説明

肢体用マッサージ装置

【課題】人体の肢体を捻ることを抑制しつつ、施療位置を肢体の周方向に変更できる肢体用マッサージ装置を提供する。
【解決手段】人体の肢体をマッサージする肢体施療用空気袋31〜34が設けられた施療凹部20を有した台要素25,26と29,30とを前後方向に複数並設して、肢体載せ台22を形成する。各台要素25〜30を周方向に夫々回動可能に設ける。各台要素25〜30を個別に回動させる複数の台回動用空気袋(台回動手段)の動作及び各肢体施療用空気袋31〜34の膨縮動作を制御する制御部を有したエアー給排気装置(駆動装置)を備える。制御部が有した施療位置変更モードによって、一部の台要素に配設された肢体施療用空気袋を膨張保持させた状態下で他の台要素を台回動用空気袋で回動させて、他の台要素に配設された肢体施療用空気袋の肢体の周方向に対して施療位置を変えるようにしている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気袋を膨縮させて人体の下肢などの肢体をマッサージする肢体用マッサージ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、座部の前側に足載部を連接し、この足載部が有した左右一対の収容溝の溝側面の夫々にマッサージ用のエアセルを設け、これらエアセルをエアー給排気装置により繰り返し膨縮させることにより、収容溝に納められた着座者の下腿をその側方からエアセルで圧迫・弛緩してマッサージをする椅子式のマッサージ機が知られている。
【0003】
このマッサージ機において、収容溝に納められた着座者の下腿の周方向に対するマッサージ用エアセルの位置を変更する、つまり、施療位置を周方向に変更するために、足載部を左右独立した分離足載部で形成し、これら分離足載部の隣り合う壁部を上部で枢支連結するとともに、下部に蛇腹状の足載部回動用エアセルを介設して、この回動用エアセルで左右一対の分離足載部を回動させるようにした技術が知られている(例えば特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2004−41383号公報(段落0122−0132、図1、図14)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の椅子式のマッサージ機で、一対の分離足載部が基本位置に配置された状態では、単一の収容溝を有した左右の分離足載部が平行に配置されていてそれらの収容溝の上端開口が真上を向いている。このため、着座者の両足を左右の分離足載部の収容溝に自然に無理なく出し入れできる。しかし、着座者の両足が基本位置に配置された左右の分離足載部の収容溝に納まっている状態で、回動用エアセルを膨張して、一対の分離足載部を回動させることにより施療位置を周方向に変更させた場合には、一対の分離足載部の回動方向に着座者の両足が捻られる。このように捻られた状態では、足に加わっている不自然な力によって不快感を覚え易いので、この状態が持続されたままエアーマッサージが行われることは好ましくなく、その改善が望まれている。
【0005】
本発明の目的は、人体の肢体を捻ることを抑制しつつ、施療位置を肢体の周方向に変更できる肢体用マッサージ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために、本発明は、人体の肢体をマッサージする肢体施療用空気袋が設けられた施療凹部を有した台要素を前後方向に複数並設して肢体載せ台を形成し、かつ、各台要素を周方向に夫々回動可能に設け、各台要素を個別に回動させる複数の台回動手段の動作及び各肢体施療用空気袋の膨縮動作を制御する制御部を有した駆動装置を備えるとともに、制御部が有した施療位置変更モードによって、一部の台要素に配設された肢体施療用空気袋を膨張保持させた状態下で他の台要素を台回動手段で回動させて、他の台要素に配設された肢体施療用空気袋の肢体の周方向に対する施療位置を変えるようにしている。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、人体の肢体を捻ることを抑制しつつ、施療位置を肢体の周方向に変更できる肢体用マッサージ装置を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
図1〜図7を参照して本発明の第1実施形態を説明する。図1中符号1で示す椅子式のマッサージ機は、椅子本体2と、肢体用マッサージ装置として例えば下腿用マッサージ装置21と、駆動装置として例えばエアー給排気装置50(図5参照)とを備えている。
【0009】
椅子本体2は、座部3及び背もたれ4を備えている。座部3は、着座部3aと、この着座部3aを支持する左右の脚部3bとを有している。脚部3bは肘掛けを兼ねている。肘掛けに相当する部分は省略することが可能である。背もたれ4は座部3の後ろ側に斜め上向きに配置されている。背もたれ4は、その傾き角が固定であってもよく、又、リクライニング機構により傾き角を調整できるように設けられていてもよい。一方の脚部3bの肘掛け部となる上面部には、操作部として例えばリモートコントローラ5が取外し可能に配置されている。このリモートコントローラ5は、図示しないが電源釦や各種のマッサージモード等をエアー給排気装置50に入力するための選択釦等を有している。
【0010】
座部3には、少なくとも一つの施療要素として複数例えば二つの空気袋11,12が、座部3の幅方向に延びて設けられている。空気袋11は、それが使用されるときは膨縮を繰り返して椅子本体2に着座した使用者(着座者)の尻部をエアーマッサージするもので、座部3の後部に配設されている。空気袋12は、それが使用されるときは膨縮を繰り返して着座者の上腿部をエアーマッサージするもので、座部3の前部に配設されている。
【0011】
背もたれ4には、少なくとも一つの施療要素として複数の空気袋13〜15が設けられている。空気袋13は、背もたれ4の下端部に左右一対配設されていて、それが使用されるときは膨縮を同期して繰り返して着座者の腰部をエアーマッサージする。空気袋14は、背もたれ4の幅方向中央部に上下方向に延びて配設されていて、それが使用されるときは膨縮を繰り返して着座者の背筋部をエアーマッサージする。空気袋15は、背もたれ4の上部に左右一対配設されていて、それが使用されるときは膨縮を同期して繰り返して着座者の背中部をエアーマッサージする。
【0012】
各空気袋11〜15は椅子本体2の柔軟性を有したカバーで覆われている。なお、椅子本体2の施療要素は無くてもよい。しかし、椅子本体2の少なくとも背もたれ4に施療要素を設ける場合、その施療要素は、空気袋に代えて例えば一対の揉み玉を有したいわゆる機械式の施療要素を用いることができるとともに、この機械式の施療要素と空気袋からなる施療要素とを併用することも可能である。
【0013】
座部3の前端部には、図示しないが枢軸で取付けられた支持ベースが上下方向に回動可能に連結されていて、この支持ベースに下腿用マッサージ装置21が装着されている。枢軸を中心とする支持ベースの回動により、下腿用マッサージ装置21は、着座部3aの前端に連続して、前方下側に傾斜若しくは略水平となる第1の位置と、図1に示すように座部3の前端から下方に折れ曲がるように立てられた第2の位置とにわたって移動できる。しかも、支持ベースが図示しないラチェット機構などからなる位置決め手段で複数の角度に位置決めされるので、下腿用マッサージ装置21は、第1の位置及び第2の位置に位置決めされる他、これらの間でも斜めの姿勢で位置決めされる。
【0014】
下腿用マッサージ装置21は、肢体載せ台として例えば下肢載せ台22と、肢体施療用空気袋31〜34と、台回動手段として例えば台回動用空気袋36〜39と、エアー給排気装置50とを具備している。
【0015】
下肢載せ台22は、左右一対の台要素を複数前後方向に並設した構成を有しており、図1及び図4に示すように本実施形態では、左右一対の前側の台要素25,26と、左右一対の後側の台要素29,30とを、前後方向に並設している。なお、本明細書で、「前側」とは使用者を基準とし、この使用者の足先や手先などの末端に近い側、本実施形態の場合には足先側を指しており、又、「後側」とは使用者の心臓に近い側、本実施形態の場合には膝側を指している。
【0016】
前側の台要素25,26及び後側の台要素29,30の夫々は、同一形状であり、着座者の下腿を出し入れできる大きさの凹溝状をなした施療凹部20を有している。着座者の下腿は前後方向に隣接して連続する施療凹部20にわたって収容される。詳しくは、人体の心臓に近い肢体部位、具体的には下腿の膝側部位が後側の台要素29,30の施療凹部20に出し入れされ、人体の末端に近い肢体部位、具体的には下腿の足先側部位が前側の台要素25,26の施療凹部20に出し入れされる。
【0017】
図2及び図3に示すように施療凹部20の内面形状は、この施療凹部20の幅方向における中心を通る直線l上の点Oを中心として描かれる円弧形状を少なくとも下部に含んでいる。ここに、施療凹部20の幅方向における中心を通る直線lとは、施療凹部20の前後方向に延びて開放された開放面の幅方向における中心と、前記開放面と略平行で施療凹部20と交差する任意な面上で施療凹部20内での幅方向における中心とを通る直線を指している。
【0018】
前側(足元側)の台要素25の施療凹部20の両側面の少なくとも一方、好ましくは幅方向に対向するように位置する両側面に、同期して膨縮される肢体施療用空気袋31が夫々配設されているとともに、前側(足元側)の台要素26の施療凹部20の両側面の少なくとも一方、好ましくは幅方向に対向するように位置する両側面に、同期して膨縮される肢体施療用空気袋32が夫々配設されている。同様に、後側(膝側)の台要素29の施療凹部20の両側面の少なくとも一方、好ましくは幅方向に対向するように位置する両側面に、同期して膨縮される肢体施療用空気袋33が夫々配設されているとともに、後側(膝側)の台要素30の施療凹部20の両側面の少なくとも一方、好ましくは幅方向に対向するように位置する両側面に、同期して膨縮される肢体施療用空気袋34が夫々配設されている。各肢体施療用空気袋31〜34は、その膨縮の繰り返しによって人体の下腿を半径方向に沿って側方からエアーマッサージするとともに、膨張状態を維持する場合には下腿をホールドするために使用される。なお、下腿用マッサージ装置21は、各台要素25,26,29,30、後述する支持枠、及び各肢体施療用空気袋31〜34を覆う柔軟性のカバーを有していても、有しなくてもよい。
【0019】
対をなす前側の台要素25,26は、これらの前後に重なるように配置された支持部材として例えば支持プレート23,24に回動自在に支持されている。支持プレート23,24は前記支持ベースにこれから起立するように固定されている。支持プレート23,24は、図2に示した前側の支持プレート23で代表して示すように施療凹部20の前後方向の開放端面に沿う切欠き23aを有して、この開放端面を塞がないように形成されている。
【0020】
支持プレート23,24に対して前側の台要素25,26を回動自在に支持するために、図2に示した前側の支持プレート23で代表して示すように前記切欠き23aに沿うガイド部41を支持プレート23,24に夫々設けるとともに、このガイド部41に規定されて動く従動部42を前側の台要素25,26に設けている。ガイド部41は例えば円弧状のガイド孔からなり、従動部42は前側の台要素25,26の夫々に一体に形成した突部からなる。なお、この逆に、前側の台要素25,26の夫々に円弧状の溝からなる従動部42を設けるとともに、支持プレート23,24の夫々に突部からなるガイド部41を設けてもよい。
【0021】
この構成により、前側の台要素25,26は、周方向に回動、より具体的には、前記直線l上に位置する点であって、かつ、施療凹部20の内面形状により仮想される円Cの略中心である点Oを中心として回動できる。ここに、施療凹部20の内面形状により仮想される円Cの略中心とは,施療凹部20の内面形状により仮想される円の実質的な中心であって、下腿が施療凹部20に収容された状態で、この下腿の上下方向及び左右(幅)方向の位置が殆ど変わらないように前側の台要素25,26を回動させることができる回動中心を指しており、この回動の際において製造上の寸法公差等に基づく下腿の若干の移動は許容されるものである。前側の台要素25,26を回動させた際に,その回動中心が施療凹部20の内面形状により仮想される円Cの略中心である点Oからずれることを防止するために、図2に例示したようにガイド部41及び従動部42は夫々複数設けることが好ましい。
【0022】
同様に、対をなす後側の台要素29,30は、これらの前後に重なるように配置された支持部材として例えば支持プレート27,28に回動自在に支持されている。支持プレート27,28は前記支持ベースにこれから起立するように固定されている。支持プレート27,28は、図3に示した後側の支持プレート28で代表して示すように施療凹部20の前後方向の開放端面に沿う切欠き28aを有して、この開放端面を塞がないように形成されている。
【0023】
支持プレート27,28に対して後側の台要素29,30を回動自在に支持するために、図3に示した後側の支持プレート28で代表して示すように前記切欠き28aに沿う複数のガイド部43を支持プレート27,28に夫々設けるとともに、このガイド部43に規定されて動く従動部44を後側の台要素29,30に設けている。複数のガイド部43は例えば円弧状のガイド孔からなり、従動部44は後側の台要素29,30の夫々に一体に形成した突部からなる。なお、この逆に、後側の台要素29,30の夫々に円弧状の溝からなる従動部44を設けるとともに、支持プレート27,28の夫々に突部からなるガイド部43を設けてもよい。この構成により、後側の台要素29,30は、前記直線l上に位置する点であって、かつ、施療凹部20の内面形状により仮想される円Cの略中心である点Oを中心として回動できる。なお、前後に隣接した前側の台要素25と後側の台要素29との回動中心となる点Oは夫々前後方向に略一致している。後側の台要素29,30を回動させた際に,その回動中心が施療凹部20の内面形状により仮想される円Cの略中心である点Oからずれることを防止するために、図3に例示したようにガイド部43及び従動部44は夫々複数設けることが好ましい。
【0024】
支持プレート23,24は前後方向に延びるとともに断面コ字状をなした連結部材45(図2参照)で連結されている。これら支持プレート23,24及び連結部材45は、一対の台要素25,26を既述のように回動可能に支える支持枠を形成しており、この支持枠は図示しない前記支持ベースに固定されている。連結部材45は左右一対の台要素25,26間に配置されている。同様に、支持プレート27,28は前後方向に延びるとともに断面コ字状をなした連結部材46(図3参照)で連結されている。これら支持プレート27,28及び連結部材46は、一対の台要素29,30を既述のように回動可能に支える支持枠を形成しており、この支持枠は図示しない前記支持ベースに固定されている。連結部材46は左右一対の台要素29,30間に配置されている。
【0025】
前側の台要素25を回動させる台回動用空気袋36は、その一側縁を図2に示すように連結部材45の一側壁45aとこれに対向した前側の台要素25の側面との一方に固定して、これらの間に配置されている。同様に、前側の台要素26を回動させる台回動用空気袋37も、その一側縁を図2に示すように連結部材45の他側壁45bとこれに対向した前側の台要素26の側面との一方に固定して、これらの間に配置されている。空気袋36、37が収縮状態にあるときに、前側の台要素25,26はその自重又はばねの付勢力により図2中実線で示す基準位置に配置され、空気袋36、37が膨張状態に保持されているときに、前側の台要素25,26は図2中二点鎖線で示すように所定角度回動された使用位置に配置される。
【0026】
後側の台要素29を回動させる台回動用空気袋38は、その一側縁を図3に示すように連結部材46の一側壁46aとこれに対向した後側の台要素29の側面との一方に固定して、これらの間に配置されている。同様に、後側の台要素30を回動させる台回動用空気袋39も、その一側縁を図3に示すように連結部材46の他側壁46bとこれに対向した後側の台要素29の側面との一方に固定して、これらの間に配置されている。空気袋38,39が収縮状態にあるときに、後側の台要素29,30はその自重又はばねの付勢力により図3中実線で示す基準位置に配置され、空気袋38,39が膨張状態に保持されているときに、後側の台要素29,30は図3中二点鎖線で示すように所定角度回動された使用位置に配置される。
【0027】
椅子本体2の下部例えば座部3の下側空間にはユニット化されたエアー給排気装置50が配置されている。図5に示すようにエアー給排気装置50は、エアーコンプレッサ51、フィルタタンク52、分配切換器53、第1の電磁弁54、第2の電磁弁55、第3の電磁弁56、第4の電磁弁57、第5の電磁弁66、第6の電磁弁67、及びこれらを制御する制御部58などを備えている。
【0028】
圧縮空気を生成するエアーコンプレッサ51の吐出口は、脈動吸収用のフィルタタンク52に接続されている。フィルタタンク52の出口に接続された供給管61は、第1〜第5の供給管61a〜61eに分岐されている。第1の供給管61aは分配切換器53の入口に接続され、第2〜第5の供給管61b〜61eには第1〜第4の電磁弁54〜57が個別に接続されている。更に、第3の供給管61dには第3の電磁弁56の上流側に位置して第5の電磁弁66が設けられているとともに、第4の供給管61eには第4の電磁弁57の上流側に位置して第6の電磁弁67が設けられている。
【0029】
分配切換器53には例えばロータリー式のものが使用されているが、複数の電磁弁を用いてもよい。ロータリー式の分配切換器53は、第1の供給管61aが接続された一つの吸気ポートと、各マッサージ用空気袋11〜15が個別に給排気チューブを介して接続された複数の分配ポートと、一つの排気ポートとを有している。この分配切換器53は、流路切換え用のロータの回転により、任意に選択された分配ポートを吸気ポートに連通させるとともに、選択されなかった分配ポートを排気ポートに連通させて、各マッサージ用空気袋11〜15に対する選択的吸気と選択的排気とができるように形成されている。
【0030】
第1〜第4の電磁弁54〜57は、いずれも給気位置と排気位置とを選択できる流路切換弁であり、排気位置ではその上流側の供給管61との連通が断たれるようになっている。第5の電磁弁66及び第6の電磁弁67はいずれも開閉弁である。
【0031】
第1の電磁弁54には、前側の台要素25,26に夫々取付けられた肢体施療用空気袋31,32が給排気チューブ62を介して接続されている。給排気チューブ62は、2系統に分岐されているとともに、夫々系統が更に2系統に分岐されていて、夫々の分岐端が肢体施療用空気袋31,32に個別に接続されている。したがって、4個の肢体施療用空気袋31,32は同期して膨縮される。同様に、第2の電磁弁55には、後側の台要素29,30に夫々取付けられた肢体施療用空気袋33,34が給排気チューブ63を介して接続されている。給排気チューブ63は、2系統に分岐されているとともに、夫々系統が更に2系統に分岐されていて、夫々の分岐端が肢体施療用空気袋33,34に個別に接続されている。したがって、4個の肢体施療用空気袋33,34は同期して膨縮されるものである。
【0032】
第3の電磁弁56には、2系統に分岐された給排気チューブ64を介して前側の台要素25,26を回動させる台回動用空気袋36,37が接続されている。同様に、第4の電磁弁57には、2系統に分岐された給排気チューブ65を介して後側の台要素29,30を回動させる台回動用空気袋38,39が接続されている。
【0033】
制御部58はマイクロコンピュータで形成されており、その図示しないメモリには各種の動作モードを実行させるプログラム等が格納されている。この制御部58は、リモートコントローラ5により指定された動作モードに従ってエアーコンプレッサ51、分配切換器53の動作を制御して、各マッサージ用空気袋11〜15に対する選択的給排気を行わせる。更に、制御部58は、エアーコンプレッサ51及び電磁弁54,55を制御して、肢体施療用空気袋31〜34に対する給排気を制御する。これとともに制御部58は、エアーコンプレッサ51及び電磁弁56,57,66,67を制御して、台回動用空気袋36,37及び38,39に対する給排気を制御する。
【0034】
空気袋11〜15に対する動作モードとしては、全身マッサージコース、上半身マッサージコース、下半身マッサージコース、尻、腰、中、背筋部、下腿などの身体各部を単独にマッサージするポイントマッサージモード、下腿を除いた各ポイントマッサージモードに下腿ポイントマッサージモードを同時に実施させる同時動作モード等が設定されている。
【0035】
又、下腿用マッサージ装置21に対する動作モードとしては、施療位置変更モード、前側の4個の肢体施療用空気袋31,32を同期して膨縮させる前側膨縮モード、後側の4個の肢体施療用空気袋33,34を同期して膨縮させる後側膨縮モード、肢体施療用空気袋31,32と肢体施療用空気袋33,34とを同時に膨縮させる同時膨縮モード、肢体施療用空気袋31,32と肢体施療用空気袋33,34とを交互に膨縮させる交互膨縮モード等が設定されている。施療位置変更モードは、台要素25,26又は台要素29,30の一方を他方に対して回動させて肢体である下腿の周方向に対する施療位置を変えるモードである。
【0036】
椅子式のマッサージ機1が備えた下腿用マッサージ装置21において、各台回動用空気袋36〜39がいずれも収縮状態にあるときは、前側の台要素25,26と後側の台要素29,30とは基準位置にある。この基準位置に配置された状態では、図4(A)に示すように台要素25,26、29,30が、それらの施療凹部20の前後方向に延びる開放面が真上を向いた姿勢となっているので、施療凹部20に着座者の下腿を容易に出し入れできる。
【0037】
下腿用マッサージ装置21の台回動用空気袋36,37が夫々膨張保持された状態にあるときは、図4(C)に示すように前側の台要素25,26のみが、それらの施療凹部20の前後方向に延びる開放面を互に向い合わせる方向に後側の台要素29,30に対して所定角度回動された状態に保持される。この状態では、図4(A)の状態に比較して前側の台要素25,26とともに肢体施療用空気袋31,32が移動するので、これら肢体施療用空気袋31,32による下腿の周方向に対する施療位置が変わる。
【0038】
同様に、下腿用マッサージ装置21の台回動用空気袋38,39が夫々膨張保持された状態にあるときは、図4(B)に示すように後側の台要素29,30のみが、それらの施療凹部20の前後方向に延びる開放面を互に向い合わせる方向に前側の台要素25,26に対して所定角度回動された状態に保持される。この状態では、図4(A)の状態に比較して後側の台要素29,30とともに肢体施療用空気袋33,34が移動するので、これら肢体施療用空気袋33,34による下腿の周方向に対する施療位置が変わる。
【0039】
次に、施療位置変更モードを含んだ後側膨縮モードで下腿をマッサージする場合を図6により説明する。図6(A)は各台要素25,26、29,30が夫々基準位置にある状態を示しており、この状態で、図示しない着座者の下腿が前後に隣接した施療凹部20に収容される。
【0040】
図6(B)は、前側の台要素25,26に配設されている肢体施療用空気袋31,32が膨張保持された状態を示している。この状態は、制御部58により第1の電磁弁54を給気状態に維持することで実現される。これにより、下腿の足首側部位が幅方向の両側から膨張された肢体施療用空気袋31,32で挟まれてホールドされる。
【0041】
図6(C)は、肢体施療用空気袋31,32で脚の足首側をホールドしたまま後側の台要素29,30を所定角度回動させた状態を示している。この回動は、制御部58により第6の電磁弁67を開くとともに第4の電磁弁57を給気位置とすることにより、台回動用空気袋38,39を同期して膨張させて行われる。そして、膨張完了後には制御部58により第6の電磁弁67が閉じられるので、図6(C)の状態が保持される。図6(B)と図6(C)とは後側の台要素29,30に対する施療位置変更モードを示している。
【0042】
図6(D)は、図6(C)の状態から後側の台要素29,30の肢体施療用空気袋33,34を同期して膨張させた状態を示しており、これにより、下腿の膝側部位が径方向に沿って側方から圧迫される。図6(E)は、図6(D)の状態から後側の台要素29,30の膨張状態にあった肢体施療用空気袋33,34を同期して収縮させた状態を示しており、これにより、下腿の膝側部位に対する圧迫が解放される。こうした肢体施療用空気袋33,34の膨縮は、制御部58で第2の電磁弁55を給気位置と排気位置とに切換えて所定回数行われる。こうした図6(D)と図6(E)との繰り返しにより、下腿の膝側部位について図6(C)の段階で変更された施療位置に対するエアーマッサージが施される。
【0043】
図6(F)は、エアーマッサージ終了後に、図6(E)の状態から制御部58で第4の電磁弁57を排気位置に切換えて、台回動用空気袋38,39から排気をして、これらの空気袋38,39を収縮させた状態を示している。
【0044】
図6(G)は、以上のようにして後側の台要素29,30が基準位置に戻された後に、制御部58で第1の電磁弁54を排気位置に切換えて、肢体施療用空気袋31,32から排気をして、これらの肢体施療用空気袋31,32を収縮させて、図6(A)の状態に戻された状態を示している。
【0045】
なお、図6(A)〜(G)に示した下腿の膝側部位マッサージにおいて、図6(D)及び図6(E)の状態では、肢体施療用空気袋31,32から排気をしてこれら肢体施療用空気袋31,32による下腿における足首側部位のホールドを解除することも可能であるが、そうした場合には、図6(E)から図6(F)のように台要素29,30を戻す際に、再び肢体施療用空気袋31,32を膨張させて足首側部位のホールドをすればよい。
【0046】
次に、施療位置変更モードを含んだ前側膨縮モードで下腿をマッサージする場合を図7により説明する。図7(A)は各台要素25,26、29,30が夫々基準位置にある状態を示しており、この状態で、図示しない着座者の下腿が前後に隣接した施療凹部20に収容される。
【0047】
図7(B)は、後側の台要素29,30に配設されている肢体施療用空気袋33,34が膨張保持された状態を示している。この状態は、制御部58により第2の電磁弁55を給気状態に維持することで実現される。これにより、下腿の膝側部位が幅方向の両側から膨張された肢体施療用空気袋33、34で挟まれてホールドされる。
【0048】
図7(C)は、肢体施療用空気袋33、34で脚の膝側をホールドしたまま前側の台要素25,26を所定角度回動させた状態を示している。この回動は、制御部58により第5の電磁弁66を開くとともに第3の電磁弁56を給気位置とすることにより、台回動用空気袋36,37を同期して膨張させて行われる。そして、膨張完了後には制御部58により第5の電磁弁66が閉じられるので、図7(C)の状態が保持される。図7(B)と図7(C)とは前側の台要素25,26に対する施療位置変更モードを示している。
【0049】
図7(D)は、図7(C)の状態から前側の台要素25,26の肢体施療用空気袋31,32を同期して膨張させた状態を示しており、これにより、下腿の足首側部位が径方向に沿って側方から圧迫される。図7(E)は、図7(D)の状態から前側の台要素25,26の膨張状態にあった肢体施療用空気袋31,32を同期して収縮させた状態を示しており、これにより、下腿の足首側部位に対する圧迫が解放される。こうした肢体施療用空気袋31,32の膨縮は、制御部58で第1の電磁弁54を給気位置と排気位置とに切換えて所定回数行われる。こうした図7(D)と図7(E)との繰り返しにより、下腿の足首側部位について図7(C)の段階で変更された施療位置に対するエアーマッサージが施される。
【0050】
図7(F)は、エアーマッサージ終了後に、図7(E)の状態から制御部58で第3の電磁弁56を排気位置に切換えて、台回動用空気袋36,37から排気をして、これらの空気袋36,37を収縮させた状態を示している。
【0051】
図7(G)は、以上のようにして前側の台要素25、26が基準位置に戻された後に、制御部58で第2の電磁弁55を排気位置に切換えて、肢体施療用空気袋33,34から排気をして、これらの肢体施療用空気袋33,34を収縮させて、図7(A)の状態に戻された状態を示している。
【0052】
なお、図7(A)〜(G)に示した下腿の足首側部位マッサージにおいて、図7(D)及び図7(E)の状態では、肢体施療用空気袋33,34から排気をしてこれら肢体施療用空気袋33,34による下腿における膝側部位のホールドを解除することも可能であるが、そうした場合には、図7(E)から図7(F)のように台要素25,26を戻す際に、再び肢体施療用空気袋33,34を膨張させて膝首側部位のホールドをすればよい。
【0053】
又、以上説明した施療位置変更モードは、図4(B)に示したように後側の台要素29,30の位置が変更された状態で、前側の台要素25,26の位置を変える場合にも実行できる。この場合、斜めに保持されている後側の台要素29,30の肢体施療用空気袋33,34を膨張保持させて、下肢の膝側部位をホールドしてから、台回動用空気袋36,37を膨張保持させることにより、前側の台要素25、26を回動させて後側の台要素29,30と同じ姿勢に保持すればよい。これにより、下腿の周方向に対して後側の台要素29,30に設けた肢体施療用空気袋33,34の施療位置とともに、下腿の周方向に対して前側の台要素25,26に設けた肢体施療用空気袋31,32の施療位置も、図4(A)基準位置に対して変更できる。
【0054】
同様に、以上説明した施療位置変更モードは、図4(C)に示したように前側の台要素25,26の位置が変更された状態で、後側の台要素29,30の位置を変える場合にも実行できる。この場合、既に斜めに保持されている前側の台要素25,26の肢体施療用空気袋31,32を膨張保持させて、下肢の足首側部位をホールドしてから、台回動用空気袋38,39を膨張保持させることにより、後側の台要素29,30を回動させて前側の台要素25,26と同じ姿勢に保持すればよい。これにより、下腿の周方向に対して前側の台要素25,26に設けた肢体施療用空気袋31,32の施療位置とともに、下腿の周方向に対して後側の台要素29,30に設けた肢体施療用空気袋33,34の施療位置も、図4(A)基準位置に対して変更できる。
【0055】
前記各施療位置変更モードでは、既述のように前後方向に並んだ台要素の内の一部の台要素(本実施形態では一方の台要素)に設けた肢体施療用空気袋を膨張保持させた状態下で、他の台要素(本実施形態では他方の台要素)を、それに対応して設けた台回動用空気袋で回動させて、この他の台要素に設けた肢体施療用空気袋の下腿の周方向に対する施療位置を変えている。このように台要素の回動を伴う施療位置の変更は、下腿の一部、本実施形態では膝側部位又は足首側部位を空気袋でホールドした状態で行われる。このホールドによって、施療凹部20内の下腿が納まっている着座者の両足が、回動される台部材及びこれに取付けられた空気袋等に引き摺られて捻られることを抑制できる。
【0056】
すなわち、前記構成の下腿用マッサージ装置21は、両足を捻ることを抑制しつつ下腿の周方向に対する施療位置を変更できるので、足が捻られることにより足に不自然な力が加わり、それによる不快感を覚えた状態のままで、下腿に対するエアーマッサージが行われることがない。
【0057】
本発明の第2実施形態を図8及び図9を参照して説明する。この実施形態は基本的には第1実施形態と同じであるので、第1実施形態と同じ部分には同一符号を付してその説明を省略し、以下第1実施形態とは異なる事項を説明する。第2実施形態では、第1実施形態とは異なり、左右一対の前側の台要素に対する台回動用空気袋を夫々複数設けるとともに、左右一対の後側前側の台要素に対する台回動用空気袋を夫々複数設けている。
【0058】
すなわち、一方の前側の台要素25を段階的に回動させるために台回動用第1空気袋36aと台回動用第2空気袋36bとが用いられている。図8に示すように空気袋36a、36bは、その一側縁を連結部材45に取付けて、互に重なって設けられている。他方の前側の台要素26を段階的に回動させるために台回動用第1空気袋37aと台回動用第2空気袋37bとが用いられている。これらの空気袋37a、37bも、その一側縁を連結部材45に取付けて、互に重なって設けられている。
【0059】
同様に、図9に示すように一方の後側の台要素29を段階的に回動させるために台回動用第1空気袋38aと台回動用第2空気袋38bとが用いられている。これらの空気袋38a、38bは、その一側縁を連結部材46に取付けて、互に重なって設けられている。他方の前側の台要素30を段階的に回動させるために台回動用第1空気袋39aと台回動用第2空気袋39bとが用いられている。これらの空気袋39a、39bも、その一側縁を連結部材46に取付けて、互に重なって設けられている。
【0060】
図9に示すように同期して膨縮される台回動用第1空気袋36aと台回動用第1空気袋37aとは、供給管61から分岐された第6の供給管61fに、第7の電磁弁71及び第8の電磁弁72を順次介して接続されている。同期して膨縮される台回動用第2空気袋36bと台回動用第2空気袋37bとは、供給管61から分岐された第7の供給管61gに、第9の電磁弁73及び第10の電磁弁74を順次介して接続されている。
【0061】
同様に、同期して膨縮される台回動用第1空気袋38aと台回動用第1空気袋39aとは、供給管61から分岐された第8の供給管61hに、第11の電磁弁75及び第12の電磁弁76を順次介して接続されている。同期して膨縮される台回動用第2空気袋38bと台回動用第2空気袋39bとは、供給管61から分岐された第9の供給管61iに、第13の電磁弁77及び第14の電磁弁78を順次介して接続されている。
【0062】
第7の電磁弁71、第9の電磁弁73、第11の電磁弁75、及び第13の電磁弁77は、いずれも開閉弁であり、これらは制御部58により開閉制御される。第8の電磁弁72、第10の電磁弁74、第12の電磁弁76、及び第14の電磁弁78は、いずれも給気位置と排気位置とのいずれかを選択する切換え弁であり、これらは制御部58により切換え制御される。
【0063】
重なり合った台回動用空気袋の内の一方を膨張保持することにより、その袋で押される台要素は、膨張した台回動用空気袋の膨張に見合った第1の回動位置に移動される。この状態を、図8の左側位置に示した台回動用第1空気袋37a及び台回動用第2空気袋37bと台要素26との関係で代表する。
【0064】
この場合、台要素26の回動は、制御部58により第7の電磁弁71を開くとともに第8の電磁弁72を給気位置に切換えて、台回動用第1空気袋37aを膨張させ、この後に、制御部58が第7の電磁弁71を閉じ状態に保持して台回動用第1空気袋37aを膨張状態に保持することでなされる。これにより、膨張した台回動用第1空気袋37aによって回動された台要素26が、図8の左側位置に示した第1回動位置に保持される。なお、この場合、台回動用第1空気袋36aも同期して膨張保持されるので、台要素25が台要素26とは逆回りに基準位置から回動して同じく第1回動位置に配置される。又、その他の台要素29,30を基準位置から第1の回動位置に回動させる場合にも、同様の制御がなされる。
【0065】
重なり合った複数の台回動用空気袋を膨張保持することにより、それらの袋で押される台要素は、膨張した複数の台回動用空気袋の膨張に見合った第2の回動位置に移動される。基準位置から第1の回動位置までの回動角度θ1より、基準位置から第2の回動位置までの回動角度θ2の方が大きい。第1の回動位置に配置されていた台要素が第2の回動位置に配置された状態を、図8の右側位置に示した台回動用第1空気袋36a及び台回動用第2空気袋36bと台要素25との関係で代表する。
【0066】
この場合、台要素25の回動は、制御部58により第9の電磁弁73を開くとともに第10の電磁弁74を給気位置に切換えて、台回動用第2空気袋36bを膨張させ、この後に、制御部58が第9の電磁弁73を閉じ状態に保持して台回動用第2空気袋36bを膨張状態に保持することでなされる。これにより、膨張した台回動用第2空気袋36bによって第1の回動位置から回動された台要素25が第2回動位置に保持される。なお、この場合、台回動用第1空気袋37bも同期して膨張保持されるので、台要素26が台要素25とは逆回りに第1の回動位置から回動して同じく第2回動位置に配置される。又、その他の台要素29,30を第1の回動位置から第2の回動位置に回動させる場合にも、同様の制御がなされる。
【0067】
前記のように台要素を第1の回動位置と第2の回動位置とに選択的に動かすことができるので、例えば台要素25,26との関係で代表すれば、はじめに、台要素25,26を第1の回動位置に回動させた状態に保持し、この後に台要素25,26を第2の回動位置に回動させた状態に保持し、夫々の保持位置で肢体施療用空気袋31,32を繰り返し膨縮させて、施療凹部20に収まっている下腿をエアーマッサージできる。これと同様なマッサージ動作は、台要素29,30においても実施できる。
【0068】
したがって、例えば,はじめに前側の台要素25,26を第1の回動位置に位置させた後に、後側の台要素29,30を第1の回動位置に配置し、次に、前側の台要素25,26を第2の回動位置に位置させた後に、後側の台要素29,30を第2の回動位置に配置することができる。言い換えれば、前側の台要素25,26と後側の台要素29,30とを交互に所定角度ずつ回動させて、夫々の回動位置でエアーマッサージをすることができる。このように全ての台要素25,26,29,30が、順次、基準位置から第1の回動位置へ、第1の回動位置から第2の回動位置へを回動される場合、若しくはこの逆方向に回動される場合には、既述の施療位置変更モードが、前側の台要素25,26の肢体施療用空気袋31,32と、後側の台要素29,30の肢体施療用空気袋33,34とについて交互に実施される。なお、このように交互に実施される施療位置変更モードを、ここでは交互施療モードと称する。
【0069】
したがって、第2実施形態でも、着座者の両足を捻ることを抑制しつつ下腿の周方向に対する施療位置を変更してエアーマッサージができる。しかも、この場合に、前記交互施療モードによって、下腿の周方向に対する施療位置の変更を複数にできる点で優れている。
【0070】
又、第2実施形態では、左右一対の回動用第1空気袋を同期させて膨縮させるとともに、左右一対の回動用第2空気袋も同期させて膨縮させるようにしたが、これらの空気袋は単独に回動できるようにすることもできる。しかし、この構成に比較して、以上のように同期させる構成では、台要素25,26、29,30を回動させるために要する電磁弁の数を少なくできる点で好ましい。
【0071】
なお、本発明は前記各実施形態には制約されない。例えば、台要素を回動させる台回動手段は、電動機などの動力源により動作されるカム等を用いて構成することも可能である。又、本発明の肢体用マッサージ装置は、人体の下腿ではなく、人体の腕をマッサージするものにも適用できる。又、本発明の肢体用マッサージ装置は、椅子とは関係なく独立して使用できるものとしてもよく、この場合、マットの上などに置いて使用するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】本発明の第1実施形態に係る下腿用マッサージ装置を備えた椅子式のマッサージ機を示す斜視図。
【図2】図1の下腿用マッサージ装置を前側から見て一部を切り欠いて示す図。
【図3】図1の下腿用マッサージ装置を後側から見て一部を切り欠いて示す図。
【図4】(A)〜(C)は図1の下腿用マッサージ装置が備える下肢載せ台の一部を夫々異なる状態で示す斜視図。
【図5】図1のマッサージ機の給排気系統を示すブロック図。
【図6】(A)〜(G)は施療位置変更モードを含む第1マッサージモードで図1の下腿用マッサージ装置を動作させた場合の動作を順に示した図。
【図7】(A)〜(G)は施療位置変更モードを含む第2マッサージモードで図1の下腿用マッサージ装置を動作させた場合の動作を順に示した図。
【図8】本発明の第2実施形態に係る下腿用マッサージ装置を前側から見て一部を切り欠いて示す図。
【図9】図1のマッサージ機の給排気系統を示すブロック図。
【符号の説明】
【0073】
1…マッサージ機、20…施療凹部、21…下腿用マッサージ装置(肢体用マッサージ装置)、22…下肢載せ台(肢体載せ台)、25,26…前側の台要素、29,30…後側の台要素、31〜34…肢体施療用空気袋、36〜39…台回動用空気袋(台回動手段)、36a〜39a…台回動用第1空気袋(台回動手段)、36b〜39b…台回動用第2空気袋(台回動手段)、50…エアー給排気装置(駆動装置)、58…制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
人体の肢体が出し入れされる施療凹部を有した台要素を前後方向に複数並設した肢体載せ台と、
前記各台要素の夫々にその施療凹部の両側面の少なくとも一方の配設され、前後方向に隣接した前記施療凹部にわたって収容された前記肢体をマッサージする肢体施療用空気袋と、
前記各台要素を周方向に夫々回動させる複数の台回動手段と、
前記各肢体施療用空気袋の膨縮動作及び前記各台回動手段の動作を制御する制御部を有した駆動装置と、
を具備し、
前記制御部が、一部の台要素に配設された肢体施療用空気袋を膨張保持させた状態下で他の台要素を前記台回動手段で回動させて施療位置を変える施療位置変更モードを有している肢体用マッサージ装置。
【請求項2】
人体の肢体が出し入れされる施療凹部を有した前側の台要素と後側の台要素とを前後方向に並設した肢体載せ台と、
前記各台要素の夫々にその施療凹部の両側面の少なくとも一方に配設され、前後方向に隣接した前記施療凹部にわたって収容された前記肢体をマッサージする肢体施療用空気袋と、
前記各台要素を周方向に夫々回動させる複数の台回動手段と、
前記各肢体施療用空気袋の膨縮動作及び前記各台回動手段の動作を制御する制御部を有した駆動装置と、
を具備し、
前記制御部が、前記前側の台要素と後側の台要素の内の一方の台要素に配設された肢体施療用空気袋を膨張保持させた状態下で、他方の台要素を前記台回動手段で所定角度回動させて、前記前側の台要素と後側の台要素とによる施療位置を交互に所定角度ずつ回動させるとともに、回動された方の台要素に配設された肢体施療用空気袋を膨縮させてエアーマッサージを実行させる交互施療モードを有している肢体用マッサージ装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate