説明

継手スリーブの位置決め装置

【課題】鉄筋連結用の継手スリーブを高精度に位置決めできるとともに、強固に型枠に取りつけることができ、使用寿命も長い位置決め装置を提供する。
【解決手段】位置決め装置2は、本体10と、ナット20と、ボルト30と、複数の鋼球40とを備える。本体10は、複数の収容穴12aを貫通形成した円筒形状の周壁12を有し、周壁12を型枠1と直交させた状態で型枠1の内側に配置される。ナット20は、周壁12内に収容され、外周がテーパ面をなす押圧部22を有する。ボルト30のネジ棒32は型枠1を貫通してナット20に螺合される。鋼球40は、本体10の収容穴12aに径方向移動可能に収容され、ボルト30を締め込むと、ナット20の押圧部22が鋼球40を径方向に押し出し、これにより、鋼球40が継手スリーブ7の開口端内周に形成された係止鍔部7aに当たり、継ぎ手スリーブ7の位置を決める。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プレキャスト柱等のプレキャスト部材を製造する際に、鉄筋連結用の継手スリーブを位置決めするための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
プレキャスト柱(プレキャスト部材)は、コンクリートとこのコンクリートに埋め込まれた鉄筋篭とで構成されている。鉄筋篭は、一般に主筋と称される長手方向に沿って延びる複数の鉄筋を備えている。
【0003】
上下階のプレキャスト柱の主筋を連結するために、プレキャスト柱の端部には継手スリーブが埋め込まれている。この継手スリーブは、約半分の長さにわたって主筋の一端部を挿入しており、プレキャスト柱の一端面に開口している。なお、主筋の他端部は、プレキャスト柱の他端面から突出している。
【0004】
上階のプレキャスト柱を、上記継手スリーブの開口を下に向けて垂直に吊り下げ、下階のプレキャスト柱の主筋の上端突出部に継手スリーブを挿入させた状態で、継手スリーブにモルタル等の充填材を充填することにより、上下階のプレキャスト柱の主筋同士を充填材および継手スリーブを介して連結し、ひいては上下階のプレキャスト柱を連結するようになっている。
【0005】
上記プレキャスト柱は、型枠内に上記鉄筋篭をセットした状態でコンクリートを打設することにより製造される。この際、継手スリーブを型枠に位置決めする必要がある。
上記継手スリーブの位置決め装置は、種々開発されているが、特許文献1に開示された位置決め装置は、型枠内に上記鉄筋篭を水平に設置した状態でコンクリートを打設する工法(横打ち工法)に適したものである。
【0006】
特許文献1の位置決め装置は、本体とボルトとナットと複数の摺動ピンとを備えている。この本体は型枠の内側に配置され、円筒形状の周壁を有し、この周壁には複数の収容穴が貫通形成されている。上記ボルトの頭部はテーパをなしていて、この本体の周壁内に収容されている。ボルトのネジ棒は型枠を貫通している。ナットは、型枠の外側に配置され、上記ボルトのネジ棒に螺合されている。上記本体の複数の収容穴には、それぞれ摺動ピンが径方向に摺動可能に収容されている。複数の摺動ピンの外周には環状の弾性リングが掛けられており、摺動ピンを径方向,内方向に付勢している。
【0007】
上記位置決め装置を型枠に装着した状態で、継手スリーブに位置決め装置を収容し、この状態で、ナットを締め込むと、ボルトの頭部が型枠に近づき、これに伴い複数の摺動ピンがボルト頭部のテーパ面に押され弾性リングの弾性力に抗して径方向,外方向に移動し、継手スリーブの開口端内周に形成された係止鍔部に係止される。
【特許文献1】特開2005−1257号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述した特許文献1の位置決め装置では、複数の摺動ピンの外周にゴムからなる弾性リングを掛け渡し、摺動ピンを径方向,内方向に付勢する必要がある。コンクリート打設前に継手スリーブに位置決め装置を収容する際、摺動ピンを後退させておき、摺動ピンが継手スリーブの係止鍔部に当たらないようにするためである。また、コンクリート打設後にナットを緩めた時に摺動ピンを後退させ、位置決め装置を継手スリーブから抜き取る際に摺動ピンが継手スリーブの係止鍔部に当たらないようにするためである。
【0009】
しかし、上記ゴム製の弾性リングは、コンクリートの養生熱で劣化したり、継手スリーブの係止鍔部に摺れて傷つくため、寿命が短かった。特に、コンクリート養生中に弾性リングが機能しなくなると、位置決め装置を継手スリーブから抜き取ることができなくなる欠点があった。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、プレキャスト部材を製造する際に、鉄筋連結用の継手スリーブを型枠に位置決めする装置において、本体と、第1,第2螺合部材と、複数の剛性の球体とを備え、上記本体は、上記型枠の内側に配置され、複数の収容穴を貫通形成してなる円筒形状の周壁を有し、この周壁を上記型枠と直交させた状態で型枠に当たり、上記第1螺合部材は、本体の周壁内に収容されるとともに外周がテーパ面をなす押圧部を有し、第2螺合部材は型枠の外側に配置される操作部を有し、第1,第2の螺合部材のいずれか一方が型枠を貫通するネジ棒を有し、他方がこのネジ棒に螺合されるネジ穴を有しており、上記球体は、上記本体の収容穴に径方向移動可能に収容され、上記第1,第2螺合部材の螺合を進めて上記第1螺合部材の押圧部を型枠に向かって移動させた時に、上記球体が押出部のテーパ面により径方向,外方向に押し出され、これにより、上記球体は、型枠に対して傾斜した球面領域において、継手スリーブの開口端内周に形成された係止鍔部に当たることを要旨とする。
【0011】
上記構成によれば、第1螺合部材の押圧部のテーパ面によって押された球体が継手スリーブの係止鍔部に当たることにより、スリーブを高精度に位置決めすることができる。しかも、この球体は、型枠に対して傾斜した球面領域において、継手スリーブの係止鍔部に当たるので、継手スリーブを型枠に向かって引き付けることができ、これにより継手スリーブを型枠と直交した正しい姿勢で型枠に強固に取り付けることができる。
また上記構成によれば、特許文献1の装置のような弾性リングは不要である。球体は継手スリーブの係止鍔部に当たった時に径方向,内方向に移動し、係止鍔部の通過を妨げないからである。
【0012】
好ましくは、上記第1螺合部材は上記ネジ穴を有するナットからなり、上記第2螺合部材は、上記ネジ棒を有するボルトからなり、上記ナットと上記本体には、ナットの回り止めをなす回り止め手段が設けられている。これによれば、第1螺合部材にナットを用いても、回り止めがなされているので、第2螺合部材であるボルトを締め込んだときに確実にナットを型枠に向けて移動させることができ、ひいては球体を押し出すことができる。
【0013】
好ましくは、上記収容穴の外面側の周縁には、上記球体の抜け止めのための係止部が形成されている。これによれば、簡単な構成で球体の脱落を防止できる。
【0014】
好ましくは、上記本体は、上記型枠に当たる底壁を有し、この底壁と上記第1螺合部材との間には付勢手段が配置され、この付勢手段により第1螺合部材の押圧部が底壁から離れる方向に付勢されている。これによれば、第1,第2螺合部材の螺合を緩めたときに、付勢手段により押圧部と底壁とを離れる方向に相対移動させることができ、球体の後退時の収容空間を広げることができる。そのため、継手スリーブの係止鍔部が球体に当たった時に、球体を円滑に後退させることができる。
【発明の効果】
【0015】
以上説明したように本発明によれば、球体を用いることにより継手スリーブを型枠に正確に位置決めし強固に取り付けることができる。また、弾性リングが無くても継手スリーブの係止鍔部が通過する際に球体を確実に後退させることができ、継手スリーブへの位置決め装置の収容,離脱作業に支障をきたすことがない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の第1実施形態を図面を参照しながら説明する。図1はプレキャスト柱を横打ちする際に用いられる型枠装置の概略図である。型枠装置は、水平方向に細長く延びる型枠1と、この型枠1の垂直をなす一方の端壁1aに装着された複数の位置決め装置2とを備えている。
【0017】
型枠1内には、鉄筋篭5が収容される。この鉄筋篭5は、その長手方向に延びる複数の主筋6(鉄筋)とこの主筋6に番線等で結束された環状の剪断補強筋(図示しない)とで構成されている。主筋6の一端部は継手スリーブ7に約半分にわたって挿入されており、主筋6の他端部は型枠1の他方の端壁1bの貫通穴1yを貫通して、外方に突出している。
【0018】
上記主筋6の一端部と継手スリーブ7の開口端(図1において右側の開口端)との間には、ゴム製の環状のシール部材(図示しない)が嵌め込まれている。このシール部材は、打設されるコンクリートのノロが継手7に入り込むのを防止する。
【0019】
上記鉄筋篭5の型枠1への収容状態で、継手スリーブ7が上記位置決め装置2によって位置決めされる。
図2,図3に示すように、上記位置決め装置2は、中空の本体10と、ナット20(第1螺合部材)と、ボルト30(第2螺合部材)と、複数(3個以上)の鋼球40(剛性の球体)とを主構成要素として備えている。
【0020】
上記本体10は、型枠1の内側に配置され、円形の底壁11と円筒形の周壁12とを有している。本体10の底壁11は、ゴムパッキン51を介して型枠1の端壁1aに当たり、固定ネジ50により端壁1aの所定位置に固定されている。底壁11の中央には貫通穴11aが形成されている。上記本体10の固定状態において、この貫通穴11aは、端壁1aに形成された貫通穴1xと同軸をなしている。貫通穴11aにおいて端壁1aと反対側の内周は、テーパをなす逃げ面11xとなっている。
【0021】
上記本体10の固定状態で、周壁12は端壁1aと直交している。上記本体10の周壁12には、断面円形の収容穴12aが周方向に等間隔をなして複数(3つ以上)貫通形成されている。この収容穴12aの軸線は、周壁12の軸線と直交している。
【0022】
上記ナット20は本体1に収容されている。ナット20は、型枠1の端壁1aに向かって順に、外周が円筒面をなす大径のスライド部21,テーパ面をなす押圧部22,円筒面をなす小径の挿入部23を有している。上記スライド部21の外径は上記周壁12の内径とほぼ等しい。
【0023】
上記ナット20は本体10の周壁12と同軸をなし、そのスライド部21が周壁12の内周面に接するようにして軸方向に移動可能となっている。ナット20のスライド部21には軸方向に延びるキー溝21aが形成されており、周壁12にはこのキー溝21aに挿入されるキー12bが設けられている。これらキー溝21aとキー12bは、ナット20の軸方向移動を許容しながら回動を禁じる回り止め手段60を構成している。なお、この回り止め手段60は、ナット20に設けたキーと、周壁12に設けたキー溝によって構成してもよい。
【0024】
上記ボルト30は、頭部31(操作部)とネジ棒32とを同一直線上に有しており、頭部31が型枠1の外側に配置され、ネジ棒32が端壁1aの貫通穴1xを貫通して上記ナット20のネジ穴24に螺合されている。なお、ネジ棒32の先端部には規制ナット39が螺合されている。この規制ナット39は、ボルト30を緩め過ぎてナット20が本体10に対して所定量以上移動するのを阻止し、これにより上記キー溝21aとキー12bの係合が解除されるのを阻止するものである。
【0025】
上記鋼球40は、上記本体10の周壁12の収容穴12aとほぼ同径をなし、この収容穴12aに径方向移動可能に収容されている。図4に示すように収容穴12aの外面側の周縁には、1箇所または複数箇所において係止部12xが形成されている。この係止部12xは収容穴12aの径方向,内方向に突出しており、鋼球20の脱落を防止している。この係止部12xは収容穴12aの周縁をハンマー等で叩くことにより、簡単に形成することができる。
【0026】
次に、上記構成をなす位置決め装置2の作用を説明する。図2に示すように、初期状態では、ボルト30を緩め、その頭部31を型枠1の端壁1aに当たるまで押し込んでおく。これにより、ナット20は端壁1aから離され、ナット20の押圧部22と本体10の底壁11との間の収容空間が広くなっており、鋼球40はこの収容空間の奥まで容易に後退可能である。
【0027】
次に、図2に示すように、鉄筋篭5を端壁1aに近づけることにより、鉄筋篭5の主筋6の一端部に取り付けた継手スリーブ7に、位置決め装置2を収容する。この際、継手スリーブ7の開口端内周に形成された係止鍔部7aが鋼球40を本体10に押し込むようにして鋼球40を通過し、型枠1の端壁1aにゴムパッキン51を介して当たる。
【0028】
次に、図3に示すように、ボルト30の頭部31を回して締め込む。すると、ボルト30とナット20の螺合作用により、回り止めされたナット20が本体10の底壁11に向かって進み、これにより、ナット20の押圧部22のテーパ面が鋼球40を径方向,外方向に押し出す。その結果、鋼球40は、継手スリーブ7の係止鍔部7aに当たり、これにより、継手スリーブ7を位置決めするとともに脱落不能に支持する。
【0029】
上記鋼球40において端壁1aに対して傾斜した球面領域が、継手スリーブ7の係止鍔部7aにおいて端壁1aの反対側の内周縁に当たるため、継手スリーブ7を端壁1aに引き付ける軸方向力が生じる。その結果、継手スリーブ7は、端壁1aと直交した正しい姿勢で強固に固定される。
【0030】
上記ボルト30の締め込みの際、ナット20の挿入部23および押圧部22の先端領域が本体10の底壁11の貫通穴11aに入り込むが、押圧部22の先端領域と貫通穴11aの逃げ面11xとは、当たらずに僅かな隙間を介して対峙している。
【0031】
次に、型枠1内にコンクリートを打設する。このコンクリートの養生後に、得られたプレキャスト柱から型枠1を取り外す。この際、位置決め装置2のボルト30を緩めるとともにその頭部31が端壁1aに当たるまで押し込む。これにより、ナット20の押圧部22と本体10の底壁11との間の収容空間を広げ、鋼球40を後退し易くする。その後、端壁1aをプレキャスト柱から取り外す。この際、位置決め装置2の鋼球40が継手スリーブ7の係止鍔部7aに当たって本体10の径方向,内方向に後退する。その結果、係止鍔部7aは支障なく鋼球40を通過し、位置決め装置2が継手スリーブ7から抜き取られる。
【0032】
上記のようにして得られたプレキャスト柱は、一端面に開口する継手スリーブ7を有し、他端面からは主筋6の端部が突出している。
【0033】
上記第1実施形態では、本体10を端壁1aに固定ネジ50で固定したが、固定しなくてもよい。この場合、ボルト10の締め込みに伴ない、ナット20の押圧部22から鋼球40への押圧力の一部が本体10を端壁1aに向かう軸方向力となり、これにより本体10は端壁1aに強い力で当たる。この場合、ボルト30のネジ棒31と端壁1aの貫通穴1xとの嵌め合いだけで、本体10の端壁1aに対する位置決めがなされる。
【0034】
上記のように本体10を固定ネジ50で端壁1aに固定しない場合には、離型の際、緩めたボルト30の頭部31を端壁1aに当たるまで押し込むと、本体10がナット30とともに移動することもある。この場合、本体10の底壁11とナット20の押圧部22との間の収容空間は広がらないが、継手スリーブ7の係止鍔部7aが鋼球40に当たった時、鋼球40に径方向,内方向の押し込み力が働くので、鋼球40は、本体10の底壁11とナット20の押圧部22との間を強制的に広げるようにして本体10に押し込まれる。
【0035】
図5は、本発明の第2実施形態を示す。この実施形態において、第1実施形態に対応する構成部は図中同符号で表し、その詳細な説明を省略する。この実施形態では、本体10を固定ネジで端壁1aに固定しない構成を採用している。ナット20の押圧部22と本体10の底壁11との間には金属製のコイルスプリング70(付勢手段)が介在されている。このコイルスプリング70により、本体10の底壁11とナット20の押圧部22が離れる方向に付勢され、ボルト30を緩めたときに底壁11と押圧部22との間の収容空間が広げられるので、鋼球40を継手スリーブ7の係止鍔部7aで押し込み易くなる。なお、この実施形態では、ボルト30をコイルスプリング70の弾性力に抗して締め込むことになる。
【0036】
本発明は上記実施形態に制約されず、種々の形態を採用可能である。例えば、型枠の内面にスペーサを固定し、このスペーサに位置決め装置を設置し、継手スリーブをこのスペーサに当てて位置決めすることもある。この場合、継手の開口端はプレキャスト柱の端面から奥に位置することになる。この場合でも、第1,第2実施形態の位置決め装置2を、ボルト30の長さを変えるだけで、他の構成を変えずに用いることができる。なお、上記スペーサは特許請求の範囲の型枠の一部を構成する。
【0037】
第1螺合部材をボルトとし、その頭部を本体に収容し、第2螺合部材をナットとして型枠外に配置してもよい。この場合、ボルトの頭部がテーパをなす押圧部として提供される。
継手スリーブは、ネジ鉄筋からなる主筋の端部と螺合することにより連結されていてもよい。
継手スリーブと位置決め装置を近づける際、型枠の端壁を鉄筋篭に近づけてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の第1実施形態をなす位置決め装置を備えた型枠装置の縦断面図である。
【図2】同位置決め装置を継手スリーブに収容する過程を示す要部拡大縦断面図である。
【図3】同位置決め装置により継手スリーブを位置決めした状態を示す要部拡大縦断面図である。
【図4】同位置決め装置の収容穴に形成された鋼球脱落防止用の係止部を示す拡大断面図である。
【図5】本発明の第2実施形態をなす位置決め装置の要部拡大縦断面図である。
【符号の説明】
【0039】
1 型枠
1a 端壁
2 位置決め装置
6 主筋(鉄筋)
7 継手スリーブ
7a 係止鍔部
10 本体
11 本体の底壁
12 本体の周壁
12a 収容穴
12x 係止部
20 ナット(第1螺合部材)
22 押圧部
30 ボルト(第2螺合部材)
31 頭部(操作部)
40 鋼球(剛性の球体)
60 回り止め手段
70 コイルスプリング(付勢手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレキャスト部材を製造する際に、鉄筋連結用の継手スリーブを型枠に位置決めする装置において、
本体と、第1,第2螺合部材と、複数の剛性の球体とを備え、
上記本体は、上記型枠の内側に配置され、複数の収容穴を貫通形成してなる円筒形状の周壁を有し、この周壁を上記型枠と直交させた状態で型枠に当たり、
上記第1螺合部材は、本体の周壁内に収容されるとともに外周がテーパ面をなす押圧部を有し、第2螺合部材は型枠の外側に配置される操作部を有し、第1,第2の螺合部材のいずれか一方が型枠を貫通するネジ棒を有し、他方がこのネジ棒に螺合されるネジ穴を有しており、
上記球体は、上記本体の収容穴に径方向移動可能に収容され、
上記第1,第2螺合部材の螺合を進めて上記第1螺合部材の押圧部を型枠に向かって移動させた時に、上記球体が押出部のテーパ面により径方向,外方向に押し出され、これにより、上記球体は、型枠に対して傾斜した球面領域において、継手スリーブの開口端内周に形成された係止鍔部に当たることを特徴とする継手スリーブの位置決め装置。
【請求項2】
上記第1螺合部材は上記ネジ穴を有するナットからなり、上記第2螺合部材は、上記ネジ棒を有するボルトからなり、上記ナットと上記本体には、ナットの回り止めをなす回り止め手段が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の継手スリーブの位置決め装置。
【請求項3】
上記収容穴の外面側の周縁には、上記球体の抜け止めのための係止部が形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の継手スリーブの位置決め装置。
【請求項4】
上記本体は、上記型枠に当たる底壁を有し、この底壁と上記第1螺合部材との間には付勢手段が配置され、この付勢手段により第1螺合部材の押圧部が底壁から離れる方向に付勢されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の位置決め装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−69398(P2007−69398A)
【公開日】平成19年3月22日(2007.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−257263(P2005−257263)
【出願日】平成17年9月6日(2005.9.6)
【出願人】(591157327)石川ピーシー工業株式会社 (3)
【Fターム(参考)】