説明

繊維状ウェブを処理するための装置における稼働パラメータを制御する方法及びその方法を提供するための機器

本発明は、繊維状ウェブ(W)を処理するための装置(1)における稼働パラメータを制御するための方法に関する。処理装置(1)は、ガイド手段(3)の周りで回転するよう配置された無端金属ベルト(2)と、金属ベルト(2)と接触面を形成する少なくとも1つの対向素子(5)とを含む。金属ベルト(2)と対向素子(5)との間には、繊維状ウェブ(W)のための処理ゾーン(A)が形成され、処理されるべき繊維状ウェブ(W)は処理ゾーンを通過する。本方法において、金属ベルト(2)の厚さ測定は、稼働期間中に渦電流測定によって遂行される。本発明の第二の特徴によれば、ベルト(2)の温度は、稼働期間中に、繊維状ウェブ(W)に対するベルトの反対側から非接触的な方法で測定される。本発明の第三の特徴によれば、金属ベルト(2)のための本質的に均一な温度プロファイルを得るために、金属ベルト(2)は、冷却媒体が尾部スレッディングコードと接触する領域の外側地点で冷却媒体で冷却される。本発明は、上記方法を適用する機器にも関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、繊維状ウェブを処理するための装置における稼働パラメータを制御するための方法に関し、処理装置は、ガイド手段の周りで回転するよう配置された無端金属ベルトと、金属ベルトと接触面を形成する少なくとも1つの対向素子とを含み、金属ベルトと対向素子との間には、繊維状ウェブのための処理ゾーンが形成され、処理されるべき繊維状ウェブは処理ゾーンを通過する。
【0002】
本発明は、繊維状ウェブを処理するための装置における稼働パラメータを制御するための機器にも関し、処理装置は、ガイド手段の周りで回転するよう配置された無端金属ベルトと、金属ベルトと接触面を形成する少なくとも1つの対向素子とを含み、金属ベルトと対向素子との間には、繊維状ウェブのための処理ゾーンが形成され、処理されるべき繊維状ウェブは処理ゾーンを通過し得る。
【0003】
本発明は、さらに、繊維状ウェブを処理するための装置内のベルトの温度を測定するため並びにプロセスを制御するための方法に関し、処理装置は、ガイド手段の周りで回転するよう配置された無端金属ベルトと、金属ベルトと接触面を形成する少なくとも1つの対向素子とを含み、金属ベルトと対向素子との間には、繊維状ウェブのための処理ゾーンが形成され、処理されるべき繊維状ウェブは処理ゾーンを通過する。
【0004】
本発明は、繊維状ウェブを処理するための装置内のベルトの温度を測定するため並びにプロセスを制御するための機器にも関し、処理装置は、ガイド手段の周りで回転するよう配置された無端金属ベルトと、金属ベルトと接触面を形成する少なくとも1つの対向素子とを含み、金属ベルトと対向素子との間には、繊維状ウェブのための処理ゾーンが形成され、処理されるべき繊維状ウェブは処理ゾーンを通過する。
【0005】
さらに、本発明は、繊維状ウェブのスレッディング期間中に繊維状ウェブを処理することを目的とする金属ベルトカレンダのベルトの温度プロファイル及び引張応力を制御することよって、狭い尾部スレッディングコードが繊維状ウェブよりも高い温度を有する金属ベルトと接触するよう移動され、それによって、金属ベルトに冷却効果をもたらすための方法に関する。本発明は、さらに、その方法を提供するための機器に関する。
【背景技術】
【0006】
繊維状ウェブを処理するためのこの種類の機器は、以前から、例えば、本出願人の特許出願PCT/FI03/00066、PCT/FI03/00067、PCT/FI03/00068から既知である。これらの出願に開示されている繊維状ウェブを処理するための機器は、異なる紙及び板紙等級のような極めて異なる種類の繊維状ウェブのカレンダリング、並びに、塗工、フィルム移転、乾燥及び/印刷に適用される。さらに、前記特許出願中に開示される繊維状ウェブを処理するための機器に用いられるベルトは、最適には金属ベルト又は金属ワイヤであるが、ポリマー若しくは複合材料ワイヤ若しくはコード又は類似物であり得る。本特許出願の明細書は一例として金属ベルトに言及するが、それに限定されない。
【0007】
繊維状ウェブの最終特性に対する、ベルト循環を適用する上記に言及される繊維状ウェブを処理するための機器による処理の効果は、処理ゾーンにおいて有効な圧縮、繊維状ウェブの処理湿度、及び、接触の有効時間のような、処理ゾーンにおける処理条件を調節することによって制御される。実際上、これらの調節手段は、繊維状ウェブに作用するアクチュエータ、例えば、ベルト及び/又はカウンタ素子の温度又は処理ゾーンの長さ及び/又は処理時間又はベルト緊張度を調節することによって遂行される。
【0008】
プロセスを制御するために遂行される調節手段は、例えば、アクチュエータ制御変数の実験的に決定された標的値に基づき得る。例えば、パイロット試験運転によって、最適なロール及びウェブ温度、並びに、有効なゾーン圧力及び有効時間が、各繊維状ウェブ等級のために決定される。プロセスが標準状態にあるときに、アクチュエータ制御変数を好適値に調節し、それらをこれらの標的値に保持することが目標である。しかしながら、アクチュエータ調節が正確に機能し、且つ、設定値が標的値に維持されるために、アクチュエータの操作は制御されなければならない。例えば、ベルトの温度及び緊張は、直接的又は間接的に測定されなければならず、必要な場合には、プロセスが同じように連続的に機能するよう調節されなければならない。
【0009】
調節は、フィードバックオンラインプロセス測定にも基づき得る。その場合には、繊維状ウェブのオンライン測定は、調節のための基礎として用いられる。観察される処理効果が標的状態に対応しないならば、調節システムは、標的レベルが達成されるよう、アクチュエータの設定、例えば、ベルト若しくはウェブの温度又はベルト緊張を変更する。さらに、もしプロセスの過渡的変化中に品質基準を満足する出力を最大限化するのが望ましいならば、アクチュエータの状態を正確且つ遅滞なく制御することが可能でなければならない。また、この場合には、アクチュエータ自体の状態を制御するために、並びに、調節手段の基礎として、ベルト温度のような測定値を用い得る。調節されるべきアクチュエータを補償するために、初期のプロセス段階に起源する変数が処置プロセスにおける擾乱を引き起こす状況を一例として述べ得るが、生成される最終品質を標準化することが望ましい。
【0010】
1つの問題が金属ベルトの縁部ゾーンによって提起され、その場合には、具体的には、可能な温度変動の結果として厚さが変化する。これは繊維状ウェブの品質に対して劣化作用を有し得る。加えて、耐用年数の増大に伴って、特にベルト縁部の厚さは、ベルト材料の摩耗(金属疲労)及ベルト材料への損傷の故に、必ずしも初期値と同一のままではない。
【0011】
上述の特性を観察することによっては、金属ベルトの摩耗に関する情報は得られず、よって、ウェブの品質に対するその影響に関する直接的な情報は得られない。金属ベルトの厚さを測定するための、如何なる信頼し得る、特に本質的に連続的に動作する構造は存在しない。表面と接触させる測定方法は厚さを測定するのに適さず、光学機器は不浄環境において汚され易い。X線を放射するもののような放射源を用いる方法は、その有害性(放射能)の故に、如何なる状況においても、ベルト厚さの連続的監視のために用い得ない。
【0012】
光沢面を有する移動ベルトの表面上の温度の測定も、現時点では、通常の製造条件において極めて信頼性のある方法では遂行し得ない。原理上、多数の異なる温度測定技法が既知である。移動ベルトの温度は、例えば、接触(ドラッギング)温度センサ又はサーモグラフカメラ(IR測定)のような非接触技法によっておそらく測定され得る。
【0013】
非接触赤外線測定の問題は、良好な繊維状ウェブを生成するために、繊維状ウェブと接触する熱ロール又はベルトの表面が研磨され且つ仕上加工されることである。サーモグラフカメラ測定の観点からすると、研磨面の低放出係数及び周囲からの反射が問題である。表面の僅かな汚れさえも、放出係数に大幅に影響を及ぼし、測定誤差を引き起こす。試験機関環境においてさえ、サーモグラフカメラは、実際上、日常的に較正されなければならず、従って、この種類の解決策は、高い信頼性及び低い保守を必要とする産業工場の種類の条件には適用可能でない。他方、原理上、接触(ドラッギング)温度測定を製造条件においても使用可能である。しかしながら、高速を伴うことで、接触測定の結果は信頼性に欠け、測定機器は恒常的な保守及び反復的な較正を必要とする。滑り摩擦からの余剰熱も測定を妨げる。
【0014】
さらに、例えば対向素子が加熱される熱ロールである金属ベルトカレンダにおいて、1つの問題は、鋼の金属ベルト及び熱ロールの間の処理ゾーンで処理される繊維状ウェブがないときに、それらが相互接触するようになることである。よって、熱ロールが加熱されると、例えば、ウェブ遮断中、たとえ、ベルトを冷却し且つベルトの温度プロファイルを直線的に維持するために、ベルトのガイドロールが液体循環、例えば、水又は加熱オイルを有するとしても、熱は熱い熱ロールからベルトに移動し得る。熱ロールの内部で用いられる加熱オイルの温度は、例えば、約300℃のオーダであり、それによって、熱ロールの表面は約250℃であり、それらの間に処理されるウェブがないとき、それと接触するようになるベルトは約200℃まで温度上昇する。ウェブが処理ゾーンに持ち込まれ、普通に熱ロールとベルトとの間を進行するや否や、進入してくるウェブの特性及び温度に依存して、熱ロールの表面温度は約150〜200℃の範囲に下降する。もし金属ベルトが加熱されないならば、それは動作条件において本質的にウェブの温度に達する。
【0015】
ウェブを金属ベルトカレンダの処理ゾーンに導くとき、例えば、100〜300mmの幅を有する繊維状ウェブから切断された狭い尾部スレッディングコードが、先ずカレンダリングゾーンに持ち込まれる。これはコードで金属ベルトを大幅に冷却する。ベルトが1つの縁部上の狭いゾーンに亘って冷却すると、それは短くなり、このゾーンはベルトの伸張力を受け始め、それによって、高い牽引力が前記縁部上に生じる。この非対称性は、おそらくベルトの制御性にも影響を及ぼす。その結果、ベルトの疲労耐久性が低減される。加えて、ベルトサイクルのガイドロール内に冷却液体循環が配置されない解決策においては、ベルト及びベルトの先導ロールは、熱ロールの温度付近まで温度上昇し、それによって、ウェブの拡散後に、ベルト温度が本質的にウェブの温度まで下降し且つ熱いベルトが最早バルクに影響を及ぼさなくなる前に、かなり長い時間、例えば10分以上かかる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
本発明の目的は、上述の不利点を除去或いは実質的に減少し、よって、繊維状ウェブを処理するための装置における稼働パラメータをより良好に制御することである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記目的を達成するために、本発明の第一の特徴に従った方法は、金属ベルトの厚さ測定が、稼働期間中に渦電流測定によって遂行されることを特徴とする。
【0018】
加えて、本発明の第一の特徴に従った方法を適用する機器は、稼働期間中に渦電流測定によって金属ベルトの厚さを測定し得る測定手段を含むことを特徴とする。
【0019】
本発明の第一の特徴に従った方法は、繊維状ウェブの特性の測定が、稼働期間中に測定手段によって遂行され、繊維状ウェブの特性に関する情報が、繊維状ウェブの品質を制御するシステムに組み込まれ、繊維状ウェブの特性に関する情報が、繊維状ウェブの品質を制御する他の稼働パラメータのためのフィードバック及び/又はポジティブフィードバック情報として用いられることを特徴とする。
【0020】
本発明に従った方法を適用する機器は、稼働期間中に繊維状ウェブの特性を測定し得る測定手段を含み、測定手段は、繊維状ウェブの品質を制御するシステムに接続され、繊維状ウェブの特性に関する情報を、繊維状ウェブの品質を制御する他の稼働パラメータのためのフィードバック及び/又はポジティブフィードバック情報として使用し得ることを特徴とする。
【0021】
本発明に従った1つの方法は、ベルトの温度が、稼働期間中に、繊維状ウェブに対するベルトの反対側から非接触的な方法で測定されることを特徴とする。さらに、本発明の第二の特徴に従った方法を適用する機器は、ベルト表面の温度を、稼働期間中に、繊維状ベルトに対するベルトの反対側から非接触的な方法で測定し得る測定手段を含むことを特徴とする。
【0022】
本発明に従ったさらなる方法は、金属ベルトのための本質的に均一な温度プロファイルを得るために、金属ベルトは、それが尾部スレッディングコードと接触する領域の外側地点で冷却媒体で冷却されることを特徴とする。他方、本発明に従った機器は、金属ベルトのための本質的に均一な温度プロファイルを得るために、冷却媒体が尾部スレッディングコードと接触する領域の外側地点で金属ベルトを冷却媒体で冷却するための手段を含むことを特徴とする。
【0023】
本発明の好適な実施態様は、従属請求項に開示される。
【0024】
添付の図面を参照して本発明を以下に詳細に記載する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
図1は、よって、本発明に従った方法を適用する装置の一部を示している。ここで参照番号1によって指し示される装置の一部は、この場合には、所望の品質を得るために、紙又は板紙のような繊維状ウェブWを処理するために用いられるベルトカレンダである。装置は、例えば、抄紙機又は板紙機である。
【0026】
カレンダ1は、好ましくは金属又は金属合金のような、導電性材料から成る無端ベルトを含む。金属ベルトは、案内手段の周りの軌道上を回転し、それらのガイドロールの少なくとも1つは、ベルト2の緊張を調節するために移動可能である。金属ベルト2の緊張は、カレンダ1上の繊維状ウェブWの処理を制御する装置の稼働パラメータの1つである。
【0027】
ベルト2によって形成されるループ状軌道の外側には、金属ベルトに対して配置され得る対向面を含む対向素子5が配置されている。対向素子5はバッキングロールであるのが好ましく、そのマントルの周りでベルト1が走行するよう配置されている。ベルト1は、好ましくはマントルの外周の全長の半分未満に対応する距離に亘って、マントルと接触している。ベルト1とマントルとの間には、処理ゾーンA、この場合には、カレンダリングゾーンが形成され、繊維状ウェブWはそこを通過する。次に、時間の関数としての所望圧力インパルス及び熱効果(稼働パラメータ)が、繊維状ウェブ上に加えられる。これらを調節する可能性は、本出願人の先行特許出願PCT/FI03/00066、PCT/FI03/00067、PCT/FI03/00068により詳細に開示されている。簡潔に言えば、例えば、バッキングロールとニップを形成するニップロール4によって圧力を調節可能であり、加熱及び冷却機器6を用いて金属ベルト1を加熱及び冷却することによって熱効果を調節可能であり、金属ベルト1の横方向にプロファイル化する。ベルト1温度の調節も、ベルトの機械方向の緊張の横方向分布(応力分布)にも影響を及ぼす。処理ゾーンA内の温度変化及び圧力変化は、横方向における金属ベルトの厚さプロファイルを変える。他方、横方向厚さプロファイルの変化は、繊維状ウェブの特性(例えば厚さ及び光沢)に変化を引き起こす。
【0028】
本発明によれば、金属ベルト2の厚さの変化を監視するために、機器1は、金属ベルト厚さを測定するための手段7a,7bを含み、その手段によって、金属ベルト2の長手方向厚さプロファイル及び/又は金属ベルトの横方向厚さプロファイルが測定される。測定手段7a,7bは、そのようなものとして既知の渦電流方法を適用する測定機器を含む。この場合には、少なくとも1つのそのような測定機器が、金属ベルト2の表面の近傍、例えば、2つのガイドロール3の間の領域内に配置されている。測定手段7a,7bは、コイル7aのような少なくとも1つの電磁発信器を含み、金属ベルト2の反対側には、測定コイル7bのような受信器を含み、金属ベルト2はそれらの間を走行する。繊維状ウェブが受信コイル7aと測定コイル7bとの間を金属ベルト2と共に進行するよう測定機器7a,7bを配置し得る(測定機器は破線で描写されている)。繊維状ウェブは非伝導性なので、それは渦電流測定法によって遂行される金属ベルト2の厚さ測定に影響を及ぼさない。
【0029】
簡潔に言えば、測定はパルス化渦電流測定技法を用いることによって遂行されるのが好ましい。その中では、発信器コイル7aは、導電性ベルト2内に三相磁界を形成するために用いられ、それによって、渦電流もベルト2に3つの異なる位相で誘導される。各連続的位相から、各位相の電圧特性が測定コイル7bに誘導される。それらから、次いで、測定されるべき金属ベルト2の表面からの測定コイル7bの距離、測定される材料の電気抵抗、及び、金属ベルト2の厚さを決定し得る。
【0030】
上述の測定機器7a,7b又は幾つかの測定機器7a,7bをベルト2の進行方向に対して横方向に移動するよう適合可能である。代替的に、十分な数の測定機器7a,7bをベルト2の進行方向に対する横列内に適合可能であり、それによって、移動する測定機器に比べ、より詳細な測定結果が得られる。金属ベルト2が本質的に連続的に移動する間、測定を遂行し得る。
【0031】
金属ベルト2の厚さに関して得られる測定データを幾つかの目的のために用い得る。繊維状ウェブWの品質を制御するシステム10にこのデータを組み込み可能であり、そこには、とりわけ、ベルト2温度及び処理領域A圧力インパルスのような稼働パラメータの制御機器6及び4が属する。ベルト2の厚さ及びそこに生じる変化に関する情報は、例えば、システム10と測定コイル7bとの間の発信経路8に沿って、測定コイル7bから繊維状ウェブWの品質を制御するシステムに実時間で得られる。よって、例えば、ベルトの縁部ゾーンの厚さプロファイルの変化を、異なる負荷及び温度変化との関係で監視し得る。
【0032】
ベルトの厚さの変化に起因する繊維状ウェブWの品質の変化がベルト2に関する厚さデータを繊維状ウェブWの品質を制御する他のパラメータのためのポジティブフィードバックとして用いることによって補償されるよう、測定データを繊維状ウェブWの品質を制御するシステム10において用い得る。例えば、制御システム10から、制御指令が、発信経路9に沿って、ベルト2のプロファイリング加熱及び冷却機器6に与えられ得る。ベルト2の厚さプロファイルが所望の種類、例えば均一であるよう、プロファイリング加熱又は冷却を制御し得る。厚さプロファイルを制御することによってベルト2の緊張プロファイルを制御することも考えられる。品質制御システム10は、カレンダに加えて、明らかに装置1(ここでは抄紙機)の他の部分に接続され、よって、厚さデータは、繊維状ウェブWの品質を制御する装置1の他の部分の稼働パラメータのためのポジティブフィードバックデータとしても用いられ得る。
【0033】
ウェブWの品質に関するベルト2の厚さの変化の効果からモデルを形成可能でもあり、そのモデルに基づいて、品質制御システム10は、品質を制御するパラメータに所要の補償調節を行う。
【0034】
ベルト2自体の品質を監視するために測定データを用い得る。例えば、その実際の立上げ前に、ベルト2は適当な厚さに研磨される。研磨に先行する測定値に関する測定データを、ベルト2のための正しい厚さプロファイルを得るよう研磨機を設定するために用い得る。さらに、例えば、ベルト2の張力及び温度の変化は、間もなく、特にベルト2の縁部ゾーンにおいてベルトに対する損傷を引き起こす。これらの欠陥は、品質制御システムの他のパラメータを考慮して、丁度良いときに観察される。観察に基づいて、例えば最良のときにベルト2を交換し得る。
【0035】
よって、図2は、本発明の第二の特徴に従った方法を適用する装置1を示している。ここで、装置は、所望の処理効果をもたらすために、繊維状ウェブWを処理するために用いられる金属ベルトカレンダである。装置は、乾燥装置、フィルム移転装置、印刷装置等のような幾つかの他の処理装置でもあり得る。ベルトカレンダ1は、例えば、オンライン機器として紙又は板紙製造ラインに据え付けられ、或いは、それはオフライン機器として独立して動作する。装置1は、金属から成る無端ベルト2を含み、それはガイドロール3の周りを回転し、それらのガイドロールの少なくとも1つはベルト2の緊張を調節するために移動可能である。ベルト2によって形成されるループ状軌道の外側には、ベルトに対して配置され得る対向面を含む対向素子5が配置されている。対向素子5はバッキングロールであるのが好ましく、そのマントルの周りでベルト1が走るよう配置されている。バッキングロールは熱ロールであるのが好ましい。
【0036】
ベルト2とロール5マントルとの間には処理ゾーンAが形成され、処理されるべき繊維状ウェブWはそこを通じて供給される。次に、所望の圧力インパルス及び熱効果が、時間の関数として繊維状ウェブW上に加えられる。処理ゾーンAにおいて有効な処理パラメータを調節するための可能性は、本出願人の先行特許出願PCT/FI03/00066、PCT/FI03/00067、PCT/FI03/00068により詳細に記載されており、それはこの関係でより詳細には記載されない。
【0037】
例えば、バッキングロール5とニップNを形成するニップロール4によって、ベルト緊張に加えて、処理ゾーンの圧力/処理ゾーン内の圧力インパルスを調節可能である。その加熱及び冷却機器6aを用いてベルト2を加熱及び冷却することによって、処理ゾーン内の熱効果を調節可能であり、それは横方向のプロファイリングであり得る。同様に、ガイド手段3によって、金属ベルトに熱を供給し或いは熱を除去し得る。ベルト2の温度を制御することによって、ベルトの機械方向(MD)緊張の横方向分布(応力分布)も影響される。
【0038】
本発明によれば、ベルト2の温度を測定するために、装置1は、長手方向及び/又は横方向温度プロファイルを指し示すためにベルト2の温度を測定し得る手段を含む。測定手段70は、そのようなものとして既知の非接触測定技法、例えば、地点測定又は所謂線走査センサのいずれかであり得る赤外線技法を適用する温度センサを含む。この場合には、少なくとも1つのそのような温度センサが、ベルト2表面の近傍に、例えば、好ましくは2つのガイドロール3の間の領域内に位置する。温度センサ70は、好ましくは、処理ゾーンAの前方及び/又は処理ゾーンの後方にも位置し得る。さらに、もし冷却/加熱機器6a,6bがベルト2を冷却及び/又は加熱するために用いられるならば、測定機器70は冷却/加熱機器6aの前方及び/又は後方に位置し得る。
【0039】
繊維状ウェブWと接触するベルト2表面は、繊維状ウェブの品質特性を達成するために仕上加工及び研磨され、それは、それがサーモグラフカメラによる測定の対象として適さないことを意味する。本発明に従った方法において、この問題は、好ましくは、ベルトサイクルの内側上、即ち、繊維状ウェブWに対する「反対」側面上の温度を測定することによって解決される。金属ベルト2は非常に薄いので(通常約1mm以下のオーダ)、ベルトの平均温度は、ベルトの他の側面上の測定を遂行することによって、良好な精度で得られる。ベルト2のこの側面の放射率は、赤外線熱測定を成功裡に遂行し得るよう設定され得る。ベルトは、例えば、艶消仕上げを有するよう研磨され得る。金属ロール3と接触するときには、ベルト2の表面は研磨されず、「粗い」ままであることが分かった。
【0040】
本発明の1つの実施態様によれば、ベルトに対して横方向の温度プロファイルが得られるよう、温度測定はベルトの全幅に亘って遂行される。
【0041】
本発明のさらなる実施態様によれば、測定が常にベルトサイクル2上の長手方向における同一地点で遂行されるよう同期を適用することによって測定を遂行可能であり、それによって、ベルト2の温度を所望の長手位置で正確に決定し得る。
【0042】
本発明に従った方法は、ベルト2にポリマー被覆又は類似物が特に繊維状ウェブW側面上で用いられるときにも、金属ベルト2の温度測定に適用可能である。さらに、本発明に従った方法は、汚れがベルトの繊維状ウェブ側に付着する場合、或いは、摩耗の結果として表面粗さが変化する場合にも信頼性がある。
【0043】
本発明によって得られる測定データを幾つかの目的のために用い得る。例えば(ベルトの加熱及びプロファイリングを制御することによって)繊維状ウェブWの処理プロセスを制御するために、或いは、ベルトサイクルの走行を制御することによって、得られる測定データを用い得る。データは繊維状ウェブWの品質を制御するシステム10に送信されてもよく、それは、例えば、ベルト温度制御手段6a、繊維状ウェブの温度又は湿度を制御するための制御手段6b、バッキングロール温度制御手段5、圧縮力制御手段4、又は、ガイドロールの位置を制御するための制御手段3を含む(ベルト緊張)。システムは、繊維状ウェブの状態(温度、湿度、品質、光沢等)を監視するための測定手段13a、13bをさらに含む。ベルト2の温度及びその中で生じる変化に関する情報を、システム10と測定機器70との間の送信経路12に沿って、システム10に実時間で送信し得る。
【0044】
ベルト温度の測定値70の最も普通の用途は、ベルト温度のフィードバック制御の一部として測定値を用いることである。この場合には、ベルトの実際の温度は、測定センサ70を用いて監視され、この温度が所与の標的温度から逸脱するならば、コントローラ10は、標的温度に到達するまで受信される測定信号に基づいてアクチュエータ6aを制御する。例えばパイロット試験によって、標的温度を事前設定し得る。ベルトの標的温度はオンライン品質制御システムから実時間で得られ、それによって、コントローラは、繊維状ウェブの品質測定値(13a,13b)に基づいて、好ましいプロセス温度(ベルト温度)を決定し得る。よって、ベルト温度の制御は、より広範な制御システムの一部として作用する。
【0045】
ベルトサイクルの走行を制御するための本質的な用途は、ベルトを制御するのに測定信号70を使用することである。ベルトの温度プロファイルは、熱膨張を通じて不可避的に緊張プロファイルを生み、このプロファイルはベルトサイクルの走行に対する顕著な効果を有する。測定された温度プロファイルから、ベルトの機械方向緊張の横方向(CD)プロファイルを推定し得る。ベルトサイクルの走行は、主としてガイドロール3の位置を調節することによって制御され、よって、この調節は温度測定値に基づき得る。
【0046】
より一般的なレベルで、前記より広範な制御システムに関係する他の測定プロセス変数及びそれらの中の変化は、システム10に迅速に送信され得る。従って、ウェブの品質制御は、ベルト2温度測定機器70に加えて、繊維状ウェブの状態を測定するための手段13a,13b、アクチュエータ3,4,5,6a,6b、及び、品質制御システム10(コントローラ)を含むポジティブフィードバック及び/又はフィードバック制御で構成される。よって、品質制御の下で動作する各アクチュエータは、ベルト温度測定値のような品質測定値に基づいて、コントローラによって迅速に制御される。制御は、例えば、モデルに基づき得る。制御可能なアクチュエータは上記に列挙され、それらによって制御される被制御変数又は稼働パラメータは、例えば、ウェブの入力温度および湿度、ベルト緊張、ベルト温度、ベルト湿度、オーバーラップ角度及びベルト長、追加的負荷(ニップロール4)、及び、熱ロール(即ち、ロール5)の温度を含み得る。
【0047】
当然ながら、上述の調節は、横方向における平均標的値又は測定値のいずれかに関係し得るし、調節は測定値中の変動及び被制御変数を考慮に入れ得る、換言すれば、プロファイルは測定され且つ調節される。
【0048】
さらに、本発明に従った方法によって、ベルトの長手方向(MD)におけるベルト2の温度変動を特に観察し得る。測定値の取得をベルトのサイクル長と適切に同期することによって、測定位置を機械方向におけるベルト上の所望地点に制御された方法で変更し得る。このようにして、伝熱係数を減少する、ベルト又は伝熱ロールの局地的汚れのようなベルト温度における周期的プロセス欠陥を発見可能である。
【0049】
ベルトの機械方向温度プロファイルを調節するために、機械方向温度プロファイルの測定データは、(例えば位置6aの)誘導加熱器のような急速加熱アクチュエータを制御するためにも用いられ得る。
【0050】
本発明の1つの考え得る1つの用途は、ベルトを通じて送信される加熱/冷却効果の測定であり得る。温度センサを処理ゾーンの両側面に位置付けることによって、温度差からベルトと繊維状ウェブとの間に伝達される熱エネルギーを容易に計算し得る。ベルト2に対する冷却/加熱効果を調節し、よって、特に処理ゾーンAの処理温度を調節するようプロセス制御を助けるために、測定データを用い得る。エネルギー使用を監視するシステムにも測定されたデータを用い得る。
【0051】
さらに、図3に示される実施態様によれば、金属ベルトカレンダ1は、ガイドロール3を回転するよう配置された金属ベルト2を含む。ベルトの外側には、対向素子5として作用する熱ロールが配置され、それによって、ベルト2とロール5の間にカレンダリングゾーンが形成されている。ベルト2を所望の緊張に調節する目的のために、並びに、必要であれば、例えばロール5とベルト2との間のオーバーラップ角度を変えることによって、ベルト2と対向素子5との間の接触領域の長さを調節するために、ガイドロール3の少なくとも一部は、移動可能に配置されるのが好ましい。ベルトサイクル2の内部には、ベルト2をロール5に対して押圧する押圧手段として作用するニップロール4を選択的に配置し、よって、ニップゾーンのカレンダリングゾーン内に最高圧力を発生し得る。
【0052】
本発明によれば、金属ベルトカレンダ1内には、冷却媒体拡散手段6aから成る金属ベルト冷却機器6aが配置され、それによって、冷却媒体、例えば、空気又は水を金属ベルト2上の所望地点に向け得る。冷却媒体拡散手段6aは、図4に示されるように、金属ベルトの横方向に移動可能であるよう配置されるのが好ましいが、それらは金属ベルト2の幅に亘って延在する幾つかの吹付けノズル又は類似手段で構成されてもよく、それによって、冷却媒体の供給を所望な方法で金属ベルト2の幅に亘る異なる地点に向け得る。冷却媒体拡散手段6aは、図1及び2に示されるように、カレンダリングゾーンの前方の地点で、金属ベルトサイクル2の外側に配置されるのが好ましいが、それらがカレンダリングゾーンの後方の地点に位置し、金属ベルトサイクルの内部では、カレンダリングゾーンの前方又は後方の地点に位置することも考え得る。
【0053】
本発明の基本的着想は、温度プロファイルを可能な限り直線的にし、ベルトの疲労耐久性を増大するようベルトの横方向の異なる地点での優勢な引張応力をならすために、尾部スレッディングコードWの外側の領域において金属ベルトを冷却することである。冷却媒体として例えば水を使用するとき、並びに、ベルト温度が100℃を越えるとき、ベルト表面に吹き付けられた水は、本質的に直ちに蒸発し、それは、ニップ後にウェブから蒸発する水分と同様な方法で空調を用いて回復され得る。
【0054】
金属ベルトでの冷却媒体のこの種類の配向は、特にベルトの通常動作温度が熱ロールのそれよりも著しく低いときに、処理される紙又は板紙等級のための一層均一な品質を達成するのに役立つ。もしこの種類の冷却が用いられならば、冷却媒体サイクルが配置されないならば、ベルト及びベルトのガイドロールの双方は、熱ロールの温度近くまで温度上昇し、それによって、ウェブの拡散後、ベルト温度が本質的にウェブの温度まで下降する前に、かなり長時間かかるであろう。
【0055】
例えば、熱プロファイルを本質的に直線的にするために、冷却媒体吹付けが金属ベルトの最高温度地点にのみ向けられるよう、冷却媒体の吹付けはプロファイリングするよう配置されるのが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明に従った装置の一部の実施例を概略的に示す側面図である。
【図2】本発明に従った装置の他の実施例を概略的に示す側面図である。
【図3】本発明に従った装置の第三の実施例を概略的に示す側面図である。
【図4】図3の配置を示す上面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
繊維状ウェブを処理するための装置における稼働パラメータを制御するための方法であり、
前記処理装置は、ガイド手段の周りで回転するよう配置された無端の金属ベルトと、該金属ベルトと接触面を形成する少なくとも1つの対向素子とを含み、前記金属ベルトと前記対向素子との間には、繊維状ウェブのための処理ゾーンが形成され、処理されるべき前記繊維状ウェブは前記処理ゾーンを通過する方法であって、
前記金属ベルトの厚さ測定は、稼働期間中に、渦電流測定によって遂行されることを特徴とする方法。
【請求項2】
長手方向の厚さプロファイルを決定するために、前記金属ベルトは、本質的に連続的に測定されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
横方向の厚さプロファイルを決定するために、前記金属ベルトは、本質的に連続的に測定されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記金属ベルトの前記厚さに関する情報は、前記繊維状ウェブの品質を制御するためのシステムに組み込まれ、且つ、前記金属ベルトの前記厚さに関する情報は、前記繊維状ウェブの品質を制御する他の稼働パラメータ及び/又は前記金属ベルトの状態を監視するためのポジティブフィードバック情報として用いられることを特徴とする、請求項1乃至3のうちのいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
繊維状ウェブを処理するための装置における稼働パラメータを制御するための機器であり、
前記処理装置は、ガイド手段の周りで回転するよう配置された無端の金属ベルトと、該金属ベルトと接触面を形成する少なくとも1つの対向素子とを含み、前記金属ベルトと前記対向素子との間には、繊維状ウェブのための処理ゾーンが形成され、処理されるべき前記繊維状ウェブは前記処理ゾーンを通過し得る機器であって、
当該機器は、稼働期間中に、渦電流測定によって前記金属ベルトの厚さを測定し得る測定手段を含むことを特徴とする機器。
【請求項6】
前記金属ベルトの長手方向及び/又は横方向の厚さプロファイルを決定するために、1つ又はそれ以上の測定手段が、前記金属ベルトの進行方向に対して横方向に移動するよう適合されることを特徴とする、請求項5に記載の機器。
【請求項7】
前記金属ベルトの長手方向及び/又は横方向の厚さプロファイルを決定するために、幾つかの測定手段が、前記金属ベルトの進行方向に対して横方向に適合されることを特徴とする、請求項5又は6に記載の機器。
【請求項8】
前記測定手段は、前記金属ベルトに3つの異なる位相で渦電流を誘導するための三相磁界を形成し得る電磁発信器又はコイルと、前記渦電流に対応する電圧が誘導される受信器又は測定コイルとを含み、前記渦電流は前記金属ベルトの厚さと相関することを特徴とする、請求項5乃至7のうちいずれか1項に記載の機器。
【請求項9】
前記測定手段は、前記繊維状ウェブの品質を制御するシステムに接続され、前記金属ベルトの前記厚さに関する情報は、前記繊維状ウェブの品質を制御する他の稼働パラメータ及び/又は前記金属ベルトの状態を監視するためのポジティブフィードバック情報としての用い得ることを特徴とする、請求項5乃至8のうちいずれか1項に記載の機器。
【請求項10】
繊維状ウェブを処理するための装置における稼働パラメータを制御するための方法であり、
前記処理装置は、ガイド手段の周りで回転するよう配置された無端の金属ベルトと、該金属ベルトと接触面を形成する少なくとも1つの対向素子とを含み、前記金属ベルトと前記対向素子との間には、繊維状ウェブのための処理ゾーンが形成され、処理されるべき前記繊維状ウェブは前記処理ゾーンを通過する方法であって、
前記繊維状ウェブの特性の測定は、稼働期間中に測定手段によって遂行され、前記繊維状ウェブの特性に関する情報は、前記繊維状ウェブの品質を制御するシステムに組み込まれ、前記繊維状ウェブの特性に関する情報は、前記繊維状ウェブの品質を制御する他の稼働パラメータのためのフィードバック及び/又はポジティブフィードバック情報として用いられることを特徴とする方法。
【請求項11】
前記測定手段は、少なくとも、前記繊維状ウェブの温度、湿度、品質、光沢、粗さ、空気透過性、及び/又は、曲げ剛性を測定するために用いられることを特徴とする、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
繊維状ウェブを処理するための装置における稼働パラメータを制御するための機器であり、
前記処理装置は、ガイド手段の周りで回転するよう配置された無端の金属ベルトと、該金属ベルトと接触面を形成する少なくとも1つの対向素子とを含み、前記金属ベルトと前記対向素子との間には、繊維状ウェブのための処理ゾーンが形成され、処理されるべき前記繊維状ウェブは前記処理ゾーンを通過し得る機器であって、
当該機器は、稼働期間中に前記繊維状ウェブの特性を測定し得る測定手段を含み、該測定手段は、前記繊維状ウェブの品質を制御するシステムに接続され、前記繊維状ウェブの特性に関する情報を、前記繊維状ウェブの品質を制御する他の稼働パラメータのためのフィードバック及び/又はポジティブフィードバック情報として使用し得ることを特徴とする機器。
【請求項13】
測定される前記繊維状ウェブの特性は、少なくとも、温度、湿度、品質、光沢、粗さ、空気透過性、及び/又は、曲げ剛性を含むことを特徴とする、請求項12に記載の機器。
【請求項14】
繊維状ウェブを処理するための装置の内部のベルトの温度を測定するための方法であり、
前記処理装置は、ガイド手段の周りで回転するよう配置された無端の金属ベルトと、該金属ベルトと接触面を形成する少なくとも1つの対向素子とを含み、前記金属ベルトと前記対向素子との間には、繊維状ウェブのための処理ゾーンが形成され、処理されるべき前記繊維状ウェブは前記処理ゾーンを通過する方法であって、
前記ベルトの温度は、稼働期間中に、前記繊維状ウェブに対する前記ベルトの反対側から非接触的な方法で測定されることを特徴とする方法。
【請求項15】
長手方向の温度プロファイルを決定するために、前記ベルトは本質的に連続的に測定されることを特徴とする、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
横方向の温度プロファイルを決定するために、前記ベルトは本質的に連続的に測定されることを特徴とする、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記ベルトの温度が特定地点で得られるよう、前記温度は同期的方法で測定されることを特徴とする、請求項14に記載の方法。
【請求項18】
前記測定された温度は、前記ベルトの温度を調節するためのフィードバックとして用いられることを特徴とする、請求項14に記載の方法。
【請求項19】
前記ベルトの温度に関する情報が、プロセスを制御するシステムの内部に組み込まれ、前記ベルトの温度に関する情報が、前記繊維状ウェブの品質を制御する他の稼働パラメータのためのポジティブフィードバック情報として使用されることを特徴とする、請求項14乃至18のうちいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
前記ベルトの温度に関する情報が、プロセスを制御するシステムの内部に組み込まれ、前記ベルトの温度に関する情報が、前記ベルトサイクルの運転を制御するために並びに前記ベルトの状態を監視するために用いられることを特徴とする、請求項14乃至18のうちいずれか1項に記載の方法。
【請求項21】
前記ベルトとして、金属、ポリマー、若しくは、サンドウィッチ型ベルト、ワイヤ、フェルト、又は、類似物が用いられることを特徴とする、請求項14乃至20のうちいずれか1項に記載の方法。
【請求項22】
繊維状ウェブを処理するための装置の内部のベルトの温度を測定するための機器であり、
前記処理装置は、ガイド手段の周りで回転するよう配置された無端の金属ベルトと、該金属ベルトと接触面を形成する少なくとも1つの対向素子とを含み、前記金属ベルトと前記対向素子との間には、繊維状ウェブのための処理ゾーンが形成され、処理されるべき前記繊維状ウェブは前記処理ゾーンを通過する機器であって、
当該機器は、稼働期間中に、前記繊維状ウェブに対する前記ベルトの反対側から非接触的な方法で前記ベルトの温度を測定するための手段を含むことを特徴とする機器。
【請求項23】
前記ベルトの長手方向及び/又は横方向の温度プロファイルを決定するために、1つ又はそれ以上の測定手段が、前記ベルトの進行方向に対して本質的に横方向に移動可能であるよう配置されることを特徴とする、請求項22に記載の機器。
【請求項24】
1つ又はそれ以上の測定手段が、前記ベルトの進行方向に連続的に配置され、これらの地点間の温度差を測定することを特徴とする、請求項22に記載の機器。
【請求項25】
前記測定手段は、前記繊維状ウェブの品質を制御するシステムに接続され、前記ベルトの温度に関する情報が、前記繊維状ウェブの品質を制御する他の稼働パラメータのためのポジティブフィードバック情報としての使用のために、及び/又は、前記ベルトの状態を監視するために利用可能であることを特徴とする、請求項22乃至24のうちいずれか1項に記載の機器。
【請求項26】
前記ベルトは、金属、ポリマー、若しくは、サンドウィッチ型、ワイヤフェルト、又は、類似物から成ることを特徴とする、請求項22乃至25のうちいずれか1項に記載の機器。
【請求項27】
繊維状ウェブのスレッディング期間中に繊維状ウェブを処理することを目的とする金属ベルトカレンダのベルトの温度プロファイル及び引張応力を制御することよって、狭い尾部スレッディングコードが前記繊維状ウェブよりも高い温度を有する金属ベルトと接触するよう移動され、よって、金属ベルトに冷却効果をもたらす方法であって、
前記金属ベルトのための本質的に均一な温度プロファイルを得るために、前記金属ベルトは、それが前記尾部スレッディングコードと接触する領域の外側の地点で冷却媒体で冷却されることを特徴とする方法。
【請求項28】
前記金属ベルトが加熱されないとき、前記金属ベルトカレンダの対向素子は加熱された熱ロールとして用いられ、それによって、それらの間に繊維状ウェブがない状態で前記加熱された熱ロールと接触するときに前記金属ベルトは加熱されることを特徴とする、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記冷却媒体は、液体又は液体混合物であることを特徴とする、請求項27又は28に記載の方法。
【請求項30】
前記冷却媒体は、水であることを特徴とする、請求項27又は28に記載の方法。
【請求項31】
前記冷却媒体は、ガス又はガス混合物であることを特徴とする、請求項27又は28に記載の方法。
【請求項32】
前記冷却媒体は、空気であることを特徴とする、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記冷却は、冷却媒体効果が前記金属ベルトの最高温度地点にのみ向けられるよう、プロファイリングされるよう配置されることを特徴とする、請求項27乃至32のうちのいずれか1項に記載の方法。
【請求項34】
繊維状ウェブのスレッディング期間中に繊維状ウェブを処理することを目的とする金属ベルトカレンダのベルトの温度プロファイル及び引張応力を制御するための機器であり、
前記金属ベルトカレンダは、少なくとも1つのガイドロールの周りを回転するよう配置されたベルトを含み、該ベルトの外側には、前記ベルトと接触面を形成する少なくとも1つの対向素子が配置されることで、前記金属ベルトと前記対向素子との間に前記繊維状ウェブのための処理ゾーンが形成され、処理されるべき前記繊維状ウェブは前記処理ゾーンを通過し、それによって、狭い尾部スレッディングコードが、前記繊維状ウェブよりも高い温度を有する前記金属ベルトと接触するよう移動されるときに、前記金属ベルトは前記コードで冷却する機器であって、
当該機器は、前記金属ベルトのための本質的に均一な温度プロファイルを得るために、冷却媒体が前記尾部スレッディングコードと接触する領域の外側の地点で前記金属ベルトを冷却媒体で冷却するための手段を含むことを特徴とする機器。
【請求項35】
前記冷却手段は、前記金属ベルト内の所望地点に向けられ得る冷却媒体吹付け手段を含むことを特徴とする、請求項34に記載の機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2007−514067(P2007−514067A)
【公表日】平成19年5月31日(2007.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−543567(P2006−543567)
【出願日】平成16年12月8日(2004.12.8)
【国際出願番号】PCT/FI2004/050180
【国際公開番号】WO2005/056921
【国際公開日】平成17年6月23日(2005.6.23)
【出願人】(507009216)メッツォ ペーパー インコーポレイテッド (76)
【Fターム(参考)】