説明

繊維ストランドをドラフトするためのドラフト装置

【課題】ドラフト装置のための凝縮装置の取り付け位置の改良。
【解決手段】繊維ストランドをドラフトするためのドラフト装置1において、駆動可能な下部ローラー3が設けられ、それに上部ローラー4が割り当てられ、この上部ローラーが下部ローラーと共にニップラインを形成する。繊維ストランド2を偏向するための少なくとも一つの機械的偏向手段がニップラインの上流及び下流に設けられている。繊維ストランドを偏向するための手段は上部ローラーに取付けられる。加圧ばねは上部ローラーの心棒12と偏向のための手段の間に配置されることができる。繊維ストランドを偏向するための手段はドラフト装置の下部ローラーのための二つの凹状シリンダー形状支持表面17,18を含む凝縮装置14内に配置される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駆動可能な下部ローラーを持つ、繊維ストランドをドラフトするためのドラフト装置であって、上部ローラーが下部ローラーに割り当てられており、この上部ローラーが下部ローラーと共にニップラインを形成し、かつ繊維ストランドを偏向するための少なくとも一つの機械的手段がニップラインの上流及び下流に設けられているものに関する。
【0002】
本発明はさらに、ステープル繊維からなる繊維ストランドをドラフトするためのドラフト装置のための凝縮装置であって、ドラフト装置の下部ローラーのための少なくとも一つの凹状シリンダー形状支持表面を持ちかつドラフト装置内で加工された繊維ストランドを偏向するための少なくとも二つの機械的手段を持つものに関する。
【背景技術】
【0003】
上述のタイプのドラフト装置はドイツ公開特許出願DE10346258A1において従来技術である。凝縮要素はこの既知の実施態様で提供されており、それは繊維ストランドを偏向するための幾つかの手段を含む。その凝縮要素はドラフト装置の送出ローラー上に凹状シリンダー形状支持表面と共に座る。凝縮要素は二つのやっとこ状保持素子を含み、それらは送出ローラー上に留められ、従って凝縮要素は送出ローラー上に支持される。上部ローラーが、旋回される上部重み付け腕により送出ローラーから上昇されるとき、例えば糸切れを排除するとき、凝縮要素は送出ローラー上に残る。繊維ストランドは、案内壁として設計されている偏向手段中に手動で設置されなければならない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は上述のタイプのドラフト装置を改善することである。
【0005】
この目的は、繊維ストランドを偏向するための手段が下部ローラーに取付けられることにより達成される。この目的は、凝縮装置の場合において、凝縮装置がドラフト装置の上部ローラーの一部のための締め具並びに本質的にシリンダー形状支持表面の中心に向けて作用する少なくとも一つの負荷手段を含むことで達成される。
【0006】
例えば糸切れが排除されるとき、繊維ストランドを偏向するための手段を持つ凝縮装置は、上部ローラー、特に上部ローラーの心棒に固定されているため、上部ローラーが下部ローラーから上昇されるとき上部ローラーと一緒に上昇されることができる。繊維ストランドの経路はこのようにして自由に接近可能となり、もし必要なら容易に浄化されることができる。上部ローラーが所定場所に置かれるとき、繊維ストランドを偏向するための手段を含む凝縮装置は上から繊維ストランド上に設置される。繊維ストランドはそれ自身、偏向手段中に入る。繊維ストランドを偏向するための手段は有利には、例えば曲がった表面を持つかまたは繊維ストランドに対して斜めに配置されている案内壁により形成されることができる。案内壁はまた、繊維ストランドが偏向される間に凝縮されるようにじょうごの形状で配置されることができる。
【0007】
二つの上部ローラーは有利にはドラフト装置の下部ローラーに割り当てられ、それらの二つの上部ローラーは下部ローラーと一緒に二つの連続するニップラインを形成する。完全にドラフトされた繊維ストランドは第一ニップラインに存在している。第一ニップラインの下流の凝縮領域内では、繊維ストランドは機械的偏向手段により凝縮されかつ圧縮される。凝縮領域は第二ニップラインにより限界付けられる。凝縮領域内の繊維ストランドを偏向するための手段に加えて、凝縮装置は第一ニップラインの上流に配置されているさらなる偏向手段を含む。第一ニップラインの上流に配置された偏向手段はドラフト装置の主ドラフト領域内に位置しており、エプロン対と第一ニップラインとの間の最短想像連結線から輸送方向に横断的に繊維ストランドを偏向することができる。ドラフト面からの繊維ストランドの偏向はエプロン対の下流とドラフト装置のドラフト領域を終えるニップラインの上流の繊維ストランドの改善された案内を実現する。主ドラフト時の繊維ストランドのステープル繊維の案内はこれにより改善される。偏向のための手段の案内壁または案内表面は有利には、凝縮装置の凹状に曲がったシリンダー形状支持表面に直接隣接する。下部ローラーの周表面はこれにより繊維ストランドを支持するための輸送手段を形成し、それは特に凝縮領域で重要でありうる。凝縮装置が下部ローラー上に置かれるとき、繊維ストランドは実際にそれ自身案内表面間に入る。
【0008】
主ドラフト領域内の繊維ストランドを偏向するための手段は有利には凸状案内表面を含み、それが繊維ストランドをドラフト面から下向きに偏向し、従って繊維ストランドは部分的に凸状案内表面に輪を作る。凝縮効果を改善するために、主ドラフト領域内の繊維ストランドを偏向するための手段はここで繊維ストランドの幅の減少が既に実現されるような方式で設計されることができる。これは、U−形状またはV−形状溝が設けられ、そのベースに凸状案内表面が配置されることで起こりうる。凸状案内表面は、溝を通る縦方向切断により、すなわちシリンダー形状支持表面の中心線に垂直な切断により識別されることができるような方式で設計される。
【0009】
本発明の実施態様において、凝縮装置が上部ローラーの一部のためのその締め具と一緒に、凝縮装置が上部ローラーの軸方向に可動であるような方式で設計されるということは有利である。凝縮装置に配置された繊維ストランドを偏向するための手段は結果として上部ローラーの心棒の方向に可動であり、従ってその手段は輸送方向に横断的な繊維ストランドの横断運動に追従することができる。ドラフト装置内の繊維ストランドの横断運動の結果として、柔軟な上部ローラー覆いの有効寿命が増大されることができる。
【0010】
シリンダー形状支持表面を持つ凝縮装置がドラフト装置の下部ローラー上にうまく座るために、凝縮装置は本質的にシリンダー形状支持表面の中心に向けて作用する負荷手段を含む。この負荷手段は例えば磁石として設計されることができ、それは鋼製下部ローラー上に吸引力を及ぼす。有利な実施態様では、負荷手段は加圧ばねとして設計されることができる。加圧ばねは、螺旋ばね、板ばねまたはレッグスプリング(leg spring)の形であることができ、かつ上部ローラーの一部と偏向手段との間に配置される。加圧ばねは有利には、加圧ローラーの非回転心棒上に支持され、下部ローラーの周表面に対してシリンダー形状支持表面を負荷する。
【0011】
有利な実施態様では、一つの凹状シリンダー形状支持表面が繊維ストランドを偏向するための各手段に割り当てられ、その支持表面のそれぞれは棒上に設けられる。繊維ストランドを偏向するための手段を持つ第一棒は第一ニップラインの上流に配置され、偏向手段を持つ第二棒は第一ニップラインの下流に配置される。棒は、凹状シリンダー形状支持表面が下部ローラー上に置かれたときに限界の程度まで整合されることができるように限定された可動方式で凝縮領域内に配置されることができ、従って周表面上に最適に置かれることができる。あるいは、棒は凝縮装置内に固定態様で適用されることができる。凝縮装置は有利には、二つの棒に加えて二つの枠部を含み、それらは上部ローラー覆いに隣接して配置され、かつ偏向手段を持つ棒を保持する。上部ローラーの心棒及び負荷手段のための締め具は枠部内に配置される。上部ローラーの心棒のための締め具は心棒上に支持され、それは凝縮装置が下部ローラーの回転運動により同伴されるのを防ぐ。二つのシリンダー形状支持表面を持つ凝縮装置が、加圧力が均一に分配されるように、固定手段に対して本質的に対称的に設計されるとき有利である。
【0012】
図面の簡略説明
本発明のこれらの及びさらなる目的、特徴及び利点は添付図面と共になされる以下のそれらの詳細な説明からより容易に明らかとなるであろう。
【0013】
図1は、凝縮装置を持つドラフト装置の拡大された部分的断面の側面図である。
【0014】
図2は、図1の矢印IIの方向の凝縮装置の図を示す。
【0015】
図3は、凝縮装置の変更例の図1と同様の図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
部分的にのみ示されたドラフト装置1は本質的に駆動下部ローラーを含み、それら下部ローラーに上部ローラーが割り当てられ、それら上部ローラーは下部ローラーに対して押圧され、それらローラーがステープル繊維から作られた繊維ストランド2を希望の繊度に輸送方向Aにドラフトする。唯一のローラー対3,4が示されており、それは下部ローラー3と上部ローラー4を含む。エプロンローラー対がローラー対3,4の上流に配置され、それらのうち案内エプロン5と6からなるエプロン対5,6のみが示されている。案内エプロン5と6は既知の方式で繊維ストランド2を案内する役目をする。ドラフト装置1の主ドラフト領域の下流で、繊維ストランド2のドラフトは下部ローラー3と上部ローラー4との間のニップライン7で終わる。完全にドラフトされた繊維ストランド2は続いて凝縮領域8を通って走行し、そこでそれが凝縮及び圧縮される。凝縮領域8は、下部ローラー3に配置された第二上部ローラー10により形成されるニップライン9によりその出口側を境界付けられる。ニップライン9の直ぐ下流で、繊維ストランドはその撚りを与えられ、完成糸11が形成される。
【0017】
ドラフト装置1は紡績機の一部であることができ、そこで糸11が例えば空気ジェットによりまたはリングスピンドルによりその撚りを与えられる。リング式紡績機の場合、複数のドラフト装置1が互いに隣接して配置され、下部ローラー3は機械の縦方向に延びる連続下部シリンダーの形をしている。二つの隣接したドラフト装置の上部ローラー4と10は、各々が共通心棒12を持つ上部ローラーツインとして既知の方式で設計されることができる。上部ローラー4はドラフト装置1の残りの上部ローラー(図示せず)と一緒に回転揺動式上部重み付け腕13に取付けられている。上部重み付け腕13は、概略的にのみ示されており、施回軸(図示せず)周りに上向きに揺動されることができ、従って上部ローラー4,10は下部ローラー3から上昇される。ドラフト装置1の操作上の欠点を排除するために、上部ローラー4,10は時々上向きに上昇されることが必要である。上部ローラー10は、示されていない方式で、ベース本体と共に上部ローラー4に取付けられることができ、従って上部ローラー4と10は上部ローラー集合体を形成する。これに代えて、上部ローラー10はまた、上部重み付け腕13に直接取付けられることができる。
【0018】
凝縮装置14は上部ローラー4に取付けられ、この凝縮装置は繊維ストランドを偏向するための機械的手段15と16を含む。繊維ストランド2を偏向するための手段15と16は輸送方向Aに互いに対してある距離に設置される。第一偏向手段15はニップライン7の上流に配置され、第二偏向手段16はニップライン7の下流に配置される。凹状シリンダー形状支持表面17と18は各偏向手段15と16に配置され、それにより凝縮装置14はドラフト装置1の下部ローラー3の周表面19上に支持される。凝縮装置14は上部ローラー4の心棒12のための締め具20を含む。凝縮装置14はさらに負荷手段21を含み、それは、本質的にシリンダー形状支持表面17,18の中心に向けて作用し、凝縮装置14を下部ローラー3に押圧する。
【0019】
繊維ストランド2を偏向するための手段15と16はトンネル形状の凝縮チャネル22,23の形のものであり、それらはシリンダー形状支持表面17,18に面して開いている。上部ローラー4が凝縮装置14と共に下部ローラー3上に置かれるとき、繊維ストランド2はそれ自身凝縮チャネル22と23中に通ることができる。下部ローラー3の周表面19は輸送手段を形成し、それは繊維ストランド2を偏向手段15,16の領域内に支持しかつ輸送する。下部ローラー3の周表面19のこの輸送効果は、凝縮繊維ストランド2が損傷なくニップライン9に到達することを確保するために、繊維ストランド2が非常に細くかつ損傷を受けやすい凝縮領域8内で特に重要である。繊維ストランド2はニップライン7と9間の周表面19上に絶えず存在し、下部ローラー3から上昇しない。トンネル形状凝縮チャネル22と23が本質的にU−形状またはV−形状溝の形で設計され、それらの自由断面が輸送方向Aに狭くなることが有利でありうる。
【0020】
ドラフト装置1の主ドラフト領域の偏向手段15は、繊維ストランド2がエプロン対5,6を離れたとき、繊維ストランド2を案内する。偏向手段15は有利には案内表面24を含み、それは図1に示された図における、すなわちシリンダー形状支持表面17の中心線に垂直な凝縮チャネル22を通る断面における凸状形状を含む。凸状案内表面24はエプロン対5,6とニップライン7との間の最短想像連結線2から繊維ストランド2を偏向する。繊維ストランド2のドラフト面からの凸状案内表面24を通しての偏向及び得られた案内表面24の輪の形成は既にドラフトされた繊維ストランドの改善を実現する。
【0021】
凝縮装置14のための負荷手段21は螺旋形ばね25の形の加圧ばねとして設計されている。螺旋加圧ばね25は凝縮装置14を下部ローラー3に対して押圧する力を発生する。加圧ばね25は凝縮装置14の枠部27内に配置される。枠部27は加圧ローラー4の心棒12のための締め具20を含む。この締め具は、凝縮装置14が小さな許容度で上部ローラー4上に支持されるような方式で設計される。凝縮装置14が、上部ローラー4が上昇されるとき、落ちないために、保持クリップ28が締め具20に割り当てられることができ、それは、シリンダー形状支持表面17,18がもはや下部ローラー3上に支持されないときに締め具20が心棒12から滑るのを防ぐ。枠部27は有利にはプラスチックから作られ、従って保持クリップ28は容易に一体化されることができる。ポケット形状凹所が加圧ばね25のために枠部27内に設けられる。凝縮装置14は負荷手段21の力の方向に本質的に対称に設計され、従って加圧ばね25の力は二つのシリンダー形状支持表面17と18上に均一に分配される。
【0022】
繊維ストランド2を偏向するための手段15と16はそれぞれ一つの棒30と31内に配置される。棒30と31は凝縮装置14の枠部27により連結される。棒30と31は有利にはセラミック材料から作られ、可動方式で凝縮装置14内に配置される。各棒30,31はシリンダー形状支持表面17,18を含む。枠部27上への棒30と31の可動配置のため、シリンダー形状支持表面17と18は凝縮装置14の方向にも可動である。これは、凝縮装置14が下部ローラー3上に置かれるとき、シリンダー形状支持表面17,18が周表面19上に正確に配置されるという利点を持つ。結果として、各個々のシリンダー形状支持表面17または18の高度の正確性に対してあまり注意を払う必要はない。シリンダー形状支持表面18に関するシリンダー形状支持表面17の配置は、二つのシリンダー形状支持表面17と18が周表面19上に置かれたときに自動的に整合されるので、凝縮装置14で正確に確保されなくてよい。棒30と31は有利にはピン32を含み、それにより棒30と31は枠部27中に留められる。
【0023】
図2は、繊維ストランド2の輸送方向Aの視線で凝縮装置14を持つ上部ローラー4を示す。套管チューブ33が加圧ローラー4の心棒12上に回転可能に取付けられる。柔軟材料から作られた覆い34が套管チューブ33に取付けられる。心棒12は、静止方式で上部重み付け腕13に取付けられ、上部ローラー4がツイン上部ローラーとして設計されているときに第二套管チューブ(図示せず)を含むことができる。心棒12は両側で套管チューブ33を突き出ている。凝縮装置14の枠部27は套管チューブ33の各側に取付けられる。棒30はピン32の助けにより二つの枠部27間に支持され;棒30の背後の棒31は同じ方式で支持される。
【0024】
枠部27と套管チューブ33の間に、空間35が設けられ、それは凝縮装置14が上部ローラー4の軸方向に可動であることを可能にする。繊維ストランド2を偏向するための手段15,16は結果として繊維ストランド2の二重矢印Bの方向の横断運動に追従することができる。ドラフト装置1の横断運動Bは、上部ローラー4の柔軟覆い34の有効寿命がこれにより増加されるので、有利である。ニップライン7の上流の主ドラフト領域内の繊維ストランド2は比較的高い張力下にあり、それはドラフト力による場合である。張力下に凝縮チャネル22を通過する繊維ストランド2は、横断運動B時に偏向手段15の案内壁151上に横に配置され、凝縮装置14を伴う。凝縮装置14は横断運動駆動体に連結される必要がない。
【0025】
締め具20が上部ローラー4の心棒12上に座っている、図2に示された変更例に代えて、套管チューブ33のための締め具が設けられることが、示された実施態様で提供されることができる。套管チューブ33は、覆い34を越えてかなりの程度まで突出するようにいくらか長く選ばれることができる。締め具20は套管チューブ33のより大きな直径に適合されなければならないだけである。そうでなければ凝縮装置14は本質的に変わらないままである。套管チューブ33のための締め具を持つ凝縮装置14は、上部ローラー4の心棒12が套管チューブ33の両側に外向きに突出する必要がないという利点を持つ。標準的な上部ローラーが結果として適用されることができる。
【0026】
図3に、異なるタイプの負荷手段21を持つ凝縮装置14の変更例が示されている。図1と2に関して与えられた詳細がこの場合にも適用され、従って繰返した説明は必要でない。図1と2におけるのと同一要素は同じ参照番号により示される。図3の負荷手段21はワイヤーからなるレッグスプリング36である。レッグスプリング36はまた、加圧ばねとして作用する。レッグスプリング36はまた、凝縮装置14の枠部内に位置しており、上部ローラー4の心棒12に対して支持される。レッグスプリング36は上部ローラー4の心棒方向に見たときにより少ない空間を必要とするという利点を持ち、従って枠部27は低減された厚さのものであることができる。結果として、凝縮装置14は、限定された空間の場合に、特に隣接して配置されたドラフト装置間の小さなピッチの場合に、適用されることができることを実現可能にする。図示されていない実施態様では、締め具20が套管チューブ33を取り囲むことが規定されることができる。このタイプの別の実施態様では、レッグスプリング36は套管チューブ33と下部ローラー3との間の減らされた設置高さのために、それがねじばね25より大きな凝縮装置14の加圧力を達成することができるという利点を持つ。
【0027】
固定手段21のさらなる変更例、すなわち磁石37は図3に破線により示されている。磁石37はまた、凝縮装置14のための好適な負荷手段21を意味し、加圧ばね25または36への代替として使用されることができる。
【0028】
図1から3に示された凝縮装置14への追加の変更例として、境界条件に依存して、図示されていない実施態様において棒30と31並びに枠部27がワンピース要素を形成するような方式で凝縮領域14を変えることが有利でありうる。ワンピース要素の設計では、シリンダー形状支持表面17と18がもはや分離されず、むしろ覆い34に隣接した領域内で連続することが規定されることができる。このようにして唯一の単一シリンダー形状支持表面が凝縮装置内に与えられることができ、その支持表面は偏向のための手段15の領域から偏向のための手段16の領域まで延び、かつそれは加圧ローラー4のための凹所を含む。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】凝縮装置を持つドラフト装置の拡大された部分的断面の側面図である。
【図2】図1の矢印IIの方向の凝縮装置の図を示す。
【図3】凝縮装置の変更例の図1と同様の図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動可能な下部ローラー(3)を持つ、ステープル繊維から作られた繊維ストランド(2)をドラフトするためのドラフト装置(1)であって、上部ローラー(4)が下部ローラー(3)に割り当てられおり、この上部ローラー(4)が下部ローラー(3)と共にニップライン(7)を形成し、かつさらに繊維ストランド(2)を偏向するための少なくとも一つの機械的手段(15,16)がニップライン(7)の上流及び下流に設けられているものにおいて、繊維ストランド(2)を偏向するための手段(15,16)が上部ローラー(4)に取付けられていることを特徴とするドラフト装置。
【請求項2】
繊維ストランド(2)を偏向するための手段(15,16)が上部ローラー(4)の心棒(12)に取付けられていることを特徴とする請求項1に記載のドラフト装置。
【請求項3】
加圧ばね(25;36)が上部ローラー(4)の心棒(12)と偏向手段(15,16)との間に配置されていることを特徴とする請求項2に記載のドラフト装置。
【請求項4】
ニップライン(7)の上流に配置された繊維ストランド(2)を偏向するための手段(15)がエプロン対(5,6)とニップライン(7)との間の最短想像連結線から繊維ストランド(2)を偏向することを特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載のドラフト装置。
【請求項5】
繊維ストランド(2)を偏向するための手段(15,16)が、それらの手段が繊維ストランド(2)の横断運動(B)に追従することができるように上部ローラー(4)の心棒(12)の方向に可動であることを特徴とする請求項1から4のいずれか一つに記載のドラフト装置。
【請求項6】
ステープル繊維からなる繊維ストランド(2)をドラフトするドラフト装置(1)のための凝縮装置(14)であって、ドラフト装置(1)の下部ローラー(3)のための少なくとも一つの凹状シリンダー形状支持表面を持ちかつドラフト装置(1)内で加工された繊維ストランド(2)を偏向するための少なくとも二つの機械的手段(15,16)を持つものにおいて、凝縮装置(14)がドラフト装置(1)の上部ローラー(4)の一部(12;23)のための締め具(20)並びに本質的にシリンダー形状支持表面(17;18)の中間に向けて作用する少なくとも一つの負荷手段(2)を含むことを特徴とする凝縮装置。
【請求項7】
凝縮装置(14)がドラフト装置(1)の上部ローラー(4)の心棒(12)のための締め具(20)を含むことを特徴とする請求項6に記載の凝縮装置。
【請求項8】
負荷手段(21)が加圧ばね(25;36)として設計されていることを特徴とする請求項6または7に記載の凝縮装置。
【請求項9】
負荷手段(21)が磁石(37)として設計されていることを特徴とする請求項6または7に記載の凝縮装置。
【請求項10】
凹状シリンダー形状支持表面(17;18)が繊維ストランド(2)を偏向するための各手段(15;16)に割り当てられていることを特徴とする請求項6から9のいずれか一つに記載の凝縮装置。
【請求項11】
凹状シリンダー形状支持表面(17;18)が凝縮装置(14)内に可動方式で配置されていることを特徴とする請求項6から10のいずれか一つに記載の凝縮装置。
【請求項12】
ドラフト装置(1)内でドラフトされた繊維ストランド(2)を凝縮するための凝縮装置(14)のための棒であって、その棒(30;31)がドラフト装置(1)の下部ローラー(3)のための凹状シリンダー形状支持表面(17;18)及びトンネル形状凝縮チャネル(22;23)を含むことを特徴とする棒。
【請求項13】
棒(30;31)がシリンダー形状支持表面(17;18)の中心線に平行に延びる二つのピン(32)を含むことを特徴とする請求項12に記載の棒。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2009−97136(P2009−97136A)
【公開日】平成21年5月7日(2009.5.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−240417(P2008−240417)
【出願日】平成20年9月19日(2008.9.19)
【出願人】(590005597)マシーネンファブリク リーター アクチェンゲゼルシャフト (93)
【氏名又は名称原語表記】Maschinenfabrik Rieter AG
【住所又は居所原語表記】Klosterstrasse 20,CH−8406 Winterthur,Switzerland
【Fターム(参考)】