1グランドプレーンに電気的に接続される第2グランドプレーンと、
前記第2ラジエターパッチと前記第2グランドプレーンの間に配置された第2誘電媒体を含む第2アンテナアセンブリと、
前記第1ラジエターパッチに電気的に接続され、前記第2ラジエターパッチに電磁結合された信号ポートを含むパッチアンテナシステム。
【請求項2】
前記第1電磁信号と前記第2電磁信号は逆位相を有する請求項1記載のパッチアンテナシステム。
【請求項3】
前記第1アンテナアセンブリは第1共振周波数を有し、
前記第2アンテナアセンブリは前記第1共振周波数にほぼ等しい第2共振周波数を有する請求項1記載のパッチアンテナシステム。
【請求項4】
前記第1共振周波数は、全地球的航法衛星システム動作周波数帯の中心動作周波数であり、
前記第2共振周波数は、前記第1共振周波数の±5%以内である請求項4に記載のパッチアンテナシステム。
【請求項5】
前記第1誘電媒体は、第1誘電率を有する第1固体誘電体基板を含み、
前記第2誘電媒体は、第2誘電率を有する第2固体誘電体基板を含む請求項1記載のパッチアンテナシステム。
【請求項6】
前記第1誘電媒体及び前記第2誘電媒体は空気を含み、
前記第1周囲と前記第2周囲の少なくとも一方に沿った容量素子の第1セットと、
前記第3周囲と前記第4周囲の少なくとも一方に沿った容量素子の第2セットを更に含む請求項1記載のパッチアンテナシステム。
【請求項7】
前記容量素子の第1セットは、
ストレート拡張連続構造のセット、
内曲拡張連続構造のセット、
外曲連続構造のセット、
ストレート連続局所構造、
内曲連続局所構造、又は
外曲連続局所構造のうちの1つを含む請求項6記載のパッチアンテナシステム。
【請求項8】
前記容量素子の第2セットは、
ストレート拡張連続構造のセット、
内曲拡張連続構造のセット、
外曲連続構造のセット、
ストレート連続局所構造、
内曲連続局所構造、又は
外曲連続局所構造のうちの1つを含む請求項6記載のパッチアンテナシステム。
【請求項9】
前記パッチアンテナシステムは、直線偏光モードで動作するように構成されている請求項1記載のパッチアンテナシステム。
【請求項10】
前記パッチアンテナシステムは、円偏光モードで動作するように構成されている請求項1記載のパッチアンテナシステム。
【請求項11】
前記パッチアンテナシステム内に配置された低雑音増幅装置を更に含む請求項1記載のパッチアンテナシステム。
【請求項12】
前記第2ラジエターパッチに電気的に接続された導電性ケースを有するナビゲーションレシーバを更に含む請求項1記載のパッチアンテナシステム。
【請求項13】
前記第2ラジエターパッチに電気的に接続された導電性閉鎖空洞を更に含む請求項1記載のパッチアンテナシステム。
【請求項14】
前記導電性閉鎖空洞内に配置されたナビゲーションレシーバを更に含む請求項13記載のパッチアンテナシステム。
【請求項15】
前記導電性閉鎖空洞は第1導電性閉鎖空洞であり、
前記第1導電性閉鎖空洞に電気的に接続された第2導電性閉鎖空洞を更に含む請求項13記載のパッチアンテナシステム。
【請求項16】
前記第2導電性閉鎖空洞内に配置された補助ユニットを更に含む請求項15記載のパッチアンテナシステム。
【請求項17】
前記補助ユニットは、
低雑音増幅装置、
シグナルプロセッサ、
姿勢センサ、又は
傾斜センサのうちの1つを含む請求項16記載のパッチアンテナシステム。
【請求項18】
第1アンテナアセンブリであって、
第1周囲を有する第1ラジエターパッチと、
第2周囲を有する第1グランドプレーンと、
前記第1ラジエターパッチと前記第1グランドプレーンの間に配置された第1誘電媒体と、
前記第1ラジエターパッチ内で第1周波数を有する第1電磁信号を励磁するように構成された第1励磁機を含む第1アンテナアセンブリと、
前記第1アンテナアセンブリと電磁結合された第2アンテナアセンブリであって、
第3周囲を有し、前記第1電磁信号によって誘導された第3電磁信号に応答して第2電磁信号を励磁するように構成された第2ラジエターパッチと、
第4周囲を有する第2グランドプレーンと、
前記第2ラジエターパッチと前記第2グランドプレーンの間に配置された第2誘電媒体を含む第2アンテナアセンブリと、
前記第1ラジエターパッチに電気的に接続され、前記第2ラジエターパッチに電磁結合された第1信号ポートと、
第3アンテナアセンブリであって、
第5周囲を有する第3ラジエターパッチと、
第6周囲を有する第3グランドプレーンと、
前記第3ラジエターパッチと前記第3グランドプレーンの間に配置された第3誘電媒体と、
前記第3ラジエターパッチ内で第2周波数を有する第4電磁信号を励磁するように構成された第2励磁機を含む第3アンテナアセンブリと、
前記第3アンテナアセンブリと電磁結合された第4アンテナアセンブリであって、
第7周囲を有し、前記第4電磁信号によって誘導された第6電磁信号に応答して第5電磁信号を励磁するように構成された第4ラジエターパッチと、
第8周囲を有する第4グランドプレーンと、
前記第4ラジエターパッチと前記第4グランドプレーンの間に配置された第4誘電媒体を含む第4アンテナアセンブリと、
前記第3ラジエターパッチに電気的に接続され、前記第4ラジエターパッチに電磁結合された第2信号ポートを含むパッチアンテナシステム。
【請求項19】
前記第1電磁信号と前記第2電磁信号は逆位相を有し、
前記第4電磁信号と前記第5電磁信号は逆位相を有する請求項18記載のパッチアンテナシステム。
【請求項20】
前記第1アンテナアセンブリは第1共振周波数を有し、
前記第2アンテナアセンブリは第2共振周波数を有し、
前記第3アンテナアセンブリは第3共振周波数を有し、
前記第4アンテナアセンブリは第4共振周波数を有する請求項18記載のパッチアンテナシステム。
【請求項21】
前記第1共振周波数は、全地球的航法衛星システム第1動作周波数帯の中心動作周波数であり、
前記第2共振周波数は、前記第1共振周波数の±5%以内であり、
前記第3共振周波数は、全地球的航法衛星システム第2動作周波数帯の中心動作周波数であり、全地球的航法衛星システム第2動作周波数帯は、全地球的航法衛星システム第1動作周波数帯と異なり、
前記第4共振周波数は、前記第3共振周波数の±5%以内である請求項20に記載のパッチアンテナシステム。
【請求項22】
前記第1誘電媒体は、第1誘電率を有する第1固体誘電体基板を含み、
前記第2誘電媒体は、第2誘電率を有する第2固体誘電体基板を含み、
前記第3誘電媒体は、第3誘電率を有する第3固体誘電体基板を含み、
前記第4誘電媒体は、第4誘電率を有する第4固体誘電体基板を含む請求項18記載のパッチアンテナシステム。
【請求項23】
前記第1誘電媒体、前記第2誘電媒体、前記第3誘電媒体、及び前記第4誘電媒体は空気を含み、
前記第1周囲と前記第2周囲の少なくとも一方に沿った容量素子の第1セットと、
前記第3周囲と前記第4周囲の少なくとも一方に沿った容量素子の第2セットと、
前記第5周囲と前記第6周囲の少なくとも一方に沿った容量素子の第3セットと、
前記第7周囲と前記第8周囲の少なくとも一方に沿った容量素子の第4セットを更に含む請求項18記載のパッチアンテナシステム。
【請求項24】
前記容量素子の第1セットは、
ストレート拡張連続構造のセット、
内曲拡張連続構造のセット、
外曲連続構造のセット、
ストレート連続局所構造、
内曲連続局所構造、又は
外曲連続局所構造のうちの1つを含む請求項23記載のパッチアンテナシステム。
【請求項25】
前記容量素子の第2セットは、
ストレート拡張連続構造のセット、
内曲拡張連続構造のセット、
外曲連続構造のセット、
ストレート連続局所構造、
内曲連続局所構造、又は
外曲連続局所構造のうちの1つを含む請求項23記載のパッチアンテナシステム。
【請求項26】
前記容量素子の第3セットは、
ストレート拡張連続構造のセット、
内曲拡張連続構造のセット、
外曲連続構造のセット、
ストレート連続局所構造、
内曲連続局所構造、又は
外曲連続局所構造のうちの1つを含む請求項23記載のパッチアンテナシステム。
【請求項27】
前記容量素子の第4セットは、
ストレート拡張連続構造のセット、
内曲拡張連続構造のセット、
外曲連続構造のセット、
ストレート連続局所構造、
内曲連続局所構造、又は
外曲連続局所構造のうちの1つを含む請求項23記載のパッチアンテナシステム。
【請求項28】
前記パッチアンテナシステムは、直線偏光モードで動作するように構成されている請求項18記載のパッチアンテナシステム。
【請求項29】
前記パッチアンテナシステムは、円偏光モードで動作するように構成されている請求項18記載のパッチアンテナシステム。
【請求項30】
前記パッチアンテナシステム内に配置された低雑音増幅装置を更に含む請求項18記載のパッチアンテナシステム。
【請求項31】
前記第2ラジエターパッチに電気的に接続された導電性ケースを有するナビゲーションレシーバを更に含む請求項18記載のパッチアンテナシステム。
【請求項32】
前記第2ラジエターパッチに電気的に接続された導電性閉鎖空洞を更に含む請求項18記載のパッチアンテナシステム。
【請求項33】
前記導電性閉鎖空洞内に配置されたナビゲーションレシーバを更に含む請求項32記載のパッチアンテナシステム。
【請求項34】
前記導電性閉鎖空洞は第1導電性閉鎖空洞であり、
前記第1導電性閉鎖空洞に電気的に接続された第2導電性閉鎖空洞を更に含む請求項32記載のパッチアンテナシステム。
【請求項35】
前記第2導電性閉鎖空洞内に配置された補助ユニットを更に含む請求項34記載のパッチアンテナシステム。
【請求項36】
前記補助ユニットは、
低雑音増幅装置、
シグナルプロセッサ、
姿勢センサ、又は
傾斜センサのうちの1つを含む請求項35記載のパッチアンテナシステム。
【請求項1】
第1アンテナアセンブリであって、
第1周囲を有する第1ラジエターパッチと、
第2周囲を有する第1グランドプレーンと、
前記第1ラジエターパッチと前記第1グランドプレーンの間に配置された第1誘電媒体と、
前記第1ラジエターパッチ内で第1電磁信号を励磁するように構成された励磁機を含む第1アンテナアセンブリと、
前記第1アンテナアセンブリと電磁結合された第2アンテナアセンブリであって、
第3周囲を有し、前記第1電磁信号によって誘導された第3電磁信号に応答して第2電磁信号を励磁するように構成された第2ラジエターパッチと、
第4周囲を有し、前記第1グランドプレーンに電気的に接続される第2グランドプレーンと、
前記第2ラジエターパッチと前記第2グランドプレーンの間に配置された第2誘電媒体を含む第2アンテナアセンブリと、
前記第1ラジエターパッチに電気的に接続され、前記第2ラジエターパッチに電磁結合された信号ポートを含むパッチアンテナシステム。
【請求項2】
前記第1電磁信号と前記第2電磁信号は逆位相を有する請求項1記載のパッチアンテナシステム。
【請求項3】
前記第1アンテナアセンブリは第1共振周波数を有し、
前記第2アンテナアセンブリは前記第1共振周波数にほぼ等しい第2共振周波数を有する請求項1記載のパッチアンテナシステム。
【請求項4】
前記第1共振周波数は、全地球的航法衛星システム動作周波数帯の中心動作周波数であり、
前記第2共振周波数は、前記第1共振周波数の±5%以内である請求項4に記載のパッチアンテナシステム。
【請求項5】
前記第1誘電媒体は、第1誘電率を有する第1固体誘電体基板を含み、
前記第2誘電媒体は、第2誘電率を有する第2固体誘電体基板を含む請求項1記載のパッチアンテナシステム。
【請求項6】
前記第1誘電媒体及び前記第2誘電媒体は空気を含み、
前記第1周囲と前記第2周囲の少なくとも一方に沿った容量素子の第1セットと、
前記第3周囲と前記第4周囲の少なくとも一方に沿った容量素子の第2セットを更に含む請求項1記載のパッチアンテナシステム。
【請求項7】
前記容量素子の第1セットは、
ストレート拡張連続構造のセット、
内曲拡張連続構造のセット、
外曲連続構造のセット、
ストレート連続局所構造、
内曲連続局所構造、又は
外曲連続局所構造のうちの1つを含む請求項6記載のパッチアンテナシステム。
【請求項8】
前記容量素子の第2セットは、
ストレート拡張連続構造のセット、
内曲拡張連続構造のセット、
外曲連続構造のセット、
ストレート連続局所構造、
内曲連続局所構造、又は
外曲連続局所構造のうちの1つを含む請求項6記載のパッチアンテナシステム。
【請求項9】
前記パッチアンテナシステムは、直線偏光モードで動作するように構成されている請求項1記載のパッチアンテナシステム。
【請求項10】
前記パッチアンテナシステムは、円偏光モードで動作するように構成されている請求項1記載のパッチアンテナシステム。
【請求項11】
前記パッチアンテナシステム内に配置された低雑音増幅装置を更に含む請求項1記載のパッチアンテナシステム。
【請求項12】
前記第2ラジエターパッチに電気的に接続された導電性ケースを有するナビゲーションレシーバを更に含む請求項1記載のパッチアンテナシステム。
【請求項13】
前記第2ラジエターパッチに電気的に接続された導電性閉鎖空洞を更に含む請求項1記載のパッチアンテナシステム。
【請求項14】
前記導電性閉鎖空洞内に配置されたナビゲーションレシーバを更に含む請求項13記載のパッチアンテナシステム。
【請求項15】
前記導電性閉鎖空洞は第1導電性閉鎖空洞であり、
前記第1導電性閉鎖空洞に電気的に接続された第2導電性閉鎖空洞を更に含む請求項13記載のパッチアンテナシステム。
【請求項16】
前記第2導電性閉鎖空洞内に配置された補助ユニットを更に含む請求項15記載のパッチアンテナシステム。
【請求項17】
前記補助ユニットは、
低雑音増幅装置、
シグナルプロセッサ、
姿勢センサ、又は
傾斜センサのうちの1つを含む請求項16記載のパッチアンテナシステム。
【請求項18】
第1アンテナアセンブリであって、
第1周囲を有する第1ラジエターパッチと、
第2周囲を有する第1グランドプレーンと、
前記第1ラジエターパッチと前記第1グランドプレーンの間に配置された第1誘電媒体と、
前記第1ラジエターパッチ内で第1周波数を有する第1電磁信号を励磁するように構成された第1励磁機を含む第1アンテナアセンブリと、
前記第1アンテナアセンブリと電磁結合された第2アンテナアセンブリであって、
第3周囲を有し、前記第1電磁信号によって誘導された第3電磁信号に応答して第2電磁信号を励磁するように構成された第2ラジエターパッチと、
第4周囲を有する第2グランドプレーンと、
前記第2ラジエターパッチと前記第2グランドプレーンの間に配置された第2誘電媒体を含む第2アンテナアセンブリと、
前記第1ラジエターパッチに電気的に接続され、前記第2ラジエターパッチに電磁結合された第1信号ポートと、
第3アンテナアセンブリであって、
第5周囲を有する第3ラジエターパッチと、
第6周囲を有する第3グランドプレーンと、
前記第3ラジエターパッチと前記第3グランドプレーンの間に配置された第3誘電媒体と、
前記第3ラジエターパッチ内で第2周波数を有する第4電磁信号を励磁するように構成された第2励磁機を含む第3アンテナアセンブリと、
前記第3アンテナアセンブリと電磁結合された第4アンテナアセンブリであって、
第7周囲を有し、前記第4電磁信号によって誘導された第6電磁信号に応答して第5電磁信号を励磁するように構成された第4ラジエターパッチと、
第8周囲を有する第4グランドプレーンと、
前記第4ラジエターパッチと前記第4グランドプレーンの間に配置された第4誘電媒体を含む第4アンテナアセンブリと、
前記第3ラジエターパッチに電気的に接続され、前記第4ラジエターパッチに電磁結合された第2信号ポートを含むパッチアンテナシステム。
【請求項19】
前記第1電磁信号と前記第2電磁信号は逆位相を有し、
前記第4電磁信号と前記第5電磁信号は逆位相を有する請求項18記載のパッチアンテナシステム。
【請求項20】
前記第1アンテナアセンブリは第1共振周波数を有し、
前記第2アンテナアセンブリは第2共振周波数を有し、
前記第3アンテナアセンブリは第3共振周波数を有し、
前記第4アンテナアセンブリは第4共振周波数を有する請求項18記載のパッチアンテナシステム。
【請求項21】
前記第1共振周波数は、全地球的航法衛星システム第1動作周波数帯の中心動作周波数であり、
前記第2共振周波数は、前記第1共振周波数の±5%以内であり、
前記第3共振周波数は、全地球的航法衛星システム第2動作周波数帯の中心動作周波数であり、全地球的航法衛星システム第2動作周波数帯は、全地球的航法衛星システム第1動作周波数帯と異なり、
前記第4共振周波数は、前記第3共振周波数の±5%以内である請求項20に記載のパッチアンテナシステム。
【請求項22】
前記第1誘電媒体は、第1誘電率を有する第1固体誘電体基板を含み、
前記第2誘電媒体は、第2誘電率を有する第2固体誘電体基板を含み、
前記第3誘電媒体は、第3誘電率を有する第3固体誘電体基板を含み、
前記第4誘電媒体は、第4誘電率を有する第4固体誘電体基板を含む請求項18記載のパッチアンテナシステム。
【請求項23】
前記第1誘電媒体、前記第2誘電媒体、前記第3誘電媒体、及び前記第4誘電媒体は空気を含み、
前記第1周囲と前記第2周囲の少なくとも一方に沿った容量素子の第1セットと、
前記第3周囲と前記第4周囲の少なくとも一方に沿った容量素子の第2セットと、
前記第5周囲と前記第6周囲の少なくとも一方に沿った容量素子の第3セットと、
前記第7周囲と前記第8周囲の少なくとも一方に沿った容量素子の第4セットを更に含む請求項18記載のパッチアンテナシステム。
【請求項24】
前記容量素子の第1セットは、
ストレート拡張連続構造のセット、
内曲拡張連続構造のセット、
外曲連続構造のセット、
ストレート連続局所構造、
内曲連続局所構造、又は
外曲連続局所構造のうちの1つを含む請求項23記載のパッチアンテナシステム。
【請求項25】
前記容量素子の第2セットは、
ストレート拡張連続構造のセット、
内曲拡張連続構造のセット、
外曲連続構造のセット、
ストレート連続局所構造、
内曲連続局所構造、又は
外曲連続局所構造のうちの1つを含む請求項23記載のパッチアンテナシステム。
【請求項26】
前記容量素子の第3セットは、
ストレート拡張連続構造のセット、
内曲拡張連続構造のセット、
外曲連続構造のセット、
ストレート連続局所構造、
内曲連続局所構造、又は
外曲連続局所構造のうちの1つを含む請求項23記載のパッチアンテナシステム。
【請求項27】
前記容量素子の第4セットは、
ストレート拡張連続構造のセット、
内曲拡張連続構造のセット、
外曲連続構造のセット、
ストレート連続局所構造、
内曲連続局所構造、又は
外曲連続局所構造のうちの1つを含む請求項23記載のパッチアンテナシステム。
【請求項28】
前記パッチアンテナシステムは、直線偏光モードで動作するように構成されている請求項18記載のパッチアンテナシステム。
【請求項29】
前記パッチアンテナシステムは、円偏光モードで動作するように構成されている請求項18記載のパッチアンテナシステム。
【請求項30】
前記パッチアンテナシステム内に配置された低雑音増幅装置を更に含む請求項18記載のパッチアンテナシステム。
【請求項31】
前記第2ラジエターパッチに電気的に接続された導電性ケースを有するナビゲーションレシーバを更に含む請求項18記載のパッチアンテナシステム。
【請求項32】
前記第2ラジエターパッチに電気的に接続された導電性閉鎖空洞を更に含む請求項18記載のパッチアンテナシステム。
【請求項33】
前記導電性閉鎖空洞内に配置されたナビゲーションレシーバを更に含む請求項32記載のパッチアンテナシステム。
【請求項34】
前記導電性閉鎖空洞は第1導電性閉鎖空洞であり、
前記第1導電性閉鎖空洞に電気的に接続された第2導電性閉鎖空洞を更に含む請求項32記載のパッチアンテナシステム。
【請求項35】
前記第2導電性閉鎖空洞内に配置された補助ユニットを更に含む請求項34記載のパッチアンテナシステム。
【請求項36】
前記補助ユニットは、
低雑音増幅装置、
シグナルプロセッサ、
姿勢センサ、又は
傾斜センサのうちの1つを含む請求項35記載のパッチアンテナシステム。
【図1A】
【図1B】
【図1C】
【図1D】
【図1E】
【図1F】
【図1G】
【図1H】
【図1I】
【図1J】
【図1K】
【図1L】
【図1M】
【図1N】
【図1O】
【図1P】
【図1Q】
【図1R】
【図1S】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図9A】
【図9B】
【図9C】
【図9D】
【図9E】
【図9F】
【図9G】
【図9H】
【図9I】
【図9J】
【図9K】
【図9L】
【図10A】
【図10B】
【図10C】
【図10D】
【図10E】
【図10K】
【図10L】
【図10M】
【図10N】
【図10O】
【図11A】
【図11B】
【図11C】
【図11D】
【図11E】
【図11F】
【図11G】
【図11H】
【図11I】
【図11J】
【図11K】
【図11L】
【図1B】
【図1C】
【図1D】
【図1E】
【図1F】
【図1G】
【図1H】
【図1I】
【図1J】
【図1K】
【図1L】
【図1M】
【図1N】
【図1O】
【図1P】
【図1Q】
【図1R】
【図1S】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図9A】
【図9B】
【図9C】
【図9D】
【図9E】
【図9F】
【図9G】
【図9H】
【図9I】
【図9J】
【図9K】
【図9L】
【図10A】
【図10B】
【図10C】
【図10D】
【図10E】
【図10K】
【図10L】
【図10M】
【図10N】
【図10O】
【図11A】
【図11B】
【図11C】
【図11D】
【図11E】
【図11F】
【図11G】
【図11H】
【図11I】
【図11J】
【図11K】
【図11L】
【公表番号】特表2013−511187(P2013−511187A)
【公表日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−538430(P2012−538430)
【出願日】平成22年11月12日(2010.11.12)
【国際出願番号】PCT/IB2010/002901
【国際公開番号】WO2011/061589
【国際公開日】平成23年5月26日(2011.5.26)
【出願人】(505315742)トプコン ポジショニング システムズ, インク. (11)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年11月12日(2010.11.12)
【国際出願番号】PCT/IB2010/002901
【国際公開番号】WO2011/061589
【国際公開日】平成23年5月26日(2011.5.26)
【出願人】(505315742)トプコン ポジショニング システムズ, インク. (11)
【Fターム(参考)】
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