説明

耐熱性ポリアミドの製造方法

【課題】本発明は、原料物質のモノマーを簡単且つ廉価に製造するだけでなく、別途の溶媒を必要としないため、重合反応が短くて経済的な耐熱性ポリアミドの製造方法を提供する。
【解決手段】本発明による耐熱性ポリアミドの製造方法は、化学式1で表されるジエステル化合物および化学式2で表されるジアミン化合物を含むモノマー混合物を縮合重合(condensation polymerization)して化学式3で表される繰り返し単位を含むポリアミドを製造する。
【化1】

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリアミドの製造方法に関し、より詳しくは、原料物質であるモノマーを簡単且つ廉価に製造するだけでなく、別途の溶媒を必要としないため、重合反応が短くて経済的な耐熱性ポリアミドの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ナイロン6およびナイロン66で代表されるポリアミドは、優秀な機械的物性および耐薬品性により繊維、フィルム、シートおよび射出成形品などに幅広く使用される。しかし、ナイロン6およびナイロン66の融点は、それぞれ230℃および260℃であって、半導体工程装備、回路基板、自動車および航空機用部品などに適用するには十分な耐熱性を有していないという問題点がある。
【0003】
前記耐熱性と関連した問題点を解決するために、ブタンジアミンとアジピン酸を反応させて得たナイロン46は、融点が290℃と高い方であるが、アミド結合の高い密度による吸湿性により適用に限界があり、脂肪族ジカルボン酸や脂肪族ジアミンの代わりに芳香族ジカルボン酸や芳香族ジアミンを使用して得た芳香族ポリアミド単量体は、高価であるため、汎用的に使用することに制約がある。
【0004】
その他に高耐熱性樹脂としてはポリイミド、ポリエーテルケトン、芳香族ポリアミドやポリフェニレンスルフィドなどがあるが、これらは全て製造方法が難しく、また高価という短所がある。
【0005】
つまり、既存のポリアミド重合工程の場合、ジエタノール内でジカルボン酸とジアミンの塩を製造し、前記塩を分離した後、分離した塩を多量の溶媒、一例として多量の水を用いて溶解した後、高温で加圧と真空条件により再び水を除去する工程を経るなど、製造方法が複雑である。また、多量の水を使用し、これを除去するために多量のエネルギーを使用しなければならないため、経済的ではないという問題点もある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前記のような従来技術の問題点を解決するために、本発明は、原料物質である単量体を簡単且つ廉価に製造する耐熱性ポリアミドの製造方法を提供することにその目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記技術的課題を達成するために、本発明は、下記化学式1で表されるジエステル化合物および下記化学式2で表されるジアミン化合物を含むモノマー混合物を縮合重合(condensation polymerization)して下記化学式3で表される繰り返し単位を含むポリアミドを製造する耐熱性ポリアミドの製造方法を提供する。
【0008】
【化1】

【0009】
前記式中、
は、炭素数1〜20の脂肪族または炭素数6〜20の芳香族炭化水素である。
【0010】
【化2】

【0011】
前記式中、
は、炭素数1〜20の脂肪族または炭素数6〜20の芳香族炭化水素である。
【0012】
【化3】

【0013】
前記式中、
は、炭素数1〜20の脂肪族または炭素数6〜20の芳香族炭化水素である。
【0014】
ここで、前記化学式2で表されるジアミン化合物は、ヘキサメチレンジアミン(hexamethylenediamine;HMDA)または2−メチル−1,5−ペンタンジアミン(2−methy−1,5−pentanediamine;MPDA)であってもよい。
【0015】
また、前記モノマー混合物は、下記化学式4で表されるジカルボン酸をさらに含むことができる。
【0016】
【化4】

【0017】
前記式中、
は、炭素数2〜20の脂肪族または炭素数6〜20の芳香族炭化水素である。
【発明の効果】
【0018】
本発明は、重合反応段階が短く、簡単且つ経済的な耐熱性ポリアミドの製造方法を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明をより詳しく説明する。
【0020】
本発明の一実施形態による耐熱性ポリアミドは、芳香族ジエステル化合物に水素添加反応を通じて芳香族環を還元させて得た化学式1で表されるジエステル化合物を化学式2で表されるジアミン化合物と重合して製造され得る。
【0021】
前記芳香族ジエステル化合物は廉価であり、従来ポリアミドの製造に使用される1,4−シクロヘキサンジカルボン酸を合成するための中間体であるため、本発明は従来技術に比べて反応段階を減少させて廉価でポリアミドを製造することができるという長所がある。
【0022】
また、前記化学式1で表されるジエステル化合物が前記化学式2で表されるジアミン化合物に容易に溶解され得るため、別途の溶媒を必要とせず、反応が簡単で、反応速度が速いという長所がある。したがって、従来技術のように塩を分離する段階、分離された塩を水を含む溶媒に溶解する段階または前記使用された水を含む溶媒を高温および真空条件で除去する段階を必要としないため、溶媒を除去するための莫大なエネルギー消耗を減少させることができるという長所がある。また、工程を遂行する設備が簡単で、工程を単純化することができるため、最終産物である耐熱性ポリアミドの製造コストを顕著に下げることができるという長所もある。
【0023】
本発明の一実施形態による耐熱性ポリアミドの製造方法は、下記反応式1に示されているように、前記化学式1で表されるジエステル化合物および前記化学式2で表されるジアミン化合物の縮合重合反応を通じて製造される。
【0024】
【化5】

【0025】
前記反応式中、
およびRは、炭素数1〜20の脂肪族または炭素数6〜20の芳香族炭化水素であり、好ましくは、炭素数1〜14の脂肪族または炭素数6〜14の芳香族炭化水素であってもよい。より好ましくは、前記化学式1中、Rは、炭素数1〜6であるアルキル基であってもよい。最も好ましくは、前記化学式1で表される化合物中、Rがメチル基である1,4−シクロヘキサンジカルボン酸ジメチルエステルを使用することができる。
【0026】
一方、前記化学式2中、Rは、炭素数1〜10の直鎖型または分枝型のアルキレン(alkylene)であることが好ましい。より好ましくは、化学式2で表されるジアミン化合物は、ヘキサメチレンジアミン(hexamethylene diamine;HMDA)または2−メチル−1,5−ペンタンジアミン(2−methyl−1,5−pentane diamine;MPDA)を使用することができる。
【0027】
また、前記化学式1で表されるジエステル化合物は、下記反応式2に示されているように、芳香族ジエステル化合物を水素還元反応して製造され得る。
【0028】
【化6】

【0029】
前記反応式中、
は、炭素数1〜20の脂肪族または炭素数6〜20の芳香族炭化水素であり、より好ましくは、炭素数1〜14の脂肪族または炭素数6〜14の芳香族炭化水素であってもよい。
【0030】
前記芳香族ジエステル化合物は、ジアルキルテレフタレートまたはジアリールテレフタレートであってもよい。ジアルキルテレフタレートである場合、前述したように、Rは、最も好ましくは、炭素数1〜6であるアルキル基であってもよい。
【0031】
従来技術による耐熱性ポリアミドの製造には、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸(1,4−cyclohaxane dicarboxylic acid;CHA)が使用され、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸は、テレフタレート(terephthalate)、具体的にはジアルキルテレフタレートにより製造される。一方、本発明で使用される前記芳香族ジエステル化合物は、従来技術で使用される前記1,4−シクロヘキサンジカルボン酸を合成するための中間物質である。したがって、本発明は、ポリマイド製造のための全体反応段階を減少させることによって、経済的且つより迅速な方法により耐熱性ポリアミドを製造することができる。
【0032】
また、本発明は、前記化学式1で表されるジエステル化合物および前記化学式2で表されるジアミン化合物と共に前記化学式4で表される脂肪族または芳香族ジカルボン酸を縮合重合して製造された下記化学式5で表される共重合体およびその製造方法を提供する。
【0033】
【化7】

【0034】
前記式中、
は、炭素数1〜20の脂肪族または炭素数6〜20の芳香族炭化水素であり、より好ましくは、炭素数1〜14の脂肪族または炭素数6〜14の芳香族炭化水素であってもよく、
は、炭素数2〜20の脂肪族または炭素数6〜20の芳香族炭化水素であり、nは、1〜999の自然数、mは、1〜999の自然数である。
【0035】
最も好ましくは、前記化学式5中、Rは、炭素数1〜10の直鎖型または分枝型のアルキレン(alkylene)であってもよく、Rは、炭素数2〜6のアルキレン(alkylene)またはフェニレン(penylene)であってもよい。
【0036】
具体的に、前記化学式4で表されるジカルボン酸は、好ましくは、アジピン酸、コハク酸、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸および無水フタル酸からなる群より選択された少なくとも一つであってもよい。
【0037】
前記化学式5の共重合体は、下記反応式3に示されているように、前記化学式1で表されるジエステル化合物および前記化学式2で表されるジアミン化合物を含む混合物に、追加で前記化学式4で表される脂肪族または芳香族ジカルボン酸を含むモノマー混合物を縮合重合して製造することができる。前記のように、化学式1で表されるジエステル化合物および化学式2で表されるジアミン化合物の縮合重合反応に、追加で化学式4で表されるジカルボン酸を添加して縮合重合反応を行う場合、添加するジカルボン酸のモル比を適当量調節することによって、製造される耐熱性ポリアミドの融点を容易に調節することができるという長所がある。
【0038】
【化8】

【0039】
前記式中、
およびRは、炭素数1〜20の脂肪族または炭素数6〜20の芳香族炭化水素であり、より好ましくは、炭素数1〜14の脂肪族または炭素数6〜14の芳香族炭化水素であってもよく、
は、炭素数2〜20の脂肪族または炭素数6〜20の芳香族炭化水素である。好ましくは、Rは、炭素数2〜6のアルキレン(alkylene)またはフェニレン(penylene)であってもよい。
【0040】
このような反応を通じて製造される耐熱性ポリアミドの縮合重合方法は、具体的に以下のとおりである。
【0041】
まず、攪拌および還流装置が備えられたオートクレーブ(autoclave)反応器にジエステル化合物およびジアミン化合物を投入する。前記化学式5で表される共重合体を製造しようとするとき、ここに脂肪族または芳香族ジカルボン酸を追加で共に投入する。
【0042】
投入された反応物質をオートクレーブ反応器内で攪拌しながら昇温させる。反応機内部温度が65℃以上に昇温して蒸留されて出るアルコールをコンデンサ(condenser)を用いて集める。
【0043】
理論量の1/2のアルコールが集められると、反応機内部の空気を窒素やアルゴンなどの不活性気体で置換し、反応器を封じて反応機内部の圧力が上昇するようにする。
【0044】
反応温度を300〜400℃に上昇させて1時間〜3時間、好ましくは、1時間45分〜2時間15分、より好ましくは、2時間程度攪拌する。この時、反応機内部の圧力は最大20kgf/cmを越えないようにバルブを利用して調節する。
【0045】
徐々にバルブを開けて反応機内部の圧力が常圧になるようにした後、真空ポンプを利用して反応機内部の圧力を1torr以下に下げて2時間〜4時間、好ましくは、2時間30分〜3時間30分、より好ましくは、3時間攪拌を継続する。
【0046】
撹拌機にかかるトルクや電流量を測定して反応物が所望の粘度に至ると、窒素やアルゴンなどの不活性気体を注入して真空を破棄し、不活性気体の注入圧力を用いて反応物を吐出させる。
【0047】
必要に応じて、所望の粘度を得るために固相重合を追加で実施してもよい。固相重合は一定の大きさの重合チップ(chip)を攪拌装置が備えられた反応器に入れてガラス転移温度以上に温度を上げた後、窒素やアルゴンガスを吹き込んだり真空をかける方法により実施することができる。
【0048】
以上で説明したように、本発明による耐熱性ポリアミドの製造方法は、水素添加反応を通じて簡単に製造することができる廉価の単量体を使用し、従来の技術とは異なり、塩の分離、多量の水を溶媒として用いた塩の溶解および前記溶媒である水を除去するための多くのエネルギーを必要とする複雑な反応段階が含まれていない。したがって、本発明は、重合反応段階が短く、エネルギー消耗が画期的に減少して簡単且つ経済的な耐熱性ポリアミドの製造方法を提供することができる。
【実施例】
【0049】
以下、本発明の理解のために具体的な実施例および比較例を通じて本発明の構成および効果をより詳しく説明する。しかし、下記の実施例は、本発明をより明確に理解させるためのものに過ぎず、本発明の保護範囲が下記の実施例により限定されない。
【0050】
[実施例1]
1,4−シクロヘキサンジカルボン酸ジメチルエステル(Aldrich社、シスとトランスの混合グレード)200g(1当量)およびヘキサメチレンジアミン(Aldrich社)233g(2当量)をオートクレーブ反応器に投入し攪拌して混合した。75℃に昇温した後、蒸発されるメタノールをコンデンサを通じて凝縮させて集めた。32gのメタノールが蒸留されると、窒素ガスを注入して反応器内の酸素を除去した後にバルブを閉じ、400℃に昇温した後に2時間攪拌する。バルブを徐々に開けて反応器内の圧力を常圧に下げた後、真空をかけて圧力を1torr以下になるようにして再び3時間重合した。その後、バルブを開けて真空を破棄し窒素ガスを注入して重合された耐熱性ポリアミドを反応器の下部吐出装置を通じて吐出させ、水の中で冷却した後にカッターを利用して一定の大きさのチップ形態に作製した。
【0051】
[実施例2]
ヘキサメチレンジアミンの代わりに、2−メチル−1,5−ペンタンジアミンを使用したことを除いては実施例1と同様の方法により耐熱性ポリアミドを重合した。
【0052】
[実施例3]
1,4−シクロヘキサンジカルボン酸ジメチルエステル200g(1当量)の代わりに、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸ジエチルエステル228g(1当量)を使用したことを除いては実施例1と同様の方法により耐熱性ポリアミドを重合した。
【0053】
ここで、前記1,4−シクロヘキサンジカルボン酸ジエチルエステルは、1当量の1,4−シクロヘキサンジカルボン酸ジメチルエステルと2当量のエタノールをキシレンに溶かしてディーンスターク(dean−stark)装置を用いて還流しながらメタノールを除去する方法によりトランスエステル反応を実行して合成した。
【0054】
[実施例4]
1,4−シクロヘキサンジカルボン酸ジメチルエステル200g(1当量)の代わりに、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸ジプロピルエステル256g(1当量)を使用したことを除いては実施例1と同様の方法により耐熱性ポリアミドを重合した。
【0055】
ここで、前記1,4−シクロヘキサンジカルボン酸ジプロピルエステルは、1当量の1,4−シクロヘキサンジカルボン酸ジメチルエステルと2当量のプロパノールをキシレンに溶かしてディーンスターク装置を用いて還流しながらメタノールを除去する方法によりトランスエステル反応を実行して合成した。
【0056】
[実施例5]
1,4−シクロヘキサンジカルボン酸ジメチルエステル200g(1当量)の代わりに、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸ジブチルエステル284g(1当量)を使用したことを除いては実施例1と同様の方法により耐熱性ポリアミドを重合した。
【0057】
ここで、前記1,4−シクロヘキサンジカルボン酸ジブチルエステルは、1当量の1,4−シクロヘキサンジカルボン酸ジメチルエステルと2当量のブタノールをキシレンに溶かしてディーンスターク装置を用いて還流しながらメタノールを除去する方法によりトランスエステル反応を実行して合成した。
【0058】
[実施例6]
1,4−シクロヘキサンジカルボン酸ジメチルエステル200g(1当量)の代わりに、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸ジフェニルエステル324g(1当量)を使用したことを除いては実施例1と同様の方法により耐熱性ポリアミドを重合した。
【0059】
ここで、前記1,4−シクロヘキサンジカルボン酸ジフェニルエステルは、1当量の1,4−シクロヘキサンジカルボン酸ジメチルエステルと2当量のフェノールをキシレンに溶かしてディーンスターク装置を用いて還流しながらメタノールを除去する方法によりトランスエステル反応を実行して合成した。
【0060】
前記実施例1〜6の内容を下記表1に記載した。
【0061】
【表1】

【0062】
[比較例1〜6]
1,4−シクロヘキサンジカルボン酸ジメチルエステル1当量の代わりに、下記表2に示したジカルボン酸1当量を使用し、ヘキサメチレンジアミン2当量の代わりに下記表2に示したジアミン2当量を使用したことを除いては実施例1と同様の方法により耐熱性ポリアミドを重合した。
【0063】
【表2】

【0064】
[実施例7〜36]
1,4−シクロヘキサンジカルボン酸ジメチルエステル(CHDR)1当量の代わりに、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸ジメチルエステルと下記表3に示したジカルボン酸を下記記載したモル比として1当量を使用し、ヘキサメチレンジアミン(HMDA)2当量の代わりに下記表3に示したヘキサメチレンジアミンまたは2−メチル−1,5−ペンタンジアミン(MPDA)2当量を使用したことを除いては実施例1と同様の方法により耐熱性ポリアミドを重合した。
【0065】
【表3】

【0066】
[試験例]
前記実施例および比較例で製造した耐熱性ポリアミドの物性は下記のような方法により測定し、その結果を前記表1〜3に示した。
【0067】
(粘度)
前記のような方法により重合された耐熱性ポリアミドの粘度は、35℃の条件でメタクレゾールに溶かしてオストワルド粘度計(Ostwald Viscosimeter)を利用して測定した。
【0068】
(融点)
融点は、DSC(differencial scanning calorimeter)を利用してスキャン速度(Scan velocity)10℃/minの条件で測定した。
【0069】
前記表1に示したように、実施例1〜6による方法により製造されたポリアミドは、耐熱性ポリアミドとして適合した融点を示しているが、比較例1〜6に示される物質を利用し、本発明のような簡単な方法により製造して得られた重合体は、耐熱特性は優れていたが、重合度が高くないことが確認された。より具体的には、比較例の重合体の場合、高重合度の重合体を得るためには反応時間を長くしたり、固相重合を適用するなど追加的な作業が要求されるため好ましくない。一方、本発明の実施例により重合された重合体の場合、簡単な工程により得られながらも、耐熱特性に優れ、重合度が適合したことが確認された。
【0070】
また、本発明のポリアミドの製造方法は、実施例7〜36から、モル比が調節されたジカルボン酸を追加で注入して縮合重合を実施することによって、最終生成される耐熱性ポリアミドの融点を容易に調節することができることが確認された。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記化学式1で表されるジエステル化合物および下記化学式2で表されるジアミン化合物を含むモノマー混合物を縮合重合して下記化学式3で表される繰り返し単位を含むポリアミドを製造する、耐熱性ポリアミドの製造方法;
【化1】

前記式中、
は、炭素数1〜20の脂肪族または炭素数6〜20の芳香族炭化水素である。
【化2】

前記式中、
は、炭素数1〜20の脂肪族または炭素数6〜20の芳香族炭化水素である。
【化3】

前記式中、
は、炭素数1〜20の脂肪族または炭素数6〜20の芳香族炭化水素である。
【請求項2】
前記化学式1中、Rは、炭素数1〜6であるアルキル基、前記化学式2中、Rは、炭素数1〜10の直鎖型または分枝型のアルキレンである、請求項1に記載の耐熱性ポリアミドの製造方法。
【請求項3】
前記化学式2で表されるジアミン化合物は、ヘキサメチレンジアミン(HMDA)または2−メチル−1,5−ペンタンジアミン(MPDA)である、請求項1に記載の耐熱性ポリアミドの製造方法。
【請求項4】
前記モノマー混合物は、下記化学式4で表されるジカルボン酸をさらに含む、請求項1に記載の耐熱性ポリアミドの製造方法。
【化4】

前記式中、
は、炭素数2〜20の脂肪族または炭素数6〜20の芳香族炭化水素である。
【請求項5】
前記化学式4で表されるジカルボン酸は、アジピン酸、コハク酸、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸および無水フタル酸からなる群より選択される少なくとも一つである、請求項4に記載の製造方法。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法により製造される下記化学式3で表現される繰り返し単位を含む耐熱性ポリアミド。
【化5】

前記式中、
は、炭素数1〜20の脂肪族または炭素数6〜20の芳香族炭化水素である。
【請求項7】
前記耐熱性ポリアミドは、下記化学式5で表される繰り返し単位を含む、請求項6に記載の耐熱性ポリアミド。
【化6】

前記式中、
は、炭素数1〜20の脂肪族または炭素数6〜20の芳香族炭化水素であり、より好ましくは、炭素数1〜14の脂肪族または炭素数6〜14の芳香族炭化水素であってもよく、
は、炭素数2〜20の脂肪族または炭素数6〜20の芳香族炭化水素であり、nは、1〜999の自然数、mは、1〜999の自然数である。

【公表番号】特表2012−523472(P2012−523472A)
【公表日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−504559(P2012−504559)
【出願日】平成21年4月10日(2009.4.10)
【国際出願番号】PCT/KR2009/001857
【国際公開番号】WO2010/117098
【国際公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【出願人】(500116041)エスケー ケミカルズ カンパニー リミテッド (49)
【Fターム(参考)】