説明

美容補助剤及びこれを用いた美容用品

【課題】簡単な含有成分で、使用し易く美容効果の高い美容補助剤及びこれを用いた美容用品を提供する。
【解決手段】天然水1と、この天然水1中に未沸騰加熱状態で撹拌混合されるふぐ皮コラーゲン2と、この天然水1中に微量混入される梅酢3とを含有する。また、肌に直接接触する接触剤7を有する美容用品6において、前記接触剤7の全部又は一部に上述した美容補助剤5を用いる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、肌の美容に有効な美容補助剤に係り、特に、ふぐ皮コラーゲンを利用した美容補助剤及びこれを用いた美容用品に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ふぐ皮コラーゲンを利用した化粧品、入浴剤などは既に提案されている(特許文献1参照)。
また、ふぐ皮コラーゲンを効率的に製造する方法も既に提案されている(特許文献2参照)。
【0003】
【特許文献1】特開平8−283665号公報(実施例)
【特許文献2】特開2005−298465号公報(発明を実施するための最良の形態)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、簡単な含有成分で、使用し易く美容効果の高い美容補助剤及びこれを用いた美容用品を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、図1に示すように、天然水1と、この天然水1中に未沸騰加熱状態で撹拌混合されるふぐ皮コラーゲン2と、この天然水1中に微量混入される梅酢3とを含有したことを特徴とする美容補助剤である。
このような技術的手段において、天然水1としては自然界の中でわき出す水は勿論、天然水としての基準をクリアしている市販の人工的に製造されるものも含む。
また、ふぐ皮コラーゲン2は天然水1中で未沸騰加熱状態(例えば70℃〜90℃程度)で撹拌混合されることを要する。加熱時間としては、加熱温度にもよるが、大体30分前後で足りるものの任意に選定して差し支えない。目安としては、ふぐ皮コラーゲン2の撹拌混合状態が均一になればよい。
ここで、「未沸騰加熱状態で」とは、沸騰加熱状態ではコラーゲン質が破壊される可能性もあるため、これを防止するためである。
更に、梅酢3は消臭、殺菌及び潤滑作用として微量混入させればよく、混入時期については天然水加熱前、加熱中、加熱終了後のいつでもよい。
【0006】
また、美容補助剤5の形態としては、冷蔵若しくは冷凍環境下では固形状に保持され、常温環境下では固形状から半固形状に変化可能であることが好ましい。
このような形態においては、美容補助剤5を直接使用する場合には固形状のものを手のひらに載せ、顔に適量塗るなど使用すればよく、美容用品6に適用する場合には通常常温環境下で使用されることから、半固形状の形態の方が利用し易い点で好ましい。
更に、本発明は、美容補助剤に限られるものではなく、肌に直接接触する接触剤7を有する美容用品6において、前記接触剤7の全部又は一部に上述した美容補助剤5を用いるものをも対象とする。
【発明の効果】
【0007】
請求項1に係る発明によれば、簡単な含有成分で、使用し易く美容効果の高い美容補助剤を提供することができる。
請求項2に係る発明によれば、単独での使用し易さのみならず、美容用品へ適用し易い美容補助剤を提供することができる。
請求項3に係る発明によれば、美容補助剤の美容効果が有効に発揮可能な美容用品を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、添付図面に示す実施の形態に基づいてこの発明を詳細に説明する。
◎実施の形態1
本実施の形態において、美容補助剤は、天然水と、ふぐ皮コラーゲンと、梅酢とを含有したものであり、例えば図2に示すように製造される。
第1工程:
図2(a)に示すように、虎ふぐの皮の表面から刃物等の削り具を使ってコラーゲン(ふぐ皮コラーゲン)22を削り落とし、加熱用容器20内に天然水21と前記ふぐ皮コラーゲン22とを入れる。
このとき、天然水21とふぐ皮コラーゲン22との混合割合は適宜選定して差し支えないが、例えばふぐ皮コラーゲン60〜100gに対し天然水を500〜900ml程度が好ましい。
【0009】
第2工程:
図2(b)に示すように、加熱用容器20内の天然水21及びふぐ皮コラーゲン22を未沸騰加熱状態(例えば70℃〜90℃のとろ火)で約30分程度撹拌混合し、天然水21中にふぐ皮コラーゲン22が均一に溶解した状態で加熱を停止する。
このとき、天然水21の加熱前、加熱中、あるいは、加熱終了後に梅酢23を微量(例えば3〜10ml)混入するようにすればよい。
この梅酢23はふぐ皮コラーゲン22を消臭すると共に殺菌し、更に、混合液24に潤滑性を付与する働きをするものである。
第3工程:
この後、図2(c)に示すように、加熱用容器20内の混合液24を常温になるまで自然冷却する。
第4工程:
加熱用容器20内の混合液24が常温に至ると、図2(d)に示すように、冷蔵用容器25に前記混合液24をガーゼ状の濾紙を介して濾過して冷蔵用容器25に収容し、例えば10〜15℃程度で冷蔵庫内に約6〜8時間放置する。
この状態において、無色透明でゼリー状の固形状美容補助剤30が完成する。
第5工程:
この後、図2(e)に示すように、例えば一回の使用量に対応して固形状美容補助剤30を複数の単位ブロック31に分割して冷凍保管しておけばよい。
【0010】
従って、本実施の形態によれば、必要に応じて固形状美容補助剤30の単位ブロック31を取り出して使用に供するようにすればよい。
この美容補助剤30の使用方法としては、例えば固形状美容補助剤30の単位ブロック31を手のひらに載せ、例えば顔全体をマッサージするように塗るようにする手法が挙げられる。このようにすれば、美容補助剤30を塗った顔がつるつるになると共に顔に張りが出て小じわが抑えられる。
尚、本実施の形態で用いられる美容補助剤30は、天然水21、ふぐ皮コラーゲン22及び梅酢23を含有していればよいが、これに限られるものではなく、例えば必要に応じて図示外のバージンオイルを混入し、更に潤滑性を高めるようにしてもよいし、あるいは、図示外の焼酎を混入し、更に、消臭性及び殺菌性を高めるようにしてもよい。
【0011】
◎実施の形態2
図3は本発明が適用された美容用品の実施の形態2を示す。
本実施の形態において、美容用品40は、化粧容器41内に化粧液42を収容した化粧品であり、化粧液42としては、化粧液42のベースとなる化粧液基剤43と、この化粧液基剤43に撹拌混合される美容補助剤30とを含有したものが用いられる。
ここで、美容補助剤30としては例えば実施の形態1で製造された固形状のものが用いられ、この美容補助剤30の適量の固形状ブロックを取り出し、これを常温で半固形状に変化させた後化粧液基剤43中にて加熱若しくは常温にて溶解させるようにすればよい。
このような美容用品40によれば、本来の化粧液基剤43による効能に加えて、美容補助剤30の効能(美肌作用など)が更に発揮される。
【0012】
◎実施の形態3
図4(a)(b)は本発明が適用された美容用品の実施の形態3である。
本実施の形態において、美容用品40は汗などを清浄するための清浄用具である。
同図において、符号50は例えばポリプロピレン製の袋状容器、51は上記袋状容器50の表面側に開設されるシート取出口、52は上記シート取出口51を開閉する同じくポリプロピレン製のシール蓋であり、このシール蓋52は、シート取出口51の周囲に対応した周縁部に剥離自在な接着剤53を塗布したもので、シート取出口51周縁に剥離自在に接着された状態でシート取出口51を気密に閉塞する。尚、符号52aはシール蓋52の一端部に確保された摘み部であり、これに対応したシート蓋52の裏面領域からは上記接着剤53が除去されている。
【0013】
また、上記袋状容器50内には複数枚の清浄シート60が収容されている。
本実施の形態において、上記清浄シート60は不織布からなり、袋状容器50内には清浄用溶液70が収容されている。この清浄用溶液70は、水A重量%(本例ではA=50〜20重量%)に対してエタノールB重量%(本例ではB=50〜80重量%)が含有されるほか、例えば実施の形態1で製造された美容補助剤30が溶解した状態で所定量含有されると共に香料が僅かに含有させられている。
この結果、清浄シート60には水、エタノール、美容補助剤30及び香料が含浸した状態に保たれる。
【0014】
次に、この実施の形態に係る美容用品(清浄用具)の使用方法について説明する。
先ず、図4(b)に示すように、シール蓋52の摘み部52aを持ってシール蓋52を剥し、シート取出口51を開放する。
この状態において、シート取出口51から清浄シート60を取り出した後に、当該清浄シート60を数回振ってから用いるようにすればよい。
このようにすれば、清浄シート60の温度が十分に下がり、高温環境下において清浄シート60を使用したとしても、冷たい感触で、手や顔等を清浄することが可能になることに加えて、清浄シート60で手や顔等を清浄した際に美容補助剤30を塗ることが可能になり、その分、手や顔等に美肌作用を与えることが可能である。
【実施例】
【0015】
◎実施例1
被験者20名に、実施の形態1で製造した美容補助剤を約2ヶ月間使用してもらい、その使用具合につき調査したところ、20名中、19名の被験者が使用時に特に嫌な臭いはなく以前に比べて肌のすべすべ感が大変良い感触であると回答し、1名の被験者が特に嫌な臭いはないが肌の状態はあまり変わらないという回答であった。
【0016】
◎実施例2
また、実施の形態1で製造した美容補助剤について試験分析した結果を以下に示す。
性状:白色〜淡黄色、無臭又はわずかに特異臭。水に溶けほとんど透明又はわずかに懸濁した粘性の液体、常温でゲル化しない。
確認試験(凝固):凝固しない。
確認試験(色規格):青紫
pH:4.6
純度試験(重金属):50ppm以下
純度試験(ヒ素):5ppm以下
これらは例えば化粧品原料基準としては適合範囲であることが確認される。
【0017】
◎実施例3
実施の形態3に係る美容用品(清浄用具)を用い、例えば温度25℃,湿度60%の環境下において、清浄シート60に水A=50重量%、エタノールB=50重量%を含浸させたものを取出したところ、振る前の清浄シート60の温度は17℃であったが、2〜3回振った後の清浄シート60の温度は11℃まで降下することが確認された。
また、同様の環境条件下において、清浄シート60に水A=20重量%、エタノールB=80重量%を含浸させたものを取出したところ、振る前の清浄シート60の温度は15℃であったが、2〜3回振った後の清浄シート60の温度は7℃まで降下することが確認された。
尚、同様な環境条件下において、参考例として、清浄シート60にエタノールB=100重量%を含浸させたものを取出したところ、振る前の清浄シート20の温度は8.5℃であったが、2〜3回振った後の清浄シート20の温度は4.0℃に降下することが確認された。
【0018】
また、同様な環境条件下において、比較例として、清浄シート60に水A=95重量%、エタノールB=5重量%を含浸させたものを取出したところ、振る前の清浄シート60の温度は21℃であったが、2〜3回振った後の清浄シート60の温度は20.3℃程度しか降下しないことが確認された。
尚、このような傾向はエタノールの含有量が30重量%程度に達したとしても同様に見られ、更に、エタノールの含有量を50重量%近傍まで増やしたとしても、清浄シート60を振ることによる温度降下がそれほど顕著には現れなかった。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】(a)は本発明に係る美容補助剤の概要を示す説明図、(b)は本発明に係る美容用品の概要を示す説明図である。
【図2】(a)〜(e)は本発明が適用された美容補助剤の実施の形態1の製造方法を示す説明図である。
【図3】本発明が適用された美容用品の実施の形態2を示す説明図である。
【図4】(a)は本発明が適用された美容用品の実施の形態3を示す説明図、(b)はその使用方法を示す説明図である。
【符号の説明】
【0020】
1…天然水,2…ふぐ皮コラーゲン,3…梅酢,5…美容補助剤,6…美容用品,7…接触剤

【特許請求の範囲】
【請求項1】
天然水と、この天然水中に未沸騰加熱状態で撹拌混合されるふぐ皮コラーゲンと、この天然水中に微量混入される梅酢とを含有したことを特徴とする美容補助剤。
【請求項2】
請求項1記載の美容補助剤において、
冷蔵若しくは冷凍環境下では固形状に保持され、常温環境下では固形状から半固形状に変化可能であることを特徴とする美容補助剤。
【請求項3】
肌に直接接触する接触剤を有する美容用品において、
前記接触剤の全部又は一部に請求項1又は2記載の美容補助剤を用いたことを特徴とする美容用品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−127347(P2008−127347A)
【公開日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−315543(P2006−315543)
【出願日】平成18年11月22日(2006.11.22)
【出願人】(593108082)
【Fターム(参考)】