説明

缶のピンホール検査方法及び検査装置

【課題】検査の信頼性を向上させることができる缶のピンホール検査方法及び検査装置を提供する。
【解決手段】光源16、18を制御してON、OFFを交互に繰り返させて、缶15の開口部が光検出センサ1の受光面を通過する間に、該光源16、18のON及びOFFのタイミングにおける缶15の内部の光量を測定する光検出センサ1の出力を検出し、ピンホールの有無及びピンホール検査の異常を検出するに際し、光源16、18をON状態とさせる制御信号を送出した際に、缶15の外部に設けられた点灯確認センサ6によって光源16、18の点灯を検出することができなかった場合に異常と判断する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、アルミニウム(合金)板等を成形して缶を製造する工程において、成形された缶のピンホール検出による不良缶の判別及びピンホール検査の異常の検知を行う缶のピンホール検査方法及び検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ピンホール検査装置には、缶に外部から光を照射し、内部に漏れる光を缶の開口部に対向するセンサによって検出して、その検出量に基づいてピンホールの有無を判別する方法が用いられている。例えば特許文献1に記載のピンホール検査装置は、缶の開口部がセンサの検査領域を通過する間に缶を照射する光源を制御し、その光源のON、OFFの状態における缶内部の光を複数回計測して、計測値が閾値を超えているか否かの判断結果の組み合わせによりピンホールの有無及びピンホール検査の異常を検知している。一方、検出が容易な光としては、発光ダイオードによって発生するものが用いられている。この発光ダイオードは自らの抵抗により発生するジュール熱によってその寿命を縮めてしまうが、このピンホール検査装置では発光ダイオードを点滅させることによって発熱を抑えて寿命を延ばしている。
【特許文献1】特開2004−294369号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、前記のピンポール検査装置においては、ピンホールを有する不良缶の場合には光源からの光がこのピンホールを通過して缶内部に入り込み、これをセンサで検出することによって不良缶であることを判断する。従って、缶内部において光を検出できなかった場合にはピンホールが無く良缶であると判別されることになるため、万一、光源が故障等によって光を発さなくなった場合には、ピンホールを有する不良缶が検査対象であっても、缶内部において光が検出されることがないため良缶と誤判断されてしまうという問題があった。
【0004】
この発明はこのような事情に鑑みて、光源が故障した場合に光が内部に届かないことをもって不良缶を良缶と判断することがなく、検査の信頼性を向上させることができる缶のピンホール検査方法及び検査装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の前記課題を解決するため、この発明は以下の手段を提案している。
即ち、本発明に係る缶のピンホール検査方法は、光源を制御してON、OFFを交互に繰り返させて、缶の開口部が光検出センサの受光面を通過する間に、該光源のON及びOFFのタイミングにおける前記缶の内部の光量を測定する前記光検出センサの出力を検出し、ピンホールの有無及びピンホール検査の異常を検出する缶のピンホール検査方法において、前記光源をON状態とさせる制御信号を送出した際に、前記缶の外部に設けられた点灯確認センサによって前記光源の点灯を検出することができなかった場合は異常と判断することを特徴としている。
【0006】
直接的に光源からの照射を受ける缶の外部に点灯確認センサを設けて、光源を点灯させるために該光源に対してON状態とする制御信号を送出したにもかかわらず、点灯確認センサによって光源の点灯を検出することができなかった場合には、光源が異常であると判断する構成としている。これによって、光源が故障して点灯しない場合に不良缶を良缶と誤判断することを防止することができるとともに、缶内部において光検出センサが光を検出しなかった際に、これが光源の故障に起因していることを速やかに検知することができる。
【0007】
また、本発明に係る缶のピンホール検査方法は、前記缶の外部に設けられた点灯確認センサによって検出する前記光源のON、OFFと、光検出センサによる前記缶の内部における該光源のON、OFFに対応する光量の検出とのタイミングにずれが生じた場合に、ピンホール検査の異常と判断することを特徴としている
【0008】
光源のON、OFFのタイミングとセンサ出力を検出するタイミングとにずれが生じてピンホールを通じて光が内部に届かない場合に、それがタイミングのずれによるものであることを検出するので、ピンホール有りの不良缶を良品と判断することが抑制され、検査の信頼性を向上させることができる
【0009】
本発明に係る缶のピンホール検査装置は、ON、OFFが交互に繰り返される光源と、缶の開口部が受光面を通過する間に前記光源のON及びOFFのタイミングにおける前記缶の内部の光量を測定する前記光検出センサとを備え、前記光検出センサの出力に基づいてピンホールの有無を検出する缶のピンホール検査装置において、前記光源をON状態とさせる制御信号を送出した際に、光源が点灯しなかった場合を異常と判断する点灯確認手段が設けられたことを特徴としている。
【0010】
また、本発明に係るピンホール検査装置は、前記光源のON、OFFと、前記光検出センサによる前記缶の内部における該光源のON、OFFに対応する光量の検出とのタイミングのずれを検出するタイミング異常検出手段を備え、前記タイミング異常検出手段は、光源のON、OFFのタイミングを送出するタイミング回路と、前記タイミング回路からのタイミングに基づき前記光源を点灯させる照明制御回路と、前記点灯確認手段が検出する前記光源の点灯のタイミングと、前記タイミング回路から送出されるタイミングとのずれを判別する判別回路とを備えていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る缶のピンホール検査方法及び検査装置によれば、缶の外部に設けられた点灯確認センサで光源の点灯を検出することによって、光源が故障した場合に光が内部に届かないことをもって不良缶を良缶と判断することが防止されるため、光源が故障した場合の検査のミスを避けることができ、検査の信頼性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明に係る缶のピンホール検査方法及び検査装置の実施形態について図面を参照して説明する。図1は本発明に係るピンホール検査装置の縦断面の概略図、図2は本実施形態に係るピンホール検査方法の構成を示す図、図3はピンホール検出処理の流れを説明する図、図4はセンサの出力波形と出力レベル検出を説明する図である。検査対象となる缶は、例えば、図1に示すようなピンホール検査装置によって検査される。
【0013】
図1に示すように、検査対象の缶15は、スターホイール(搬送機構)19、20の缶固定部に乗せられ、缶底をスピンドル17によって保持されている。ターレット13、スターホイール19、20は、軸21によって回転しながら複数の缶を搬送する。スターホイール19、20が回転して缶15を搬送し、缶15の開口部が光検出センサ1の受光面を通過する時間、光検出センサ1は缶15の内部の光を検出する。
【0014】
光源16は、軸21に平行に延びるように設けられて缶15の上部外周面を照射しており、光源18は、軸21に直行する向きに延びるように設けられて缶15の下部外周面を照射している。また光源16、18には、直列に接続された応答速度が速いLEDが配列されたものが用いられており、缶15の外周面に均一に光を照射できるように構成されている。また、これら光源16、18による缶15の照射を遮らない位置であって、缶15外部における光源16、18からの光の照射を受ける箇所には点灯確認センサ6が設けられている。また、缶15内部の光検出精度を高めるために、ターレット13に装着されたシール14と光検出センサ1の支持部11に装着されたシール12が配設されており、これによってシール12とターレット13との間の摺動部分から光が漏れることを防いでいる。
【0015】
光検出センサ1としては光電子倍増管等の光学センサが用いられ、該光検出センサ1は、金属板を深絞り加工、または絞りしごき加工して成形された缶に発生したピンホールから缶内部に通過した微弱な光や光検出部分からの光漏れを検出する。そして、検出した信号を増幅し、時定数回路を通して高周波数成分を除去した後、図2に示す判別回路2に出力する構成とされている。
【0016】
判別回路2は、光検出センサ1の出力レベルが予め設定した閾値を越えているか否かを判別する役割を有している。該判別回路2は、検査対象の缶の開口部が光検出センサ1の受光面を通過する時間内において、後述するタイミング回路3のタイミング指令に応じて複数回光検出センサ1の出力を検出し、閾値との比較を行う。また、光源16、18も、タイミング回路3のタイミング指令に基づいて、それぞれ等しい時間幅でON、OFF状態を繰り返すように制御されており、判別回路2は、このON、OFFのそれぞれの状態の時間幅の例えば中央における光検出センサ1の出力を検出するようにタイミング回路3からタイミング指令を受けている。なお、このように光検出センサ1の出力を検出するタイミングは、ON、OFFのそれぞれの時間幅の範囲内ならば中央に限らずどこであってもよい。また、ON、OFFの時間幅は、缶15を保持し搬送するスターホイール19、20の早さ及び缶15が搬送される区間に応じて適宜設定される。
【0017】
タイミング回路3は、判別回路2において光検出センサ1の出力を検出してその出力レベルと閾値を比較するタイミングを決めるタイミング指令を送出するとともに、照明制御回路4に対して光源16、18を制御するタイミング指令を送出している。即ち、タイミング回路3は、照明制御回路4に対しては光源16、18を一定のタイミングでON、OFFを繰り返すタイミング指令を送出し、判別回路2に対しては、光源16、18がON、OFFの状態のそれぞれの時間幅の例えば中央において、光検出センサ1の出力検出及び閾値との比較を行うように動作させるタイミング指令を送出している。
【0018】
照明制御回路4はタイミング回路3から入力された信号により光源16、18に対してON、OFFを制御する制御信号を出力するとともに、光源16、18がON状態又はOFF状態となるように制御されていることを示す信号を照明点灯確認回路5に送出している。
【0019】
点灯確認センサ6は、光検出センサ1と同じく光電子倍増管等の光学センサが用いられ、検査対象となる缶の外部において光源16、18のそれぞれに対応して配置されて該光源16、18からの光を検出し、照明点灯確認回路5に出力している。そして、照明点灯確認回路5は、照明制御回路4から送出される光源16、18がON状態又はOFF状態となるように制御されていることを示す信号と、点灯確認センサ6の出力とを比較して、光源16、18が照明制御回路4からの制御信号に対応するように正常に点灯又は消灯しているかを確認する役割を有している。このとき、照明制御回路4が高原16、18に対して、ON状態となる制御信号を送出しているにもかかわらず、点灯確認センサ6の出力レベルが光源点灯時の出力レベルに達していない場合には、光源16、18に異常が生じたと判断され、照明点灯確認回路5は装置停止信号を発する。
【0020】
また、照明点灯確認回路5は、光源16、18が、照明制御回路4の制御信号に基づいて正常に点灯している場合、即ち、照明制御回路4からの信号に応じて点灯確認センサ6の出力レベルが適当な場合には、判別回路2に対して、点灯確認センサ6の出力に基づいて、光源16、18のON状態又はOFF状態を示す信号を送出する。また、この照明点灯確認回路5と、点灯確認センサ6とで点灯確認手段9を構成している。
【0021】
判別回路2は前述の役割に加えて、照明点灯確認回路5からの光源16、18のON状態又はOFF状態を示す信号に基づいて、光検出センサ1からの出力を検出し該検出値と閾値を比較する計3回の検出・比較動作の時点が、光源16、18のON、OFF、ONに対応するそれぞれの状態の時間幅内にあるものかどうかを判断し、いずれかの検出・比較動作が、対応する光源16、18のON又はOFF状態の時間幅内に無いと認められた場合には、この判別回路2の3回の動作と光源16、18のON、OFF、ONの状態のタイミングがずれており検査が異常であると判断し、異常信号を出力する。また、この判別回路2、タイミング回路3、照明制御回路4、点灯確認手段9とからタイミング異常検出手段10が構成されている。
【0022】
また、判別回路2の3回の動作と光源16、18のON、OFF、ONのタイミングが正常である場合には、記憶回路7によって、該判別回路2における3回の検出値と閾値の比較による判別結果が記憶され、記憶処理回路8によって、記憶回路7から読み出した判別結果に基づいて、缶を処理する制御信号が出力される。
【0023】
図4は、上述のピンホール検査装置に装着した光検出センサ1の出力信号を示す図である。光検出センサ1は、高感度であり暗電流や残留ノイズが存在し、光入力が無い場合、図4(A)に示す信号30が出力される。Pはピンホールからの光があるか否かを判別する閾値である。時間Ta−Tbは、缶15が移動して光検出センサ1の検査領域に入るまでの時間であり、Tb−Teは、缶15が光検出センサ1の検査領域内にある時間である。また、Te−Tfは、缶15が光検出センサ1の検査領域を離れ次の缶が検査領域に入るまでの時間である。
【0024】
また、缶15にピンホールがある場合、光検出センサ1の出力信号は、図4(B)に示す波形31となる。同図に示すように、光検出センサ1の出力レベルは、光源16、18がONの状態の時間Tb−Tc、Td−Teに閾値Pを越える。光源16、18がOFFになる時間Tc−Tdには、出力レベルは閾値P以下になる。判別回路2は、時間Tb−Tc、Tc−Td、Td−Teにおける光検出センサ1の出力レベルを時間t1、t2、t3において検出し、閾値Pと比較する。そして、出力レベルが、閾値Pを越えている場合、信号“1”を出力し、閾値P以下の場合、信号“0”を出力する。
【0025】
次に、図2から図4を参照して、本実施の形態の動作を説明する。図2は、缶のピンホール検査の処理の流れを示す図である。まず、タイミング回路3が照明制御回路4に対して、缶15が光検出センサ1の検査領域にあるTb−Tcの時間、光源16、18をONにして、TcでOFFにするようにする制御を行わせるタイミング指令を送出する。さらに、TdにONにしてTd−TeをONの状態にするタイミング指令を送出し、照明制御回路4はこのタイミング指令に基づいて光源16、18を点灯及び消滅させる制御信号を送出する(ステップ10)。
【0026】
照明制御回路4はこの光源16、18への制御信号と同時に、光源16、18がON状態又はOFF状態となるように制御されていることを示す信号を照明点灯確認回路5に送出する。この信号に基づいて照明点灯確認回路5は検査用照明である光源16、18の点灯を確認する(ステップS11)。即ち、光源16、18がON状態となるように制御されていることを示す信号を受けているにもかかわらず、点灯確認センサ6の出力レベルが光源点灯時の出力レベルに達していない場合には、光源16、18の異常と判断して、装置停止信号を送出し、装置の稼動が停止される(ステップS12)。一方、光源16、18に異常がなく、照明制御回路4の制御信号によって光源16、18が正常に点灯している場合には、装置が停止されることはなく、照明点灯確認回路5は判別回路2に対して、点灯確認センサ6の出力をもとに、光源16、18がON状態又はOFF状態であることを示す信号を送出する。
【0027】
また、光検出センサ1は、光源16、18が制御された状態における缶15の内部の光を検出して増幅し、高周波成分を除去した後に出力する(ステップS13)。そして、判別回路2は、光検出センサ1の出力を、タイミング回路3から供給されたタイミング信号に基づき、時間t1、t2、t3において検出する(ステップS14)。このとき、判別回路2は、照明点灯確認回路5からの、光源16、18がON状態又はOFF状態であることを示す信号と比較して、タイミング指令に基づく光検出センサ1の出力を検出した時間t1、t2、t3が、それぞれON、OFF、ONの3つの状態における時間幅内に収まっているか否かを判断する(ステップ15)。即ち、判別回路2は、光検出センサ1の出力の検出時点と、光源16、18のON、OFF、ONとのタイミングが正常か否かを判断している。
【0028】
例えば、図4(C)に示す場合には光源16、18の点灯のタイミングにずれが生じており、通常は光源16、18がON状態で点灯している間の光検出センサ1の出力を検出するタイミングであるt1、t3において、光源16、18が点灯していないため、照明点灯確認回路5からは光源16、18がOFF状態であることを示す信号を受ける。このときは、光検出センサ1の出力の検出時点と、光源16、18のON、OFF、ONとのタイミングにずれが生じて適正な検査ができないとして、判別回路2は、異常信号を出力し、検査異常の場合の処理を行う(ステップS16)。
【0029】
一方、光検出センサ1の出力を検出と、光源16、18のON、OFFとのタイミングが正常である場合には、時間t1、t2、t3における光検出センサ1の出力の検出値を、閾値Poと比較する(ステップS17)。缶にピンホールが無い場合、光検出センサ1の出力は、図4(A)に示す波形30となり、時間t1、t2、t3において比較結果は“0”になり、信号“000”が出力される。缶にピンホールが有る場合、光検出センサ1の出力は図4(B)に示す波形31となり、信号“101”が出力される。
【0030】
記憶回路7は、判別回路2の出力信号を記憶する(ステップS18)。記憶処理回路8は、記憶回路7に記憶された時間Tb−Teのt1、t2、t3における判別結果を読み出し(ステップS19)、読み出した信号の組み合わせによりピンホールの有無を判別する(ステップS20)。読み出した信号のうち“0”が2つ以上の場合、缶にピンホールが無いと判別し(ステップS20:YES)、良缶として処理する制御信号を出力する(ステップS21)。
【0031】
一方、“1”が2つ以上の場合、缶にピンホールが有る、あるいは検査に異常が有ると判断し(ステップS20:NO)、ステップS22に進む。ステップS22では、記憶回路7から読み出した信号が“101”の場合、検査異常ではなく缶にピンホールが有ると判別し(ステップS22:NO)、ステップS19に進み不良缶として処理する制御信号を出力する。
【0032】
光検出部分からの光漏れ、缶15の保持状態の不良などによる外乱があり、検査異常の状態の場合は、ステップS20、S22において次のように処理される。シール12によってターレット13の回転による摺動部分からの光漏れを防ぐ構造になっているが、シール12、14の劣化や缶15の保持状態によって光漏れを起こす場合がある。光漏れが発生したときの光検出センサ1の出力波形は、図4(D)の波形33のようになる。この場合、光源16、18がOFF(Tc−Td)のときも、検査環境からの外乱により閾値Poを越える光が漏れ込み、判別回路2の出力は、“111”になる。
【0033】
記憶処理回路8は、記憶回路7から、この信号“111”を読み出し、テップS20において、ピンホール有り、あるいは検査異常と判断する。さらに、ステップS22では、信号が“111”であることから、光漏れなどの外乱があり、検査異常の状態にあると判断して(ステップS22:YES)、検査異常の場合の処理を行う(ステップS23)。
【0034】
以上のように、本実施形態の缶のピンホール検査装置においては、直接的に光源16、18からの照射を受ける缶の外部に点灯確認センサ6を設けて、光源16、18を点灯させるために照明制御回路4が該光源16、18に対してON状態とする制御信号を送出したにもかかわらず、点灯確認センサ6によって光源16、18の点灯を検出することができなかった場合には、光源16、18が異常であると判断して、装置自体を停止させる構成としている。従って、缶15内部において光検出センサ1が光を検出せず、判別回路2が信号“000”を出力した場合であっても、これが光源16、18の故障に起因していることを速やかに検知し、装置を停止させることができるため、検査ミスの拡大を防ぎ、検査の信頼性を向上させることが可能となる。
【0035】
また、図4(C)に示すように、例えばタイミング回路3の不具合等によって、光源16、18のON、OFFのタイミングにずれが生じた場合であっても、判別回路2が時間1t、t2、t3における光源16、18のON、OFFの状態を把握することによって異常であることを判断することができるため、不良缶を良缶と判別することを抑制することができ、検査の信頼性を向上させることができる
【0036】
以上、本発明の実施の形態である缶のピンホール検査方法及び検査装置について説明したが、本発明はこれに限定されることなく、その発明の技術的思想を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】ピンホール検査装置の縦断面の概略図である。
【図2】本発明の実施の形態によるピンホール検出部の構成を示す図である。
【図3】ピンホール検出処理の流れを説明する図である。
【図4】センサの出力波形と出力レベル検出を説明する図である。
【符号の説明】
【0038】
1 光検出センサ
2 判別回路
3 タイミング回路
4 照明制御回路
5 照明点灯確認回路
6 点灯確認センサ
9 点灯確認手段
10 タイミング異常検出手段
15 缶

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源を制御してON、OFFを交互に繰り返させて、缶の開口部が光検出センサの受光面を通過する間に、該光源のON及びOFFのタイミングにおける前記缶の内部の光量を測定する前記光検出センサの出力を検出し、ピンホールの有無を検出する缶のピンホール検査方法において、
前記光源をON状態とさせる制御信号を送出した際に、前記缶の外部に設けられた点灯確認センサによって前記光源の点灯を検出することができなかった場合は異常と判断することを特徴とする缶のピンホール検査方法。
【請求項2】
前記缶の外部に設けられた点灯確認センサによって検出する前記光源のON、OFFと、光検出センサによる前記缶の内部における該光源のON、OFFに対応する光量の検出とのタイミングにずれが生じた場合に、ピンホール検査の異常と判断することを特徴とする請求項1に記載の缶のピンホール検査方法。
【請求項3】
ON、OFFが交互に繰り返される光源と、缶の開口部が受光面を通過する間に前記光源のON及びOFFのタイミングにおける前記缶の内部の光量を測定する前記光検出センサとを備え、前記光検出センサの出力に基づいてピンホールの有無を検出する缶のピンホール検査装置において、
前記光源をON状態とさせる制御信号を送出した際に、光源が点灯しなかった場合を異常と判断する点灯確認手段が設けられたことを特徴とする缶のピンホール検査装置。
【請求項4】
前記光源のON、OFFと、前記光検出センサによる前記缶の内部における該光源のON、OFFに対応する光量の検出とのタイミングのずれを検出するタイミング異常検出手段を備え、
前記タイミング異常検出手段は、
光源のON、OFFのタイミングを送出するタイミング回路と、
前記タイミング回路からのタイミングに基づき前記光源を点灯させる照明制御回路と、
前記点灯確認手段が検出する前記光源の点灯のタイミングと、前記タイミング回路から送出されるタイミングとのずれを判別する判別回路とを備えていることを特徴とする請求項3に記載の缶のピンホール検査装置。







【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−25131(P2009−25131A)
【公開日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−188095(P2007−188095)
【出願日】平成19年7月19日(2007.7.19)
【出願人】(390004879)三菱マテリアルテクノ株式会社 (201)
【Fターム(参考)】