説明

缶内安定剤

本発明は、UV硬化性樹脂のための缶内安定剤(in-can stabilizer)としての、高度立体障害ニトロキシルラジカル、又はキノンメチド、又はこれらの混合物の使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、UV硬化性樹脂のための缶内安定剤(in-can stabilizer)としての、高度立体障害ニトロキシルラジカルの使用に関する。
【0002】
本発明は、更に、UV硬化性樹脂のための缶内安定剤としてのキノンメチドの使用、及びUV硬化性樹脂のための缶内安定剤としての高度立体障害ニトロキシルラジカルとキノンメチドとの混合物に関する。
【0003】
UV硬化性インク及びワニスは、過去20年間で最も急速に成長している技術の一つである。この成長は、食品包装用のインクのようなUV硬化のために新たな用途の開発により、今後しばらく続くと予測される。UV技術が、少ない臭気及び少ない移動、高い反応性を維持しながらの低い黄変という厳しい需要を満たすことができることを確実にする、新たな原材料が必要となる。
【0004】
UV硬化性樹脂は、単官能又は多官能のモノマー、オリゴマー又はポリマーの分子と、光開始剤化合物から構成される。UV硬化に典型的に使用されるモノマー、オリゴマー又はポリマーは、少なくとも1つのアクリレート又はメタクリレート官能基のようなエチレン性不飽和基を有する。重合は、紫外線照射によって達成される。
【0005】
UV硬化性樹脂は、放射を受けたときに硬化速度を低下させることがない適切な貯蔵安定性を有するために、エチレン性不飽和基の望ましくない重合又は架橋に対して頻繁に安定化される必要がある。
安定剤は、広範囲の市販のオリゴマー、例えばエポキシ、ウレタン、ポリエステル及びアクリレートの系に適合性があるべきである。
【0006】
従来技術において、例えばWO01/42313において、立体障害ニトロキシルラジカルの2,2,6,6−テトラメチルピペリジンがこの目的のために一般に提案されている。UV硬化性組成物のゲル化を防止し、同時に硬化速度に最小限の影響を与える典型的なラジカル捕捉剤の例は、ビス(1−オキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)セバケート(Irgastab(登録商標)UV10)及び4−ヒドロキシ−1−オキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンである。
【0007】
したがって、本発明の基礎をなす問題は、放射を受けたときに硬化速度を低下させることのない、エチレン性不飽和モノマー、オリゴマー及び/又はポリマー、並びに光開始剤を含有するUV硬化性樹脂に形成されるラジカルと貯蔵の間に高い親和性を有するラジカル捕捉剤である缶内安定剤を提供し、ラジカル捕捉剤がUV硬化性樹脂のゲル化を防止し、したがって、製造から硬化までのライフサイクル全体を通して、最先端の安定剤と比較して、特に着色系において貯蔵安定性を増加することである。一部の顔料、例えば橙色、緑色及び黒色の顔料は、貯蔵安定性に悪影響を与えることが知られている。Orange 34を使用すると特定の問題が起こる。
【0008】
現在、エチレン性不飽和モノマー、オリゴマー又はポリマー分子に、安定した高度立体障害ニトロキシルラジカルを添加すること、及び/又はキノンメチドの部類の化合物を添加すること、並びに/或いはこれらの混合物を添加することによって、この問題が解決されることが見出された。
【0009】
本発明は、UV硬化性樹脂のための缶内安定剤としての、式I又はII:
【0010】
【化13】

【0011】
〔式中、
a、Rb、Rc、Rdは、互いに独立して、場合により置換されているC1〜C18アルキル若しくはベンジル、場合により置換されているC5〜C12シクロアルキル若しくはC6〜C10アリールであるか;或いはRa、Rb、Rc、Rdは、炭素原子と一緒になって、C5〜C12シクロアルキル環を形成し、
A及びDは、開鎖状ニトロキシルラジカルを完成するのに必要な基であり;
e、Rf、g、Rhは、互いに独立して、場合により置換されているC1〜C18アルキル若しくはベンジル、場合により置換されているC5〜C12シクロアルキル若しくはC6〜C10アリールであるか;或いはRe、Rf、g、Rhは、炭素原子と一緒になって、C5〜C12シクロアルキル環を形成するが、但し、少なくとも1つの基はメチルと異なり;
Tは、環状ニトロキシルラジカルを完成する基である〕
の、安定した高度立体障害ニトロキシルラジカルの使用に関する。
【0012】
用語「高度立体障害」とは、式IIの環状ニトロキシルラジカルが、N原子のα位置に4つのメチル基を有する環状ニトロキシルラジカルよりも妨げられている、例えばTEMPO(2,2,6,6−テトラメチルピペリジニル−1−オキシラジカル)よりも妨げられていることを意味する。この状態は、α位置の少なくとも1つの基がメチルと異なるという条件によって、表わされる。
【0013】
式Iの開鎖状ニトロキシルラジカルを考慮すると、高度立体障害は、基A及び/又はDに起因する。
【0014】
用語「缶内安定剤」とは、貯蔵安定性を改善する安定剤を意味する。
缶内安定剤は、放射を受けたときに硬化速度を低下させることなく、UV硬化性樹脂に形成されたラジカルに貯蔵の間に高い親和性を有するラジカル捕捉剤である。缶内安定剤は、UV硬化性樹脂のゲル化を防止し、したがって、製造から硬化までのライフサイクル全体を通して貯蔵安定性を増加する。
【0015】
用語「UV硬化性樹脂」とは、紫外線に暴露されると所望の硬度を達成する被覆又はインクを意味する。これは、UV光線(約200nm〜約600nmの波長の光線)を吸収し、フリーラジカルを発生し、樹脂モノマー、オリゴマー又はポリマーの官能基の重合又は架橋を引き起こす、光開始化合物の存在によって起こる。
【0016】
UV硬化性樹脂は、単官能又は多官能のモノマー、オリゴマー又はポリマーの分子と、光開始剤化合物から構成される。UV硬化のために典型的に使用されるモノマー、オリゴマー又はポリマーは、少なくとも1つのアクリレート又はメタクリレート官能基のようなエチレン性不飽和基を有する。
【0017】
UV硬化性樹脂は、着色又は非着色のウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂及びエポキシ樹脂である。これらの樹脂は当該技術で知られている。着色系が好ましい。
【0018】
これらの樹脂のうち、特にインク及び重ね刷り用ワニスが安定化される。インクは特にオフセットインクである。印刷用インク及び重ね刷り用ワニスの配合がよく知られている。適切な配合の例が、William Andrew Publishing/Noyes(1999)により出版されている"Printing Ink and Overprint Varnish Formulations"(第2版)に記載されており、これは参照により本明細書に組み込まれる。
【0019】
適切な光開始剤は当業者に知られている。
例えば、α−ヒドロキシケトン及びα−アミノケトン、フェニルグリオキサレート又はホスピノキシドは、グラフィックアートの用途で慣用的に使用されている光開始剤である。
【0020】
特に好ましいものは、例えば、以下の市販の光開始剤である:
Darocur 1173:2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−1−プロパノン(HMPP)及びオリゴマーのHMPP、
Irgacure 184:1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニルケトン、
Irgacure 2959:2−ヒドロキシ−1−〔4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル〕−2−メチル−1−プロパノン、
Irgacure 369:2−ベンジル−2−(ジメチルアミノ)−1−〔4−(4−モルホリニル)フェニル〕−1−ブタノン、
Irgacure 1300:Irgacure 369+Irgacure 651(ベンジルジメチルケタール)、
Irgacure 379:2−(4−メチルベンジル)−2−(ジメチルアミノ)−1−〔4−(4−モルホリニル)フェニル〕−1−ブタノン、
Irgacure 127:2−ヒドロキシ−1−{4−〔4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル〕−フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン、
Irgacure 754:オキソ−フェニル−酢酸1−メチル−2−〔2−(2−オキソ−2−フェニル−アセトキシ)−プロポキシ〕−エチルエステル、
Irgacure 819:ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキシド、
Irgacure 2100:Irgacure 819とLucerin TPO(2,4,6−トリメチルベンゾイル−フェニルホスフィン酸エチルエステル)の混合物、
Irgacure 2022:Irgacure 819とLucerin TPOとDarocur 1173の混合物、
Irgacur 250:4−イソブチルフェニル−4′−メチルフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、
Darocur ITX:2−イソプロピルチオキサントン及び4−イソプロピルチオキサントン、
Darocur EDB:エチル−4−ジメチルアミノベンゾエート、
Darocur EHA:2−エチルヘキシル−4−ジメチルアミノベンゾエート。
【0021】
光開始剤の上記の例は限定するものではない。
【0022】
本発明で使用されてもよい顔料には、単独の又は組み合わされた有機及び無機の顔料が含まれる。顔料の正確な選択は、特定の用途及び色再現性及び画像安定性のような性能要件によって決まる。本発明の使用に適切な顔料には、例えば、アゾ顔料、モノアゾ顔料、ジアゾ顔料、アゾ顔料レーキ、β−ナフトール顔料、ナフトールAS顔料、ベンズイミダゾロン顔料、ジズアゾ縮合顔料、金属錯体顔料、イソインドリノン及びイソインドリン顔料、多環式顔料、フタロシアニン顔料、キナクリドン顔料、ペリレン及びペリノン顔料、チオインディゴ顔料、アントラピリミドン顔料、フラバントロン顔料、アンサントロン顔料、ジオキサジン顔料、トリアリールカルボニウム顔料、キノフタロン顔料、ジケトピロロピロール顔料、酸化チタン顔料、酸化鉄及びカーボンブラックが含まれる。使用されてもよい顔料の典型的な例には、
【表1】


が含まれる。本発明の好ましい実施態様において、用いられる顔料は、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントイエロー155、C.I.ピグメントイエロー74、ビス(フタロシアニルアルミノ)テトラフェニルジシロキサン又はC.I.ピグメントブラック7である。
【0023】
望ましい場合、本発明の樹脂組成物は、当該技術で慣用的に用いられる添加剤を更に含むことができる。
【0024】
本発明は、更に、UV硬化性樹脂のための缶内安定剤としての、式III:
【0025】
【化14】

【0026】
〔式中、
1及びR2は、互いに独立して、C1〜C18アルキル、C5〜C12シクロアルキル、C7〜C15フェニルアルキル、場合により置換されているC6〜C10アリールであり;
3及びR4は、互いに独立して、H、場合により置換されているC6〜C10アリール、2−、3−、4−ピリジル、2−、3−フリル若しくはチエニル、COOH、COOR10、CONH2、CONHR10、CONR1011、−CN、−COR10、−OCOR10、−OPO(OR102であり、ここでR10は、C1〜C8アルキル又はフェニルである〕
のキノンメチドの使用に関する。
【0027】
本発明は、UV硬化性樹脂のための缶内安定剤としての、上記で記載された式I又はIIの安定した高度立体障害ニトロキシルラジカルと、上記で記載された式IIIのキノンメチドとの混合物の使用に関する。
【0028】
ブレンド中の高度立体障害ニトロキシルラジカルとキノンメチドとのモル比は、1〜99mol%対99〜1mol%、好ましくは1〜20mol%対99〜80mol%である。
【0029】
安定剤ブレンドは、また、光開始剤を含有しない被覆又はインク組成物の貯蔵安定性も増加する。開始剤を含有しない樹脂の貯蔵安定性は、アミンアクリレートのような反応性結合剤が存在する場合に特に重要である。
【0030】
更に、本発明は、場合により光開始剤を含む被覆組成物又はインク組成物に、立体障害ニトロキシルラジカルとキノンメチドの安定剤ブレンド、又はこれらの混合物を添加する、放射線硬化性被覆組成物又はインク組成物の貯蔵安定性を増加する方法に関する。放射線は、電磁放射線、例えば近赤外線(NIR、約750nm〜約1500nmの波長範囲)、可視光線、UV放射線又はX線のような電磁線、特にUV放射線、及び電子ビームのような粒子線である。
【0031】
安定剤は、被覆組成物又はインク組成物の総重量に基づいて、0.0001〜10重量%の量、好ましくは0.01〜5重量%の量で添加される。
【0032】
高度立体障害ニトロキシルラジカル及びキノンメチド、並びにそれらを含有するアクリル樹脂は、それ自体知られており、従来技術の多様な用途のために記載されている。
【0033】
よく知られている用途は、難燃剤としての使用である。WO03/054073、WO03/07605及びWO03/085039は、高度立体ニトロキシルラジカルを含有するアクリル樹脂、及びそれらの難燃剤としての使用を記載する。貯蔵安定性を増加するための使用は、それらには開示されていない。
【0034】
US6,518,326(Ciba)は、下記式の化合物に関する。
【0035】
【化15】

【0036】
これらの化合物は、エチレン性不飽和モノマー又はオリゴマーの重合を達成するために、ラジカル供給源と一緒に使用してもよい。
【0037】
WO96/24620(Elf Atochem)は、エチレン性不飽和モノマーの制御された重合に使用される、下記式:
【0038】
【化16】

【0039】
の化合物を記載する。
【0040】
US6,353,107(Ciba)は、制御された重合に使用される、下記式:
【0041】
【化17】

【0042】
の高度立体障害ピペリジンニトロキシドを記載する。
【0043】
WO20022048205(Ciba)は、制御された重合に使用される、下記式:
【0044】
【化18】

【0045】
の化合物を記載する。
【0046】
US6,479,608(Ciba)は、制御された重合に使用される、下記式:
【0047】
【化19】

【0048】
の化合物を記載する。
【0049】
EP744392(Ciba)は、キノンメチド化合物及びこれらの調製を記載する。
【0050】
言い換えると、本発明は、少なくとも1つのエチレン性不飽和基を有する、モノマー、オリゴマー又はポリマーの分子から構成される樹脂のゲル化を防止することによって貯蔵安定性を改善するための、式I又はII:
【0051】
【化20】

【0052】
〔式中、
a、Rb、Rc、Rdは、互いに独立して、場合により置換されているC1〜C18アルキル若しくはベンジル、場合により置換されているC5〜C12シクロアルキル若しくはC6〜C10アリールであるか;或いはRa、Rb、Rc、Rdは、炭素原子と一緒になって、C5〜C12シクロアルキル環を形成し、
A及びDは、開鎖状ニトロキシルラジカルを完成するのに必要な基であり;
e、Rf、g、Rhは、互いに独立して、場合により置換されているC1〜C18アルキル若しくはベンジル、場合により置換されているC5〜C12シクロアルキル若しくはC6〜C10アリールであるか;或いはRe、Rf、g、Rhは、炭素原子と一緒になって、C5〜C12シクロアルキル環を形成するが、但し、少なくとも1つの基はメチルと異なり;
Tは、環状ニトロキシルラジカルを完成する基である〕
の、安定した高度立体障害ニトロキシルラジカルの使用に関する。
【0053】
一つの態様において、本発明は、式Ia〜Ie:
【0054】
【化21】

【0055】
〔式中、
式Iaにおいて、
Yは、O又はCH2であり;
1は、第三級C4〜C18アルキル又はC6〜C10アリールであり、これは非置換であるか又はハロゲン、OH、COOR51若しくはC(O)−R52で置換されており、ここでR51は、水素、アルカリ金属原子又はC1〜C18アルキルであり、R52は、C1〜C18アルキルであるか;或いは
1は、C5〜C12シクロアルキル、少なくとも1個のO若しくはN原子で中断されているC5〜C12シクロアルキル、多環式アルキルラジカル、又は少なくとも1個のO若しくはN原子で中断されている多環式アルキルラジカルであり;
2及びR3は、独立して、場合により置換されているC1〜C18アルキル、ベンジル、C5〜C12シクロアルキル又はC6〜C10アリールであるか;或いは炭素原子と一緒になって、C5〜C12シクロアルキル環を形成し;
YがOである場合、
4は、OH、O(アルカリ金属)C1〜C18アルコキシ、ベンジルオキシ、NR5354であり、ここでR53及びR54は、互いに独立して、水素、C1〜C18アルキル又はC6〜C10アリールであり、これらは非置換であるか又はハロゲン、OH、COOR51若しくはC(O)−R52で置換されており、ここでR51及びR52は、上記で定義されたとおりであり;
YがCH2である場合、
4は、OH、C1〜C18アルコキシ、ベンジルオキシ、O−C(O)−(C1〜C18)アルキル又はNR5354であり、ここでR53及びR54は、上記で定義されたとおりであり;
式Ibにおいて、
1は、O又はCH2であり;
5、R6、R7及びR8は、互いに独立して、場合により置換されているC1〜C18アルキル、ベンジル、C5〜C12シクロアルキル又はC6〜C10アリールであるが、但し、2つ以下がアリールであるか;或いは
5とR6、及び/又はR7とR8は、炭素原子と一緒になって、C5〜C12シクロアルキル環を形成し;
9は、ホルミル、C2〜C18アルキルカルボニル、ベンゾイル、C1〜C18アルキル、C5〜C12シクロアルキル、少なくとも1個のO若しくはN原子で中断されているC5〜C12シクロアルキル、ベンジル、又はC6〜C10アリールであり、これらは非置換であるか又はハロゲン、OH、COOR51若しくはC(O)−R52で置換されており、ここでR51及びR52は、上記で定義されたとおりであり;
1がOである場合、
10は、OH、O(アルカリ金属)C1〜C18アルコキシ、ベンジルオキシ、NR5354であり、ここでR53及びR54は、上記で定義されたとおりであり;
1がCH2である場合、
10は、基C(O)R55であり、ここでR55は、OH、C1〜C18アルコキシ、ベンジルオキシ、NR5354であり、ここでR53及びR54は、上記で定義されたとおりであり;
式Icにおいて、
Qは、O又はNH又はN−C1〜C18アルキルであり;
11、R12、R13及びR14は、互いに独立して、場合により置換されているC1〜C18アルキル、ベンジル、C5〜C12シクロアルキル又はC6〜C10アリールであるが、但し、2つ以下がアリールであるか;或いは
11とR12、及び/又はR13とR14は、炭素原子と一緒になって、C5〜C12シクロアルキル環を形成し;
15及びR16は、互いに独立して、水素、ホルミル、C2〜C18アルキルカルボニル、ベンゾイル、C1〜C18アルキル、C5〜C12シクロアルキル、少なくとも1個のO若しくはN原子で中断されているC5〜C12シクロアルキル、ベンジル、又はC6〜C10アリールであり、これらは非置換であるか又はハロゲン、OH、COOR51若しくはC(O)−R52で置換されており、ここでR51及びR52は、上記で定義されたとおりであり;
式Idにおいて、
17は、C6〜C10アリールであり;
18及びR19は、互いに独立して、水素又はC1〜C4アルキルであり;
式Ieにおいて、
20及びR21は、互いに独立して、水素又はC1〜C4アルキルである〕
の開鎖状の安定した高度立体障害ニトロキシルラジカルの使用に関する。
【0056】
別つの態様において、本発明は、式IIa〜IId:
【0057】
【化22】

【0058】
〔式中、
式IIaにおいて、
22、R23、R24、R25は、互いに独立して、C1〜C4アルキルであるが、但し、少なくとも1つの基がメチルと異なるか;或いはR22とR23、及び/又はR24とR25は、それらが結合しているC原子と一緒になって、C5〜C8シクロアルキル環を形成し;
26、R27は、互いに独立して、H又はC1〜C18アルコキシであり;R26がHである場合、R27は、さらに、OH、−O−(C1〜C18)アシル、−NHR56又はN(R462であり、ここでR56は、H、C1〜C18アルキル、C5〜C7シクロアルキル、C7〜C9フェニルアルキル、C6〜C10アリール又はC1〜C18アシルであるか;或いはR26及びR27は、それらが結合しているC原子と一緒になって、下記式:
【0059】
【化23】

【0060】
(式中、kは、0、1又は2であり、R57は、C1〜C18アルキル、−CH2−OH、−CH2−O−(C1〜C18)アルキル又は−CH2−O−(C1〜C18)アシルであり;kが2の場合、2つのR47基は異なっていてもよい)の環状ケタール基を形成するか;或いは
26及びR27は、一緒になって、基=O、=N−O−R58又は=N−N−R5960を形成し、ここでR58、R59、R60は、独立して、H、C1〜C18アルキル、C5〜C7シクロアルキル、C7〜C9フェニルアルキル、C6〜C10アリール又はC1〜C18アシルであり;
28は、水素又はメチルであり;
式IIbにおいて、
AはOであり、Eは−CH2−であるか、或いはAはNR61であり、Eは、−C(O)−、−CH2−又は直接結合であり;ここでR61は、H、C1〜C18アルキル、C5〜C8シクロアルキル、C7〜C9フェニルアルキル、C6〜C10アリール又はC1〜C18アシルであり;
29、R30、R31、R32は、互いに独立して、C1〜C4アルキルであるか;或いはR29とR20、及び/又はR31とR32は、それらが結合しているC原子と一緒になって、C5〜C8シクロアルキル環を形成するか;或いはR29、R30、R31、R32は、挿入された酸素を有するか、又は官能基を有して、下記式:
【0061】
【化24】

【0062】
のような化合物を与えることができ;
式IIcにおいて、
33、R34、R35、R36は、互いに独立して、C1〜C4アルキルであるか;或いはR33とR34、及び/又はR35とR36は、それらが結合しているC原子と一緒になって、C5〜C8シクロアルキル環を形成しするか;或いはR33、R34、R35、R36は、挿入された酸素を有するか、又は官能基を有して、下記式;
【0063】
【化25】

【0064】
のような化合物を与えることができ;
37は、H、C1〜C18アルキル、C5〜C7シクロアルキル、C7〜C9フェニルアルキル、C6〜C10アリール又はC1〜C18アシルであり;
38は、H、C1〜C8アルキルであり;
式IIdにおいて、
39は、H、C1〜C18アルキル、C5〜C7シクロアルキル、C7〜C9フェニルアルキル、C6〜C10アリール又はC1〜C18アシルであり;
40は、H、C1〜C4アルキルであり;
41、R42、R43、R44は、互いに独立して、C1〜C4アルキルであるか;或いはR33とR34、及び/又はR35とR36は、それらが結合しているC原子と一緒になって、C5〜C8シクロアルキル環を形成する〕
の安定した高度立体障害環状ニトロキシルラジカルの使用に関する。
【0065】
定義
ハロゲンは、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素であり、好ましくは塩素又は臭素である。
【0066】
種々の置換基におけるアルキルラジカルは、直鎖又は分岐状であってもよい。1〜18個の炭素原子を含むアルキルの例は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、2−ブチル、イソブチル、t−ブチル、ペンチル、2−ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、2−エチルヘキシル、t−オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ヘキサデシル及びオクタデシルである。
5〜C12シクロアルキルは、典型的には、シクロペンチル、メチルシクロペンチル、ジメチルシクロペンチル、シクロヘキシル、メチルシクロヘキシルである。
【0067】
少なくとも1個のO又はN原子で中断されているシクロアルキルは、例えば、2−テトラヒドロピラン−イル、テトラヒドロフラン−イル、1,4−ジオキサン−イル、ピロリジン−イル、テトラヒドロチオフェン−イル、ピラゾリジン−イル、イミダゾリジン−イル、ブチロラクトン−イル、カプロラクタム−イルである。
【0068】
置換C1〜C18アルキル若しくはベンジル、置換C5〜C12シクロアルキル又はC6〜C10アリールは、C1〜C12アルキル、ハロゲン、C1〜C12アルコキシ、OH、COOR51、C(O)−R52又は−O−CO−R52で置換されており;ここで、R51は、水素、アルカリ金属原子又はC1〜C18アルキルであり、そしてR52は、C1〜C18アルキルである。
【0069】
アルカリ金属の例は、リチウム、ナトリウム又はカリウムである。
【0070】
1〜C18アルコキシは、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペントキシ、オクトキシ、ドデシルオキシ又はオクタデシルオキシである。
【0071】
2〜C18アルキルカルボニルは、例えば、アセチル、プロピオニル、ブチリル、ペンチルカルボニル、ヘキシルカルボニル又はドデシルカルボニルである。
【0072】
アシル残基は、18個までの炭素原子を有する、脂肪族、脂環式又は芳香族のモノカルボン酸から得られる。
【0073】
6〜C10アリール基は、フェニル又はナフチル、好ましくはフェニルである。
少なくとも1個の酸素又は窒素原子で中断されていてもよい多環式アルキル残基は、例えば、アダマンタン、クバン、ツイスタン、ノルボルナン、ビシクロ〔2.2.2〕オクタン、ビシクロ〔3.2.1〕オクタン、ヘキサメチレンテトラミン(ウロトロピン)又は下記式の基である。
【0074】
【化26】

【0075】
優先
好ましいものは、以下である:
式Iaにおいて、
Yは、Oであり;
1は、第三級C4〜C18アルキルであるか;又はC5〜C12シクロアルキルであるか、又は少なくとも1個のO若しくはN原子で中断されているC5〜C12シクロアルキルであり;
2及びR3は、独立して、C1〜C18アルキルであるか;又は炭素原子と一緒になって、C5〜C6シクロアルキル環を形成し;
4は、C1〜C18アルコキシ、ベンジルオキシ又はNR5354であり、ここでR53及びR54は、互いに独立して、水素、C1〜C18アルキルであり;
式Ibにおいて、
1は、Oであり;
5、R6、R7及びR8は、互いに独立して、C1〜C18アルキルであるか;或いは
5とR6、及び/又はR7とR8は、炭素原子と一緒になって、C5〜C6シクロアルキル環を形成し;
9は、ホルミル、C2〜C8アルキルカルボニル、ベンゾイル、C1〜C18アルキル、ベンジル又はフェニルであり;
10は、C1〜C18アルコキシ、ベンジルオキシ、NR5354であり、ここでR53及びR54は、上記で定義されたとおりであり;
式Icにおいて、
Qは、Oであり;
11、R12、R13及びR14は、互いに独立して、C1〜C18アルキル又はフェニルであるか;或いは
11とR12、及び/又はR13とR14は、炭素原子と一緒になって、C5〜C6シクロアルキル環を形成し;
15及びR16は、互いに独立して、ホルミル、C2〜C18アルキルカルボニル、ベンゾイル、C1〜C18アルキル、ベンジル又はフェニルであり;
式Idにおいて、
17は、フェニルであり;
18及びR19は、互いに独立して、C1〜C4アルキルであり;
式Ieにおいて、
20及びR21は、互いに独立して、C1〜C4アルキルであり;
式IIaにおいて、
22、R23、R24、25は、独立して、C1〜C4アルキルであるが、但し、少なくとも1つの基はメチルと異なり;
26、R27は、独立して、H又はC1〜C18アルコキシであり;R26がHである場合、R27は、さらに、OH、−O−(C1〜C18)アシル、−NH−C1〜C18アルキルであるか;或いはR26及びR27は、それらが結合しているC原子と一緒になって、下記式:
【0076】
【化27】

【0077】
(式中、kは、0、1又は2であり、そしてR57は、C1〜C18アルキル、−CH2−OH、−CH2−O−(C1〜C18)アルキル又は−CH2−O−(C1〜C18)アシルであり;kが2の場合、2つのR47基は異なっていてもよい)の環状ケタール基を形成するか;或いは
26及びR27は、一緒になって、基=Oを形成し;
28は、水素又はメチルであり;
式IIbにおいて、
AはOであり、Eは−CH2−であるか、或いはAはNR61であり、Eは、−CH2−又は直接結合であり、ここでR61は、H、C1〜C18アルキル、C5〜C8シクロアルキル又はC7〜C9フェニルアルキルであり;
29、R30、R31、R32は、互いに独立して、C1〜C4アルキルであるか;或いはR29とR20、及び/又はR31とR32は、それらが結合しているC原子と一緒になって、C5〜C8シクロアルキル環を形成するか;或いはR29、R30、R31、R32は、挿入された酸素を有するか、又は官能基を有して、下記式:
【0078】
【化28】

【0079】
のような化合物を与えることができ;
式IIcにおいて、
33、R34、R35、R36は、互いに独立して、C1〜C4アルキルであるか;或いはR29とR20、及び/又はR31とR32は、それらが結合しているC原子と一緒になって、C5〜C8シクロアルキル環を形成するか;或いはR29、R30、R31、R32は、挿入された酸素を有するか、又は官能基を有して、下記式:
【0080】
【化29】

【0081】
のような化合物を与えることができ;
37は、H、C1〜C18アルキルであり;
38は、H、C1〜C4アルキルであり;
式IIdにおいて、
39は、H、C1〜C18アルキルであり;
40は、C1〜C4アルキルであり;
41、R42、R43、R44は、互いに独立して、C1〜C4アルキルであり;
式IIIにおいて、
1及びR2は、第三級ブチルであり;
3は、Hであり;
4は、場合により置換されているフェニル、COOH、COOR10、CONH2、CONHR10、CONR1011、−CN、−COR10、−OCOR10、−OPO(OR102であり、ここでR10は、C1〜C8アルキル又はフェニルである。
【0082】
特に好ましいものは以下である:
式Iaにおいて、
Yは、Oであり;
1は、第三級C4〜C8アルキルであり;
2及びR3は、互いに独立して、メチル又はエチルであるか;或いは炭素原子と一緒になって、C5〜C6シクロアルキル環を形成し;
4は、C1〜C18アルコキシ又はNH−C1〜C18アルキルであり;
式Ibにおいて、
1は、Oであり;
5、R6、R7及びR8は、互いに独立して、メチル又はエチルであるか;或いは
5とR6、及び/又はR7とR8は、炭素原子と一緒になって、C5〜C6シクロアルキル環を形成し;
9は、C2〜C8アルキルカルボニル、ベンゾイル、C1〜C18アルキル又はベンジルであり;
10は、C1〜C18アルコキシ又はNH−C1〜C18アルキルであり;
式Icにおいて、
Qは、Oであり;
11、R12、R13及びR14は、互いに独立して、メチル又はエチル又はフェニルであるか;或いは
11とR12、及び/又はR13とR14は、炭素原子と一緒になって、C5〜C6シクロアルキル環を形成し;
15及びR16は、互いに独立して、C2〜C8アルキルカルボニル、ベンゾイル、C1〜C8アルキル又はベンジルであり;
式Idにおいて、
17は、フェニルであり;
18及びR19は、互いに独立して、メチル又はエチルであり;
式Ieにおいて、
20及びR21は、互いに独立して、メチル又はエチルであり;
式IIaにおいて、
22及びR24はメチルであり、R23及びR25はエチルであり;
26、R27は、独立して、H又はC1〜C18アルコキシであり;R26がHである場合、R27は、さらにOHであるか;或いはR26及びR27は、それらが結合しているC原子と一緒になって、下記式:
【0083】
【化30】

【0084】
(式中、kは、0、1又は2であり、そしてR47は、C1〜C18アルキル、−CH2−OH、−CH2−O−(C1〜C18)アルキル又は−CH2−O−(C1〜C18)アシルであり;kが2の場合、2つのR47基は異なっていてもよい)の環状ケタール基を形成するか;或いは
26及びR27は、一緒になって、基=Oを形成し;
28は、水素又はメチルであり;
式IIbにおいて、
AはOであり、Eは−CH2−であるか、或いはAは、NH又はN−C1〜C18アルキルであり;
29、R30、R31、R32は、互いに独立して、メチル又はエチルであるか;或いはR29とR20、及び/又はR31とR32は、それらが結合しているC原子と一緒になって、C5〜C6シクロアルキル環を形成し;
式IIcにおいて、
33、R34、R35、R36は、互いに独立して、メチル又はエチルであるか;或いはR29とR20、及び/又はR31とR32は、それらが結合しているC原子と一緒になって、C5〜C6シクロアルキル環を形成し;
37は、H、C1〜C18アルキルであり;
38は、Hであり;
式IIdにおいて、
39は、Hであり;
40は、メチルであり;
41、R42、R43、R44は、互いに独立して、メチル又はエチルである。
【0085】
調製
式Ia、Ib及びIcの化合物は、知られている方法により調製できる。その方法は、US6,518,326(Ciba)に記載されている。
【0086】
式Id及びIeの化合物は、WO96/24620に記載されたとおりに、調製することができる。
【0087】
式IIaの化合物は、US6,353,107(Ciba)に記載されたとおりに、調製することができる。
環状ケタール基を有する式IIaの化合物は、WO20022048205(Ciba)に記載されたとおりに、調製することができる。
【0088】
式IIb、IIc及びIIdの化合物は、US6,479,608(Ciba)に記載されたとおりに、調製することができる。
【0089】
式IIIの化合物は、EP744392(Ciba)に記載されたとおりに、調製することができる。
【実施例】
【0090】
a)US6,518,326に従って調製した
式Ia
tert−ブチル−(ジメチル−メチルアミノカルボニル−メチル)−アミン−N−オキシル
【0091】
【化31】

【0092】
tert−ブチル−(ジメチル−tert−ブチルアミノカルボニル−メチル)−アミン−N−オキシル
【0093】
【化32】

【0094】
tert−ブチル−(ジメチル−N−ブチルアミノカルボニル−メチル)−アミン−N−オキシル
【0095】
【化33】

【0096】
tert−ブチル−(ジメチル−メトキシカルボニル−メチル)−アミン−N−オキシル
【0097】
【化34】

【0098】
tert−ブチル−(tert−ブチルアミノカルボニル−シクロペンチリデン−メチル)−アミン−N−オキシル
【0099】
【化35】

【0100】
式Ib
(ジメチル−アセトキシメチル−メチル)−(ジメチル−プロピルアミノ−カルボニル−メチル)−アミン−N−オキシル
【0101】
【化36】

【0102】
(ジメチル−エトキシメチル−メチル)−(ジメチル−エトキシカルボニル−メチル)−アミン−N−オキシル
【0103】
【化37】

【0104】
式Ic
ビス−(ジメチル−アセトキシメチル−メチル)−アミン−N−オキシル
【0105】
【化38】

【0106】
N−(2−ベンジルオキシ−1,1−ジメチル−エチル)−N'−(1−ベンジルオキシメチル−1−フェニル−プロピル)−アミン−N−オキシル
【0107】
【化39】

【0108】
ビス−(ジメチル−ベンゾイルオキシメチル−メチル)−アミン−N−オキシル
【0109】
【化40】

【0110】
b)WO96724620に従って調製した
式Id
tert−ブチル−(1−フェニル−2−メチル−プロピル)−アミン−N−オキシル
【0111】
【化41】

【0112】
式Ie
tert−ブチル−(1−ジエチルホスホノ−2,2−ジメチル)−アミン−N−オキシル
【0113】
【化42】

【0114】
c)US6,353,107に従って調製した
式IIa
2,6−ジエチル−2,3,6−トリメチル−ピペリジン−1−オキシル
【0115】
【化43】

【0116】
2,2,6−トリメチル−6−エチル−ピペリジン−1−オキシル
【0117】
【化44】

【0118】
2,6−ジエチル−2,3,6−トリメチル−4−ヒドロキシピペリジン−1−オキシル
【0119】
【化45】

【0120】
2,2,6−トリメチル−6−エチル−4−ヒドロキシピペリジン−1−オキシル
【0121】
【化46】

【0122】
2,2,3−ジメチル−6,6−ジエチル−4−ヒドロキシピペリジン−1−オキシル
【0123】
【化47】

【0124】
2,6−ジプロピル−2,6−ジメチル−3−エチル−4−ヒドロキシピペリジン
【0125】
【化48】

【0126】
2,6−ジエチル−2,3,6−トリメチル−4−プロピルオキシピペリジン−1オキシル
【0127】
【化49】

【0128】
2,6−ジエチル−2,3,6−トリメチル−4−ラウロイルオキシピペリジン−1−オキシル
【0129】
【化50】

【0130】
2,2−ジメチル−6,6−ジエチル−4−ステアロイルオキシピペリジン−1−オキシル
【0131】
【化51】

【0132】
2,2−ジメチル−6,6−ジエチル−4−ベンゾイルオキシピペリジン−1−オキシル
【0133】
【化52】

【0134】
2,6−ジエチル−2,3,6−トリメチル−4−オキソピペリジン−1−オキシル
【0135】
【化53】

【0136】
2,6−ジプロピル−2,6−ジメチル−3−エチル−4−オキシピペリジン−1−オキシル
【化54】

【0137】
d)WO2002048205に従って調製した
式IIa
2,6−ジエチル−4,4−ジメトキシ−2,3,6−トリメチル−ピペリジン−1−オキシル
【0138】
【化55】

【0139】
4,4−ジエトキシ−2,6−ジエチル−2,3,6−トリメチル−ピペリジン−1−オキシル
【0140】
【化56】

【0141】
2,6−ジエチル−2,3,6−トリメチル−4,4−ジプロポキシ−ピペリジン−1−オキシル
【0142】
【化57】

【0143】
4,4−ジブトキシ−2,6−ジエチル−2,3,6−トリメチル−ピペリジン−1−オキシル
【0144】
【化58】

【0145】
2,6−ジエチル−4,4−ジイソブトキシ−2,3,6−トリメチル−ピペリジン−1−オキシル
【0146】
【化59】

【0147】
2,6−ジエチル−2,3,6−トリメチル−4,4−ビス−オクチルオキシ−ピペリジン−1−オキシル
【0148】
【化60】

【0149】
4,4−ビス−アリルオキシ−2,6−ジエチル−2,3,6−トリメチル−ピペリジン−1−オキシル
【0150】
【化61】

【0151】
4,4−ビス−シクロへキシルオキシ−2,6−ジエチル−2,3,6−トリメチル−ピペリジン−1−オキシル
【0152】
【化62】

【0153】
4,4−ビス−ベンジルオキシ−2,6−ジエチル−2,3,6−トリメチル−ピペリジン−1−オキシル
【0154】
【化63】

【0155】
7,9−ジエチル−6,7,9−トリメチル−1,4−ジオキサ−8−アザ−スピロ[4.5]デカン−8−オキシル
【0156】
【化64】

【0157】
7,9−ジエチル−2,6,7,9−テトラメチル−1,4−ジオキサ−8−アザ−スピロ[4.5]デカン−8−オキシル
【0158】
【化65】

【0159】
7,9−ジエチル−2−ヒドロキシメチル−6,7,9−トリメチル−1,4−ジオキサ−8−アザ−スピロ[4.5]デカン−8−オキシル
【0160】
【化66】

【0161】
8,10−ジエチル−7,8,10−トリメチル−1,5−ジオキサ−9−アザ−スピロ[5.5]ウンデカン−9−オキシル
【0162】
【化67】

【0163】
8,10−ジエチル−3,3,7,8,10−ペンタメチル−1,5−ジオキサ−9−アザ−スピロ[5.5]ウンデカン−9−オキシル
【0164】
【化68】

【0165】
2,4−ジエチル−1,2,4−トリメチル−7,16−ジオキサ−3−アザ−ジスピロ[5.2.5.2]ヘキサデカ−11−エン−3−オキシル
【0166】
【化69】

【0167】
8,10−ジエチル−3−ヒドロキシメチル−3,7,8,10−テトラメチル−1,5−ジオキサ−9−アザ−スピロ[5.5]ウンデカン−9−オキシル
【化70】

【0168】
酢酸3,8,10−トリエチル−7,8,10−トリメチル−1,5−ジオキサ−9−アザ−スピロ[5.5]ウンデカ−3−イル−メチルエステル−9−オキシル
【0169】
【化71】

【0170】
オクタデカン酸3,8,10−トリエチル−7,8,10−トリメチル−1,5−ジオキサ−9−アザ−スピロ[5.5]ウンデカ−3−イルメチルエステル−9−オキシル
【0171】
【化72】

【0172】
US6,479,608に従って調製した式IIb
2,2,5,5−テトラエチルイミダゾリジン−4−オン−1−オキシル
【0173】
【化73】

【0174】
3−エチル−3,3,5−トリメチルモルホリン−2−オン−4−オキシル
【0175】
【化74】

【0176】
3,3−ジエチル−5,5−ジメチルモルホリン−2−オン−4−オキシル
【0177】
【化75】

【0178】
3,3,5,5−テトラエチル−モルホリン−2−オン−4−オキシル
【0179】
【化76】

【0180】
3,3,5−トリメチル−5−ピバロイルオキシメチルモルホリン−2−オン−4−オキシル
【0181】
【化77】

【0182】
3,3−ジエチル−5−メチル−5−ピバロイルオキシメチルモルホリン−2−オン−4−オキシル
【0183】
【化78】

【0184】
3,3,5−トリエチル−5−ピバロイルオキシメチルモルホリン−2−オン−4−オキシル
【0185】
【化79】

【0186】
3,3−ジエチル−5,5,6,6−テトラメチルピペラジン−2−オン−4−オキシル
【0187】
【化80】

【0188】
1−イソプロピル−3−エチル−3,5,5−トリメチルピペラジン−2−オン−4−オキシル
【0189】
【化81】

【0190】
1−イソプロピル−3,3−ジエチル−5,5−ジメチルピペラジン−2−オン−4−オキシル
【0191】
【化82】

【0192】
1−t−ブチル−3,3−ジエチル−5,5−ジメチルピペラジン−2−オン−4−オキシル
【0193】
【化83】

【0194】
1−t−ブチル−3−エチル−3,5,5−トリメチル−ピペラジン−2−オン−4−オキシル
【0195】
【化84】

【0196】
1−t−ブチル−3,5−ジエチル−3,5−ジメチル−ピペラジン−2−オン−4−オキシル
【0197】
【化85】

【0198】
1−t−ブチル−5,5−ジエチル−3,3−ジメチル−ピペラジン−2−オン−4−オキシル
【0199】
【化86】

【0200】
1−t−ブチル−3,5,5−トリエチル−3−メチル−ピペラジン−2−オン−4−オキシル
【0201】
【化87】

【0202】
1−t−ブチル−3,3,5−トリエチル−5−メチル−ピペラジン−2−オン−4−オキシル
【0203】
【化88】

【0204】
1−t−ブチル−3,3,5,5−テトラエチル−ピペラジン−2−オン−4−オキシル
【0205】
【化89】

【0206】
1−t−ブチル−3,3−シクロヘキシリデン−5,5−ジエチル−ピペラジン−2−オン−4−オキシル
【0207】
【化90】

【0208】
1−t−ブチル−3,3−ジプロピル−5,5−ジメチル−ピペラジン−2−オン−4−オキシル
【0209】
【化91】

【0210】
1−t−ブチル−3,3−ジプロピル−5,5−ジエチル−ピペラジン−2−オン−4−オキシル
【0211】
【化92】

【0212】
1−t−ブチル−3,3−ジブチル−5,5−ジメチル−ピペラジン−2−オン−4−オキシル
【化93】

【0213】
1−t−オクチル−3,3−ジエチル−5,5−ジメチル−ピペラジン−2−オン−4−オキシル
【0214】
【化94】

【0215】
1−(2−ヒドロキシエチル)−3,3−ジエチル−5,5−ジメチル−ピペラジン−2−オン−4−オキシル
【0216】
【化95】

【0217】
1−(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)−3,3−ジエチル−5,5−ジメチル−ピペラジン−2−オン−4−オキシル
【0218】
【化96】

【0219】
1−フェニル−3,3−ジエチル−5,5−ジメチル−ピペラジン−2−オン−4−オキシル
【0220】
【化97】

【0221】
1−メチル−3,3−ジエチル−5,5−ジメチル−ピペラジン−2−オン−4−オキシル
【0222】
【化98】

【0223】
1−t−ブチル−3−イソブチル−3,5,5−トリメチル−ピペラジン−2−オン−4−オキシル
【0224】
【化99】

【0225】
式IIc
1−ブチル−3,3,5,5,7−ペンタメチル−[1,4]ジアゼパン−2−オン−4−オキシル
【0226】
【化100】

【0227】
1−ブチル−3−エチル−3,5,5,7−テトラメチル−[1,4]ジアゼパン−2−オン−4−オキシル
【0228】
【化101】

【0229】
式IId
2,3,7−トリメチル−2,7−ジエチル−[1,4]ジアゼパン−5−オン−1−オキシル
【0230】
【化102】

【0231】
2,3,4,7−テトラメチル−2,7−ジエチル−[1,4]ジアゼパン−5−オン−1−オキシル
【0232】
【化103】

【0233】
2,3,7−トリメチル−2,7−ジエチル−4−t−ブチルオキシカルボニル−[1,4]ジアゼパン−5−オン−1−オキシル
【0234】
【化104】

【0235】
4−ベンジル−2,3,7−トリメチル−2,7−ジエチル−[1,4]ジアゼパン−5−オン−1−オキシル
【0236】
【化105】

【0237】
式III
4−ベンジリデン−2,6−ジ−tert−ブチル−シクロヘキサ−2,5−ジエノン及び(3,5−ジ−tert−ブチル−4−オキソ−シクロヘキサ−2,5−ジエニリデン)−アセトニトリル
【0238】
【化106】

【0239】
適用例
試験した缶内安定剤の調製
【0240】
a)US6,353,107に従って調製した式IIaの化合物
実施例1
2,6−ジエチル−2,3,6−トリメチル−4−ヒドロキシピペリジン−1−オキシル
【0241】
【化107】

【0242】
エタノール1000ml中の2,6−ジエチル−2,3,6−トリメチル−4−オキソピペリジン118.2g(0.6mol)の溶液に、水素化ホウ素ナトリウム18.2g(0.4mol)を一部ずつ加え、温度を30℃より低く保持した。続いて、溶液を50℃で2時間撹拌した。エタノールを留去し、水500mlを残渣に加え、続いてそれをCH2Cl2で数回抽出した。抽出物をNa2SO4で乾燥し、溶液を濾過した。溶媒を除去した後、2,6−ジエチル−2,3,6−トリメチル−4−ヒドロキシピペリジン116g(97%)を黄色の液体として得た。
1225NOの元素分析、計算値:C 72.31%;H 12.64%;N 7.03%。実測値:C 71.44%;H 12.71%;N6.87%。
【0243】
テトラヒドロフラン120ml中の2,6−ジエチル−2,3,6−トリメチル−4−ヒドロキシピペリジン25.7g(0.13mol)の溶液に、撹拌しながら、0℃で2時間以内に、テトラヒドロフラン230ml中のm−クロロ−過安息香酸(70%)54.5g(0.22mol)の溶液を滴下により加えた。赤色から褐色の溶液を室温で一晩撹拌し、ヘキサン500mlを加えた。溶液を、1N NaHCO3で数回、最後に水で振とうすることにより中和した。溶媒を蒸発し、2,6−ジエチル−2,3,6−トリメチル−4−ヒドロキシピペリジン−1−オキシル27.0g(97%)を赤色の液体として得た。
1224NO2の元素分析、計算値:C 67.25%;H 11.29%;N 6.54%。実測値:C 67.10%;H 11.42%;N6.68%。
【0244】
実施例2
2,6−ジエチル−2,3,6−トリメチル−4−オキソピペリジン−1−オキシル
【0245】
【化108】

【0246】
2,6−ジエチル−2,3,6−トリメチル−4−オキソピペリジンを、実施例1と同様にして、2,6−ジエチル−2,3,6−トリメチル−4−オキソピペリジン16g(0.08mol)をm−クロロ−過安息香酸で酸化することにより調製した。2,6−ジエチル−2,3,6−トリメチル−4−オキシピペリジン−1−オキシル10gを赤色の液体として得た。
1222NO2の元素分析、計算値:C 67.89%;H 10.44%;N 6.60%。実測値:C 68.00%;H 10.42%;N6.61%。
【0247】
b)WO20002048205に従って調製した式IIaの化合物
実施例3
7,9−ジエチル−6,7,9−トリメチル−1,4−ジオキサ−8−アザ−スピロ[4.5]デカン−8−オキシル
【0248】
【化109】

【0249】
US4,105,626 の実施例5に従って、8−アザ−6,7,9−トリメチル−7,9−ジエチル−1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカンを塩化メチレン100mlに溶解した。この溶液に、塩化メチレン300ml中のm−クロロ過安息香酸42.6gの溶液を2時間以内に滴下した。反応混合物は赤色となり、m−クロロ安息香酸が徐々に沈殿した。混合物を12時間撹拌した後、沈殿物を吸引により濾取した。濾液を、2n 水酸化ナトリウム200ml、続いて水200mlで洗浄した。硫酸ナトリウムで乾燥した後、塩化メチレンを蒸発し、残渣を真空下で蒸留した。120℃、0.65mmHgで、純粋な8−アザ−6,7,9−トリメチル−7,9−ジエチル−1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカン−8−オキシルを蒸留した。
【0250】
実施例4
オクタデカン酸3,8,10−トリエチル−7,8,10−トリメチル−1,5−ジオキサ−9−アザ−スピロ[5.5]ウンデカ−3−イルメチルエステル−9−オキシル
【0251】
【化110】

【0252】
標記化合物を、オクタデカン酸3,8,10−トリエチル−7,8,10−トリメチル−1,5−ジオキサ−9−アザ−スピロ[5.5]ウンデカ−3−イル−メチルエステル(US 4,105,626、実施例4と同様にして調製)を酸化することにより、赤色の油として得た。MS(CI):MH=595(C3668NO5=594.95)。
【0253】
c)US6,479,608に従って調製した式IIbの化合物
実施例5
1−t−ブチル−3,3,5,5−テトラエチル−ピペラジン−2−オン−4−オキシル
【0254】
【化111】

【0255】
微粉砕したNaOH40g(1mol)を、撹拌しながら、10℃で、1,1−ジエチル−2−t−ブチルアミノエチルアミン(M. Senkus.: J.Am. Chem. Soc. 68, 10 (1946)に従って調製)0.189mol及びジエチルケトン250ml中のクロロホルム25ml(0.3mol)の溶液に加えた。反応混合物を室温で16時間撹拌し、次いで濾過した。ロータリーエバポレーター内での蒸発により濃縮した濾液をヘキサン/酢酸エチル(3:2)を用いたシリカゲルのクロマトグラフィーに付した。純粋な留分を蒸発により濃縮して、1−t−ブチル−3,3,5,5−テトラエチル−ピペラジン−2−オン(52%)を黄色の油として得た。
【0256】
化合物を、赤色の結晶、融点34−37℃としての標記化合物に変換した。原料化合物45.3g(0.2mol)を酢酸エチル450mlに溶解し、過酢酸(酢酸中39%)51.1ml(0.3Mol)を、冷却下、20分以内で、撹拌溶液に加えた。溶液を更に2.5時間撹拌し、次いでヘキサン100mlで希釈し、中和するまでNaHCO3で洗浄した。ヘキサンを蒸発し、残渣をヘキサン−EtOAc(5:1)を用いたシリカゲルでクロマトグラフィーに付し、ペンタンから結晶化した後、標記化合物を得た。
【0257】
実施例6
1−t−オクチル−3,3−ジエチル−5,5−ジメチル−ピペラジン−2−オン−4−オキシル
【0258】
【化112】

【0259】
実施例5と同様にして、1,1−ジメチル−2−t−オクチルアミノエチルアミン、ジエチルケトン、クロロホルム及びNaOHを反応させて、1−t−オクチル−3,3−ジエチル−5,5−ジメチル−ピペラジン−2−オンの化合物を黄色の油として得た。
【0260】
タングステン酸ナトリウム0.4g、炭酸ナトリウム2g、次いで10℃で過酸化水素27.5ml(水中35%)を、メタノール50ml中の1−t−オクチル−3,3−ジエチル−5,5−ジメチル−ピペラジン−2−オン0.064molの溶液に加えた。反応混合物を室温で40時間撹拌し、次いで飽和NaCl溶液100mlで希釈し、メチル−tert−ブチルエーテル5×50mlで抽出した。抽出物をMgSO4で乾燥し、蒸発により濃縮し、ヘキサン/酢酸エチル(3:1)を用いたシリカゲルでクロマトグラフィーに付した。純粋な留分を、蒸発により濃縮して、赤色の結晶、融点54〜56℃として標記化合物を得た。
【0261】
実施例7:
tert−ブチル−(1−ジエチルホスホノ−2,2−ジメチル)−アミン−N−オキシル
【0262】
【化113】

【0263】
WO96/24620に記載されたとおりに調製した。
【0264】
EP744392に記載のキノンメチドの調製
2,6−ジ−tert−ブチル−4−ベンジリデン−シクロヘキサ−2,5−ジエノン
【0265】
【化114】

【0266】
トルエン20ml中のピペリジン23.7g(0.28mol)、ベンズアルデヒド106.1g(1.0mol)及び2,6−ジ−tert−ブチルフェノール206.3g(1.0mol)の溶液に、135℃〜140℃で1時間かけて、ピペリジン70g(0.82mol)をゆっくりと加えた。次いで、反応混合物を更に3時間加熱すると、連続的な水の分離が起こった。その場で調製されたマンニッヒ塩基を、キシレン200mlで希釈し、約45分間で飽和状態に達するまで、約140℃で、塩化水素ガスを反応混合物中で泡立てた。混合物を更に1時間加熱して、薄層クロマトグラフィー(tlc)及びガス液体クロマトグラフィー(glc)試験により確認するようにして、反応を完了させたことを裏付けた。形成されたピペリジン塩酸塩を濾過により除去した。得られた暗赤色の濾液を水200mlで3回洗浄し、最後にKieselgur100gで30分間撹拌した。濾過によりKieselgurを除去し、溶媒を蒸発して、標記化合物約90%(glc)を含有する暗赤色の粘性油285.6gを得た。この生成物を、真空下(10bar)での蒸留により更に精製して、glcにおける純度96%で、160℃〜168℃の間で沸騰する留分253.4g(収率86.1%)を得た。この黄色の粘性生成物を室温で放置してゆっくりと結晶化した。
【0267】
(3,5−ジ−tert−ブチル−4−オキソシクロヘキサ−2,5−ジエニリデン)アセトニトリル
この化合物を、V. V. Ershov et al., Izv. Akad. Nauk. SSSR, Ser. Khim. (5), 928 (1966)の手順により製造することができた。
【0268】
【化115】

【0269】
メチル(3,5−ジ−tert−ブチル−4−オキソシクロヘキサ−2,5−ジエニリデン)アセタート
この化合物を、F. R. Hewgill et al., Aust. J. Chem. 30, 2565 (1977)の手順により製造することができた。
【0270】
【化116】

【0271】
新しい安定剤の2個の技術的パラメータを試験した:
【0272】
1.70℃での安定化効率
a)5%光開始剤 IRGACURE 369(2−ベンジル−2−(ジメチルアミノ)−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン)を含有するTMPTA(トリメチロールプロパントリアクリラート)において。
b)ピグメントオレンジ34を含有するUV硬化性オフセットインクにおいて。
2.ブルーUV硬化性オフセットインクの硬化効率に対する新しい缶内安定剤の存在の影響
【0273】
実験詳細
TMPTAの保存安定性
IRGACURE 369 5gを、TMPTA(UCB)95gに加え、撹拌して、5重量%の濃度の開始剤を有する透明で黄色がかった溶液を得た。安定剤0.1gを溶液に加え、物質が完全に溶解するまで撹拌した。溶液2mlを2.5ml分析用バイアルに充填し、乾燥オーブン内に置いた(1物質及び1濃度につき2個のサンプル)。サンプルを70℃で保存し、重合(通常、底から始まり、最上部に至る)を目視により検査した(重合が始まるまでの日数として報告した)。
【0274】
オレンジオフセットインクの保存安定性
2.5重量%安定剤を含有するTMPTA溶液0.2gを、市販のオレンジオフセットインク(w/o 以前に加えた安定剤)5.0gに加え、マラー(muller)内で均一に分布させた。インク2.4gを、計量容器(ガラス、直径13mm)内に充填し、乾燥オーブン内に置いた。サンプルを70℃で保存し、インクの重合(通常、底から始まり、最上部に至る)をスパチュラを用いて検査した(重合が始まるまでの日数として報告した)。
【0275】
ブルーオフセットインクの硬化効率に対する安定剤の影響
硬化効率に対する影響の評価のため、ブルーUVオフセットインクを、適切な試験系として選択した。
【0276】
ブルーオフセットインクの組成:
【0277】
【表2】

【0278】
2.5重量%安定剤を含有するTMPTA溶液0.2gを、ブルーオフセットインク5.0gに加え、マラー内で均一に分布させた。インクを、白色のLumiart紙(1.5g/m2)上のプリューフバウ多目的印刷適性試験機を用いて印刷し、IST-Metz社のUV照射器における150W/cmで、1個の中圧水銀灯の放射に曝露した。曝露後、インクのスルーキュア(through cure)(m/minにおけるラインの速度)及び表面硬化(y/n)を評価した。
【0279】
結果
【表3】




1)Kromachem
2)UVインクにおいて通常使用されるFlorstab UV1の濃度
3)Irgastab UV 10
【0280】
【化117】

【0281】
Ciba Specialty Chemicals
【0282】
高度立体障害ニトロキシル基は、市販製品 Florstab UV1 及び Irgastab UV 10、特にTMPTA/Irgacure 369 混合物において、より高い安定化効果を示した。それらは、ブルーオフセットインクの硬化効率に対して、全く負の影響を持たないか、或いはごく小さな負の影響しか持たなかった。
【0283】
高度立体障害ニトロキシル基及びキノンメチドの混合物を使用した保存安定性
使用した混合物:OTA 480 UCB16g中の
【0284】
【化118】

【0285】
0.672g、及び
【0286】
【化119】

【0287】
3.328g。これは、安定剤の20%溶液に相当した。
【0288】
配合物I:5%光開始剤 Irgacure 369(2−ベンジル−2−(ジメチルアミノ)−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン)を含有するTMPTA(トリメチロールプロパントリアクリラートモノマー UCB)
OTA 480(20%溶液として)中の安定剤混合物0.05g又は0.1gを、配合物1 10gに加え、物質が完全に溶解するまで撹拌した。溶液2mlを2.5ml分析用バイアルに充填し、乾燥オーブン内に置いた(1物質及び1濃度につき2個のサンプル)。サンプルを70℃で保存し、重合(通常、底から始まり、最上部に至る)を目視により検査した(重合が始まるまでの日数として報告した)。
【0289】
15日後は、ゲル化は起こらなかった。安定化なしで、重合は2日後に始まった。
【0290】
配合物2:5%光開始剤 Irgacure 369を含有するSICPA Security Inks のオレンジインク
OTA 480(20%溶液として)中の安定剤混合物0.025g又は0.5gを、配合物2 10gに加え、顔料粉砕機を用いて混合した。サンプル2.4gを70℃で保存し、重合(通常、底から始まり、最上部に至る)を目視により検査した(重合が始まるまでの日数として報告した)。
【0291】
15日後は、ゲル化は起こらなかった。安定化なしで、重合は2日後に始まった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
UV硬化性樹脂のための缶内安定剤(in-can stabilizer)としての、式I又はII:
【化1】


〔式中、
a、Rb、Rc、Rdは、互いに独立して、場合により置換されているC1〜C18アルキル若しくはベンジル、場合により置換されているC5〜C12シクロアルキル若しくはC6〜C10アリールであるか;或いはRa、Rb、Rc、Rdは、炭素原子と一緒になって、C5〜C12シクロアルキル環を形成し、
A及びDは、開鎖状ニトロキシルラジカルを完成するのに必要な基であり;
e、Rf、g、Rhは、互いに独立して、場合により置換されているC1〜C18アルキル若しくはベンジル、場合により置換されているC5〜C12シクロアルキル若しくはC6〜C10アリールであるか;或いはRe、Rf、g、Rhは、炭素原子と一緒になって、C5〜C12シクロアルキル環を形成するが、但し、少なくとも1つの基はメチルと異なり;
Tは、環状ニトロキシルラジカルを完成する基である〕
の、安定した高度立体障害ニトロキシルラジカルの使用。
【請求項2】
少なくとも1つのエチレン性不飽和基を有する、モノマー、オリゴマー又はポリマーの分子から構成される樹脂のゲル化を防止することによって貯蔵安定性を改善するための、請求項1記載の式I又はII:
【化2】


〔式中、
a、Rb、Rc、Rdは、互いに独立して、場合により置換されているC1〜C18アルキル若しくはベンジル、場合により置換されているC5〜C12シクロアルキル若しくはC6〜C10アリールであるか;或いはRa、Rb、Rc、Rdは、炭素原子と一緒になって、C5〜C12シクロアルキル環を形成し、
A及びDは、開鎖状ニトロキシルラジカルを完成するのに必要な基であり;
e、Rf、g、Rhは、互いに独立して、場合により置換されているC1〜C18アルキル若しくはベンジル、場合により置換されているC5〜C12シクロアルキル若しくはC6〜C10アリールであるか;或いはRe、Rf、g、Rhは、炭素原子と一緒になって、C5〜C12シクロアルキル環を形成するが、但し、少なくとも1つの基はメチルと異なり;
Tは、環状ニトロキシルラジカルを完成する基である〕
の、安定した高度立体障害ニトロキシルラジカルの使用。
【請求項3】
式Ia〜Ie:
【化3】


〔式中、
式Iaにおいて、
Yは、O又はCH2であり;
1は、第三級C4〜C18アルキル又はC6〜C10アリールであり、これは非置換であるか又はハロゲン、OH、COOR51若しくはC(O)−R52で置換されており、ここでR51は、水素、アルカリ金属原子又はC1〜C18アルキルであり、R52は、C1〜C18アルキルであるか;或いは
1は、C5〜C12シクロアルキル、少なくとも1個のO若しくはN原子で中断されているC5〜C12シクロアルキル、多環式アルキルラジカル、又は少なくとも1個のO若しくはN原子で中断されている多環式アルキルラジカルであり;
2及びR3は、独立して、場合により置換されているC1〜C18アルキル、ベンジル、C5〜C12シクロアルキル又はC6〜C10アリールであるか;或いは炭素原子と一緒になって、C5〜C12シクロアルキル環を形成し;
YがOである場合、
4は、OH、O(アルカリ金属)C1〜C18アルコキシ、ベンジルオキシ、NR5354であり、ここでR53及びR54は、互いに独立して、水素、C1〜C18アルキル又はC6〜C10アリールであり、これらは非置換であるか又はハロゲン、OH、COOR51若しくはC(O)−R52で置換されており、ここでR51及びR52は、上記で定義されたとおりであり;
YがCH2である場合、
4は、OH、C1〜C18アルコキシ、ベンジルオキシ、O−C(O)−(C1〜C18)アルキル又はNR5354であり、ここでR53及びR54は、上記で定義されたとおりであり;
式Ibにおいて、
1は、O又はCH2であり;
5、R6、R7及びR8は、互いに独立して、場合により置換されているC1〜C18アルキル、ベンジル、C5〜C12シクロアルキル又はC6〜C10アリールであるが、但し、2つ以下がアリールであるか;或いは
5とR6、及び/又はR7とR8は、炭素原子と一緒になって、C5〜C12シクロアルキル環を形成し;
9は、ホルミル、C2〜C18アルキルカルボニル、ベンゾイル、C1〜C18アルキル、C5〜C12シクロアルキル、少なくとも1個のO若しくはN原子で中断されているC5〜C12シクロアルキル、ベンジル、又はC6〜C10アリールであり、これらは非置換であるか又はハロゲン、OH、COOR51若しくはC(O)−R52で置換されており、ここでR51及びR52は、上記で定義されたとおりであり;
1がOである場合、
10は、OH、O(アルカリ金属)C1〜C18アルコキシ、ベンジルオキシ、NR5354であり、ここでR53及びR54は、上記で定義されたとおりであり;
1がCH2である場合、
10は、基C(O)R55であり、ここでR55は、OH、C1〜C18アルコキシ、ベンジルオキシ、NR5354であり、ここでR53及びR54は、上記で定義されたとおりであり;
式Icにおいて、
Qは、O又はNH又はN−C1〜C18アルキルであり;
11、R12、R13及びR14は、互いに独立して、場合により置換されているC1〜C18アルキル、ベンジル、C5〜C12シクロアルキル又はC6〜C10アリールであるが、但し、2つ以下がアリールであるか;或いは
11とR12、及び/又はR13とR14は、炭素原子と一緒になって、C5〜C12シクロアルキル環を形成し;
15及びR16は、互いに独立して、水素、ホルミル、C2〜C18アルキルカルボニル、ベンゾイル、C1〜C18アルキル、C5〜C12シクロアルキル、少なくとも1個のO若しくはN原子で中断されているC5〜C12シクロアルキル、ベンジル、又はC6〜C10アリールであり、これらは非置換であるか又はハロゲン、OH、COOR51若しくはC(O)−R52で置換されており、ここでR51及びR52は、上記で定義されたとおりであり;
式Idにおいて、
17は、C6〜C10アリールであり;
18及びR19は、互いに独立して、水素又はC1〜C4アルキルであり;
式Ieにおいて、
20及びR21は、互いに独立して、水素又はC1〜C4アルキルである〕
の開鎖状の安定した高度立体障害ニトロキシルラジカルの、請求項1又は2記載の使用。
【請求項4】
式IIa〜IId:
【化4】


〔式中、
式IIaにおいて、
22、R23、R24、R25は、互いに独立して、C1〜C4アルキルであるが、但し、少なくとも1つの基がメチルと異なるか;或いはR22とR23、及び/又はR24とR25は、それらが結合しているC原子と一緒になって、C5〜C8シクロアルキル環を形成し;
26、R27は、互いに独立して、H又はC1〜C18アルコキシであり、R26がHである場合、R27は、さらに、OH、−O−(C1〜C18)アシル、−NHR56又はN(R462であり、ここでR56は、H、C1〜C18アルキル、C5〜C7シクロアルキル、C7〜C9フェニルアルキル、C6〜C10アリール又はC1〜C18アシルであるか;或いはR26及びR27は、それらが結合しているC原子と一緒になって、下記式:
【化5】


(式中、kは、0、1又は2であり、そしてR57は、C1〜C18アルキル、−CH2−OH、−CH2−O−(C1〜C18)アルキル又は−CH2−O−(C1〜C18)アシルであり;kが2の場合、2つのR47基は異なっていてもよい)の環状ケタール基を形成するか;或いは
26及びR27は、一緒になって、基=O、=N−O−R58又は=N−N−R5960を形成し、ここでR58、R59、R60は、独立して、H、C1〜C18アルキル、C5〜C7シクロアルキル、C7〜C9フェニルアルキル、C6〜C10アリール又はC1〜C18アシルであり;
28は、水素又はメチルであり;
式IIbにおいて、
AはOであり、Eは−CH2−であるか、或いはAはNR61であり、Eは、−C(O)−、−CH2−又は直接結合であり、ここでR61は、H、C1〜C18アルキル、C5〜C8シクロアルキル、C7〜C9フェニルアルキル、C6〜C10アリール又はC1〜C18アシルであり;
29、R30、R31、R32は、互いに独立して、C1〜C4アルキルであるか;或いはR29とR20、及び/又はR31とR32は、それらが結合しているC原子と一緒になって、C5〜C8シクロアルキル環を形成するか;或いはR29、R30、R31、R32は、挿入された酸素を有するか、又は官能基を有して、下記式:
【化6】


のような化合物を与えることができ;
式IIcにおいて、
33、R34、R35、R36は、互いに独立して、C1〜C4アルキルであるか;或いはR33とR34、及び/又はR35とR36は、それらが結合しているC原子と一緒になって、C5〜C8シクロアルキル環を形成するか;或いはR33、R34、R35、R36は、挿入された酸素を有するか、又は官能基を有して、下記式:
【化7】


のような化合物を与えることができ;
37は、H、C1〜C18アルキル、C5〜C7シクロアルキル、C7〜C9フェニルアルキル、C6〜C10アリール又はC1〜C18アシルであり;
38は、H、C1〜C4アルキルであり;
式IIdにおいて、
39は、H、C1〜C18アルキル、C5〜C7シクロアルキル、C7〜C9フェニルアルキル、C6〜C10アリール又はC1〜C18アシルであり;
40は、H、C1〜C4アルキルであり;
41、R42、R43、R44は、互いに独立して、C1〜C4アルキルであるか;或いはR33とR34、及び/又はR35とR36は、それらが結合しているC原子と一緒になって、C5〜C8シクロアルキル環を形成する〕
の安定した高度立体障害環状ニトロキシルラジカルの、請求項1又は2記載の使用。
【請求項5】
式Iaにおいて、
Yが、Oであり;
1が、第三級C4〜C18アルキルであるか;又はC5〜C12シクロアルキルであるか、又は少なくとも1個のO若しくはN原子で中断されているC5〜C12シクロアルキルであり;
2及びR3が、独立してC1〜C18アルキルであるか;又は炭素原子と一緒になって、C5〜C12シクロアルキル環を形成し;
4が、C1〜C18アルコキシ、ベンジルオキシ又はNR5354であり、ここでR53及びR54が、互いに独立して、水素、C1〜C18アルキルであり;
式Ibにおいて、
1が、Oであり;
5、R6、R7及びR8が、互いに独立して、C1〜C18アルキルであるか;或いは
5とR6、及び/又はR7とR8が、炭素原子と一緒になって、C5〜C6シクロアルキル環を形成し;
9が、ホルミル、C2〜C8アルキルカルボニル、ベンゾイル、C1〜C18アルキル、ベンジル又はフェニルであり;
10が、C1〜C18アルコキシ、ベンジルオキシ、NR5354であり、ここでR53及びR54が、上記で定義されたとおりであり;
式Icにおいて、
Qが、Oであり;
11、R12、R13及びR14が、互いに独立して、C1〜C18アルキル又はフェニルであるか;或いは
11とR12、及び/又はR13とR14が、炭素原子と一緒になって、C5〜C6シクロアルキル環を形成し;
15及びR16が、互いに独立して、ホルミル、C2〜C18アルキルカルボニル、ベンゾイル、C1〜C18アルキル、ベンジル又はフェニルであり;
式Idにおいて、
17が、フェニルであり;
18及びR19が、互いに独立して、C1〜C4アルキルであり;
式Ieにおいて、
20及びR21が、互いに独立して、C1〜C4アルキルであり;
式IIaにおいて、
22、R23、R24、25が、独立して、C1〜C4アルキルであるが、但し、少なくとも1つの基がメチルと異なり;
26、R27が、独立して、H又はC1〜C18アルコキシであり、R26がHである場合、R27が、さらに、OH、−O−(C1〜C18)アシル、−NH−C1〜C18アルキルであるか;或いはR26及びR27が、それらが結合しているC原子と一緒になって、下記式:、
【化8】


(式中、kは、0、1又は2であり、そしてR57は、C1〜C18アルキル、−CH2−OH、−CH2−O−(C1〜C18)アルキル又は−CH2−O−(C1〜C18)アシルであり;kが2の場合は、2つのR47基は異なっていてもよい)の環状ケタール基を形成するか;或いは
26及びR27が、一緒になって、基=Oを形成し;
28が、水素又はメチルであり;
式IIbにおいて、
AがOであり、Eが−CH2−であるか、或いはAがNR61であり、Eが、−CH2−又は直接結合であり;ここでR61が、H、C1〜C18アルキル、C5〜C8シクロアルキル又はC7〜C9フェニルアルキルであり;
29、R30、R31、R32が、互いに独立して、C1〜C4アルキルであるか;或いはR29とR20、及び/又はR31とR32が、それらが結合しているC原子と一緒になって、C5〜C8シクロアルキル環を形成するか;或いはR29、R30、R31、R32が、挿入された酸素を有するか、又は官能基を有して、下記式:
【化9】


のような化合物を与えることができ;
式IIcにおいて、
33、R34、R35、R36が、互いに独立して、C1〜C4アルキルであるか;或いはR29とR20、及び/又はR31とR32が、それらが結合しているC原子と一緒になって、C5〜C8シクロアルキル環を形成するか;或いはR29、R30、R31、R32が、挿入された酸素を有するか、又は官能基を有して、下記式:
【化10】


のような化合物を与えることができ;
37が、H、C1〜C18アルキルであり;
38が、H、C1〜C4アルキルであり;
式IIdにおいて、
39が、H、C1〜C18アルキルであり;
40が、C1〜C4アルキルであり;
41、R42、R33、R44が、互いに独立して、C1〜C4アルキルである
請求項1〜4のいずれか1項記載の使用。
【請求項6】
式Iaにおいて、
Yが、Oであり;
1が、第三級C4〜C8アルキルであり;
2及びR3が、互いに独立して、メチル又はエチルであるか;或いは炭素原子と一緒になって、C5〜C6シクロアルキル環を形成し;
4が、C1〜C18アルコキシ又はNH−C1〜C18アルキルであり;
式Ibにおいて、
1が、Oであり;
5、R6、R7及びR8が、互いに独立して、メチル又はエチルであるか;或いは
5とR6、及び/又はR7とR8が、炭素原子と一緒になって、C5〜C6シクロアルキル環を形成し;
9が、C2〜C8アルキルカルボニル、ベンゾイル、C1〜C18アルキル又はベンジルであり;
10が、C1〜C18アルコキシ又はNH−C1〜C18アルキルであり;
式Icにおいて、
Qが、Oであり;
11、R12、R13及びR14が、互いに独立して、メチル、又はエチル、又はフェニルであるか;或いは
11とR12、及び/又はR13とR14が、炭素原子と一緒になって、C5〜C6シクロアルキル環を形成し;
15及びR16が、互いに独立して、C2〜C8アルキルカルボニル、ベンゾイル、C1〜C8アルキル又はベンジルであり;
式Idにおいて、
17が、フェニルであり;
18及びR19が、互いに独立して、メチル又はエチルであり;
式Ieにおいて、
20及びR21が、互いに独立して、メチル又はエチルであり;
式IIaにおいて、
22及びR24がメチルであり、R23及びR25がエチルであり;
26、R27が、独立して、H又はC1〜C18アルコキシであり;R26がHである場合、R27が、さらにOHであるか;或いはR26及びR27が、それらが結合しているC原子と一緒になって、下記式:
【化11】


(式中、kは、0、1又は2であり、そしてR47は、C1〜C18アルキル、−CH2−OH、−CH2−O−(C1〜C18)アルキル又は−CH2−O−(C1〜C18)アシルであり;kが2の場合は、2つのR47基が異なっていてもよい)の環状ケタール基を形成するか;或いは
26及びR27が、一緒になって、基=Oを形成し;
28が、水素又はメチルであり;
式IIbにおいて、
AがOであり、Eが−CH2−であるか、或いはAが、NH又はN−C1〜C18アルキルであり;
29、R30、R31、R32が、互いに独立して、メチル又はエチルであるか;或いはR29とR20、及び/又はR31とR32が、それらが結合しているC原子と一緒になって、C5〜C6シクロアルキル環を形成し;
式IIcにおいて、
33、R34、R35、R36が、互いに独立して、メチル又はエチルであるか;或いはR29とR20、及び/又はR31とR32は、それらが結合しているC原子と一緒になって、C5〜C6シクロアルキル環を形成し;
37が、H、C1〜C18アルキルであり;
38が、Hであり;
式IIdにおいて、
39が、Hであり;
40が、メチルであり;
41、R42、R43、R44が、互いに独立して、メチル又はエチルである
請求項5記載の使用。
【請求項7】
UV硬化性の着色又は非着色ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂及びエポキシ樹脂のための缶内安定剤としての、請求項1又は2記載の安定した高度立体障害ニトロキシルラジカルの使用。
【請求項8】
重ね刷り用ワニス及びインクのための缶内安定剤としての、請求項1又は2記載の安定した高度立体障害ニトロキシルラジカルの使用。
【請求項9】
UV硬化性樹脂のための缶内安定剤としての、式III:
【化12】


〔式中、
1及びR2は、互いに独立して、C1〜C18アルキル、C5〜C12シクロアルキル、C7〜C15フェニルアルキル、場合により置換されているC6〜C10アリールであり;
3及びR4は、互いに独立して、H、場合により置換されているC6〜C10アリール、2−、3−、4−ピリジル、2−、3−フリル若しくはチエニル、COOH、COOR10、CONH2、CONHR10、CONR1011、−CN、−COR10、−OCOR10、−OPO(OR102であり、ここでR10は、C1〜C8アルキル又はフェニルである〕
の、キノンメチドの使用。
【請求項10】
UV硬化性の着色又は非着色ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂及びエポキシ樹脂のための缶内安定剤としての、請求項9記載のキノンメチドの使用。
【請求項11】
重ね刷り用ワニス及びインクのための缶内安定剤としての、請求項9記載のキノンメチドの使用。
【請求項12】
1〜99mol%の、請求項1又は2記載の式I又はIIの安定した高度立体障害ニトロキシルラジカルと、99〜1mol%の、UV硬化性樹脂のための缶内安定剤としての請求項9記載の式IIIのキノンメチドとのブレンドの使用。
【請求項13】
場合により光開始剤を含む被覆組成物又はインク組成物に、請求項1又は9で定義された缶内安定剤又は請求項12で定義された缶内安定剤のブレンドの、被覆組成物又はインク組成物の総量に基づいて0.0001〜10重量%の量で添加することによる、放射線硬化性被覆組成物又はインク組成物の貯蔵安定性を増加する方法。
【請求項14】
光開始剤を含む被覆組成物又はインク組成物に、請求項1又は9で定義された缶内安定剤又は請求項12で定義された缶内安定剤のブレンドの、被覆組成物又はインク組成物の総量に基づいて0.0001〜10重量%の量で添加することによる、UV硬化性被覆組成物又はインク組成物の貯蔵安定性を増加する方法。

【公表番号】特表2008−511714(P2008−511714A)
【公表日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−529355(P2007−529355)
【出願日】平成17年8月24日(2005.8.24)
【国際出願番号】PCT/EP2005/054146
【国際公開番号】WO2006/024621
【国際公開日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【出願人】(396023948)チバ スペシャルティ ケミカルズ ホールディング インコーポレーテッド (530)
【氏名又は名称原語表記】Ciba Specialty Chemicals Holding Inc.
【Fターム(参考)】