説明

縮合環化合物及び有機発光素子

【課題】更なる低駆動電圧、高電流密度、高効率、高量子効率、高輝度を実現することが可能な縮合環化合物及び有機発光素子を提供すること。
【解決手段】本発明に係る縮合環化合物は、下記化学式1で表わされる構造を有する。本発明に係る縮合環化合物は、かかる構造を有することにより、かかる化合物を用いた有機発光素子において、更なる低駆動電圧、高電流密度、高効率、高量子効率、高輝度を実現することが可能となる。


・・・(化学式1)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、縮合環化合物及び有機発光素子に関する。
【背景技術】
【0002】
有機発光素子(organic light emitting diode)は、自発光型素子であって、視野角が広く、コントラストに優れるだけでなく、応答時間が速く、輝度、駆動電圧及び応答速度特性に優れ、多色化が可能であるという長所を有している。
【0003】
一般の有機発光素子は、基板上部にアノードが形成されており、このアノードの上部に正孔輸送層、発光層、電子輸送層及びカソードが順次に形成されている構造を有することができる。ここで、正孔輸送層、発光層及び電子輸送層は、有機化合物からなる有機薄膜である。
【0004】
前述したような構造を有する有機発光素子の駆動原理は、次の通りである。
前記アノード及びカソード間に電圧を印加すれば、アノードから注入された正孔は、正孔輸送層を経由して発光層に移動し、カソードから注入された電子は、電子輸送層を経由して発光層に移動する。前記正孔及び電子のようなキャリアは、発光層領域で再結合して励起子(exiton)を生成する。この励起子が励起状態から基底状態に変わりつつ、光が生成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】大韓民国公開第10−2006−0051609号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述のような駆動原理を有する有機発光素子は、駆動電圧、電流密度、効率、量子効率及び輝度の点で、未だに改良の余地がある。
【0007】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、更なる低駆動電圧、高電流密度、高効率、高量子効率、高輝度を実現することが可能な、縮合環化合物及び有機発光素子を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、下記化学式1で表わされる縮合環化合物が提供される。
【0009】
【化1】

・・・(化学式1)
【0010】
ここで、前記化学式1において、Xは、置換または非置換のC−C30芳香族多環コア、及び、置換または非置換のC−C30ヘテロ芳香族多環コアからなる群より選択され、Ar及びArは、互いに独立して、置換または非置換のC−C30アリーレン基、及び、置換または非置換のC−C30ヘテロアリーレン基からなる群より選択され、
及びAは、互いに独立して、−[C(Q)(Q)]−で表示される2価連結基であり、前記Q及びQは、互いに独立して、水素、重水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、置換または非置換のC−C30アルキル基、置換または非置換のC−C30アルケニル基、置換または非置換のC−C30アルキニル基、置換または非置換のC−C30アルコキシ基、置換または非置換のC−C30アリールオキシ基、置換または非置換のC−C30アリール基、及び置換または非置換のC−C30ヘテロアリール基からなる群より選択され、前記qは、0〜3の整数であり、R及びRは、互いに独立して、水素、重水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、置換または非置換のC−C30アルキル基、置換または非置換のC−C30アルケニル基、置換または非置換のC−C30アルキニル基、置換または非置換のC−C30アルコキシ基、置換または非置換のC−C30アリールオキシ基、置換または非置換のC−C30アリール基、置換または非置換のC−C30ヘテロアリール基、及び−N(Q)(Q)で表示される基からなる群より選択され、前記Q及びQは、互いに独立して、水素、重水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、置換または非置換のC−C30アルキル基、置換または非置換のC−C30アルケニル基、置換または非置換のC−C30アルキニル基、置換または非置換のC−C30アルコキシ基、置換または非置換のC−C30アリールオキシ基、置換または非置換のC−C30アリール基、及び置換または非置換のC−C30ヘテロアリール基からなる群より選択され、前記Q及びQは、互いに融合されるか、または、単結合、二重結合もしくはC−Cアルキレン基を介して互いに結合して、飽和または不飽和環を形成し、pは、0〜10の整数であり、前記Xで表わされる置換基、Ar、Ar、R、R、Q及びQのうち2以上の置換基は、互いに融合されるか、または、単結合もしくは二重結合を介して結合して、飽和または不飽和環を形成しうる。
【0011】
前記Xが、置換または非置換のペンタレンコア、置換または非置換のインデンコア、置換または非置換のナフタレンコア、置換または非置換のアズレンコア、置換または非置換のヘプタレンコア、置換または非置換のインダセンコア、置換または非置換のアセナフチレンコア、置換または非置換のフルオレンコア、置換または非置換のフェナレンコア、置換または非置換のフェナントレンコア、置換または非置換のアントラセンコア、置換または非置換のフルオランテンコア、置換または非置換のトリフェニレンコア、置換または非置換のピレンコア、置換または非置換のクリセンコア、置換または非置換のナフタセンコア、置換または非置換のピセンコア、置換または非置換のペリレンコア、置換または非置換のペンタセンコア、置換または非置換のヘキサセンコア、置換または非置換のピロールコア、置換または非置換のピラゾールコア、置換または非置換のイミダゾールコア、置換または非置換のイミダゾリンコア、置換または非置換のピリジンコア、置換または非置換のピラジンコア、置換または非置換のピリミジンコア、置換または非置換のインドールコア、置換または非置換のプリンコア、置換または非置換のキノリンコア、置換または非置換のフタラジンコア、置換または非置換のインドリジンコア、置換または非置換のナフチリジンコア、置換または非置換のキナゾリンコア、置換または非置換のシノリンコア、置換または非置換のインダゾールコア、置換または非置換のカルバゾールコア、置換または非置換のフェナジンコア、置換または非置換のフェナントリジンコア、置換または非置換のピランコア、置換または非置換のクロメンコア、置換または非置換のベンゾフランコア、置換または非置換のチオフェンコア、置換または非置換のベンゾチオフェンコア、置換または非置換のイソチアゾールコア、置換または非置換のイソキサゾールコア、及び、置換または非置換のフェニルベンゼンコアからなる群より選択されてもよい。
【0012】
前記Xが、置換または非置換のアントラセンコア、置換または非置換のナフタレンコア、置換または非置換のフェニル−ベンゼンコア及び置換または非置換のピレンコアからなる群より選択されてもよい。
【0013】
前記Xが1つ以上の置換基を有する場合、前記置換基のうち、1つ以上が、互いに独立して、重水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、置換または非置換のC−C30アルキル基、置換または非置換のC−C30アルケニル基、置換または非置換のC−C30アルキニル基、置換または非置換のC−C30アルコキシ基、置換または非置換のC−C30アリールオキシ基、置換または非置換のC−C30アリール基、置換または非置換のC−C30ヘテロアリール基、及び−N(Q)(Q)で表示される基からなる群より選択され、前記Q及びQは、互いに独立して、水素、重水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、置換または非置換のC−C30アルキル基、置換または非置換のC−C30アルケニル基、置換または非置換のC−C30アルキニル基、置換または非置換のC−C30アルコキシ基、置換または非置換のC−C30アリールオキシ基、置換または非置換のC−C30アリール基、及び置換または非置換のC−C30ヘテロアリール基からなる群より選択され、前記Q及びQは、互いに融合されるか、または、単結合、二重結合もしくはC−Cアルキレン基を介して互いに結合して、飽和または不飽和環を形成しうるように構成されてもよい。
【0014】
前記Ar及びArは、互いに独立して、置換または非置換のフェニレン基、置換または非置換のペンタレニレン基、置換または非置換のインデニレン基、置換または非置換のナフチレン基、置換または非置換のアズレニレン基、置換または非置換のヘプタレニレン基、置換または非置換のインダセニレン基、置換または非置換のアセナフチレン基、置換または非置換のフルオレニレン基、置換または非置換のフェナレニレン基、置換または非置換のフェナントレニレン基、置換または非置換のアントラセニレン基、置換または非置換のフルオランテニレン基、置換または非置換のトリフェニレニレン基、置換または非置換のピレニレン基、置換または非置換のクリセニレン基、置換または非置換のナフタセニレン基、置換または非置換のピセニレン基、置換または非置換のペリレニレン基、置換または非置換のペンタセニレン基、置換または非置換のヘキサセニレン基、置換または非置換のピロリレン基、置換または非置換のピラゾリレン基、置換または非置換のイミダゾリレン基、置換または非置換のイミダゾリニレン基、置換または非置換のピリジニレン基、置換または非置換のピラジニレン基、置換または非置換のピリミジニレン基、置換または非置換のインドリレン基、置換または非置換のプリニレン基、置換または非置換のキノリニレン基、置換または非置換のフタラジニレン基、置換または非置換のインドリジニレン基、置換または非置換のナフチリジニレン基、置換または非置換のキナゾリニレン基、置換または非置換のシノリニレン基、置換または非置換のインダゾリレン基、置換または非置換のカルバゾリレン基、置換または非置換のフェナジニレン基、置換または非置換のフェナントリジニレン基、置換または非置換のピラニレン基、置換または非置換のクロメニレン基、置換または非置換のベンゾフラニレン基、置換または非置換のチオフェニレン基、置換または非置換のベンゾチオフェニレン基、置換または非置換のイソチアゾリレン基、及び、置換または非置換のイソキサゾリレン基からなる群より選択されてもよい。
【0015】
前記Ar及びArは、互いに独立して、置換または非置換のフェニレン基、置換または非置換のナフチレン基及び置換または非置換のアントラセニレン基からなる群より選択されてもよい。
【0016】
前記Q及びQは、互いに独立して、水素、重水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、置換または非置換のC−C10アルキル基、置換または非置換のC−C10アルコキシ基、置換または非置換のC−C16アリール基、及び、置換または非置換のC−C16ヘテロアリール基からなる群より選択されてもよい。
【0017】
前記qが0であってもよく、前記qが1〜3の整数であってもよい。
【0018】
及びRが互いに独立して、水素、重水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、置換または非置換のC−C10アルキル基、置換または非置換のC−C10アルコキシ基、置換または非置換のC−C16アリール基、置換または非置換のC−C16ヘテロアリール基、及び、−N(Q)(Q)で表示される置換基からなる群より選択され、前記Q及びQは、互いに独立して、水素、重水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、置換または非置換のC−C10アルキル基、置換または非置換のC−C10アルコキシ基、置換または非置換のC−C16アリール基、及び、置換または非置換のC−C16ヘテロアリール基からなる群より選択され、前記Q及びQは、互いに融合されるか、または、単結合、二重結合もしくはC−Cアルキレン基を介して互いに結合して、飽和または不飽和環を形成しうるように構成されてもよい。
【0019】
前記pが0であってもよく、前記pが1であってもよい。
【0020】
下記化学式1a−1〜化学式1h−1のうち、いずれか1つで表示される化合物であることが好ましい。
【0021】
【化2】

・・・(化学式1a−1)
【0022】
【化3】

・・・(化学式1b−1)
【0023】
【化4】

・・・(化学式1c−1)
【0024】
【化5】

・・・(化学式1d−1)
【0025】
【化6】

・・・(化学式1e−1)
【0026】
【化7】

・・・(化学式1f−1)
【0027】
【化8】

・・・(化学式1g−1)
【0028】
【化9】

・・・(化学式1h−1)
【0029】
ここで、前記化学式1a−1〜化学式1h−1において、Ar及びArは、互いに独立して、置換または非置換のC−C16アリーレン基、及び、置換または非置換のC−C16ヘテロアリーレン基からなる群より選択され、R及びRは、互いに独立して、水素、重水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、置換または非置換のC−C10アルキル基、置換または非置換のC−C10アルコキシ基、置換または非置換のC−C16アリール基、置換または非置換のC−C16ヘテロアリール基、及び、−N(Q)(Q)で表示される置換基からなる群より選択され、前記Q及びQは、互いに独立して、水素、重水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、置換または非置換のC−C10アルキル基、置換または非置換のC−C10アルコキシ基、置換または非置換のC−C16アリール基、及び、置換または非置換のC−C16ヘテロアリール基からなる群より選択され、前記Q及びQは、互いに融合されるか、または、単結合、二重結合もしくはC−Cアルキレン基を介して互いに結合して、飽和または不飽和環を形成し、Z〜Zは、互いに独立して、水素、重水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、置換または非置換のC−C10アルキル基、置換または非置換のC−C10アルコキシ基、置換または非置換のC−C16アリール基、置換または非置換のC−C16ヘテロアリール基、及び、−N(Q)(Q)で表示される置換基からなる群より選択され、前記Q及びQは、互いに独立して、水素、重水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、置換または非置換のC−C10アルキル基、置換または非置換のC−C10アルコキシ基、置換または非置換のC−C16アリール基、及び、置換または非置換のC−C16ヘテロアリール基からなる群より選択され、前記QとQは、互いに融合されるか、または、単結合、二重結合もしくはC−Cアルキレン基を介して互いに結合して、飽和または不飽和環を形成しうるように構成されてもよい。
【0030】
下記化学式1a−2〜化学式1h−2のうち、いずれか1つで表示される化合物であることが好ましい。
【0031】
【化10】

・・・(化学式1a−2)
【0032】
【化11】

・・・(化学式1b−2)
【0033】
【化12】

・・・(化学式1c−2)
【0034】
【化13】

・・・(化学式1d−2)
【0035】
【化14】

・・・(化学式1e−2)
【0036】
【化15】

・・・(化学式1f−2)
【0037】
【化16】

・・・(化学式1g−2)
【0038】
【化17】

・・・(化学式1h−2)
【0039】
ここで、前記化学式1a−2〜化学式1h−2において、Ar及びArは、互いに独立して、置換または非置換のC−C16アリーレン基、及び、置換または非置換のC−C16ヘテロアリーレン基からなる群より選択され、A及びAは、互いに独立して、−[C(Q)(Q)]−で表示される2価連結基であり、前記Q及びQは、互いに独立して、水素、重水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、置換または非置換のC−C10アルキル基、置換または非置換のC−C10アルコキシ基、置換または非置換のC−C16アリール基、及び、置換または非置換のC−C16ヘテロアリール基からなる群より選択され、前記qは、1〜3の整数であり、R及びRは、互いに独立して、水素、重水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、置換または非置換のC−C10アルキル基、置換または非置換のC−C10アルコキシ基、置換または非置換のC−C16アリール基、置換または非置換のC−C16ヘテロアリール基、及び、−N(Q)(Q)で表示される置換基からなる群より選択され、前記Q及びQは、互いに独立して、水素、重水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、置換または非置換のC−C10アルキル基、置換または非置換のC−C10アルコキシ基、置換または非置換のC−C16アリール基、及び、置換または非置換のC−C16ヘテロアリール基からなる群より選択され、前記Q及びQは、互いに融合されるか、または、単結合、二重結合もしくはC−Cアルキレン基を介して互いに結合して、飽和または不飽和環を形成し、Z〜Zは、互いに独立して、水素、重水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、置換または非置換のC−C10アルキル基、置換または非置換のC−C10アルコキシ基、置換または非置換のC−C16アリール基、置換または非置換のC−C16ヘテロアリール基、及び、−N(Q)(Q)で表示される置換基からなる群より選択され、前記Q及びQは、互いに独立して、水素、重水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、置換または非置換のC−C10アルキル基、置換または非置換のC−C10アルコキシ基、置換または非置換のC−C16アリール基、及び、置換または非置換のC−C16ヘテロアリール基からなる群より選択され、前記Q及びQは、互いに融合されるか、または、単結合、二重結合もしくはC−Cアルキレン基を介して互いに結合して、飽和または不飽和環を形成しうるように構成されてもよい。
【0040】
下記化学式2a−1〜化学式2h−1のうち、いずれか1つで表示される化合物であることが好ましい。
【0041】
【化18】

・・・(化学式2a−1)
【0042】
【化19】

・・・(化学式2b−1)
【0043】
【化20】

・・・(化学式2c−1)
【0044】
【化21】

・・・(化学式2d−1)
【0045】
【化22】

・・・(化学式2e−1)
【0046】
【化23】

・・・(化学式2f−1)
【0047】
【化24】

・・・(化学式2g−1)
【0048】
【化25】

・・・(化学式2h−1)
【0049】
ここで、前記化学式2a−1〜化学式2h−1において、R及びRは、互いに独立して、水素、重水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、置換または非置換のC−C10アルキル基、置換または非置換のC−C10アルコキシ基、置換または非置換のC−C16アリール基、置換または非置換のC−C16ヘテロアリール基、及び、−N(Q)(Q)で表示される置換基からなる群より選択され、前記Q及びQは、互いに独立して、水素、重水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、置換または非置換のC−C10アルキル基、置換または非置換のC−C10アルコキシ基、置換または非置換のC−C16アリール基、及び、置換または非置換のC−C16ヘテロアリール基からなる群より選択され、前記Q及びQは、互いに融合されるか、または、単結合、二重結合もしくはC−Cアルキレン基を介して互いに結合して、飽和または不飽和環を形成し、Z〜Z及びZ11〜Z18は、互いに独立して、水素、重水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、置換または非置換のC−C10アルキル基、置換または非置換のC−C10アルコキシ基、置換または非置換のC−C16アリール基、置換または非置換のC−C16ヘテロアリール基、及び、−N(Q)(Q)で表示される置換基からなる群より選択され、前記Q及びQは、互いに独立して、水素、重水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、置換または非置換のC−C10アルキル基、置換または非置換のC−C10アルコキシ基、置換または非置換のC−C16アリール基、及び、置換または非置換のC−C16ヘテロアリール基からなる群より選択され、前記Q及びQは、互いに融合されるか、または、単結合、二重結合もしくはC−Cアルキレン基を介して互いに結合して、飽和環または不飽和環を形成しうるように構成されてもよい。
【0050】
下記化学式2a−2〜化学式2h−2のうち、いずれか1つで表示される化合物であることが好ましい。
【0051】
【化26】

・・・(化学式2a−2)
【0052】
【化27】

・・・(化学式2b−2)
【0053】
【化28】

・・・(化学式2c−2)
【0054】
【化29】

・・・(化学式2d−2)
【0055】
【化30】

・・・(化学式2e−2)
【0056】
【化31】

・・・(化学式2f−2)
【0057】
【化32】

・・・(化学式2g−2)
【0058】
【化33】

・・・(化学式2h−2)
【0059】
ここで、前記化学式2a−2〜化学式2h−2において、A及びAは、互いに独立して、−[C(Q)(Q)]−で表示される2価連結基であり、前記Q及びQは、互いに独立して、水素、重水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、置換または非置換のC−C10アルキル基、置換または非置換のC−C10アルコキシ基、置換または非置換のC−C16アリール基、及び、置換または非置換のC−C16ヘテロアリール基からなる群より選択され、前記qは、1〜3の整数であり、R及びRは、互いに独立して、水素、重水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、置換または非置換のC−C10アルキル基、置換または非置換のC−C10アルコキシ基、置換または非置換のC−C16アリール基、置換または非置換のC−C16ヘテロアリール基、及び、−N(Q)(Q)で表示される置換基からなる群より選択され、前記Q及びQは、互いに独立して、水素、重水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、置換または非置換のC−C10アルキル基、置換または非置換のC−C10アルコキシ基、置換または非置換のC−C16アリール基、及び、置換または非置換のC−C16ヘテロアリール基からなる群より選択され、前記Q及びQは、互いに融合されるか、または、単結合、二重結合もしくはC−Cアルキレン基を介して互いに結合して、飽和または不飽和環を形成し、Z〜Z及びZ11〜Z18は、互いに独立して、水素、重水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、置換または非置換のC−C10アルキル基、置換または非置換のC−C10アルコキシ基、置換または非置換のC−C16アリール基、置換または非置換のC−C16ヘテロアリール基、及び、−N(Q)(Q)で表示される置換基からなる群より選択され、前記Q及びQは、互いに独立して、水素、重水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、置換または非置換のC−C10アルキル基、置換または非置換のC−C10アルコキシ基、置換または非置換のC−C16アリール基、及び、置換または非置換のC−C16ヘテロアリール基からなる群より選択され、前記Q及びQは、互いに融合されるか、または、単結合、二重結合もしくはC−Cアルキレン基を介して互いに結合して、飽和または不飽和環を形成しうるように構成されてもよい。
【0060】
下記化学式3a−1、化学式3a−2、化学式3c−1、化学式3c−2、化学式3e−1、化学式3e−2、化学式3g−1、または、化学式3g−2で表わされる化合物であることが好ましい。
【0061】
【化34】

・・・(化学式3a−1)
【0062】
【化35】

・・・(化学式3a−2)
【0063】
【化36】

・・・(化学式3c−1)
【0064】
【化37】

・・・(化学式3c−2)
【0065】
【化38】

・・・(化学式3e−1)
【0066】
【化39】

・・・(化学式3e−2)
【0067】
【化40】

・・・(化学式3g−1)
【0068】
【化41】

・・・(化学式3g−2)
【0069】
ここで、前記化学式において、Aは、−[C(Q)(Q)]−で表示される2価連結基であり、前記Q及びQは、互いに独立して、水素、重水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、置換または非置換のC−C10アルキル基、置換または非置換のC−C10アルコキシ基、置換または非置換のC−C16アリール基、及び、置換または非置換のC−C16ヘテロアリール基からなる群より選択され、前記qは、0〜3の整数であり、Aは、単結合、または、C−Cアルキレン基であり、Rは、水素、重水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、置換または非置換のC−C10アルキル基、置換または非置換のC−C10アルコキシ基、置換または非置換のC−C16アリール基、置換または非置換のC−C16ヘテロアリール基、及び、−N(Q)(Q)で表示される置換基からなる群より選択され、前記Q及びQは、互いに独立して、水素、重水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、置換または非置換のC−C10アルキル基、置換または非置換のC−C10アルコキシ基、置換または非置換のC−C16アリール基、及び、置換または非置換のC−C16ヘテロアリール基からなる群より選択され、前記Q及びQは、互いに融合されるか、または、単結合、二重結合もしくはC−Cアルキレン基を介して互いに結合して、飽和または不飽和環を形成し、Z〜Z及びZ11〜Z14は、互いに独立して、水素、重水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、置換または非置換のC−C10アルキル基、置換または非置換のC−C10アルコキシ基、置換または非置換のC−C16アリール基、置換または非置換のC−C16ヘテロアリール基、及び、−N(Q)(Q)で表示される置換基からなる群より選択され、前記Q及びQは、互いに独立して、水素、重水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、置換または非置換のC−C10アルキル基、置換または非置換のC−C10アルコキシ基、置換または非置換のC−C16アリール基、及び、置換または非置換のC−C16ヘテロアリール基からなる群より選択され、前記QとQは、互いに融合されるか、または、単結合、二重結合もしくはC−Cアルキレン基を介して互いに結合して、飽和または不飽和環を形成しうるように構成されてもよい。
【0070】
上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、第1電極と、前記第1電極に対向した第2電極と、前記第1電極と前記第2電極との間に介在された有機層と、を備え、前記有機層が、上記縮合環化合物を含む有機発光素子が提供される。
【0071】
前記有機層が発光層であってもよい。また、前記発光層が、ホスト化合物をさらに含んでもよい。
【発明の効果】
【0072】
以上説明したように、本発明に係る縮合環化合物を有機発光素子の有機層として用いることで、かかる有機発光素子は、低駆動電圧、高電流密度、高輝度、高量子効率、高効率を実現することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】本発明の実施形態に係る有機発光素子の構造を模式的に示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0074】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0075】
本発明の実施形態に係る縮合環化合物は、下記化学式1で表される構造を有する。
【0076】
【化42】

・・・(化学式1)
【0077】
前記化学式1において、Xは、置換または非置換のC−C30芳香族多環コア及び置換または非置換のC−C30ヘテロ芳香族多環コアからなる群より選択されうる。例えば、前記Xは、置換または非置換のC−C16芳香族多環コア及び置換または非置換のC−C16ヘテロ芳香族多環コアからなる群より選択されうる。
【0078】
なお、本明細書において、「芳香族多環コア」とは、二以上の芳香族環が互いに融合されている(すなわち、二以上の芳香族環が縮合している)か、または単結合で連結されている多環システム(多環骨格)を示すものである。
【0079】
また、本明細書において、「ヘテロ芳香族多環コア」とは、1つ以上のヘテロ芳香族環(前記ヘテロ芳香族環でのヘテロ原子は、N,O,P及びSからなる群より選択された1つ以上でありうる。)、または、1つ以上のヘテロ芳香族環と1つ以上の芳香族環とが、互いに融合されている(すなわち、二以上の芳香族環が縮合している)か、単結合で連結されている多環システム(多環骨格)を示すものである。
【0080】
例えば、前記化学式1のうち、前記Xは、置換または非置換のペンタレン(pentalene)コア、置換または非置換のインデンコア、置換または非置換のナフタレンコア、置換または非置換のアズレン(azulene)コア、置換または非置換のヘプタレン(heptalene)コア、置換または非置換のインダセン(indacene)コア、置換または非置換のアセナフチレン(acenaphthylene)コア、置換または非置換のフルオレン(fluorene)コア、置換または非置換のフェナレン(phenalene)コア、置換または非置換のフェナントレン(phenanthrene)コア、置換または非置換のアントラセン(anthracene)コア、置換または非置換のフルオランテン(fluoranthene)コア、置換または非置換のトリフェニレン(triphenylene)コア、置換または非置換のピレン(pyrene)コア、置換または非置換のクリセン(chrysene)コア、置換または非置換のナフタセン(naphthacene)コア、置換または非置換のピセン(picene)コア、置換または非置換のペリレン(perylene)コア、置換または非置換のペンタセン(pentacene)コア、置換または非置換のヘキサセン(hexacene)コア、置換または非置換のピロール(pyrrole)コア、置換または非置換のピラゾール(pyrazole)コア、置換または非置換のイミダゾール(imidazole)コア、置換または非置換のイミダゾリン(imidazoline)コア、置換または非置換のピリジン(pyridine)コア、置換または非置換のピラジン(pyrazine)コア、置換または非置換のピリミジン(pyrimidine)コア、置換または非置換のインドール(indole)コア、置換または非置換のプリン(purine)コア、置換または非置換のキノリン(quinoline)コア、置換または非置換のフタラジン(phthalazine)コア、置換または非置換のインドリジン(indolizine)コア、置換または非置換のナフチリジン(naphthyridine)コア、置換または非置換のキナゾリン(quinazoline)コア、置換または非置換のシノリン(cinnoline)コア、置換または非置換のインダゾール(indazole)コア、置換または非置換のカルバゾール(carbazole)コア、置換または非置換のフェナジン(phenazine)コア、置換または非置換のフェナントリジン(phenanthridine)コア、置換または非置換のピラン(pyran)コア、置換または非置換のクロメン(chromene)コア、置換または非置換のベンゾフラン(benzofuran)コア、置換または非置換のチオフェン(thiophene)コア、置換または非置換のベンゾチオフェン(benzothiophene)コア、置換または非置換のイソチアゾール(isothiazole)コア、置換または非置換できたイソキサゾール(isoxazole)コア及び置換または非置換のフェニル−ベンゼンコアからなる群から選択されうるが、これらに限定されるものではない。
具体的に、前記Xは、置換または非置換のアントラセンコア、置換または非置換のナフタレンコア、置換または非置換のフェニル−ベンゼンコア及び置換または非置換のピレンコアからなる群から選択されうるが、これらに限定されるものではない。
【0081】
前記Xが1つ以上の置換基を有する場合、前記置換基のうち、1つ以上は、互いに独立して、重水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、置換または非置換のC−C30アルキル基、置換または非置換のC−C30アルケニル基、置換または非置換のC−C30アルキニル基、置換または非置換のC−C30アルコキシ基、置換または非置換のC−C30アリールオキシ基、置換または非置換のC−C30アリール基、置換または非置換のC−C30ヘテロアリール基、及び−N(Q)(Q)で表示される置換基からなる群から選択されうる。
【0082】
ここで、前記Q及びQは、互いに独立して、水素、重水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、置換または非置換のC−C30アルキル基、置換または非置換のC−C30アルケニル基、置換または非置換のC−C30アルキニル基、置換または非置換のC−C30アルコキシ基、置換または非置換のC−C30アリールオキシ基、置換または非置換のC−C30アリール基、及び置換または非置換のC−C30ヘテロアリール基からなる群から選択されうる。
【0083】
一方、前記Q及びQは選択的に、互いに融合されるか、または、単結合、二重結合もしくはC−Cアルキレン基を介して互いに結合して、飽和または不飽和環を形成しうる。
【0084】
具体的には、前記置換基のうち、1つ以上は、互いに独立して、重水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、置換または非置換のC−C10アルキル基、置換または非置換のC−C10アルコキシ基、置換または非置換のC−C16アリール基、置換または非置換のC−C16ヘテロアリール基、及び−N(Q)(Q)で表示される置換基からなる群から選択されうる。
【0085】
ここで、前記Q及びQは、互いに独立して、水素、重水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、置換または非置換のC−C10アルキル基、置換または非置換のC−C10アルコキシ基、置換または非置換のC−C16アリール基、及び置換または非置換のC−C16ヘテロアリール基からなる群から選択されうるが、これらに限定されるものではない。
【0086】
また、本発明による他の具現例で、前記置換基のうち、1つ以上は、互いに独立して、重水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、C−C16アリール基及び−N(Q)(Q)で表示される置換基からなる群から選択されうる。
【0087】
ここで、前記Q及びQは、互いに独立して、水素、重水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基またはC−C16アリール基(例えば、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基など)からなる群から選択され、前記Q及びQは、選択的に、互いに融合されるか、単結合またはC−Cアルキレン基を介して互いに結合し、飽和環または不飽和環を形成しうる。例えば、前記Q及びQが各々フェニル基でありうるが、選択的に前記フェニル基は単結合で連結されて、カルバゾリル環を形成しうる。
【0088】
さらに具体的に、前記置換基のうち、1つ以上は、フェニル基、ハロフェニル基、C−C10アルキルフェニル基、C−C10アルコキシフェニル基、ナフチル基、ハロナフチル基、C−C10アルキルナフチル基、C−C10アルコキシナフチル基、アントラセニル基、ハロアントラセニル基、C−C10アルキルアントラセニル基、C−C10アルコキシアントラセニル基、ピリジニル基、ハロピリジニル基、C−C10アルキルピリジニル基、C−C10アルコキシピリジニル基または−N(Q)(Q)で表示される置換基からなる群から選択されうる。
【0089】
ここで、Q及びQは、互いに独立して、フェニル基、ハロフェニル基、C−C10アルキルフェニル基、C−C10アルコキシフェニル基、ナフチル基、ハロナフチル基、C−C10アルキルナフチル基、C−C10アルコキシナフチル基、アントラセニル基、ハロアントラセニル基、C−C10アルキルアントラセニル基、C−C10アルコキシアントラセニル基であり、前記Q及びQは選択的に、互いに連結して飽和または不飽和環を形成しうる。より具体的には、例えば、Q及びQは、互いに連結されて−Nと共にカルバゾリル基を形成しうる。しかしながら、これらに限定されるものではない。
【0090】
前記化学式1のうち、Ar及びArは、互いに独立して、置換または非置換のC−C30アリーレン基及び置換または非置換のC−C30ヘテロアリーレン基からなる群から選択されうる。例えば、前記Ar及びArは、互いに独立して、置換または非置換のC−C16アリーレン基及び置換または非置換のC−C16ヘテロアリーレン基からなる群から選択されうるが、これらに限定されるものではない。
【0091】
具体的に、前記Ar及びArは、互いに独立して、置換または非置換のフェニレン基、置換または非置換のペンタレニレン基(pentalenylene)、置換または非置換のインデニレン基(indenylene)、置換または非置換のナフチレン基(naphthylene)、置換または非置換のアズレニレン基(azulenylene)、置換または非置換のヘプタレニレン基(heptalenylene)、置換または非置換のインダセニレン基(indacenylene)、置換または非置換のアセナフチレン基(acenaphthylene)、置換または非置換のフルオレニレン基(fluorenylene)、置換または非置換のフェナレニレン基(phenalenylene)、置換または非置換のフェナントレニレン基(phenanthrenylene)、置換または非置換のアントラセニレン基(anthracenylene)、置換または非置換のフルオランテニレン基(fluoranthenylene)、置換または非置換のトリフェニレニレン基(triphenylenylene)、置換または非置換のピレニレン基(pyrenylene)、置換または非置換のクリセニレン基(chrysenylene)、置換または非置換のナフタセニレン基(naphthacenylene)、置換または非置換のピセニレン基(picenylene)、置換または非置換のペリレニレン基(perylenylene)、置換または非置換のペンタセニレン基(pentacenylene)、置換または非置換のヘキサセニレン基(hexacenylene)、置換または非置換のピロリレン基(pyrrolylene)、置換または非置換のピラゾリレン基(pyrazolylene)、置換または非置換のイミダゾリレン基(imidazolylene)、置換または非置換のイミダゾリニレン基(imidazolinylene)、置換または非置換のピリジニレン基(pyridinylene)、置換または非置換のピラジニレン基(pyrazinylene)、置換または非置換のピリミジニレン基(pyrimidinylene)、置換または非置換のインドリレン基(indolylene)、置換または非置換のプリニレン基(purinylene)、置換または非置換のキノリニレン基(quinolinylene)、置換または非置換のフタラジニレン基(phthalazinylene)、置換または非置換のインドリジニレン基(indolizinylene)、置換または非置換のナフチリジニレン基(naphthyridinylene)、置換または非置換のキナゾリニレン基(quinazolinylene)、置換または非置換のシノリニレン基(cinnolinylene)、置換または非置換のインダゾリレン基(indazolylene)、置換または非置換のカルバゾリレン基(carbazolylene)、置換または非置換のフェナジニレン基(phenazinylene)、置換または非置換のフェナントリジニレン基(phenanthridinylene)、置換または非置換のピラニレン基(pyranylene)、置換または非置換のクロメニレン基(chromenylene)、置換または非置換のベンゾフラニレン基(benzofuranylene)、置換または非置換のチオフェニレン基(thiophenylene)、置換または非置換のベンゾチオフェニレン基(benzothiophenylene)、置換または非置換のイソチアゾリレン基(isothiazolylene)、及び置換または非置換のイソキサゾリレン基(isoxazolylene)からなる群から選択されうるが、これらに限定されるものではない。
【0092】
本発明による他の具現例で、前記Ar及びArは、互いに独立して、置換または非置換のフェニレン基、置換または非置換のナフチレン基、または置換または非置換のアントラセニレン基でありうるが、これらに限定されるものではない。
【0093】
前記化学式1のうち、A及びAは、互いに独立して、−[C(Q)(Q)]−で表示される2価連結基であってもよい。
【0094】
前記化学式1の縮合環化合物で、A及び/又はAを通じてXに含まれた環を構成する原子のうちの1つと、Ar1及び/又はAr2に含まれた環を構成する原子のうち1つとは、互いに連結して飽和環または不飽和環を形成することによって、前記化学式1のようなバックボーン(backbone)を構成する。
【0095】
前記化学式1の縮合環化合物は、相対的に電気的安定性及び/又は熱的安定性が劣るアリールアミンモイエティ(すなわち、化学式1において、−N(Ar)(R)及び−N(Ar)(R))に環が形成され(すなわち、化学式1のうち、Ar及びXがAによって環を形成し、及び/又は、ArとXがAによって環を形成し)、C−N結合の解離が防止されるので、更に優秀な耐熱性及び/又は電気的安定性などを有することができる。従って、前記化学式1を有する縮合環化合物を採用した有機発光素子は、低駆動電圧、高電流密度、高輝度、高効率、長寿命などを実現することができる。
【0096】
前記Q及びQは、互いに独立して、水素、重水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、置換または非置換のC−C30アルキル基、置換または非置換のC−C30アルケニル基、置換または非置換のC−C30アルキニル基、置換または非置換のC−C30アルコキシ基、置換または非置換のC−C30アリールオキシ基、置換または非置換のC−C30アリール基、及び置換または非置換のC−C30ヘテロアリール基からなる群から選択されうる。
【0097】
例えば、前記Q及びQは、互いに独立して、水素、重水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、置換または非置換のC−C10アルキル基、置換または非置換のC−C10アルコキシ基、置換または非置換のC−C16アリール基、及び置換または非置換のC−C16ヘテロアリール基からなる群から選択されうる。
【0098】
本発明による他の具現例で、前記Q及びQは、互いに独立して、水素、重水素、ハロゲン原子、C−C10アルキル基、C−C10アルコキシ基、及び、C−C16アリール基からなる群から選択されうるが、これらに限定されるものではない。
【0099】
さらに具体的に、前記Q及びQは、互いに独立して、水素、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、メトキシ基、エトキシ基またはプロポキシ基であるが、これらに限定されるものではない。
【0100】
前記qは、0〜3の整数である。前記qが0である場合、化学式1において、Xに含まれた環を構成する原子のうち1つと、ArまたはArに含まれた環を構成する原子のうち1つとは、互いに単結合を通じて連結されるものである。これは、後述する本発明の他の具現例で、さらに詳細に確認することができる。
【0101】
本発明による他の具現例で、前記qは0であってもよい。また、本発明による他の具現例で、前記qは、1〜3の整数であってもよい。
【0102】
前記化学式1のうち、R及びRは、互いに独立して、水素、重水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、置換または非置換のC−C30アルキル基、置換または非置換のC−C30アルケニル基、置換または非置換のC−C30アルキニル基、置換または非置換のC−C30アルコキシ基、置換または非置換のC−C30アリールオキシ基、置換または非置換のC−C30アリール基、置換または非置換のC−C30ヘテロアリール基、及び−N(Q)(Q)で表示される置換基からなる群から選択されうる。
【0103】
ここで、前記Q及びQは、互いに独立して、水素、重水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、置換または非置換のC−C30アルキル基、置換または非置換のC−C30アルケニル基、置換または非置換のC−C30アルキニル基、置換または非置換のC−C30アルコキシ基、置換または非置換のC−C30アリールオキシ基、置換または非置換のC−C30アリール基、及び置換または非置換のC−C30ヘテロアリール基からなる群から選択されうる。
【0104】
一方、前記Q及びQは、選択的に、互いに融合されるか、または、単結合、二重結合もしくはC−Cアルキレン基を介して互いに結合して、飽和環または不飽和環を形成しうる。
【0105】
例えば、前記R及びRは、互いに独立して、水素、重水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、置換または非置換のC−C10アルキル基、置換または非置換のC−C10アルコキシ基、置換または非置換のC−C16アリール基、置換または非置換のC−C16ヘテロアリール基、及び−N(Q)(Q)で表示される置換基からなる群から選択されうる。
【0106】
ここで、前記Q及びQは、互いに独立して、水素、重水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、置換または非置換のC−C10アルキル基、置換または非置換のC−C10アルコキシ基、置換または非置換のC−C16アリール基、及び置換または非置換のC−C16ヘテロアリール基からなる群から選択されうるが、これらに限定されるものではない。
【0107】
また、前記Q及びQは、互いに融合されるか、または、単結合、二重結合もしくはC−Cアルキレン基を介して互いに結合して、飽和環または不飽和環を形成しうる。
【0108】
本発明による一具現例で、前記R及びRは、互いに独立して、水素、重水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、C−C10アルキル基、C−C10アルコキシ基及び、C−C16アリール基からなる群から選択されうるが、これらに限定されるものではない。
【0109】
さらに具体的に、前記R及びRは、互いに独立して、メチル基、エチル基、プロピル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、フェニル基、ハロフェニル基、C−C10アルキルフェニル基、C−C10アルコキシフェニル基、ナフチル基、ハロナフチル基、C−C10アルキルナフチル基、C−C10アルコキシナフチル基、アントラセニル基、ハロアントラセニル基、C−C10アルキルアントラセニル基、C−C10アルコキシアントラセニル基、ピリジニル基、ハロピリジニル基、C−C10アルキルピリジニル基、C−C10アルコキシピリジニル基または−N(Q)(Q)で表示される置換基からなる群から選択されうる。
【0110】
ここで、Q及びQは、互いに独立して、フェニル基、ハロフェニル基、C−C10アルキルフェニル基、C−C10アルコキシフェニル基、ナフチル基、ハロナフチル基、C−C10アルキルナフチル基、C−C10アルコキシナフチル基、アントラセニル基、ハロアントラセニル基、C−C10アルキルアントラセニル基、C−C10アルコキシアントラセニル基であり、前記Q及びQは選択的に、互いに連結されて飽和または不飽和環を形成しうる。より具体的には、例えば、Q及びQは、互いに連結されて−Nと共にカルバゾリル基を形成しうる。しかしながら、これらに限定されるものではない。
【0111】
前記化学式1のうち、pは、0〜10の整数である。例えば、前記pは、0、1、2または3であるが、これらに限定されるものではない。前記pは、Xの構造を考慮して前記範囲内で選択されうる。
【0112】
前述したようなXの置換基、Ar、Ar、R、R、Q及びQのうち2以上の基は、選択的に、互いに融合されるか、または、単結合もしくは二重結合を通じて結合して、飽和または不飽和環を形成しうる。
【0113】
本発明の一具現例によれば、化学式1において、Xのバックボーン(backbone)をなす元素のうち、A1と連結された元素と、Nと連結された元素とは、互いに単結合または二重結合で連結されうる。化学式1において、Xのバックボーン(backbone)をなす元素のうち、Aと連結された元素と、Nと連結された元素とは、互いに単結合または二重結合で連結されうる。
【0114】
本発明の他の具現例によれば、前記縮合環化合物は、下記化学式1a−1〜化学式1h−1(すなわち、X=置換または非置換のアントラセンコア、置換または非置換のナフタレンコア、置換または非置換のフェニル−ベンゼンコアまたは置換または非置換のピレンコア、q=0)のうち、いずれか1つで表示される化合物であってもよいが、これらに限定されるものではない。
【0115】
【化43】

・・・(化学式1a−1)
【0116】
【化44】

・・・(化学式1b−1)
【0117】
【化45】

・・・(化学式1c−1)
【0118】
【化46】

・・・(化学式1d−1)
【0119】
【化47】

・・・(化学式1e−1)
【0120】
【化48】

・・・(化学式1f−1)
【0121】
【化49】

・・・(化学式1g−1)
【0122】
【化50】

・・・(化学式1h−1)
【0123】
ここで、前記化学式1a−1〜化学式1h−1において、Ar、Ar、R及びRについての定義は、前述の通りである。また、前記化学式1a−1〜化学式1h−1において、Z〜Zについての定義は、前述したXの置換基における定義の通りである。
【0124】
すなわち、Ar及びArは、互いに独立して、置換または非置換のC−C16アリーレン基、及び、置換または非置換のC−C16ヘテロアリーレン基からなる群より選択され、R及びRは、互いに独立して、水素、重水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、置換または非置換のC−C10アルキル基、置換または非置換のC−C10アルコキシ基、置換または非置換のC−C16アリール基、置換または非置換のC−C16ヘテロアリール基、及び、−N(Q)(Q)で表示される置換基からなる群より選択され、前記Q及びQは、互いに独立して、水素、重水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、置換または非置換のC−C10アルキル基、置換または非置換のC−C10アルコキシ基、置換または非置換のC−C16アリール基、及び、置換または非置換のC−C16ヘテロアリール基からなる群より選択され、前記Q及びQは、互いに融合されるか、または、単結合、二重結合もしくはC−Cアルキレン基を介して互いに結合して、飽和または不飽和環を形成し、Z〜Zは、互いに独立して、水素、重水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、置換または非置換のC−C10アルキル基、置換または非置換のC−C10アルコキシ基、置換または非置換のC−C16アリール基、置換または非置換のC−C16ヘテロアリール基、及び、−N(Q)(Q)で表示される置換基からなる群より選択され、前記Q及びQは、互いに独立して、水素、重水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、置換または非置換のC−C10アルキル基、置換または非置換のC−C10アルコキシ基、置換または非置換のC−C16アリール基、及び、置換または非置換のC−C16ヘテロアリール基からなる群より選択され、前記QとQは、互いに融合されるか、または、単結合、二重結合もしくはC−Cアルキレン基を介して互いに結合して、飽和または不飽和環を形成しうる。
【0125】
本発明の他の具現例で、前記縮合環化合物は、下記化学式1a−2〜化学式1h−2(すなわち、X=置換または非置換のアントラセンコア、置換または非置換のナフタレンコア、置換または非置換のフェニル−ベンゼンコアまたは置換または非置換のピレンコア、q≠0)のうち、いずれか1つで表示される化合物であってもよいが、これらに限定されるものではない。
【0126】
【化51】

・・・(化学式1a−2)
【0127】
【化52】

・・・(化学式1b−2)
【0128】
【化53】

・・・(化学式1c−2)
【0129】
【化54】

・・・(化学式1d−2)
【0130】
【化55】

・・・(化学式1e−2)
【0131】
【化56】

・・・(化学式1f−2)
【0132】
【化57】

・・・(化学式1g−2)
【0133】
【化58】

・・・(化学式1h−2)
【0134】
前記化学式1a−2〜化学式1h−2において、Ar、Ar、A、A、R及びRについての定義は、前述した通りである。また、前記化学式1a−2〜化学式1h−2において、Z〜Zについての定義は、前述したXの置換基についての定義の通りである。
【0135】
すなわち、Ar及びArは、互いに独立して、置換または非置換のC−C16アリーレン基、及び、置換または非置換のC−C16ヘテロアリーレン基からなる群より選択され、A及びAは、互いに独立して、−[C(Q)(Q)]−で表示される2価連結基であり、前記Q及びQは、互いに独立して、水素、重水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、置換または非置換のC−C10アルキル基、置換または非置換のC−C10アルコキシ基、置換または非置換のC−C16アリール基、及び、置換または非置換のC−C16ヘテロアリール基からなる群より選択され、前記qは、1〜3の整数であり、R及びRは、互いに独立して、水素、重水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、置換または非置換のC−C10アルキル基、置換または非置換のC−C10アルコキシ基、置換または非置換のC−C16アリール基、置換または非置換のC−C16ヘテロアリール基、及び、−N(Q)(Q)で表示される置換基からなる群より選択され、前記Q及びQは、互いに独立して、水素、重水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、置換または非置換のC−C10アルキル基、置換または非置換のC−C10アルコキシ基、置換または非置換のC−C16アリール基、及び、置換または非置換のC−C16ヘテロアリール基からなる群より選択され、前記Q及びQは、互いに融合されるか、または、単結合、二重結合もしくはC−Cアルキレン基を介して互いに結合して、飽和または不飽和環を形成し、Z〜Zは、互いに独立して、水素、重水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、置換または非置換のC−C10アルキル基、置換または非置換のC−C10アルコキシ基、置換または非置換のC−C16アリール基、置換または非置換のC−C16ヘテロアリール基、及び、−N(Q)(Q)で表示される置換基からなる群より選択され、前記Q及びQは、互いに独立して、水素、重水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、置換または非置換のC−C10アルキル基、置換または非置換のC−C10アルコキシ基、置換または非置換のC−C16アリール基、及び、置換または非置換のC−C16ヘテロアリール基からなる群より選択され、前記Q及びQは、互いに融合されるか、または、単結合、二重結合もしくはC−Cアルキレン基を介して互いに結合して、飽和または不飽和環を形成しうる。
【0136】
本発明の他の具現例で、前記縮合環化合物は、下記化学式2a−1〜化学式2h−1(すなわち、X=置換または非置換のアントラセンコア、置換または非置換のナフタレンコア、置換または非置換のフェニル−ベンゼンコアまたは置換または非置換のピレンコア、q=0、Ar及びAr=置換または非置換のフェニレン基)のうち、いずれか1つで表示される化合物であってもよいが、これらに限定されるものではない。
【0137】
【化59】

・・・(化学式2a−1)
【0138】
【化60】

・・・(化学式2b−1)
【0139】
【化61】

・・・(化学式2c−1)
【0140】
【化62】

・・・(化学式2d−1)
【0141】
【化63】

・・・(化学式2e−1)
【0142】
【化64】

・・・(化学式2f−1)
【0143】
【化65】

・・・(化学式2g−1)
【0144】
【化66】

・・・(化学式2h−1)
【0145】
前記化学式2a−1〜化学式2h−1において、R及びRについての定義は、前述した通りである。また、前記化学式2a−1〜化学式2h−1において、Z〜Z及びZ11〜Z18についての定義は、前述したXの置換基についての定義の通りである。
【0146】
すなわち、R及びRは、互いに独立して、水素、重水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、置換または非置換のC−C10アルキル基、置換または非置換のC−C10アルコキシ基、置換または非置換のC−C16アリール基、置換または非置換のC−C16ヘテロアリール基、及び、−N(Q)(Q)で表示される置換基からなる群より選択され、前記Q及びQは、互いに独立して、水素、重水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、置換または非置換のC−C10アルキル基、置換または非置換のC−C10アルコキシ基、置換または非置換のC−C16アリール基、及び、置換または非置換のC−C16ヘテロアリール基からなる群より選択され、前記Q及びQは、互いに融合されるか、または、単結合、二重結合もしくはC−Cアルキレン基を介して互いに結合して、飽和または不飽和環を形成し、Z〜Z及びZ11〜Z18は、互いに独立して、水素、重水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、置換または非置換のC−C10アルキル基、置換または非置換のC−C10アルコキシ基、置換または非置換のC−C16アリール基、置換または非置換のC−C16ヘテロアリール基、及び、−N(Q)(Q)で表示される置換基からなる群より選択され、前記Q及びQは、互いに独立して、水素、重水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、置換または非置換のC−C10アルキル基、置換または非置換のC−C10アルコキシ基、置換または非置換のC−C16アリール基、及び、置換または非置換のC−C16ヘテロアリール基からなる群より選択され、前記Q及びQは、互いに融合されるか、または、単結合、二重結合もしくはC−Cアルキレン基を介して互いに結合して、飽和環または不飽和環を形成しうる。
【0147】
本発明の他の具現例による縮合環化合物は、下記化学式2a−2〜化学式2h−2(X=置換または非置換のアントラセンコア、置換または非置換のナフタレンコア、置換または非置換のフェニル−ベンゼンコアまたは置換または非置換のピレンコア、q≠0、Ar及びAr=置換または非置換のフェニレン基)のうち、いずれか1つで表示される化合物であってもよいが、これらに限定されるものではない。
【0148】
【化67】

・・・(化学式2a−2)

【0149】
【化68】

・・・(化学式2b−2)

【0150】
【化69】

・・・(化学式2c−2)

【0151】
【化70】

・・・(化学式2d−2)

【0152】
【化71】

・・・(化学式2e−2)

【0153】
【化72】

・・・(化学式2f−2)

【0154】
【化73】

・・・(化学式2g−2)

【0155】
【化74】

・・・(化学式2h−2)

【0156】
前記化学式2a−2〜化学式2h−2において、A、A、R及びRについての定義は、前述した内容の通りである。また、前記化学式2a−1〜化学式2h−1において、Z〜Z及びZ11〜Z18についての定義は、前述したXの置換基についての定義の通りである。
【0157】
すなわち、A及びAは、互いに独立して、−[C(Q)(Q)]−で表示される2価連結基であり、前記Q及びQは、互いに独立して、水素、重水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、置換または非置換のC−C10アルキル基、置換または非置換のC−C10アルコキシ基、置換または非置換のC−C16アリール基、及び、置換または非置換のC−C16ヘテロアリール基からなる群より選択され、前記qは、1〜3の整数であり、R及びRは、互いに独立して、水素、重水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、置換または非置換のC−C10アルキル基、置換または非置換のC−C10アルコキシ基、置換または非置換のC−C16アリール基、置換または非置換のC−C16ヘテロアリール基、及び、−N(Q)(Q)で表示される置換基からなる群より選択され、前記Q及びQは、互いに独立して、水素、重水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、置換または非置換のC−C10アルキル基、置換または非置換のC−C10アルコキシ基、置換または非置換のC−C16アリール基、及び、置換または非置換のC−C16ヘテロアリール基からなる群より選択され、前記Q及びQは、互いに融合されるか、または、単結合、二重結合もしくはC−Cアルキレン基を介して互いに結合して、飽和または不飽和環を形成し、Z〜Z及びZ11〜Z18は、互いに独立して、水素、重水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、置換または非置換のC−C10アルキル基、置換または非置換のC−C10アルコキシ基、置換または非置換のC−C16アリール基、置換または非置換のC−C16ヘテロアリール基、及び、−N(Q)(Q)で表示される置換基からなる群より選択され、前記Q及びQは、互いに独立して、水素、重水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、置換または非置換のC−C10アルキル基、置換または非置換のC−C10アルコキシ基、置換または非置換のC−C16アリール基、及び、置換または非置換のC−C16ヘテロアリール基からなる群より選択され、前記Q及びQは、互いに融合されるか、または、単結合、二重結合もしくはC−Cアルキレン基を介して互いに結合して、飽和または不飽和環を形成しうる。
【0158】
本発明のさらに他の具現例で、前記縮合環化合物は、下記化学式3a−1、化学式3a−2、化学式3c−1、化学式3c−2、化学式3e−1、化学式3e−2、化学式3g−1または化学式3g−2を有する化合物であってもよいが、これらに限定されるものではない。
【0159】
【化75】

・・・(化学式3a−1)

【0160】
【化76】

・・・(化学式3a−2)

【0161】
【化77】

・・・(化学式3c−1)

【0162】
【化78】

・・・(化学式3c−2)

【0163】
【化79】

・・・(化学式3e−1)

【0164】
【化80】

・・・(化学式3e−2)

【0165】
【化81】

・・・(化学式3g−1)

【0166】
【化82】

・・・(化学式3g−2)

【0167】
前記化学式のうち、A、R、Q及びQについての定義は、前述した内容の通りであり、Aは単結合であるか、または、C−Cアルキレン基を示すものであり、Z〜Z及びZ11〜Z14は、前述したXの置換基についての定義の通りである。
【0168】
すなわち、Aは、−[C(Q)(Q)]−で表示される2価連結基であり、前記Q及びQは、互いに独立して、水素、重水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、置換または非置換のC−C10アルキル基、置換または非置換のC−C10アルコキシ基、置換または非置換のC−C16アリール基、及び、置換または非置換のC−C16ヘテロアリール基からなる群より選択され、前記qは、0〜3の整数であり、Aは、単結合、または、C−Cアルキレン基であり、Rは、水素、重水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、置換または非置換のC−C10アルキル基、置換または非置換のC−C10アルコキシ基、置換または非置換のC−C16アリール基、置換または非置換のC−C16ヘテロアリール基、及び、−N(Q)(Q)で表示される置換基からなる群より選択され、前記Q及びQは、互いに独立して、水素、重水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、置換または非置換のC−C10アルキル基、置換または非置換のC−C10アルコキシ基、置換または非置換のC−C16アリール基、及び、置換または非置換のC−C16ヘテロアリール基からなる群より選択され、前記Q及びQは、互いに融合されるか、または、単結合、二重結合もしくはC−Cアルキレン基を介して互いに結合して、飽和または不飽和環を形成し、Z〜Z及びZ11〜Z14は、互いに独立して、水素、重水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、置換または非置換のC−C10アルキル基、置換または非置換のC−C10アルコキシ基、置換または非置換のC−C16アリール基、置換または非置換のC−C16ヘテロアリール基、及び、−N(Q)(Q)で表示される置換基からなる群より選択され、前記Q及びQは、互いに独立して、水素、重水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、置換または非置換のC−C10アルキル基、置換または非置換のC−C10アルコキシ基、置換または非置換のC−C16アリール基、及び、置換または非置換のC−C16ヘテロアリール基からなる群より選択され、前記QとQは、互いに融合されるか、または、単結合、二重結合もしくはC−Cアルキレン基を介して互いに結合して、飽和または不飽和環を形成しうる。
【0169】
例えば、前記化学式1a−1〜化学式3g−2のうち、Ar及びArは、互いに独立して、置換または非置換のC−C16アリーレン基及び置換または非置換のC−C16ヘテロアリーレン基からなる群より選択され(例えば、置換または非置換のフェニレン基、置換または非置換のナフチレン基、置換または非置換のアントラセニレン基など)、A及びAは、互いに独立して、−[C(Q)(Q)]−で表示される2価連結基である。
【0170】
ここで、前記Q及びQは、互いに独立して、水素、重水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、置換または非置換のC−C10アルキル基、置換または非置換のC−C10アルコキシ基、置換または非置換のC−C16アリール基、及び置換または非置換のC−C16ヘテロアリール基からなる群から選択される。
【0171】
前記qは、1〜3の整数である。
【0172】
及びRは、互いに独立して、水素、重水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、置換または非置換のC−C10アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基など)、置換または非置換のC−C10アルコキシ基、置換または非置換のC−C16アリール基(例えば、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基など)、置換または非置換のC−C16ヘテロアリール基、及び−N(Q)(Q)で表示される置換基からなる群より選択される。
【0173】
前記Q及びQは、互いに独立して、水素、重水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、置換または非置換のC−C10アルキル基、置換または非置換のC−C10アルコキシ基、置換または非置換のC−C16アリール基、及び置換または非置換のC−C16ヘテロアリール基からなる群より選択される。前記Q及びQは互いに融合されるか、単結合、二重結合もしくはC−Cアルキレン基を介して互いに結合されて、飽和環または不飽和環を形成する。
【0174】
〜Z及びZ11〜Z14は、互いに独立して、水素、重水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、置換または非置換のC−C10アルキル基、置換または非置換のC−C10アルコキシ基、置換または非置換のC−C16アリール基(例えば、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基など)、置換または非置換のC−C16ヘテロアリール基、及び−N(Q)(Q)で表示される置換基からなる群より選択される。
【0175】
ここで、前記Q及びQは、互いに独立して、水素、重水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、置換または非置換のC−C10アルキル基、置換または非置換のC−C10アルコキシ基、置換または非置換のC−C16アリール基、及び置換または非置換のC−C16ヘテロアリール基からなる群から選択され、前記QとQは選択的に、互いに融合されるか、または、単結合、二重結合もしくはC−Cアルキレン基を介して互いに結合されて、飽和環または不飽和環を形成しうる。
【0176】
なお、上記に例示した置換基は、あくまでも一例であって、これらに限定されるものではない。
【0177】
本発明による他の具現例で、前記縮合環化合物は、下記化合物1〜化合物16のうち、いずれか1つであってもよいが、これらに限定されるものではない。
【0178】
【化83】

・・・(化合物1)

【0179】
【化84】

・・・(化合物2)

【0180】
【化85】

・・・(化合物3)
【0181】
【化86】

・・・(化合物4)
【0182】
【化87】

・・・(化合物5)

【0183】
【化88】

・・・(化合物6)

【0184】
【化89】

・・・(化合物7)

【0185】
【化90】

・・・(化合物8)

【0186】
【化91】

・・・(化合物9)

【0187】
【化92】

・・・(化合物10)

【0188】
【化93】

・・・(化合物11)

【0189】
【化94】

・・・(化合物12)

【0190】
【化95】

・・・(化合物13)

【0191】
【化96】

・・・(化合物14)

【0192】
【化97】

・・・(化合物15)

【0193】
【化98】

・・・(化合物16)

【0194】
本明細書において、非置換のC−C30アルキル基の具体例としては、メチル、エチル、プロピル、イソブチル、sec−ブチル、ペンチル、iso−アミル、ヘキシルなどを挙げることができる。前記アルキル基のうち1つ以上の水素原子は、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、アミジノ基、ヒドラジン、ヒドラゾン、カルボキシル基またはその塩、スルホン酸基またはその塩、リン酸またはその塩、またはC−C30アルキル基、C−C30アルケニル基、C−C30アルキニル基、C−C30アリール基またはC−C20ヘテロアリール基で置換されうる。
【0195】
本明細書において、非置換のC−C30アルコキシ基は−OA(但し、Aは前述したようなC−C30アルキル基)の化学式を有し、その具体例として、メトキシ、エトキシ、イソプロピルオキシなどがある。これらアルコキシ基のうち少なくとも1つ以上の水素原子は、前述したアルキル基の場合と同様の置換基で置換可能である。
【0196】
本明細書において、非置換のC−C30アルケニル基は、前記定義のようにアルキル基の中間や終端に炭素二重結合を含有していることを意味する。かかる置換基として、例えば、エテニル、プロペニル、ブテニルなどがある。これらアルケニル基のうち少なくとも1つ以上の水素原子は、前述したアルキル基の場合と同様の置換基で置換可能である。
【0197】
本明細書において、非置換のC−C30アルキニル基は、前記定義されたようなアルキル基の中間や終端に炭素三重結合を含有していることを意味する。かかる置換基として、例えば、アセチレン、プロピレン、イソプロピルアセチレン、t−ブチルアセチレンなどがある。これらアルキニル基のうち少なくとも1つ以上の水素原子は、前述したアルキル基の場合と同様の置換基で置換可能である。
【0198】
本明細書において、非置換のC−C30アリール基は、1つ以上の芳香族環を含む炭素原子数5〜30のカルボサイクリック芳香族システム(炭素環芳香族性)を有する1価(monovalent)の置換基を意味し、非置換のC−C30アリーレン基は、1つ以上の芳香族環を含む炭素原子数5〜30のカルボサイクリック芳香族システムを有する2価(divalent)の置換基を意味する。前記アリール基及びアリーレン基が2以上の環を含む場合、2以上の環は、互いに融合されるか、単結合などを通じて連結されうる。前記アリール基及びアリーレン基のうち1つ以上の水素原子は、前述したアルキル基の場合と同様の置換基で置換可能である。
【0199】
前記置換または非置換のC−C30アリール基の例としては、フェニル基、C−C10アルキルフェニル基(例えば、エチルフェニル基)、C−C10アルキルビフェニル基(例えば、エチルビフェニル基)、ハロフェニル基(例えば、o−,m−及びp−フルオロフェニル基、ジクロロフェニル基)、ジシアノフェニル基、トリフルオロメトキシフェニル基、o−,m−、及びp−トリル基、o−,m−及びp−クメニル基、メシチル基、フェノキシフェニル基、(α,α−ジメチルベンゼン)フェニル基、(N,N’−ジメチル)アミノフェニル基、(N,N’−ジフェニル)アミノフェニル基、ペンタレニル基、インデニル基、ナフチル基、ハロナフチル基(例えば、フルオロナフチル基)、C−C10アルキルナフチル基(例えば、メチルナフチル基)、C−C10アルコキシナフチル基(例えば、メトキシナフチル基)、アントラセニル基、アズレニル基、ヘプタレニル基、アセナフチレニル基、フェナレニル基、フルオレニル基、アントラキノリル基、メチルアントリル基、フェナントリル基、トリフェニレン基、ピレニル基、クリセニル基、エチル−クリセニル基、ピセニル基、ペリレニル基、クロロペリレニル基、ペンタフェニル基、ペンタセニル基、テトラフェニレニル基、ヘキサフェニル基、ヘキサセニル基、ルビセニル基、コロネリル基、トリナフチレニル基、ヘプタフェニル基、ヘプタセニル基、ピラントレニル基、オバレニル基などを挙げることができる。前記置換または非置換のC−C30アリーレン基の例は、前記置換または非置換のC−C30アリール基の例を参照して容易に認識されうる。
【0200】
本明細書において、非置換のC−C30ヘテロアリール基は、N,O,PまたはSのうちから選択された1つ以上のヘテロ原子を含み、残りの環原子がCである1つ以上の芳香族環からなるシステムを有する1価の置換基を意味し、非置換のC−C30ヘテロアリーレン基は、N,O,PまたはSのうちから選択された1つ以上のヘテロ原子を含み、残りの環原子がCである1つ以上の芳香族環からなるシステムを有する2価の置換基を意味する。ここで、前記ヘテロアリール基及びヘテロアリーレン基が2以上の環を含む場合、2以上の環は互いに融合されるか、単結合などを通じて連結されうる。前記ヘテロアリール基及びヘテロアリーレン基のうち1つ以上の水素原子は、前述したアルキル基の場合と同様の置換基で置換可能である。
【0201】
前記非置換のC−C30ヘテロアリール基の例としては、ピラゾリル基、イミダゾリル基、オキサゾリル基、チアゾリル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、オキサチアゾリル基、ピリジニル基、ピリダジニル基、ピリミジニル基、トリアジニル基、カルバゾリル基、インドリル基、キノリニル基、イソキノリニル基などを挙げることができる。前記非置換のC−C30ヘテロアリーレン基の例は、前記置換または非置換のC−C30アリーレン基の例を参照して容易に認識されうる。
【0202】
前記化学式1を有する縮合環化合物は、公知の有機合成方法を利用して合成することができる。前記縮合環化合物の合成方法は、後述する実施例を参照することで当業者は容易に認識することができる。
【0203】
例えば、pが0である場合、下記反応式1によって前記化学式1を有する縮合環化合物を合成することができるが、反応スキームは、これらに限定されるものではない。
【0204】
【化99】

・・・(反応式1)

【0205】
また、例えば、pが1である場合、下記反応式2によって前記化学式1を有する縮合環化合物を合成できるが、反応スキームは、これらに限定されるものではない。
【0206】
【化100】

・・・(反応式2)

【0207】
前記反応式1及び反応式2において、X、A、A、Ar、Ar、R及びRについての詳細な説明は、前述の通りであり、Haは、ハロゲン元素(例えば、−F、−Cl、−Brまたは−I)である。
【0208】
前記化学式1を有する縮合環化合物は、有機発光素子の有機層に使用することが可能である。したがって、第1電極、前記第1電極に対向した第2電極及び前記第1電極と前記第2電極との間に介在された有機層を含み、前記有機層が前述したような化学式1で表わされる縮合環化合物を含む有機発光素子が提供される。
【0209】
ここで、前記有機層は、発光層または正孔輸送層であるが、これらに限定されるものではない。
【0210】
例えば、前記有機層が発光層である場合、前記発光層は、化学式1で表わされる縮合環化合物以外に公知のホスト化合物をさらに含むことができるなど、多様な変形例が可能である。
【0211】
図1は、本発明の実施形態に係る有機発光素子10の断面を概略的に示す図面である。以下、図1を参照して本発明の実施形態に係る有機発光素子の構造及び製造方法を説明すれば、次の通りである。
【0212】
有機発光素子10は、基板11、第1電極13有機層15及び第2電極17を順に備える。
【0213】
前記基板11としては、通常の有機発光素子で使われる基板を使用することができるが、機械的強度、熱的安定性、透明性、表面平滑性、取扱容易性及び防水性に優れたガラス基板または透明プラスチック基板を使用することができる。
【0214】
前記第1電極13は、基板上部に第1電極用物質を蒸着法またはスパッタリング法などを利用して形成することができる。前記第1電極13がアノードである場合、正孔注入を容易にするために、第1電極用物質は大きい仕事関数を有する物質のうちから選択されることが好ましい。前記第1電極13は、反射型電極または透過型電極であってもよい。第1電極用物質としては、透明で伝導性に優れた酸化インジウムスズ(ITO)、酸化インジウム亜鉛(IZO)、酸化スズ(SnO)、酸化亜鉛(ZnO)などを利用しうる。または、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、アルミニウム−リチウム(Al−Li)、カルシウム(Ca)、マグネシウム−インジウム(Mg−In)、マグネシウム−銀(Mg−Ag)などを利用すれば、前記第1電極13を反射型電極で形成することもできる。
【0215】
前記第1電極13の上部には、有機層15が備えられている。本明細書において、「有機層」とは、第1電極と第2電極との間に介在されたあらゆる層を包括して指すものであり、前記有機層は、金属錯体なども含むものであって、必ずしも有機物からなる層のみを意味するものではない。
【0216】
前記有機層15は、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、正孔阻止層、電子輸送層及び電子注入層のうち、1つ以上の層を含むことができる。
【0217】
正孔注入層(HIL)は、前記第1電極13の上部に真空蒸着法、スピンコーティング法、キャスト法、LB法のような多様な方法を利用して形成することができる。
【0218】
真空蒸着法によって正孔注入層を形成する場合、その蒸着条件は、正孔注入層の材料として使用する化合物、目的とする正孔注入層の構造及び熱的特性によって異なるが、例えば、蒸着温度約100〜約500℃、真空度約10−8〜約10−3torr、蒸着速度約0.01〜約100Å/secの範囲で選択され、これらに限定されるものではない。
【0219】
スピンコーティング法によって正孔注入層を形成する場合、そのコーティング条件は正孔注入層の材料として使用する化合物、目的とする正孔注入層の構造及び熱的特性によって異なるが、約2000rpm〜約5000rpmのコーティング速度、コーティング後の溶媒除去のための熱処理温度は、約80℃〜200℃の温度範囲で選択され、これらに限定されるものではない。
【0220】
正孔注入層の物質としては、公知された正孔注入材料を使用できるが、例えば、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス−[4−(フェニル−m−トリル−アミノ)−フェニル]−ビフェニル−4,4’−ジアミン(DNTPD)、銅フタロシアニンなどのフタロシアニン化合物、m−MTDATA[4,4’,4”−tris(3−methylphenylphenylamino)triphenylamine]、NPB(N,N’−ジ(1−ナフチル)−N,N’−ジフェニルベンジジン)、TDATA、2T−NATA、Pani/DBSA(Polyaniline/Dodecylbenzenesulfonic acid:ポリアニリン/ドデシルベンゼンスルホン酸)、PEDOT/PSS(Poly(3,4−ethylenedioxythiophene)/Poly(4−styrenesulfonate):ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)/ポリ(4−スチレンスルホネート))、Pani/CSA(Polyaniline/Camphor sulfonicacid:ポリアニリン/カンファースルホン酸)またはPANI/PSS(Polyaniline)/Poly(4−styrenesulfonate):ポリアニリン)/ポリ(4−スチレンスルホネート))などを使用できるが、これに限定されない。
【0221】
【化101】

【0222】
前記正孔注入層の厚さは、約100Å〜約10000Å、例えば、約100Å〜約1000Åとすることができる。前記正孔注入層の厚さが、前述したような範囲を満たす場合、実質的な駆動電圧の上昇なしにも、満足できるほどの正孔注入特性が得られる。
【0223】
次いで、前記正孔注入層の上部に真空蒸着法、スピンコーティング法、キャスト法、LB法のような多様な方法を利用して正孔輸送層(HTL)を形成することができる。真空蒸着法及びスピンコーティング法によって正孔輸送層を形成する場合、その蒸着条件及びコーティング条件は、使用する化合物によって異なるが、一般的に正孔注入層の形成とほぼ同じ条件範囲で選択されうる。
【0224】
正孔輸送層物質は、公知された正孔輸送材料を利用して形成しうるが、例えば、N−フェニルカルバゾール、ポリビニルカルバゾールなどのカルバゾール誘導体、N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−N,N’−ジフェニル−[1、1−ビフェニル]−4,4’−ジアミン(TPD)、N,N’−ジ(ナフタレン−1−イル)−N,N’−ジフェニルベンジジン(NPD)などの芳香族縮合環を有するアミン誘導体、TCTA(4,4’,4”−トリス(N−カルバゾリル)トリフェニルアミン(4,4’,4”−tris(N−carbazolyl)triphenylamine))などのトリフェニルアミン系物質のような公知の正孔輸送物質を使用することができる。この中、例えば、TCTAの場合、正孔輸送の役割以外にも、発光層からの励起子の拡散を防止する役割も担うことができる。
【0225】
【化102】

【0226】
前記正孔輸送層の厚さは、約50Å〜約1000Å、例えば、約100Å〜約800Åとすることができる。前記正孔輸送層の厚さが、前述したような範囲を満たす場合、実質的な駆動電圧の上昇なしにも、満足できるほどの正孔輸送特性が得られる。
【0227】
前記正孔輸送層の上部に真空蒸着法、スピンコーティング法、キャスト法、LB法のような方法を利用して発光層(EML)を形成することができる。真空蒸着法及びスピンコーティング法により発光層を形成する場合、その蒸着条件は使用する化合物によって異なるが、一般的に正孔注入層の形成とほぼ同じ条件範囲で選択することができる。
【0228】
前記発光層は、前述したような化学式1を有する縮合環化合物を含むことができる。前記発光層は、前記縮合環化合物を単独で含むか、前記縮合環化合物以外に公知のホスト化合物をさらに含むことができる。公知のホスト化合物の例としては、トリス(8−キノリノレート)アルミニウム(Alq3)、CBP(4,4’−N,N’−ジカルバゾール−ビフェニル)、PVK(ポリ(n−ビニルカルバゾール))、9,10−ジ(ナフタレン−2−イル)アントラセン(ADN)、TCTA、TPBI(1,3,5−トリス(N−フェニルベンズイミダゾール−2−イル)ベンゼン(1,3,5−tris(N−phenylbenzimidazole−2−yl)benzene))、TBADN(3−tert−ブチル−9,10−ジ(ナフト−2−イル)アントラセン)、E3、DSA(ジスチリルアリーレン)などを使用できるが、これらに限定されるものではない。
【0229】
【化103】

【0230】
化学式1を有する縮合環化合物(ドープ剤)をホスト化合物と共に使用する場合、前記縮合環化合物のドーピング濃度は、特に制限されないが、通常、ホスト約100質量部を基準として、約0.01〜約15質量部の範囲で選択され、これらに限定されるものではない。
【0231】
前記発光層の厚さは、約100Å〜約1000Å、例えば、約200Å〜約600Åとすることができる。前記発光層の厚さが前述したような範囲を満たす場合、実質的な駆動電圧の上昇なしにも、優秀な発光特性を表しうる。
【0232】
発光層にリン光ドープ剤と共に使用する場合には、三重項励起子または正孔が電子輸送層への拡散現象を防止するために、前記正孔輸送層と発光層との間に真空蒸着法、スピンコーティング法、キャスト法、LB法のような方法を利用して、正孔阻止層(HBL)を形成することができる。真空蒸着法及びスピンコーティング法により正孔阻止層を形成する場合、その条件は使用する化合物によって異なるが、一般的に正孔注入層の形成とほぼ同じ条件範囲内でなされる。公知の正孔阻止材料も使用できるが、その例としては、オキサジアゾール誘導体やトリアゾール誘導体、フェナントロリン誘導体などを挙げることができる。
【0233】
前記正孔阻止層の厚さは、約50Å〜約1000Å、例えば、約100Å〜約300Åとすることができる。前記正孔阻止層の厚さが前述したような範囲を満たす場合、実質的な駆動電圧の上昇なしにも、優秀な正孔阻止特性が得られる。
【0234】
次いで、電子輸送層(ETL)を真空蒸着法、またはスピンコーティング法、キャスト法などの多様な方法を利用して形成する。真空蒸着法及びスピンコーティング法により電子輸送層を形成する場合、その条件は、使用する化合物によって異なるが、一般的に正孔注入層の形成とほぼ同じ条件範囲で選択することができる。前記電子輸送層材料は、電子注入電極(カソード)から注入された電子を安定的に輸送する機能を果たすものであって、公知の電子輸送物質を利用しうる。その例としては、キノリン誘導体、特に、トリス(8−キノリノレート)アルミニウム(Alq3)、TAZ、Balq、ベリリウムビス(ベンゾキノリン−10−オラート)(berylliumbis(benzoquinolin−10−olate:Bebq2)のような公知の材料を使用することができるが、これらに限定されるものではない。
【0235】
【化104】

【0236】
前記電子輸送層の厚さは、約100Å〜約1000Å、例えば、約150Å〜約500Åとすることができる。前記電子輸送層の厚さが前述したような範囲を満たす場合、実質的な駆動電圧上昇なしにも、満足できるほどの電子輸送特性が得られる。
【0237】
また電子輸送層の上部にカソードから電子の注入を容易にする機能を有する物質の電子注入層(EIL)が積層され、これは特別に材料を制限しない。
【0238】
前記電子注入層形成材料としては、LiF、NaCl、CsF、LiO、BaOのような電子注入層形成材料として公知された任意の物質を利用することができる。前記電子注入層の蒸着条件は、使用する化合物によって異なるが、一般的に正孔注入層の形成とほぼ同じ条件範囲で選択することができる。
【0239】
前記電子注入層の厚さは、約1Å〜約100Å、好ましくは約3Å〜約90Åとすることができる。前記電子注入層の厚さが前述したような範囲を満たす場合、実質的な駆動電圧上昇なしにも、満足できるほどの電子注入特性が得られる。
【0240】
このような有機層15の上部には、透過型電極である第2電極17が備えられている。前記第2電極は、電子注入電極であるカソードでありうるが、この際、前記第2電極形成用金属としては、低い仕事関数を有する金属、合金、電気伝導性化合物及びこれらの混合物を使用することができる。具体例としては、リチウム(Li)、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、アルミニウム−リチウム(Al−Li)、カルシウム(Ca)、マグネシウム−インジウム(Mg−In)、マグネシウム−銀(Mg−Ag)などを薄膜で形成して透過型電極が得られる。一方、前面発光素子を得るためにITO、IZOを利用した透過型電極を形成できるなど、多様な変形が可能である。
【0241】
以下、合成例及び実施例を挙げて、本発明の実施形態に係る有機発光素子についてさらに具体的に説明するが、本発明が下記の合成例及び実施例に限定されるものではない。
【実施例】
【0242】
(合成例1:化合物1の合成)
(1−1)2−ブロモアントラキノン(2−bromoanthraquinone)の合成

10L反応器に2−アミノアントラキノン(2−aminoantraquinone)(200g、0.896mol)、CuBr(240.13g、1.075mol)、アセトニトリル(Acetonitrile)(4L)、t−ブチルニトライト(t−butylnitrite)(138.58g、1.344mol)を入れて65℃に昇温した。3時間反応させた後、常温に温度を低くした後、2N HCl 3Lを添加した。これより生成された固体をろ過して水10Lで洗浄して得た濃い褐色固体(203g、89%)を乾燥させた。
【0243】
(1−2)2−ブロモ−9,10−ジフェニルアントラセン(2−bromo−9,10−diphenylanthracene)の合成

2L反応器にブロモベンゼン(bromobenzene)(164g、1.045mol)を添加し、THF 700mlを付加した。外部温度を−78℃に低くした後、1.6 Mn−BuLi(653.06ml、1.045mol)をゆっくり滴加した。
【0244】
滴加後、1時間ほど低温で攪拌させた後、前記(1−1)から得た2−ブロモアントラキノン(2−bromoanthraquinone)(100g、0.348mol)を添加した。これにより得られた混合物を常温で6時間反応させた後、2N HCl 200mlを添加した。これにより得られた混合物を層分離した後、有機層の有機溶媒を減圧除去して中間体Aを得る。2L反応器に前記中間体AとKI(173.45g、1.045mol)、次亜リン酸ナトリウム(Sodium hyphophosfite)(221.50g、2.090mol)、AcOH(1000ml)を付加えて、3時間還流させた。これにより得られた混合物を常温に冷却して生成された固体をろ過し、メタノール、水で洗浄した後、トルエンで再結晶して褐色固体(105g、73%)を得た。
【0245】
(1−3) 9,10−ジフェニルアントラセン−2−ボロン酸(9,10−diphenylanthracene−2−boronicacid)の合成

500ml反応器に前記(1−2)から収得した2−ブロモ−9,10−ジフェニルアントラセン(2−bromo−9,10−diphenylanthracene)(10g、0.024mol)とTHF(100ml)とを付け加えた後、外部温度を−78℃に降温した後、1.6Mn−BuLi(16.80ml、0.027mol)をゆっくり滴加した。滴加後、1時間ほど低温で攪拌させた後、ホウ酸トリメチル(trimethylborate)(3.84g、0.037mol)を滴加した。滴加後、常温で4時間攪拌させた後、2N HCl 10mlを入れた。これにより得られた混合物にEA100mlを入れてEA/HOで2回抽出し、有機溶媒を減圧して除去した。これにより得られた収得物をEA/Hx(hexane)で再結晶してクリーム色の結晶(6g、66%)を収得した。
【0246】
(1−4) 2−(2−ニトロフェニル)−9,10−ジフェニルアントラセン(2−(2−nitrophenyl)−9,10−diphenylanthracene)の合成

反応器に、前記(1−3)から収得した9,10−ジフェニルアントラセン−2−ボロン酸(9,10−diphenylanthracene−2−boronic acid)(4g、0.0107mol)、2−ブロモニトロベンゼン(2−bromonitrobenzene)(1.8g、0.009mol)、Pd(PPh(0.2g、0.17mmol)、KCO(2.5g、0.018mol)、THF 30ml、1,4−ジオキサン(1,4−dioxane)30ml、HO 10mlを入れて12時間還流させた。これにより得られた混合物を常温に冷却させた後、層分離させて収得した有機層の有機溶媒を減圧して除去した。これにより収得した固体を、水100ml、メタノール100mlで洗浄した後、カラム分離(Mc:Hx(hexane)=1:9)して黄色の固体(3g、75%)を得た。
【0247】
(1−5) 6,11−ジフェニル−12−H−12−アザインデノ[1,2−b]アントラセン(6,11−diphenyl−12−H−12−aza indeno[1,2−b]antracene)の合成

500ml反応器に前記(1−4)で収得した2−(2−ニトロフェニル)9,10−ジフェニルアントラセン(2−(2−nitrophenyl)−9,10−diphenylanthracene)(21g、0.0571mol)、PPh(42.5g、0.1714mol)、dichlorobenzene(150ml)を入れて10時間還流させた。反応完了後、1Lビーカーに反応液を移した後、加熱してジクロロベンゼン(dichlorobenzene)の量を伴分に減少させた。これにより得られた混合物を常温に冷却させた後、メタノール500mlを注いで、結晶を析出させて収得した固体をろ過した後、トルエン150mlに加熱して溶かした後、ブフナー漏斗にセライト、シリカゲルを敷いてろ過した。これにより得られた濾液を減圧除去した後、トルエン/メタノール再結晶で黄色固体(18g、92%)を収得した。
【0248】
(1−6) 6,11−ジフェニル−12−メチル−12−アザインデノ[1,2−b]アントラセン(6,11−diphenyl−12−methyl−12−azaindeno[1,2−b]anthracene)(化合物1:NAG01)の合成

反応器100mlで前記(1−5)から収得した6,11−ジフェニル−12−H−12−アザインデノ[1,2−b]アントラセン(6,11−diphenyl−12−H−12−azaindeno[1,2−b]anthracene)(2g、4.77mmol)をTHF 30mlに溶かした後、Na(t−BuO)(1g、9.5mmol)を添加した。これにより得られた混合物にヨードメタン(Iodomethane)(1.4g、9.5mmol)を徐々に20分間滴加した。滴加後、常温で30分攪拌させた後、有機溶媒を減圧して除去した。
【0249】
これによって収得した固体をトルエンに溶かしてブフナー漏斗にセライト、シリカゲルを敷いてろ過した。これにより収得した濾液を減圧して除去した後、トルエンで再結晶して黄色の固体(1.4g、67%)を得た。
【0250】
Mp 272.15℃
H NMR(CDCl、300Mhz)、δ8.320(d、1H)、δ8.078(d、1H)、δ7.933(d、1H)、δ7.74〜7.265(m、17H)

【0251】
【化105】

・・・(化合物1)

【0252】
(合成例2:化合物8の合成)
(2−1) 2,6−ジブロモアントラキノン(2,6−dibromoanthraquinone)の合成

10Lのフラスコでタート−ブチルニトライト(tert−butylnitrite)(1.5mol、198.2g)及びCu(II)Br(1.2mol、279.1g)をアセトニトリル(acetonitirle)(6000ml)で希釈させ、これにより得られた混合物を65℃に昇温した後、2,6−ジアミノアントラキノン(2,6−diaminoanthraquinone)(0.5mol、119.1g)を5分間ゆっくり添加した。Nガス発生が止まれば、常温に冷却した後、2N HCl(aq)3.6Lを添加した後、攪拌した。これにより生成された固体をろ過した後、過量の水、MeOH及びアセトン(acetone)で洗浄して乾燥して、2,6−ジブロモアントラキノン(2,6−dibromoanthraquinone)(180g、98.4%)を収得した。
【0253】
(2−2) 2,6−ジブロモ−9,10−ジフェニルアントラセン(2,6−dibromo−9,10−diphenylanthracene)の合成

5Lフラスコでブロモベンゼン(bromobenzene)(0.82mol、128.7g)をTHFに溶かして−78℃までに冷却させた後、1.6M n−BuLi(0.68mol、426ml)をゆっくり滴加した。1時間攪拌後、前記(2−1)で収得した2,6−ジブロモアントラキノン(2,6−dibromoanthraquinone)(0.27mol、100g)を固体状態で添加した後、ゆっくりと常温に温度を上げて攪拌した。12時間後、2N HCl(aq)500mlを添加して有機層を分離してMgSOで乾燥させた後、減圧濃縮させた化合物Bを精製せず、後続反応に使用した。前記化合物BとKI(0.82mol、136.0g)及びNaHPO.HO(1.64mol、173.7g)を酢酸(acetic acid)で希釈させた後、加熱還流した。これにより得られた混合物を常温に冷却した後、生成された固体をろ過して過量の水とMeOHで洗浄した。これにより収得した固体をトルエン(toluene)(300ml)で再結晶して2,6−ジブロモ−9,10−ジフェニルアントラセン(2,6−dibromo−9,10−diphenylanthracene)(100g、75%)を得た。
【0254】
(2−3) ニトロフェニル−2−ボロン酸(nitrophenyl−2−boronicacid)の合成

1Lフラスコで2−ヨードニトロベンゼン(2−iodonitrobenzene)(0.28mol、70g)をTHF(600ml)に溶かして−78℃まで冷却させた後、2M PhMgCl(309mol、154.6ml)をゆっくり滴加した。30分後、B(OCH(337.2mol、35.0g)をゆっくり滴加した後、常温に上げて攪拌した。これにより得られた混合物に0℃で2N HCl(aq)280mlを加えた後、EAで抽出した後、これにより収得した有機層をMgSOで乾燥して減圧濃縮させて生成された固体をヘキサン(Hexane)でスラリー化(slurry)した後、ろ過してニトロフェニル−2−ボロン酸(nitrophenyl−2−boronicacid)(41g、87%)を収得した。
【0255】
(2−4)2,6−(2−ニトロフェニル)−9,10−ジフェニルアントラセン(2,6−(2−nitrophenyl)−9,10−diphenylanthracene)の合成

前記(2−2)で収得した2,6−ジブロモ−9,10−ジフェニルアントラセン(2,6−dibromo−9,10−diphenylanthracene)(61.4mmol、30g)、前記(2−3)から収得したニトロフェニル−2−ボロン酸(nitrophenyl−2−boronicacid)(153.6mmol、25.6g)、Pd(PPh(0.05mmol、3.5g)及びKCO(245.8mmol、33.9g)をジオキサン(Dioxane)90ml、THF90ml及びHO 30mlで希釈した後、加熱還流した。4日後溶媒を除去して、MCで抽出して飽和NaCl溶液で洗浄した後、有機層をMgSOで乾燥濃縮させた混合物をカラムクロマトグラフィ(column chromatography)(MC/Hex=1/4)で精製して黄色固体である2,6−(2−ニトロフェニル)−9,10−ジフェニルアントラセン(2,6−(2−nitrophenyl)−9,10−diphenylanthracene)(8.5g、24%)を得た。
【0256】
(2−5)8−H,6−H−8,6−ジアザジインデノ[1,2−b]、[1’,2’−i]アントラセン(8−H,6−H−8,6−diaza diindeno[1,2−b]、[1’,2’−i]anthracene)の合成

250mlフラスコで前記(2−4)で収得した2,6−(2−ニトロフェニル)−9,10−ジフェニルアントラセン(2,6−(2−nitrophenyl)−9,10−diphenylanthracene)(14.8mmol、8.5g)を1、2−ジクロロベンゼン(1、2−dichlorobenzene)80mlに溶かした後、PPh(72.2mmol、37.1g)を加えた後、加熱還流した。12時間後、溶媒を除去し、カラムクロマトグラフィ(columnchromatography)(MC/Hex=1/10)で精製して無色8−H、6−H−8,6−ジアザジインデノ[1,2−b]、[1’,2’−i]アントラセン(7.5g、98%)を得た。
【0257】
(2−6)8,6−ジメチル−8,6−ジアザジインデノ[1,2−b]、[1’,2’−i]アントラセン(8,6−dimethyl−8,6−diazadiindeno[1,2−b]、[1’、2’−i]anthracene)(化合物8:NAG03)の合成

250mlフラスコで8−H、6−H−8,6−ジアザジインデノ[1,2−b]、[1’,2’−i]アントラセン(15.2mmol、7.7g)をTHF 70mlに溶かしてt−BuONa(38.1mmol、3.6g)を添加した後、常温でCHIをゆっくり添加した。30分後溶媒を除去して収得した固体に対してジクロロベンゼン(dichlorobenzene)を利用したホットフィルタリング(hot filtering)2回、ピリジンを利用した再結晶1回を行った後、減圧乾燥して淡黄色8,6−ジメチル−8,6−ジアザジインデノ[1,2−b]、[1’,2’−i]アントラセン(8,6−dimethyl−8,6−diazadiindeno[1,2−b]、[1’、2’−i]anthracene)(4.9g、60%)を得た。
【0258】
Mp=298℃
H NMR(300MHz;CDCl)δ2.92(6H、d)、7.24〜7.66(14H、m)、7.86(2H、s)、7.98(2H、d)、8.14(4H、m)
【0259】
【化106】

・・・(化合物8)

【0260】
(合成例3:化合物16の合成)
(3−1)2−ブロモ−9,10−ジ(2−ナフチル)アントラセン(2−bromo−9,10−di(2−naphthyl)anthracene)の合成

5Lフラスコでブロモナフタレン(bromonaphthalene)(1.74mol、360g)をTHFに溶かして−78℃まで冷却した後、1.6 Mn−BuLi(1.6mol、1600ml)をゆっくり滴加した。1時間攪拌した後、2−ブロモアントラキノン(2−bromoanthraquinone)(0.68mol、200g)を固体状態で添加した後、ゆっくり常温に上げて攪拌した。12時間後、2N HCl(aq)500mlを添加して有機層を分離してMgSOで乾燥して収得した減圧濃縮させた化合物Cを精製せず、次の反応に使用した。前記化合物CとKI(2.09mol、346g)、NaHPO.HO(4.1mol、443g)を酢酸(acetic acid)で希釈させた後、加熱還流した。常温に冷却させた後、生成された固体をろ過して過量の水とMeOHで洗浄して収得した固体をトルエン(toluene)(300ml)で再結晶して2−ブロモ−9,10−ジ(2−ナフチル)アントラセン(2−bromo−9,10−di(2−naphthyl)anthracene)(230g、64%)を収得した。
【0261】
(3−2) 2−ブロモ−9,10−ジ(2−ナフチル)アントラセン(2−bromo−9,10−ジ(2−naphthyl)anthracene)の合成

5Lフラスコで前記(3−1)から収得した2−ブロモ−9,10−ジ(2−ナフチル)アントラセン(2−bromo−9,10−di(2−naphthyl)anthracene(0.37mol、190g)をTHF(1.5L)に溶かして−78℃まで冷却させた後、1.6Mn−BuLi(0.44mol、279ml)をゆっくり滴加した。1時間後、B(OiPr)(0.74mol、140g)をゆっくり滴加した後、常温に上げて攪拌した。これにより得られた混合物に0℃で2N HCl(aq)1Lを添加した後、EAで抽出した後、有機層をMgSOで乾燥してEA/ヘキサン(Hexane)で再結晶して2−ブロモ−9,10−ジ(2−ナフチル)アントラセン(2−bromo−9,10−di(2−naphthyl)anthracene)(150g、84%)を収得した。
【0262】
(3−3) 2−(2−ニトロフェニル)9,10−ジ(2−ナフチル)アントラセン(2−(2−nitrophenyl)−9,10−di(2−naphthyl)anthracene)の合成

9,10−ジナフチルアントラセン−2−ボロン酸(9,10−dinaphthylanthracene−2−boronic acid)(21.1mmol、10g)、ブロモニトロベンゼン(bromonitrobenzene)(52.7mmol、10.64g)、Pd(PPh(0.05mmol、1.21g)、KCO(84.3mmol、11.65g)をジオキサン(Dioxane)100ml、THF 100ml及びHO 30mlで希釈した後、加熱還流した。12時間後、溶媒を除去した後、MCで抽出して飽和NaCl溶液で洗浄した後、有機層をMgSOで乾燥濃縮させた混合物をカラムクロマトグラフィ(column chromatography)(MC/Hex=1/5)で精製して黄色固体である2−(2−ニトロフェニル)−9,10−ジ(2−ナフチル)アントラセン(2−(2−nitrophenyl)−9,10−di(2−naphthyl)anthracene)(8.4g、73%)を収得した。
【0263】
(3−4) 6,11−ジ(2−ナフチル)−12−H−12−アザ−インデノ[1,2−b]アントラセン(6,11−di(2−naphthyl)−12−H−12−aza−indeno[1,2−b]anthracene)の合成

250mlフラスコで前記(3−3)で収得した2−(2−ニトロフェニル)−9,10−ジ(2−ナフチル)アントラセン(2−(2−nitrophenyl)−9,10−ジ(2−naphthyl)anthracene)(15.2mmol、8.4g)を1,2−ジクロロベンゼン(1、2−dichlorobenzene)80mlに溶かした後、PPh(45.6mmol、22.8g)を加えた後、加熱還流した。12時間後溶媒を除去してカラムクロマトグラフィ(MC/Hex=1/10)で精製して無色固体6,11−ジ(2−ナフチル)−12−H−12−アザ−インデノ[1,2−b]アントラセン(7.4g、96%)を得た。
【0264】
(3−5) 6,11−ジ(2−ナフチル)−12−メチル−12−アザインデノ[1,2−b]アントラセン(6,11−ジ(2−naphthyl)−12−methyl−12−azaindeno[1,2−b]anthracene)(化合物16:NAG05)の合成

250mlフラスコで6,11−ジ(2−ナフチル)−12−H−12−アザ−インデノ[1,2−b]アントラセン(14.2mmol、7.4g)をTHF 70mlに溶かしてt−BuONa(17.0mmol、1.64g)を添加した後、常温でCHI(17.0mmol、2.4ml)をゆっくりと添加した。30分後、溶媒を除去して収得した固体に対してジクロロベンゼン(dichlorobenzene)を利用したホットフィルタリング2回、ジクロロベンゼンを利用した再結晶3回を行った後、減圧乾燥して淡黄色6,11−ジ(2−ナフチル)−12−メチル−12−アザインデノ[1,2−b]アントラセン(6,11−ジ(2−naphthyl)−12−methyl−12−aza indeno[1,2−b]anthracene)(3.5g、46%)を収得した。
【0265】
Mp=274℃
H NMR(300MHz;CDCl)δ2.87(3H、2)、7.28〜8.34(24H、m)
【0266】
【化107】

・・・(化合物16)

【0267】
(実施例1)
基板上のITOガラスの発光面積が2mm×2mmになるようにパターニングした後、洗浄した。前記基板を真空チャンバに装着した後、ベース圧力を1×10−6torrに調節し、前記基板のITO上にDNTPD層(700Å)、NPD層(300Å)、AND(ホスト)+化合物1層(ドーブ剤:3質量%)(250Å)、Bebq2層(250Å)、LiF層(5Å)及びAl層(700Å)を順次に形成して有機発光素子を製作した。
【0268】
(実施例2)
化合物1の代わりに化合物8を使用した点を除いては、前記実施例1と同じ方法を利用して有機発光素子を製作した。
【0269】
(実施例3)
化合物1の代わりに化合物16を使用した点を除いては、前記実施例1と同じ方法を利用して有機発光素子を製作した。
【0270】
(評価例)
実施例1〜3で製作された有機発光素子の駆動電圧、駆動電圧時の電流、電流密度、輝度、電力、量子効率及び効率をPR650(Spectroscan) Source Measurement Unit.(Photo Research社製品)を利用して評価し、その結果を下記表1に示した。
【0271】
【表1】

【0272】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【符号の説明】
【0273】
10 有機発光素子
11 基板
13 第1電極
15 有機層
17 第2電極



【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記化学式1で表わされることを特徴とする、縮合環化合物。
【化1】

・・・(化学式1)

前記化学式1において、
Xは、置換または非置換のC−C30芳香族多環コア、及び、置換または非置換のC−C30ヘテロ芳香族多環コアからなる群より選択され、
Ar及びArは、互いに独立して、置換または非置換のC−C30アリーレン基、及び、置換または非置換のC−C30ヘテロアリーレン基からなる群より選択され、
及びAは、互いに独立して、−[C(Q)(Q)]−で表示される2価連結基であり、
前記Q及びQは、互いに独立して、水素、重水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、置換または非置換のC−C30アルキル基、置換または非置換のC−C30アルケニル基、置換または非置換のC−C30アルキニル基、置換または非置換のC−C30アルコキシ基、置換または非置換のC−C30アリールオキシ基、置換または非置換のC−C30アリール基、及び置換または非置換のC−C30ヘテロアリール基からなる群より選択され、
前記qは、0〜3の整数であり、
及びRは、互いに独立して、水素、重水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、置換または非置換のC−C30アルキル基、置換または非置換のC−C30アルケニル基、置換または非置換のC−C30アルキニル基、置換または非置換のC−C30アルコキシ基、置換または非置換のC−C30アリールオキシ基、置換または非置換のC−C30アリール基、置換または非置換のC−C30ヘテロアリール基、及び−N(Q)(Q)で表示される基からなる群より選択され、
前記Q及びQは、互いに独立して、水素、重水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、置換または非置換のC−C30アルキル基、置換または非置換のC−C30アルケニル基、置換または非置換のC−C30アルキニル基、置換または非置換のC−C30アルコキシ基、置換または非置換のC−C30アリールオキシ基、置換または非置換のC−C30アリール基、及び置換または非置換のC−C30ヘテロアリール基からなる群より選択され、
前記Q及びQは、互いに融合されるか、または、単結合、二重結合もしくはC−Cアルキレン基を介して互いに結合して、飽和または不飽和環を形成し、
pは、0〜10の整数であり、
前記Xで表わされる置換基、Ar、Ar、R、R、Q及びQのうち2以上の置換基は、互いに融合されるか、または、単結合もしくは二重結合を介して結合して、飽和または不飽和環を形成しうる。
【請求項2】
前記Xが、置換または非置換のペンタレンコア、置換または非置換のインデンコア、置換または非置換のナフタレンコア、置換または非置換のアズレンコア、置換または非置換のヘプタレンコア、置換または非置換のインダセンコア、置換または非置換のアセナフチレンコア、置換または非置換のフルオレンコア、置換または非置換のフェナレンコア、置換または非置換のフェナントレンコア、置換または非置換のアントラセンコア、置換または非置換のフルオランテンコア、置換または非置換のトリフェニレンコア、置換または非置換のピレンコア、置換または非置換のクリセンコア、置換または非置換のナフタセンコア、置換または非置換のピセンコア、置換または非置換のペリレンコア、置換または非置換のペンタセンコア、置換または非置換のヘキサセンコア、置換または非置換のピロールコア、置換または非置換のピラゾールコア、置換または非置換のイミダゾールコア、置換または非置換のイミダゾリンコア、置換または非置換のピリジンコア、置換または非置換のピラジンコア、置換または非置換のピリミジンコア、置換または非置換のインドールコア、置換または非置換のプリンコア、置換または非置換のキノリンコア、置換または非置換のフタラジンコア、置換または非置換のインドリジンコア、置換または非置換のナフチリジンコア、置換または非置換のキナゾリンコア、置換または非置換のシノリンコア、置換または非置換のインダゾールコア、置換または非置換のカルバゾールコア、置換または非置換のフェナジンコア、置換または非置換のフェナントリジンコア、置換または非置換のピランコア、置換または非置換のクロメンコア、置換または非置換のベンゾフランコア、置換または非置換のチオフェンコア、置換または非置換のベンゾチオフェンコア、置換または非置換のイソチアゾールコア、置換または非置換のイソキサゾールコア、及び、置換または非置換のフェニルベンゼンコアからなる群より選択されることを特徴とする、請求項1に記載の縮合環化合物。
【請求項3】
前記Xが、置換または非置換のアントラセンコア、置換または非置換のナフタレンコア、置換または非置換のフェニル−ベンゼンコア及び置換または非置換のピレンコアからなる群より選択されることを特徴とする、請求項1に記載の縮合環化合物。
【請求項4】
前記Xが1つ以上の置換基を有する場合、前記置換基のうち、1つ以上が、互いに独立して、重水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、置換または非置換のC−C30アルキル基、置換または非置換のC−C30アルケニル基、置換または非置換のC−C30アルキニル基、置換または非置換のC−C30アルコキシ基、置換または非置換のC−C30アリールオキシ基、置換または非置換のC−C30アリール基、置換または非置換のC−C30ヘテロアリール基、及び−N(Q)(Q)で表示される基からなる群より選択され、
前記Q及びQは、互いに独立して、水素、重水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、置換または非置換のC−C30アルキル基、置換または非置換のC−C30アルケニル基、置換または非置換のC−C30アルキニル基、置換または非置換のC−C30アルコキシ基、置換または非置換のC−C30アリールオキシ基、置換または非置換のC−C30アリール基、及び置換または非置換のC−C30ヘテロアリール基からなる群より選択され、
前記Q及びQは、互いに融合されるか、または、単結合、二重結合もしくはC−Cアルキレン基を介して互いに結合して、飽和または不飽和環を形成しうることを特徴とする、請求項1に記載の縮合環化合物。
【請求項5】
前記Ar及びArは、互いに独立して、置換または非置換のフェニレン基、置換または非置換のペンタレニレン基、置換または非置換のインデニレン基、置換または非置換のナフチレン基、置換または非置換のアズレニレン基、置換または非置換のヘプタレニレン基、置換または非置換のインダセニレン基、置換または非置換のアセナフチレン基、置換または非置換のフルオレニレン基、置換または非置換のフェナレニレン基、置換または非置換のフェナントレニレン基、置換または非置換のアントラセニレン基、置換または非置換のフルオランテニレン基、置換または非置換のトリフェニレニレン基、置換または非置換のピレニレン基、置換または非置換のクリセニレン基、置換または非置換のナフタセニレン基、置換または非置換のピセニレン基、置換または非置換のペリレニレン基、置換または非置換のペンタセニレン基、置換または非置換のヘキサセニレン基、置換または非置換のピロリレン基、置換または非置換のピラゾリレン基、置換または非置換のイミダゾリレン基、置換または非置換のイミダゾリニレン基、置換または非置換のピリジニレン基、置換または非置換のピラジニレン基、置換または非置換のピリミジニレン基、置換または非置換のインドリレン基、置換または非置換のプリニレン基、置換または非置換のキノリニレン基、置換または非置換のフタラジニレン基、置換または非置換のインドリジニレン基、置換または非置換のナフチリジニレン基、置換または非置換のキナゾリニレン基、置換または非置換のシノリニレン基、置換または非置換のインダゾリレン基、置換または非置換のカルバゾリレン基、置換または非置換のフェナジニレン基、置換または非置換のフェナントリジニレン基、置換または非置換のピラニレン基、置換または非置換のクロメニレン基、置換または非置換のベンゾフラニレン基、置換または非置換のチオフェニレン基、置換または非置換のベンゾチオフェニレン基、置換または非置換のイソチアゾリレン基、及び、置換または非置換のイソキサゾリレン基からなる群より選択されることを特徴とする、請求項1に記載の縮合環化合物。
【請求項6】
前記Ar及びArは、互いに独立して、置換または非置換のフェニレン基、置換または非置換のナフチレン基及び置換または非置換のアントラセニレン基からなる群より選択されることを特徴とする、請求項1に記載の縮合環化合物。
【請求項7】
前記Q及びQは、互いに独立して、水素、重水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、置換または非置換のC−C10アルキル基、置換または非置換のC−C10アルコキシ基、置換または非置換のC−C16アリール基、及び、置換または非置換のC−C16ヘテロアリール基からなる群より選択されることを特徴とする、請求項1に記載の縮合環化合物。
【請求項8】
前記qが0であることを特徴とする、請求項1に記載の縮合環化合物。
【請求項9】
前記qが1〜3の整数であることを特徴とする、請求項1に記載の縮合環化合物。
【請求項10】
及びRが互いに独立して、水素、重水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、置換または非置換のC−C10アルキル基、置換または非置換のC−C10アルコキシ基、置換または非置換のC−C16アリール基、置換または非置換のC−C16ヘテロアリール基、及び、−N(Q)(Q)で表示される置換基からなる群より選択され、
前記Q及びQは、互いに独立して、水素、重水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、置換または非置換のC−C10アルキル基、置換または非置換のC−C10アルコキシ基、置換または非置換のC−C16アリール基、及び、置換または非置換のC−C16ヘテロアリール基からなる群より選択され、
前記Q及びQは、互いに融合されるか、または、単結合、二重結合もしくはC−Cアルキレン基を介して互いに結合して、飽和または不飽和環を形成しうることを特徴とする、請求項1に記載の縮合環化合物。
【請求項11】
前記pが0であることを特徴とする、請求項1に記載の縮合環化合物。
【請求項12】
前記pが1であることを特徴とする、請求項1に記載の縮合環化合物。
【請求項13】
下記化学式1a−1〜化学式1h−1のうち、いずれか1つで表示されることを特徴とする、請求項1に記載の縮合環化合物。
【化2】

・・・(化学式1a−1)

【化3】

・・・(化学式1b−1)

【化4】

・・・(化学式1c−1)

【化5】

・・・(化学式1d−1)

【化6】

・・・(化学式1e−1)

【化7】

・・・(化学式1f−1)

【化8】

・・・(化学式1g−1)

【化9】

・・・(化学式1h−1)

前記化学式1a−1〜化学式1h−1において、
Ar及びArは、互いに独立して、置換または非置換のC−C16アリーレン基、及び、置換または非置換のC−C16ヘテロアリーレン基からなる群より選択され、
及びRは、互いに独立して、水素、重水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、置換または非置換のC−C10アルキル基、置換または非置換のC−C10アルコキシ基、置換または非置換のC−C16アリール基、置換または非置換のC−C16ヘテロアリール基、及び、−N(Q)(Q)で表示される置換基からなる群より選択され、
前記Q及びQは、互いに独立して、水素、重水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、置換または非置換のC−C10アルキル基、置換または非置換のC−C10アルコキシ基、置換または非置換のC−C16アリール基、及び、置換または非置換のC−C16ヘテロアリール基からなる群より選択され、
前記Q及びQは、互いに融合されるか、または、単結合、二重結合もしくはC−Cアルキレン基を介して互いに結合して、飽和または不飽和環を形成し、
〜Zは、互いに独立して、水素、重水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、置換または非置換のC−C10アルキル基、置換または非置換のC−C10アルコキシ基、置換または非置換のC−C16アリール基、置換または非置換のC−C16ヘテロアリール基、及び、−N(Q)(Q)で表示される置換基からなる群より選択され、
前記Q及びQは、互いに独立して、水素、重水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、置換または非置換のC−C10アルキル基、置換または非置換のC−C10アルコキシ基、置換または非置換のC−C16アリール基、及び、置換または非置換のC−C16ヘテロアリール基からなる群より選択され、
前記QとQは、互いに融合されるか、または、単結合、二重結合もしくはC−Cアルキレン基を介して互いに結合して、飽和または不飽和環を形成しうる。
【請求項14】
下記化学式1a−2〜化学式1h−2のうち、いずれか1つで表示されることを特徴とする、請求項1に記載の縮合環化合物。
【化10】

・・・(化学式1a−2)

【化11】

・・・(化学式1b−2)

【化12】

・・・(化学式1c−2)

【化13】

・・・(化学式1d−2)

【化14】

・・・(化学式1e−2)

【化15】

・・・(化学式1f−2)

【化16】

・・・(化学式1g−2)

【化17】

・・・(化学式1h−2)

前記化学式1a−2〜化学式1h−2において、
Ar及びArは、互いに独立して、置換または非置換のC−C16アリーレン基、及び、置換または非置換のC−C16ヘテロアリーレン基からなる群より選択され、
及びAは、互いに独立して、−[C(Q)(Q)]−で表示される2価連結基であり、
前記Q及びQは、互いに独立して、水素、重水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、置換または非置換のC−C10アルキル基、置換または非置換のC−C10アルコキシ基、置換または非置換のC−C16アリール基、及び、置換または非置換のC−C16ヘテロアリール基からなる群より選択され、
前記qは、1〜3の整数であり、
及びRは、互いに独立して、水素、重水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、置換または非置換のC−C10アルキル基、置換または非置換のC−C10アルコキシ基、置換または非置換のC−C16アリール基、置換または非置換のC−C16ヘテロアリール基、及び、−N(Q)(Q)で表示される置換基からなる群より選択され、
前記Q及びQは、互いに独立して、水素、重水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、置換または非置換のC−C10アルキル基、置換または非置換のC−C10アルコキシ基、置換または非置換のC−C16アリール基、及び、置換または非置換のC−C16ヘテロアリール基からなる群より選択され、
前記Q及びQは、互いに融合されるか、または、単結合、二重結合もしくはC−Cアルキレン基を介して互いに結合して、飽和または不飽和環を形成し、
〜Zは、互いに独立して、水素、重水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、置換または非置換のC−C10アルキル基、置換または非置換のC−C10アルコキシ基、置換または非置換のC−C16アリール基、置換または非置換のC−C16ヘテロアリール基、及び、−N(Q)(Q)で表示される置換基からなる群より選択され、
前記Q及びQは、互いに独立して、水素、重水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、置換または非置換のC−C10アルキル基、置換または非置換のC−C10アルコキシ基、置換または非置換のC−C16アリール基、及び、置換または非置換のC−C16ヘテロアリール基からなる群より選択され、
前記Q及びQは、互いに融合されるか、または、単結合、二重結合もしくはC−Cアルキレン基を介して互いに結合して、飽和または不飽和環を形成しうる。
【請求項15】
下記化学式2a−1〜化学式2h−1のうち、いずれか1つで表示されることを特徴とする、請求項1に記載の縮合環化合物。
【化18】

・・・(化学式2a−1)

【化19】

・・・(化学式2b−1)

【化20】

・・・(化学式2c−1)

【化21】

・・・(化学式2d−1)

【化22】

・・・(化学式2e−1)

【化23】

・・・(化学式2f−1)

【化24】

・・・(化学式2g−1)

【化25】

・・・(化学式2h−1)

前記化学式2a−1〜化学式2h−1において、
及びRは、互いに独立して、水素、重水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、置換または非置換のC−C10アルキル基、置換または非置換のC−C10アルコキシ基、置換または非置換のC−C16アリール基、置換または非置換のC−C16ヘテロアリール基、及び、−N(Q)(Q)で表示される置換基からなる群より選択され、
前記Q及びQは、互いに独立して、水素、重水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、置換または非置換のC−C10アルキル基、置換または非置換のC−C10アルコキシ基、置換または非置換のC−C16アリール基、及び、置換または非置換のC−C16ヘテロアリール基からなる群より選択され、
前記Q及びQは、互いに融合されるか、または、単結合、二重結合もしくはC−Cアルキレン基を介して互いに結合して、飽和または不飽和環を形成し、
〜Z及びZ11〜Z18は、互いに独立して、水素、重水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、置換または非置換のC−C10アルキル基、置換または非置換のC−C10アルコキシ基、置換または非置換のC−C16アリール基、置換または非置換のC−C16ヘテロアリール基、及び、−N(Q)(Q)で表示される置換基からなる群より選択され、
前記Q及びQは、互いに独立して、水素、重水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、置換または非置換のC−C10アルキル基、置換または非置換のC−C10アルコキシ基、置換または非置換のC−C16アリール基、及び、置換または非置換のC−C16ヘテロアリール基からなる群より選択され、
前記Q及びQは、互いに融合されるか、または、単結合、二重結合もしくはC−Cアルキレン基を介して互いに結合して、飽和環または不飽和環を形成しうる。
【請求項16】
下記化学式2a−2〜化学式2h−2のうち、いずれか1つで表示されることを特徴とする、請求項1に記載の縮合環化合物。
【化26】

・・・(化学式2a−2)

【化27】

・・・(化学式2b−2)

【化28】

・・・(化学式2c−2)

【化29】

・・・(化学式2d−2)

【化30】

・・・(化学式2e−2)

【化31】

・・・(化学式2f−2)

【化32】

・・・(化学式2g−2)

【化33】

・・・(化学式2h−2)

前記化学式2a−2〜化学式2h−2において、
及びAは、互いに独立して、−[C(Q)(Q)]−で表示される2価連結基であり、
前記Q及びQは、互いに独立して、水素、重水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、置換または非置換のC−C10アルキル基、置換または非置換のC−C10アルコキシ基、置換または非置換のC−C16アリール基、及び、置換または非置換のC−C16ヘテロアリール基からなる群より選択され、
前記qは、1〜3の整数であり、
及びRは、互いに独立して、水素、重水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、置換または非置換のC−C10アルキル基、置換または非置換のC−C10アルコキシ基、置換または非置換のC−C16アリール基、置換または非置換のC−C16ヘテロアリール基、及び、−N(Q)(Q)で表示される置換基からなる群より選択され、
前記Q及びQは、互いに独立して、水素、重水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、置換または非置換のC−C10アルキル基、置換または非置換のC−C10アルコキシ基、置換または非置換のC−C16アリール基、及び、置換または非置換のC−C16ヘテロアリール基からなる群より選択され、
前記Q及びQは、互いに融合されるか、または、単結合、二重結合もしくはC−Cアルキレン基を介して互いに結合して、飽和または不飽和環を形成し、
〜Z及びZ11〜Z18は、互いに独立して、水素、重水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、置換または非置換のC−C10アルキル基、置換または非置換のC−C10アルコキシ基、置換または非置換のC−C16アリール基、置換または非置換のC−C16ヘテロアリール基、及び、−N(Q)(Q)で表示される置換基からなる群より選択され、
前記Q及びQは、互いに独立して、水素、重水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、置換または非置換のC−C10アルキル基、置換または非置換のC−C10アルコキシ基、置換または非置換のC−C16アリール基、及び、置換または非置換のC−C16ヘテロアリール基からなる群より選択され、
前記Q及びQは、互いに融合されるか、または、単結合、二重結合もしくはC−Cアルキレン基を介して互いに結合して、飽和または不飽和環を形成しうる。
【請求項17】
下記化学式3a−1、化学式3a−2、化学式3c−1、化学式3c−2、化学式3e−1、化学式3e−2、化学式3g−1、または、化学式3g−2で表わされることを特徴とする、請求項1に記載の縮合環化合物。
【化34】

・・・(化学式3a−1)

【化35】

・・・(化学式3a−2)

【化36】

・・・(化学式3c−1)

【化37】

・・・(化学式3c−2)

【化38】

・・・(化学式3e−1)

【化39】

・・・(化学式3e−2)

【化40】

・・・(化学式3g−1)

【化41】

・・・(化学式3g−2)

前記化学式において、
は、−[C(Q)(Q)]−で表示される2価連結基であり、
前記Q及びQは、互いに独立して、水素、重水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、置換または非置換のC−C10アルキル基、置換または非置換のC−C10アルコキシ基、置換または非置換のC−C16アリール基、及び、置換または非置換のC−C16ヘテロアリール基からなる群より選択され、
前記qは、0〜3の整数であり、
は、単結合、または、C−Cアルキレン基であり、
は、水素、重水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、置換または非置換のC−C10アルキル基、置換または非置換のC−C10アルコキシ基、置換または非置換のC−C16アリール基、置換または非置換のC−C16ヘテロアリール基、及び、−N(Q)(Q)で表示される置換基からなる群より選択され、
前記Q及びQは、互いに独立して、水素、重水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、置換または非置換のC−C10アルキル基、置換または非置換のC−C10アルコキシ基、置換または非置換のC−C16アリール基、及び、置換または非置換のC−C16ヘテロアリール基からなる群より選択され、
前記Q及びQは、互いに融合されるか、または、単結合、二重結合もしくはC−Cアルキレン基を介して互いに結合して、飽和または不飽和環を形成し、
〜Z及びZ11〜Z14は、互いに独立して、水素、重水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、置換または非置換のC−C10アルキル基、置換または非置換のC−C10アルコキシ基、置換または非置換のC−C16アリール基、置換または非置換のC−C16ヘテロアリール基、及び、−N(Q)(Q)で表示される置換基からなる群より選択され、
前記Q及びQは、互いに独立して、水素、重水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、置換または非置換のC−C10アルキル基、置換または非置換のC−C10アルコキシ基、置換または非置換のC−C16アリール基、及び、置換または非置換のC−C16ヘテロアリール基からなる群より選択され、
前記QとQは、互いに融合されるか、または、単結合、二重結合もしくはC−Cアルキレン基を介して互いに結合して、飽和または不飽和環を形成しうる。
【請求項18】
第1電極と、
前記第1電極に対向した第2電極と、
前記第1電極と前記第2電極との間に介在された有機層と、
を備え、
前記有機層が、請求項1〜17のうちいずれか1項に記載の縮合環化合物を含む
ことを特徴とする、有機発光素子。
【請求項19】
前記有機層が発光層であることを特徴とする、請求項18に記載の有機発光素子。
【請求項20】
前記発光層が、ホスト化合物をさらに含むことを特徴とする、請求項19に記載の有機発光素子。



【図1】
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【公開番号】特開2011−37854(P2011−37854A)
【公開日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−179608(P2010−179608)
【出願日】平成22年8月10日(2010.8.10)
【出願人】(308040351)三星モバイルディスプレイ株式會社 (764)
【Fターム(参考)】