説明

耐カジリ性に優れたワックス組成物、それを用いた成形加工用アルミニウム塗装板及びその製造方法

【課題】 少なくとも片面に樹脂皮膜を有する成形加工用アルミニウム板またはアルミニウム合金板の成形加工において、塗膜の潤滑不足に由来する塗膜カジリの低減を図ったワックス組成物、アルミニウム塗装板の製造方法並びに耐カジリ性に優れた成形加工用塗装板の提供。
【解決手段】 カルナウバワックスとマイクロクリスタリンワックスを、カルナウバワックスとマイクロクリスタリンワックスの比率がカルナウバワックス10質量%以上90質量%以下である含む混合物を、両ワックスの融点以上、300℃以下の温度範囲に加熱・溶融、混合状態を達成させた耐カジリ性に優れたワックス組成物、該ワックス組成物をアルミニウム板またはアルミニウム合金板の少なくとも片面に塗料を塗装・焼付けした後、その上に前記ワックス組成物を塗布した、耐カジリ性に優れた成形加工用アルミニウム塗装板並びにその塗装方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、成形加工用アルミニウム板またはアルミニウム合金板(本発明においては、両者を一括して「アルミニウム等板」と呼称する)、特に少なくとも片面に樹脂皮膜を有するアルミニウム等板の成形加工において塗膜の潤滑不足に由来する塗膜カジリの低減を図ったワックス組成物、アルミニウム塗装板の製造方法並びに耐カジリ性に優れた成形加工用塗装板に関する。
【背景技術】
【0002】
アルミニウム等板は、軽量で適度な機械的特性を有し、かつ美感、成形加工性、耐食性等に優れた特徴を有しているため、各種容器類等に広く使われている。
特に、コイル状のアルミニウム等板をプレス機に連続的に供給する方式の成形加工は生産性に優れるため、上記用途に広く採用されている。
上記用途のアルミニウム等板は、耐食性・耐溶出性のさらなる向上、外観の向上および加工性の改善、特にキズつき防止等のため、その表面に樹脂塗料が塗装されることも多い。このとき、アルミニウム等板には何らかの下地処理(例えばリン酸クロメート、クロム酸クロメート、リン酸亜鉛およびリン酸ジルコニウム等)が施されるのが一般的である。
【0003】
アルミニウム等板の塗装とプレス加工の前後関係は、アルミ缶フタや一部の熱交換器フィンのように、塗装を施してからプレスする(プレコート)場合と、アルミ缶ボディや自動車パネルのようにプレスしてから塗装を施す(ポストコート)場合に分かれる。前者では、塗装されたアルミニウム等板(以下、アルミニウム塗装板と呼称)のプレス成形性を向上させるため、塗膜の表面に潤滑剤の層を形成させることが一般的に行われている。具体的には、塗料成分中に植物系ワックス、動物系ワックス、鉱物系ワックスおよび石油系ワックス(パラフィン系炭化水素)等を添加し(インナーワックス)、塗装・焼付によりワックスを表面に析出させる方法や、塗装後の塗膜表面に石油系ワックス等を塗布する(アウターワックス)方法などが挙げられる。これらの方法によれば、アルミニウム塗装板に潤滑性が付与されるため、プレス成形性の向上に一定の効果があり、その結果として製品品質の安定、プレス金型寿命の延長等に寄与してきた。
【0004】
例えば、インナーワックスとして塗料成分に配合するワックスとして、塗料樹脂固形分に対して0.2質量%以上のラノリンを添加した上、更にアウターワックスとしてパラフィンワックスまたはマイクロクリスタリンワックスを10〜100mg/m塗布する方法が提案(例えば特許文献1参照)されている。
また、塗装されたアルミニウム等板の上面にパラフィンワックスをアウターワックスとして融点以上の温度で塗布し、冷却速度を調節してアウターワックスがパラフィンワックスであり、その70%以上を斜方晶パラフィンとする提案(特許文献2参照)などの提案がある。
【0005】
しかしながら、上述の技術には、以下に示すような問題点がある。
すなわち、近年ますますプレス速度の高速化が進み、また加工精度に対する要求も厳しくなっていることに対応して、プレス金型の設計がより高度になっている。
こうした要求に対応したプレス加工機に、上述の従来技術により製造されたアルミニウム塗装板を適用すると潤滑性が不足するため、強い加工を受ける部分、例えばアルミニウム缶フタにおける端面、スコアー部およびリベット部等において、金型に対する塗膜の焼付きや塗膜剥離などの、いわゆるカジリ現象を生じることがある。これは、プレス成形品の商品価値を著しく低減するため、その抑止が求められる。
【0006】
この対策として、アルミニウム塗装板表面のワックス量を増やす方法が考えられ、実際にある程度までは有効である。しかし、高度な設計がなされたプレス金型においては、既存のワックスでは性能的に効果の限界があり、大量に塗布してもカジリが生じる事例がしばしば生じる。また、アルミニウム塗装板表面に加工用潤滑油を塗布する方法も考えられるものの、加工後に洗浄工程が必要とされることや、潤滑油そのものが塗膜にダメージを与えることがある等の問題があり、必ずしも有効な手段ではない。
【0007】
【特許文献1】特開2002−283496号公報
【特許文献2】特開平06−254490号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、アルミニウム等板、特にアルミニウム塗装板の高速、精密なプレス加工において、従来問題とされてきた強い加工を受ける部分などにおける潤滑性の不足による焼き付きや塗膜の剥離を確実に防止するとともに、多量の潤滑剤を用いることではなく、耐カジリ性の優れたワックス組成物の開発、及びそれを用いた成形加工用アルミニウム等板の製造方法並びにそれにより製造された成形加工用アルミニウム塗装板の提供を目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、下記の条件を満たすことにより、耐カジリ性に優れたワックス組成物が得られることを見出し、これをアルミニウム塗装板の表面に設けることで、上記課題を解決した。
【0010】
即ち本発明は、
[1] カルナウバワックスとマイクロクリスタリンワックスを含む混合物を、両ワックスの融点以上、300℃以下の温度範囲に加熱・溶融、混合状態を達成させることを特徴とする、耐カジリ性に優れたワックス組成物、
[2]ナウバワックスとマイクロクリスタリンワックスの比率が、カルナウバワックス10質量%以上90質量%以下である上記[1]に記載の耐カジリ性に優れたワックス組成物、
【0011】
[3] アルミニウム板またはアルミニウム合金板の少なくとも片面に塗料を塗装・焼付けした後、その上に上記[1]または[2]に記載のワックス組成物を塗布したことを特徴とする、耐カジリ性に優れた成形加工用アルミニウム塗装板、
[4] アルミニウム板またはアルミニウム合金板の少なくとも片面に塗料を塗装・焼付けした後、その上に上記[1]または[2]に記載のワックス組成物を塗布することを特徴とする、耐カジリ性に優れた成形加工用アルミニウム塗装板の製造方法、
【0012】
[5] 上記[1]または[2]に記載のワックス組成物をインナーワックスとして含有したことを特徴とする耐カジリ性に優れた成形加工用塗料、
[6] 上記[1]または[2]に記載のワックス組成物を、塗料の固形成分に対して0.1〜3重量%配合することからなる上記[4]に記載の耐カジリ性に優れた成形加工用塗料、及び
【0013】
[7] アルミニウム板またはアルミニウム合金板の少なくとも片面に、上記[5]または[6]に記載の塗料を塗装・焼付けしたことを特徴とする、耐カジリ性に優れた成形加工用アルミニウム塗装板、
[8] アルミニウム板またはアルミニウム合金板の少なくとも片面に、上記[5]または[6]に記載の塗料を塗装・焼付けすることを特徴とする、耐カジリ性に優れた成形加工用アルミニウム塗装板の製造方法、を開発することにより上記の課題を解決した。
【発明の効果】
【0014】
本発明は、カルナウバワックスとマイクロクリスタリンワックスを含む混合物を、両ワックスの融点以上の温度であって、300℃以下の温度範囲に加熱・溶融し、良く混合し、それぞれのワックスが示す物理的性質が異なる混合状態としたワックス組成物が、優れた耐カジリ性を有し、これをインナーワックスとして配合した成形加工用塗料も優れた耐カジリ性を有していること、またこのワックス組成物をアウターワックスとして使用した場合にも優れた耐カジリ性を有することなどからこのワックスを塗料中に配合してインナーワックスとし、またはアウターワックスとして塗膜に塗布することにより、耐カジリ性に優れ、缶フタ材等に適した成形加工用アルミニウム塗装板を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の詳細を順に説明する。
カルナウバワックスおよびマイクロクリスタリンワックスはいずれも既知物質であり、従来でもそれぞれを塗料に添加してインナーワックスとして採用されてきた実績はある。またこれらのワックスを同時に塗料に添加し、潤滑効果向上を狙うこともあった。
【0016】
しかし、単にカルナウバワックスとマイクロクリスタリンワックスをインナーワックスとして添加した塗料の場合、焼付け後の塗膜表面には、それぞれのワックス成分が独立して析出するため、加工潤滑に対する効果は、各ワックス単体の効果の総和に過ぎなかった。
しかし、本発明者らは、カルナウバワックスおよびマイクロクリスタリンワックスをあらかじめ加熱・溶融し、確実に混合させることにより、硬さ、色、臭気といった物理的性質が全く異なる、固体潤滑性に優れた新規なワックス組成物が得られることに基づくものである。
【0017】
原料として用いるカルナウバワックスには、原料および精製度合に応じて1号から3号までグレードがあり、本発明はいずれのグレードのものを用いても有効である。
またマイクロクリスタリンワックスも、融点が異なるものがいくつか存在するものの、一般に市販されている範囲、具体的にはおおむね67〜98℃前後、であれば十分に効果を発揮する。
なお、ワックス成分以外の添加成分、具体的には酸化防止剤および界面活性剤等については、市販ワックスに添加されているものであれば、同様に使用しても本発明の効果を損なうことはない。
【0018】
本発明においては、原料となるカルナウバワックスとマイクロクリスタリンワックスを単に混合するだけではなく、両者の融点以上300℃以下に加熱して溶融状態にして混合し、詳細は不明であるが、ワックス同士の絡み合いなどの現象と思われるものがおこることに特徴がある。このように加熱溶融および混合させることによってはじめて、硬さ、色、臭気といった物理的性質が原料と全く異なる、固体潤滑性に優れた新規なワックス組成物が得られるものである。
【0019】
加熱温度がカルナウバワックスおよびマイクロクリスタリンワックスの高い方の融点以下の温度では、当然両ワックスは溶融(溶解)しないようであり、従って混合・絡み合い(=反応)が充分に行われない(なお、カルナウバワックスの融点は83℃前後、マイクロクリスタリンワックスの融点は、おおむね67〜98℃前後である)。一方、300℃を超えると、カルナウバワックスの低沸点成分が揮発することにより、ワックス混合物の固体潤滑性が必ずしも発揮されない、といった問題が生じる。
従って、加熱温度は両ワックスの融点以上、300℃以下とする。
また加熱溶融してからの保持時間は、温度および量によって異なるものの、おおむね30分程度で十分効果を発揮する。また、溶融液を物理的手段により撹拌させると、より短時間で溶融混合が達成されるのでさらに望ましい。
【0020】
カルナウバワックス対マイクロクリスタリンワックスの混合比率は、カルナウバワックス10質量%以上90質量%以下とすることで、より好ましい効果が得られる。これは上記の混合比において、カルナウバワックスとマイクロクリスタリンワックスの相互作用がバランス良く働くためである。なお、特にカルナウバワックスが20〜50質量%であれば、より好ましい効果が得られる。
【0021】
ここでたとえば10質量%とは(カルナウバワックスの質量)/(カルナウバワックス質量+マイクロクリスタリンワックス質量)が10%、すなわちカルナウバワックス:マイクロクリスタリンワックス=1:9であることを意味する。
【0022】
上記のワックス組成物を、塗料のインナーワックスとして含有させることにより、耐カジリ性に優れた成型加工用塗料が得られる。この場合の対象塗料としては、エポキシ樹脂、エポキシ/アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、塩化ビニル樹脂、エポキシ/尿素樹脂、エポキシ/フェノール樹脂等の既知の樹脂を含んだ一般的な塗料が適用でき、また水性/溶剤性の区別なく有効である。添加するワックスの量は、従来技術の範疇、具体的には、塗料固形分に対し0.1重量%以上3.0重量%以下、好ましくは0.5重量%以上1.5重量%以下にて、良好な結果が得られる。
なお、塗料にインナーワックスとしてカルナウバワックスまたはマイクロクリスタリンワックスを添加することは従来行われているものの、本発明においては塗料に添加する以前の段階でカルナウバワックスとマイクロクリスタリンワックスを加熱溶融して反応させてワックス組成物を得、そのワックス組成物を塗料に添加する点において従来の反応することなく単に添加したものとは決定的に異なっている。
【0023】
また、上記塗料をアルミニウム板に塗装・焼付することにより、耐カジリ性に優れたワックス組成物が塗膜表面にブリードしてくるので、耐カジリ性に優れた成型加工用アルミニウム塗装板を得ることができる。なおその析出量に関しては、当該ワックスと各種樹脂との相溶性が高くないため、塗装・焼付によりインナーワックスとして添加したほぼ全量が塗膜表面に析出することが発明者らの実験により確認されている。なお、こうして得られたアルミニウム塗装板に対し、従来技術に基づき、パラフィンワックス等のアウターワックスを塗布してもよい。
【0024】
一方、アルミニウム板に従来技術に基づいた塗料を塗装・焼付した後、該ワックス組成物を塗布する形態、すなわちアウターワックス法をとることによっても同様に耐カジリ性に優れた成型加工用アルミニウム塗装板が得られる。この場合塗布の方法は、ロールコート法、静電塗装法および溶剤希釈塗布法等、従来技術により用いられているものがそのまま活用できる。なおこの場合、塗料には従来技術に基づくインナーワックスが含まれていても、いなくてもよい。塗布するワックス量は、従来技術の範疇、具体的には10mg/m以上150mg/m以下、好ましくは30mg/m以上100mg/m以下にて、良好な結果が得られる。
【実施例】
【0025】
以下、実施例及び比較例に基づいて、本発明の好適な実施の形態を具体的に説明する。
用いたカルナウバワックスおよびマイクロクリスタリンワックスの名称及び融点を表1に示す。
【0026】
【表1】

【0027】
次に、表2に示した内容で、溶融、混合してワックス組成物を作製した。表中、ワックスA〜Cが本発明要件を満たすワックス組成物であり、ワックスD〜Hは、混合比および混合条件において、本発明の要件に該当しないワックス組成物である。
【0028】
【表2】

【0029】
[実施例1〜10,比較例1〜5]
実施例に使用した成形加工用アルミニウム塗装板作製の内訳を表3に示す。
JIS 5182−H19合金(板厚0.26mm)のアルミニウム合金板に下地処理として常法に基づいてアルカリエッチング(エッチング量=100mg/m)後、リン酸クロメート処理(Cr=20mg/m)を施し、これを元板とした。そして、ベース塗料として水性エポキシ変性アクリル塗料を採用し、実施例1〜5、実施例7〜8および比較例1〜5にはインナーワックスとしてそれぞれ該当するワックス組成物を添加した。これらを、樹脂固形分として片面5g/mずつ塗布し、雰囲気温度270℃×30秒にて焼付(=板到達温度250℃)した。さらに実施例6〜10に対しては、表に記載された条件で、該当するワックス組成物をアウターワックスとして静電塗装法により塗布した。
なお全ての水準に対し、塗膜の片面(シェル成形の缶外面側)に存在しているワックス総量を、ガスクロマトグラフィー法により測定した。
【0030】
【表3】

【0031】
[測定方法]
これらのアルミニウム塗装板に対し、以下の項目により加工時の耐カジリ性を評価した。
・摺動試験・・・バウデン試験機(試験荷重=500g,摺動速度=0.6mm/秒,鋼球直径=3/16インチ)にて、50往復目の動摩擦係数を測定する。なお、50往復に達する前ににカジリが発生した場合、その往復回数を記録する。
・缶フタ成形試験・・・一般的なアルミニウム缶フタのプレス成形工程、すなわち、シェルプレスにてシェル加工した後、コンバージョンプレスにより缶フタ形状に成形する工程において、連続20,000枚加工した。この中から、無作為に50枚を抽出し、端面、スコアー部およびリベット部のカジリ発生度合いを記録した。
その結果を表4に示す。
【0032】
【表4】

【0033】
表から明らかなように、本発明の請求項を満たす実施例1〜10はカジリが効果的に抑制され、いずれの試験項目においても好成績が得られた。すなわち、実施例1〜5は、本発明の要項を満たすワックス組成物をインナーワックスとして含む塗料を用いたため、優れた耐カジリ性が発揮された。また実施例6〜10は、本発明の要項を満たすワックス組成物をアウターワックスとして塗布したため、やはり優れた耐カジリ性が発揮された。
【0034】
ところが、比較例1〜5は、従来技術の域を出ないため、実施例1〜10と比べてカジリ性が劣った。すなわち、比較例1は、カルナウバワックスとマイクロクリスタリンワックスの溶融混合を行っておらず、比較例2は溶融混合温度が高すぎ、比較例3は溶融混合温度が低すぎ、比較例4はカルナウバワックスのみ、比較例5はマイクロクリスタリンワックスのみであるため、いずれも本発明の要項を満たしておらず、耐カジリ性が劣る。
【産業上の利用可能性】
【0035】
少なくとも片面に樹脂皮膜を有するアルミニウム等板の高速、精密なプレス加工において、従来問題とされてきた強い加工を受ける部分などにおける潤滑性の不足による焼き付きや塗膜の剥離を確実に防止するとともに、多量の潤滑剤を用いることではなく、耐カジリ性の優れたワックス組成物の開発に成功し、それを用いた成形加工用アルミニウム等板の製造方法並びにそれにより製造された成形加工用アルミニウム塗装板の提供出来たものである。このワックスを塗料中に配合してインナーワックスとし、またはアウターワックスとして塗膜に塗布することにより、缶フタ材等に適した成形加工用アルミニウム塗装板を得ることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カルナウバワックスとマイクロクリスタリンワックスを含む混合物を、両ワックスの融点以上、300℃以下の温度範囲に加熱・溶融、混合状態を達成させることを特徴とする、耐カジリ性に優れたワックス組成物。
【請求項2】
カルナウバワックスとマイクロクリスタリンワックスの比率が、カルナウバワックス10質量%以上90質量%以下である請求項1に記載の耐カジリ性に優れたワックス組成物。
【請求項3】
アルミニウム板またはアルミニウム合金板の少なくとも片面に塗料を塗装・焼付けした後、その上に請求項1または2に記載のワックス組成物を塗布したことを特徴とする、耐カジリ性に優れた成形加工用アルミニウム塗装板。
【請求項4】
アルミニウム板またはアルミニウム合金板の少なくとも片面に塗料を塗装・焼付けした後、その上に請求項1または2に記載のワックス組成物を10mg/m以上150mg/m塗布することを特徴とする、耐カジリ性に優れた成形加工用アルミニウム塗装板の製造方法。
【請求項5】
請求項1または2に記載のワックス組成物をインナーワックスとして含有したことを特徴とする耐カジリ性に優れた成形加工用塗料。
【請求項6】
請求項1または2に記載のワックス組成物を、塗料の固形成分に対して0.1〜3重量%配合することからなる請求項4に記載の耐カジリ性に優れた成形加工用塗料。
【請求項7】
アルミニウム板またはアルミニウム合金板の少なくとも片面に、請求項5または6に記載の塗料を塗装・焼付けしたことを特徴とする、耐カジリ性に優れた成形加工用アルミニウム塗装板。
【請求項8】
アルミニウム板またはアルミニウム合金板の少なくとも片面に、請求項5または6に記載の塗料を塗装・焼付けすることを特徴とする、耐カジリ性に優れた成形加工用アルミニウム塗装板の製造方法。

【公開番号】特開2006−160968(P2006−160968A)
【公開日】平成18年6月22日(2006.6.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−357670(P2004−357670)
【出願日】平成16年12月10日(2004.12.10)
【出願人】(000107538)古河スカイ株式会社 (572)
【復代理人】
【識別番号】100094178
【弁理士】
【氏名又は名称】寺田 實
【Fターム(参考)】