説明

線材の被覆材剥離・接続作業補助兼用器具

【課題】この発明は、被覆材で被覆された線材が複数集束されていると共に先端側が分岐した集束体について、線材ごとに先端部分の被覆材を剥離してこの先端部分を中間配線盤の端子ピンに接続するにあたり、器具の持ち替えが不要な構成とすると共に、作業完了後に被覆材の剥離カスを撤去するための収集も不要とする。
【解決手段】この発明に係る線材の被覆材剥離・接続作業補助兼用器具17は、内部空間部19を有する筐体18に、内部空間部19内に線材11の分岐部分を挿入可能な通孔20を形成し、線材11を通孔20から内部空間部19内に、剥離範囲規定部材27に突当するまで挿入して、被覆材剥離機構21の刃状部材22、22が線材11に適宜に差し込まれることにより、線材11を保持すると共に、線材11を引き抜く際には刃状部材22が差し込まれた部位から剥離範囲規定部材27までの範囲の被覆材12が剥離されて剥離カス12aとして内部空間部19内に残り、先端側では芯材13が露出した状態にて筐体17外に出てくるようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、複数本の束で形成されていると共に先端側が相互に分かれた線材群において各線材の先端部分の被覆材を剥離し、この先端部分を中間配線盤の端子に接続する際に当該接続作業を補助するための器具の構造に関する。
【背景技術】
【0002】
電話回線等を構成するために主配線盤と室内端子盤との中間に設けられる中間配線盤においては、例えば本願出願人が出願した特許文献1に示されるように、この中間配線盤が有する端子板の種類としてラッピング端子板が使用される場合がある。この場合には、端子ピンに対してジャンパ線を複数回巻き付けることにより端子ピンにジャンパ線をラッピングすることが行われる。
【0003】
そして、ジャンパ線の端子ピンに巻き付けようとする部位から絶縁被覆材を剥離、除去するために、上記特許文献1に示される線材剥離具や特許文献2に示される電線皮むき器を用いることは既に公知である。
【0004】
このうち、特許文献1に示される線材剥離具は、線材の絶縁被覆材の剥離手段と、線材から絶縁被覆材を剥離する位置を規制する剥離位置規制手段と、この剥離手段と剥離位置規制手段との間に設けられた被覆材の剥離で生じたカスの収納室とによりステープラ状に構成されたもので、剥離手段は、底板と、天板と、この底板の長手方向の一端側に設けられて天板を回動自在に軸支した支軸とを有して基本的に構成されると共に、底板の上面側に固定された固定刃と、天板の下面側に底板の固定刃と対峙するように固定された押圧刃とを有し、これらの固定刃と押圧刃との協働により絶縁被覆材が切断されて線材から分離されるものとなっている。
【0005】
また、特許文献2に示される電線皮むき器は、略直方体状の2つの胴部と、この胴部の長手方向の一方の端部において胴部を相互に回動可能に且つ閉じた際に一方の胴部の面と他方の胴部の面とが対向するように両胴部を結合した2つの結合部と、これらの胴部の長手方向のうち結合部側とは反対側の端部において胴部が閉じた際に対向する放熱部と、電線を胴部間に固定するための押金物とを有して構成されたもので、電線の所定の部位を両胴部の放熱部を有する側で挟持して、押金物で電線をその状態のまま固定し、スイッチを入れることにより放熱部が放熱して電線のうち放熱部近傍部位を融解させることにより、電線から被覆材を除去することができるものとなっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−178201号公報
【特許文献2】実公平7−13193号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
もっとも、特許文献1でも示されるように、中間配線盤の端子板としてラッピング端子板が用いられる場合には、ラッピング端子板は多数の端子ピンがわずかな間隔を空けつつ上下左右に並列的に配置されているもので、これに伴い、ジャンパ線は、複数本を集束する一方で、その先端側が各端子ピンにラッピングできるように分かれた形態をしているのが通常である。
【0008】
このため、特許文献1に示される線材剥離具や特許文献2に示される電線皮むき器では、ジャンパ線に対して1本ずつ被覆材を除去する仕様となっているので、ジャンパ線の被覆材剥離作業とラッピング端子板の端子ピンへのラッピング作業とについてもジャンパ線1本ずつ行う必要が生ずるため、ラッピング接続用工具と線材剥離具若しくは電線皮むき器とを接続するジャンパ線の数に応じて何度も持ち替えなければならず、ジャンパ線をラッピング端子板の端子ピンに接続する作業全体が煩雑化するおそれがある。
【0009】
これに対して、ジャンパ線の先端から被覆材を予め剥離、撤去しておくことが考えられるが、この場合には、先端側について被覆材が剥離され且つ未だラッピングされていないジャンパ線について、接続目的の端子ピン以外の端子ピンに不用意に被覆材を有しない先端側部分を接触させて導通してしまい、ラッピング端子板ひいては中間配線盤に回線疎通障害等の不測の障害を生じさせる可能性がある。
【0010】
尚、少なくとも特許文献2に記載の電線皮むき器では、電線から剥離した被覆材の剥離カスが中間配線盤の周囲となる作業現場に散乱するのに対して何ら対応策を採っておらず、作業完了後にこの被覆材の剥離カスを収集する掃除が必要であるという不具合も有している。
【0011】
そこで、本発明は、導電性を有する芯材の周囲を被覆材で覆って成る線材が複数集束されていると共に先端側が集束された線材の数ごとに分岐した集束体について、線材ごとに先端部分の被覆材を剥離し、この先端部分を中間配線盤の端子に接続するにあたり、器具の持ち替えを不要とした構成とし、このような構成でも作業完了後に被覆材の剥離カスを撤去するために収集することを不要とした線材の被覆材剥離・接続作業補助兼用器具を提供することについて目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
この発明に係る線材の被覆材剥離・接続作業補助兼用器具は、導電性を有する芯材の周囲を被覆材で覆って成る線材が複数集束されていると共に先端側が集束された線材の数ごとに分岐した集束体に用いられるものであって、内部空間部を有する筐体に、前記内部空間部内に前記線材のうち分岐した部分を挿入することが可能な複数の通孔を形成し、この通孔は、外部から前記内部空間部側に進むに従い内径寸法が細くなっていると共に、前記内部空間部内には、前記通孔に対しその軸方向に沿った側に被覆材を剥離するための被覆材剥離機構が収納され、更に、前記通孔の軸方向に沿った側のうち前記被覆材剥離機構よりも前記通孔から離れた側に前記被覆材剥離機構により被覆材を剥離する範囲を規定するための剥離範囲規定部材が収納され、更に、前記通孔から挿入されたジャンパ線は前記空間部内で保持されることを特徴としている(請求項1)。筐体は、透明な素材から形成されることで、通孔から筐体の内部空間部内に挿入された線材を剥離範囲規定部材にその先端が突当するまで挿入されているかについて目視により確認することができるものであっても良い。また、線材は、例えばジャンパ線、より詳述すれば、通信用の中間配線盤のラッピング端子板の端子ピンにラッピング接続するためのジャンパ線等である。更に、筐体の外面には磁石、吸盤、粘着テープ等の一時的接着手段が設けられており、この一時的接着手段により中間配線盤の外面等の取り付け対象物の面に一時的に接着させることができるようになっている。更にまた、剥離範囲規定部材は、前記通孔の軸方向に沿った方向のいずれにも動くことが可能とするのが好適である。
【0013】
このような被覆材剥離・接続作業補助兼用器具の構成によれば、集束体から分岐した全ての線材の先端側を通孔から内部空間部内に挿入してこの内部空間部内で保持して、例えば中間配線盤の外面等に接着しておき、ラッピング接続する線材のみを通孔から引き抜き、その引き抜き時に線材の先端側部分では被覆材剥離機構により被覆材が剥離されているので、そのままラッピング接続装置に装着し、ラッピング接続へと進むことができる。しかも、被覆材剥離・接続作業補助兼用器具の通孔への挿入順序と通孔からの引き抜き順序とについて所定の基準に基づき規則化することにより、この規則に沿って線材の挿入・引き抜き作業を行うことでラッピング接続の際に線材を目的の端子以外の端子に誤接続する事故を減少させることができる。また、線材を剥離範囲規定部材に突当するまで挿入する作業のみで、線材から剥離すべき被覆材の範囲に正確に合致させることができる。
【0014】
そして、この発明に係る線材の被覆材剥離・接続作業補助兼用器具は、前記筐体に前記内部空間部と連通する開口部を開閉する開閉部を設けたことを特徴としている(請求項2)。これにより、被覆材剥離機構により線材から被覆材が剥離されてなる被覆材の剥離カスが筐体の内部空間部内に溜められると共に、この溜まった被覆材の剥離カスを開閉部を開いて開口部から廃棄場所にて廃棄することができる。
【0015】
また、前記被覆材剥離機構は、前記通孔の軸線を基点として対称的に配置されると共に前記通孔の軸方向に沿った方向に各々が揺動する一対の刃状部材から構成されており、両方の刃状部材が相互に接近する方向に弾性機構により付勢されていると共に、両方の刃状部材の先端が相互に最も接近した場合でもその隙間は前記線材の芯材の直径寸法と同じかわずかに大きな寸法に設定されていても良い(請求項3)。弾性機構の付勢力は張度を変えること等によって調整することができる。
【0016】
このような被覆材剥離機構の構成によれば、通孔から剥離範囲規定部材に向けて線材を挿入していくと、この線材に押されて刃状部材が剥離範囲規定部材側に揺動し、線材が剥離範囲規定部材に突当するまで挿入する作業が完了した後には、弾性機構による付勢力で元の位置まで復帰しようとするので、刃状部材の先端が線材の被覆材と芯材との境界部分まで差し込まれることから、線材は筐体の内部空間部内に保持される。そして、線材を挿入孔から引き抜くと、線材は刃状部材が差し込まれた部位から剥離範囲規定部材側までの範囲の被覆材が剥離されて剥離カスとして内部空間部内に残したまま、先端側部分では芯材が露出した状態となって筐体外に出てくる。
【0017】
これに対し、前記被覆材剥離機構は、前記通孔の軸線を基点として対称的に配置されると共に少なくとも一方が前記通孔の軸線に対し遠近する方向に稼動する一対の刃状部材から構成されており、両方の刃状部材の先端が相互に最も接近した際の隙間は前記線材の芯材の直径寸法と同じかわずかに大きな寸法に設定されていても良い(請求項4)。
【0018】
このような被覆材剥離機構の構成によれば、通孔から剥離範囲規定部材に向けて線材を当該剥離範囲規定部材に突当するまで挿入した後、刃状部材のうち少なくとも一方を通孔の軸線に近づく方向に稼動させることにより、双方の刃状部材の先端が線材の被覆材と芯材との境界部分まで差し込まれるので、線材を挿入孔から引き抜くと、線材は刃状部材が差し込まれた部位から剥離範囲規定部材側での範囲の被覆材が剥離されて剥離カスとして内部空間部内に残されたまま、先端側部分では芯材が露出した状態となって筐体外に出てくる。
【0019】
そして、この場合には、前記被覆材剥離機構と前記剥離範囲規定部材との間となる前記内部空間部内にて、前記線材を前記通孔側に引き抜くときに前記線材を保持する線材保持機構が設けられている(請求項5)。これにより、集束体から分岐した全ての線材の先端側を通孔から内部空間部内に挿入してこの内部空間部内で保持することを実行することができる。
【発明の効果】
【0020】
以上のように、この発明によれば、集束体から分岐した全ての線材の先端側を通孔から内部空間部内に挿入してこの内部空間部内で保持して、例えば中間配線盤の外面等に接着しておき、ラッピング接続する線材のみを通孔から引き抜き、その際、その引き抜き時において線材の先端部分からは被覆材剥離機構により被覆材が剥離されているため、そのままラッピング接続装置に装着してラッピング接続へと進むことができることから、ラッピング接続装置と線材の被覆材剥離のための装置とを持ち替える必要性がなくなるので、線材のラッピング接続作業全体の簡便化、迅速化を図ることが可能となる。
【0021】
また、この発明によれば、被覆材剥離・接続作業補助兼用器具の通孔への挿入順序と通孔からの引き抜き順序とについて所定の基準に基づいて規則化することにより、この規則に沿って線材の挿入・引き抜き作業を行うことで、ラッピング接続の際に線材を目的の端子以外の端子に誤接続する事故を減少させることもできるので、線材のラッピング接続作業を補助することが可能となる。
【0022】
更に、この発明によれば、線材を剥離範囲規定部材に突当するまで挿入する作業のみで、線材から剥離すべき被覆材の範囲に正確に合致させることが可能であるので、線材から被覆材の剥離のための作業も簡便化、迅速化を図ることが可能となる。しかも、剥離範囲規定部材を筐体の内部空間内に装着された状態における線材の軸方向に沿って移動可能とすることにより、剥離範囲規定部材の移動量により被覆材の剥離範囲を最適なものに規定することが可能となる。
【0023】
特に請求項2に記載の発明によれば、被覆材剥離機構により線材から被覆材が剥離されてなる被覆材の剥離カスが筐体の内部空間部内に溜められると共に、この溜まった被覆材の剥離カスを、開閉部を開いて開口部から廃棄場所に廃棄することができるので、線材からの被覆材の剥離カスが線材の接続作業現場に散乱することが防止されて、線材の接続作業後に被覆材の剥離カスを収拾する清掃を行う必要性がなくなる。
【0024】
特に請求項3に記載の発明によれば、被覆材剥離機構について、通孔から剥離範囲規定部材に向けて線材を挿入することで、線材に押されて刃状部材が剥離範囲規定部材側に揺動し、線材が剥離範囲規定部材に突当するまで挿入する作業が完了した後に、弾性機構による付勢力で元の位置まで復帰しようとするので、刃状部材の先端が線材の被覆材と芯材との境界部分まで差し込まれるため、線材が筐体の内部空間部内に保持されると共に、線材を挿入孔から引き抜くと、線材は刃状部材が差し込まれた部位から剥離範囲規定部材側までの範囲の被覆材が剥離されて剥離カスとして内部空間部内に残り、先端側では芯材が露出した状態となって筐体外に出てくるので、被覆材剥離機構に対し、線材の筐体の内部空間部内への保持機能と線材からの被覆材の剥離機能との双方の機能を持たせることができる。
【0025】
特に請求項4に記載の発明によれば、被覆材剥離機構について、通孔から剥離範囲規定部材に向けて線材を当該剥離範囲規定部材に突当するまで挿入した後に、刃状部材のうち少なくとも一方を通孔の軸線に近づく方向に稼動させることにより、双方の刃状部材の先端が線材の被覆材と芯材との境界部分まで差し込まれるので、材を挿入孔から引き抜くと、線材は刃状部材が差し込まれた部位から剥離範囲規定部材側での範囲の被覆材が剥離されて剥離カスとして内部空間部内に残し、先端側では芯材が露出した状態となって筐体外に出てくるので、線材からの被覆材の剥離機能を十分に確保することができる。
【0026】
特に請求項5に記載の発明によれば、線材保持機構について、集束体から分岐した全ての線材の先端側を通孔から内部空間部内に挿入してこの内部空間部内で保持することができ、線材の筐体の内部空間部内への保持機能を十分に確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】図1は、通信用中間配線盤の概略を説明するための説明図である。
【図2】図2は、この発明に係る線材の被覆材剥離・接続作業補助兼用器具の全体構成を示すための説明図である。
【図3】図3は、図2に示される線材の被覆材剥離・接続作業補助兼用器具のI−I線断面図である。
【図4】図4は、同上の線材の被覆材剥離・接続作業補助兼用器具を構成する剥離範囲規定部材の構成を示すための説明図である。
【図5】図5は、同上の線材の被覆材剥離・接続作業補助兼用器具により線材から被覆材を剥離・除去する工程を示した説明図であり、図5(a)は線材が線材の剥離・接続補助兼用器具内に差し込まれる前の段階を示す説明図、図5(b)は線材を線材の剥離・接続補助兼用器具内に差し込む段階を示す説明図、図5(c)は線材を線材の剥離・接続補助兼用器具内から引き抜く段階を示す説明図である。
【図6】図6は、図5に示される被覆材剥離機構とは異なる構造の被覆材剥離機構を有する線材の被覆材剥離・接続作業補助兼用器具により線材から被覆材を剥離・除去する工程を示した説明図であり、図6(a)は線材を線材の剥離・接続補助兼用器具内に差し込む段階を示す説明図、図6(b)は線材を線材の剥離・接続補助兼用器具内から引き抜く段階を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、この発明の実施形態の一例を図面に基づいて説明する。
【0029】
図1において、中間配線盤1の概略構成が示されている。この中間配線盤1は、例えば通信線路の集線盤であって、図示しない電話局、集合住宅、オフィス等に設置される主配線盤と電話局内の通信装置2、通信装置3等や各戸のモジュラージャック等の端末装置4との間を中継するものである。中間配線盤1は、この実施例では表側にラッピング端子板5が設けられていると共に裏側に特に限定されない端子板6が設けられているもので、ラッピング端子板5には多数の端子ピン7がわずかな間隔を空けつつ上下左右に並列的に配置されていると共に、端子板6にも端子8が上下左右に並列的に配置されている。
【0030】
そして、中間配線盤1のラッピング端子板5の各端子ピン7は、一方側が主配線盤と集束体10のジャンパ線11とラッピング接続により電気的に接続されるものとなっている。この集束体10は、ジャンパ線11が複数本(この実施例では6本)集束されていると共にその先端側が最終的には各ジャンパ線11の数に応じて分岐しているもので、各ジャンパ線11は、図2に示されるように金属等の導電性を有する芯材12の全周を樹脂等の不導体からなる被覆材13で被覆した構成となっている。集束体10は、ジャンパ線11同士を編み込むように集束したものや、筒状部材内に全てのジャンパ線11を挿通させることで集束したものが挙げられる。尚、中間配線盤1の端子板6でも、端子8と通信装置2、3や端末装置4の端子14とが線材15を介して電気的に接続されたものとなっている。
【実施例1】
【0031】
図2から図5において、この発明に係る線材の剥離・接続補助兼用器具17の実施例1が示されている。
【0032】
この線材の剥離・接続補助兼用器具17は、図2及び図3に示されるように、内部空間部19を有する筐体18から主に構成されているもので、この筐体18は例えば透明素材によって形成されて、後述する被覆材剥離機構21や剥離範囲規定部材27を筐体18の外部からでも認識することができるものとなっている。
【0033】
また、筐体18は、図2に示されるように、集束体10の分岐したジャンパ線11の数と同じかそれ以上の数(この実施例では6つ)の通孔20が設けられている。これらの通孔20は、ジャンパ線11を内部空間部19内に挿入するためのもので、一方側が筐体18の外面に開口していると共に他方側が内部空間部19と連通しており、特に図3に示されるように、筐体18の外面との開口側端で最も内径寸法が大きく、内部空間部19と連通する側で最も内径寸法となるように、筐体18の外面側から内部空間部19側に進むに従い内径寸法が細くなっている。もっとも、内部空間部19と連通する側の内径寸法でも、ジャンパ線11の外径寸法よりは若干大きくなっている。このような通孔20の形状とすることにより、ジャンパ線11の通孔20から内部空間部19への挿入作業が容易となっている。尚、通孔20は、この実施例では図3に示されるように筐体18の外壁部を内部空間部19内に曲折することで形成されているが、必ずしもこれに限定されず、筐体18の外壁部を厚くし、この外壁部に通孔20が穿たれることで形成される等としても良い。
【0034】
更に、筐体18は、図示しないが磁石や粘着テープ等の接着手段を有しており、この接着手段を利用して中間配線盤1等に一時的に接着することが可能である。そして、筐体18は、図2に示されるように、環状部16を有しており、例えば接着手段で接着することができない場合には、この環状部16にヒモ等を通して中間配線盤1等にぶら下げることもできる。更にまた、筐体18は、図2に示されるように、例えば側壁に開口部33を有すると共にこの開口部33を開閉する開閉部34を有している。この開口部33の位置は、後述する被覆材剥離機構21よりも環状部16側に位置することが好適である。
【0035】
そして、筐体18の内部空間部19内のうち通孔20の軸方向(ジャンパ線11の挿入方向)に被覆材剥離機構21が収納されている。この被覆材剥離機構21は、図3及び図5に示されるように、通孔20の軸方向に揺動する刃状部材22と、この刃状部材22に対し通孔20側に付勢する付勢力を与える弾性機構23と、この弾性機構23による付勢力での通孔20側への揺動範囲を規制するストッパ24とを有して構成されている。
【0036】
刃状部材22、22は、通孔20の軸方向に延びる線を基準線とした場合にこの基準線に対し対称となる位置に配置されている。そして、刃状部材22、22は、筐体18のうちジャンパ線11の軸方向に沿って延びる壁間に両端が装着される等して内部空間部19内に渡らせた回転軸25が基部に挿通することにより揺動自在となっていると共に先端側に進むに従い暫時細くなって先端がジャンパ線11の径方向に沿って延びる鋭利な刃となっている。
【0037】
ストッパ24は、この実施例では筐体18と一体形成されたもので、筐体18の内面から通孔20側とは反対側に向けて斜めに延びており、通孔20側と反対側の面に刃状部材22が当接することができる。
【0038】
弾性機構23は、例えば螺旋状のコイルバネが用いられ、一方の端部が筐体18のうち刃状部材22が取り付けられた壁と交差する壁に固定され、他方端が刃状部材22に固定されることにより、刃状部材22を常時、通孔20側に押圧するように付勢していると共に、その付勢力の大きさは、通常時においては、刃状部材22がストッパ24に当接した状態となると共にジャンパ線11を挿入する際の押す力で刃状部材22がストッパ24から離れるように設定されている。そして、この刃状部材22への付勢力の大きさは、図示しない張緩装置を介して弾性機構23の張度を変更することにより調整することができる。双方の刃状部材22がストッパ24に当接した場合には、図5(a)に示されるように刃状部材22の先端の間には隙間が開いていると共にこの刃状部材22の先端間の隙間の寸法L1は、ジャンパ線11の芯材12の外径寸法と同じか若干大きくなっている。
【0039】
これにより、図5(b)の矢印方向に示されるように、通孔20の軸方向に沿った線を基準線とした場合にこの基準線から離れる方向(図5(b)の図上、時計回りの方向)に揺動した後、ジャンパ線11が剥離範囲規定部材27の突当板27bに突当してジャンパ線11の挿入が完了したら、図5(c)の矢印方向に示されるように、弾性機構23の付勢力で元の位置まで戻ろうとして、その先端がジャンパ線11に差し込まれる。更に、ジャンパ線11を通孔20から筐体18の外部に引き抜くと、ジャンパ線11は刃状部材22、22が差し込まれた部位から剥離範囲規定部材27側までの範囲の被覆材12が剥離されて剥離カス12aとして内部空間部19内に残したまま、先端側部分では芯材13が露出した状態となって挿入孔20から筐体18の外に出てくる。
【0040】
筐体18の内部空間部19内には、通孔20の軸方向のうち被覆材剥離機構21よりも通孔20から離れた位置にて、剥離範囲規定部材27が収納されている。この剥離範囲規定部材27は、図3、図4及び図5に示されるように、通孔20の軸方向に沿って延びる台座27aとこの台座27aに対して直角方向に延びる突当板27bとで略L字状に形成されており、突当板27bは、通孔20から挿入されてきたジャンパ線11の先端が突当可能となるように台座27aから内部空間部19内に突出している。
【0041】
剥離範囲規定部材27は、通孔20の軸方向に沿って内部空間部19内を移動可能なもので、この剥離範囲規定部材27を移動させるための機構の一例が主に図2と図4とに示されている。すなわち、剥離範囲規定部材27の台座27aのうち筐体18と対峙する面には複数の凹凸が形成されたラック部28が通孔20の軸方向に沿って複数(この実施例では2本)形成されていると共に、筐体18の台座27aと対峙する面に、台座27aのラック部28と対応する位置にて、ギア部28と噛み合うことができる凹凸が形成されたラック部29が形成されている。そして、立板27bのうち通孔20側とは反対側の面には、通孔20の軸方向に沿って当該通孔20とは反対方向に延びる操作部材30が形成されており、この操作部材30は、図2に示されるように開口部31から筐体18の外部に突出していると共に開口部31の内周面と操作部材30との間にはゴム等の弾性部材32が介在されることにより、操作部材30が弾性部材32で保持されて、不用意な動作では通孔20の軸方向に押し引きされないようになっている。
【0042】
これにより、操作部材30を持って通孔20の軸方向に沿ってこの通孔20側に向けて押したり、通孔20側から離れるように引いたりすることにより、剥離範囲規定部材27の台座27aのラック部28の凹凸が筐体18のラック部29の凹凸と噛み合いつつ通孔20の軸方向に沿って動き、且つ台座27aが停止した位置を維持することができる。このため、通孔20から挿入されたジャンパ線11が剥離範囲規定部材27の突当板27bに突当するまでの寸法も可変することいができるので、被覆材剥離機構21の刃状部材22の先端から突当板27bまでの寸法、すなわち、被覆材12をジャンパ線11から剥離する範囲を容易に且つ正確に、しかも細かく規定することが可能である。
【0043】
線材の剥離・接続補助兼用器具17を用いてのジャンパ線11の保持とジャンパ線11からの被覆材12の剥離とについて説明する。
【0044】
まず、操作部材30を操作して剥離範囲規定部材27の位置を決定した後、ジャンパ線11を筐体18の通孔20から内部空間部19内に、剥離範囲規定部材27の突当板27bに突当するまで挿入すると、被覆材剥離機構21の刃状部材22は、図5(b)の矢印方向に示されるように、ジャンパ線11に対して開く方向に揺動してジャンパ線11の挿入の妨げとならない一方で、ジャンパ線11が剥離範囲規定部材27の突当板27bに突当してジャンパ線11の挿入が完了したら、図5(c)の矢印方向に示されるように、双方の刃状部材22の先端がジャンパ線11に差し込まれ且つ挟まれる。このため、ジャンパ線11は内部空間部19内に保持された状態となるので、同様に他の集束体10から分岐したジャンパ線11の先端部分を各通孔20から筐体18の内部空間部19内に挿入することで、集束体10全体として線材の剥離・接続補助兼用器具17に保持される。従って、線材の剥離・接続補助兼用器具17を中間配線盤1等に対して接着手段で接着し或いは環状部28にヒモ等でぶら下げることにより作業員の両手が空いた状態とすることができる。
【0045】
次に、図示しないラッピング接続装置を片手で持って、空いた手で線材の剥離・接続補助兼用器具17の通孔20からジャンパ線11を引き抜く動作をすると、図5(c)に示されるように、ジャンパ線11は刃状部材22、22が差し込まれた部位から剥離範囲規定部材27側までの範囲の被覆材12が剥離されて剥離カス12aとなり、しかも剥離カス12aは内部空間部19内に残ったまま、先端側部分では芯材13が露出した状態となって挿入孔20から筐体18の外に出てくるので、そのままラッピング接続へと進むことができる。よって、ラッピング接続装置を持ち替える動作を必要としない。しかも、剥離カス12aは、ある程度溜まったら、開閉部34を開いて開口部33から廃棄場所に廃棄することができるので、剥離カス12aがラッピング接続の作業現場に散乱することがなく、剥離カス12aを収集する掃除が不要となり、剥離カス12の廃棄も簡易である。
【実施例2】
【0046】
図6において、この発明に係る線材の剥離・接続補助兼用器具17の実施例2が示されている。この実施例2についてこの図6を用いて以下に説明する。但し、内部空間部19を有する筐体18、この筐体18に形成された通孔20、筐体18の内部空間部19内に収納された剥離範囲規定部材27の構成は先の実施例1と同様であるから図6に実施例1と同一の符号を付してその説明を省略する。
【0047】
この実施例2で示される線材の剥離・接続補助兼用器具17は、実施例1とは異なる構成の被覆材剥離機構21を有している。この被覆材剥離機構21は、筐体18の内部空間部19内のうち通孔20の軸方向(ジャンパ線11の挿入方向)にその主要部分が収納されたもので、通孔20の軸方向に延びる線を基準線とした場合にこの基準線に対し対称となる位置に配置された2つの刃状部材36、37を有し、一方の刃状部材36が筐体18内に固定されていると共に、他方の刃状部材37は刃状部材36に遠近する方向に動くことが可能となっている。
【0048】
刃状部材37を刃状部材36に対し遠近する方向に動かす機構として、押しボタン機構39の一例が図6に示されている。この押しボタン機構39は、押しボタン40と、推移部41と、弾性部材42と、ボックス部44と、ロック装置45と、解除装置46とを有して構成されている。
【0049】
このうち、押しボタン40と推移部41とは一体形成されているもので、押しボタン40の筐体18と対峙する面の中心部位から推移部41が延出する構成となっており、推移部41の先端に刃状部材37を有している。弾性部材42は、例えば螺旋状のコイルバネ等であり、一方側が推移部41の下端に当接し、他方がボックス部44の底面に当接して、推移部41に対して筐体18の外部に向けて押圧する付勢力を有している。ボックス部44は、底面に刃状部材37の挿通する通孔43が形成されていると共にロック装置45を収納している。ロック装置45は、一端がボックス部44の側壁に差し込まれ、他方端が推移部41からその径方向に突出した突部47の上面に当接することが可能であると共にボックス部44に差し込まれた部位を基点として上方からの押圧により図6(a)、(b)の双方で一点鎖線の矢印の方向として示されるように、突部47に遠近する方向に座屈可能なレバー48とで構成されている。そして、レバー48の上記他方端が推移部41の突部47の上方に当接している際には、推移部41が弾性部材42の付勢力に抗してボックス部44の底部に接近した状態を保持することができる。解除装置46は、筐体18の外部からレバー48に向けて差し込まれたピン49で構成されており、このピン49を押すことでピンの49の先端にてレバー48を下方に押し下げることができる。
【0050】
これにより、図6(a)に示されるように、刃状部材36と刃状部材37とが離れた状態にあり、レバー48が推移部41の突部47の下側面に接した状態に対して、この図6(a)の白抜き矢印の方向に押しボタン40を押すと、推移部41の突部47がレバー48を押してこのレバー48を図6(a)の一点鎖線の方向に座屈させると共に、推移部41の先端部が下方に推移して弾性部材42を圧縮させる。そうすると、推移部41の突部47も相対的に下方になるので、レバー48に復元力が働き、図6(b)に示されるように、レバー48の端部が推移部41の突部47の上側面に接した状態となる。このため、弾性部材42の復元力がロック装置45のレバー48による押さえで規制されるので、推移部41がボックス部44の下面に接近した状態が維持、固定され、これに伴い、推移部41の先端に設けられた刃状部材37が貫通孔43を通って刃状部材36側に接近し、刃状部材36、37がジャンパ線11に差し込まれる。また、ピン49を押すと推移部41がボックス部44の下面に接近した状態が解除され、刃状部材37は刃状部材36側から離れる。
【0051】
また、ジャンパ線11を筐体18の内部空間部19内に保持するための保持装置51が押しボタン機構39よりも通孔20から離れた位置に設けられている。この保持装置51は、例えば、通孔20の軸方向に揺動する挟持用部材52、53と、この挟持用部材52、53に対し通孔20側に付勢する付勢力を与える弾性機構54とで構成されている。
【0052】
挟持用部材52、53は、通孔20の軸方向に延びる線を基準線とした場合にこの基準線に対し対称となる位置に配置されている。そして、挟持用部材52、53は、筐体18のうちジャンパ線11の軸方向に沿って延びる壁間に両端が装着される等して内部空間部19内に渡らせた回転軸55が基部に挿通することにより揺動自在となっていると共に先端側が丸みを帯び、又は相対的に柔らかな素材が用いられて、ジャンパ線11を挟んでも傷つかないようになっている。
【0053】
弾性機構54は、例えば螺旋状のコイルバネが用いられ、一方の端部が筐体18のうち挟持用部材52、53が取り付けられた壁と交差する壁に固定され、他方端が挟持用部材52、53に固定されることにより、挟持用部材52、53を常時、通孔20側に押圧するように付勢していると共に、その付勢力の大きさは、ジャンパ線11を挿入する際の押す力で挟持用部材52、53がストッパ24から離れるように設定されている。そして、この挟持用部材52、53への付勢力の大きさは、図示しない張緩装置を介して弾性機構23の張度を変更することにより調整することができる。
【0054】
線材の剥離・接続補助兼用器具17を用いてのジャンパ線11の保持とジャンパ線11からの被覆材12の剥離とについて説明する。
【0055】
まず、操作部材30を操作して剥離範囲規定部材27の位置を決定した後、ジャンパ線11を筐体18の通孔20から内部空間部19内に、剥離範囲規定部材27の突当板27bに突当するまで挿入すると、保持装置51の挟持用部材52、53は、図6(a)の矢印方向に示されるように、ジャンパ線11に対して開く方向に揺動してジャンパ線11の挿入の妨げとならない一方で、ジャンパ線11が剥離範囲規定部材27の突当板27bに突当してジャンパ線11の挿入が完了したら、図6(b)の矢印方向に示されるように復帰するので、挟持用部材52、53でジャンパ線11が挟持される。このため、ジャンパ線11は内部空間部19内に保持された状態となるので、同様に他の集束体10から分岐したジャンパ線11の先端部分を各通孔20から筐体18の内部空間部19内に挿入することで、集束体10全体として線材の剥離・接続補助兼用器具17に保持される。従って、線材の剥離・接続補助兼用器具17を中間配線盤1等に対して接着手段で接着し或いは環状部28にヒモ等でぶら下げることにより作業員の両手が空いた状態とすることができる。
【0056】
次に、図示しないラッピング接続装置を片手で持って、空いた手で線材の剥離・接続補助兼用器具17の通孔20からジャンパ線11を引き抜く動作をすると、図6(b)に示されるように、ジャンパ線11は刃状部材22、22が差し込まれた部位から剥離範囲規定部材27側までの範囲の被覆材12が剥離されて剥離カス12aとなり、しかも剥離カス12aが内部空間部19内に残ったまま、先端側部分では芯材13が露出した状態となって挿入孔20から筐体18の外に出てくるので、そのままラッピング接続へと進むことができる。よって、ラッピング接続装置を持ち替える動作を必要としない。しかも、剥離カス12aは、ある程度溜まったら、開閉部34を開いて開口部33から廃棄場所に廃棄することができるので、剥離カス12aがラッピング接続の作業現場に散乱することがなく、剥離カス12aを収集する掃除が不要となり、剥離カス12の廃棄も簡易である。
【符号の説明】
【0057】
1 中間配線盤
5 ラッピング端子板
6 端子板
7 端子ピン
8 端子
10 集束体
11 ジャンパ線(線材)
12 芯材
13 被覆材
14 端子
15 線材
17 線材の剥離・接続補助兼用器具
18 筐体
19 内部空間部
20 通孔
21 被覆材剥離機構
22 刃状部材
23 弾性機構
24 ストッパ
25 回転軸
27 剥離範囲規定部材
27a 台座
27b 突当板
28 ラック部
29 ラック部
30 操作部材
31 開口部
32 弾性部材
33 開口部
34 開閉部
36 刃状部材
37 刃状部材
39 押しボタン機構
40 押しボタン
41 推移部
42 弾性部材
43 貫通孔
44 ボックス部
45 ロック装置
46 解除装置
47 突部
48 レバー
49 ピン
51 保持装置
52 挟持用部材
53 挟持用部材
54 弾性機構
55 回転軸


【特許請求の範囲】
【請求項1】
導電性を有する芯材の周囲を被覆材で覆って成る線材が複数集束されていると共に先端側が集束された線材の数ごとに分岐した集束体に用いられるものであって、
内部空間部を有する筐体に、前記内部空間部内に前記線材のうち分岐した部分を挿入することが可能な複数の通孔を形成し、この通孔は、外部から前記内部空間部側に進むに従い内径寸法が細くなっていると共に、
前記内部空間部内には、前記通孔に対しその軸方向に沿った側に被覆材を剥離するための被覆材剥離機構が収納され、更に、前記通孔の軸方向に沿った側のうち前記被覆材剥離機構よりも前記通孔から離れた側に前記被覆材剥離機構により被覆材を剥離する範囲を規定するための剥離範囲規定部材が収納され、
更に、前記通孔から挿入されたジャンパ線は前記空間部内で保持されることを特徴とする線材の被覆材剥離・接続作業補助兼用器具。
【請求項2】
前記筐体に前記内部空間部と連通する開口部を開閉する開閉部を設けたことを特徴とする請求項1に記載の線材の被覆材剥離・接続作業補助兼用器具。
【請求項3】
前記被覆材剥離機構は、前記通孔の軸線を基点として対称的に配置されると共に前記通孔の軸方向に沿った方向に各々が揺動する一対の刃状部材から構成されており、両方の刃状部材が相互に接近する方向に弾性機構により付勢されていると共に、両方の刃状部材の先端が相互に最も接近した場合でもその隙間は前記線材の芯材の直径寸法と同じかわずかに大きな寸法に設定されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の線材の被覆材剥離・接続作業補助兼用器具。
【請求項4】
前記被覆材剥離機構は、前記通孔の軸線を基点として対称的に配置されると共に少なくとも一方が前記通孔の軸線に対し遠近する方向に稼動する一対の刃状部材から構成されており、両方の刃状部材の先端が相互に最も接近した際の隙間は前記線材の芯材の直径寸法と同じかわずかに大きな寸法に設定されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の線材の被覆材剥離・接続作業補助兼用器具。
【請求項5】
前記被覆材剥離機構と前記剥離範囲規定部材との間となる前記内部空間部内にて、前記線材を前記通孔側に引き抜くときに前記線材を保持する線材保持機構が設けられていることを特徴とする請求項4に記載の線材の被覆材剥離・接続作業補助兼用器具。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−279179(P2010−279179A)
【公開日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−129414(P2009−129414)
【出願日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【出願人】(000211307)中国電力株式会社 (6,505)
【Fターム(参考)】