説明

耐欠陥性スーパー画素構造

【課題】液体着色剤を用いて基体を着色するプロセス及びその生成物を提供すること。
【解決手段】色彩の割り当てが画素ごとになされ、比較的大きい期待の領域に、基体表面上に繰り返し単位(即ち、スーパー画素125)を含む個々に着色された画素群を順次複製又はタイル張りすることにより、均一に着色された外観が与えられる。繰り返し単位は、着色剤の塗布のエラーが生ずるならば繰り返し単位内の1つ又はそれ以上の画素を不正確に又は不完全に着色させるように構成され、繰り返し単位内の画素の配列は、基体を観察するときに、そのようなエラーを見えにくくする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に記載されている新規な発展は、色彩の割り当てが画素ごとになされている、液体着色剤の塗布を用いて、基体を着色するプロセスに関する。特に、以下は、比較的大面積の基体が、基体表面上に繰り返し単位(即ち、スーパー画)を含む、個々に着色された画素の群を連続的に繰り返すか叉はタイルを張るように覆うことにより均一に着色される外観を与えられる、プロセス及び得られた製品について説明する。繰り返し単位は、着色剤の塗布のエラーが生じ、繰り返し単位内の1つ叉はそれ以上の画素を不正確に叉は不完全に着色させると、繰り返し単位内の画素の全体の配置が、基体上を観察するときにそのようなエラーを見えにくくするように、構成されている。
【背景技術】
【0002】
基体、特に吸収体基体、特に織物基体にパターン形成叉は着色するために、多くの技術が開発されてきた。コンピューターの進歩に従い、そのような技術は、コンピュータの制御の下で、個々にアドレス可能な染料塗布器の使用を含み、この染料塗布器は、予め決定された、ある場合には可変の量の染料叉は液体着色剤を、基体表面上の特に指定された領域叉は画素に付与することが出来る。そのような技術は、例えば、譲受人が共通である米国特許第4,116,625号、第5,136,520号、第5,142,481号、及び第5,208,592号に記載されており、その記載内容は、ここに引用することにより本明細書に含まれるものとする。
【発明の概要】
【0003】
上述の米国特許に記載されたデバイス及び技術では、パターンは画素により定義され、個々の着色剤、叉は着色剤の組合せが、基体上の対応する画素叉は画素サイズの領域に所望の色彩を付与するために、それぞれの画素に割り当てられる。特定の画素へのそのような着色剤の塗布は、パターン形成される移動する基体の走行路に位置するカラーバーの長さに沿って設けられた、何百という個々の染料塗布器の使用により達成される。所定のカラーバーにおけるそれぞれの塗布器には、同一の着色剤貯槽からの着色剤が供給され、異なるアレイには、典型的には異なる着色剤を収容する異なる貯槽から供給される。走行する基体上のターゲット画素の位置に対して、カラーバーの長さに沿った塗布器の位置及びカラーバーの位置を調整する塗布器の作動指令を発生することにより、再生される特定のパターンにより必要とされるように、カラーバーからの利用可能な着色剤が、基体上のパターン領域内の画素に塗布される。
【0004】
例えば、比較的固定された、又は断続的に割り出された基体の面上に移動又は割り出される1つ又はそれ以上のセットの着色剤塗布器を有するような、パターンデータに従って、基体表面に様々な着色剤をシステマティックに塗布する他の装置又は技術もまた、本明細書に記載の技術を採用することが考えられる。
【0005】
パターン形成装置の性質又は構造にかかわらず、そのような装置の使用に伴う共通の問題として、そのような塗布器が閉塞され、閉鎖され、誤配列され、又はそうでなければ、その画素に割り当てられた着色剤の必要量を、割り当てられた画素に信頼性よく、かつ正確に供給することが出来ないときのように、1つ又はそれ以上の着色剤塗布器の偶発的故障がある。たまたま不正確な量の着色剤を供給する塗布器のように、故障が断続的であるならば、もちろん、再生されるパターンの性質、パターン形成される基体の性質、及び他のファクターによるが、生じたパターン形成の不規則性は、比較的目立たない。閉塞し、誤配列し、または一緒に機能停止するような塗布器のように、故障が頻発するならば、生じたパターン形成の不規則性は、以後、「マシーン方向」と呼ぶ(例えば、図1に→で示すように)着色剤塗布器と基体との間の主要な相対運動の方向に延びる傾向にある、見た目に良くない縞状、帯状等のものを生ずるほどに目立つ。
【0006】
そのような故障の結果は、「縞状」又は「帯状」として知られている線状パターン形成の異常として表わされ、古いか又は磨耗した膜又はビデオテープの像に伴う筋状のものに見た目に類似する。パターンが、基体上に再生される比較的均一なベタの色彩又は色合いを必要とする基体の領域は、一般に、いずれの型の故障にも最小の許容性がある。そのような故障は、上述の縞状又は帯状のものの形成により、あるいは意図しない見た目に良くないパターンの不規則性により、不均一であるベタの色彩領域を生ずる。従って、上述のパターン形成装置によりパターン形成された領域の均一な外観は、着色剤塗布器の故障がない状態に、特に依存する。
【0007】
本発明に係る技術の使用により、均一に着色されたパターン領域を効果的にエミュレートし、しかし、そうでなければ、そのようなパターン領域を顕著に不均一にし、かつ見た目に悪くする、個々の着色剤塗布器の故障のための急激に増加した許容性を有する、基体パターン領域が形成される。本発明に係る技術の1つの態様によると、ベタ色彩叉は色合いを保持するように意図される基体の領域は、繰り返し単位叉はスーパー画素を集合的に含む、基体上の所望の色彩を複製するために選択された、様々な着色された画素の配置でパターン形成される。
【0008】
そのようなスーパー画素内のそのような着色された画素の分布は、スーパー画素内の色彩の、見た目に悪い塊状叉は島状体の形成、並びに特にマシーン方向における所定のスーパー画素内叉は幾つかのスーパー画素上のいずれかの画素の意図しない配列を避けるか叉は最小にするように、注意深く構成されている。単一色彩領域では、前者の条件は、斑点状叉はヒース状の外観を促進する傾向にあり、それは、望ましいか叉は望ましくなく、一方、後者の条件は、ある条件の下で、視覚上明白な綾織ラインを生成する傾向にある。そのような繰り返し単位叉はスーパー画素が基体表面上にタイル張り叉は模写され、所定の距離から観察されると、このパターン形成された領域は、一般に色彩的には適切であるが、等しく着色されていない画素の密な配列からなるが、基体上に均一に着色されたベタの色合い領域のための、視覚に有効な代用物として役立ち得るものである。
【0009】
有利なことに、ある場合には、かなりヒース状の外観を生ずる得られたパターン領域は、特に着色剤塗布器の故障が繰り返し起こり、パターン領域全体に模写されるシステム的なパターン形成の不規則性を生ずる場合に、個々の画素領域において、個々の不適切に機能する着色剤塗布器による着色剤の誤塗布によるパターン形成の不規則性を効果的に覆い隠す。そのような「欠陥を許容する」スーパー画素の使用により、得られたパターン領域は、例えば、所望の程度の顕著さを維持するために、帯状、縞状等があいまいになる傾向にあるマルチレベルの基体に見出されるので、基体の表面の高低を許容する傾向にある。
【0010】
本発明に係る他の態様では、スーパー画素を含む画素は、等しく着色されるが、しかし、以下に更に詳細に説明されるように、個々の不適切に機能する着色剤塗布器を隠すことが出来る塗布器と画素の関係を提供するように、マルチの(及び技術的に余分な)着色剤塗布器の使用を含むように、着色される。
【0011】
本発明の目的に対し、以下の用語は、特に断らない限り、指示された意味を有するものとする。
【0012】
「画素」なる語は、個々に所望の色彩が割り当てされ得るパターン内叉は基体上の最小の領域叉は位置について言う語である。
【0013】
「パターン」なる語、及びその派生語は、基体表面に1つ又はそれ以上の色彩を割り当てる又は付与することを意味し、特定の画素への色彩の割り当て及び基体表面への液体着色剤の対応する付与の双方について言う語である。基体表面のパターンの意味で使用されるときには、この語は、画素ごとに、基体表面への液体着色剤の塗布により染色された織物ファイバーの配列について言う。所定の形態に配列され、基体表面の様々な領域に置かれ、又は置かれるべき様々な色彩を含むが、基体表面のすべての領域に単一の色彩、即ち、「ベタ色彩」パターンの割り当て又は形成についても言う。いずれの場合でも、色彩は、単一の液体着色剤の画素ごとの塗布により(例えば、所望の色彩が単一のプロセスカラーを用いて再生され得るならば)、又は基体表面にその場のブレンドを形成するように幾つかの異なる着色剤の塗布により、基体表面上に形成される。
【0014】
「ヘザー(heather)」なる語及びその派生語は、印刷されたハーフトーン画像における写真叉はハーフトーン構造における粒子にかなり類似する、基体上のパターン形成された領域内の小スケールの色彩の不均一性を意味する。ある程度のヘザーを有する基体は、遠くから見たときにはベタの色彩を示すように見えるが、近くで見た時に斑点状に見える。ある場合には、ヘザーの形成が望ましい。それは、薄く目立たないが視覚的に明らかなように、様々な色彩叉は同一の色彩の様々な色合いの表示を提供するからである。
【0015】
「隣接する」なる語及びその派生語は、対角線に沿って接すること、即ち、共通辺叉は共通コーナー部を含む、割り当てられた共通の境界要素を有することを意味するために使用される。
【0016】
「側方に隣接する」なる語は、共通する境界要素が少なくとも1つの共通する辺からなる、特定の種類の隣接する叉は接する配列について言う語である(即ち、共通のコーナー部のみの割り当ては隣接の定義内に入るが、側方に隣接する定義には入らない。)。
【0017】
「ディザリング」とは、前に定義された「ディザーパレット」に見られる色彩を有する画素のみを用いて、コンピューターにより形成された画像の再構成について言う語である。ディザリングソフトウエアは、それぞれの画素が、画像をある距離から観察したときに、パターン内のその位置にターゲット色彩に最も近いディザーパレットからの色彩を割り当てられる画像を、画素状に形成する。
【0018】
「マルチ画素オフセットユニット」叉は「M.O.U.」なる語は、集合的に所望の色彩を表す画素の最小のグループを説明するために使用される。本発明の一態様では、M.O.Uは、そのスーパー画素に正しい色彩(しかし、必ずしも画素の正しい内部配置ではない)を付与するスーパー画素の主要な部品叉は構成要素と考えられ得る。その態様では、同一の色彩を有する画素が、基体上の異なる列(即ち、マシーン方向に延びる隣接する画素の列)に割り当てられるように配列される。隣接するM.O.Uの特定の配列は、基体の領域上にタイル張りされるときに、同一の色彩を有する画素のマシーン方向における配列を最小にし、それによって所定の着色剤塗布器の故障によるパターンの不規則性(例えば、を比較的目立たなくしつつ、所望の色彩を形成する画素を形成し得る。
【0019】
「スーパー画素」なる語は、その基体表面領域に特定の色彩叉はパターン効果を付与するために、基体表面上の領域上にタイル張り叉は複製されるべき、(単一のプロセス着色剤により、叉は同一若しくは隣接する画素に塗布された2つ叉はそれ以上のプロセス着色剤のその場ブレンドにより形成された)それぞれ所定の色彩を保持する画素の所定の配列について言う語である。ここに記載された1つの態様では、スーパー画素は、幾つかのM.O.Uの配置により形成されるか、叉はここに記載された他の態様では、単に個々の画素の配置である。パターン形成の用語として使用されるとき、「スーパー画素」及び「繰り返し単位」なる語は、交換可能に使用される。スーパー画素は、幾つか叉は数十の画素を含み得る。
【0020】
「マシーン方向」なる語は、着色剤を基体に供給するときの、着色剤塗布器の移動の相対的方向について言う語である。パターン形成される基体は、連続ウエブ、例えば広幅フロアカバーの形で、叉は一連の個別の基体ユニット、例えば選択されたパターン形成装置を通して導く通路に沿って移動する、個々のカーペットタイル叉はエリアラグの形であることが推定される。塗布器が固定された位置に(例えば、移動しないカラーバー上に)保持される場合、マシーン方向は、パターン形成装置を介して、基体の移動方向に相当する。塗布器が、移動プラットフォームに、例えば、基体の通路を横切るものに搭載されると、マシーン方向は、基体の移動方向を横切る。
【0021】
「列」及び「行」なる語は、それぞれ、マシーン方向(列)に延び、マシーン方向(行)を横切る画素アレイ内の軸について言う語である。図1及び2のパターン形成デバイスに関して、M.O.U叉はスーパー画素内の画素の列は、コンベアに沿って延びる(個々の画素を示す図において垂直に延びる)。
【0022】
「タイル」なる語及びその派生語は、通常の数学的定義を有し、即ち、相補的境界が隣接する要素間の共通の境界になるように、相互に隣接する関係の補足的境界を有する(スーパー画素叉は他のパターン繰り返し単位のような)類似の形状の要素を位置決めすることであり、それによって、前記要素が、同一の形状のピースによりジグソーパズルに類似して、位置する表面上に前記要素の連続した、中断しない広がりが形成される。
【0023】
「プロセス着色剤」なる語は、着色剤塗布器システムにより基体上に塗布された着色剤について言う。「プロセスカラー」なる語及びその派生語は、基体表面上における他の着色剤との混合前の、プロセス着色剤の固有の色彩について言う語である。そのため、プロセスカラーは、基体上で様々な色彩を混合することを必要とせずに得られる色彩である。
【0024】
「あや織りライン」なる語は、繰り返し単位が基体上にタイル張りされるときに、マルチスーパー画素又はパターンの繰り返し単位に、対角線方向に共通して(必ずしもそうではないが)延びる、目ではっきり見えるライン又は帯として表われる、そのような画素又はパターン要素の意図しない配列を生ずる、パターン繰り返し単位内の、同様に着色された画素又はパターン要素の相対的位置について言う語である。
【0025】
「その場ブレンド」なる語及びその派生語は、基体上の同一又は隣接する画素への2種又はそれ以上の着色剤の別々の塗布について言う語であり、そのような塗布により、少なくともある程度の着色剤の混合又はブレンドが生ずる。
【0026】
「ターゲットカラー」なる語は、プロセス着色剤を用いて、恐らくその場ブレンド技術、ディザリング技術、又はそれらの組合せの使用により、基体上に複製又はエミュレートされるべきパターンにおいて特定された色彩について言う語である。
【0027】
「充填カラー」なる語は、すべての個々の画素が同一の色彩を割り当てられた画素の集団により形成されたベタの色彩又は色合い(即ち、見た目に均一でかつ均質な色彩又は色合い)について言う語であるか、又は目で認識出来るパターンを様々に着色された画素の位置決めに対し最小化するように、その集団内の少なくとも2つの画素が異なる色彩に割り当てられた、画素の集団により形成された色彩について言う語である。後者の場合には、得られた色彩は、近接した範囲で見たときにヘザー又は斑点を示すが、しかし、距離をおいて見たときにベタ色彩の外観を与える。
【0028】
「充填領域」なる語は、充填カラーが割り当てられたパターン内の領域について言う語である。
【0029】
「周期的」なる語及びその派生語は、基体上の、不規則に、特に着色された画素、又は他の見分けがつくパターン成分のシステマティックな予測し得る外観について言う語である。「非周期的」なる語及びその派生語は、基体上のそのようなパターンの、ランダムな又は準ランダムな外観について言う語である。
【0030】
「パターン人工物」なる語及びその派生語は、繰り返し単位が基体の領域内に複製される状況における意図しないデザイン要素の導入について言う語である。パターン人工物は、繰り返し単位内のある成分が、あや織りラインのような意図しないデザイン要素を導入するように、隣接する繰り返し単位における類似の成分と幾何学的に配列するようになるときに生ずる。意図しないデザイン要素は、典型的に多くの繰り返し単位に橋をかけ、単一の繰り返し単位内のみを見たときに比較的に邪魔にならないか叉は存在しない。
【0031】
「パターンの不規則性」なる語は、予め決定されたパターンと基体上に再現されたパターンとの間のずれを言う。パターンの不規則性は、周期的である場合には、パターン人工物を形成し得る。
【0032】
「テキスタイルフロアカバー」なる語は、フロア又は他の歩行面上に載置されるのに(恐らく適当な布地又は非布地裏地材料の追加により)適合された又は適切な、任意の吸収性布地基体(例えば、不織布の、織布の、タフテッド、接合された、編まれた、フロックの、又はニードルパンチされた布地基体として説明されるもの)について言う語である。それらの非限定的な例として、カーペット、カーペットタイル、広幅ラグ、エリアラグ、及びマットが含まれ、それらは様々にポリアミドファイバー、ウールファイバー、又はその組合せからなる。カーペットタイルの非制限的な例が、譲受人が共通する米国特許第4,522,857号及び第6,203,881号に記載されており、それらはここに参照することにより、本明細書に含まれるものとする。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】一連のカラーバーの長さに沿って配置された、複数の個々に制御可能な着色剤塗布器が、パターン形成される基体ウエブの通路に配置されている例示的パターン形成デバイスを示す図。
【図2】個々の着色剤塗布器の故障により生ずる幾つかのパターン形成人工物を有する、均一に着色されるように意図された、基体のパターン形成された領域を示す、図1のデバイスの平面図。
【図3A】パターン内の様々な列への明暗画素の閉じ込めを示す、オリジナルパターンの充填領域を示す図。
【図3B】パターンのそれぞれの列が個々の画素の色彩の4つすべてを含む適正なスーパー画素を形成する上で使用されるべきマルチ画素オフセットユニット(M.O.U.)を構成するために、本発明の記載を適用する結果を示す図。
【図3C】パターンの充填領域内にタイル張りするのに適切な、得られたスーパー画素を示す図。
【図3D】充填領域内にタイル張りされたスーパー画素を示す図。
【図4】本発明の記載に従った、アレイ内の異なる着色剤の配置を示す4×4画素アレイ(即ち、スーパー画素)を示す図。
【図5】本発明の記載に従った、アレイ内の異なる着色剤の配置を示す6×6画素アレイ(即ち、スーパー画素)を示す図。
【図6A】本発明の記載に従った、アレイ内の異なる着色剤の配置を示す8×8画素アレイ(即ち、スーパー画素)を示す図。
【図6B】本発明の記載に従った、アレイ内の異なる着色剤の配置を示す別の8×8画素アレイ(即ち、スーパー画素)を示す図。
【図7】本発明の記載に従った、アレイ内の異なる着色剤の配置を示す10×10画素アレイ(即ち、スーパー画素)を示す図。
【図8】本発明の記載に従った、アレイ内の異なる着色剤の配置を示す12×12画素アレイ(即ち、スーパー画素)を示す図。
【図9】本発明の記載に従ってパターン形成された平らな表面を有する、カーペットのような織物基体を示す図。
【図10】本発明の記載に従ってパターン形成された高低を有する不均一な表面を有する、カーペット叉はカーペットタイルのような織物基体を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0034】
本明細書に記載されているスーパー画素構造は、パターン形成デバイスが、所定のパターニングデータに従って画素ごとに基体に着色剤を塗布し得るものである限り、様々なパターン形成デバイス及び基体との組合せで使用可能である。図1は、8個の個々のカラーバー15のセットを備えた、南カルホルニア州、スパンタンバーグのミリケンアンドカンパニー社により開発された、Millitron(登録商標)布地パターン形成マシーンのようなジェット染色装置10の一例を示す。それぞれのカラーバーは、フレーム20内に固定された位置関係にあり、所定の色彩の染料を付与し得るものである。装置の所望の複雑性及び広範囲の色彩の必要性、及び他のファクターに従って、より多いか又は少ない数のカラーバーを用いることができる。
【0035】
それぞれのカラーバー15は、カラーバーの長さに沿って間隔をあけて配列され、そのカラーバーに割り当てられた着色剤が供給される、複数の個々に制御可能な染料塗布器を備える。それぞれのカラーバーは、基体25の全幅を横切って延びている。描かれているように、布地織物のような、パターン形成されていない基体25は、ロール30から供給され、コンベア40により、フレーム20中及びそれぞれのカラーバーの下を輸送される。コンベア40は、一般に44で示されているモーターにより駆動される。基体の正確に定義された領域における着色剤の正確な画素状の配置を提供するように、カラーバー15の下を輸送された後、ここでパターン形成された基体25Aは、乾燥、固着等のような他の染色関連の着色工程を通される。輸送メカニズムの適当な修正により、パターン形成されるべき基体はまた、個別のユニットの形にある(例えば、個々のカーペットタイル、マット等)。
【0036】
図2は、図1のパターン形成デバイスの摸式的平面図である。この図には、電子制御システム55、電子登録システム60、及び回転パルス発生器叉は類似のトランスジューサー65と組合されたコンピューターシステム50のブロック図が含まれている。これらのシステムの集合的動作は、譲受人が共通する米国特許第4,033,154号、第4,545,086号、第4,984,154号、第5,208,592号により詳細に記載されているように、パターンを特定した色彩を用いて所望のパターンを再生するのに必要な着色剤の、移動する基体上への正確な画素状の塗布を生ずる、個々の「オン/オフ」作動コマンドを生ずる。なお、上記特許の記載内容は、ここに引用することにより本明細書に含まれるものとする。
【0037】
図1及び2に示すようなパターン形成デバイスの動作において、それぞれが正確に設計された、個々に動作可能な電気・機械的バルブメカニズム及び流体通路を備える、数百又は数千の個々の染料塗布器の1つ又はそれ以上は、適当な量の液体着色剤を、基体25上の特定の領域に放出するのに失敗する。典型的には、この状態は、ミス整合、ミス調整、又は塗布器の閉塞又は他の故障によるものである。問題が一時的な性質のものであれば、得られたパターンの不規則性は、基体上に局部的に存在し、(パターンの性質、選択された色彩、及び他のファクターに依存して)視覚的に目立たない。しかし、問題が継続的叉は頻繁に生ずるものであれば、得られたパターンの不規則性は、図2の84、86及び88において示すように、マシーン方向にある距離延びる、目立つライン、縞、叉は帯として現れる。いずれの場合でも、得られたパターン形成された基体は、不規則とみなされ、パターン形成されるカーペット叉は他の製品は、不規則性が十分にひどければ、一級の品質として仕様外であり、販売出来ないものとみなされる。個々の塗布器の特性は、「通常の」塗布器の性能と結合された範囲内であるが、基体パターンの「ベタ」の叉は名目的に均一な領域において、目に見える不均一性を発生するように、様々である。
【0038】
このタイプの不規則性は、常に望ましくないが、図2において領域70及び80により示されているように、均一なベタの色彩を保持することを意図するパターン領域において、特に目立っている。それは、得られた帯、しま、及び(瞬間的叉は断続的な機能不良の場合に)非周期的斑点叉は他のパターン不規則性が、最も視覚的に顕著であるのが、これらの領域であるからである。
【0039】
そのようなパターンの顕著な人工物を最小にする効果的な方法は、繰り返し単位として使用するための、同一叉は異なる色彩の個々の画素からなる、注意深く構成されたスーパー画素を開発することであるが、予想外にも発見された。そうすることにより、1つ叉はそれ以上の不適切に機能する塗布器の視覚的影響は、得られたパターンの不規則性を殆ど見えなくするように、効果的に隠すことが出来る。そのようなスーパー画素を構成するために使用されるいくつかの技術があり、それぞれ以下に説明する。
【0040】
1つの好ましい方法が図3A〜3Dに示されている。図3Aは、それぞれが4つの異なる色彩の1つを有する、画素の規則的配置を示す、パターン内の充填領域の拡大図である。4つの異なる色彩は、指定された画素の色彩の比において、その充填領域のためのターゲットカラーを形成するのに集合して必要である。図3Aに示すように、明るい色彩を割り当てられた画素及び暗い色彩を割り当てられた画素が、別々の列(例えば、それぞれ列110,115)に配列されている。列110及び115にそれぞれの色彩の塗布に責任のある着色剤塗布器が不適切に機能すると、得られたパターンの不規則性は、不規則性の直線の性質、及び充填領域のある程度均一に着色された背景を見たときに、そのような直線「パターン」を見分ける人間の目の周知の性質により、目に見えるパターン人工物に早急に進展する。
【0041】
図3Bは、これらの状況の下で、不適切に機能する着色剤塗布器の視覚の影響を最小にするように、充填領域の色彩を含む画素の分布を調整する方法を示している。この方法は、図3Bにおいて120で示すように、マルチ画素オフセットユニット叉はM.O.U.の構成で始まる。これは、単に、基体上の充填領域にターゲットカラーを再生するのに必要な、適正な色彩−適正な色彩比を反映する相対的な数において−を有する画素を含むのに必要な最小のサイズの画素列である。これは、(図3Bに示すように)同一の色彩を有する画素を有することを含むか、叉はそれぞれの画素がM.O.U.内において新規な色彩を割り当てられた画素のセットを含む。
【0042】
同一の色彩を有する複数の画素が使用される場合、それらの画素が側方に隣接する関係で配置されないことが好ましい(即ち、同一の色彩の画素は分離されるべきであるか、叉は、最小限、共通する側部よりもむしろ共通するコーナー部のみを分担すべきである。)。例えば、所望の色彩がグリーンであり、利用可能なプロセス着色剤がブルーとイエローのみを含むならば、そのとき、M.O.U.のデザインは、可能な限り、側部が隣接する関係にあるブルー叉はイエローの出現を避けるべきである。同一の色彩を割り当てられた画素群を有する視覚的効果は、使用された着色剤の量、着色剤が基体表面により吸収され、拡散される程度、及び他のファクターによりかなり緩和される。
【0043】
図3Aに示す例では、元のデザインが、垂直方向における類似の色彩の画素の配列のため、かなり顕著な垂直な縞を示すことが示されている(即ち、色彩は特定の列に限定されている。)。すべての色彩がそれぞれの行に現れるゴールに到達するために、図3に示すM.O.U.は、単一行及び幅が8列からなる。M.O.U.内の画素の特定の配置を考慮すると、M.O.U.は、次いで、1行下に、3列右に移行し、図3Cに示す「Z」型のスーパー画素125(その形状を、オフセット矩形スーパー画素と呼ぶ)を形成する。この特定のオフセットは、タイル張りされたときに、どの行においてもすべての画素の色彩が表わされているタイル張りされた領域内に画素の列を生成するスーパー画素を与える。なお、同一の色彩の画素は、コーナー対コーナーの意味では隣接しているが、同一の色彩の画素が、異なる色彩の少なくとも1つの画素により常に(側方に隣接する意味では)分離されていることが観察されるであろう。
【0044】
このようにして、図3Dに示すように、基体の充填領域上にスーパー画素125がタイル張りされるとき、その充填領域は所望の色彩(即ちターゲットカラー)を有するものとして了解され、個々の画素により提供された様々な成分の色彩は、基体上の(マシーン方向に延びる、隣接する不適切に着色された画素群により生じた)連続縞又は帯の形成を妨げることにより、1つ又はそれ以上の着色剤塗布器の不適切な機能を効果的にマスクすることが出来るように(即ち、マシーン方向に延びる列に)、配列するであろう。
【0045】
マルチ画素オフセットユニットを含むアレイは、矩形であり得るが、しかし、好ましくは、図3Bに示すように、横方向に配列されるのがよく、即ち、行の数よりも多い列を有し、この場合、列はマシーン方向に配列される。このM.O.U.は、すべての割り当てられた色彩の画素が結局それぞれ及びすべての列に現れることを保証するために、列方向に(即ち、マシーン方向叉は図に垂直な方向に)及び行方向に(即ち、マシーン方向に関し横方向に、叉は図に水平な方向に)複製され、シフトされる。M.O.U.における列及び行の数は、所望のターゲットカラーを生成するために必要な様々な画素の色彩割り当ての数、及び他のファクターに依存する。図3Bに示すM.O.U.は、たまたま1×8アレイであるが、M.O.U.(及びそのようなM.O.U.から構成された対応するスーパー画素)は、単一行、又は最小若しくは最大の8列には決して限定されない。即ち、M.O.U.及び矩形の、オフセット矩形の、正方形の、又はスーパー画素のタイル張りを受け入れる他の幾何学的形状の、より多いか又は少ない画素を有する、対応するスーパー画素が考えられる。
【0046】
M.O.U.及びその種の対応するスーパー画素は、手動で、又は恐らく、Adobe Systems Incorporated, San Jose, California により発行されたAdobe Photoshop(登録商標)又は他の適切なデザインソフトウエアを用いて、ディザリングアルゴリズムの助けを借りて形成される。そのようなソフトウエアでは、オリジナルパターンが画素ごとに解析され、好ましくは、しかし、これに限定されないが、ターゲットカラーを生成するのに必要なすべての色彩を含む、矩形のM.O.U.が、識別される。図3Cに示すように、幾何学的形状の変形又はオフセットは、タイル張りされたときにそれぞれの列に(恐らく多数の隣接するスーパー画素上に延びる)オリジナルのM.O.U.とは異なる色彩のそれぞれを表わす画素を有するスーパー画素に到達するために、行われる。
【0047】
この方法は、実施が比較的簡単であり、着色剤塗布器の故障による帯及び縞の視覚への衝撃を効果的に減少させるが、それらの要素は基体の全領域にタイル張りされるので、パターン内の個々の幾何学的配置から生ずる所定のパターン人工物の出現を減少させる上で有効ではない。例示のためのみであるが、図3Aに示す様々に着色された画素は、パターン領域内の(ときどき綾織ラインと呼ばれる)対角線方向の顕著な「ライン」130の形でパターン人工物を発生させ得る。多くの場合、これらの綾織ラインは望ましく、或いはそうでなくても、基体の吸収性、着色剤の品質、及び他のファクターの組合せは、拡散して、そのような領域を隠すのに十分であり、それによって目障りな綾織ラインの形成が妨げられる。しかし、ある場合には、そのような綾織ラインは、パターンが比較的広い基体(例えば、大きな部屋のカーペット)上に広がる場合に生ずるように、例えば、パターンが比較的低い角度から見たときに、目に不愉快となり得る。
【0048】
上述の記載に従ったM.O.U.の使用が、目に不愉快なパターン人工物を生ずる綾織ラインの形成を生ずるような状態においては、スーパー画素内の画素の配置の別の態様が使用される。この別の態様の使用により、以下に記載されるように、得られたスーパー画素(1)は、本明細書に示すように、1つ叉はそれ以上の塗布器の故障によるパターンの不規則性の形成に比較的耐えるであろうし、また、綾織ラインのようなパターンの結果の形成に比較的耐えるであろう。
【0049】
サテンの織物パターンを構成する技術分野に使用される技術の幾つかの適用が、上述の技術と同一のゴールを達成するために、即ち、同一叉は類似の色彩の画素の明白な配列を減少させるように、スーパー画素内に画素を分布させるために、スーパー画素の形成に有利に適用され得ることが、予想外にも決定された。そのため、塗布器の故障は、パターンを目に不快にさせるように目立って見える帯叉は縞を発生させない。特に、規則的サテン織物を形成するために使用された技術及びパターンは、意図しない綾織ラインを含む、目立ったパターン人工物を生じないスーパー画素の形成に、特に良く適合することが見出された。
【0050】
図4は、4×4スーパー画素内に配列された、それぞれが4つの異なる色彩の1つを示す、16の個々の画素を表す、4×4アレイ140を示す。それぞれ着色された画素の相対的数は、パターンの充填領域内の所望のターゲットカラーにより決定され、必要に応じて調整される。しかし、スーパー画素内の個々に着色された画素の配列は、好ましくは、図4に示す配列に従う。織物技術に見出された規則的サテンパターンから誘導され、それに相似するこの配列は、所定の行叉は列で一度よりも多い同一の色彩の出現を最小にするか又は妨げ、実質的に同一の着色の画素の対角線配向により形成された綾織ラインのようなパターン結果の出現を妨げるように、着色を配置することを含む。同時に、この配列は、その主要目的、即ち、織物技術に全体として適用できない、1つ叉はそれ以上の着色剤塗布器の故障によるパターンの不規則性に耐えるスーパー画素の構成を達成する。
【0051】
16画素のそれぞれに割り当てられるべき色彩の実際の選択が行われる様々な方法がある。例えば、正しく配列されたとき、所望のターゲットカラーを模倣する色彩のスペクトルを現像するディザリングアルゴリズムを用いることが出来る。ディザリングアルゴリズムは、通常、基体上に様々に着色された画素の比率及び配列の双方を規定しているので、ディザリング技術と組合せた本発明の技術を用いて、得られたディザリングされたパターンの色彩的叉は視覚的有効性を傷つけることを避けるために、注意しなければならない。従って、多くの場合、スーパー画素の形成のより伝統的な方法と組合せて、本発明の技術を用いること、即ち、全パターン内所望の充填領域を着色する上で使用されるべき、本発明の技術に従って分布された、様々な着色画素の所望の組成を有するスーパー画素を画素ごとに構成するためにデザイナーの技術を用いることが好ましい。
【0052】
上述の4×4アレイに基づく画素は、所望のターゲットカラーをエミュレートする上で有効であるが、それは、(1)ディザリング叉は他の手段により所望の認識された色彩を形成し、(2)ヘザー状及び綾織ラインの外観を最小にするように、画素内の様々に着色された画素を分布させるために利用可能な画素の数について、デザイナーに通常の制限を加える。そのため、多くの場合、かなり大きなアレイを用い、それにより、個々の画素の設置の柔軟性及びスーパー画素により表され得る認識された色彩の範囲を増加させることが好ましい。視覚的に顕著な綾織ラインの不注意な形成を最小にする主要な目的に合致するならば、より大きなN×N個のアレイの構成がNを偶数に制限すべきであり、「規則的」サテン織物構造の理論と結びついた知見に類似する、対角線綾織ラインを形成するように、奇数の順番(例えば、Nが奇数の場合に)は、同様に着色された画素を配列する傾向にある。
【0053】
図5は、6×6アレイ150を示し、6×6スーパー画素内の36の個々の画素を示す。図5に示すように、トータル6個の異なる色彩が所望のターゲットカラーを再生するのに必要であることがわかった。上述したように、異なる比率の様々の色彩が、必要に応じて使用される。スーパー画素内への第1の色彩の配置が完了すると、残りの5つの色彩の配置は、第1の色彩に関し同一の位置に残りの画素を配置する手順(例えば、以下に説明するように、先行する画素に関し同一の相対位置を有する画素にそれぞれの連続する色彩を調和させて配置する)を選択することから単に誘導され得る。そうすることにより、残りの色彩の配置は、パターンの人工物の出現を参照にするか又は防止するように配置されることが予想され、また着色剤の塗布器の故障に耐性のあるスーパー画素を生成する全体の目的に役立つ。
【0054】
従って、図5に示すスーパー画素は、サテン織物の実行に従って第1の色彩の割り当てにより構成されている。説明のため、そのような画素は、スーパー画素内のすべての他の画素の色彩の割り当てが決定される照合ポイントからのこれらの画素として、「ベース画素」と呼ばれる。第2の色彩は、列のそれぞれにおける第1の色彩の直上の画素に割り当てられる。第3の色彩は、列のそれぞれの第2の色彩の画素の直上の画素等に、適切なラッピングで割り当てられ、即ち、割り当ては、列の上部が満たされる時にそれぞれの底部に戻る。或いは、この手順は、どの場合にも適切なラッピングで、第1の色彩の直ぐ右の画素への第2の色彩の割り当て、第2の色彩の直ぐ右の画素への第3の色彩の割り当て等を必要とした。
【0055】
拡張により、「ベース」叉は参照画素として直前の色彩に割り当てられた画素を用いて、左、叉は下、叉は幾つかの他の一定の相対的配置への対応する割り当てもまた考えられる。これらの様々な配置のアルゴリズムの目的は、同一である。即ち、スーパー画素内のすべての色彩について同一のルールに等しく従うことにより、所定の色彩の個々の画素が、スーパー画素に含まれるすべての他の色彩の画素と同様にしてスーパー画素によりタイル張りされた領域に分布するであろう(即ち、ラッピングのため調整がされるとき、所定の色彩のすべての画素は、スーパー画素によりタイル張りされた領域内の同一のパターンを形成する。)。
【0056】
この方法は、大きなアレイから構成されたスーパー画素に同様に適合され得る。図6A及び6Bは、別の8×8スーパー画素160A及び160Bを示し、第1の色彩を保持するベース画素の設置は、残りの7つの色彩位置を確立するために、サテン織物の実施に従い、かつ「隣接し、上部の」プロセスを用いる。図7及び8は、より多数の個々の着色された画素が、例えば、プロセスカラーの利用可能なセットから所望の全色彩を形成するために、ディザー要素として使用されなければならない場合に、使用のためのより大きいスーパー画素構造を示す。
【0057】
色彩の選択に応じて、すべてのそのような手順は綾織ラインの形成を最小にする上で等しく有効であるが、画素全体の色彩の相対的均一性叉は均質性を最大にするように、スーパー画素全体に様々な色彩を分布させる上で、すべては等しく有効ではない。例えば、ディザリングアルゴリズムが、所望の全色彩を達成するためにスーパー画素内の所定の比率の個々のブルー及びグリーン画素を特定化するならば、スーパー画素全体にばらまくよりも、(ディザリングアルゴリズム及びディザーされた領域により提供された得られた全視覚効果と一致する程度に)すべてのブルー及びグリーン画素をまとめ、スーパー画素の反対側に配置することは、望ましくない。
【0058】
上述の議論は、主としてスーパー画素内の色彩の分配に向けられていた。以下の議論は、主として、利用可能なプロセス着色剤及び利用可能なブレンド及びディザリング技術の選択を出来るだけ念入りに行う、基体の充填領域におけるターゲットカラーをエミュレートする目的で、分配されるべき色彩の選択に向けられる。
【0059】
所定のパターンを形成するために必要とされるプロセスカラーの数が比較的小さく、そのパターン内の特定の充填カラー領域内が特に大きいか叉はそうでなければ目立つならば(叉は例えば、「パターン」がプロセスカラー叉は比較的少ないプロセスカラーの単純なその場ブレンドからなるならば)、パターン形成デバイスは、同一の着色剤を供給する幾つかのカラーバーにより、しかし基体表面上のそのような着色剤を分配するための本明細書に記載された技術の使用により操作され得るものと考えられる。例えば、基体がレッドの均一な色合いに染色され、その色彩が利用可能なプロセス着色剤に相当するならば、図1及び2のパターン形成デバイスの幾つかのカラーバー(例えば、バー1〜4、叉はバー2、4、6及び8)に、同一のレッドプロセス着色剤が充填される。しかし、この着色剤が基体に塗布される態様は、本明細書に記載の技術により支配され、スーパー画素は、カラーバー1〜4からの着色剤が、着色される基体の領域内の個々の画素に着色剤を割り当てる目的で、別の叉は異なるものとみなされ、そのスーパー画素(例えば、図3C叉は4のライン租って構成されたもの)は、基体の表面にタイル張りされる。最優先の原理は類似であり、マシーン方向に延びる異なる側方に隣接する画素へ同一の着色剤を提供するための異なる着色剤塗布器に依存する。
【0060】
そうすることにより、個々のカラーバー1〜4への着色剤塗布器の寄与は、スーパー画素全体に分散され、それにより、塗布器の故障による(叉は恐らく、単に、様々な着色剤塗布器間における仕様間機械的相違による)目だつ帯及び縞のない、傷のない、均一に着色されたベタの色合い領域を促進させるように、パターン領域全体に効果的に分散される。傷のない、均一に着色されたベタの色合い領域が望まれる場合、特に、ターゲットカラーがプロセスカラーにより表されるか叉は比較的に少ないプロセス着色剤から(例えば、その場ブレンドにより)容易に誘導されるならば、(図3C及び図4〜8に示すように)16叉はそれ以上の画素を含むスーパー画素を用いることが必要である。その場合、恐らく4つという少ない画素を含むより小さいスーパー画素は、正方形アレイ、オフセット矩形アレイ、叉は他の容易にタイル張り可能な形態のいずれかで使用されるものと考えられる。そのような状況の下で、N×M画素アレイ(N及びMは同一か叉は異なり、画素のトータルの数は4、6、8、9、10、12叉は14である)の形のスーパー画素が考えられる。
【0061】
所望のパターンが、使用するカラーに容易に対応しない色彩を必要とし、むしろ所定のセットのプロセスカラーから誘導されなければならない他の端では、幾つかの技術が使用される。例えば、2つ叉はそれ以上の着色剤が同一の画素領域に塗布され、それにより2つのプロセスカラーのその場ブレンドが形成される。放出された着色剤の順序及び相対比を調整することにより、個々の画素は、単一のプロセスカラーにより直接表されるのではなく、プロセスカラーの様々な組合せ(即ち、様々なプロセス着色剤の組合せ)により表される色彩のスペクトルの1つを保持させられ得る。第2の例は、ディザリング、即ち、所定の利用出来ない色彩(即ちプロセスカラー叉はプロセスカラーの達成可能なブレンドではない)は、ある距離で所望の色彩の外観を与えるようにして、プロセスカラー叉はプロセスカラーの達成可能なブレンド(集合的にそのような色彩は「ディザーパレット」を構成すると言われる)により着色される小さい画素群の置換により近似される周知のグラフィックアート技術を含む。
【0062】
Adobe Photoshop(登録商標)、Adobe Illustrator(登録商標)、Corel Draw(登録商標)等に見られるもの、叉は1998年12月発行のC/Cユーザーズジャーナルに見られる「バランストディザリングテクニック」に記載されているような、Thiadmer Riemersamaの作品に基づくもの、叉は好ましくは、Floyd-Steinbergディザリングに基づき、例えば、「1995年3月28日発行のPCマガジン」の253頁に見られる論文に記載されているもののような、ディザリングを達成するのに利用可能な多くのソフトウエアアルゴリズムがある。ディザーされるべきイメージは、所定のディザリングパレットに見出される色彩を有する画素のみを用いて、上述の通常入手可能なソフトウエア叉は他の適当なディザリングソフトウエアに見出される通常のディザリング技術を用いて分析され、再構成される。
【0063】
ディザリングパレットを含む色彩は、使用されるべきパターン形成システムにより供給するのに利用可能な、「プライマリー」叉はプロセスカラーを含む色彩、例えば、図1及び2の8つのカラーバー15のそれぞれと組合された色彩である。プリンティングシステムが、着色剤が基体に塗布された後に着色剤の混合叉は移動により異なる色彩が形成される、その場ブレンドを許容するならば、ディザリングパレットは、同一叉は隣接する画素に塗布されたような、プロセスカラーの様々な組合せの添加により増大し、それにより、基体表面へのプロセスカラーのその場ブレンドが形成される。これは、より多くの色彩を有するディザリングパレットに多くの利用可能なプロセスカラーを提供する。好ましい態様では、ディザリングパレットの色彩は、(1)印刷プロセスに使用される入手可能な液体着色剤の色彩、(2)塗布された色彩のその場ブレンドを達成するために、1つの色彩を他の色彩上に重ねて、同一の画素に連続して塗布され、基体上で混合されるならば現れるような、それらの色彩の予め選択された比率のブレンド、例えば、そのような比率のブレンドが、譲受人が共通の米国特許出願08/8343,795の記載(ここに引用することにより本明細書に含まれる)に従って、制御された予測し得る方法で画素の境界上で移動及び混合される色彩を含む。
【0064】
上で挙げた米国特許出願は、基体上に色彩の混合を形成することを試みるときに、着色剤放出システムの潜在的制限に打ち勝つ特別なケースを記載している。プロセスカラーとして利用できない色彩が、基体上でプロセスカラーの特定の組合せをブレンドすることにより形成され、即ち、2つ叉はそれ以上の異なる着色剤が基体上の同一の画素に塗布され、混合され、それにより新しい色彩が形成されることが知られている。構成着色剤の相対比がパターン形成デバイスの放出システムが順応するよりも少ない時に、潜在的問題が生ずる。
【0065】
例えば、グリーンの特定の色合いが望ましく、ブルーとイエローのプロセス着色剤の組合せから発生されねばならないことを仮定する。更に、所望のグリーンの特定の色合いが、基体の同一の画素サイズの領域に個々に塗布された、これらの着色剤の相対比が、2部のブルー及び8部のイエローである場合のみに達成可能であることを仮定する。例えば、30%の飽和量(100%のベースライン飽和量に基づく、即ち、その位置の基体を十分に飽和する(しかし、過飽和ではない)に十分な量)あが、個々の画素に信頼性をもって放出され得る着色剤の最小量であることを仮定すると、パターン形成デバイスのバルブ応答は、そのように少量のブルー着色剤を放出することが出来ない。その場合、一般に2〜16叉はそれ以上の、単一画素と同様にイメージ内に使用される、個々の隣接する画素からなる、複数の画素構造を形成することにより、グリーンの所望の色合い形成することが可能である。使用される画素の数は、所望のブレンドされた色彩、パターンに芸術的に受け入れられ得る所望の相対的粒状性叉は「ヘザー」を形成する着色剤の比を含む、ファクターの数に依存する。
【0066】
この複数の画素構造、「メタ画素」と呼ばれる特定の種類のスーパー画素は、メタ画素内における、着色剤により比較的過飽和である個々の画素及び着色剤により比較的未飽和である隣接する画素の形成により特徴づけられ、それにより、過飽和の領域から未飽和の領域への着色剤の移動が促進される。その結果、最小の着色剤の放出の制限は、平均で所望の色彩のブレンド比率の要求に適う着色剤の量を計算し、放出することにより打ち勝つことが出来る。この場合、ブルー及びイエローの着色剤は、メタ画素全体に含まれるイエロー着色剤の平均量が80%であり、100%の着色剤の平均量、即ち、その位置における基体を飽和するが過飽和はしていない着色剤の量を与える形で、メタ画素を形成する隣接する画素群に塗布される。以下に説明するように、このことは、様々な個々の着色剤量−単一着色剤の30%未満ではない−が塗布された画素の幾つかの組合せ叉は配列を用いて、達成され得る。
【0067】
グリーンの色を再現するように意図された、正方形アレイ(例えば、2×2)に配列された、4つの隣接画素を考えることにより、例示的メタ画素を想像することが出来る。それぞれがブルー着色剤の飽和塗布の40%及びイエロー着色剤の飽和塗布の80%を含む、恐らく対角線に沿って配列された、これらの画素の2つを仮定する。着色剤のこれらの塗布のそれぞれが、個々に考慮されると(それぞれは100%未満であるので)、未飽和であるが、これら2つの画素のそれぞれにおける着色剤の組み合わせは、120%のレベルの飽和(40%+80%)を生じ、そのため、それら2つの画素内の過飽和条件を生ずる。正方形アレイを含む残りの2つの画素に、イエロー着色剤の80%飽和塗布が置かれることを仮定する。得られた組み合わせは、平均して、4つの画素アレイ内のブルー着色剤とイエロー着色剤の20%/80%の比率になる。それは、恐らく、グリーンの所望の色合いを再生するに必要な比率であり、100%の平均飽和レベルを与える。(着色剤の画素内ブレンド、及び、特に過飽和領域から未飽和領域への着色剤の移動及びブレンドを促進する傾向にある)この技術が適用される織物基体の吸収性が与えられると、全体の効果は、全体の色彩が、ブルー着色剤の20%の量及びイエロー着色剤の80%の量のそのアレイを含む4つの画素のそれぞれに塗布することにより得られたものに類似する、4つの画素アレイのそれである。
【0068】
或いは、メタ画素内のこの同一の全着色剤平均値は、アレイ内の同一の2つの画素へのブルー着色剤の同一の40%塗布により達成されており、しかし、残りの2つの画素のそれぞれは、必要なイエロー着色剤のすべてを受け入れる(即ち、過飽和、160%塗布)。一般に、この後者の着色剤の分配は、基体上の無制限の着色剤の移動に、より多く依存しなければならず、最初に記載した着色剤塗布プロセス(即ち、40%/80%のブルー/イエロー着色剤塗布を有する2つの個々の画素、及び80%イエロー着色剤塗布を有する2つの個々の画素を生成する)は、多くの条件の下で好ましい。もちろん、過飽和及び未飽和の画素の他の形態を含むメタ画素アレイが構成され得る。例えば、(1)メタ画素アレイ内の着色剤の平均比率が所望の着色剤の比率を反映する、(2)メタ画素内の全平均飽和レベルが明白に100%を越えない(乾燥及び他の問題を避けるために)、及び(3)パターン形成装置の最小の着色剤の放出制限が観察される限り、3×3アレイ、叉は不規則に配列された画素の配列から構成される。
【0069】
上述の技術は、吸収性織物基体が好ましいが、様々の基体に適用可能であると考えられる。そのような好ましい基体は、掛け布及び覆い布織物、テーブルリネン、及び様々な床カバー、並びに他の織物用途(例えば、自動車内装織物及びカーペット、自動車及び非自動車フロアマット等)を含むものと考えられる。この技術は、特に、カーペット、ラグ、カーペットタイル、マット等を含む装飾フロアカバー用途に適合される。以下は、2つのそのような用途の例である。
【0070】
実施例1
基体は、インチ当り7.8縫いで4オンスの織られたポリプロピレン裏地に織られ、1/8インチのタフティングゲージを有し、約3/4インチのトータルの最終パイル高さ及び約38オンス/ヤードの糸重量を生ずる、2層の高撚りナイロン6,6ヤーン(1180フィラメント、17dpf)を含む、高撚りフリーズカーペットである。この基体は、次いで、以下のように、本明細書の記載に従ってパターン形成される。
【0071】
所望のパターンは、視覚的興味のためのヘザーの意図的な導入による、比較的均一な色彩である。所望の色彩のオリジナルの画素状コンポーネントが、図3Aに示されている。しかし、ある列内におけるある色彩の濃度のため、このパターンは、縞状叉は帯状に傷つき易い。従って、同一の比率の同一の画素が、図3Bに示すように、M.O.U.を形成するように再配列される。M.O.U.は、次いで、(1)(個々の構成画素の色彩の選択による)所望の色彩を表し、(2)図3C及び3Dに示すように、基体上にタイル張りされ得る複製可能なユニットを形成するスーパー画素を形成するように形づけられている。適正な色彩塗布器動作指令が発生され、カーペットは、図1及び2のデバイスを用いてパターン形成される。その結果は、充填領域が例外的に均一な外観を有し、ほどほどの観察距離で、図9に示すようなベタ色の外観を与える。
【0072】
実施例2
基体は、1/8インチゲージにタフトされた、0.125インチの最終パイル高さ及び20オンス/ヤードの糸重量を生ずる、3層のスペース染色された熱硬化ナイロン6,6ヤーンを含む、ループパイルカーペットタイルである。このカーペット裏地は、PVCを含まない心地よいプラスクッションである。追加の視覚的興味を与えるために、パイルはかなり刻印され、多少波打った表面が生ずる。この基体は、次いで、以下のように、本明細書の記載に従ってパターン形成される。
【0073】
所望のパターンは、図10に示すデザインに類似の、コントラストカラーの領域を有する完全に過染色された、プレスペース染色されたヤーンを含む。充填領域のための所望の色彩の画素状コンポーネントが、デザインソフトウエアを用いてデザイナーにより決定され、6つのプロセスカラーを必要とするように決定される。個々の画素に基づき、それらの色彩の配列が、図6Aに示すように、本明細書の記載に従って達成される。得られたスーパー画素は、(1)(個々の構成画素の色彩の選択による)所望の色彩を表し、(2)図6Aに示すように、基体上にタイル張りされ得る複製可能なユニットを形成するスーパー画素を形成する。適正な色彩塗布器動作指令が発生され、カーペットは、図1及び2のデバイスを用いてパターン形成される。その結果は、充填領域が例外的に均一な外観を有し、ほどほどの観察距離で、図10に示すようなベタ色の外観を与える。
【0074】
基体は、インチ当り7.8縫いで4オンスの織られたポリプロピレン裏地に織られ、1/10インチのタフティングゲージを有し、約3/4インチのトータルの最終パイル高さ及び約18オンス/ヤードの糸重量を生ずる、2層の高撚りナイロン6,6ヤーン(1180フィラメント、17dpf)を含む、ループカットパイルカーペットタイルである。この基体は、次いで、以下のように、本明細書の記載に従ってパターン形成される。
【0075】
所望のパターンは、図10に示すデザインに類似の、コントラストカラーの大きい充填領域を有する染色された裏地を含む。充填領域のための所望の色彩の画素状コンポーネントが、デザインソフトウエアを用いてデザイナーにより決定され、6つのプロセスカラーを必要とするように決定される。個々の画素に基づき、それらの色彩の配列が、図6Aに示すように、本明細書の記載に従って達成される。得られたスーパー画素は、(1)(個々の構成画素の色彩の選択による)所望の色彩を表し、(2)図6Aに示すように、基体上にタイル張りされ得る複製可能なユニットを形成するスーパー画素を形成する。適正な色彩塗布器動作指令が発生され、カーペットは、図1及び2のデバイスを用いてパターン形成される。その結果は、充填領域が例外的に均一な外観を有し、ほどほどの観察距離で、図10に示すようなベタ色の外観を与える。
【0076】
上記実施例の織物基体の特定の構成は、クリティカルかものではないことを理解すべきである。本明細書に記載のパターン形成技術は、これらに限定されるものではないが、それぞれが許容可能な輸送及びパターン転写に十分な寸法安定性を有し、フェースヤーンが許容し得る形で染料を受け入れ可能である限り、カーペット、ラグ、カーペットタイル、及び様々の構成を有するマットを含む様々の吸収性織物基体に適用可能である。
【0077】
本発明は、上述の態様との関連で記載されているが、発明の範囲を上述の特定の形態に限ることを意図するものではなく、逆に、請求の範囲により定義される発明の原理及び範囲内に含まれる、そのような変形例、修正例、均等例をカバーすることが意図される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
列及び行を含むアレイにおけるスーパー画素内に配列されている個々の画素に液体着色剤を割り当てるプロセスにおいて、前記画素のそれぞれは少なくとも1つのプロセスカラーを割り当てられ、前記スーパー画素は、基体表面上のパターン領域に適切にタイル張張りされた時に、前記パターン領域内の所望の充填カラーの外観を効果的にシミュレートし、前記方法は、
a.それぞれの行及び列が少なくとも2つの画素を含む、個々に着色可能な画素の行及び列を含むアレイを規定する工程、
b.前記規定されたアレイを含む前記個々の画素のそれぞれに色彩を割り当て、前記割り当てられた画素の色彩は、前記アレイが、前記個々に割り当てられた画素色彩が視覚的に識別できない距離から観察される時に、前記アレイ内の所望の充填カラーを集合的に形成し、前記アレイの行に沿ってすべての側方に隣接する画素が異なる色彩に割り当てられる工程、
c.前記基体表面にタイル張りされ得るスーパー画素を形成して、前記充填カラーを形成するために、隣接する関係で前記複数のアレイを形態化し、前記スーパー画素は、前記基体表面上のパターン領域内にタイル張りされた時に、前記スーパー画素内のすべての割り当てられた画素の色彩が、前記パターン領域内の前記タイル張りされたスーパー画素により規定されたすべての列に現れる工程
を具備するプロセス。
【請求項2】
前記基体は、吸収性織物基体であり、前記スーパー画素内の画素への色彩の割り当ては、その画素に対応する前記基体表面上の領域への少なくとも1つの液体着色剤の塗布を生ずる請求項1に記載のプロセス。
【請求項3】
前記着色剤は、デジタルにエンコードされたパターン形成データに応答して、複数の個々に作動する着色剤塗布器により塗布される請求項2に記載のプロセス。
【請求項4】
請求項2のプロセスの生成物。
【請求項5】
前記アレイの少なくとも1つの列を含むすべての画素は、同一の色彩を割り当てられ、前記同一の色彩は、プロセスカラーに対応し、前記列内において、第1の着色剤塗布器からの液体着色剤は、前記列内の第1の画素に向けられ、第2の着色剤塗布器からの液体着色剤は、前記列内の第2の画素に向けられ、前記第1の画素は、前記第2の画素に側方で隣接する請求項2に記載のプロセス。
【請求項6】
前記プロセス着色剤は、少なくとも3つの異なる着色剤塗布器により前記アレイの同一の列内の画素に塗布される請求項5に記載のプロセス。
【請求項7】
前記第1の着色剤塗布器は、第1のカラーバーを備え、前記第2の着色剤塗布器は、第2のカラーバーを備える請求項5に記載のプロセス。
【請求項8】
前記基体は、織物フロアカバーである請求項2に記載のプロセス。
【請求項9】
前記織物フロアカバーは、ポリアミドファイバー及びウールファイバーからなる群から選ばれたファイバーを含む請求項8に記載のプロセス。
【請求項10】
請求項9のプロセスの生成物。
【請求項11】
前記画素に割り当てられた前記色彩は、前記基体表面上の同一の画素に塗布された少なくとも2つの液体着色剤のその場ブレンドにより形成される請求項2に記載のプロセス。
【請求項12】
請求項11のプロセスの生成物。
【請求項13】
前記画素に割り当てられた前記色彩は、前記基体表面上の隣接する画素に塗布された液体着色剤のその場ブレンドにより形成される請求項2に記載のプロセス。
【請求項14】
前記画素に割り当てられた前記色彩は、前記スーパー画素内の第1及び第2の隣接する画素に塗布された液体着色剤のその場ブレンドにより形成され、前記第1の画素に塗布された液体着色剤の容積は、前記第1の画素を過飽和するに十分であり、前記第2の画素に塗布された液体着色剤の容積は、前記第2の画素を十分に飽和するに不十分である請求項13に記載のプロセス。
【請求項15】
請求項14のプロセスの生成物。
【請求項16】
前記スーパー画素は、平行四辺形の形にある請求項2に記載のプロセス。
【請求項17】
前記スーパー画素は、オフセット平行四辺形の形にある請求項2に記載のプロセス。
【請求項18】
基体の表面に複製されるべきスーパー画素を構成するプロセスであって、前記スーパー画素は、前記基体表面にタイル張りされ得る幾何学形状を有する前記スーパー画素を集合して提供する複数の隣接する画素を含み、前記スーパー画素を構成する前記複数の隣接する画素のそれぞれは、ターゲットカラーをシミュレートするために相対的比率でディザーパレットからの色彩を割り当てられ、前記色彩は、前記スーパー画素内の隣接する画素上の同一の色彩の割り当てを妨げる配置アルゴリズムに従って、前記スーパー画素内において個々に割り当てられるプロセス。
【請求項19】
前記基体は、吸収性織物基体であり、前記スーパー画素内の画素への色彩の割り当ては、その画素に対応する前記基体表面上の領域への少なくとも1つの液体着色剤の塗布を生ずる請求項18に記載のプロセス。
【請求項20】
前記着色剤は、デジタルにエンコードされたパターン形成データに応答して、複数の個々に作動する着色剤塗布器により塗布される請求項19に記載のプロセス。
【請求項21】
請求項19のプロセスの生成物。
【請求項22】
前記基体は、織物フロアカバーである請求項20に記載のプロセス。
【請求項23】
前記織物フロアカバーは、ポリアミドファイバー及びウールファイバーからなる群から選ばれたファイバーを含む請求項22に記載のプロセス。
【請求項24】
請求項23のプロセスの生成物。
【請求項25】
前記画素に割り当てられた前記色彩は、前記基体表面上の同一の画素に塗布された少なくとも2つの液体着色剤のその場ブレンドにより形成される請求項19に記載のプロセス。
【請求項26】
請求項25のプロセスの生成物。
【請求項27】
前記画素に割り当てられた前記色彩は、前記基体表面上の隣接する画素に塗布された液体着色剤のその場ブレンドにより形成される請求項19に記載のプロセス。
【請求項28】
前記画素に割り当てられた前記色彩は、前記スーパー画素内の第1及び第2の隣接する画素に塗布された液体着色剤のその場ブレンドにより形成され、前記第1の画素に塗布された液体着色剤の容積は、前記第1の画素を過飽和するに十分であり、前記第2の画素に塗布された液体着色剤の容積は、前記第2の画素を十分に飽和するに不十分である請求項27に記載のプロセス。
【請求項29】
請求項28のプロセスの生成物。
【請求項30】
前記スーパー画素は、平行四辺形の形にある請求項19に記載のプロセス。
【請求項31】
前記スーパー画素は、オフセット平行四辺形の形にある請求項19に記載のプロセス。
【請求項32】
前記アルゴリズムの適用は、前記スーパー画素を構成するそれぞれの行及び列が所定の色彩の1つのみの画素を有するように、前記スーパー画素内の行及び列における色彩の配置を生ずる請求項18に記載のプロセス。
【請求項33】
前記スーパー画素を構成するそれぞれの行及び列が所定の色彩の少なくとも2つの画素を有する請求項32に記載のプロセス。
【請求項34】
請求項32のプロセスの生成物。
【請求項35】
基体の表面に複製されるべきスーパー画素を構成するプロセスであって、前記スーパー画素は、N×Nアレイの画素を含み、前記画素のそれぞれは、前記所定の色彩が前記アレイの行叉は列において一度だけ見出され、前記所定の色彩に割り当てられたそれぞれの画素は、他の色彩が割り当てられた画素により囲まれるように、所定の色彩をN行のそれぞれ及びN列のそれぞれの画素に割り当てる配置アルゴリズムに従って、前記スーパー画素内において個々に割り当てられるプロセス。
【請求項36】
前記基体は吸収性織物基体であり、前記スーパー画素内の画素への色彩の割り当ては、その画素に対応する前記基体上の領域に、少なくとも1つの液体着色剤の塗布を生ずる請求項35に記載のプロセス。
【請求項37】
前記着色剤は、デジタルにエンコードされたパターン形成データに応答して、個々に作動する着色剤塗布器アレイの少なくとも1つにより塗布される請求項36に記載のプロセス。
【請求項38】
請求項36のプロセスの生成物。
【請求項39】
前記基体は、織物フロアカバーである請求項36に記載のプロセス。
【請求項40】
前記織物フロアカバーは、ポリアミドファイバー及びウールファイバーからなる群から選ばれたファイバーを含む請求項39に記載のプロセス。
【請求項41】
請求項40のプロセスの生成物。
【請求項42】
前記画素に割り当てられた前記色彩は、前記基体表面上の同一の画素に塗布された少なくとも2つの液体着色剤のその場ブレンドにより形成される請求項36に記載のプロセス。
【請求項43】
請求項42のプロセスの生成物。
【請求項44】
前記画素に割り当てられた前記色彩は、前記基体表面上の隣接する画素に塗布された液体着色剤のその場ブレンドにより形成される請求項35に記載のプロセス。
【請求項45】
前記画素に割り当てられた前記色彩は、前記スーパー画素内の第1及び第2の隣接する画素に塗布された液体着色剤のその場ブレンドにより形成され、前記第1の画素に塗布された液体着色剤の容積は、前記第1の画素を過飽和するに十分であり、前記第2の画素に塗布された液体着色剤の容積は、前記第2の画素を十分に飽和するに不十分である請求項35に記載のプロセス。
【請求項46】
請求項45のプロセスの生成物。
【請求項47】
Nは少なくとも4であり、前記配置アルゴリズムは、前記所定の色彩が前記アレイの行叉は列において一度だけ見出されるように、所定の色彩をN行のそれぞれ及びN列のそれぞれにおける画素に割り当てられ、前記所定の色彩に割り当てられたそれぞれの画素は、前記所定の色彩とは異なる色彩に割り当てられた画素に側方に隣接する請求項35に記載のプロセス。
【請求項48】
請求項47のプロセスの生成物。
【請求項49】
Nは少なくとも6であり、前記配置アルゴリズムは、前記所定の色彩が前記アレイの行叉は列において二度だけ見出されるように、所定の色彩をN行のそれぞれ及びN列のそれぞれにおける画素に割り当てられ、前記所定の色彩に割り当てられたそれぞれの画素は、他の色彩に割り当てられた画素により囲まれている請求項35に記載のプロセス。
【請求項50】
請求項49のプロセスの生成物。
【請求項51】
Nは8である請求項49に記載のプロセス。
【請求項52】
Nは10である請求項49に記載のプロセス。
【請求項53】
Nは12である請求項49に記載のプロセス。
【請求項54】
ポリアミドファイバー及びウールファイバーからなる群から選ばれたファイバーを含む織物基体であって、前記基体は電子的に規定された指令に応答して、第1の色彩を表す第1の液体着色剤及び第2の色彩を表す第2の液体着色剤の前記基体への画素状の塗布により付与されたパターンを有し、前記パターンは、少なくとも一部は、個々のスーパー画素が行及び列に配置された個々に着色された画素のアレイからなるタイル張りされた形態に配置された複数のスーパー画素により形成され、前記スーパー画素内の前記第1及び第2のそれぞれの画素が、前記アレイを構成するそれぞれの列に表される織物基体。
【請求項55】
前記パターンは、同一の画素への前記2つの異なる液体着色剤の塗布により付与され、それにより前記液体着色剤のその場ブレンドが形成される請求項54に記載の生成物。
【請求項56】
前記パターンは、第1の画素への第1の液体着色剤、及び第2の画素への第2の液体着色剤の塗布により付与され、前記第1の画素及び第2の画素は隣接しており、それにより前記液体着色剤のその場ブレンドが形成される請求項54に記載の生成物。
【請求項57】
前記パターンは、第1の画素への第1の液体着色剤、及び第2の画素への第2の液体着色剤の塗布により付与され、前記第1の画素及び第2の画素は隣接しており、それにより前記液体着色剤のその場ブレンドが形成され、前記第1の画素に塗布された液体着色剤の容積は、前記第1の画素を過飽和するに十分であり、前記第2の画素に塗布された液体着色剤の容積は、前記第2の画素を飽和するに不十分である請求項56に記載の生成物。
【請求項58】
前記基体は、フリーズカットパイル基体である請求項54に記載の生成物。
【請求項59】
前記基体は、ループカーペットタイルである請求項54に記載の生成物。
【請求項60】
前記基体は、フリーズカットパイル基体である請求項57に記載の生成物。
【請求項61】
前記基体は、ループカーペットタイルである請求項57に記載の生成物。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図3D】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−136820(P2012−136820A)
【公開日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−49023(P2012−49023)
【出願日】平成24年3月6日(2012.3.6)
【分割の表示】特願2004−501508(P2004−501508)の分割
【原出願日】平成15年5月1日(2003.5.1)
【出願人】(599060788)ミリケン・アンド・カンパニー (65)
【氏名又は名称原語表記】Milliken & Company
【Fターム(参考)】