説明

置換インデン化合物の製造方法

【課題】メタロセン錯体製造用の原料として有用であって、立体障害が高い場合でも、従来のカップリング反応よりも、反応収率が高く、しかも反応時間が短い4位アリール置換インデンの製造方法を提供する。
【解決手段】一般式(I)で表されるインデン化合物と、一般式(IIa)または(IIb)で表されるボロン酸化合物とを、パラジウム触媒および無機塩基の水和物の存在下で、水以外の溶媒を用いて反応させることを特徴とする下記の一般式(III)で表されるインデン化合物の製造方法など。
【化1】


[式(III)中、Rは水素原子、炭素数1〜10のアルキル基など、Rは炭素数1〜10のアルキル基など、R及びRは水素原子、炭素数1〜10のアルキル基など、R11は炭素数6〜20のアリール基などである。)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オレフィン重合触媒であるメタロセン錯体の中間体として有用な置換インデン化合物の製造方法に関し、さらに詳しくは、立体障害の高い置換基を有するハロゲン置換インデン化合物とボロン酸類とのカップリング反応を効率的に行うことを特徴とする、メタロセン錯体製造用の原料として有用な置換インデン化合物の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
置換インデン化合物は、製薬、ファインケミカルズ、液晶、およびα−オレフィン重合のためのメタロセン錯体における重要な中間体である。
特に、置換インデン化合物は、立体特異性オレフィンの重合のための高活性触媒における遷移金属成分として、極めて重要なansa−メタロセン化合物の製造に使用することができる。
【0003】
メタロセン化合物を用いたオレフィン重合触媒では、置換する位置やその置換基の立体的電子的効果を変化させることによって、配位子を変更すると、触媒性能を目的に合うように向上することができる。この方法により、重合活性、ポリマーの分子量、ポリマーの分子量分布、タクチシティー、および融点を、目的に合うように変更することが可能である。
また、中心金属に配位するπ配位子として、インデニル基の1位に架橋基、2位に好ましくは炭化水素基、特にアルキル基、4位に他の炭化水素基、特に置換基を有するアリール基を有するインデニル配位子を含む架橋ジルコノセンは、特に、高活性で立体選択性に富む触媒であることがわかっている。これらの高活性なメタロセンに使用される配位子は、対応する置換インデンから製造される(例えば、非特許文献1参照。)。
【0004】
一般的に、インデニル基の4位のアリール基は、遷移金属で触媒されるアリール−アリールカップリングによって導入される方法が知られている。特に、パラジウムを用いる鈴木−宮浦カップリング反応は、種々の構造を構築する方法として広く知られており、4位にアリール基を有する置換インデンの製造方法にも、応用されている。この鈴木−宮浦カップリング反応において、用いる基質の立体障害が大きい場合には、反応が進行しにくい問題があった。一般的には、反応中に用いる塩基を最適化することで、反応が容易に進行する方法が知られているが、いかなる反応基質に対しても有効であるかは不明である(例えば、非特許文献2参照。)。
【0005】
また、4位にアリール基を有する置換インデンの製造方法に関して、立体障害の大きい5位にも置換基を有する4位アリール置換インデンの製造方法についても、いくつか知られている。例えば、特許文献1では、2,5−ジメチル4ブロモインデンを用いた鈴木−宮浦カップリング反応により、4位アリール置換インデンを製造しているが、反応収率は低いという問題があった。
また、特許文献2では、5,6位環状構造を有するインデンを用いた反応により、4位アリール置換インデンを製造しているが、反応収率は十分に高いものではない。
さらに、特許文献3でも、鈴木−宮浦カップリング反応を用いて、4位アリール置換インデンを製造しているが、反応時間が非常に長いという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特表2005−511751号公報
【特許文献2】特表2007−513906号公報
【特許文献3】特開2010−163423号公報
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】「Organometallics」、1994年、第13巻、p.954
【非特許文献2】「Synlett」、1992年、p.207
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、上記した従来技術の問題点に鑑み、メタロセン錯体製造用の原料として有用であって、立体障害が高い場合でも、従来のカップリング反応よりも、反応収率が高く、しかも反応時間が短い4位アリール置換インデンの製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者は、上記課題を解決するため、鋭意研究を重ねた結果、特定の置換基を有する立体障害の高い4位ハロゲン置換インデンとボロン酸類とのカップリング反応において、特定の塩基と溶媒条件を用いることにより、従来のカップリング反応よりも、反応収率が高く、しかも短い反応時間で4位アリール置換インデンを製造できることができることを見出し、これらの知見に基づき、本発明を完成するに至った。
【0010】
すなわち、本発明の第1の発明によれば、下記の一般式(I)で表されるインデン化合物と、下記の一般式(IIa)または(IIb)で表されるボロン酸化合物とを、パラジウム触媒および無機塩基の水和物の存在下で、水以外の溶媒を用いて反応させることを特徴とする下記の一般式(III)で表されるインデン化合物の製造方法が提供される。
【0011】
【化1】

【0012】
[式(I)中、Xは、ハロゲン原子であり、Rは、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数6〜12のアリール基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のアルキル基を有するアミド基または5〜10員環の複素環置換基である。Rは、炭素数1〜10のアルキル基または炭素数1〜10のアルケニル基であり、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基または炭素数1〜10のアルケニル基である。また、RとRは、インデニル環部分に縮環する5〜8員環の飽和または不飽和炭化水素基を形成してもよい。]
【0013】
【化2】

【0014】
[式(IIa)または(IIb)中、R11は、置換基を有していてもよい炭素数6〜20のアリール基または5〜10員環の複素環置換基である。R12及びR13は、それぞれ独立して、水酸基、または置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルコキシ基であり、また、R12とR13は、一緒になって式:−O−A−O−(式中、Aは、置換基を有していてもよい炭素数2〜4のアルキレン基を意味する。)を形成してもよい。]
【0015】
【化3】

【0016】
[式(III)中、R、R、R、R及びR11は、上記一般式(I)及び(IIa)中の定義と同じである。)
【0017】
また、本発明の第2の発明によれば、第1の発明において、Rは、水素原子または炭素数1〜10のアルキル基であることを特徴とするインデン化合物の製造方法が提供される。
さらに、本発明の第3の発明によれば、第1又は2の発明において、Rが水素原子であることを特徴とするインデン化合物の製造方法が提供される。
【0018】
また、本発明の第4の発明によれば、第1〜3のいずれかの発明において、R11が置換基を有していてもよい炭素数6〜20のアリール基であることを特徴とするインデン化合物の製造方法が提供される。
さらに、本発明の第5の発明によれば、第1〜4のいずれかの発明において、R11が下記の一般式(IV)で表されることを特徴とするインデン化合物の製造方法が提供される。
【0019】
【化4】

【0020】
[式(IV)中、R21、R22及びR23は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のアルケニル基、炭素数1〜6のハロゲン含有アルキル基、トリアルキルシリル基を有する炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6の炭化水素基を有するシリル基、炭素数6〜14のアリール基または炭素数6〜14のハロゲン含有アリール基であり、隣接するR双方で6〜7員環を構成してもよく、該6〜7員環が不飽和結合を含んでいてもよい。]
【発明の効果】
【0021】
本発明の4位アリール置換インデンの製造方法を用いることにより、従来のカップリング反応よりも、反応収率が高く、かつ短い反応時間で4位アリール置換インデンを製造することができ、その結果、本発明の製造方法は、反応収率が高くなったことにより、所望の目的物を原料化合物から定量的に得ることが可能となり、また、反応時間が短くなったことにより、工業的に実施できる反応時間の制約範囲内で、用いる触媒量を低減することができ、工業的な観点から非常に有用である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の4位アリール置換インデン化合物を製造するため、原料、カップリング反応などについて、項目毎に、詳細に説明する。
【0023】
1.インデン化合物
本発明の製造方法に用いるインデン化合物は、下記の一般式(I)で表される特定の置換基を有するインデン化合物である。
一般式(I)で表されるインデン化合物は、5員環部分の二重結合による異性体が存在するが、いずれの異性体も、本発明の製造方法には、各々同様に適応できるため、特に区別せずに用いることができる。
【0024】
【化5】

【0025】
[式(I)中、Xは、ハロゲン原子であり、Rは、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数6〜12のアリール基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のアルキル基を有するアミド基または5〜10員環の複素環置換基である。Rは、炭素数1〜10のアルキル基または炭素数1〜10のアルケニル基であり、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基または炭素数1〜10のアルケニル基である。また、RとRは、インデニル環部分に縮環する5〜8員環の飽和または不飽和炭化水素基を形成してもよい。]
【0026】
一般式(I)において、Xは、ハロゲン原子であって、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素原子を表し、この中でも塩素、臭素原子が特に好ましい。
【0027】
一般式(I)において、上記炭素数1〜10のアルキル基の具体例としては、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、s−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどを挙げることができる。
また、置換基を有していてもよい炭素数6〜12のアリール基の具体例としては、フェニル、トリル、ジメチルフェニル、エチルフェニル、トリメチルフェニル、t−ブチルフェニル、ビフェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、アセナフチル、フェナントリル、アントリルなどを挙げることができる。
また、炭素数1〜6のアルコキシ基の具体例としては、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、i−プロポキシ、n−ブトキシ、i−ブトキシ、tert−ブトキシ、フェノキシなどを挙げることができる。
さらに、炭素数1〜6のアルキル基を有するアミド基の具体例としては、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジイソプロピルアミノ、ピロリジニルなどを挙げることができる。
【0028】
また、5〜10員環の複素環置換基の具体例としては、ピリジン環、チオフェン環、フラン環、ピロール環、オキサゾール環、イソキサゾール環、チアゾール環、イソチアゾール環、イミダゾール環、トリアゾール環、ピラゾール環、フラザン環、チアジアゾール環、オキサジアゾール環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環、インドール環、イソインドール環、インダゾール環、クロメン環、キノリン環、イソキノリン環、シンノリン環、キナゾリン環、キノキサリン環、ナフチリジン環、フタラジン環、プリン環、プテリジン環、チエノフラン環、イミダゾチアゾ−ル環、ベンゾフラン環、ベンゾチオフェン環、ベンズオキサゾール環、ベンズチアゾール環、ベンズチアジアゾール環、ベンズイミダゾール環、イミダゾ[1、2−a]ピリジン環、ピロロピリジン環、ピロロピリミジン環、ピリドピリミジン環などが挙げられ、好ましくは、ピリジン環、チオフェン環、フラン環、キノリン環、キナゾリン環、ベンゾフラン環から任意の位置の水素原子を1除いて誘導される一価の基を挙げることができる。
【0029】
さらに、上記炭素数1〜10のアルケニル基の具体例としては、ビニル、プロペニル、アリル、ブテニル、シクロヘキセニルなどを挙げることができる。
【0030】
また、一般式(I)において、上記Rとしては、水素原子または炭素数1〜10のアルキル基が好ましく、水素原子、メチル、エチル、イソプロピルがさらに好ましく、水素原子が特に好ましい。
【0031】
また、一般式(I)において、上記Rとしては、炭素数1〜10のアルキル基が好ましく、メチル基が特に好ましい。
さらに、R、Rとしては、水素原子または炭素数1〜10のアルキル基が好ましく、水素原子が特に好ましい。
また、RとRは、インデニル環部分に縮環する5〜8員環の飽和または不飽和炭化水素基を形成してもよく、好ましくは5又は6員環であり、この場合、母核のインデニル部分と併せた構造として、6,7−ジヒドロ−5H−s−インダセン、1H−ベンズ[f]インデン、5,6,7,8−テトラヒドロ−1H−ベンズ[f]インデンが、特に好ましいものとして挙げられる。
【0032】
2.ボロン酸化合物類
本発明のインデン化合物の製造方法に用いられるボロン酸化合物類は、一般式(IIa)または(IIb)で表される特定の置換基を有する化合物である。
【0033】
【化6】

【0034】
[式(IIa)または(IIb)中、R11は、置換基を有していてもよい炭素数6〜20のアリール基または5〜10員環の複素環置換基である。R12及びR13は、それぞれ独立して、水酸基、または置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルコキシ基であり、また、R12とR13は、一緒になって式:−O−A−O−(式中、Aは、置換基を有していてもよい炭素数2〜4のアルキレン基を意味する。)を形成してもよい。]
【0035】
上記一般式(IIa)または(IIb)において、置換基を有していてもよい炭素数6〜20のアリール基の具体例としては、
(i)フェニル、トリル、ジメチルフェニル、エチルフェニル、トリメチルフェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、アセナフチル、フェナントリル、アントリル等のアリール基、(ii)o−、m−、p−フルオロフェニル、o−、m−、p−クロロフェニル、o−、m−、p−ブロモフェニル、2,4−、3,5−、2,6−、2,5−ジフルオロフェニル、2,4−、3,5−、2,6−、2,5−ジクロロフェニル、2,4,6−トリフルオロフェニル、2,4,6−トリクロロフェニル、ペンタフルオロフェニル、ペンタクロロフェニル、4−フルオロナフチル、4−クロロナフチル、2,4−ジフルオロナフチル、ヘプタフルオロ−1−ナフチル、ヘプタクロロ−1−ナフチル、o−、m−、p−トリフルオロメチルフェニル、o−、m−、p−トリクロロメチルフェニル、2,4−、3,5−、2,6−、2,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル、2,4−、3,5−、2,6−、2,5−ビス(トリクロロメチル)フェニル、2,4,6−トリス(トリフルオロメチル)フェニル、4−トリフルオロメチルナフチル、4−トリクロロメチルナフチル、2,4−ビス(トリフルオロメチル)ナフチル基等のハロゲン置換アリール基、
(iii)2−、3−、4−トリメチルシリルフェニル、2−、3−、4−t−ブチルジメチルシリルフェニル、2−、3−、4−ジフェニルメチルシリルフェニル、2−、3−、4−ジメチルフェニルシリルフェニル、トリメチルシリルトリル、4−トリメチルシリル−1−ナフチル、6−トリメチルシリル−1−ナフチル、4−トリメチルシリル−2−ナフチル、6−トリメチルシリル−2−ナフチル、4−t−ブチルジメチルシリル−2−ナフチル、6−t−ブチルジメチルシリル−2−ナフチル等のシリル基置換アリール基、
などが挙げられる。
【0036】
また、5〜10員環の複素環置換基の具体例としては、前記段落[0028]で挙げた置換基、またはそれらにさらに置換基を有してしてもよい。その中でも、好ましくはフリル基、チエニル基、置換基を有するフリル基または置換基を有するチエニル基が挙げられ、特に好ましくは2−フリル、5−メチル−2−フリル、2−チエニル、5−メチル−2−チエニル基が挙げられる。
【0037】
また、上記一般式(IIa)または(IIb)において、R11は、下記の一般式(IV)で表される置換基が好ましい。
【0038】
【化7】

【0039】
[式(IV)中、R21、R22及びR23は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のアルケニル基、炭素数1〜6のハロゲン含有アルキル基、トリアルキルシリル基を有する炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6の炭化水素基を有するシリル基、炭素数6〜14のアリール基または炭素数6〜14のハロゲン含有アリール基であり、隣接するR双方で6〜7員環を構成してもよく、該6〜7員環が不飽和結合を含んでいてもよい。]
【0040】
上記ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のアルケニル基は、前記[0026]、[0027]、[0029]で挙げたものと、同様な置換基が挙げられる。
また、炭素数1〜6のハロゲン含有アルキル基の具体例としては、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、クロロメチル、ジクロロメチル、トリクロロメチル、ブロモメチル、ジブロモメチル、トリブロモメチル、ヨードメチル、2,2,2−トリフルオロエチル、2,2,1,1−テトラフルオロエチル、ペンタフルオロエチル、ペンタクロロエチル、ペンタフルオロプロピル、ノナフルオロブチル、5−クロロペンチル、5,5,5−トリクロロペンチル、5−フルオロペンチル、5,5,5−トリフルオロペンチル、6−クロロヘキシル、6,6,6−トリクロロヘキシル、6−フルオロヘキシル、6,6,6−トリフルオロヘキシルを挙げることができる。
さらに、トリアルキルシリル基を有する炭素数1〜6のアルキル基の具体例としては、トリメチルシリルメチル、トリメチルシリルエチルを挙げることができる。
【0041】
上記炭素数1〜6の炭化水素基を有するシリル基は、異なっていてもよい炭素数1〜6の炭化水素基3個がケイ素上に置換されている置換基であり、具体的には、トリメチルシリル、トリエチルシリル、トリ−n−ブチルシリル、t−ブチルジメチルシリル、トリビニルシリル、トリアリルシリル、トリフェニルシリルを挙げることができる。
また、炭素数6〜14のアリール基の具体例としては、フェニル、トリル、ジメチルフェニル、エチルフェニル、トリメチルフェニル、t−ブチルフェニル、ビフェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、などを挙げることができる。
さらに、炭素数6〜14のハロゲン含有アリール基の具体例とは、2−,3−,4−置換の各フルオロフェニル、2−,3−,4−置換の各クロロフェニル、2−,3−,4−置換の各ブロモフェニル、2,4−、2,5−、2,6−、3,5−置換の各ジフルオロフェニル、2,4−、2,5−、2,6−、3,5−置換の各ジクロロフェニル、2,4,6−、2,3,4−、2,4,5−、3,4,5−置換の各トリフルオロフェニル、2,4,6−、2,3,4−、2,4,5−、3,4,5−置換の各トリクロロフェニル、ペンタフルオロフェニル、ペンタクロロフェニル、3,5−ジメチル−4−クロロフェニル、3,5−ジクロロ−4−ビフェニルなどが挙げられる。
【0042】
また、隣接するR21、R22及びR23同士で、6〜7員環を構成してもよく、具体的には、母核のフェニル基と併せた構造として、2−ナフチル基が好ましく挙げられる。
【0043】
また、上記一般式(IIa)において、R12及びR13は、それぞれ独立して、水酸基、または置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルコキシ基であり、好ましくは、水酸基またはメトキシ基であり、水酸基が特に好ましい。
また、R12とR13は、一緒になって、式:−O−A−O−(式中、Aは置換基を有していてもよい炭素数2〜4のアルキレン基を意味する)を形成してもよく、具体的には、下記に示す構造(V)が好ましく挙げられる。
【0044】
【化8】

【0045】
3.パラジウム触媒
本明細書中において表される「パラジウム触媒」とは、具体的には、例えば、パラジウムブラック、塩化パラジウム、酢酸パラジウム、水酸化パラジウム、硝酸パラジウム、テトラアンミンパラジウム(II)塩化物水和物、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、ジニトロジアンミンパラジウム、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、ジ−μ−クロロビス(η−アリル)パラジウム、ビス(アセチルアセトナト)パラジウム、ジクロロビス(ベンゾニトリル)パラジウム、ジクロロビス(アセトニトリル)パラジウム、プロピオン酸パラジウム、トリス(ジベンジリデンアセトン)ニパラジウム、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)クロライド等を挙げることができる。また、担時されたパラジウムとして、パラジウム オン カーボン、パラジウム オン アルミナ、パラジウム オン バリウムサルフェィト等を挙げることができる。
【0046】
これらのパラジウム化合物は、単独でも触媒として使用できるが、パラジウム金属に配位可能な化合物(以下、配位子と呼ぶ)との組み合わせで、利用することもできる。
配位子としては、トリアリールホスフィン(トリフェニルホスフィン、トリオルトトリルホスフィンなど)、トリアルキルホスフィン(トリ−t−ブチルホスフィンなど)、ビスジフェニルホスフィノメタン、ビスジフェニルホスフィノエタン、ビスジフェニルホスフィノプロパン、ビスジフェニルホスフィノブタン、ビスジフェニルホスフィノペンタン、ビスジフェニルホスフィノヘキサン、2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル、ヒ素化合物(トリフェニルアルシンなど)、ビフェニリルジアルキルホスフィン[(2−ビフェニリル)ジt−ブチルホスフィン、(2−ビフェニリル)ジシクロヘキシルホスフィン、(2’−メチル−2−ビフェニリル)ジシクロヘキシルホスフィン、(2’,6’−ジメトキシ−2−ビフェニリル)ジシクロヘキシルホスフィン、(2’−N,Nジメチルアミノ−2−ビフェニリル)ジシクロヘキシルホスフィン、(2’,4’,6’−トリイソプロピル−2−ビフェニリル)ジシクロヘキシルホスフィン]などを挙げることができる。
【0047】
この中でも、好ましくはビフェニリルジアルキルホスフィンであり、さらに好ましくは、(2−ビフェニリル)ジシクロヘキシルホスフィン、(2’−メチル−2−ビフェニリル)ジシクロヘキシルホスフィン、(2’,6’−ジメトキシ−2−ビフェニリル)ジシクロヘキシルホスフィン、(2’−N,Nジメチルアミノ−2−ビフェニリル)ジシクロヘキシルホスフィン、(2’,4’,6’−トリイソプロピル−2−ビフェニリル)ジシクロヘキシルホスフィンである。
【0048】
4.無機塩基の水和物
本明細書中において、「無機塩基の水和物」とは、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、フッ化カリウム、リン酸カリウム、水酸化リチウム、水酸化バリウム等の無機塩基に、任意の比の水が取り込まれたものを意味し、この「無機塩基の水和物」として、好ましくは、炭酸ナトリウム一水和物、フッ化カリウムニ水和物、炭酸セリウム(III)八水和物、炭酸ジスプロシウム四水和物、炭酸エルビウム二水和物、炭酸マンガン(II)n水和物、炭酸ネオジム八水和物、炭酸ナトリウム十水和物、炭酸カリウム・1.5水和物、セスキ炭酸ナトリウム二水和物、炭酸テルビウム(III)水和物、炭酸イットリウム三水和物、りん酸マグネシウム八水和物、二りん酸ナトリウム十水和物、りん酸三ナトリウム・12水和物、りん酸亜鉛四水和物、メタほう酸カリウム4/3水和物、こはく酸カリウム三水和物、くえん酸三カリウム一水和物、しゅう酸カリウム二水和物、リン酸カリウム水和物(1〜3水和物)などがあげられるが、好ましくは炭酸ナトリウム一水和物、フッ化カリウムニ水和物、炭酸カリウム・1.5水和物、リン酸カリウム水和物(1〜8水和物)、水酸化バリウム(8水和物)を挙げることができ、最も好ましくはリン酸カリウム水和物(1〜3水和物)である。
【0049】
5.反応溶媒
溶媒としては、水以外の反応温度で液体であれば、如何なるものでよく、その具体例としては、
(i)例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン、トリデカン、テトラデカン、ペンタデカン、ヘキサデカン、ヘプタデカン、オクタデカン、ノナデカン、イコサン、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン等の脂肪族炭化水素類、
(ii)例えば、ベンゼン、ナフタレン等の芳香族炭化水素類、
(iii)例えば、トルエン、キシレン、メシチレン、エチルベンゼン、プロピルベンゼン、クメン、ブチルベンゼン、イソブチルベンゼン、t−ブチルベンゼン、ペンチルベンゼン、ヘキシルベンゼン等のアルキル置換芳香族炭化水素類、
(iv)例えば、ビフェニル、ターフェニル等のビフェニル類、
(v)例えば、フルオロベンゼン、ジフルオロベンゼン、トリフルオロベンゼン、テトラフルオロベンゼン、ペンタフルオロベンゼン、ヘキサフルオロベンゼン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン、テトラクロロベンゼン、ペンタクロロベンゼン、ヘキサクロロベンゼン、ブロモベンゼン、ジブロモベンゼン、トリブロモベンゼン、テトラブロモベンゼン、ペンタブロモベンゼン、ヘキサブロモベンゼン、ヨードブロモベンゼン、ジヨードベンゼン、トリヨードベンゼン、テトラヨードベンゼン、ペンタヨードベンゼン、ヘキサヨードベンゼン、クロロナフタレン、ジクロロナフタレン、フルオロトルエン、クロロトルエン、ブロモトルエン、ヨードトルエン等のハロゲン置換芳香族炭化水素類、
(vi)例えば、アニソール、エトキシベンゼン、プロピルオキシベンゼン、ブトキシベンゼン、ペンチルオキシベンゼン、ヘキシルオキシベンゼン等のアルコキシ置換芳香族炭化水素類等、
(vii)例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、ノナノール、デカノール、ウンデカノール、ドデカノール、トリデカノール、テトラデカノール、ペンタデカノール、ヘキサデカノール、ベンジルアルコール等のアルコール類、
(viii)例えば、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、ヘキサノン、シクロヘキシルアセトン、アセトフェノン、プロピオフェノン、アセトイン等のケトン類、
(ix)例えば、ジメチルエーテル、メチルエチルエーテル、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、t−ブチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,4−ジオキサン、シクロペンチルフェニルエーテル等のエーテル類、
の有機溶媒等が挙げられる。
上記の「水以外の溶媒」を用いてとは、一般的な有機合成反応において、実質的に水を含まない溶媒を用いることと、捉えることができる。例えば、市販の脱水溶媒を用いる程度に水を含まない溶媒を指し、具体的には、溶媒中の水の含有量は、50×10−6重量%以下であり、好ましくは、20×10−6重量%以下である。
これら溶媒は、反応基質の種類、反応温度或いは目的とする反応時間等によって、適宜選択され、単独で用いても、二種以上適宜組み合わせて用いてもよい。
この中でも、芳香族炭化水素類、アルキル置換芳香族炭化水素類、エーテル類が好ましく挙げられ、さらに好ましくは、ベンゼン、トルエン、キシレンであり、トルエンが特に好ましい。
【0050】
6.反応条件(濃度、等量、温度など)
本発明において、反応操作は、特に限定されるものではないが、不活性ガス(窒素またはアルゴン)雰囲気下で行うことが好ましい。
また、本発明の反応方法において、ボロン酸化合物の使用量は、反応させるハロゲン化インデン化合物に対して、通常0.01〜100倍mol、好ましくは0.1〜10倍mol、より好ましくは1〜2倍molである。
【0051】
また、パラジウム触媒の使用量は、本発明に係るハロゲン化インデン化合物の合計に対して、通常1.0×10−6〜50wt%、好ましくは1.0×10−5〜20wt%、より好ましくは1.0×10−3〜10wt%、特に好ましくは、0.1〜3wt%となる量である。また、配位子の使用量は、パラジウム触媒組成物のパラジウム量に対して通常0.01〜1000倍mol、好ましくは0.1〜100倍mol、より好ましくは1〜10倍molである。
さらに、無機塩基の水和物の使用量は、ハロゲン化インデン化合物に対して、通常0.01〜1000倍mol、好ましくは0.1〜100倍mol、より好ましくは1〜10倍mol、特に好ましくは、1〜10倍molである。
また、反応を行う温度は、室温から用いる溶媒系の沸点の範囲(混合溶媒系では、反応実施する溶媒組成が示す沸点)で任意に選択することができる。
さらに、本発明の反応方法において、用いる反応基質の溶媒に対する濃度は、溶解する範囲で任意に選択することができる。
【実施例】
【0052】
以下、本発明をより具体的にかつ明確に説明するために、本発明を実施例及び比較例の対照において説明し、本発明の構成要件の合理性と有意性及び従来技術に対する卓越性を実証する。
なお、以下の諸例において、反応工程は、全て精製窒素雰囲気下で行い、溶媒は、脱水した後に、精製窒素でバブリングして、脱気して使用した。
【0053】
[実施例1]
精製窒素雰囲気に置換したガラスフラスコに、(3,5ジメチルフェニル)ボロン酸(295mg,1.97mmol)をトルエン(18mL)に溶解させ、リン酸カリウム水和物(1〜3水和物)(650mg、2.6mmol)、4−ブロモ−5−メチルインデン(0.22g,1mmol)、酢酸パラジウム(7.0mg、0.03mmol)、(2−ビフェニリル)ジシクロヘキシルホスフィン(21mg,0.06mmol)を、順に加えた。反応混合液を110℃に加熱し、反応させた。
反応液を一部採取し、ガスクロマトグラフィー(GC)で測定することで、反応経過を追跡し、4−ブロモ−5−メチルインデンの消失が確認できるまで、反応させた。
この結果、20分後には、4−ブロモ−5−メチルインデンは消失し、4−(3,5ジメチルフェニル)−5−メチルインデンが定量的に生成した。
【0054】
[実施例2]
用いる酢酸パラジウムを1.17mg(0.005mmol)、(2−ビフェニリル)ジシクロヘキシルホスフィンを21mg(0.01mmol)に変える以外は、実施例1と同様に、反応させた。
この結果、95分後には、4−ブロモ−5−メチルインデンは消失し、4−(3,5ジメチルフェニル)−5−メチルインデンが定量的に生成した。
【0055】
[実施例3]
用いる無機塩基の水和物を、リン酸カリウム水和物(1〜3水和物)に代えて、水酸化バリウム(8水和物)(820mg,2.6mmol)に変える以外は、実施例1と同様に、反応させた。
この結果、70分後には、4−ブロモ−5−メチルインデンは消失し、4−(3,5ジメチルフェニル)−5−メチルインデンが定量的に生成した。
【0056】
[実施例4]
用いるボロン酸化合物を、(3,5ジメチルフェニル)ボロン酸に代えて、(4−tブチルフェニル)ボロン酸(356mg,1.97mmol)に変える以外は、実施例1と同様に、反応させた。
この結果、5分後には、4−ブロモ−5−メチルインデンは消失し、4−(4−t−ブチルフェニル)−5−メチルインデンが定量的に生成した。
【0057】
[比較例1](溶媒として水を用いた例)
用いる溶媒を、ジメトキシエタン(15mL)と水(3mL)の混合物、用いる塩基を、炭酸セシウム(650mg,2.0mmol)、パラジウム触媒を、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(35mg,0.03mmol)に変える以外は、実施例1と同様に、反応させた。
この結果、300分後には、4−ブロモ−5−メチルインデンは消失し、4−(3,5ジメチルフェニル)−5−メチルインデンが定量的に生成した。
【0058】
[比較例2](ハロゲン化インデン化合物の一般式(I)でRが水素原子の例)
用いるハロゲン化インデン化合物を、4−ブロモ−5−メチルインデンに代えて、4−ブロモインデン(0.19g,1mmol)に変える以外は、実施例1と同様に、反応させた。
この結果、75分後には、4−ブロモインデンは消失し、4−(3,5ジメチルフェニル)インデンが定量的に生成した。
【0059】
[比較例3](ハロゲン化インデン化合物のRが水素原子で、かつパラジウム触媒量を減らした例)
用いるハロゲン化インデン化合物を、4−ブロモ−5−メチルインデンに代えて、4−ブロモインデン(0.19g,1mmol)に、ボロン酸化合物を、(4−イソプロピルフェニル)ボロン酸(213mg,1.3mmol)に、パラジウム触媒量を0.01mmolに変える以外は、実施例1と同様に、反応させた。
この結果、360分後には、4−(4−イソプロピルフェニル)インデンが収率75%で生成したが、定量的には生成することはなかった。
【0060】
【表1】

【産業上の利用可能性】
【0061】
本発明の4位アリール置換インデンの製造方法により、従来のカップリング反応よりも反応収率が高く、かつ短い反応時間で、4位アリール置換インデンを製造することができ、目的物を効率的に得ることができ、また、工業的に実施できる反応時間の制約範囲内で、用いる触媒量を低減することができ、工業的な観点から、非常に有用である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記の一般式(I)で表されるインデン化合物と、下記の一般式(IIa)または(IIb)で表されるボロン酸化合物とを、パラジウム触媒および無機塩基の水和物の存在下で、水以外の溶媒を用いて反応させることを特徴とする下記の一般式(III)で表されるインデン化合物の製造方法。
【化1】

[式(I)中、Xは、ハロゲン原子であり、Rは、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数6〜12のアリール基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のアルキル基を有するアミド基または5〜10員環の複素環置換基である。Rは、炭素数1〜10のアルキル基または炭素数1〜10のアルケニル基であり、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基または炭素数1〜10のアルケニル基である。また、RとRは、インデニル環部分に縮環する5〜8員環の飽和または不飽和炭化水素基を形成してもよい。]
【化2】

[式(IIa)または(IIb)中、R11は、置換基を有していてもよい炭素数6〜20のアリール基または5〜10員環の複素環置換基である。R12及びR13は、それぞれ独立して、水酸基、または置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルコキシ基であり、また、R12とR13は、一緒になって式:−O−A−O−(式中、Aは、置換基を有していてもよい炭素数2〜4のアルキレン基を意味する。)を形成してもよい。]
【化3】

[式(III)中、R、R、R、R及びR11は、上記一般式(I)及び(IIa)中の定義と同じである。)
【請求項2】
は、水素原子または炭素数1〜10のアルキル基であることを特徴とする請求項1に記載のインデン化合物の製造方法。
【請求項3】
が水素原子であることを特徴とする請求項1又は2記載のインデン化合物の製造方法。
【請求項4】
11が置換基を有していてもよい炭素数6〜20のアリール基であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のインデン化合物の製造方法。
【請求項5】
11が下記の一般式(IV)で表されることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のインデン化合物の製造方法。
【化4】

[式(IV)中、R21、R22及びR23は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のアルケニル基、炭素数1〜6のハロゲン含有アルキル基、トリアルキルシリル基を有する炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6の炭化水素基を有するシリル基、炭素数6〜14のアリール基または炭素数6〜14のハロゲン含有アリール基であり、隣接するR双方で6〜7員環を構成してもよく、該6〜7員環が不飽和結合を含んでいてもよい。]

【公開番号】特開2012−167032(P2012−167032A)
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−26975(P2011−26975)
【出願日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【出願人】(596133485)日本ポリプロ株式会社 (577)
【Fターム(参考)】