説明

緩衝機能付包装用箱

【課題】収容物のがたつきを小さく抑え、衝撃を吸収する緩衝性能を長期間維持することができ、組み立てが容易な緩衝機能付包装用箱を提供する。
【解決手段】第一側面板14、上面板16、第二側面板18、底面板20により外側筒状体を構成し、外側筒状体の端部を塞ぐ側蓋を有する。底面板20の端辺に連なった第一糊付板66が、第一側面板14の裏面に糊付される。第一糊付板66には、緩衝仕切板68が連なっている。緩衝仕切板68は、上方支持部76及び連結部78で成るL字状部分を有し、連結部78の端辺から連接された第二糊付板70が第二側面板18に糊付され、上記L字状部分が底面板20の上方に隙間を空けて対面する。連結部78から側方支持部80と糊付片82とが順に設けられ、糊付片82が底面板20に糊付され、側方支持部80が第一糊付板66の側方に隙間を空けて対面する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、外側筒状体の内側に緩衝用に仕切られた収容部が一体に設けられ、瓶などの収容物を衝撃から保護する緩衝機能付包装用箱に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ブランクシートから一体的に打ち抜かれた箱体形成片を折り曲げて糊付し、ワンタッチで引き起こして組み立て可能な包装箱がある。また、衝撃に弱い収容物を保護するため、衝撃を吸収する緩衝用の仕切りを一体に備える緩衝機能付包装箱も提案されている。
【0003】
例えば、特許文献1に開示されているように、4つの側壁、上蓋及び下蓋によって密閉状態に組み立てられる角柱状の包装箱であって、箱内部に設けた仕切り片と、上支え片又は下支え片とによって、瓶類である収容物の胴部と、上面又は底面とを移動不能に保持し、さらに、前記側壁面上の一部に折り線とミシン目で囲った取出し扉を有する瓶類包装箱がある。この瓶類包装箱は、一枚の箱体形成片から成り、組み立てた状態で、収容物の胴部を、4つの側壁で囲んだ筒状体のほぼ対角線の位置に配置される仕切り片と、互いに隣接する2つの側壁との間で保持する構造になっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−153827号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の瓶類包装箱の場合、仕切り片は、上記対角線方向の一端が所定の側壁の裏面に糊付けにより固定されているものの、反対側の一端が所定の側壁の裏面に摺動自在に支持されている構造になっている。従って、収容物が収納された状態で比較的大きな衝撃を受けると、仕切り片が大きく撓んでしまい十分な緩衝効果を得ることができない。また、収容物を収納した状態で長期間放置されると、収容物の重量を受けて仕切り片が円弧状に変形してしまい、収容物のがたつきが大きくなり、衝撃を吸収する弾力性や反発性も低下してしまうという問題があった。
【0006】
この発明は、上記背景技術に鑑みて成されたもので、収容物のがたつきを小さく抑え、衝撃を吸収する緩衝性能を長期間維持することができ、組み立ても容易な緩衝機能付包装用箱を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、一枚のブランクシートから一体的に打ち抜かれた箱体形成片から成り、前記箱体形成片には、第一側面板、上面板、第二側面板、底面板が順に互いに平行に連接され、前記第一側面板、前記上面板、前記第二側面板、前記底面板の連接方向に対して直角な所定の端部に側面部材が延設され、前記箱体形成片を組み立てた状態で、前記第一側面板、前記上面板、前記第二側面板及び前記底面板が矩形の外側筒状体を形成し、その両側端部が前記側面部材で成る第一側蓋及び第二側蓋で各々閉じられ、前記外側筒状体の前記上面板を含む領域に、開口蓋部が設けられている緩衝機能付包装用箱であって、前記底面板の連接方向の端辺に、さらに、第一糊付板、緩衝仕切板及び第二糊付板が順に連接され、前記第一糊付板は、連接方向長さが、前記第一及び第二側面板の連接方向長さよりも短く、前記底面板との境界が第一折罫線で区切られ、前記緩衝仕切板には、前記第一糊付板の前記第一側蓋側の端部から前記連接方向に延設され、前記第一糊付板との境界が第二折罫線で区切られた上方支持部と、前記上方支持部の延設方向の端部から前記第二側蓋側に延設された連結部と、前記連結部の延設方向の端部から前記底面板側に延設され、前記連結部との境界が第三折罫線で区切られた側方支持部と、前記側方支持部の延設方向の端部から前記底面板側に延設され、前記側方支持部との境界が第四折罫線で区切られた糊付片とが設けられ、前記第二糊付板は、前記緩衝仕切板の前記連結板の端部に前記連接方向に延設され、前記連結板との境界が第五折罫線で区切られた緩衝機能付包装用箱である。
【0008】
前記箱体形成片を組み立てた状態で、前記外側筒状体の内側で前記第二糊付板の裏面が前記第二側面板の裏面に糊付され、前記糊付片の裏面が前記底面板の裏面に糊付され、第一糊付板の表面が前記第一側面板の裏面に糊付けされ、前記第二折罫線を正折りし前記第五折罫線を逆折りすることによって、前記第一糊付板と前記第二糊付板とで支持された前記上方支持部及び連結部が、前記底面板の上方に隙間を空けて対面し、前記第三折罫線を正折りし第四折罫線を逆折りすることによって、前記側方支持部が前記第一糊付板の側方に隙間を空けて対面する緩衝機能付包装用箱である。
【0009】
また、前記上方支持部の内側端部と前記第二側蓋との間隔は、筒状収容物の長さ方向の寸法よりも僅かに長く、前記側方支持部と前記第一糊付板とが対面する間隔は、前記筒状収容物の幅方向の寸法よりも僅かに長く設けられている。
【0010】
さらに、前記箱体形成片を組み立てた状態で、前記連結部の前記第一側面板側の端辺が、前記筒状収容物の胴部よりも細くなっている部分の形状に沿って形成され、前記筒状収容物が収納可能な向きを規制する。
【発明の効果】
【0011】
本発明の緩衝機能付包装用箱は、側方支持部の上端部が連結部を介して第二側面板の裏面に固定され、下端部が底面板の裏面に固定されているので、外側筒状体の側方から加わった衝撃から収容物を保護する優れた緩衝性能を有し、その緩衝性能を長期間維持することができる。
【0012】
また、上方支持部、連結部及び側方支持部を収容物の形状に合わせて形状を調整することによって、収容物のがたつきを容易に抑えることができる。また、連結部の第一側面板側の端辺を、筒状収容物の胴部よりも細くなっている部分の形状に沿って形成し、筒状収容物が収納可能な向きを規制するようにすることにより、誤った向きに収納されるのを防止することができる。
【0013】
さらに、この緩衝機能付包装用箱は、上記の優れた性能を有しながらも、一枚の箱体形成片で構成され、折り曲げて糊付した後、ワンタッチで組み立て可能であり、収容物の包装作業を効率よく行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】この発明の一実施形態の緩衝機能付包装用箱を開封したときの外観を示す斜視図(a),(b)である。
【図2】この実施形態の緩衝機能付包装用箱を展開した箱体形成片を示す平面図である。
【図3】この実施形態の緩衝機能付包装用箱の組み立て方法を説明する平面図である。
【図4】この実施形態の緩衝機能付包装用箱の組み立て方法を説明する平面図である。
【図5】この実施形態の緩衝機能付包装用箱の組み立て方法を説明する平面図である。
【図6】この実施形態の緩衝機能付包装用箱の内部の糊付け箇所を説明する模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、この発明の緩衝機能付包装用箱の一実施形態について、図面に基づいて説明する。この実施形態の緩衝機能付包装用箱10は、厚紙等のブランクシートから一体に打ち抜かれた箱体形成片12を折り曲げて糊付けし、ワンタッチで引き起こして組み立てられた箱体である。緩衝機能付包装用箱10は、図1(a),(b)に示すように、略矩形で縦長の外側筒状体S1と、その内側に所定の隙間を空けて対面するように配置された緩衝用仕切りで仕切られた収容部S2と、外側筒状体S1の両側端部を閉鎖する一対の側蓋S3,S4で構成され、衝撃に弱い収容物Wを収容部S2内で緩衝的に保持する構造になっている。ここでは、収容物Wは、清涼飲料等が入れられたガラス瓶であり、図1(b)に示すように、円筒状の胴部W1、胴部W1から連続して細く締まった首部W2、上蓋が取り付けられた頭部W3を有している。
【0016】
図2は、箱体形成片12を裏面から見た展開図である。箱体形成片12は、組み立て状態で一方の側面となる第一側面板14から順に、第一側面板14、上面板16、第二側面板18、底面板20が互いに平行に連接して形成され、折罫線22,24,26で各々区切られている。第一側面板14、上面板16、第二側面板18、底面板20は、連接する幅方向がほぼ同じ長さである。連接方向の長さは、第一側面板14及び第二側面板18がほぼ等しく、収容物Wの胴部W1の直径よりも僅かに長い。一方、上面板16及び底面板20は、ほぼ等しいが第一側面板14及び第二側面板18よりも長い。
【0017】
第一側面板14の、上面板16との連接方向に対して直角な一端辺には、台形状の側面部材であるフラップ28が折罫線30で区切られて設けられている。フラップ28の折罫線30から先端までの長さは、上面板16の連接方向長さの1/2程度である。同様に、第一側面板14の折罫線30と反対側の端辺にも、フラップ28とほぼ同形のフラップ32が折罫線34で区切られて設けられている。
【0018】
上面板16の、第一側面板14との連接方向に対して直角な一端辺であって、フラップ28と隣接する端辺には、台形状の側面部材である第一側蓋片36が折罫線38で区切られて設けられている。第一側蓋片36の折罫線38から先端までの長さは、第一側面板14の連接方向長さよりも僅かに短い。同様に、上面板16の折罫線38と反対側の端辺には、第二側蓋片40が折罫線42で区切られて設けられている。第二側蓋片40は、第一側蓋片36とほぼ同形である。
【0019】
また、上面板16には、折罫線22と折罫線24との間を結ぶ2本のミシン目44が設けられ、第一側面板14には、2本のミシン目44の端部を台形状に結ぶ開封用切込線46が設けられている。このミシン目44と開封用切込線46とで囲まれた部分が、収容物Wを取り出すための開口蓋部48である。
【0020】
第二側面板18の、上面板16との連接方向に対して直角な一端辺であって、第一側蓋片36と隣接する端辺には、フラップ28とほぼ同形のフラップ50が折罫線52で区切られて設けられている。同様に、第二側面板18の折罫線52と反対側の端辺にも、フラップ50とほぼ同形のフラップ54が折罫線56で区切られて設けられている。
【0021】
底面板20の、第二側面板18との連接方向に対して直角な一端辺であって、フラップ50と隣接する端辺には、台形状の側面部材である第一側蓋片58が折罫線60で区切られて設けられている。同様に、底面板20の折罫線60と反対側の端辺には、第二側蓋片62が折罫線64で区切られて設けられている。第一側蓋片58及び第二側蓋片62は、第一側蓋片38及び第二側蓋片40とほぼ同形である。
【0022】
さらに、底面板20の連接方向の端辺に、第一糊付板66、緩衝仕切板68及び第二糊付板70が順に連接されている。
【0023】
第一糊付板66は、底面板20との境界が第一折罫線72で区切られており、連接方向長さが、第一側蓋片58側の領域と第二側蓋片62側の領域とで異なっている。第一側蓋片58側領域の上記連接方向長さは、第一側面板14及び第二側面板18の上記連接方向長さの約1/2であり、第二側蓋片62側領域の連接方向長さは、第一側面板14の連接方向の端辺から開封用切込線46までの長さよりも短い。
【0024】
緩衝仕切板68は、上方支持部76、連結部78、側方支持部80及び糊付片82で構成されている。上方支持部76は、第一糊付部66の第一側蓋片58側の端部から上記連接方向に幅狭に延設され、第一糊付部66との境界が第二折罫線74で区切られている。また、上方支持部76には、上方支持部76自身を撓みにくくするためにエンボス加工が施されて成る複数の筋状痕76aが設けられている。連結部78は、上方支持部76の延設方向の端部から第二側蓋片62側に延設されている。すなわち、上方支持部76と連結部78はL字状に連続し、当該L字状部分の上方支持部76側の一辺の長さは、上面板16及び底面板20の連接方向長さよりも僅かに短く、L字状部分の連結部78側の一辺の長さは、上面板16及び底面板20が連接する幅寸法よりも僅かに短くなっている。
【0025】
側方支持部80は、連結部78の延設方向の端部から第二側蓋片62側に延設され、連結部78との境界が第三折罫線84で区切られている。側方支持部80の延設方向長さは、第一糊付板66の第一側蓋片58側領域の上記連接方向長さとほぼ等しい。糊付片82は、側方支持部80の先端に台形状に延設され、側方支持部80との境界が第四折罫線86で区切られている。糊付片82の先端は、第一糊付板66の第二側蓋片62側の端辺に達しているが、切断線88で分離されている。また、側方支持部80には、第四折罫線86の折り曲げを容易にするため、第四折罫線86の中ほどの位置にコの字状の切り込み90が設けられている。
【0026】
さらに、連結部78は、上方支持部76と側方支持部80との間に位置する第一側面板58側の端辺に突部78aが設けられている。突部78aは、収容物Wの細い部分である頭部W3の形状に沿った形状に設けられている。詳しくは後で述べる。
【0027】
第二糊付板70は、緩衝仕切板68の上記L字状部分の連結部78側の端辺に設けられ、緩衝仕切板68との境界が第五折罫線92で区切られている。第二糊付部70の連接方向長さは、第一糊付板66の第一側蓋片58側領域の上記連接方向長さとほぼ等しい。
【0028】
次に、緩衝機能付包装用箱10の組み立て方法の一例について説明する。ここで、図3〜図5は箱体形成片12の裏面を見たものであり、以下、箱体形成片12の表面が凸になる折り方を正折り、そして裏面が凸になる折り方を逆折りと称する。
【0029】
まず、図3に示すように、第二糊付板70の裏面に糊94を、糊付片82の裏面に糊96をそれぞれ塗布し、図4に示すように、第一折罫線72を正折りする。これにより、第二糊付板70の裏面が第二側面板18の裏面に糊付され、糊付片82の裏面が底面板20の裏面に糊付される。次に、図4に示すように、第一糊付板66の表面に糊98を塗布し、図5に示すように、折罫線24を正折りする。これにより、第一側面板14の裏面が第一糊付板66の表面に糊付される。このようにして箱体形成片12は折り畳み状態となり、この状態で出荷される。
【0030】
次に、収容物Wを収容し包装する工場等において、折罫線22,26を各々90度に正折りし、四角形の箱体にする。すると、図6に示すように、第一側面板14、上面板16、第二側面板18、底面板20が、断面矩形の外側筒状体S1を形成する。このとき、外側筒状体S1の内側は、第一糊付板66の表面が第一側面板14の裏面に糊付されているので、第二折罫線74が正折りされ、第二糊付板70の裏面が第二側面板18の裏面に糊付されているので第五折罫線92が逆折りされ、上方支持部76及び連結部78で成るL字状部分が、底面板20と上面板16との間の中間位置にほぼ水平に保持される。また、糊付片82の裏面が底面板20の裏面に糊付されているので、第三折罫線84が正折りされ、第四折罫線86が逆折りされ、側方支持部80が第一糊付板66と隙間を空けて対面する。側方支持部80と第一糊付板66との間隔は、収容物Wの胴部W1の直径よりも僅かに長い。このようにして、図1、図6に示すように、上方支持部76.連結部78、側方支持部80、底面板20及び第一糊付板66で囲まれた収容部S2が形成される。
【0031】
次に、折罫線30,52を各々90度に正折りしてフラップ28,50を倒し、さらに折罫線38,60を各々90度に正折りし、第一側蓋片36,58を重ねて糊付し、外側筒状体S1の一方の開口部を閉鎖する第一側蓋S3が形成される。
【0032】
この状態で、収容物Wを収容部S2の中に入れる。収容物Wは、外側筒状体S1の第二側蓋片40,62側の開口に、頭部W1の側から挿入され、収容部S2内に収納される。このとき、収容物Wを胴部W3の側から挿入しようとしても、胴部W3が連結部78の突部78aにぶつかって奥まで入らない。従って、収容物Wが誤って逆向きに収納されるのを防止することができる。
【0033】
収容物Wを入れた後、折罫線34,56を各々90度に正折りしてフラップ32,54を倒し、さらに折罫線42,64を各々90度に正折りし第二側蓋片40,62を重ねて糊付し、外側筒状体S1の他方の開口部を閉鎖する第二側蓋S4が形成される。これで、緩衝機能付包装用箱10を組み立てて収容物Wを包装する作業が終了する。
【0034】
収容物Wは、収容部S2内に収まった状態で、頭部W1方向への移動が上方支持部76の端辺によって制限され、その反対方向への移動が第二側蓋S3によって制限され、側方への移動は、側方支持板80又は突部78aと、第一糊付板66とによって制限され、ほとんどがたつきなく保持される。
【0035】
収容物Wを購入した人は、緩衝機能付包装用箱10を開封するとき、図1に示すように、第一側面板14の開封用切込線46、及び上面板16に連続するミシン目44を破断させ、開口蓋部48を開いて収容物Wを取り出す。
【0036】
以上説明したように、緩衝機能付包装用箱10は、側方支持部80の上端部が連結部78を介して第二側面板40の裏面に固定され、下端部の糊付片82が底面板20の裏面に固定されている。従って、外側筒状体S1の側方から衝撃が加わったとき、両端固定された側方支持板80により、収容物Wをしっかりと緩衝的に保持することができる。また、長期間放置されても、側方支持板80が変形しにくく、良好な緩衝性能を維持することができる。
【0037】
また、上方支持部76、連結部78及び突部78a、側方支持部80を収容物Wの形状に合わせて適宜形状を調整することによって、収容物Wのがたつきを一定以下に抑えることができる。また、突部78a形状が、収容物Wの細い部分である頭部W3の形状に沿って形成され、太い部分である胴部W1の側から収納できないようになっているので、収容物Wが誤って逆向きに入れられるのを確実に防止することができる。
【0038】
さらに、緩衝機能付包装用箱10は、上記の優れた性能を有しながらも、一枚の箱体形成片12で構成され、折り曲げて糊付した後、ワンタッチで組み立て可能であり、収容物Wの包装作業を効率よく行うことができる。
【0039】
なお、この発明の緩衝機能付包装用箱は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば、箱体形成片の素材は、紙などが好適であり、収容物の耐衝撃性やデザイン性に鑑みて、素材の選択や厚みの設定を適宜変更することができる。
【0040】
また、例えば、上記実施形態の緩衝機能付包装用箱において、側方支持部80と糊付片82が連続する第二側蓋片62側の端部を内向きにL字状に切り起こす構造を付加してもよい。それにより、収容部S2内の収容物Wが胴部W1の側へ移動するのを、当該切り起こしによって制限することができ、収容物Wを保護する緩衝性能をさらに向上させることができる。
【符号の説明】
【0041】
10 緩衝機能付包装用箱
12 箱体形成片
14 第一側面板
16 上面板
18 第二側面板
20 底面板
22,24,26,30,34,38,42,52,56,60,64 折罫線
28,32,50,54 フラップ
36,58 第一側蓋片
40,62 第二側蓋片
48 開口蓋部
66 第一糊付板
68 緩衝仕切板
70 第二糊付板
72 第一折罫線
74 第二折罫線
76 上方支持部
78 連結部
78a 突部
80 側方支持部
82 糊付片
84 第三折罫線
86 第四折罫線
92 第五折罫線
94,96,98 糊
S1 外側筒状体
S2 収容部
S3 第一側蓋
S4 第二側蓋
W 収容物


【特許請求の範囲】
【請求項1】
一枚のブランクシートから一体的に打ち抜かれた箱体形成片から成り、前記箱体形成片には、第一側面板、上面板、第二側面板、底面板が順に互いに平行に連接され、前記第一側面板、前記上面板、前記第二側面板、前記底面板の連接方向に対して直角な所定の端部に側面部材が延設され、前記箱体形成片を組み立てた状態で、前記第一側面板、前記上面板、前記第二側面板及び前記底面板が矩形の外側筒状体を形成し、その両側端部が前記側面部材で成る第一側蓋及び第二側蓋で各々閉じられ、前記外側筒状体の前記上面板を含む領域に、開口蓋部が設けられている緩衝機能付包装用箱において、
前記底面板の連接方向の端辺に、第一糊付板、緩衝仕切板及び第二糊付板が順に連接され、前記第一糊付板は、連接方向長さが、前記第一及び第二側面板の連接方向長さよりも短く、前記底面板との境界が第一折罫線で区切られ、前記緩衝仕切板には、前記第一糊付板の前記第一側蓋側の端部から前記連接方向に延設され、前記第一糊付板との境界が第二折罫線で区切られた上方支持部と、前記上方支持部の延設方向の端部から前記第二側蓋側に延設された連結部と、前記連結部の延設方向の端部から前記底面板側に延設され、前記連結部との境界が第三折罫線で区切られた側方支持部と、前記側方支持部の延設方向の端部から前記底面板側に延設され、前記側方支持部との境界が第四折罫線で区切られた糊付片とが設けられ、前記第二糊付板は、前記緩衝仕切板の前記連結板の端部に前記連接方向に延設され、前記連結板との境界が第五折罫線で区切られ、
前記箱体形成片を組み立てた状態で、前記外側筒状体の内側で、前記第二糊付板の裏面が前記第二側面板の裏面に糊付され、前記糊付片の裏面が前記底面板の裏面に糊付され、第一糊付板の表面が前記第一側面板の裏面に糊付けされ、前記第二折罫線を正折りし前記第五折罫線を逆折りすることによって、前記第一糊付板と前記第二糊付板とで支持された前記上方支持部及び連結部が、前記底面板の上方に隙間を空けて対面し、前記第三折罫線を正折りし第四折罫線を逆折りすることによって、前記側方支持部が前記第一糊付板の側方に隙間を空けて対面することを特徴とする緩衝機能付包装用箱。
【請求項2】
前記上方支持部の内側端部と前記第二側蓋との間隔は、筒状収容物の長さ方向の寸法よりも僅かに長く、前記側方支持板と前記第一糊付板とが対面する間隔は、前記筒状収容物の幅方向の寸法よりも僅かに長く設けられている請求項1記載の緩衝機能付包装用箱。
【請求項3】
前記箱体形成片を組み立てた状態で、前記連結部の前記第一側面板側の端辺が、前記筒状収容物の胴部よりも細くなっている部分の形状に沿って形成され、前記筒状収容物が収納可能な向きを規制する請求項1又は2記載の緩衝機能付包装用箱。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−12027(P2012−12027A)
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−147726(P2010−147726)
【出願日】平成22年6月29日(2010.6.29)
【出願人】(391019500)朝日印刷株式会社 (70)
【Fターム(参考)】