説明

耐水性巻き板紙管

液体の水に完全に長時間浸漬することを上限として含む高水分条件において向上した破裂強度を有する巻き板紙管は、製紙完成紙料と、有効量のサイズ剤とを含むパルプから形成された複数の板紙層を含み、それによって、水中に浸漬した場合に、同じ完成紙料を含むがサイズ剤は含まないパルプから形成された板紙層よりも上記板紙層の吸収水分量が減少する。上記板紙層は、巻き板紙管の軸の周りの1つの板紙層の上に別の板紙層が巻き付けられ、接着剤の架橋を誘導する架橋剤を含有するポリビニル組成物を含む耐水性接着剤を使用して互いに接着される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンクリート柱を打設(pour)するための施工型枠(construction form)、シート材料のロール用巻芯、容器体、および爆発性組成物を充填するための孔をライニングするための発破用管体などの種々の目的で使用される巻き板紙管(wound paperboard tube)に関する。
【背景技術】
【0002】
前述したように、巻き板紙管は多種多様な用途で使用されている。押出プラスチック管、シーム金属管などの別の管構造に対する板紙管の主要な利点の1つは、板紙管が比較的低コストであることである。また板紙管は、少なくとも板紙材料が約6〜12パーセントの通常の含水量である場合には、比較的高い強度対重量比を有する。しかし、従来の板紙管は多量の水分に曝露すると、管が多量の水分を吸収することがあり、その場合には管の強度が大きく低下する。水分によって生じる板紙管の劣化の問題は、管が液体の水に完全に浸漬する場合、またはその他の方法で液体の水と長時間接触する場合に最も重大となる。従来通り製造された板紙管は、完全性を損なうことなく完全に水中に長時間浸漬することには耐えられない。
【0003】
これらの理由から、屋外用途、あるいは管が雨または多量の水分レベルに曝露する可能性がある他の用途に管構造が必要とされる場合には、従来の板紙管は選択されない。
【0004】
場合によっては、管が少なくともある程度の水分への曝露を許容できるように、板紙管が耐水性となるように処理されている。例えば板紙管の外面に、樹脂などの耐水性コーティング、またはヒュームドシリカなどの無機材料のナノサイズ粒子のコーティングでコーティングすることが知られている。しかし、表面全体を完全にコーティングしなければ、管を水中に浸漬すると管が水を吸収する可能性がある。また、このようなコーティングは、特に管の内面上に行うことは困難であり、一般に、管の製造後に追加のコーティング作業を行う必要があり、そのため、費用も増加し、管の形成がより複雑化される。さらに、表面コーティングが損傷を受ける場合もあり、その場合にはコーティングの吸湿防止特性が低下し得る。
【0005】
高サイズ処理された板紙層と従来のPVA接着剤とを使用して製造された巻き板紙管からコンクリート柱施工型枠を形成することも知られている。しかし、この接着剤は水に対して可溶性であるため、管を長期間水に完全に浸漬すると、接着剤が溶解し、層が互いに剥離し始めて、管が分解することがある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、高水分条件に長時間曝露しても構造的完全性を完全には失うことなく耐えることができる巻き板紙管を提供することによって、上記要求に対処し、その他の利点も実現する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態によると、液体の水に完全に長時間浸漬することを上限として含む(up to and including complete and prolonged submersion)高水分条件において向上した破裂強度を有する巻き板紙管は、製紙完成紙料(papermaking furnish)と、有効量のサイズ剤とを含むパルプから形成された複数の板紙層を含み、それによって、水中に浸漬した場合に、同じ完成紙料を含むがサイズ剤は含まないパルプから形成された板紙層よりも板紙層の吸収水分量が減少する。これらの層は、管の軸の周りの1つの層の上に別の層が巻き付けられ、接着剤の架橋を誘導する架橋剤を含有するポリビニル組成物を含む接着剤を使用して互いに接着される。
【0008】
サイズ剤は、アルケニル無水コハク酸(ASA)、またはアルキルケテンダイマー(AKD)、またはロジン−ミョウバンを含むことができる。サイズ剤は、好ましくは、板紙層の形成に使用されるパルプの乾燥重量の1トン当たり約1〜約20ポンドの量で存在するが、サイズ剤の量は使用される個別のサイズ剤にも依存する。例えば、ASAの場合、1トン当たり約10〜約15ポンドの量が好都合であるが、AKDの場合には1トン当たり約6〜約18ポンドの量が有用である。ロジンが使用される場合、ロジンは1トン当たり約1〜約8ポンドの量で使用することができ、パルプのpHが約5.0〜約6.0となるのに十分なミョウバンが加えられる。
【0009】
約65°Fの水温の水に1時間完全に浸漬した後、本発明の一実施形態による板紙管の肉厚により規格化された内部破裂強度は、浸漬前の平衡含水率で管の規格化内部破裂強度の少なくとも3分の1となる。
【0010】
本発明の一実施形態による板紙管は、約65°Fの水温の水に1時間完全に浸漬した後の含水率が、約40パーセント未満、より好ましくは約35パーセント未満、さらにより好ましくは約30パーセント未満である。
【0011】
本発明の別の一実施形態によるコンクリート柱の打設用施工型枠は、肉厚対直径比が約0.0065〜約0.02であり、より好ましくは約0.0065〜0.015である。直径は約6インチから最大約60インチまでの範囲をとることができる。
【0012】
本発明のさらに別の一実施形態による巻芯は、製紙完成紙料と、有効量のサイズ剤とを含むパルプから形成された複数の板紙層を含み、それによって、水中に浸漬した場合に、同じ完成紙料を含むがサイズ剤は含まないパルプから形成された板紙層よりも板紙層の吸収水分量が減少し、これらの層は、管の軸の周りの1つの層の上に別の層が巻き付けられ、接着剤の架橋を誘導する架橋剤を含有するポリビニル組成物を含む接着剤を使用して互いに接着される。
【0013】
本発明の別の一実施形態によると、岩石などに開けられた細長い孔をライニングするための発破用管体(blasting tube)が提供され、それによってその孔に爆破するための炸薬を充填することができる。炸薬が充填されるまで孔が開いた状態で破片(例えば、穿孔により入り込んだ材料)がない状態に確実に維持されることが重要である。典型的には、PVCパイプ、または螺旋状に巻き付けられた管に耐水性コーティングがコーティングされたものが、炸薬を挿入する前の孔のライニングに使用される。本発明によると、代替の発破用管体として、前述のようにサイズ処理され、接着剤の架橋を誘導する架橋剤を含有する接着剤で互いに接着された板紙層から製造された巻き板紙管が提供される。上記発破用管体は、長さ対直径比が約30を超え、好ましくは約40を超える。この管は、好ましくは肉厚対内径比が約0.05〜約0.10の範囲である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
これ以降、本発明をより十分に説明するが、その中で本発明の一部の実施形態が説明されるのであって、全ての実施形態が説明されるのではない。実際、これらの発明は、多くの異なる形態で具体化することができ、本明細書に記載される実施形態に限定されると解釈すべきではなく、本開示が適用される法的必要条件を満たすようにこれらの実施形態が提供される。全体にわたって類似の符号は類似の要素を指す。
【0015】
本発明の目的は、少なくとも12時間、分解することなく完全な水中への浸漬に耐えることができる巻き板紙管を製造することである。一部の用途では、このような条件が、使用中に板紙管が曝される実際の条件に近い場合がある。例えば、爆発物の爆破作業を行う場合、典型的には、爆破される岩石または他の地表構成物に長い孔が開けられ、次に、その孔の中に長い管を挿入して孔にライニングすることで、孔の崩落を防止する。この管のライニングによって、他の場合には孔の壁面の崩落などによって孔の中に落下し得る破片によって妨害されることなく、孔に炸薬を充填することができる。場合によっては、孔がライニングされる時点と炸薬が充填される時点との間で、かなりの時間が経過する場合がある。この時間の間に、孔に雨または地下水が満たされる場合がある。したがって、管のライニングは、管の全長でない場合でも管の長さの少なくとも下部が、長時間完全に浸漬する場合がある。水中に浸漬しても管の形状を維持するのに十分な強度および完全性を有することが管にとって重要である。前述したように、従来通り製造された板紙管は、長時間の水中への浸漬に耐えることができない。爆破作業中、従来では、PVCパイプまたは耐水性コーティングがコーティングされた紙管で孔をライニングしている。しかし、PVCパイプは比較的高価であり、紙管上の耐水性コーティングは、容易に損傷してその耐水性の大部分または全てを失い、それによって高水分条件において完全性が失われることがある。
【0016】
板紙管の別の用途においては、水への完全な浸漬は起こらない場合があるが、管が多量の水分に曝露され得る。例えば、コンクリート施工型枠および/または巻芯は、多くの場合板紙管から形成され、それらの管がある期間屋外に放置されることは珍しくない。農業用フィルム用の巻芯の場合、例えば、それらのフィルムのロールが使用される前に屋外に放置されることが多く、それらの上に雨が降ることがある。さらに、コンクリート施工型枠は、それらの中に打設された未乾燥コンクリートからの水を吸収し得る。
【0017】
紙の含水率が増加すると、紙の強度特性は低下する。従来の板紙管が1時間以上水中に浸漬されると、板紙材料が水を吸収するため、典型的には管の含水率が40%、50%、60%、またはそれを超える高い値まで増加する。さらに、典型的には、層を結合させるために使用される接着剤は、水に浸すと軟化し溶解する水性接着剤であるため、管が1時間以上水中に浸漬されると、通常は管の層が互いに剥離する。したがって、管は構造的完全性を完全に失ってばらばらになることがある。
【0018】
本発明によると、高サイズ処理されていないがその他は同一である板紙層よりも層の水の吸収が大きく減少するように高サイズ処理された板紙層で板紙管が構成される。さらに、上記板紙層は、耐水性接着剤を使用して互いに接着される。この接着剤は、接着剤の架橋を誘導する架橋剤を有するポリビニル接着剤を含む。
【0019】
本発明による板紙層は、板紙製造機械中でほぼ従来方法で形成され、この方法では、製紙完成紙料を水および場合により種々の添加剤と混合することによって水性パルプが形成され、機械の形成部分内でこのパルプから湿紙が形成され、この湿紙が1つ以上のプレス中でプレスされて水が除去され、この紙が熱乾燥されて、残留する実質的に全ての水が除去される(すなわち、典型的には含水率約4〜8パーセントまで乾燥される)。本発明によると、板紙は、形成部分中で湿紙を形成するために使用されるパルプにサイズ剤を加えることによって「内部サイズ処理」される。サイズ剤は、アルケニル無水コハク酸(ASA)、アルキルケテンダイマー(AKD)、あるいはロジンおよびミョウバンのサイズ剤を含む種々の組成物を含むことができるが、これらに限定されるものではない。
【0020】
実施例のパルプ
一例として、約75重量%のOCC(古段ボール紙)と約25重量%の板紙管スクラップとを再パルプ化して水性パルプを形成することで、好適なパルプを形成することができる。パルプの乾燥重量1トン当たり約1.7ポンドのフロキュレント(flocculent)を加え、パルプの乾燥重量1トン当たり約1.5ポンドの凝固剤を加える。パルプの乾燥重量1トン当たり約10.5ポンドのASAサイズ剤を加える。このパルプを従来方法で叩解し、続いて濃度が約1%〜2%になるまで希釈した後、機械の形成部分中の形成ワイヤ上に注入する。
【0021】
フロキュレントおよび凝固剤は、水の排出を促進し、機械の形成部分中のウェブ形成中の微粉およびサイズ剤の保持を促進する。完成板紙の耐水特性を向上させるために、場合により他の添加剤をサイズ剤とともに含むことができる。
【0022】
実施例の管構造
厚さ0.025インチ(25ポイント)のキャリパーを、上述の実施例のパルプから製造し、本明細書ではこの板紙を「WR」(耐水性)板と呼ぶ。サウスカロライナ州ハーツビル(Hartsville,South Carolina)のソノコ・プロダクツカンパニー接着剤事業部(Adhesives Division of Sonoco Products Company)から入手可能な9C224−04液体水性PVA接着剤を使用して、複数のWR層を螺旋状に巻いた板紙管を構成した。これらの管は、内径が16インチであり、肉厚が約0.108インチ(108ポイント)であり、これらの管を本明細書では「WR管」と呼ぶ。これらのWR管を、長さ10インチの部分に切断した。
【0023】
比較の目的とした対照として、WR板紙と実質的に同じ配合であるがサイズ剤は含有しない完成紙料から製造した25ポイントの板紙から、類似の(同一ではない)寸法の板紙管を構成し、これらの管を本明細書では「標準管」と呼ぶ。標準管は、内径が16インチであり、肉厚が約0.161インチ(161ポイント)であった。これらの標準管を長さ10インチの部分に切断した。
【0024】
試験前に、各種類の管のある数の試料を秤量し、続いてそれらの試料を絶乾状態までオーブン乾燥し、試料を再度秤量することによって、全ての管の含水率を測定し、含水率はその重量変化に基づいて求めた。次に、WR管および標準管のそれぞれの1バッチは、約65°Fの水中に1時間完全に浸漬し、WR管および標準管のそれぞれの別のバッチは4時間浸漬した。各場合で所望の浸漬時間の後、管を水から取り出し、1分間水を排出させ、管の底端の水を厚紙で吸い取り、次に管を秤量することで、各管が吸収した水分量を求めることができた。
【0025】
次に、直ちにこれらの管について、破裂試験装置を使用した内部破裂試験を実施した。この装置は、鋼製シリンダーの周りに取り付けられた環状ゴム嚢からなった。比較的加圧していない条件でのこの嚢の外径は、管試料が嚢の上のスリーブとなることができるように16インチをわずかに下回るように選択した。嚢の長さは約18インチであり、各試料は、嚢の軸の中間点の周りに取り付け、嚢の各端部が試料端部から約4インチ突出するようにした。嚢の末端部分が膨張するように実質的に強制するために、嚢の各末端部分は、厚さ1/8インチの可撓性バンドと、その可撓性バンドの周りに同心円状に取り付けられたアルミニウムリングとで囲まれた。次に、試料が破裂するまで、嚢を水でゆっくり加圧した。各場合で、水の最高圧力を破裂圧力として記録した。破裂試験は、乾燥状態のWR管および標準管(すなわち、同じ環境中で試料を維持した後の平衡含水率)でも測定した。試験結果を以下の表Iに示す。
【0026】
【表1】

【0027】
WR管および標準管を絶対的および相対的に比較しやすくするために、各管の破裂強度は、肉厚によって規格化された(厚さ1ポイント当たりのpsi単位で表している)。表I中の破裂強度は、各場合で、乾燥した管の破裂強度のパーセンテージとしても表している。表I中のデータは、浸漬後のWR管の破裂強度の維持が、標準管よりも大きく改善されたことを示している。1時間の浸漬後、WR管は、乾燥時の破裂強度の41パーセントを依然として有したが、一方標準管では、乾燥時の破裂強度のわずか27パーセントであった。さらに、1時間後、標準管の水分量の増加が42.5パーセントであることに比較して、WR管の水分量の増加はわずか19.2パーセントであった。
【0028】
4時間の浸漬後、WR管は、乾燥時の破裂強度の36.6パーセントを有し、水分量は30.2パーセント増加した。対照的に、標準管は、乾燥時の破裂強度のわずか26.1パーセントであり、水分量は51.8パーセント増加した。
【0029】
表Iからも分かるように、乾燥状態のWR管は標準管よりも規格化破裂強度(normalized burst strength)が大きかった(0.795psi/ポイントに対して0.883psi/ポイント)。したがって、本発明は、標準管よりも薄い肉厚で板紙管を製造することができ、WR管によって実現される破裂強度がより十分に維持されることを考慮すれば、特に水中への浸漬後に同等の破裂強度を実現することができる。したがって、本発明により製造された板紙管は、所与の用途において、標準管よりも軽量となり、場合により低コストとなり得る。
【0030】
前述したように、本発明は、多数の異なる板紙管用途に適用可能である。一例として、本発明による巻芯は、前述のように内部サイズ処理された板紙層を巻くことによって形成された板紙管を含むことができ、これらの層は、接着剤の架橋を誘導する架橋剤を含有するポリビニル組成物を含む耐水性接着剤で互いに接着される。非限定的な一例として、好適な接着剤の1つは、サウスカロライナ州ハーツビルのソノコ・プロダクツカンパニー接着剤事業部から入手可能な9C224−04液体水性PVA接着剤である。あるいは、その代わりに他の耐水性接着剤を使用することもできる。
【0031】
本発明による巻芯は、各場合の特定の強度および寸法の要求次第で、約2インチから最大約60インチの範囲の内径、および約0.002から約0.2の範囲内の肉厚対内径比を有することができる。
【0032】
本発明は、コンクリート施工型枠にも適用可能である。一例として、本発明による施工型枠は、前述のように内部サイズ処理された板紙層を巻くことによって形成された板紙管を含むことができ、これらの層は、接着剤の架橋を誘導する架橋剤を含有するポリビニル組成物を含む耐水性接着剤で互いに接着される。非限定的な一例として、好適な接着剤の1つは、サウスカロライナ州ハーツビルのソノコ・プロダクツカンパニー接着剤事業部から入手可能な9C224−04液体水性PVA接着剤である。あるいは、前述したように、代わりに他の耐水性接着剤を使用することもできる。
【0033】
本発明による施工型枠は、約6インチ〜約60インチの範囲内の内径を有することができる。これらの型枠は、約0.0065〜約0.02、より好ましくは約0.0065〜約0.015の範囲内の肉厚対内径比を有することができる。
【0034】
本発明は、炸薬が充填される穿孔をライニングするための発破用管体にも適用可能である。一例として、本発明による発破用管体は、前述のように内部サイズ処理された板紙層を巻くことによって形成された板紙管を含むことができ、これらの層は、接着剤の架橋を誘導する架橋剤を含有するポリビニル組成物を含む耐水性接着剤で互いに接着される。非限定的な一例として、好適な接着剤の1つは、サウスカロライナ州ハーツビルのソノコ・プロダクツカンパニー接着剤事業部から入手可能な9C224−04液体水性PVA接着剤である。あるいは、前述したように、代わりに他の耐水性接着剤を使用することもできる。
【0035】
本発明による発破用管体は、約2インチ〜約4インチの範囲内の内径、および約0.05〜約0.10の肉厚対内径比を有することができる。これらの発破用管体は、一般に、比較的長い長さで製造され、長さ対直径比が少なくとも約30、より好ましくは少なくとも約40となる。
【0036】
これらの本発明に関する当業者は、本発明の多くの変更および他の実施形態が、以上の説明および関連する図面中に示される教示の恩恵を受けることに留意されたい。したがって、本発明が開示される特定の実施形態に限定されるものではなく、変更および他の実施形態は、添付の特許請求の範囲に含まれることを意図していることを理解されたい。本明細書において特定の用語が使用されているが、それらは一般的および説明的な意味でのみ使用し、限定の目的で使用しているのではない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体の水に完全に長時間浸漬することを上限として含む高水分条件において向上した破裂強度を有する巻き板紙管であって、
製紙完成紙料と有効量のサイズ剤とを含むパルプから形成された複数の板紙層を含み、それによって、水中に浸漬した場合に、同じ完成紙料を含むがサイズ剤は含まないパルプから形成された板紙層よりも前記板紙層の吸収水分量が減少し、前記板紙層が、前記巻き板紙管の軸の周りの1つの板紙層の上に別の板紙層が巻き付けられ、接着剤を使用して互いに接着され、
前記接着剤が、前記接着剤の架橋を誘導する架橋剤を含有するポリビニル組成物を含む巻き板紙管。
【請求項2】
前記サイズ剤が、アルケニル無水コハク酸を含む請求項1に記載の巻き板紙管。
【請求項3】
前記サイズ剤が、アルキルケテンダイマーを含む請求項1に記載の巻き板紙管。
【請求項4】
前記サイズ剤が、ロジン−ミョウバンを含む請求項1に記載の巻き板紙管。
【請求項5】
前記サイズ剤が、前記パルプの乾燥重量1トン当たり約1〜約20ポンドの量で前記パルプ中に存在する請求項1に記載の巻き板紙管。
【請求項6】
約65°Fの水温の水に1時間完全に浸漬した後の、肉厚により規格化された内部破裂強度が、浸漬前の周囲水分量における前記規格化された内部破壊強度の少なくとも3分の1である、請求項1に記載の巻き板紙管。
【請求項7】
約65°Fの水温の水に1時間完全に浸漬した後の含水率が約40パーセント未満である請求項1に記載の巻き板紙管。
【請求項8】
約65°Fの水温の水に1時間完全に浸漬した後の含水率が約35パーセント未満である請求項1に記載の巻き板紙管。
【請求項9】
約65°Fの水温の水に1時間完全に浸漬した後の含水率が約30パーセント未満である請求項1に記載の巻き板紙管。
【請求項10】
約65°Fの水温の水に1時間完全に浸漬した後で、含水率が約40パーセント未満であり、肉厚により規格化された内部破裂強度が、浸漬前の周囲水分量における前記規格化された内部破壊強度の少なくとも3分の1である請求項1に記載の巻き板紙管。
【請求項11】
肉厚対内径比が約0.0065〜約0.02である請求項1に記載の巻き板紙管。
【請求項12】
コンクリート柱を打設するための施工型枠を含み、前記施工型枠が、約6インチ〜約60インチの内径、及び約0.0065〜約0.02の肉厚対内径比を有する請求項1に記載の巻き板紙管。
【請求項13】
巻芯を含む請求項1に記載の巻き板紙管。
【請求項14】
爆発物を充填するための細長い孔をライニングするための発破用管体を含み、前記発破用管体が、約30を超える長さ対直径比を有する請求項1に記載の巻き板紙管。
【請求項15】
約0.05〜約0.10の肉厚対内径比を有する請求項14に記載の巻き板紙管。

【公表番号】特表2009−527432(P2009−527432A)
【公表日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−555449(P2008−555449)
【出願日】平成19年2月13日(2007.2.13)
【国際出願番号】PCT/US2007/062018
【国際公開番号】WO2007/098327
【国際公開日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【出願人】(599057065)ソノコ・デヴェロップメント,インコーポレイテッド (7)
【Fターム(参考)】