説明

編成搬送台車設備

【課題】本発明は、マスタ台車とスレーブ台車のコントローラの異常により安全性が損なわれる恐れを回避できる編成搬送台車設備を提供することを目的とする。
【解決手段】マスタ台車MCとスレーブ台車SCの操舵コントローラM20,S20に、通信ケーブル31で接続された台車に対して、通信ケーブル31を介して、1秒ON1秒OFFのパルス信号からなるヘルシー信号を送信する信号送信部20Fと、信号送信部20Fにより送信されたヘルシー信号を受信し、受信したヘルシー信号がパルスのオン時間、またはオフ時間以上変化しないとき送信先の台車の操舵コントローラ20に異常が発生したと判断する信号受信部20Gを備える。この信号受信部20Gの判断によって走行を停止することにより、安全性が損なわれる恐れを事前に回避できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、1台の台車で搬送できない船殻ブロックなどのような大型の運搬物を、複数の台車により運搬する編成搬送台車設備に関する。
【背景技術】
【0002】
船殻ブロックなどのような大型の運搬物は1台の台車では搬送できないため、複数の台車を所定位置に配置して台車群を編成し、この台車群に前記大型の運搬物を積載し、運搬することが行われる。
【0003】
従来、台車群の編成は、たとえば特許文献1および2に開示されているように、牽引車の後部に台車をリンクまたはヒンジ付きロッドを介して連結することにより行われる。しかし、この場合、コーナー部などの搬送中に、運搬物に対する台車の姿勢がそれぞれ変化するため、運搬物を鉛直軸心周りに回転自在に支持する特殊な治具を使用しない限り、大型の運搬物の運搬は困難であった。
【0004】
また大型の運搬物を複数の搬送台車に積載して運搬する技術を開示した先行技術文献は見当たらないが、前記台車として、たとえば特許文献3に開示された、独立換向式の車輪装置を有する複数の搬送台車を、所定位置に配置して台車群を編成し、この台車群により大型の運搬物を運搬する(以下、編成搬送という)ことが考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−224803号公報
【特許文献2】特開2004−195997号公報
【特許文献3】特開2001−328555号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前記編成搬送では、各搬送台車ごとにそれぞれオペレータが運転席に乗り込み、連絡を取り合って運転することもできるが、これでは能率が悪い。一台の搬送台車(マスタ台車という)の運転席にオペレータが乗り込んで主動走行させ、マスタ台車から通信ケーブルを介して編成ステアリング用データ{台車の各車輪の操舵角(指令値)}を従動走行する台車(スレーブ台車という)に送信し、マスタ台車に連動してスレーブ台車を走行させるほうが効率がよい。
【0007】
ところで、このような編成搬送では、マスタ台車に、編成ステアリング用データを前記通信ケーブルを介して各スレーブ台車へ送信し、前記編成ステアリング信号に基づいて自身を操舵するコントローラを備え、各スレーブ台車にそれぞれ、マスタ台車から送信された編成ステアリング用データを前記通信ケーブルを介して受信し、受信した編成ステアリング用データに基づいて操舵するコントローラを備える必要がある。しかし、マスタ台車のコントローラに、送信する編成ステアリング用データが更新されずに変化しなくなるという異常が発生する恐れがあり、またスレーブ台車のコントローラに、新しい編成ステアリング用データを受け付けず、過去の編成ステアリング用データで操舵を続ける異常が発生する恐れがある。すると、スレーブ台車はずっと固定された編成ステアリング用データに基づいて操舵するため、マスタ台車とスレーブ台車は連動して走行できなくなり、台車同士が接触したり、離れたりして大型の運搬物を落下させる恐れが生じ、安全性が損なわれる恐れが生じる。また上記マスタ台車のコントローラの異常は、スレーブ台車では検出することができず、スレーブ台車のコントローラの異常は、マスタ台車のコントローラでは検出することができないという問題があった。
【0008】
そこで、本発明は、マスタ台車とスレーブ台車のコントローラの異常により生じる安全性が損なわれる恐れを回避できる編成搬送台車設備を提供することを目的としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前述した目的を達成するために、本発明のうち請求項1に記載の発明は、複数の独立換向式の車輪装置と、操舵装置により操作された操舵角に基づいて各車輪装置を換向する目標舵角を求め前記各車輪装置を操舵する操舵コントローラとを備えた複数の台車により台車群を編成し、この編成した台車群のうち、1台を主動走行するマスタ台車とするとともに、残りをマスタ台車に従動走行するスレーブ台車として、前記マスタ台車と各スレーブ台車をそれぞれ通信ケーブルにより接続し、編成した台車群により大型の運搬物を積載して運搬する編成搬送台車設備であって、
前記マスタ台車および各スレーブ台車それぞれの前記操舵コントローラに、前記ケーブルで接続された台車に対して、前記通信ケーブルを介して、一定周期で変化する信号を送信する送信部と、前記送信部により送信された信号を受信し、受信した信号が前記一定周期以上変化しないとき送信先の台車の操舵コントローラに異常が発生したと判断する受信部を備えることを特徴とするものである。
【0010】
上記構成によれば、マスタ台車とスレーブ台車の操舵コントローラは互いに通信ケーブルを介して、送信部より一定周期で変化する信号を互いに送信しあい、受信部において、互いに送信されてきている信号を監視し、一定周期以上前記信号が変化しないとき、相手先の台車の操舵コントローラに異常が発生したと判断する。したがって、マスタ台車の操舵コントローラより各スレーブ台車の目標舵角が正常に送信され、スレーブ台車の操舵コントローラが各スレーブ台車の目標舵角を正常に受信していると見られるときにでも、相手先の台車の操舵コントローラに異常が発生しているかどうかを判断できる。
【0011】
また請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明であって、前記マスタ台車およびスレーブ台車の前記操舵コントローラは、前記受信部により、送信先の台車の操舵コントローラに異常が発生したと判断されると、自身の台車の走行を非常停止することを特徴とするものである。
【0012】
上記構成によれば、相手先の台車の操舵コントローラに異常が発生したと判断すると、自身の台車の走行を非常停止する。よって、マスタ台車とスレーブ台車が接触したり、離れたりして大型の運搬物を落下させる恐れが生じ、安全性が損なわれる恐れが回避される。
【発明の効果】
【0013】
本発明の編成搬送台車設備は、マスタ台車とスレーブ台車の操舵コントローラは互いに通信ケーブルを介して、送信部より一定周期で変化する信号を互いに送信しあい、受信部において、互いに送信されてきている信号を監視し、一定周期以上、前記信号が変化しないとき、相手先の台車の操舵コントローラに異常が発生したと判断でき、この判断により安全性が損なわれる恐れを事前に回避できる、という効果を有している。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施の形態における編成搬送台車設備の編成状態を示す説明図であり、(a)は2台横編成状態、(b)は2台縦編成状態を示す。
【図2】同編成搬送台車設備の制御構成を示すブロック図である。
【図3】同編成搬送台車設備のマスタ台車とスレーブ台車間の通信ケーブルの接続図である。
【図4】同編成搬送台車設備のコントローラの信号送信部と信号受信部の構成を示すブロック図である。
【図5】同編成搬送台車設備のマスタ台車のコントローラの単独・編成モード判断部の構成を示すブロック図である。
【図6】同編成搬送台車設備のスレーブ台車のコントローラの単独・編成モード判断部の構成を示すブロック図である。
【図7】同編成搬送台車設備のマスタ台車の編成状態検出部により編成状態を検出するフローチャートおよび各ステップによる表示される表示画面図である。
【図8】同編成搬送台車設備の2台縦編成状態でのステアリングによる車輪の向きを示す平面図で、(a)は直進走行モード、(b)は横行走行モードを示す。
【図9】同編成搬送台車設備の2台横編成状態でのステアリングによる車輪の向きを示す平面図で、(a)は直進走行モード、(b)は横行走行モードを示す。
【図10】基本とする台車の側面図である。
【図11】同台車の車輪装置の拡大側面図である。
【図12】同台車の制御構成を示すブロック図である。
【図13】同台車のステアリングによる車輪の向きを示す平面図で、(a)は停止状態、(b)は直進走行モード、(c)は横行走行モードを示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
[台車の基本構造]
まず、編成搬送の基本となる単独運転用の台車を図10〜図13を参照して説明する。
【0016】
図10に示すように、単独運転用の台車Cは、上面に運搬物を積載する荷台面1aが形成された台車本体1を備え、この台車本体1の荷台面1aの下面で前後位置にそれぞれ前部運転席2Aおよび後部運転席2Bが配置されている。
【0017】
前部運転席2Aおよび後部運転席2Bにはそれぞれ、図12に示すように、操舵装置であるステアリングホイール3と、ステアリングホイール3の操作によるステアリング操舵角を検出するステアリング操舵角検出器4と、全輪換向方式による直進(斜行)走行モードまたは横行走行モードを選択する走行モード選択スイッチ6と、台車Cを前部運転席2Aで運転するのか、後部運転席2Bで運転するのかの一方を選択する運転席選択スイッチ7と、走行操作レバーなどが備えられている。
【0018】
また図10に示すように、前部の運転席2Aに側方に、詳細を後述する操舵コントローラ20が備えられ、また台車本体1の下面中央部に、エンジン10が配置されている。
また台車本体1の底面部には、図10および図13に示すように、複数組、たとえば左右一対で前後に4組、合計8個の独立換向式の車輪装置R1〜R4,L1〜L4が設けられており、前記ステアリングホイール3により操舵コントローラ20を介して各車輪装置R1〜R4,L1〜L4を操舵するように構成されている。
【0019】
各車輪装置R1〜R4,L1〜L4は、図11に示すように、台車本体1に垂直方向のスレーブ軸SSを中心に旋回自在に支持された旋回体11と、この旋回体11から斜め下方に伸びる上アーム部12と、上アーム部12の下端部に水平ピン12aを介して上下揺動自在に支持された下アーム部13と、旋回体11と下アーム部13と間に連結されたサスペンションシリンダ14と、下アーム部13の下端部に設けられた車軸部15と、車軸部15に回転軸15aを介して回転自在に支持される複数の車輪17と、これら複数の車輪17を回転駆動する駆動モータ16と、台車本体1に設けられて旋回体11を介して車輪17をスレーブ軸SS周りに転舵する操舵駆動装置とで構成されている。この操舵駆動装置は、旋回駆動装置である油圧式ステアリングモータ18a(図12)により減速用のギヤ装置(図示せず)を介して旋回体11を回転させるように構成されている。また図12に示すように、各車輪装置R1〜R4,L1〜L4には、車輪17の実舵角を検出する舵角検出器19がそれぞれ設けられ、各ステアリングモータ18aに作動油を供給して駆動するコントロールバルブ26が設けられている。
【0020】
この単独運転用の台車Cの操舵コントローラ20を図12、図13を参照して説明する。
マイクロコンピュータからなる操舵コントローラ20は、ステアリング操舵角検出器4により検出されるステアリング操舵角に応じて各車輪装置R1〜R4,L1〜L4を換向するスレーブ軸SSの目標舵角(スレーブ軸目標舵角)を求める操舵制御部20Aと、車輪装置R1〜R4,L1〜L4ごとに設けられステアリング指令(舵角指令値)を各車輪装置R1〜R4,L1〜L4に出力する舵角指令部20Bとから構成されている。
【0021】
「操舵制御部20A」
前記操舵制御部20Aは、マスタ軸目標舵角演算部21、旋回中心演算部22、およびスレーブ軸目標舵角演算部23から構成されている。
【0022】
“マスタ軸目標舵角演算部21”
マスタ軸目標舵角演算部21には、前部運転席2Aおよび後部運転席2Bよりそれぞれ、ステアリング操舵角検出器4により検出されたステアリング操舵角、運転席選択スイッチ7の運転席の選択信号、および走行モード選択スイッチ6により選択された走行モードが入力されている。
【0023】
図13(a)に示すように、台車Cには、台車本体1の旋回中心OSを求める際の基準となる(仮想の)マスタ軸MSが設定される。
マスタ軸目標舵角演算部21は、走行モード選択スイッチ6により直進(斜行)走行モードが選択されている場合、運転席選択スイッチ7により運転席2Aが選択されているとき、マスタ軸MS1を、台車本体1の幅方向の中心を通る車体中心軸CL上で前進方向の最前列の車輪装置R1,L1間に設定し、また運転席選択スイッチ7により運転席2Bが選択されているとき、マスタ軸MS2を、最後列の車輪装置R4,L4間に設定する。
【0024】
またマスタ軸目標舵角演算部21は、走行モード選択スイッチ6により横行走行モードが選択されている場合、運転席選択スイッチ7により運転席2Aが選択され、ステアリング操舵角検出器4により検出されたステアリング操舵角により左旋回を確認すると、マスタ軸MS3を、車体中心軸CLに対して台車本体1の前後方向の中心位置で直交する中央横断軸AL上で中央左の車輪装置L2,L3間の中央部に設定し、右旋回を確認すると、マスタ軸MS4を、前記中央横断軸AL上で中央右の車輪装置R2,R3間の中央部に設定する。また運転席選択スイッチ7により運転席2Bが選択されているとき、マスタ軸MS3とマスタ軸MS4は逆に設定される。
【0025】
そして、マスタ軸目標舵角演算部21は、運転席選択スイッチ7により選択された運転席側のステアリング操舵角検出器4により検出されたステアリング操舵角を、マスタ軸MSにおけるマスタ軸目標舵角θmとして設定する。
【0026】
“旋回中心演算部22”
旋回中心演算部22は、前記マスタ軸目標舵角θmに基づいて台車本体1の旋回中心OSを求める。
【0027】
図13(b)に示すように、走行モード選択スイッチ6により直進(斜行)走行モードが選択されている場合、旋回中心OSは、マスタ軸MSに、台車本体1の車体中心軸CLに対してマスタ軸目標舵角θmで直角に交差する直線MLと、車体中心軸CLに対して台車本体1の前後方向の中心位置で直交する中央横断軸ALが交差する点として設定される。
【0028】
また図13(c)に示すように、走行モード選択スイッチ6により横行走行モードが選択されている場合、旋回中心OSは、マスタ軸MSに、中央横断軸ALに対してマスタ軸目標舵角θmで直角に交差する直線MLと、台車本体1の車体中心軸CLが交差する点として設定される。
【0029】
“スレーブ軸目標舵角演算部23”
スレーブ軸目標舵角演算部23は、図13(b)(c)に示すように、旋回中心演算部22により求めた旋回中心OSに対して各車輪装置R1〜R4,L1〜L4のスレーブ軸SSが直角となるスレーブ軸目標舵角θe(車輪17が直進方向を向いている位置からの角度)をそれぞれ求める。
【0030】
「舵角指令部20B」
舵角指令部20Bは、図12に示すように、各車輪装置R1〜R4,L1〜L4毎にそれぞれ設けられた舵角指令値演算部24および舵角指令値出力部25から構成されている。
【0031】
“舵角指令値演算部24”
各舵角指令値演算部24は、対応する車輪装置R1〜R4,L1〜L4の前記スレーブ軸目標舵角と、対応する車輪装置R1〜R4,L1〜L4の舵角検出器19から出力される実舵角とに基づいて、車輪17を転舵させる舵角指令値を演算する。
【0032】
“舵角指令値出力部25”
各舵角指令値出力部25は、前記舵角指令値に基づいて油圧式のステアリングモータ18aを介して車輪17を転舵させるバルブ操作指令値を求めて、コントロールバルブ26にそれぞれ出力し、ステアリングモータ18aを所定量回転駆動して、対応する車輪装置R1〜R4,L1〜L4の車輪17を所定角度転舵させる。
【0033】
以上のように、走行モード選択スイッチ6により選択される直進走行モードまたは横行モード、運転席選択スイッチ7により選択される運転席2Aまたは2B、およびステアリング操舵角検出器4により検出されるステアリング操舵角に応じて、各車輪装置R1〜R4,L1〜L4をそれぞれ転舵させる舵角指令値が求められ、各車輪装置R1〜R4,L1〜L4の車輪17がそれぞれ所定角度転舵されることにより、台車Cは旋回中心OSを中心にして旋回・移動される。
【0034】
なお、上記走行操作レバーは前進位置−中立位置−後進位置(いずれも図示せず)が選択できる操作レバーであり、駆動モータ16は、運転席選択スイッチ7により選択される運転席2Aまたは2Bの走行操作レバーが、前進位置に操作されると前進方向に回転されて台車Cは前進され、中立位置に操作されると停止されて台車Cは停止され、後進位置に操作されると後進方向に回転されて台車Cは後進される(走行制御の詳細な説明は省略する)。
【0035】
[編成搬送台車設備]
次に本発明に係る編成搬送台車設備を図1〜図9に基づいて説明する。
複数の台車Cを所定位置に配置して大型の運搬物を積載し搬送する編成搬送は、図1に示すように、複数(図では2台)の台車Cのうち、特定の1台を主動走行するマスタ台車MCとし、残りをマスタ台車MCに従動走行するスレーブ台車SCとし、マスタ台車MCとスレーブ台車SCとを連動させて一体に走行させるものである。図1(a)は横編成状態、図1(b)は縦編成状態を示している。
【0036】
ここで、マスタ台車MCとスレーブ台車SCにおいて、単独運転用の台車Cと共通する部材の符号は、マスタ台車MCについては、符号の前にMを付し、スレーブ台車SCについては、符号の前にSを付して表す。したがって、たとえばマスタ台車MCの車輪装置は、MR1〜MR4,ML1〜ML4となり、スレーブ台車SCの車輪装置は、SR1〜SR4,SL1〜SL4となる。
【0037】
上記単独運転用の台車Cでは、操舵コントローラ20の操舵制御部20Aにおいて設定された、各車輪装置R1〜R4,L1〜L4のスレーブ軸目標舵角を指令値として、舵角指令部20Bにおいて車輪装置R1〜R4,L1〜L4の車輪17をそれぞれ転舵させて、台車Cを旋回させているが、図2に示すように、編成状態では、マスタ台車MCの操舵コントローラM20に、新たに、編成用の操舵制御部(以下、編成操舵制御部と称す)20Cを設け、この編成操舵制御部20Cにおいて、マスタ台車MCおよびスレーブ台車SCの各車輪装置MR1〜MR4,ML1〜ML4,SR1〜SR4,SL1〜SL4を換向するスレーブ軸目標舵角(以下、編成スレーブ軸目標舵角と称す)を演算し、各台車MC,SCの舵角指令部M20B,S20Bへ出力し、各舵角指令部M20B,S20Bにおいて車輪装置MR1〜MR4,ML1〜ML4,SR1〜SR4,SL1〜SL4の車輪17をそれぞれ転舵させて、各台車MC,SCを旋回・移動させている。すなわち編成状態の全台車MC,SCを1台の台車Cと見なして、マスタ台車MCの編成操舵制御部20Cにより、マスタ台車MCおよびスレーブ台車SCの各車輪装置MR1〜MR4,ML1〜ML4,SR1〜SR4,SL1〜SL4の編成スレーブ軸目標舵角を設定している。なお、図2では、運転席2A,2Bの一方のステアリング操作機器(ステアリングホイール3、ステアリング操舵角検出器4、走行モード選択スイッチ6、および運転席選択スイッチ7)の図示を省略している。
【0038】
またマスタ台車MCおよびスレーブ台車SCの前部運転席2Aおよび後部運転席2Bにはそれぞれ、図2に示すように、タッチパネル付きの表示画面28と、警報ランプ29が設けられている(詳細は後述する)。
【0039】
また各台車Cには、図1に示すように、前後左右の4箇所に、通信ケーブル31が接続される接続コネクタ32{32FL(前方左側),32FR(前方右側),32BL(後方左側),32BR(後方右側)}が設けられている。
【0040】
またマスタ台車MCおよびスレーブ台車SCの操舵コントローラM20,S20にはそれぞれ、図2に示すように、新たに、台車Cが単独で運転するのか、どのように編成状態で運転するのか判断する単独・編成モード制御部M20D,S20Dと、通信ケーブル31が接続された接続コネクタ32を検出し、検出したコネクタ32によって台車群を編成する台車MC,SCの配置状態を判断するための編成状態検出部M20E,S20Eと、信号送信部(送信部の一例)M20F,S20Fと、信号受信部(受信部の一例)M20G,S20Gが設けられている(詳細は後述する)。
【0041】
「接続コネクタ」
マスタ台車MCおよびスレーブ台車SCの接続コネクタ32には、図3に示すように、マスタ台車MC側では編成操舵制御部20Cに接続され、スレーブ台車SC側では舵角指令部S20Bに接続される接続端子33Aと、編成状態検出部M20E,S20Eに接続される接続端子33B,33Cと、接地された接続端子33Dと、単独・編成モード制御部M20D,S20Dに接続される接続端子33Eと、マスタ台車MC側では信号送信部M20Fに接続され、スレーブ台車SC側では信号受信部S20Gに接続される接続端子33Fと、スレーブ台車SC側では信号送信部S20Fに接続され、マスタ台車MC側では信号受信部M20Gに接続される接続端子33Gが設けられている。
【0042】
「通信ケーブルの接続端子」
そして、これら接続端子33A,33B,33C,33D,33E,33F,33Gを有する接続コネクタ32に接続される通信ケーブル31のコネクタ34には、接続端子33Aに接続される接続端子35Aと、接続端子33Bに接続される接続端子35Bと、接続端子33C,33Dに接続され短絡された接続端子35C,35Dと、接続端子33Eに接続される接続端子35Eと、接続端子33Fに接続される接続端子35Fと、接続端子33Gに接続される接続端子35Gが設けられ、台車Cの接続コネクタ32と通信ケーブル31のコネクタ34が接続されると、接続端子33Cが接続される編成状態検出部M20E,S20Eの入力は、接続端子33C,35C,35D,33Dを介して接地され、編成状態検出部M20E,S20Eはどの接続コネクタ32に通信ケーブル31が接続されたかどうかを検出できる。スレーブ台車SCの編成状態検出部S20Eは、通信ケーブル31が接続された接続コネクタ32を検出すると、検出した接続コネクタ32の情報を通信ケーブル31および接続端子33B,35Bを介してマスタ台車MCの編成状態検出部M20Eへ出力している。
【0043】
「編成状態検出部M20E,S20E」
図1に示すように、マスタ台車MCおよびスレーブ台車SCの接続コネクタ32のうち、横編成状態では、マスタ台車MCは32FR、スレーブ台車SCは32FLが通信ケーブル31に接続され、縦編成状態では、マスタ台車MCは32BL、スレーブ台車SCは32FLに通信ケーブル31が接続されることが予め設定されている。
【0044】
マスタ台車MCの編成状態検出部M20Eは、これらコネクタ32FRまたは32BLに接続された入力が接地されたかどうか、およびスレーブ台車SCの編成状態検出部S20Eから入力したスレーブ台車SC側の接続コネクタ32の情報により、横編成状態か縦編成状態かを判断でき、且ついずれも接地されていないときは、編成状態ではなく単独の運転であると判断でき、さらにこれらコネクタ32FRまたは32BL以外のコネクタに接続された入力が接地されたとき、またはコネクタ32FRおよび32BLが接地されたとき、またはスレーブ台車SC側の接続コネクタ32の情報が32FL以外のとき、編成状態が異常であると判断でき、通信ケーブル31の接続が無効であることを宣言できる。またマスタ台車MCの編成状態検出部M20Eは、判断した編成運転・状態データおよび編成状態異常信号を、通信ケーブル31および接続端子33B,35Bを介して、図6に示すように、スレーブ台車SCの編成状態検出部S20Eへ出力している。
【0045】
またスレーブ台車SCの編成状態検出部S20Eは、接続コネクタ32がいずれも接地されていないときは、編成状態ではなく単独の運転であると判断でき、さらにコネクタ32FL以外のコネクタに接続された入力が接地されたとき、または前記編成状態異常信号を入力したとき、編成状態が異常であると判断でき、通信ケーブル31の接続が無効であることを宣言できる。
【0046】
また両編成状態検出部M20E,S20Eは、4つの接続コネクタ32の一つの接続を検出した後、その接続が外れたことを検出したとき、接続コネクタ32より通信ケーブル31が抜けたと判断できる。
【0047】
以上のようにマスタ台車MCの編成状態検出部M20Eには、単独で運転するのか、編成で運転するのか、編成運転のとき、どのように編成状態で運転するのか判断する機能が備えられ、またスレーブ台車SCの編成状態検出部S20Eには、上述したように編成運転・状態データおよび編成状態異常信号が入力され、単独で運転するのか、編成で運転するのか判断する機能が備えられており、それぞれ下記の信号を両台車Mの単独・編成モード制御部M20D,S20Dへ出力している。
【0048】
・単独運転信号(いずれの接続コネクタ32の接続も検出していないとき)
・コネクタ接続検出信号(4つの接続コネクタ32の一つの接続を検出したとき)
・編成運転・状態データ(編成状態を判断したとき)
・編成状態異常信号(編成状態が異常であると判断したとき)
・コネクタ抜け検出信号(4つの接続コネクタ32の一つの接続を検出した後、その接続が外れたことを検出したとき)
「信号送信部M20F,S20F、信号受信部M20G,S20G」
各信号送信部M20F,S20Fはそれぞれ、図4に示すように、1秒ON1秒OFFのパルス信号からなるヘルシー信号(一定周期で変化する信号の一例)を出力するように構成され、図2および図3に示すように、マスタ台車MCの信号送信部M20Fから出力されたヘルシー信号は、通信ケーブル31および接続端子33F,35Fを介して、スレーブ台車SCの信号受信部S20Gへ入力され、またスレーブ台車SCの信号送信部S20Fから出力されたヘルシー信号は、通信ケーブル31および接続端子33G,35Gを介して、マスタ台車MCの信号受信部M20Gへ入力される。
【0049】
また各信号受信部M20G,S20Gにはそれぞれ、図4に示すように、後述する編成運転信号がONのときに実行され、ヘルシー信号がONの状態が1.2秒継続すると動作する第1タイマー37と、ヘルシー信号がOFFの状態が1.2秒継続すると動作する第2タイマー38が設けられ、第1タイマー37の出力がONまたは第2タイマー38の出力がONのとき、CPU異常信号が単独・編成モード制御部M20D,S20Dへ出力され、同時に警報ランプ29が点灯される。
【0050】
これら各信号送信部M20F,S20Fおよび各信号受信部M20G,S20Gの構成により、マスタ台車MCの操舵コントローラM20とスレーブ台車SCの操舵コントローラS20との間において互いに通信ケーブル31を介して、信号送信部M20F,S20Fより出力される一定周期(本実施の形態では1秒)で変化するヘルシー信号が互いに送信され、信号受信部S20G,M20Gにおいて、互いに送信されてきている信号が監視され、一定周期以上(本実施の形態では1.2秒)ヘルシー信号が変化しないとき、相手先(ヘルシー信号の送信先)の台車SC,MCの操舵コントローラS20,M20に異常が発生したと判断してCPU異常信号がそれぞれ、単独・編成モード制御部M20D,S20Dへ出力される。したがって、マスタ台車MCの操舵コントローラM20より上記編成スレーブ軸目標舵角(各スレーブ台車SCの目標舵角)が正常に送信され、スレーブ台車SCの操舵コントローラS20が上記編成スレーブ軸目標舵角を正常に受信していると見られるときにでも、相手先(送信先)の台車の操舵コントローラ20に異常が発生しているかどうかが判断できる。
【0051】
またCPU異常信号により警報ランプ29が点灯されることにより、通信ケーブル31で接続されている相手先(送信先)の操舵コントローラ20に異常が発生していることが作業者へ報知される。
【0052】
「単独・編成モード制御部M20D,S20D」
上記両台車Cの単独・編成モード制御部M20D,S20Dには、図5および図6に示すように、編成状態検出部M20E,S20Eからの単独運転信号、コネクタ接続検出信号、編成運転・状態データ、編成状態異常信号およびコネクタ抜け検出信号、各信号受信部M20G,S20GからのCPU異常信号、前部運転席2Aおよび後部運転席2Bからのステアリング操舵角検出器4により検出されたステアリング操舵角、運転席選択スイッチ7の運転席の選択信号、および走行モード選択スイッチ6により選択された走行モードが入力されている。
【0053】
またマスタ台車MCの単独・編成モード制御部M20Dには、スレーブ台車SCの単独・編成モード制御部S20Dから通信ケーブル31および接続端子33E,35Eを介して、スレーブ台車SCの前部運転席2Aおよび後部運転席2Bからのステアリング操舵角検出器4により検出されたステアリング操舵角、運転席選択スイッチ7の運転席の選択信号、走行モード選択スイッチ6により選択された走行モード、および走行操作レバーの操作位置のデータが入力されている。
【0054】
またスレーブ台車SCの単独・編成モード制御部S20Dには、マスタ台車MCの単独・編成モード制御部M20Dから通信ケーブル31および接続端子33E,35Eを介して、編成運転信号、およびマスタ台車MCの前部運転席2Aおよび後部運転席2Bからの走行操作レバーの操作位置のデータが入力されている(詳細は後述する)。
【0055】
マスタ台車MCの単独・編成モード制御部M20Dは、図5に示すように、画像表示部41と、編成運転部M42と、単独転送部43と、編成転送部M44と、スレーブ転送部M45が設けられ、スレーブ台車SCの単独・編成モード制御部S20Dは、図6に示すように、画像表示部41と、編成運転部S42と、単独転送部43と、マスタ転送部S45が設けられている。
【0056】
“画像表示部41”
単独・編成モード制御部M20D,S20Dはそれぞれ表示画面28と接続され、画像表示部41により台車Cの編成状態を表示するようにしている。
【0057】
すなわち、図7に示すように、まず「待機中」が表示された画面(通常待機中画面)を表示画面28に表示し(ステップ−1)、編成状態検出部20E(M20E,S20E)からコネクタ接続検出信号を入力すると(ステップ−2)、「編成運転選択」が表示された画面(編成運転選択画面)を表示する(ステップ−3)。
【0058】
次に、編成状態検出部20Eからコネクタ抜け検出信号を入力しているかどうかを確認し(ステップ−4)、確認すると通信ケーブル31が外されたと判断してステップ−1へ戻り、確認しないと、編成状態検出部20Eから編成状態異常信号を入力していないかどうかを確認する(ステップ−5)。確認すると、前記編成運転選択画面に「編成状態異常」を表示し(ステップ−6)、通信ケーブル31の接続が無効であることを宣言してステップ−4へ戻る。また編成状態異常信号の入力を確認しないとき、編成運転選択画面上の「編成運洗車機選択」の表示部が操作されると(タッチされると)(ステップ−7)、「編成待機中」が表示された画面(編成待機中画面)を表示する(ステップ−8)。
【0059】
次に、編成状態検出部20Eからコネクタ抜け検出信号を入力しているかどうかを確認し(ステップ−9)、確認すると通信ケーブル31が外されたと判断してステップ−1へ戻り、確認しないと、運転席選択スイッチ7の運転席の選択信号を入力しているかどうかを確認し(ステップ−10)、確認した運転席の表示画面28に、編成状態検出部20Eから入力した編成運転・状態データに基づいて“編成状態”が表示された画面(編成運転画面)を表示する(ステップ−11)。
【0060】
次に、運転席選択スイッチ7の運転席の選択信号の入力が無くなったかどうかを確認し(ステップ−12)、選択信号の入力が無くなったことを確認すると、ステップ−9へ戻り、運転席の選択信号の入力が有ると、編成状態検出部20Eからコネクタ抜け検出信号を入力しているかどうかを確認し(ステップ−13)、確認すると、非常停止信号(台車Cの走行を緊急停止する信号)を出力して台車Cを停止させ(ステップ−14)、ステップ−1へ戻る。
【0061】
このように、各単独・編成モード制御部M20D,S20Dの画像表示部41はそれぞれ、運転席選択スイッチ7により選択された運転席の表示画面28に、台車Cの編成状態を表示する。なお、編成運転・状態データが単独運転データのときは、通常待機中画面を表示している。
【0062】
“編成運転部M42”
マスタ台車MCの単独・編成モード制御部M20Dの編成運転部M42は、単独運転信号がOFF、且つコネクタ接続検出信号がON、且つCPU異常信号がOFFのときにセットされ、編成状態異常信号がON、またはコネクタ抜け検出信号がON、またはCPU異常信号がONであり、且つ編成運転信号がONのときにリセットされるRSフリップフロップから構成され、セットされたときに編成運転信号を出力する。また編成状態異常信号がON、またはコネクタ抜け検出信号がON、またはCPU異常信号がONであり、且つ編成運転信号がONのときに非常停止信号を出力する。
【0063】
編成運転信号は、スレーブ転送部M45により通信ケーブル31および接続端子33E,35Eを介してスレーブ台車SCの単独・編成モード制御部S20Dへ出力され、また信号受信部M20Gと、走行制御系(走行操作レバーの操作位置により車輪17の駆動モータ16を制御する制御系)ヘ出力され、また同時にリレイRYが駆動される。また非常停止信号は、上記画像表示部41より出力される非常停止信号とともに(論理和で)、前記走行制御系へ出力される。
【0064】
“編成運転部S42”
スレーブ台車SCの単独・編成モード制御部S20Dの編成運転部S44は、編成状態異常信号がON、またはコネクタ抜け検出信号がON、またはCPU異常信号がONであり、且つマスタ台車MCの単独・編成モード制御部M20Dから送信されてくる編成運転信号がONのときに非常停止信号を出力する。
【0065】
また送信されてきた編成運転信号は、単独転送部43とマスタ転送部S44と信号受信部S20Gと走行制御系へ出力され、また同時にリレイRYが駆動される。また非常停止信号は、上記画像表示部41より出力される非常停止信号とともに(論理和で)、走行制御系へ出力される。
【0066】
“単独転送部43”
マスタ台車MCの単独・編成モード制御部M20Dの単独転送部43は、編成運転部42から出力される編成運転信号がOFFのとき、スレーブ台車SCの単独・編成モード制御部のS20Dの単独転送部43は、マスタ台車MCの単独・編成モード制御部M20D(編成運転部42)から送信されてくる編成運転信号がOFFのとき、すなわち単独運転モードのとき、それぞれ操舵制御部M20A,S20Aに対して、前部運転席2Aおよび後部運転席2Bよりそれぞれ入力した、ステアリング操舵角検出器4により検出されたステアリング操舵角、運転席選択スイッチ7の運転席の選択信号、および走行モード選択スイッチ6により選択された走行モードを出力する。
【0067】
また前記編成状態異常信号を入力すると、ステアリング操舵角検出器4、走行モード選択スイッチ6、および運転席選択スイッチ7の信号の受け付けを拒絶し、台車Cが運転されることがないようにロックし、そのまま待機状態とする。
【0068】
“編成転送部M44”
マスタ台車MCの単独・編成モード制御部M20Dの編成転送部M44は、編成運転部42から出力される編成運転信号がONのとき、すなわち編成運転モードのとき、編成操舵制御部20Cに対して、次のデータを出力する。
【0069】
・編成状態検出部M20Eから出力される編成運転・状態データ。
・マスタ台車MCの前部運転席2Aおよび後部運転席2Bよりそれぞれ入力した、ステアリング操舵角検出器4により検出されたステアリング操舵角、運転席選択スイッチ7の運転席の選択信号、および走行モード選択スイッチ6により選択された走行モード。
【0070】
・後述するスレーブ台車SCの単独・編成モード制御部S20D(マスタ転送部S45)から送信されてくる、スレーブ台車SCの前部運転席2Aおよび後部運転席2Bよりそれぞれ入力した、ステアリング操舵角検出器4により検出されたステアリング操舵角、運転席選択スイッチ7の運転席の選択信号、および走行モード選択スイッチ6により選択された走行モード。
【0071】
また前記編成状態異常信号を入力すると、マスタ台車MCの前部運転席2Aおよび後部運転席2Bよりそれぞれ入力した、ステアリング操舵角検出器4、走行モード選択スイッチ6、および運転席選択スイッチ7の信号の受け付けを拒絶し、さらに後述するスレーブ台車SCの編成転送部S44から送信されてくる、スレーブ台車SCの前部運転席2Aおよび後部運転席2Bよりそれぞれ入力した、ステアリング操舵角検出器4、走行モード選択スイッチ6、および運転席選択スイッチ7の信号の受け付けを拒絶し、台車Cが運転されることがないようにロックし、そのまま待機状態とする。
【0072】
“スレーブ転送部M45”
マスタ台車MCの単独・編成モード制御部M20Dのスレーブ転送部M45は、編成運転部M42より出力される編成運転信号と、走行操作レバーの操作位置のデータを、通信ケーブル31および接続端子33E,35Eを介してスレーブ台車SCの単独・編成モード制御部S20Dへ出力する。
【0073】
“マスタ転送部S45”
スレーブ台車SCの単独・編成モード制御部S20Dのマスタ転送部S45は、マスタ台車MCの編成運転部42から送信されてくる編成運転信号がON、すなわち編成運転モードのとき、通信ケーブル31および接続端子33E,35Eを介して、マスタ台車MCの単独・編成モード制御部M20Dに対して、次のデータを出力する。
【0074】
・スレーブ台車SCの前部運転席2Aおよび後部運転席2Bよりそれぞれ入力した、ステアリング操舵角検出器4により検出されたステアリング操舵角、運転席選択スイッチ7の運転席の選択信号、走行モード選択スイッチ6により選択された走行モード、および走行操作レバーの操作位置のデータ。
【0075】
上記構成により、編成運転信号を入力しているとき、すなわち編成モードのとき、スレーブ台車SCの単独・編成モード制御部S20Dは、画像表示部41により前記編成運転画面を表示した後に、通信ケーブル31および接続端子33E,35Eを介してマスタ台車MCの単独・編成モード制御部M20Dへ、前部運転席2Aおよび後部運転席2Bよりそれぞれ入力した、ステアリング操舵角検出器4により検出されたステアリング操舵角、運転席選択スイッチ7の運転席の選択信号、走行モード選択スイッチ6により選択された走行モード、および走行操作レバーの操作位置のデータを送信し、マスタ台車MCの編成操舵制御部20Cから出力される編成スレーブ軸目標舵角を舵角指令部S20Bへ入力する切換リレイRYを駆動している。前記マスタ台車MCの編成操舵制御部20Cから出力される編成スレーブ軸目標舵角は、通信ケーブル31および接続端子33E,35Eを介してスレーブ台車SCへ伝送されており、切換リレイRYによって、伝送されてきた編成スレーブ軸目標舵角はスレーブ台車SCの舵角指令部S20Bへ入力され、伝送されてきた編成スレーブ軸目標舵角に応じて各車輪装置SR1〜SR4,SL1〜SL4の車輪17がそれぞれ所定角度転舵される。
【0076】
また編成運転モードのとき、マスタ台車MCの単独・編成モード制御部M20Dは、画像表示部41により前記編成運転画面を表示した後に、編成操舵制御部20Cに対して、前部運転席2Aおよび後部運転席2Bよりそれぞれ入力した、ステアリング操舵角検出器4により検出されたステアリング操舵角、運転席選択スイッチ7の運転席の選択信号、および走行モード選択スイッチ6により選択された走行モード、またはスレーブ台車SCの単独・編成モード制御部S20Dより入力したステアリング操舵角検出器4により検出されたステアリング操舵角、運転席選択スイッチ7の運転席の選択信号、および走行モード選択スイッチ6により選択された走行モードを出力し、加えて編成状態(横編成状態または縦編成状態)を出力し、マスタ台車MCの編成操舵制御部20Cから出力される編成スレーブ軸目標舵角を舵角指令部M20Bへ入力する切換リレイRYを駆動している。この切換リレイRYによって編成スレーブ軸目標舵角は舵角指令部M20Bへ入力され、編成スレーブ軸目標舵角に応じて各車輪装置MR1〜MR4,ML1〜ML4の車輪17がそれぞれ所定角度転舵される。
【0077】
「編成操舵制御部20C」
上記編成操舵制御部20Cの構成について詳細に説明する。
編成操舵制御部20Cは、図2に示すように、操舵制御部20Aと同様に、マスタ軸目標舵角演算部(以下、編成マスタ軸目標舵角演算部と称す)51、旋回中心演算部(以下、編成旋回中心演算部と称す)52、およびスレーブ軸目標舵角演算部(以下、編成スレーブ軸目標舵角演算部と称す)53から構成されている。
【0078】
“編成マスタ軸目標舵角演算部51”
編成マスタ軸目標舵角演算部51には、単独・編成モード制御部M20Dより、上記ステアリング操舵角、運転席の選択信号、走行モード、および編成状態(データ)が入力され、まず走行モードおよび編成状態によりマスタ軸(以下、編成マスタ軸と称す)MSを設定する。
【0079】
編成状態が縦編成状態のとき、図8に示すように、直進/斜行走行モードで前進のときにおける編成マスタ軸MS1は、編成進行軸OCL上で前進方向の最前列の車輪装置MR1,ML1間の中央部に設定され、また直進/斜行走行モードで後進のときにおける編成マスタ軸MS2は、編成進行軸OCL上で後進方向の最前列の車輪装置SR4,SL4間の中央部に設定される。また横行走行モードで左換向のときにおける編成マスタ軸MS3は、編成中央横断軸OAL上で横行走行モードの左進方向の最前列で中央の車輪装置ML4,SL1間の中央部に設定され、横行走行モードで右換向のときにおける編成マスタ軸MS4は、編成中央横断軸OAL上で横行走行モードの右進方向の最前列で中央の車輪装置MR4,SR1間の中央部に設定される。
【0080】
また編成状態が横編成状態のとき、図9に示すように、直進/斜行走行モードで前進のときにおける編成マスタ軸MS1は、編成進行軸OCL上で前進方向の最前列の車輪装置MR1,SL1間の中央部に設定され、直進/斜行走行モードで後進のときにおける編成マスタ軸MS2は、編成進行軸OCL上で後進方向の最前列の車輪装置MR4,SL4間の中央部に設定される。また横行走行モードで左換向のときにおける編成マスタ軸MS3は、編成中央横断軸OAL上で横行走行モードの左進方向の最前列で中央の車輪装置ML2,ML3間の中央部に設定され、横行走行モードで右換向のときにおける編成マスタ軸MS4は、編成中央横断軸OAL上で横行走行モードの右進方向の最前列で中央の車輪装置SL2,SL3間の中央部に設定される。
【0081】
そして、編成マスタ軸目標舵角演算部51は、運転席選択スイッチ7により選択された運転席側のステアリング操舵角検出器4により検出されたステアリング操舵角を、マスタ軸MS1,MS2,MS3,MS4におけるマスタ軸目標舵角θmとして設定する。
【0082】
“編成旋回中心演算部52”
編成旋回中心演算部52は、前記マスタ軸目標舵角θmに基づいて台車本体1の旋回中心OSを求める。
【0083】
編成状態が縦編成状態のとき、例えば図8(a)に示すように、走行モード選択スイッチ6により直進(斜行)走行モードが選択されて前進の場合、旋回中心OSは、マスタ軸MS1に、編成進行軸OCLに対してマスタ軸目標舵角θmで直角に交差する直線MLと、編成中央横断軸OALが交差する点として設定される。
【0084】
また例えば図8(b)に示すように、走行モード選択スイッチ6により横行走行モードが選択されて左換向の場合、旋回中心OSは、マスタ軸MS3に、編成中央横断軸OALに対してマスタ軸目標舵角θmで直角に交差する直線MLと、編成進行軸OCLが交差する点として設定される。
【0085】
編成状態が横編成状態のとき、例えば図9(a)に示すように、走行モード選択スイッチ6により直進(斜行)走行モードが選択されて前進の場合、旋回中心OSは、マスタ軸MS1に、編成進行軸OCLに対してマスタ軸目標舵角θmで直角に交差する直線MLと、編成中央横断軸OALが交差する点として設定される。
【0086】
また例えば図9(b)に示すように、走行モード選択スイッチ6により横行走行モードが選択されて左換向の場合、旋回中心OSは、マスタ軸MS3に、編成中央横断軸OALに対してマスタ軸目標舵角θmで直角に交差する直線MLと、編成進行軸OCLが交差する点として設定される。
【0087】
“編成スレーブ軸目標舵角演算部53”
編成スレーブ軸目標舵角演算部53は、図8(a)(b)および図9(a)(b)に示すように、編成旋回中心演算部52により求めた旋回中心OSに対して各車輪装置MR1〜MR4,ML1〜ML4,SR1〜SR4,SL1〜SL4のスレーブ軸SSが直角となるスレーブ軸目標舵角をそれぞれ求める。
【0088】
このように、編成操舵制御部20Cにおいて、編成状態検出部20Eにより判断した台車群の台車MC,SCの配置状態に応じて、台車MC,SCのステアリングホイール3により操作された操舵角からマスタ台車MCと各スレーブ台車SCの旋回中心OSが求められ、この求められた旋回中心OSからマスタ台車MCおよびスレーブ台車SCの各車輪装置MR1〜MR4,ML1〜ML4,SR1〜SR4,SL1〜SL4の編成スレーブ軸目標舵角が演算され、各台車MC,SCの舵角指令部M20B,S20Bへ出力され、各舵角指令部M20B,S20Bにおいて車輪装置MR1〜MR4,ML1〜ML4,SR1〜SR4,SL1〜SL4の車輪17がそれぞれ転舵されて、各台車MC,SCが旋回・移動される。
【0089】
「走行制御系」
マスタ台車MCの上記走行制御系は上記非常停止信号を入力すると、車輪装置MR1〜MR4,ML1〜ML4の各駆動モータ16を停止し、非常停止し、またスレーブ台車SCの上記走行制御系は上記非常停止信号を入力すると、車輪装置SR1〜SR4,SL1〜SL4の各駆動モータ16を停止し、非常停止する。
【0090】
またマスタ台車MCの走行制御系には、マスタ台車MCの走行操作レバーの操作位置(データ)に加えて、スレーブ台車SCのマスタ転送部S44から送信されてくる、スレーブ台車SCの走行操作レバーの操作位置(データ)が入力され、編成運転信号がONのとき、マスタ台車MCの走行操作レバーの操作位置とスレーブ台車SCの走行操作レバーの操作位置に応じて、車輪装置MR1〜MR4,ML1〜ML4の各駆動モータ16を制御し、編成運転信号がOFFのとき、マスタ台車MCの走行操作レバーの操作位置のみで車輪装置MR1〜MR4,ML1〜ML4の各車輪17の駆動モータ16を制御する。
【0091】
またスレーブ台車SCの走行制御系には、スレーブ台車SCの走行操作レバーの操作位置(データ)に加えて、マスタ台車MCのスレーブ転送部MS44から送信されてくる、マスタ台車MCの走行操作レバーの操作位置(データ)が入力され、編成運転信号がONのとき、マスタ台車MCの走行操作レバーの操作位置とスレーブ台車SCの走行操作レバーの操作位置に応じて、車輪装置SR1〜SR4,SL1〜SL4の各駆動モータ16を制御し、編成運転信号がOFFのとき、スレーブ台車SCの走行操作レバーの操作位置のみで車輪装置SR1〜SR4,SL1〜SL4の各駆動モータ16を制御する。
【0092】
上記編成搬送台車設備の全体構成による作用を説明する。
作業者は、運搬する運搬物により、台車Cが1台で運搬できるかどうか判断し、運搬できないと判断すると、運搬物の形状により、横編成状態とするのか、縦編成状態するのかを選択する。今、縦編成状態を選択したとする。
【0093】
まず、マスタ台車MCを単独運転で先頭に位置し、スレーブ台車SCを単独運転でこのマスタ台車MCの後方に位置し、マスタ台車MCの接続コネクタ32BLとスレーブ台車SCの接続コネクタ32FLを通信ケーブル31により接続する。
【0094】
次にマスタ台車MCとスレーブ台車SCの電源を投入し、各操舵コントローラM20,S20により表示された表示画面28が通常待機中画面となり、続いて編成運転選択画面となると、編成運転選択画面上の「編成運転選択」の表示部を操作し(タッチし)、編成待機中画面となると、運転席選択スイッチ7により運転席2Aまたは2Bを選択し、正常に編成運転画面が表示されると、運搬物の搬送元へ向かって運転を開始する。搬送元に到着すると停止し、縦編成の台車MC,SCに運搬物が搭載されると、搬送先へ向かって運転を開始し、搬送元に到着すると停止する。そして、縦編成の台車MC,SCより運搬物が搬出されると、運転席選択スイッチ7により運転席2Aまたは2Bを非選択とし、通信ケーブル31を外して編成を解除する。
【0095】
前記運転は、各台車MC,SCから可能であり、走行モード選択スイッチ6により走行モードを選択し、走行操作レバーの操作により走行させ、ステアリングホイール3の操作により換向する。この換向は、上述したように、旋回中心OSを中心に行われる。
【0096】
以上のように本実施の形態によれば、各信号送信部M20F,S20Fおよび各信号受信部M20G,S20Gの構成によって、マスタ台車MCの操舵コントローラM20とスレーブ台車SCの操舵コントローラS20との間において互いに通信ケーブル31を介して、信号送信部M20F,S20Fより出力される一定周期(本実施の形態では1秒)で変化するヘルシー信号が互いに送信され、信号受信部S20G,M20Gにおいて、互いに送信されてきている信号が監視され、一定周期以上(本実施の形態では1.2秒)ヘルシー信号が変化しないとき、相手先の台車の操舵コントローラS20,M20に異常が発生したと判断されることにより、マスタ台車MCの操舵コントローラM20より上記編成スレーブ軸目標舵角(各スレーブ台車SCの目標舵角)が正常に送信され、スレーブ台車SCの操舵コントローラS20が上記編成スレーブ軸目標舵角を正常に受信していると見られるときにでも、相手先(送信先)の台車の操舵コントローラ20に異常が発生しているかどうかが判断できる。また逆に、受信側の台車の操舵コントローラ20は、送信先の台車の操舵コントローラ20の異常を判断できることにより、送信元の操舵コントローラ20の異常発生を、受信先に伝達することができる。
【0097】
また本実施の形態によれば、相手先の台車の操舵コントローラS20,M20に異常が発生したと判断されるとCPU異常信号が出力され走行が停止されることにより、マスタ台車MCとスレーブ台車SCが接触したり、離れたりして大型の運搬物を落下させる恐れが生じ、安全性が損なわれる恐れを回避できる。また警報ランプ29が点灯されることにより、通信ケーブル31で接続されている相手の操舵コントローラ20に異常が発生していることを作業者へ報知することができる。
【0098】
また本実施の形態によれば、編成状態検出部M20E,S20Eによって、通信ケーブル31が接続された接続コネクタ32の抜けが検出され、走行が停止されることにより、固定された上記編成スレーブ軸目標舵角によりスレーブ台車SCが操舵されることを防止でき、マスタ台車MCとスレーブ台車SCが接触したり、離れたりして大型の運搬物を落下させる恐れが生じ、安全性が損なわれる恐れを回避できる。
【0099】
また本実施の形態によれば、編成状態検出部M20E,S20Eによって、通信ケーブル31が接続された接続コネクタ32によりマスタ台車MCに対するスレーブ台車SCの位置が求められ、台車群の台車の配置状態が自動的に判断されることにより、作業者が編成の毎に台車の編成状態を入力する必要がなくなり作業者の負担を回避でき、また入力ミスにより、台車群が一体で換向されるときに各台車Cの換向の向きが異なり、接触したり、通信ケーブル31が切断する恐れを回避できる。
【0100】
また本実施の形態によれば、編成状態検出部M20Eにより検出された接続コネクタ32が、“予め登録された台車Cの配置状態”のときに通信ケーブル31が接続される接続コネクタ32と異なるとき、予め登録された配置状態に台車Cが配置されてないと判断され、通信ケーブル31の接続が無効とされることにより、正常な台車Cの配置が保証され、配置のミスにより台車群が一体で換向されるとき、各台車MC,SCの換向の向きが異なり、接触したり、通信ケーブル31が外れたりする恐れを回避できる。
【0101】
また本実施の形態によれば、台車群の台車Cの配置状態により台車全体のマスタ軸(旋回軸)MSは異なり、またステアリング操舵角により換向する際の台車群の旋回中心OSは異なってくるが、台車群の台車Cの配置状態が判断されることによりマスタ軸MSを自動的に特定でき、この特定したマスタ軸MSおよびマスタ台車MCのステアリング操舵角に基づいて台車群の旋回中心OSを特定でき、旋回中心OSからマスタ台車MCおよびスレーブ台車SCの各車輪17の目標舵角をそれぞれ求めることができる。
【0102】
また本実施の形態によれば、台車群の台車Cの配置状態が表示画面28に表示されることにより、作業者は台車群の台車Cの配置状態を把握でき、配置状態に応じたステアリングを行うことができる。
【0103】
なお、本実施の形態では、台車Cの配置状態を、2台横編成状態と2台縦編成状態としているが、このような編成状態に限ることはなく、2台横編成状態と2台縦編成状態を組み合わせた4台複合編成状態とすることもできる。また走行モードを、全軸(実施の形態では8軸)を換向する直進モードと横行モードとしているが、前軸(4軸)のみを換向するモードや後軸(4軸)のみを換向するモードとすることもできる。
【0104】
また本実施の形態では、図3に示すように、通信ケーブル31を5本の通信線から構成し、マスタ台車MCの操舵コントローラM20とスレーブ台車SCの操舵コントローラS20との間で送受信されるデータ毎に通信線を設けているが、通信ケーブル31を、送信用通信線と受信用通信線の2本の通信線により構成し、各台車MC,SCにこの2本の通信線に接続されたデータ送受信器を設け、前記送受信されるデータを、このデータ送受信器を使用して送受信するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0105】
C 台車
MC マスタ台車
SC スレーブ台車
R1〜R4,L1〜L4,MR1〜MR4,ML1〜ML4,SR1〜SR4,SL1〜SL4 車輪装置
1 台車本体
2A 前部運転席
2B 後部運転席
3 ステアリングホイール
4 ステアリング操舵角検出器
6 走行モード選択スイッチ
7 運転席選択スイッチ
17 車輪
18a ステアリングモータ
19 舵角検出器
20 操舵コントローラ
20A 操舵制御部
20B 舵角指令部
20C 編成操舵制御部
20D 単独・編成モード制御部
20E 編成状態検出部
20F 信号送信部
20G 信号受信部
21 マスタ軸目標舵角演算部
22 旋回中心演算部
23 スレーブ軸目標舵角演算部
24 舵角指令値演算部
25 舵角指令値出力部
28 表示画面
29 警報ランプ
31 通信ケーブル
32,34 接続コネクタ
51 編成マスタ軸目標舵角演算部
52 編成旋回中心演算部
53 編成スレーブ軸目標舵角演算部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の独立換向式の車輪装置と、操舵装置により操作された操舵角に基づいて各車輪装置を換向する目標舵角を求め前記各車輪装置を操舵する操舵コントローラとを備えた複数の台車により台車群を編成し、この編成した台車群のうち、1台を主動走行するマスタ台車とするとともに、残りをマスタ台車に従動走行するスレーブ台車として、前記マスタ台車と各スレーブ台車をそれぞれ通信ケーブルにより接続し、編成した台車群により大型の運搬物を積載して運搬する編成搬送台車設備であって、
前記マスタ台車および各スレーブ台車それぞれの前記操舵コントローラに、
前記ケーブルで接続された台車に対して、前記通信ケーブルを介して、一定周期で変化する信号を送信する送信部と、
前記送信部により送信された信号を受信し、受信した信号が前記一定周期以上変化しないとき送信先の台車の操舵コントローラに異常が発生したと判断する受信部
を備えること
を特徴とする編成搬送台車設備。
【請求項2】
前記マスタ台車およびスレーブ台車の前記操舵コントローラは、前記受信部により、送信先の台車の操舵コントローラに異常が発生したと判断されると、自身の台車の走行を非常停止すること
を特徴とする請求項1に記載の編成搬送台車設備。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2011−20592(P2011−20592A)
【公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−168335(P2009−168335)
【出願日】平成21年7月17日(2009.7.17)
【出願人】(000003241)TCM株式会社 (319)
【Fターム(参考)】