説明

縮合多環式炭化水素基を有するシリコーン共重合体及びその製造方法

【課題】膜厚5μmでも優れた平滑性を持ち、かつ、高クラック耐性、等の特性を有する膜形成できるシルセスキオキサン単位をもつ新規シリコーン共重合体。
【解決手段】下記一般式


(式中、Rは縮合多環式炭化水素基を示す。)と下記一般式


(式中、Aは芳香族炭化水素基を示す。)で示される、シルセスキオキサン単位をもつシリコーン共重合体。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶表示素子や半導体素子等の電子部品の絶縁膜材料として有用な縮合多環式炭化水素基および芳香族炭化水素基を有するシリコーン共重合体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、液晶表示素子や半導体素子等の電子部品に用いられる絶縁膜としては、可視光で透過性が高い高透明性や、素子を製造する際の各種処理工程に耐えられる耐熱性、耐薬品性、クラック耐性などの特性を兼ね備えた樹脂の必要性が高まっている。その中で、シルセスキオキサン骨格を有するシリコーン樹脂は、光学特性や耐熱性等に優れた性能を有し、これらの特性を利用して広く利用されてきた。
【0003】
しかし、その硬化膜は特に1μm以上の膜厚で膜にクラックが入りやすく用途が限定されていた。重要な特性であるクラック耐性を有する材料として、エポキシ基含有シリコーン樹脂の例が開示されている(特許文献1参照)。しかし、クラック耐性は優れているが、300℃以上の熱処理工程には耐えられず、耐熱性が不十分であった。
【0004】
一方、LSI製造では膜表面の平坦性が重要であり、加熱による膜形成後の膜表面が平坦であることが求められている。例えばLSI製造の多層配線工程において、加熱により形成した膜が平坦でない場合は、その上に膜形成した場合、新たに形成した膜が均一にならずにムラのある膜が形成してしまう可能性がある。そのように形成した膜に露光した場合、不均一な膜界面付近で光の乱反射や散乱が生じ、均一なパターン形成そのものができない。このように膜表面の平坦性が光学特性、機械特性などの膜特性に影響を与える場合が多いため、通常平坦な膜が求められている。
【0005】
ここで膜の平坦性については、表面粗さRaで表示される(JIS−B0601)。ここでRaは引っ掻き深さの算術平均の測定値であり、粗さの曲線と中心線とにより囲まれた部分の面積を測定長さで割った平均偏差つまり測定長さでの個々の深さの平均値をいう。また他にも表面粗さを示すパラメーターとしてRmaxが用いられ、これは測定長さにおける最高点から最低点までの最大深さである。これら数値が大きいほど表面が粗く、数値が小さい材料が求められていた。
【0006】
例えば、厚膜で平坦性が求められている材料として、フレキシブル基板がある(特許文献2参照)。この例では、ポリイミドシロキサンおよび両末端エポキシシロキサンの組成物を熱硬化して、膜厚7.5〜35μmという厚膜のフィルムを形成できているが、Raが0.1μm程度と大きく、また硬化温度が80℃と低いため高沸点溶剤を含むワニスを用いるような膜焼成温度が300℃以上のプロセスには適していない。
【0007】
以上のことから、1μm以上、さらには5μm以上の厚膜で耐熱性、光透過性を有し、Ra、Rmaxが小さく表面が平坦なシリコーン材料が望まれていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2001−040094号公報
【特許文献2】特開2004−91648号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、膜厚1μm以上でRaが0.01以下、Rmaxが0.10以下の優れた平滑性を持ち、かつ、高クラック耐性、高透過性、高耐熱性、高耐溶剤性の特性を有する膜を形成できる新規シリコーン共重合体を提供することを目的としてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、
下記一般式
【0011】
【化1】

【0012】
(式中、Rは縮合多環式炭化水素基を示す)
で示されるシルセスキオキサン単位と
下記一般式
【0013】
【化2】

【0014】
(式中、Aは芳香族炭化水素基を示す)
で示されるシルセスキオキサン単位を含むシリコーン共重合体である。
【発明の効果】
【0015】
本発明のシリコーン共重合体は、縮合多環式炭化水素基を含有するシルセスキオキサンを含有することにより、可視光領域における透過性に優れ、かつ加熱により膜を形成したとき高い平坦性を有し、クラック耐性についても非常に優れた材料となる。また、芳香族炭化水素基を含有するシルセスキオキサン単位を導入することにより、300℃以上の耐熱性が向上した材料になる。
【0016】
本発明のシリコーン共重合体は、可視光領域の波長における透明性が良く、密着性、クラック耐性にすぐれ、かつ耐熱性、耐溶剤性にすぐれている。
【0017】
本発明のシリコーン共重合体は、透明性、耐熱性、耐薬品性、クラック耐性などの特性を兼ね備えた材料であることから、液晶表示素子や半導体素子等の電子部品に用いられる絶縁膜として利用できる。
【0018】
本発明のシリコーン共重合体は、200℃以上の熱をかけることにより、容易に硬化させることができることから、反射防止膜的な役割を果たすため、微細加工プロセスに導入することができる。
【0019】
また、本発明のシリコーン共重合体は電子材料分野に限らず、塗料や接着剤等、幅広い分野で応用できる。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明のシリコーン共重合体は、下記一般式
【0021】
【化3】

【0022】
(式中、Rは、縮合多環式炭化水素基を示す。)
で示されるシルセスキオキサン単位と下記一般式
【0023】
【化4】

【0024】
(式中、Aは、芳香族炭化水素基を示す。)
で示されるシルセスキオキサン単位をもつシリコーン共重合体である。
【0025】
本発明のシリコーン共重合体では、下記骨格
【0026】
【化5】

【0027】
は、シルセスキオキサン骨格を示し、各ケイ素原子が3個の酸素原子に結合し、各酸素原子が2個のケイ素原子に結合していることを示す。シルセスキオキサン骨格は、例えば、下記一般式
【0028】
【化6】

【0029】
に示す構造式で示すことができる。
また、本発明のシリコーン共重合体は、例えば、下記一般式
【0030】
【化7】

【0031】
で示されるラダー型シリコーン共重合体でも良い。
【0032】
ここでRとして示される縮合多環式炭化水素基としては、2個以上のベンゼン環が縮合している炭化水素基を示す。この縮合多環式炭化水素基は加熱により膜を形成したときに表面粗さを低減する効果を示す置換基で、好ましい例として、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン、ペンタセン、ヘキサセン、トリフェニレン、ピレン、ピセン等が挙げられる。また、ベンゼン環以外の骨格を有するペンタレン、インデン、アズレン、ヘプタレン、ビフェニレン、アセナフチレン等も縮合多環式炭化水素基であり好ましい例として挙げられる。原料入手の観点から、ペンタレン、インデン、アズレン、ヘプタレン、ビフェニレン、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン等のベンゼン環単位が3つ以下の縮合多環式炭化水素基がより好ましく、縮合多環式炭化水素基に炭化水素基が結合していても良い。さらに原料入手が容易であるナフタレン誘導体が最も好ましい。
【0033】
好ましいナフタレン骨格の例は、下記一般式
【0034】
【化8】

【0035】
で示される。
【0036】
Aとして示される芳香族炭化水素基は、加熱による膜形成時における樹脂の耐熱性を向上させる置換基であり、好ましい例として、フェニル基、ベンジル基、フェネチル基、フェニルプロピル基、ジフェニルメチル基、シンナミル基、スチリル基、トリチル基等のベンゼン環と炭化水素基とを有した置換基、トルイル基、クメニル基、メシル基、キシリル基等のベンゼン環に置換基が結合した芳香族炭化水素基等が挙げられる。4−メチルフェニルエチル基、4−メチルフェニルプロピル基、2,4−ジメチルフェニルエチル基等、ベンゼン環に置換基が結合していても良い。芳香族炭化水素基は、樹脂の耐熱性を向上させることが出来るが、芳香族環とシリコン原子との間に置換基がない場合は、置換基がある場合と比較して一般的にガラス転移温度が低下し、耐熱性が悪くなることから、フェニル基、トルイル基、クメニル基、メシル基、キシリル基等の芳香族炭化水素基が、特に好ましく、一般的に入手が容易なフェニル基が、さらに好ましい。
【0037】
本発明のシリコーン共重合体は、好ましくは、下記一般式
【0038】
【化9】

【0039】
(式中、Rは、縮合多環式炭化水素基を示す。)
で示されるシルセスキオキサン単位と下記一般式
【0040】
【化10】

【0041】
(式中、Aは芳香族炭化水素基を示す。)
で示されるシルセスキオキサン単位
【0042】
【化11】

【0043】
(式中、Bは脂肪族炭化水素基を示す。)
で示されるシルセスキオキサン単位をもつシリコーン共重合体である。
【0044】
Bは脂肪族炭化水素基を示す。B成分を導入することにより、膜を形成したときに緻密な構造にすることができ、薬液の進入を防ぐことができるので好ましい。これにより薬液に対する耐性に優れた材料となる。
【0045】
Bとして好ましい脂肪族炭化水素基は、炭素数1〜20の直鎖状炭化水素基、分枝状炭化水素基、環状炭化水素基、架橋環式炭化水素基、2重結合を有する炭化水素基であり、炭素数1〜20の直鎖状炭化水素基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基等の炭化水素基が挙げられる。分枝状炭化水素基としては、イソプロピル基、イソブチル基等の炭化水素基が好ましい。環状炭化水素基として、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等の環状炭化水素基が好ましく、また、ノルボルナン骨格を有するような架橋環式炭化水素基も好ましい。また、2重結合を有するビニル基、アリル基を有する炭化水素基も好ましい。これら炭化水素基の中で、メチル基、エチル基、プロピル基等の炭素数1〜5の直鎖状炭化水素基が、より好ましく、原料入手の観点からメチル基がさらに好ましい。
【0046】
また、本発明のシリコーン共重合体は、さらに好ましい形態として、下記一般式
【0047】
【化12】

【0048】
(式中、Rは縮合多環式炭化水素基、Aは芳香族炭化水素基、Bは脂肪族炭化水素基を示す。a、b、cは、それぞれモル%を示し、aは1〜99モル%、bは1〜99モル%、cは1〜99モル%を示す。ただしa+b+c=100である。)
に示す構造式で表すことができる。
【0049】
ここでa成分のRは縮合多環式炭化水素基を有するシリコーン部位を示す。aはエッチングに対する耐性、透明性、クラック耐性などの点で、5〜40モル%が好ましく、10〜30モル%がより好ましい。
【0050】
また、b成分のAは芳香族炭化水素基を示す。芳香族炭化水素基は耐熱性を有するため、熱的に安定なシリコーン共重合体にするには、bは、20モル%以上が好ましく、さらに、40モル%以上がさらに好ましい。
【0051】
また、c成分のBは脂肪族炭化水素基を示し、低級アルキル基を使用することが好ましい。脂肪族炭化水素基を入れるとシリコーン共重合体の薬液に対する耐性がより一層向上する。耐熱性を有する芳香族炭化水素基組成を減らさないようにするため、nは10〜50モル%が好ましく、20〜40モル%がさらに好ましい。
【0052】
本発明のシリコーン共重合体は、重量平均分子量(ポリスチレン換算)が500〜20,000の範囲にあるものが好ましく、500〜8,000の範囲にあるものがさらに好ましい。本発明のシリコーン共重合体は、分散度が1.1〜2.5の範囲にあるものが好ましく、1.1〜1.8の範囲にあるものがさらに好ましい。
【0053】
本発明のシリコーン共重合体は、好ましくは、有機溶媒に可溶であり、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン等のケトン溶媒、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、シクロへキサノール等のアルコール溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素溶媒、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル等のエステル溶媒、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル溶媒、アセトニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル系溶媒、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のグリコール系溶媒に可溶である。
【0054】
本発明のシリコーン共重合体は、好ましくは、下記一般式
【0055】
【化13】

【0056】
(式中、Rは縮合多環式炭化水素基を示し、Xは加水分解性基を示す)
と下記一般式
【0057】
【化14】

【0058】
(式中、Aは芳香族炭化水素基を示し、Xは加水分解性基を示す)
で示されるモノマーを酸性条件で加水分解して製造する。
【0059】
また、脂肪族炭化水素基を含むシルセスキオキサン単位をもつシリコーン共重合体を製造する場合は、好ましくは、下記一般式
【0060】
【化15】

【0061】
(式中、Rは縮合多環式炭化水素基を示し、Xは加水分解性基を示す)
と下記一般式
【0062】
【化16】

【0063】
(式中、Aは芳香族炭化水素基を示し、Xは加水分解性基を示す)
と下記一般式
【0064】
【化17】

【0065】
(式中、Bは脂肪族炭化水素基を示し、Xは加水分解性基を示す)
で示されるモノマーを酸性条件で加水分解して製造する。
【0066】
さらに、本発明のシリコーン共重合体のより好ましい形態である下記一般式
【0067】
【化18】

【0068】
(式中、Rは縮合多環式炭化水素基、Aは芳香族炭化水素基、Bは脂肪族炭化水素基を示す。a、b、cはそれぞれモル%を示し、aは1〜99モル%、bは1〜99モル%、cは1〜99モル%を示す。ただしa+b+c=100である。)で示されるシリコーン共重合体を製造する場合、例えば、下記で示される水を用いた加水分解反応、重縮合反応で合成することができる。
【0069】
【化19】

【0070】
(式中、Rは縮合多環式炭化水素基、Aは芳香族炭化水素基、Bは脂肪族炭化水素基を示す。Xは加水分解性基を示す。a、b、cはそれぞれモル%を示し、aは1〜99モル%、bは1〜99モル%、cは1〜99モル%を示す。ただしa+b+c=100である。)
【0071】
ここで、Xは加水分解性基を示すが、塩素、臭素、ヨウ素のハロゲン原子、もしくはメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等のアルコキシ基が好ましく、特に塩素原子、メトキシ基、エトキシ基が原料入手と反応性が高いことから特に好ましい。
【0072】
この加水分解、重縮合反応は、水を用いて行うが、通常、触媒を加えて行うことが好ましい。この場合、分子量制御の観点から酸性条件で行うことが好ましく、塩酸、酢酸、クエン酸、シュウ酸等の触媒を使用することが特に好ましい。この触媒使用量は原料モノマーのモル数に対して0.01〜1.0当量が好ましく、0.05〜0.5当量がさらに好ましい。
【0073】
加水分解、重縮合条件として、反応温度0〜100℃が好ましく、触媒を使用することにより反応が容易に進行することから、10〜40℃がより好ましい。
【0074】
この加水分解、重縮合反応には水が必要であるが、原料モノマーのモル数に対して3〜100当量使用することが好ましく、5〜50当量使用することが特に好ましい。
【0075】
この反応では、有機溶媒を使用することが好ましく、有機溶媒としては、トルエン、キシレン等の非プロトン性溶媒、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒、メタノール、エタノール、2−プロパノール等のアルコール溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル溶媒、等の溶媒を使用することができる。
【0076】
反応終了後は、非極性溶媒を添加して反応生成物と水とを分離して、有機溶媒に溶解した反応生成物を回収し、水で洗浄後に溶媒を留去することにより目的の生成物を得ることができる。
【0077】
このようにして本発明のシリコーン共重合体を合成することができる。
【実施例】
【0078】
以下、実施例を示して本発明を具体的に説明する。
【0079】
以下の実施例において、測定には下記装置を使用し、原料は試薬メーカー(東京化成品、和光純薬品、ナカライテスク品、アズマックス品、信越化学品)から購入した一般的な試薬を用いた。
【0080】
測定装置
NMR測定・・・日本電子製400MHz NMR測定器
IR測定・・・島津製IR Prestige−21。KBr板に合成品を少量塗布し、別のKBr板に挟んで赤外を透過させて測定した。
GPC測定・・・東ソー製HLC−8220
GC測定・・・島津製GC−2010シリーズ。
【0081】
合成例1
2−メチル−1−ナフチルトリメトキシシランの合成例
撹拌機、還流冷却器、滴下ろう斗及び温度計を備えた500mL4つ口フラスコに、マグネシウム11.5g(0.475モル)とテトラヒドロフラン300mLを加え40℃に温度を昇温した。次いで開始剤として1,2−ジブロモエタンを少量加えた後、1−ブロモ−2−メチルナフタレン100g(0.452モル)を45℃を超えないように6時間かけて滴下した。滴下終了後、40〜45℃で2時間熟成しグリニャール試薬を調整した。
【0082】
次に撹拌機、還流冷却器、滴下ろう斗及び温度計を備えた1000mL4つ口フラスコに、正珪酸メチル206.5g(1.357モル)仕込み缶内温度を80℃まで昇温し、グリニャール試薬を80〜85℃の温度で2時間かけて滴下した。滴下終了後、80〜85℃で2時間熟成後冷却し、マグネシウム塩をろ過し、溶媒を留去し、減圧度1Torrで110〜115℃の留分を46.4g(0.177モル)得た。得られた留分のGC分析の結果、GC純度98.6%、NMRとIR分析の結果、2−メチル−1−ナフチルトリメトキシシランであった。
【0083】
得られた化合物のスペクトルデータを下記に示す。
赤外線吸収スペクトル(IR)データ
2839,2941cm-1(-CH3,Ar)、1080cm-1 (Si-O)
核磁気共鳴スペクトル(NMR)データ(1H-NMR溶媒:CDCl3)
2.73ppm(s、3H、Ar-CH3)、3.64ppm(s、9H、-OCH3)、7.24-7.50ppm(m、3H、Ar-H)、7.78ppm(dd、J=11.6、8.8Hz、2H、Ar-H)、8.61ppm(d、J=8.8Hz、1H、Ar-H)。
【0084】
合成例2
6−メトキシ−2−ナフチルトリメトキシシランの合成例
撹拌機、還流冷却器、滴下ろう斗及び温度計を備えた500mL4つ口フラスコに、マグネシウム10.8g(0.443モル)とテトラヒドロフラン300mLを加え40℃に温度を昇温した。次いで開始剤として1,2−ジブロモエタンを少量加えた後、2−ブロモ−6−メトキシナフタレン100.0g(0.422モル)を45℃を超えないように6時間かけて滴下した。滴下終了後、40〜45℃で2時間熟成しグリニャール試薬を調整した。
【0085】
次に撹拌機、還流冷却器、滴下ろう斗及び温度計を備えた1000mL4つ口フラスコに、正珪酸メチル192.8g(1.267モル)仕込み缶内温度を80℃まで昇温し、グリニャール試薬を80〜85℃の温度で2時間かけて滴下した。滴下終了後80〜85℃で2時間熟成後冷却し、マグネシウム塩をろ過し、溶媒を留去し、減圧度1Torrで135〜138℃の留分を37.6g(0.135モル)得た。得られた留分のGC分析の結果、GC純度98.7%、NMRとIR分析の結果、6−メトキシ−2−ナフチルトリメトキシシランであった。
【0086】
得られた化合物のスペクトルデータを下記に示す。
赤外線吸収スペクトル(IR)データ
2838,2943cm-1(-CH3,Ar)、1080cm-1 (Si-O)
核磁気共鳴スペクトル(NMR)データ(1H-NMR溶媒:CDCl3)
3.63ppm(s、9H、Si-OCH3)、3.87ppm(s、3H、Ar-OCH3)、7.04-7.30ppm(m、3H、Ar-H)、7.77ppm(dd、J=11.6、8.8Hz、2H、Ar-H)、8.60ppm(d、J=8.8Hz、1H、Ar-H)。
【0087】
合成例3
1−アセナフテニルトリエトキシシランの合成例
撹拌機、還流冷却器、滴下ろう斗及び温度計を備えた200mL3つ口フラスコに、アセナフチレン140.0g(0.920モル)に塩化白金酸6水和物の0.1モル/Lイソプロパノール溶液2.3mLを加え、70〜75℃の温度に昇温しトリエトキシシラン158.7g(0.966モル)を約3時間かけて滴下し、後同温度で2時間熟成した。その後、還流冷却管を外し、クライゼン蒸留器を付けて減圧度0.5〜0.7Torr、140〜145℃の留分を131.0g(0.414モル)得た。得られた留分のGC分析の結果、GC純度97.0%、NMRとIR分析の結果、1−アセナフテニルトリエトキシシランであった。
【0088】
得られた化合物のスペクトルデータを下記に示す。
赤外線吸収スペクトル(IR)データ
2841,3070cm-1 (C-H)、1084cm-1 (Si-O)
核磁気共鳴スペクトル(NMR)データ(1H-NMR溶媒:CDCl3)
1.09ppm(m、9H、-CH3)、3.19ppm(m、1H、-CH-)、3.57ppm(m、2H、Ar-CH2-)、3.72ppm(m、6H、Si-OCH2-)、7.24-7.55ppm(m、6H、Ar-H)。
【0089】
実施例1
下記構造式(1−ナフチルシルセスキオキサン・フェニルシルセスキオキサン・メチルシルセスキオキサン共重合体)の合成
【0090】
【化20】

【0091】
(構造式中の20:50:30は使用原料のモル比)
撹拌機、還流冷却器、滴下ろう斗及び温度計を備えた500mL4つ口フラスコに、トルエン57.4gと水33.4gを仕込み、35%塩酸を3.13g(0.03モル)を加えた。次に1−ナフチルトリメトキシシラン15.0g(0.0605モル)、フェニルトリメトキシシラン30.0g(0.151モル)とメチルトリメトキシシラン12.4g(0.0908モル)のトルエン28.7gの溶液を20〜30℃で滴下した。滴下終了後、同温度で2時間熟成させた。このときの反応溶液をGCで分析した結果、原料は残っていないことが分かった。次にトルエンと水を加えて抽出し、炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄後に、水で溶液が中性になるまで洗浄した。トルエン油層を回収し、トルエンを除去して、目的の白色固体状の化合物37.5gを得た。
【0092】
得られた共重合体のスペクトルデータを下記に示す。
赤外線吸収スペクトル(IR)データ
1028-1132cm-1(Si-O)、2972-3072 cm-1(C-H)、3080-3700 cm-1(Si-OH)
核磁気共鳴スペクトル(NMR)データ(1H-NMR δ(ppm)、溶媒:CDCl3
0.16(bs)、6.90-7.47(m)、7.47-8.20(m)
GPC分析データ:Mw=850、Mw/Mn=1.19(ポリスチレン換算)。
【0093】
実施例2
下記構造式(2−メチル−1−ナフチルシルセスキオキサン・フェニルシルセスキオキサン・メチルシルセスキオキサン共重合体)の合成
【0094】
【化21】

【0095】
(構造式中の20:50:30は使用原料のモル比)
撹拌機、還流冷却器、滴下ろう斗及び温度計を備えた500mL4つ口フラスコに、トルエン58.3gと水33.4gを仕込み、35%塩酸を3.13g(0.03モル)を加えた。次に2−メチル−1−ナフチルトリメトキシシラン15.9g(0.0605モル)、フェニルトリメトキシシラン30.0g(0.151モル)とメチルトリメトキシシラン12.4g(0.0908モル)のトルエン29.2gの溶液を20〜30℃で滴下した。滴下終了後、同温度で2時間熟成させた。このときの反応溶液をGCで分析した結果、原料は残っていないことが分かった。次にトルエンと水を加えて抽出し、炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄後に、水で溶液が中性になるまで洗浄した。トルエン油層を回収し、トルエンを除去して、目的の白色固体状の化合物38.5gを得た。
【0096】
得られた共重合体のスペクトルデータを下記に示す。
赤外線吸収スペクトル(IR)データ
1029-1132cm-1(Si-O)、2972-3072 cm-1(C-H)、3080-3700 cm-1(Si-OH)
核磁気共鳴スペクトル(NMR)データ(1H-NMR δ(ppm)、溶媒:CDCl3
0.13(bs)、2.40-2.80(m)、6.90-7.47(m)、7.47-8.00(m)
GPC分析データ:Mw=790、Mw/Mn=1.19(ポリスチレン換算)。
【0097】
実施例3
下記構造式(6−メトキシ−2−ナフチルシルセスキオキサン・フェニルシルセスキオキサン・メチルシルセスキオキサン共重合体)の合成
【0098】
【化22】

【0099】
(構造式中の20:50:30は使用原料のモル比)
撹拌機、還流冷却器、滴下ろう斗及び温度計を備えた500mL4つ口フラスコに、トルエン59.2gと水33.4gを仕込み、35%塩酸を3.13g(0.03モル)を加えた。次に6−メトキシ−2−ナフチルトリメトキシシラン16.8g(0.0605モル)、フェニルトリメトキシシラン30.0g(0.151モル)とメチルトリメトキシシラン12.4g(0.0908モル)のトルエン29.6gの溶液を20〜30℃で滴下した。滴下終了後、同温度で2時間熟成させた。このときの反応溶液をGCで分析した結果、原料は残っていないことが分かった。次にトルエンと水を加えて抽出し、炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄後に、水で溶液が中性になるまで洗浄した。トルエン油層を回収し、トルエンを除去して、目的の白色固体状の化合物38.5gを得た。
【0100】
得られた共重合体のスペクトルデータを下記に示す。
赤外線吸収スペクトル(IR)データ
1030-1130cm-1(Si-O)、1153-1293cm-1(-O-)、2970-3071 cm-1(C-H)、3080-3700 cm-1(Si-OH)
核磁気共鳴スペクトル(NMR)データ(1H-NMR δ(ppm)、溶媒:CDCl3
0.15(bs)、2.40-2.80(m)、3.55-3.85(m)、6.90-7.47(m)、7.47-8.00(m)
GPC分析データ:Mw=970、Mw/Mn=1.20(ポリスチレン換算)。
【0101】
実施例4
下記構造式(1−アセナフテニルシルセスキオキサン・フェニルシルセスキオキサン・メチルシルセスキオキサン共重合体)の合成
【0102】
【化23】

【0103】
(構造式中の20:50:30は使用原料のモル比)
撹拌機、還流冷却器、滴下ろう斗及び温度計を備えた500mL4つ口フラスコに、トルエン54.0gと水33.4gを仕込み、35%塩酸を3.13g(0.03モル)を加えた。次に1−アセナフテニルトリエトキシシラン19.1g(0.0605モル)、フェニルトリメトキシシラン30.0g(0.151モル)とメチルトリメトキシシラン12.4g(0.0908モル)のトルエン27.0gの溶液を20〜30℃で滴下した。滴下終了後、同温度で2時間熟成させた。このときの反応溶液をGCで分析した結果、原料は残っていないことが分かった。次にトルエンと水を加えて抽出し、炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄後に、水で溶液が中性になるまで洗浄した。トルエン油層を回収し、トルエンを除去して、目的の淡黄色固体状の化合物38.0gを得た。
【0104】
得られた共重合体のスペクトルデータを下記に示す。
赤外線吸収スペクトル(IR)データ
999-1147cm-1(Si-O)、2845-3071 cm-1(C-H)、3080-3700 cm-1(Si-OH)
核磁気共鳴スペクトル(NMR)データ(1H-NMR δ(ppm)、溶媒:CDCl3
0.11(bs)、0.80-1.40(m)、2.80-3.30(m)、6.90-8.20(m)
GPC分析データ:Mw=780、Mw/Mn=1.20(ポリスチレン換算)。
【0105】
実施例5
下記構造式(1−ナフチルシルセスキオキサン・フェニルシルセスキオキサン・メチルシルセスキオキサン共重合体)の合成
【0106】
【化24】

【0107】
(構造式中の10:50:40は使用原料のモル比)
撹拌機、還流冷却器、滴下ろう斗及び温度計を備えた500mL4つ口フラスコに、トルエン54.0gと水33.4gを仕込み、35%塩酸を3.13g(0.03モル)を加えた。次に1−ナフチルトリメトキシシラン7.50g(0.0302モル)、フェニルトリメトキシシラン30.0g(0.151モル)とメチルトリメトキシシラン16.5g(0.121モル)のトルエン27.0gの溶液を20〜30℃で滴下した。滴下終了後、同温度で2時間熟成させた。このときの反応溶液をGCで分析した結果、原料は残っていないことが分かった。次にトルエンと水を加えて抽出し、炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄後に、水で溶液が中性になるまで洗浄した。トルエン油層を回収し、トルエンを除去して、目的の白色固体状の化合物34.5gを得た。
【0108】
得られた共重合体のスペクトルデータを下記に示す。
赤外線吸収スペクトル(IR)データ
1026-1132cm-1(Si-O)、2970-3071 cm-1(C-H)、3080-3700 cm-1(Si-OH)
核磁気共鳴スペクトル(NMR)データ(1H-NMR δ(ppm)、溶媒:CDCl3
0.15(bs)、6.90-7.47(m)、7.47-8.20(m)
GPC分析データ:Mw=950、Mw/Mn=1.20(ポリスチレン換算)。
【0109】
実施例6
下記構造式(1−ナフチルシルセスキオキサン・フェニルシルセスキオキサン共重合体)の合成
【0110】
【化25】

【0111】
(構造式中の20:80は使用原料のモル比)
撹拌機、還流冷却器、滴下ろう斗及び温度計を備えた500mL4つ口フラスコに、トルエン57.5gと水33.4gを仕込み、35%塩酸を3.13g(0.03モル)を加えた。次に1−ナフチルトリメトキシシラン37.5g(0.151モル)、フェニルトリメトキシシラン30.0g(0.151モル)のトルエン28.8gの溶液を20〜30℃で滴下した。滴下終了後、同温度で2時間熟成させた。このときの反応溶液をGCで分析した結果、原料は残っていないことが分かった。次にトルエンと水を加えて抽出し、炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄後に、水で溶液が中性になるまで洗浄した。トルエン油層を回収し、トルエンを除去して、目的の白色固体状の化合物34.5gを得た。
【0112】
得られた共重合体のスペクトルデータを下記に示す。
赤外線吸収スペクトル(IR)データ
1030-1133cm-1(Si-O)、2972-3072 cm-1(C-H)、3080-3700 cm-1(Si-OH)
核磁気共鳴スペクトル(NMR)データ(1H-NMR δ(ppm)、溶媒:CDCl3
6.90-7.47(m)、7.47-8.20(m)
GPC分析データ:Mw=1,000、Mw/Mn=1.20(ポリスチレン換算)。
【0113】
比較例1
下記構造式(フェニルシルセスキオキサン・メチルシルセスキオキサン共重合体)の合成
【0114】
【化26】

【0115】
(構造式中の50:50は使用原料のモル比)
撹拌機、還流冷却器、滴下ろう斗及び温度計を備えた500mL4つ口フラスコに、トルエン50.6gと水33.4gを仕込み、35%塩酸を3.13g(0.03モル)を加えた。次にフェニルトリメトキシシラン30.0g(0.151モル)、メチルトリメトキシシラン20.6g(0.151モル)のトルエン25.3gの溶液を20〜30℃で滴下した。滴下終了後、同温度で2時間熟成させた。このときの反応溶液をGCで分析した結果、原料は残っていないことが分かった。次にトルエンと水を加えて抽出し、炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄後に、水で溶液が中性になるまで洗浄した。トルエン油層を回収し、トルエンを除去して、目的の白色固体状の化合物27.2gを得た。
【0116】
得られた共重合体のスペクトルデータを下記に示す。
赤外線吸収スペクトル(IR)データ
1028-1132cm-1(Si-O)、2970-3070 cm-1(C-H)、3070-3700 cm-1(Si-OH)
核磁気共鳴スペクトル(NMR)データ(1H-NMR δ(ppm)、溶媒:CDCl3
0.16(bs)、7.00-7.57(m)、7.57-7.90(m)
GPC分析データ:Mw=960、Mw/Mn=1.25(ポリスチレン換算)。
【0117】
<絶縁被膜の製造>
実施例1〜6、及び、比較例1に従って製造されたシリコーン化合物を、それぞれプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに溶解し、固形分濃度が40重量%になるように調整した溶液を得た。その後、当該溶液をPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)製のフィルタで濾過し、シリコンウエハまたはガラス基板上に、溶媒除去した後の膜厚が5.0μmになるような回転数で30秒間回転塗布した。その後150℃/2分かけて溶媒除去し、次いで、O2濃度が1000ppm未満にコントロールされている石英チューブ炉で350℃/30分間かけて被膜を最終硬化し絶縁被膜とした。
【0118】
<被膜評価>
上記成膜方法により成膜された被膜に対して、以下の方法で膜評価を行った。
【0119】
〔表面粗さの測定〕
(中心線平均値Ra)
シリコンウエハ上に形成された最終硬化被膜の中心部分において、東京精密製触針式表面粗さ測定器サーフコム1500Aを用いてカットオフ値0.25mm、測定長さ1mmの条件で3点測定し、その平均値を算出した。
【0120】
(最大高さRmax)
シリコンウエハ上に形成された最終硬化被膜の中心部分において、東京精密製触針式表面粗さ測定器サーフコム1500Aを用いて、測定長さ1mmで3点測定し、その平均値を算出した。
【0121】
(粗さ評価)
上記で測定したRaが0.005以下かつRmaxが0.05以下ならば◎、Raが0.005〜0.01かつRmaxが0.05〜1.00ならば○、Raが0.01以上かつRmaxが0.10以上ならば×とした。
【0122】
〔クラック耐性の評価〕
シリコンウエハ上に形成された最終硬化被膜について、金属顕微鏡により10倍〜100倍の倍率による面内のクラックの有無を確認した。クラックの発生がない場合は○、クラックが見られた場合を×と判定した。
【0123】
〔耐溶剤性の評価〕
シリコンウエハ上に形成された最終硬化被膜について、90℃の温度に加温されたジメチルスルホキシドの溶剤中に120分間浸漬して膜表面の荒れ、膜のハガレ、溶解の有無を試験した。膜表面の荒れ、膜のハガレ、溶解のない場合を○、膜表面の荒れ、膜のハガレ、溶解のいずれかが確認された場合を×と判定した。
【0124】
〔透過率の測定〕
可視光領域に吸収がないガラス基板上に塗布された被膜について、日立製UV3310を用いて可視光領域380nm〜800nmの透過率を測定した。
【0125】
<評価結果>
絶縁皮膜の各評価結果およびそれに基づく総合評価を下記の表1に示した。
【0126】
【表1】

【0127】
このように、縮合多環式炭化水素基を導入することにより膜表面が優れた平滑性を持ち、クラック耐性が向上する。特に、実施例1〜4の3成分系シリコーン共重合体は、さらに透過性、耐溶剤性が良好である。本発明のシリコーン共重合体は、電子材料分野に限らず、塗料や接着剤等、幅広い分野で応用できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式
【化1】

(式中、Rは縮合多環式炭化水素基を示す)
で示されるシルセスキオキサン単位と
下記一般式
【化2】

(式中、Aは芳香族炭化水素基を示す)
で示されるシルセスキオキサン単位を含むシリコーン共重合体。
【請求項2】
下記一般式
【化3】

(式中、Rは縮合多環式炭化水素基を示す)
で示されるシルセスキオキサン単位と
下記一般式
【化4】

(式中、Aは芳香族炭化水素基を示す)
で示されるシルセスキオキサン単位と
下記一般式
【化5】

(式中、Bは脂肪族炭化水素基を示す)
で示されるシルセスキオキサン単位をもつ請求項1記載のシリコーン共重合体。
【請求項3】
下記一般式
【化6】

(式中、Rは縮合多環式炭化水素基、Aは芳香族炭化水素基、Bは脂肪族炭化水素基を示す。a、b、cは、それぞれモル%を示し、aは1〜99モル%、bは1〜99モル%、cは1〜99モル%を示す。ただし、a+b+c=100である。)
で示される請求項1または2に記載のシリコーン共重合体。
【請求項4】
Rがナフタレン誘導体である請求項1から3のいずれかに記載のシリコーン共重合体。
【請求項5】
重量平均分子量が500〜20,000、分散度が1.1〜2.5であり、有機溶媒に可溶である請求項1から4のいずれかに記載のシリコーン共重合体。
【請求項6】
下記一般式
【化7】

(式中、Rは縮合多環式炭化水素基を示し、Xは加水分解性基を示す)
と下記一般式
【化8】

(式中、Aは芳香族炭化水素基を示し、Xは加水分解性基を示す)
で示されるモノマーを酸性条件で加水分解して、請求項1から5のいずれかに記載のシリコーン共重合体を製造するシリコーン共重合体の製造方法。
【請求項7】
下記一般式
【化9】

(式中、Rは縮合多環式炭化水素基を示し、Xは加水分解性基を示す)
と下記一般式
【化10】

(式中、Aは芳香族炭化水素基を示し、Xは加水分解性基を示す)
と下記一般式
【化11】

(式中、Bは脂肪族炭化水素基を示し、Xは加水分解性基を示す)
で示されるモノマーを酸性条件で加水分解して請求項2から5のいずれかに記載のシリコーン共重合体を製造するシリコーン共重合体の製造方法。

【公開番号】特開2009−203463(P2009−203463A)
【公開日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−10594(P2009−10594)
【出願日】平成21年1月21日(2009.1.21)
【出願人】(000187046)東レ・ファインケミカル株式会社 (153)
【Fターム(参考)】