説明

線維症の処置


【化1】


で示される化合物の治療上有効量を、所望により、共薬剤と共に、それを必要とする対象に投与することを含む、肝臓関連線維症または狼瘡を処置する方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、肝臓関連線維症および腎臓関連線維症である狼瘡の処置、特に、肝臓関連線維症または狼瘡の処置のための本明細書に記載した式Iの化合物の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
結合組織が正常な実質組織と入れ替わる線維症または線維増殖症は、感染、自己免疫性反応、化学的中毒または機械的破壊(assaults)によって引き起こされる組織もしくは器官損傷に際して不適当な修復から生じる病的過程である。
【0003】
線維症は、主要な器官もしくは組織、例えば、肝臓で生じ得る。狼瘡腎炎は、腎臓関連線維症、すなわち、全身性エリテマトーデス(SLE)により引き起こされる腎臓の炎症である。肝臓関連線維症、例えば、肝線維症および肝硬変は、さまざまな病因により引き起こされる下記の慢性損傷を生じ得る。感染(例えば、B型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルス)、アルコール、自己免疫疾患または遺伝学的異常を含む肝臓におけるさまざまな損傷により、肝細胞は、組織産生を損なうか(線維症)、または正常な肝臓構造における重篤な線維性変化(肝硬変)を生じ得る。肝線維症または肝硬変は、最終的には、肝臓移植の必要を要する、完全な肝不全を生じ得る。
【0004】
肝臓関連線維症は、例えば、感染誘導性肝臓線維症もしくは肝硬変、例えば、C型肝炎後もしくはB型肝炎後肝硬変(肝線維症)、薬剤誘導性肝臓線維症もしくは肝硬変、化学物質誘導性肝臓線維症もしくは肝硬変(例えば、アルコール肝硬変)、自己免疫誘導性肝臓線維症もしくは肝硬変、遺伝性ヘモクロマトーシスを含む。
【0005】
本明細書で使用する障害は、疾患を含む。
【0006】
ラパマイシンは、Streptomyces hygroscopicusにより産生される、既知のマクロライド抗生物質である。本発明による有用な化合物は、式
【化1】

[式中、
R1は、CH3またはC3-6アルキニルであり、
R2は、H、-CH2-CH2-OH、-CH2-CH2-O-CH2-CH3であり、
Xは、=O、(H, H)または(H, OH)である
(ただし、Xが=Oであり、R1がCH3であるとき、R2は、H以外である)]
で示される化合物を含む。
【0007】
式Iの化合物において、示された各々の単一置換基は、定義したあらゆる他の置換基から独立して、好ましい置換基であり得る。
【0008】
式Iの代表的な化合物の例は、例えば、40-O-(2-ヒドロキシ)-エチル-ラパマイシン、32-デオキソラパマイシン、16-ペンタ-2-イニルオキシ-32-デオキソラパマイシン、16-ペンタ-2-イニルオキシ32 (SまたはR)-ジヒドロ-ラパマイシン、16-ペンタ-2-イニルオキシ32 (SまたはR)-ジヒドロ-40-O-(2-ヒドロキシ)-エチル-ラパマイシン、および40-O-(2-エトキシ)-エチル-ラパマイシン、例えば、
40-O-(2-ヒドロキシ)-エチル-ラパマイシン、および/または
32-デオキソラパマイシン、および/または
16-ペンタ-2-イニルオキシ32-デオキソラパマイシン、および/または
16-ペンタ-2-イニルオキシ32 (SまたはR)-ジヒドロ-ラパマイシン、および/または
16-ペンタ-2-イニルオキシ32 (SまたはR)-ジヒドロ-40-O-(2-ヒドロキシ)-エチル-ラパマイシン、および/または
40-O-(2-エトキシ)-エチル-ラパマイシンを含む。
【0009】
好ましくは、式Iの化合物は、40-O-(2-ヒドロキシ)-エチル-ラパマイシン(エベロリムス)である。
【発明の概要】
【0010】
本発明により、驚くべきことに、式Iの化合物が肝臓関連線維症および狼瘡の処置のために有用であり、例えば、式Iの化合物は、例えば、1個またはそれ以上の下記の機構を介して、線維化過程を阻害するか、または減少させることが見出された:
- 上皮間葉移行の阻害、
- 線維化誘導性(profibrotic)増殖因子の発現の減少、
- 細胞外マトリックス産生の減少。
【0011】
特定の発見に基づき、本発明は、いくつかの局面を提供する:
1.1 治療上有効量の式Iの化合物を、それを必要とする対象に投与することを含む、肝臓関連線維症または狼瘡を処置するための方法。
【0012】
本明細書で使用する狼瘡は、狼瘡腎炎および(全身性)エリテマトーデス(SLE)を含み、好ましくは、狼瘡腎炎である。
【0013】
1.2 治療上有効量の式Iの化合物を、それを必要とする対象に投与することを含む、上皮間葉移行を阻害するための方法。
【0014】
1.3 治療上有効量の式Iの化合物を、それを必要とする対象に投与することを含む、線維化誘導性増殖因子の発現を減少させる方法。
【0015】
1.4 治療上有効量の式Iの化合物を、それを必要とする対象に投与することを含む、細胞外マトリックス産生を減少させる方法。
【0016】
1.5 治療上有効量の式Iの化合物を、それを必要とする対象に投与することを含む、肝臓線維症を処置するための方法。
【0017】
1.6 治療上有効量の式Iの化合物を、それを必要とする対象に投与することを含む、肝硬変を処置するための方法。
【0018】
1.7 治療上有効量の式Iの化合物を、それを必要とする対象に投与することを含む、狼瘡を処置するための方法。
【0019】
1.8 治療上有効量の式Iの化合物を、それを必要とする対象に投与することを含む、狼瘡腎炎を処置するための方法。
【0020】
さらなる局面では、本発明はまた、
1.9 治療上有効量の式Iの化合物を、それを必要とする対象に投与することを含む、上記1.1から1.8に記載したあらゆる疾患状態に関連した疾患を処置する方法を提供する。
【0021】
本明細書で使用する処置は、処置または予防を含み、好ましくは、処置である。
【0022】
他の局面では、本発明は、
1.10 式Iの化合物が、例えば、40-O-(2-ヒドロキシ)-エチル-ラパマイシン、32-デオキソラパマイシン、16-ペンタ-2-イニルオキシ-32-デオキソラパマイシン、16-ペンタ-2-イニルオキシ32 (SまたはR) -ジヒドロ-ラパマイシン、16-ペンタ-2-イニルオキシ32 (SまたはR)-ジヒドロ-40-O-(2-ヒドロキシ)-エチル-ラパマイシン、および40-O-(2-エトキシ)-エチル-ラパマイシンからなる群から選択され、例えば、40-O-(2-ヒドロキシ)-エチル-ラパマイシン(エベロリムス)である、上記1.1から1.9に記載の方法を提供する。
【0023】
他の局面では、本発明は、下記を提供する:
2. 上記1.1から1.10に定義したあらゆる方法での使用のための式Iの化合物。
【0024】
3. 上記1.1から1.10に定義したあらゆる方法での使用のための医薬、例えば、医薬組成物の製造のための式Iの化合物。
【0025】
4. 1個またはそれ以上の薬学的に許容される希釈剤もしくは担体と共に、式Iの化合物を含む、上記1.1から1.10に定義したあらゆる方法での使用のための医薬組成物。
【0026】
式Iの化合物は、単一活性成分(薬剤)として、または化学療法剤である第2薬剤物質と共に、本発明により提供される方法で、または使用のために用い得る。
【0027】
“化学療法剤”なる用語は、とりわけ、式Iの化合物以外の化学療法剤、例えば、本発明により提供される方法で、もしくは使用のために、単剤処置と比較して組合せ処置において利点を提供するすべての化学療法剤を意味する。好ましくは、そのような化学療法剤は、線維症の処置で有用な効果を提供する薬剤、例えば、抗線維化剤であり、例えば、式Iの化合物と組合せた処置において相乗効果を提供する薬剤を含む。
【0028】
適当な抗線維化剤は、例えば、下記を含む:
-レニン-アンジオテンシン系の阻害剤、例えば、レニン阻害剤、例えば、アリスキレン、SPP630、SPP635、SPP800、Ro 42-5892を含む; アンジオテンシン受容体アンタゴニスト、例えば、ロサルタン、バルサルタン、イルベサルタン、エプロサルタン、カンデサルタン、オルメサルタン(メドキソミル)、テルミサルタン; アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤、例えば、ベナゼプリル、カプトプリル、エナラプリル、ホシノプリル、リシノプリル、モエキシプリル、ペリンドプリル、キナプリル、ラミプリル、トランドラプリル;
-結合組織増殖因子(CTGF)アンタゴニスト、例えば、結合組織増殖因子に対する抗体、またはスタチン、例えば、アトルバスタチン、シンバスタチン、セリバスタチン、ピタバスタチン、フルバスタチン、ロバスタチン、プラバスタチン、ロスバスタチン;
-血小板由来増殖因子(PDGF)アンタゴニスト、例えば、トラピジル(登録商標)、血小板由来増殖因子に対する抗体、PDGF受容体チロシンキナーゼ阻害剤、例えば、SU9518、イマチニブ、スニチニブ(リンゴ酸塩)、AMN107、BMS354825;
-線維芽細胞増殖因子(FGF)アンタゴニスト、例えば、線維芽細胞増殖因子に対する抗体、FGF受容体チロシンキナーゼ阻害剤、例えば、スラミン(ナトリウム)、
-腫瘍壊死因子アルファ(TNF-α)アンタゴニスト、例えば、TNF-α抗体、例えば、インフリキシマブ、TNF-α受容体Ig構築体、
-インターフェロンガンマ、レラキシン、
-エンドセリン受容体アンタゴニスト、例えば、BQ-123、ボセンタン、クラゾセンタン、SPP301;
-トランスフォーミング成長因子ベータ(TGF-β)アンタゴニスト、例えば、バチマスタット、またはTGF-ベータ抗体、アクチビン受容体様キナーゼ阻害剤、例えば、SB-431542、
-血管内皮細胞増殖因子(VEGF)アンタゴニスト、例えば、または、VEGF抗体; 例えば、ベバシズマブ、ラニビズマブ; VEGF受容体チロシンキナーゼ阻害剤、例えば、PTK787/ZK 222584、ZD6474、SU5416、ABT-869、AEE788;
-インターロイキン13アンタゴニスト、インターロイキン33アンタゴニスト。
【0029】
他の局面では、本発明は、下記を提供する:
5.1 a) 式Iの化合物である第1剤、および
b) 化学療法剤である共薬剤としての第2薬剤物質(例えば、本明細書に記載した、例えば、抗線維化剤)
を含む、例えば、上記1.1から1.10に定義した使用のための医薬的組合せ剤、例えば、医薬組成物。
【0030】
医薬的組合せ剤は、2個またはそれ以上の薬学的に活性な薬剤、例えば、式Iの化合物および化学療法剤が同じ製剤中に存在する固定組合せ剤; 別々の製剤で、2個またはそれ以上の薬学的に活性な薬剤、例えば、式Iの化合物および化学療法剤が、例えば、共投与のための指示書と共に、同じパッケージで販売されている、キット; および、薬学的に活性な薬剤、例えば、式Iの化合物および化学療法剤が別々に梱包されてはいるが、同時のもしくは連続した投与のための指示書が提供される自由な組合せを含む。
【0031】
他の局面では、本発明は、下記を提供する:
5.2 式Iの化合物である第1薬剤物質および化学療法剤、例えば、本明細書に定義したものである少なくとも1個の第2薬剤物質を、組合せ投与のための指示書と共に含む、医薬パッケージ;
5.3 式Iの化合物である第1薬剤物質を、化学療法剤、例えば、本明細書に定義したものである少なくとも1個の第2薬剤物質との組合せ投与のための指示書と共に含む、医薬パッケージ;
5.4 少なくとも1個の化学療法剤、例えば、本明細書に定義したものを、式Iの化合物との組合せ投与のための指示書と共に含む、医薬パッケージ。
【0032】
6. 治療上効量の式Iの化合物および化学療法剤、例えば、本明細書に定義したものである第2薬剤物質を、例えば、併用で、または連続して共投与することを含む、上記したあらゆる方法。
【0033】
本発明による組合せでの処置は、単剤処置(単剤療法)と比較して、改善、例えば、利点を提供し得る。
【0034】
他の局面では、本発明は、例えば、本発明により提供されるあらゆる方法で、もしくはあらゆる使用のために、下記を提供する:
-例えば、本明細書で定義した一定量の式Iの化合物および一定量の化学療法剤を含み、ここで、該一定量が、単剤処置と比較して、例えば、単剤療法と比較して、有益な効果、例えば、相乗的治療効果を生み出すのに適当である、医薬的組合せ剤;
-治療上有効量の式Iの化合物および化学療法剤、例えば、本明細書に定義したものを、例えば、併用で、または連続して共投与することを含む、式Iの化合物の治療的有用性を改善する方法;
-式Iの化合物および化学療法剤、例えば、本明細書に定義したものを、例えば、併用で、または連続して共投与することを含む、化学療法剤、例えば、本明細書に定義したものの治療的有用性を改善する方法。
【0035】
処置は、処置および予防を含む。
【0036】
そのような処置のために、適当な用量は、例えば、有効成分、例えば、式Iの化合物、および/または化学療法剤の化学的性質および薬物動態データ、個々の宿主、投与形態ならびに処置される状態の性質および重篤度に依存して当然に変わる。しかしながら、一般に、より大きな哺乳類、例えば、ヒトでの満足のいく結果のために望ましい1日投与量は、例えば、1日4回までの分割用量で投与される下記を含む:
-約0.0001 gから約1.5 g、例えば、0.0001 gから1.5 g;
-約0.01 mg/kg体重から約20 mg/kg体重、例えば、0.01 mg/kg体重から20 mg/kg体重。
【0037】
例えば、エベロリムスは、(約)0.1 mgから(約)15 mg、例えば、0.1 mgから10 mg、例えば、0.1 mg、0.25 mg、0.5 mg、0.75 mg、1.0 mg、2.5 mg、5 mg、10 mgの用量形で、例えば、(約)1 mgから70 mgの週用量で、投与し得る。
【0038】
式Iの他の化合物は、所望により、例えば、エベロリムスに関して示したものと同様の用量で、使用し得る。
【0039】
本明細書に記載した化学療法剤は、所望により、例えば、それらの投与に関して記載したとおり、例えば、それらと同様の用量で、単剤療法で、例えば、式Iの化合物との相乗効果の場合には、そのような用量以下で、使用し得る。
【0040】
式Iの化合物、または本明細書に記載した化学療法剤は、あらゆる慣用的な経路で、例えば、経腸的、例えば、経鼻、口腔、直腸、経口投与を含み; 非経腸的、例えば、静脈内、動脈内、筋肉内、心臓内、皮下、骨内注入、経皮(インタクト皮膚を介した拡散)、経粘膜(粘膜を介した拡散)、吸入投与を含み; 局所的; 例えば、鼻腔内、気管内投与を含み; 腹腔内(腹腔への注入または注射); 硬膜外(硬膜上腔への注射または注入); 髄腔内(脳脊髄液への注射または注入); 硝子体内(眼を介した投与)投与; または医療デバイスにより、例えば、局所送達のために、例えば、ステントで; 例えば、被覆もしくは非被覆錠剤、カプセル、(注射可能)溶液、輸液、固体溶液、懸濁液、分散液、固体分散液の形態で; 例えば、アンプル、バイアルの形態で、吸入用粉末、発泡体の形態で、座薬の形態で投与し得る。
【0041】
活性剤が本明細書に記載されたもの、例えば、式Iの化合物であるか、または他の化学療法剤、例えば、本明細書に記載されたものである各々の場合に、示されたあらゆる化合物は、化合物、薬学的に許容されるその塩、相当する異性体、例えば、純粋形または異性体混合物の形態での、例えば、ラセミ体、ジアステレオマー、エナンチオマー、互変異性体、ならびに相当する結晶変態、例えば、溶媒和物、水和物および多形体を含む。本発明の組合せで有効成分として使用される化合物は、それぞれ、それらの製品説明書(product description)に記載されたとおり、製造および投与し得る。また、上記した2個以上の別々の有効成分の組合せは、本発明の範囲内にあり、すなわち、本発明の範囲内にある医薬的組合せ剤は、3個またはそれ以上の有効成分を含み得る。さらに、第1薬剤および共薬剤は、同一成分ではない。
【0042】
本発明による医薬組成物は、慣用的な方法により、例えば、それらと同様にして、例えば、混合、造粒、被覆、溶解または凍結乾燥工程により製造し得る。単位用量形は、例えば、約0.1 mgから約1500 mg、例えば、1 mgから約1000 mgを含み得る。
【0043】
式Iの化合物、化学療法剤、例えば、本明細書に記載したもの、または本発明による(により提供された)組合せを含む、本明細書に記載した医薬組成物は、所望により、例えば、慣用的な、もしくは本明細書に記載した方法により、例えば、それらと同様にして、提供し得る。
【実施例】
【0044】
肝臓関連線維症、例えば、肝線維症および肝硬変のための適当なインビトロおよびインビボモデルならびにアッセイは、既知であるか、または所望により、提供し得る(例えば、J. Zhu et al, Gastroenterology, November 1999, 117(5):, p. 1198-1204, N. Shibata et al, Cell transplant, 2003, 12(5), p. 499-507を参照のこと)。
【0045】
狼瘡のための適当なインビボモデルおよびアッセイは、既知であるか、または所望により、提供し得る(例えば、J Gavalchin et al, The Journal of Immunology, Vol 138, 1987, Issue 1, pages 128-137 and 138-148, Alan D. Salama, Drug Discovery Today: Disease Models, Volume 1, Issue 4, December 2004, p. 457-463, ML Stoll, J Gavalchin, Rheumatology (Oxford), January 2000, Volume 39, Issue 1, p. 18-27を参照のこと)。
【0046】
所望により、1個またはそれ以上の化学療法剤と、例えば、本明細書に記載したとおり組合せた式Iの化合物は、上記のモデル/アッセイで活性を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】

【化1】

[式中、
R1は、CH3またはC3-6アルキニルであり、
R2は、H、-CH2-CH2-OH、-CH2-CH2-O-CH2-CH3であり、
Xは、=O、(H, H)または(H, OH)である
(ただし、Xが=Oであり、R1がCH3であるとき、R2は、H以外である)]
で示される化合物の治療上有効量を、それを必要とする対象に投与することを含む、肝臓関連線維症または狼瘡を処置する方法。
【請求項2】
請求項1で定義した式Iの化合物の治療上有効量を、それを必要とする対象に投与することを含む、上皮間葉移行を阻害する方法。
【請求項3】
請求項1で定義した式Iの化合物の治療上有効量を、それを必要とする対象に投与することを含む、線維化誘導性増殖因子の発現を減少させる方法。
【請求項4】
請求項1で定義した式Iの化合物の治療上有効量を、それを必要とする対象に投与することを含む、細胞外マトリックス産生を減少させる方法。
【請求項5】
肝臓線維症を処置するための、請求項1から4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
肝硬変を処置するための、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
狼瘡を処置するための、請求項1から4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
狼瘡腎炎を処置するための、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
請求項1で定義した式Iの化合物の治療上有効量を、それを必要とする対象に投与することを含む、請求項1から8のいずれか1項に記載したあらゆる疾患状態に関連した疾患を処置する方法。
【請求項10】
式Iの化合物が、40-O-(2-ヒドロキシ)-エチル-ラパマイシン、32-デオキソラパマイシン、16-ペンタ-2-イニルオキシ-32-デオキソラパマイシン、16-ペンタ-2-イニルオキシ32 (SまたはR)-ジヒドロ-ラパマイシン、16-ペンタ-2-イニルオキシ32 (SまたはR)-ジヒドロ-40-O-(2-ヒドロキシ)-エチル-ラパマイシン、および40-O-(2-エトキシ)-エチル-ラパマイシンからなる群から選択される、請求項1から9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
式Iの化合物が、40-O-(2-ヒドロキシ)-エチル-ラパマイシンである、請求項1から10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
請求項1から11のいずれか1項で定義したあらゆる方法での使用のための、請求項1で定義した式Iの化合物。
【請求項13】
請求項1から11のいずれか1項で定義したあらゆる方法での使用のための医薬の製造のための請求項1で定義した式Iの化合物。
【請求項14】
請求項1で定義した式Iの化合物を、1個またはそれ以上の薬学的に許容される希釈剤もしくは担体と共に含む、請求項1から11のいずれか1項で定義したあらゆる方法での使用のための医薬組成物。
【請求項15】
a) 式Iの化合物である第1剤、および
b) 化学療法剤である共薬剤としての第2薬剤物質
を含む、請求項1から11のいずれか1項で定義したあらゆる方法での使用のための医薬組成物。

【公表番号】特表2010−501499(P2010−501499A)
【公表日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−524949(P2009−524949)
【出願日】平成19年8月20日(2007.8.20)
【国際出願番号】PCT/EP2007/007332
【国際公開番号】WO2008/022761
【国際公開日】平成20年2月28日(2008.2.28)
【出願人】(597011463)ノバルティス アクチエンゲゼルシャフト (942)
【Fターム(参考)】