説明

緊急事態に対応するための長距離優先使用及び主要交通ルートクリアランス用転送システム

1つの交差点から別のものに優先使用要求を転送することによって交差点を優先使用するシステム及び方法について記述している。本発明の一態様においては、車両の前方の交通の流れを円滑にすることにより、優先使用車両の経路から渋滞を除去可能である。本発明の別の態様においては、優先使用のための主要交通ルートが生成される。又、優先使用のための主要交通ルートに至る脇道を優先使用することにより、優先使用のための主要交通ルートを更にクリアすることができる。本発明の一実施例は、転送された優先使用要求をネットワークから受信するべく構成されたマイクロコントローラを含んでいる。又、マイクロコントローラは、既定の基準セットに照らして、優先使用要求内に含まれている情報を評価するべく構成されており、マイクロコントローラは、優先使用要求内において転送された情報が既定の基準セットを満足している場合に、一連の交通信号を優先使用するべく構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、交通信号制御システムに関するものであり、更に詳しくは、交通信号の優先使用(preemption)システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
交通信号は、交通の流れを管理するために極めて重要である。交通信号制御システムを使用して交通信号を調節することにより、渋滞を大幅に緩和することができる。しかしながら、特定の緊急事態においては、緊急車両のその目的地への移動を加速するために、交通信号を優先使用することが必要となる。緊急車両が交差点に接近した際に交通信号の優先使用を実現するべく、いくつかのシステムが既に提案されている。これらのシステムは、光学信号及び高周波又は無線通信信号を含む様々な通信法を利用し、車両と交差点間において情報を伝達している。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明の実施例によれば、緊急車両は、主要交通ルートに沿って交差点を優先使用可能である。本発明の一態様においては、優先使用のための主要交通ルートが、緊急車両の経路から車の通行を除去可能であり、この結果、車両が主要交通ルートに沿って移動可能な速度が増大する。本発明の一実施例は、転送された優先使用要求をネットワークから受信するべく構成されたマイクロコントローラを含んでいる。又、マイクロコントローラは、優先使用要求内に含まれている情報を既定の基準セットに照らして評価するべく構成されており、マイクロコントローラは、優先使用要求内において転送された情報が既定の基準セットを満足している場合に、一連の交通信号を優先使用するべく構成されている。ネットワークは、有線又は無線ネットワークであってよい。
【0004】
更なる実施例は、優先使用入力を具備する交差点コントローラ、交差点コントローラの優先使用入力に接続されると共にマイクロコントローラ及びトランシーバを含む長距離優先使用モジュール、及び長距離優先使用モジュールに接続された優先使用装置をも含んでいる。
【0005】
本発明の別の実施例は、マイクロコントローラを含むと共に優先使用入力を具備する交差点コントローラ、優先使用入力を介して交差点コントローラに接続された優先使用装置、及び交差点コントローラに接続されたトランシーバを含んでいる。
【0006】
更なる実施例においては、優先使用要求は、交差点コントローラを含む交通信号コントローラから転送され、交通信号コントローラは、優先使用された交差点に配置されており、転送された優先使用要求は、優先使用された交差点の地理的な場所と優先使用された交差点の交差点コントローラの優先使用入力の状態に関する情報を含んでいる。
【0007】
更に別の実施例においては、転送された優先使用要求は、優先使用車両に応答して生成されたものであり、マイクロプロセッサは、速度ウィンドウを使用して優先使用車両の到着予想時間を生成することにより、情報を評価するべく構成されている。又、マイクロプロセッサは、現在の交通状態に基づいて速度ウィンドウを判定することにより、情報を評価するべく構成可能である。
【0008】
更なる実施例においては、マイクロプロセッサは、交通信号コントローラに対して車両から直接実行された優先使用要求と転送された優先使用要求を解決するべく構成されている。又、車両からの優先使用要求と転送された優先使用要求は、優先順位情報を含むことが可能であり、マイクロプロセッサは、最高の優先順位を有する優先使用要求と合致した方式で一連の交通信号を優先使用するべく構成可能である。
【0009】
本発明の更に別の実施例は、複数の交通信号コントローラを含んでいる。又、少なくとも1つの交通信号コントローラは、優先使用要求を優先使用装置に対して通信する能力を有するハードウェアを具備した車両が優先使用可能な優先使用装置を含んでおり、交通信号コントローラは、転送された優先使用要求をネットワークを介して送信するべく構成されており、交通信号コントローラの少なくとも1つは、転送された優先使用要求をネットワークを介して受信するべく構成されている。又、ネットワークは、無線又は有線であってよい。
【0010】
本発明の方法の一実施例は、別の交差点から転送された優先使用要求を受信する段階と、転送された優先使用要求が、少なくとも1つの事前に定義されている基準を満足するかどうかを判定する段階と、転送された優先使用要求が、現時点において、交差点によって実行されている優先使用要求と矛盾するかどうかを判定する段階と、優先使用要求が、事前に定義されている基準を満足し、且つ、その他の優先使用要求と矛盾していない場合に、交差点を優先使用し、優先使用要求を隣接する交差点に転送する段階と、を含んでいる。又、優先使用要求は、優先使用要求の供給源である交差点の地理的な場所と優先使用された交差点が優先使用された方式に関する情報を含むことができる。
【0011】
本発明の方法の更なる実施例においては、転送された優先使用要求は、最初に開始された交差点において最初に生成されたものである。又、転送された優先使用要求が、少なくとも1つの事前に定義されている基準を満足するかどうかを判定する段階は、最初に開始された交差点が、その交差点から既定の距離内にあるかどうかを判定する段階を伴っている。
【0012】
本発明の方法の別の実施例においては、車両は、優先使用要求を転送した最初に開始された交差点を優先使用している。又、転送された優先使用要求が、少なくとも1つの事前に定義されている基準を満足するかどうかを判定する段階は、車両が、十分な確率を有して交差点に到着することになるかどうかを判定する段階を伴っている。
【0013】
本発明の方法の更なる実施例においては、車両は、優先使用要求を転送した最初に開始された交差点を優先使用している。又、転送された優先使用要求が、少なくとも1つの事前に定義されている基準を満足するかどうかを判定する段階は、車両が、既定の時間内に交差点に到着することになるかどうかを判定する段階を伴っている。
【0014】
本発明の方法の更に別の実施例においては、転送された優先使用要求に優先順位が割り当てられており、その他の優先使用要求にも優先順位が割り当てられており、転送された優先使用要求が、現時点において、交差点によって実行されている優先使用要求と矛盾するかどうかを判定する段階は、転送された優先使用要求が、その他のすべての優先使用要求よりも高い優先順位を有しているかどうかを判定する段階を有している。
【0015】
本発明の方法の更なる実施例においては、その他の優先使用要求は、交差点に対して車両から直接的に実行された少なくとも1つの優先使用要求を含むことができる。又、その他の優先使用要求は、別の交差点から交差点に転送された少なくとも1つのその他の優先使用要求を含むことができる。
【0016】
本発明の更に別の実施例においては、交差点を優先使用する段階は、優先使用要求に従って交通及び歩行者信号の両方を確立する段階を有している。
【0017】
本発明の方法の更なる別の実施例においては、隣接する交差点に優先使用要求を転送する段階は、無線ネットワーク上において優先使用要求をブロードキャストする段階及び/又は隣接する交差点に対して有線ネットワークを介して優先使用要求を送信する段階を伴っている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明の実施例は、進入する交差点の交通信号を優先使用する能力を有する優先使用システムと、離れた交差点の長距離優先使用モジュールと、を含んでいる。長距離優先使用モジュールは、進入する交差点の優先使用に応答し、離れた交差点の交通信号を優先使用する能力を有している。本発明の一態様においては、長距離優先使用を使用することより、優先使用している車両が辿る可能性が高いルートに沿った主要交通ルートをクリアしている。長距離優先使用によってその経路内の渋滞をクリアすることにより、車両の移動を加速可能である。
【0019】
次に図面を参照すれば、本発明による優先使用システムが図1に示されている。優先使用システム10は、進入する交差点16の交通信号14と通信し、これを優先使用する能力を有するハードウェア(図示されてはいない)を具備する優先使用車両12を含んでいる。進入する交差点は、交通信号コントローラ(図示されてはいない)によって制御されている交通信号を含んでいる。交通信号コントローラは、優先使用車両から通信を受信し、受信した通信に応答して交通信号を優先使用する能力を有する優先使用システムを具備している。交通信号コントローラは、離れた交差点18の交通信号コントローラと通信する能力をも有している。進入する交差点の交通信号コントローラと優先使用に関して通信することにより、結果的に、離れた交差点の交通信号を優先使用可能である。一実施例においては、離れた交差点の交通信号コントローラは、優先使用のための主要交通ルート20を生成するべくプログラムされており、この結果、優先使用車両が移動する可能性が最も高い方向にある交通信号22を優先使用可能である。又、実施例は、優先使用のための主要交通ルートに至る脇道に沿った交通信号24をも優先使用することにより、優先使用のための主要交通ルートからの交通渋滞28の除去を円滑に実行可能である。優先使用のための主要交通ルートは、まっすぐな経路として示されているが、その他の実施例においては、優先使用のための主要交通ルートは、直線的な経路でなくてもよい。
【0020】
進入する交差点の交通信号と通信し、且つ、これを優先使用する能力を有する優先使用車両上に取り付けられるハードウェアは、任意の既知の優先使用システムの好適なハードウェアを使用して実装可能である。一実施例においては、米国特許出願第10/811,075号明細書に記述されているハードウェアを使用し、優先使用車両のハードウェアを実装可能である。米国特許出願第10/811、075号明細書の開示内容は、本引用により、そのすべてが本明細書に包含される。その他の実施例においては、その他のGPS(Global Positioning System)に基づいた優先使用法を使用可能である。いくつかの実施例においては、ミネソタ州セントポールに所在する3M Company社(3M Company of St. Paul, Minnesota)によって製造されるOpticonシステムに使用されているものなどの光学優先使用法を使用している。その他の実施例は、サイレンに基づいた優先使用システムを利用可能である。以下、本発明による交通信号コントローラの実施例の実装について更に詳しく説明することとする。
【0021】
本発明による交通信号コントローラの一実施例が図2に示されている。交通信号コントローラ30は、交差点コントローラ32を含んでいる。交差点コントローラは、ブレークアウトインターフェイス38を介して優先使用装置34と長距離優先使用モジュール36に接続されている。
【0022】
一実施例においては、交差点コントローラは、テキサス州オースチンに所在するSiemens ITS社(Siemens ITS of Austin, Texas)によって製造されているNEMA TS2 M52 Controllerなどの複数の優先使用入力を有する従来の交差点コントローラである。優先使用入力を使用することにより、通常の信号の運行から逸脱するように交差点コントローラに指示する外部装置からの信号を受信する。又、優先使用入力は、優先使用の期間中に表示するべき交通信号を交差点コントローラに対して通知する。その他の実施例においては、優先使用の能力を有するその他の交差点コントローラを使用可能である。例えば、交差点コントローラは、170 270及びその他のNEMA(North America Electrical Manufacturers)規格のコントローラなどのその他のタイプのコントローラを使用して実装可能である。
【0023】
優先使用装置は、任意の優先使用システムの交差点ハードウェアを使用して実装可能である。既知の優先使用システムは、優先使用車両から情報を受信するための電子回路を提供しており、優先使用を実行するかどうかを決定する能力を有している。このようなシステムは、優先使用車両が必要としている方式で交差点を優先使用するのに必要な入力信号を交差点コントローラに供給する機能をも含んでいる。一実施例においては、米国特許出願第10/811,075号明細書に記述されている交差点ハードウェアを使用して優先使用装置を実装可能である。
【0024】
本発明による交通信号コントローラにおいては、優先使用装置の出力は、長距離優先使用モジュールを通じてルーティングされている。長距離優先使用モジュールは、優先使用装置によって生成された信号に応答し、並びに/又は、隣接する交差点から受信した信号に応答して交差点を優先使用するべく、交差点コントローラに信号を供給する。長距離優先使用モジュールは、優先使用装置を介して通信された優先使用要求と隣接する交差点から受信した同時優先使用要求の異なる優先使用要件間の矛盾を解決する責任をも担っている。
【0025】
一実施例においては、長距離優先使用モジュールは、トランシーバ42に接続されたマイクロコントローラ40を含んでいる。マイクロコントローラは、優先使用装置及びトランシーバから入力信号を受信する。マイクロコントローラは、交差点コントローラとトランシーバに対して出力信号を供給する。いくつかの実施例においては、マイクロコントローラは、交差点の状態を監視するべく、交差点コントローラからも入力信号を受信可能である。トランシーバは、隣接する交差点と通信する。トランシーバは、近くの交差点から、それらの優先使用について通知するメッセージを受信可能である。到来する車両によって交差点が優先使用された場合には、トランシーバは、自身が優先使用されたことを通知するメッセージを隣接する交差点に対して送信可能である。
【0026】
一実施例においては、マイクロコントローラは、カリフォルニア州デイビスに所在するZWorld社(ZWorld of Davis, California)によって製造されるLP3100を使用して実装されている。その他の実施例においては、任意の好適なマイクロコントローラ又は処理要素の組み合わせを使用してマイクロコントローラ40を実装可能である。
【0027】
一実施例においては、トランシーバは、コロラド州ボールダーに所在するFreewave Technologies社(Freewave Technologies of Boulder, Colorado)によって製造されているスペクトル拡散無線装置を使用して実装されている。その他の実施例においては、多くの無線又は有線通信プロトコルの中の1つを使用するべく設計された電子回路を使用することにより、隣接する交差点の交通信号コントローラ間において通信可能である。
【0028】
前述のように、ブレークアウトインターフェイスを使用し、優先使用装置から長距離優先使用モジュール間、並びに長距離優先使用モジュールと交差点コントローラ間において信号をルーティングしている。一実施例においては、バスコネクタを有するカスタムPCボードを使用して電子的インターフェイス間の必要な接続を確立している。その他の実施例においては、カスタムコネクタを構築するその他の技法を利用可能である。一実施例においては、カスタムコネクタは、NEMA TS 1及びTS 2規格に準拠するべく構築されている。
【0029】
次に図3を参照すれば、離れた交差点に配置されている交通信号コントローラに長距離優先使用要求を転送するプロセスを示すフローチャートが示されている。プロセス50は、優先使用車両による交差点の優先使用(52)によって始まっている。次いで、優先使用された交差点の交通信号コントローラが、離れた交差点の交通信号コントローラに対して優先使用情報を転送する(54)。一実施例においては、優先使用情報は、優先使用された交差点の交差点識別子、優先使用された交差点の地理的な位置、及び優先使用された交差点の交差点コントローラに対する優先使用方向入力のすべての状態を含んでいる。その他の実施例においては、追加情報又は前述の情報を特徴付ける代替方法を通信可能である。
【0030】
離れた交差点の交通信号コントローラは、まず、優先使用要求が、自身に既に転送されている要求であるかどうかを判定する。そうでない場合には、交通信号コントローラは、その優先使用要求を処理する。さもなければ、優先使用要求は無視される。離れた交差点の交通信号コントローラは、転送された情報を使用することにより、離れた交差点が、離れた交差点の優先使用をも正当化するのに十分なだけ、優先使用された交差点に近いかどうかを判定する(56)。離れた交差点が、優先使用された交差点から、事前に定義されている最大距離を上回る距離に位置している場合には、離れた交差点は優先使用されない(58)。距離が最大距離を下回っている場合には、離れた交差点の交通信号コントローラは、優先使用車両が、離れた交差点を通過する確率が高いかどうかを判定する(60)。一実施例においては、交通信号コントローラは、車両が、離れた交差点に最終的に到達することになる統計的な尤度を判定する。この計算においては、離れた交差点が優先使用のための主要交通ルート内に位置しているかどうか、並びに、それが優先使用のための主要交通ルート内に存在していない場合には、脇道に沿った交差点の距離に関する情報を利用可能である。その他の実施例においては、優先使用された交差点を優先使用した優先使用車両が移動した経路に関する履歴情報を使用することを含むその他の技法を使用し、車両が、離れた交差点を通過する確率が高いかどうかを判定可能である。
【0031】
一実施例においては、統計的な計算は、所与の交差点の近くの所与の通りにおける車両の予想速度を使用する段階を伴っている。それぞれの離れた交差点のそれぞれの交通信号コントローラごとに、それぞれの進入方向において速度「ウィンドウ」係数を使用する(Vminが車両の最小予想速度であり、Vmaxが車両の最大予想速度である)。これらの交差点は、従来の優先使用ハードウェアを具備する進入交差点から転送される車両の最新且つ最良の既知の位置を使用する。これは、交差点を通過したために従来の優先使用システムが進入交差点のトリガを停止した時点に基づいて、通常、算出される(これは、光学システムなどによる)。進入交差点は、通過の時間と位置を記録し、離れた交差点にこれを転送する。位置は、GPS優先使用システムからの場所情報を使用して算出することも可能である。この位置情報を受信すると、離れた交差点はタイマを起動する。これは、それ自体と進入交差点間の既知の距離を速度「ウィンドウ」と組み合わせて使用することにより、優先使用する時間ウィンドウを判定する。
【0032】
例えば、交差点Aは、従来の光学優先使用システムを具備しており、交差点Bは、優先使用の転送のみを具備している。又、交差点A及び交差点Bは、100フィートだけ離れており、この経路の速度「ウィンドウ」は、40フィート/秒(25MPH、約40km/H)〜80フィート/秒(50MPH、約80.5km/H)である。緊急車両は、交差点Aに接近して、これを通過し、交差点Aは、光学的トリガの終了を識別し、通過の時刻と位置を記録し、この情報を交差点Bに転送する。転送トリガを受信した際に、交差点Bは、「ウィンドウ」タイマを起動する。距離に基づいて、交差点Bは、タイマが12.5(1000/80)秒を超過した際に、優先使用を開始し、タイマが25秒を超過した際に、優先使用を停止することになる。幾らかの時間の水増しを適用することも可能である。この実施例の更に進んだバージョンにおいては、時刻、曜日、動的な渋滞情報(交差点コントローラから提供されるもの)、又は車両から転送される優先順位情報などの要因に基づいて、速度「ウィンドウ」を調節可能である。
【0033】
離れた交差点の交通信号コントローラが、優先使用車両がその離れた交差点を通過する可能性が低いと判定した場合には(60)、離れた交差点は優先使用されない(58)。交通信号コントローラが、優先使用車両がその離れた交差点を通過する確率が高いと判定した場合には(60)、交通信号コントローラは、離れた交差点を優先使用することにより、その他の優先使用要求との矛盾が生じるかどうかを判定する(62)。矛盾する優先使用要求の解決法については周知であり、これは、通常、システムによってどの要求に最高の優先順位が割り当てられているかを判定する段階と、その要求を実行する段階と、を伴っている。別の優先使用要求が、転送された優先使用要求よりも高い優先順位を具備している場合には、交通信号コントローラは、転送された優先使用要求が要求している方式によって交差点を優先使用しない。この代わりに、離れた交差点の交通信号コントローラは、優先使用要求をその隣接する交差点に転送する(64)。優先使用された交差点から転送された優先使用要求が、最高の優先順位を有する優先使用要求である場合には、交通信号コントローラは、転送された優先使用要求が必要としている方式で離れた交差点を優先使用し(66)、次いで、優先使用要求を隣接する交差点に転送する。
【0034】
転送された優先使用要求に応答して離れた交差点を優先使用するべきかどうかを判定するための本発明によるプロセスの実施例が図4に示されている。このプロセス70は、転送された優先使用要求(外部トリガ)によって起動されている。転送された優先使用要求に応答し、離れた交差点は、自身が、優先使用された交差点の下流に位置しているかどうか(即ち、優先使用車両が、優先使用のための主要交通ルートに沿って離れた交差点に向かって移動しているかどうか)を判定する(72)。離れた交差点が、優先使用された交差点の下流に位置していない場合には、離れた交差点は、自身が、優先使用のための主要交通ルートに向かう脇道に位置しているかどうかを判定する(74)。そうでない場合には、離れた交差点は、優先使用要求を無視する。離れた交差点が、脇道に位置している場合には、離れた交差点は、自身が、優先使用のための主要交通ルートの閾値距離及び/又は時間内に位置しているかどうかを判定する(76)。そうでない場合には、優先使用要求は無視される。離れた交差点が閾値内にある場合には、転送された優先使用要求が有効となる(78)。
【0035】
離れた交差点が、優先使用された交差点の下流に位置している場合には、離れた交差点は、優先使用された交差点と離れた交差点間の距離及び/又は離れた交差点における優先使用車両の到着予想時間が、既定の閾値を満足しているどうかを判定する(80)。1つ又は複数の閾値を満足しておれば、転送された優先使用要求が有効となる(78)。さもなければ、転送された優先使用要求は無視される。
【0036】
次いで、本プロセスは、離れた交差点における複数の優先使用要求の結果として生じ得る矛盾を解決するべく試みる。本プロセスは、より高い優先順位を有する車両が直接的に交差点の優先使用を求めているかどうかを判定する(82)。より高い優先順位の車両が交差点の直接的な優先使用を試みている場合には、転送された優先使用要求は無視され、より高い優先順位の車両からの優先使用要求が実行される(84)。一実施例においては、離れた交差点は、優先使用要求を隣接する交差点に転送可能である。転送された優先使用要求が最高の優先順位を具備している場合には、離れた交差点は、転送された優先使用要求を実行し(86)、優先使用要求を隣接する交差点に転送する。
【0037】
本プロセスは、離れた交差点に接近する車両からの直接的な優先使用要求(ローカルトリガ)によって起動することも可能である。離れた交差点は、転送された優先使用要求が、現時点において、離れた交差点においてアクティブであるかどうかを判定することにより(88)、直接的な優先使用要求に応答する。転送された優先使用要求がアクティブではない場合には、離れた交差点は、直接的な優先使用要求を実行する(90)。転送された優先使用要求がアクティブである場合には、離れた交差点は、前述の方式によって矛盾する優先使用要求を解決する(参照符号82〜86に関連する説明を参照されたい)。
【0038】
次に、図5を参照すれば、本システムが単一の優先使用要求に対して応答する方式が概略的に示されている。優先使用車両は、優先使用車両から制限されたレンジ102内において受信可能な優先使用要求を伝送する。この制限されたレンジ内に位置する交差点104は、(矛盾する優先使用要求が存在しない限り)優先使用車両によって直接的に優先使用される。これらの交差点は、優先使用要求を転送する(優先使用要求の転送は、矢印の第1の組106によって示されている)。転送された優先使用要求は、隣接する交差点108によって受信され、必要な優先使用要件が満足された場合に、これらの交差点は優先使用される。これらの交差点は、優先使用要求を転送する(隣接する交差点による優先使用要求の転送は、矢印の第2の組110によって示されている)。本プロセスは、優先使用要求を受信する交差点112が、もはや、優先使用要件を満足しなくなるまで反復される。
【0039】
本発明による交通信号コントローラの別の実施例が図6に示されている。交通信号コントローラ30’は、この交通信号コントローラが優先使用装置を含んでいないことを除いて、図2に示されている交通信号コントローラ30に類似している。この交通信号コントローラは、交差点コントローラ32’の優先使用入力に直接接続された長距離優先使用モジュール36’を含んでいる。長距離優先使用モジュールと交差点コントローラは、前述のように実装可能であるが、優先使用装置を収容する必要はない。図6に示されている実施例を使用することにより、直接的に優先使用できない交差点に対して優先使用能力を提供可能である。このような構成においては、主要な交差点は、直接的な優先使用能力を含むことが可能であり、介在する交差点は、主要な交差点から転送される優先使用の結果として優先使用可能である。
【0040】
本発明による交通信号コントローラの更なる実施例が図7に示されている。交通信号コントローラ30”は、長距離優先使用モジュールがネットワークインターフェイス120を介して有線ネットワークに接続されていることを除いて、図1に示されている交通信号コントローラ30’と類似している。一実施例においては、有線ネットワークは、Ethernet(登録商標) LANとして実装可能であろう。その他の実施例においては、その他のネットワークプロトコルを利用可能である。有線ネットワークを使用すれば、アドレス指定されたメッセージルーティングを使用して交差点間においてメッセージを転送可能であり、且つ、隣接する交差点からの同一の優先使用要求を含む多数のメッセージを単一の交差点が受信することを回避可能であるため、ネットワークの実装を単純化可能である。
【0041】
図2に示されている交通信号コントローラ30などの本発明による交通信号コントローラのその他の実装を有線ネットワークに接続することも可能である。又、有線ネットワークへの接続は、交差点コントローラに対して直接的に行うことも可能である。交差点コントローラが有線ネットワークに直接接続されている場合には、交差点コントローラのソフトウェアを前述のプロセスに従って変更することにより、必要な優先使用要求の転送及び受信を実装すると共に、転送された優先使用要求と直接受信した優先使用要求間の矛盾を解決可能である。
【0042】
交差点コントローラのソフトウェアを変更して前述のプロセスを実装する交通信号コントローラの本発明による一実施例が図8に示されている。交通信号コントローラ30'''は、前述の転送された優先使用処理プロセスを実装するべくプログラムされた交差点コントローラ122を含んでいる。交差点コントローラは、優先使用装置34'''に接続されており、交差点コントローラは、転送された優先使用及び直接的な優先使用要求間の矛盾を解決するべく、本発明に従ってプログラムされている。交差点コントローラは、トランシーバ42'''に直接接続されており、このトランシーバは、図3に関連して前述したトランシーバ42に類似している。交差点コントローラは、トランシーバを使用して優先使用要求を転送及び受信可能である。
【0043】
転送された優先使用要求を処理すると共に、有線ネットワークを介して離れた交差点に接続された矛盾する要求を解決するべくプログラムされた交差点コントローラを含む交通信号コントローラの一実施例が図9に示されている。交通信号コントローラ30''''は、優先使用装置34''''及びネットワークインターフェイス120’に接続された交差点コントローラ122’を含んでいる。交差点コントローラは、図8に示されている交差点コントローラ120に類似しているが、交差点コントローラは、ネットワークインターフェイスを介して離れた交差点と通信し、このネットワークインターフェイスは、図7の参照符号120によって示されているネットワークインターフェイスに類似している。優先使用要求は、ネットワークインターフェイスを介して転送及び受信可能である。
【0044】
以上の実施例は、代表的なものとして開示したものであり、本発明の範囲を逸脱することなしに、開示したシステムに対して、更なる変形、置換、及び変更を加えることが可能であることを理解されたい。前述のプロセス及び本発明の範囲に属するこれらのプロセスの変形を実装すべく、例えば、任意の数の車両推定法を使用可能であり、任意の数の異なる装置を使用可能である。又、交差点間において情報を通信する様々な異なる方法を使用して優先使用要求を転送可能である。更には、本発明の構造及びプロセスによる交通信号コントローラは、多数の転送された優先使用要求から結果的に生じる矛盾を含む2つを上回る数の優先使用要求間の矛盾を解決可能である。従って、本発明の範囲は、例示した実施例によってではなく、添付の請求項及びその等価物によって決定されるべきものである。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の一実施例による優先使用システムの概略図である。
【図2】従来の優先使用システム及び長距離優先使用モジュールを含む本発明による交通信号コントローラの概略回路図である。
【図3】離れた交差点の長距離優先使用を実現する本発明の実施例によるプロセスを示すフローチャートである。
【図4】ローカルな優先使用要求と長距離優先使用要求間の矛盾の解決を示すフローチャートである。
【図5】本発明の一実施例による交通制御システムが交通の流れに対して具備可能な影響を示す概略図である。
【図6】交差点コントローラと長距離優先使用モジュールを含む本発明による交通信号コントローラの一実施例の概略回路図である。
【図7】交差点コントローラと有線ネットワークに接続された長距離優先使用モジュールを含む本発明による交通信号コントローラの一実施例の概略回路図である。
【図8】本発明に従ってプログラムされ、且つ、優先使用装置及びトランシーバに接続された交差点コントローラを含む本発明による交通信号コントローラの一実施例の概略回路図である。
【図9】本発明に従ってプログラムされ、且つ、優先使用装置及び有線ネットワークに接続された交差点コントローラを含む本発明による交通信号コントローラの一実施例の概略回路図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
転送された優先使用要求をネットワークから受信するべく構成されたマイクロコントローラを有し、
前記マイクロコントローラは、既定の基準セットに照らして、優先使用要求内に含まれている情報を評価するべく構成されており、
前記マイクロコントローラは、優先使用要求内において転送された前記情報が前記既定の基準セットを満足している場合に、一連の交通信号を優先使用するべく構成されている交通信号コントローラ。
【請求項2】
請求項1記載の交通信号コントローラにおいて、
優先使用入力を具備する交差点コントローラと、
前記交差点コントローラの優先使用入力に接続され、且つ、前記マイクロコントローラとトランシーバを含む長距離優先使用モジュールと、
前記長距離優先使用モジュールに接続された優先使用装置と、
を更に有し、
前記ネットワークは、無線ネットワークである、交通信号コントローラ。
【請求項3】
請求項1記載の交通信号コントローラにおいて、
優先使用入力を具備する交差点コントローラと、
前記交差点コントローラの優先使用入力に接続され、且つ、前記マイクロコントローラとネットワークインターフェイスを含む長距離優先使用モジュールと、
前記長距離優先使用モジュールに接続された優先使用装置と、
を更に有し、
前記ネットワークは、有線ネットワークである、交通信号コントローラ。
【請求項4】
請求項1記載の交通信号コントローラにおいて、
前記マイクロコントローラを含み、且つ、優先使用入力を具備する交差点コントローラと、
前記優先使用入力を介して前記交差点コントローラに接続された優先使用装置と、
前記交差点コントローラに接続されたトランシーバと、
を更に有し、
前記ネットワークは、無線ネットワークである、交通信号コントローラ。
【請求項5】
請求項1記載の交通信号コントローラにおいて、
前記マイクロコントローラを含み、且つ、優先使用入力を具備する交差点コントローラと、
前記優先使用入力を介して前記交差点コントローラに接続された優先使用装置と、
前記交差点コントローラに接続されたネットワークインターフェイスと、
を更に有し、
前記ネットワークは、有線ネットワークである、交通信号コントローラ。
【請求項6】
請求項1記載の交通信号コントローラにおいて、
前記優先使用要求は、交差点コントローラを含む交通信号コントローラから転送され、
前記交通信号コントローラは、優先使用された交差点に配置されており、
前記転送された優先使用要求は、
前記優先使用された交差点の地理的な場所と、
前記優先使用された交差点の前記交差点コントローラの前記優先使用入力の状態と、
に関する情報を含む、交通信号コントローラ。
【請求項7】
請求項1記載の交通信号コントローラにおいて、
前記転送された優先使用要求は、優先使用車両に応答して生成されたものであり、
前記マイクロプロセッサは、速度ウィンドウを使用して前記優先使用車両の到着予想時間を生成することにより、前記情報を評価するべく構成されている、交通信号コントローラ。
【請求項8】
請求項7記載の交通信号コントローラにおいて、
前記マイクロプロセッサは、現在の交通状態に基づいて前記速度ウィンドウを判定することにより、前記情報を評価するべく構成されている、交通信号コントローラ。
【請求項9】
請求項1記載の交通信号コントローラにおいて、
前記マイクロプロセッサは、車両から前記交通信号コントローラに対して直接行われた優先使用要求と転送された優先使用要求を解決するべく構成されている、交通信号コントローラ。
【請求項10】
請求項9記載の交通信号コントローラにおいて、
前記車両からの前記優先使用要求と前記転送された優先使用要求は、優先順位情報を含んでおり、
前記マイクロプロセッサは、最高の優先順位を有する優先使用要求と合致した方式で一連の交通信号を優先使用するべく構成されている、交通信号コントローラ。
【請求項11】
転送された優先使用要求を受信する手段と、
転送された優先使用要求の適切性を評価する手段と、
適切な転送された優先使用要求に応答して交通信号を優先使用する手段と、
を有する交通信号コントローラ。
【請求項12】
請求項11記載の交通信号コントローラにおいて、
直接的な優先使用要求を受信する手段と、
直接的な優先使用要求と転送された優先使用要求間の矛盾を解決する手段と、
を更に有する請求項11記載の交通信号コントローラ。
【請求項13】
複数の交通信号コントローラを有し、
少なくとも1つの交通信号コントローラは、優先使用要求を優先使用装置に通信する能力を有するハードウェアを具備した車両が優先使用可能な前記優先使用装置を含み、
前記交通信号コントローラは、転送された優先使用要求をネットワークを介して送信するべく構成されており、
前記交通信号コントローラの少なくとも1つは、前記ネットワークを介して前記転送された優先使用要求を受信するべく構成されている交通信号制御システム。
【請求項14】
請求項13記載の交通信号制御システムにおいて、前記ネットワークは無線である、交通信号制御システム。
【請求項15】
請求項13記載の交通信号制御システムにおいて、前記ネットワークは有線である、交通信号制御システム。
【請求項16】
交差点を優先使用する方法において、
別の交差点から転送された優先使用要求を受信する段階と、
前記転送された優先使用要求が、少なくとも1つの事前に定義されている基準を満足しているかどうかを判定する段階と、
前記転送された優先使用要求が、現時点において、前記交差点によって実行されている優先使用要求と矛盾しているかどうかを判定する段階と、
前記優先使用要求が前記事前に定義されている基準を満足し、且つ、その他の優先使用要求と矛盾していない場合に、前記交差点を優先使用し、前記優先使用要求を隣接する交差点に転送する段階と、
を有する方法。
【請求項17】
請求項16に記載の方法において、
前記優先使用要求は、前記優先使用要求の供給源である前記交差点の地理的な場所と前記優先使用された交差点が優先使用された方式に関する情報を含む、交差点を優先使用する方法。
【請求項18】
請求項16記載の方法において、
前記転送された優先使用要求は、最初に開始された交差点において最初に生成されたものであり、
前記転送された優先使用要求が、少なくとも1つの事前に定義されている基準を満足しているかどうかを判定する段階は、前記最初に開始された交差点が前記交差点から既定の距離内にあるかどうかを判定する段階を有する、交差点を優先使用する方法。
【請求項19】
請求項16記載の方法において、
車両が、前記優先使用要求を転送した最初に開始された交差点を優先使用しており、
前記転送された優先使用要求が、少なくとも1つの事前に定義されている基準を満足しているかどうかを判定する段階は、前記車両が、十分な確率を有して前記交差点に到着することになるかどうかを判定する段階を有する、交差点を優先使用する方法。
【請求項20】
請求項16記載の方法において、
車両が、前記優先使用要求を転送した最初に開始された交差点を優先使用しており、
前記転送された優先使用要求が、少なくとも1つの事前に定義されている基準を満足しているかどうかを判定する段階は、前記車両が、既定の時間内に前記交差点に到着することになるかどうかを判定する段階を有する、交差点を優先使用する方法。
【請求項21】
請求項16記載の方法において、
前記転送された優先使用要求には優先順位が割り当てられており、
その他の優先使用要求にも優先順位が割り当てられており、
前記転送された優先使用要求が、現時点において、前記交差点によって実行されている優先使用要求と矛盾しているかどうかを判定する段階は、前記転送された優先使用要求が、その他のすべての優先使用要求よりも高い優先順位を有しているかどうかを判定する段階を有する、交差点を優先使用する方法。
【請求項22】
請求項21に記載の方法において、
前記その他の優先使用要求は、車両から前記交差点に対して直接的に行われた少なくとも1つの優先使用要求を含むことができる、交差点を優先使用する方法。
【請求項23】
請求項21に記載の方法において、
前記その他の優先使用要求は、別の交差点から前記交差点に転送された少なくとも1つのその他の優先使用要求を含むことができる、交差点を優先使用する方法。
【請求項24】
請求項16記載の方法において、
前記交差点を優先使用する段階は、前記優先使用要求に従って交通及び歩行者信号の両方を確立する段階を有する、交差点を優先使用する方法。
【請求項25】
請求項16記載の方法において、
前記優先使用要求を隣接する交差点に転送する段階は、前記優先使用要求を無線ネットワーク上においてブロードキャストする段階を伴っている、交差点を優先使用する方法。
【請求項26】
請求項16記載の方法において、
前記優先使用要求を隣接する交差点に転送する段階は、前記優先使用要求を隣接する交差点に有線ネットワークを介して送信する段階を伴っている、交差点を優先使用する方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2007−506161(P2007−506161A)
【公表日】平成19年3月15日(2007.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−526425(P2006−526425)
【出願日】平成16年9月15日(2004.9.15)
【国際出願番号】PCT/US2004/030175
【国際公開番号】WO2005/029437
【国際公開日】平成17年3月31日(2005.3.31)
【出願人】(502363412)カリフォルニア インスティテュート オブ テクノロジー (3)
【Fターム(参考)】