説明

縦列駐車支援装置

【課題】駐車スロットへの縦列駐車に対して、画像表示で案内を行なう。
【解決手段】カメラで撮像した自車両周囲状況を真上から見た俯瞰画像としてモニタに表示し、俯瞰画像から検出した駐車スロットS内に自車両が最終的に位置すべき最終駐車位置を設定する。最終駐車位置における自車両Mfの最小回転半径での最終旋回中心点Pfを中心とし右後輪を通る円の最内周軌跡アイコン40と、現在位置における自車両Mcの最小回転半径での現在旋回中心点Pclを中心とし右後輪を通り後方へ延びる円弧の最外周軌跡アイコン42を俯瞰画像に重畳する。最内周軌跡アイコンと最外周軌跡アイコンとが接した位置を開始位置として、左方向にフル転舵のうえ後退させ、右後輪が接点Gに到達したとき逆方向にフル転舵のうえ後退させると、自車両は右後輪が最内周軌跡アイコン上をたどって、最終駐車位置へ到達することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、進入路にそって縦に配置された駐車スロットに駐車しようとする際に、駐車操作の案内をする縦列駐車支援装置に関する。
【背景技術】
【0002】
駐車スロットへの駐車を容易とするための駐車支援装置として、従来、特開2001−213253号公報に開示されたものがある。
これは、車両が走行してきた方向沿いの駐車スロットへ、当該車両を後退させて走行方向に対し直角に駐車するいわゆる並列駐車を行なう場合に、後退開始位置を画像で示すことにより駐車操作を容易にしようとするものである。
【特許文献1】特開2001−213253号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記従来の装置は並列駐車時の支援に止まり、駐車スロットに車両が走行してきた進入路の方向と同じ向きに駐車する縦列駐車に対しての支援を対象としていない。
すなわち、縦列駐車においては、後退開始時の転舵に加えて、最終的に駐車スロット内に収まるための逆方向への切り返し等の転舵と、その切り返しのタイミングが重要となるが、従来装置では最終段階移動のための転舵と、そのタイミングについて何らの提示も行なえない。
【0004】
したがって本発明は、従来装置で不可能であった縦列駐車に対しての案内を画像表示で行なう縦列駐車支援装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
このため本発明は、自車両周囲を撮像するカメラからの撮像信号を変換合成して、真上から見た俯瞰画像を作成し、俯瞰画像から駐車スロットを検出して、駐車スロット内の最終駐車位置に自車両が位置するとしたときの第1の案内基準点を設定するとともに、自車両の現在位置にかかる第2の案内基準点を設定して、俯瞰画像の第1の案内基準点に最終駐車位置への最終段階移動の指標となる第1の案内画像を配置し、第2の案内基準点に第1の案内画像と接触させるための第2の案内画像を配置して重畳画像を作成し、この重畳画像をモニタに表示するものとした。
【発明の効果】
【0006】
駐車スロットを含む自車両周囲の俯瞰画像に第1の案内画像とこれに接触させるための第2の案内画像が重畳されるので、第1の案内画像と第2の案内画像が接触する位置まで移動すれば、当該位置を駐車操作の開始位置として第2の案内画像にそって後退することにより、第1の案内画像と第2の案内画像との接点に到達でき、当該接点位置からは第1の案内画像を指標として最終駐車位置への最終段階の移動経路に乗ることができる。
したがって複数の過程を経なければならない縦列駐車でも、進入路上での駐車操作の開始位置を容易に決定することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明の実施の形態を実施例により詳細に説明する。
図1は、第1の実施例のシステム構成を示すブロック図である。
縦列駐車支援装置1は、コントロールユニット10に対して、カメラ2(2a、2b、2c、2d)、駐車支援起動スイッチ3、舵角センサ4、インヒビタスイッチ5、モニタ6、およびスピーカ7が接続されて構成される。
カメラ2は車両の4隅または4辺にそれぞれ設置された複数台からなり、自車両周囲の所定距離範囲、例えば5mの範囲の路面を撮像して、撮像信号をコントロールユニット10へ出力する。
【0008】
舵角センサ4は不図示のステアリングシャフトに付設されて、ステアリングハンドルの操舵方向と操舵角を検出する。
インヒビタスイッチ5は不図示のシフトレバーの操作に連動して、シフトポジションを検出する。
モニタ6は、インストルメントパネルに設置され、スピーカ7は車室内に設置されて、それぞれコントロールユニット10の出力により支援情報を画像表示、音声出力する。モニタ6としては液晶やCRTなど適宜選択可能である。
【0009】
コントロールユニット10は、内部メモリを備えたCPUで構成され、以下の機能部位を有する。
すなわち、視点変換部11は、カメラ2からの画像信号による画像フレームが、カメラ光軸を路面に垂直にした視点からの画像フレームになるように、画素を並べ替えた画像信号へ変換する。
俯瞰画像作成部12は各カメラ2の視点変換された画像信号をもとに画像合成して、自車両の直上から見た自車両周囲の俯瞰画像を作成する。
【0010】
図2は自車両の側方に駐車スロットSを区画する枠線Hがある場合の俯瞰画像例を示す。枠線Hは、駐車スロットSの並びを示す駐車枠線、壁面、あるいは駐車車両の列を象徴化して示している。破線で示した領域は自車両の位置であり、ここには後述する自車両アイコンが重畳される。
自車両周囲の俯瞰画像は重畳画像合成部13へ送られる。
【0011】
俯瞰画像作成部12には駐車スロット検出部14が接続され、俯瞰画像を画像処理して枠線Hを抽出し、枠線Hで区画される駐車スロットSを検出する。
駐車位置設定部15は、検出された駐車スロットS内に自車両が最終的に位置すべき最終駐車位置を設定する。ここで最終駐車位置は、自車両の車両前後方向軸を基準にして、車体後端を駐車スロットの後端から例えば10〜20cmに位置させ、車両前後方向軸を駐車スロットSの幅中央に位置させるように設定される。
【0012】
旋回中心設定部16は、駐車スロットSに最終的に位置したとき、すなわち最終駐車位置の自車両の最小回転半径に基づく最終旋回中心点を設定するほか、自車両の現在位置における最小回転半径に基づく現在旋回中心点を設定する。
各旋回中心点は、自車両の後輪アクスルの延長線(路面上では、左右後輪の接地点を通る直線)上に位置する。
自車両の現在位置は検出された枠線Hや駐車スロットSとの相対関係から求められる。
【0013】
メモリ17には、モニタ6に表示する自車両、最小回転半径での旋回時の最内周軌跡、最外周軌跡、前部最外周シールドおよび後部最外周シールドの各アイコンの画像データが格納されている。
図3にこれらの画像データに基づくアイコン例を示す。なお、本実施例では、自車両の進行方向に対して左側の駐車スロットに駐車しようとする場合について説明する。
最内周軌跡アイコン40は、(a)に示すように、自車両アイコンMの左右後輪Wl、Wrの接地点を通る直線上にある最小回転半径に基づく右側の旋回中心点prを中心とし、参照点として右後輪Wrの接地点を通る円としてある。
【0014】
最内周軌跡アイコン40はハンドルをいっぱいに切って旋回するときの車体の最内側の軌跡を示すために、参照点を旋回中心点pr側の車体側壁とするのが理想的であるが、後輪の接地点と車体側壁との差は小さく、後輪軌跡に基づく仕様上の最小回転半径をそのまま使用できるので、ここでは参照点として右後輪Wrの接地点を用いている。したがって、左右後輪Wl、Wrの接地点を通る直線上の旋回内側の後輪の接地点から車両側壁の間を通る円であれば最内周軌跡アイコンとして適当である。
【0015】
最外周軌跡アイコン42は、(b)に示すように、左側の旋回中心点plを中心とし右後輪Wrの接地点(すなわち最内周軌跡アイコン40と同一の参照点)を通る旋回円軌跡の1/4の円弧であり、右後輪Wrの接地点を始点42aとしている。
なお、運転者への支援メッセージでは、理解しやすいように、例えば最外周軌跡アイコン42は「ひげ」、最内周軌跡アイコン40は「円」と名づける。
【0016】
また、(c)に示すように、前部最外周シールドアイコン44は、右側の旋回中心点prを中心(要)として、自車両車体の左前端を通る旋回円軌跡の1/4の円弧を外縁とする扇形状をなしており、後部最外周シールドアイコン46は、同じ旋回中心点prを中心(要)として、自車両後端部を通る旋回円軌跡の1/4の円弧を外縁とする扇形状をなしている。
【0017】
なお、後部最外周シールドアイコン46は旋回時の自車両車体後部の通過領域を示すものであるから、その外縁は、前部最外周シールドアイコン44と同様に車体の左後端を通るものとしてもよいが、ここでは簡単のため左後輪Wlの接地点を通るものとしている。したがって、それぞれ旋回外側の後輪の接地点から左後端の間を通る円上の円弧であれば後部最外周シールドアイコンとして適当である。
【0018】
前部最外周シールドアイコン44と後部最外周シールドアイコン46は、それぞれ外縁部分が強調されるように、要から外縁へ向かうほどに濃くなるようにグラデーションが施されているとともに、半透明で他の画像の上に重なったときでも当該他の画像も認識可能となるように設定される。
【0019】
自車両のサイズや上記軌跡等は、車両の仕様によって定まる固有のものであるから、これらのアイコン40、42、44、46および自車両アイコンの画像データは予め設定されてメモリ17に格納されている。
なお、各旋回中心点は理解を容易にするため所定径の塗りつぶし円で示してあるが、左右の旋回中心点を結ぶ線も含めて、モニタ画面には表示されなくてもよい。以下、本実施例を通じて同様である。
【0020】
図1に戻り、描画制御部18は、駐車支援起動スイッチ3がオンされたときに起動し、メモリ17に格納されたアイコンの画像データを重畳画像合成部13へ送るとともに、旋回中心設定部16の設定に基づいてアイコンの配置を制御する。
重畳画像合成部13は、自車両周囲の俯瞰画像上に、上記自車両や旋回軌跡等のアイコン、および後述の支援メッセージを重ねた重畳画像を作成し、モニタ6に当該重畳画像を表示させる。
【0021】
アイコン状態判断部19は、自車両の移動に伴って重畳画像における最内周軌跡アイコン40と最外周軌跡アイコン44が接するタイミングを監視する。また、所定のタイミングで前部最外周シールドおよび後部最外周シールドのアイコン44、46と枠線Hとの接触状態も判断する。
アイコン状態判断部19はさらに、重畳画像において最終駐車位置の自車両アイコンに現在位置の自車両アイコンが重なったかどうかも判断する。
アイコン状態判断部19における検出結果はメッセージ制御部21へ送られる。
フル転舵検出部20は、舵角センサ4の出力を監視し、自車両がフル転舵状態、すなわち最小回転半径で前進または後退可能になった状態とその転舵方向を検出して、メッセージ制御部21へ検出結果を送る。
【0022】
メッセージ制御部21は、最内周軌跡アイコン40と最外周軌跡アイコン42の接触状態、フル転舵判断部20によるフル転舵状態か否か、およびインヒビタスイッチ5からのシフトポジション等に基づいて、所定のタイミングで、重畳画像合成部13へ支援情報としてのメッセージを送り、モニタ6の画像にメッセージを重畳表示させる。メッセージ制御部21はまた音声提示に適したメッセージをスピーカ7に送って音声出力させる。
【0023】
図4、図5はコントロールユニット10における制御処理の流れを示すフローチャートである。
制御は、運転者が駐車スロットを視認して車両後部が駐車スロットの前端付近になる位置で停車し、駐車支援起動スイッチ3がオンされることにより開始する。
まず、ステップ100において、カメラ2を撮像開始させ、路面を撮像させる。
ステップ101では、俯瞰画像作成部12が、視点変換部11を経た撮像信号(画像信号)をもとに自車両周囲の俯瞰画像を作成する。
【0024】
ステップ102では、駐車スロット検出部14が、俯瞰画像を画像処理して駐車スロットSを検出する。
続いて、ステップ103において、駐車位置設定部15が駐車スロットSにおける最終駐車位置を設定する。
そして、ステップ104において、旋回中心設定部16が、検出された駐車スロットSにおける最終駐車位置での最小回転半径に基づく車両の最終旋回中心点Pfを設定し、ステップ105において、自車両の現在位置での最小回転半径に基づく現在旋回中心点Pcl、Pcrを設定する。
【0025】
ステップ106では、描画制御部18はメモリ17から最内周軌跡および最外周軌跡のアイコン40、42や自車両の画像データを読み出し、ステップ107において、重畳画像合成部13に対して俯瞰画像へのアイコン重畳を行なわせ、アイコンの配置を制御する。これにより、モニタ6には自車両周囲の俯瞰画像に自車両等のアイコンが重畳されて表示される。
【0026】
図6は、駐車支援起動スイッチ3がオンされた時点のモニタ6の画面表示を示す。
枠線Hで区画された駐車スロットSを示す俯瞰画像において、実線で示すように現在位置での自車両アイコンMcが表示されるとともに、駐車スロットSの最終駐車位置に位置したとしたときの破線で示す自車両アイコンMfの、最小回転半径での右側の最終旋回中心点Pfにその円中心を位置させて、最内周軌跡アイコン40が表示される。なお、最終駐車位置に位置する自車両アイコンMfは図示の破線のほか、細線あるいは低濃度で現在位置での自車両アイコンMcと識別可能に表示される。
【0027】
そして、最外周軌跡アイコン42がその始点42aを現在位置での自車両アイコンMcの右後輪Wrの接地点に置き、中心(曲率中心)を左側の現在旋回中心点Pclに置いて配置される。これにより、最外周軌跡アイコン42は右後輪Wrの接地点から後方へ延びて表示される。
【0028】
モニタ6に自車両Mc、最内周軌跡アイコン40および最外周軌跡アイコン42が重畳表示されると、図4のステップ108で、アイコン状態判断部19が、重畳画像における最内周軌跡アイコン40と最外周軌跡アイコン42の接触状態の監視を開始する。
ステップ109では、メッセージ制御部21が、例えば「ひげと円を接触させてください」など、接触方向の操作を行なうべき旨の音声メッセージをスピーカ7から出力させる。また、音声メッセージと同時に、重畳画像合成部13を介して同趣旨の文字メッセージをモニタ6の画面に表示させる。
【0029】
アイコン状態判断部19からの出力に基づいて、最内周軌跡アイコン40と最外周軌跡アイコン42が交叉している間はメッセージに「前進して」を付し、最内周軌跡アイコン40と最外周軌跡アイコン42が離間している場合には「後退して」を付してもよい。
運転者は、モニタ画面の最内周軌跡アイコン40と最外周軌跡アイコン42が交叉している場合は自車両を前進させ、離間している場合には後退して、両者が接触する方向に近づける。
なお、以下では、メッセージの出力先であるモニタ6とスピーカ7についてはとくに言及せず、単に「メッセージを出力させる」旨、簡単に記載する。
【0030】
ステップ110では、メッセージ制御部21が、アイコン状態判断部19の出力により、重畳画像における最内周軌跡アイコン40と最外周軌跡アイコン42が接触したかをチェックする。
最内周軌跡アイコン40と最外周軌跡アイコン42が接しておらず、あるいは単に交叉している間はステップ110が繰り返される。
【0031】
自車両が前進して、図7のモニタ画面に示すように、最内周軌跡アイコン40と最外周軌跡アイコン42が接すると、ステップ111へ進む。
なお、俯瞰画像はカメラで撮像した自車両の周囲であるから、モニタ6では自車両アイコンを画面中央に位置させて表示するのが画像処理上は簡便であるが、駐車支援起動スイッチ3がオンされた時点で最初に生成される俯瞰画像における駐車スロットSを含む周囲画像を固定し、モニタ画面では相対的に自車両アイコンMcの位置が変化する表示としてもよい。
図7では、図6のモニタ画面に対して理解を容易とするため周囲画像を固定して示している。実施の形態を通じて、以下同様である。
【0032】
ステップ111において、メッセージ制御部21は、「停止して、左いっぱいにハンドルを切ってください」など、停止状態での左フル転舵を行なうべき旨のメッセージを出力させる。
このとき、さらに最内周軌跡アイコン40と最外周軌跡アイコン42の表示色を変えたり、あるいは点滅させて、運転者の注意を喚起するようにしてもよい。
【0033】
ステップ112では、メッセージ制御部21が、フル転舵判断部20からの出力により自車両が左方向のフル転舵状態になっているかどうかをチェックする。
上記チェックを繰り返して、フル転舵状態になると、ステップ113へ進んで、メッセージ制御部21は、先のメッセージをモニタ6から消して、「後退してください」のメッセージを出力させる。
ステップ114では、メッセージ制御部21は、インヒビタスイッチ5の出力からRレンジ(後退)のシフトポジションが選択されたかどうかをチェックする。
ステップ114のチェックを繰り返して、Rレンジの選択状態になると、ステップ115へ進む。
【0034】
Rレンジが選択されて自車両が後退を開始すると、始点42aを右後輪Wrの接地点にもつ最外周軌跡アイコン42は、最内周軌跡アイコン40と接しながら自車両アイコンMcとともに回動する。したがって、最外周軌跡アイコン42の始点42aは現在旋回中心点Pclを中心とする円弧にそって、最内周軌跡アイコン40との接点Gへ近づいていく。
【0035】
なお、最内周軌跡アイコン40と最外周軌跡アイコン42が最初に接して停止したとき、通常、図7のように左後輪Wlは駐車スロットSを画する枠線Hの角部の近傍に位置することになる。したがって、そこから旋回しても左後輪Wlの当初の移動方向は枠線Hと平行に近いから、車体の旋回内側と枠線角部との接触の可能性は実際上ない。
【0036】
ステップ115では、メッセージ制御部21は、アイコン状態判断部19の出力により、重畳画像における最内周軌跡アイコン40(円)と最外周軌跡アイコン42(円弧)の始点が接触したか、すなわち接点Gに到達したかをチェックする。
自車両が後退する間、上記チェックを繰り返し、図8のモニタ画面に示すように、最外周軌跡アイコンの始点42a(右後輪位置)が最内周軌跡アイコン40との接点Gに到達すると、ステップ116へ進む。
なお、最外周軌跡アイコンの始点42aが最内周軌跡アイコン40との接点Gに到達した位置では、現在旋回中心点Pcrは最終旋回中心点Pfに重なる。
【0037】
ステップ116では、メッセージ制御部21が、「停止してください」のメッセージを出力させる。
ステップ117では、描画制御部18が、最外周軌跡アイコンの始点42aが最内周軌跡アイコン40との接点Gに到達した旨のアイコン状態判断部19からの、出力に応じて、最外周軌跡アイコン42の表示を消す。
続いてステップ118において、メモリ17から前部最外周シールドアイコン44と後部最外周シールドアイコン46の画像データを読み出し、ステップ119において、駐車スロット周囲との干渉有無の確認のため、重畳画像合成部13に対して俯瞰画像へのアイコン重畳を行なわせる。
【0038】
ここでは、図9のモニタ画面に示すように、前部最外周シールドアイコン44はその扇形状の要を現在位置の自車両アイコンMcの左右後輪の接地点を通る直線K上にある最小回転半径に基づく右側の現在旋回中心点Pcrに一致させ、扇形状の左辺を上記直線Kにそわせて配置される。また、後部最外周シールドアイコン46は扇形状の要を上記右側の現在旋回中心点Pcrに一致させ、扇形状の右辺を上記直線Kにそわせて配置される。
前部最外周シールドアイコン44と後部最外周シールドアイコン46は半透明であるから、自車両アイコンMc、Mfや最内周軌跡アイコン40は透過視認できる。
【0039】
つぎのステップ120では、アイコン状態判断部19が、駐車スロットSを区画する枠線Hと前部最外周シールドアイコン44または後部最外周シールドアイコン46とが干渉する(重なる)かどうかを判断し、判断結果をメッセージ制御部21へ出力する。
図10のモニタ画面に示すように、枠線Hと前部最外周シールドアイコン44または後部最外周シールドアイコン46のいずれかとが干渉する場合は、ステップ129へ進んで、メッセージ制御部21は、ステップ116で出力させたメッセージを消して、「この駐車スロットには駐車案内できません」など、駐車案内不可のメッセージを出力させる。
このあとは後述するステップ130へ進む。
【0040】
一方、ステップ120の判断において、前部最外周シールドアイコン44および後部最外周シールドアイコン46のいずれも枠線Hと干渉しない場合は、ステップ121へ進む。
ステップ121では、メッセージ制御部21が、ステップ116で出力させたメッセージを消して、「右いっぱいにハンドルを切ってください」など、右フル転舵を行なうべき旨のメッセージを出力させる。
【0041】
ステップ122において、メッセージ制御部21は、フル転舵検出部20からの出力により自車両が右方向のフル転舵状態になっているかどうかをチェックする。
上記チェックを繰り返して、フル転舵状態になると、ステップ123へ進んで、
メッセージ制御部21は、ステップ121で出力させたメッセージをモニタ6から消して、「後退してください」のメッセージを出力させる。併せて、ステップ124において、描画制御部18が重畳画像合成部13に対して、前部最外周シールドアイコン44と後部最外周シールドアイコン46の表示を消させる。これにより、モニタには最内周軌跡アイコン40の表示が残る。
【0042】
ステップ125では、メッセージ制御部21は、あらためてインヒビタスイッチ5の出力からRレンジ(後退)のシフトポジションが選択されたかどうかをチェックする。
Rレンジが選択されて後退していくと、自車両は駐車スロットS内の最終駐車位置へ近づいていくことになる。
上記チェックを繰り返して、Rレンジの選択状態になったあと、ステップ126では、メッセージ制御部21はアイコン状態判断部19の出力により、自車両が最終駐車位置に位置したかどうかをチェックする。
【0043】
後退に伴って、モニタ6には駐車スロットS内へ進入していく自車両アイコンMcが表示されるので、運転者は、図11に示すように、駐車スロットS内に位置した破線の自車両アイコンMfに実線の自車両アイコンMcが重なったモニタ表示からも、駐車スロットSの最終駐車位置に到達したことを知ることができる。
自車両が最終駐車位置に到達すると、ステップ126において、メッセージ制御部21は、ステップ122で出力させたメッセージをモニタ6から消して、「駐車が完了しました」のメッセージを出力させる。
このとき、さらに自車両アイコンMcの表示色を変えたり、あるいは点滅させてもよい。
【0044】
このあと、ステップ127へ進んで、こんどはPレンジ(パーキング)のシフトポジションが選択されたかどうかをチェックする。これは、運転者が車両停止させたことを確認するものである。
Pレンジ選択状態になるまでステップ127を繰り返したあと、ステップ129において、メッセージ制御部21が、重畳画像合成部13を制御して、モニタ6の全表示を消して処理を終了する。
また上記フローのどの段階でも駐車支援起動スイッチ3がオフされると処理は中止され、駐車支援の制御は終了する。
【0045】
なお、図6には、駐車操作前に自車両が駐車スロットSの長手方向と平行に真っ直ぐ前進した場合を示したが、図12に例示するように、ハンドルを切りながら前進した場合でも、必ず最内周軌跡アイコン40と最外周軌跡アイコン42が接する状態に達する。したがって、自車両がMc1、Mc2、Mc3のようにどの向きになっていても、最内周軌跡アイコン40と最外周軌跡アイコン42が接したときに左いっぱいにハンドルを切って後退すれば、右後輪Wr(最外周軌跡アイコンの始点)が最内周軌跡アイコンと最外周軌跡アイコンの接点G(G1、G2またはG3)に到達する。そして右後輪Wrが接点Gに到達した時点でハンドルを右いっぱいに切れば、右後輪Wrは最内周軌跡アイコン40の円軌跡上を駐車スロットS内へ導かれることになる。
したがって、駐車開始に際して自車両の向きは問わない。
【0046】
本実施例においては、図4、図5のフローチャートにおけるステップ101が発明における俯瞰画像作成手段を構成し、ステップ102が駐車スロット検出手段を、ステップ103が最終駐車位置設定手段を、ステップ104が第1基準点設定手段を、そしてステップ105が第2基準点設定手段を構成している。
最終旋回中心点が第1の案内基準点に相当し、最内周軌跡アイコン40が第1の案内画像に該当する。また、現在旋回中心点が第2の案内基準点に相当し、最外周軌跡アイコン42が第2の案内画像に該当する。
また、ステップ106、107、117〜119、124が重畳画像合成手段を構成し、ステップ109〜116、120〜123、125〜127が支援情報制御手段を構成している。
モニタ6とスピーカ7がメッセージ提示手段に該当する。
【0047】
本実施例は以上のように構成され、カメラ2で撮像した自車両周囲状況を真上から見た俯瞰画像としてモニタ6に表示するとともに、俯瞰画像から検出した駐車スロットS内に自車両が最終的に位置すべき最終駐車位置を設定して、最終駐車位置における自車両Mfの最小回転半径での右側(進入路側)の最終旋回中心点Pfを求め、また現在位置における自車両Mcの最小回転半径での左側(駐車スロット側)の現在旋回中心点Pclを求め、最終旋回中心点Pfに中心をおいた右後輪Wrを通る円の最内周軌跡アイコン40と、現在旋回中心点Pclに中心をおいた右後輪Wrを通り後方へ延びる円弧の最外周軌跡アイコン42とを俯瞰画像に重畳し、両アイコン40、42の位置関係に基づいてメッセージをモニタ6やスピーカ7に出力するものとしたので、駐車スロットSへの駐車操作の開始位置を容易に決定することができる。
【0048】
そして、最内周軌跡アイコン40と最外周軌跡アイコン42とが接した位置において、左方向にフル転舵のうえ後退させるメッセージを出力することにより、右後輪Wrが現在旋回中心点Pclを中心とする最小回転半径で駐車スロットS内へ進入でき、その後、右後輪Wrが最内周軌跡アイコン40と最外周軌跡アイコン42との接点Gに到達したとき、逆方向にフル転舵のうえ後退させるメッセージを出力するので、最終段階移動として、自車両Mcは右後輪Wrが最内周軌跡アイコン40(最終旋回中心点を中心とする最小回転半径の円)上をたどって、最終駐車位置へ到達することができる。
最内周軌跡アイコン40が後輪の軌跡となるので、モニタ画面を見る運転者にとっても具体的なイメージをもつことができる。
【0049】
さらに、右後輪Wrが最内周軌跡アイコン40と最外周軌跡アイコン42との接点Gに到達したときに、最終駐車位置への最終段階移動開始の後退をさせる前、すなわち逆方向にフル転舵のうえ後退させるメッセージを出力する前に、それぞれ扇形状の要を右側の現在旋回中心点Pcrにおいた前部最外周シールドアイコン44と後部最外周シールドアイコン46を俯瞰画像に重畳して表示するので、駐車スロットS内の最終駐車位置まで他との干渉なしに進入可能であるかをモニタ画面上で容易に確認することができる。
【0050】
次に、第2の実施例について説明する。この実施例はアイコンの形状を第1の実施例とは異ならせたものである。
図13は、第2の実施例のシステム構成を示すブロック図である。
縦列駐車支援装置1Aのコントロールユニット10Aは、第1の実施例におけるコントロールユニット10に対して、描画制御部18、アイコン状態判断部19、メッセージ制御部21の代わりに、それぞれ描画制御部18A、アイコン状態判断部19A、メッセージ制御部21Aを備える点が異なる。
【0051】
そして、メモリ17には第1の実施例におけると同じ自車両アイコンMc、Mf、前部最外周シールドアイコン44および後部最外周シールドアイコン46の各画像データが格納されるとともに、最内周軌跡アイコン40および最外周軌跡アイコン42の代わりに、最小回転半径に基づく旋回中心点を示す旋回中心点アイコンと、逆L形状の直線ガイドアイコンの画像データが格納される。
【0052】
直線ガイドアイコン50は、図14の(a)に示すように、自車両Mの最小回転半径に基づく右側の旋回中心点prと右後輪Wrの接地点を結ぶ車軸直線51と、この車軸直線に対して直角、すなわち、車両前後方向軸CLと平行に右側の旋回中心点prから後方へ延びるガイド直線52とからなっている。車軸直線51とガイド直線52の交点を直線ガイドアイコン50の基準点と呼ぶ。
【0053】
旋回中心点アイコン54は、図14の(b)に示すように、同じく右側の旋回中心点prに配置するための、点をイメージさせる小径の円形状である。
なお、運転者への支援メッセージでは、理解しやすいように、直線ガイドアイコン50は「直線」、旋回中心点アイコン54は「丸点」と名づける。
【0054】
描画制御部18Aは、駐車支援起動スイッチ3がオンされたときに起動し、メモリ17に格納された画像データを重畳画像合成部13へ送るとともに、その画像データに基づくアイコンの配置を制御する。
重畳画像合成部13は、自車両周囲の俯瞰画像上に、上記自車両アイコンや直線ガイドアイコンを重ねた重畳画像を作成し、モニタ6に当該重畳画像を表示させる。
重畳画像には、駐車スロットに位置したとしたときの自車両アイコンMfの最小回転半径での右側の旋回中心点Pfに旋回中心点アイコン54が表示される。
【0055】
アイコン状態判断部19Aは、自車両の移動に伴って重畳画像における直線ガイドアイコン50のガイド直線52が旋回中心点アイコン54に重なるタイミングを監視する。また、所定のタイミングでシールドアイコンと枠線との接触状態も判断する。アイコン状態判断部19Aにおける検出結果はメッセージ制御部21Aへ送られる。
メッセージ制御部21Aの動作については、後述の制御処理において説明する。
他の構成は図1に示した第1の実施例と同じである。
【0056】
図15、図16はコントロールユニットにおける制御処理の流れを示すフローチャートである。
ステップ200〜205、216〜228は、図2の第1の実施例におけるステップ100〜105、102、118〜130と同じである。
ステップ204、205において旋回中心設定部16による最終駐車位置での最終旋回中心点Pfと現在位置での現在旋回中心点Pcl、Pcrが設定されると、ステップ206では、描画制御部18Aがメモリ17から自車両アイコンMc、Mf、直線ガイドアイコン50、旋回中心点アイコン54の画像データを読み出す。
そして、ステップ207において、重畳画像合成部13に対して俯瞰画像へのアイコン重畳を行なわせ、旋回中心設定部16の設定に基づいてアイコンの配置を制御する。
【0057】
図17は、駐車支援起動スイッチ3がオンされた時点のモニタ6の画面表示を示す。
枠線Hで区画された駐車スロットSを示す俯瞰画像において、実線で示すように現在位置での自車両アイコンMcが表示されるとともに、駐車スロットSの最終駐車位置に位置したとしたときの破線で示す自車両アイコンMfの、最小回転半径での右側の最終旋回中心点Pfに旋回中心点アイコン54が表示される。
【0058】
なお、図示のように、自車両が最終駐車位置に位置したとしたときの旋回中心点アイコン54を識別しやすいように、当該アイコンが位置する最終旋回中心点Pfと駐車スロット位置における自車両アイコンMfの右後輪Wrとを結ぶ直線を破線55などで表示するのが好ましい。
そして、現在位置での自車両アイコンMcの左右後輪Wl、Wrの接地点を通る直線K上にある最小回転半径に基づく右側の現在旋回中心点Pcrに、直線ガイドアイコン50の基準点(車軸直線51とガイド直線52の交点)を位置させ、その車軸直線51が直線K上にそわせて表示される。
【0059】
フローチャートに戻って、モニタ6に自車両アイコンMc、Mf、旋回中心点アイコン54、直線ガイド各アイコン50が重畳表示されると、ステップ208で、アイコン状態判断部19Aが、重畳画像における直線ガイドアイコン50と旋回中心点アイコン54との接触状態の監視を開始する。
ステップ209において、メッセージ制御部21Aが、「右ハンドルいっぱいで微速前進、直線を丸点に重ねてください」のメッセージを出力させる。
【0060】
右方向フル転舵で前進すると、自車両アイコンMcは現在旋回中心点Pcrを中心として旋回し、したがって直線ガイドアイコン50は基準点53(現在旋回中心点Pcr)を回動中心として回動し、ガイド直線52が旋回中心点アイコン54に近づいていく。
このあと、ステップ210では、メッセージ制御部21Aが、アイコン状態判断部19Aの出力により、重畳画像における直線ガイドアイコン50(のガイド直線52)と自車両が駐車スロットに位置したときの最終旋回中心点Pfに位置する旋回中心点アイコン54が重なったかをチェックする。
両アイコンが重なるまでステップ210が繰り返される。
【0061】
自車両が回動して、図18のモニタ画面に示すように、直線ガイドアイコン50と旋回中心点アイコン54が重なると、ステップ211へ進む。
ステップ211では、メッセージ制御部21Aは、ステップ209で出力させたメッセージを消して、「停止、ハンドルを中立位置にして後退してください」など、中立転舵後後退すべき旨のメッセージを出力させる。
このとき、さらに直線ガイドアイコン50と旋回中心点アイコン54の表示色を変えたり、あるいは点滅させて、運転者の注意を喚起するようにしてもよい。
ステップ212では、メッセージ制御部21Aは、インヒビタスイッチ5の出力からRレンジ(後退)のシフトポジションが選択されたかどうかをチェックする。
【0062】
上記チェックを繰り返して、Rレンジの選択状態になると、ステップ213において、メッセージ制御部21Aは、アイコン状態判断部19Aの出力により、重畳画像における直線ガイドアイコン50の基準点が旋回中心点アイコン54に重なったかをチェックする。
直線ガイドアイコン50のガイド直線52は自車両の車両前後方向軸と平行であるから、自車両が後退する間、モニタ6の画面上では、ガイド直線52が同一姿勢で旋回中心点アイコン54上をスライドしていくことになる。
【0063】
上記チェックを繰り返し、図19のモニタ画面に示すように、現在位置における直線ガイドアイコンの基準点53と駐車スロットSに位置したときの旋回中心点アイコン54が重なった時点で、ステップ214へ進む。
ステップ214では、メッセージ制御部が、「停止してください」のメッセージを出力させる。
ステップ215では、描画制御部18Aが、直線ガイドアイコン50の基準点53が旋回中心点アイコン54に重なった旨のアイコン状態判断部19Aの出力に応じて、直線ガイドアイコン50の表示を消す。
【0064】
続いて描画制御部18Aは、ステップ216において、メモリ17から前部最外周シールドアイコン44と後部最外周シールドアイコン46画像データを読み出し、ステップ217において、重畳画像合成部13に対して俯瞰画像へのアイコン重畳を行なわせる。
【0065】
このあとのステップ218〜228は、第1の実施例における処理ステップ120〜130と同じである。ステップ222において、描画制御部18Aが前部最外周シールドアイコン44と後部最外周シールドアイコン46の表示を消させたあと、モニタ6には最内周軌跡アイコン40が残る代わりに、旋回中心点アイコン54の表示が残るが、以降のメッセージの出力制御は同じである。
【0066】
すなわち、枠線Hと前部最外周シールドアイコン44または後部最外周シールドアイコン46のいずれかとの干渉の有無をチェックして、干渉する場合には駐車案内不可のメッセージを出力させ、干渉しない場合は、右フル転舵後、後退を行なわせることにより、自車両は旋回中心点アイコン54(Pf)を中心として旋回して、先の図11に示されるように、駐車スロットSの最終駐車位置へ到達できる。
したがって、以降のステップの詳細説明は省略する。
【0067】
なお、図17の状態から直線ガイドアイコン50(のガイド直線52)を旋回中心点アイコン54に近づけるために、右方向フル転舵で前進させるものとしたが、図20に示すように、左方向フル転舵で後進させても直線ガイドアイコン50を旋回中心点アイコン54に近づけて重ねることができる。したがって、四囲の状況に応じて、「左ハンドルいっぱいで微速後進、直線を丸点に重ねてください」のメッセージも適宜選択可能である。
【0068】
第2の実施例においては、図15、図16のフローチャートにおけるステップ201が俯瞰画像作成手段を構成し、ステップ202が駐車スロット検出手段を、ステップ203が最終駐車位置設定手段を、ステップ204が第1基準点設定手段を、そしてステップ205が第2基準点設定手段を構成している。
最終旋回中心点が第1の案内基準点に相当し、旋回中心点アイコン54が第1の案内画像に該当する。また、現在旋回中心点が第2の案内基準点に相当し、直線ガイドアイコン50が第2の案内画像に該当する。
また、ステップ206、207、215〜217、222が重畳画像合成手段を構成し、ステップ209〜214、218〜221、223〜225が支援情報制御手段を構成している。
また、モニタ6とスピーカ7がメッセージ提示手段に該当する。
【0069】
第2の実施例は以上のように構成され、カメラ2で撮像した自車両周囲状況を真上から見た俯瞰画像としてモニタ6に表示するとともに、俯瞰画像から検出した駐車スロットS内に自車両が最終的に位置すべき最終駐車位置を設定して、最終駐車位置における自車両の最小回転半径での右側(進入路側)の最終旋回中心点Pfを求め、また現在位置における自車両の最小回転半径での右側の現在旋回中心点Pcrを求め、最終旋回中心点Pfにおいた旋回中心点アイコン54と現在旋回中心点Pcrから現在位置における自車両の車両前後方向軸に平行に後方へ延びるガイド直線52を有する直線ガイドアイコン50とを俯瞰画像に重畳して、直線ガイドアイコンのガイド直線52を旋回中心点アイコン54に近づけて重ねる方向に転舵するようメッセージを出力するものとしたので、駐車スロットへの駐車操作の開始位置を容易に決定することができる。
【0070】
そして、両アイコンが重なった位置において、中立位置に戻した上で後退させるメッセージを出力するようにしたので、駐車スロット内へ適切に進入可能な地点へ直進状態で移動させることができ、その後、現在旋回中心点Pcrに位置する基準点が旋回中心点アイコン54に到達したとき、右方向にフル転舵のうえ後退させるメッセージを出力するので、自車両は旋回中心点アイコン54を中心とする旋回軌跡をたどって、最終駐車位置へ到達することができる。
【0071】
さらに、直線ガイドアイコンの基準点が旋回中心点アイコン54に到達したときに、最終駐車位置への最終段階移動開始の後退をさせる前、すなわち右方向にフル転舵のうえ後退させるメッセージを出力する前に、それぞれ扇形状の要を右側の現在旋回中心点Pcrにおいた前部最外周シールドアイコン44と後部最外周シールドアイコン46を俯瞰画像に重畳して表示するので、駐車スロット内の最終駐車位置まで他との干渉なしに進入可能であるかをモニタ画面上で容易に確認することができる。
【0072】
なお、直線ガイドアイコン50の基準点は車軸直線51とガイド直線52の交点で、逆L形の角部としたが、ガイド直線52は車軸直線51との交点から前方へさらに延ばしてもよく、この場合も上記交点を基準点とする。
【0073】
次に、第3の実施例について説明する。この実施例もアイコンの形状を異ならせたものである。
図21は、第3の実施例のシステム構成を示すブロック図である。
縦列駐車支援装置1Bのコントロールユニット10Bは、第1の実施例における描画制御部18、アイコン状態判断部19、メッセージ制御部21の代わりに、それぞれ描画制御部18B、アイコン状態判断部19B、メッセージ制御部21Bを備える。
そして、メモリ17には第1の実施例におけると同じ自車両アイコンMc、Mf、最内周軌跡アイコン40、前部最外周シールドアイコン44および後部最外周シールドアイコン46の各画像データが格納されるとともに、最外周軌跡アイコン42の代わりに、自車両の右後輪に設定される後輪直線軌跡アイコンの画像データが格納される。
【0074】
後輪直線軌跡アイコン56は、図22に示すように、自車両Mの車両前後方向軸CLと平行に延び、右後輪Wrの接地点に基準点57が置かれる直線であり、基準点57より前方は短く、後方は駐車スロットSの一般的な長さよりも長く延びている。
なお、運転者への支援メッセージでは、理解しやすいように、例えば後輪直線軌跡アイコン56は「直線」、最内周軌跡アイコン40は「円」と名づける。
【0075】
描画制御部18Bは、駐車支援起動スイッチ3がオンされたときに起動し、メモリ17に格納された画像データを重畳画像合成部13へ送るとともに、その画像データに基づくアイコンの配置を制御する。
重畳画像合成部13は、自車両周囲の俯瞰画像上に、上記自車両アイコンMc、Mfや後輪直線軌跡アイコン56、最内周軌跡アイコン40等を重ねた重畳画像を作成し、モニタ6に当該重畳画像を表示させる。
【0076】
アイコン状態判断部19Bは、自車両の移動に伴って重畳画像における後輪直線軌跡アイコン56が最内周軌跡アイコン40に接するタイミングを監視する。また、所定のタイミングでシールドアイコンと枠線との接触状態も判断する。アイコン状態判断部19Bにおける検出結果はメッセージ制御部21Bへ送られる。
メッセージ制御部21Bの動作については、後述の制御処理において説明する。
他の構成は図1に示した第1の実施例と同じである。
【0077】
図23、図24はコントロールユニット10Bにおける制御処理の流れを示すフローチャートである。
ステップ300〜305、316〜328は、第1の実施例における図4、図5のステップ100〜105、118〜130と同じである。
ステップ304、305において最終駐車位置での最終旋回中心点Pfと現在位置での現在旋回中心点Pcl、Pcrが設定されると、ステップ306では、描画制御部18Bがメモリ17から自車両アイコンMc、Mf、後輪直線軌跡アイコン56、最内周軌跡アイコン40の画像データを読み出す。そして、ステップ307において、重畳画像合成部13に対して俯瞰画像へのアイコン重畳を行なわせ、旋回中心設定部16の設定に基づいてアイコンの配置を制御する。
【0078】
図25は、駐車支援起動スイッチ3がオンされた時点のモニタ6の画面表示を示す。
枠線Hで区画された駐車スロットSを示す俯瞰画像において、実線で示すように現在位置での自車両アイコンMcが表示されるとともに、駐車スロットSの最終駐車位置に位置したとしたときの破線で示す自車両アイコンMfの、最小回転半径での右側の最終旋回中心点Pfに最内周軌跡アイコン40がその円中心を位置させて表示される。
そして、後輪直線軌跡アイコン56が現在位置での自車両アイコンMcの右後輪Wrの接地点に基準点57を一致させ、車両前後方向軸と平行に配置されて表示される。
【0079】
フローチャートに戻って、モニタ6に自車両アイコンMc、Mf、最内周軌跡アイコン40、後輪直線軌跡アイコン56が重畳表示されると、ステップ308で、アイコン状態判断部19Bが、重畳画像における最内周軌跡アイコン40と、後輪直線軌跡アイコン56の接触状態の監視を開始する。
ステップ309において、メッセージ制御部21Bが、「右ハンドルいっぱいで微速前進、直線と円を接触させてください」など、接触方向の操作を行なうべき旨のメッセージを出力させる。
右方向フル転舵で前進すると、後輪直線軌跡アイコン56は自車両アイコンMcとともに現在旋回中心点Pcrを中心として回動し、最内周軌跡アイコン40の円に接する方向に近づいていく。
【0080】
このあと、ステップ310では、メッセージ制御部21Bが、アイコン状態判断部19Bの出力により、重畳画像における後輪直線軌跡アイコン56と最内周軌跡アイコン40が接したかをチェックする。
両アイコンが接するまでステップ310が繰り返される。
自車両が回動して、図26のモニタ画面に示すように、後輪直線軌跡アイコン56が最内周軌跡アイコン40に接すると、ステップ311へ進む。
【0081】
ステップ311では、メッセージ制御部21Bは、ステップ309で出力させたメッセージを消して、「停止、ハンドルを中立位置にして後退してください」など、中立転舵後後退すべき旨のメッセージを出力させる。
このとき、さらに後輪直線軌跡アイコン56と最内周軌跡アイコン40の表示色を変えたり、あるいは点滅させて、運転者の注意を喚起するようにしてもよい。
ステップ312では、メッセージ制御部21Bは、インヒビタスイッチ5の出力からRレンジ(後退)のシフトポジションが選択されたかどうかをチェックする。
【0082】
上記チェックを繰り返して、Rレンジの選択状態になると、ステップ313において、メッセージ制御部21Bは、アイコン状態判断部19Bの出力により、重畳画像における後輪直線軌跡アイコン56の基準点57(すなわち、自車両の現在位置における右後輪Wrの接地点)が最内周軌跡アイコン40と接触、すなわち接点Gに到達したかをチェックする。
後輪直線軌跡アイコン56は自車両の車両前後方向軸と平行であるから、自車両が後退する間、モニタ6の画面上では、後輪直線軌跡アイコン56が同一姿勢で最内周軌跡アイコン40との接点G上をスライドしていくことになる。
【0083】
上記チェックを繰り返し、図27のモニタ画面に示すように、後輪直線軌跡アイコン56の基準点57が最内周軌跡アイコン40との接点Gに達した時点で、ステップ314へ進む。
ステップ314では、メッセージ制御部21Bが、「停止してください」のメッセージを出力させる。
ステップ315では、後輪直線軌跡アイコン56の基準点57が最内周軌跡アイコン40との接点Gに達した旨のアイコン状態判断部19Bの出力に応じて、描画制御部18Bが後輪直線軌跡アイコン56の表示を消す。
【0084】
描画制御部18Bは、続いてステップ316において、メモリ17から前部最外周シールドアイコン44と後部最外周シールドアイコン46画像データを読み出し、ステップ317において、重畳画像合成部13に対して俯瞰画像へのアイコン重畳を行なわせる。
【0085】
このあとのステップ318〜328は、第1の実施例における処理ステップ120〜130と同じである。
すなわち、枠線Hと前部最外周シールドアイコン44または後部最外周シールドアイコン46のいずれかとの干渉の有無をチェックして、干渉する場合には駐車案内不可のメッセージを出力させ、干渉しない場合は、右フル転舵後、後退を行なわせることにより、自車両Mcは最終旋回中心点Pfを中心とする最内周軌跡アイコン40にそって旋回し、先の図11に示されるように、駐車スロットSの最終駐車位置へ到達できる。
したがって、以降のステップの説明は省略する。
【0086】
なお、直線ガイドアイコン56を最内周軌跡アイコン40と接触させるスタート位置として、図25では、自車両Mcが駐車スロットSに近く、かつ自車両の向きが駐車スロットSの長手方向と平行な状態を示したが、図28に例示するように、ハンドルを切りながら前進して、自車両がMc4、Mc5、Mc6のどの向きになっていても、後輪直線軌跡アイコン56を最内周軌跡アイコン40に接触させたあと直進で後退すれば、後輪直線軌跡アイコン56の基準点57を最内周軌跡アイコン40との接点G(G4、G5またはG6)に到達させることができ、その後は、ハンドルを右いっぱいに切れば、基準点57に対応する右後輪Wrは最内周軌跡アイコン40の円上を駐車スロットS内へ導かれることになる。
したがって、駐車開始に際して自車両の向きは問わない。
【0087】
第3の実施例においては、図23、図24のフローチャートにおけるステップ301が俯瞰画像作成手段を構成し、ステップ302が駐車スロット検出手段を、ステップ303が最終駐車位置設定手段を、ステップ304が第1基準点設定手段を、そしてステップ305が第2基準点設定手段を構成している。
最終旋回中心点Pfが第1の案内基準点に相当し、最内周軌跡アイコン40が第1の案内画像に該当する。また、自車両アイコンMcの右後輪Wrの接地点が第2の案内基準点に相当し、後輪直線軌跡アイコン56が第2の案内画像に該当する。
また、ステップ306、307、315〜317、322が重畳画像合成手段を構成し、ステップ309〜314、318〜321、323〜325が支援情報制御手段を構成している。
また、モニタ6とスピーカ7がメッセージ提示手段に該当する。
【0088】
第3の実施例は以上のように構成され、カメラ2で撮像した自車両周囲状況を真上から見た俯瞰画像としてモニタ6に表示するとともに、俯瞰画像から検出した駐車スロットS内に自車両が最終的に位置すべき最終駐車位置を設定して、最終駐車位置における自車両Mfの最小回転半径での右側(進入路側)の最終旋回中心点Pfを求め、最終旋回中心点Pfに中心をおいた右後輪Wrを通る円の最内周軌跡アイコン40と、現在位置における自車両Mcの右後輪Wrの接地点を基準点57とし車両前後方向軸CLと平行に延びる直線からなる後輪直線軌跡アイコン56とを俯瞰画像に重畳し、両アイコン56、40の位置関係に基づいてメッセージをモニタ6やスピーカ7に出力するものとしたので、駐車スロットSへの駐車操作の開始位置を容易に決定することができる。
【0089】
そして、後輪直線軌跡アイコン56と最内周軌跡アイコン40とが接した位置において、中立位置へ転舵のうえ後退させるメッセージを出力することにより、右後輪Wrが後輪直線軌跡アイコン56の直線にそって駐車スロットS内へ進入でき、その後、後輪直線軌跡アイコン56の基準点57(右後輪Wr)が最内周軌跡アイコン40との接点Gに到達したとき、右方向にフル転舵のうえ後退させるメッセージを出力するので、最終段階移動として、自車両は右後輪Wrが最内周軌跡アイコン40(最終旋回中心点を中心とする最小回転半径の円)上をたどって、最終駐車位置へ到達することができる。
【0090】
さらに、右後輪Wrが後輪直線軌跡アイコン56と最内周軌跡アイコン40との接点Gに到達したときに、最終駐車位置への最終段階移動開始の後退をさせる前、すなわち中立転舵のうえ後退させるメッセージを出力する前に、それぞれ扇形状の要を右側の現在旋回中心点Pcrにおいた前部最外周シールドアイコン44と後部最外周シールドアイコン46を俯瞰画像に重畳して表示するので、駐車スロットS内の最終駐車位置まで他との干渉なしに進入可能であるかをモニタ画面上で容易に確認することができる。
【0091】
各実施例では、最終駐車位置への最終段階移動開始の後退をさせる前に、自車両の通過領域を示すシールドアイコンを俯瞰画像に重畳して、枠線との干渉がないことを確認した後はステップ124(222:322)でシールドアイコンを消すものとしているが、最終駐車位置に至るまでシールドアイコンを重畳したままとして最後まで確認を行えるようにしてもよい。
【0092】
各実施例ではまた、ステップ126、127(224、225:324、325)でメッセージ制御部がアイコン状態判断部の出力により、自車両が最終駐車位置に位置したことをチェックして、駐車完了のメッセージを出力させるものとしたが、駐車スロットSの最終駐車位置に到達したかどうかは実際の車両周囲状況あるいはモニタ6の画面からも運転者が確認できるので、装置自体としては上記チェックおよびメッセージ処理を省略して、例えばステップ128(226:326)のチェックで、Pレンジ(パーキング)のシフトポジションが選択されたことにより、最終駐車位置に到達したものとして支援の制御処理を終了するものとしてもよい。
【0093】
なお、シールドアイコンと枠線が干渉した場合には、駐車案内不可としてモニタの表示を消して制御処理を終了するものとしたが、運転者が支援に頼らずに同じ駐車スロットへの駐車操作を行う際の参考となるように、駐車支援起動スイッチ3がオフされるまでは現在位置における自車両アイコンMcを重畳した俯瞰画像の表示を継続するようにしてもよい。
【0094】
第1および第2の実施例において、第1の案内画像としての最内周軌跡アイコン40は最小回転半径での車体の最内側の軌跡を示すため旋回内側の後輪Wrの接地点を通る円としたが、円に限定されず、第2の案内画像と接触可能を条件として最終駐車位置への最終段階移動の領域を含む半円等とすることもできる。
逆に、第1の実施例において、第2の案内画像としての最外周軌跡アイコン42は1/4の円弧としたが、最内周軌跡アイコン40と接触可能の範囲内で円弧の長さは任意であり、また円とすることもできる。
【0095】
さらには、第1および第2の実施例において、第1の案内画像としては車体の最内側の軌跡を示すものに限定されず、最終駐車位置への最終段階移動の指標となるものであれば、例えば左右後輪Wl、Wrの接地点を通る直線の中央位置を参照点として、この中央位置を通る円や半円等とすることもできる。この場合、第1の案内画像と接触させるための第2の案内画像も同じ参照点を通るように設定する。
【0096】
各実施例では、自車両の進行方向に対して左側の駐車スロットに駐車しようとする場合について説明したが、進行方向に対して右側の駐車スロットに駐車しようとする場合は、上記説明における左右を反転させればよい。
【図面の簡単な説明】
【0097】
【図1】第1の実施例のシステム構成を示すブロック図である。
【図2】俯瞰画像例を示す図である。
【図3】アイコン例を示す図である。
【図4】コントロールユニットにおける制御処理の流れを示すフローチャートである。
【図5】コントロールユニットにおける制御処理の流れを示すフローチャートである。
【図6】駐車支援起動スイッチがオンされた時のモニタ画面表示を示す図である。
【図7】最内周軌跡アイコンと最外周軌跡アイコンが接した状態を示す図である。
【図8】最外周軌跡アイコンの始点が最内周軌跡アイコンとの接点に到達した状態を示す図である。
【図9】前部最外周シールドアイコンと後部最外周シールドアイコンを重畳した状態を示す図である。
【図10】枠線と前部最外周シールドアイコンが干渉した状態を示す図である。
【図11】自車両アイコンが駐車スロットの最終駐車位置に到達した状態を示す図である。
【図12】自車両の向きが異なる場合における最内周軌跡アイコンと最外周軌跡アイコンの接触状態を示す図である。
【図13】第2の実施例のシステム構成を示すブロック図である。
【図14】アイコン例を示す図である。
【図15】コントロールユニットにおける制御処理の流れを示すフローチャートである。
【図16】コントロールユニットにおける制御処理の流れを示すフローチャートである。
【図17】駐車支援起動スイッチがオンされた時のモニタ画面表示を示す図である。
【図18】直線ガイドアイコンと旋回中心点アイコンが重なった状態を示す図である。
【図19】直線ガイドアイコンの基準点が旋回中心点アイコンが重なった状態を示す図である。
【図20】転舵方向を逆にして直線ガイドアイコン50と旋回中心点アイコンを重ねた状態を示す図である。
【図21】第3の実施例のシステム構成を示すブロック図である。
【図22】アイコン例を示す図である。
【図23】コントロールユニットにおける制御処理の流れを示すフローチャートである。
【図24】コントロールユニットにおける制御処理の流れを示すフローチャートである。
【図25】駐車支援起動スイッチがオンされた時のモニタ画面表示を示す図である。
【図26】後輪直線軌跡アイコンが最内周軌跡アイコンに接した状態を示す図である。
【図27】後輪直線軌跡アイコンの基準点が最内周軌跡アイコンとの接点に到達した状態を示す図である。
【図28】自車両の向きが異なる場合における後輪直線軌跡アイコンと最内周軌跡アイコンの接触状態を示す図である。
【符号の説明】
【0098】
1、1A、1B 縦列駐車支援装置
2a、2b、2c、2d カメラ
3 駐車支援起動スイッチ
4 舵角センサ
5 インヒビタスイッチ
6 モニタ
7 スピーカ
10、10A、10B コントロールユニット
11 視点変換部
12 俯瞰画像作成部
13 重畳画像合成部
14 駐車スロット検出部
15 駐車位置設定部
16 旋回中心設定部
17 メモリ
18、18A、18B 描画制御部
19、19A、19B アイコン状態判断部
20 フル転舵検出部
21、21A、21B メッセージ制御部
40 最内周軌跡アイコン(第1の案内画像)
42 最外周軌跡アイコン(第2の案内画像)
42a 始点
44 前部最外周シールドアイコン
46 後部最外周シールドアイコン
50 直線ガイドアイコン(第2の案内画像)
51 車軸直線
52 ガイド直線
53 基準点
54 旋回中心点アイコン(第1の案内画像)
55 破線
56 後輪直線軌跡アイコン(第2の案内画像)
57 基準点
G、G1、G2、G3、G4、G5、G6 接点
H 枠線
M、、Mf 自車両アイコン
Mc、Mc1、Mc2、Mc3、Mc4、Mc5、Mc6 自車両アイコン
Pf 最終旋回中心点(第1の案内基準点)
Pcl、Pcr 現在旋回中心点(第2の案内基準点)
pl、pr 旋回中心点
S 駐車スロット
Wl 左後輪
Wr 右後輪

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体の複数位置に設置されて自車両周囲を撮像するカメラと、
カメラからの撮像信号をカメラ光軸を路面に垂直にした視点からの画像信号へ変換合成して、俯瞰画像を作成する俯瞰画像作成手段と、
俯瞰画像から進入路にそった駐車スロットを検出する駐車スロット検出手段と、
駐車スロット内に自車両が最終的に位置すべき最終駐車位置を設定する最終駐車位置設定手段と、
俯瞰画像における前記最終駐車位置に自車両が位置するとしたときの第1の案内基準点を設定する第1基準点設定手段と、
俯瞰画像における自車両の現在位置にかかる第2の案内基準点を設定する第2基準点設定手段と、
俯瞰画像における前記第1の案内基準点に前記最終駐車位置への最終段階移動の指標となる第1の案内画像を配置し、前記第2の案内基準点に前記第1の案内画像と接触させるための第2の案内画像を配置して重畳画像を作成する重畳画像合成手段と、
前記重畳画像を表示するモニタとを有することを特徴とする縦列駐車支援装置。
【請求項2】
前記第1の案内基準点が、前記最終駐車位置における自車両の最小回転半径での進入路側の旋回中心点であり、前記第1の案内画像が左右後輪の接地点を通る直線上に設定した参照点を通り中心を第1の案内基準点においた円であり、
前記第2の案内基準点は、現在位置における自車両の最小回転半径での駐車スロット側の旋回中心点であり、前記第2の案内画像が中心を第2の案内基準点におき前記参照点を通り後方へ延びる円弧であることを特徴とする請求項1に記載の縦列駐車支援装置。
【請求項3】
前記円と円弧の位置関係を判断する案内画像状態判断手段と、
メッセージ提示手段と、
案内画像状態判断手段の出力に基づいて支援メッセージをメッセージ提示手段へ出力する支援情報制御手段とを備え、
該支援情報制御手段は、前記円と円弧が接した位置において、自車両を停止し、前記円弧にそう方向にフル転舵のうえ後退させる旨の支援メッセージを出力し、
前記円弧上の前記参照点が前記円との接点に達した位置において、自車両を停止し、逆方向にフル転舵のうえ後退させる旨の支援メッセージを出力して、前記円にそって最終駐車位置へ進む最終段階移動の開始タイミングを提示させることを特徴とする請求項2に記載の縦列駐車支援装置。
【請求項4】
前記参照点を、それぞれ第1の案内基準点側の後輪の接地点から車両側壁の間としたことを特徴とする請求項2または3に記載の縦列駐車支援装置。
【請求項5】
前記第1の案内基準点が、前記最終駐車位置における自車両の最小回転半径での進入路側の旋回中心点であり、前記第1の案内画像が中心を第1の案内基準点においた丸点であり、
前記第2の案内基準点は、現在位置における自車両の最小回転半径での進入路側の旋回中心点であり、前記第2の案内画像が基準点を第2の案内基準点におき前記基準点から自車両の車両前後方向軸と平行に後方へ延びる直線を備えることを特徴とする請求項1に記載の縦列駐車支援装置。
【請求項6】
前記丸点と直線の位置関係を判断する案内画像状態判断手段と、
メッセージ提示手段と、
案内画像状態判断手段の出力に基づいて支援メッセージをメッセージ提示手段へ出力する支援情報制御手段とを備え、
該支援情報制御手段は、前記直線が丸点に重なった位置において、自車両を停止し、中立に転舵のうえ後退させる旨の支援メッセージを出力し、
前記直線上の前記基準点が前記丸点に達した位置において、自車両を停止し、前記丸点を旋回中心とする方向にフル転舵のうえ後退させる旨の支援メッセージを出力して、前記丸点を旋回中心として最終駐車位置へ進む最終段階移動の開始タイミングを提示させることを特徴とする請求項5に記載の縦列駐車支援装置。
【請求項7】
前記第1の案内基準点が、前記最終駐車位置における自車両の最小回転半径での進入路側の旋回中心点であり、前記第1の案内画像が左右後輪の接地点を通る直線上に設定した参照点を通り中心を第1の案内基準点においた円であり、
前記第2の案内基準点は、現在位置における自車両の前記参照点であり、前記第2の案内画像が基準点を前記参照点におき前記基準点から自車両の車両前後方向軸と平行に後方へ延びる直線であることを特徴とする請求項1に記載の縦列駐車支援装置。
【請求項8】
前記円と直線の位置関係を判断する案内画像状態判断手段と、
メッセージ提示手段と、
案内画像状態判断手段の出力に基づいて支援メッセージをメッセージ提示手段へ出力する支援情報制御手段とを備え、
該支援情報制御手段は、前記円と直線が接した位置において、自車両を停止し、中立に転舵のうえ後退させる旨の支援メッセージを出力し、
前記直線上の前記基準点が前記円との接点に達した位置において、自車両を停止し、逆方向にフル転舵のうえ後退させる旨の支援メッセージを出力して、前記円にそって最終駐車位置へ進む最終段階移動の開始タイミングを提示させることを特徴とする請求項7に記載の縦列駐車支援装置。
【請求項9】
前記参照点を、それぞれ第1の案内基準点側の後輪の接地点から車両側壁の間としたことを特徴とする請求項7または8に記載の縦列駐車支援装置。
【請求項10】
前記重畳画像合成手段は、さらに前記最終駐車位置への最終段階移動開始の後退をさせる前に、自車両の通過領域を示すシールド画像を俯瞰画像に重畳することを特徴とする請求項3、4、6、8、9のいずれか1に記載の縦列駐車支援装置。
【請求項11】
前記シールド画像は、現在位置における自車両の最小回転半径での進入路側の旋回中心点を要とし、自車両の旋回外側の前端を通る円弧を外縁とする扇形状の前部最外周シールド画像であることを特徴とする請求項10に記載の縦列駐車支援装置。
【請求項12】
前記シールド画像は、さらに、現在位置における自車両の最小回転半径での進入路側の旋回中心点を要とし、自車両の旋回外側の後端部を通る円弧を外縁とする扇形状の後部最外周シールド画像を含むことを特徴とする請求項11に記載の縦列駐車支援装置。
【請求項13】
前記シールド画像は半透明で、円弧の長さは1/4円であり、要から外縁に向かって濃くなるようにグラデーションが施されていることを特徴とする請求項11または12に記載の縦列駐車支援装置。
【請求項14】
車体の複数位置に設置されたカメラで自車両周囲を撮像し、
カメラからの撮像信号をカメラ光軸を路面に垂直にした視点からの画像信号へ変換合成して、俯瞰画像を作成し、
俯瞰画像から画像処理により進入路にそった駐車スロットを検出し、
駐車スロット内に自車両が最終的に位置すべき最終駐車位置を設定し、
俯瞰画像における前記最終駐車位置に自車両が位置するとしたときの第1の案内基準点を設定するとともに、自車両の現在位置にかかる第2の案内基準点を設定し、
俯瞰画像における前記第1の案内基準点に前記最終駐車位置への最終段階移動の指標となる第1の案内画像を配置し、前記第2の案内基準点に前記第1の案内画像と接触させるための第2の案内画像を配置して重畳画像を作成して、
該重畳画像をモニタに表示することを特徴とする縦列駐車支援方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【公開番号】特開2009−61975(P2009−61975A)
【公開日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−232956(P2007−232956)
【出願日】平成19年9月7日(2007.9.7)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】