説明

縮毛矯正組成物

i)γ−チオブチロラクトン;ii)酸またはこの塩;およびiii)アミンを含む縮毛矯正組成物。前記組成物が毛髪に適用される、ケラチン繊維を緩和するための前記ケラチン繊維のランチオニン化方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、縮毛矯正のための組成物および縮毛矯正方法に関する。
【背景技術】
【0002】
「ヘアリラクサー」として公知の製品は、生まれつきの巻き毛または縮れ毛を緩和または矯正する。ヘアリラクサーは、美容院における専門家または家庭の個別消費者のいずれかによって適用することができる。
【0003】
ヘアリラクサーは、縮毛矯正のためにアルカリ化剤、通常は水酸化物イオン源を通常含有する。水酸化物イオンとの縮毛矯正の一連の反応の結果、ランチオニン残基が形成されるので、水酸化物イオンによる毛髪の緩和または縮毛矯正に言及する場合に用語「ランチオニン化」(lanthionizing)が使用される。
【0004】
ヘアリラクサー、特に水酸化物イオンを主成分とするヘアリラクサーの重要な課題の1つは、これらが毛髪を損傷し、これらにより処理された毛髪にざらざらして調整されていない感触が残ることである。
【0005】
WO 02/085317には、少なくとも1種類の有機求核剤および少なくとも1種類の水酸化物イオン発生物質を使用してケラチン繊維をラチオニン化(lathionizing)するための組成物および方法が開示されている。WO 02/085317には、前処理組成物中に使用すると特に効果的な有機求核剤が開示されている。
【0006】
GB 1 187 568には、ホモシステインチオラクトンを使用することによって毛髪の形状を変化させる方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】国際公開第02/085317号パンフレット
【特許文献2】英国特許第1 187 568号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、毛髪の損傷が軽減され、そのため毛髪が平滑で、柔軟で、くし通りがよくなる毛髪の緩和システムに関する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、一態様において、
i)γ−チオブチロラクトンまたはこの誘導体;
ii)酸またはこの塩;および
iii)アミン
を含む縮毛矯正組成物を含む縮毛矯正組成物を提供する。
【0010】
上記の一変形として、本発明は、上記組成物を含む第1の組成物と、過酸化水素を含む第2の組成物との少なくとも2つの組成物を含む縮毛矯正キットにも関する。
【0011】
本発明の別の一態様においては、上記組成物を毛髪に適用することを含む縮毛矯正方法を提供する。
【0012】
前述のキットの組成物が適用前に予め混合される縮毛矯正方法も提供する。
【発明を実施するための形態】
【0013】
γ−チオブトリオラカトン(gamma−thiobutryolacatone)またはこの誘導体
本発明の組成物は、本発明の実質的な態様としてγ−チオブチロラクトンを含む。
【0014】
γ−チオブトリオラカトンの量は、好ましくは全組成物の0.1から15重量%、より好ましくは0.5から10重量%、最も好ましくは1重量%から6重量%である。
【0015】

本発明の組成物は酸またはこの塩を含む。好ましくは酸は、塩酸、クエン酸、酢酸、リン酸、トルエンスルホン酸またはこれらの混合物からなる群より選択される。
【0016】
酸の量は、好ましくは全組成物の0.1から15重量%、より好ましくは0.5から10重量%、最も好ましくは1重量%から6重量%である。
【0017】
γ−チオブトリオラカトンと酸との重量比は、好ましくは3:1から1:3、より好ましくは2:1から1:2である。
【0018】
アミン
本発明の組成物はアミンを含む。
【0019】
好ましいアミンは、短鎖(C1−C10)アルキルアミンおよび/またはアルカノールアミンおよび/またはチオアミンである。好ましいアミンは、システアミン、イソプルプナオールアミン(isoprpnaolamine)、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1,3ジオールである。
【0020】
縮毛矯正のためには、アミンがモノエタノールアミン(MEA)であると特に好都合である。
【0021】
組成物のpH
本発明の配合物のpHは、好ましくは8から10.5、より好ましくは8.5から10である。
【0022】
他の成分
毛髪に適用した後、毛髪を酸化剤、特に好ましくは過酸化水素の溶液で処理することで、本発明の組成物が浸透しやすくなる。酸化剤は、好ましくは1から20重量%存在する。
【0023】
本発明の組成物中に使用可能な他の成分は、アルコールおよび水などの溶剤;保存料;香料;UVフィルター;ヘアケア有効物質;可塑剤;陰イオン、陽イオン、両性、非イオンおよび両性イオンの界面活性剤;シリコーン流体、脂肪酸エステル、脂肪アルコール、脂肪鎖炭化水素、皮膚軟化剤、潤滑剤および浸透剤(ラノリン化合物など)、タンパク質加水分解物および他のタンパク質誘導体などの調髪剤;陰イオン、陽イオン、両性、非イオンおよび両性イオンのポリマー;染料;染髪剤;漂白剤;還元剤;pH調整剤;日焼け止め剤;ならびに増粘剤から選択することができる。
【0024】
本発明の製品は、リジンなどの塩基性アミノ酸、アミン、アルコールおよびメルカプタンならびにこれらの誘導体から選択される有機求核剤をさらに含むことができる。
【0025】
製品の形式
本発明の後処理組成物は、あらゆる形態であってよく、好ましくはエマルジョン、溶液、懸濁液、ゲル、クリームおよびペーストから選択される形態であってよい。
【0026】
これより以下の非限定的な実施例によって本発明を説明する。本発明の実施例は番号で示されており、比較例は文字で示されている。
【実施例】
【0027】
ベース組成物
0.35M(3.57%)のγ−チオブチロラクトン
0.44Mの酸(以下の表の通り)
液体モノエタノールアミン(pH9.5となるまで)
10%のn−エタノール
100%となるまでの水
【0028】
本発明の組成物は、γ−チオブチロラクトンをエタノール水混合物(水75重量%)に加えた後、酸を加えることによって調製された。最後に、モノエタノールアミン(残りの水中)を加えた。
【0029】
処理方法
溶液を作製し、直ちに使用した。
毛髪約1gを溶液50ml(溶液対毛髪が50:1)中に浸漬した。
この状態を5分間維持した後、溶液から取り出し、手でもつれをほどき/平滑で真っ直ぐな状態にし、直ちに溶液に戻した。
全処理時間(最初の浸漬後から)が20分になるまでこれを繰り返した(即ち4回)。
次に毛髪を標準中和シャンプー(実質的にSLES:CAPBが14:2)で3回洗浄した。各洗浄は、シャンプー約1mlを毛髪サンプル1g中に30秒間もみこみ、続いて流水で30秒間すすぐことからなった。
次に毛髪を自然乾燥させた。
【0030】
曲率測定
単繊維画像分析技術を使用して毛髪の曲率を測定した。
【0031】
前述のベース配合物に以下の酸を加えた。基準となる対照処理として水および2重量%NaOHを使用した。
【0032】
【表1】

曲率値が小さいほど毛髪は真っ直ぐである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
i)γ−チオブチロラクトン;
ii)酸またはこの塩;および
iii)アミン
を含む、縮毛矯正組成物。
【請求項2】
酸が、塩酸、クエン酸、酢酸、リン酸、トルエンスルホン酸またはこれらの混合物からなる群より選択される、請求項1に記載の縮毛矯正組成物。
【請求項3】
アミンがモノエタノールアミン(MEA)である、請求項1または請求項2に記載の縮毛矯正組成物。
【請求項4】
γ−チオブチロラクトンの量が、全組成物の1重量%から6重量%である、請求項1から3のいずれかに記載の縮毛矯正組成物。
【請求項5】
酸の量が、全組成物の1重量%から6重量%である、請求項1から4のいずれかに記載の縮毛矯正組成物。
【請求項6】
γ−チオブチロラクトンと酸との重量比が2:1から1:2である、請求項1から5のいずれかに記載の縮毛矯正組成物。
【請求項7】
配合物のpHが室温において8.5から10である、請求項1から6のいずれかに記載の縮毛矯正組成物。
【請求項8】
第1の組成物が請求項1から7のいずれかに記載の組成物を含み、
第2の組成物が過酸化水素を含む、少なくとも2つの組成物を含む縮毛矯正キット。
【請求項9】
請求項1から8のいずれかに記載の組成物が毛髪に適用される、前記ケラチン繊維の緩和を実現するためのケラチン繊維のランチオニン化方法。

【公表番号】特表2010−515764(P2010−515764A)
【公表日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−545840(P2009−545840)
【出願日】平成19年12月4日(2007.12.4)
【国際出願番号】PCT/EP2007/063311
【国際公開番号】WO2008/086914
【国際公開日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【出願人】(590003065)ユニリーバー・ナームローゼ・ベンノートシヤープ (494)
【Fターム(参考)】