説明

線状光源

【課題】基板上に樹脂封止された複数の発光素子を備え、樹脂と基板との間に発生した剥離の伝播を抑制可能な線状光源を得る。
【解決手段】線状光源は、基板31と、基板31上において配列された複数の発光素子40と、複数の発光素子40を覆うように基板31上に設けられ、基板31との間に複数の発光素子40を封止する樹脂50と、を備える。基板31上には、基板31と樹脂50との間の界面Rの一部R1において基板31側から樹脂50側に向かう凸領域31Tが設けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、線状光源に関し、特に、基板上に樹脂封止された複数の発光素子を備える線状光源に関する。
【背景技術】
【0002】
特開平09−148633号公報(特許文献1)には、発光ダイオード整列光源に関する発明が開示される。この発光ダイオード整列光源は、複数個の発光ダイオードチップと、一対の白色系樹脂体と、透明樹脂体とを備える。
【0003】
上記複数個の発光ダイオードチップは、プリント配線基板上において直線状に配置される。上記一対の白色系樹脂体は、上記複数個の発光ダイオードチップの両側に平行に配置される。上記透明樹脂体は、上記一対の白色系樹脂体の間に直線状に配置される。
【0004】
特許文献1の発光ダイオード整列光源においては、発光ダイオードチップから発した光が、白色系樹脂体によって反射される。白色系樹脂体からの反射光は、光源の光軸上に集まる。特許文献1は、この発光ダイオード整列光源によれば、光の利用効率を向上させることによって、高い照度を得ることができると述べている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平09−148633号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1の発光ダイオード整列光源のような線状光源においては、複数の発光素子を封止する樹脂が基板上から剥離することがある。剥離が伝播(拡大)すると、輝度ムラなどが生じる原因となる。
【0007】
本発明は、基板上に樹脂封止された複数の発光素子を備える線状光源であって、樹脂と基板との間に発生した剥離の伝播を抑制可能な線状光源を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に基づく線状光源は、基板と、上記基板上において配列された複数の発光素子と、複数の上記発光素子を覆うように上記基板上に設けられ、上記基板との間に複数の上記発光素子を封止する樹脂と、を備え、上記基板上には、上記基板と上記樹脂との間の界面の一部において上記基板側から上記樹脂側に向かう凸領域が設けられる。
【0009】
好ましくは、上記凸領域は、上記基板の表面が銀めっき処理されることによって形成される。
【0010】
好ましくは、上記凸領域は、複数のうちいずれかまたはすべての上記発光素子と上記基板との間に設けられる。
【0011】
好ましくは、上記凸領域は、隣り合う上記発光素子同士の間に設けられる。好ましくは、上記凸領域の表面は、上記発光素子から出射された光が上記基板側から上記樹脂側に向かって反射されるように湾曲している。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、基板上に樹脂封止された複数の発光素子を備える線状光源であって、樹脂と基板との間に発生した剥離の伝播を抑制可能な線状光源を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】実施の形態1における線状光源を備える液晶表示装置を示す正面図である。
【図2】実施の形態1における線状光源を備える液晶表示装置の分解斜視図である。
【図3】実施の形態1における線状光源を備える液晶表示装置を示す断面図である。
【図4】実施の形態1における線状光源を含む光源モジュールの一部を示す斜視図である。
【図5】実施の形態1における線状光源を有するLEDユニットの分解斜視図である。
【図6】実施の形態1における線状光源を有するLEDユニットの脚部およびその周囲の部材を示す断面図である。
【図7】実施の形態1における線状光源を示す斜視図である。
【図8】実施の形態1における線状光源を示す平面図である。
【図9】図8中のIX−IX線に沿った矢視断面図である。
【図10】図8中のX−X線に沿った矢視断面図である。
【図11】実施の形態1における線状光源に剥離が発生した様子を示す断面図である。
【図12】実施の形態2における線状光源を示す平面図である。
【図13】図12中のXIII−XIII線に沿った矢視断面図である。
【図14】実施の形態3における線状光源を示す断面図である。
【図15】実施の形態3の第1変形例における線状光源を示す平面図である。
【図16】実施の形態3の第2変形例における線状光源を示す斜視図である。
【図17】実施の形態4における線状光源を示す断面図である。
【図18】実施の形態5における線状光源を示す断面図である。
【図19】実施の形態5の変形例における線状光源を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明に基づいた各実施の形態における線状光源と、この線状光源を備えた電子機器とについて説明する。各実施の形態については、この線状光源が適用された液晶表示装置に基づいて説明する。液晶表示装置は、電子機器の一例である。本発明における線状光源は、照明装置、プロジェクタ、またはサイネージなどの他の電子機器にも適用されることができる。
【0015】
各実施の形態の説明において、個数、量などに言及する場合、特に記載がある場合を除き、本発明の範囲は必ずしもその個数、量などに限定されない。各実施の形態の説明において、同一の部品、相当部品に対しては、同一の参照番号を付し、重複する説明は繰り返さない場合がある。特に制限が無い限り、各実施の形態に示す構成を適宜組み合わせて用いることは、当初から予定されていることである。
【0016】
[実施の形態1]
図1から図3を参照して、本実施の形態における線状光源を備える液晶表示装置1について説明する。本実施の形態における線状光源(図7における線状光源24a参照)の詳細については、図7から図11を参照して後述する。
【0017】
(液晶表示装置1)
図1は、液晶表示装置1を示す正面図である。図1に示すように、液晶表示装置1は、土台1A上に設けられる。液晶表示装置1は、画像が表示される画面を有する。詳細は後述されるが、液晶表示装置1の背面の高さ方向の中央部(図1の一点鎖線参照)に、光源モジュール20が設けられる(図3も参照)。光源モジュール20は、液晶表示装置1の一方の側辺部から他方の側辺部にわたって延びるように設けられる。
【0018】
図2は、液晶表示装置1の分解斜視図である。図3は、液晶表示装置1を示す断面図である。図2および図3に示すように、液晶表示装置1は、光を出射する光出射面を有するバックライト10と、バックライト10の光出射面上に配置された拡散シート2と、拡散シート2上に配置されたプリズムシート3と、プリズムシート3上に配置された液晶パネル4と、液晶パネル4に設けられたフレーム5とを備える。
【0019】
液晶パネル4は、板状に形成される。液晶パネル4の一方の主表面4Aには、画像を表示可能な画像表示領域と、画像表示領域の外周に位置する非表示領域とが形成される。フレーム5は、液晶パネル4の非表示領域を覆うと共に、画像表示領域に表示された画像が外部から観察可能なように枠状に形成される。
【0020】
バックライト10は、面発光ユニットあって、液晶パネル4に向けて光を照射する。バックライト10は、光源モジュール20と、光源モジュール20上に配置され、開口部11aが形成されたシャーシ11と、シャーシ11に対して光源モジュール20と反対側に配置された反射シート12と、反射シート12に対してシャーシ11と反対側に配置された導光板13とを含む。
【0021】
(光源モジュール20)
光源モジュール20から導光板13に向けて出射された光は、拡散シート2およびプリズムシート3を通して液晶パネル4に入射する。上述のとおり、光源モジュール20は、液晶表示装置1の背面の高さ方向の中央部に設けられる(図1の一点鎖線参照)。光源モジュール20は、液晶表示装置1の一方の側辺部から他方の側辺部にわたって延びるように設けられる。液晶パネル4に表示された画像は、バックライト10からの光によって、観察者により視認されることができる。
【0022】
図4は、光源モジュール20の一部を示す斜視図である。図3および図4に示すように、光源モジュール20は、液晶表示装置1の幅方向に延びる光源ホルダー21と、光源ホルダー21に設けられた複数のLED(Light Emitting Diode)ユニット25とを備える。複数のLEDユニット25は、直線状に並んだ状態で光源ホルダー21(搭載板26)上に固定される。
【0023】
光源ホルダー21は、搭載板26と、搭載板26の側辺部から立ち上がるように形成された周壁部27と、周壁部27の上端部から張り出す鍔部28とから構成される。搭載板26は、シャーシ11(図3参照)から間隔をあけて配置される。鍔部28は、シャーシ11に固定される。
【0024】
(LEDユニット25)
複数のLEDユニット25の各々は、搭載板26上に固定される板状のヒートシンク22と、ヒートシンク22上において互いに間隔をあけて配置された線状光源24aおよび線状光源24bと、線状光源24aおよび線状光源24bを接続するように配置されたアーチ形状の光結合部材30とを含む。
【0025】
図5は、LEDユニット25の分解斜視図である。図5に示すように、線状光源24aは、基板31と、基板31の主表面上に形成されたダム32とを有する。基板31およびダム32は、液晶表示装置1の幅方向に長尺に形成される。ダム32は、環状に形成される。ダム32内には、複数(たとえば50個)のLED(図示せず)が、ダム32の長さ方向に間隔(たとえば数mm)をあけて配置される。上述のとおり、線状光源24aのさらなる詳細については、図7から図11を参照して後述する。
【0026】
線状光源24bは、線状光源24aと略同様に構成される。線状光源24bは、基板33と、基板33の主表面上に配置されたダム34とを有する。基板33およびダム34も、液晶表示装置1の幅方向に長尺に形成される。ダム34は、環状に形成される。ダム34内には、複数のLED(図示せず)がダム34の長さ方向に間隔をあけて配置される。
【0027】
光結合部材30は、液晶表示装置1の幅方向に長尺に形成される。光結合部材30の長さ方向に垂直な断面において、光結合部材30は二股状に形成される。光結合部材30は、付根部35と、付根部35から二股に分かれる脚部36および脚部37とを含む。
【0028】
付根部35の頂点部35aは平坦状に形成される。頂点部35aは、図3に示すように、シャーシ11に形成された開口部11aと、反射シート12に形成されたスリット12aとからそれぞれ露出する導光板13に接触している。導光板13と光結合部材30とは、互いに別部材である。導光板13と光結合部材30との間に、空気は介在しない。導光板13と光結合部材30とは、接着剤またはレーザ溶着などによって互いに接合される。
【0029】
図5を再び参照して、脚部36および脚部37は、付根部35から離れるにつれて互いの間隔が広がるように形成される。脚部36の底面は、ダム32上に配置される(図6参照)。脚部37の底面は、ダム34上に配置される。
【0030】
図6は、線状光源24aを有するLEDユニット25の脚部36およびその周囲の部材を示す断面図である。図6に示すように、脚部36の底面には、突出部38が形成される。突出部38は、接着剤39によって基板31に固定される。
【0031】
線状光源24aは、環状のダム32の内側に配置された複数のLED40(発光素子)を含む。ダム32および複数のLED40は、突出部38よりも外側に配置される。脚部36の外周面は、湾曲面状に形成される。脚部36の外周面によって、反射面42が形成される。
【0032】
LED40から出射された光は、反射面42によって反射される。反射面42からの反射光は、頂点部35aに達する。頂点部35aに達した光は、図3に示す導光板13に入射する。導光板13に入射した光は、導光板13の内部を全反射しながら進む。導光板13に入射した光は、図示しない光路変換部(光散乱体)に衝突する。光路変換部との衝突によって、導光板13に入射した光の導光板13中を進む角度が変わり、全反射条件が破られる。その後、光は、導光板13の液晶パネル4(図3参照)側の表面から出射する。導光板13から出射した光は、拡散シート2およびプリズムシート3を通して液晶パネル4に向かう。
【0033】
図5を再び参照して、脚部37も、脚部36と同様に構成される。脚部37の外周面は湾曲面状に形成される。脚部37の外周面によって、反射面41が形成される。線状光源24bからの光は、反射面41によって反射される。反射面41で反射された光は、頂点部35aを通って、導光板13内に入射する。導光板13に入射した光は、導光板13の液晶パネル4(図3参照)側の表面から出射する。導光板13から出射した光は、拡散シート2およびプリズムシート3を通して液晶パネル4に向かう。
【0034】
線状光源24a,24bから出射された光は、以上のようにして液晶パネル4まで導光される。液晶パネル4まで導光された光によって、液晶パネル4に表示された画像は、観察者により視認されることが可能となる。
【0035】
(線状光源24a)
以下、図7から図11を参照して、本実施の形態における線状光源24aについて詳細に説明する。上述の線状光源24b(図5参照)も、線状光源24aと同様に構成されるとよい。
【0036】
図7は、線状光源24aを示す斜視図である。図8は、線状光源24aを示す平面図である。図7および図8においては、ダム32、樹脂50、および基板31の一部が破断して図示されるが、これらは実際には所定の長さにわたって連続している(後述する図12,図15,図19においても同様である)。ダム32の長手方向の長さは、たとえば100mmである。図9は、図8中のIX−IX線に沿った矢視断面図である。図10は、図8中のX−X線に沿った矢視断面図である。
【0037】
図7および図8に示すように、線状光源24aは、基板31と、基板31上において線状に並んで配列された複数のLED40(図8参照)と、基板31上において複数のLED40の周りに環状に設けられたダム32と、環状に形成されたダム32の内表面32J(図8参照)側に設けられ、複数のLED40を封止する樹脂50とを備える。複数のLED40は、基板31上において線状に並んで配列される場合に限られず、基板31上においていわゆる千鳥状に配列されていてもよく、基板31上において全体として直線または曲線に沿う形で不規則に配列されていてもよい。詳細は後述されるが、基板31上には凸領域31T(図8参照)が設けられる。
【0038】
ダム32は、反射率が高いたとえば白色の樹脂から形成される。ダム32を構成する樹脂は、たとえばエポキシ系またはシリコーン系である。ダム32は、たとえばダム32の形状に対応した金型を使用するトランスファーモールド法によって形成されることができる。LED40から出射された光は、ダム32によって反射され、光結合部材30(図6参照)側に効率良く取り出される。
【0039】
樹脂50は、LED40から出射される光に対して、ダム32が有する反射率よりも小さい反射率を有する部材から形成される。樹脂50は、たとえば、ポッティング方式で塗布された透明または乳白色のシリコーン樹脂である。樹脂50には、蛍光体が混入される。樹脂50は、ポッティング方式以外にも、トランスファー成型またはインジェクション成型などによっても形成されることができる。樹脂50によって、LED40およびワイヤ40W(図9および図10参照)は、物理的または電気的に保護される。
【0040】
図9に示すように、基板31は、アルミベース31Aと、アルミベース31A上に設けられ、高熱伝導性を有する絶縁樹脂31Pと、絶縁樹脂31P上において所定の形状にパターニングされた配線31Cと、配線31Cを覆うように設けられた絶縁樹脂31Rと、配線31C上に設けられるとともに、絶縁樹脂31Rに形成された開口から露出するように設けられためっき31Gとを含む。
【0041】
凸領域31Tは、めっき31G上に形成される。凸領域31Tは、めっき31Gと一体的に形成される。凸領域31Tは、たとえば銀(Ag)などのめっき処理によって形成される。めっき処理の場合、凸領域31Tは、マスキングなどを使用した電解めっき法などによって、めっき31Gと一体的に形成されることができる。
【0042】
図10に示すように、本実施の形態においては、基板31(めっき31G)上に、略直方体状に形成された複数の凸領域31Tが略等間隔で設けられる。凸領域31Tは、基板31と樹脂50との間の界面Rの一部R1において、基板31側から樹脂50側に向かって凸状に設けられる。凸領域31Tの形成によって、基板31と樹脂50との間の界面Rの一部R1において、樹脂50は、基板31側から樹脂50側に向かって凹んでいる。
【0043】
本実施の形態においては、1つのLED40が、1つの凸領域31T上に、透明シリコーンなどを材料とするダイボンドペースト40Sを挟んで搭載されている。本実施の形態においては、複数のLED40と基板31との間に、凸領域31Tが1つずつ設けられる。凸領域31Tは、複数のうちいずれかのLED40と基板31との間に設けられていてもよい。隣り合うLED40同士は、金(Au)などを材料とするワイヤ40Wによって互いに接続される。本実施の形態における線状光源24aは、以上のように構成される。
【0044】
(作用・効果)
図11を参照して、本実施の形態における線状光源24aの作用および効果について説明する。線状光源24aにおいては、樹脂50が、複数のLED40を覆うように基板31上に設けられる。複数のLED40は、基板31と樹脂50との間に封止される。ここで、基板31と樹脂50との界面Rにおいて、剥離1000が発生することがある。剥離1000は、たとえば基板31の熱膨張率と樹脂50の熱膨張率との違いが原因となって発生する。
【0045】
基板31の熱膨張率と樹脂50の熱膨張率とが異なると、線状光源24aの長手方向において、基板31および樹脂50の熱収縮の度合いが異なる。線状光源24aの使用環境の温度変化、または線状光源24aの製造途中の温度変化によって、たとえば、基板31よりも樹脂50が多く熱収縮したとする。基板31および樹脂50の熱収縮の度合いの差が、ある一定の値よりも大きくなると、樹脂50は基板31から剥がれてしまい、剥離1000が発生する。
【0046】
ここで、本実施の形態における線状光源24aは、基板31上に凸領域31Tが設けられる。凸領域31Tは、基板31と樹脂50との間の界面Rの一部(図10における界面Rの一部R1)において、基板31側から樹脂50に向かって凸状に設けられる。
【0047】
図11に示すように、凸領域31Tの形成によって、剥離1000が発生した界面Rと、凸領域31Tによって形成された界面RR(図10における界面Rの一部R1)とは、同一平面上には位置していない。界面Rに発生した剥離1000は、凸領域31Tを乗り越えてさらに線状光源24aの長手方向に広がることはない。凸領域31Tの高さ方向(図11紙面上下方向)において、剥離1000が凸領域31Tよりも上方に乗り越えるように拡大してはじめて、剥離1000は凸領域31Tを乗り越える。凸領域31Tの高さの分だけ、剥離1000の伝播(拡大)は防止または抑制されることができる。
【0048】
したがって、剥離1000が線状光源24aの長手方向(図11の紙面左右方向)に伝播しようとしたとしても、その伝播は凸領域31Tによって防止または抑制されることができる。本実施の形態における線状光源24aによれば、剥離1000の伝播が防止または抑制されることによって、輝度ムラの発生も抑制されることが可能となる。
【0049】
また、線状光源24aにおいては、複数のLED40が線状(本実施の形態においては直線状)に並んで配列される。隣り合うLED40同士の間隔は、たとえば2mmである。線状光源24aによれば、複数のLED40間に生じる色度差および輝度差を目立たないくすることもできる。線状光源24aの全体として、複数のLED40による均一な発光を得ることが可能となる。
【0050】
[実施の形態2]
図12および図13を参照して、実施の形態2における線状光源24a1について説明する。図12は、線状光源24a1を示す平面図である。図13は、図12中のXIII−XIII線に沿った矢視断面図である。
【0051】
図12および図13に示すように、線状光源24a1においては、凸領域31Tが、いわゆる橋渡し状に設けられる。線状光源24a1における凸領域31Tは、環状に形成されたダム32のうちの対向する内表面32J,32J同士の間を接続するように設けられる。
【0052】
当該構成によれば、基板31と樹脂50との間の界面(図11における界面Rに相当)は、全面にわたって凹凸状に形成される(換言すると、界面Rが凸領域31Tによって分断される)。基板31と樹脂50との間の界面に発生した剥離の伝播は、より確実に防止または抑制されることが可能となる。
【0053】
[実施の形態3]
図14を参照して、実施の形態3における線状光源24a2について説明する。図14は、線状光源24a2を示す断面図である。線状光源24a2においては、凸領域31Tが、複数のうちの隣り合うLED40同士の間に設けられる。上述の実施の形態1,2と同様に、LED40と基板31との間に他の凸領域31T(図10参照)がさらに設けられていてもよい。
【0054】
当該構成によっても、樹脂50と基板31との間の界面Rに発生した剥離1000の伝播は、凸領域31Tによって効果的に防止または抑制されることが可能となる。
【0055】
(第1変形例)
図15は、実施の形態3の第1変形例における線状光源24a3を示す平面図である。図15に示す線状光源24a3のように、凸領域31Tが複数のうちの隣り合うLED40同士の間に設けられる場合であっても、上述の実施の形態2(図12参照)と同様に、凸領域31Tはいわゆる橋渡し状に設けられているとよい。
【0056】
(第2変形例)
図16は、実施の形態3の第2変形例における線状光源24a4を示す斜視図である。図16においては、図示上の便宜のため、樹脂50が図示されていない。
【0057】
図16に示す線状光源24a4のように、凸領域31Tが複数のうちの隣り合うLED40同士の間に設けられる場合、凸領域31Tの表面31TSは、LED40から出射された光が基板31側から樹脂50(図示せず)側に向かって反射されるように傾斜しているとよい。本変形例のように、凸領域31Tが三角柱状に形成される場合、その頂角θは45°であるとよい。
【0058】
当該構成によれば、LED40から出射された光は、凸領域31Tによって反射され、光結合部材30(図6参照)側に効率良く取り出されることが可能となる(図16中に示される矢印参照)。LED40から出射された光の取り出しという観点からは、凸領域31Tの表面31TSは、LED40から出射された光が基板31側から樹脂50(図示せず)側に向かって反射されるように湾曲していてもよい。
【0059】
[実施の形態4]
上述の各実施の形態においては、凸領域31Tが、銀(Ag)などのめっき処理によってめっき31Gと一体的に形成される。マスキングなどを使用した電解めっき法などによって、凸領域31Tはめっき31G上に形成されることができる。
【0060】
図17は、実施の形態4における線状光源24a5を示す断面図である。図17に示すように、線状光源24a5における凸領域31Tは、他のめっき(Agとは異なる金属)として、めっき31Gとは別体的にめっき31G上に形成される。当該構成によっても、上述の実施の形態1と同様の作用および効果を得ることができる。凸領域31Tの形成方法としては、本実施の形態における他のめっきのほかにも、銅(Cu)などから構成される配線31Cに対してエッチング処理を施すことによって凸領域31Tが形成されてもよい。
【0061】
[実施の形態5]
図18は、実施の形態5における線状光源24a6を示す断面図である。線状光源24a6においては、上述の各実施の形態におけるダム32(図9等参照)の代わりに、ダム32Rが用いられる。上述の各実施の形態におけるダム32は、たとえばダム32の形状に対応した金型を使用するトランスファーモールド法によって形成される。
【0062】
線状光源24a6におけるダム32Rは、蛍光体入りのシリコーン樹脂が、ディスペンサを用いて基板31(絶縁樹脂31R)上に環状に塗布(ポッディング)されることによって形成される。当該構成によっても、上述の実施の形態1と同様の作用および効果を得ることができる。
【0063】
本実施の形態におけるダム32Rおよび上述の各実施の形態におけるダム32は、樹脂50が基板31上に形成された後、必要に応じて基板31上から除去されてもよい。ダム32,32Rが基板31上から除去された場合であっても、基板31上に凸領域31Tが形成されていることによって、樹脂50と基板31との間に発生した剥離の伝播は防止または抑制されることができる。
【0064】
(変形例)
図19は、実施の形態5の変形例における線状光源24a7を示す平面図である。上述の各実施の形態における線状光源は、直線状に構成される。樹脂50も、直線状に配列された複数のLED40に沿って、直線状に形成される。本発明における線状光源としては、直線状に限らず、曲線状に湾曲するように構成されていてもよい。すなわち、「線状」は、直線状および曲線状を含む。
【0065】
図19に示す線状光源24a7においては、基板31の表面が平坦に形成される。ダム32および樹脂50が、基板31上において円弧状に湾曲するように形成される。当該構成によっても、上述の各実施の形態と同様に、基板31上に凸領域31Tが形成されていることによって、樹脂50と基板31との間に発生した剥離の伝播は防止または抑制されることができる。
【0066】
以上、本発明に基づいた各実施の形態について説明したが、今回開示された各実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の技術的範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0067】
1 液晶表示装置、1A 土台、2 拡散シート、3 プリズムシート、4 液晶パネル、4A 主表面、5 フレーム、10 バックライト、11 シャーシ、11a 開口部、12 反射シート、12a スリット、13 導光板、20 光源モジュール、21 光源ホルダー、22 ヒートシンク、24a,24a1,24a2,24a3,24a4,24a5,24a6,24a7,24b 線状光源、25 LEDユニット、26 搭載板、27 周壁部、28 鍔部、30 光結合部材、31,33 基板、31A アルミベース、31C 配線、31G めっき、31P,31R 絶縁樹脂、31T 凸領域、31TS 表面、32,32R,34 ダム、32J 内表面、35 付根部、35a 頂点部、36,37 脚部、38 突出部、39 接着剤、40 LED(発光素子)、40S ダイボンドペースト、40W ワイヤ、41,42 反射面、50 樹脂、1000 剥離、R,RR 界面、R1 一部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板上において配列された複数の発光素子と、
複数の前記発光素子を覆うように前記基板上に設けられ、前記基板との間に複数の前記発光素子を封止する樹脂と、を備え、
前記基板上には、前記基板と前記樹脂との間の界面の一部において前記基板側から前記樹脂側に向かう凸領域が設けられる、
線状光源。
【請求項2】
前記凸領域は、前記基板の表面が銀めっき処理されることによって形成される、
請求項1に記載の線状光源。
【請求項3】
前記凸領域は、複数のうちいずれかまたはすべての前記発光素子と前記基板との間に設けられる、
請求項1または2に記載の線状光源。
【請求項4】
前記凸領域は、隣り合う前記発光素子同士の間に設けられる、
請求項1から3のいずれかに記載の線状光源。
【請求項5】
前記凸領域の表面は、前記発光素子から出射された光が前記基板側から前記樹脂側に向かって反射されるように湾曲している、
請求項4に記載の線状光源。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2012−216594(P2012−216594A)
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−79498(P2011−79498)
【出願日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】