説明

置換した4−アミノ−1−(ピリジルメチル)ピペリジンおよび関連する化合物を調製するためのプロセス

置換した4−アミノ−1−(ピリジルメチル)ピペリジンおよび関連する化合物を、高い収率および高い純度で調製するためのプロセスおよび中間体を記載する。記載するプロセスによって調製される置換4−アミノ−1−(ピリジルメチル)ピペリジンおよび関連する化合物は、ムスカリン性レセプタ拮抗物質として、有用である。本プロセスは、置換した4−アミノ−1−(ピリジルメチル)ピペリジンおよび関連する化合物を、中間体の分離およびクロマトグラフィー精製の必要無しに高い収率および高い純度で供給する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(本発明の背景)
(本発明の分野)
本発明は、置換した4−アミノ−1−(ピリジルメチル)ピペリジンおよび関連する化合物を調製するためのプロセスおよび中間体に関連している。本発明のプロセスによって調製された化合物は、ムスカリン性レセプタ拮抗物質として、有用である。
【背景技術】
【0002】
(技術的水準)
置換した4−アミノ−1−(ピリジルメチル)ピペリジンおよび関連する化合物は、2004年5月21日に公開された特許文献1;および2004年6月24日に公開された特許文献2内で、ムスカリン性レセプタ拮抗物質として開示されている。このような化合物は、ムスカリン性レセプタによってもたらされる疾患状態(例えば、過活動膀胱)を処置するための治療学的因子として、有用となると予想される。このような化合物を調製するための方法が述べられてきたが、このような化合物を、中間体の分離およびクロマトグラフィー精製の必要無しに高い収率および高い純度で供給する新たなプロセスが必要である。
【特許文献1】国際公開第2004/041806号パンフレット
【特許文献2】米国特許出願公開第2004/0122014号明細書
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0003】
(発明の概要)
本発明は、置換した4−アミノ−1−(ピリジルメチル)ピペリジンおよび関連する化合物を調製するための新たなプロセスを供給する。別の利点のなおその上に、本プロセスは、置換した4−アミノ−1−(ピリジルメチル)ピペリジンおよび関連する化合物を、中間体の分離およびクロマトグラフィー精製の必要無しに高い収率および高い純度で供給する。置換した4−アミノ−1−(ピリジルメチル)ピペリジンおよび関連する化合物を調製するために有効な新たな中間体がまた、本明細書に供給されている。
【0004】
したがって、この方法の局面の一つの中で、本発明は、式(I):
【0005】
【化16】

の化合物またはその塩または立体異性体を調製するための一般的プロセスに関し、ここで、そのプロセスは:
(a) 式(II);
【0006】
【化17】

の化合物と、式(III);
【0007】
【化18】

の化合物、またはその塩と第1の還元剤とを反応させ、式(IV);
【0008】
【化19】

の化合物またはその塩を形成する、工程;
(b) 式(IV)の化合物またはその塩と酸と水とを反応させ、式(V);
【0009】
【化20】

の化合物またはその塩を形成する、工程
(c) 式(V)の化合物またはその塩と式(VI);
【0010】
【化21】

の化合物またはその塩または立体異性体と第2の還元剤とを反応させ、式(I)の化合物またはその塩または立体異性体を形成する、工程;
を包含し、
ここで、
W、X、YおよびZは、W、X、Y、およびZのうちの少なくとも1つおよび2つ以下がNまたはN→Oである条件で、独立して、CH、CR、NおよびN→Oからなる群から選択され;
は、水素、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C3−6シクロアルキル、−CH−R、および−(CH−Rからなる群から選択され;ここで、それぞれのアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、およびシクロアルキル基は、任意に1〜5個のフルオロ置換基で置換され;
それぞれのRは、独立して、水素、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C3−6シクロアルキル、−CH−R、および−(CH−Rからなる群から選択され、ここで、それぞれのアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、およびシクロアルキル基は、任意に1〜5個のフルオロ置換基で置換され;
それぞれのRは、独立して、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C3−6シクロアルキル、−OR、およびハロからなる群から選択されるか、または2つの隣接したR基が一緒になって、C3−6アルキレン、−O−(C2−4アルキレン)−、−O−(C1−4アルキレン)−O−、−(O)C−CH=CH−、または−CH=CH−C(O)−を形成するか、ZがCR、−ORおよびRと一緒になって、−O−(C2−5アルキレン)−、または−O−(C1−5アルキレン)−O−を形成し、ここで、それぞれのアルキル基、アルキレン基、アルケニル基、アルキニル基、およびシクロアルキル基は、任意に1〜5個のフルオロ置換基で置換され;
それぞれのRおよびRは、独立して、C3−5シクロアルキル、C6−10アリール、−C(O)(C6−10アリール)、C2−9ヘテロアリール、−C(O)(C2−9ヘテロアリール)、およびC3−6複素環式からなる群から選択され、ここで、このシクロアルキル基は、任意に1〜5個のフルオロ置換基で置換され、このアリール基、ヘテロアリール基、および複素環式基は、任意に1〜3個の、Rから独立して選択される置換基で置換され、このアリール基およびヘテロアリール基は、任意にフェニル基でさらに置換され、ここで、このフェニル基は、任意に1〜3個の、Rから独立して選択される置換基で置換され;
それぞれのRおよびRは、独立して、−OH、−OR、−SR、−S(O)R、−S(O)、−C(O)R、C3−5シクロアルキル、C6−10アリール、C2−9ヘテロアリール、およびC3−6複素環式からなる群から選択され、ここで、このシクロアルキル基は、任意に1〜5個のフルオロ置換基で置換され;このアリール基、ヘテロアリール基、および複素環式基は、任意に1〜3個の、Rから独立して選択される置換基で置換され;
それぞれのRは、独立して、C1−4アルキル、C3−5シクロアルキル、C6−10アリール、およびC2−9ヘテロアリールからなる群から選択され、ここで、このアルキル基およびシクロアルキル基は、任意に1〜5個のフルオロ置換基で置換され;このアリール基およびヘテロアリール基は、任意に1〜3個の、Rから独立して選択される置換基で置換され;
10およびR11は、独立して、C1−6アルキルであるか;またはR10およびR11は一緒になってC2−6アルキレンを形成し;
それぞれのRおよびRは、独立して、C1−4アルキル、C2−4アルケニル、C2−4アルキニル、C3−6シクロアルキル、シアノ、ハロ、−OR、−SR、−S(O)R、−S(O)、および−NRからなる群から選択されるか;または2つの隣接したR基または二つの隣接したR基が一緒になって、C3−6アルキレン、−(C2−4アルキレン)−O−、または−O−(C1−4アルキレン)−O−を形成し、ここで、それぞれのアルキル基、アルキレン基、アルケニル基、アルキニル基、およびシクロアルキル基は、任意に1〜5個のフルオロ置換基で置換され;
それぞれのRおよびRは、独立して、C1−4アルキルおよびフルオロからなる群から選択され、ここで、それぞれのアルキル基は、任意に1〜5個のフルオロ置換基で置換され;
それぞれのRは、独立して、水素、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C3−6シクロアルキル、C6−10アリール、C2−9ヘテロアリール、C3−6複素環式、−CH−R、および−CHCH−Rからなる群から選択されるか、または両方のR基がそれらが結合している窒素原子と一緒になって、C3−6複素環式を形成し;ここで、それぞれのアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、およびシクロアルキル基は、任意に1〜5個のフルオロ置換基で置換され;それぞれのアリール基、ヘテロアリール基、および複素環式基は、任意に1〜3個の、Rから独立して選択される置換基で置換され;
それぞれのRは、独立して、水素、C1−4アルキル、C2−4アルケニル、C2−4アルキニル、およびC3−6シクロアルキルからなる群から選択され、ここで、それぞれのアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、およびシクロアルキル基は、任意に1〜5個のフルオロ置換基で置換され;
それぞれのRおよびRは、独立して、水素、C1−4アルキル、C2−4アルケニル、C2−4アルキニル、およびC3−6シクロアルキルからなる群から選択されるか、またはRおよびRがそれらが結合している窒素原子と一緒になって、C3−6複素環式を形成し;ここで、それぞれのアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、およびシクロアルキル基は、任意に1〜5個のフルオロ置換基で置換され、この複素環式基は、任意に1〜3個の、C1−4アルキルおよびフルオロから独立して選択される置換基で置換され;
それぞれのRは、独立して、C3−6シクロアルキル、C6−10アリール、C2−9ヘテロアリール、C3−6複素環式からなる群から選択され;ここで、アリール基、シクロアルキル基、ヘテロアリール基、および複素環式基は、任意に1〜3個の、Rから独立して選択される置換基で置換され;
それぞれのRは、独立して、C3−6シクロアルキル、C6−10アリール、C2−9ヘテロアリール、C3−6複素環式、−OH、−O(C1−6アルキル)、−O(C3−6シクロアルキル)、−O(C6−10アリール)、−O(C2−9ヘテロアリール)、−S(C1−6アルキル)、−S(O)(C1−6アルキル)、−S(O)(C1−6アルキル)、−S(C3−6シクロアルキル)、−S(O)(C3−6シクロアルキル)、−S(O)(C3−6シクロアルキル)、−S(C6−10アリール)、−S(O)(C6−10アリール)、−S(O)(C6−10アリール)、−S(C2−9ヘテロアリール)、−S(O)(C2−9ヘテロアリール)、および−S(O)(C2−9ヘテロアリール)からなる群から選択され、ここで、それぞれのアルキル基は、任意に1〜5個のフルオロ置換基で置換され、それぞれのアリール基、シクロアルキル基、ヘテロアリール基、および複素環式基は、任意に1〜3個の、Rから独立して選択される置換基で置換され;
それぞれのRは、独立して、C1−4アルキル、C2−4アルケニル、C2−4アルキニル、シアノ、ハロ、−OR、−SR、−S(O)R、−S(O)、および−NRからなる群から選択されるか、または二つの隣接したR基が一緒になって、C3−6アルキレン、−(C2−4アルキレン)−O−または−O−(C1−4アルキレン)−O−を形成し、ここで、それぞれのアルキル基、アルキレン基、アルケニル基、およびアルキニル基は、任意に1〜5個のフルオロ置換基で置換され;
式(I)の化合物中のそれぞれの−CH−基は、任意に、一つまたは二つの、C1−2アルキル、フルオロからなる群から独立して選択された置換基で置換され、ここで、それぞれのアルキル基は、任意に1〜3個のフルオロ基で置換され;
aは、2〜7の整数であり;
bは、0または1であり;
cは、2〜7の整数であり;但し、a+b+cは7、8または9に等しく;
mは、0〜3の整数であり;
nは、0〜3の整数であり;
pは、1または2であり;
qは、0〜4の整数であり;
rは、0〜4の整数であり;
xは、2〜4の整数であり;
yは、2〜4の整数である、プロセスである。
【0011】
本発明の一つの実施形態において、本プロセスは:
(d) 式(I)の化合物の水素付加塩を含む水溶液を形成する、工程;
(e) 工程(d)からの水溶液と水−不混和性有機希釈剤とを接触させる、工程;および、次いで
(f) この水溶液から、この水−不混和性有機希釈剤を分離させる、工程;
をさらに包含する。
【0012】
別の実施形態において、本プロセスは:
(g) 式(I)の化合物および水−不混和性有機希釈剤を含む水−不混和性有機希釈溶液を形成する、工程;
(h) 工程(g)からの水−不混和性有機希釈溶液と、アルカリ金属の炭酸塩およびアルカリ金属のメタ重亜硫酸塩を含む水溶液とを接触させる、工程;および
(i) この水溶液から、この水−不混和性有機希釈溶液を分離させる、工程;
をさらに包含する。
【0013】
別の実施形態においてもなお、本プロセスは
(j) 式(I)の化合物とナフタレン−1,5−ジスルホン酸とを接触させ、式(I)の化合物のナフタレン−1,5−ジスルホン酸塩を形成する、工程:
をさらに包含する。
【0014】
本発明はまた、式(I)の化合物を調製するためのプロセスに有用な中間体を供給する。したがって、この組成物の局面の一つの中で、本発明は、式(IV):
【0015】
【化22】

の化合物またはその塩または立体異性体に関し;ここで、
W、X、Y、Z、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11、R、R、R、R、R、a、b、c、r、x、およびyは、本明細書中で定義されているとおりである。
【0016】
この組成物の別の局面の中で、本発明は、式(XI):
【0017】
【化23】

の化合物またはその塩に関する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
(本発明の詳細な説明)
本発明は、置換した4−アミノ−1−(ピリジルメチル)ピペリジンおよび式(I)または式(XII)の関連する化合物、またはその塩または立体異性体を調製するための新たなプロセスを供給する。式(I)−(XII)の化合物は、一つ以上のキラル中心を含み得、このようなキラル中心(単数または複数)が存在する場合、もし別に明示されなければ、本発明はラセミ混合物、純粋な立体異性体(すなわち、個々のエナンチオマーまたはジアステレオマー)、および立体異性体的に富化されたこのような異性体の混合物を含む。特定の立体異性体が明示された場合、当業者は、もし別に明示がなければ、少量の別の立体異性体が存在し得ることを理解する(その別の異性体の存在によってその全体としての有用性が削除されない条件で)。
【0019】
式(I)−(XII)の化合物はまた、いくつかの塩基性基(例えば、アミノ基)を含み得、ゆえに、式(I)−(XII)の化合物は多種の塩形態で存在し得る。このような塩形態全ては、本発明の範囲内に含まれる。薬学的に受容可能な式(I)−(XII)の化合物の溶媒化合物またはその塩がまた、本発明の範囲内に含まれる。
【0020】
さらに、式(I)の化合物の全てのcis−transまたはE/Z異性体(幾何異性体)および互変異生体形態は、本発明の範囲内である。例えば、Rが水素でXがNの場合、このような化合物はピリジン−4−オン形態で存在し得る。
【0021】
式(I)−(XII)の化合物はまた、同位体ラベルをした、すなわち一つ以上の原子が天然で主に確かめられる原子質量と異なる原子質量を有する原子で富化された化合物を含み得る。式(I)の化合物中に含まれる同位体の例としては、H、H、13C、14C、15N、18O、および17Oが挙げられるが、これらに限定しない。
【0022】
式(I)の化合物を述べるために使用される学名は、以下の代表的な例で説明する。4−{N−[7−(3−(S)−1−カルバモイル−1,1−ジフェニルメチル)ピロリジン−1−イル)ヘプト−1−イル]−N−(エチル)アミノ}−1−(4−メトキシピリド−3−イルメチル)ピペリジンは、式:
【0023】
【化24】

の化合物を示す。この化合物はまた、AutoNom(MDL、San Leandro California)を使用して、以下のように名づけられる:2−[(S)−1−(7−{エチル−[1−(4−メトキシピリジン−3−イルメチル)ピペリジン−4−イル]アミノ}ヘプチル)ピロリジン−3−イル}−2,2−ジフェニルアセトアミド。
【0024】
(定義)
本発明の化合物およびプロセスを述べる際、以下の用語は、もし別に表示されなければ、以下の意味を有する。
【0025】
用語「アルキル」は、直鎖または分枝状であり得る1価の飽和した炭化水素基を示す。もし別に表示されなければ、このようなアルキル基は、典型的に1〜10個の炭素原子を含む。代表的なアルキル基は、例としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、n−ノニル、n−デシルなどが挙げられる。
【0026】
用語「アルキレン」は、直鎖または分枝状であり得る2価の飽和した炭化水素基を示す。もし別に表示されなければ、このようなアルキレン基は、典型的に1〜10個の炭素原子を含む。代表的なアルキレン基は、例としては、メチレン、エタン−1,2−ジイル(「エチレン」)、プロパン−1,2−ジイル、プロパン−1,3−ジイル、ブタン−1,4−ジイル、ペンタン−1,5−ジイルなどが挙げられる。
【0027】
用語「アルケニル」は、直鎖または分枝状であり得て、少なくとも1つの炭素−炭素二重結合、典型的には1、2または3個の炭素−炭素二重結合を有する1価の不飽和の炭化水素基を示す。もし別に表示されなければ、このようなアルケニル基は、典型的に2〜10個の炭素原子を含む。代表的なアルケニル基は、例としては、エテニル、n−プロペニル、イソプロペニル、n−ブタ−2−エニル、n−ヘキサ−3−エニルなどが挙げられる。
【0028】
用語「アルキニル」は、直鎖または分枝状であり得て、少なくとも1つの炭素−炭素二重結合、典型的には1、2または3個の炭素−炭素三重結合を有する1価の不飽和の炭化水素基を示す。もし別に表示されなければ、このようなアルキニル基は、典型的に2〜10個の炭素原子を含む。代表的なアルキニル基は、例としては、エチニル、n−プロピニル、n−ブタ−2−イニル、n−ヘキサ−3−イニルなどが挙げられる。
【0029】
用語「アリール」は、一つの環(すなわち、フェニル)または縮合環(すなわち、ナフタレン)を有する1価の芳香族炭化水素を示す。もし別に規定されなければ、このようなアリール基は、典型的に6〜10個の炭素環原子を含む。代表的なアリール基は、例としては、フェニルおよびナフタレン−1−イル、ナフタレン−2−イルなどが挙げられる。
【0030】
用語「シクロアルキル」は、1価の飽和した炭素環式炭化水素基を示す。もし別に規定されなければ、このようなシクロアルキル基は、典型的に3〜10個の炭素原子を含む。代表的なシクロアルキル基は、例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどが挙げられる。
【0031】
用語「ハロ」は、フルオロ、クロロ、ブロモおよびヨードを示す。
【0032】
用語「ヘテロアリール」は、一つの環または二つの縮合環を有し、その環中に少なくとも一つの窒素、酸素または硫黄から選択されたヘテロ原子(典型的には1〜3個のヘテロ原子)を含む、1価の芳香族の基を示す。もし別に規定されなければ、このようなヘテロアリール基は、典型的に5〜10個の総環原子を含む。代表的なヘテロアリール基は、例としては、ピロール、イミダゾール、チアゾール、オキサゾール、フラン、チオフェン、トリアゾール、ピラゾール、イソオキサゾール、イソチアゾール、ピリジン、ピラジン、ピリダジン、ピリミジン、トリアジン、インドール、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、ベンズイミダゾール、ベンズチアゾール、キノリン、イソキノリン、キナゾリン、キノキサリンなどの1価の種が挙げられ、ここで、結合の場所は有効な炭素または窒素環原子のどれでもにおいてである。
【0033】
用語「ヘテロシクリル」または「複素環式の」は、一つの環または複数の縮合環を有し、その環中に少なくとも一つの窒素、酸素または硫黄から選択されたヘテロ原子(典型的には1〜3個のヘテロ原子)を含む、1価の飽和または不飽和(非芳香族)の基を示す。もし別に規定されなければ、このような複素環式基は、典型的に2〜9個の総環原子を含む。代表的な複素環式基は、例としては、ピロリジン、イミダゾリジン、ピラゾリジン、ピペリジン、1,4−ジオキサン、モルホリン、チオモルホリン、ピペラジン、3−ピロリンなどの1価の種が挙げられ、ここで、結合の場所は利用可能な炭素または窒素環原子のどれでもにおいてである。
【0034】
用語「(4−メトキシピリド−3−イル)メチル」は、式:
【0035】
【化25】

の基を示す。
【0036】
関連するピリジル基は、同じような方法で名づけられる。
【0037】
用語「ピリジンN−酸化物」は、このピリジンの窒素原子が酸化されたピリジン化合物を示し、言い換えれば、N−OまたはN→Oを示す。
【0038】
用語「薬学的に受容可能な塩」は、患者(例えば、哺乳動物)に投薬するために受容可能な塩(例えば、所定の投薬レジメンのための受容可能な哺乳類の安全性を有する塩)を示す。このような塩は、薬学的に受容可能な無機または有機の塩基、および薬学的に受容可能な無機または有機の酸から誘導され得る。薬学的に受容可能な無機の塩基から誘導される塩としては、アンモニウム、カルシウム、銅、第一鉄、第二鉄、リチウム、マグネシウム、第二マンガン、第一マンガン、カリウム、ナトリウム、亜鉛などが挙げられる。特に望ましいのは、アンモニウム、カルシウム、マグネシウム、カリウム、およびナトリウムの塩である。薬学的に受容可能な有機の塩基から誘導される塩としては、置換されたアミン、環状アミン、天然に存在するアミンなどを含む第一、第二、第三アミンの塩が挙げられ、例えばアルギニン、ベタイン、カフェイン、コリン、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン、ジエチルアミン、2−ジエチルアミノエタノール、2−ジメチルアミノエタノール、エタノールアミン、エチレンジアミン、N−エチルモルホリン、N−エチルピペリジン、グルカミン、グルコサミン、ヒスチジン、ヒドラバミン、イソプロピルアミン、リシン、メチルグルカミン、モルホリン、ピペラジン、ピペリジン(Piperadine)、ポリアミン樹脂、プロカイン、プリン、テオブロミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン、トロメタミンなどが挙げられる。薬学的に受容可能な酸から誘導される塩としては、酢酸、アスコルビン酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、ショウノウスルホン酸、クエン酸、エタンスルホン酸、1−2エタンジスルホン酸、フマル酸、ゲルチシン酸、グルコン酸、グルコロン酸、グルタミン酸、馬尿酸、臭化水素酸、塩酸、イセチオン酸、乳酸、ラクトビオン酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、ムチン酸、ナフタレンスルホン酸、ナフタレン−1,5−ジスルホン酸、ナフタレン−2,6−ジスルホン酸、ニコチン酸、硝酸、オロチン酸、パモ酸、パントテン酸、リン酸、コハク酸、スルホン酸、酒石酸、p−トルエンスルホン酸、キシメニン酸などが挙げられる。特に望ましいのは、クエン酸、臭化水素酸、塩酸、イセチオン酸、マレイン酸、リン酸、スルホン酸、および酒石酸である。
【0039】
用語「その塩」は、酸の水素がカチオン(例えば、金属陽イオンまたは有機陽イオンなど)に置き換えられた場合に形成される化合物を示す。望ましいのは、患者に投薬するように意図されていない中間体化合物の塩にとってそうである必要はないが、その塩が薬学的に受容可能な塩であることである。用語「式(I)の化合物の水素付加塩」は、塩を形成するために式(I)の化合物中の一つ以上の塩基性窒素原子が酸によってプロトン化されている式(I)の化合物の塩を示す。
【0040】
用語「溶媒和物」は、一つ以上の溶質の分子から形成される複合体または集合体を示し、言い換えれば、式(I)の化合物または薬学的に受容可能なその塩、および一つ以上の溶媒の分子である。典型的にこのような溶媒和物は、溶質と溶媒の十分に固定されたモル比率を有する結晶固体である。代表的な溶媒は、例としては、水、メタノール、エタノール、イソプロパノール、酢酸などが挙げられる。この溶媒が水である場合、形成される溶媒和物は水和物である。
【0041】
用語「脱離基」は、置換反応(例えば、求核置換反応)において別の官能基または原子によって置換される得る官能基または原子を示す。例としては、代表的な脱基は、クロロ基、ブロモ基およびヨード基;スルホン酸エステル基(例えば、メシラート、トシラート、ブロシラート、ノシラートなど);およびアシルオキシ基(例えば、アセトキシ、トリフルオロアセトキシなど)が挙げられる。
【0042】
用語「その保護された誘導体」は、化合物の一つ以上の官能基が保護基または遮断基によって望ましくない反応から保護されている特定の化合物の誘導体を示す。保護され得る官能基は、例としては、カルボン酸基、アミノ基、ヒドロキシル基、チオール基、カルボニル基などが挙げられる。カルボン酸に対する代表的な保護基は、エステル(例えば、p−メトキシベンジルエステル)、アミド、およびヒドラジド;アミノ基に対しては、カルバメート(例えばtert−ブトキシカルボニル)およびアミド;ヒドロキシル基に対しては、エーテルおよびエステル;チオール基に対しては、チオエーテルおよびチオエステル;カルボニル基に対しては、アセタールおよびケタール;などが挙げられる。このような保護基は、当業者には周知であって、例えば、T.W.Green and G.M.Wuts、Protecting Groups in Organic Synthesis、Third Edition、Wiley、New York、1999、中に記載されており、参照はその中に引用されている。
【0043】
用語「アミノ−保護基」は、アミノ基において望ましくない反応がおこらないようにするために適している保護基を示す。代表的なアミノ−保護基としては、tert−ブトキシカルボニル(BOC)、トリチル(Tr)、ベンジルオキシカルボニル(Cbz)、9−フルオレニルメトキシカルボニル(Fmoc)、ホルミル、トリメチルシリル(TMS)、tert−ブチルジメチルシリル(TBS)などが挙げられるが、これらに限定しない。
【0044】
用語「カルボキシ−保護基」は、カルボキシ基において望ましくない反応がおこらないようにするために適している保護基を示す。代表的なカルボキシ−保護基としては、エステル、例えばメチル、エチル、tert−ブチル、ベンジル(Bn)、p−メトキシベンジル(PMB)、9−フルオレニルメチル(Fm)、トリメチルシリル(TMS)、tert−ブチルジメチルシリル(TBS)、ジフェニルメチル(ベンズヒドリル、DPM)などが挙げられるが、これらに限定しない。
【0045】
(代表的および説明的な実施形態)
以下の置換基および数値は、本発明の多種の局面および実施形態の代表的または説明的な実施例を供給するよう意図されている。これらの代表的な数値は、このような局面および実施形態をさらに定義するように意図されているのであって、特に表示さていなければ、別の実施形態を除外、または本発明の範囲を限定するように意図されてはいない。この点については、特定の数値または置換基が好まれる本表示は、特に表示さていなければ、あらゆる点で別の数値または置換基を本発明の範囲内から除外するように意図されてはいない。
【0046】
特定の実施形態において、bは0であり、aおよびcは本明細書中で定義されているとおりである。別の実施形態において、bは1であり、aおよびcは本明細書中で定義されているとおりである。
【0047】
特定の実施形態において、−(CH−(O)−(CH−は、−(CH−、−(CH−、−(CH−、−(CH−O−(CH−、−(CH−O−(CH−、−(CH−O−(CH−、−(CH−O−(CH−、−(CH−O−(CH−、−(CH−O−(CH−、−(CH−O−(CH−、−(CH−O−(CH−、−(CH−O−(CH−、−(CH−O−(CH−、−(CH−O−(CH−、または−(CH−O−(CH−である。
【0048】
別の実施形態において、−(CH−(O)−(CH−は、−(CH−、−(CH−、−(CH−、−(CH−O−(CH−、または−(CH−O−(CH−である。別の実施形態でもなお、−(CH−(O)−(CH−は、−(CH−である。
【0049】
−(CH−(O)−(CH−において、それぞれの−CH−基は、任意に1または2個の、メチル、エチル、フルオロからなる群から選択される置換基で置換され、ここで、このメチル基およびエチル基は任意に1〜3個のフルオロ置換基で置換される。代表的な置換基としては、フルオロ、メチル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、2,2,2−トリフルオロエチルなどが挙げられる。
【0050】
特定の実施形態において、RはC1−4アルキルである。望ましいのは、RがC2−3アルキルで、ここで、このアルキル基は任意に1〜3個のフルオロ置換基で置換され、さらに望ましいのは、Rがメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチルおよびイソブチルであり、もっとさらに望ましいのは、Rがエチル、n−プロピル、およびイソプロピルである。
【0051】
別の実施形態において、Rは−CH−Rで、ここで、Rは本明細書中で定義されたとおりである。これらの実施形態において、R(すなわち、−CH−R)は:
(a) −CH−(C3−5シクロアルキル);およびさらに望ましいのは、−CH−(Cシクロアルキル)であって、ここで、このシクロアルキル基は、任意に1〜3個のフルオロ置換基で置換され;
(b) −CH−(フェニル)、すなわち、ベンジル、ここで、このフェニル基は、任意に1〜3個の、Rから独立して選択される置換基で置換され;望ましいのは、C1−4アルキル、シアノ、フルオロ、クロロ、−O(C1−4アルキル)、−S(C1−4アルキル)、および−S(O)(C1−4アルキル)からなる群から選択される1または2個の置換基(望ましいのは1個の置換基)で置換され;ここで、それぞれのアルキル基は、任意に1〜3個のフルオロ置換基で置換され;
(c) −CH−(ナフチル);ここで、このナフチル基(すなわち、1−または2−ナフチル基)は、任意に1〜3個の、Rから独立して選択される置換基で置換され;望ましいのは、C1−4アルキル、シアノ、フルオロ、クロロ、−O(C1−4アルキル)、−S(C1−4アルキル)、および−S(O)(C1−4アルキル)からなる群から選択される1または2個の置換基(望ましいのは1個の置換基)で置換され;ここで、それぞれのアルキル基は、任意に1〜3個のフルオロ置換基で置換され;
(d) −CH−(ビフェニル);ここで、ビフェニル基のそれぞれのフェニル環(すなわち、1,2−、1,3−または1,4−ビフィニル基)は、任意に1〜3個の、Rから独立して選択される置換基で置換され;望ましいのは、C1−4アルキル、シアノ、フルオロ、クロロ、−O(C1−4アルキル)、−S(C1−4アルキル)、および−S(O)(C1−4アルキル)からなる群から選択される1または2個の置換基(望ましいのは1個の置換基)で置換され;ここで、それぞれのアルキル基は、任意に1〜3個のフルオロ置換基で置換され;
(e) −CH−(ピリジル);ここで、ピリジル基(すなわち、2−、3−または4−ピリジル基)は、任意に1〜3個の、Rから独立して選択される置換基で置換され;望ましいのは、C1−4アルキル、シアノ、フルオロ、クロロ、−O(C1−4アルキル)、−S(C1−4アルキル)、および−S(O)(C1−4アルキル)からなる群から選択される1または2個の置換基(望ましいのは1個の置換基)で置換され;ここで、それぞれのアルキル基は、任意に1〜3個のフルオロ置換基で置換され;および
(f) −CHC(O)−(フェニル)、すなわち、フェナシル;ここで、このフェナシル基のフェニル環は、任意に1〜3個の、Rから独立して選択される置換基で置換され;望ましいのは、C1−4アルキル、シアノ、フルオロ、クロロ、−O(C1−4アルキル)、−S(C1−4アルキル)、および−S(O)(C1−4アルキル)からなる群から選択される1または2個の置換基(望ましいのは1個の置換基)で置換され、ここで、それぞれのアルキル基は、任意に1〜3個のフルオロ置換基で置換され;
からなる群から好んで選択される。
【0052】
これらの実施形態においての代表的なR基として、シクロプロピルメチル、シクロブチルメチル、およびシクロペンチルメチル、ベンジル、4−シアノベンジル、4−メチルベンジル、4−トリフルオロメトキシベンジル、4−ジフルオロメトキシベンジル、4−チオメトキシベンジル、4−メタンスルホニルベンジル、4−tert−ブチルベンジル、4−フェニルベンジル、ピリジル−2−イルメチル、ピリド−3−イルメチル、ナフタ−2−イルメチル、3−シアノフェナシル、および3,4−エチレンジオキシフェナシルが挙げられる。
【0053】
別の実施形態においてもなお、Rは、−(CH−Rであり、ここで、xは2,3または4で、望ましいのは2または3である。この実施形態において、R(すなわち、−(CH−R)は:
(a) −(CH−OH;
(b) −(CH−O(C1−4アルキル)で、さらに望ましいのは、−(CH−O(C1−3アルキル)で、もっとさらに望ましいのは、−(CH−O(C1−2アルキル)で、ここで、このアルキル基は、任意に1〜3個のフルオロ置換基で置換され;
(c) −(CH−S(C1−4アルキル)、−(CH−S(O)(C1−4アルキル)、または−(CH−S(O)(C1−4アルキル)で、さらに望ましいのは、−(CH−S(C1−3アルキル)、−(CH−S(O)(C1−3アルキル)、または−(CH−S(O)(C1−3アルキル)で、もっとさらに望ましいのは、−(CH−S(C1−2アルキル)、−(CH−S(O)(C1−2アルキル)、または−(CH−S(O)(C1−2アルキル)で、ここで、このアルキル基は、任意に1〜3個のフルオロ置換基で置換され;
(d) −(CH−(フェニル)、例えば、フェネチルで、ここで、このフェニル基は任意に1〜3個の、Rから独立して選択される置換基で置換され、望ましいのは、C1−4アルキル、シアノ、フルオロ、クロロ、−O(C1−4アルキル)、−S(C1−4アルキル)、および−S(O)(C1−4アルキル)からなる群から選択される1または2個の置換基(望ましいのは1個の置換基)で;ここで、それぞれのアルキル基は、任意に1〜3個のフルオロ置換基で置換され;
(e) −(CH−(O−フェニル)、ここで、このフェニル基は任意に1〜3個の、Rから独立して選択される置換基で置換され、望ましいのは、C1−4アルキル、シアノ、フルオロ、クロロ、−O(C1−4アルキル)、−S(C1−4アルキル)、および−S(O)(C1−4アルキル)からなる群から選択される1または2個の置換基(望ましいのは1個の置換基)で、ここで、それぞれのアルキル基は、任意に1〜3個のフルオロ置換基で置換され;
(f) −(CH−(ナフチル)、ここで、このナフチル基(すなわち、1−または2−ナフチル基)は任意に1〜3個の、Rから独立して選択される置換基で置換され、望ましいのは、C1−4アルキル、シアノ、フルオロ、クロロ、−O(C1−4アルキル)、−S(C1−4アルキル)、および−S(O)(C1−4アルキル)からなる群から選択される1または2個の置換基(望ましいのは1個の置換基)で置換され;ここで、それぞれのアルキル基は、任意に1〜3個のフルオロ置換基で置換され;および
(g) −(CH−(インドリル)、ここで、このインドリル基(すなわち、2−または3−インドリル基)は任意に1〜3個の、Rから独立して選択される置換基で置換され、望ましいのは、C1−4アルキル、シアノ、フルオロ、クロロ、−O(C1−4アルキル)、−S(C1−4アルキル)、および−S(O)(C1−4アルキル)からなる群から選択される1または2個の置換基(望ましいのは1個の置換基)で置換され;ここで、それぞれのアルキル基は、任意に1〜3個のフルオロ置換基で置換され;
からなる群から好んで選択される。
【0054】
これらの実施形態に対して、代表的なR基としては、2−ヒドロキシエチル、2−メトキシエチル、2−(メチルチオ)エチル、2−エトキシエチル、2−(エチルチオ)エチル、2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)エチル、2−フェネチル、2−(ナフタ−1−イル)エチル、2−(インドル−3−イル)エチル、3−ヒドロキシプロピル、3−メトキシプロピル、3−エトキシプロピル、3−フェニルプロピル、および3−フェノキシプロピルが挙げられる。
【0055】
特定の実施形態において、Rは、C1−4アルキル、−CH−(C3−5アルキル)、−CH−(C3−5シクロアルキル)、−CHCH−OH、または−CHCH−O(C1−4アルキル)である。代表的なR基としては、エチル、n−プロピル、イソプロピル、シクロプロピルメチル、または2−ヒドロキシエチルが挙げられる。
【0056】
特定の実施形態において、それぞれのRは、独立して、水素、C1−4アルキル、シクロプロピルメチル、および2−ヒドロキシエチルからなる群から選択され、ここで、それぞれのアルキル基は、任意に1〜5個のフルオロ置換基で置換される。別の実施形態において、それぞれのRは水素またはC1−4アルキルであり、ここで、それぞれのアルキル基は、任意に1〜4個のフルオロ置換基で置換される。別の実施形態でもなお、それぞれのRは独立してC1−3アルキルであり、任意に1〜4個のフルオロ置換基で置換される。特定の実施形態において、それぞれのRはメチルである。
【0057】
代表的なR基としては、水素、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、2,2,2−トリフルオロエチル、1,3−ジフルオロプロパ−2−イル、1,1,3−トリフルオロプロパ−2−イル、および1,1,3,3−テトラフルオロプロパ−2−イルが挙げられる。
【0058】
特定の実施形態において、Rは、C1−4アルキル、−OR、およびハロからなる群から選択され、ここで、Rはその望ましい実施形態をふくむ本明細書中で定義したとおりで、ここで、このアルキル基は、任意に1〜5個のフルオロ置換基で置換される。別の実施形態において、Rは、C1−3アルキル、−OR、フルオロ、およびクロロであり;ここで、このアルキル基は、任意に1〜3個のフルオロ置換基で置換される。別の実施形態においてもなお、Rは、C1−2アルキル、−OR、フルオロ、またはクロロである。一つの実施形態において、Rは、メチル、−OR、フルオロ、またはクロロである。望ましい実施形態において、Rは−ORである。
【0059】
特定の実施形態において、W、X、Y、およびZのうちの1つまたは2つがNまたはN→Oである。別の実施形態において、W、X、Y、およびZのうちの1つまたはたった1つがNまたはN→Oであり、すなわち、W、X、Y、およびZを含む環は、ピリジンまたはピリジンN−オキシド環である。別の実施形態においてもなお、W、X、Y、およびZは、以下:
(a) WはN;XはCH;YはCH;およびZはCHであり;
(b) WはCHまたはCR;XはN;YはCHおよびZはCHであり;
(c) WはCHまたはCR;XはCH;YはN;およびZはCHであり;
(d) WはCHまたはCR;XはCH;YはCH;およびZはNであり;または
(e) WはCH;XはN;YはCHおよびZはCHであり;
から定義される。
【0060】
別の実施形態において、W、X、Y、およびZのうちの2つがNまたはN→Oであり、すなわち、W、X、Y、およびZを含む環は、ピリダジン、ピリミジン、またはピラジンの環、または対応するN−酸化物である。
【0061】
一つの実施形態において、W、X、Y、およびZがCHでもCRでもない場合、それらはNである。
【0062】
別の実施形態において、W、X、Y、およびZがNでもN→Oでもない場合、それらはCHである。
【0063】
式(I)化合物中で、ピペリジン窒素原子およびW、X、Y、およびZを含むピリジン環に結合している−CH−基は、任意に1または2個の、メチル、エチル、およびフルオロからなる群から選択される置換基で置換され、ここで、このメチル基およびエチル基は、任意に1〜3個のフルオロ置換基で置換される。代表的な置換基としては、フルオロ、メチル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、2,2,2−トリフルオロエチルなどが挙げられる。
【0064】
およびRが存在する場合、それぞれのRまたはRは好ましくは独立して、C1−4アルキル、フルオロ、クロロ、および−ORからなる群から選択され、ここで、それぞれのアルキル基は、任意に1〜3個のフルオロ置換基で置換される。さらに望ましいのは、それぞれのRおよびRが、C1−2アルキルまたはフルオロである。特に望ましいRおよびR基としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、2,2,2−トリフルオロエチル、フルオロ、クロロ、メトキシ、エトキシ、ジフルオロメトキシ、およびトリフルオロメトキシが挙げられる。
【0065】
およびRが存在する場合、それぞれのRまたはRは好ましくは独立して、C1−2アルキルおよびフルオロからなる群から選択され、ここで、それぞれのアルキル基は、任意に1〜3個のフルオロ置換基で置換される。2つのRまたはR置換基が存在する場合、それらは同じまたは別の炭素原子上に在り得る。特に望ましいRおよびR基としては、メチル、エチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、およびフルオロが挙げられる。
【0066】
望ましいのは、それぞれのRが独立して水素またはC1−4アルキルである。さらに望ましいのは、それぞれのRが独立して水素またはC1−2アルキルである。もっとさらに望ましいのは、それぞれのRが水素である。特に望ましいR基としては、水素、メチル、およびエチルが挙げられる。
【0067】
代わりに、両方のR基がそれらが結合している窒素原子と一緒になって、窒素、酸素、または硫黄から選択される1つの付加ヘテロ原子を任意に含むC5−6複素環式環を形成する。特に望ましい複素環式環としては、ピロリジン−1−イル、ピペリジン−1−イル、ピペラジン−1−イル、モルホリン−4−イル、およびチオモルホリン−4−イルが挙げられる。
【0068】
望ましいのは、それぞれのRは独立してフェニルであり、ここで、それぞれのフェニル基は、任意に1〜3個の、Rから独立して選択される置換基で置換される。
【0069】
望ましいのは、それぞれのRは独立して、フェニル、−OH、および−O(C1−2アルキル)からなる群から選択され、ここで、それぞれのアルキル基は、任意に1〜3個のフルオロ置換基で置換され、それぞれのフェニル基は、任意に1〜3個の、Rから独立して選択される置換基で置換される。
【0070】
望ましいのは、mが0、1、または2であり、さらに望ましいのは、mが0または1であり、もっとさらに望ましいのは、mが0である。
【0071】
望ましいのは、nが0、1、または2であり、さらに望ましいのは、nが0または1であり、もっとさらに望ましいのは、nが0である。
【0072】
望ましいのは、mおよびnの両方が0である。
【0073】
望ましいのは、pが1である。
【0074】
pが1である場合、すなわちpによって定義される環がピロリジン環である場合、1つの実施形態において、ピロリジン環の3−位にある立体中心(すなわち、1−カルバモイル−、1,1−ジフェニルメチル基を有する炭素原子)は、好んで(S)立体光学を有する。別の実施形態において、この立体中心は、(R)立体光学を有する。
【0075】
望ましいのは、qは0である。
【0076】
望ましいのは、rは0である。
【0077】
望ましいのは、qは0でrは0である。
【0078】
望ましいのは、xは2または3である。
【0079】
望ましいのは、yは2または3である。
【0080】
1つの実施形態において、R10およびR11は独立して、C1−3アルキルから選択されるか;またはそれらが一緒になって、C2−4アルキレンを形成する。代表的なR10およびR11基としては、メチル、エチル、n−プロピル、およびイソプロピルが挙げられるか;または1,2−エチレン、1,2−プロピレン、1,3−プロピレン、2−メチル−1,2−プロピレン、2,3−ブチレンなどが挙げられる。
【0081】
特定の実施形態において、b、m、n、q、およびrは0で、pは1である。
【0082】
別の実施形態において、それぞれのRは水素であり、RはC1−4アルキルであり、RはC1−4アルキルであり、b、m、n、qおよびrは0であり、pは1であり、W、Y、およびZはCHであり、XはNである。
【0083】
特定の実施形態において、−(CH−(O)−(CH−は、−(CH−、−(CH−、または−(CH−であり、Rはメチルであり、WはCHであり、XはNであり;YはCHであり、ZはCであり;両方のRは水素であり、m、n、q、およびrは0であり、pは1であり、Rはその望ましい実施形態をふくむ本明細書中で定義したとおりである。
【0084】
別の実施形態において、−(CH−(O)−(CH−は、−(CH−、−(CH−、または−(CH−であり、Rはエチルであり、WはCHであり、XはNであり、YはCHであり、ZはCHであり、両方のRは水素であり、m、n、q、およびrは0であり、pは1であり、Rはその望ましい実施形態をふくむ本明細書中で定義したとおりである。
【0085】
別の実施形態においてもなお、−(CH−(O)−(CH−は、−(CH−、−(CH−、または−(CH−であり、Rはイソプロピルであり、WはCHであり、XはNであり、YはCHであり、ZはCHであり;両方のRは水素であり、m、n、q、およびrは0であり、pは1であり、Rはその望ましい実施形態をふくむ本明細書中で定義したとおりである。
【0086】
別の実施形態においてもなお、Rはイソプロピルであり、Rはメチルであり、WはCHであり、XはNであり、YはCHであり、ZはCHであり、両方のRは水素であり、m、n、q、およびrは0であり、pは1であり、Rはその望ましい実施形態をふくむ本明細書中で定義したとおりである。
【0087】
別の実施形態においてもなお、Rはイソプロピルであり、Rはエチルであり、WはCHであり、XはNであり、YはCHであり、ZはCHであり、両方のRは水素であり、m、n、q、およびrは0であり、pは1であり、Rはその望ましい実施形態をふくむ本明細書中で定義したとおりである。
【0088】
別の実施形態は式(XII):
【0089】
【化26】

の化合物を含み、ここで、R、R、R、W、X、Y、およびZは表1に定義するとおりで、表1に別に明示されなければ、それぞれのRは水素であるか、または薬学的に受容可能なその塩、溶媒和物、または立体異性体である。
【0090】
【化27】

【0091】
【化28】

【0092】
【化29】

【0093】
【化30】

【0094】
【化31】

【0095】
【化32】

化合物97において、(4−ヒドロキシピリド−3−イル)メチル基が部分的にまたは完全に互変異生体として存在し得る(すなわち、(ピリド−4−オン−3−イル)メチル)。
【0096】
当業者は、本明細書中に記載の試薬および合成の条件は、上記の実施形態で述べている化合物のどれでもを合成するために使用され得ると理解する。
【0097】
本発明のプロセスにおいて、適切な還元剤のどれでもが工程(a)および工程(c)において使用され得る。例えば、工程(a)および(c)で使用される還元剤は独立して、金属水素化物、水素および貴金属の触媒(例えば、Ni、Pt、Pdなど)、および電気化学的アノードからなる群から選択され得る。望ましいのは、工程(a)および(c)で使用される還元剤は独立して、金属水素化物、または水素および貴金属の触媒であり、さらに望ましいのは、金属水素化物である。工程(a)および(c)で使用するために独立して選択され得る代表的な金属水素化物としては、ホウ化水素ナトリウム、トリアセトキシホウ化水素ナトリウム、シアノホウ化水素ナトリウム、ボラン−ピリジン錯体、ボラン−ジメチルスルフィド錯体、ボラン−テトラヒドロフラン錯体、ボラン−アンモニア錯体、ホウ化水素リチウム、トリ−sec−ブチルホウ化水素リチウム、トリエチルホウ化水素リチウム、テトラヒドロ−1−メチル−3,3−ジフェニル−1H,3H−ピロロ−[1,2−c][1,3,2]−オキサザボロール、トリアセトキシホウ化水素テトラメチルアンモニウム、トリス(トリフルオロアセトキシ)ホウ化水素ナトリウム、亜ジオン酸ナトリウム亜鉛、およびホウ化水素亜鉛が挙げられるが、これらに限定されない。特定の実施形態において、工程(a)および(c)で使用される還元剤は、トリアセトキシホウ化水素ナトリウムである。
【0098】
望ましいのは、工程(a)が約−15℃〜約15℃の温度で行われ、さらに望ましいのは、約−10℃〜約10℃の温度で、最も望ましいのは、約−5℃〜約5℃の温度である。望ましいのは、工程(c)が約−15℃〜約15℃の温度で行われ、さらに望ましいのは、約−10℃〜約10℃の温度で、最も望ましいのは、約−5℃〜約5℃の温度である。工程(a)および(c)にとって適切な希釈剤としては、ジクロロメタン、アセトニトリル、およびそれらの組み合わせが挙げられる。いくつかの事例において、その希釈剤中に水が存在し得る。
【0099】
いくつかの実施形態において、工程(b)で指定される酸は無機酸である。工程(b)で使用され得る無機酸の例としては、塩酸(HCl)、硫酸(HSO)、硝酸(HNO)、フッ化水素酸(HF)、およびリン酸(HPO)が挙げられるが、これらに限定されない。別の適切な無機酸は当業者に知られている。望ましいのは、工程(b)で使用されるこの無機酸が塩酸である。
【0100】
望ましいのは、工程(b)が約0℃〜約30℃の温度で行われ、さらに望ましいのは、約5℃〜約25℃の温度で、最も望ましいのは、約10℃〜約20℃の温度である。
【0101】
望ましいのは、工程(b)が約1〜約4のpHで行われ、さらに望ましいのは、約1.5〜約3.5のpHで、最も望ましいのは、約2〜約3のpHである。
【0102】
本明細書中で述べているプロセスによって供給される式(I)の化合物は、望ましくは、95%純度より高く、さらに望ましいのは、97%純度より高く、もっとさらに望ましいのは、99%純度より高く、最も望ましいのは、99.5%純度よりも高い。式(I)の化合物の純度は、従来の方法(例えば、HPLCなど)を使用して測定され得る。
【0103】
特定の実施形態において、本発明は、式(I)の化合物またはその塩を調製するためのプロセスに関し、ここでそれぞれのRは水素であり、Rはイソプロピルであり、Rはメチルであり、aは7であり、b、c、m、n、q、およびrは0であり、pは1であり、W、Y、およびZはCHであり、XはNである。
【0104】
本発明のこの局面の工程(a)において、式(VIII):
【0105】
【化33】

の化合物と、式(IX):
【0106】
【化34】

の化合物と第1の還元剤とを反応させ、式(X):
【0107】
【化35】

の化合物、またはその塩を形成する。
【0108】
工程(b)において、式(X)の化合物またはその塩と、その後、酸および水とを反応させ、式(XI):
【0109】
【化36】

の化合物、またはその塩を形成する。
【0110】
工程(c)において、式(XI)の化合物またはその塩と、式(XII):
【0111】
【化37】

の化合物またはその塩と第2の還元剤とを反応させ、式(I)の化合物またはその塩を形成し;ここで、R10およびR11は独立してC1−6アルキルであるか;またはR10およびR11は一緒になってC2−6アルキレンを形成する。
【0112】
本発明のこの局面の特定の実施形態において、第1および第2の還元剤はトリアセトキシホウ化水素ナトリウムである。別の実施形態において、工程(b)において使用される酸は塩酸である。別の実施形態においてもなお、工程(a)は、約−5℃〜約5℃の範囲の温度で行われる。別の実施形態においてもなお、工程(b)は、約10℃〜約20℃の範囲の温度で行われる。別の実施形態においてもなお、工程(c)は、約−5℃〜約5℃の範囲の温度で行われる。別の実施形態においてもなお、工程(b)は、約2〜約3の範囲のpHで行われる。
【0113】
式(I)の化合物の形成の後、分離の前または後のいずれかで、1つ以上の抽出方法を使用してこの化合物は任意に精製され得る。一つのこのような実施形態において、式(I)の化合物の水素付加塩を含む水溶液が最初に調製される。典型的に、この溶液は、式(I)の化合物と水および十分な量の酸とを接触させ、その結果式(I)の化合物の水素付加塩を形成することにより、調製される。適切な酸なら、無機酸(例えば、塩酸、硫酸、リン酸など)を含めて、どれでも使用され得る。1つの実施形態において、約2〜約3の範囲のpHを有する酸性水溶液を調製するために十分な量の塩酸が使用される。別の実施形態において、約6.9〜約7.3のpHを有する(例えば、約7.1)リン酸緩衝溶液が使用される。
【0114】
この水溶液を形成した後、この溶液と水−不混和性有機希釈剤とを接触させる。いずれの理論に制限されることを望むことなしに、この水−不混和性有機希釈剤は、この水溶液に溶解しなかった非塩基の不純物を溶解すると考えられる。適切な水−不混和性有機希釈剤ならどれでもこの工程に使用され得、例としては、メチルtert−ブチルエーテル、ジエチルエーテル、酢酸エチル、ジクロロメタンなどが挙げられる。典型的に、このプロセスのこの工程を行うには、この水−不混和性有機希釈剤を水溶液と接触させ、生じた混合物を、約0.25〜約6時間の間、約0℃〜約30℃の範囲の温度で完全に混合、攪拌、またはかき混ぜる。この層をその後、典型的に少なくとも約30分間分離させ、この水−不混和性有機希釈剤の層をこの水溶液層から分離する。望むのであれば、このプロセスのこの工程は、典型的に1〜5回または1〜3回繰り返され得るか、またはこの非塩基不純物が基本的に全て取り除かれるまで繰り返され得る。
【0115】
望むのであれば、この水溶層はその後、例えば、アルカリ金属の水酸化物を含む塩基(例えば、水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウム)で中和され得る。典型的に、この工程は、アルカリ金属の水酸化物の水溶液を式(I)の化合物の水素付加塩を含む水溶液に、生じる溶液のpHが約11〜約12になるまで、加えることで行われる。一般的に、このアルカリ金属の水酸化物の水溶液は、温度を約20℃より低く(例えば、約0〜約20℃)保つような速度で加えられる。この中和の手順の中で、水−不混和性有機希釈剤(例えば、メチルtert−ブチルエーテル、ジエチルエーテル、酢酸エチル、ジクロロメタンなど)が典型的に、酸性水溶液との接触において存在する。式(I)の化合物の水素付加塩が中和されると、式(I)の化合物は、水−不混和性有機希釈剤に溶解し、式(I)の化合物と水−不混和性有機希釈剤とを含む溶液を形成する。
【0116】
別の実施形態において、式(I)の化合物は、式(I)の化合物と水−不混和性有機希釈剤とを含む水−不混和性有機希釈溶液と、アルカリ金属の炭酸塩とアルカリ金属の亜硫酸水素塩またはメタ重亜硫酸塩を含む水溶液との接触によって、任意にさらに精製され得る。どの理論によっても限定される意図はないが、この工程で使用される亜硫酸水素塩またはメタ重亜硫酸塩は、式(I)の化合物のアルデヒド出発物質の残りまたはその他のアルデヒド含有不純物をどれでも取り除くと考えられる。適切なアルカリ金属の炭酸塩およびアルカリ金属の亜硫酸水素塩またはメタ重亜硫酸塩ならどれでも使用され得、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、亜硫酸水素ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素カリウム、メタ重亜硫酸カリウム、または、混合物(例えば、亜硫酸水素ナトリウムとメタ重亜硫酸ナトリウム)が挙げられる。一般的に、アルカリ金属の亜硫酸水素塩またはメタ重亜硫酸塩に対してアルカリ金属の炭酸塩が約1:1の重量比で使用される。この工程を行う場合、アルカリ金属の炭酸塩およびアルカリ金属の亜硫酸水素塩またはメタ重亜硫酸塩を含む水溶液を式(I)の化合物を含む水−不混和性有機希釈溶液と接触させ、生じた混合物を約0.5〜約6時間の間、約0℃〜約30℃の範囲の温度で完全に混合、攪拌、またはかき混ぜる。この層をその後、典型的に少なくとも約30分間分離させ、この水−不混和性有機希釈剤の層をこの水性酸の層から分離する。望むのであれば、このプロセスのこの工程は、典型的に1〜3回繰り返され得る。
【0117】
式(I)の化合物はまた、ナフタレン−1,5−ジスルホン酸塩に転換され得る。この実施形態において、すなわち工程(j)において、式(I)の化合物を、ナフタレン−1,5−ジスルホン酸、またはその水和物と接触させ、式(I)の化合物のナフタレン−1,5−ジスルホン酸塩を形成する。
【0118】
式(I)の化合物に対してのナフタレン−1,5−ジスルホン酸のモル比率は、約0.7〜約1.1の範囲で;約0.8〜約1.05;および約0.9〜約1を含む。このモル比率の別の範囲としては、約0.7〜約1.05;約0.7〜約1;約0.7〜約0.95;および約0.8〜約1.1;約0.8〜約1;約0.8〜約0.95;約0.9〜約1.1;約0.9〜約1.05;約0.9〜約0.95;約0.95〜約1.05;および約0.95〜約1が挙げられる。
【0119】
式(I)の化合物に対してのナフタレン−1,5−ジスルホン酸のモル比率は、当業者に利用可能な多種の方法で測定され得る。例えば、このようなモル比率はHNMRによって測定される。HNMRを使用する場合、このモル比率は、ナフタレン−1,5−ジスルホン酸のナフタレン環のプロトンに対する積分と式Iの化合物中のピリジン環のプロトンに対する積分とを比較することで典型的に測定される。代わりに、このモル比率を測定するために、元素分析およびHPLC法が使用され得る。
【0120】
ナフタレン−1,5−ジスルホン酸(Armstrongの酸としても知られている)は、例えば、Aldrich、Milwaukee、Wisconsinから市販されている。1つの実施形態において、本発明において使用されるナフタレン−1,5−ジスルホン酸は、水和物(例えば、テトラ水和物)である。
【0121】
塩を調製するために、式(I)の化合物は典型的にナフタレン−1,5−ジスルホン酸またはその水和物の約0.7〜約1.1のモル当量で接触が行われる。一般的に、この反応は、不活性希釈剤中で、約−20℃〜約40℃の範囲の温度;約0℃〜約20℃(例えば、約2℃〜約15℃)を含む温度で、行われる。この反応にとって適切な不活性希釈剤としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、イソブタノール、酢酸エチルなどが挙げられるが、これらに限定しない。
【0122】
この反応の完了と同時に、式(I)の化合物は、従来の方法のどれでも(例えば、沈殿、濃縮、遠心分離など)で、この反応混合物から分離される。
【0123】
特定の実施形態において、生じた塩は無定形の粉末である。このような無定形の粉末は、典型的に(1)この塩が容易に可溶な(すなわち、典型的に、約50mg/mLよりも高い溶解度を有する)第一の不活性希釈剤中のこの塩の溶液を形成すること;およびその後(2)この溶液と、この塩が低い溶解度または溶解度が0(すなわち、典型的に、約1mg/mLよりも低い溶解度を有する)の第二の不活性希釈剤(不活性の希釈剤の組み合わせであり得る)とを接触させることによって、沈殿を形成することによって調製する。
【0124】
この塩の溶液を形成するための適切な第一の不活性希釈剤としては、メタノール、エタノール、イソプロパノールなど、またはこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定しない。一般的に、この塩は、最少量の第一の不活性希釈剤中に溶解し、本質的に均一の溶液を形成する。
【0125】
この塩を沈殿させるための適切な第二の不活性希釈剤としては、メチル−tert−ブチルエーテル、酢酸イソプロピルなど、またはこれらとイソプロパノールとの組み合わせが挙げられるが、これらに限定しない。1つの実施形態において、第二の不活性希釈剤として、イソプロパノールとメチル−tert−ブチルエーテルの2:1 V/Vの混合物が使用される。
【0126】
望むのであれば、第一の不活性希釈剤中のこの塩の溶液は、この溶液を第二の不活性希釈剤に加える前に、活性炭で処理され得る。典型的に、この活性炭はこの溶液に加えられ、生じた混合物を約0.5〜約2時間の間、約0℃〜約30℃の範囲の温度で混合、攪拌、またはかき混ぜる。この混合物を、その後、活性炭および存在し得るそのほかの不可溶な物質を取り除くために、ろ過する。
【0127】
無定形の粉末を形成するために、第一の不活性希釈剤中に溶解した塩の溶液を、典型的に第二の不活性希釈剤中に緩やかに加え、沈殿を形成する。このプロセスは、典型的に約0℃〜約10℃の範囲の温度(例えば、約2℃〜約8℃)で行われる。添加の速度は、約0.20g/mL〜約0.40g/mLの沈殿させる塩を含む溶液に対して、約50mL/分〜約70mL/分の範囲である。
【0128】
形成の後、無定形の粉末を供給するために、この沈殿物を、従来の方法(ろ過など)で分離する。望むのであれば、この沈殿物を不活性希釈剤(例えば、メチル−tert−ブチルエーテル)で洗浄し、完全に乾燥し得る。
【0129】
本プロセスおよび中間体を利用するための特定の反応の条件およびその他の方法を考察したさらなる詳細を、以下の実施例中に述べている。
【実施例】
【0130】
(実施例)
以下の実施例は、本発明の多種の局面および実施形態を説明することを意図しており、特に明示がない場合は、本発明の範囲を限定するものとしての意味と解釈することは意図していない。
【0131】
(実施例 A)
4−イソプロピルアミノ−1−(4−メトキシピリド―3−イルメチル)ピペリジン モノ安息香酸塩の合成
工程A−1−ベンジル−4−イソプロピルアミノピペリジンの調製
攪拌機、温度プローブ、窒素入口、および冷却浴を装備した、3つの首がついた50Lの丸底の反応フラスコに、4−アミノ−1−ベンジルピペリジン(2,000g、10.5mol)およびジクロロメタン(20L)を加えた。アセトン(610.5g、10.5mol)を加え、その反応混合物を室温で2.5時間攪拌した。その後、その反応混合物を、氷/メタノール浴で0℃〜5℃まで冷却し、反応混合物の温度を25℃未満に保ちながら、トリアセトキシホウ化水素ナトリウム(2,673g、12.6mol)を加えた。その後、冷却浴を取り外し、その反応混合物を、ガスクロマトグラフィー(GC)分析により、出発物質の存在が1%以下になるまで、攪拌した(約3時間)。濃塩酸を、反応混合物のpHが7になるまで加えた(約500mL)。生じたスラリーを、ポリプロピレンのろ過パッドをとおしてろ過し、この固体をジクロロメタン(2×2L)で洗浄した。この固体を、ろ液の濃縮後に使用するためにとっておいた。このろ液を、凝縮液がなくなるまで40℃で濃縮した。40Lの分液漏斗中に、この固体および蒸留残渣を水(15L)に溶解し、濃塩酸を、溶液のpHが3になるまで加えた(約2.5L)。その後、水性の層をジクロロメタン(2×2L)で洗浄した。この水性の層のpHを、50%水酸化ナトリウム水溶液(約4.5L)で、11〜12に調整し、この混合物をジクロロメタン(5×3L)で抽出した。有機層を合わせて、木炭(50g)で脱色し、無水硫酸マグネシウム(200g)で乾燥した。この固体をガラス繊維ろ過パッドを使用してろ過し、このろ液を、凝縮液がなくなるまで濃縮し、表題の化合物(2,336g、96%収率)を得た。
【0132】
工程B−4−イソプロピルアミノピペリジンの調製
工程Aからの生成物(18g、77mmol)およびメタノール(200mL)を、500mLの丸底フラスコに加え、生じた混合物を、透明な溶液を得るまで攪拌した。その後、メタノール(2mL)中の炭素担持パラジウム(400mg、10%)を加え、この反応混合物を、水素で満たしたバルーンのもとに置き、周囲温度で18時間攪拌した。その後、触媒をとりのぞくために、この反応混合物をセライトパッドをとおしてろ過し、このろ液を回転蒸発装置で濃縮して、表題の化合物(11g、定量収率)を黄色の油状物質として得た。
【0133】
工程C−4−イソプロピルアミノ−1−(4−メトキシピリド−3−イルメチル)ピペリジンの調製
4−イソプロピルアミノピペリジン(1.32g、9.3mmol)およびジクロロメタン(40mL)を、冷却浴を装備した100mLの丸底フラスコに加えた。4−メトキシピリジン−3−カルボキシアルデヒド(1.44g、10.5mmol)(例えば、米国特許出願番号2004/0122014 A1中に記載されているように調製する)を加え、この反応混合物を、室温で1時間攪拌した。その後、この反応混合物を、メタノール/氷浴を使用して0℃〜5℃まで冷却し、トリアセトキシホウ化水素ナトリウム(2.54g、12mmol)を、この反応混合物の温度を10℃未満に保てるような速度で加えた。この添加が終了したら、この反応混合物を、ガスクロマトグラフィー(GC)分析により、出発物質の存在が1%以下になるまで、周囲温度で攪拌した(約3時間)。その後、1Nの水性の塩酸(20mL)を加え、その層を分離した。水性層のpHを、50%水酸化ナトリウム水溶液で、12に調整し、生じた混合物を1時間攪拌した。その後、この水性層を酢酸エチル(2×20L)で抽出し、合わせた有機層を木炭(1g)で脱色し、無水硫酸マグネシウム(5g)で乾燥した。この固体をガラス繊維ろ過パッドをとおすろ過により取り除き、このろ液を、真空下で濃縮した。この残渣を、高真空下で1時間さらに乾燥し、表題の化合物(2.1g、80%収率)を得た。
【0134】
工程D−4−イソプロピルアミノ−1−(4−メトキシピリド−3−イルメチル)ピペリジン モノ安息香酸塩の調製
安息香酸(1451g、11.9mol)およびMTBE(5.8L)を、攪拌機、温度計、窒素入口、および加熱マントルを装備した、3つの首がついた50Lの丸底フラスコに、加えた。生じたスラリーを、安息香酸を溶解するために45℃〜50℃で熱した。メチルtert−ブチルエーテル(MTBE)(13.7L)中に、45℃〜50℃で4−イソプロピルアミノ−1−(4−メトキシピリド−3−イルメチル)ピペリジン(3130g、11.9mol)の溶液を加え、生じた混合物を、還流(50℃〜55℃)で30分、その後、周囲温度で16時間攪拌した。その後、この反応混合物を、氷/メタノール浴を使用して0℃〜5℃まで冷却し、30分攪拌し、固体を形成した。この固体をポリプロピレンのろ過パッドをとおしてろ過し、MTBE(3×2L)およびエチルエーテル(3×2L)で洗浄した。その後、この固体を、一定の量を得るまで室温で真空乾燥機内でトレー乾燥し、表題の化合物を得た(3805g、82%収率)。
【0135】
(実施例 1)
4−{N−[7−(3−(S)−1−カルバモイル−1,1−ジフェニルメチル)ピロリジン−1−イル)ヘプト−1−イル]−N−(イソプロピル)アミノ}−1−(4−メトキシピリド−3−イルメチル)ピペリジン ナフタレン−1,5−ジスルホン酸塩の合成
工程A−(7,7−ジメトキシヘプチル)イソプロピル−[1−(4−メトキシピリジン−3−イルメチル)ピペリジン−4−イル]アミンの調製
ジクロロメタン(4L)を含む反応器に、この混合物の温度を−5℃〜5℃に保ちながら、4−イソプロピルアミノ−1−(4−メトキシピリド−3−イルメチル)ピペリジン モノ安息香酸塩(1.5kg、3.89mol)を加えた。この塩を加えるために使用した容器をジクロロメタン(1.5L)でリンスし、このリンスしたものを反応混合物中に加えた。その後、この反応混合物の温度を0℃〜5℃に調整し、この反応化合物の温度を0℃〜5℃に保ちながら、7,7−ジメトキシヘプタナール(790g、4.25mol、GCによると93.8%純度)を加えた。7,7−ジメトキシヘプタナールを加えるために使用した容器をジクロロメタン(0.8L)でリンスし、このリンスしたものをこの反応器に加えた。その後、生じた反応混合物を、0℃〜5℃で1時間攪拌した。その後、トリアセトキシホウ化水素ナトリウム(1.07kg、5.05mol)を、この反応混合物の温度を−5℃〜5℃に保ちながら、7等分して1時間の間にわたって加えた。トリアセトキシホウ化水素ナトリウムを加えるために使用した容器をジクロロメタン(0.8L)でリンスし、このリンスしたものをこの反応混合物に加えた。その後、この反応混合物を、0℃〜5℃で21時間攪拌した。その後、脱イオン水(8.6L)中の炭酸カリウム(500g)水溶液を、この反応化合物の温度を0℃〜25℃に保ちながら、この反応混合物に加えた。生じた混合物を、15℃〜25℃で2時間攪拌した。その後、この層を30分間分離させる状態に置き、その有機層を収集した。炭酸カリウム水溶液での洗浄方法を2度繰り返した。この有機層に、温度を15℃〜25℃に保ちながら、脱イオン水(15L)中の塩化ナトリウム(5.7kg)水溶液を加えた。生じた混合物を、15℃〜25℃の温度で30分攪拌し、その後、この層を30分間分離させる状態に置いた。この有機層を収集し、この層に、ジクロロメタン(1.5L)を加えた。表題の化合物を含む生じた溶液を、その後の反応で使用するまで、窒素雰囲気下、光から保護して、0℃〜5℃で保存した。
【0136】
工程B 7−{イソプロピル−[1−(4−メトキシピリジン−3−イルメチル)−ピペリジン−4−イル]アミノ}ヘプタナールの調製
工程Aからの溶液の温度を5℃〜15℃に調整し、この反応混合物の温度を20℃未満に保ちながら、塩酸水溶液(1.4Lの濃塩酸を14.2Lの脱イオン水に加えることで調整)を加えた。生じた2相の混合物を15℃〜25℃で11時間攪拌した。この混合物を30分の間、攪拌しない状態に置き、この有機層を取り除いた。この水性層にジクロロメタン(6L)を加え、この混合物を30分間攪拌した。その後、この層を、30分の間、分離させる状態に置き、この有機層を取り除いた。ジクロロメタンでこの水性層を洗浄するこの方法を2度さらに繰り返した。表題の化合物を含む生じた水溶液を、その後の反応で使用するまで、窒素雰囲気下、光から保護して、0℃〜5℃で保存した。
【0137】
工程C 4−{N−[7−(3−(S)−1−カルバモイル−1,1−ジフェニルメチル)−ピロリジン−1−イル)ヘプト−1−イル]−N−(イソプロピル)アミノ}−1−(4−メトキシピリド−3−イルメチル)−ピペリジンの調製
工程Bからの溶液の温度を−5℃〜5℃に調整し、この反応混合物の温度を−5℃〜5℃の範囲に保ちながら、水酸化ナトリウム水溶液(230gの水酸化ナトリウムを2.9Lの脱イオン水に溶解することで調製)を加えた。その後、この反応混合物の温度を−5℃〜5℃の範囲に保ちながら、アセトニトリル(9.3L)を加えた。その後、(S)−3−(1−カルバモイル−1,1−ジフェニルメチル)ピロリジン(988g、3.52mol)(例えば、米国特許出願番号 2004/0122014 A1に記載されているように調製)を加え、生じた混合物を、−5℃〜5℃で1時間攪拌した。その後、この反応混合物の温度を−5℃〜5℃に保ちながら、トリアセトキシホウ化水素ナトリウム(853g、4.02mol)を、7等分して1時間の間にわたって加えた。その後、この反応混合物を0℃〜5℃で4.25時間攪拌した。その後、温度を20℃未満に保ちながら、濃塩酸(8.2L)をこの反応混合物にpHが2〜3の範囲になるまで加えた。その後、MTBE(9.8L)をこの反応混合物に加え、生じた混合物を、15℃〜25℃で45分間攪拌した。この混合物を30分の間、攪拌しない状態に置き、この水性層を分離した。MTBEでこの水性層を洗浄するこの方法を繰り返し、その後、MTBE(19.4L)をこの水性層に加えた。その後、温度を20℃未満に保ちながら、水酸化ナトリウム水溶液(910gの水酸化ナトリウムを5.7Lの脱イオン水に溶解することで調製)を、この水性層のpHが11〜12の範囲になるまで加えた。この混合物を15℃〜25℃で30分間攪拌した。その後、この層を、30分の間、分離させる状態に置き、この層を分離した。この有機層に、炭酸カリウムおよびメタ重亜硫酸ナトリウムの水溶液(970gの炭酸カリウムおよび970gのメタ重亜硫酸ナトリウムを、19.4Lの脱イオン水に溶解して調製)を加え、生じた混合物を15℃〜25℃で3時間攪拌した。この混合物を30分の間、攪拌しない状態に置き、この層を分離した。この有機層に、炭酸水素ナトリウム水溶液(1.4kgの炭酸水素ナトリウムを15Lの脱イオン水に溶解して調製)を加え、生じた混合物を15℃〜25℃で30分間攪拌した。この混合物を30分の間、攪拌しない状態に置き、この層を分離した。この有機層に、脱イオン水(15L)を加え、生じた混合物を15℃〜25℃で30分間攪拌した。この混合物を30分の間、攪拌しない状態に置き、この層を分離した。この有機層に、リン酸緩衝液(7.5L)(67.5Lの脱イオン水に溶解した2.396kgのリン酸水素ナトリウム溶液と22.5Lの脱イオン水に溶解した675gのリン酸二水素ナトリウム溶液を混合して調製)を加え、生じた混合物を15℃〜25℃で30分間攪拌した。この混合物を10分の間、攪拌しない状態に置き、この層を分離した。この方法を11回繰り返し、その後、適切な純度の水性層を合わせた。この合わせた水性層に、MTBE(19.4L)を加え、その後、温度を20℃未満に保ちながら、この水性層のpHが11〜12になるまで、水酸化ナトリウム水溶液(1.8Lの脱イオン水に290gの水酸化ナトリウムを溶解することで調製)を加えた。この混合物を15℃〜25℃で30分間攪拌した。この混合物を30分の間、攪拌しない状態に置き、この層を分離した。この有機層に、脱イオン水(15L)を加え、生じた混合物を15℃〜25℃で1.5時間攪拌した。この混合物を1時間の間、攪拌しない状態に置き、その後、この層を分離した。この有機層に、無水硫酸マグネシウム(3kg)を加え、生じた混合物を15℃〜30℃で2.25時間攪拌した。その後、この混合物をろ過し、このフィルターケーキをMTBE(4.5L)で洗浄した。表題の化合物を含む生じた溶液を、その後の反応で使用するまで、窒素雰囲気下、光から保護して、0℃〜5℃で保存した。
【0138】
工程D 4−{N−[7−(3−(S)−1−カルバモイル−1,1−ジフェニルメチル)−ピロリジン−1−イル)ヘプト−1−イル]−N−(イソプロピル)アミノ}−1−(4−メトキシピリド−3−イルメチル)−ピペリジン ナフタレン−1,5−ジスルホン酸塩の調製
メタノール(6L)に、ナフタレン−1,5−ジスルホン酸(641.33g、2.22mol)を加え、このナフタレン−1,5−ジスルホン酸が完全に溶解するまで、生じた混合物を攪拌した。この溶液に、イソプロパノール(6L)を加え、生じた混合物の温度を15℃〜25℃に調整した。MTBE(11L)およびイソプロパノール(57L)を、工程Cからの溶液に加え、その後、ナフタレン−1,5−ジスルホン酸の溶液を、この反応混合物の温度を15℃〜25℃に保ちながら、2時間の間にわたって加えた。その後、この反応混合物の温度を15℃〜25℃に保ちながらイソプロパノール(6L)を加え、生じた混合物を、15℃〜25℃の範囲の温度で12時間攪拌した。その後、この混合物を0℃〜5℃の温度まで冷却し、2時間攪拌した。その後、形成された沈殿物を窒素雰囲気下でのろ過により収集し、このフィルターケーキを0℃〜5℃に冷却したMTBE(6L)で3回洗浄した。その後、この沈殿物を周囲温度で真空下で乾燥し、表題の化合物(1,452.6g、40%全体収率、HPLCによると99.6%純度)を得た。
【0139】
実施例 1は、本プロセスが、式(III)の化合物(すなわち、4−イソプロピルアミノ−1−(4−メトキシピリド−3−イルメチル)ピペリジン モノ安息香酸塩)からの、中間体の分離およびクロマトグラフィー精製の必要の無い高い収率(すなわち、全体で40%)および高い純度(すなわち、99.6%)の式(I)の化合物(すなわち、そのナフタレン−1,5−ジスルホン酸塩としての4−{N−[7−(3−(S)−1−カルバモイル−1,1−ジフェニルメチル)ピロリジン−1−イル)ヘプト−1−イル]−N−(イソプロピル)アミノ}−1−(4−メトキシピリド−3−イルメチル)ピペリジンを供給することを実証する。
【0140】
最後に、当業者は、本発明を遂行する代わりの方法があることを理解する。すなわち、本実施形態は、説明的であると考察されるべきであって、制限的であると考察されるべきではなく、本発明は、本明細書中にある詳細に限定されるべきではなく、本明細書から発するいかなる特許請求の範囲(単数または複数)および同等物の中で変更され得る。本明細書中で引用する全ての発刊物および特許は、適用可能な特許の法律および規則により許可された程度までの全てにおいて、参考として援用される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】

の化合物を調製するためのプロセスであって、該プロセスは、
(a) 式(II);
【化2】

の化合物と、式(III);
【化3】

の化合物、またはその塩と第1の還元剤とを反応させ、式(IV);
【化4】

の化合物またはその塩を形成する、工程;
(b) 式(IV)の化合物またはその塩と酸と水とを反応させ、式(V);
【化5】

の化合物またはその塩を形成する、工程;
(c) 式(V)の化合物またはその塩と式(VI);
【化6】

の化合物またはその塩または立体異性体と第2の還元剤とを反応させ、式(I)の化合物またはその塩または立体異性体を形成する、工程;
を包含し、
ここで、
W、X、YおよびZは、W、X、Y、およびZのうちの少なくとも1つおよび2つ以下がNまたはN→Oである条件で、独立して、CH、CR、NおよびN→Oからなる群から選択され;
は、水素、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C3−6シクロアルキル、−CH−R、および−(CH−Rからなる群から選択され;ここで、それぞれのアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、およびシクロアルキル基は、任意に1〜5個のフルオロ置換基で置換され;
それぞれのRは、独立して、水素、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C3−6シクロアルキル、−CH−R、および−(CH−Rからなる群から選択され、ここで、それぞれのアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、およびシクロアルキル基は、任意に1〜5個のフルオロ置換基で置換され;
それぞれのRは、独立して、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C3−6シクロアルキル、−OR、およびハロからなる群から選択されるか、または2つの隣接したR基が一緒になって、C3−6アルキレン、−O−(C2−4アルキレン)−、−O−(C1−4アルキレン)−O−、−(O)C−CH=CH−、または−CH=CH−C(O)−を形成するか、ZがCR、−ORおよびRと一緒になって、−O−(C2−5アルキレン)−、または−O−(C1−5アルキレン)−O−を形成し、ここで、それぞれのアルキル基、アルキレン基、アルケニル基、アルキニル基、およびシクロアルキル基は、任意に1〜5個のフルオロ置換基で置換され;
それぞれのRおよびRは、独立して、C3−5シクロアルキル、C6−10アリール、−C(O)(C6−10アリール)、C2−9ヘテロアリール、−C(O)(C2−9ヘテロアリール)、およびC3−6複素環式からなる群から選択され、ここで、該シクロアルキル基は、任意に1〜5個のフルオロ置換基で置換され、該アリール基、ヘテロアリール基、および複素環式基は、任意に1〜3個の、Rから独立して選択される置換基で置換され、該アリール基およびヘテロアリール基は、任意にフェニル基でさらに置換され、ここで、該フェニル基は、任意に1〜3個の、Rから独立して選択される置換基で置換され;
それぞれのRおよびRは、独立して、−OH、−OR、−SR、−S(O)R、−S(O)、−C(O)R、C3−5シクロアルキル、C6−10アリール、C2−9ヘテロアリール、およびC3−6複素環式からなる群から選択され、ここで、該シクロアルキル基は、任意に1〜5個のフルオロ置換基で置換され;該アリール基、ヘテロアリール基、および複素環式基は、任意に1〜3個の、Rから独立して選択される置換基で置換され;
それぞれのRは、独立して、C1−4アルキル、C3−5シクロアルキル、C6−10アリール、およびC2−9ヘテロアリールからなる群から選択され、ここで、該アルキル基およびシクロアルキル基は、任意に1〜5個のフルオロ置換基で置換され;該アリール基およびヘテロアリール基は、任意に1〜3個の、Rから独立して選択される置換基で置換され;
10およびR11は、独立して、C1−6アルキルであるか、またはR10およびR11は一緒になってC2−6アルキレンを形成し;
それぞれのRおよびRは、独立して、C1−4アルキル、C2−4アルケニル、C2−4アルキニル、C3−6シクロアルキル、シアノ、ハロ、−OR、−SR、−S(O)R、−S(O)、および−NRからなる群から選択されるか、または2つの隣接したR基または二つの隣接したR基が一緒になって、C3−6アルキレン、−(C2−4アルキレン)−O−、または−O−(C1−4アルキレン)−O−を形成し、ここで、それぞれのアルキル基、アルキレン基、アルケニル基、アルキニル基、およびシクロアルキル基は、任意に1〜5個のフルオロ置換基で置換され;
それぞれのRおよびRは、独立して、C1−4アルキルおよびフルオロからなる群から選択され、ここで、それぞれのアルキル基は、任意に1〜5個のフルオロ置換基で置換され;
それぞれのRは、独立して、水素、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C3−6シクロアルキル、C6−10アリール、C2−9ヘテロアリール、C3−6複素環式、−CH−R、および−CHCH−Rからなる群から選択されるか、または両方のR基がそれらが結合している窒素原子と一緒になって、C3−6複素環式を形成し;ここで、それぞれのアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、およびシクロアルキル基は、任意に1〜5個のフルオロ置換基で置換され;それぞれのアリール基、ヘテロアリール基、および複素環式基は、任意に1〜3個の、Rから独立して選択される置換基で置換され;
それぞれのRは、独立して、水素、C1−4アルキル、C2−4アルケニル、C2−4アルキニル、およびC3−6シクロアルキルからなる群から選択され、ここで、それぞれのアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、およびシクロアルキル基は、任意に1〜5個のフルオロ置換基で置換され;
それぞれのRおよびRは、独立して、水素、C1−4アルキル、C2−4アルケニル、C2−4アルキニル、およびC3−6シクロアルキルからなる群から選択されるか、またはRおよびRがそれらが結合している窒素原子と一緒になって、C3−6複素環式を形成し;ここで、それぞれのアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、およびシクロアルキル基は、任意に1〜5個のフルオロ置換基で置換され、該複素環式基は、任意に1〜3個の、C1−4アルキルおよびフルオロから独立して選択される置換基で置換され;
それぞれのRは、独立して、C3−6シクロアルキル、C6−10アリール、C2−9ヘテロアリール、C3−6複素環式からなる群から選択され、ここで、アリール基、シクロアルキル基、ヘテロアリール基、および複素環式基は、任意に1〜3個の、Rから独立して選択される置換基で置換され;
それぞれのRは、独立して、C3−6シクロアルキル、C6−10アリール、C2−9ヘテロアリール、C3−6複素環式、−OH、−O(C1−6アルキル)、−O(C3−6シクロアルキル)、−O(C6−10アリール)、−O(C2−9ヘテロアリール)、−S(C1−6アルキル)、−S(O)(C1−6アルキル)、−S(O)(C1−6アルキル)、−S(C3−6シクロアルキル)、−S(O)(C3−6シクロアルキル)、−S(O)(C3−6シクロアルキル)、−S(C6−10アリール)、−S(O)(C6−10アリール)、−S(O)(C6−10アリール)、−S(C2−9ヘテロアリール)、−S(O)(C2−9ヘテロアリール)、および−S(O)(C2−9ヘテロアリール)からなる群から選択され、ここで、それぞれのアルキル基は、任意に1〜5個のフルオロ置換基で置換され、それぞれのアリール基、シクロアルキル基、ヘテロアリール基、および複素環式基は、任意に1〜3個の、Rから独立して選択される置換基で置換され;
それぞれのRは、独立して、C1−4アルキル、C2−4アルケニル、C2−4アルキニル、シアノ、ハロ、−OR、−SR、−S(O)R、−S(O)、および−NRからなる群から選択されるか、または二つの隣接したR基が一緒になって、C3−6アルキレン、−(C2−4アルキレン)−O−または−O−(C1−4アルキレン)−O−を形成し、ここで、それぞれのアルキル基、アルキレン基、アルケニル基、およびアルキニル基は、任意に1〜5個のフルオロ置換基で置換され;
式(I)の化合物中のそれぞれの−CH−基は、任意に、一つまたは二つの、C1−2アルキル、フルオロからなる群から独立して選択された置換基で置換され、ここで、それぞれのアルキル基は、任意に1〜3個のフルオロ基で置換され;
aは、2〜7の整数であり;
bは、0または1であり;
cは、2〜7の整数であり;但し、a+b+cは7、8または9に等しく;
mは、0〜3の整数であり;
nは、0〜3の整数であり;
pは、1または2であり;
qは、0〜4の整数であり;
rは、0〜4の整数であり;
xは、2〜4の整数であり;
yは、2〜4の整数である、プロセス。
【請求項2】
請求項1に記載のプロセスであって、該プロセスが:
(d) 式(I)の前記化合物の水素付加塩を含む水性溶液を形成する、工程;
(e) 工程(d)からの該水性溶液と水−不混和性有機希釈剤とを接触させる、工程;および
(f) 該水性溶液から、該水−不混和性有機希釈剤を分離させる、工程;
をさらに包含する、プロセス。
【請求項3】
請求項1に記載のプロセスであって、該プロセスが:
(g) 式(I)の前記化合物および水−不混和性有機希釈剤を含む水−不混和性有機希釈溶液を形成する、工程;
(h) 工程(g)からの該水−不混和性有機希釈溶液と、アルカリ金属の炭酸塩およびアルカリ金属の亜硫酸水素塩またはメタ重亜硫酸塩を含む水溶液とを接触させる、工程;および
(i) 該水溶液から、該水−不混和性有機希釈溶液を分離させる、工程;
をさらに包含する、プロセス。
【請求項4】
前記水−不混和性有機希釈剤がメチルtert−ブチルエーテルである、請求項2または請求項3に記載のプロセス。
【請求項5】
請求項1に記載のプロセスであって、該プロセスが:
(j) 式(I)の前記化合物とナフタレン−1,5−ジスルホン酸とを接触させ、式(I)の化合物のナフタレン−1,5−ジスルホン酸塩を形成する、工程:
をさらに包含する、プロセス。
【請求項6】
bが0である、請求項1〜5のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項7】
mおよびnが0である、請求項1〜5のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項8】
qおよびrが0である、請求項1〜5のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項9】
b、m、n、q、およびrが0であり;pが1である、請求項1〜5のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項10】
それぞれのRが水素である、請求項1〜5のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項11】
がC1−4アルキルである、請求項1〜5のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項12】
がC1−4アルキルである、請求項1〜5のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項13】
W、Y、およびZがCHで、XがNである、請求項1〜5のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項14】
それぞれのRが水素であり、RがC1−4アルキルであり、RがC1−4アルキルであり、b、m、n、q、およびrが0であり、pが1であり、W、Y、およびZがCHで、XがNである、請求項1〜5のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項15】
10およびR11が、独立してC1−3アルキルから選択されるか、または一緒になってC2−4アルキレンを形成する、請求項1〜5のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項16】
前記第1および第2の還元剤が、独立して金属の水素化物還元剤、または水素および貴金属触媒である、請求項1に記載のプロセス。
【請求項17】
前記第1および第2の還元剤が独立して、ホウ化水素ナトリウム、トリアセトキシホウ化水素ナトリウム、シアノホウ化水素ナトリウム、ボラン−ピリジン錯体、ボラン−ジメチルスルフィド錯体、ボラン−テトラヒドロフラン錯体、ボラン−アンモニア錯体、ホウ化水素リチウム、トリ−sec−ブチルホウ化水素リチウム、トリエチルホウ化水素リチウム、テトラヒドロ−1−メチル−3,3−ジフェニル−1H,3H−ピロロ[1,2−c][1,3,2]オキサザボロール、トリアセトキシホウ化水素テトラメチルアンモニウム、トリス(トリフルオロアセトキシ)ホウ化水素ナトリウム、亜ジオン酸ナトリウム亜鉛、またはホウ化水素亜鉛である、請求項1に記載のプロセス。
【請求項18】
工程(b)中で使用する前記酸が無機酸である、請求項1に記載のプロセス。
【請求項19】
工程(a)が約−5℃〜約5℃の範囲の温度で行われる、請求項1に記載のプロセス。
【請求項20】
工程(b)が約10℃〜約20℃の範囲の温度で行われる、請求項1に記載のプロセス。
【請求項21】
工程(c)が約−5℃〜約5℃の範囲の温度で行われる、請求項1に記載のプロセス。
【請求項22】
工程(b)が約2〜約3の範囲のpHで行われる、請求項1に記載のプロセス。
【請求項23】
式(VII):
【化7】

の化合物またはその塩を調製するためのプロセスであって、該プロセスは、
(a) 式(VIII);
【化8】

の化合物と、式(IX);
【化9】

の化合物またはその塩と第1の還元剤とを反応させ、式(X);
【化10】

の化合物またはその塩を形成する、工程;
(b) 式(X)の化合物またはその塩と酸と水とを反応させ、式(XI);
【化11】

の化合物またはその塩を形成する、工程;
(c) 式(XI)の化合物またはその塩と式(XII);
【化12】

の化合物またはその塩と第2の還元剤とを反応させ、式(I)の化合物またはその塩を形成する、工程;
を包含し、ここで、R10およびR11は、独立して、C1−6アルキルであるか、またはR10およびR11は一緒になってC2−6アルキレンを形成する、プロセス。
【請求項24】
請求項23に記載のプロセスであって、該プロセスが:
(d) 式(VII)の前記化合物の水素付加塩を含む水溶液を形成する、工程;
(e) 工程(d)からの該水性溶液と水−不混和性有機希釈剤とを接触させる、工程;および、次いで
(f) 該水性溶液から、該水−不混和性有機希釈剤を分離させる、工程;
をさらに包含する、プロセス。
【請求項25】
請求項23に記載のプロセスであって、該プロセスが:
(g) 式(VII)の前記化合物および水−不混和性有機希釈剤を含む水−不混和性有機希釈溶液を形成する、工程;
(h) 工程(g)からの該水−不混和性有機希釈溶液と、アルカリ金属の炭酸塩およびアルカリ金属の亜硫酸水素塩またはメタ重亜硫酸塩を含む水溶液とを接触させる、工程;および、次いで
(i) 該水溶液から、該水−不混和性有機希釈溶液を分離させる、工程;
をさらに包含する、プロセス。
【請求項26】
請求項23に記載のプロセスであって、該プロセスが:
(j) 式(VII)の前記化合物とナフタレン−1,5−ジスルホン酸とを接触させ、式(VII)の化合物のナフタレン−1,5−ジスルホン酸塩を形成する、工程:
をさらに包含する、プロセス。
【請求項27】
10およびR11の両方がメチルである、請求項23〜26のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項28】
前記第1および第2の還元剤がトリアセトキシホウ化水素ナトリウムである、請求項23に記載のプロセス。
【請求項29】
工程(b)中で使用する前記酸が塩酸である、請求項23に記載のプロセス。
【請求項30】
工程(a)が約−5℃〜約5℃の範囲の温度で行われる、請求項23に記載のプロセス。
【請求項31】
工程(b)が約10℃〜約20℃の範囲の温度で行われる、請求項23に記載のプロセス。
【請求項32】
工程(c)が約−5℃〜約5℃の範囲の温度で行われる、請求項23に記載のプロセス。
【請求項33】
工程(b)が約2〜約3の範囲のpHで行われる、請求項23に記載のプロセス。
【請求項34】
前記水−不混和性有機希釈剤がメチルtert−ブチルエーテルである、請求項24または請求項25に記載のプロセス。
【請求項35】
式(IV):
【化13】

の化合物、またはその塩または立体異性体であって、
ここで、
W、X、YおよびZは、W、X、Y、およびZのうちの少なくとも1つおよび2つ以下がNまたはN→Oである条件で、独立して、CH、CR、NおよびN→Oからなる群から選択され;
は、水素、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C3−6シクロアルキル、−CH−R、および−(CH−Rからなる群から選択され;ここで、それぞれのアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、およびシクロアルキル基は、任意に1〜5個のフルオロ置換基で置換され;
それぞれのRは、独立して、水素、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C3−6シクロアルキル、−CH−R、および−(CH−Rからなる群から選択され、ここで、それぞれのアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、およびシクロアルキル基は、任意に1〜5個のフルオロ置換基で置換され;
それぞれのRは、独立して、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C3−6シクロアルキル、−OR、およびハロからなる群から選択されるか、または2つの隣接したR基が一緒になって、C3−6アルキレン、−O−(C2−4アルキレン)−、−O−(C1−4アルキレン)−O−、−(O)C−CH=CH−、または−CH=CH−C(O)−を形成するか、ZがCR、−ORおよびRと一緒になって、−O−(C2−5アルキレン)−、または−O−(C1−5アルキレン)−O−を形成し、ここで、それぞれのアルキル基、アルキレン基、アルケニル基、アルキニル基、およびシクロアルキル基は、任意に1〜5個のフルオロ置換基で置換され;
それぞれのRおよびRは、独立して、C3−5シクロアルキル、C6−10アリール、−C(O)(C6−10アリール)、C2−9ヘテロアリール、−C(O)(C2−9ヘテロアリール)、およびC3−6複素環式からなる群から選択され、ここで、該シクロアルキル基は、任意に1〜5個のフルオロ置換基で置換され、該アリール基、ヘテロアリール基、および複素環式基は、任意に1〜3個の、Rから独立して選択される置換基で置換され、該アリール基およびヘテロアリール基は、任意にフェニル基でさらに置換され、ここで、該フェニル基は、任意に1〜3個の、Rから独立して選択される置換基で置換され;
それぞれのRおよびRは、独立して、−OH、−OR、−SR、−S(O)R、−S(O)、−C(O)R、C3−5シクロアルキル、C6−10アリール、C2−9ヘテロアリール、およびC3−6複素環式からなる群から選択され、ここで、該シクロアルキル基は、任意に1〜5個のフルオロ置換基で置換され;該アリール基、ヘテロアリール基、および複素環式基は、任意に1〜3個の、Rから独立して選択される置換基で置換され;
それぞれのRは、独立して、C1−4アルキル、C3−5シクロアルキル、C6−10アリール、およびC2−9ヘテロアリールからなる群から選択され、ここで、該アルキル基およびシクロアルキル基は、任意に1〜5個のフルオロ置換基で置換され;該アリール基およびヘテロアリール基は、任意に1〜3個の、Rから独立して選択される置換基で置換され;
10およびR11は、独立して、C1−6アルキルであるか、またはR10およびR11は一緒になってC2−6アルキレンを形成し;
それぞれのRは、独立して、C1−4アルキルおよびフルオロからなる群から選択され、ここで、それぞれのアルキル基は、任意に1〜5個のフルオロ置換基で置換され;
それぞれのRは、独立して、水素、C1−4アルキル、C2−4アルケニル、C2−4アルキニル、およびC3−6シクロアルキルからなる群から選択され、ここで、それぞれのアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、およびシクロアルキル基は、任意に1〜5個のフルオロ置換基で置換され;
それぞれのRおよびRは、独立して、水素、C1−4アルキル、C2−4アルケニル、C2−4アルキニル、およびC3−6シクロアルキルからなる群から選択されるか、またはRおよびRがそれらが結合している窒素原子と一緒になって、C3−6複素環式を形成し;ここで、それぞれのアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、およびシクロアルキル基は、任意に1〜5個のフルオロ置換基で置換され、該複素環式基は、任意に1〜3個の、C1−4アルキルおよびフルオロから独立して選択される置換基で置換され;
それぞれのRは、独立して、C1−4アルキル、C2−4アルケニル、C2−4アルキニル、シアノ、ハロ、−OR、−SR、−S(O)R、−S(O)、および−NRからなる群から選択されるか、または二つの隣接したR基が一緒になって、C3−6アルキレン、−(C2−4アルキレン)−O−または−O−(C1−4アルキレン)−O−を形成し、ここで、それぞれのアルキル基、アルキレン基、アルケニル基、およびアルキニル基は、任意に1〜5個のフルオロ置換基で置換され;
式(I)の化合物中のそれぞれの−CH−基は、任意に、一つまたは二つの、C1−2アルキル、フルオロからなる群から独立して選択された置換基で置換され、ここで、それぞれのアルキル基は、任意に1〜3個のフルオロ基で置換され;
aは、2〜7の整数であり;
bは、0または1であり;
cは、2〜7の整数であり;但し、a+b+cは7、8または9に等しく;
rは、0〜4の整数であり;
xは、2〜4の整数であり;
yは、2〜4の整数である、化合物。
【請求項36】
bおよびrが0である、請求項35に記載の化合物。
【請求項37】
がC1−4アルキルである、請求項35に記載の化合物。
【請求項38】
がイソプロピルである、請求項35に記載の化合物。
【請求項39】
がC1−4アルキルである、請求項35に記載の化合物。
【請求項40】
がメチルである、請求項35に記載の化合物。
【請求項41】
W、Y、およびZがCHで、XがNである、請求項35に記載の化合物。
【請求項42】
がC1−4アルキルであり、RがC1−4アルキルであり、bおよびrが0であり、W、Y、およびZがCHであり、XがNである、請求項35に記載の化合物。
【請求項43】
10およびR11が、独立してC1−3アルキルから選択されるか、またはR10およびR11が一緒になってC2−4アルキレンを形成する、請求項35に記載の化合物。
【請求項44】
10およびR11の両方がメチルである、請求項35に記載の化合物。
【請求項45】
式(X):
【化14】

の化合物またはその塩であって;ここで
10およびR11が、独立してC1−6アルキルであるか;またはR10およびR11が一緒になってC2−6アルキレンを形成する、化合物。
【請求項46】
10およびR11の両方がメチルである、請求項45に記載の化合物。
【請求項47】
式(XI):
【化15】

の化合物またはその塩である、化合物。

【公表番号】特表2008−518918(P2008−518918A)
【公表日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−539110(P2007−539110)
【出願日】平成17年10月27日(2005.10.27)
【国際出願番号】PCT/US2005/038770
【国際公開番号】WO2006/050025
【国際公開日】平成18年5月11日(2006.5.11)
【出願人】(500154711)セラヴァンス, インコーポレーテッド (129)
【Fターム(参考)】