説明

翻訳登録方法、翻訳登録サーバ及び翻訳登録プログラム

【課題】手軽に翻訳を行い、翻訳結果をデータ化する翻訳登録方法を提供する。
【解決手段】管理サーバ1、クライアント5、Webサーバ4がインターネット8に接続している。Webサーバ4に公開されているWebページをコンテンツとする。管理サーバ1は、翻訳者DB61,依頼DB62,結果DB63に接続している。翻訳者DB61は翻訳者の情報、依頼DB62には翻訳依頼コンテンツの情報、結果DB63には翻訳結果が記憶される。電話案内サーバ2は、電話機3と通話接続できる。翻訳者が電話案内サーバ2へ電話と、電話案内サーバ2と電話機3とが通話接続する翻訳対象コンテンツの原文が電話機3へ音声出力される。それに応じて翻訳者は翻訳結果を電話機3を介して電話案内サーバ2へ音声入力する。電話案内サーバ2は、入力された翻訳結果の音声をテキスト変換して、結果DB63へ登録する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、翻訳登録方法、翻訳登録サーバ及び翻訳登録プログラムに関するものであり、詳細には、手軽に翻訳を行い、翻訳結果をデータ化する翻訳登録方法、翻訳登録サーバ及び翻訳登録プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、インターネット等のネットワーク上には様々なコンテンツが公開されている。これらのコンテンツは様々な言語で作成されている。したがって、ユーザの理解できない言語で記述されているコンテンツを利用したい場合には、翻訳ソフトを用いて機械翻訳が行われている。また、ユーザが音声で入力を行い、入力された音声を他の言語に機械翻訳して、音声として出力する翻訳装置が提案されている(例えば、特許文献1)。しかしながら、機械翻訳では言葉の微妙な意味合いまで翻訳しきれず、コンテンツの魅力を十分に伝えられないという問題点がある。そこで、その言語とユーザの理解できる言語との両方を理解している人物(翻訳者)に翻訳を依頼することが考えられる。翻訳者は、依頼されたコンテンツの翻訳を行い、翻訳結果はパーソナルコンピュータ(PC)に入力され文字のデータとして保存されることが多い。そして、保存された翻訳結果のデータは、電子メールに添付されて翻訳の依頼者に送付されたり、CD−ROM等の記憶媒体に記憶されて翻訳の依頼者に渡されたりしている。また、インターネット上のサーバへ翻訳結果のデータを送信して、登録するようなシステムもある。
【0003】
【特許文献1】特開2001−51999号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、PCはオフィスや自宅などに設置されていることが多い。また、ノート型の形態可能なPCもあるが、持ち運びには大変な労力が必要であり、さらに、PCにデータを入力するためには、PCを置く必要がある。したがって、PCを置く机や台がある場所や、ユーザが座りひざの上にPCを置けるような場所でなければデータを入力することができない。つまり、PCを用いて翻訳結果をデータ化するには、場所の制約を受けてしまい、いつでも、どこでも、気軽に翻訳を行うことはできないという問題点がある。
【0005】
本発明は、上述の問題点を解決するためになされたものであり、手軽に翻訳を行い、翻訳結果をデータ化する翻訳登録方法、翻訳登録サーバ及び翻訳登録プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、請求項1に係る発明の翻訳結果登録方法では、電話機からの呼び出しに応じて、当該電話機と通話接続する接続ステップと、翻訳対象の文章である原文を記憶した原文記憶手段から前記原文を取得し、音声変換する原文音声変換ステップと、前記原文音声変換ステップで音声変換された音声を前記電話機に出力する原文出力ステップと、前記原文出力ステップで出力された音声の前記原文の翻訳結果の音声の入力を前記電話機から受け付ける翻訳結果受付ステップと、前記翻訳結果受付ステップで受け付けた音声を文字に変換する翻訳結果文字変換ステップと、前記翻訳結果文字変換ステップで変換された文字を翻訳結果記憶手段に記憶する翻訳結果記憶ステップとを備えたことを特徴とする。
【0007】
また、請求項2に係る発明の翻訳結果登録方法では、請求項1に記載の発明の構成に加えて、前記翻訳結果文字変換ステップで変換された文字を音声に変換する再音声変換ステップと、前記再音声変換ステップで変換された音声を前記電話機に出力する確認音声出力ステップと、前記確認音声出力ステップで出力された音声を翻訳結果として登録してよいか否かの指示の入力を受け付ける登録指示入力受付ステップと、登録指示入力受付ステップで登録否を示す情報を受け付けた場合には、前記翻訳結果受付ステップを再度実施することを特徴とする。
【0008】
また、請求項3に係る発明の翻訳結果登録方法では、請求項1又は2に記載の発明の構成に加えて、前記翻訳結果記憶手段に記憶されている翻訳結果を文字情報として出力する翻訳結果出力ステップを備えたことを特徴とする。
【0009】
また、請求項4に係る発明の翻訳結果登録方法では、請求項3に記載の発明の構成に加えて、前記翻訳結果受付ステップにおいて前記翻訳結果の音声を入力する翻訳者を識別する翻訳者識別情報の入力を受け付ける翻訳者識別情報受付ステップを備え、前記翻訳結果出力ステップでは、前記翻訳者識別情報に対応して翻訳者の電子メールアドレスを記憶した翻訳者情報記憶手段から、前記翻訳者識別情報受付ステップで受け付けた前記翻訳者識別情報に対応する電子メールアドレスを取得し、当該電子メールアドレス宛てに前記文字情報を本文とした電子メールを送信することにより前記文字情報を出力することを特徴とする。
【0010】
また、請求項5に係る発明の翻訳結果登録方法では、請求項1に記載の発明の構成に加えて、前記翻訳結果受付ステップにおいて前記翻訳結果の音声を入力する翻訳者を識別する翻訳者識別情報の入力を受け付ける翻訳者識別情報受付ステップと、前記翻訳者識別情報に対応して翻訳者の電子メールアドレスを記憶した翻訳者情報記憶手段から、前記翻訳者識別情報受付ステップで受け付けた前記翻訳者識別情報に対応する電子メールアドレスを取得し、当該電子メールアドレス宛てに、前記翻訳結果記憶手段に記憶されている前記翻訳結果を表示するWebページを閲覧するためのURIを送信する翻訳結果URI送信ステップとを備えたことを特徴とする。
【0011】
また、請求項6に係る発明の翻訳結果登録方法では、請求項1乃至5のいずれかに記載の発明の構成に加えて、前記原文はブロックに分割されており、前記原文出力ステップでは、前記ブロックごとに音声を出力し、前記翻訳結果受付ステップでは、前記ブロックの翻訳結果の音声を受け付け、前記翻訳結果受付ステップで前記ブロックの翻訳結果の音声を受け付けた後に、前記原文出力ステップで当該ブロックの次のブロックの音声を出力することを特徴とする。
【0012】
また、請求項7に係る発明の翻訳結果登録方法では、請求項6に記載の発明の構成に加えて、前記ブロックは1つの文であることを特徴とする。
【0013】
また、請求項8に係る発明の翻訳結果登録方法では、請求項6又は7に記載の発明の構成に加えて、前記原文出力ステップで1つ目のブロックの音声を前記電話機に出力する前に、前記原文記憶手段に記憶されている前記原文の全文の音声を前記電話機に出力する全文出力ステップを備えたことを特徴とする。
【0014】
また、請求項9に係る発明の翻訳結果登録方法では、請求項6乃至8のいずれかに記載の発明の構成に加えて、翻訳結果を受け付けたブロックの次のブロックの前記原文中での位置を翻訳開始位置として翻訳開始位置記憶手段に記憶する翻訳開始位置記憶ステップと、前記接続ステップで当該電話機と通話接続した際に、前記翻訳開始位置記憶手段に前記翻訳開始位置が記憶されている場合に、前記原文出力ステップでは当該翻訳開始位置のブロックの音声を出力し、前記翻訳結果受付ステップで当該翻訳開始位置のブロックの翻訳結果の音声を受け付けることを特徴とする。
【0015】
また、請求項10に係る発明の翻訳結果登録方法では、請求項6乃至9のいずれかに記載の発明の構成に加えて、前記原文出力ステップで前記ブロックの音声を前記電話機に出力する前に、前記原文記憶手段に記憶されている前記原文の量に関する情報の音声を前記電話機に出力する量情報出力ステップを備えたことを特徴とする。
【0016】
また、請求項11に係る発明の翻訳結果登録方法では、請求項6乃至10のいずれかに記載の発明の構成に加えて、翻訳結果の入力をスキップする指示の入力を受け付けるスキップ指示受付ステップを備え、前記スキップ指示受付ステップでスキップする指示を受け付けた場合には、前記翻訳結果受付ステップで翻訳結果の音声を受け付けずに、前記原文出力ステップで次のブロックの音声を出力させ、前記翻訳結果受付ステップでスキップしたブロック及び当該ブロックの翻訳結果の音声の入力を受け付けることを特徴とする。
【0017】
また、請求項12に係る発明の翻訳結果登録サーバでは、電話機からの呼び出しに応じて、当該電話機と通話接続する接続手段と、翻訳対象の文章である原文を記憶した原文記憶手段と、前記原文記憶手段に記憶されている前記原文を取得し、音声変換する原文音声変換手段と、前記原文音声変換手段により音声変換された音声を前記電話機に出力する原文出力手段と、前記原文出力手段により出力された音声の前記原文の翻訳結果として、前記電話機からの音声の入力を受け付ける翻訳結果受付手段と、前記翻訳結果受付手段により受け付けられた音声を文字に変換する翻訳結果文字変換手段と、前記翻訳結果文字変換手段で変換された文字を記憶する翻訳結果記憶手段とを備えている。
【0018】
また、請求項13に係る発明の翻訳登録プログラムでは、請求項1乃至11のいずれかに記載の翻訳登録方法の各種処理ステップをコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0019】
請求項1に係る発明の翻訳結果登録方法では、翻訳者は、電話機で翻訳対象の文を聞き、翻訳を行い、翻訳結果をそのまま音声で入力できる。そして、入力された音声は文字に変換されて翻訳結果記憶手段に記憶される。よって、翻訳者は電話機で手軽に翻訳結果を入力し、文字データ化することができる。
【0020】
また、請求項2に係る発明の翻訳結果登録方法では、請求項1に記載の発明の効果に加えて、翻訳結果を再度音声変換し、電話機に出力することができる。そして、翻訳結果として登録してよいか否かの指示を翻訳者から受け付け、登録否の指示であれば、再度翻訳結果の入力を受け付けることができる。したがって、翻訳者は、入力された翻訳結果を音声で再確認し、好ましくなければ再度翻訳結果を音声で入力することができる。よって、翻訳結果を再確認した場合に誤りに気付いたり、よりよい翻訳結果があったりすれば、再入力により訂正できる。また、音声からの文字変換が誤っていた場合にも再入力により訂正できる。
【0021】
また、請求項3に係る発明の翻訳結果登録方法では、請求項1又は2に記載の発明の効果に加えて翻訳結果を文字情報として出力することができる。よって、翻訳者は、電話機で音声入力した翻訳結果を文字情報で確認できる。
【0022】
また、請求項4に係る発明の翻訳結果登録方法では、請求項3に記載の発明の効果に加えて、翻訳結果を文字情報とした電子メールを翻訳者の電子メールアドレス宛に送信することができる。よって、翻訳者は、電話機で音声入力した翻訳結果を、電子メールで手軽に確認できる。
【0023】
また、請求項5に係る発明の翻訳結果登録方法では、請求項1に記載の発明の効果に加えて、翻訳結果を表示するWebページを閲覧するためのURIを記載した電子メールを、翻訳者の電子メールアドレス宛に送信することができる。よって、翻訳者は、電話機で音声入力した翻訳結果をインターネット上で手軽に確認できる。
【0024】
また、請求項6に係る発明の翻訳結果登録方法では、請求項1乃至5のいずれかに記載の発明の効果に加えて、原文をブロックに分割して、ブロックごとに音声を出力し、音声出力したブロックの翻訳結果を受け付け、その後、次のブロックの音声を出力することができる。よって、原文が長くても、適度な量をブロックとすることにより、逐次的に翻訳を行うことができる。よって、翻訳者が原文を聞いているうちに前の内容を忘れてしまい、翻訳できなくなることがない。
【0025】
また、請求項7に係る発明の翻訳結果登録方法では、請求項6に記載の発明の効果に加えて、原文を1文ずつに分割し、1文ずつ音声を出力し、その翻訳結果を受け付けることができる。よって、原文が長くても、1翻訳者は1文ごとに翻訳を行うことができる。
【0026】
また、請求項8に係る発明の翻訳結果登録方法では、請求項6又は7に記載の発明の効果に加えて、1つ目のブロックの音声を出力する前に原文全文の音声を出力することができる。よって、翻訳者は、翻訳を開始する前に原文全体を聞くことができるので、翻訳者は文章の流れを把握することができる。したがって、ブロックごとに翻訳を行う場合であっても、文脈を考慮して翻訳を行える。
【0027】
また、請求項9に係る発明の翻訳結果登録方法では、請求項6乃至8のいずれかに記載の発明の効果に加えて、翻訳開始位置を記憶することができる。よって、翻訳者は翻訳の途中であっても通話を切断して、翻訳を中断することができる。そして、次に通話を接続した際には、続きから翻訳を行うことができる。よって、1つの原文を一度に翻訳しきらなくてもよく、翻訳者は短い時間でも翻訳を進めることができ、手軽に翻訳に取り組める。
【0028】
また、請求項10に係る発明の翻訳結果登録方法では、請求項6乃至9のいずれかに記載の発明の効果に加えて、原文の量に関する情報を出力することができる。よって、翻訳者は、翻訳に取り掛かる前に、どれ位の量の翻訳を行うのかが分かるので、翻訳者は予定を立てたり、心積もりをしたりできる。
【0029】
また、請求項11に係る発明の翻訳結果登録方法では、請求項6乃至10のいずれかに記載の発明の効果に加えて、翻訳結果の入力をスキップする指示を受け付けることができる。よって、翻訳者は、翻訳結果の入力をスキップして、次のブロックの原文を聞くことができる。そして、次のブロックと一緒に翻訳結果を入力することができる。したがって、文章の続きを聞かないと翻訳できないような場合には、翻訳結果の入力をスキップして、次のブロックを聞いてから翻訳を行い、翻訳結果を入力することができ、翻訳結果の品質を向上させられる。
【0030】
また、請求項12に係る発明の翻訳結果登録サーバでは、電話機との通話接続を介して翻訳者からの翻訳結果を取得することができる。よって、電話機による翻訳結果の入力に対応することができ、翻訳者に手軽さを提供することができる。
【0031】
また、請求項13に係る発明の翻訳登録プログラムをコンピュータに実行させることにより、請求項1乃至11のいずれかに記載の発明の効果と同様の効果を奏することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1は、本実施の形態のシステム構成を示す模式図である。図1に示すように、管理サーバ1、クライアント5、Webサーバ4がインターネット8に接続している。そして、本実施の形態では、インターネットに接続したWebサーバ4に公開されているWebページを「コンテンツ」として扱う。そして、管理サーバ1は、翻訳者DB61,依頼DB62,結果DB63に接続している。翻訳者DB61は、コンテンツの翻訳を行う翻訳者に関する情報が記憶されている。依頼DB62には、翻訳を依頼されているコンテンツに関する情報が記憶されている。結果DB63には、翻訳者により翻訳された翻訳結果が記憶されている。クライアント51を操作して、Webページ41を閲覧したユーザがそのコンテンツの翻訳を依頼したい場合には、管理サーバ1に接続して翻訳依頼の登録を行う。すると、依頼DB62に依頼内容が記憶される。また、翻訳結果を利用したいユーザは、クライアント52を操作して、管理サーバ1に接続して、翻訳結果を利用する。また、翻訳者DB61,依頼DB62,結果DB63には、電話案内サーバ2も接続している。電話案内サーバ2は、電話網9に接続しており、電話機3からの発呼に応じて通話接続をすることができる。つまり、電話機3と音声の授受をすることができる。以下、翻訳依頼されたコンテンツを「翻訳依頼コンテンツ」という。
【0033】
本実施の形態の翻訳結果登録方法では、翻訳者が電話機3を操作して、電話案内サーバ2へ電話をかける。すると、電話案内サーバ2は応答し、電話機3との通話接続が成立する。そして、翻訳者は、依頼DB62に登録されている翻訳依頼コンテンツの翻訳を行う。具体的には、翻訳依頼コンテンツ(Webページ41)の原文が電話機3へ音声出力される。それに応じて翻訳者は翻訳結果を電話機3を介して電話案内サーバ2へ音声入力する。電話案内サーバ2は、入力された翻訳結果の音声をテキスト変換して、結果DB63へ登録する。
【0034】
次に、図2を参照して、管理サーバ1について説明する。図2は、管理サーバ1の電気的構成を示すブロック図である。図2に示すように、管理サーバ1には、管理サーバ1の制御を司るCPU10が設けられ、CPU10には、各種のデータを一時的に記憶するRAM11と、BIOS等を記憶したROM12と、データの受け渡しの仲介を行うI/Oインタフェイス13とが接続されている。I/Oインタフェイス13には、ハードディスク装置15が接続されている。このハードディスク装置15には、例えば、管理サーバ1を制御する制御プログラムが記憶されている。
【0035】
また、I/Oインタフェイス13には、マウスコントローラ18と、ビデオコントローラ16と、キーコントローラ17と、通信装置19とが接続されている。そして、マウスコントローラ18にはマウス181が接続され、ビデオコントローラ16にはディスプレイ161が接続され、キーコントローラ17にはキーボード171が接続され、通信装置19はインターネット8に接続可能となっており、さらに、外部記憶装置に設けられている翻訳者DB61,依頼DB62,結果DB63に接続している。
【0036】
次に、図3を参照して、電話案内サーバ2について説明する。図3は、電話案内サーバ2の電気的構成を示すブロック図である。図3に示すように、電話案内サーバ2には、電話案内サーバ2の制御を司るCPU20が設けられ、CPU20には、各種のデータを一時的に記憶するRAM21と、BIOS等を記憶したROM22と、データの受け渡しの仲介を行うI/Oインタフェイス23とが接続されている。I/Oインタフェイス23には、ハードディスク装置25が接続されている。このハードディスク装置25には、例えば、電話案内サーバ2を制御する制御プログラムが記憶されている。
【0037】
また、I/Oインタフェイス23には、マウスコントローラ28と、ビデオコントローラ26と、キーコントローラ27と、電話通信装置29と、通信装置24とが接続されている。そして、マウスコントローラ28にはマウス281が接続され、ビデオコントローラ26にはディスプレイ261が接続され、キーコントローラ27にはキーボード271が接続され、電話通信装置29は電話網9に接続可能となっている。通信装置24は、外部記憶装置に設けられている翻訳者DB61,依頼DB62,結果DB63に接続している。
【0038】
次に、図4乃至図6を参照して、翻訳者DB61,依頼DB62,結果DB63について説明する。図4は、翻訳者DB61の構成を示す模式図であり、図5は、依頼DB62の構成を示す模式図であり、図6は、結果DB63の構成を示す模式図である。
【0039】
まず、図4を参照して、翻訳者DB61について説明する。図4に示すように、翻訳者DB61にはデータ項目として、翻訳者ID,パスワード,名前,メールアドレス,専門分野,専門言語,作業中の案件依頼IDが設けられている。「翻訳者ID」には、翻訳者を識別する情報である翻訳者IDが記憶される。「パスワード」には、電話案内サーバ2に通話接続したユーザが登録されている翻訳者であるか否かを判断するためのパスワードが記憶される。「名前」には、翻訳者の名前が記憶される。「メールアドレス」には、翻訳者の電子メールのアドレスが記憶される。「専門分野」には、翻訳者が翻訳を得意とする分野を示す情報が記憶される。「専門言語」には、翻訳者が翻訳できる言語を示す情報が記憶される。「作業中依頼ID」には、翻訳者が翻訳を行っている翻訳を識別する情報である依頼IDが作業中依頼IDとして記憶される。
【0040】
次に、図5を参照して、依頼DB62について説明する。図5に示すように、依頼DB62にはデータ項目として、依頼ID,依頼URIのアドレス,依頼者,依頼日時,分野,翻訳元言語,翻訳先言語,文字数,単語数,文数,結果ID,原文が設けられている。「依頼ID」には、依頼されている翻訳を識別する情報である依頼IDが記憶される。「依頼URI」には、翻訳依頼コンテンツを特定するURIが依頼URIとして記憶される。「依頼者ID」には、翻訳依頼をしたユーザを識別する情報である依頼者IDが記憶される。「依頼日時」には、翻訳依頼された日時が記憶される。「分野」には、翻訳依頼コンテンツの分野が記憶される。「翻訳元言語」には、翻訳依頼コンテンツを記載している言語を示す情報が記憶される。「翻訳先言語」には、翻訳結果の言語を示す情報が記憶される。「文字数」には、翻訳依頼コンテンツの原文の文字数が記憶される。「単語数」には、翻訳依頼コンテンツの原文の単語数が記憶される。「文数」には、翻訳依頼コンテンツの原文の文の数が記憶される。「結果ID」には、翻訳結果を識別する情報である結果IDが記憶される。「原文」には、翻訳依頼を受けた時点での翻訳依頼コンテンツ、つまり翻訳対象の文章が記憶される。
【0041】
次に、図6を参照して、結果DB63について説明する。図6に示すように、結果DB63には、データ項目として,結果ID,依頼先ID,翻訳者ID,作業状況,翻訳結果,結果URIが設けられている。「結果ID」には、結果IDが記憶される。「依頼ID」には、当該翻訳結果の翻訳依頼を識別するための依頼IDが記憶される。「翻訳者ID」には、翻訳を行った翻訳者の翻訳者IDが記憶される。「作業状況」には、翻訳が途中である場合に、次に翻訳が開始される位置を示す情報が記憶される。「翻訳結果」には、音声入力された翻訳結果を文字変換した結果の文字列が記憶される。「結果URI」には、翻訳結果をインターネット8上で公開するURIが記憶される。
【0042】
次に、図7乃至図10を参照して、電話案内サーバ2において、翻訳者が通話接続してきた際に行われる処理の動作について説明する。図7は、メイン処理のフローチャートである。図8は、メイン処理の中で行われる翻訳前処理のフローチャートであり、図9及び図10は、メイン処理の中で行われる翻訳処理のフローチャートである。メイン処理は、電話機3からの発呼に応答し、通話接続が成立した際に開始される。
【0043】
図7に示すように、まず、翻訳者IDとパスワードを入力するように案内するアナウンスの音声が出力される(S1)。例えば、「翻訳者IDとパスワードをプッシュボタンで入力して下さい。翻訳者IDを入力後には『*』ボタンを押し、続けてパスワードを入力して、最後に『#』ボタンを押して下さい。」という定型アナウンスである。そして、所定時間、電話機3からのボタン入力が受け付けられる(S2)。ボタン入力は、電話機3のボタン押下によるデジタル信号の出力が電話網9を介して受信される。そして、IDとパスワードが入力されたか否かの判断が行われる(S3)。入力されていなければ(S3:NO)、S1へ戻り、再び、翻訳者IDとパスワードの入力を案内するアナウンスの音声が出力される(S1)。また、翻訳者IDとパスワードが入力されていれば(S3:YES)、翻訳者DB61に記憶されている翻訳者IDとパスワードの組合せであるか否かの判断が行われる(S4)。そして、文字変換された翻訳者IDが翻訳者DB61に登録されているか探索される。翻訳者DB61に依頼者IDが登録されていれば、パスワードが参照され、文字変換されたパスワードと等しいか否かの判断が行われる。翻訳者DB61に記憶されている翻訳者IDとパスワードに一致した場合には(S4:YES)、翻訳前処理が行われる(S5、図8参照)。また、翻訳者IDとパスワードが一致しない場合には(S4:NO)、再度翻訳者IDとパスワードを入力するように案内するアナウンスの音声が出力される(S8)。例えば、「翻訳者IDとパスワードが一致しませんでした。もう一度、翻訳者IDとパスワードをプッシュボタンで入力して下さい。翻訳者IDを入力後には『*』を押し、続けてパスワードを入力して、最後に『#』を押して下さい。」という定型アナウンスである。そして、S2へ戻り、電話機3からのボタン入力が受け付けられる(S2)。
【0044】
S5の翻訳前処理では、翻訳を開始するための準備処理が行われる。図8に示すように、まず、翻訳者に作業中の案件があるか否かの判断が行われる(S11)。翻訳者DB61の「作業中依頼ID」に依頼IDが記憶されていれば、作業中の案件があると判断される(S11:YES)。この場合には、作業の続きから翻訳が行われることになり、この翻訳者に対して、翻訳案件を検索する必要はない。そこで、S15へ進む。一方、「作業中依頼ID」に依頼IDが記憶されておらず、作業中の案件がない場合には(S11:NO)、この翻訳者の条件にある翻訳依頼が依頼DB62で検索される(S12)。具体的には、翻訳者DB61の「専門分野」に登録されている分野が依頼DB62の「分野」に一致し、かつ、翻訳者DB61の「専門言語」に登録されている言語の組合せが依頼DB62の「翻訳先言語」及び「翻訳元言語」の組合せに一致する案件が抽出される。なお、抽出された案件が複数ある場合には、任意の1つ(例えば、依頼日時が最も古いもの)が抽出される。そして、抽出された案件の依頼DB62が翻訳者DB61の「作業中依頼ID」に記憶される(S14)。
【0045】
次いで、翻訳依頼の情報のアナウンスが音声出力される(S15)。翻訳依頼の情報とは、依頼DB62の「依頼ID」,「分野」,「翻訳元言語」,「翻訳先言語」,「文字数」,「単語数」,「文数」である。これらを伝える文章が作成され、音声変換されて、変換された音声が電話機3へ出力される。例えば、「これから翻訳を行って頂く案件の依頼IDは『123456』です。翻訳依頼コンテンツの分野は『ニュース』です。英語から日本語へ翻訳して下さい。翻訳依頼コンテンツの文字数は423、単語数は2342、文の数は21です。」というアナウンスである。なお、音声変換は周知の音声変換プログラムにより行われる。
【0046】
次いで、依頼DB62の「原文」から翻訳依頼コンテンツの原文が取得される(S16)。そして、翻訳依頼コンテンツの全文をこれから出力する旨のアナウンスの音声が出力される(S17)。例えば、「翻訳依頼コンテンツの全文をお聞き下さい。」というアナウンスである。次いで、S16で取得された翻訳依頼コンテンツが音声変換され(S18)、変換された音声データが電話機3へ出力される(S19)。なお、音声変換は周知の音声変換プログラムにより行われる。次いで、翻訳作業を開始する旨のアナウンスの音声が出力される(S20)。例えば、「只今から、翻訳を開始します。翻訳依頼コンテンツの文章をお聞きになった後に、翻訳結果を電話機にお話し下さい。」という定型アナウンスである。
【0047】
次いで、依頼DB62の「結果ID」に結果IDが記憶されているか否かの判断が行われる(S21)。結果IDが記憶されていれば(S21:YES)、すでに翻訳済みの文があり、その翻訳結果が結果IDに登録されている。そこで、結果DB63において、依頼DB62に登録されていた結果IDの「作業状況」に記憶されている値が取得され、文カウンタに記憶される(S24)。文カウンタは、翻訳中の文を示すカウンタであり、RAM21に記憶エリアが設けられている。以下、文カウンタの示す値の順番の文を「翻訳対象文」という。そして、メイン処理へ戻る。一方、結果IDが記憶されていなければ(S21:NO)、結果DBに新たなテーブルが作成される(S22)。作成されたテーブルの「結果ID」には新たに割り当てられた結果IDが記憶され、その他のデータ項目は初期化される。そして、文カウンタに「1」が記憶される(S23)。そして、メイン処理へ戻る。
【0048】
以上のようにして、翻訳前処理では、翻訳者にこれから行う案件の情報を提示する。また、電話案内サーバ2の内部的には、翻訳依頼コンテンツのどの文から翻訳を開始するかの情報が文カウンタに記憶される。
【0049】
そして、図7に示すように、翻訳前処理(S4)を終えてメイン処理へ戻ると、翻訳処理が行われる(S5、図9,図10参照)。図9に示すように、翻訳処理では、まず、作業中の案件があるか否かの判断が行われる(S31)。翻訳者DB61の「作業中依頼ID」に依頼IDが記憶されておらず、作業中案件がなれば(S31:NO)、翻訳を行う対象がないので、メイン処理へ戻る。翻訳者DB61の「作業中依頼ID」に依頼IDが記憶されており、作業中案件があれば(S31:YES)、翻訳対象文が周知の文字音声変換技術により音声変換され、音声変換データが作成される(S32)。そして、作成された音声変換データに基づいて、文カウンタの示す順番の文の音声が出力される(S33)。なお、S33で音声を出力した後から、入力完了指示を受け付けるまで(S37:YES)の間、電話機3の受話器のマイク入力された音声は、電話網9を介して電話案内サーバ2へ入力され録音されている。つまり、S33では、入力音声の録音開始の指示が行われる。
【0050】
次いで、ユーザからの指示の入力の受付が行われる(S34〜S37)。本実施の形態でのユーザからの指示は、翻訳対象文の再出力の依頼(再生指示)、翻訳結果を入力せずに次の翻訳対象文へ進むことの依頼(スキップ指示)、翻訳作業の終了(終了指示)、翻訳結果入力完了(入力完了指示)である。これらの指示は、電話機3のボタン押下によるデジタル信号の出力が電話網9を介して受信される。なお、S33で、翻訳対象文の音声を出力する前に、ユーザからの指示の案内の音声が出力される。例えば、「再度翻訳対象文をお聞きになりたい場合には、『1』のボタンを押して下さい。また、翻訳結果を入力せずに次の翻訳対象文へ進み、次の文と一緒に翻訳結果を入力する場合には、『2』のボタンを押して下さい。翻訳作業を終了する場合には『3』のボタンを押して下さい。翻訳結果を入力したら『#』のボタンを押して下さい。」である。
【0051】
そこで、再生指示(本実施の形態では『1』ボタン押下の信号受信)を受け付けたら(S34:YES)、S33へ戻り、S32で作成された音声変換データに基づいて、文カウンタの示す順番の文の音声が出力される(S33)。また、スキップ指示(本実施の形態では『2』ボタン押下の信号受信)を受け付けたら(S34:NO,A35:YES)、文カウンタに「1」が加算されて翻訳対象文が1つ進められる(S41)。そして、S32へ戻り、翻訳対象文が音声変換され、音声変換データが作成される(S32)。そして、作成された音声変換データに基づいて、文カウンタの示す順番の文の音声が出力される(S33)。また、終了指示(本実施の形態では『3』ボタン押下の信号受信)を受け付けたら(S34:NO、S35:NO、S36:YES)、結果DB63の「作業状況」に文カウンタの値が記憶される(S42)。そして、メイン処理へ戻る。また、入力完了指示であれば(S34:NO、S35:NO、S36:NO、S37:YES)、入力された音声(翻訳結果)が文字変換される(S43)。具体的には、S33で音声を出力した後から、電話機3の受話器のマイク入力された音声は、電話網9を介して電話案内サーバ2へ入力され録音されているので、録音停止の指示がなされ、録音された音声データが取得される。そして、周知の音声文字変換技術で文字変換を行う音声文字変換ツールにより取得された音声データが文字変換される。
【0052】
そして、文字変換できたか否かの判断が行われる(S44)。例えば、入力された音声の品質が悪く音声を認識できずに、音声文字変換ツールにおいて文字変換ができなかった場合には、エラーが返される。なお、S33で音声を出力した後から、入力完了指示を受け付けるまでの間、電話機3の受話器のマイク入力された音声は、電話網9を介して電話案内サーバ2へ入力され録音されている。文字変換できていなければ(S44:NO)、再度、翻訳結果を入力するように依頼するアナウンスが出力される(S45)。そして、S33へ戻り、翻訳対象文の音声が出力される(S33)。
【0053】
また、文字変換できていれば(S44:YES)、変換された文字列が音声に変換される(S51)。そしで、変換された音声が電話機3に出力される(S52)。そして、翻訳内容を確定させるか否かの確認を促すアナウンスが音声で電話機3に出力される(S53)。例えば、「翻訳結果を以上の内容で登録してよろしいですか?もう一度翻訳結果をお聞きになる場合には『1』のボタンを押して下さい。再入力される場合には『2』のボタンを押して下さい。登録してよい場合には『3』のボタンを押して下さい。」というアナウンスである。そして、ユーザからの指示の入力の受付が行われる(S54〜S56)。本実施の形態でのユーザからの指示は、登録の認証(OK指示)、登録の拒否(NG指示)、翻訳結果の再度出力の依頼(再生指示)である。これらの指示は、電話機3のボタン押下によるデジタル信号の出力が電話網9を介して受信される。
【0054】
再生指示(本実施の形態では『1』ボタン押下の信号)を受け付けたら(S54:YES)、S52へ戻り、再度、翻訳結果の音声が出力される(S52)。また、NG指示(本実施の形態では『2』ボタン押下の信号)を受け付けたら(S54:NO、S55:YES)、S33(図9)へ戻り、再び翻訳対象文の音声が出力される(S33)そして、ユーザからの入力が受け付けられ(S34〜S37)、それに応じた処理が行われる(S41、S42、S43〜S53)。また、OK指示(本実施の形態では『3』ボタン押下の信号)を受け付けたら(S54:NO、S55:NO、S56:YES)、S43で変換された翻訳結果の文字列が結果DB63の「翻訳結果」に記憶される(S57)。
【0055】
そして、最後の文まで翻訳が完了したか否かの判断が行われる(S58)。文カウンタの値が依頼DB62の「文数」に等しければ最後の文ということである。そこで、文カウンタの値が「文数」よりも小さければ、まだ最後の文ではないので(S58:NO)、文カウンタに「1」が加算されて(S60)、S32へ戻る。そして、新たな翻訳対象文が音声変換されて(S32)、電話機3へ出力される(S33)。そして、S34以下の処理が行われる。S32〜S60の処理が繰り返し実施され、最後の文まで翻訳が完了したら(S58:YES)、翻訳者DB61の「作業中依頼ID」がクリアされ、当該翻訳者の作業中案件が「なし」とされる(S59)。そして、メイン処理へ戻る。
【0056】
図7に示すように、メイン処理では、翻訳処理が終了すると(S6)、終了のアナウンスが出力され(S7)、本処理は終了する。なお、終了のアナウンスとは「これで翻訳作業を終了します。ありがとうございました。」というような挨拶である。
【0057】
以上のようにして、翻訳者が電話案内サーバ2へ電話をかけることにより、翻訳依頼されているコンテンツの原文を聞き、翻訳結果を音声で入力し、文字列に変換して結果DB63へ登録することができる。よって、場所の制約を受けることなく、電話が使用できる環境があれば、翻訳結果を入力し、データ化することができる。したがって、外出先でも気軽に翻訳結果を入力することができる。また、旅先のようにPCがない環境であっても気軽に翻訳結果を入力することができる。また、携帯電話の普及した昨今では屋外であっても気軽に翻訳結果を入力することができる。また、翻訳が途中であっても中断できるので、短い時間でも翻訳を進めることができる。例えば、電車待ち、人待ちの時間に携帯電話を用いて翻訳を行うこともできる。
【0058】
また、翻訳者は、再生指示を行えば、翻訳対象文を聞きなおすこともできる。また、翻訳結果は、結果DB63へ登録する前に、文字列に変換されたものが音声に変換されるので、自分が入力した翻訳結果がどのような文字列で登録されるのかを確認することができる。そこで、変換結果が自分の入力したものと異なる場合には、NG指示を行えば、再入力することができる。また、翻訳結果を確認する際にも再生指示をすれば、何度でも聞きなおすことができる。また、翻訳者は、スキップ指示を行えば、翻訳結果の入力を飛ばして次の翻訳対象文を聞くことができる。よって、前後関係を把握しながら翻訳をしたい場合に、スキップ指示をして複数の翻訳対象文を聞いた後に、まとめて翻訳結果を入力することができる。
【0059】
なお、上記実施の形態における依頼DB62のデータ項目「原文」の情報を記憶するハードディスク装置が原文記憶手段に該当し、結果DB63のデータ項目「翻訳結果」の情報を記憶するハードディスク装置が翻訳結果記憶手段に該当する。結果DB63のデータ項目「作業状況」の値を記憶するハードディスク装置が「翻訳開始位置記憶手段」に該当する。電話案内サーバ2が「翻訳結果登録サーバ」に該当する。
【0060】
翻訳処理(図9)で翻訳対象文を音声変換するステップ(S32)が「原文音声変換ステップ」に相当し、このステップを行う電話案内サーバ2のCPU20が「原文音声変換手段」に相当する。翻訳処理(図9)で音声変換により作成された音声変換データを電話機3に出力するステップ(S33)が「原文出力ステップ」に相当し、このステップを行う電話案内サーバ2のCPU20が「原文出力手段」に相当する。翻訳処理(図9)で電話機3から音声入力された音声を文字変換するステップ(S43)が「翻訳結果文字変換ステップ」に相当し、このステップを行う電話案内サーバ2のCPU20が「翻訳結果文字変換手段」に相当する。翻訳処理(図10)で文字変換された文字列を結果DB63の「翻訳結果」に記憶するステップ(S57)が「翻訳結果記憶ステップ」に相当する。
【0061】
翻訳処理(図10)で電話機3から入力された音声を文字変換した文字列を、再度音声に変換するステップ(S51)が「再音声変換ステップ」に相当し、S51での音声変換により作成された音声データを電話機3に出力するステップ(S52)が「確認音声出力ステップ」に相当する。また、NG指示又はOK指示を受け付けるステップ(S55、S56)が「登録指示入力受付ステップ」に相当する。
【0062】
メイン処理(図7参照)で翻訳者IDの入力を受け付けるステップ(S2)が「翻訳者識別情報受付ステップ」に相当する。翻訳者IDが「翻訳者識別情報」に該当する。翻訳前処理(図8参照)で、原文の全てを音声変換し、音声を電話機3に出力するステップ(S18、S19)が「全文出力ステップ」に相当する。翻訳前処理(図8)で、翻訳依頼コンテンツに関する情報のアナウンスを電話機3に出力するステップ(S15)が「両情報出力ステップ」に相当する。翻訳処理(図9参照)で終了指示を受け付けた際に、文カウンタの値を結果DB63の「翻訳状況」に記憶するステップ(S42)が「翻訳開始位置記憶ステップ」に相当する。翻訳処理(図9参照)でスキップ指示を受け付けるステップ(S35)が「スキップ指示受付ステップ」に相当する。また、翻訳処理(図9参照)のS33で音声変換データを出力した後から、電話機3の受話器のマイク入力された音声を電話網9を介して受け付け、録音するステップ及び録音された音声データを取得するステップ(S43)が「翻訳結果受付ステップ」に相当する。このステップを行う電話案内サーバ2のCPU20が「翻訳結果受付手段」に相当する。電話通信装置29を介して電話機3からの発呼を検出した際に、発呼した電話機3と通話接続を確立するステップが「接続ステップ」に相当し、このステップを行う電話案内サーバ2のCPU20が「接続手段」に相当する。
【0063】
なお、本発明の翻訳結果登録方法、翻訳結果登録サーバは、上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。上記実施の形態では、電話案内サーバ2と電話機3とを電話網9で接続し、電話機3へ音声を出力したり、電話機3から音声を入力したりしたが、インターネット8を介して、例えばIP電話を用いて音声の授受をしてもよい。また、上記実施の形態では、結果DB63の「翻訳状況」に次に翻訳を行う文を示す値が記憶されているが、翻訳が完了した文を示す値を記憶してもよい。
【0064】
また、上記実施の形態では、翻訳前処理(図8)において翻訳量を示す情報(文字数、単語数、文数)を電話機3へ音声で出力し(S15)、翻訳者に知らせている。しかしながら、必ずしもこのステップは必要でなく、翻訳者に翻訳量を知らせなくてもよい。また、上記実施の形態では、翻訳処理(図9)において、再生指示を受け付けており、ユーザは翻訳対象文の音声を再出力を依頼することができる(図34)。しかしながら、翻訳対象文の再出力の機能は必ずしも備えていなくともよい。同様に、ユーザは翻訳結果の音声を再出力を依頼することができるが(図10、S54)、この機能も必ずしも備えていなくともよい。また、ユーザはスキップ指示により、翻訳結果の入力をスキップし、次の翻訳対象文の音声の出力を依頼することができるが、この機能も必ずしも備えていなくともよい。
【0065】
また、上記実施の形態では、翻訳前処理(図8)において翻訳依頼コンテンツの全文を音声変換し、電話機3へ音声で出力している(S17〜S19)。しかしながら、必ずしもこのステップは必要ではない。また、全文を出力するのではなく、翻訳対象文の属するグループ(例えば、段落,章といった所定の文章の区切り)に属する文章を出力してもよい。
【0066】
また、結果DB63の「翻訳結果」に記憶されている翻訳結果(文字情報)を翻訳者に提供してもよい。例えば、メイン処理(図7)のS7の終了のアナウンスの後に、翻訳者DB61の「メールアドレス」に記憶されているメールアドレスに電子メールを送信する。この電子メールに翻訳結果の文字情報を記載する。また、他の例として、結果DB63「翻訳結果」に記憶されている文字情報を記載したWebページを作成し、管理サーバ1がインターネット8上に公開してもよい。この場合には、翻訳結果を記載したWebページのURIを記載した電子メールを翻訳者のメールアドレスに送信する。そして、翻訳者はクライアント5を操作して、Webページを閲覧する。Webページの作成は、メイン処理(図7)のS7の終了のアナウンスの後に電話案内サーバ2が行ってもよいし、管理サーバ1が行ってもよい。
【0067】
また、電話機3で入力した翻訳結果を、後に文字情報として編集可能な構成としてもよい。例えば、管理サーバ1で翻訳結果の編集を受け付ける。管理サーバ1のCPU10又は電話案内サーバ2のCPU20は、文字情報を編集可能なWebページを作成する。そして、管理サーバ1は、作成したWebページをインターネット8上に公開する。そして、翻訳者はクライアント5を操作して、Webページ上で翻訳結果の文字情報を編集、確定する。そして、管理サーバ1のCPU10は、編集後の文字情報を結果DB63の「翻訳結果」に記憶する。また、翻訳結果の文字情報をファイルとして作成し、管理サーバ1からクライアント5へインターネット8を介してダウンロードできるようにしてもよい。また、翻訳者が作成したファイルをクライアント5から管理サーバ1へアップロードし、アップロードされたファイルに記載されている文字情報を結果DB63の「翻訳結果」に記憶するようにしたり、アップロードされたファイルを記憶したりするようにしてもよい。なお、翻訳結果のファイルは結果DB63と関連付けて、管理サーバ1のHDD15に記憶してもよいし、結果DB63のように外部記憶装置に記憶してもよい。
【0068】
このようにして、電話機3で音声で入力した翻訳結果を、後に文字情報で編集することができれば、翻訳の精度が高まる。例えば、音声で入力した翻訳結果の一部が上手く文字変換されていなかったとしても、後で文字情報で編集で切れば、何度も音声で入力しなおさなくてもよい。翻訳者の声質や発生、電話機3で音声入力している場所の環境によっては、文字変換が成功しない部分が発生する状況もある。そのような場合に便利である。また、電話機3で行った翻訳結果を最終的に校正、推敲することもできるので、翻訳精度が上がる。
【0069】
また、上記実施の形態では、翻訳依頼者が翻訳を依頼し、依頼DB62に登録される際に翻訳依頼コンテンツの原文が取得され、依頼DB62の「原文」に記憶されている。そして、翻訳者が電話をかけてきて翻訳作業が行われる際には、依頼DB62の「原文」から翻訳依頼コンテンツの原文が取得されている。しかしながら、翻訳依頼コンテンツの原文の取得方法はこれにかぎらない。例えば、翻訳作業が行われる際に、依頼URIに記憶されているURIの示すコンテンツを取得してもよい。翻訳の中断の機能がない場合には、最新の翻訳依頼コンテンツを取得できるので有用である。また、翻訳の中断の機能がある場合に、過去に翻訳した時点から、翻訳作業の時点までにおいて翻訳依頼コンテンツに変更があると、翻訳結果の内容が不整合となる場合がある。このような場合への対応として、翻訳作業時に翻訳を行った原文を記憶しておき、次に翻訳作業を行おうとした際には、最新の原文を取得して比較を行うようにしてもよい。そして、変更があった場合には、過去の翻訳結果を破棄したり、過去の原文の翻訳を続けるか、最新の原文の翻訳を行うかを翻訳者又は翻訳依頼者に選択させたりしてもよい。また、翻訳依頼者が依頼時の原文を翻訳するか、最新の原文を翻訳するかを選択するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】本実施の形態のシステム構成を示す模式図である。
【図2】管理サーバ1の電気的構成を示すブロック図である。
【図3】電話案内サーバ2の電気的構成を示すブロック図である。
【図4】翻訳泥微意61の構成を示す模式図である。
【図5】依頼泥微意62の構成を示す模式図である。
【図6】結果泥微意63の構成を示す模式図である。
【図7】メイン処理のフローチャートである。
【図8】メイン処理の中で行われる翻訳前処理のフローチャートである。
【図9】メイン処理の中で行われる翻訳処理のフローチャートである。
【図10】メイン処理の中で行われる翻訳処理のフローチャートである。
【符号の説明】
【0071】
1 管理サーバ
2 電話案内サーバ
3 電話機
4 Webサーバ
5 クライアント
8 インターネット
9 電話網
10 CPU
19 通信装置
20 CPU
29 電話通信装置
41 Webページ
51 クライアント
52 クライアント
61 翻訳者DB
62 依頼DB
63 結果DB

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電話機からの呼び出しに応じて、当該電話機と通話接続する接続ステップと、
翻訳対象の文章である原文を記憶した原文記憶手段から前記原文を取得し、音声変換する原文音声変換ステップと、
前記原文音声変換ステップで音声変換された音声を前記電話機に出力する原文出力ステップと、
前記原文出力ステップで出力された音声の前記原文の翻訳結果の音声の入力を前記電話機から受け付ける翻訳結果受付ステップと、
前記翻訳結果受付ステップで受け付けた音声を文字に変換する翻訳結果文字変換ステップと、
前記翻訳結果文字変換ステップで変換された文字を翻訳結果記憶手段に記憶する翻訳結果記憶ステップとを備えたことを特徴とする翻訳結果登録方法。
【請求項2】
前記翻訳結果文字変換ステップで変換された文字を音声に変換する再音声変換ステップと、
前記再音声変換ステップで変換された音声を前記電話機に出力する確認音声出力ステップと、
前記確認音声出力ステップで出力された音声を翻訳結果として登録してよいか否かの指示の入力を受け付ける登録指示入力受付ステップと、
登録指示入力受付ステップで登録否を示す情報を受け付けた場合には、前記翻訳結果受付ステップを再度実施することを特徴とする請求項1に記載の翻訳結果登録方法。
【請求項3】
前記翻訳結果記憶手段に記憶されている翻訳結果を文字情報として出力する翻訳結果出力ステップを備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の翻訳結果登録方法。
【請求項4】
前記翻訳結果受付ステップにおいて前記翻訳結果の音声を入力する翻訳者を識別する翻訳者識別情報の入力を受け付ける翻訳者識別情報受付ステップを備え、
前記翻訳結果出力ステップでは、前記翻訳者識別情報に対応して翻訳者の電子メールアドレスを記憶した翻訳者情報記憶手段から、前記翻訳者識別情報受付ステップで受け付けた前記翻訳者識別情報に対応する電子メールアドレスを取得し、当該電子メールアドレス宛てに前記文字情報を本文とした電子メールを送信することにより前記文字情報を出力することを特徴とする請求項3に記載の翻訳結果登録方法。
【請求項5】
前記翻訳結果受付ステップにおいて前記翻訳結果の音声を入力する翻訳者を識別する翻訳者識別情報の入力を受け付ける翻訳者識別情報受付ステップと、
前記翻訳者識別情報に対応して翻訳者の電子メールアドレスを記憶した翻訳者情報記憶手段から、前記翻訳者識別情報受付ステップで受け付けた前記翻訳者識別情報に対応する電子メールアドレスを取得し、当該電子メールアドレス宛てに、前記翻訳結果記憶手段に記憶されている前記翻訳結果を表示するWebページを閲覧するためのURIを送信する翻訳結果URI送信ステップとを備えたことを特徴とする請求項1に記載の翻訳結果登録方法。
【請求項6】
前記原文はブロックに分割されており、
前記原文出力ステップでは、前記ブロックごとに音声を出力し、
前記翻訳結果受付ステップでは、前記ブロックの翻訳結果の音声を受け付け、
前記翻訳結果受付ステップで前記ブロックの翻訳結果の音声を受け付けた後に、前記原文出力ステップで当該ブロックの次のブロックの音声を出力することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の翻訳結果登録方法。
【請求項7】
前記ブロックは1つの文であることを特徴とする請求項6に記載の翻訳結果登録方法。
【請求項8】
前記原文出力ステップで1つ目のブロックの音声を前記電話機に出力する前に、前記原文記憶手段に記憶されている前記原文の全文の音声を前記電話機に出力する全文出力ステップを備えたことを特徴とする請求項6又は7に記載の翻訳結果登録方法。
【請求項9】
翻訳結果を受け付けたブロックの次のブロックの前記原文中での位置を翻訳開始位置として翻訳開始位置記憶手段に記憶する翻訳開始位置記憶ステップと、
前記接続ステップで当該電話機と通話接続した際に、前記翻訳開始位置記憶手段に前記翻訳開始位置が記憶されている場合に、前記原文出力ステップでは当該翻訳開始位置のブロックの音声を出力し、前記翻訳結果受付ステップで当該翻訳開始位置のブロックの翻訳結果の音声を受け付けることを特徴とする請求項6乃至8のいずれかに記載の翻訳結果登録方法。
【請求項10】
前記原文出力ステップで前記ブロックの音声を前記電話機に出力する前に、前記原文記憶手段に記憶されている前記原文の量に関する情報の音声を前記電話機に出力する量情報出力ステップを備えたことを特徴とする請求項6乃至9のいずれかに記載の翻訳結果登録方法。
【請求項11】
翻訳結果の入力をスキップする指示の入力を受け付けるスキップ指示受付ステップを備え、
前記スキップ指示受付ステップでスキップする指示を受け付けた場合には、前記翻訳結果受付ステップで翻訳結果の音声を受け付けずに、前記原文出力ステップで次のブロックの音声を出力させ、前記翻訳結果受付ステップでスキップしたブロック及び当該ブロックの翻訳結果の音声の入力を受け付けることを特徴とする請求項6乃至10のいずれかに記載の翻訳結果登録方法。
【請求項12】
電話機からの呼び出しに応じて、当該電話機と通話接続する接続手段と、
翻訳対象の文章である原文を記憶した原文記憶手段と、
前記原文記憶手段に記憶されている前記原文を取得し、音声変換する原文音声変換手段と、
前記原文音声変換手段により音声変換された音声を前記電話機に出力する原文出力手段と、
前記原文出力手段により出力された音声の前記原文の翻訳結果として、前記電話機からの音声の入力を受け付ける翻訳結果受付手段と、
前記翻訳結果受付手段により受け付けられた音声を文字に変換する翻訳結果文字変換手段と、
前記翻訳結果文字変換手段で変換された文字を記憶する翻訳結果記憶手段とを備えたことを特徴とする翻訳結果登録サーバ。
【請求項13】
請求項1乃至11のいずれかに記載の翻訳登録方法の各種処理ステップをコンピュータに実行させる翻訳登録プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−122988(P2009−122988A)
【公開日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−296632(P2007−296632)
【出願日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】