説明

絶縁性金属光沢層付き非接触ICタグ

【課題】 表面基材に金属蒸着を施して非接触ICタグに使用すると、蒸着層が導電性を有することから通信阻害を生じる問題がある。本発明は、この金属蒸着層を絶縁性にして通信阻害を防止し、併せて、ICタグの意匠性を高めることをも目的とする。
【解決手段】 本発明の非接触ICタグ1は、半導体チップ上にコイルを形成した構造のコイルオンチップ3が、ベースフィルム11面に固定されており、当該コイルオンチップ3およびベースフィルム11面には、外面に蒸着による絶縁性金属光沢層6mを有するフィルムまたは紙基材からなる表面基材4が積層されていることを特徴とする。表面基材4のベースフィルム11面側に隠蔽印刷層を設けてもよく、コイルオンチップ3にブースタアンテナ2を形成してもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、絶縁性金属光沢層付き非接触ICタグに関する。詳しくは、蒸着した金属層からなるが絶縁性である層を有するフィルムまたは紙基材が、コイルオンチップ(登録商標)を固定するベースフィルムに積層されているため、外観が金属光沢を有しながら金属層に基づく、通信性能の阻害または低下を生じない非接触ICタグに関する。
【0002】
本発明の絶縁性金属光沢層付き非接触ICタグは、通常の非接触ICタグ用途として用いられ、特に金属調の装飾効果が求められる用途に好適に利用できるものである。
【0003】
本発明の技術分野は非接触ICタグの製造や利用に関し、当該非接触ICタグの利用分野は、運送や流通、販売管理、商品の配送や荷物の取り扱い、遊戯用途等であり、具体的な用途例としては、荷札、ラベル、伝票、チケット、カード類、がある。
【背景技術】
【0004】
非接触ICタグは、情報を記録して保持し非接触で外部装置と交信して情報交換できるので、運送や物流等における認識媒体として、あるいは商品の品質管理、在庫管理等の識別媒体のように、各種目的に多用されるようになってきている。
【0005】
しかし、従来、金属調の美麗な光沢を有する非接触ICタグが需められる場合があっても、基材にアルミ箔のような金属材料を使用したり、通常の金属蒸着した材料を使用すると通信阻害が生じ実用性のある非接触ICタグが得られないことが知られている。
【0006】
これは、非接触ICタグ送受信用の電磁波によって生成する交流磁界により金属層内に渦電流が発生し、この渦電流により送受信用の磁束に反発する磁束を生成し、それによって磁束が減衰するためと考えられている。
【0007】
金属蒸着層を有する非接触ICタグは、印刷では表現できない金属光沢感を持ち意匠性に優れることと、物品に使用した場合に非接触ICタグの位置を明確にできるので、今後採用する要求が増大すると考えられる。そこで、金属蒸着層を使用しながら、かつ非接触ICタグとリーダライタ間の通信阻害が生じない方策が求められる。
【0008】
半導体チップ上にコイルを一緒に形成した構造のRFID用ICは、コイルオンチップと呼ばれている。このコイルオンチップは、ICチップ自体にアンテナコイルを有するため、ベースフィルムにアンテナを形成する必要がないか、あるいはブースタアンテナを形成してもチップと接続する必要がないため、ICタグの製造が容易になる。
【0009】
従って、特に長い距離の非接触通信が必要とされる場合以外の用途に好適に使用されている。そこで、本発明は、上記、絶縁性金属光沢層をコイルオンチップの非接触ICタグに利用することを検討するものである。
【0010】
ところで、従来から特許文献1〜特許文献4のように、金属蒸着に海・島構造を利用した先行技術が存在している。海・島構造(島構造、島状、アイランド状ともいわれる)とは、蒸着金属を微小の孤立した島とする蒸着法であり、このものは蒸着面が絶縁性であることが知られている。しかし、これらの先行文献に、海・島構造の蒸着層を非接触ICタグに利用することについて提案したものはない。なお、海・島構造の生成等について記載した技術文献として、非特許文献1、非特許文献2等がある。また、特許文献5、特許文献6は本願の先願にかかるが、絶縁性金属光沢層を使用した非接触ICタグに関する。
【特許文献1】特開昭62−174189号公報
【特許文献2】特開昭63−157858号公報
【特許文献3】特開昭63−249688号公報
【特許文献4】特許2703370号公報
【特許文献5】特願2005−364235号
【特許文献6】特願2006−040544号
【非特許文献1】「薄膜工学ハンドブック」(オーム社) 日本学術振興会薄膜第131委員会編集(昭和47年発行) 第1章真空蒸着法(I−93〜I−95)
【非特許文献2】応用物理学選書3「薄膜」(培風館) [吉田貞史著]1990年6月発行 第1章真空蒸着法(ページ10〜16、50〜51)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
従来技術では、非接触ICタグに使用するいずれかの基材に金属蒸着した場合には、通信特性の低下が生じるので金属調の光沢感を持たせることは実現できなかった。そこで、本発明では、金属蒸着に海・島構造といわれる絶縁性蒸着層を採用することで、上記問題を解決できることを着想し、鋭意研究の結果、本発明の完成に至ったものである。
【0012】
特許文献5、特許文献6に提案の非接触ICタグと異なり、本願は特に、コイルオンチップを利用したことを特徴とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決する本発明の要旨の第1は、半導体チップ上にコイルを形成した構造のコイルオンチップが、ベースフィルム面に固定されており、当該コイルオンチップおよびベースフィルム面には、外面に蒸着による絶縁性金属光沢層を有するプラスチックフィルムまたは紙基材からなる表面基材が積層されていることを特徴とする絶縁性金属光沢層付き非接触ICタグ、にある。
【0014】
上記課題を解決する本発明の要旨の第2は、半導体チップ上にコイルを形成した構造のコイルオンチップが、ベースフィルム面に固定されており、当該コイルオンチップおよびベースフィルム面には、外面に蒸着による絶縁性金属光沢層を有し、内面に隠蔽印刷層を有するプラスチックフィルムまたは紙基材からなる表面基材が積層されていることを特徴とする絶縁性金属光沢層付き非接触ICタグ、にある。
【0015】
上記要旨の第1または第2の発明において、ベースフィルムのコイルオンチップとは反対側の面に、剥離紙で保護された粘着剤層を有する、ようにすることができる。
【0016】
また、絶縁性金属光沢層表面の粗さを原子間力顕微鏡で測定した場合の中心線平均粗さRaが、14nm以上であって、100nm以下である、ようにすることができる。14nm未満では、他の材料との密着性や接着性が低下し、100nmを超える場合は、金属光沢が失われ意匠性を損ねるからである。
【0017】
また、絶縁性金属光沢層の表面抵抗率が、1012〜1025Ω/□の範囲であることも好ましい。表面抵抗率が1012Ω/□よりも小さい場合は通信阻害が生じ、1025Ω/□を超える場合は、金属光沢が失われ意匠性を損ねるからである。
【0018】
また、絶縁性金属光沢層が、錫−アルミニウム(Sn−Al)、または錫−珪素(Sn−Si)からなる合金、の蒸着層であるようにすれば、色彩的にも優れた金属感を再現できる。さらに、絶縁性金属光沢層が海・島構造からなり、当該海・島構造の、島サイズが20nm〜1μm、島間の間隔が25nm〜500nmの範囲であることが好ましい。
【0019】
島サイズが1μmより大きく、島間の間隔が25nmより小さいと通信阻害を生じ易く、逆に、島サイズが20nmより小さく、島間の間隔が500nmより大きい場合は、金属光沢が失われ意匠性を損ねるからである。
【発明の効果】
【0020】
本発明の絶縁性金属光沢層付き非接触ICタグは、表面に蒸着による金属光沢層を有する表面基材が積層されているので金属光沢感の優れた独特の意匠性を有するが、当該金属光沢層が絶縁性であるので、通信性能の阻害または低下を生じることがない。
【0021】
本発明の絶縁性金属光沢層付き非接触ICタグは、表面に金属光沢層を設けたので、隠蔽性と光反射性を有し、非接触ICタグの位置を明確にできる。
【0022】
蒸着による金属光沢層は、一般に薄層からなるので、アルミ箔を使用する場合よりも金属使用量の低減を図ることができ、しかも同等の金属光沢感や意匠効果が得られる。
【0023】
請求項2の絶縁性金属光沢層付き非接触ICタグは、コイルオンチップが外表面から不可視にされているので、チップの存在を隠蔽して利用者に不安感を与えることがない。
【0024】
請求項4の絶縁性金属光沢層付き非接触ICタグは、適切な範囲の表面粗さにされているので、適度な光沢感を与え、かつ鏡面状態となって加工適性を損なうことがない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
本発明の絶縁性金属光沢層付き非接触ICタグに関し、以下図面を参照して説明する。
【0026】
図1は、絶縁性金属光沢層付き非接触ICタグの第1の例を示す図、図2は、同第2の例を示す断面図、図3は、コイルオンチップの平面外観図、図4は、絶縁性金属蒸着層の構造を説明する模式平面図、図5は、絶縁性金属蒸着層の模式断面図、図6は、巻取り式の真空蒸着装置の一例を示す概念的構成図である。
【0027】
図1は、絶縁性金属光沢層付き非接触ICタグ(以下、単に「非接触ICタグ」とも表現する。)の第1の例を示す図であり、図1(A)は平面図、図1(B)は図1(A)のコイルオンチップ3と容量パターン23部分を横断する断面図である。
【0028】
本発明の非接触ICタグ1は、図1(B)のようにベースフィルム11面にコイルオンチップ3が固定されており、当該コイルオンチップ3、およびベースフィルム11面には、外面に蒸着による絶縁性金属光沢層6mを有するプラスチックフィルムまたは紙基材からなる表面基材4が接着剤層5を介して積層されている特徴がある。コイルオンチップ3等は実際には外観からは良くは見えないようにされている。接着剤層5とコイルオンチップ3間は隙間が空いているように図示されているが密着しているものである。
【0029】
表面基材4は、金属光沢層6mを有するので意匠性を高めるとともにコイルオンチップ3が直接外面に露出しないようにして保護する効果を有する。ベースフィルム11のコイルオンチップ3とは反対側面には、非接触ICタグ1を物品に貼着するための粘着剤層7を有し、剥離紙8で覆われて保護されているのが通常である。コイルオンチップ3の周囲にブースタアンテナ2を有するが、これについては後述する。
【0030】
図2は、非接触ICタグの第2の例を示す断面図である。第2の例の場合も、ベースフィルム11のコイルオンチップ3側に、蒸着による絶縁性金属光沢層6mを有する表面基材4が接着剤層5を介して積層されているが、表面基材4のコイルオンチップ3面側に、隠蔽印刷層9を有する特徴がある。隠蔽印刷層9は酸化チタン顔料による白色印刷インキ等で内部を隠すようにした印刷層のことである。白色でなく他の色てもよい。ただし、アルミ粉入りのいわゆる銀インキは導電膜を形成し易いので使用しないことが好ましい。
【0031】
隠蔽印刷層9により、コイルオンチップ3を外観から見難くできるため、利用者に不安感を与えない利点がある。当該目的を完全に達成するために、白色等の隠蔽印刷で不十分な場合は、着色した他の紙基材等をラミネートしてもよい。
【0032】
図2の平面図は省略しているが、図1(A)と同様になる。ただし、外観からは絶縁性金属光沢層6mが全面に見え、内部のコイルオンチップ3は完全に隠蔽されるか見難くされている。装飾的な印刷図柄を絶縁性金属光沢層6m上に併用できることは勿論のことである。この場合は、意匠性を一層高いものにできる。図2の場合、ブースタアンテナ2を図示していないが、図1と同様に形成することは可能である。
【0033】
図3は、コイルオンチップの平面外観図の例である。コイルオンチップ3は超小型無線自動認識ICチップのことであり、良く知られるように、「μチップ(登録商標)」として、日立化成工業株式会社により製造販売されているチップである。
【0034】
コイルオンチップ3は、厚み20〜100μm、0.4〜2.5mm角程度のシリコン基板31の表面に、精密アンテナ32とRF回路、制御部、メモリー等とからなる集積回路部33を一体に形成したものである。アンテナと32と集積回路部33が一体にされているので、アンテナとICチップを接続する必要がなく接続の信頼性が得られる。
【0035】
精密アンテナ32は、入出力端子の形成面に、ポリイミド樹脂膜等からなる絶縁層を形成して、矩形スパイラル状のアンテナ32を一体に形成している。すなわち、前記絶縁層形成面に導電性金属材料をスパッタリング又は真空蒸着し、個々のIC素子に分割する前の状態で、フォトレジスト層を形成して所要のアンテナパターンを露光・現像して、フォトレジスト層をマスクとしてエッチングし形成すると言われる。
【0036】
最新の「μチップ」は一辺が0.15ミリ角とされ、次世代チップの厚みは7.5ミクロンとされている。13.56MHzや2.45GHz対応型が市販され、950MHz帯(UHF対応)も開発されている。従って、アンテナ形状等も各種あり、外観が図3のものに限られるわけではない。導波器となる金属線やブースタアンテナを併用しないチップ自体の通信距離は数ミリ程度の範囲となる。従って、通信を阻害しないように絶縁性金属光沢層6mは通常の非接触ICタグの場合よりは高度の絶縁性とする必要がある。
【0037】
図1では、コイルオンチップ3の外周にブースタアンテナ2が形成されているが必須の構成ではない。ただし、ブースタアンテナ2を有する場合は通信距離を大きくできる。
【0038】
ブースタアンテナ2は、通常、コイルオンチップ3の精密アンテナ32と主に電磁結合する第1コイル21と、それと接続し外部リーダライタに備えられたアンテナと主に電磁結合する第2コイル22とからなっている。第1コイル21の大きさ(差し渡し)は、コイルオンチップ3の精密アンテナ32の2〜3倍程度にするのが好ましく、第2コイル22は外部リーダライタとの良好な電磁結合を確保するためベースフィルム11の大きさ内で比較的大きく、一辺が1cm〜数cmの大きさにするのが好ましい。巻き数はそれぞれ数回程度のものでよい。第1コイル21と第2コイル22の他端間には容量パターン(チップコンデンサでもよい。)23を直列に挿入する。第1コイル21の一端はスルーホール24によりベースフィルム11の裏側に通じるので、容量パターン23はベースフィルム11の表裏間に形成できる。挿入されたコンデンサのキャパシタンスとブースタアンテナ2のインダクタンスとにより所要の周波数の共振を生じさせることができる。
【0039】
図4は、絶縁性金属蒸着層の構造を説明する模式平面図、図5は、絶縁性金属蒸着層の模式断面図である。なお、本願では絶縁性金属蒸着層であって、後述するように表面粗さが一定の範囲にあって光沢を有する場合を絶縁性金属光沢層と表現するものとする。
【0040】
絶縁性金属蒸着層は、一般には、海・島構造の金属蒸着層からなるといわれている。この従来から知られている海・島構造は、蒸着材料や蒸着条件等の選定により形成できるもので、絶縁性金属蒸着層には微小な島6aと島と島間を画する島間の間隔6bからなる蒸着層が形成されている。海・島構造からなる蒸着層は、プラスチックや紙基材に直接蒸着しても形成でき、または一旦転写フィルムに蒸着してから必要な基材に転写しても形成できる。いずれの場合も、島サイズや形状等はある範囲のものではあるが、正しく一定のものではない。
【0041】
このような島6aのサイズ(平均差し渡し径)は、20nm〜1μm、島間の間隔(平均間隔)6bは、25nm〜500nmの範囲であることが好ましい。島サイズが20nmより小さいと金属光沢がなくなり十分な装飾効果が得られない。また、1μm以上では導電性になってしまい通信阻害を生じるからである。
【0042】
ただし、島サイズや島間間隔といっても、正しく島と島の間に溝が形成されてはいないで、肉眼でも顕微鏡でも明瞭に識別できない場合もある。その場合には、図4の断面図で示すように、島6a部分は金属が密な状態で厚く積層されており、島間6bにも金属が粗な構造ではあるが積層されている状態にある。島と島の間の粗な構造部分は結晶粒界(グレインバウンダリー)となる部分であり、電気的にも抵抗値が大きくなっている。
【0043】
島6a自体にも粗密があり抵抗値にもばらつきがあって、導電性ではない場合もある。従って、島間の間隔が明瞭でない場合は、島間の間隔6bとは島間の粗な構造部分(結晶粒界またはグレインバウンダリー)と解するのが適当である。
【0044】
海・島構造は蒸着原子の核の生成や成長、島どうしの合体等複雑な条件が絡み合って成膜される。蒸着金属材料、蒸着速度等の蒸着条件の選定により島サイズや島間隔の設定は可能であるが、かなり複雑な制御が必要であり材料が限定される。
【0045】
一般に融点の低い金属や貴金属は制御が比較的容易であり、錫(Sn)、亜鉛(Zn)、鉛(Pb)、ビスマス(Bi)、の単体金属またはその群から選ばれた二種以上の金属からなる合金、または錫−アルミニウム(Sn−Al)、錫−珪素(Sn−Si)が用いられるが、中でも錫(Sn)は特に容易である。錫−アルミニウムの蒸着は、錫とアルミニウムの単体金属を別個のるつぼに入れて蒸気化し、基材上で合金として蒸着させることができる。錫−珪素も同様である。
【0046】
アルミニウムは金属光沢に優れるが、アルミニウム自体の単体金属は、表面エネルギーが高く基板上でマイグレーションが生じやすく、島状蒸着になり難い金属材料になる。
【0047】
絶縁性金属光沢層6mの表面抵抗率は、1012〜1025Ω/□の範囲であることが好ましい。1012Ω/□よりも小さい場合は導体により近くなり通信阻害が生じ、1025Ω/□より大きい場合は、金属光沢が失われ意匠性も損ねることになる。
【0048】
表面抵抗率の調整は直接蒸着の場合は、蒸着速度や蒸着時間による膜厚で調整する。
【0049】
絶縁性金属光沢層表面の表面粗さは、一定の範囲のものであることが好ましい。具体的には、原子間力顕微鏡で測定した場合の中心線平均粗さRaが、20nm〜100nmの範囲、好ましくは、20nm〜70nmの範囲であることが望ましい。絶縁性金属光沢層6mの平滑性を一定範囲にするためであり、100nmを超えると金属光沢が無くなって意匠性が低下し、20nm未満では鏡面状態となりその表面に形成する層との密着性が低下するからである。
【0050】
本発明においては、凹凸部分の形態の評価として、原子間力顕微鏡(以下「AFM」という。)で測定した結果を基に、その表面粗さRaを測定している。測定に供するAFMは、Digital Instruments製、セイコー電子株式会社製、Topometrix製等を使用できる。例えば、Digital Instruments製のNano ScopeIII を使用した場合は、タッピングモードで凹凸処理面を500nm×500nmの面積を測定したAFM凹凸像についてフラット処理を行った後、粗さ解析を行って表面粗さRa(中心線平均粗さ)を求める。海・島構造の島サイズ(平均差し渡し径)と島間隔(平均島間隔)も同様にして測定できる。測定においては、摩耗や汚れのない状態のカンチレバーを使用し、著しい凹みや突起のない均一な凹凸領域を測定個所とした。
【0051】
なお、タッピングモードとは、Q.ZongらがSurface Science Letter,1993年Vol.290,L688−692に説明されている通りであり、ピエゾ加振器を用いて、先端に深針をつけたカンチレバーを共振周波数近傍(約50〜500MHz)で加振させ、試料表面上を断続的に軽く触れながら操作する方法であって、検出される振幅の変化量を一定に維持するように、カンチレバーの位置を凹凸方向(Z方向)に移動させ、このZ方向への移動に基づいた信号と平面方向(XY方向)の信号とによって、3次元表面形状を測定する方法である。また、フラット処理とは2次元データについて、基準面に対して1次、2次または3次元の関数で傾きの補正を処理することであり、この処理データを用いて粗さ解析を行い、以下の数1によって表面粗さRaを算出した。数1において、Lx、Lyは、表面のX方向、Y方向の寸法であり、f(x,y)は、中心面に対する平均ラフネス曲面である。なお、中心面とは、一般的な表面粗さ測定における粗さ曲線の中心線に相当する面であり、その面の上下の凸部と凹部の体積が等価となるように求めた平均値である。
【0052】
【数1】

なお、本願において、JISB0601やその対応国際規格ISO468等を用いて表面粗さを測定しなかったのは、本願で形成される絶縁性金属蒸着層表面の凹凸が極めて微細であり、従来の測定方法ではその凹凸を表す物性値が得られないことが明白であったためである。
【0053】
次に、本発明の絶縁性金属光沢層付き非接触ICタグの製造工程について、金属蒸着層を有する表面基材の製造工程と、非接触ICタグの製造工程と、に分けて説明する。
[金属蒸着層を有する表面基材の製造工程]
表面基材4には、プラスチックフィルムや紙基材を使用する。絶縁性が必要であり、プラスチックフィルムが好ましく使用される。プラスチックフィルムに対する蒸着は容易に行われるが、紙基材では、通常以下のような問題がある。
(1)紙に含まれている水分により蒸着時に真空度が上がらないため、コンデンサーペーパのように水分の少ない特殊紙を除いては紙に処理を施す必要があり、プラスチックフィルムのようにそのままでは蒸着できない。
(2)通常の紙の場合、蒸着する前に紙を乾燥する必要があるが長時間を要するので大幅なコストアップになる。また、乾燥すると、紙本来の性質が失われるので、蒸着後に水分量を調整する必要が生じる。
(3)紙表面は粗であり、蒸着粒子が紙層内に入り込んでしまうので、蒸着前に紙表面にアンダーコートを施す必要が生じる。
【0054】
しかし、近年、蒸着装置や蒸着方法の進化、材料の改善に伴い、紙材料に対する直接蒸着もかなりの量が行われている。金属蒸着層をプラスチックフィルムに形成し、別室の蒸着室内で接着剤の付いた紙基材にインラインで転写する方法等も行われている。
【0055】
紙に直接蒸着する場合は、基材の前処理→乾燥→真空蒸着→後処理→加湿→蒸着製品→印刷→裁断、の工程を行う。基材の前処理とは、目止めコートを行うことである。
【0056】
各種のプラスチックフィルムについても、蒸着膜との密着性等を向上させるため、予め、所望の表面処理層を設けることが好ましい。上記の表面処理層としては、例えば、コロナ放電処理、オゾン処理、酸素ガスもしくは窒素ガス等を用いた低温プラズマ処理、グロー放電処理、化学薬品を用いて処理する酸化処理、を適用できる。上記の表面前処理は、別工程で実施してもよく、また、例えば、低温プラズマ処理やグロー放電処理等による表面前処理の場合は、蒸着膜を形成する前処理としてインライン処理により前処理で行うことができる。
【0057】
上記の密着性を改善する方法として、その他、例えば、各種の樹脂フィルムの表面に、予め、プライマーコート剤層、アンダーコート剤層、アンカーコート剤層、接着剤層を任意に形成して表面処理層とすることもできる。
【0058】
上記の前処理のコート剤層としては、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、フェノール系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリエチレン、あるいはポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂あるいはその共重合体ないし変性樹脂、セルロース系樹脂、等をビヒクルの主成分とする樹脂組成物を使用することができる。
【0059】
なお、上記の樹脂組成物には、密接着性を向上させるために、エポキシ系のシランカップリング剤、あるいは基材フィルムのブロッキング等を防止するために、ブロッキング防止剤、その他等の添加剤を任意に添加することができる。その添加量は、0.1質量%〜10質量%程度が好ましいものである。
【0060】
上記において、コート剤層の形成法としては、例えば、溶剤型、水性型、エマルジョン型のコート剤を使用し、ロールコート法、グラビアコート法、キスコート法、その他のコート法を用いてコートすることができる。
【0061】
絶縁性金属光沢層6mの厚みは、10nm〜50nm程度とする。50nm以上とする場合は導電性となることが多い。密な金属層ではないので、7μmのアルミニウム箔と比較して1/1000から1/100の使用量にできる利点がある。
【0062】
蒸着方法は、一般に採用されている真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法のような物理気相成長法(Physical Vapor Deposition法;PVD法)のほか、熱化学気相成長法、光化学気相成長法等の化学気相成長法(Chemical Vapor Deposition法;CVD法)、大気圧プラズマ法、等を用いることができる。
【0063】
真空蒸着法による基材フィルムへの蒸着層の形成は、金属材料を原料として、これを真空チャンバー内で加熱蒸発させて基材フィルム上に薄膜を形成して蒸着層とすることができる。スパッタリング法による基材フィルムへの蒸着層の形成では、高周波スパッタリング法、マグネトロンスパッタリング法等の従来公知のスパッタリング法等を用いることができる。高周波スパッタリング法による基材フィルムへの蒸着層の形成は、金属材料をターゲット物質として電極表面に設置し、アルゴンガス等の不活性ガスをチャンバー内に導入し、チャンバー内の圧力を0.1〜5Pa程度に維持し、上記電極に周波数が例えば、13.56MHzの高周波で数百ボルトの電圧を印加することにより、チャンバー内で放電を生じさせてターゲット物質のスパッタリングを行い、これにより基材フィルム上に薄膜を形成して蒸着層とすることができる。また、マグネトロンスパッタリング法による基材フィルム上への蒸着層の形成は、上記のスパッタリング法において、ターゲット物質を設置する電極に永久磁石または電磁石を設置して磁界を形成し、これにより放電の電子密度を高めスパッタリングの効率を向上させて蒸着層の薄膜を基材フィルム上に形成するものである。
【0064】
イオンプレーティング法による基材フィルム上への蒸着層の形成は、金属材料を原料とし、これを真空チャンバー内で蒸発させてイオン化して基材フィルム上に衝突させて金属蒸着層とすることができる。PVD法の場合も同様に行われるが、高真空中でターゲット(金属板等)に高エネルギーの原子を衝突させ、金属原子を吹き飛ばし、金属原子をプラスチックフィルムに付着させる方法が行われる。
【0065】
以下は、一般に行われる真空蒸着法について、なお詳細に説明することとする。
【0066】
図6は、巻取り式の真空蒸着装置の一例を示す概念的構成図である。図6において、真空蒸着装置40は、真空チャンバー42、このチャンバー内に配設された供給ロール43a、巻取りロール43b、コーティングドラム44と、仕切り板49,49で真空チャンバー42と仕切られた蒸着チャンバー45、この蒸着チャンバー45に配設されたるつぼ46、蒸着源50、マスク48,48を備えている。この真空蒸着装置40では、真空チャンバー42の中で、供給ロール43aから繰り出す基材フィルム41は、ガイドロール52aを介してコーティングドラム44の周面を通って巻取りロール43bに巻き取られる。蒸着チャンバー45内では、るつぼ46によって熱せられた蒸着源50から金属原子が飛散する。この蒸発飛散した金属原子は上記の冷却したコーティングドラム44上において、マスク48,48間に位置する基材フィルム41上に付着して絶縁性金属光沢層6mを形成する。コーティングドラム44は冷却されているので、金属蒸気は急速に冷却して成膜化される。絶縁性金属光沢層6mを形成した基材フィルム41は、ガイドロール52bを介して巻取りロール43bに巻き取られる。
【0067】
上記において、仕切り板49,49は、蒸着源50のある蒸着チャンバー45内の真空度を高めるため、供給ロール43aから供給される基材フィルム41により真空度が低下しやすい真空チャンバー42とを分離する隔壁となっている。従って、仕切り板49,49およびマスク48,48とコーティングドラム44との間は極力狭い隙間になるようにされている。また、るつぼ46は通過する基材フィルム41の幅と略同一長さを有するようにされ、全幅方向に対して均一厚みの薄膜を形成できるようにされている。
【0068】
るつぼ46内の蒸着源50は、高周波誘導加熱方式または抵抗加熱方式により、あるいはエレクトロンビーム(EB)加熱方式により加熱されて蒸気化し、その蒸気を基材フィルム41上に蒸着させる。単一の金属による蒸着を行う場合は、るつぼ46内に単一の金属からなる蒸着源50を充填すればよい。錫(Sn)、亜鉛(Zn)、鉛(Pb)、ビスマス(Bi)、等の単体金属の蒸着は、当該蒸着方法により海・島構造を形成できる。
【0069】
基材フィルム41上で二種以上の金属からなる合金を形成する場合は、図6の下側の楕円内に図示するように、二つのるつぼ47a,47bが並列したるつぼを使用し、それぞれに異なる種類の金属材料51,52を充填して多源蒸着法で蒸着すればよい。
【0070】
異なる種類の金属材料51,52は、通常、加熱条件を異なる条件とすることが好ましい。同一のるつぼで、あるいは異なるるつぼでも同一条件で加熱する場合は、一方の金属だけが先に蒸発して、望まれる原子数比の合金膜を形成しなくなるからである。
【0071】
るつぼ47a,47bから蒸発した金属の原子は、基材フィルム41上で、当該二種の金属による合金を形成することになる。錫−鉛(Sn−Pb)、錫−アルミニウム(Sn−Al)、錫−珪素(Sn−Si)合金等による蒸着膜は、このような蒸着方法により形成される。
【0072】
蒸着膜が、錫−アルミニウム(Sn−Al)合金からなる場合は、蒸着膜中における金属組成は、錫(Sn)100の原子数に対してアルミニウム(Al)が、1〜50程度の原子数であることが好ましい。アルミニウム原子数比が、50を超える場合は、海・島構造の絶縁性膜を形成し難く、1未満の場合はアルミニウム特有の金属光沢を持たせられなくなるからである。蒸着膜中の原子数比の測定は、X線光電子分光分析装置「ESCA」(Electron Spectroscopy Chemical Analyzer)を用いて分析することができる。
【0073】
蒸着チャンバー45内の真空度は、高度の真空度にするほど、蒸着される金属膜も密な構造になり、抵抗率も小さくなる。一般的には、蒸着チャンバー45内は、10-2Pa以下の真空度にすることが必要とされる。ただし、海・島構造の絶縁層を形成する蒸着では、必ずしも当該条件を満たす必要はない。蒸着膜厚は、基材フィルム41の搬送速度や蒸着源の加熱条件、マスク48,48の間隔等によって制御される。
【0074】
蒸着層の保護のため、絶縁性金属光沢層6m表面にハードコート層を設けてもよい。また、蒸着後に隠蔽性を高めるためには、基材フィルム41の絶縁性金属光沢層6mの反対側面に印刷インキによる白色隠蔽層や着色層を設ける。この目的のためには、隠蔽層として紙基材や白色フィルムをラミネートして用いてもよい。
[非接触ICタグの製造工程]
本発明では、コイルオンチップ3を使用するので、一般の非接触ICタグ自体を製造する工程を必要としないが、ブースタアンテナ2を形成する場合は、以下の工程を行う。
【0075】
まず、ベースフィルム11にブースタアンテナ2をフォトエッチング等の工程で製造する。フォトエッチングの場合は、ベースフィルム11にアルミまたは銅箔をラミネートした基材を使用する。ブースタアンテナ2の線幅は、通常0.05mmから0.5mm程度の範囲とし、前記のようにコイルオンチップ3の周囲に比較的に接近して数ターン程度の第1コイル21と、当該第1コイル21と接続しそれよりは大サイズの第2コイル22を形成する。ブースタアンテナ2の第1コイル21の中心にコイルオンチップ3を接着剤等により固定する。第1コイルと第2コイルの他端間には容量パターン23を形成する。ブースタアンテナ2とコイルオンチップ3間を接続する必要はない。
<材質に関する実施形態>
(1)ベースフィルム
透明または着色したプラスチックフィルムを幅広く各種のものを使用でき、以下に挙げる単独フィルムあるいはそれらの複合フィルムを使用できる。
【0076】
ポリエチレンテレフタレート(PET)、PET−G(テレフタル酸−シクロヘキサンジメタノール−エチレングリコール共重合体)、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、セルロースジアセテート、セルローストリアセテート、ポリスチレン系、ABS、ポリアクリル酸エステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリウレタン、等である。ベースフィルムの膜厚としては、12〜300μm程度、より好ましくは、20〜200μm程度が望ましい。
(2)表面基材
ベースフィルムと同様に、上記した各種の材料を使用できる。表面基材4の膜厚としては8〜300μm程度、より好ましくは、10〜200μm程度が望ましい。紙基材としては、上質紙、コート紙、クラフト紙、グラシン紙、合成紙、ラテックスやメラミン含浸紙、等を使用できる。
(3)接着剤、粘着剤
本明細書で接着剤という場合は、溶剤型や重合型、紫外線硬化型、エマルジョン型、熱溶融型等の各種のものをいい、いわゆる粘着剤型のものをも含むものとする。いずれであっても、双方の材料間を接着すれば目的を達成できるからである。
【0077】
また、本明細書で粘着剤という場合は、徐々に粘度が顕著に上昇することなく、いつまでも中間的なタック状態を保つものをいうものとする。
【0078】
接着剤、粘着剤の樹脂組成物としては、天然ゴム系、ニトリルゴム系、エポキシ樹脂系、酢酸ビニルエマルジョン系、アクリル系、アクリル酸エステル共重合体系、ポリビニルアルコール系、フェノール樹脂系、等の各種材料を使用できる。
【0079】
ただし、コイルオンチップをベースフィルムに固定する際の接着剤は吸湿性の少ない樹脂材料、例えばエポキシ樹脂系を用いるのが好ましい。
【0080】
以下、本発明の実施形態を実施例に基づき具体的に説明する。実施例中に使用する符号は、前述した各図面において用いた符号と同一のものとする。なお、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【実施例1】
【0081】
(金属蒸着層を有する表面基材の製造)
表面基材4として、予め、コロナ放電処理した厚さ20μmの2軸延伸PETフィルムを使用した。まず、上記の2軸延伸PETフィルムをPVD法真空蒸着装置40の送り出しロールに装着し、次いで、これを繰り出し、その2軸延伸PETフィルムのコロナ処理面上に、以下の蒸着条件により、錫(Sn)を海・島構造になるように、膜厚20nmの金属蒸着膜6mを形成した。蒸着チャンバー45内の真空度を目標の真空度にするため、アルゴン(Ar)ガスを蒸着チャンバーへ導入した。
(蒸着条件)
蒸着チャンバー内の真空度:7.2×10-4torr(9.6×10-2Pa)
冷却ドラム温度:0°C
蒸着堆積速度:7nm/sec.
蒸着面:コロナ処理面
(冷却ドラムとは、コーティングドラム24のことである。以下同様。)
(非接触ICタグの製造)
非接触ICタグのベースフィルム11として、厚み38μmの透明2軸延伸PETフィルムを使用した。コイルオンチップ3として、0.4mm角、2.45GHz帯用の「μチップ」(日立化成工業株式会社製)を使用し、エポキシ系接着剤で固定し、非接触ICタグを完成した。なお、ブースタアンテナ2は形成しなかった。以下の実施例6までの各実施例、比較例もブースタアンテナ2を形成しないものである。
【0082】
上記ベースフィルム11とコイルオンチップ3面に、前記により準備した表面基材4を金属蒸着膜6m面が外面になるようにして透明なエポキシ系接着剤層5を介しラミネートした。最後にベースフィルム11の背面(コイルオンチップ3とは反対側面)に、20μmの粘着剤層7を介して剥離紙8を積層する粘着剤加工を行い、大きさ、54mm×86mmに断裁して絶縁性金属光沢層付き非接触ICタグ1を完成した。
【実施例2】
【0083】
(金属蒸着層を有する表面基材の製造)
表面基材4として、予め、コロナ放電処理した厚さ12μmの2軸延伸PETフィルムを使用した。まず、上記の2軸延伸PETフィルムをPVD法真空蒸着装置40の送り出しロールに装着し、次いで、これを繰り出し、その2軸延伸PETフィルムのコロナ処理面上に、以下の蒸着条件により、錫(Sn)を海・島構造になるように、膜厚10nmの金属蒸着膜6mを形成した。蒸着チャンバー45内の真空度を目標の真空度にするため、アルゴン(Ar)ガスを蒸着チャンバーに導入した。
(蒸着条件)
蒸着チャンバー内の真空度:7.4×10-4torr(9.9×10-2Pa)
冷却ドラム温度:0°C
蒸着堆積速度:7nm/sec.
蒸着面:コロナ処理面
(非接触ICタグの製造)
コイルオンチップ3として実施例1と同一の「μチップ」を使用し、厚み38μmの透明2軸延伸PETフィルムからなるベースフィルム11にエポキシ系接着剤で固定し、非接触ICタグを完成した。
【0084】
上記ベースフィルム11とコイルオンチップ3面に、前記により準備した表面基材4を金属蒸着膜6m面が外面になるようにして透明なエポキシ系接着剤層5を介しラミネートした。最後にベースフィルム11の背面(コイルオンチップ3とは反対側面)に、20μmの粘着剤層7を介して剥離紙8を積層する粘着剤加工を行い、大きさ、54mm×86mmに断裁して絶縁性金属光沢層付き非接触ICタグ1を完成した。
【実施例3】
【0085】
(金属蒸着層を有する表面基材の製造)
表面基材4として、予め、コロナ放電処理した厚さ20μmの2軸延伸PETフィルムを使用した。まず、上記の2軸延伸PETフィルムをPVD法真空蒸着装置40の送り出しロールに装着し、次いで、これを繰り出し、その2軸延伸PETフィルムのコロナ処理面上に、以下の蒸着条件により、錫(Sn)を海・島構造になるように、膜厚10nmの金属蒸着膜6mを形成した。
(蒸着条件)
蒸着チャンバー内の真空度:2.6×10-4torr(3.5×10-2Pa)
冷却ドラム温度:0°C
蒸着堆積速度:1nm/sec.
蒸着面:コロナ処理面
上記により準備した表面基材4の金属蒸着膜6m面とは反対側の面に、グラビア印刷により酸化チタン顔料による白色隠蔽層9を印刷した。
(非接触ICタグの製造)
コイルオンチップ3として実施例1と同一の「μチップ」を使用し、厚み38μmの透明2軸延伸PETフィルムからなるベースフィルム11にエポキシ系接着剤で固定し、非接触ICタグを完成した。実施例1と同一条件にして、前記により準備した表面基材4を金属蒸着膜6m面が外面になるようにしてエポキシ系接着剤5を介して、ベースフィルム11とコイルオンチップ3面にラミネートした。
【0086】
最後にベースフィルム11の背面(コイルオンチップ3とは反対側面)に、20μmの粘着剤層7を介して剥離紙8を積層する粘着剤加工を行い、大きさ、54mm×86mmに断裁して絶縁性金属光沢層付き非接触ICタグ1を完成した。
【実施例4】
【0087】
(金属蒸着層を有する表面基材の製造)
表面基材4として、予め、コロナ放電処理した厚さ12μmの2軸延伸PETフィルムを使用した。まず、上記の2軸延伸PETフィルムをPVD法真空蒸着装置40の送り出しロールに装着し、次いで、これを繰り出し、その2軸延伸PETフィルムのコロナ処理面上に、以下の蒸着条件により、錫(Sn)およびアルミニウム(Al)を各々の蒸着元より蒸着し、蒸着層がSn−Al合金からなる海・島構造になるように、膜厚10nmの金属蒸着膜6mを形成した。
(蒸着条件)
蒸着チャンバー内の真空度:4.2×10-4torr(5.6×10-2Pa)
冷却ドラム温度:0°C
蒸着堆積速度:15nm/sec.
蒸着面:コロナ処理面
上記により準備した表面基材4の金属蒸着膜6m面とは反対側の面に、グラビア印刷により酸化チタン顔料による白色隠蔽層9を印刷した。
(非接触ICタグの製造)
コイルオンチップ3として実施例1と同一の「μチップ」を使用し、厚み38μmの透明2軸延伸PETフィルムからなるベースフィルム11にエポキシ系接着剤で固定し、非接触ICタグを完成した。実施例1と同一条件にして、前記により準備した表面基材4を金属蒸着膜6m面が最表面になるようにしてエポキシ系接着剤5を介して、ベースフィルム11とコイルオンチップ3面にラミネートした。
【0088】
最後にベースフィルム11の背面(コイルオンチップ3とは反対側面)に、20μmの粘着剤層7を介して剥離紙8を積層する粘着剤加工を行い、大きさ、54mm×86mmに断裁して絶縁性金属光沢層付き非接触ICタグ1を完成した。
【実施例5】
【0089】
(金属蒸着層を有する基材の製造)
表面基材4として、予め、コロナ放電処理した厚さ12μmの2軸延伸PETフィルムを使用した。まず、上記の2軸延伸PETフィルムをPVD法真空蒸着装置40の送り出しロールに装着し、次いで、これを繰り出し、その2軸延伸PETフィルムのコロナ処理面上に、以下の蒸着条件により、錫(Sn)を海・島構造になるように、膜厚10nmの金属蒸着膜6mを形成した。
(蒸着条件)
蒸着チャンバー内の真空度:7.4×10-4torr(9.9×10-2Pa)
冷却ドラム温度:0°C
蒸着堆積速度:7nm/sec.
蒸着面:コロナ処理面
(非接触ICタグの製造)
コイルオンチップ3として実施例1と同一の「μチップ」を使用し、厚み38μmの透明2軸延伸PETフィルムからなるベースフィルム11にエポキシ系接着剤で固定し、非接触ICタグを完成した。実施例1と同一条件にして、前記により準備した表面基材4を金属蒸着膜6m面が最表面になるようにしてエポキシ系接着剤5を介して、ベースフィルム11とコイルオンチップ3面にラミネートした。
【0090】
最後にベースフィルム11の背面(コイルオンチップ3とは反対側面)に、20μmの粘着剤層7を介して剥離紙8を積層する粘着剤加工を行い、大きさ、54mm×86mmに断裁して絶縁性金属光沢層付き非接触ICタグ1を完成した。
【実施例6】
【0091】
(金属蒸着層を有する基材の製造)
表面基材4として、ポリウレタン系水性樹脂(大日本インキ化学工業株式会社製「MET−W−165C」)をコートした片面コート紙(64g/m2 )を使用した。この表面基材4をPVD法真空蒸着装置40の送り出しロールに装着し、次いで、これを繰り出し、そのコート処理面上に、以下の蒸着条件により、錫(Sn)を、海・島構造になるように蒸着し、膜厚10nmの金属蒸着膜6mを形成した。
(蒸着条件)
蒸着チャンバー内の真空度:7.4×10-4torr(9.9×10-2Pa)
冷却ドラム温度:0°C
蒸着堆積速度:7nm/sec.
蒸着面:アンダーコート面
(非接触ICタグの製造)
コイルオンチップ3として実施例1と同一の「μチップ」を使用し、厚み38μmの透明2軸延伸PETフィルムからなるベースフィルム11にエポキシ系接着剤で固定し、非接触ICタグを完成した。
【0092】
上記ベースフィルム11とコイルオンチップ3面に、前記により準備した表面基材4を金属蒸着膜6m面が外面になるようにしてエポキシ系接着剤5を介しラミネートした。
【0093】
最後にベースフィルム11の背面(コイルオンチップ3とは反対側面)に、20μmの粘着剤層7を介して剥離紙8を積層する粘着剤加工を行い、大きさ、54mm×86mmに断裁して絶縁性金属光沢層付き非接触ICタグ1を完成した。
【実施例7】
【0094】
(金属蒸着層を有する表面基材の製造)
表面基材4として、予め、コロナ放電処理した厚さ20μmの2軸延伸PETフィルムを使用した。まず、上記の2軸延伸PETフィルムをPVD法真空蒸着装置40の送り出しロールに装着し、次いで、これを繰り出し、その2軸延伸PETフィルムのコロナ処理面上に、以下の蒸着条件により、錫(Sn)を海・島構造になるように、膜厚20nmの金属蒸着膜6mを形成した。蒸着チャンバー45内の真空度を目標の真空度にするため、アルゴン(Ar)ガスを蒸着チャンバーへ導入した。
(蒸着条件)
蒸着チャンバー内の真空度:7.2×10-4torr(9.6×10-2Pa)
冷却ドラム温度:0°C
蒸着堆積速度:7nm/sec.
蒸着面:コロナ処理面
(冷却ドラムとは、コーティングドラム24のことである。以下同様。)
(非接触ICタグの製造)
非接触ICタグのベースフィルム11として、厚み38μmの透明2軸延伸PETフィルムに25μm厚のアルミニウム箔をドライラミネートした基材を使用し、これに感光性レジストを塗布した後、ブースタアンテナパターンを有するフォトマスクを露光した。現像後、フォトエッチングして、図1のようなブースタアンテナ2を完成した。
【0095】
コイルオンチップ3として、2.5mm角、13.56GHz帯用の「μチップ」(日立化成工業株式会社製)を使用し、ブースタアンテナ2の第1コイル中心部にエポキシ系接着剤で固定した。なお、ブースタアンテナ2の第1コイル21は線幅0.1mmの4〜5ターンとし、外形の一辺が、ほぼ5.0〜6.0mm程度の四角形の大きさとなるようにした。第2コイル22は線幅0.2mmの5〜6ターンとし、外形が25mm〜30mm程度になるようにした。第1コイル21と第2コイル22の他端間には、パターン23a,23bをベースフィルム11の表裏に形成して容量パターン23とした。
【0096】
上記ベースフィルム11とコイルオンチップ3面に、前記により準備した表面基材4を金属蒸着膜6m面が外面になるようにして透明なエポキシ系接着剤層5を介しラミネートした。最後にベースフィルム11の背面(コイルオンチップ3とは反対側面)に、20μmの粘着剤層7を介して剥離紙8を積層する粘着剤加工を行い、大きさ、54mm×86mmに断裁して絶縁性金属光沢層付き非接触ICタグ1を完成した。
(比較例1)
(金属蒸着層を有する表面基材の製造)
表面基材4として、予め、コロナ放電処理した厚さ12μmの2軸延伸PETフィルムを使用した。まず、上記の2軸延伸PETフィルムをPVD法真空蒸着装置40の送り出しロールに装着し、次いで、これを繰り出し、その2軸延伸PETフィルムのコロナ処理面上に、以下の蒸着条件により、錫(Sn)およびアルミニウム(Al)を各々の蒸着元より蒸着し、蒸着層がSn−Al合金からなる海・島構造になるように、膜厚10nmの金属蒸着膜6mを形成した。
(蒸着条件)
蒸着チャンバー内の真空度:6.7×10-4torr(8.9×10-2Pa)
冷却ドラム温度:0°C
蒸着堆積速度:15nm/sec.
蒸着面:コロナ処理面
(非接触ICタグの製造)
コイルオンチップ3として実施例1と同一の「μチップ」を使用し、厚み38μmの透明2軸延伸PETフィルムからなるベースフィルム11にエポキシ系接着剤で固定し、非接触ICタグを完成した。
【0097】
上記ベースフィルム11とコイルオンチップ3面に、前記により準備した表面基材4を金属蒸着膜6m面が外面になるようにして透明なエポキシ系接着剤層5を介しラミネートした。最後にベースフィルム11の背面(コイルオンチップ3とは反対側面)に、20μmの粘着剤層7を介して剥離紙8を積層する粘着剤加工を行い、大きさ、54mm×86mmに断裁して絶縁性金属光沢層付き非接触ICタグ1を完成した。
(比較例2)
(金属蒸着層を有する基材の製造)
表面基材4として、予め、コロナ放電処理した厚さ12μmの2軸延伸PETフィルムを使用した。まず、上記の2軸延伸PETフィルムをPVD法真空蒸着装置40の送り出しロールに装着し、次いで、これを繰り出し、その2軸延伸PETフィルムのコロナ処理面上に、以下の蒸着条件により、アルミニウム(Al)を膜厚40nmの通常の連続蒸着膜に形成した。
(蒸着条件)
蒸着チャンバー内の真空度:3.7×10-4torr(4.9×10-2Pa)
冷却ドラム温度:0°C
蒸着堆積速度:25nm/sec.
蒸着面:コロナ処理面
(非接触ICタグの製造)
コイルオンチップ3として実施例1と同一の「μチップ」を使用し、厚み38μmの透明2軸延伸PETフィルムからなるベースフィルム11にエポキシ系接着剤で固定し、非接触ICタグを完成した。
【0098】
上記ベースフィルム11とコイルオンチップ3面に、前記により準備した表面基材4を金属蒸着膜6m面が外面になるようにしてエポキシ系接着剤5を介しラミネートした。
【0099】
最後にベースフィルム11の背面(コイルオンチップ3とは反対側面)に、20μmの粘着剤層7を介して剥離紙8を積層する粘着剤加工を行い、大きさ、54mm×86mmに断裁して絶縁性金属光沢層付き非接触ICタグ1を完成した。
(比較例3)
表面基材4として、予め、コロナ放電処理した厚さ12μmの2軸延伸PETフィルムを使用した。まず、上記の2軸延伸PETフィルムをPVD法真空蒸着装置40の送り出しロールに装着し、次いで、これを繰り出し、その2軸延伸PETフィルムのコロナ処理面上に、以下の蒸着条件により、錫(Sn)を膜厚20nmの通常の連続蒸着膜に形成した。
(蒸着条件)
蒸着チャンバー内の真空度:6.7×10-4torr(8.9×10-2Pa)
冷却ドラム温度:0°C
蒸着堆積速度:30nm/sec.
蒸着面:コロナ処理面
(非接触ICタグの製造)
コイルオンチップ3として実施例1と同一の「μチップ」を使用し、厚み38μmの透明2軸延伸PETフィルムからなるベースフィルム11にエポキシ系接着剤で固定し、非接触ICタグを完成した。
【0100】
上記ベースフィルム11とコイルオンチップ3面に、前記により準備した表面基材4を金属蒸着膜6m面が外面になるようにしてエポキシ系接着剤5を介しラミネートした。
【0101】
最後にベースフィルム11の背面(コイルオンチップ3とは反対側面)に、20μmの粘着剤層7を介して剥離紙8を積層する粘着剤加工を行い、大きさ、54mm×86mmに断裁して絶縁性金属光沢層付き非接触ICタグ1を完成した。
【0102】
上記、実施例1から実施例7、および比較例1から比較例3の内容を整理すると表1のようになる。
【0103】
【表1】

上記実施例1から実施例7の金属蒸着膜については、ほぼ海・島構造と判定できる構造層が形成されているのが確認できた。当該海・島構造の島サイズ(平均差し渡し径)と島間隔(平均島間隔)、および表面粗さを原子間力顕微鏡(Digital Instruments製「Nano ScopeIII 」)の画像から解析した結果を表2に示す。
【0104】
比較例を含め金属蒸着膜6m面の表面抵抗率(Ω/□)を抵抗率計(三菱化学株式会社製「MCP−HT260」による)で測定した結果、および完成した実施例1〜6、および比較例1〜3の非接触ICタグに対して、2mm離れた位置からの書き込み読み取り試験をミューチップリーダ(2.45GHz))を使用して行った結果を表2に示す。
【0105】
なお、ICタグ通信性能は、2mmの通信距離で読み取りできたものを「良好」とし、読み取りできないものを「阻害」とした。実施例1のブースタアンテナ2を形成したものは、15mmの距離からの読み取りが可能であった。
【0106】
実施例7は、13.56MHz帯のコイルオンチップであり、書き込み読み取り試験は、ICタグリーダライタ(株式会社ウェルトキャット製「RCT−200−01」)を使用して行った。その結果、2cmの距離から読み取りできることが確認できた。
【0107】
【表2】

非接触ICタグの通信性能は比較例1〜比較例3を除くほか、何れの実施例も「良好」であった。各実施例の表面粗さ(中心線平均粗さRa)は、14nmから100nmの範囲に入るのが確認できた。
【0108】
なお、比較例1の通信性能が不良(「阻害」)であるのは、島サイズが大きく島間隔が小さいためと、アルミが入ることにより表面抵抗率が小さいことに起因するものと考えられる。また、実施例4と比較例1においては、錫(Sn)およびアルミニウム(Al)による多源蒸着を行っているが、生成したSn−Al合金をESCA(英国、VG Scientific社製「LAB220i−XL」)で測定したところ、SnとAlの比は原子数において、100:1〜10の範囲であった。
【0109】
以上の説明および実施例においては、非接触ICタグについてのみ記述しているが、同様の構成を備える非接触ICカードや各種ゲームカードにも利用できることは当業者には自明のことであり、本発明の範囲から除外されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0110】
【図1】絶縁性金属光沢層付き非接触ICタグの第1の例を示す図である。
【図2】同第2の例を示す断面図である。
【図3】コイルオンチップの平面外観図の例である。
【図4】絶縁性金属蒸着層の構造を説明する模式平面図である。
【図5】絶縁性金属蒸着層の模式断面図である。
【図6】巻取り式の真空蒸着装置の一例を示す概念的構成図である。
【符号の説明】
【0111】
1 絶縁性金属光沢層付き非接触ICタグ
2 ブースタアンテナ
3 コイルオンチップ
4 表面基材
5 接着剤層
6m 金属光沢層、金属蒸着膜
7 粘着剤層
8 剥離紙
9 隠蔽印刷層
11 ベースフィルム
23 容量パターン
40 真空蒸着装置
41 基材フィルム
42 真空チャンバー
44 コーティングドラム、冷却ドラム
45 蒸着チャンバー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体チップ上にコイルを形成した構造のコイルオンチップが、ベースフィルム面に固定されており、当該コイルオンチップおよびベースフィルム面には、外面に蒸着による絶縁性金属光沢層を有するプラスチックフィルムまたは紙基材からなる表面基材が積層されていることを特徴とする絶縁性金属光沢層付き非接触ICタグ。
【請求項2】
半導体チップ上にコイルを形成した構造のコイルオンチップが、ベースフィルム面に固定されており、当該コイルオンチップおよびベースフィルム面には、外面に蒸着による絶縁性金属光沢層を有し、内面に隠蔽印刷層を有するプラスチックフィルムまたは紙基材からなる表面基材が積層されていることを特徴とする絶縁性金属光沢層付き非接触ICタグ。
【請求項3】
ベースフィルムのコイルオンチップとは反対側の面に、剥離紙で保護された粘着剤層を有することを特徴とする請求項1または請求項2記載の絶縁性金属光沢層付き非接触ICタグ。
【請求項4】
前記絶縁性金属光沢層表面の粗さを原子間力顕微鏡で測定した場合の中心線平均粗さRaが、14nm以上であって、100nm以下であることを特徴とする請求項1または請求項2記載の絶縁性金属光沢層付き非接触ICタグ。
【請求項5】
絶縁性金属光沢層の表面抵抗率が、1012〜1025Ω/□の範囲であることを特徴とする請求項1または請求項2記載の絶縁性金属光沢層付き非接触ICタグ。
【請求項6】
絶縁性金属光沢層が、錫−アルミニウム(Sn−Al)、または錫−珪素(Sn−Si)からなる合金、の蒸着層であることを特徴とする請求項1または請求項2記載の絶縁性金属光沢層付き非接触ICタグ。
【請求項7】
絶縁性金属光沢層が海・島構造からなり、当該海・島構造の、島サイズが20nm〜1μm、島間の間隔が25nm〜500nmの範囲であることを特徴とする請求項1または請求項2記載の絶縁性金属光沢層付き非接触ICタグ。
【請求項8】
コイルオンチップの周囲に、ブースタアンテナを形成したことを特徴とする請求項1または請求項2記載の絶縁性金属光沢層付き非接触ICタグ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−226070(P2008−226070A)
【公開日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−66102(P2007−66102)
【出願日】平成19年3月15日(2007.3.15)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】