説明

缶の二重巻締め部構造

【課題】薄肉の缶蓋材を使用して、確実に密封性を確保し得る強度を有する缶の二重巻締め部構造を提供する。
【解決手段】板厚が0.235mm以下の蓋材が用いられ、チャックウォール24の上端からボディーフック22の折り返し部分を覆うシーミングパネル25が連続し、その外周縁から下方に向けて延びるシーミングウォール28が配置され、その下端縁から連続するカバーフック31がボディーフック22と胴体部3との間に下方から入り込んでなり、カバーフック31の上端よりも上方であって缶蓋23のシーミングウォール28の上部およびその内周側に位置する缶胴21のボディーフック22の上部のそれぞれに、内周面の上方側が小径となる段差部32,33が、半径方向の突出量が蓋材の板厚の1/16以上1/2以下となるように形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は缶胴の開口端部に缶蓋の外周部を二重に巻締めてなる缶の二重巻締め部構造に関する。
【背景技術】
【0002】
清涼飲料等が充填される缶においては、有底円筒状の缶胴の開口部に缶蓋の外周部が二重巻締めされている。このような缶の二重巻締め部は、予め、缶胴の開口端部にフランジ部を形成するとともに、缶蓋の外周部にカール部を形成しておき、缶胴のフランジ部に缶蓋のカール部を被せた状態でこれらを一体に外側にカールさせ、缶蓋のカール部を缶胴のフランジ部の外方から鉤状に折り返しながら抱き合わせるようにして巻き込んで、その巻込み部分をさらに半径方向外方から押しつぶすように押圧することにより、缶蓋のカール部内面に塗布されたコンパウンドを缶胴と缶蓋との間に圧縮状態に介在させて密封した構造とされる。
【0003】
具体的には、缶胴側においては、フランジ部が折り返されてなるボディーフックが胴体部の半径方向外側に上端から下方に向けて形成されており、缶蓋側においては、缶胴の胴体部内に入り込んだチャックウォールの上端からボディーフック上端の折り返し部分を覆うシーミングパネルが連続し、そのシーミングパネルの外周縁から下方に延びるシーミングウォールがボディーフックの半径方向外側に配置され、そのシーミングウォールの下端縁から鉤状に折り返して連続するカバーフックがボディーフックと缶胴の胴体部との間に下方から入り込んだ構造とされる。
【0004】
近年では、コスト低減等のため、缶蓋材を薄肉化することが求められている。このような薄肉の缶蓋材による二重巻締め部構造として、例えば特許文献1には、缶蓋のチャックウォールとシーミングパネルとの間のシーミングパネルラジアスの半径が、シーミングパネルとシーミングウォールとの間のシーミングウォールラジアスの半径よりも小さい構造としたものが開示されている。この場合、シーミングウォールラジアスの内半径は0.2mm以下、外半径と内半径との差に対する内半径の比が3/4以下であるとよいと記載されている。
【0005】
このような構造とすることにより、缶蓋材を薄肉にしても、シーミングウォールラジアスの変形量が小さく、巻締め部が緩むことはない、とされている。特許文献1には、0.25mmの板厚の缶蓋による実施例が示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−331139号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
缶蓋材の薄肉化の要求はますます強くなってきており、特許文献1記載の0.25mmの板厚から、さらに0.23mm以下の板厚のものが検討されている。しかしながら、薄肉化によって缶蓋が変形しやすくなると、たとえば容器内圧の変化によって缶蓋が缶胴に対して持ち上がるなどして、密封性が低下するおそれがある。このため、二重巻締め部の変形強度をさらに高めて、密封性を確実に維持できることが要求される。
【0008】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、薄肉の缶蓋材を使用して、確実に密封性を確保し得る強度を有する缶の二重巻締め部構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の缶の二重巻締め部構造は、板厚が0.235mm以下の蓋材を用いて形成した缶蓋を缶胴に巻締めてなる、缶の二重巻締め部構造であって、前記缶胴には、有底円筒状の胴体部の上端から折り返されてなり前記胴体部の半径方向外側に配置されたボディーフックが設けられ、前記缶蓋には、前記缶胴の前記胴体部内に入り込んだチャックウォールと、このチャックウォールの上端から連続し前記ボディーフックの折り返し部分を覆うシーミングパネルと、このシーミングパネルの外周縁から下方に向けて伸び前記ボディーフックの半径方向外側に配置されたシーミングウォールと、このシーミングウォールの下端から折り返されてなり前記ボディーフックと前記胴体部との間に下方から入り込んで上方に向けて延びるカバーフックとが設けられ、前記カバーフックの上端よりも上方であって前記缶蓋の前記シーミングウォールの上部に、内周面の上方側が小径となる第1段差部が、半径方向の突出量が前記蓋材の前記板厚の1/16以上1/2以下となるように形成されているとともに、この第1段差部の内周側に位置する前記缶胴の前記ボディーフックの上部に、内周面の上方側が小径となる第2段差部が、半径方向の突出量が前記蓋材の前記板厚の1/16以上1/2以下となるように形成されている。
【0010】
本発明の缶の二重巻締め部構造によれば、シーミングウォールおよびボディーフックの上部に各段差部を形成したことにより、缶胴の第2段差部の内面と缶蓋のカバーフック先端とが干渉して、缶胴と缶蓋との相対的な移動が抑止されるので、薄肉の蓋材が用いられ、たとえば容器内圧が上昇した場合であっても、巻締め部における良好な密封性が維持される。なお、ここでいう「内周面」および「外周面」とは、缶軸を基準とした内周面および外周面を指す。
【0011】
また、本発明の二重巻締め部構造は、板厚が0.235mm以下の蓋材を用いて形成した缶蓋を缶胴に巻締めてなる、缶の二重巻締め部構造であって、前記缶胴には、有底円筒状の胴体部の上端から折り返されてなり前記胴体部の半径方向外側に配置されたボディーフックが設けられ、前記缶蓋には、前記缶胴の前記胴体部内に入り込んだチャックウォールと、このチャックウォールの上端から連続し前記ボディーフックの折り返し部分を覆うシーミングパネルと、このシーミングパネルの外周縁から下方に向けて伸び前記ボディーフックの半径方向外側に配置されたシーミングウォールと、このシーミングウォールの下端から折り返されてなり前記ボディーフックと前記胴体部との間に下方から入り込んで上方に向けて延びるカバーフックとが設けられ、前記缶蓋の前記シーミングウォールの下部であって前記缶胴の前記ボディーフックの下端よりも下方に、前記シーミングウォールの内周面の下方側が小径となる下部段差部が、半径方向の突出量が前記蓋材の前記板厚の1/16以上1/2以下となるように形成されていることが好ましい。この場合、缶蓋の下部段差部の内面と缶胴のボディーフック先端との干渉により、缶胴と缶蓋との相対的な移動がより効果的に抑止される。
【0012】
また、本発明の二重巻締め部構造は、板厚が0.235mm以下の蓋材を用いて形成した缶蓋を缶胴に巻締めてなる、缶の二重巻締め部構造であって、前記缶胴には、有底円筒状の胴体部の上端から折り返されてなり前記胴体部の半径方向外側に配置されたボディーフックが設けられ、前記缶蓋には、前記缶胴の前記胴体部内に入り込んだチャックウォールと、このチャックウォールの上端から連続し前記ボディーフックの折り返し部分を覆うシーミングパネルと、このシーミングパネルの外周縁から下方に向けて伸び前記ボディーフックの半径方向外側に配置されたシーミングウォールと、このシーミングウォールの下端から折り返されてなり前記ボディーフックと前記胴体部との間に下方から入り込んで上方に向けて延びるカバーフックとが設けられ、前記カバーフックの上端よりも上方であって前記缶蓋の前記チャックウォールの上部に、外周面の上方側が大径となる缶蓋側段差部が、半径方向の突出量が前記蓋材の前記板厚の1/16以上1/2以下となるように形成されているとともに、この缶蓋側段差部の外周側に位置する前記缶胴の前記胴体部の上部に、外周面の上方側が大径となる缶胴側段差部が、半径方向の突出量が前記蓋材の前記板厚の1/16以上1/2以下となるように形成されていることが好ましい。この場合、缶胴の胴体部の上部に形成された缶胴側段差部と缶蓋のカバーフック先端との干渉により、缶胴と缶蓋との相対的な移動がより効果的に抑止される。
【発明の効果】
【0013】
本発明の缶の二重巻締め部構造によれば、板厚が0.235mm以下の薄肉の蓋材を使用し、落下衝撃等に対して十分な強度を有して、確実に密封性を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明に係る缶の二重巻締め部の一実施形態の構造を示す拡大縦断面図である。
【図2】図1の二重巻締め部を構成する缶胴と缶蓋との巻締め工程における(a)巻締め前、(b)1回目の巻締め後を示す縦断面図である。
【図3】図1の二重巻締め部を構成する缶胴と缶蓋との巻締め工程における2回目の巻締め後を示す縦断面図である。
【図4】本発明に係る缶の二重巻締め部の他の実施形態の構造を示す拡大断面図である。
【図5】本発明に係る缶の二重巻締め部の他の実施形態の構造を示す拡大断面図である。
【図6】本発明に係る缶の二重巻締め部のさらに別の実施形態の構造を示す拡大断面図である。
【図7】本発明に係る缶の二重巻締め部のさらに別の実施形態の構造を示す拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明に係る缶の二重巻締め部構造の一実施形態について、図面を参照して説明する。本実施形態の二重巻締め部構造は、図1に示すように、缶胴の開口端部に缶蓋の周縁部が抱き合わせられるように巻き込まれている。
【0016】
図2(a)に、二重巻締めされる前の缶胴1と缶蓋2とを示す。巻締め前の缶胴1は、元板厚が0.230mm〜0.340mmのアルミニウム合金製板材を広口のカップ状に打ち抜いた後、さらに絞りしごき加工(DI加工)することにより形成したストレートの有底円筒状の胴体部3の開口端部を若干縮径した上で拡径して、胴体部3の上端から半径方向外方に広がるフランジ部4が形成された形状である。
【0017】
一方、巻締め前の缶蓋2は、元板厚が0.235mm以下、たとえば0.200mm〜0.235mmのアルミニウム合金製蓋材をプレス成形することにより、缶胴1の胴体部3より小径の円形のパネル部5が中心部に形成されるとともに、パネル部5の外縁に環状溝を形成するカウンターシンク部6を介して、チャックウォール7が上方に延びて形成されている。このチャックウォール7の上端から半径方向外方に延びながら外周縁が外側にカールされたカール部8が形成されている。カール部8の内面には、コンパウンド9が塗布されている。
【0018】
巻締めは、次のように行われる。まず、図2(a)に示すように、リフター(図示略)に載せた缶胴1のフランジ部4に缶蓋2のカール部8を被せ、その上方からチャック11を缶蓋2に嵌合して、チャック11とリフターとの間で缶胴1と缶蓋2とを挟んだ状態で、これらの半径方向外方から第1シーミングロール12Aを接近させ、缶蓋2のカール部8と缶胴1のフランジ部4とを外側に一体にカールさせ、缶蓋2のカール部8を缶胴1のフランジ部4の外方から鉤状に折り返しながら抱き合わせるようにして巻き込む。
【0019】
次いで、図2(b)に示すように、第2シーミングロール12Bにより、その巻き込み部分をさらに半径方向外方から押しつぶすように押圧する。これにより、図3に示すように、コンパウンド9を缶胴1と缶蓋2との間に圧縮状態に介在させた二重巻締め部13が構成される。なお、第2シーミングロール12Bは、図2(b)に示すように半径方向内方に向けて突出する段差部12cを上部に有している。この第2シーミングロール12Bの段差部12cによって、二重巻締め部13の上部に段差形状が形成される。
【0020】
この二重巻締め部13を図1に拡大して示す。缶胴21は、フランジ部4が巻締めによって押しつぶされることにより、胴体部3の上端から半径方向外方に折り返されてなるボディーフック22が胴体部3の半径方向外側にほぼ缶軸方向に沿って配置されている。
【0021】
缶蓋23は、パネル部5からチャックウォール24までの部分が胴体部3の内側に入り込んでいる。カール部8が巻締めによって成形されることにより、チャックウォール24の上端から連続しボディーフック22の折り返し部分を覆うシーミングパネル25と、このシーミングパネル25の外周縁から下方に向けて延びボディーフック22の半径方向外側に配置されたシーミングウォール28と、このシーミングウォール28の下端から折り返されボディーフック22と缶胴21の胴体部3との間に下方から入り込んで上方に向けて延びるカバーフック31とが設けられている。
【0022】
缶蓋23には、カバーフック31の上端よりも上方であってシーミングウォール28の上部に、内周面の上方側が小径となる第1段差部32が、半径方向の突出量H1が蓋材の板厚の1/16以上1/2以下となるように形成されている。また缶胴21には、この第1段差部32の内側であってボディーフック22の上部に、内周面の上方側が小径となる第2段差部33が、半径方向の突出量H2が蓋材の板材の板厚の1/16以上1/2以下となるように形成されている。なお、ここでいう「内周面」および「外周面」とは、缶軸を基準とした内周面および外周面を指す。
【0023】
この二重巻締め部13の内部に、缶蓋23の内面に塗布されていたコンパウンド9が缶胴21との間で圧縮状態に介在させられることにより、缶胴21と缶蓋23との間が密封状態となっている。
【0024】
容器内圧が上昇した場合、缶胴21に対して缶蓋23が上方(図1に矢印で示す方向に)へ押し上げられてしまうと、缶蓋23のシーミングパネル25と缶胴21の折り返し部分との間に隙間が生じ、密封性が損なわれるおそれがある。これに対して、このような二重巻締め部構造によれば、板厚が0.235mm以下と薄く変形しやすい蓋材を使用しても、缶蓋23のカバーフック31の先端と缶胴21に形成された第2段差部33の内面とが干渉するため、缶蓋23が缶胴21に対して押し上げられにくいので、缶胴21と缶蓋23との間に隙間が生じにくく、良好な密閉性を維持することができる。
【0025】
図4に、本発明の第2の実施形態に係る缶の二重巻締め部構造を示す。本実施形態では、シーミングウォール28の下部であって缶胴21のボディーフック22の下端よりも下方に、シーミングウォール28の内周面の下方側が小径となる下部段差部34が、半径方向の突出量H3が蓋材の板厚の1/16以上1/2以下となるように形成されている。したがって、下部段差部34に缶胴21のボディーフック22の先端が係止されることにより、缶蓋23の持ち上がりが防止される。この下部段差部34は、第2シーミングロール12Bの下部に突出する段差部12dを形成しておくことにより、第1段差部32と同様に形成することができる。
【0026】
また、図5に示すように、上述の第1段差部32および第2段差部33とともに、下部段差部34が形成されていてもよい。この場合、第1段差部32,第2段差部33にカバーフック31の先端が係止されるとともに、下部段差部34に缶胴21のボディーフック22の先端が係止されることにより、缶蓋23の持ち上がりがより効果的に防止される。
【0027】
図6に、本発明の第3の実施形態に係る缶の二重巻締め部構造を示す。本実施形態では、缶胴21の胴体部3に、カバーフック31の上端よりも上方に、外周面の上方側が大径となる缶胴側段差部35が、半径方向の突出量H4が蓋材の板厚の1/16以上1/2以下となるように形成されている。また、缶蓋23のチャックウォール24においても、缶胴21の缶胴側段差部35の内周側に、外周面の上方側が大径となる缶蓋側段差部36が、半径方向の突出量H5が蓋材の板厚の1/16以上1/2以下となるように形成されている。缶胴側段差部35,缶蓋側段差部36に缶蓋23のカバーフック31の先端が係止されることにより、缶蓋23の持ち上がりがさらに効果的に防止される。これら缶胴側段差部35,缶蓋側段差部36は、チャック11に段差を形成しておくことにより形成することができる。
【0028】
また、図7に示すように、第1段差部32および第2段差部33とともに、缶胴側段差部35および缶蓋側段差部36、さらに下部段差部34が形成されていてもよい。この場合、これらの段差部33〜36が形成されていることにより、缶蓋23のカバーフック31の先端が内外周の両側から押さえられ、缶蓋23の持ち上がりがより効果的に防止される。また、缶胴21のボディーフック22の先端によっても、缶蓋23の持ち上がりが防止される。
【0029】
以上説明したように、本発明の缶の二重巻締め部構造によれば、巻締め工程で形成される段差形状が缶蓋と缶胴とを係止させ、これらの相対移動を防止するので、容器内圧が上昇した場合などであっても、缶胴と缶蓋との間における高い密封性を維持することができる。
なお、本発明は前記実施形態の構成のものに限定されるものではなく、細部構成においては、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
【符号の説明】
【0030】
1,21 缶胴
2 (巻締め前の)缶蓋
3 胴体部
4 フランジ部
5 パネル部
6 カウンターシンク部
7 チャックウォール
8 カール部
9 コンパウンド
11 チャック
12A 第1シーミングロール
12B 第2シーミングロール
12c 段差部
13 二重巻締め部
22 ボディーフック
23 (巻締め後の)缶蓋
24 チャックウォール
25 シーミングパネル
28 シーミングウォール
31 カバーフック
32 第1段差部
33 第2段差部
34 下部段差部
35 缶胴側段差部
36 缶蓋側段差部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
板厚が0.235mm以下の蓋材を用いて形成した缶蓋を缶胴に巻締めてなる、缶の二重巻締め部構造であって、
前記缶胴には、有底円筒状の胴体部の上端から折り返されてなり前記胴体部の半径方向外側に配置されたボディーフックが設けられ、
前記缶蓋には、前記缶胴の前記胴体部内に入り込んだチャックウォールと、このチャックウォールの上端から連続し前記ボディーフックの折り返し部分を覆うシーミングパネルと、このシーミングパネルの外周縁から下方に向けて伸び前記ボディーフックの半径方向外側に配置されたシーミングウォールと、このシーミングウォールの下端から折り返されてなり前記ボディーフックと前記胴体部との間に下方から入り込んで上方に向けて延びるカバーフックとが設けられ、
前記カバーフックの上端よりも上方であって前記缶蓋の前記シーミングウォールの上部に、内周面の上方側が小径となる第1段差部が、半径方向の突出量が前記蓋材の前記板厚の1/16以上1/2以下となるように形成されているとともに、この第1段差部の内周側に位置する前記缶胴の前記ボディーフックの上部に、内周面の上方側が小径となる第2段差部が、半径方向の突出量が前記蓋材の前記板厚の1/16以上1/2以下となるように形成されていることを特徴とする缶の二重巻締め部構造。
【請求項2】
板厚が0.235mm以下の蓋材を用いて形成した缶蓋を缶胴に巻締めてなる、缶の二重巻締め部構造であって、
前記缶胴には、有底円筒状の胴体部の上端から折り返されてなり前記胴体部の半径方向外側に配置されたボディーフックが設けられ、
前記缶蓋には、前記缶胴の前記胴体部内に入り込んだチャックウォールと、このチャックウォールの上端から連続し前記ボディーフックの折り返し部分を覆うシーミングパネルと、このシーミングパネルの外周縁から下方に向けて伸び前記ボディーフックの半径方向外側に配置されたシーミングウォールと、このシーミングウォールの下端から折り返されてなり前記ボディーフックと前記胴体部との間に下方から入り込んで上方に向けて延びるカバーフックとが設けられ、
前記缶蓋の前記シーミングウォールの下部であって前記缶胴の前記ボディーフックの下端よりも下方に、前記シーミングウォールの内周面の下方側が小径となる下部段差部が、半径方向の突出量が前記蓋材の前記板厚の1/16以上1/2以下となるように形成されていることを特徴とする缶の二重巻締め部構造。
【請求項3】
板厚が0.235mm以下の蓋材を用いて形成した缶蓋を缶胴に巻締めてなる、缶の二重巻締め部構造であって、
前記缶胴には、有底円筒状の胴体部の上端から折り返されてなり前記胴体部の半径方向外側に配置されたボディーフックが設けられ、
前記缶蓋には、前記缶胴の前記胴体部内に入り込んだチャックウォールと、このチャックウォールの上端から連続し前記ボディーフックの折り返し部分を覆うシーミングパネルと、このシーミングパネルの外周縁から下方に向けて伸び前記ボディーフックの半径方向外側に配置されたシーミングウォールと、このシーミングウォールの下端から折り返されてなり前記ボディーフックと前記胴体部との間に下方から入り込んで上方に向けて延びるカバーフックとが設けられ、
前記カバーフックの上端よりも上方であって前記缶蓋の前記チャックウォールの上部に、外周面の上方側が大径となる缶蓋側段差部が、半径方向の突出量が前記蓋材の前記板厚の1/16以上1/2以下となるように形成されているとともに、この缶蓋側段差部の外周側に位置する前記缶胴の前記胴体部の上部に、外周面の上方側が大径となる缶胴側段差部が、半径方向の突出量が前記蓋材の前記板厚の1/16以上1/2以下となるように形成されていることを特徴とする缶の二重巻締め部構造。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2012−101854(P2012−101854A)
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−285689(P2010−285689)
【出願日】平成22年12月22日(2010.12.22)
【出願人】(305060154)ユニバーサル製缶株式会社 (219)
【出願人】(307027577)麒麟麦酒株式会社 (350)
【Fターム(参考)】