説明

耐震固定具

【課題】 アンカーボルトを使用することなく機器等を強固に固定でき、しかも設置が容易で移動や撤去も簡便な耐震固定具を提供する。
【解決手段】 本発明の耐震固定具10は、一方面に接着部22を有する略円形の固着基部21と、固着基部21の他方面に設けられる略方形の固着板部23とを備える固着部20と、脚部50の軸脚部54が挿入される切欠部32が設けられた略方形の固定板部31と、連結受け部25に連結される連結部35と、固定板部31の一辺に固着基部21の側へ向かって立設され、固定板部31と固着基部21とを所定距離離反させる立設部33とを備える固定部30とを概略具備している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、両替機・自動販売機・ATM・券売機・コンピューターサーバ・業務用ゲーム機・医療機器・各種計測器・精密機器・業務用冷蔵庫等の設置機器が、地震や振動等で倒れたり移動したりするのを防止する耐震固定具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、両替機・自動販売機等の比較的重量のある機器は、地震や振動等によって倒れたり移動したりするのを防止するためにアンカーボルトを使用して床面に固定することが行われていた。具体的には、設置する機器の下面に螺着されたアジャスタに、アジャスタ押え金具を取り付ける一方、床面にアンカーボルトを打ち込む。そして、アンカーボルトに、アジャスタ押え金具のアンカー穴を挿通させた状態で、ナットをアンカーボルトに螺着させることにより機器を床面に固定することが行われている。
【0003】
また、特許文献1に開示の固定器具では、剛性を有する板状体の上面に機器を固定する固定用部材が溶接等によって取り付けられ、板状体の下面に衝撃吸収材が貼着られた構成を有し、該固定用部材に設けられたU字状の切欠部へ機器のアジャスタを挿入し、ボルト等を該切欠部の解放端に掛け渡すことにより機器を床面に固定することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】 特許第2912610号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、アンカーボルトを使用する方法では、アンカーボルトの打ち込み作業に手間がかかり、作業が煩雑で作業時間も長くなるという問題があった。しかも、機器を撤去したり移動したりする際には、アンカーボルトを床面から抜き取ったり打ち直したりする必要があり、その作業が極めて煩雑であった。さらに、アンカーボルトを抜き取った後は床面が損傷しているため、その修復作業が困難で、時間と費用がかかるという問題もあった。
【0006】
また、特許文献1に開示の固定器具では、機器のアジャスタを固定する固定用部材が板状体に溶接されてしまっているため、既に設置されている機器を特許文献1の固定器具で床面に固定する場合には、板状体の床面への貼着位置を正確に行わなければならない問題があった。さらに、固定用部材に設けられたU字状の切欠部へ機器のアジャスタを挿入するのに、比較的重量のある機器を持ち上げながら平行移動させなければならず、その作業が極めて煩雑となる問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明の目的は、上述した事情に鑑みなされたもので、アンカーボルトを使用することなく機器等を強固に固定でき、しかも設置が容易で移動や撤去も簡便な耐震固定具を提供することである。
【0008】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、この発明に係わる耐震固定具は、請求項1の記載によれば、一方面が床面に固着され、他方面に機器の脚部が載置される固着部と、前記脚部を前記固着部の他方面に固定する固定部とを具備し、前記固着部は、前記脚部の他方面上での移動を制限する移動制限部と、他方面に立設され、前記固定部が連結される連結受け部とを備え、前記固定部は、前記脚部が挿入される切欠部と、前記連結受け部に連結される連結部と、前記固着部に固定する固定手段とを備えることを特徴とする。
【0009】
また、この発明に係わる耐震固定具は、請求項2の記載によれば、前記固着部は、一方面に接着部を有する固着基部と、前記固着基部の他方面に設けられ、前記移動制限部と前記連結受け部とを有する固着板部と、を備えることを特徴とする。
【0010】
また、この発明に係わる耐震固定具は、請求項3の記載によれば、前記連結受け部は、前記連結部が挿通される挿通穴を有することを特徴とする。
【0011】
また、この発明に係わる耐震固定具は、請求項4の記載によれば、前記固定部は、前記切欠部が設けられた固定板部と、前記固定板部に立設され、前記固定板部と前記固着部とを所定距離離反させる立設部とを備えることを特徴とする。
【0012】
また、この発明に係わる耐震固定具は、請求項5の記載によれば、前記固着部には、前記固着基部と前記固着板部との間に前記連結受け部と交差する方向へガイド溝部が設けられ、前記固定部には前記切欠部の開放する方向と略平行な方向へ前記ガイド溝部を摺動するスライド部が設けられていることを特徴とする。
【0013】
また、この発明に係わる耐震固定具は、請求項6の記載によれば、前記固定手段は、前記挿通穴に挿通された前記連結部へ着脱可能に設けられた留め具を備えることを特徴とする。
【0014】
また、この発明に係わる耐震固定具は、請求項7の記載によれば、前記固定手段は、前記固着板部に前記連結受け部と略平行な方向へ設けられた固定立設部と、前記立設部と前記固定立設部とを着脱可能に固定する留め具とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
この発明によれば、設置済みの機器に対しても容易に取り付けが可能な耐震固定具を提供することができる。
【0016】
また、この発明によれば、機器に取り付けても邪魔にならず、かつ取り外しも容易な耐震固定具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】 本発明の耐震固定具を示す斜視図
【図2】 取り付け前の耐震固定具を示す斜視図
【図3】 取り付け途中の耐震固定具を示す斜視図
【図4】 取り付け途中の耐震固定具を示す別の斜視図
【図5】 第2の実施例の固着部を示す図
【図6】 第2の実施例の固定部を示す図
【発明を実施するための形態】
【実施例】
【0018】
<第1の実施例>
以下に図面を用いて本発明の第1の実施例を説明する。図1は、本発明の耐震固定具を示す斜視図である。図2は、取り付け前の耐震固定具を示す斜視図である。図3は、取り付け途中の耐震固定具を示す斜視図である。図4は、取り付け途中の耐震固定具を示す別の斜視図である。
【0019】
本発明の第1の実施例の耐震固定具10は、転倒や移動を防止したい両替機・自動販売機・ATM・券売機・コンピューターサーバ・業務用ゲーム機・医療機器・各種計測器・精密機器・業務用冷蔵庫等の機器の脚部50に用いられる。これらの機器の脚部50は、床面に設置される脚端部52と雄ネジが螺設された脚軸部54からなる所謂レベルアジャスタが用いられている。このレベルアジャスタは、脚軸部54に螺設された雄ネジが機器本体の雌ネジに螺合されており、脚軸部54の回転により機器の高さを調節することが可能となっている。
【0020】
図1及び図2を用いて本発明の第1の実施例の耐震固定具10を説明する。図1は、機器の脚部50が転倒したり移動したりすることを防止した状態の耐震固定具10を示している。図2は、脚部50を取り付ける前の耐震固定具10を示している。
【0021】
耐震固定具10は、一方面が床面に固着され、他方面に脚部50の脚端部52が載置される固着部20と、脚部50の脚軸部54を固着部20の他方面に固定する固定部30とを概略具備している。
【0022】
固着部20は、一方面に接着部22を有する略円形の固着基部21と、固着基部21の他方面(固着部20の他方面)に設けられる略方形の固着板部23とを備えている。また、固着板部23は、固着基部21の他方面上に載置される脚端部52の移動を制限する移動制限部としての固着板穴部24と、固着板部23の他方面の一辺に立設され、内部に後述する連結部35が挿通される2個の挿通穴26を有する連結受け部25とを備えている。なお、挿通穴26の固着基部21からの離反方向の位置は、後述する立設部33の高さに合わせて設定されている。
【0023】
また、固定部30は、脚部50の軸脚部54が挿入される切欠部32が設けられた略方形の固定板部31と、連結受け部25に連結される連結部35と、固定板部31の一辺に固着基部21の側へ向かって立設され、固定板部31と固着基部21(固着部20)とを所定距離離反させる立設部33とを備えている。
【0024】
切欠部32は、固定板部31の一辺で開放するU字状の切り欠きで、切り欠きと垂直な方向の長さ(幅)は挿入される軸脚部54の軸直径より若干大きく設定されている。なお、切欠部32が開放する一辺は、連結受け部25に相対する側となっている。また、切り欠き方向の長さ(深さ)は略方形の固定板部31(固定部30)の略中心となるように設定されている。
【0025】
連結部35は、切欠部32が開放する一辺の側に設けられ、固定板部31から突出する2個の突出部35aで構成されている。また、突出部35aの各々には、後述する固定手段36としてのネジやピン等を取り付ける突出穴部35bが設けられている。なお、突出穴部35bには後述するネジ40を螺合するための雌ネジが螺設されている。
【0026】
立設部33は、固定板部31の切欠部32が開放する一辺に向かい合う他の一辺で固着基部21(固着板部23)の側に立設された立設板部33aと、立設板部33aの固定板部31と接続する側とは反対の側に設けられた立設接地部33bとから構成されている。この立設部33と、連結受け部25に連結される連結部35により、固定板部31が固着基部21から所定距離離反する位置に保持される。なお、挿通穴26と固着基部21との離反距離は、立設部33の高さとなる立設板部33aの固定板部31に垂直な方向の長さと立設接地部33bの固定板部31に垂直な方向の長さ(即ち立設接地部33bの板厚)との和と略同じに設定されているので、固定板部31は、固着基部21及び固着板部23と略平行となるように維持される。
【0027】
また、固着基部21と固着板部23との間には、連結受け部25と略垂直に交差する方向にガイド溝部27が設けられている。さらに、切欠部32の開放する方向と略平行な方向(固定板部31の一辺と略垂直な方向)であり、ガイド溝部27と略平行である方向へこのガイド溝部27を摺動するスライド部37が設けられている。
【0028】
ガイド溝部27は2カ所設けられており、図2に示すように、その大きさが固着板部23より小さく設定され、固着基部21と固着板部23との間に設けられた略方形の板状部材28の4辺のうちの固定板部31の一辺と略垂直な方向(連結受け部25と略垂直な方向)の2辺と、固着基部21の他方面と、固着板部23の一方面(固着基部21の他方面と相対する面)と、で構成されている。また、板状部材28の略中心には、固着板穴部24と同じ大きさの板状部材穴部28aが、固着板穴部24に重なるように配置されている。
【0029】
また、スライド部37は固定板部31の立設部33に垂直な方向の2辺に各々設けられており、固定板部31の固着基部21(固着板部23)の側に立設されたスライド板部37aと、スライド板部37aの固定板部31と接続する側とは反対の側に設けられたスライド接地部37bとから構成されている。
【0030】
なお、スライド部37の高さとなるスライド板部37aの固定板部31に垂直な方向の長さとスライド接地部37bの固定板部31に垂直な方向の長さ(即ちスライド接地部37bの板厚)との和は、立設板部33aの固定板部31に垂直な方向の長さと立設接地部33bの板厚との和と略同じに設定されているので、固定板部31は、固着基部21及び固着板部23と略平行となるように維持される。また、このような構成を有するので、スライド部37をガイド溝部27に摺動させて固定部30を固着部20に配置する際にも、がたつき無く配置することが可能である。
【0031】
また、2カ所のスライド部37の摺動面間の幅は、2カ所のガイド溝部27の摺動面間の幅より大きく設定されている。なお、図4に示すように、スライド部37の固定板部31の一辺の側(立設部33と反対の側)にはスライド係止突起37cが各々設けられており、また、ガイド溝部27の連結受け部25の側には、スライド係止突起37cが係り止めされるスライド係止受け部28bが設けられている。このスライド係止突起37cとスライド係止受け部28bにより、スライド部37をガイド溝部27に摺動させて固定部30を固着部20に配置し、後述する固定手段36で固定するまで仮止めが可能となる。
【0032】
固定部30を固着部20に固定する固定手段は、突出穴部35bと留め具としてのネジ40とで構成されている。具体的には、図1に示すとおり、スライド部37をガイド溝部27に摺動させながら固定部30を固着部20に配置し、連結受け部25の2個の挿通穴26に連結部35の2個の突出部35aを各々挿通し、連結受け部25から突出した突出部35aの突出穴部35bに2個のネジ40を各々螺合する構成となっている。なお、この固定手段は、ネジ40と突出穴部35bとの螺合を解除することで、容易に固定部30を固着部20から着脱可能となっている。
【0033】
以上のような構成を有する本発明の耐震固定具10の取り付け方法の一例について、以下に図1乃至図3を用いて説明する。
【0034】
取り付け前の耐震固定具を示す図2は、機器の脚部50を固着部20の他方面に設置する前の状態を示している。先ず、通常4本ある機器の脚部50が床面のどの位置に配置されるかを確認し、当該位置に固着基部21の一方面の接着部22を接着固定する。なお、接着部22は、例えば重量物の固定に使用される高強度の両面接着テープや各種接着剤等を利用する。
【0035】
次に、取り付け途中の耐震固定具を示す図3の通り、脚部50の脚端部52を固着板穴部24に載置する。この固着板穴部24は、その高さ(固着基部の他方面に対して垂直な方向の深さ)が、脚端部52の高さより大きく設定されているので、後述する耐震固定具の取り付け完了の状態において、脚端部52が地震等による振動によっても固着板穴部24から飛び出さない、即ち脚端部52の移動を制限することとなる。
【0036】
次に図3に示す矢印の方向に固定部を移動させ、スライド部37をガイド溝部27に摺動させながら固定部30を固着部20に配置する。
【0037】
最後に、図1に示すように、挿通穴26に突出部35aを挿通させ、突出穴部35bにネジ40を螺合させて耐震固定具10の取り付けが完了する。
【0038】
本発明の耐震固定具10は、固着部20に載置した脚部50に対して固定部を横方向(床面及び固着部20と平行な方向)から移動させる構成となっている。このため、特許文献1に開示の耐震固定器具のように、両替機や自動販売機等の非常に重量が重い機器自身を横方向に移動させる必要がなく、取り付けが簡単である。
【0039】
また、本発明の耐震固定具10の構成では、設置済みの機器に対しても、例えば4個の脚部50のうちの一方辺側の2個の脚部50を持ち上げて2個ずつ取り付けることが可能であり、取り付けが容易となっている。
【0040】
また、本発明の耐震固定具10は、脚部50と床面との間に設置する構成となっているので邪魔にならず、かつ、機器自身の重量で接着部22による固着部20の床面への固着力強度が高くなり、転倒や移動防止がより確実に可能となる。
【0041】
さらに、接着部22に両面接着テープを使用した場合、固着部20を回転させることで容易に床面から取り外すことが可能である。
【0042】
<第2の実施例>
以下に図面を用いて本発明の第2の実施例の耐震固定具10を説明する。図5は、第2の実施例の固着部を示す図である。図6は、第2の実施例の固定部を示す図である。なお、第1の実施例と同様の構成の箇所には、同じ符号を付して、適宜説明を省略する。
【0043】
第2の実施例の耐震固定具10は、図5に示す固着部20と、図6に示す固定部30とを概略具備している。なお、図5(a)は固着部20の上面図、図5(b)は側面図、図5(c)は正面図である。また、図6(a)は固定部30の上面図、図6(b)は側面図、図6(c)は図6(a)のX−X断面図である。
【0044】
固着部20は、一方面に接着部22を有する略円形の固着基部21と、固着基部21の他方面に設けられる略方形の固着板部23とを備えている。なお、第2の実施例における固着板部23は、固着板部23の4辺の各々に他方面へ向かって立設される4個の固着板立設部23aと、この固着板立設部23aの1個に設けられる連結受け部25とを備えている。
【0045】
この第2の実施例における連結受け部25は、固着板立設部23aの一部をその板面に平行な方向へ延出させて、くびれ部25aを設けた構成となっている。
【0046】
また、固定部30は、脚部50の軸脚部54が挿入される切欠部32が設けられた略方形の固定板部31と、固定板部31の、切欠部32が設けられた1辺を除く、3辺の各々に固着基部21の側へ向かって立設される3個の固定板立設部31aとを備えている。
【0047】
切欠部32は、固定板部31の一辺で開放する切り欠きで、切り欠きの奥(切り欠きの長さ方向)には脚端部52と脚軸部54とを連結する六角ボルトを収納する切欠奥部32aと切り欠きの開放部とを接続する切欠接続部32bとを備えている。なお、切欠接続部32bの幅(切欠部32と垂直な方向の長さ)は、挿入される軸脚部54の軸直径より若干大きく設定されている。同様に切欠奥部32aの直径は該六角ボルトの直径より若干大きく設定されている。
【0048】
また、切欠部32が開放する一辺は、連結受け部25に相対する側となっており、切欠接続部32bと切欠部32が開放する一辺とが交わる角が連結部35としての連結角35cとなる。
【0049】
なお、この第2の実施例の耐震固定具10では、第1の実施例のようなガイド溝部27とスライド部37は備えておらず、固定部30を固着部20へ被せながら軸脚部54を切欠接続部32bに通し、脚端部52と脚軸部54とを連結する六角ボルトへ切欠奥部32aをはめ込む構造となっている。
【0050】
また、3個の固定板立設部31aのうち、切欠部32が開放する一辺に向かい合う他の一辺(即ち、連結受け部25と略平行な方向)の固定板立設部31aには、固定手段を構成する留め具としてのネジ40を挿通させるネジ挿通穴35dが設けられている。
【0051】
第2の実施例における固定部30を固着部20に固定する固定手段は、連結受け部25が設けられた固着板立設部23aに相対する側の固着板立設部23aに設けられる図示しないネジ穴と、ネジ挿通穴35dを挿通されて該ネジ穴に螺合されるネジ40とで構成されている。固定部30の固着部20への固定は、具体的には、固着部20へ固定部30を覆い被せた後に、該ネジ穴へネジ40を螺合して行われる。
【0052】
この第2の実施例の耐震固定具10は、固着部20に載置した脚部50に対して、固定部30を上から被せる構成となっている。このため、特許文献1に開示の耐震固定器具のように、両替機や自動販売機等の非常に重量が重い機器自身を横方向に移動させる必要がなく、取り付けが簡単である。
【0053】
また、第2の実施例の耐震固定具10は、第1の実施例と同様に、設置済みの機器に対しても、例えば4個の脚部50のうちの一方辺側の2個の脚部50を持ち上げて2個ずつ取り付けることが可能であり、取り付けが容易となっている。
【0054】
また、第2の実施例の耐震固定具10は、第1の実施例と同様に、脚部50と床面との間に設置する構成となっているので邪魔にならず、かつ、機器自身の重量で接着部22による固着部20の床面への固着力強度が高くなり、転倒や移動防止がより確実に可能となる。
【符号の説明】
【0055】
10・・耐震固定具、20・・固着部、21・・固着基部、22・・接着部、23・・固着板部、23a・・固着板立設部、24・・固着板穴部、25・・連結受け部、25a・・くびれ部、26・・挿通穴、27・・ガイド溝部、28・・板状部材、28a・・板状部材穴部、28b・・スライド係止受け部、30・・固定部、31・・固定板部、31a・・固定板立設部、32・・切欠部、32a・・切欠奥部、32b・・切欠接続部、33・・立設部、33a・・立設板部、33b・・立設接地部、35・・連結部、35a・・突出部、35b・・突出穴部、35c・・連結角、35d・・ネジ挿通穴、36・・固定手段、37・・スライド部、37a・・スライド板部、37b・・スライド接地部、37c・・スライド係止突起、40・・ネジ、50・・脚部、52・・脚端部、54・・脚軸部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方面が床面に固着され、他方面に機器の脚部が載置される固着部と、前記脚部を前記固着部の他方面に固定する固定部とを具備し、
前記固着部は、前記脚部の他方面上での移動を制限する移動制限部と、他方面に立設され、前記固定部が連結される連結受け部とを備え、
前記固定部は、前記脚部が挿入される切欠部と、前記連結受け部に連結される連結部と、前記固着部に固定する固定手段とを備える
ことを特徴とする耐震固定具。
【請求項2】
前記固着部は、一方面に接着部を有する固着基部と、前記固着基部の他方面に設けられ、前記移動制限部と前記連結受け部とを有する固着板部と、を備えることを特徴とする請求項1に記載の耐震固定具。
【請求項3】
前記連結受け部は、前記連結部が挿通される挿通穴を有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の耐震固定具。
【請求項4】
前記固定部は、前記切欠部が設けられた固定板部と、前記固定板部に立設され、前記固定板部と前記固着部とを所定距離離反させる立設部とを備えることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の耐震固定具。
【請求項5】
前記固着部には、前記固着基部と前記固着板部との間に前記連結受け部と交差する方向へガイド溝部が設けられ、前記固定部には前記切欠部の開放する方向と略平行な方向へ前記ガイド溝部を摺動するスライド部が設けられていることを特徴とする請求項2乃至請求項4のいずれか1項に記載の耐震固定具。
【請求項6】
前記固定手段は、前記挿通穴に挿通された前記連結部へ着脱可能に設けられた留め具を備えることを特徴とする請求項3乃至請求項5のいずれか1項に記載の耐震固定具。
【請求項7】
前記固定手段は、前記固着板部に前記連結受け部と略平行な方向へ設けられた固定立設部と、前記立設部と前記固定立設部とを着脱可能に固定する留め具とを備えることを特徴とする請求項4または請求項5に記載の耐震固定具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−57391(P2013−57391A)
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−211536(P2011−211536)
【出願日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【出願人】(501359412)株式会社リンテック21 (38)
【Fターム(参考)】