説明

耳式体温測定装置の測定装置本体

【課題】耳式体温測定装置を小型化できるMCUのモード切り替え装置を提供する。
【解決手段】本発明は、測定装置本体5に内蔵されたマイクロコントローラMCUに対するプログラム書き込みモードと書き込んだプログラムを実行するランモードとの切り替えをMCU側のモード切り替えスイッチにて行うのではなく、MCUのテストポート531に印加される電圧がHIGHであればフラッシュモード、LOWであればランモードとするモード切り替え回路500を設け、プログラム書き込み装置のコネクタ4’を本体側コネクタ501に接続して5Vの高電圧をコモン電圧に印加すればマイクロコントローラ側を自ずとプログラム書き込みモードに移行させることができ、測温プローブ2のコネクタ4を接続すればマイクロコントローラ側を自ずとランモードに切り替えられるようにしたものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プローブの測温部を耳孔に挿入して鼓膜の温度を測る耳式体温測定装置においてプログラム書き込み可能なマイクロコントローラMCUを内蔵する測定装置本体に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば手術室や集中治療室では施術中の患者の体温測定は必須であり、長時間にわたり連続して体温測定ができ、かつ信頼性の高い体温測定装置が必要とされている。さらに、患者の体温測定を連続的に行うために、患者への負担が少ないことも必要である。このような必要に応える体温測定装置として、患者の耳孔に測温部を挿入して鼓膜の温度を測る耳式体温測定装置が注目されている。
【0003】
ところが従来の耳式体温測定装置の場合、測定装置本体が大がかりなものとなる問題点があり、その小型化が要望されていた。これに応えるものとして、特開2006−250883号公報(特許文献1)、特開2007−111363号公報(特許文献2)に記載されているような測温部を含むプローブを小型化し、また測定装置本体も小型化した耳式体温測定装置が知られている。
【特許文献1】特開2006−250883号公報
【特許文献2】特開2007−111363号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上述した従来技術の小型化された耳式体温測定装置のさらに小型化が図れるマイクロコントローラ内蔵の測定装置本体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の特徴は、コモン電圧線と、電源としての内蔵バッテリと、測温プローブプラグを接続するためのコネクタであって、前記コモン電圧線にコモン電圧端子が接続されているコネクタと、前記測温プローブの温度センサを制御し、かつ前記温度センサからの測定温度に対応した抵抗値出力信号を入力してデジタル温度値に変換して出力するフラッシュタイプのマイクロコントローラであって、テストポートと、プログラム書き込みポートと、前記コモン電圧線に接続されているコモン電圧ポートを有し、前記テストポートに第1の所定電圧より高いHIGH電圧が印加された時にフラッシュモードとなり、前記書き込みポートからのプログラム書き込みを可能とし、前記テストポートに印加電圧に前記第1の所定電圧より低いLOW電圧が印加された時にランモードとなるマイクロコントローラと、前記コモン電圧線に入力側が接続され、一定電圧の基準電圧を出力する電圧レギュレータと、前記コモン電圧線に接続され、コモン電圧が第2の所定電圧より高い時に前記マイクロコントローラのテストポートに前記HIGH電圧を印加し、前記コモン電圧が前記第2の所定電圧より低い時に前記マイクロコントローラのテストポートに前記LOW電圧を印加し、かつ、前記コモン電圧線から当該モード切り替え回路に流れるリーク電流を前記電圧レギュレータの出力にバイパスさせて合流させるモード切り替え回路とを備え、前記コネクタは、前記コモン電圧端子と共に、前記内蔵バッテリと接続されたバッテリ電源端子と、前記マイクロコントローラの書き込みポートに接続されたプログラム書き込み端子と、前記測温プローブの温度センサからの測定温度に対応した抵抗値出力信号を入力するためのセンサ接続端子とを有している耳式体温測定装置の測定装置本体である。
【0006】
上記発明の耳式体温測定装置の測定装置本体において、前記モード切り替え回路は、前記コモン電圧線にエミッタが接続され、前記テストポートにコレクタが接続され、前記コモン電圧線にバイアス抵抗を介してベースが接続されたPNP型トランジスタと、前記コレクタとグランドとの間に介挿され、当該トランジスタが導通状態の時に当該コレクタの電圧を前記HIGH電圧にする第1の抵抗と、前記トランジスタのベースと前記レギュレータの出力との間に介挿された第2の抵抗とで構成されているものとすることができる。
【0007】
また、上記発明の耳式体温測定装置の測定装置本体において、前記モード切り替え回路は、コモン電圧線とグランドとの間に2個の抵抗を直列に接続し、前記2個の抵抗の接続中点にコンパレータとして動作するオペアンプの+入力端子を接続し、前記オペアンプの−端子を別の抵抗を介してレギュレータの出力線に接続し、前記オペアンプの出力端子をマイクロコントローラテストポートに接続した構成にして、前記オペアンプの+端子に印加される電圧が前記コモン電圧線に印加されるバッテリ電圧とプログラム書き込み電圧との中間電圧よりも高い電圧の時に前記オペアンプを導通させて前記コモン電圧線のコモン電圧をHIGH電圧として前記テストポートに出力し、前記中間電圧よりも低い電圧の時に前記オペアンプを不導通になるように反転させるようにしたものとすることができる。
【0008】
また、上記発明の耳式体温測定装置の測定装置本体において、前記モード切り替え回路は、前記コモン電圧線とグランドとの間にCMOSインバータを設置し、前記CMOSインバータのスイッチング端子とレギュレータの出力との間を抵抗を介して接続し、前記CMOSインバータの出力を前記テストポートに接続した構成とし、前記CMOSインバータを前記スイッチング端子に印加される電圧が前記コモン電圧線に印加されるバッテリ電圧とプログラム書き込み電圧との中間電圧よりも高い電圧の時に前記コモン電圧線のコモン電圧をHIGH電圧として前記テストポートに出力し、前記中間電圧よりも低い電圧の時に前記抵抗を通じて降圧した前記レギュレータの出力電圧をLOW電圧として前記テストポートに出力するようにしたものとすることができる。
【0009】
さらに、上記発明の耳式体温測定装置の測定装置本体において、前記コネクタは、測温プローブ側コネクタを接続することで当該測温プローブ側コネクタの短絡された2個の端子を介して前記バッテリ電源端子とコモン電圧端子とが接続され、プログラム書き込み装置側コネクタを接続することで当該プログラム書き込み側コネクタの前記第2の所定電圧の電圧端子に前記コモン電圧端子が接続されるものとすることができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、測定装置本体に内蔵されたマイクロコントローラに対するプログラム書き込みモード(フラッシュモード)と書き込んだプログラムを実行するランモードとの切り替えをマイクロコントローラ側のモード切り替えスイッチにて行うのではなく、マイクロコントローラのテストポートに印加される電圧がHIGHであればフラッシュモード、LOWであればランモードとなる。そのため、本発明によれば、マイクロコントローラのテストポートに対する印加電圧をHIGH電圧にするプログラム書き込み装置を用意し、そのプログラム書き込み装置を当該測定装置本体のコネクタに接続するだけでマイクロコントローラ側を自ずとフラッシュモードに移行させることができる。このため、本発明によれば、マイクロコントローラがモード切り替えスイッチを必要とせず、回路構成を単純化でき、これを内蔵する装置本体のいっそうの小型化が図れる。
【0011】
また、本発明によれば、モード切り替え回路にトランジスタを用い、当該トランジスタが導通状態の時に当該コレクタの電圧をHIGH電圧にする第1の抵抗をコモン電圧線とコレクタとの間に設け、トランジスタのベースとレギュレータの出力との間に第2の抵抗を介挿し、トランジスタがオフの時にはコモン電圧線から第1、第2の抵抗を通じてレギュレータの出力側にリーク電流が流れてレギュレータの出力電流と合流するようにすることで、ランモード時に前述のリーク電流分だけレギュレータそのものの入力電流を削減でき、結果としてモード切り替え回路の挿入によっても電力消費がほとんど変わらなくでき、装置本体の消費電力を抑制でき、バッテリの電力を長持ちさせることができる。
【0012】
また、本発明によれば、モード切り替え回路にオペアンプを用い、コモン電圧を高電圧にしてオペアンプを反転させて導通させた時に当該コモン電圧をHIGH電圧としてマイクロコントローラのテストポートに出力し、コモン電圧をバッテリ電圧の低電圧にしてオペアンプを再反転させた時に不導通状態にしてオペアンプの出力電圧をLOW電圧としてマイクロコントローラのテストポートに出力するようにすることで、通常の動作状態であるマイクロコントローラのランモード時にモード切り替え回路にバッテリ電流を流すことがなく、結果としてモード切り替え回路の挿入によっても電力消費がほとんど変わらなくでき、装置本体の消費電力を抑制でき、バッテリの電力を長持ちさせることができる。
【0013】
また、本発明によれば、モード切り替え回路にCMOSインバータを用い、CMOSインバータがコモン電圧を出力する動作状態の時に当該コモン電圧をHIGH電圧としてマイクロコントローラのテストポートに出力し、CMOSインバータが反転してレギュレータの電圧をLOW電圧としてマイクロコントローラのテストポートに出力するようにすることで、通常の動作状態であるマイクロコントローラのランモード時にモード切り替え回路にバッテリ電流を流すことがなく、結果としてモード切り替え回路の挿入によっても電力消費がほとんど変わらなくでき、装置本体の消費電力を抑制でき、バッテリの電力を長持ちさせることができる。
【0014】
さらに、本発明によれば、コネクタに測温プローブ側コネクタを接続することで測温プローブ側コネクタの短絡された2個の端子を介してバッテリ電源端子とコモン電圧端子とを接続し、同コネクタにプログラム書き込み装置側コネクタを接続することで当該プログラム書き込み側コネクタの第2の所定電圧の電圧端子にコモン電圧端子を接続することができ、該コネクタに測温プローブ側コネクタを接続するかプログラム書き込み装置側コネクタを接続するかによりコモン電圧線にバッテリ電圧を印加して通常のランモードとし、あるいはコモン電圧線にプログラム書き込み電圧を印加してプログラム書き込みモードとすることができ、作業者に対してモード切り替えを意識させずにマイクロコントローラのモード切り替えを行わせることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて詳説する。図1は本発明の1つの実施の形態の耳式体温測定装置の機器構成を示し、図2は回路構成を示している。図1に示すように、本実施の形態の耳式体温測定装置1は、被測定者の耳孔に挿入して鼓膜の温度を測定し抵抗値として出力するプローブ2、このプローブ2の測定信号を送信し、またプローブ2に電源を供給するケーブル3、雄型コネクタ4、温度測定演算処理その他の制御を行う測定装置本体5、この測定装置本体5に接続されたケーブル6、このケーブル6の先端に接続されている雌コネクタ7から成る。測定装置本体5のケーブル6に接続されている雌コネクタ7は、測定温度を表示するモニタ8に接続される。
【0016】
図2に示すように、測定装置本体5の主な構成要素は、プローブ2の測定温度に対応した抵抗値をAD変換するAD変換器51、プローブ2の温度測定信号を増幅する差動増幅器52、デジタル演算処理を行う制御信号処理回路53、制御信号処理回路53が求めた測定温度デジタル信号をモニタ8側の温度対応アナログ抵抗値に再変換する抵抗値出力回路54、スイッチ群55(スイッチS1、S2、S3)、スイッチング・ライン群56(SL1、SL2、SL3)、抵抗群57(R1、R2、R3、R4)、ケーブル6、雌コネクタ7を含む。
【0017】
プローブ2は、使用時にケーブル3及び雄型コネクタ4を介して測定装置本体5のコネクタ501(図11、図12を参照)に連結される。プローブ2は、後述する測温用の第1センサ25及び補正用の第2センサ26を備えている。センサ25、26はサーミスタで成る。抵抗R3、R4は図2ではプローブ2内に設けられているが、それらは測定装置本体5に設けられてもよい。雄型コネクタ4は、慣用のカードエッジ式コネクタが好ましい。このカードに、校正値等の個別情報が記録される。
【0018】
プローブ2の測温用の第1センサ25及び補正用の第2センサ26の検出信号が、抵抗R3及びR4を介してAD変換器51に、そしてスイッチS2及びS3を介して差動増幅器52に入力される。
【0019】
AD変換器51は制御信号処理回路53及び差動増幅器52に接続され、制御信号処理回路53は抵抗値出力回路54に接続されている。制御信号処理回路53からはデジタル信号が出力され、抵抗値出力回路54からはアナログ信号が出力される。制御信号処理回路53はスイッチング・ライン群56を介してスイッチ群55に接続されている。スイッチ群55は差動増幅器52に接続されている。
【0020】
第1センサ25及び第2センサ26からの微少温度差信号を容易に検出できるようにするために、AD変換器51には高精度高分解能を持たせることが好ましい。抵抗R1、R2、R3、R4は高精度抵抗である。VrefはAD変換器51の基準電圧であって、AD変換値のフルスケール値である。
【0021】
図3〜図8に示すように、本実施の形態におけるプローブ2は、本体部21、本体部21に連結された測温部22、本体部21の外側に沿って設けられたタブ23を含む。本体部21は、長辺部分211と屈曲短辺部分212からなるほぼL字形に屈曲した円筒体に形成される。長辺部分211が測温対象者9の耳孔9aの下方から顔面こめかみ付近にそって延び、屈曲短辺部分212が測温部22の後述するフランジ部分221に結合する。この概略L字形形状は、測温部22の先端部分222を測温対象者9の耳孔9a内で鼓膜側に向けると共に、装着時に本体部21が耳介から脱落又は耳介上で回転しないようにする。本体部21の下端からはケーブル3が延びていて、後述する第1センサ25及び第2センサ26を装着した可撓性印刷回路基板246を雄型コネクタ4に電気的に接続する。タブ23は、プローブ2を測温対象者9の耳孔9aに着脱する際に作業を容易にするために設けられている。
【0022】
測温部22は、本体部21の屈曲短辺部分212に結合するフランジ部分221、フランジ部分221から延びる先端部分222を含む。フランジ部分221は耳孔9aの入口を閉じるように形成され、また、先端部分222は外耳道の複雑な形状に合わせるように形成される。
【0023】
プローブ2を構成する本体部21、測温部22、タブ23、センサミラー24は断熱性材料から作られる。測温部22は、測温対象者9のアレルギー体質を考慮して、エラストマ又はシリコンゴムで被覆することが好ましい。
【0024】
前述したように、本実施の形態耳式体温測定装置1のプローブ2は、本体部21、測温部22、タブ23を含む。測温部22は、フランジ部分221、先端部分222を含む。図3に示すように、測温部22の先端部分222の内部にセンサミラー24が嵌め込まれる。センサミラー24は、例えば、図3に示したような平行光集光型センサミラー又は図4に示したような点光源集光型センサミラーのいずれでもよい。平行光集光型センサミラーは、円筒体ホルダの前面の平行光をセンサに集光する。点光源集光型センサミラーは、鼓膜想定位置の点光源からの光を集光する。センサミラー24は、各センサ25、26の組付け作業を容易にするために、測温部22とは別部品としている。
【0025】
センサミラー(点光源集光型センサミラー)24は絶縁性材料から作られ、図4に示すように、内部に凹形状反射面241を有する比較的長尺の円筒体ホルダ242、ホルダ242の後方から延びる連結軸245、ホルダ242の前面に張り渡された後述する可撓性印刷回路基板246、基板246に装着された後述する測温用の第1センサ25及び補正用の第2センサ26、ホルダ前面を覆う保護カバー27を含む。
【0026】
センサミラー24の反射面241は、素材の鏡面仕上げのままにするか、さらにその上に金属(例えば、アルミニウム)箔を貼り付けるか、ニッケルメッキを施すことが好ましい。保護カバー27は、放射エネルギ損失を抑え、センサ25、26を保護する材料であればよい。例えば、厚み0.015mmのポリエチレン・フィルムが好ましい。保護カバー27は、センサミラー24の円筒体ホルダ242及び連結軸245の外周面と測温部22の先端部分222の穴内周面との間に押し込まれて固定される。
【0027】
可撓性印刷回路基板246は、図5に示すように、可撓性絶縁材料(例えば、ポリエチレン等)からなる細長フィルムであって、その表面に回路導体246d及び熱溜まり246eが印刷され、さらに赤外線透過穴246c、第1位置決め穴246a、第2位置決め穴246bが貫通されている。これらの作用については後述する。
【0028】
図4、図6〜図8に示すように、センサミラー24の円筒体ホルダ242の外周面中間部分のほぼ対向部位に第1突起242a及び第2突起242bが設けられる。図5に示すように、可撓性印刷回路基板246の一端側で第1突起242a及び第2突起242bにそれぞれ対応する部位に第1位置決め穴246a及び第2位置決め穴246bが設けられる。第1突起242a及び第2突起242bが第1位置決め穴246a及び第2位置決め穴246bにそれぞれ係合される。このようにして、可撓性印刷回路基板246の一端側は、センサミラー24の円筒体ホルダ242の前面空間に簡単に張り渡される。
【0029】
可撓性印刷回路基板246の他端側がセンサミラー24の円筒体ホルダ242の外周面上を長手方向に沿って誘導され、基板246の他端側を本体部21の先端に埋め込まれた連結基板213に接続される。図3に示すように、各センサ25、26を装着した可撓性印刷回路基板246の他端は、連結基板213を介してケーブル3の先端に接続される。このようにして、可撓性印刷回路基板246は、測温部22内で本体部21の内部を貫通するケーブル3に電気的に接続される。
【0030】
図4、図6〜図8に示すように、可撓性印刷回路基板246の一端側は円筒体ホルダ242の前面空間に張り渡される。図5に示すように、円筒体ホルダ242の前面空間に張り渡される予定部位に相当する可撓性印刷回路基板246の中間部分に赤外線透過用穴246cが設けられる。その赤外線透過用穴246cの両側でかつ基板246の長手方向に第1センサ25及び第2センサ26が配置される。可撓性印刷回路基板246が円筒体ホルダ242の前面空間に張り渡される以前に、センサ25、26は予め基板246の回路導体246dに半田付けされる。このようにすれば、センサ25、26をセンサミラー24に装着することが容易になり、高度の技術を必要とせず、測温部22を量産化することができる。測温対象者9からの赤外線は基板246の赤外線透過穴246cを通過し、センサミラー24の反射面241で反射され、センサ25、26に至る。
【0031】
また、図5に示すように、円筒体ホルダ242の前面空間に張り渡される予定部位に相当する可撓性印刷回路基板246の中間部分において、その基板246の一端側に熱溜まり導体246eを設けることが好ましい。熱溜まり導体246eは、基板246に到達する赤外線を吸収し、センサ25、26への二次的熱影響を防止する。
【0032】
示度試験の結果、プローブ2の示度は外気温度によって影響を受けることがわかった。そこで、測温用のセンサ(第1センサ25)の外に別のセンサ(第2センサ26)を設けて、外気温度の影響を補正している。
【0033】
第1センサ25及び第2センサ26には、小熱容量、高熱感受性、高赤外線反応温度上昇率等の特性を備えたサーミスタ素子が適している。
【0034】
実験の結果、センサミラー24の円筒体ホルダ242の前面空間に張り渡された可撓性印刷回路基板246上には、集光点が一番高くなる温度分布が現れることを確認した。そこで、測温用の第1センサ25は、図4に示すように、センサミラー24の反射面241のほぼ集光点に配置される。外気温度補正用の第2センサ26は、集光点から外れた位置に配置される。センサ25、26は同一基板上にあるので、ほぼ同時に昇温し、補正がより簡単になっている。第1センサ25には、放射率が高く(赤外線を良く吸収し発熱する)、赤外線により発生した熱を発散し易い樹脂(例えば、黒色熱硬化性のエポキシ樹脂)が塗布される。第2センサ26には、赤外線を吸収し難い樹脂(例えば、2液硬化型エポキシ樹脂)が塗布される。
【0035】
第1センサ25及び第2センサ26を同時に温度校正する。この温度校正には、図2に示した測定装置本体5を用いて、測温対象者9の体温を測定する。まず、プローブコネクタ4を測定装置本体5に接続し、温度プラグ7をモニタ8に接続する。
【0036】
a)オフセット校正
スイッチ群55のスイッチS1をオン、スイッチS2及びS3をオフにする。AD変換を実行し、オフセット値を求める。抵抗R1、R2が既知であるから、AD入力値が既知となる。AD変換値とAD入力値との差は、差動増幅器52及びAD変換器51のオフセット誤差である。オフセット校正時のAD変換器入力V1は、R2/(R1+R2)×Vrefとなる。高精度AD変換器の場合、測定毎にセルフキャリブレーションが行われるため、AD変換器のオフセット誤差は無視してよい。従って、オフセット誤差は実質的に差動増幅器52に起因する。
【0037】
b)第1センサ25の測定
スイッチS2をオン、スイッチS1及びS3をオフにする。AD変換を実行し、AD変換値を求める。第1センサ25の測定時のAD変換入力V2は、R3/(R3+RTh1)×Vrefとなる。ただし、RTh1は、任意の温度における第1センサ25の抵抗値である。
【0038】
c)第2センサ26の測定
スイッチS3をオン、スイッチS1及びS2をオフにする。AD変換を実行し、AD変換値を求める。第2センサ26の測定時のAD変換入力V3は、R4/(R4+RTh2)×Vrefとなる。だだし、RTh2は任意の温度における第2センサ26の抵抗値である。
【0039】
d)第1センサ25と第2センサ26とのAD変換値差
第1センサ25のAD変換値からオフセット校正で求めたオフセット値を引く。この値と第1センサ25と第2センサ26とのAD変換値の差の関係から、測定しようとする目標点の温度を求める。
【0040】
測定された温度データは、MCU(マイクロコントローラ)である制御信号処理回路53からデジタル信号として出力され、また、抵抗値出力回路54からアナログ信号が出力される。アナログ信号はセンサ(サーミスタ)入力のモニタ8にて温度表示可能にするためである。
【0041】
測定された温度対応抵抗値のアナログ信号を制御信号処理回路53にて温度値を示すデジタル信号に変換して抵抗値出力回路54に出力する。抵抗値出力回路54は、図9に示す構成であり、11ビットアナログデジタル変換回路であり、温度値のデジタル信号をアナログ抵抗値に変換して出力する。すなわち、制御信号処理回路53のポートP0〜P10から11桁のオン/オフのデジタル信号が出力されると、これに対応する桁ビットのアナログスイッチAN0〜AN11が1(HIGH)でオープン(OFF)、0(LOW)でクローズ(ON)する。この結果、アナログスイッチANiがオープンしたビットの抵抗Riの直列合成抵抗値が温度値のデジタル信号に対応した抵抗値Routに変換される。この抵抗値出力回路54のAB端子間にはVccの1/2の1.5Vccのバイアス電圧が印加してあり、結果としてAB端子間には抵抗値Routに対応した電流Iout(=Vcc/2Rout)が出力される。モニタ8はこの電流Ioutをサーミスタに流れる電流としてそれに対応する抵抗値を求め、さらに抵抗値/温度変換により温度表示する。
【0042】
測定装置本体5は、測定対象温度を長時間期間中連続的に測定することを目的とし、その操作手順は、(1)校正、(2)第1センサ25の測定、(3)第2センサ26の測定、(4)測定温度計算、(5)温度データ出力となる。前記の操作手順(1)−(5)を連続的に繰り返す。
【0043】
次に、図10〜図12を用いて、測定装置本体5に内蔵されている制御信号処理回路53となるマイクロコントローラMCUに対するモード切り替え回路500について説明する。
【0044】
図10に示すように、マイクロコントローラMCUには多数の入出力ポートが用意されているが、ここでは内蔵されるフラッシュメモリFLMに対するプログラムの書き込み(新規書き込み、上書きを含むものとする)に関連するポートについてのみ示している。MCUは、テストポート531、コモン電圧入力ポート532、ベリファイ信号ポート533、プログラム書き込みポート534、温度信号入力ポート535を備え、中央演算処理装置CPU、フラッシュメモリFLMを内蔵している。
【0045】
このMCUに対して、外部にモード切り替え回路500が備えられている。モード切り替え回路500は、コモン電圧線からコモン電圧Vccを入力し、このコモン電圧Vccが所定電圧4Vよりも高い時に導通し、低い時に不導通となるトランジスタQRと、ベースバイアス抵抗R5〜R7が設けられている。トランジスタQRのコレクタ端がMCUのテストポート531に接続され、同時に抵抗R8を介してグランドGNDに接続されている。
【0046】
モード切り替え回路500のバイアス抵抗R5は、コモン電圧線Vccを入力とし、一定電圧のVrefをAD変換器51に出力するレギュレータ58の出力線に接続され、このバイアス抵抗R5に流れる電流をレギュレータ58の出力電流に合流させるようにしてある。AD変換器51は、上にて図2を参照して説明したように、測温プローブ2の温度検出信号としての抵抗値アナログ信号をデジタル信号に変換してマイクロコントローラMCUの温度信号ポート535に入力するものである。
【0047】
AD変換器53用の基準電圧Vrefは2.2Vである。レギュレータ51からAD変換器53にこの電圧Vref=2.2Vが印加される。またコモン電圧線Vccにも5Vが印加されている。抵抗R8=30KΩ、抵抗R6=抵抗R7=100KΩ、抵抗R5=90〜95KΩである。これにより、トランジスタQRは、Vccが4Vよりも高い電圧にてオン(導通)し、4Vよりも低い電圧にてオフ(不導通)する設定である。つまり、コモン電圧線の電圧Vccが5VであればマイクロコントローラMCUのテストポート531にはHIGH電圧が印加され、このMCUをプログラム書き込みモードに移行させる。他方、コモン電圧線の電圧Vccが3VであればマイクロコントローラMCUのテストポート531にはLOW電圧が印加され、このMCUを通常のランモードになる。
【0048】
図11、図12に示すように、測定装置本体5のコネクタ501には、測温プローブ2の雄型コネクタ4のグランド端子GND、サーミスタ信号端子TH1,TH2と接続される端子GND、TH1,TH2、内蔵バッテリ502と接続されているバッテリ電源端子B、本体内部のコモン電圧線Vccと接続され、またプログラム書き込み装置の書き込み装置側コネクタ4’のコモン電圧端子VCと接続されるコモン電圧端子VC、書き込み装置側コネクタ4’からの書き込みデータを入力するプログラム書き込み端子PG、ベリファイ信号を出力するベリファイ信号端子VFが設けられている。
【0049】
尚、図11に示すように、測温プローブ2側の雄型コネクタ4において、本体側コネクタ501のバッテリ電源端子BTとコモン電圧端子VCとに接続される端子VA,VB間は短絡されている。これにより、雄型コネクタ4を本体側コネクタ501に差し込んで接続した時に、この雄型コネクタ4側の端子VA,VBを通じてバッテリ電源端子BTとコモン電圧端子VCとが接続され、測定装置本体5内のコモン電圧線Vccにバッテリ電圧(通常時、約3V)が印加され、この測定装置本体5が起動され、耳式体温測定装置1として使用可能になる。
【0050】
他方、図12に示すように、マイクロコントローラMCUへの初期のプログラムの書き込み、ファームウェアのバージョンアップ等にてMCUのフラッシュメモリFLMへのプログラムの書き込みを行うためにプログラム書き込み装置を用意し、その書き込み装置側コネクタ4’を本体側コネクタ501に差し込んで接続すると、装置側の高電圧5Vのコモン電圧Vccのコモン電圧端子VC、プログラム書き込み端子PG、ベリファイ信号端子VF、グランド端子Gそれぞれが、本体側コネクタ501の対応するコモン電圧端子VC、プログラム書き込み端子PG、ベリファイ信号端子VF、グランド端子Gそれぞれに接続される。この結果、コモン電圧端子VCを通じてコモン電圧線VccにMCUのプログラム書き込みに必要な5Vの高電圧がプログラム書き込み装置側から印加されることになる。
【0051】
次に、モード切り替え回路500とマイクロコントローラMCUのモード切り替え動作について説明する。
【0052】
[プログラム書き込みモード]
本実施の形態の耳式体温測定装置を動作させるためのプログラムをMCU内のフラッシュメモリFLMに書き込む必要が生じたり、また同プログラムの更新する必要が生じたりした場合には、図12に示したようにプログラム書き込み装置を用意し、その書き込み装置側コネクタ4’を本体側コネクタ501に接続する。これにより、プログラム書き込み装置側コネクタ4’の高電圧5Vのコモン電圧端子VC、プログラム書き込み端子PG、ベリファイ信号端子VF、グランド端子Gそれぞれが、本体側コネクタ501の対応するコモン電圧端子VC、プログラム書き込み端子PG、ベリファイ信号端子VF、グランド端子Gそれぞれに接続される。この結果、コモン電圧端子VCを通じてコモン電圧線VccにMCUのプログラム書き込みに必要な5Vの高電圧がプログラム書き込み装置側から供給されることになる。これにより、次の動作により、MCUはプログラム書き込みモード、つまりフラッシュモードに移行する。
【0053】
プログラム書き込み装置の接続により、コモン電圧線の電圧Vccが5Vの高電圧になると、トランジスタQRは導通状態となり、TESTポート531の電圧もHIGHとなる。これにより、MCUはフラッシュモードに移行し、CPUはプログラム書き込みポート534からのデータをフラッシュメモリFLMに書き込む。そしてベリファイ信号をベリファイ信号ポート533からプログラム書き込み装置側に出力する。
【0054】
[ランモード]
プログラムの書き込みあるいは更新が完了してプログラム書き込み装置が外され、本体側コネクタ501に図11に示すように測温プローブ2の雄型コネクタ4が接続されると、次の手順にてマイクロコントローラMCUがランモードに移行し、測温動作に入る。
【0055】
測温プローブ2側の雄型コネクタ4が装置本体側コネクタ501に接続されると、この雄型コネクタ4側の端子VA,VBを通じて装置本体5側のコネクタ501のバッテリ電源端子BTとコモン電圧端子VCとが接続され、測定装置本体5内のコモン電圧線Vccにバッテリ電圧(通常時、約3V)が印加され、モード切り替え回路500は次の手順にてトランジスタQRを不導通状態にしてマイクロコントローラMCUのテストポート531の印加電圧をLOWにし、このMCUを通常動作状態であるランモードに切り替え、測定装置本体5を起動して耳式体温測定装置1として使用可能にする。
【0056】
バッテリ502からのコモン電圧Vcc=3Vが印加されると、このコモン電圧Vccとレギュレータ58の出力電圧である基準電圧Vref=2.2Vとの電圧差は0.8Vである。トランジスタQRのエミッタ・ベース間開放電圧は−0.28Vであり、トランジスタQRのベースのオン電圧は−0.6Vであるから、このときにはトランジスタQRはオフとなり、TESTポート531の電圧はLOW=0Vとなる。これにより、MCUはランモードであると判断し、フラッシュメモリFLMに書き込まれているプログラムを実行するランモードに移行する。
【0057】
このランモードの際には、抵抗R8に流れる電流は約6μAであり、極めて少ない電流である。加えて、抵抗R8に流れる電流はレギュレータ58からの電流と合流してAD変換器53に供給されるため、このレギュレータ58にコモン電圧線Vccから供給される電流はこの抵抗R8に流れる電流と同じだけ減少する。この結果、本実施の形態のモード切り替え回路500によれば、該回路の増設により増加する消費電流は実質的にはほぼ0であることになる。
【0058】
以上により、本実施の形態のモード切り替え回路500の増設により、MCUのモード切り替えのために通常必要とされているモード切り替えスイッチを必要とせず、回路構成を単純化してコスト増加を抑えることができると共に回路面積の増加も抑制でき、ひいては測定装置本体5の小型化を阻害しないメリットがある。加えて、モード切り替え回路500の増設により消費電流の実質的な増加が無視できるので、内蔵バッテリ502の消耗を早めることがないメリットもある。
【0059】
尚、上記実施の形態の抵抗値やトランジスタの特性値は例示したものであり、その数値の者に特定されることはなく、装置の用途、サイズ、規模等々の仕様に応じて適宜に変更可能である。
【0060】
また、モード切り替え回路500については、図13に示すオペアンプOPを用いたもの(第2の実施の形態)、あるいは図14に示すCMOSインバータCMを用いたもの(第3の実施の形態)を採用することも可能である。
【0061】
図13に示すモード切り替え回路500Aは次の構成である。コモン電圧線VccとグランドGNDとの間に抵抗R6A,R7Aを直列に接続し、この抵抗R6A,R7Aの接続中点にコンパレータとして動作するオペアンプOP2の+入力端子を接続している。そしてオペアンプOP2の−端子は抵抗R5Aを介してレギュレータ58の出力線に接続している。オペアンプOP2の出力はマイクロコントローラMCUのテストポート531に接続し、このテストポート531にHIGH、LOWの電圧を切り替えて出力するようにしてある。このモード切り替え回路500Aでは、レギュレータ58の出力電圧Vref=2.2Vであり、オペアンプOP2はプログラム書き込み装置側からの高電圧5Vと内蔵バッテリ502からの低電圧3V(通常電圧)との間の4Vにてスイッチングする設定である。したがって、プログラム書き込み装置が接続され、コモン電圧Vcc=5VになればオペアンプOP2は反転し、このコモン電圧Vccが抵抗R6Aにて降圧されたVthがそのままMCUのテストポート531にHIGH電圧として出力されてMCUをプログラム書き込みモードに移行させる。逆に、測温プローブ2のコネクタ4が接続され、コモン電圧Vccがバッテリ502の電圧3VになればオペアンプOP2は再反転して、レギュレータ58の出力Vrefを抵抗R5Aにて降圧した電圧をMCUのテストポート531にLOW電圧として出力し、MCUを通常動作モード、つまり、ランモードに移行させる。尚、MCUのモード切り替え動作は上述した第1の実施の形態と同様である。
【0062】
本実施の形態の場合にも、抵抗R6A,R7AがオペアンプOPの+側に接続されており、それゆえに極めて高いインピーダンスの入力が可能である。そのため、この抵抗R6A,R7Aに高抵抗値の素子を採用することができ、それにより第1の実施の形態と同様にオペアンプOPが反転動作しない状態ではコモン電圧線からグランドにほとんど電流が流れず、バッテリの消耗を抑制することができる。
【0063】
図14に示すモード切り替え回路500Bは次の構成である。コモン電圧線VccとグランドGNDとの間にCMOSインバータU1を設置し、このスイッチング端子とレギュレータ58の出力との間を抵抗R5Bを介して接続し、またスイッチング端子とグランドGNDとの間を抵抗R6Bを介して接続している。CMOSインバータU1は電流検出電圧の1/2に入力で出力を反転するため、スイッチング端子にレギュレータ58の出力である基準電圧Vref=2.2Vから2Vに降圧した電圧が入力するように抵抗R5B,R6Bは設定することで、コモン電圧Vccが4Vよりも高くなった時にコモン電圧VccをHIGHとしてマイクロコントローラMCUのテストポート531に出力し、コモン電圧Vccが4Vよりも低くなった時に反転してLOW電圧をMCUのテストポート531に出力する。
【0064】
このモード切り替え回路500Bでは、プログラム書き込み装置が接続され、コモン電圧Vcc=5VになればCMOSインバータU1は反転し、このコモン電圧VccをそのままMCUのテストポート531にHIGH電圧として出力してMCUをプログラム書き込みモードに移行させる。逆に、測温プローブ2のコネクタ4が接続され、コモン電圧Vccがバッテリ502の電圧3VになればCMOSインバータU1は再反転してLOW=0の電圧をMCUのテストポート531に出力し、MCUを通常動作モード、つまり、ランモードに移行させる。尚、MCUのモード切り替え動作は上述した第1の実施の形態と同様である。
【0065】
本実施の形態の場合にも、抵抗R6Bに高抵抗値の素子を採用することができ、それにより第1の実施の形態と同様にCMOSインバータU1が反転動作しない状態ではコモン電圧線からグランドにほとんど電流が流れず、バッテリの消耗を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本発明の1つの実施の形態の耳式体温測定装置の概略構成説明図。
【図2】上記実施の形態の耳式体温測定装置の回路ブロック図。
【図3】上記実施の形態の耳式体温測定装置を構成するプローブの一部破断側面図。
【図4】上記実施の形態の耳式体温測定装置におけるプローブを構成するセンサミラーの縦断面図。
【図5】上記実施の形態の耳式体温測定装置におけるセンサミラーを構成する可撓性印刷回路基板の平面図。
【図6】図4のVI−VI線から見たセンサミラーの正面図。
【図7】図6の矢印VII方向から見たセンサミラーの斜視図。
【図8】図6の矢印VIII方向から見たセンサミラーの斜視図。
【図9】上記実施の形態の耳式体温測定装置における抵抗値出力回路部分の回路図。
【図10】上記実施の形態の耳式体温測定装置における測定装置本体内のMCUのモード切り替え機能部の回路ブロック図。
【図11】上記実施の形態の耳式体温測定装置における測定装置本体と測温プローブとのコネクタ接続の説明図。
【図12】上記実施の形態の耳式体温測定装置における測定装置本体とプログラム書き込み装置とのコネクタ接続の説明図。
【図13】本発明の第2の実施の形態の測定装置本体におけるモード切り替え回路部分を含むモード切り替え機能部の回路ブロック図。
【図14】本発明の第3の実施の形態の測定装置本体におけるモード切り替え回路部分を含むモード切り替え機能部の回路ブロック図。
【符号の説明】
【0067】
1 耳式体温測定装置
2 プローブ
3、6 ケーブル
4 (測温プローブ側の)雄型コネクタ
4’ (プログラム書き込み装置側の)コネクタ
5 測定装置本体
9 測温対象者
9a 耳孔
21 本体部
22 測温部
23 タブ
24 センサミラー
25 第1センサ
26 第2センサ
27 保護カバー
53 制御信号処理回路
54 抵抗値出力回路
58 レギュレータ
500 モード切り替え回路
501 (測温装置本体側の)コネクタ
531 テストポート
532 コモン電圧ポート
533 ベリファイ信号ポート
534 プログラム書き込みポート
535 音字信号入力ポート
MCU マイクロコントローラ
CPU 中央演算処理装置
FLM フラッシュメモリ
R1〜R8,R5A〜R7A,R5B,R6B 抵抗
QR トランジスタ
Vcc コモン電圧
OP2 オペアンプ
U1 CMOSインバータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コモン電圧線と、
電源としての内蔵バッテリと、
測温プローブプラグを接続するためのコネクタであって、前記コモン電圧線にコモン電圧端子が接続されているコネクタと、
前記測温プローブの温度センサを制御し、かつ前記温度センサからの測定温度に対応した抵抗値出力信号を入力してデジタル温度値に変換して出力するフラッシュタイプのマイクロコントローラであって、テストポートと、プログラム書き込みポートと、前記コモン電圧線に接続されているコモン電圧ポートを有し、前記テストポートに第1の所定電圧より高いHIGH電圧が印加された時にフラッシュモードとなり、前記書き込みポートからのプログラム書き込みを可能とし、前記テストポートに印加電圧に前記第1の所定電圧より低いLOW電圧が印加された時にランモードとなるマイクロコントローラと、
前記コモン電圧線に入力側が接続され、一定電圧の基準電圧を出力する電圧レギュレータと、
前記コモン電圧線に接続され、コモン電圧が第2の所定電圧より高い時に前記マイクロコントローラのテストポートに前記HIGH電圧を印加し、前記コモン電圧が前記第2の所定電圧より低い時に前記マイクロコントローラのテストポートに前記LOW電圧を印加し、かつ、前記コモン電圧線から当該モード切り替え回路に流れるリーク電流を前記電圧レギュレータの出力にバイパスさせて合流させるモード切り替え回路とを備え、
前記コネクタは、前記コモン電圧端子と共に、前記内蔵バッテリと接続されたバッテリ電源端子と、前記マイクロコントローラの書き込みポートに接続されたプログラム書き込み端子と、前記測温プローブの温度センサからの測定温度に対応した抵抗値出力信号を入力するためのセンサ接続端子とを有していることを特徴とする耳式体温測定装置の測定装置本体。
【請求項2】
前記モード切り替え回路は、前記コモン電圧線にエミッタが接続され、前記テストポートにコレクタが接続され、前記コモン電圧線にバイアス抵抗を介してベースが接続されたPNP型トランジスタと、前記コレクタとグランドとの間に介挿され、当該トランジスタが導通状態の時に当該コレクタの電圧を前記HIGH電圧にする第1の抵抗と、前記トランジスタのベースと前記レギュレータの出力との間に介挿された第2の抵抗とで構成されていることを特徴とする請求項1に記載の耳式体温測定装置の測定装置本体。
【請求項3】
前記モード切り替え回路は、コモン電圧線とグランドとの間に2個の抵抗を直列に接続し、前記2個の抵抗の接続中点にコンパレータとして動作するオペアンプの+入力端子を接続し、前記オペアンプの−端子を別の抵抗を介してレギュレータの出力線に接続し、前記オペアンプの出力端子をマイクロコントローラテストポートに接続した構成であり、
前記オペアンプの+端子に印加される電圧が前記コモン電圧線に印加されるバッテリ電圧とプログラム書き込み電圧との中間電圧よりも高い電圧の時に前記オペアンプを導通させて前記コモン電圧線のコモン電圧をHIGH電圧として前記テストポートに出力し、前記中間電圧よりも低い電圧の時に前記オペアンプを不導通になるように反転させるようにしたことを特徴とする請求項1に記載の耳式体温測定装置の測定装置本体。
【請求項4】
前記モード切り替え回路は、前記コモン電圧線とグランドとの間にCMOSインバータを設置し、前記CMOSインバータのスイッチング端子とレギュレータの出力との間を抵抗を介して接続し、前記CMOSインバータの出力を前記テストポートに接続した構成であり、
前記CMOSインバータを前記スイッチング端子に印加される電圧が前記コモン電圧線に印加されるバッテリ電圧とプログラム書き込み電圧との中間電圧よりも高い電圧の時に前記コモン電圧線のコモン電圧をHIGH電圧として前記テストポートに出力し、前記中間電圧よりも低い電圧の時に前記抵抗を通じて降圧した前記レギュレータの出力電圧をLOW電圧として前記テストポートに出力するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の耳式体温測定装置の測定装置本体。
【請求項5】
前記コネクタは、測温プローブ側コネクタを接続することで当該測温プローブ側コネクタの短絡された2個の端子を介して前記バッテリ電源端子とコモン電圧端子とが接続され、プログラム書き込み装置側コネクタを接続することで当該プログラム書き込み側コネクタの前記第2の所定電圧の電圧端子に前記コモン電圧端子が接続されるものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の耳式体温測定装置の測定装置本体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2009−297166(P2009−297166A)
【公開日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−153342(P2008−153342)
【出願日】平成20年6月11日(2008.6.11)
【出願人】(500374294)株式会社バイオエコーネット (8)
【Fターム(参考)】